凛「そんなの凛聞いてないよ!?」ことり「私に質問するな」 (949)

ことり「ここは音楽の鳴り止まぬ街、音都。おっとっとじゃないよ、おんとだよ」

凛「そして凛たちのいるここが東條西木野☆探偵事務所!希ちゃんと真姫ちゃんが探偵をして、凛が所長なんだよ!」

ことり「元は星空☆探偵事務所、って名前で、凛ちゃんのお父さんが所長だったんだよね?」

凛「うん。…だけど、とある事件でお父さんは死んじゃって…、今はこの三人で経営してるんだにゃ」

希「…そしてー?ことりちゃんはなんやったんやっけ?」

ことり「あ、うん。私は音都警察署の刑事で、超常犯罪捜査課を立ち上げた若きエリート、ってところかな」

真姫「フン。自分からエリートを名乗るなんて鼻につくポジションだわ」

凛「よく自分を天才扱いしてる真姫ちゃんが言えたことじゃないと思うけどね…」

希「そしてうちらがやってることはただの探偵業や警察官ってだけじゃない。もっと大事な使命も背負ってるんやよね」

ことり「うん。それが…、この街のヒーロー。名前を、仮面アイドル」

真姫「誰よ今ダサいって言ったの!」

凛「だ、誰も言ってないと思うにゃ…。たぶん」

希「この街には人を圧倒的力を持つ超人『ドーパント』に変えるアイテム、ガイアメモリが流通してる」

希「それを使って悪さをしようとしてる人が後を立たないんや」

凛「そんなことを耳にすればすぐに駆けつけて希ちゃんと真姫ちゃんがそいつをやっつける!」

真姫「二人で一人のアイドル…、仮面アイドルMuseに変身してね」

ことり「ちょっと!私を忘れてない?私だって、この街を守るアイドルの一人なんだから!」

希「せやったね。ことりちゃんも変身して戦えるようになったんだっけ。名前は…」

真姫「…まぁ、こっちはあんまり口に出さないようにしましょう。ややこしいし」

ことり「え、ひどいちゅん…」

凛「…んまぁ…、初見の人にもこれで空気はだいたい掴んでもらえたと思うので、ここからはメタな話にゃ」

真姫「このスレはラブライブ!によるとある作品のパロディSSよ。…まぁ、はっきり言うと『仮面ライダーW』パロね」

希「前スレ『希「ここが、うちの探偵事務所や!」真姫「それを言うなら私たちの、でしょ?」(希「ここが、うちの探偵事務所や!」真姫「それを言うなら私たちの、でしょ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398434859/))』の続きに当たるスレ、やね」

凛「ここまでで興味が沸いたって人がいれば是非そちらを先に読んでみてほしいですにゃ」

ことり「そして注意事項、だね。このSSは安価をところどころに使用します。って言っても、ストーリーに深く関わるような安価は少なめ、だけどね」

真姫「ひとつの話の軸となるガイアメモリや登場人物、キャラの個性を決めるためだったり、あとは端々の下らない会話にも使われる程度、ね」

ことり「そしてこれが一番大事なことなんだけど…、このSSには数多くのオリジナルの設定が含まれているの」

凛「具体的には、『キャラクターの年齢が違う』、『オリジナルのガイアメモリが出る』、『多少の性格改変』、『登場人物の家族構成』などなどにゃ」

希「更には苗字が違うだけの同一人物もキャラ稼ぎのため数多く存在します。矢尻にこだったり矢西にこだったり矢敷にこだったりね…」

真姫「そこのところご了承していただきたいわね。寛容な精神で読んでもらえると助かるわ」

凛「あとはまぁ…、ここや前スレの雰囲気を見てなんとなく察してほしいにゃ。他にも注意事項があれば後で付け足していくね!」

ことり「それじゃ、長くなりすぎる前にそろそろ始めちゃおうか?」

真姫「そうね。それじゃ始めていきましょう。…その前に登場人物紹介を、一応挟んでからね」

凛「だいたいこんな感じに改変してるよ、ってのを確認するためにもね」

希「んじゃ、いつもの決めセリフでまえがきは終わらせよか。…せーのっ」


四人「「「「これで決まり(や/よ/にゃ/ちゅん)!!」」」」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402929185

登場人物紹介


1.主要メンバー


東條希

22歳。東條西木野☆探偵事務所に勤める探偵の一人。
変身ベルト「ミューズドライバー」を使用することで仮面アイドルMuseに変身する。
服装はまんま左翔太郎コス。
最近は特にハードボイルドにこだわりがなくなってきた。どちらかといえばスピリチュアルを目指している。


西木野真姫

(外見は)およそ18歳。東條西木野☆探偵事務所に勤める探偵の一人。
変身ベルト「ミューズドライバー」を使用することで仮面アイドルMuseに変身する。
自らの精神の中に、地球のあらゆる情報を楽譜として記憶している『音楽室』を持つ、探偵事務所のブレイン。
凛の父親に「アイドルのように可愛い」と言われたことでアイドルが好きになり、将来は自分もアイドルを目指す、と考えている。


星空凛

20歳。東條西木野☆探偵事務所の所長。
1年前の事件で父親を亡くしており、その跡を真姫に押し付けられて所長となった。
戦闘能力は皆無だが、希よりも会話術に長けたり、探し物のスキルは事務所内随一だったりする。
損な役回りを押し付けられがちだが、とあるメモリに対する耐性があったりなかったり…?


南ことり

21歳。音都警察署に超常犯罪捜査課を立ち上げるために音都へと帰ってきた若きエリート。
変身ベルト「チェスドライバー」を使用することで様々な仮面アイドルへと変身する。服装はまんま照井竜コス。
およそ半年前に唯一の家族である母親をMのメモリの持ち主により殺害された事で、その人物への復讐に燃えている。
普段はおっとりとして柔らかな物腰だが、事件や戦闘になると性格が一変する。Mのメモリの持ち主関連となると鬼のようになる。あと腹黒。



2.準レギュラー


高坂穂乃果

20歳。希たちに事件の情報を与える情報屋をしている。主にフルーツパーラーで甘いものを食べている。
音都に来たばかりで若干空気に慣れていないところもあるが、最近この町の情報屋のノリ、というものを学んだらしい。


高崎穂乃果

21歳(故)。かつてこの街で情報屋をしていた。男物の革ジャンを好んで着用している。
優秀な情報屋だが女性に対しては情報代の代わりにセクハラまがいの無茶ぶりをすることで欲求を満たすアブナイお姉さんだった。
希たちのような英雄に憧れた結果ガイアメモリに手を染めてしまい、力を行使しすぎた挙句メモリの副作用により精神が崩壊、
さらにメモリの過剰適合者だったため完全にメモリと一体化してしまい、最後はMuseによって撃破される。
過去編とかあったら時々出てくるかも。


矢西にこ、和泉花陽

22歳(にこ)、20歳(花陽)。どちらも音都警察署に勤める婦警。
かつてガイアメモリの被害を受けた数少ない警官ともあってか、(半ば無理やり)超常犯罪捜査課へと配属された。
二人共ヒーローに憧れている。元モブの二人なので苗字が違うけど気にしないでね。

3.主な敵


綺羅ツバサ

謎の組織UTXの幹部の一人。使用するメモリは不明。
今のところUTXの中間管理職的な立ち位置でぶっちゃけ影が薄い。これから活躍する、…はず。


統堂英玲奈

謎の組織UTXの幹部の一人。使用するメモリは『ドロレス(Dolorous)メモリ』。
普段はクールだが一度笑うと収まりがつかない。組織に歯向かう人間をゴミのように葬ることに快感を覚える。
メモリを使用して、光弾を発射したり相手の精神に干渉して幻覚を見せたり激痛を感じさせたりできるドロレス・ドーパントに変身する。


優木あんじゅ

謎の組織UTXの幹部の一人。使用するメモリは『アグリネス(Ugliness)メモリ』。
表向きは超人気スーパーアイドルとして有名だが、人の命をなんとも思わない残酷な面も持ち合わす。
可愛い女の子が大好きで多くのガールフレンドを持つが、その中でも希が一番のお気に入り。現在は英玲奈の罰で連絡を禁じられている。
ドーパントに変身すると、超再生能力と人間の細胞をドロドロに溶かす力を持つアグリネス・ドーパントとなる。


綾瀬絵里

元UTX直属のガイアメモリ専門の売人。使用するメモリは『ディコーラム(Decorum)メモリ』。
若くして事故死した妹、絢瀬亜里沙の夢「人の夢を叶える仕事」を叶えるため、ガイアメモリの売人となった。
しかし希の説得によってガイアメモリの売人は間違っていると思い直し、足を洗うことを決意。
が、英玲奈の個人的な恨みとUTXを去る者への粛清として精神に多大なダメージを負わされ、最後は妹の幻覚を見ながら海へ沈んだ。
幼少期からフェンシングを習っていて、腕前はプロ級。売人となってからも強い者と闘うことを追求する性格だった。
分身能力と飛行能力を兼ね備えたディコーラム・ドーパントに変身できた。


UTX総帥

謎の組織UTXを統べる謎の人物。喋り口調は女性。
基本部下任せで暇なのでツバサとよくチェスをしている。が、大体負ける。



4.その他


シュラウド

顔面包帯巻きで黒いコートを羽織った謎の女性。
真姫にワイルドメモリを渡したりことりにドライバー一式を渡したりするなど、手助けをすることが多いが真意は不明。
元ネタと違い口調は丁寧語をよく使う。


星空凛太郎

凛ちゃんのお父さん。星空☆探偵事務所の所長であり、希の師匠。
1年前の事件で希をかばったことで命を落とす。仮面ライダーステラに変身できた。
ハードボイルドってわけでもなくかなり軟派な性格でよく希や凛にオヤジ臭いセクハラ発言もしていた。



5.仮面アイドル


仮面アイドルMuse

希と真姫が変身する仮面アイドル。基本仮面ライダーWのパクリ。
右半身が真姫の顔、左半身が希の顔となって変身する。
ソウルメモリ側は音楽関連、ボディメモリ側はタロット関連のメモリとなっている。
急にメモリの種類が増えるような気もしているがそれは気のせいで最初からたくさん持ってる。


仮面アイドルナイト

ことりが変身する仮面アイドルのひとつ。武器の大型バット、ポーンバスターを奮って闘う。
説明すると長くなるので詳しくは前スレの最後らへんを見てください。


希「…ふぅ、こんなもんかな?」

真姫「もはや原作の面影は欠片ほどしかないけれど気にせず楽しめるスタンスをおすすめするわ」

凛「それじゃ、次から本編、はじめていくにゃー!」

???


あんじゅ「…」ブスー

英玲奈「あんじゅ」

あんじゅ「…」ブスー

英玲奈「あんじゅ」

あんじゅ「…何」

英玲奈「せっかく私が膝枕されているっていうのに素っ気ないじゃないか。もっと甘えた声を出して」

あんじゅ「…イヤ」

英玲奈「…珍しいわね。あんじゅが私の命令に逆らうなんて。…どうしたの?」

あんじゅ「…言ったら怒るから言わない」

英玲奈「怒らない。メモリも使わないから。ほら、メモリはここへ置いておく。さ、何?」

あんじゅ「…」

英玲奈「…あんじゅ。私はあんじゅがなにを考えているか知りたいだけ。ダメ?」

あんじゅ「…希ちゃん」

英玲奈「え?」

あんじゅ「希ちゃんと…、会いたい」

英玲奈「…東條希の、こと?彼女は…」

あんじゅ「わかってる!…けど…、まだ、抜けないの…。お仕置きを受けた後でも、好き、って気持ちが…」

英玲奈「…」

あんじゅ「希ちゃんのこと…、忘れられなくて…。英玲奈には悪いとは思うけど…、でもやっぱり、自分に嘘はつけないの…」

あんじゅ「私が一番好きなのは…、希ちゃん。多分…、初恋だと思う」

英玲奈「ふぁっ」

あんじゅ「!?」

英玲奈「…失礼。予想外すぎる言葉のせいで変な声が出ちゃった。はぁ…、まさか…、初恋、ね…」

英玲奈「ついにお友達、の上を行ってしまった、というわけか…」

あんじゅ「…会えない時間、ずっと希ちゃんのことを考えていたら…、もっと好きになっちゃって…」

あんじゅ「い、今じゃ…、その…、希ちゃんで…、ゴニョゴニョ…」

英玲奈「…引くわ」

あんじゅ「うぎゅっ…!で、でも!!それくらい本気なの!お願い…!英玲奈、許して…!この気持ちは…、初めてだから…、だから…!」

英玲奈「…」

英玲奈「仕方、ないな」

あんじゅ「えっ…?」

英玲奈「…あんじゅがそこまで言うなら、仕方ない。私も、それを手伝おう」

あんじゅ「えっ…、そ、それ…、って?」

英玲奈「決まっているでしょう?あんじゅと、東條希が恋人同士になるよう、仕向けるの」

あんじゅ「え、えぇぇぇぇぇぇっ!!!?う、嘘ぉっ!?」

英玲奈「嘘じゃない。あんじゅには嘘はつかないわ。そう、題して…」

英玲奈「『ドキドキ☆絶頂!ふたりはラブラブバカップル大作戦!!~ポロリもあるよ~』なんてどうか」

あんじゅ「…無表情でそのセリフはシュールすぎて笑いすら出ないわ」

ツバサ「…それで、そのつまらないのに私も付き合え、って?」

英玲奈「そうだ」

あんじゅ「ごめんなさい、ツバサちゃん…。英玲奈、言いだしたら止まらないところあるから…」

ツバサ「えぇ、知ってる。いつからの付き合いだと思ってるのよ」

英玲奈「…ツバサ、これはただの二人をカップルにさせるだけの作戦じゃない」

ツバサ「と、言いますと?」

英玲奈「うまくいけば、Museを無効化させるだけじゃなく、こちらに付き従わさせることだって夢ではない」

ツバサ「…へぇ、それは興味深いわね…。どういうことか、説明してもらえる?」

英玲奈「今回の作戦には、ガイアメモリを使用する。…私が扱っている、精神操作系のメモリだ」

英玲奈「その名も、『エクスタシーメモリ』。これはかなり危険なメモリだが…、今回は致し方ない」

ツバサ「えくすたしー…。一応聞いておくと…、どんな能力なのかしら?」

英玲奈「聞いて字のごとく、相手を絶頂させるメモリだよ。ただ絶頂させるだけじゃない、特定の条件下、タイミングを自在にコントロールして絶頂させられる」

ツバサ「相変わらず趣味の悪いメモリね…」

英玲奈「このメモリの力を東條希に作用させ、あんじゅと食事でもさせよう」

英玲奈「そこであんじゅが事あるごとに東條希を誘い、その度に軽い絶頂を味わわせる」

英玲奈「食事が終わるころには脳内で分泌された快楽物質で正常な判断は不可能。そこからホテルへ連れ込む」

英玲奈「そこで本番へと洒落込み、今度は先程までとは比べ物にならない快楽を東條希に与える。そうすれば彼女はもうあんじゅの虜、というわけさ」

ツバサ「快楽の奴隷、ってことね…。でも、もうひとり…。『西木野真姫』はどうするの?彼女こそMuseの核のようなものなのに。彼女を抑えなければMuseがこちらのモノになるとは言えないわよ」

英玲奈「それに関しては問題ない。彼女はあんじゅの大ファンであることがわかりきっている。ならば彼女も東條希と同じように快楽漬けにすればころっとこちらへなびくだろう」

ツバサ「ふむふむなるほど…。フフ…、思ってたよりなかなか面白そうな作戦じゃない…」

英玲奈「せやろ?」

ツバサ「なんで関西弁…?」

英玲奈「すまない。先程まであんじゅとシミュレーションしていたせいで東條希の口調が抜けきってなくて…」

ツバサ「それすごく見たかったわね…」

英玲奈「というわけだ。ツバサもあんじゅに付き合ってもらう。いいね?」

ツバサ「アッハイ。…で?そのエクスタシーメモリは誰が使うの?」

英玲奈「あぁ、それは彼女だ。もう呼んである」

英玲奈「おいで、>>7

雪穂

英玲奈「おいで、雪穂」

雪穂「はい!は、はははは、はじめますて!わたす小坂雪穂いいます!おみすりおきを!」

ツバサ「どこの人…?」

雪穂「しっ、失礼しました!あのっ…、緊張すると地元の方言が出ちゃうタチで…」

ツバサ「そんなに緊張しなくていいわよ。…あら、あなたUTXの社員?」

雪穂「はいっ!それで…、入社した時からツバサ様や英玲奈様…、そしてあんじゅ様は私にとって憧れの的…!」

雪穂「それをこんな至近距離でお顔を拝見できるだなんて…!!私感激で股間がびしょ濡れです!」

ツバサ「余計なこと言わなくていいから…」

雪穂「そ、それにですねっ!帰ったらいっつもツバサ様で[田島「チ○コ破裂するっ!」]してるんです!」

ツバサ「何告白してくれてるのかしらこの子は」

英玲奈「雪穂、そんな[田島「チ○コ破裂するっ!」]なんて言葉、公共の場で発するべきじゃない。[田島「チ○コ破裂するっ!」]は恥ずかしい言葉だ」

雪穂「そ、そうですよね![田島「チ○コ破裂するっ!」]なんてダメですよね!すいませんいっつも[田島「チ○コ破裂するっ!」]のことしか考えてないんでつい!」

ツバサ「さっきから得体の知れないものが破裂しまくってるからその辺にしておきなさい」

雪穂「は、はいすみません…」

ツバサ「それで…、あなたがエクスタシーメモリの使い手、だったわよね?」

雪穂「はい!英玲奈様に適合者であることを見出されて…、この度エクスタシー・ドーパントへと相成りました!」

ツバサ「あら、ってことは今までメモリの力を使ったことはないの?」

雪穂「はい!初めてです!う、うまく使えるか少し心配です…」

ツバサ「それはいけないわね…。そうだ、誰かで実験してみたら?」

雪穂「へっ…?じ、実験ですか…?」

ツバサ「えぇ、ここにいる誰かを、実際に絶頂させてみる、っていうのはどうかしら」

雪穂「い、いいんですかぁっ!?」

ツバサ「いいんじゃないかしら。力もこの目で確かめてしたいしね」

英玲奈「ツバサ、それは少し危険な気が…」

ツバサ「平気でしょ少しくらい。さ、あなたが選んで?」

雪穂「え、わ、私…?誰でも、いいんですか…?」

ツバサ「えぇ、私でも英玲奈でも、あんじゅでもいいわ」

あんじゅ「え、勝手にそんな…」

雪穂「わ、わっかりましたぁっ!じゃあ…」

雪穂「>>10さんを絶頂させてみます!」

えれな

雪穂「え、英玲奈様を絶頂させてみます!」

英玲奈「わ、私か…。仕方ない…、さ、来い」

雪穂「はいっ!そ、それでは行かせていただきますっ…!!」\ェクスタシィィィンンッ!!/

ツバサ「なんかガイアウィスパーキモくない…?」

雪穂「やぁっ!」ピチュゥゥゥンッ!!

エクスタシー・D「そ、それでは…、よろしいですか?」

英玲奈「いつでもどうぞ…。ゴクリッ…」

エクスタシー・D「い、行きますよぉ…!ていっ!」ヒョナーン

英玲奈「…っ!う、ぎゅっ…」

ツバサ「どう…?」

英玲奈「う、きひっ…!」ガクガク

あんじゅ「わ、英玲奈の膝、ガクガクして…」

英玲奈「は、ぐぅっ…!!んにゃっ…!ら、らめ…!やめ、やめぇっ…!!」

ツバサ「どうやら存分に感じているみたいね…。もういいわ、止めてあげて?」

エクスタシー・D「…」

ツバサ「…雪穂?どうしたの?止めて…」

エクスタシー・D「そ、それが…」

ツバサ「…もしかして…」

エクスタシー・D「と、止め方がわかりません…」

ツバサ「や、やっぱり…」

英玲奈「しょ、しょんにゃっ…!あひぃっ!!ひぎぃっ!!も、らめっ…!こんなっ…、耐えられ…!!」

エクスタシー・D「す、すみません!あの…、効果時間に限りはあるはずなので、それまでなんとか…」

英玲奈「無理ぃっ!!こんっ…、なのって…!!こぉっ…!!んはぁぁぁぁっ!!!」ビグンビグンッ!!

あんじゅ「わわっ…!お、おっきいのが来ちゃったの…?」

英玲奈「ひぃぃぃぃぃっ!!止めてぇぇぇっ!!イってるのとめれぇぇっ!!ふひぃぃっ!くるじぃぃっ!!」

英玲奈「ああぁぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁっっ!!!でるぅっ!!股ゆるくなって…、なにか出るぅっ!!」

英玲奈「見るなぁぁぁっ!!二人共見るなぁぁぁっ!!絶対見ちゃダ…、あぁぁぁぁぁぁっ!!」

プッシャァァァァァァ…

英玲奈「ふやぁぁぁぁぁっ!!でたぁぁっ!!でてるっ…、いやらしいお汁…、噴いてっ…!!いやっ…、イヤぁ…!!」

英玲奈「ふぎぃぃっ!!まだっ…、イグっ…!!もう50回以上っ…!!イっ…!!ぐぎゃぁぁぁぁっ!!!」

あんじゅ「う、英玲奈…」

エクスタシー・D「あ、あぁ…、これは…。調整が必要ですかね…。期日までになんとかします…」

ツバサ「えぇ、お願い。力の使い方もマスターしてきてね?」

エクスタシー・D「はい、わかりました。…いやぁ、それにしても…、これはぁ…」

ツバサ「…えぇ、たまらないわね。ジュルッ…」


あんじゅ(私が希ちゃんと築きたいのはこんな奴隷みたいな関係じゃなくて…、もっと対等な…、どちらかといえば私が希ちゃんに甘える関係が良かったんだけど…)

あんじゅ(でも…、英玲奈が私に協力してくれるなんてそうそうないし…。それに、またとないチャンスであることはたしか…!)

あんじゅ(この期を逃してなるものか…!絶対に、希ちゃんの彼女に…!)


英玲奈「あひっ…、ふひっ…、ひ、ヒヒヒヒヒヒ…。アヒヒヒヒヒヒヒヒ…!!あはははははは!!あはははははははははははははははは!!!」

ツバサ「あらら…、壊れちゃった…。確かにこれは、危険なメモリね…」

東條西木野☆探偵事務所内


ピロンッ♪


希「…これは」


真姫「どうしたの、希?依頼が来たの?」ムニー

凛「ん、んにゃー…、真姫ひゃん、いくら暇らからって凛のほっへひっはらないれほひーにゃ…」

希「…いや、依頼じゃないけど…。えっと…、どう言えばいいのか…」

真姫「…?」

希「…まぁ、お友達からのお食事の誘い、よ。真姫ちゃんには関係ないやつ」

真姫「なんだ。つまんないの。…一緒に行ったら、ダメ?」

希「…うん、絶対にダメなの。ごめんね」

真姫「はぁ…、別にいいけど。お土産お願いね」

希「…うん。それより、凛ちゃんに話があるんやけど…。少し放してもらっていいかな?」

真姫「え?凛に?」

凛「ふぁ、ふぁにー?」



凛「にゃっ…、にゃにゃにゃ…!!!」

希「しー…、真姫ちゃんに聞こえる…!」

凛「う、うんっ…。でも、これ…。久しぶりに、きたね…」

希「しかもこの文面から溢れ出る誘ってる感…。これは…」

凛「希ちゃん…。今度こそ、覚悟するべきじゃないの…?」

希「うぐっ…、いや、前お酒の勢いに任せてホテルまでは行ったことあるけど…」

凛「んなっ…!ど、どうなったにゃ…?」

希「ズボン脱がされてお尻の穴舐められたところで目が覚めて逃げてきた…」

凛「あぁ…、この前のそれってそういう…。で、でも…、てことは、向こうは本気の可能性…」

希「高いかも、しれんね…。いや、あんじゅちゃんが他の女の子にもそういうことしてないとは限らないけど…」

凛「ど、どうするにゃ…?今度こそ、逃げられないかも…」

希「せやね…。対策されてると見てまず間違いない…。そうなると…」

凛「…」ゴクリッ

希「…凛ちゃん」

凛「任せて!」

希「…ありがとう」

凛「でも、凛だけじゃ不安にゃ…。もうひとり、仲間が欲しいにゃ…」

希「真姫ちゃんはダメだし…、となると…」

凛「あの人しか、いないよね…」

数日後 夜

高級料理店『sing a thing』前


あんじゅ「…っ」ドキドキ

英玲奈『あんじゅ、聞こえる?』

あんじゅ「えぇ、聞こえてる…」

ツバサ『こっちからもあなたが見えてる。大丈夫、とっても綺麗よ』

英玲奈『今回の店は貸切だ。怪しまれないようにエキストラは配置してあるが』

ツバサ『今日は周りにバレるとか一切考えないで楽しんでね』

英玲奈『幸いなことにあちらに私たちの顔は割れていない。西木野真姫と繋がれると厄介だが』

ツバサ『流石にあんじゅと食事中にドライバー装着することはないでしょう。だから私たちも客の一人として紛れ込むわ』

英玲奈『雪穂にも指示を出して好きなタイミングで軽い絶頂を感じさせるようにしている。あんじゅは何も考えずに食事するだけでいい』

ツバサ『ここぞ、って時にホテルへ誘い込むのよ!』

あんじゅ「わかった…、わかったわ…」

あんじゅ「うっ…」ドキドキ

あんじゅ(き、緊張する…!希ちゃん、早く来て…)


希「…っ」ドキドキ

凛『希ちゃん、聞こえる?』

希「うん、聞こえてる…」

凛『今凛たちは事務所にいるにゃ…。だからそっちは見えないけど…』

穂乃果『周りの声はちゃんと拾ってるから大丈夫!』

凛『もし希ちゃんがあんじゅちゃんに誘われてホイホイついていくようなことがあれば…』

穂乃果『穂乃果たちが大声で希ちゃんの目を覚まさせてあげるからね!』

凛『なんかエロい感じで誘われてもちゃんと凛たちがそれとなく受け流す感じの返答を考えるから!』

穂乃果『希ちゃんはただ食べることだけを考えて食事してね!性欲に振り回されちゃダメだよ!』

希「わかった…、わかってる…」

希「うっ…」ドキドキ

希(き、緊張する…!ほな、行くか…!!)



あんじゅ「…あっ」

希「お、おぉーい…、あんじゅちゃーん…」

あんじゅ「の、希ちゃんっ…」

希「あはは…、ま、待った…?ごめんね、遅れちゃって…」

あんじゅ「う、うぅん…。こっちも今きたところ…」

希「うっ…」

あんじゅ「ど、どうしたの…?なにか、私の顔、変かなぁ…?」

希(め、めっちゃ艶やかなドレス着てる…。メイクも尋常じゃないくらい気合入ってるし…)

希(でも…、それに触れたらあかん…!めっちゃ素っ気ない振りしてやり過ごすんや…、でないと…)

希(今宵…、うちの貞操が奪われかねない…!)

希「え、えっと…、せ、せやね…」

希「今日のあんじゅちゃん…、>>15やなぁ、って思って…」

めっちゃ可愛いん

希「今日のあんじゅちゃん、めっちゃ可愛いなぁ、って…」

あんじゅ「ほ、ホントっ!?嬉し…」

希「なんてっ、いつもと変わらへんか!あんじゅちゃんいっつも可愛いしね!」

あんじゅ「え…」

凛『うん、いい感じにゃ!上げて落とす作戦!』

穂乃果『どう考えても気合入れてるのにいつもと変わらないとか言っちゃう無神経さ!たまらないね!』

あんじゅ「う、えへへ…、そ、そっか…。可愛い、よね…」

英玲奈『あんじゅが心なしか落ち込んでいるように見えるのだけどなんでかしら』

ツバサ『褒められているって言うのに変な子ね』

あんじゅ(こいつら鈍感すぎでしょ…。任せたのは失敗だったかしら…)

希(よし…、効いてる…。無神経な男…、もとい女を装ってその気にさせない作戦…)

希(下手すれば友達関係にもヒビが入る可能性もあるけど…、でもごめん、あんじゅちゃん…)

希(うち…、女の子でヴァージン捨てるつもりはないから…。キスまでならまだしも…)

あんじゅ「あ…、そ、そういえば…、希ちゃんはいつもどおり、なんだね…」

希「え、あ、あぁ、まぁお食事くらいならこれでもいいかなってね。いつもと一緒やん?」

あんじゅ「う、うん…。いつも、その格好だったわよね…。うん…」

あんじゅ(うぇぇ…?ちゃんとメールにもおめかししてきて、って書いたはずなのに…)

あんじゅ(うまく伝わってなかったのかしら…?)

希(よし…、おめかしを要求されてるにも関わらず私服で来る無神経さ、これもよし…!)

希(そして最後にとっておきのが、そろそろ…!)

希「んーっと…」キョロキョロ

あんじゅ「…?どうしたの、希ちゃん…?なにか探してるみたいに首振って…」

希「ん、あぁ…、そろそろ来るかなぁ、って思って…」

あんじゅ「来る…?それって…」


ことり「希ちゃー、おまたせー」タッタッタッ


あんじゅ「えっ…!?」

英玲奈『んなっ…!?』 ツバサ『だ、誰…!?』

希「遅いやーん、どうしたん?」

ことり「うん、ごめーん。お洋服選びに時間食べちゃって」

あんじゅ「あの…、希ちゃん?どちら様、かなぁ…?」

希「あ、この子?うちの友達の…、南ことりちゃん。あんじゅちゃんに紹介したくて」

あんじゅ「えっ…」

ことり「はじめましてー。ことり、っていいます。あんじゅさんってあのテレビによく出てるアイドルさんなんですよね?」

あんじゅ「は、はい…」

ことり「わー、大ファンなんですよー。生で見れて嬉しいっ。握手してください」

あんじゅ「え、あぁ…、はい、ありがとうございます…」ギュッ

希「お食事も一緒に食べたいんやけど、ダメかなぁ…?」

あんじゅ「えっ…、あ、あぁ…、えっと、そうね…。うん、いい、けど…」

希「お、いいんやって。やったねことりちゃん」 ことり「うんっ!」

あんじゅ「…」

ことり(希ちゃん…。これでいいんだよね…?)

希(上々や…。わざわざ協力してくれてありがと…)

ことり(…全額おごりだからね)

希(承知の上や…)


ツバサ『これは流石に…。非常識すぎない…?デートに別の女を連れてくるなんて…』

英玲奈『あんじゅは本当にこの女のことが好きなの…?』

あんじゅ(…いつもはもっと私に気を使ってくれるのに…。今日は信じられないくらい無神経…)

あんじゅ(私の好きな希ちゃんはこんなのじゃないのに…。これじゃあ二人に誤解されちゃう…!)

あんじゅ(せ、せめて…、希ちゃんの印象だけは良くしておかないと…)

あんじゅ「ほ、ほら…、はっきりデートだって言わなかった私が悪いから…。ただのお食事会ならお友達連れてきてもおかしくないでしょ?」ヒソヒソ

ツバサ『あの文面見れば分かりそうなものだけど…』

英玲奈『…まぁいい。あの女はほうっておいても大丈夫だろう』

あんじゅ「うん…」

あんじゅ(そ、そうだよ…。隣の女なんて関係ない…。今は希ちゃんのことだけ…)

あんじゅ(希ちゃん…、絶対にモノにしてやるんだから…!)

あんじゅ「じ、じゃあ揃ったことだし、お店に入っちゃおうか」

ことり「そうね。行きましょう。希ちゃんも、ほら」ギュッ

希「あぁんもう。引っ張らんでも行くって、ことりちゃんっ♪」

ことり「うふふっ♪」

あんじゅ「…」




英玲奈「マズイ…。遠目から見てもあんじゅのテンションの下がり具合が目に見えるようだ…」

ツバサ「まぁ実際目に見えてるんだけど…。これじゃあんじゅがかわいそうになってきたわ」

英玲奈「私たちも早く店に入ろう。…しかし、雪穂は一体なにを…」


エクスタシー・D「しゅ、しゅみませんっ!遅れましたっ!」


ツバサ「遅いっ…、ってわぁっ…!いきなりドーパント…?」

エクスタシー・D「ついさっきあの東條って女の人に能力をかけてきましたので…」

英玲奈「このタイミングで…?別に好きな時に絶頂させられるなら必要ないんじゃ…」

エクスタシー・D「そ、それが…。メモリの調整をしていたらミスってしまって…、好きなタイミングで絶頂させることができなくなって…」

ツバサ「エェっ!?ど、どうするのよそれじゃあ…」

エクスタシー・D「だ、大丈夫です!あるシチュエーションに陥ったときに絶頂する機能なら残ってるんで!」

英玲奈「…しかしそちらの能力は…」

エクスタシー・D「は、はい…。完全ランダムで使用するまでどういうシチュエーションになるかは私でも…」

ツバサ「なんて不都合なメモリなの…。…で!?結局どうなれば東條さんは絶頂するわけ!?」

エクスタシー・D「えーっと、それが…」

エクスタシー・D「現在東條さんは>>22をすれば絶頂する身体になっています」

今日はこの辺で
友達関係を維持しながら誘いを断る流れってむずいっすね… 書いてて自分でもやりすぎじゃないかって思ってしまった
後々修正するからきっと大丈夫
侵食、の意味がよくわからんのだけど、つまり凛ちゃんはある系統のメモリに攻撃されても平気、ってことです
じゃあまた次回 ほなな

ほいじゃやっていくぞよ 今日はおそらく安価任せになるので不安だけどうまいこと出来たらいいな

エクスタシー・D「現在の東條さんは水を飲めば絶頂する体となってます」

英玲奈「ふむ…、なかなかの好条件…。液体を口に流し込むだけで快楽を感じてしまうカラダか…」

エクスタシー・D「あ、でも液体ならなんでもいいってわけじゃなくて…、絶対に水じゃないとダメなんですよね」

ツバサ「つまりワインやビールだと快楽は感じない、ってことよね?」

エクスタシー・D「そうです。…ごめんなさい、私が調整を間違えなければこんな面倒なことには…」

英玲奈「いや、かと言ってあのまま異常な絶頂を感じさせてしまえばあからさまに異変だと気づかれてしまうからね」

英玲奈「仮にあなたの存在が東條希に気づかれてしまったとしても、今回は私たちは守ることができない」

エクスタシー・D「え、そうなんですか…?」

ツバサ「私や英玲奈、あんじゅのメモリはこんな大勢の人がいる中で使用すると大変なことになりかねないからね」

ツバサ「過去のノイズメモリのように無意識下で大量殺戮が可能なメモリならまだしも、私たちのメモリは強力なぶん証拠が残りやすい」

ツバサ「こんなところで戦闘になれば多数の犠牲者は免れない。仮にもみ消すにしても多大な金と時間がかかるし…」

ツバサ「…完全にはもみ消せず証拠が残る可能性もある。それを警察にでも嗅ぎつけられたら私たち…、もとい総帥の計画はパーよ」

ツバサ「つまり、あなたのために中途段階の計画を放棄するわけにはいかない。バレたら自分で何とかしなさい、ってこと」

エクスタシー・D「わ、わかりました…。見つからないよう努力します…」

英玲奈「さて…、じゃあそろそろ私たちも予約した席であんじゅの恋の行方を見守ろうじゃないか」

ツバサ「あなたは指定した位置に隠れる場所があるから、一度変身を解除して潜入してから、そこから東條さんを監視しなさい」

エクスタシー・D「り、了解ですっ」



高級料理店『sing a thing』内


あんじゅ「…」


希「いやー、よかったね。2名の予約を急遽3名でもオッケーにしてくれるなんて」

ことり「うん、ダメなんじゃないかってヒヤヒヤしたよー」

あんじゅ(…あそこで店員がムリだって言ってくれたら今頃希ちゃんと二人きりになれたのに…)

あんじゅ(無理矢理でも押し切れば良かったかしら…。でもそんな姿を希ちゃんにあまり見せるのも…)

英玲奈『あんじゅ、聞こえているか』

あんじゅ「…何」ヒソヒソ

ツバサ『今の東條さんは水を飲めば絶頂するカラダになってる。できるだけ妖艶に水を飲ませなさい』

あんじゅ(妖艶に水を飲ませる…?)

あんじゅ「わ、わかった…」

希「ん?どしたん?食べたいもの決まった?」

あんじゅ「あ、いや…、食べたいものはまだだけど…。あー…、そう!喉乾かない?」

希「喉?そういえば…」

ことり「あ、そうね。走ってきちゃったから私も少し」

あんじゅ(あんたには聞いてないっての)

あんじゅ「だよね!よしっ、じ、じゃあ…、店員さーんっ。お水を…」

希「うち>>34が飲みたいなー」

ことり「あ、じゃあ私は>>35が飲みたい」

ジンジャーエール

ミルクティー

希「うちジンシャーエールが飲みたいなー」

ことり「あ、じゃあ私はミルクティーかなー」

あんじゅ「えっ」

店員「ご注文の方お決まりでしょうか」

あんじゅ「えっ、あ、あの…」

希「あ、まだ食べたいものは決まってないんですけど、先に飲み物だけ注文するのって大丈夫ですか?」

店員「はい、構いません」

希「それじゃあうちはジンジャーエールを」

ことり「私はミルクティー」

店員「ジンジャーエールがお一つ、ミルクティーがお一つですね。そちらのお客様は…?」

あんじゅ「え、あ…、じゃあ…」

あんじゅ「…水、3つで」


店員「お待たせいたしました。ジンジャーエール、ミルクティーと…」

店員「水3つでございます」

店員「ご注文がお決まりになりましたらまたお声掛けください」スタスタ


あんじゅ「…」

希「あ、あんじゅちゃん…。一人で水3つも飲むん…?」

ことり「相当喉が渇いてたのね…」

あんじゅ「ち、違うの!ほら…、そう、一応ね、一応お水もあったほうがいいかな、って希ちゃんとことりさんの分も…」

希「あぁ、そういうことやったん?まぁ、別にうちそんなに喉渇いてないからジンジャーだけで大丈夫やけど…」

ことり「私ちょっと猫舌気味だからミルクティーが少し冷めるまで水頂こうかな。んぐっ…」

あんじゅ(あんたが飲んでも仕方ないのよぉぉぉぉぉぉっ~~~~!!!)

あんじゅ「はぁ…」

希「…っ」

希(…あんじゅちゃん、溜息してたな…。やっぱり、素っ気無さ過ぎたかな…)

希(せっかくうちのために貴重な時間を割いてくれてるんやからせめて楽しんで帰ってもらわないと申し訳無さ過ぎる…)

希(なんか、楽しめることは…、あ、せや…)

ことり「ねー、もうふたりは食べるもの、決まった?」

希「あぁ…、せやね…」

あんじゅ「…無難にコース料理でいいんじゃないかしら。どの料理もみんな美味しいし、ここ」

希「じゃあそれでいいかな。ことりちゃん、注文しておいてくれる?」

ことり「うん、任せて。あ、店員さーん…」

希「ところであんじゅちゃん、話があるんやけど…」

あんじゅ「え、話…?」

希「うん、ちょっと前に体験した話やねんけど…」

凛『お、来たにゃ。誰がどこでなにをした形式で話をでっち上げるってやつ』

穂乃果『凛ちゃんがどこで、穂乃果がなにをしたかを希ちゃんに伝えればいいんだったよね?』

凛『そうそう!突拍子のない会話で間を繋ぐ常套手段だにゃ!』


希「この間うちが…」 凛『>>37で…』 穂乃果『>>38した話!』

宴会

お風呂

希「この前うちが…」

凛『宴会で…』 希「宴会で」

穂乃果『暗黒料理人対決した話!』 希「暗黒料理人…」

希「…って何!?」

あんじゅ「えぇっ!?自分で言ったのに!?」

希「え、あぁ…、そ、そう…、暗黒料理人って言うんはね…」

(説明カット)

希「…ってわけで、うちはその料理人と伝説の白包丁を用いて料理対決を行ったんや!」

あんじゅ「へ、へー…」

英玲奈『…明らかな作り話』

ツバサ『でも盛り上げ方がうまいおかげか聞いてて飽きないわね。…あ、そうよ!』

ツバサ『その調子でどんどん東條さんに喋らせれば喉が渇くはず…。彼女がジンジャーを手にする前に何かしらこじ付けで水を飲ませるのよ!』

あんじゅ「…」コクリ

希「でなー、うちがその白包丁を手にするまでにどんな修行を行ったかっていうと、まずは雑巾を料理するところから始まってー…」

ことり「えっと…、AコースとBコースあって…、じゃあ私がBで二人はAでお願いします」

店員「かしこまりました」


数分後…


ことり「オードブルまだかなー」

希「そこでうちはこう言ったんや…。そんな包丁に頼ってるようじゃまだまだ二流…、やってね!」

あんじゅ「おぉ…、かっこいい…」

英玲奈『それで!?どうなったの!?その男はどうなったの!?』

ツバサ『…英玲奈、作り話ってわかっておきながら熱中しすぎでしょ…』

希「いやぁ…、あの時は白熱したわー…。っと、しゃべりすぎちゃったかな…。喉が渇いて…」スッ

ツバサ・英玲奈『『今っ!!』』

あんじゅ「うんっ…!」

ことり(なんか向こうのテーブルの二人うるさいな…)

あんじゅ「ね、ねぇ希ちゃん。喉渇いた時はジュースじゃなくて水を飲んだほうがいいわよ」

希「へ…?そうなの?」

あんじゅ「えぇ、それに炭酸は刺激が強いからそのまま飲むより食べ物と一緒に飲む方がいいって聞いたわ。だから…」

希「ふぅん…、そうなんや…。じゃあ水頂こうかな。せっかくあんじゅちゃんがうちのために頼んでくれたもんやしね」

あんじゅ「…うん。そうした方がいいわ…」

希「じゃ、お水を…」スッ…

あんじゅ「…」ドキドキ

ツバサ・英玲奈『『…』』ドキドキ


希「ゴクッ…」


あんじゅ(来たっ…!!)

あんじゅ「どう…?希ちゃん…」

希「…、なんか…」

希「>>42

ムラムラするねぇ

希「む…、ムラムラしてきた…」

あんじゅ「…っ!」

英玲奈『効いてる…!』

ツバサ『軽く絶頂してるんだわ…!』

凛『な、何言ってるにゃ…、その気にさせるようなこと言っちゃダメだってば!』

希「せや、けど…、なんか、お股がムズムズして…、変な気分…」

穂乃果『まさか…、さっき飲んだ水に媚薬でも仕込まれてた…!?』

希「そんな、まさか…。あんじゅちゃんは一切触れてすらいないのに…。もう一口…ゴクッ」

あんじゅ「っ…!」

希「…ゴクン」

希「…あれ、今度はそうでもない…?」

あんじゅ「え…?」

ツバサ『ど、どういうこと…?』

英玲奈『…効果の適用から時間をかけすぎたせいで一度しか効き目が出なかったみたい』

英玲奈『…雪穂、聞こえてる?』

エクスタシー・D『は、はい…。こちらからお二人と…、あんじゅ様3人が見えてます』

英玲奈『効力が切れた。もう一度かけ直して頂戴』

エクスタシー・D『り、了解しました…!あ、でも…、三人が固まりすぎててうまいこと一人を狙いづらい位置に…』

ツバサ『ならもう全員に使っちゃいなさい。あんじゅにはそれをさせないようにすれば問題ないわ』

エクスタシー・D『わかりました…!ていやっ!』ヒョナーン


希「んー…、変やなぁ…。なんやったんやろ…」

あんじゅ「あ、あれじゃない…?場酔い、みたいな…、高級な雰囲気に呑まれてちょっとえっちな気分になっちゃうってよくあることよ」

希「そう、かな…。あ、ことりちゃんはなんともない?」

ことり「…」キョロキョロ…

希「ことりちゃん?」

ことり「えっ…、あぁ…、何の話?」

希「いや、ことりちゃんは変な気分になったりしてないんかな、って…」

ことり「変な気分…?特にこれと言ったものはないけど…。あ、でも…」

希「でも…?」


店員「前菜をお持ちいたしました」


ことり「…うぅん。今はご飯を楽しもう?」

希「あ、せやね。…わぁ、美味しそう…」

あんじゅ(…これ、本当にかかってるのかな…?)


ツバサ『これ、ちゃんと効いてるの?』

英玲奈『心配ない。エクスタシーメモリの力は常人には感じることすら不可能。絶頂して始めて効果の存在に気づける』

ツバサ『ならいいけど…、今度はなにをしたら絶頂するようになってるのかしら?雪穂』

エクスタシー・D『えっと…、今の三人は>>45と声に出すたびに絶頂を感じるようになっています』

天国

エクスタシー・D『天国、と口にするたび絶頂するようになっています』

ツバサ『また中途半端に使いどころのない言葉ね…』

英玲奈『あんじゅ、聞いていたわね?なんとしても東條希に天国、と言わせるんだ。オーケー?』

あんじゅ「…うん」


希「…もぐもぐ…、いやぁ…、美味しいなぁ…。前菜がこんなに美味しいところも珍しいね」

ことり「ホント…。今まで食べた料理の中で一番美味しいかも…」

あんじゅ「ふふ、この程度で驚いていたらメインディッシュが出てきたとき昇天して…」

あんじゅ「…あら?昇天して行くところってどこだったかしら?」

希「なにをいきなり言い出して…」

あんじゅ「うーん…、ど忘れしちゃった。ここまでは出かかってるんだけどなぁ…」

あんじゅ「あの…、天使様や神様もいそうな、生前いいことをした人が死後に送られる世界っていうか…、それってなんて言うんだっけ?」

ツバサ『もうあからさまに誘ってるわね』

英玲奈『だが…、これを答えられない人はいないだろう』

希「…そう言われるとうちも思い出せへん」

ツバサ・英玲奈『『…』』

あんじゅ「え、えぇ~~…?」

希「な、なんやったっけそれ…。えーっと…、えーっと…」

あんじゅ(な、なんでこれがわからないのよ…?)

ことり「あ、あれじゃない?中国…」

希「いやそれは生前中くらいの行いをした人が行くところで…」

あんじゅ「それも違うと思うんだけど…」

希「ぐぬぬぬ…!あ、思い出した!」

あんじゅ「ほ、ホントに!?」

希「そう…、ヘヴンや!」

あんじゅ「なんで英語!?そ、そうとも言うけど…、に、日本語でなんていうのかな、って…」

希「えっ…、うち英語を翻訳するの苦手で…」

あんじゅ「単語じゃない!?どうしてそれを日本語にできないのよ!?」

希「ご、ごめん…。でもパッっとでてこなくて…」

あんじゅ「し、信じられない…」

あんじゅ(こんな…、ば、バカだったなんて…)


凛『…バカを装う作戦、うまくいってるのかにゃ…?』

穂乃果『流石に天国を言えない人はいないと思うけど…。やりすぎじゃない…?』

希(あかん…、こういうの慣れてないから加減がわからへん…)


あんじゅ「もうっ…!いくらなんでも天国くらいわかるでしょっ!!…あっ」

ツバサ・英玲奈『『あ』』

あんじゅ「あっ…、く、ふひっ…!く、うぅっ…!!」ガクガクッ

希「あ、あんじゅちゃん…?ど、どうしたん…?」

あんじゅ「ご、ごめんなさい…。すこし、化粧室に…」スタスタ…

希「…だ、大丈夫、かなぁ…?急にどうしたんやろ…、発作かな…?」 ことり「…」

女子トイレ


あんじゅ「はーっ…、はーっ…。やっと、収まった…。う、きゅっ…。ただでさえ敏感な方なのに、こんなの…」

あんじゅ「はぁ…、パンツ、濡れてないかしら…」チラッ


希「あんじゅちゃん、大丈…、あ…」


あんじゅ「あ…」

希(す、スカートたくし上げてパンツモロ見え…、し、しかもちょっと…シミが…)

希「え、え、えと…」

あんじゅ「の、希、ちゃ…」

希「ご、ごめんなさっ…!」ダッ

あんじゅ「待って!!」ギュッ

希「え、あ、ちょっ…!!いきなり腕つかまれたら…、わぁぁぁっ!!」

ドテーンッ


店内


店員「こちら、スープです」

ことり「わ、これも美味しそう…」

ことり「…早く帰ってこないと冷めちゃうんだけどなぁ」


女子トイレ


あんじゅ「…」

希「…あんじゅ、ちゃん…」

あんじゅ「何…」

希「上、どいて…、もらえません…?顔も…、近いし…」

あんじゅ「…ダメ」

希「いや、そんな…、こんな、トイレの床で…。汚いし…」

あんじゅ「大丈夫よ…、ここ、トイレも綺麗だから…」

希「そ、そういう問題じゃ…」

あんじゅ「…ねぇ、希ちゃん」

希「な、何…?」

あんじゅ「…天国、って、言って」

希「えっ…?」

あんじゅ「く、ひゅぅっ…!!ひ、きぃぃっ…!!」

希「あ、あんじゅ、ちゃん…?」

あんじゅ「…お願い、だから…、天国、って…、あひぃぃっ…!!んぎゅぅっ…!!」

あんじゅ「言ってぇっ!天国、ってぇ…!!ぐぅっ…!!天国、って、行ってほし、いぃぃっ…!!のぉっ…!!」

希「わ、わかった…、言う、言うから…」

希(なんでこんなに蕩けた表情に…?)

希「て、天国…、うっ…!?な、なんや、これ…、あうぅっ…!!お、お股が…!」

あんじゅ「そう…、もっと、もっと…!!いっぱい言って…、言って、イって…!!天国にっ…!!」

店内


ことり「…」

ことり「…遅いなぁ」


ツバサ「…ねぇ、この声、って、つまり…」

英玲奈「トイレの中で情事に持ち込むつもり…!?やるな、あんじゅ…」



女子トイレ


希「天国、天国…、てん、ごく…」

あんじゅ「そう、その調子…。いいわよ、希ちゃん…。気持ちいいでしょ?天国って言うの、気持ちいい…」

希「うん…、やらしい気持ちに…、なって…、お股…、ジュクジュクで…。うち、うち…、天国に…」

あんじゅ「そう…、天国は、気持ちいいの…。一緒にイキましょ…。天国、天国…」

希「天国…、てんごく…」

あんじゅ「天国…、天国…。…あれ、絶頂が、止んでる…?」

希「天国…、天国…」

あんじゅ(…メモリの効力が切れたのかしら…。もう、このまま店を抜け出そうと思ったのにこれじゃあ…)

希「う、うぅ…。あ、頭…、くらくらする…」

あんじゅ「希、ちゃん…?」

希「…あんじゅ、ちゃ…、ハッ!う、うち…、一体なにを…」

あんじゅ(くっ…、目が覚めちゃった…。もう少しで脳内快楽漬けにできたのに…!)

あんじゅ(でも、もう少し…。あと少しで、希ちゃんは…!)

希「わぁっ…!!?な、なんやこの…、ズボンの染みは…。うち、おもらししてもた…?」

あんじゅ「あ、あら…、大変だわ。替えの洋服貸してもらえないか、聞いてくるわね」タッタッタッ…

希「う、うん…」

希「…な、なぁ…、うち、今どうなってたん…?」

凛『なんか…、変な感じだったにゃ…。希ちゃんが天国、って言うたびにいやらしい声を上げて…』

穂乃果『しかもそれをあんじゅさんはわかってるみたいだった…。これって…』

凛『…ガイアメモリの力…?』

希「…そんな、あんじゅちゃんが…、ガイアメモリを…?」

凛『今じゃ高校生も持ってる時代だもん…。希ちゃんを何としてでも手に入れようとするなら、ありえなくないよ…』

希「そ、そっか…。だ、だとしたら何としてでもあんじゅちゃんにそんなことしたらあかんって言わないと…」

凛『そう、だけど…。でも、今は自分の身を案じる方が先にゃ…。このまま下手したら希ちゃんは…』

穂乃果『あんじゅさんに篭絡されて…、ピンキーなことに…』

希「そ、それだけは何としてでも避けなければ…」

あんじゅ「…希ちゃん?誰かと話してたの…?」

希「あ、あんじゅちゃんっ…!戻ってたんや…、あ、いや、独り言…」

あんじゅ「そう…?あ、で…、着替えなんだけど…、店員さんに聞いたらこれしかないって…」サッ

希「え、その服、って…!!?」

あんじゅ「うん…。>>49

バニー

店内


ことり「…遅い」

店員「お客様、メインディッシュが出来上がりましたが…」

ことり「あー…、っと…、すいません、こっちのスープはもう下げてもらってもいいですか…?」

店員「かしこまりました。それではすぐにメインディッシュをお出しいたしますので少々お待ち下さい」

ことり「はぁ…、何してるんだろ…」


希「こ、ことりちゃーん…」


ことり「あ、希ちゃん、遅っ…、ブッ」

希「ご、ごめん…、時間かかっちゃったわ…」

ことり「…何、そのカッコ…?バニーガール…?」

希「その…、トイレが間に合わなくて…、着替えがこれしか…」

あんじゅ「でもでも!可愛いわよっ!ね、南さんもそう思うでしょ?」

ことり「…うん、まぁ…、いいんじゃない…?」

希「は、恥ずかしい…」

あんじゅ「ね、語尾にぴょんつけて喋ってみて?ね、ね!」

希「え、えぇ…」

あんじゅ「いいでしょ?ねぇってば!」

希「わ、わかった…、…ぴょん」

あんじゅ「きゃーっ!かわいいーっ!!あ、ムービー撮るからもう一回!ね?」

希「う、うぅ…。た、助けて…」

ことり「うわぁ…。他のお客さんもガン見だよ…」


ツバサ「おぉ…、胸おっきい…」

英玲奈「…くっ」



希「もぐっ…、もぐもぐ…。うぅ…、美味しいはずなのになんか…、素直に美味しいって思えへん…」

あんじゅ「そう?私はいつもより数段美味しいわ!んふふふ…」

ことり「わぁ…、上機嫌だね…」

あんじゅ「さぁて、残すはデザートのみ…。って、もうそんな時間…!」

ツバサ『後がないわよ…、次で仕留めなさい』

英玲奈『雪穂、頼む』

エクスタシー・D『わっかりました!…ていっ!』ヒョナーン

ツバサ『次の条件は…?』

エクスタシー・D『こ、今回は簡単です!他人と手をつなぐだけで絶頂します!さっきより少し強力な快感です!』

英玲奈『でかした。よし、あんじゅ、すぐに実行だ。いい感じの雰囲気を醸し出しながら東條希と手を繋げ』

あんじゅ「う、うん…」

あんじゅ「…ね、希ちゃん」

希「な、なに…?」

あんじゅ「ふふ、なんでもない…」

希「何なんそれ…。はぁ…。今日は散々やったなぁ…」

あんじゅ「そう?私は楽しかったわ。…少し、不満もあったけど」

希「…それに関しては…、なんか、ごめん…」

あんじゅ「ふふ、希ちゃんが謝ることないわよ。珍しいモノも見られたし、ね…」

希「バニーガール?…それとも…、うちの、おもらしの、こと…?」

あんじゅ「…どっちも、かしら。希ちゃんのズボンが濡れていくところみて、私も興奮しちゃった…」

希「んなっ…、あ、あんじゅちゃん…。やっぱダイタンやね…」

あんじゅ「うん。…でも、大胆なのは、希ちゃんに対してだけ、だよ」

希「えっ…」

あんじゅ「…私ね…。希ちゃんのこと、好き…。心からそう思えたの、初めて」

希「あんじゅ、ちゃん…」

あんじゅ「絶対に叶うことのない恋だって、わかってるけど…、でも、今夜だけ、今日、だけでいいから…」

あんじゅ「一緒に、一夜を共にしたいの…。そして、私の純潔を、奪って欲しい…」

希「え、そ、そんな…」

あんじゅ「お願い…、希ちゃんなら、私構わない…。うぅん、希ちゃんが、いいの…」

希「…」

あんじゅ「…イエスなら、私のこの手、握って。どうしても、ノーなら、…今日で、希ちゃんとは、さよなら」

希「あんじゅちゃっ…、それはっ…」

あんじゅ「それだけ、本気なのっ…!私の気持ち、わかって…?」

あんじゅ「さぁ、イエス?それとも…、ノー…?」スッ…

希「こ、これは…、り、凛ちゃん…」

凛『いや、これはもう…』

穂乃果『行っちゃえ!行っちゃいなよ!!据え膳食わぬは女の恥だよ!』

希「いやちょっと違う気が…」

凛『…凛は、もう何も言わないにゃ…。あんじゅちゃんの本気が伝わってきたから…、ここで茶化すのは凛には出来ない…。だから、希ちゃん』

凛『決めるのは、希ちゃんだよ』

希「…っ!」ゴクリッ

希(決めるのは…、うち…。うちは…、どう、したいか…)

希(なら…、うちは…)

希「…」スッ…

あんじゅ「っ…!」

希(あと、数センチで…、手が、触れ…)

ツバサ・英玲奈『『…』』ドキドキ

あんじゅ「…っ!!」ドッキドッキ

希「~~~~…っ!!」


パァンッ!!


「動くなっ!!」

パァンッ!!


「動くなっ!!」


あんじゅ「…っ!!?」

希「んなっ…!?こ…」

希「ことりちゃん…?」


ことり「…驚かれた方、申し訳ありません。ですが、誰もそこから、一歩たりとも動かないでください」

ことり「安心してください。今発泡したのは空砲です。…ですが、二発目からは実弾が込められています」


希「ど、どうしたの…?」


ことり「…改めまして、私は音都警察署所属、南ことり刑事です。警察です」


ツバサ「け、警察…!?」 英玲奈「へぇ…、あの年齢で…」


ことり「今このような強行に出たのは他でもありません。今ここに…、ドーパントが潜んでいます」


ツバサ・英玲奈・あんじゅ「「「…っ!?」」」

英玲奈(な、なぜバレた…?怪しまれるような行動は一切起こしていないはず…)


ことり「おそらく…、そこの陰、そこに居るはず。…出てきなさい」


ツバサ(あの場所…、まさに雪穂が隠れている位置…!完全にバレてる…!?)


ことり「10秒以内に出てこなければ発砲します。10,9,8…」


雪穂「…う、うぅ…」ササッ


ことり「あなた…、ここの店員の格好をしているけど…、店員さん、あの人は?」

店員「いえ…、見たことありません。うちの従業員ではありませんね…」

ことり「らしいけど…、あなた、そこで一体何をしていたのかな?」

雪穂「え、えっと…」カチャカチャ…

ことり「その後ろに隠している手を前に出せっ!2秒以内に!早くっ!!」

雪穂「ひ、ひぃっ!!」スッ

ことり「…ガイア、メモリ」

希「ほ、ホントに、ガイアメモリが…?」

ことり「そこを動かないで。今からあなたに手錠を掛けに行く」スタスタ…

雪穂「う、うぅっ…」チラッ


ツバサ「…」フルフル…


雪穂「く、くっ…、だったら…」\エクスタシィィィンンッ!!/

ことり「っ!!」パァンッ!!

雪穂「ひっ!!」サッ ピチュゥゥンンッ!!

ことり「くっ…、避けたか…」


エクスタシー・D「ど、どうしよう…!!」

ことり「希ちゃんっ!優木さんっ!あなたたちはここにいる人たちを外に!」

希「う、うちも…?」

ことり「うん、とりあえず避難が先っ!」

希「わ、わかった!あんじゅちゃん、お願いできる?」

あんじゅ「う、うん…。じゃあ、私はあっちの人たちを…」



エクスタシー・D「ぐ、ぐぅ…!」

ことり「はぁ…、こんなところまで来てドーパント退治なんて…」

ことり「私も運がないなぁ…。せめてデザート食べたかったけど…」\ナイト!!/

ことり「…まぁおごりだし、いいか。帰りに何か買って帰ろ…」カチャンッ

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「…さぁ、チェックメイトだよ」


エクスタシー・D「ぐっ…、ど、どうすれば…」

ナイト「さっさとお縄につけば、楽になれるよ?」スタ、スタ…

エクスタシー・D「…う、うぅ…」


エクスタシー・D「…なーんてね」


ナイト「なっ…!」

エクスタシー・D「さっきの短い間にメモリのリミッターを外させてもらったから!」

エクスタシー・D「およそ人間には耐え切ることのできない極上の快楽を…!!」

エクスタシー・D「味あわせてあげるわぁっ!!」ヒョナーン


ナイト「…」

エクスタシー・D「…」

ナイト「…」

エクスタシー・D「…」

エクスタシー・D「…あれ?」

ナイト「…」\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/

ナイト「何がしたかったのかわからないけど…、はぁぁっ!!」ズゴオォォッンッ!!

バキィィンッ!!


ナイト「絶望がお前の、ゴールだ…!」

エクスタシー・D「ぐ、うぅぅっ…!なん、で…っ」


ボガァァァァァンッ!!


雪穂「う、うぅっ…」パキンッ



ナイト「ふぅ…」ピチュゥゥンンッ…

ことり「さっきから私たちの後ろから変な感じを送ってたのはこの子か…」

ことり「あんなの堂々とやっててバレないとでも思ってたのかな…?」

店外


希「はぁっ…、これで、うちの方はみんな避難できた…」

あんじゅ「希ちゃんっ…、こっちは終わったよ!」

希「よかった…、これで全員無事、やね…。あとはことりちゃんになんとかしてもらうしか…」

あんじゅ「…ねぇ、希ちゃん」

希「ん…?」

あんじゅ「さっきの、話の続き、なんだけど…」

希「あ、あぁ…、イエスか、ノーか、ってやつ…?それなら、うちは…、イ、イエ…」

あんじゅ「…あれ、ぜーんぶ嘘っ!」

希「…、へ?」

あんじゅ「ふふっ…、もう同じ手には引っかからないんじゃなかったの?希ちゃんっ♪」

希「え、あ、…あーっ!!それ、遊園地の…!?」

あんじゅ「うん…、仕返しの、仕返し。希ちゃんのことは好きだけど…、流石に恋人って、ほどじゃ、な、ないから…」

あんじゅ「全部、全部、嘘っぱち、なんだから…。へ、えへへ…、へ…」

希「そ、そっか…。すっかり騙されてた…。あんじゅちゃん用意周到なんやもん…」

あんじゅ「でしょっ…?う、ふふ…、まるで…、本気みたく、見えた、よ、ね…?」

希「…あんじゅ、ちゃん…?」

あんじゅ「…違うん、だから。本気なんかじゃ、ないん、だから…。だから…、これも…」

あんじゅ「この、涙も…、全部、嘘…。うっ…、うぅっ…!うあぁぁぁぁ…っ!!」

希「ぁ…」

あんじゅ「やだぁっ…!!なんでっ…、嘘、なのに…!全部、嘘、だって…!言ってるのにぃ…!!」

あんじゅ「なんで…、こんなに、苦しいの…っ!?この気持ちを…、嘘、だって…、言うことが…、こんなにも…!」

あんじゅ「う、うぅっ…!!うあぁぁぁぁぁぁんんっ!!!希ちゃんっ…!!希ちゃぁんっ…!!」ギュッ

希「あんじゅ、ちゃん…」

あんじゅ「ぐじゅっ…、ぐずっ…、ごめん、なさい…。すぐ、戻るから…、いつもの、明るいあんじゅに…、だから、今は…、見ないで…。こんな、私のこと…」

希「…あんじゅちゃん。こっち、見て」

あんじゅ「…えっ?」


希「…ちゅっ」

あんじゅ「んむっ…!?」

希「…ぷ、はぁっ…。うちに、できるのは…、これくらい、やから…。これで、今日は許してくれる?」

あんじゅ「の、希ちゃんの…き、き、キス…!?嘘っ…!」

あんじゅ「や、や、やったぁぁぁぁぁっ!!!!!」

希「うおぅっ…、いきなり元気やね…」

あんじゅ「だって…、希ちゃんと、キス、だなんて…!はぁぁぁぁ…、夢みたいだわ…!」

あんじゅ「やっぱりダメ!もう一回して!もう一回してくれないと許さないからね!」

希「えぇ…、もう勘弁してよ…」

あんじゅ「ダメダメ、絶対許さないっ!ん、んーっ!」

希「うぅ…、こんな格好でさらにキスもなんて…、今日は…、恥ずかしいことだらけやね…」

希(…ずっと本心でうちと向き合ってくれてたあんじゅちゃんに、ずっと嘘で対応したうちへの罰、なんかな…)

希「…まぁ、なら…、しょうがないね…。んっ…、ちゅっ…」

ことり「…希ちゃん」

希「あ、ことりちゃん。終わった?」

ことり「うん、雑魚だった。…優木さんは?」

希「メイク崩れてるの見せたくないから、って近くのコンビニに…」

ことり「…逃げられた、か」

希「えっ…?」

ことり「…さっきのメモリ、エクスタシーのメモリだったの」

希「エクスタシー…、絶頂…?」

ことり「なにか、心当たりない?例えば…、トイレでの出来事、とか」

希「トイレ…、あっ…!」

ことり「ある、みたいだね」

希「うん…。あんじゅちゃんに、ひたすら天国、って言えって強要されて、言ったら…」

ことり「全身に快楽が、ってことね…。ということは…」

希「やっぱり、あんじゅちゃんはこのことを知っていた…?」

ことり「むしろ彼女が、あなたを堕とすために雇ったと考える方が無難だね」

希「そ、そっか…。あんじゅちゃん…、そこまで…」

ことり「…今度、彼女にあったら、ちゃんと自首するように伝えてね?」

希「わ、わかった…」




ツバサ「…あんじゅ」

あんじゅ「ふふふ…」

英玲奈「あんじゅ、嬉しそうなところすまないけれど…」

あんじゅ「…もう、希ちゃんとは会えない、でしょ?」

ツバサ「…わかってたの?」

あんじゅ「うん…。私とガイアメモリに繋がりがあるって知れたら、あの人は私を許さないと思うから」

あんじゅ「深入りされれば、それこそUTXのことを知られる可能性もある。…だからもう、彼女には関わらない」

あんじゅ「どのみち、今日の作戦がうまくいかなければもう縁を切るつもりだったもの。…同じよ」

英玲奈「あんじゅ…」

あんじゅ「だから…、最後にキスできたのが、とっても幸せ…。これ以上の幸福は、私には訪れないわ…」

あんじゅ「これでもう、希ちゃんを想うこともない。ずっとこの幸福感を抱いていられる…」

ツバサ「…」

英玲奈「ツバサ。お前のほうが泣きそうになってどうする」

ツバサ「だって…、うぅっ…!悲しすぎるじゃない…!うぅ…、そんなの…」

あんじゅ「悲しくなんてないわよっ。…さ、帰りましょう?今日は三人で一緒に寝る?」

ツバサ「…寝る」

英玲奈「ふぅ…、やれやれ…」

あんじゅ「うふふふ…」


あんじゅ「さよなら、希ちゃん。私の一番、大好きな人」

翌日

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…」ブッスー

希「真姫ちゃん…?」

真姫「…」ブッスー

凛「めっちゃ不機嫌だにゃ…」

真姫「…当たり前でしょ。理由も言わず『今日の夜はネカフェで過ごせ』なんて言われて不機嫌にならない方がおかしいっての」

真姫「しかもお土産もナシ!ふざけんじゃないわよ!」

希「ま、まぁ…、色々あってそれは仕方なかったんよ…」

真姫「…ったく、…ん?くんくん…」

希「ん…?ど、どうしたん…?うちの顔になにかついてる…?」

真姫「…別の女の匂いがする」

希「はぁっ!!?」

真姫「誰かとキス、した…?」

希「し、しししししししてへんっ!!ぜーったいしてへんから!!」

真姫「そう…?」

希(き、昨日口紅ついてないか念入りに調べた上でひたすら洗顔したのに…!なんで分かる…!?)

凛(真姫ちゃんの嗅覚恐るべしだにゃ…)

真姫「まぁ、いいけど。…でも、もし希が別の誰かとキスでもしてるところを私が目撃したら…」

真姫「…千本ノック」

希「…今後一生一切合切いたしません」

希(…結局これも、嘘になってしまうんやろうか…)



第17話「尋常じゃなくE / 甘い本音と甘い嘘」

おわり

真姫「はい、第17話だったわ」

希「いつもより百合成分マシマシで行ってみたけどどうやったやろうか」

凛「ここ界隈で騒がれているあんのぞが大爆発したにゃ」

ことり「騒いでるのは一人だけだけどね」

希「真姫ちゃんが一晩たったリップの匂いを嗅ぎ分ける異能の持ち主であることがわかったね」

真姫「愛している人の匂いなんて誰でもわかるものよ」

凛「こらそこ、さりげなく告白しない」

ことり「エクスタシーを安価でとってくれた人の期待に答えられたかはわからないけど、楽しんでもらえたなら幸いだね」

真姫「それじゃまぁ、時間も時間だし今日は短めで終わりましょう。眠たいしね」

凛「次回のメモリを安価して今日はお別れにゃ!」

ことり「それじゃ、ばいばい!また次回ちゅん!」

希「これで決まりや!」



次回のメモリ
>>62(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D,C,E以外)

lie 嘘

おっと…、すまん それはダメな頭文字2つのうちのひとつなんだ… 『L』は後々使うのでナシで というかそれだと大分ライアーとかぶってないですか…
上記以外に+L以外で再安価↓でお願いします

大方のあらすじは思いついているのだけれど導入が思いつかない 今日中に考えつくよう努力します
あとカイザーのメモリの持ち主は勝手に決めさせてもらうことにしました その代わりもう一つメモリを出す予定なのでそっちの使用者は安価で
ってなわけで今しばらくお待ちを

よし、中盤辺りまで纏まったんでこんな時間だけれども書いていきます
カイザーメモリが出てくるところまでかけたらいいな 安価も多少使用すると思うので少しの時間ですがお付き合いください

東條西木野☆探偵事務所内


希「…お座敷?」


にこ「えぇ、そうよ。なんか上司に誘われちゃってね…」

凛「お座敷、ってどんなことするの?」

花陽「聞いた話だと、小さなお部屋でお料理を食べながら、芸者さんが踊るのを眺める遊び、なんだって」

にこ「途中からはこっちまで遊びに参加させられるらしいわ。何させられるか知れたものじゃないけど」

真姫「へぇ…」

にこ「はぁ…、いつもは口うるさい上司の癖にこんなところで贅沢させてくれるなんて、少しずれてる気がするけど…」

花陽「あはは…、あの人なりの気遣い、なんだよきっと。誘ってくれるってことは、それだけいい関係を築こうとしてくれてる、ってことだし」

希「その上司って…、ことりちゃんやないの?」

花陽「え…、あははは、違うよ。私たちが前所属していた部署の上司の人」

にこ「超常犯罪捜査課、なんてとこに配属されてくたびれてないか、なんて、らしくもない気遣いしてくれたみたいなのよ」

真姫「ふぅん…、なかなかいい人じゃない。でも、どうしてそれをうちに…?」

花陽「えっと、三人で行くのも堅苦しいだろ、ってことで、友達も誘ってきていい、って言われて…」

にこ「だからあんたらのとこに来た、ってわけよ。ねぇ、一緒に来てくれない?…こういう空気私ちょっとニガテっぽくて」

凛「ことりちゃんは誘ったのかにゃ?」

にこ「いや、南刑事は…」

花陽「にこちゃんはとっても嫌がったんだけど、一応誘ってみたんだ。でも…」



(ことり「ごめんね。今独自に調べてることがあるから手が離せなくて」)

(ことり「…手伝い?うぅん、いいよ。これは超常犯罪捜査課の仕事じゃないし…。私は行けないけど楽しんできて」)



花陽「…って言われちゃって」

にこ「まぁ…、私としては正直ホッとしたところもあるけど…」

希「ふむ…、そっか…」

真姫「ところで、さっきから話に出てくる上司ってどんな人なの?もしかして…、名護啓介…!?」

にこ「んなわけ無いでしょ…。名護ならまだ刑務所だし」

花陽「えっとね、その人の名前は、>>76って言って…」

駆紋戒斗

花陽「その人の名前は駆紋戒斗って言って、すっごい実力主義の厳しい先輩なんだけど…」

にこ「その反面とっても正義感の強いクールに見える熱血漢、って感じかしら。最近じゃ珍しいタイプね」

にこ「今回私らを誘ってくれた理由も、なんでも『あらゆる娯楽を知り尽くす…。これも強さの形だ』だとかなんとかで…」

花陽「あはははははは!にこちゃん似てる!モノマネ上手~!」

にこ「え、そう…?むふふ、照れちゃうわね…」

希「いや内輪すぎるネタされても反応に困るわ…。まぁ、その上司さんがいい人、ってことはなんとなくわかったけど…」

花陽「どう?今週の休日なんだけど、来てくれるかな?」

凛「いいともー!…って言いたいところなんだけどね」

希「うち今浮気調査の依頼で手が離せなくて…、今からもターゲットの尾行へ行くところやってんけど…」

凛「ちょうど期日が今週末まで、なんだよね」

希「うん、せやからギリギリいけないと思う…。ごめん」

花陽「そ、そっか…。じゃあ凛ちゃんは?」

凛「凛もー…、実は今ペット捜索の任務中なんだにゃ…。行きたいのは山々なんだけど今回のは難敵で…」

にこ「無理そう、なの?」

凛「うん…。せっかく誘ってくれたのに申し訳ないにゃ…」

花陽「うーん…、そうなんだ…。じゃあ仕方ない、のかな…」

にこ「わかったわ。他の子当たってみる。それじゃあ…」


真姫「待ちなさいよっ!」


花陽「え、真姫ちゃん…?」

にこ「え、何?もしかして行きたいの?あんたこういうの興味なさそうなイメージなのに…」

真姫「さっき調べたところ、お座敷っていうのは歌や踊りもするところらしいじゃない!」

花陽「え、あぁ…、まぁそうみたいだね」

真姫「小さなステージでお客さんに歌と踊りを披露…!これってまさに…!!」

真姫「アイドルそのものじゃないっ!こんなの行かざるを得ないわ!」

希「あぁ…、確かに日本文化のアイドルみたいな側面もあるのかな…。ある意味」

真姫「もしかしたらこれこそ私の追い求める真のアイドルの形なのかも…!そう考えたらとても興味深いと思ってね!」

真姫「ねぇ、いいでしょ?行ってきてもいいわよね?」

凛「ふふ…、もちろん!真姫ちゃんがそんなに行きたがってるのに止めるわけには行かないにゃ!」

希「せやね。今回はドーパント絡みの依頼でもないし、面倒事はうちらに任せて真姫ちゃんは楽しんでくるといいよ」

真姫「やった!ありがとうっ!凛、希っ!」

花陽「ふふ、こんなに喜んでくれるなら誘った甲斐があったよ」

にこ「じゃ、今週末、場所はいつものカフェの前で待ち合わせ、だからね。送れないでよ?」

真姫「おっけー!ふふ…、楽しみだわ…!」

???


英玲奈「…」パラ、パラ…


ツバサ「…英玲奈?何読んでるの?」

英玲奈「ん、あぁ…、過去の音都で起こった事件の記録をね…」

英玲奈「特にこの事件…、ふふ、すばらしい…!人間をまるで芸術品のように…」

ツバサ「これは…、『あの人』の起こした事件、かしら」

英玲奈「あぁ、そうだ…。かつて音都を震撼させた連続殺人事件…」

英玲奈「…また、あの人に会えるなんて…、私は感激だ…」

ツバサ「へぇ…、珍しいわね。英玲奈がひとりの人間にご執心だなんて」

英玲奈「ふふ…、Mのメモリの持ち主…、あの人とは本当に、仲良くなれそうだ…」




週末

喫茶『魔法の音』前


真姫「まだかな…」


花陽「あっ、真姫ちゃーんっ!」

にこ「あの子、もう来てるし…。まだ集合時刻の30分前なのに」


真姫「遅いわよー」

にこ「あんたが早すぎなの。ったく、そんなにお座敷が楽しみ?」

真姫「当然よ!もう熱いスピリッツがフル充電で胸が騒ぎっぱなしだわ!」

花陽「それはまたブレイブだね…」

真姫「ところで、花陽たちの言ってた上司…、駆紋戒斗って人はまだなの?」

にこ「あぁ…、あの人は逆に時間に厳しいからね。集合時間ぴったりにならないと来ないわよ」

真姫「うぇ…、なにそれ、まだ30分も待たないといけないの…!?」

花陽「だから来るまでお茶して待ってようか、って思って」

真姫「んー…、なるほど、それなら待つ時間も有意義に過ごせそうね。そうしましょう」

にこ「現金な子ね…、相変わらず…」

30分後…


真姫「ん~!やっぱりここのスイーツの味は格別ねー!本場の洋菓子店にも引けを取らないわ!」

花陽「うんうん、そうだねぇ~…。はぁぁぁ、ほっぺたが落ちちゃいそう…」

にこ「いつまで食べてるのよ…。んと…、もうそろそろかしら…?」


「…」スタスタ…


にこ「あ、来た!おーい、ここですよー!」


戒斗「矢西、和泉。待たせたか」

花陽「あ、いえ、全然大丈夫です」

戒斗「そうか。…フン、スイーツか…。前も言ったはずだ。甘いものが食べたければ俺に言え、と」

にこ「って言われても…。食べたい時にいないのはあなたの方なんだし…」

真姫「この人が駆紋戒斗…?変な人ね」

戒斗「こいつは…。…そうか、お前が西木野真姫か…。西木野、お前に一つ質問がある」

真姫「なっ…、なによ」

戒斗「お前にとって、強さとはなんだ?」

真姫「はぁ…?い、いきなり何…?」

戒斗「いいから答えろ。お前は、何を以て強さとする…!?」

花陽「ごめん…、戸惑うだろうけど、とりあえずなんでもいいから答えて…」

真姫「わ、わかった…」


真姫「わ、私は…!…>>81が強さだと思うわ!」

音楽

真姫「わ、私は…!音楽が強さだと思う…!」

戒斗「音楽が強さ…、どういう意味だ?」

真姫「音楽っていうのは音と音をつなぎ合わせた、無限の可能性のうちの一つ」

真姫「それゆえに、人の心に深く響くような音楽を作り出すのは、一筋縄じゃ行かないわ」

真姫「だからこそ、音楽で人の心を揺さぶる力を持つ人こそ、強い人だって、私は思うの」

戒斗「…なるほどな」

真姫「どう、かしら?」

戒斗「…気に入った。西木野、お前はその強さで頂点を目指せ。きっとお前なら…、フッ」

真姫「…えぇ、言われなくても!」

にこ「…なんなのこれ」

花陽「いつものことだねー」



戒斗「こっちだ。ついてこい」

真姫「…っていうかこの人、これが私服なの…?派手すぎないかしら…」

にこ「非番の時はいついかなる時だろうとこの服しか着てるのを見たことないわ」

花陽「昔ダンスグループに所属してた頃の名残なんだって」

真姫「いつの頃の話よ…。あなたたちの上司なんだからもういい年のはずでしょ…」

にこ「『童心をいつまでも忘れない…。それもまた強さの形だ』」

真姫「うわめっちゃ似てる!な、なるほど…、これだったのね…」

戒斗「…さっきからうるさいぞ貴様ら。店内では静かにすると約束しろ」

にこ「わ、わかりました…」 真姫「はい…」

戒斗「わかればいい。さぁ、着いたぞ。ここだ」

花陽「わぁ…、綺麗なお店…。ここだけ違う時代にいるみたい…」

真姫「ホント…、こんなお店音都にあったのね…」

戒斗「音都でもここにしかない穴場的な店だ。俺もまだ一度しか来たことはないが…」

戒斗「…俺はここで、初めて強さの真髄というものを目の当たりにしたかもしれん」

にこ「相変わらず何言ってるか意味不明ね…」

戒斗「では、入るとしよう」

茶屋『紫音流麗』 店内


店員「いらっしゃいませ。紫音流麗へようこそ」

戒斗「四名で予約の駆紋だ」

店員「駆紋様でございますね。…はい、確かにご予約されております。それでは、身分の確認できるものがございましたらご提示していただけますか」

戒斗「これでいいか」サッ

店員「はい、確かに」

花陽「えっと…、私たちもですか?」

店員「はい、お客様皆様に提示していただく形となっております」

にこ「じゃあ警察手帳でいいでしょ。…これで」サッ

真姫「あー…、だったら私はバイクの免許ね。…はい」スッ

店員「…これは。西木野真姫様、でございますでしょうか?」

真姫「はい、そうですけど…」

店員「…誠に申し訳ございませんが、当店未成年の方は入室できない決まりとなっておりまして…」

真姫「えっ…」 花陽「そうなんですか!?」

店員「えぇ、当店のホームページの方でも記載されておりますとおり、未成年の方は非常に残念ですが…」

にこ「そんな…」

戒斗「…どうにかならないのか?」

店員「はい…、決まりですのでこればかりは…」

真姫「…」

花陽「真姫ちゃん…」

にこ「あんなに楽しみにしてたのに…」

戒斗「…」

真姫「…ふっ、いいわよ。また二年後、今度はあなたたちが連れて来てくれたらいいだけだし…」

戒斗「…すまない。俺の力不足が原因だ」

真姫「気にしないで。それじゃあ私、帰るから…、あとは3人で…」



海未「あら、お客様に何も見せずに帰すなんて、それこそ芸者の名が廃るというものです」



真姫「…へ?」

店員「あ…、海未さん…」

花陽「こ、この人が…、芸者さんっ…!?」 にこ「わ、若っ…!!もっとおばっ…、お年を召した方がやってるものと…」

海未「ふふ、いいではないですか。お座敷を楽しむ心に年齢なんて関係ありません。どうぞ、入ってもらってください」

店員「し、しかし…」

海未「では、こうしましょう。その方は私の身内なのです。でしょう?真姫」

真姫「えっ…?あ、えぇ…、そ、そうなの…」

海未「身内を店内に呼ぶだけなら、何の問題もないでしょう?」

店員「…かしこまりました。では4名様、お座敷へお通し致します」

花陽「す、すごい…、言いくるめちゃった…」

戒斗「これだ…。俺が見た、強さの真髄は…」


真姫「この人が…、アイドル…」

お座敷内


花陽「なんか…、すごい人だったね。あの…、海未、って人…」

にこ「オーラが違うっていうか…、私たちとさほど年が変わらないっていうのにあの風格…」

戒斗「あれぞまさに、強さの一つの終着点、といったところか…」

真姫「確かにすごかったけど…、よ、良かったのかしら…?私が入っても…」

花陽「せっかくのご好意なんだから、受け取らないと。海未さんも言ってたでしょ?」

にこ「何も見せずに帰すのは芸者の名折れ、だってね」

真姫「…そうね。ここまで来たら最大限楽しんで帰らなきゃ」


店員「お待たせいたしました。お料理をお持ちいたしました」


真姫「わ、来た…」

花陽「えっと…、お酌って私たちがするべき…?」

戒斗「馬鹿か。俺たちは客だ。堂々と座って注いでくれるのを待て」

にこ「う、うぅ…、こうなると緊張する…」


ササササ…


花陽「わ、わー…、綺麗な芸妓さんたちがいっぱい…」

にこ「あ、さっきの海未さんも…」


芸妓「お酒、お注ぎ致します」トクトク…

戒斗「あぁ、頼む」


にこ「うぅ…、この時ばかりはあの人の不遜な態度が羨ましいわ…」 花陽「堂に入ってるよね…」


海未「では、私は真姫さんのを」

真姫「え、えと…、私お酒は…」

海未「はい、承知しております。こちらノンアルコールとなっています」

真姫「へ、へぇ…、そういうのもあるんだ…」

海未「ふふ…、楽しんでいってくださいね?」

真姫「あ、はい…」



数分後…


にこ「あむっ…、あぁ…、美味しい…」

花陽「この料理にまたこの米酒が合うねぇ…。くぅ~…、たまんないなぁ…」

戒斗「オヤジかお前は…」


海未「それでは、ここらで一つ、舞を披露させていただきます」


にこ「おっ…、ついに始まったわよ。真姫ちゃんが見たかったもの…」

真姫「う、うん…」ゴクリ


海未「舞わせて頂くは、当店の芸妓がひとり、名を苑ノ野海未と申します」

海未「どうかごゆるりと、夢のような時間をご堪能くださいませ…」

フルーツパーラー『ソングオブフォーユー』


希「はぁ~~…、や、やっと終わったぁ~…」

穂乃果「おっ、希ちゃん、お疲れー。浮気調査、だっけ?うまくいった?」

希「ま、ね…。無事成立…。そして無事離婚、やろうなぁ…」

穂乃果「あははは…、ま、一杯飲みなよ。ほれ」

希「…これオレンジジュースやん…。ビールがいいなぁ…」

穂乃果「昼間っから贅沢言わない!さ、どぞどぞ」

希「はぁ…、しゃあないなぁ…。んぐっ…、ぷはーっ!ふひぃ…、やっぱ美味いわ…」

穂乃果「ふふ、でしょ?」


ガチャッ

ことり「…穂乃果ちゃん、いる?」


穂乃果「あっ、ことりちゃーんっ!」

希「え、知り合いなん?」

穂乃果「うん」

ことり「音都に来る前も時々協力してくれたのよ」

希「あぁ…、そんな前からの付き合いなんや…」

ことり「…でさ、前言ってたこと、調べておいてくれた?」

穂乃果「あぁ…、あの件?うん…、どうやらことりちゃんの予想通りだったみたい…」

ことり「…そう」

希「な、何の話なん?」

ことり「実はね、この音都に連続強盗犯が逃亡してきた、って情報を耳にしてね」

希「ご、強盗…!?」

穂乃果「数々の銀行を襲い、そしてなぜか硬貨だけを奪い去る謎の愉快犯、だってさ。どうせならお札奪えばいいのにね」

希「で、でも…、それガイアメモリ関係ないんでしょ?ことりちゃんの出る幕じゃないんじゃ…」

ことり「まぁ本来はそうなんだけど…、でも放っておけないじゃない?だから自主的に私ひとりで捜査をしていたの」

希「あぁ…、花陽ちゃんが言ってた超常犯罪捜査課関係ない、ってそういう…」

ことり「…でも、つい先日、この男がガイアメモリを受け取っていたのを目撃した、って情報が飛び込んできて…」

希「それを穂乃果ちゃんに調べてもらってた、ってわけか…」

穂乃果「そのとおり!で、それは真実だった、ってわけ!」

ことり「今この瞬間から、この事件は超常犯罪捜査課の管轄にもなっちゃったってこと、だね…。はぁ、こんなことなら二人を行かせるんじゃなかったな…」

希「あはは…、今頃お座敷を楽しんでるんかなぁ~…」

穂乃果「あ…、お座敷と言えば興味深い情報があるよ?」

希・ことり「「え?」」

穂乃果「この男なんだけど…、行く先々でそういうお店に立てこもっては芸妓さんや女性客に欲望の限りを尽くしてるだとかなんとか…」

穂乃果「それで付いたあだ名が『座敷荒らし』だってさ。どっかの妖怪みたいな名前だよねー、あははは…、ってあれ?どうしたの?二人共…、怖い顔して…」

ことり「あ、あのふたりが危ない…!!」

希「それだけじゃない、真姫ちゃんも…、なんてことやっ…!!」

お座敷内


海未「…ふぅ」


にこ「お、おぉぉぉぉ…!!」パチパチパチパチ!!

花陽「す、すごいっ…!!」パチパチパチパチ!!

戒斗「これが…、本当の舞というやつか…!!」

真姫「ぁ…」ポカーン



海未「ふふ…、お粗末さまでした。それではこれからは自由となっております」

海未「芸妓と話をするもよし、料理を楽しむもよし、共に遊ぶもよし。どうぞお好きなお楽しみ方をなさってください」



花陽「え、えっと、しゃ、写真とってもられもいいれすか!?」 にこ「は、花陽!呂律回ってない!」 芸妓「いいですよ~」


戒斗「…ほう、では問おう。貴様にとって強さとはなんだ?」 芸妓「そ、そんなこと言われましても…」 にこ「そこ!芸者さん困らせない!」



真姫「ほわぁ…」

海未「ふふ、どうでしたか?満足していただけたでしょうか」

真姫「わっ!う、海未さん…。は、はい…、すごかった、です…」

海未「いいんですよ、喋りやすい喋り方で。旧知の仲だと思って話してください。身内、なんですから」

真姫「あ、あぁ…、あははは…、海未さんって…、いえ、海未ってなんか変ね。あれほどすごい舞を見せてもらったと思ったら、今度はくだけた感じで」

海未「私は元々こっちのほうが素ですので。お客様とはお友達のように接したい、がモットーです」

真姫「それはそれでいいのかしら…。それにしても、私たちとそんなに年齢も変わらないのに、あんな舞を踊れるなんて…、よっぽど練習したのね」

海未「母親も芸妓でしたので。私も物心着く前から日本舞踊を習っていただけのことです。もはや、生活の一部ですらありますね」

海未「…どちらかといえば、舞の技術などではなく、どのようにすれば美しく見えるか、今はそれだけを追求しているような気がします」

真姫「美しく…?」

海未「はい。…我が身体は芸術品が如く。人間の美、ではなく、芸術の美を追い求めていますね」

真姫「芸術ね…。確かに、さっきの踊りは芸術って言っても過言じゃないほどに美しかったわ…。あなたが羨ましいくらい」

海未「そうですか?…私は、あなたの方が羨ましいですけれどね」

真姫「え…?」

海未「いえ、何でも。さ、次のお料理がきましたよ。共に食べましょう」

真姫「あ、ごめんなさい…。その前にトイレ借りてもいいかしら…。さっきの日本酒もどき飲みすぎちゃって…」

海未「そうですか…、あ、では厠までご案内いたします。結構複雑な作りになっていますので、ここ」

真姫「あ、そうなの?ありがとう、お言葉に甘えさせてもらうわ」

海未「では、私の後についてきてください。あ、はぐれないでくださいよ?ダッシュで駆け抜けますから!」

真姫「漏らすからやめて…」



茶屋『紫音流麗』 店外


「美しい…!なんて美しい店構えなんだっ!素晴らしいっ!!」

「こここそ、私の欲望の器となるにふさわしい店とは思わんかねっ!フハハハハハハ!!」

「そして…、ようやくこれを試す時が来たようだ…!新しいドーパントの誕生だよ!!ハッピーバースデイッ!!」

「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!」 \カイザー!!/

はい、だいたい予定通りで終われた
このSSの登場人物のほとんどは成人だと思ってもらえれば おおよそ20~23歳の間です
では次回を期待せずにのんびりとお待ちいただければ幸いです ほなな

また隔日になり始めたけど再開します 放置してると勢いが目に見えて減少していくから辛い
ガンバって回復させられるように毎日更新を目指します 多分無理だけど

お座敷内


花陽「えっと、それでですね…」

芸妓「へぇ、そうだったんですか~」

花陽「はい!…ふふ、思ってたよりお座敷、楽しいね」

にこ「ふ、ふんっ!こんなの別に…、楽しくないことは、ないけど…」

戒斗「喜んでもらえたようでなによりだ。さ、遠慮なくもっと飲め」

にこ「うっ…、いらないから…。お酒弱いのに…」

花陽「あ、芸妓さんと一緒にお遊びできるらしいよ!真姫ちゃんが戻ってきたら是非…」


ガララッ

「ほう…、内装もなかなかじゃないかっ!実に素晴らしいっ!!」



にこ「…は?」

花陽「だ、誰…?」

戒斗「…何者だ!」


「あぁ、私かね?いかんな君。人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗るべきじゃないのかね?」


戒斗「貴様…、ふざけているのか…!!」


「フフッ、冗談だ。よかろうっ!!教えてあげようじゃあないかっ!偉大なる私の名前を!!」


鴻上「私は鴻上光生っ!よろしく、皆の者」


にこ「こ、鴻上、光生、って…!!」

花陽「し、指名手配中の銀行強盗っ!!?」

戒斗「あのふざけた硬貨泥棒かっ…!こんなところにまで何の真似だ…!」


鴻上「こんなところまで来てすることは一つに決まっているだろう?私も座敷遊びに興じに来たに決まってるじゃあないかっ!!」

鴻上「こんなに可愛いお嬢さんがいるんだ。私の欲望を満たすために使われること、光栄に思い給えっ!!フハハハハハッ!!!」

芸妓「ひぃっ…!!」


戒斗「貴様ァっ…!!言わせておけば…!フンッ、だが運が悪かったようだな…!」

戒斗「この駆紋戒斗のいる場所へノコノコと入り込んできたこと、後悔するがいいっ…!!」ダッ

鴻上「おや…、君のようなヒヨッコが私の相手かね…?冗談も大概にしたまえ」

戒斗「なんだとっ…!!」

鴻上「君ごとき、私の部下で十分だよっ!さぁ、来たまえっ!!」


「…」ササッ


戒斗「なんだ、貴様…!!」

>>94「…」

ウヴァ

oh…今日は人いないみたいですね…
今度からやる日は昼あたりに予告しておいたほうがいいかな じゃあ明日の夜続き書きます
安価下で 

タイミング悪すぎワロタ
安価来たのでとりあえず続き書きます 度々申し訳ない

ウヴァ「…」

戒斗「なんだ貴様は…。その虫の様な格好は」

鴻上「彼は私独自の技術で肉体に改造を施した戦士、『グリード』なのだよ!」

鴻上「あらゆる昆虫の力を兼ね備える無敵の生物だ!どうだい、素晴らしいとは思わないかね!!」

ウヴァ「全く…、なぜ俺がこんなことを…ブツブツ…」

戒斗「どうやらお前の部下は乗り気では無いようだが?」

鴻上「そんなことはないはずだ。だろう?ウヴァくん」チラッ

ウヴァ「そ、それは俺のコアメダルッ…!!くっ…、えぇいっ!やってやろうじゃねぇか!!とりゃぁぁぁっ!!」ヒュンッ

戒斗「フンっ…、その程度、舐められたものだな。はぁっ!!」ブンッ

バキィッ!!

ウヴァ「おぐっ…!」

戒斗「くらえっ!!」ブオンッ!!

ドガァァッ!!

ウヴァ「ゲヒィっ…!!?人間の癖にやるなテメェ…!!ならば…」スチャッ

戒斗「…っ!なにかくる…!?」


花陽「あ、あれって…!」

にこ「ガイアメモリ…!!?」


ウヴァ「フフンッ、これで俺も最強に…」

鴻上「待ちたまえウヴァくん!」

ウヴァ「な、なんだ…!俺の邪魔をする気か!?」

鴻上「やはり君では力不足のようだ…。ガッカリだよ…。というか改造を施したのに全然ダメじゃないか…」

ウヴァ「ぐぬぬ…」

鴻上「ならば、ここは私が相手をするしか無いようだね。あまり乱暴はしたくないのだが…」

戒斗「ハッ、安心しろ。…力を行使できるのは、力あるもののみ。暴力を振るえるのは一方のみとなるだろう」

鴻上「あぁ…、そのとおりだ。それが正解だ」

鴻上「じゃあ…、はじめよう。一方的な力の行使による暴力とやらをっ!!」\カイザー!!/ ピチュゥゥンンッ!!

戒斗「っ!!?」



カイザー・D「欲望こそ力!力あるものこそ頂点!!頂点に立つもの、それが帝王!!」

カイザー・D「そしてこの私こそが、帝王に最もふさわしい男なのだよっ!!フハハハハハハッ!!!」

戒斗「ごっ…、が、はぁっ…!!」

カイザー・D「おやおや、どうしたのかね…。私を楽しませてくれるんじゃないのかい?」

戒斗「ぐ、っ…!!桁違いの強さ…!!だが俺は…、力などに屈したりは…!!」

カイザー・D「おやおや、こうなってもまだ減らず口がたたけるなんて、なかなか大したものじゃないか」

カイザー・D「ならば…、これならどうかな?」ブンッ!!

ゲシィッ!!

戒斗「ごフゥっ!!!?げぁっ…!!がっ…!!」

カイザー・D「今ので肋骨の何本かは粉砕したと思うが…、まだやる気かな?」

戒斗「ぐぅっ…!!やら、せるか…!!」

花陽「も、もうやめてくださいっ!!このままじゃ…、駆紋さんが死んじゃいます…!!」

にこ「そうよっ!!これ以上やったら、あんたまで…!」

戒斗「ぐっ…!!だが、屈するわけにはいかんのだ…!貴様らを守るために…、俺は…!!」

戒斗「う、うぎっ…!がっ…!!がはぁっ…!」バタリッ

カイザー・D「やっと倒れたか…。意外と骨が折れたよ」ピチュゥゥンンッ…

鴻上「…まぁ、実際に骨が折れているのは彼の方なのだがね。フハハッ」

ウヴァ「フン、手こずらせやがって」

鴻上「君は何もしていないだろう。まぁいい。これから私はこの子達と遊びに興じようと思う」

鴻上「君は邪魔者が入らないように外の見張りを頼むよ」

ウヴァ「ケッ…、あいよ。鴻上の旦那」スタスタ

鴻上「さて…、邪魔な男どもも消えたことだし、これからは男と女の欲望にまみれた遊びと行こうじゃないか…!」

にこ「ひぃっ…!」

花陽「誰か助けて…!」

鴻上「フハハハハハハハハハハハハハハ!!!ハハハハハハハハハハハハ!!!」



ガララッ

ウヴァ「クッ…、あの男がコアメダルを持っている間は下手に逆らえんな…」

ウヴァ「言われたとおり、俺はこの店の見張りをするほか無いか…」

ウヴァ「…フン、別にそれでもいい…。俺は新たな力を手に入れたのだから、このメモリの力を…!」

ウヴァ「誰が来たところで、このメモリの実験台となってもらうだけだ…。ククク…」スタスタ

ガチャッ


「…もう、行った?」

「はい、外へ出ていったようです…」


真姫「ま、まさか…、私がトイレに行っている間に、こんなことになるなんて…」

海未「いえ、ですが…、私と真姫さんだけでも目を付けられなかっただけマシでしょう…。これからどうすれば…」

真姫「…希。きっと、希が…」

海未「はい?」

真姫「きっと私の相棒が、この状況を救ってくれる。…だって私たちは、二人で一人の探偵で、アイドルだから」

海未「…アイドル?」



鴻上「それでは…、まずは>>103でもして遊ぼうじゃないかっ!!」

花札

鴻上「まずは花札でもして遊ぼうじゃないかっ!!」

芸妓「は、花札、ですか…?」

鴻上「そうだ。こういう座敷にはあるだろう?早く出したまえっ!!」

芸妓「わ、わかりました…。少しお持ちください…」


芸妓「持ってきましたが…、本当に…、その、花札でよろしいんですか…?」

鴻上「何を言っているのかね!和風女性に囲まれてする事と言えば花札をおいてほかにあるまいっ!!」

芸妓「そうですか…。では、私がお相手を…」

鴻上「待ちたまえっ!!」

芸妓「はい…?」

鴻上「実は…、私は花札がとても弱いのだよ。だから君の様な慣れている人とやっては私が負け続けだ」

鴻上「だからそこの君っ!!胸の大きな方の君だよ!!」

花陽「…へっ?わ、私っ!?」

鴻上「そうだ君だ!君、ここへ来て私の相手をしたまえっ!!これは命令だっ!!」

花陽「え、えぇ…、でも私花札なんてしたことなくて…」

にこ「ちょっ…!歯向かったら駆紋さんみたいな目に合わされるかもしれないわよ…!!」

花陽「ひっ…!?」

にこ「ここはおとなしく従っておきなさいよ…!」

鴻上「そのとおりっ!何、ルールなら私が教えようっ!!さぁ、ゲームをはじめようじゃないかっ!!」

にこ「…っていうかこの人、さっきから声うるさい…」



茶屋『紫音流麗』前


ウヴァ「ふわぁぁ…、暇だぜ…。とっとと騒ぎにならねぇものか…」


ブロロロロロ…


ウヴァ「おっと…、ようやく来たようだなぁ…」



ことり「…ここが、二人と真姫ちゃんが来てるお座敷…」

希「どうやら…、ドンピシャみたいやね…。場にそぐわない人が店前で構えてるけど…」

ことり「アレ…、人なの?」


ウヴァ「よう。この店になんのようだ?お二人さん」

希「単刀直入に聞く。アンタが、強盗犯か?」

ウヴァ「…まぁ、そうだな。俺はどちらかと言えばそれに付き合わされているだけだが…」

ことり「共犯、なのは認めるんだね」

ウヴァ「あぁ…、もっと俺にはセルメダルが必要なんでなぁ…。ヤツは強盗の報酬にそれを大量にくれるんだよ…」

希「セル…?よくわからんけど、とりあえずそこ、どいてもらおうか!店に入らせてもらうよ!」

ウヴァ「あー…、そうはいかねぇ。ここを通すとアイツに怒られるからなぁ。それに…」\サーヴァント!!/ ピチュゥゥンンッ!!



サーヴァント・D「新たに手に入れたこの力、試すのにお前らはちょうどいい…!」

ことり「えっ…、ど、ドーパントがさらにドーパントに…!?」

希「メモリの二重使用…!?そんなんできるの…?」


サーヴァント・D「えぇいっ!俺はドーパントではない!いや…、今はドーパントだがさっきのは…」

サーヴァント・D「…ハッ!そんなもん今はどうだっていい!さぁ、俺の相手をしてもらおうか!!」


ことり「…そうだね。今はそんなの、どうだっていい…」

ことり「今はただ…、お前を絶望というゴールへ叩き落とす方が、先…!」スチャッ

ことり「変…、身…っ!!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!

ナイト「さぁっ…!!…チェックメイトだよ」ダッ


希「よしっ、うちも…」カチャッ

真姫『…希っ!やっと来たわね…』

希「うん、今から変身…」

真姫『待って!今はダメ…』

希「え…?」

真姫『今変身されると、中の様子が確認できなくなる…。今中にはもうひとりの強盗犯が立てこもってるの』

希「そっか…、真姫ちゃんはそこにいるんやもんね…」

真姫『えぇ、だから今は戦闘はことりに任せて、私たちは中の様子をしばらく観察しておきましょう』

希「…わかった。ことりちゃん!ごめん、そいつ頼んだ!」


ナイト「…了解」\ルーク!!/

\ルーク!!プロモーション!!/

ナイト「でやぁぁぁっ!!」ヒュンッ!!

ズシャァァッ!!

サーヴァント・D「ぐうぅっ…!!お、重い…!!」

ナイト「このまま、後ろ足を生やして…!!」ニョキッ

ナイト「突進っ!!!」ダダダダッ!!

サーヴァント・D「ぬおぉぉぉぉっっ!!!」

ズガァァァァンッ!!

サーヴァント・D「ぐがぁぁっ!!!」ドサァッ…

ナイト「…ふぅ、この程度なら私一人でも大丈夫そうだね」

サーヴァント・D「ぐぅっ…、なぜか負けグセがついているような気がする…」

サーヴァント・D「やはり『これだけ』では真の力は発揮できない、か…。ならばっ!!」

ビリビリッ!! バチバチッ!!

ナイト「…っ!!?角から電撃…!?これがガイアメモリの能力…!?」

サーヴァント・D「ハッハッハ!!違うな、これは俺自身の能力だ!どうだ驚いたか!!」

ナイト「だけどこの程度…!」ササッ

ナイト「当たらなければどうということはないよっ!!」


サーヴァント・D(フン、馬鹿め…!この攻撃は当てるためのものではないわ…!!)

サーヴァント・D(これは俺の真の力を引き出すための布石にすぎない…。クククク…)

座敷内


花陽「えっと…、あ、これって…」

にこ「花陽、それ五光じゃないっ!?」

花陽「あ、揃いました」

鴻上「そんな馬鹿なぁっ!!!!」

にこ「…うっさ」

鴻上「君は私に嘘をついていたのかねっ!!!?さっきから点数の大きな役ばかり揃えているじゃないかっ!!!」

花陽「って言われましても…、偶然じゃないかなぁ…」

鴻上「ぐぅっ…!!もう一回だ!!私が勝つまで終わらせるものかっ!!!」

花陽「うぅ…、長いよぉ…」


ビリビリッ バチバチッ


鴻上「おや、これは…」

にこ「外で音…?」

鴻上「…なるほど」\カイザー!!/ ピチュゥゥンンッ!!

花陽「ふぇぇぇっ!!?」

カイザー・D「何、気にすることはない。さぁ、花札を続けようじゃないかっ!!!」



座敷外


海未「何やら…、また化物に変身したようですが…」

真姫「特に何をするわけでもなく…、普通にあの格好のまま花札を続けてるわね…」

希『花陽ちゃんすっかりビビってるやん…。あ、でもまた高い点であがった』

真姫「あの子もわざと負ければいいのに…、不器用ね」

海未「でも…、あの鴻上という方に変化があるようには見えません。何のためにまた変身を…?」

真姫「何か理由が…?」



店外


ナイト「ぐっ…!?」

サーヴァント・D「ハハハハッ!その程度かっ!?」

ナイト「なんで…?急に力が増した…!?」

サーヴァント・D「ふん、俺の実力だ。さぁ、先程までの借り、存分に返させてもらおうっ!!」ヒュンッ!!

バキィッ!!

ナイト「うむぐっ…!!」


希「急にアイツの力が増した…!?」

真姫『これって…、やっぱり鴻上が変身したことと関係が…?』

希「せやろね…。このままやとことりちゃんが…!」

真姫『ぐっ…!早く何とかしないとやられちゃう…!!』

座敷外


真姫「あいつが変身したことと外にいるドーパントが力を増したことに関係があるなら、早く変身を解除させないと…」

海未「ですが…、どうするのです?変身をやめさせる術など…」

真姫「…ない、わよね…。この場所でことを荒立てるわけにもいかないし…」

海未「…いえ、ひとつだけ、あるかもしれません」

真姫「え、あるの?それって…?」

海未「…私が座敷の中へ入り、あの方を誘惑します」

真姫「へっ…?」

海未「あの方の気分を良くし、良い様におだてるのです」

海未「その後、あなた様の雄姿が見てみたい、だとか、そのお姿のままでは、…ナニができない、だとか」

海未「適当な甘言を用いて変身を解除させることができれば、あるいは…」

真姫「で、でもそれって…、海未さんがあの男の傍に行くってことよね…!?」

海未「そう、なりますね…」

真姫「危ないわよ!もし、意図がバレてしまえば…、さっき駆紋さんが嬲られるのを見たでしょ!?海未さんまであんな…」

真姫「いえ…、あんなのじゃ済まない可能性だって…!もっとひどい目に合わされるかもしれないわ…。危険すぎる…!」

海未「ですがっ…!!ほかに方法は…」

真姫「だけど…っ。…、そ、そうだわ…。これなら…」

海未「え?」

真姫「…お願い、海未さん。私に力を貸して。そして、私を信じて欲しいの」




座敷内


カイザー・D「ぐぬぅっ…!!また負けてしまった…!!ノォォォォォォォッ!!!!」

花陽「ひぃっ、んっ…!!こ、怖いよぉ…」

にこ「た、耐えるのよ花陽…。ひたすらご機嫌を…」

カイザー・D「それでは私が楽しめないじゃないかっ!!!!もっと楽しく遊びたいものだっ!!!」

花陽「ご、ごめんなさい…」

カイザー・D「もういいっ!!!花札はこれくらいにして、次は…、酒だっ!!!酒を持ってきたまえっ!!」

芸妓「は、はい、ただいま…」


「お待ちおくれやすっ!!」


芸妓「はい…?」

にこ「え…」 花陽「この声、って…」

カイザー・D「何事かね…?」


ガララッ!!


真姫「お客様のお酌は、当店ナンバーワンの超天才芸妓こと、この真姫はんにお任せどすっ!」ジャジャーンッ



花陽「ま、真姫ちゃ…!?」

にこ「ご丁寧に着物まで着込んで…!」

多分今日中にこの話終わらせるの無理そうなので今日はここらへんで
一話完結モノなのに長くなっちまったにゃ 次回には終わらせたい
で、多分今日の夜再開します 安価は一回やるか否かくらいですが それではおやすみなさい ほなな

じゃあ始めます
幹部メモリ案ですが既にツバサのメモリは考えてるので使いどころが… 後々財団X的なモノが出ればそこの構成員に使わせることにします
エターナル枠は一応考えてますが今はまだ内緒で 別作品のキャラとだけ言っておきます それでは続きをどうぞ

カイザー・D「ほう、君がこの店のナンバーワンかね。ふむ…、なかなかいいじゃないか」

真姫「そ、そうでっしゃろ…?」

カイザー・D「ああ、実に素晴らしい!!ささ、共に酒を交わそうじゃないか!!」

真姫「え、えぇ…、どうぞ、お飲みやす~…」



~数分前~


海未「真姫さんが、私の服を…?」

真姫「えぇ、お願い。私がアイツに接触して、なんとか変身を解除させてみる」

海未「ですが、それでは真姫さんが危険な目に…」

真姫「大丈夫。私なら、いざとなれば身を守るすべはあるから。安心して」

真姫(…着物の帯にベルトを隠していけば希と繋がりながら会話ができる。即座に変身も可能だし)

真姫「お願い、私を信じて」

海未「…」

海未「…わかりました。真姫さんを信じます」

真姫「ありがとう。じゃあ着物の着付け、お願いできる?あと、会話するときに気をつけることとか…」


~回想終わり~



真姫(…こ、ここまでは予定通り。あとはこいつの変身を解除させられれば…)

カイザー・D「うむ、美味だねぇっ!可愛い女性と飲む酒は格別だっ!!」

真姫「それは光栄どすなぁ~…、おほほほ…」

希『真姫ちゃん、京言葉がぎこちないよ…。わざわざ使う必要なかったと思うけど…』

真姫(いいのよ!雰囲気を掴むためには必要だったんだから…!)

真姫(さて、ここから…、色気のある言葉で変身解除に誘い込む…!)

真姫「ねぇ、お客様ぁ…。私、お酒飲んだからかちょっと火照ってきちゃいました…」

真姫(私のはノンアルコールだけど)

カイザー・D「ほう、そうかね。実は私もポカポカしてきてね。とてもいい気分だよ!!ハッハッハ!!」

真姫「ですからぁ…、そろそろ、その…、大人同士の付き合いといいますか…、もっとお客様のお肌に触れたいなぁ、なんて思ったり…」

カイザー・D「おや…、おやおや…」

真姫「なので、そのぉ…、お客様…?そんな無骨な格好やめて、裸で私とイイこと、しません…?」

カイザー・D「イイこと…、ふむふむ…、そそられる響きだねぇ…」

真姫(よし来たっ…!!そのまま変身を解除…)

カイザー・D「だがすまない。私はこの状態を保っておかなければいけないのだよ。誘ってくれているところ申し訳ないがね」

真姫「あ、そ、そうどすか…。残念やなぁ…、あはは…」

真姫(チッ…、そこまで酔ってないか…。でも、早く解除させないと、ことりが危ない…)

カイザー・D「なんなら…、フンッ!!」ビリッ

真姫「きゃぁっ!!!?なにすっ…!いや、何をなさるんどすかぁっ…!着物を破るなんて…」

カイザー・D「君だけが裸になって私を楽しませてくれる分には問題ないのだがねぇ」

真姫(…冗談じゃないわ!誰が裸なんかに…。くっ、ここは話題をそらすために別の遊びを持ちかけてみましょう…)

真姫「あ…、そ、それより…、私と>>118して遊ぶなんてどうどす…?」

ガンバライジング

真姫「ガンバライジングをして遊ぶなんてどうどす!?」

カイザー・D「ガンバライジング!なんだね一体それは!」

真姫「データカードダス、仮面ライダーバトル ガンバライドの後継機機種であり、3枚のライダーカードを使って闘う3vs3のシンプルなバトルゲームよ!」

真姫「前作ガンバライドと最も異なる点は、自分のオリジナルライダー、ガンバライダーを作ることができるってところかしら!」

真姫「好きなパーツを選び自由に見た目をカスタマイズできるほか、なんと既存のライダーの武器や必殺技を使うことだってできちゃうの!!」

カイザー・D「なんと、それは素晴らしい!!」

真姫「100円で一人プレイができるだけじゃなく、二台あれば二人で対戦だってできちゃうの!」

カイザー・D「理想のライダーチームを作り上げ、互いに競わせることも可能というわけだね!」

真姫「えぇ!ライダーの組み合わせは無限大!あなたも自分だけの最強のライダーチームを結成してみて!」

真姫「データカードダス、仮面ライダーバトル ガンバライジングは全国のゲームセンター、デパート等でプレイできるわ!」

カイザー・D「ハッピーバースデイ!!新しいカードダスの誕生だよっ!!」


花陽「…なにあれ」

にこ「なんという宣伝…」


真姫「…ということどすが…、いかがどす?」

カイザー・D「素晴らしいっ!!君のガンバライジングのプレゼン能力には感動だよっ!!」

真姫「そ、そうですやろ~…、オホホ…」

真姫(って、別にガンバライジングのこと宣伝してもこいつの変身を解けるわけじゃないのに私は何をしているのやら…)

カイザー・D「…ただ残念なことにだがね、私はここを動くことはできないのだよ。だからガンバライジングをプレイすることはできない。ああ、非常に残念だ」

真姫「えっ…」

真姫(動くことができない…?それって、この店から出ていけない、ってことだけじゃなくて…)

真姫(今座っている…、窓際の席から離れることができない、ってこと…?これは、もしかしたら大きなヒント…)

真姫(…希。ことりと戦ってるもう一体のドーパントをよく観察してみて。なにかわかるかも知れない)

希『了解や。あのドーパントを観察、やね…』


店外


ナイト「くっ…!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ!!

ビショップ「これならっ…!!」

サーヴァント・D「甘いっ!!」ヒュンッ!!

バキィッ!!

ビショップ「うぐぅっ…!!移動スピードも速いっ…!!」

ビショップ「だったら…、これならっ!!」ヒュンッ!!

サーヴァント・D「おっと、槍を投げて攻撃などっ…!!当たらんわっ!!」

ビショップ「今っ!!キャスリングっ!!」シュバッ

サーヴァント・D「なっ…、消えたっ!!?」

ビショップ「後ろよっ!!てやぁぁっ!!!」ヒュッ!!

ガキィッンッ!!

ビショップ「なっ…!!?後ろからの攻撃すら、効かない…!!?」

サーヴァント・D「ふん、虫けらの攻撃ごとき、敵ではないわ!」クルッ

サーヴァント・D「くらえぇぇぇぇっ!!」

サーヴァント・D「くらえぇぇぇぇっ!!」ブンッ!!

ビショップ「ぐっ…!!でやぁぁぁぁぁっ!!」ヒュッ!!

バキィッ!!


サーヴァント・D「ごはぁっ…!!」


ビショップ「えっ…、競り勝った…?」

サーヴァント・D「お、ぐふっ…!しまった…、この位置では…!!てぇいっ!!」ピョーン

ビショップ「なっ…!すごいジャンプ力…!」


シュタッ

サーヴァント・D「フン、ここなら問題ない…。さぁ、かかってくるがいいっ!!」



希「今の、って…」

真姫『「この位置では」って行ったわよね、あのドーパント…』

希「うん…。ってことは…、あのドーパントを強くしているのは、位置の問題…?」

真姫『もう一度振り返ってみましょう。あのドーパントの位置関係について』

希「まず、今まであのドーパントとことりちゃんの位置は変わってなかった。あのドーパントは茶屋側、ことりちゃんはは道路側で戦っていた」

真姫『そして最初に位置が変更したのがさっき…。ことりがビショップの能力、キャスリングを使ってドーパントの後ろに回り込んだのよね』

希「そして攻撃を喰らったドーパントは、『この位置では』と言って、ジャンプしてことりちゃんを飛び越し、また茶屋側に戻った…」

希「ってことは、あのドーパントは自分ともうひとりのドーパントの間に誰か入られると、力が弱まる、ってことなんやろうか…」

真姫『いえ、思い出して。ことりがキャスリングを使った最初の一撃。あれは完全に後方部からの一撃だったのにも関わらず、アイツはダメージを喰らった素振りはなかった』

真姫『ダメージを喰らったのは次。やつが振り向いてことりと向き合い、互いに攻撃を繰り出した時。アイツはことりの攻撃に競り負けてダメージを負った』

希「そ、そっか…、ってことは単純に位置関係の問題、ってわけじゃない…」

真姫『そうね。それに、位置関係だとしたらこっちの男が窓際の席から動かない理由も不明だし』

希「…窓際、…あ、窓際!」

真姫『…そうか、窓際…!希、そっちから…』

希「うん、見えてる…!これって、つまり…!」

真姫『えぇ、私たちの推理が正しければ…!これで奴らの牙城は崩れる…!!』

真姫『最後の決め手…!これらのキーワードを私の「音楽室」で…!』



座敷内


カイザー・D「そうだね…、なら次は…」

真姫「…ごめんなさい、少し、待ってもらえますか?」

カイザー・D「ん?なんだね一体…」

真姫「すぅ…」

真姫「…キーワードを」

カイザー・D「キーワード…?何を言っているんだ君は…」

希『一つ目は、「カイザー」…。二つ目は、「サーヴァント」…』

真姫「えぇ…、そう。そして、最後…」

希『三つ目のキーワードは…、「背中合わせ」、や』

真姫「…来た。調律、完了よ」

カイザー・D「なんなんだ…、何を…!」

真姫「…知りたそうだから教えてあげるわ。今調べてたのはね…」


真姫「あなたたちの弱点よ。カイザー・ドーパント」


カイザー・D「なに…!」

真姫「あなたのメモリ、カイザーメモリはそれ自体も強力なメモリ」

真姫「だけど対となるもう一つのメモリ、サーヴァントメモリと組み合わせることで、さらに強大な力を発揮する」

真姫「それはサーヴァントメモリにあなたのメモリの力を上乗せすることが可能、ということ」

真姫「これで外で戦っているサーヴァント・ドーパントは、実に二つのメモリの力を使い戦っているのと一緒」

真姫「だけどその力を発揮するためには条件がある。一つは、メモリの使用者どちらともが変身状態であること」

真姫「そしてもう一つが、二体のドーパントが、背中合わせであること」

真姫「その状態の時のみ、サーヴァント・ドーパントは無敵の兵士となる。よく見えていたらしいわよ。外から、窓越しに貴方の背中がね」

真姫「だけどさっき、ビショップと向き合った時だけは、アイツは背中合わせではなくなった。そのせいで攻撃に競り負けたのよ」

真姫「だったら話は簡単…!あなたをそこから動かないといけないような状態にして、サーヴァント・ドーパントの力を弱め撃破してから…!」

真姫「改めてあなたを倒せば、問題は解決よ!」

カイザー・D「ぐっ…!!どうしてそんなことを…!!?キミ、芸妓ではないね…!?」

カイザー・D「一体何ものだ!!名乗り給え!!」

真姫「私は西木野真姫…。二人で一人の探偵で、そしてアイドルよ!」

カイザー・D「探偵…!そうか…!!なるほど…。フハハハハハハハハハハ!!」

真姫「っ…!何よ、いきなり大きな声で…。ビビるじゃない…!」

カイザー・D「だからなんだと言うのかね!!探偵ごときに何ができるっ!!」ヒュッ!!

ガシィッ!!

真姫「うぐっ…!!の、喉を…、掴まれ…!!」

カイザー・D「私を動けない様な状態にすると言ったね!!どうやって!さぁ、やれるものならやってみたまえ!!さぁっ!!」ググググ…

真姫「う、ぎ…、ぐっ…!!」

カイザー・D「先ほどの青年は素晴らしいことを言っていたよ!!力を行使できるのは力あるもののみだとね!!」

カイザー・D「君には私を動かす程度の力すらないことを思い知らせてやろうっ!!」ググググ…

真姫「ぐっ…、うぐぅっ…!!」

真姫(マズっ…、このままじゃ、首の骨が、折られ…!!)

真姫(た、助けっ…!!)


花陽・にこ「「てやぁぁぁぁぁっ!!」」ダッ

ドンッ!!


カイザー・D「ぐおっ…!!」パッ…

真姫「かはっ…!はぁっ…、はぁっ…」

花陽「真姫ちゃん、大丈夫!?」

にこ「へへ…、これでも婦警だから…!ちょっとくらいは役に立てないと、ね…!」

カイザー・D「貴様、らぁ…!!力ないものの分際で、私に歯向かうだと…!!」

真姫「はぁっ…、ふふっ、ありがと、二人共…。ハッ、これで分かったでしょう?」

真姫「力を行使できるのは、力あるものだけじゃない。あなたをよろめかせることぐらいは、このふたりにもできるってことがね」

カイザー・D「ぐっ…!!ウオォォォォォォォォォォォォ!!!!!」

真姫「もう同じ手は食わないわ!二人共、下がってて!」

花陽「う、うん…」 にこ「あ、あとは頼んだわよ!」

真姫「…えぇ、任せて」


カイザー・D「オォォォォォォォォォォッ!!」

<ギャオォォォォォォンンッ!!

バキィッ!!

カイザー・D「ヌオッ!!?なんだ、この…!!」


真姫「…遅い。やっと来たわね、ワイルドメモリ」 <ギャオォォォォォォンンッ!!

真姫「そうね。行くわよ、希!」\ワイルド!!/

希『了解っ!!』\スター!!/

真姫・希『「変身っ!!」』

\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!!」」

カイザー・D「グッ…!!」

Muse「ここで暴れると危ないからね…」「ちょうど窓際や!そのまま外に運んだるっ!!」ガシャンッ!!

\シャイニングスター!!/


Muse「「でやぁぁぁぁぁっ!!」」ビュンッ!!

ズバシュッ!!

カイザー・D「ぐおぉぉぉぉぉっ!!!」

パリーンッ!!



店外


ドサァッ

カイザー・D「お、ぐぅっ…!!」

サーヴァント・D「なっ…!鴻上の旦那…!!なんで…!」

ビショップ「どうやら、もうひとりがやってくれたみたい、だね…」

サーヴァント・D「た、立って背中合わせにならないと、俺が…!!」

ビショップ「弱くなる、だよねっ!!」ヒュッ!!

ズドォッ!!

サーヴァント・D「ゴハァッ!!が、グギ…!!」


カイザー・D「くっ…!このままでは…」

サーヴァント・D「ぐっ…、俺は、嫌だ…!!」

Muse「行くよ、ことりちゃんっ!」「一気に真姫シマムでケリをつけるわよ!」

ビショップ「うんっ!!」

\ファング!!/ \ビショップ!!/ \\真姫シマムドライブ!!//


Muse・ビショップ「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」」


ドガァァァァァァァンッ!!

Muse「やった…!?」

ビショップ「間違いなく直撃…!」


サーヴァント・D「ぐ、がっ…!あの野郎、俺を、盾、に…!ぐふぅっ…!!」ピチュゥゥゥンッ…

ウヴァ「ごはぁっ…!!」ニュニュニュ…、パキンッ


Muse「ひ、ひとりいない…!」「鴻上のやつ…、逃げやがったわね…!!」

ビショップ「そう遠くへは行っていないはず…!すぐに応援を呼ぶねっ!!」

Muse「うん…」「散々、だったわね…」



座敷内


真姫「…大丈夫?怪我、ない?」

花陽「う、うん…、大丈夫…」

希「全く…、無茶するなぁ…。ドーパントに突進やなんて…」

にこ「だ、だって…、あのままだと真姫ちゃんが…」

真姫「えぇ、ありがとう。あなたたちのおかげで助かったわ」

にこ「そ、そうでしょ!へへんっ、私たちはこれでも超常犯罪捜査課なんだから!ドーパントにビビってちゃ名が廃るってもの…」

花陽「って言うけど、にこちゃん足ブルブル震えてたよね」

にこ「それは花陽もでしょ!…ったく、コワイに決まってるての…」

花陽「あ、超常犯罪捜査課で思い出したけど…、南刑事は?」

希「今鴻上の行方を追ってるって」

にこ「あ、じゃあ私たちも…!」

真姫「あなたたちは襲われたばかりでしょ。精神的にも参ってるんだから今はゆっくり休みなさい、って、ことりが言ってたわ」

花陽「そ、そっか…。でも、駆紋さんが…」

戒斗「ぐ、ふ…、俺なら、平気、だ…」

にこ「何強がってんのよ!お、おとなしくしてなさいよね…」

希「さっき救急車を呼んだから、もう少しで着くと思う。それまで安静に、やね…」

戒斗「…すまない。俺がこんなところに連れてきたばっかりに…、お前たちに怖い思いをさせて…」

花陽「うぅん…、そんなことないです。だって、駆紋さんが私たちをかばってくれたから…」

にこ「あのドーパントに立ち向かう勇敢な姿を見たから、最後に歯向かう勇気が出たんだから…」

戒斗「そう、か…。フッ…、お前たちは…、強いな…。その小さな身体からは想像もできないほど、強い…」

花陽「駆紋さん…」 にこ「ち、小さいは余計よ…!」


希「これで一件落着、かな…」

真姫「…そういえば…、海未さんは?海未さんは無事なの?」

芸妓「それが…」

真姫「え…?なにか、あったの…?」

芸妓「先ほどから姿が見えなくて…」

希「えっ…、ってことは、連れ去られた…!?」

芸妓「いえ、私物も一緒になくなっていたので…、おそらく帰ったのかと…」

真姫「そ、そう…。それならいいけど…」

希「誰にも声をかけずに帰るなんて、よっぽど怖かったんやね…」

その夜  どこか


ピーポー、ピーポー…



鴻上「はぁっ…、はぁっ…!ぐっ…、えらい目にあってしまったよ…。早くこの街から抜けなくては…」

鴻上「だがその前に…、このメモリよりもっと強いメモリを授けてくれると、私にこれを渡した者から連絡があった…!」

鴻上「それさえ手に入れば、こんな街とっとと…。しかし、その人物はどこに…。この時間にこの場所だと指定されたはずだが…」


「…」スタ、スタ…


鴻上「…だ、誰だ…!」

英玲奈「…こんにちは」

鴻上「君は…。もしかして、私にメモリを授けてくれた者かね…?」

英玲奈「…もう一度会えて、光栄だわ…。『Mのメモリ』の持ち主…」

鴻上「…?何を…、言って…。私の持っているメモリはKの…」


「えぇ、こちらも。もう一度お会いしたかったです。統堂英玲奈さん」


鴻上「…っ!もうひとり…、私の後ろに…!!」

英玲奈「そう、それは気が合うこと。仲良く、できそう」


英玲奈「…園田海未さん。…いえ、苑ノ野海未さん、と呼んだほうがいいの、かな?」


海未「…それは、芸妓の時だけの名前。今の私は、ただの園田海未ですよ」

鴻上「な、何なんだね君たちは…!!ここは…!」

海未「あら、鴻上さん。私をお覚えではないですか?」

鴻上「私の名前を…!いや、君など…」

海未「でしたら…」\ミックス!!/ ピチュゥゥンンッ!!

ミックス・D「これなら、どうですか?見覚え、あるでしょう?」

鴻上「き、君はっ…!!私にこのメモリを渡してくれた…!」

ミックス・D「えぇ、そうです。あなたにメモリを渡して、先ほど連絡を入れたもの、です」

鴻上「そ、そうだったのか…!頼む、早く次のメモリを…!」

ミックス・D「…残念ですが、それはなりません」

鴻上「え…?」

ミックス・D「惜しい逸材でした。ドーパントのビジュアル、能力、どれをとっても一線級に美しかったのに」

ミックス・D「その真髄であるサーヴァントメモリとの連携を失ってしまえば、もはやその輝きは地へ失せます」

ミックス・D「二つのメモリを熟成させて、その時になれば頂こうと思っていたのに…、一つでは既に意味はありません」

ミックス・D「ですので、あなたにはここで私の芸術のために死んでいただくことにしました」

鴻上「何を」

ズシュゥッ

鴻上「えっ」


ミックス・D「私の身体の中に眠るいくつものメモリたち…。それらの能力を自在に組み合わせ、使用することができるのが、私の力」

ミックス・D「今のはドットメモリとスティングメモリの組み合わせです。…どうです、綺麗でしょう?」

ミックス・D「身体に、大きな穴が水玉のように空いて…、まるで芸術品のようです」

鴻上「私の…、体に…、穴が…」


ミックス・D「あぁ…、美しい…。このメモリの組み合わせは、実に最高です…」

ミックス・D「人間の身体から向こうの景色が覗けるなんて、とても神秘的な光景だと思いませんか?」

ミックス・D「あ、もう立っていられないようですね…。いいですよ、眠ってください。どうせなのでメモリは私が美味しくいただきますから」


鴻上「あっ…、ぐ、ぉ…」バタッ


ミックス・D「ふぅ…、この人もよい芸術品でした。それでは敬意を込めて…」スッ

ミックス・D「カイザーメモリ、いただきます…、あむっ…」


ゴリッ…、バキッ…、バリバリ…、ゴクンッ…


ミックス・D「なかなかのお手前…。ごちそうさまでした」ピチュゥゥンンッ…

海未「…失礼しました。話の途中でしたね」

英玲奈「いや、私もとてもいいものが見られた。そうか、あの死体はこのようにして作られていたのね」

海未「ふふ…、いいでしょう?人間の身体は最高の器ですよ…。私の芸術を表すための、ね…」

海未「あなたの身体も…、とてもいい器になりそうです…」

英玲奈「そう…?嬉しい…。あなたのような人に殺されるなら、本望だ…」

海未「そう思って下さるなんて、私の趣味を理解してくださったのはあなたが初めてです」

海未「やはり、あなたとは良き理解者として、友人になれそうですね」

英玲奈「えぇ。…それで、一つ提案なのだけれど…」

英玲奈「UTXに来る気は…」海未「お断りします」

英玲奈「…即答ね。理由は?」

海未「私は今の仕事が気に入っていますので。UTXなどというところに行く気はありません」

英玲奈「そう、なら仕方ない」

海未「…まぁ、またお食事になら、伺います。それでは、今日はこれで…」スタスタ…

英玲奈「…」

英玲奈「…フ」

英玲奈「フハッ…、アハハハハ…、ハハ…」

英玲奈「…これほどまでに、嫌な汗をかいたのは…、久しぶり…」

英玲奈「ツバサを怒らせたとき以来、かしら…」

英玲奈「やはり、あの女とは…、仲良くなる必要が…、ある…」

英玲奈「敵に回すのは、余りにも、危険、だから…」

東條西木野☆探偵事務所内


ことり「…鴻上光生は死体で発見された。全身に数箇所の穴を開けられ、失血死…」

ことり「これが、その写真…」

凛「うぶっ…!や、やめてよそんなの…」

真姫「これは…」

希「この死に方…、って…。やっぱり…」

ことり「…間違いなく、私の母を殺した犯人と、同一犯」

ことり「やつは、この街に、いる…」

希「…」

ことり「…また、なにか情報を見つけたら、教えて」

ことり「じゃあ、私はこれで」スタスタ…


ガチャッ チリンチリーン


希「…」

希「…ふぅ」

真姫「今日のことり、超怖かったわね…」

凛「全身から殺気を放ってたにゃ…」

希「やっぱり、自分の肉親を殺したやつ、やからね…。そうなるのも分かるけど…」

凛「至るところに殺気を撒き散らかすのはやめてほしいにゃ…。こっちの寿命が縮んじゃうよ…」

真姫「…でも、これでわかったわね。ことりとはこれからも仲良くしましょう」

希「どうして…?」

真姫「…敵に回すのは、余りにも危険、だからよ」



第18話「Kの思惑 / 輝夜の座敷で踊りたい」

おわり

真姫「はい、18話でした」

希「いつもより長くなっちゃった感じやったね」

真姫「一話完結にしようと思ったけど多方面視点の物語を書こうとするとどうしても長くなっちゃうしね」

凛「そして次回は2話完結のお話になる予定にゃ…。どうするの?」

真姫「まだ完全に未定よ。おそらくこれから数話にかけて、今回出てきた井坂枠の人がちょくちょく絡んでくると思うけど」

希「だいたい500~600くらいまでにはケリをつけたいみたいやね」

真姫「今の予定だと2スレじゃ終わりそうもない気がするけど…、まぁいいわ。どうせAtoZも含めると絶対に3スレ使うことになるだろうし」

凛「ほんとにやるの?AtoZ…」

真姫「その予定ね。ラブライブ!ではない作品からもキャラが出る、って話だけど…」

希「全く知らなくて着いてこれない、って方もいるかも知れないですけど、その時はノリでなんとかしのいでください」

真姫「まぁまだ予定だから、その時にならないとやるかどうかわからないけどね。モチベの問題もあるし」

凛「まずは本編を終わらせることを優先するにゃ!」

希「せやね。そろそろうろなんとかもやりたい時期になってきたし…」

真姫「ま、そんな話は置いておいて、次回のメモリ安価して終わるわよ」

凛「…そういえばことりちゃんは?」

希「エンドトークやるよ、って誘える雰囲気やなかった…」

凛「…そっか」

真姫「じゃ、今日はここまで」

希「次回をお楽しみにね」

凛「これで決まりだにゃ!」



次回のメモリ
>>128(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D,C,E,L,K以外)

bloom

前も言ったけれどクリニック関連が出てくるとしたらAtoZすら終わった後になると思われ そしてその頃にはモチベを保ってられなさそう
これが完結したらクリニック的なやつをうろライブ二期と共にやるかも いつになるかはわからないけれど
というわけで相変わらず隔日更新だけどやっていきますよ

東條西木野☆探偵事務所内


ことり「コーヒー、淹れたよー」

希「ん、あ、あぁ…、ありがと…」

ことり「ふんふんふーん…」

凛「こないだは鬼神のごとくなオーラだったけど…」

希「ようやっといつものことりちゃんに戻ったみたいやね」

真姫「ま、四六時中怒ってもいられない、ってことでしょ。息抜きも必要よ」

希「その息抜きがうちに来てコーヒーを淹れてくれること、っていうのはいいんやろか…」

ことり「ふふ、別に気にすることないよ?私が好きでやってることだし」

凛「ことりちゃんはこういうお茶くみみたいなこと、好きなの?」

ことり「そうだなぁ…。…そうかも。元々誰かを従えるより、誰かの下につく方が性に合ってる方だし」

真姫「それが今では超常犯罪捜査課のリーダー、ね…。人生どう動くかわかったのもじゃないわね」

希「…微妙な問題やからあんまり声高に言うもんやないよ」


ことり「あ、そういえば、この写真立てに入ってる写真…。これ…」

凛「ん…、あ、それはね!」

真姫「私たちが初めて3人で撮った…、東條西木野☆探偵事務所が設立した日の写真ね」

希「うわ、懐かしい…。それどこにあったん?」

ことり「下のお部屋掃除してたら出てきて…。ふふ、みんな変わってないね」

真姫「そりゃまぁ、一年前だしね。そうそう変わらないわよ」

希「うちと凛ちゃんと真姫ちゃんで、初めて解決した事件の後に撮った写真でもあるよね…」

凛「…それもだけど、なんでことりちゃんがうちの地下の掃除を…。そこまでやってくれなくてもいいんだよ…?」

ことり「でもでも!あれだけ散らかってたら掃除したくもなるよ!そんなわけだからもう一回掃除に行ってきます!」タタタタ…

希「あ、行ってもた…」

真姫「あれがことりなりのストレス解消法なんでしょ、ほっときなさいよ。誰かに傅く方が気が楽になるタイプなのよ、きっと」

凛「そんなもんなのかにゃ…」

真姫「そんなもんなの。警察署じゃ常に気を張ってる必要もあるし、たまには素の部分も人に見せたいのでしょうね」

希「そっか…。それにしても、この写真、まさか地下の方にあったなんてなぁ…」

凛「この事件に関わった人、今思うとみんな特徴的な人ばっかりだった気がするにゃ…」

真姫「たしか戦極以外はもう釈放されているはずよね…。みんな元気かしら…」


コンコン

凛「ん?ノックの音…?お客さん?」

希「どうぞ、お入りくださーい。空いてますよ?」


「そ、それはわかってるんですけど…、いいんですか…?」


真姫「…?変な質問ね。いいから入ってきなさいよ」


「わ、わかりました…。じゃあ…」


ガチャッ チリンチリーン


希「なっ…!?」 凛「えぇっ!?」 真姫「ふぇっ…!!?」

「ど、どうも…」


希「な、なな…!!」

凛「これ…、って…!」

真姫「体中花で覆われた、花の怪物…?ドーパント、かしら…?」

「ち、違うの…。いえ、違わないんだけど…。よい、しょっ…」ブチブチ

凛「わ、ドーパントが自分の体の花をちぎり始めたにゃ」

希「いや…、これは…。違う、これドーパントじゃなくて…、直接身体に花が咲いてるんや…」

真姫「うぇ…、キモいわね…。何がどうなったらそんな状態に…」

「もうちょっと待って…、もう少しで、顔が…。よっ…」ブチブチ

「ふう、これで、大丈夫かしら…」

希「えっ…。あっ!あなたは…!」

凛「わー!!ひ、久しぶりだにゃーっ!!」


親鳥「えぇ、とっても久しぶりね、探偵さん」

親鳥「巻き毛のあなたは、はじめましてかしら。ユグドラシルという会社に勤めてます、親鳥っていうの。よろしくね」


真姫「あぁ…、えぇ、存じてるわ。ついさっきその事件の話をしていたところだから」

希「いやぁ…、ご無沙汰してます…、いや、その話をしたいのも山々なんですけど…」

凛「何がどうなってそんな格好に…?」

親鳥「えぇ、実は…、えいっ…、やっ…」ブチブチ

真姫「今度は腕の方の花を千切り始めたけど…」

親鳥「もう…、素肌を見せるだけでも一苦労よ…!やっ!」ブチッ

真姫「あら、腕のそれは…」

希「ガイアメモリのコネクタ…!?ってことは…」

凛「ほんとにドーパントだったの…!!?」

親鳥「そうなのよ…。でも…」

真姫「…メモリを使用しているのに、ドーパントの姿になっていない。これって…」

希「…親鳥さん。どんな経緯でそのメモリを手にしたか、うちらに教えてもらえませんか…?」

親鳥「えぇ、わかったわ。最初から説明…」モサッ

凛「うわ、また顔の方に花が…」

親鳥「もう面倒だからこのまま続けるわね」

親鳥「私、どうしても咲かせたい花があったの…」

希「咲かせたい花…?」

親鳥「えぇ…。その…、研究に使うための、花、をね…」

凛「たしか親鳥さんの勤めるユグドラシル、って、植物を用いた薬の研究もなさってるんですよね?」

親鳥「えぇ。…だけど、その花は遠い未開の地にあるとても貴重な花で、輸入費に莫大なお金が掛かる他、今の季節じゃ咲いていない貴重なもの、なの…」

親鳥「そのことで悩んでいたとき、ちょうど…、好きな花を咲かせられるって話のメモリ…、『ブルーム』のメモリを手に入れたの」

真姫「…だからといって、ガイアメモリを使うことは…」

親鳥「えぇ、分かってましたけど…。でも、どうしても必要だったから…。だからこれだ、って思って使ってみたのだけれど…」

親鳥「花を咲かせることが自分の意思ではできなくて…。こんな身体中に変な花が一杯…。それに、メモリも体から抜けなくなって…」

希「メモリが体から出ない…?」

親鳥「はい…。ほとほと困ってたんだけど、去年の事件を思い出して…。ここなら助けてもらえるかも、って」

凛「まぁ…、今までガイアメモリを対処した回数ならどこにも負けないけど…」

親鳥「あっ…」モファファファファファ…

凛「おわぁっ!!?床に花がっ!」

親鳥「ご、ごめんなさい…。今日もここに来る途中も道にたくさんの花が…。抜くわね…」 ブチブチ

希「…っていうか、その姿のままここまで来たんですか…。よく通報されなかったもんやね…」

真姫「…しかし、本来そのような異能の力を発揮するのは超人形態に変化してから…」

凛「親鳥さんの姿のままこうやって花咲かおばさんになってるのは…?」 親鳥「…今おばさんって言った…?」

真姫「このメモリは異常だわ…。バグが発生してるのかも」

親鳥「その…、どうにかならないかしら…」

親鳥「…早く、元に戻らないと…」

真姫「メモリの製造過程を突き止める必要があるわね。その…、黒服を来た組織の売人から買ったのかしら?」

親鳥「…いえ、貰ったの。えっと…」

親鳥「物腰の柔らかな…、落ち着いた印象の女の子。ちょうど、あなたたちくらいの年齢の子、だったわね。悩んでる私のところに現れて…」

真姫「…売人じゃない。謎の少女…」

希「その子を探し出すしか手はなさそうやね。まぁ、うちらに任せておいて。困ってる街の人間を放っておくわけには行かないから!」

親鳥「ホント!?助かるわ」

希「よし、凛ちゃん!出掛けるよ!聞き込みや!」

凛「がってん承知にゃ!」

親鳥「あ、じゃあ私も…」

真姫「あなたはその格好だと普通に不気味だから…。あ、ちょうどここにバロンくん着ぐるみがあるからこれを着なさい」

親鳥「なんでこんなものが…」

凛「真姫ちゃんの収集癖が発揮された結果だにゃ…」

希「それじゃ、親鳥さんの着替えが終了したら、出発やー!」

「「「おーっ!」」」



数分後…


ガチャッ チリンチリーン


ことり「みんなー、地下のお掃除終わったよー…、って…」

ことり「…誰もいないし!?どこ行ったのー!?」

???


英玲奈「ふんふんふーん…、ふふっ…」

英玲奈「これ、可愛いかな…。うふふ…」


ツバサ「…」

あんじゅ「…」

ツバサ・あんじゅ(英玲奈がにこやか…。キモイ…)

あんじゅ「笑うよりただただ笑顔なのが怖い…」

ツバサ「あれは普通にいいことがあった時の顔ね…。いえ、むしろ楽しみなことがこれから起こる時の顔、かしら…。しかも、それに加えてあれは…」

あんじゅ「あれは…?」

ツバサ「雌の顔をしてるわ」

あんじゅ「…」


英玲奈「…ん?何の話をしていたんだ?あ、少し出かけてくる」


あんじゅ「…やっぱり、例の…?」

ツバサ「園田海未、ね…」

あんじゅ「確かに可愛かったけど…。でもあの人の目、怖かった…。英玲奈、大丈夫かしら…」

ツバサ「ま、英玲奈なら平気でしょ。英玲奈に好きな人が出来たってことでいいじゃない。素直に祝ってあげましょ」

あんじゅ「…そうだと、いいけど…」




希(うちらはそれから親鳥さんにメモリを渡した人物の足取りを追った)

希(身長160cmくらいで胸が控えめ、長髪の和服が似合いそうな美人、てことやけど…)

希(真姫ちゃんが「どっかで会ったことあるような…」って呟いてたけど、聞き込みで収穫は今のところなかった…)

希(うちらと離れて行動してる凛ちゃんと親鳥さんの方はどうやろか…)



凛「え、知ってる!?」

男「え、えぇ…。いつも行く和食店でよく目にしますね。いつも綺麗な着物を着て…」

凛「それって何時ごろの…」

男「あ~…、そうだなぁ…。ちょうど今頃の時間帯に来てるんじゃ…」

凛「ありがとうございます!」


凛「…だって!今から向かってみるね!」

希『わかった、うちらも今からそこに向かう。…危険やと思ったらすぐ逃げるんやよ?』

凛「了解にゃ!」

親鳥(バロンくん装備)「えっと…、見つかる…、のよね?今日中に、あの人に…」

凛「ん…?親鳥さん、どうしてそんなの焦ってるの?」

親鳥「え…、いや、とにかく急いで欲しいのよ!ほら、その和食屋っていうのに…」


ことり「あ!凛ちゃん見っけ!もーどこ行って…、って誰そのバロンくんは…」


凛「あ、ことりちゃん」

親鳥「え、ことり…?」

ことり「えっと…、そういうお仕事をされてる方?」

凛「えっと…、そうじゃなくて…、この人は親鳥さんって言って…」

親鳥「あの…、この子のこと、今ことり、って…」

凛「え、あぁ…、この人は音都警察署の南ことりちゃん。この若さで刑事さんなの」

凛「で、親鳥さんは、依頼人で、ユグドラシルの研究員をしていて、植物人間で…」

凛「ど、ドーパント…」

ことり「はぁ、ドーパント…。…ドーパント!?」

ことり「逮捕します」スチャッ

凛「あーっ!待って待って!!まず親鳥さんにメモリを渡した人を探さないとダメなの!ね?」

親鳥「う、うん…」

ことり「ドーパント逮捕すべし。慈悲はない」

凛「ドーパントスレイヤーだよこの人…。ちょっとくらい話聞いて…」



和食店『鈴音華月』


凛「というわけでこの3人で和食店まで来たのだ」

凛「…で、それっぽい人は…」

親鳥「あ、あの人よ!店の奥でたらふく食べてる…」

ことり「うわ、本当に一杯ほおばって…。あれが一人分なのかな…」

凛「というわけでことりちゃん、お願いします」


海未「もぐ、もぐ…」

ことり「…警察です」

海未「ほむ?…んぐっ。なんでしょうか、お昼のこの時間に…」

ことり「ガイアメモリ流通の件で聞きたいことがあるの」

海未「まだ食事中ですので後にしてください。…もぐもぐ」

ことり「立って!!」グイッ


凛「お、落ち着いてことりちゃん…」


海未「…ことり?もしかして…、南ことり、ですか、あなた?…南理事長の娘さん」

ことり「…どうして私の苗字を…!?そしてどうして私の母が学校の理事長であることも…!」

海未「会いましたから。…去年の八月に」\ミックス!!/

ことり「Mのメモリ…!まさか…!!」

海未「ふふっ…」ピチュゥゥゥンッ…!!

凛「ひぃっ…!!」



ミックス・D「フフフフフ…!」



キャードーパントガデタゾー ニゲロー タスケテー


ミックス・D「さて、ここは…、ハリケーンの力でも…」\ハリケーン!!/

バヒュゥゥゥゥゥッ!!


凛「きゃぁっ…!!」

親鳥「ひぃっ…!」

ことり「くっ…!変っ…、身!!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!

ナイト「くっ…、大丈夫!?」

凛「う、うん…」

ナイト「アイツは…、逃げたか…!逃がさない…っ!!」



ナイト「はぁっ…、はぁっ…!どこへ消えた…!?」

ミックス・D「後ろ、ですよ」

ナイト「きっ…!」ブンッ!!

ミックス・D「アハハハハ!遅いです!」ヒュッ

ナイト「だったら…!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ \ナイト!!プロモーション!!/

ビショップ「これでっ…!!てやぁっ!!!」ブンッ!!

ミックス・D「その程度ですかぁ?運動が足りていないようですね…」ヒュッ ヒュッ

ビショップ「このっ…!!」


\ビブラート!!/\ハーミット!!/ ディーデデディンッデドドーン


Muse「輝彩滑刀っ!!」シュバッ!!

ズバシュッ!!


バシィンッ!!

ミックス・D「うぐっ…!おっと…、飛ぶ斬撃ですか…。かっこいいですねぇ…」


ビショップ「希ちゃん…!」

Muse「チッ…、直撃したのにまるで効いてない…!」「こうなったら…!!」スッ

\ハーミット!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「ハーミットカンツォーナ!!」」


ハーミットカンツォーナとは!

微細に振動する刃を無数の斬撃として相手に浴びせる必殺技である!


シュババババッ!!

バシュゥンッ!!


Muse「やったか!?」「…やってないでしょうね…」


ミックス・D「ふぅ…、この程度ですか?」

Muse「真姫シマムが効いてないなんて…!」「なんてパワーや…」

Muse「こうなったらもう一本…!真姫シマムや!」「無茶はやめなさい希!ツイン真姫シマムは危険よっ!」

Muse「そんなこと言われたかてどうすりゃいいのん!?」「キャラがいきなり不安定になってるわよ…」


ビショップ「だったら私がァ…!!チェックメイトだぁぁぁっ!!」\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/

ビショップ「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」


親鳥「ま、待って!!」バッ


ビショップ「ふ、ふざけないで!そこを退きなさいっ!!」


親鳥「…お、お願い。私のメモリがおかしくなっちゃったの!ちゃんと使えるように、直して…?」


凛「んなっ…!?何言ってるの!?元に戻りたいんじゃ…」


親鳥「使えなきゃ、困るのよっ…!」

ミックス・D「わかりました。…そのためには、素肌を見せてもらう必要がありますね」

ミックス・D「…ふんっ!!」\ハリケーン!!/\サンダー!!/


ビリッ…、バチバチッ!!


Muse「ぐっ…!!強烈な雷の嵐がっ…!?」


凛「うっ…、親鳥さんは…!?」

ビショップ「いない…!ぐ、ぐっ…!!うああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ヒュンッ!!


ドゴォォォンッ!!

東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「かつて音都を震撼させた連続殺人事件…、南ことりの母を殺した真犯人…。Mのメモリの正体は…、ミックス」

ことり「…っ!」

真姫「…ミックスは、あらゆるものをまぜこぜにする能力。おそらく、ミックスのメモリの持ち主はメモリの能力を複合させたんだわ」

真姫「他にも当時、不気味な死因の殺人事件が多数存在している…。体のパーツが全てちぐはぐに入れ替えられていたり、体の一部が家具のような形に変形していたり…」

希「それが…、全部さっきのドーパントの仕業、ってこと…!?」

ことり「…ご苦労様。それだけわかれば…、十分…!」ダッ…

凛「ちょっ…!ことりちゃんっ!あいつに連れて行かれた親鳥さんを助けないと!」

ことり「…ふざけないで。望んで悪党についていったような人をどうして助けないといけないの!」

凛「あぅ…」

ことり「…」スタスタ…

希「ことりちゃんっ!!どこ行くんやっ!!」

真姫「…一人では殺されるだけよ」

ことり「何…?」

真姫「単独の真姫シマムでは通用しない。共闘が必要よ」

ことり「殺される…?上等じゃない…。家族の敵を討てるなら私はどうなったっていい…!!死んだって構わないっ!!!」

希「死んでも、構わないやって…!!?…そう思ってんのはお前だけやっ!!」

ことり「…」

希「少しは周りを見て…。心配してる人がおるやろ…?」

ことり「…黙れ。あなたたちと和んでる暇なんてない…!」スタスタ…

希「…」

凛「ことりちゃん…。また鬼神モードになっちゃったにゃ…。今までで一番怖い…」

希「…やっと仇を見つけたんや。まぁ…、無理もないよね…」

真姫「…待って、希。念のため注意しておくわ。…南ことりがああなった今こそ、あなたには身長さが必要よ」

希「…うるさいな。真姫ちゃんはうちのオカンなん?」

真姫「…ぅ、あぅ…」

希「…ふ、わかってる。無茶はせんよ。…相棒」スッ

真姫「…えぇ」スッ


(拳と拳がぶつかる音)

ちょいと早いけど今日はこの辺で まだ12話見てないし
また本編パクリですがご了承ください だってメモリとか登場人物とかうまいこと当てはまりそうだったんだもん
おそらく明日続き書きます 多分19話終わったらちょっとだけ20話やると思います ではこれで ほなな

音都警察署


ことり「…園田海未、22歳。この間事件で訪れた店の芸妓…!この女で間違いない…!」

ことり「行ってくるね」ダッ


花陽「あっ…、行っちゃった…」

にこ「何の事件追ってるかわかんないから私たちの出番がない…」

花陽「もうちょっと頼ってくれてもいいのに…」



東條西木野☆探偵事務所内


希「うぅん…、親鳥さん…、なんでMのメモリの持ち主に付いていってしまったんやろ…」

真姫「わからないことを考えても仕方がないわ。凛、あなたミックスの持ち主の顔見たんでしょ?」

真姫「写真かなにか持ってないの?」

凛「う…、咄嗟にカメラを出すって発想がなかったにゃ…。あ、でも似顔絵なら…!!」カキカキ

希「ほうほう…、なかなか上手やね」

凛「えっと…、着物を着て、挑発の美人さん…。喋り方は丁寧で…」カキカキ

真姫「ん…?これ、って…」

凛「出来た!こんな感じの人だったにゃ!!」ジャジャーン

真姫「…っ!!これ、間違いない…!あの芸妓…、苑ノ野海未…!!?」

希「えっ…!この間の…!!?」

真姫「えぇ…。この絵と凛のいった条件に合致する…。まさか、あの人が…!くっ…!!」

凛「げいこ…?あぁ…、花陽ちゃんとにこちゃんが誘ってくれたやつ…。全然凛の出番無かったから忘れてたにゃ…」

希「…そうと決まればあの店に急ごう!そこにいるかは分からないけど情報が得られるはず…!」

真姫「…えぇ」



とあるアパート


海未「…ふむふむ。なるほど…」

親鳥「あの…。そんなところ触られると…」

海未「あぁ、すいません。もう少しですので我慢してください」


英玲奈「…」ジー

海未「…」

英玲奈「…じー」

海未「気づいてます。わざわざ凝視してることを口に出さないでください」

英玲奈「…せっかく会いに来たのにそんな花女にかまけてばかり…。ぷんぷんだ」

海未「と言われても…、私の渡したメモリの不具合なのですから、ちゃんと責任を取らないと…。あと少しですので待っていてください」

英玲奈「…そんな出来損ないのドーパント…。私より大事?」

海未「…えらく似つかわしくない言葉を…。…まぁ、今はあなたより大事ですね」

英玲奈「むっ…!もーばかー…。…会えるのを楽しみにしてきたのに…。ふんっ…!」スタスタ

親鳥「あっ…。行っちゃったけど…、お友達じゃなかったの…?」

海未「んー…、まぁ、平気でしょう。今はそれよりあなたの方が先決ですので…」

海未「…はい。もう平気です。メモリの不調は収まりました。今は自由に花を咲かせたり枯らせたりできるはずです」

親鳥「本当に…?…えいっ!」ポンッ

親鳥「あっ…、本当だわ!やっ!たっ!」ポンッ ポンッ

親鳥「身体から勝手に花が生えてくることもない…!よかった、これで…」

海未「メモリは体内にあるままですが…、まぁ支障はないと思います」

親鳥「ありがとうございます!早速帰って…」

海未「あ、帰るならこのバロンくん着ぐるみ持って帰ってください。荷物でしょうが」

親鳥「あぁ、そうだったわね…。でもこれを運ぶのは大変そうだし…。あ!そうだわ!着ればいいのよ!」

親鳥「あっちの部屋で着替えてくるわね!」スタスタ

海未「…えぇ、どうぞ」

海未「わざわざ着ることもない気がするのですけれど…。本人がそれでいいならいいですが…」


ガチャッ


「…お邪魔します」


海未「あら、お客さんでしょうか…。はい、ただいま」


ことり「…いえ、出迎えてくれなくて平気…。やっと、見つけた…!」

海未「…おや、あなたは」



親鳥(…誰か来た…?)チラッ

親鳥(あ、あの子は…!)



ことり「私の全てを奪ったMのメモリの女…!園田…、海未…ッ!!」

海未「…やれやれ。この部屋まで突き止められてしまうなんて…。迂闊に正体を明かすものではありませんね…」

海未「さすが南理事長の娘さん、といったところでしょうか…。彼女も優秀な方でしたから…」

ことり「…どういう、こと…?」

海未「彼女はふとしたことからガイアメモリの存在に気づいていた…。あなたも知っていたでしょう?」

ことり「…っ!確かに…」

海未「一般人であそこまで優秀な方はそうはいません。私の存在も嗅ぎつけられると思い襲ったのですが…」

海未「…ま、今にしてみれば雑な仕事でしたね。もう少し、美しく殺してあげるべきでした」

海未「ですが…、良き実験台のひとりではありました。あなたのお母さん、とても良い声で啼いてくれましたよ…?ふふふふふ…」

ことり「…覚悟、しなさい。園田海未…!私は…、もう自分を抑えられない…っ!!」\ナイト!!/

ことり「…変、…身ッ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


海未「自分を抑えられない…?いいですねぇ…、…私もですよ」\ミックス!!/ ピチュゥゥンンッ…!!

ミックス・D「ウフフフフフ…!」

どこかの高架下


ナイト「だぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

ミックス・D「ふっ…!ふふっ…、えぇ、その調子…」

ナイト「ふざ、けるなぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンブンッ!!

ミックス・D「えぇ、そう…。そのステップ、忘れないでください?」

ナイト「何が…っ!!はぁぁぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

ミックス・D「アハハハハハ!ダンスを踊っているみたいで楽しいでしょ、ことり?」

ナイト「このっ…、このぉぉぉぉぉおおぉおぉぉぉっ!!!!!」



ッタッタッタ…

希「はぁっ…。おった…!!行くよ真姫ちゃん!」\スター!!/

真姫『えぇ…。ことりと共闘よ!』\クレッシェンド!!/

希・真姫『「変身っ!!」』

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」

ミックス・D「あら、あなたまで…」

Muse「まさか…、あなたがMのメモリの持ち主なんてね…!苑ノ野海未…!!」

ミックス・D「その声…。あぁ、あの時のお客さんですか…。とても美しい髪の…」

Muse「うちの相棒がお世話になったみたいで…!」「その時の御恩、存分に返させてもらうわっ!!」ヒュンッ!!


ナイト「邪魔っ!!どいて!!」

バキッ!!


Muse「痛っ…!!何すんの!?」

ナイト「邪魔をしないで!私が倒すのっ!!」

Muse「力を合わせなければ敵う相手じゃないわ…!!」


凛「ちょっ…!二人共、後ろ後ろ!!」


Muse・ナイト「「なっ…!」」

ミックス・D「痴話喧嘩ですか?羨ましいです、ねぇっ!!」グイッ!!

Muse「ごはぁっ!!」「喉を、掴まれ…っ!!」

ナイト「く、うぐっ…!」

ミックス・D「そんなアツアツのお二人には、アツアツのプレゼントを…!」\ブレイズ!!/\ハンド!!/

ミックス・D「差し上げましょう…!!」

ボファァァァァァッ!!

Muse「ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!」「炎の形をした手のひらに…!!」

ナイト「ぐぅっ…!!熱いィィ…!!」

ミックス・D「そのまま…、破裂しなさいっ!」\エクスプロージョン!!/


ボガァァァァァンッ!!


Muse「ぐあぁぁぁぁっ!!!」 ナイト「う、ぐぅっ…!!」

ミックス・D「アツアツな身体になったら次は、百年の恋も一気に冷めるような冷気の嵐を…!」\コールド!!/\ハリケーン!!/

バヒュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!


ナイト「…っ!」\ルーク!!/

Muse「どんな攻撃が来るのか事前に言ってくれるのは…!」「少し助かるけど…!」\コン・フォーコ!!/


\ルーク!!/ ゴゴゴゴ!! \コン・フォーコ!!/\スター!!/ テレッテテーッレデレレレーン


ルーク「さらにこれで…!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!プロモーション!!/


ルーク「炎の壁をっ!!」

ボファァァァッ!!


バシュゥゥゥ…


ミックス・D「おや、私の冷気の嵐が…。でしたら…」

ミックス・D「それをも貫くような、炎の針など、いかがでしょう?」\ブレイズ!!/\スティング!!/

ヒュヒュヒュヒュッ!!


ズシュゥッ!!

ルーク「なっ…!炎の壁を貫いて…!くっ…!!」ヒュッ

ボファァァァッ!!

ルーク「ぐっ…、危ない…!間一髪避けられた…」


Muse「属性が多彩すぎてメモリチェンジが追いつかへん…!」「これほど多くのメモリを内包しているなんて…っ!」\マジシャン!!/

\コン・フォーコ!!/\マジシャン!!/ テレッテテーッレテレテンテーン

Muse「はぁぁぁっ!!」ズダダダダダダ!!


ミックス・D「無駄です」\ミラー!!/\リフレクト!!/\ウォール!!/

キンキンキンッ!!


ズガガガガガガガ!!

Muse「ひやぁぁっ!!弾丸が跳ね返されたっ!?」「どっ…、どれだけ応用力が効けば気が済むのよ…!!」


ルーク「くっ…!!だったら大地を操って、下からっ…!!」

ズゴォォォォンッ!!

ミックス・D「おっと…、足元がふらつきますね…。けれどそれも…」\マッド!!/\ウェーブ!!/

ミックス・D「地面を私の味方につければ問題はありません…!さぁ、泥の波でサーフィンです!」

ザバァァァァァァァッ!!


Muse「ぬっ…!ぬおぉぉぉぉぉっ!!」「大量の泥が、こっちに押し寄せてっ…!!」

ルーク「耐えられ、ないっ…!!うあぁぁぁぁぁっ!!」


ドシャァァァァァッ!!


Muse「ぐっ…、ぐふぅっ…!」「なんて、パワーなの…!?」

ルーク「クッ…、クソぉぉぉ…!!」

ミックス・D「人とメモリは惹かれあうもの…。一つの能力では満足できない私は、無限の可能性を秘めたミックスと出会いました」

ミックス・D「元々このメモリにはガイアメモリの能力を混成させる力はなかった…。ですが」

ミックス・D「ガイアメモリと…、そして自らの体を改造することにより、体内に取り込んだメモリの力を複合させ使用することが可能となったのです!」

ミックス・D「ですがまだ足りません…。人という芸術の器を使って究極の美しさを表現するためには、もっと多くの能力が必要です…」

ミックス・D「今考えているのはですね…。花に体の養分を根こそぎ吸い取られてミイラのようになった死体、っていうのを考えているのです」

ミックス・D「どうです?美しいとは思いませんか…?もうすぐ、そのためのメモリも手に入ることですし…」


Muse「まさか…!」「親鳥さんにメモリを渡したのは…!」


ミックス・D「そう…。彼女は実験体…。ブルームメモリは彼女の体内でロックされるよう、私が調整しておいたのです」

ミックス・D「彼女はこのまま命の全てを消費して死に、そして私が使える仕様となったメモリが残るのです」

ミックス・D「私は、それが欲しいだけなのです…」


Muse「ふっ…、ふざけんなやっ!!そんな真似、絶対っ…!!うぐっ…!」


ミックス・D「あはは、無理ですよ。メモリブレイクしても死んじゃいますしお寿司」


ルーク「ぐぅぅっ…!!うあぁぁぁぁぁぁっ!!!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「ソノダ、ウミィィィィィィィィッ!!!!」ニョキッ

ダダダダッ!!!!


凛「む、無茶だよ、ことりちゃんっ!!!」


ナイト「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ダダダダダ!!!!

ミックス・D「…はぁ、美しくありませんねぇ…。何の芸もない突進だなんて…。えいっ」バキッ

ナイト「ぐがぁぁぁっ!!」

ドシャァァァッ!! ピチュゥゥンンッ…


ことり「ぐ、ふぅっ…!」


ミックス・D「ガイアメモリを取り込んだ分だけ、私の基礎能力もアップしているのです。能のない突進ごとき、片腕で十分ですよ」

ミックス・D「それにしても…、綺麗なガイアメモリですね。見た目は好きですが…、そんな純正化されたメモリやドライバーでは私に敵うはずありません」

ミックス・D「それではあなたには…、家族と同じ死に方をプレゼントして差し上げましょう…!」\ドット!!/\スティング!!/


ことり「ぐっ…!うぅっ…!!やつが、目の前にいるのにぃっ…!!う、うああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


Muse「ことり、ちゃんっ…!…ッ!!」\マジシャン!!真姫シマムドライブ!!/


ミックス・D「無駄な抵抗です…。この攻撃は防げません…!」


Muse「はぁっ…!…ッ!!!」\コン・フォーコ!!/

Muse「なっ…、何をする気っ!!やめなさい希!ツイン真姫シマムは不可能よ!そんなことをしたらあなたの身体は…!」

Muse「希ぃっ!!!」「…もう、手はこれしかないんやっ!!」「やめて…、やめなさいっ!!!」「うあぁぁぁぁぁっ!!!」

\コンフォーコ!!真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/



Muse「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」

親鳥の家


ガチャッ


親鳥「…ただいま」


「あ、おかえりなさーい!どこ行ってたのー?」


親鳥「うん、少しね…。あ、今日のお薬はもう飲んだ?」


「うん、ちゃんとひとりで飲めました!えらいー?」


親鳥「えぇ、偉いわ」


「えへへへへ…、ぐっ…、こほっ!こほっ、こほっ!!」


親鳥「…っ!だ、大丈夫っ!!?」


「うん、へ、平気…。慣れてる、から…」

「お薬飲んだし…、もう少しで良くなるもん…。だからだいじょぶだよ…、こほっ!こほっ!」


親鳥「…」

親鳥「…お母さん、また少し用事があるから、もう一回、お留守番頼んでもいいかしら?」


「…また?お仕事?」


親鳥「えぇ…、そう、とっても大事な、お仕事…。ちゃんと、今日中には、帰ってこられるから…」


「…だったら、ちゃんとお留守番する!一人でも寂しくないよ!」


親鳥「…本当に、偉いわね。それじゃあ、行ってくるから…」


「いってらっしゃーいっ!…こほっ!こほっ!」



親鳥「…もう少しで、あなたを病気から救ってあげられる。あの花から採れる薬さえ、あれば…」

親鳥「だから…、それまで、待っていてちょうだいね。…ことり」



第19話「Bの追求 / 百花繚乱シングルマザー」

おわり

真姫「第19話でした。相も変わらず本編からの引用回だったわ」

希「オリジナルやと頭使うからね…。本編に沿って書いたほうがすごく楽みたいやね」

凛「ちゃんと大体の時間も決まってるしね!18話なんて多分1.5話くらいの長さがあると思うにゃ!」

ことり「でも今回は微妙にオリジナルなところもあるし、いいんじゃないかな…?」

凛「原作だとハリケンブルーだったのに、こっちだと子持ちのおばさんなところとかね…」

真姫「それとミックス・ドーパントもね。原作よりかなりなんでもアリになってるけど」

希「能力的に完全Museの上位互換な気が…」

ことり「3つのメモリの能力を同時に使用していたしね…」

真姫「ちなみにあの\ハリケーン!!/とかは、メモリを直接使用しているのではなくて、使用するメモリを決定した際にそれに対応するガイアウィスパーが体内から流れているという設定よ」

凛「能力を使うたびに身体から立木さんの声が…!?お、恐ろしいにゃ…」

真姫「これがないとどういう能力を使ってるのかわかりにくくなっちゃうしね」

ことり「結局Museが説明らしきこと喋ってたような…」

真姫「あとはこれも安価でメモリを増やすこともできるし…。安価を使うかは未定だけれど」

希「安価と言えば今回は一切の安価ナシやったね。珍しい」

真姫「登場人物も過去のモブを使用しちゃったし内容もパクリだから特に安価で決めることがなかったってことでね」

凛「ブルームから花…、花といえば植物、植物と言えばユグドラシル、ってことで3,4話に関わった人をだそうってことになったんだよね」

真姫「その結果親鳥さん…、いわゆる理事長が選ばれたってわけね。呉島兄弟も使いたかったけれど使いどころがなかったわ」

ことり「そしてまさかのもう私がレギュラーでいるのにもうひとりのことりちゃんが参上しちゃったんだけれど」

真姫「その辺もどう関わってくるのか!次回をお楽しみに!」

凛「じゃ、今日はこの辺かにゃー?」

希「バイバイやよやよー」

ことり「これで決まりちゅん!」

噂の血バケツとやらを食らってしまいブラウザが大変なことに
こっちは平気そうなのでとりあえず続きやっていきます

Muse「やめて…、やめなさいっ!!!」「うあぁぁぁぁぁっ!!!」

\コンフォーコ!!真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/\真姫シマムドライブ!!/


Muse「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」


ドガガガガガガガガガガガガガガガッ!!


ミックス・D「ぬっ…!うぐっ…!!」


ズドガァァァァァァァンッ!!!


Muse「うっ…!ぐ、あっ…」バタッ ピチュゥゥンンッ…

希「う、うぅ…!」


凛「み、Museの変身が解けちゃった…!希ちゃんっ!!」



真姫「…はっ!はぁっ…、の、希っ…!!」



希「うぎゅっ…、う、あぁっ…!!」

希(身体が…、動かへん…っ!!)


シュゥゥゥゥ~…


ミックス・D「…ふぅぅ…、さっきのは一瞬ヒヤっとしましたが…、この程度なら…」


凛「嘘…!全然効いてない…!!?そんなの…」


チラッ

英玲奈「…実は帰ったと思ったら帰ってなかった私。柱の影からそっと海未の戦闘を見守る」

英玲奈「仮面アイドルを寄せ付けないほどの圧倒的な力…。ふふ…、これはすごい…!」



ミックス・D「ふふ…、とんだ邪魔が入りましたが…、気にせず続きを…」



スタ、スタ…


ミックス・D「…ん?この感じは…」



アグリアス・D「…」


ミックス・D「あなたは…、あぁ…、わかりますよ。UTXのお嬢さんですね。一体どうなされたのですか?」

アグリアス・D「いえ、少し…、お茶のお誘いを、とね?…今、いいかしら?」


英玲奈「あんじゅ…?どうして…」


ミックス・D「…いいでしょう。ちょうど、能力を行使して喉が渇いていたところですので。あとお腹も」\ハリケーン!!/

ヒュゥゥゥゥゥゥ…!!



凛「あ、消えたにゃ…」

アグリアス・D「…」チラッ


希「う、うぅっ…!!」


アグリアス・D「…」スタスタ…



真姫『なぜあいつが私たちを助けるの…?』



タッタッタッタッ…

凛「希ちゃんっ!!しっかりして!!なんで、こんな無茶を…!」

ことり「うっ…、うぐっ…」ヨロヨロ…

希「へ、へへ…、ことりちゃんの泣き顔を見てたら…、身体が勝手に動いちゃってね…」

希「ことりちゃんも…、うちらの大事な仲間…、やから…」

ことり「…。自業自得だよ…。手出しはしないで、って言ったのに…、余計な真似…」

希「あとは…、頼んだよ…。ことりちゃん…。…親鳥さんのこと…、助けて、あげないと…」

希「うちらは…、この街の…、…仮面、アイドルやねんから…、さ…」

希「あ…、うぅっ…!」ガクッ…

凛「あっ…、希ちゃんっ!!希ちゃぁんっ!!」


ことり「ドーパント女の、心配まで…?…馬鹿な人…っ!!」



真姫『なんですって…!!?南…、ことりぃっ!!』



東條西木野☆探偵事務所地下


ズイィッ ガタンッ


ことり「うぐっ…!」

真姫「ことりぃっ…!!」

凛「ちょっ…、ちょっと!!押し問答してる暇があったら希ちゃんの手当を…!」

真姫「ガイアメモリのダメージは普通の医学では治療できないわ!…本人の回復力を信じるしかないの」

凛「そ、そうなの…?でも、なんでケンカなんか…」

真姫「先ほど調律が完了したの。園田海未が仕掛けたメモリの罠から、親鳥さんを救う方法が一つだけある…!」

真姫「それを執行できるのはことりのナイトだけ…!だけどこの女は…、それを断ったの!」

ことり「…そんなことより…、園田の居場所を調律して」

真姫「誰のせいで希が倒れたと思ってるのよ!この街の仮面アイドルはあなた一人なのよ!?」

ことり「…、私の復讐が先…ッ!」

真姫「ねぇっ…!!あなたにとってアイドルってなんなの!?」

ことり「…っ!うあぁっ!!」ダンッ バキィッ!!

真姫「あぐぅっ!!」バタッ

凛「はわっ…!」

ことり「…私に、質問するな」スタスタ…


真姫「…」

アグリアスじゃなくてアグリネスだったでござる
どこの女騎士だって話だよ

ユグドラシル 研究室


親鳥「この花と、この花を掛け合わせて…。あうぅ…!!?」

親鳥「お、おかしい…。花を咲かせてるわけでもないのに…、すごく、疲れるわね…」

親鳥「でも、もう少し…。もう少しだけしたら…、帰って続きを…。うぅっ…」



???


海未「過剰適合者…。時たま現れる、メモリとの相性が異常なまでに高い体質の人間のことを言います。ご存知ですか?」

ツバサ「えぇ…。今までにも何人か目にしたことがあるわ」

あんじゅ「…」

海未「そして、あの親鳥さんと、ブルームがまさにそれ…。あむっ…、もぐもぐ…。ふぅ…、いや失礼…。お茶だけでなく、食事まで…」

ツバサ「異常なまでのカロリー消費ね…。複数のメモリの力を吸収するあなたの貪欲さそのもの、といったところかしら」

あんじゅ「…やっぱり、気持ち悪い人…」

英玲奈「あ、あんじゅ!なんてことを言うんだ海未さんに向かって!すまない、気を悪くされたなら私が謝ろう…」

海未「…いえ、別に」

ツバサ「…英玲奈。どうもそうは行かないのよ。あんじゅがどうしてもこの女のことを危惧するって言うからね」

ツバサ「あんじゅの人を見る目は確かなものよ。…園田海未。あなたは、なにかを企んでいる。あんじゅはそう考えているみたいだけど」

ツバサ「あなたの存在が我らがUTXの野望の妨げになるようなら排除も辞さないつもり。もし、英玲奈に悪影響でも与えてくれたら、それこそ…」

ツバサ「…久しぶりに、私がメモリを使ってもいいのだけれど」

英玲奈「ツバサ…。冗談だろう…?」

ツバサ「冗談なんかじゃないわ。さぁ、答えて?あなたは何を企てているのか…?返答次第によっては…」

英玲奈「…ぅ」

あんじゅ「…」ゴクリ…


海未「…」ヌギッ


英玲奈「おわぁっ!!?」

あんじゅ「な、なんでいきなり着物を…」

ツバサ「どういうつもり…?」

海未「…素肌を晒すのは好きではないのですが…。見てもらえれば信用してもらえると思って」バッ

あんじゅ「なっ…!!ガイアメモリのコネクタが…」

英玲奈「おぉ…」

ツバサ「へぇ…。いくつあるのかしら…?」

海未「もはや数えたくもありません。このような醜い身体、本来なら死んでもなりたくないものですが」

海未「しかし私はUTXの力を信仰しています。ガイアメモリによって究極の美を追求したいと思う気持ちは誰にも負けません」

海未「形は違えど、あなたたちも…、ガイアメモリの力の真実を求めたいという気持ちは同じはず…」

海未「全てはあなた方UTXのため…。よければ私を実験台にしてもらっても構いませんが」

ツバサ「…ふぅん。なかなか…、大した器の持ち主のようね。…いいわ、信用してあげる。もうあの店にも戻れないでしょう?しばらくはここで、ゆっくりしていくといいわ」

あんじゅ「…」

英玲奈「そんなことを考えていたなんて…。やはり、海未さんは私に…、ふ、フフ…」


海未「…」ニィ…

東條西木野☆探偵事務所地下

『音楽室』


真姫「過剰適合者…、ガイアメモリ…、摘出…。その結果導き出される楽譜は…」

真姫「『DEAD』…。死亡、というわけね…」

真姫「…追加のキーワード。『ナイト』」

真姫「調律の答えは…、『ALIVE』。生存…」


真姫「…やっぱり、ナイト抜きでは彼女を救うことはできない…」

凛「ね、ねぇ…。やっぱりことりちゃんにもう一回頼んだほうが…」

真姫「…嫌よ。あの女のせいで私の希が…」

希「うぐっ…、うぅ…、誰が真姫ちゃんのやね、ん…」

凛「でもっ!親鳥さんの命がかかってるんだよっ!!?」

真姫「…」

凛「…じ、じゃあ凛が行ってくる!」

スタスタ…



音都警察署


凛「ことりちゃんの居場所を教えて欲しいにゃ!」

花陽「えぇ…、いやぁ、そんなこと言われても…」

にこ「南刑事がどこ捜査してるかなんて警察の秘密事項よ。喋れないわね」

凛「ぐぬぬ…。強情な奴らどもだにゃ…」

凛「こうなったら奥の手を…!!」

凛「二人に>>166を仕掛けるにゃ!」

アッパー

凛「二人に強烈なアッパーを仕掛けてことりちゃんの居場所を吐かせてやるにゃ!」

凛「行くじぇいっ!!」ゴァァァッ!!

花陽「ひょエェっ!!?な、何ぃっ…!!?」

にこ「恐ろしい気が渦巻いて…!く、来る…!!?」

凛「滅ッ!!双龍拳ッ!!!」

ドギャァァァァンッ!!

花陽「うぎゅぅぅっ!!!?お、オヤジぃぃ~~~…!」

にこ「ごへぇぇぇっ!!か、身体がぁぁぁぁっ!!!」


KO!!


凛「確かみてみろだにゃ!」



親鳥家 前


凛「というわけで口を割った二人からこの場所を聞き出したにゃ」


ことり「…」


凛「あ、居た。ことりちゃん…」

ことり「…帰って」

凛「とかなんとか言っちゃって~?親鳥さんのこと気にしてくれてたり?」

ことり「馬鹿言わないで。もはや園田との線はあの女しかいない。だからここを張るしかなかっただけだよ」

凛「じゃあもう一度お願い。…力を、貸して」

ことり「…あの女はドーパントなのよ…!?研究に花が必要だなんていう軽い動機でメモリに手を出した犯罪者なのっ!」


「ねぇ…、さっきからうちの前でなにお話してるのー?」


ことり「っ…!?な、だ、誰…?」

凛「この子…。お、親鳥さんのお子さんだよ!写真見せてもらったことある…。たしか名前は…」

「あ!あなた…、凛ちゃん!」

凛「へ…?凛のこと、知ってるの…?」

「うん!お母さんが持ってる写真にいた人!あ、もしかしてお母さんに用事ですか?」

凛「えっと…、そうといえばそうなんだけど…」

「じゃあ外で待ってるより、家、どうぞ!入ってください!」

凛「え、い、いいの…?勝手に家に上がっちゃって…」

「うーん、知らない人ならダメかもしれないけど、凛ちゃんは知ってる人だから大丈夫なんです!ささ、どーぞー」

凛「あ、あぁ…。どうも…」

「そっちの人も、凛ちゃんのお友達の人なら、どうぞ!友達の友達は、みーんな友達なんですっ!」

ことり「え、えっと…、でも…」

「あ、そっか!私のこと信用できませんか?そうだよねー…、名前も知らない人のことなんて信用できませんよねー…」

ことり「いや、そういうことじゃ…」

「じゃあ、自己紹介するね!私の名前は…」


親鳥ことり「親鳥ことり!10歳ですっ!ちゅんちゅんっ!」

親鳥家


親鳥ことり「はいはーい、お茶ですよー」テコテコ

凛「あ、どうも…」

ことり「…」

親鳥ことり「…?お姉ちゃん、お顔怖いよ…?なにか嫌なことでもあった?」

ことり「え…?いえ、なんでもない…」

親鳥ことり「そう?はい、どーぞ、めしあがれ。うちの庭で採れた16種類の植物の特製茶ですよ♪」

凛「んぐっ…、お、おいしいにゃ…。ほらほら、ことりちゃんも!」

親鳥ことり「ほぇ…?私もですか…?」

凛「あ、いや…、このお姉さんもことり、っていう名前なの。偶然だねー」

ことり「…ごくっ。…うん、おいしい」

親鳥ことり「えへへ、よかったー。…けほっ!!ごほっ!!ごほっ!!」

凛「ひょえっ!?こ、ことりちゃん…。大丈夫?」

親鳥ことり「うん…、平気。咳には慣れてるから…」

ことり「慣れてる…、って…、もしかして、病気…?」

親鳥ことり「…うん。そうなんです…。ことりが小さい時からの肺の病気なの…。毎日お薬飲んでるのに、全然治ってくれない意地悪な病気さん。…学校にも、全然行けてないの」

凛「そう、だったんだ…」

親鳥ことり「でも!…こほっ!!…でも、全然さみしくないよ!お母さんがいてくれるから!」

ことり「え…」

親鳥ことり「お母さん、お仕事が大変なのに、毎日ことりのためにご飯作ってくれて、一緒にお風呂に入ってくれて、一緒に寝てくれるの」

親鳥ことり「事故で死んじゃったお父さんのぶんも、私にかまってくれて…。だから、さみしくないんです!」

凛「そっか…。親鳥さん、シングルマザーだったんだっけ…。女手一つで娘さんを…」

親鳥ことり「…それにね。もう少しで、ことりのこの病気も治るんだって。お母さん、そう言ってた」

ことり「治る…?」

親鳥ことり「なんだっけ…。貴重なお花から手に入るお薬がことりの病気に効く、ってわかって…、それがもうすぐ手に入るって…」

ことり「…っ!!そ、それって…」

凛「もしかして…、親鳥さんはこのために、メモリを…。研究のためじゃ、なかったんだ…」

親鳥ことり「めもり…?よくわかんないけど、でも、もう少しで…。お母さんに心配をかけずに、済むんだよね…」

親鳥ことり「学校にも行って、お友達と遊べるように、なるんだよね!ふふ…、楽しみ…」

ことり「…、…あっ!棚の上に飾ってある、これ、って…」

凛「あ、凛たちの集合写真!依頼が終わったあとに記念すべき最初の事件に関わった人ってことであげたんだっけ」

ことり「その隣は…」

親鳥ことり「私とお母さんの写真だよ!」

凛「あぁ、そういえばことりちゃんはまだ親鳥さんの顔見たことなかったんだっけ…。バロンくんの着ぐるみとかで…。…どうしたの?」

ことり(…お母さんに、そっくり…。とても、似てる…)


ガチャッ

親鳥「ただいまー…、あれ、お客さん?誰ー…?」

ことり「あっ…」

親鳥「って、警察…!?ちょっ…!」ダッ

ことり「あっ!ま、待って!!」

タッタッタッタッ…


ことり「待ってってば!」

親鳥「嫌よ!まだ私にはしなきゃならないことが…!えいっ!!」モサッ!!

ことり「きゃぁっ!は、花が足元に絡みついて…、動きづらい…!」

親鳥「ダメ押しにもう一発!やぁっ!!」モサッ!!

ことり「ひゃんっ!!か、顔にも花が…!前が見えない…!!」

親鳥「じゃあねっ!」ダッ

ことり「ぐっ…、仮にも相手はドーパント、か…」\ビショップ!!/

ことり「変…身っ!」パオーンッ!!

\ルーク!!プロモーション!!/


ビショップ「ていっ!!」ビュンッ!!


親鳥「ひっ!危ない…」


ビショップ「キャスリング!」シュバッ!!


親鳥「ひえっ…!?瞬間移動っ!!?」


ビショップ「…、やっと、捕まえた…」ピチュゥゥンンッ…

ことり「さぁ、早くこっちへ…」ガシッ

親鳥「離してっ!!わ、私には…、まだしなきゃいけないことが…!」

ことり「…やめておくべきよ。メモリを使い続けたら死ぬんだって」

親鳥「…!」

親鳥「…娘の、ためなの…!あの子を苦しめている病気を元から絶つには…、この方法しかなくて…!」

親鳥「それにはまだ花が足りない…。一つの花から採れる薬は微量…。もっと作らなきゃ、ことりは…」

親鳥「お願い、見逃して…!今日中には、全て作り終えるから…!!」

ことり「…諦めて。これ以上すれば、あなたの方が先に死んじゃう」

親鳥「それがなによ!…私は、もういいの…。恋もして、結婚もして、可愛い子にも恵まれた…!」

親鳥「だけど、あの子は…!あの子はまだ何もかもこれからなのよっ!あの子を、これからも生き長らえさせられるなら…!」

親鳥「私は死んだって構わない!!」

ことり「そう思ってるのはあなただけよ!…少しは、周りを見てっ…!あの子には…、あなたが必要なのよ…!」

ことり(あっ…)


(希「そう思ってんのはお前だけやっ!!少しは周りを見て…」)


ことり(…私が、希ちゃんと同じ言葉を言うなんて…)

親鳥家


ガチャッ

親鳥「…」

ことり「…」


凛「あ、ことりちゃん…」

親鳥ことり「お母さん…?どうしたの…」


親鳥「…ごめんね、お母さん、今から警察に…」

ことり「…親鳥さん。今から…、急いで薬を作って」

親鳥「え…?」

ことり「早くしないと、メモリは刻一刻とあなたの命を削ってくる。一分一秒でも早く、その子を救えるだけの薬を、作って」

親鳥「刑事さん…」

ことり「ただし…、薬を作り終われば、必ず私の処置を受けて」

ことり「私の…、私の仲間が見つけた、あなたを救うための処置を…」



???


英玲奈「お部屋は、どうかな?」


海未「…ガウンの胸のあたりがブカブカな事以外は、全て快適ですね…。いやほんとこんなブカブカなんてまぁ…」

英玲奈「あぁ…、ごめんなさい。服はあんじゅのものしかなくて…」

海未「はぁ…、へぇ…、そうですか…。…はぁ」

海未「…さて、そろそろですかねぇ…。ちょっと、出かけてきます」



親鳥家前


ことり「…」

凛「どれくらいで、作り終えられるかな…」

ことり「今はただ、待つしかできないね…」


真姫「…」スタスタ


ことり「あ、真姫、ちゃん…。お願い、私に…」

真姫「ふっ!」バシィンッ!!

ことり「おぐぅっ!!」

真姫「あなた…、最低ですっ!!」

凛「ちょっ…!真姫ちゃんなにしてるの!?」

真姫「…これは希から教わった…、…殴られたあとの仲直りの儀式、だそうよ。最後の台詞は自己流だけど」

ことり「…希ちゃんも、粋なことを知ってるね。でもそのセリフはあんまり良くないと思うなぁ…」

真姫「…そう?話は凛から聞いたわ。メモリの摘出方法、教えるわ」

ことり「…うん」

今日はここまで
微妙に設定を変えるとセリフに少し矛盾が生じたりして修正が大変だ みんなから見て違和感の少ないものに出来上がってるといいけど
じゃ、次回までさよなら ほなな

こんばんは 再開しますよん

数十分後…


凛「うぅ…、まだかなぁ…。早くしないと…」

真姫「…中で事切れてるなんてこと、ないでしょうね」

ことり「馬鹿なこと言わないで。きっと、もう少しで…」


海未「おや、こんなところで出会うなんて奇遇ですね。この家の人に用事でも?」


ことり「っ!園田…!」

海未「その呼び方、可愛くないですね…。海未ちゃん、って呼んでもらってもいいんですよ?ことり」

ことり「ふざけたことを…!」

海未「まぁ…、別に構わないのですが…。どうせここで私に芸術品として殺されるのですから…」\ミックス!!/

海未「あの女のついで、ですけれどね…」ピチュゥゥンンッ…!!

ミックス・D「さぁ、あなたも母親の元へ、送って差し上げましょう…!」

ことり「…」

ことり「…あなたの相手をしている暇はないの…っ!」

ミックス・D「…なんですって?」


凛「ことりちゃん…!」

真姫「ふふっ…」


ことり「私は親鳥さんを救いに行くっ!」

ミックス・D「あの女はまもなく死にます…。無駄なことをなぜ…?」

ことり「あの人を必要としてる人がいるから…!そして私も…!」

ことり「誰かに必要とされてる、って、分かったからよ!!」

ミックス・D「ふっ…、アッハッハッハッハ…!これだから青臭いドライバーをしているようなものは…!」\ブレイズ!!/\スティング!!/

ことり「っ!!」スチャッ!!

<ゼツメツタイムダ!!


バサバサバサッ!!


ミックス・D「うぐっ…!なんですかこのコウモリは…!?くっ…!前が見えな…」



ことり「もう時間がない…!今すぐ親鳥さんのメモリを回収しないと…!」

真姫「キバットバット二世に気を取られているうちに家に突入よ!」

凛「了解にゃ!」

親鳥家


親鳥「はぁっ…!はぁっ…!!これで…、薬の調合は…、最後…!」

親鳥「これで、ことりは…っ!」


ガチャッ!!


ことり「っ!親鳥さんっ…!」

親鳥「刑事さん…、うぅっ…!!うぐっ…」

モサモサモサッ!!

真姫「メモリの暴走で無数の花が部屋中に…!花が親鳥さんの養分を吸い尽くしてしまうのも、時間の問題…!」

凛「こ、ことりちゃんっ…!」


ダダッ…

親鳥ことり「お母さん…?…っ!!これ、何が…、どうなって…」


ことり「…っ!」

親鳥「…ありがとう、最後まで、やらせてくれて…」モサモサッ

ことり「…」

親鳥「さようなら…。ちょっと怖いけど…、優しくて、可愛い刑事さん…」モサモサモサッ

ことり「…あなたは、私が守る…っ!」\ナイト!!/

ことり「変…、身…ッ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「…!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!プロモーション!!/


ナイト「…」ジリジリ…


親鳥ことり「お、お母さんに、何をするつもりなの…!?」


ナイト「死んでもらうの…、てやぁぁっ!!」

ビリビリッ!!


親鳥「うぐぅっ…!!!ぐ、あぁっ…!!」ニュニュッ

バタッ…


凛「あっ、メモリが…!で、でも…」

親鳥ことり「お母さんっ…!!死んじゃった、の…!?」


親鳥「…」

ナイト「…ふっ!」ビリビリッ!!


ドクンッ…!!


親鳥「ふぅっ…!!は、はぁっ…!!」

親鳥ことり「お母さんっ…!!い、生き返ったの…!?」

親鳥「私…、生きて、る…?」

ダッ

ミックス・D「なっ…!何をしたのです…!?死なない限り、排出されないメモリが…!」


真姫「…彼女は一度死んだのよ」


ミックス・D「なんですって…」


真姫「逆転の発想よ。殺さずにメモリを抜く方法がないなら、死ぬのを前提に考えればいいのよ」

真姫「一度心臓を止め、メモリに『彼女は死んだ』って認識させ、体外に排出させたの」


ミックス・D「ま、さか…!」


真姫「そして電気ショックで、再度心臓を動かす…」

ナイト「ちょっとした大魔術でしょう?ビショップだけに、ね…。『海未ちゃん』?」


(メモリが握りつぶされる音)



ミックス・D「持ち主を殺すほどの力を宿したメモリ…!それほどの危険に眠る美しさを我が身に挿すのが、私の一番の楽しみだと言うのに…!!」

ミックス・D「許しません…ッ!!」


ナイト「ここで暴れてもらっちゃ困るよっ!」\ビショップ!!/\ルーク!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ!! \ルーク!!プロモーション!!/


ビショップ「でやぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ!!

ヒュンッ!!


ズバシィィッ!!

ミックス・D「うぐっ…、ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


バリーンッ!!


凛「おぉ…、槍を投げた威力で窓を突き破って吹っ飛ばしたにゃ…」

ビショップ「…弁償代は、後で払うね。キャスリング!!」シュバッ



どこぞの公園


ヒュゥゥゥ…、ドシャァァァッ!!


ミックス・D「ご、はぁぁっ…!!!私を、ここまで吹き飛ばすとは…!!」


シュバッ!!

ビショップ「まだまだ…、こんなものじゃっ!!」ヒュッ!!

ミックス・D「ぐっ…、調子に、乗るなぁぁっ!!」\リフレクト!!/\スフィア!!/

シュイーンッ


キンッ!!

ビショップ「うぐっ…!円形のバリアに阻まれた…!」

ミックス・D「ふ、フフフフフ…!よくもまぁ、やってくれましたね…!今度は、こちらから…!!」

ミックス・D「はぁっ!!」ブンッ!!

バキィッ!!

ビショップ「うあぁっ!!う、うぅっ…」

ミックス・D「もはや穴ぼこで済ます気などありません…!灰塵にしてくれます…!」\ブレイズ!!/\ウィップ!!/\エクスプロージョン!!/

ミックス・D「はぁっ!!」ヒュンッ!!

ビシィッ!! ボガァァンッ!!


ビショップ「ぐがぁぁぁっ!!ぐ、はぁっ…!」


ミックス・D「フフッ…、止めです…。てやぁっ!!」ヒュヒュッ!!


<ギャオォォォォォォンンッ!!

ガキィッン!!


ミックス・D「ん、なぁっ…!!」


ビショップ「あの、メモリは…!」


真姫「…」パシッ <ギャオォォォォォォンンッ

真姫「行くわよ、相棒」

希『うん、真姫ちゃんっ!!』


真姫・希「『変身っ!!』」


\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン


ビショップ「希ちゃん、目が、覚めたのっ…!」

Muse「ま、ね…。うちの体力は無尽蔵やから」「出かけ際のお姫様のキッスが効いたのかしら?」

Muse「…マジ?」「冗談よ。さ、とっとと片付けておうちでのんびりするわよっ!」「了解やっ!!」ガションッ!!

\シャイニングスター!!/


Muse「「はぁぁぁぁっ!!!」」シュバァッ!!

ズバシュッ!!

ミックス・D「ぐぁっ…!!」


ビショップ「フッ…!そういうことなら…!」スッ

\ルーク!!/ゴゴゴゴ!! \ナイト!!プロモーション!!/


ルーク「たぁぁぁぁっ!!!」ヒュンッ!!

ズシャァッ!!

ミックス・D「ごあぁぁっ!!っぐ、く、くぅっ…!!」


Muse・ルーク「「「吹っ飛べぇぇぇぇっ!!!」」」ブンッ!!

ドガッシャァァァァァッ!!


ミックス・D「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!う、がはぁっ…!」

ミックス・D「よもや、こうなれば…!ありったけのを…!!」\ハリケーン!!/\サンダー!!/\ブレイズ!!/\コールド!!/

ミックス・D「ぶつけてあげますよ…ッ!!」

ズォォォォォォォォ…!!


Muse「これはまた…、特大のがきそうやね…!」「ことり、真姫シマムで行くわよ。行けるわよね?」

ルーク「…」\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!

ナイト「もちろん…!」\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/

Muse「ふふっ…!そう来なくっちゃ…!」ガシャンガシャンガシャンッ!!

\ワイルド!!真姫シマムドライブ!!/


ミックス・D「ア…、GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」ゴォォォォォォォォッ!!


Muse「いい?タイミングをあわせて、『アイドルツイン真姫シマム』だからね?」

ナイト「え、私もっ!?」

Muse「ことりちゃんも、や」


ミックス・D「ガァァァァァッ!!!」

バヒュゥゥゥゥゥゥッ!!


ナイト「今こそ呪われた過去に…、チェックメイトだよっ!!」


ナイト・Muse「「「アイドル、ツイン真姫シマムッ!!!」」」

ナイト・Muse「「「てやぁぁぁっ!!!!!!」」」

ズバァァァァッ!!!


ミックス・D「んなっ…!!」


ナイト・Muse「「「はああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」


ズガァァァァァァァァンンッ!!

ミックス・D「そんな、まさか…!!うぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


バシュゥゥゥンンッ…!!


ナイト「…」

Muse「決まった、わね」「せやね」




ことり「園田もミックスメモリの残骸もない…。逃げられたか…」

真姫「だけど、親鳥さんは救えた、わね。あなたのおかげよ、南ことり」

真姫「…あの危険なメモリ摘出方法を躊躇なく、しかも正確に行うとは…、大した女の子ね」

真姫「…ま、うちの希ほどじゃないけどねっ!」

希『そ、そんなっ…///照れてまうやんっ…///ウヒヒヒ…』

真姫「…。気持ち悪さもうちの希が完勝だけどね」

ことり「同感だよ」



シュラウド「…」

シュラウド「強くなってきましたね…。その調子よ、ことり。そして…、『マキ』…」

???


英玲奈「海未さん、随分遅いな…。まさか私のためにプレゼント的な何かを…!?」


海未「あ、う、うぅっ…!」

英玲奈「う、海未さんっ…!?どうしたの、その傷…」

海未「あ、危ないところでした…。もう少しで、メモリをブレイクされるところで…。『アイドル』とやらも…、なかなか侮れないもの、ですね…」

英玲奈「海未っ!!」ギュッ

海未「…っ」

英玲奈「よかった…!無事で、本当によかった…!う、うぅっ…!もう、ひとりで無茶なこと…、しないで欲しい…!」

海未「あぁ…、そうですね…」

海未(…それにしても…、お腹が、空きました)



東條西木野☆探偵事務所内


希(事件は終わり、親鳥さんは救われた。まだあの危険な女は見つかってないけど、ことりちゃんの中で何かが一歩進んだ気がする)


にこ「逮捕よっ!!」

ことり「待って」

ことり「彼女は園田海未の被害者よ。逮捕は必要ない」

ことり「それに、彼女を必要としてる人も、いるんだしね」

親鳥「あ…!」 親鳥ことり「お姉ちゃん…!」


希(それが、うちらの一番の収穫、かな…)


真姫「いやぁ、それにしてもことりのコーヒーはいつ飲んでも絶品ね…」

ことり「うふふ、喜んでもらえると嬉しいよーっ」

凛「うんうん、美味美味だにゃ」


ガチャッ

親鳥「あっ…、いた!ふふ…、事後報告にきました」

希「あっ…、親鳥さん!」

親鳥「…ことりの病気は、無事良い方向へ向かいそう。これで、あの子に人並みの生活をさせてあげられるわ…」

真姫「…そう、それは…、良かったわ」

親鳥「それと…、刑事さん?」

ことり「わ、私…?なにかな…?」

親鳥「あなたも…、ことり、って言うのよね?私の娘と同じ名前なんて、すごい偶然だな、って思って」

親鳥「そんな人に、命を救われて…、これって運命かな、って思って。ありがとう…、ことり。今だけは、そう、呼ばせて」

ことり「…っ!!う、うぅっ…!うぅぅぅ…、うあぁっ…、おか、ぁさっ…、ぐずっ…!ずずっ…、な、なんでも、ないです…」

真姫「おや…?今の鼻声…、一体何だったのかしら?ふふ、とっても興味深いわね、教えてもらえる?」

ことり「わっ…、私に…、私に質問しないでぇぇぇっ!!うっ…、うえぇぇぇぇぇんっ!!おかぁさぁぁぁぁぁんっ…!!!」



第20話「Bの追求 / 決死のツインテ真姫ちゃん」

おわり

真姫「第20話、どうだったかし…」

凛「待って待って。なに最後のサブタイ」

ことり「明らかに今回の話と関係ないよね!?」

真姫「は?あるでしょ。今日の私は珍しくツインテだったじゃない。決死の覚悟でオシャレしたんだから」

希「そうやったけど…。文章中に一切出てきてなかったやん…」

真姫「いやー、みんなにも見せたかったわねー。この私の超レアなツインテ姿!」

凛「なんでこんな髪型なんだろうって思ってたけどついぞ突っ込めなかったにゃ…。終始シリアスだったし…」

真姫「本音を言うといい感じのサブタイを思いつかなかったからギャグに逃げたという感じよ」

真姫「元ネタのサブタイは『決死のツインマキシマム』だったんだけどね」

ことり「いくらなんでも逃げすぎだとおもうなぁ…」

希「そんなことより今回の話!なんかない?」

真姫「あぁ…、元ネタだとこれより以前にもシュラウドがちょいちょい出てきてたのよね。ガジェット関連で」

凛「おぉ、そういえばそうにゃ。フロッグとかデンデンとか、こっちじゃ全然出てないよね」

真姫「そんなだから最後にいきなりシュラウド出てきちゃったけど…、これからも彼女がところどころでしゃばってくる、はずね」

ことり「でも直接話と関係ないから出しづらいんだよね…。本編見て参考にしないとね」

希「ところでシュラウドが丁寧語なのは…」

真姫「気にしないで。さて、次回のメモリ安価をだして今日はお開きと行きましょうか」

希「スルーされた…」

凛「本当にところどころこれで状況が伝わってるのか不安な時があるから、面白いって言ってくれるととても励みになるにゃ!」

ことり「なるべく説明セリフで補完していくけど、どうしても場面が想像できないときは気軽に質問してね?」

真姫「と、いうわけで今日はここまで。次回をお楽しみにね」

希「これで決まりやっ!!」



次回のメモリ
>>187(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D,C,E,L,K,B以外)

unify

イエス なのでもう一回Aは大丈夫だよ
そして今日はお休みです 話はなんとなく思いついてるけどまだ纏まってないので
それと次々回のメモリを今のうちに決めておいてその分の話も考えておきたいので今安価したいと思います
シリアスな話になると思うので単純に強そうなのだと助かります ちなみに元ネタだとビーストの回です どういうことか理解していただけただろうか
次回のお話は明日書く予定です それでは安価だけしてお別れです ほなな


次々回のメモリ
>>192(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D,C,E,L,K,B,U以外)

Funny

なんかdnsサーバが云々でPCがネットに繋がらない問題が起きて遅くなってしまった 今はテザリング経由で書いてます
龍騎のギャグ回ってどんなだっけ 浅倉が真司が馬鹿だと思う人って質問に手挙げるのしか覚えてないや それは置いといて始めます

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「ふふふ…、ワクワク…」


希「真姫ちゃんテレビの前で正座待機してどないしたんやろ?見たい番組でもあるんかな…?」

凛「だとしてもあんなに近かったら目悪くするにゃ…。20cmも間隔開いてないよね…」

真姫「ふふんっ、知らないのあんたたち!今から音都一ホットでスパイシーな音楽番組が始まるっていうのに!」

希「音楽番組…?ミュー○ックステーション的な?」

真姫「まぁそんな感じ。ただこの番組がすごいのはね…!」

真姫「若手のアイドルだけを取り上げた新人アイドル応援番組、ってこと!私より年下の子だって出演してるのよ!」

凛「へー…、そんな番組が…」

真姫「その名も『ONTIC I☆DREAM』!!今ナウなヤングの間でバカウケなナンバーを知らないなんて遅れてるわね!」

希「真姫ちゃんの言葉遣いの方がめっちゃ遅れてると思うけど…」

凛「でもアイドル好きな真姫ちゃんなら知ってて当然なくらいの有名番組なんだね」

真姫「そうなの。それに今回は謎のカリスマ新人アイドル、『HONOKA』が生放送のテレビに初出演なのよ!」

真姫「こいつは見逃せないってことで心の中で全裸待機してるわけよ!」

希「あぁ…、前から言ってたやつか…。誰なんやろうね、そのHONOKA、ってアイドル…」

凛「…ところで真姫ちゃんは何時アイドルのオーディション的ななにかに応募するつもりなの…?もうすでに十分な年齢に」

真姫「あ!始まったわ!」

凛「無視かよ」



『ONTIC I☆DREAM!!』


司会(2期6話のアキバレポーターさん)『はい今日も始まったよー!新人アイドルを前面に押し出してバンバン宣伝していっちゃう夢の音楽番組!ONTIC I☆DREAM!!』

司会『いやー、今日はどんなアイドルが私たちの前に現れてくれるんでしょうかっ!!今から楽しみですねー!』

司会『そしてそして今回はー!今巷で噂の謎のカリスマアイドル!HONOKAがテレビ生放送初登場!だってさー!!これで視聴率はグングンうなぎのぼりって感じっすよー!』

司会『そんなこんなで今日も盛り上がって行っちゃいましょう!ヒアウィーゴーッ!!』



真姫「にゅふーっ!!キタキタキター!HONOKAの生姿…、楽しみだわ…」

希「真姫ちゃん、テレビにくっつきすぎや」

凛「もはや画面ときっちゅしてるにゃ…」



???


ツバサ「うおー!HONOKAが出るんですって!HONOKA!!きゃーっ!!」

英玲奈「ツバサ、食事中にうるさい」

ツバサ「だって、だってーっ!!…あれ?そういえばあんじゅは?」

英玲奈「今日はお仕事だ」



『ONTIC I☆DREAM』控え室


???「…」

???「フフフフフ…!」

司会『はいCM明けましたー!生放送でお送りしてますよー!ONTIC I☆DREAM!!さっそく最初の若きアイドルはー…』

司会『…と、行きたいところですがー!なんとなんと!今日はスペシャルなゲストさんが来てくださってますよー!』


真姫「へぇ…、誰かしら…」


ツバサ「へぇ…、誰かしら」


司会『この番組をご覧になってる皆様なら誰もが知ってる、そして憧れるあのお方!』

司会『さぁさぁ登場して頂きましょう!音都一のスーパーアイドルと言えばこの人っ!!』

司会『優木あんじゅさんでーすっ!!』


真姫「あんじゅぅっ!!?」


ツバサ「あんじゅぅっ!!?」


あんじゅ『はーい、ONTIC I☆DREAMをご覧の皆様、こんにちはー。優木あんじゅでーす』

司会『うっわー!ホンモノだ!ホンモノの優木あんじゅっすよ!?こんな近くで見たの初めてー!!』

司会『ど、どうして…、言い方悪いっすけど…、どうしてこんな番組に優木あんじゅさんがゲストで来られたんですかね?あ、見て頂いてます!?この番組』

あんじゅ『えぇ、毎週欠かさず。私のライバルたちをしっかりこの目で確認するために』

あんじゅ『それで、今日ゲストとしてここに来たのは、今噂のHONOKAちゃんって子がどういう子なのか、直接会って確かめるため、かな』

あんじゅ『もちろん、他にも見所のある子がいたら、それもチェックしないと、ね』

司会『おぉっ…、すなわちそれは、HONOKAに対する宣戦布告、みたいなことですかね!?』

あんじゅ『フフ、そうかもね。まだまだ経験の浅い子には負けないわよ、ってね?』

司会『おおー!これは熱い!!スーパーアイドル自らがライバルに宣戦布告!いやー、これ紅白並みの視聴率行っちゃうんじゃない!?』

司会『そしてこの空気の中最初に出てくるアイドルには同情せざるを得ないー!だけどこれも運命だと思って勘弁してくれー!』



???


ツバサ「ま、まさかあんじゅがこの番組に…」

英玲奈「お仕事ってこれか」

ツバサ「あの子…、自分がどういう存在か理解してないわけじゃないでしょうに…。今テレビの前で発狂している人がどれだけいるのかしら…」



東條西木野☆探偵事務所内


希「凛ちゃん!足押さえて!!うちはなんとしても羽交い締めをキープするから!!」

凛「がってん承知だにゃぁっ!ぬ、ぬおぉぉぉぉぉっ!!!」

真姫「あんじゅっ!!あんじゅーっ!!生あんじゅよ!?!?あんじゅがっ…、あんじゅーっ!!ほああああああああああああ!!!!」

希「お、落ち着いて真姫ちゃんっ!な、なんて力や…。うちら二人でようやく押さえ込めるほどの力が一体どこに…」

凛「ずっとこの体勢のままかにゃ…?疲れる…」




司会『さて最初に現れる新人アイドルはー…!!こいつらだーっ!!』

司会『>>199>>200の二人組ユニット!その名もー…、>>201だー!』

ありさ

雪穂

ツイン☆えんじぇる

司会『近坂雪穂と綾風亜里沙の二人で結成された新進気鋭のアイドルユニット!その名もー…』

司会『ツイン☆えんじぇるだー!』

(ツイン☆えんじぇるの曲披露)



真姫「ツイン☆えんじぇる…?初めて聞く名前ね」

希「うわ、若いなぁ…。こんな子もアイドルやってるんやね…」

凛「だから真姫ちゃんはいつアイドルに…。早くしないと間に合わなくなっちゃ」

真姫「あ!結成されたのは1年前だって!へぇ…、この若さなのに結構やってるのね」

凛「やっぱり無視ですか…」

希「結成が1年前なのにアイドル好きの真姫ちゃんが名前聞くのが初めて…?そんなに売れてなかったんかな?」



(曲終わり)

雪穂『ふぅ…』

亜里沙『…』



司会『いやー、どうもどうも!いい曲だねー!あ、どうぞこっちへ!!』

雪穂『あ…、はい』

亜里沙『えっと…、ここに座ればいいんですか?』

司会『そうそう!そこでオッケー!じゃあツイン☆えんじぇるに色々と話を聞いていくぜー!あ、その前に…』

司会『アイドルを目指すものなら皆憧れるスーパースター、あんじゅさん、なにか一言!』

あんじゅ『…あ、私?えっと、そうね…。うん、…そうね、良かったんじゃないかしら』

あんじゅ『歌から若々しさが伝わってきて、その…、可能性?を感じたわ』



真姫「…なんか歯切れ悪くない?」

希「これは…」



英玲奈「あんじゅ、嘘ついてる」

ツバサ「…自分以外の歌は滅多に認めないような子だしね。それにしてもたどたどしすぎるけど」

英玲奈「それだけあのユニットから可能性を感じられなかった、ってことじゃない?」

ツバサ「やれやれ…、辛辣ね」



雪穂『あっ…、ありがとうございます!!可能性…、が、頑張ります!』

亜里沙『ふふ…、憧れのあんじゅさんに褒めてもらえるなんて…、幸せです…』

司会『おぉー!羨ましいヤツめー!じゃ、二人からも話を聞いていくぞー!えっと、お二人はいつ頃から…』



真姫「話の内容もあんまり面白くないわ。普通中の普通ね」

希「新人アイドルやのにキャラ付けもあんまりできてないし…、1年間も活動してきて名前を知られてないのはこれが原因かな…?」

真姫「もー、こいつらはどうでもいいからとっととHONOKAを出しなさいよ!」



司会『…ってなわけでツイン☆えんじぇるでしたー!はくしゅー!』

司会『では次々行くぜー!お次は謎のマスクで顔を隠した超新人ユニット、その名もー…、>>204だー!!』

Shooting star!!!

司会『Shooting star!!!だー!!さぁどうぞーっ!!』

(歌披露)



真姫「ん…?この人たち…、どこかで見たことあるような…?」

希「うん、うちもなんとなく心当たりがあるような…」

凛「…凛も」



(歌終わり)

司会『おー、今時珍しいメタルでヘビーな感じのポップサウンドだったぜー!じゃあ自己紹介から始めてもらおうかな!』

??『え、えっとー、にこ…、じゃなくて、私はー、Shooting star!!!の可愛い担当ー、スマイリング・ニッコニーでーす!』

??『わ、私は…、えっと、その…、うぅ、恥ずかしいよぉ…』

ニッコニー『なに恥ずかしがってんのよ!こ、これも仕事なんだからシャンとしなさい…!』

??『う、うん…。あ、あの…、Shooting star!!!の守ってあげたくなる担当のぉ…、パナパナ・フラワーです…』

司会『えっと…、スマイリング・ニッコニーさんと、パナパナ・フラワーさんね…。個性的なお名前だけど…。あ、あんじゅさんはどうでした!?』

あんじゅ『え、あぁ…、うん、面白かったわ。こういうアイドルもアリなのかもね』

パナパナ『ほ、本当ですか…?よ、よかったぁ…』

ニッコニー『あ、あのあんじゅと会話できるなんて…、警察やってきてよかった…!』

司会『え?警察?』

ニッコニー『あ、いやいや!なんでもないから!うん、なんでも…』



真姫「これ…、花陽とにこちゃんよね…?」

凛「間違いなく矢西にこと和泉花陽だにゃ…。だって警察って言ってたし…」

希「仕事、とも言ってたけど…、もしかしてこの番組へは仕事で…?」

真姫「だとしたら…」


『キャーッ!!!』


真姫「っ!!?」


司会『な、なんだっ!?何が起こって…』


『…二つなんてまどろっこしい…。どうせなら全部…』


あんじゅ『…っ!ど、ドーパント…!?』


『一つにしちゃえばいい…!!お前たちも…!!』


パナパナ『ひ、ひぃっ!!?ホントに出たぁっ…!!』

ニッコニー『お、落ち着きなさい…!落ち着いて対処すれば…』


『はぁっ!!』ビビーッ

パナパナ・ニッコニー『『ひょエェっ!!?』』バチバチッ



希「ドーパントから放たれた正体不明の光線が二人を…!?」

凛「い、一体何がどうなってるんだにゃ…!」

司会『お、おぉっ…!?謎の怪物が放った光線が二人を襲ったー!?』

司会『ふ、二人は無事なのかー!?』


『…な、なにが起こったの…?』『わ、わかんない…』

『って、えぇっ!!?』『こ、これって…!?』


司会『な、な、なんとぉーっ!!?Shooting star!!!のふたりが…、くっついて一つになってしまったー!』

司会『これではまさに…、パナッコニーだー!』


パナッコニー『って変な名前つけないでよ!!』『そ、そんなの言ってる場合じゃないよぉ…。これ、どうしたら…』



真姫「なんか…、ふたりがシャム双生児みたいな奇形に…」

凛「キモいにゃ…。あ、シャム双生児とハムソーセージって似てない?」

希「そんなことはどうでもいいから、早く二人を助けに行かないと…!!」

真姫「そうね、行くわよ!…あんじゅとHONOKAとも会えるし…」

希「え?」

凛「…って、その前に!て、テレビに…、これ…!!」

真姫「えっ…、何が…。って、えぇっ!!?な、なんで…」



『ONTIC I☆DREAM』スタジオ


カメラマン「ひ、ひぃっ!!」


謎のドーパント「あなたもっ!えいっ!!」ビビーッ


カメラマン「ぎゃー!か、身体がカメラと融合して…」

音響「こ、こんなのゴメンだ…!逃げないと…」


謎のドーパント「あなたもっ!たぁっ!!」リリホワーッ


音響「うわぁっ!!マイクが身体に!」


謎のドーパント「あなたも!!あなたもっ!!はあぁっ!!」プリンテンプスーッ



「…そこまでに、してもらおうかな」



謎のドーパント「…っ!誰…?」


ことり「…私に、質問するな」



東條西木野☆探偵事務所内


凛「なんでことりちゃんが…?」

真姫「やっぱり…、あの二人がいた事と関係が…?」

希「それより今はテレビ局に向かうのが先や!ことりちゃんが相手してくれてる隙にうちらも!」

真姫「そ、そうね…!行きましょう!」 凛「了解にゃ!」

謎のドーパント「ふ、ふんっ…!あんたなんか…!こうっ!」ビビーッ

ことり「ふっ…!」サッ

謎のドーパント「ひぃっ…!!?よけられちゃった…。どうしよう…」

ことり「早めに、仕留める…!」\ナイト!!/

ことり「変…、身…っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「さぁ…、チェックメイトだよ」


謎のドーパント「ひぃっ…!仮面アイドル…!?やばいよ…。…って言ってる場合じゃない!!」

謎のドーパント「こ、ここは逃げるが勝ちよっ!!」ダッ


ナイト「…っ!逃がすか…!!」ニョキッ

ナイト「はぁっ!!」パカラッパカラッ


謎のドーパント「お、追ってきたぁっ!!?こうなったら…!ていっ!!」ビビーッ


ナイト「っ!!ドアが壁と一体化して…、通れない…!くっ…だぁぁっ!!!」バゴォッ

ナイト「くっ…、見失った…!?一体どこに…」


ササッ


ナイト「あっちか!はぁっ!!」パカラッパカラッ

ナイト「さっきはここの曲がり角を右に…」サッ


亜里沙「ひぃっ!!?だ、誰…!?」


ナイト「あなたは…、さっきの出演者さん?あ!さっきここに怪物が来たはずだけど…、どっちに?」

亜里沙「え、えっと…。その曲がり角を右に…」

ナイト「…ありがとう。ふっ!」パカラッパカラッ


謎のドーパント「…げっ!見つかった…!?」

ナイト「逃がさないっ…!!はぁっ!!」ブンッ!!

謎のドーパント「ひょえぇっ!!こ、このぉっ!!」ビビーッ

ナイト「っ!…こ、今度は廊下の壁を一体化させて…!このっ…!!だぁぁっ!!」ブンッ バゴォッッ

ナイト「…ってもう一枚壁!?しつこい…!!なぁっ!!」バキィッ



テレビ局前


ブロロロロロ…


希「ふぅ…、やっと着いたけど…、逃げられてないやろうか…?」

真姫「とっとと行くわよ!えっと、ONTIC I☆DREAMはたしか…」


「ふふ…、やはり来ましたか。会いたかったですよ?」


真姫「な、あんたは…!」

希「園田…、海未…ッ!」

真姫「なんで…、あなたがここに…!はっ…、まさかっ…!」

海未「えぇ、そうです。先ほどテレビに映ったドーパント、あれにメモリを与えたのは私です」

希「ってことは、また…!」

海未「あ、いえ。あのメモリは過剰適合者ではなく…。ふふ、ただ面白い例だったのでね、差し上げただけですよ」

海未「まぁ…、多少メモリに細工はしてありますが…」

凛「さ、細工って…!?」

海未「…。ところで、あなたたちはそのバイクに3人乗りして来たんですか?…また、無茶なことを…」

希「い、いいやろそんなこと!くっ…、行くよ真姫ちゃんっ!!」スッ

海未「させ」\ミックス!!/

海未「ませ」ピチュゥゥンンッ!!

ミックス・D「んよ」\サンダー!!/\ウィップ!!/

ヒュンッ!! ビジィッ!!

希「おわぁっ!!」バチバチッ!!

カランカランッ…

希「なっ…、ドライバーが…!」

ミックス・D「…私、気づいたんですよ。変身されると厄介なら…」

ミックス・D「…変身させる前に倒してしまえばいいじゃないですか、ってことに!」

凛「そんな…、世の悪役が思っても絶対やらなかったことを平然と…!!?」

真姫「なんて下衆なのっ!」

ミックス・D「何とでも言うがいいでしょう。ふふは、ズタボロにして差し上げますから」ヒュンッ!!

真姫「くっ…!ワイルド!」

<ギャオォォォォォォンンッ!!

ミックス・D「させませんっ!!」ヒュバッ!!

バシィンッ!! <グギュゥゥッ…

真姫「くっ…!ワイルドメモリが私の手に渡る前に叩き落とされる…!」

凛「本当に容赦ないにゃ…」

ミックス・D「…私は私の楽しみを邪魔したものを決して許しはしないのです。あぁ…、せっかくのお花が…!」

ミックス・D「…なので、あなたの体で、綺麗な血の花を咲かせて差し上げようと思って、ねぇ…!」ヒュンッ!!

バシィッ!! <グギャァァァッ!!

真姫「わ、ワイルドが…!!うぐっ…!」ダッ

ミックス・D「ふふ、勝ち目がないとなると逃げますか…。ですがそれが命取り…」

ミックス・D「さぁ…、綺麗な花を、見せてください…!!」\サンダー!!/\ウィップ!!/\スティング!!/

ヒュバッ!! 

真姫「…ッ!」


ザシュゥッ!!


凛「…っ!!!?あ…っ!」

希「ま、真姫、ちゃっ…!」



真姫「が、はぁっ…!」

バタッ

ミックス・D「アハッ…!アッハッハハハハハハハハ!!なかなか、心地よい感触でした…!体を刺し貫くのは…!」


希「そ、そんな…、真姫ちゃ…!嘘、やろ…!?」

凛「こ、こんなところで、し、死ぬなんて…、嘘、だよ…!お、起きてよ真姫ちゃんっ!!」

真姫「…ぁ、ぅ…」


ミックス・D「おや…、まだ息がありますか…。咄嗟に体をひねって致命傷を避けたのですかね」

ミックス・D「ですが…、無駄な抵抗でした。これで、とどめっ!!」ヒュンッ!!



希「まっ…、真姫ちゃぁぁぁぁぁんっ!!!」



ピキィィンンッ!!


ミックス・D「…っ!!?こ、これは…!?」


<キュイィィィィィィッ!!


凛「これは…、ガジェット…!?蝶々の形をしたガジェットだにゃ…!」


ミックス・D「えぇいっ!!こしゃくな…!!」ヒュンッ!!

ピキィィィィンッ!!

ミックス・D「んなっ…!私の攻撃を凌ぐなんて…!ぐ、ぐぅっ…!!」


<キュィィィィッ!!


ヒュゴォォッッ!!!


ミックス・D「んなぁっ…、何っ…!!う、うわぁぁぁっ!!」


ヒューン… キラーン



希「ろ、ロケット団が如く吹っ飛ばした…?ガジェットの癖になんて力を…」


<キュィィィィッ!!

ピコー… シュバァァ…



凛「え、えぇっ!!?ま、真姫ちゃんが…!」

希「ガジェットに吸い込まれて…、消えた…!?」


パタパタ…


希「あ、ちょぉっ!!どこ行くんや!?」

凛「かっ…、返すにゃー!!ま、真姫ちゃぁぁぁぁぁんっ!!」

テレビ局 廊下


ナイト「はぁっ!!」バゴォンンッ!!

ナイト「はぁっ…、はぁっ…。どれだけ壁を作れば…」


雪穂「ほ、ほあぁぁっ!!!?か、仮面、アイドル…!?」


ナイト「あなたは…。ねぇ、ここに怪人は来なかった!?」

雪穂「え、怪人…。あ、それならあっちに行きました…。息を切らせて…」

ナイト「ありがとっ!」ダダッ


謎のドーパント「ひ、ひぃっ!!?まだ追ってくるっ!?」

ナイト「今度こそ…、逃がさないっ!!」\ルーク!!/

\ルーク!!プロモーション!!/


ナイト「これで…、貫くっ!!」\ルーク!!真姫シマムドライブ!!/

ナイト「はぁぁぁっ!!」ダダダダダッ!!


謎のドーパント「ひ、ひぃいっ!!え、えっと…、たしかこういう時は…」

謎のドーパント「えいっ!!」ビシャァッ!!

謎のドーパント「とりゃっ!!」ビシュッ…

ボォォォォォ…!!


ナイト「なっ…!ガソリンに火…!?何を…!だけど…、その程度で私は止められないっ!!」ダダダダッ!!


謎のドーパント「こ、これで…!やぁっ!!」ビビーッ


シュゴォォォォ…


ナイト「くらえぇっ!!はぁっ!!」

ズバシュッ!!


シュワンッ…


ナイト「なっ…、消えた…!?いや、これはまさか…」

ナイト「…火から出る煙と一体化して、逃げた…!?」ピチュゥゥンンッ…

ことり「くっ…、逃がした…。だけど、既に出入り口は封鎖してある…」

ことり「今この階にいる誰かが…、ドーパント…!!」

今日はこのくらいにしておきます
今回はいつもに増して状況がわかりづらいと思うけどまぁ…、大体こうかな、って思っててくれたらそれで もう何やってるかわかんね、ってときは説明するんで言ってくれれば
それじゃあ次回までお別れやで ほなな

二日ぶりですこんばんは 見てくれてる人いるか不安だけどやっていきますよ

テレビ局前


希「い、ってててて…、よい、しょっと…」

凛「大丈夫…?希ちゃん」

希「うん、うちは平気…、やけど…、真姫ちゃんが…」

凛「そ、そうだよ!変なちょうちょのガジェットに飲み込まれて…、どこ行っちゃったにゃぁぁ…!?」

希「さっぱりわからへん…。…あ!でも…、ドライバーを通じてうちの思いを届ければ…」

希(…真姫ちゃん。うちの声、聞こえてる…?)


ピキーンッ


希「…っ!真姫ちゃんの意識を感じた…!真姫ちゃんは死んでへん…、生きてる…!」

凛「ほ、本当!?よかったぁ…。だ、だったら…!もう泣いてる場合じゃないにゃ!とっととテレビ局に行かないと!」

希「うん…、こうしている間にもことりちゃんが頑張ってくれてる。うちらも早く合流するよ!」

凛「にゃ!」



『ONTIC I☆DREAM』スタジオのある階


凛「んなっ…!なんで入れてくれないのー!?」


警察「だから…、南刑事に誰も通すな、と言われて…」

希「ことりちゃん…、か…。やけに手回しが早いというか…。あらかじめ事件が起こるのを知ってたみたいやね…」

凛「あ、そういえば…。ドーパントが現れてすぐに突入してたしね」


ことり「…あらかじめ、知ってたからだよ。訳あってね」


警察「あっ…、南刑事」

ことり「その人たちは私の信頼できる仲間だから、通してあげて」

警察「…わかりました。どうぞ」

凛「もー、最初から素直に通してくれたらいいのに!」

希「…で、あらかじめ知ってた、っていうのは…?」

ことり「以前警察に一通の手紙が届いたの。たった一文で、差出人は不明」

ことり「その手紙にはこう書かれていた。『音都テレビで行われる次回のONTIC I☆DREAM、そこにドーパントが現れる』って」

凛「なにそれ…、犯行予告文?」

ことり「わからない。だけどそれを放っておくわけにも行かないから、スタッフや出演者に紛れて警察も張ってた、ってわけなんだけど…」

ことり「…まさか、あの二人があんなことになっちゃうなんて…」

希「あぁ…、あのお茶の間に衝撃を与えたグロシーンやね…」

ことり「あのドーパントが与えた疵はまだ治ってない。真姫シマムを発動したけどメモリブレイクには至っていないはず」

ことり「そして、今あなたたち以外の人間をこの階に通すことも、この階から出すこともしていない」

ことり「今この階ではONTIC I☆DREAMしか収録されていなかった。…つまり、あの番組のスタッフ、出演者、もしくはそれらの関係者のうちの誰かが、犯人だよ」

凛「おぉ…、推理ドラマっぽくなってきたにゃ…!」

ことり「今スタジオに関係者をみんな集めてる。話を聞きに…、あれ?そういえば…、真姫ちゃんはどうしたの?」

希「あぁ…、色々あって…。説明するのはややこしいから、とりあえず今はスタジオへ行こか」

『ONTIC I☆DREAM』スタジオ


ざわ… ざわ…


ことり「…お静かに。今からあなた方全員に、ドーパントが現れた時間、どこで何をしていたかを聞かせてもらいます」

ことり「私の頼れる助手たちは今話ができる状況ではないので…」

パナッコニー「うぅ…、面目ないです…」「ぐぬぬ…、こんな体じゃなければ…!」

ことり「…代わりに彼女たちが助っ人に来てくれました」

希「ど、どもー…」

凛「にゃ…」


あんじゅ「…!希、ちゃん…」ササッ


希「あ…」

希(…隠れなくてもいいのに…。寂しいなぁ…)

ことり「それじゃ、人も多いことだし、手分けしながら一人一人話を聞いていこうか」

希「おっけー、や」

ことり「じゃあ、控え室に一人ずつ呼び出しますので、呼ばれた方は指定の部屋に来てください。まずは…」



控え室 希・凛のいる方


亜里沙「えっと…、あの…、その…」

希「えと…、亜里沙ちゃん、やったっけ?緊張せんでいいから、ドーパントが出たとき、どこにいたかだけ教えてくれれば…」

亜里沙「あ、あの…」

凛「…この子、本当にアイドルなのかにゃ…?」ボソッ

亜里沙「うぅっ…、ごめん、なさい…」

希「あぁもう余計なこと…」

凛「うっ…、メンゴメンゴ」

亜里沙「えと…、ど、ドーパント?が出たときは…、その…、自分の控え室に、戻ろうとして…、道に迷ってて…」

亜里沙「そしたら、…えっと、ドーパントに出会って…、びっくりしてこけちゃって、その後、仮面アイドルの人にも、会いました…」

亜里沙「その…、南、さん?も…、私のこと、見てると思います、から…。これで、いい、ですか…?」

希(…声ちっさ…。聞き取るだけで精一杯や…。…だけど)

希「ことりちゃん自身がドーパントを追っかけてる時に目撃したなら、アリバイとしては完璧、か…」

凛「ってことは、この子は潔白、ってことだよね?良かったにゃ、容疑者からはひとまず抜け出せたみたいだよ?」

亜里沙「あぁ…、そう、ですか…。へへ…、よかった、です…」

希「えっと、じゃあ次の人、呼んできてくれる?」

亜里沙「あ、はい…。わかりました…」



控え室 ことりのいる方


ことり「…あなたは、たしか…、ツイン☆えんじぇるのマネージャーさん、でしたっけ?」

ことり「>>222(※女性)さん」

マネージャー「あぁ、そうだよ」

ことり「あなたは事件当時どこにおられましたか?」

マネージャー「えっと…、確かぁ…、あぁ、控え室にいたね。二人が活躍してるのをモニターで見終わってゆっくりしてた頃かな」

ことり「ではそれを証明できる人は?」

マネージャー「…えー、そのときは確か控え室には誰もいなかったから…、証明はできないね」

ことり「誰もいない?…そんなことないと思いますけど。先ほどお話を聞いた方はずっと控え室におられたとか」

ことり「あなた方ツイン☆えんじぇると同じ控え室に。…そちらは、マネージャーの方も一緒に、だそうですが」

マネージャー「あっれぇ…、そうだっけぇ…?えっと、じゃあ…、あ、そうそう。トイレでこもってたんだっけ、そのときは」

ことり「『じゃあ』…?発言が曖昧過ぎると思うんだけど…。あなたそれでもマネージャー…?」

マネージャー「お、おぅ…!!もちろんそのつもりだぞー!あっはっは!」

ことり「…これは事件とは関わりのない質問なんだけど、あの子達…、ツイン☆えんじぇるについてどう考えているの?」

マネージャー「はひ…?」

ことり「私は正直、あの子達はダメだと思う。表舞台でやっていけるような人間ではないと思うわ。あなたは、あの子達をどう見てるのか、って」

マネージャー「んなっ…!いや、そんなことないと思うぞ!あいつらは輝けるものを胸の内に秘めている!」

マネージャー「きっとなにかきっかけがあればすぐにでも未来のスーパースターに…!」

ことり(…秘めっぱなしじゃ意味ないんだよね…。はぁ…、この子達が伸びないのはこの人が原因なのかな…)

ことり「…もういいです。現時点では、あなたはまだ容疑者の枠から離れてはいません。つまり、犯人である可能性がある、ということです」

ことり「じゃあ、次の方を呼んできて、…ください」

マネージャー「あいよー。次の方ねー…」

ことり「…」



控え室 希・凛のいる方


あんじゅ「…」

希「…」

凛「…」

凛(…気まずいにゃ)

凛(二人共なにか話せばいいのに…、せっかく久しぶりに会えたっていうのにさぁ…)

希「え、えっと…、あんじゅちゃんは…、その、アレ、やんな…?その時スタジオにいたし…、無実、だよね…?」

あんじゅ「…うん、司会さんも、同様の理由で潔白、だよね」

希「…」

希「で、でも…」

あんじゅ「…」

希「…例えば…、共犯の可能性、とか…。誰か、ドーパントを雇って、た、って言うのは…」

あんじゅ「…さぁ、そこまでは私はわからないわ。もう、いいかしら…?」

希「あんじゅ、ちゃん…」

あんじゅ「…」

希「…」


凛「…あー!もうっ!!何この空気!こういうの凛大っきらいなの!」

あんじゅ「へっ…?」

凛「よし、決めたにゃ!今から二人で>>225をしてもらいます!あ、この場で出来ることね!」

豆腐料理を食べる

凛「今から二人には凛の作った豆腐料理を食べてもらいます!」

希「はぁ…?どういう理由でそんなことに…」

凛「おばあちゃんが言っていたにゃ…。小さな粒でもやがて大きな繋がりとなる。友情と豆腐っていうのはそうやって出来るものだってね」

希「よくわかりません…」

凛「とどのつまり美味しいものを食べてもっと盛り上がるにゃ!ほら、麻婆豆腐だよ!」ドンッ

あんじゅ「どうして都合よく麻婆豆腐が二人前も…」

凛「気にせず食べなさい!」

希「わ、わかったって…。もぐ…」

あんじゅ「う…、い、いただきます…?…もぐもぐ」

凛「どう?」

希「…うん、普通においしい。まぁ…、普通の麻婆豆腐やけどね」

あんじゅ「…、本当、普通だね。特別、ってわけでもない…」

凛「仕方ないよ。この控え室に置いてたケータリングだもん」

希「…って、勝手に出演者のお弁当パクったんかい!なんてことを…」

凛「凛悪くないもん。希ちゃんが食べたんだからね!」

希「この性悪猫が…」

あんじゅ「…ふふっ」

凛「あっ…、初めて笑った!」

あんじゅ「…あっ」

凛「やっぱり、あんじゅちゃんは笑顔が一番素敵だよ!もっと笑って!ね?」

凛「…希ちゃんといるときでも、さ?ダメ?」

あんじゅ「…うん。そう、だね…。うん…」

希「あんじゅちゃん…」

あんじゅ「…希、ちゃん。ごめんね、私…、本当はもう二度と希ちゃんに会うつもりはなかった…」

あんじゅ「希ちゃんに見せたくない私まで、見られてしまうかも知れない、って思うと、もう、会いたくなくなって…」

希「そんな…、うちは…」

あんじゅ「でも…、やっぱり私、希ちゃんと…。…お付き合い、したいな」

希「ファッ!?」

あんじゅ「…もちろん、プライベートの、お付き合い、ってことね?…また、メールするから。それじゃあ…」

希「あっ…」

凛「えっと…、これで、良かったのかにゃ?仲直り出来たってことで…」

希「別に仲悪かったわけではないんやけど…。まぁ、あんじゅちゃんがまたお食事誘ってくれるんなら、うちはそれで…。ふふふ…」



控え室 ことりのいる方


ことり「…えっと、あなたは…」

雪穂「私は廊下であなたとすれ違ったでしょ!?別に文句ないんじゃ…」

ことり「…うん。そうだね。一応話を、ってことで。その…、お仕事の方は、どう?」

雪穂「お仕事?…別に、今は関係ないじゃないですかそんなこと。…ただでさえ日頃からうるさい人がそばにいるのに…」

ことり「う、うん…。ごめんね…。じゃあアリバイは成立、ってことで…。っと、これで、私の方は全員か…」

ことり「あとは…、謎のあの人、だけだね…」

???


英玲奈「ちょ、蝶々にやられた…?」


海未「…はい。冗談ではなく、マジでやられました。完敗です」

英玲奈「あの…、嘘でしょう?海未さんともあろう方が、その…、えっと、蝶に?」

海未「…はい」ショボン

英玲奈「あ、アレでしょう!?蝶々じゃなくて、マイク・ハガーがやってきてとか…」

海未「いえ…」

英玲奈「あ、じゃあアレだ!全身タイツの火薬使いの変態に…」

海未「違うんです!私は普通に蝶々に負けたんです!…まぁおそらくアレはガイアメモリでしたが」

ツバサ「…ガイアメモリ、蝶々…。…もしかして、それは…」

英玲奈「…知っているの?」

ツバサ「エクセレント、メモリ…」

英玲奈「エクセレント…、それって一体…?」

ツバサ「…そう、ついに…、ついに動き出したのね、あの人…。フフ、ふふふふ…」



エクセレントメモリ内部


「マキ…、マキ…」



真姫「はっ…!?誰よ私の名前を呼ぶのは!?ってなにここ…、マトリックス空間みたいな…」

シュラウド「…ここは、エクセレントメモリの中」

真姫「うわっ…、アンタ…。お久しぶりね…。って、メモリの中…!?そ、そういえば…、刺された傷が、消えてる…?」

シュラウド「あなたはまだ、死んではいけない。この星にとっても、私にとっても、必要な存在なのですから」

真姫「…なにそれ、意味わかんない…」



控え室 希・凛のいる方


ことり「さて、最後の一人だけど…」

希「謎のカリスマアイドル、HONOKAさん、やったっけ…?」

凛「一度ライブに行ったことはあったけど、キャラ者のお面を被ってて最後まで素顔は見られなかったにゃ…」

ことり「その彼女と、直にご対面、ってわけだね…。じゃあ、お入りください…!」


ガチャッ…

三人「…!!」ゴクリッ…


HONOKA「…こ、こんにちわ…」

希「あ、あなたが、HONOKAさん…?」

HONOKA「う、うん…、そうだよー…。よろしくねー…」

凛「うん…?なんか…、カリスマアイドルにしてはよそよそしい…?」

ことり「しかもこの声、聴き馴染みのある…!そのお面、外させてもらうよ!!」ガバッ!!

HONOKA「ひょわぁぁぁっ!!!!」

希「なっ…!!こ、これは…ッ!!」

穂乃果「ふ、ひっ…!あ、あの…!」


希「ほっ…、穂乃果ちゃん!?高坂穂乃果ちゃんやんね!?」

穂乃果「そ、so death…」

凛「え、って、ことは…!?謎のカリスマアイドルHONOKAの正体って…、穂乃果ちゃんだったの!?」

穂乃果「…うん」

ことり「ウソ…!って、そういう隠れてすごいことやってるのはことりの役目でしょ!穂乃果ちゃんのバカー!!」

穂乃果「って、言われても…!えっとですね、これには並々ならぬ経緯がありまして…」


希(穂乃果ちゃんの数十分にも渡る話をまとめるとこういうことやった)

希(情報屋としてイマイチ伸び悩んだ穂乃果ちゃんは芸能界の情報を手に入れようと考えた)

希(けれど穂乃果ちゃんはこの街の芸能界にコネがない。情報を手に入れるのは一苦労や。それってんで考えたんが…)

希(…アイドルオーディションを受けること、やった。当初はそういう業界の人と、少しでも関係が持てたら、別にそれに落ちても構わなかった、いや、落ちるつもりやった…)

希(ところがなんの因果か穂乃果ちゃんはオーディションを合格、辞退も一瞬考えたけど欲が出てそのままアイドルデビュー…!)

希(でも顔を見られるのは嫌だから覆面アイドルとして活動、それが逆にウケ今のこの地位に、やそうや…)


穂乃果「…ということで今はアイドル兼情報屋として張り切ってます…」

希「まさか、そんなことになってるやなんてね…」

凛「そういえば穂乃果ちゃんがこの街に来たすぐ後にHONOKAが台頭を表してきた記憶があるにゃ…」

ことり「た、大変だね、お互い…。えっと、それじゃあ一応聞くけどアリバイは…」

穂乃果「その時間は…、無駄に監視カメラに向かって変なポーズ取ってました…。映像見てもらえればわかるから…」

ことり「…だ、そうだけど。ある?」

パナッコニー「…あ、これ…、ありましブフォッ!!?」「って、汚っ!いきなり何噴いて…、ブヒュゥゥッ!!!」

希「これはまた…、奇っ怪なポーズを…」

穂乃果「…見られたくなかった…」

凛「写メとっとこ」

ことり「今はそんなことどうでもいいから…。…って、ことは、これで全員聴き終えた、ってことだよね」

希「そしてほぼ全員にアリバイがある。唯一なかったのが…」

ことり「ツイン☆えんじぇるのマネージャー…、だね」

凛「ってこれもう決まりじゃん!そのマネージャーさんが今回の事件の犯人だにゃ!」

ことり「…うん、そう…、なんだけど…」

希「歯切れ、悪いね。なにか気になることでもあるん?」

ことり「…ねぇ。ツイン☆えんじぇるの片割れ…、亜里沙ちゃんと話してみて、どんな感想を持った?」

希「え?」 凛「どうしたのいきなり…」

ことり「私は片方にしか話を聞いてないからわからないんだけど…、率直な感想でいいの。どんな子、だった?」

希「えっと、そうやねぇ…。一言で言うなら…」

凛「声が小さい!」 希「…やね」

ことり「そう、か…。やっぱり…」

希「…なにか、引っかかることが、あるんやね?」

ことり「うん。…これが何を意味するのか分からないけど…、少し、矛盾していることが、あって…」

凛「矛盾…?」

ことり「私がツイン☆えんじぇるのもう片方、雪穂ちゃんと、雪穂ちゃんの仕事について話したとき、彼女はこう言ったの」

ことり「『ただでさえ日頃からうるさい人がそばにいるのに』。…たぶん、耳にタコができるくらい、日頃から言われているんだろうね」

希「お仕事、不調みたいやもんなぁ…」

凛「それが…?」

ことり「うるさい人がそばにいる。…この『うるさい人』、って、誰かって思って」

希「だから、うちらに亜里沙ちゃんがどんな子か聞いた、ってことやね。上昇志向の強い子なら、日頃から自分たちの置かれている状況について口を酸っぱくして言ってるんじゃないかと」

ことり「だけど、そうじゃなかった。その亜里沙って子は、声の小さい控えめな子。少なくとも…、うるさいに当てはまるような子じゃない」

凛「え…?だったら簡単じゃん…。いつも雪穂ちゃんのそばにいる人で、亜里沙ちゃんじゃないとしたら、もう一人しか…」

ことり「うん。…マネージャーさん。でも、それもおかしいんだ」

希「おかしい?」

ことり「…だって、私と話したマネージャーさんはそんな口うるさく言いそうな人じゃなかった」

ことり「あの子達にありもしない可能性を期待している、バカなマネージャーに、私の目からは映ったの」

凛「そ、それは…、アレじゃない?当人がそばにいないから、ツンデレのデレが発動した結果、的な…」

ことり「それだけじゃない。性格的にも、アイドルとしての出来不出来に厳格に追及するような人には見えなかった」

ことり「自らのアリバイ証明もできない、発言がコロコロ変わる適当な大人のように感じられた」

希「確かに、それだと『日頃から仕事の成果にうるさい人』っぽくはないよね…。じゃあ誰が…?」

穂乃果「ねぇ…、そのマネージャーさんだけど…、たぶんことりちゃんの言ってること、間違ってると思う」

ことり「え?」

穂乃果「私の聞いた噂だと、ツイン☆えんじぇるのマネージャーさんはアイドルの子にも非常に厳しくするような人だって」

穂乃果「スケジュール管理も徹底してて、5分に一回は時計を確認しないと落ち着かない人だとか…」

凛「って、それじゃあことりちゃんの見たその人と全然違うじゃん!」

ことり「そう…、そう、だよね…。全然違う。これって…、どういうことなのかな?」

希「どういうことか…?」

凛「ことりちゃんが見たマネージャーさんと、穂乃果ちゃんの噂で聞いたマネージャーさん、性格が正反対な理由…、ってこと?」

ことり「うん。希ちゃんは、どう考える?この『ムジュン』を…」

希「うちは…」



1.ことりちゃんが見たマネージャーが間違っている
2.穂乃果ちゃんの噂のマネージャーが間違っている
3.どちらのマネージャーも正しい
4.どちらのマネージャーも間違っている
5.そもそもマネージャーなんていなかった
6.焼肉食べたい



希「これや!>>231

ここで突然の逆転裁判風な推理で次回へ続く
オリジナル回は尺の取り方が難しい たぶん次回で終わるはず
それでは今日はここまで ほなな

6

一応ちゃんとした正解はあります ちょっと会話が変化するだけのまさに逆転裁判の選択肢みたいなものです
久々の推理成分なので暇なら考えてみてね 割と強引だけど

こんばんは 眠気がやばいけど続きいきます
推理に若干無理があるかもしれないけど温かい目で見てください それではどぞ

希「焼肉食べたい」

ことり「…は?」

希「…はっ!あ、あかん…。なんか一瞬意識飛んでた…。えっと、なんの話やったっけ…?」

凛「意識飛ぶとそんな言葉が出ちゃうの?」

ことり「だーかーらー!マネージャーさんの性格が伝聞と実際で違うことについてのムジュンだよ!」

希「お、おぅ…、そうやったね…」

希(ことりちゃんのうちに対する印象が悪くなったみたいや…)バコーン

希「えっと…、じゃあマネージャーさんが二人いた、ってことは…」

穂乃果「それは…、ないんじゃないかな。ユニットのアイドルに二人もマネージャーを付ける程大きな事務所でもないみたいだし…」

凛「じゃああの人は偽物のマネージャーなんだよきっと!」

ことり「それもない。きちんと身分は確かめたよ。あの人は間違いなくマネージャーさんだった」

希「うーん、だとすると…、二人がいるところではすごく厳しいけど、そうでない時は気のゆるんだ二面性を持つ人、的な…?」

ことり「どちらもその人の性格、ってこと、だね…。…それも、考えたんだけど…」

凛「ん…?ことりちゃんは何かこうじゃないかって思う節があるの?」

ことり「…うん。これは、もし、なんだけど…」

ことり「私の見たあの人は、…やっぱり本当のマネージャーさんじゃなかったとしたら」

凛「へっ…?いや、身分証明はしたんじゃ…」

ことり「そうじゃなくて、本来の性格とは違う…、偽った性格、だとすると…」

希「ニセの性格…。つまり、ことりちゃんの前で見せた、いい加減な性格は演技だって、ことりちゃんは推理してるん?」

ことり「うん」

凛「え…、でもどうして?そんなことする意味、って…」

ことり「…うん、そんなことをしたって、ただ疑われるだけ…。現にアリバイが証明できていないのはマネージャーさんだけだし」

ことり「だけど…、もしその『疑われること』が目的だとしたら…?」

凛「へ…?」

ことり「今この場にいる人のほとんどがアリバイは完璧、そしてその中に一人だけアリバイのない人がいる」

ことり「そうなったら、証拠不十分だとしても、状況からその人しか犯行を行えないのだから…」

希「その人は犯人だと思われる…。真犯人から疑いの目をそらすことも可能、やね」

凛「じ、じゃあ…!マネージャーさんは自分を犯人だと思って欲しくて嘘を付いた、ってこと!?」

ことり「かも、知れない」

穂乃果「仮にそれが真実だとして、すると本当の犯人は誰になるの?」

ことり「マネージャーさんが庇う可能性のある人物、それはもちろん…」

希「…ツイン☆えんじぇる、やね」

凛「じ、じゃああの二人のどちらかが犯人…?」

ことり「マネージャーさんと話をしている時に彼女はこう言った。『何かきっかけがあれば、スターになれる』」

ことり「今回の事件は間違いなく大きなニュースになる。生放送でドーパントが現れたんだから」

ことり「その番組に、唯一新人アイドルとして紹介されたあの子達はたぶん、少しの間取り沙汰される。テレビにも、出られるようになるかも」

希「それが…、きっかけ、ってことか…」

穂乃果「なるほどー。確かに動機としての筋は通ってるかもだけど…」

凛「でもでも!ツイン☆えんじぇるの二人には完璧なアリバイがあるじゃん!それこそ、ことりちゃん自身が目撃した!」

ことり「…うん、そうなんだよね…。ツイン☆えんじぇるの二人は、どちらもドーパントと共に目撃されている。正確には…、私が目撃したんだけど」

凛「だとすると…、やっぱりマネージャーさんの捨て身の作戦なんじゃ…」

穂乃果「自分の担当の子を有名にするためにドーパントになって番組を襲撃、…ありえるね」

ことり「…そっか…。うん、やっぱり、そっちのほうが自然、だよね…。わざわざアイドルの子が変身する必要もないし…」

ことり「証拠は不十分だけど、状況的に犯人は、彼女しか…」


希「待った!」


ことり「えっ…」

希「結論を出すのは早いんと違う?まだアレについて話してないでしょ?」

ことり「アレ…?」

希「警察に届いた犯行予告文。この番組にドーパントが現れる、ってヤツやよ」

凛「あぁ…、そんなのあったね…。それがどうしたの?」

希「もしそのマネージャーさんが犯人で、彼女がその犯行予告文を出したとして…、そうする理由はどこにあるん?」

ことり「理由…?」

希「わざわざ警察を呼んで、自分を捕まえてください、なんてしなくても、そのまま逃げればほぼ捕まることはない」

希「話題性ならそれで十分やし、ツイン☆えんじぇるにも仕事が来る可能性は高い。自分から逮捕される必要なんてないはずや」

凛「確かに…。あ、だったらアレじゃない?身内が犯人ってことでさらに話題性を集めようと…」

希「それをするには少し早過ぎると思うの。やるとするなら、話題が少し風化してから。…そうすれば二重に話題を集められるし」

希「どちらにしても、マネージャーさんが自分の犯行を警察に知らせるのは不自然やと思う」

穂乃果「じゃあその犯行予告文…、犯人じゃない人が書いたのかな?」

ことり「え…?」

穂乃果「計画を知ってる他の人が送ったんじゃない?ほら、『ドーパントが現れる』なんて書き方、犯人が書いたとしたら少し違和感あるし」

凛「あ、そう言われればそうかも…。自分がドーパントなら『どこそこを襲う』みたいな、主観的に書きそうだし…」

ことり「じゃあ、マネージャーじゃなくてツイン☆えんじぇるが…?でも、そんなことをするメリットも彼女たちには…」

希「…うちには見えた。この事件の終着駅が」

ことり「んなっ…、本当!?」

希「うん。…やっぱり犯人は、ツイン☆えんじぇるや」

凛「だけど、二人共アリバイはあるし…」

穂乃果「まずは、希ちゃんの推理を聞こうよ。希ちゃんは、ツイン☆えんじぇるのどっちがドーパントだと思ってるの?」

希「うちがドーパントやと思ってるのは…」


1.雪穂
2.亜里沙
3.どちらも


希「これや!」 ※安価はしないけどよければ考えてね

希「これや!」


3.どちらも


凛「どちらも…?え、ってことは…」

ことり「二人共、ドーパント、ってこと?」

穂乃果「同じメモリを二人が持ってたって言いたいの?」

希「…あ、それもあるか…」

凛「え、違うの!?」

ことり「大体、量産されていないメモリで同じ基盤のものが二つあるものなんてかなり珍しいほうだよ」

ことり「それも今回のようなユニークな能力のメモリなら尚更…。二つも作る理由がない」

穂乃果「じゃあダメじゃん。希ちゃんの推理間違ってるよ!」

希「いや、うぅん…。せやけど…、実はここに来る前に園田海未にあって…」

ことり「園田にあったの!?ヤツはどこに!?」

希「うわぁ…、お、落ち着いて…。もう逃げられたよ…。で、その時園田はこう言ってたんや」

希「『あのメモリは過剰適合者ではなく、ただ面白い例だったので、あげた』。…この面白い例、ってのが気になってね」

希「能力自体は変な力…、二つのものを一つに融合させる能力。だけど、それを『面白い例』って普通言うかな、って」

希「あいつの言う『面白い例』って…、それってつまり、使用者が特殊なんじゃないか、って思ったんよ」

ことり「希ちゃん…、もしかして…」

希「つまり、今回のドーパントが使ったメモリは…」

希「…二人共、使うことが出来た、ってことや」

凛「えぇっ!?」

希「だとすれば、今までのふたりのアリバイは崩れ去る。もう片方が変身しているとき、もう片方が誰かに目撃されてさえすれば…」

希「普通ならそれで目撃証言は通る。それがただのメモリだった場合、ならね」

ことり「でも、どちらも使えるなら…。そっか…!私があのふたりを目撃したとき、ドーパントは一度視界から消えていた…」

ことり「その時に使用者が入れ替わってた、ってことね…」

希「それに、二人が犯人、いや、ふたりのどちらかが犯人の場合、犯行予告文のことも筋が通る」

希「どっちかが犯人なら、一時は逃げられたとしてもいつか捕まるかも知れない危険がある」

希「だったら、最初から疑いの目をマネージャーに向けられれば、二人が疑われる心配はない、ってことやね」

凛「お、おぉ…!これはなんか…、それっぽい気がするにゃ!」

希「…」

凛「にゃ?どうしたの?急に元気なくなったけど」

希「いや…、うん、そうやんね…。御託並べたけど、結局これ『っぽい』だけで証拠も何一つないんやもんね…」

穂乃果「だったら、直接確かめに行こう!もし犯人ならツルっと口を滑らせていらんこと口走るかもだよ!」

凛「おお、さすが穂乃果ちゃん!情報屋の汚いところだにゃ!」

ことり「…そうだね。合ってるかどうか…、二人に直接聞けば、分かること…!」

コンコン…


ことり「…どうぞ」


ガチャッ


雪穂「…なによ、聞きたいことって」

亜里沙「…」

マネージャー「お、私は犯人扱いするつもりか?いやー、参ったなぁ、犯人じゃないんだけどなぁ…」

ことり「いいから、今は座って。大事な話をするから」


雪穂「座ったけど…、なんなの?早く済ませてよね、私たちは帰りたいんだから」

ことり「…じゃあ、単刀直入に聞くね。…希ちゃん」

希「…うん。雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん」

希「…君たちが、犯人やね?」

雪穂「…っ」

亜里沙「…ッ!?」

マネージャー「…おいおい、何言ってんのさ…。うちの可愛いアイドルが犯人だなんて…」

雪穂「…っ、そ、そうよ!私たちにはアリバイが…!」

希「君たちの使ったメモリは特殊なものやった。…違う?」

雪穂「ッ…!意味わかんない!何メモリって!知らないんだけど!」

マネージャー「おいっ!そこまで疑うからには証拠があるんだろうな!!証拠出せ!」

ことり「…証拠は、ないけど。でも、もう少ししたら出てくるかも」

雪穂「えっ…!?」

ことり「今あなたたちの控え室をガサ入れしてる。隠してるならそこから出てくるかも」

雪穂「…は、はっ!何言うのかと思ったらバカバカしい!出てくるわけないでしょ、そんなの!」

希「…そこまで自信満々なら…、今ここに、あるんやね。メモリ」

雪穂「はぁ…!?何言って…」

希「控え室を探してる、って聞いて、強ばった顔がすぐに和らいだ。安心した、ってサインやね」

希「もし無実なら、勝手に自分たちの私物が漁られることに対して、怒りを覚えるかもしれへんのに」

雪穂「なっ…」

ことり「じゃあ…、持ち物検査、してみようか。さっきもしたけど、今度は念入りに、ね」

雪穂「ふざけないでよ!帰ろう亜里沙!もうこんなとこ…」 亜里沙「…」

雪穂「マネも!これ以上いたって…」

マネージャー「…」

雪穂「マネージャー…?」

マネージャー「…やっぱり、さぁ…。いけないよ、こんなの…」

雪穂「なっ…、何言ってんのよ!!?さぁ!!早くこっちへ…」

マネージャー「…こんなことで話題なんか掴んだって、スターになんかなれない」

マネージャー「あたしは…、あんたたちをスターにしてあげたかったけど…、ゴメン、力不足だった…」

雪穂「やめ…、てよ…!何、言ってんのよ…!せっかく、ここまで…!!」

マネージャー「…」

マネージャー「…犯人は、この子達だ」

亜里沙「…」

雪穂「ば、バカ…ッ!!こんなとこで冗談言う!?犯人な訳無いじゃん私たちが!」

マネージャー「…残念だけど、証拠もある。お前たちがガイアメモリを持っている写真だ」

マネージャー「もし、疑われたら…、提出する予定だった」

雪穂「え…?」

マネージャー「…ねぇ、刑事さん。あなたがここに来たのって、私の出した手紙が理由ですよね?」

ことり「えぇ…、そうだけど…」

雪穂「て、手紙…!?なにそれ…、私聞いてないんだけど…!」

希「えっ…?あの犯行予告文は…、二人から疑いの目をそらすためじゃ…」

凛「っていうか凛の口癖(のはず)が取られちゃったんですけど…」

マネージャー「あれは私の独断…。メモリを使って世間の注目を集めようとしてるふたりを止めて欲しかったから…」

マネージャー「だけど…、いざとなると、やっぱりこのまま私が捕まって、二人が有名になってくれたら、って…、そう思うと…」

マネージャー「その二つの気持ちが入り混じって、バカ演じたり、身代わりになろうとしたけど…」

マネージャー「…だけど、やっぱりいけないことはいけないことだ…!こんなことで…、スターになんてなれるわけない…!!」

マネージャー「なったとしても!きっとお前たちにはこの時の重責がのしかかり続ける…、それこそ永遠に…!」

マネージャー「罪を隠して生き続けるなんてこと…、お前たちにはして欲しくなかった…!!だから、だから…っ!!」

マネージャー「お前たちだけ捕まれとは言わない!あたしも…、あたしも一緒に逮捕されるから…、だから…、自首、してくれ…!お願い…!!」

雪穂「ま、ねーじゃー…」

ことり「…犯罪扶助として、マネージャーさん、あなたも立派に犯罪者よ。捕まることでしょう」

ことり「だから、心配しないで、二人とも。あなたたちには、これほどあなたたちを想ってくれてる人がいるんだから」

雪穂「…」

希「雪穂ちゃん…」

雪穂「…」

雪穂「…ハッ」

雪穂「バッカみたいっ!!!あんたがあんな手紙さえ出してなけりゃ、私たちだけでもビッグになれたのに…!」

希「なっ…!!」

ことり「…やはり、ガキはガキ…!言うこと分からせないと、ダメみたいだね…!!」

雪穂「捕まるならあんただけで捕まりやがれ!!私たちは…、逃げるんだから!!亜里沙っ!!」

亜里沙「…」コクリ

凛「あれ…?そういえばさっきから亜里沙ちゃん一言も喋ってないような…」

亜里沙「…う、おぇっ…、ごぇぇぇっ!!」ギュポンッ

凛「ってわぁぁぁぁっ!!!?が、ガイアメモリぃぃっっ!!?」

希「が、口から…。ここに隠してたんやね…」

雪歩「…よく我慢したね、亜里沙…。よしよし、一緒に逃げよう」ナデナデ

亜里沙「うん…、私、雪歩とならどこでだって…。だから、早く…、しよ?れろぉぉ…」

ことり「舌…?舌を出して、何を…。…!あ、あれは…」

雪歩「…あんたたちはこのメモリが二人共使えるメモリ、ってだけだと思ってるでしょ!違うのよね!!」

雪歩「このメモリは二人で使えるだけじゃない…!『二人共同時』に使えるのよ!!れろんっ」\ユニファイ!!/

希「ふたりの舌に…、半分のメモリコネクタが…!もしかして、それで…!!」

雪歩「亜里沙…、私の亜里沙…!熱いキスをして、熱い合体をしよう…?だって私たちは…」

亜里沙「二人で一人のアイドル、だもんね…?んむぅっ…」ピチュゥゥンンッ…!!

ユニファイ・D「あぁぁんっ!!気持ちいいっ!気持ちいいよ雪穂ぉっ!!」「私も、気持ちいい…!亜里沙…!」

希「せ、セリフ取られた…」

凛「今なら凛の気持ちがよーくわかるでしょ?」

ユニファイ・D「あはっ…、あはぁ…、脳が…、とろける…。メモリ、って、気持ちいい…!」

ことり「メモリを使うことで快感を得ている…?これがふたりを狂わせたの…?」

希「でも普通のメモリでそんなのこと…、あっ!!」


(海未「まぁ…、多少メモリに細工はしてありますが…」)


希「あ、アイツ…!余計なこと…!!」

ユニファイ・D「私たちは逃げるんだから…、邪魔しないでよね!」「さよなら、みんなー」

ことり「ッ…、させないっ!!」スッ

ユニファイ・D「それこそさせないんだからっ!!」ビビーッ

ことり「うぐっ…!んなっ…、腕にドライバーが…」

凛「うわぁ…、くっついたにゃ…」

ユニファイ・D「それじゃ変身できないでしょ!じゃあねー!」タッタッタ…

ことり「くっ…、あのガキ…!!ぐぬぬっ…!!」グググ…

凛「む、無茶したらことりちゃんの腕がちぎれちゃうよ!今は…」

希「…うちに任せといて!」タッタッタ…



テレビ局外


警備員「ひ、ひぃっ!!ドーパント…!」

ユニファイ・D「邪魔っ!!」バキィッ!!

警備員「ぐへぇ」

ユニファイ・D「さて、どっちに…」


希「…待つんや」


ユニファイ・D「あぁん…?うっとおしいなぁ…」「あの…、痛い目みたくなければ…、消えてくれませんかぁ…?」

希「痛い目見るんは…、そっちかもね?」

ユニファイ・D「舐めてんじゃねぇぞクラァッ!!」バキィッ!!

希「おぐふぅっ!!?い、痛い…、って、今の亜里沙ちゃん…?」

ユニファイ・D「え、えっと…、ごめんなさい…。キレるとキャラが変わるってマネージャーさんからも言われてて…」

希「いてて…、ったく、そっちのほうがキャラ立って売れるんと…、ちゃうかなぁっ!」カチャッ



エクセレントメモリ内部


ピチュゥゥンンッ…

真姫「あ、ベルトが…。希が呼んでる」

シュラウド「マキ…、もう、あの女とは別れなさい。そうしなければ…」

シュラウド「…大変なことになりますよ」

真姫「私は行くわ。…相棒がピンチなのよ」

シュラウド「…」シュバァァ…

ユニファイ・D「だぁっ!!」バシュゥッ

希「のわっ!気弾まで出せるんかい…!くっ!」\ケツァルコアトルス/\ラット/\ネザーランドドワーフ/

希「行けっ!久々登場のガジェちゃんたちっ!!」


<グエー <ワンチュー <ピョンピョーン


ユニファイ・D「無駄っ!」ビビーッ

希「あっ…、合体光線が…」

<グエチュピョーン

希「なんかグロいのになった!強そうやけど…」

ユニファイ・D「でりゃっ!」バキッ

<グェェェ…

希「弱かった…」


ユニファイ・D「もうそろそろ相手するのも疲れてきちゃったなぁ…。遊びはこれでおしまいにしてあげる…」

ユニファイ・D「次の一撃で…、葬る…!!てやぁぁっ!!」バシュゥッ


希「うぐっ…!」


<キュイィィィィィィッ…!!

ピキィンッ!!


ユニファイ・D「って、跳ね返され…、ぎゃぁぁっ!!」バゴーンッ


<キュイィィィィィィッ…

シュバァァァ…


真姫「…あら、希。遅くなったわね」

希「真姫ちゃん…!」

真姫「再開の挨拶はあとにして…、まずはあいつを倒しましょう」

希「…そうやね。行こっか、相棒…!」


希・真姫「「変身っ!!」」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


ユニファイ・D「なっ…、あなたも、仮面アイドル…!!?」「生意気…、です…!!」

Muse「生意気なのはそっちよ。ドーパントのくせに」「…うちらこそ、二人で一人のアイドルや!」

Muse「でやっ!!だぁっ!!」バキィッ!!

ユニファイ・D「ぐえっ!!」

Muse「はぁぁぁっ!!」ヒュッ バシィンッ!!

ユニファイ・D「いだぁいっ!!う、ぐぬぬぬ…!このぉっ!!」バシュゥッ!!

Muse「無駄無駄ぁっ!!」サッ

Muse「追撃よっ!!」ヒュンッ バコォンッ!!

ユニファイ・D「うぎゅぅぅっ!!!つ、強い…!これが、仮面アイドル…!」

Muse「戦闘能力は対して強くないみたいね」「元祖二人で一人のアイドルの力、思い知った?」

ユニファイ・D「敵う相手じゃないよ…、逃げよう!」「うんっ!!」ダダッ!!

Muse「逃がす…」「ものかっ!!」\ダル・セーニョ!!/

\ダル・セーニョ!!/\スター!!/ ティーリティティータデレレレーン


Muse「半身ワープ!」シュバッ


se「やっほ」

ユニファイ・D「ひぃっ!!?バケモノ!」

se「それをお前が…、言うなっ!!」バキィッ!!

ユニファイ・D「ぐひぃっ!!」


Muse「殴ったった」「よくやったわ。最後はこれで…」

\フォルテ!!/\タワー!!/ テーレテテーッレギュルルンルーン


Muse「メモリブレイクよ!」\タワー!!真姫シマムドライブ!!/

Muse「「タワーブロークン・コンソート!!」」


タワーブロークン・コンソートとは!!

ドリルを巨大化させ敵へ突っ込むというどこかで見たことのあるような必殺技である!!


Muse「ギガァ…!!」「ドリルゥ…!!」

Muse「ブレイクゥゥゥゥゥゥッ!!!」


ギュルルルルルッ!!


ユニファイ・D「ひ、ひぃぃっ!!」


ズゴォォォォォンンッ!!


Muse「あばよ、ダチ公…」「なんてね」


ボガァァァンッ!!


亜里沙「ぐ、がっ…」バタッ

雪穂「私は…、スター、に…。うぅ…」バタッ

テレビ局前


ピーポーピーポー…

にこ「さ、乗りなさい」

亜里沙「はい…」

雪穂「…」


マネージャー「二人共…」


亜里沙「あ、マネージャー…」

雪穂「…はぁ、あんたが代わりに捕まってくれりゃ、私もスターに…」

マネージャー「雪穂…」

雪穂「…だけど、そんなスター、やっぱりいらないや。私はあんたの小言をグチグチ聞きながらのほうが、好きだったし…」

マネージャー「…!」

亜里沙「うん、私も…、亜里沙も、そっちが好き。マネージャーと一緒が、いい…」

雪穂「さ、また同じ牢屋でグチグチ説教、聞かせてよ。…あと、私たちを救ってくれて…、ありがとう。探偵さんにも、そう、言っておいて」

ことり「…うん、わかった。言っておくね。さ、あなたも、一緒に。牢屋は一緒じゃないから、パトカーの中で、存分に、ね?」

マネージャー「…うんっ!!」



希「ふぅ…、これで解決、かな」

真姫「…あ!そういえば…!あんじゅは!?HONOKAはどこ!?」

凛「え、あぁ…、そういえばそんなだったね…。あんじゅちゃんは先に帰っちゃったにゃ…。あと、HONOKAは…」

穂乃果「…ほえ?呼んだ?もぐもぐ…、んー、ランチパックおいしー」

真姫「あんたじゃないわよ!HONOKAよHONOKA!!あぁ!一度素顔を拝見してみたかったわ!!」

希「…真相は伝えない方が、本人にとって幸せかもね…」  凛「…だね」



帰り道…


凛「でねー、それで…」

真姫「ほうほう…、なるほどね…」

希「…そういえば真姫ちゃんはあの蝶々と一緒にどこで何をしてたん?」

真姫「え…?それは…」


(シュラウド「あの女とは別れなさい」)


真姫「…さぁ、姑みたいなこと言われたのしか覚えてないわ。…でも」

真姫「私の生涯のパートナーは…、あなた一人だからね?希」

希「…へ?…って、そ、そそ、それって…!」

凛「おぉー!告白にゃー!!」

希「そ、そんなん違うよね!?ね!?」

真姫「ふふ…、さ、どうでしょうね?」



第21話「言葉はUにして / 二人で一人のアイドル!?」

おわり

真姫「21話ね。結構長くなっちゃったわ」

希「推理モノにしてみたけどヒーローのときとは違って証拠が何一つないから自白にせざるを得なかったね…」

ことり「ついでに改めて考えるといろんな説が浮上してきて推理を一つに絞るのが難しかったね」

凛「付け焼刃で推理モノなんてするもんじゃないにゃ」

真姫「そんでからまた雪穂が悪役だったわね。もはや常連さんだわ」

凛「安価とってくれた人は今度こそ普通の登場人物であれ、と思って取ってくれたのかもしれないけど…」

希「こっちとしてはもうこのふたりは犯人にしよう、って考えてるから雪穂ちゃんがここに来たときつい笑ってもたね」

ことり「いつか雪穂ちゃんも日の目を拝めるといいね…」

真姫「さて、次回は…、ついにきたわ。ワイルドの出番が極端に少なくなる時が」

凛「パワーアップをそんな風に表現するのは真姫ちゃんくらいだにゃ」

真姫「だってそうじゃない。まぁ、いいんだけどね。希と今度こそ一体になれるわけだし…ムフフ」

ことり「いつから真姫ちゃんはこんな変態になっちゃったの?」

希「…さぁ?」

真姫「とは言うものの、先に安価しておいてまだお話決まってないのよね。あらあらだわ」

凛「また日が空くかもだけどご了承くださいにゃ」

ことり「じゃあ今日はこれでおしまい、かな?」

真姫「そうね。あ、それと最後に…、次の次の話、楽しみにしてるといいわ」

希「え?もうお話決まってるん?」

真姫「えぇ。具体的にはまだ何もだけど、ちょっとしたコンセプトはね。まぁ、期待せずに空楽しみくらいで待っててくれると助かるわね」

凛「※次の次とは24話からのことですにゃ。(次の話が22,23なので)」

ことり「もういいかな?早く締めよう?」

希「おっけ!じゃあ今日の西木野☆星空クリニックはここま…」

凛「なんか違うの混じってるにゃ!」

真姫「次回もお楽しみにね!」

ことり「これで決まりちゅん!」

よし、なんとなく話は考えたのでやっていきます 登場人物も勝手に決めたので今回もほとんど安価はナシかも
それと前回シュラウドと真姫のシーンをやるべきところ少し飛ばしてしまったみたいなんで回想で聞き覚えのないセリフが出てきたら見てないところでこういうこと言ってたと脳内補完してください
それじゃあはじめてゆきますよ

刑務所前


「…いやぁ、ひっさしぶりだなぁ、外は…」

「とりあえず…、腹減ったなぁ…。なんかメシでも食うか!」


ヒュォォォォオ…


「ん…、新聞が転がってきたぞ。ったく、ちゃんとゴミはゴミ箱に…」

「あ…?この記事…、『魔法使い、再び現れる』…?これって…」



東條西木野☆探偵事務所内


(シュラウド「東條希…、彼女はあなたにとって不吉な存在…。一緒にいてはいけない」)

(シュラウド「彼女とは別れなさい」)



真姫(…どうしてシュラウドはあんなこと…。…てか希とわ、別れるとか…、付き合ってないし…!)


希「…真姫ちゃん?どないしたん?顔赤いみたいやけど…、熱?」

真姫「あ、希…」

希「…ん?うちの顔に、なんかついてる?」

真姫「…何でもないわ」


ことり「だったら、早速検索を頼みたいんだけど」パサッ


希「ん、新聞…?『魔法使い』…。あ、これ聞いたことある」

希「確か10年くらい前まで、この街で活躍していたヒーロー的な…」

ことり「…だけどそれ以降は、人を襲う怪物としての都市伝説の面もある」

希「もしかして…、これ、ドーパントだって言うん?」

ことり「うん…」


ガチャッ チリンチリーン


「…」


凛「うおっ…、なんかイケイケなおじさんが来たにゃ…。あぁいう感じの人って逆に恐ろしい系の…」

凛「希ちゃん頼んだ!」

希「えぇっ!!?ちょ、押すな押すな…、ん、んんっ…!」

「…」

希「えっと…、地上げの業者さんなら早々にお帰りいただければ…」

「まぁ待て、皆まで言うな」

希「は?」

仁藤「…俺は仁藤攻介。今は…、無職だ。星空凛太郎のおっさんに会いに来た。どこにいる?」

希「えっ…、あ、あぁ…、おやっさんは…」

仁藤「おっさんにはよく世話になってたんだよ。…10年間、檻ん中入ってたんだが、出てきたら来るように言われてたんだ」

凛「父は…」

凛「…父は、死にました」

仁藤「おっさん…、死んだのか…?」

凛「う、うん…」

仁藤「…そう、か…」

凛「…いっ、今は!娘の凛と、この…、弟子の希ちゃんが探偵やってます!」

凛「なにか…、父に依頼でも…?」

仁藤「いや…、調べ物をしてくれてるって、面会の時に言ってた。それが俺への出所祝いだと…」

凛「仁藤さんへの調査記録…。に、に…、うーん…」パラパラ…

仁藤「…」

凛「うーん、見当たらないにゃ…」

仁藤「…ならいいわ。邪魔したな」スクッ

希「あ、ちょっ…、ちょっとまって。…おやっさんの残した仕事やったら、うちの出番や。それ以外考えられ…」

仁藤「あー、いい。皆まで言うな。…ガキんちょに用はねーよ」

希「んなっ…、が、ガキんちょ、って…。会ったばっかやのにひどい…。…あ!仁藤さん!待って!!」ダダッ


真姫(…シュラウドは、希のどこが不吉だって言うの…?)




街の外れ 出店通り


仁藤「…変わんねぇな、この辺も」


希(仁藤攻介。33歳。どこかマイペースでつかみどころのないこの人を見ていると…)

希(…若干うちとキャラ被ってるんちゃうかって胸が騒ぐ)

希「まさか…、うちの代わりにこの人が新しい仮面アイドルに…!?」

仁藤「さっきからブツブツうるせーぞガキんちょ。いいか?ついてくるのは勝手だけど、静かにしろよな」

希「はい…」ショボン

仁藤「…おい兄ちゃん」

ドーナツ屋「はいいらっしゃい」

仁藤「以前ここら辺にあった『はんぐり~』って出店の常連客で…、ハルト…、操真晴人、って名前のやつ、知らないか?」

ドーナツ屋「えっ…、操真…。イヤ…、知らない、っすねぇ…」

希「…?」


穂乃果「希ちゃーん、どったの?」

希「あっ…、穂乃果ちゃん。こんなところでどうしたん?」

穂乃果「いやー、こういうところのスイーツもたまには、ってね。このベビーカステラ、なかなかイケる~!」

穂乃果「っと、でさ、聞こえちゃったんだけど、その操真、って人。このあたり一帯を牛耳る土建業者の社長さんだよ」

仁藤「土建…!?で、社長…っ!?あの、晴人が…!?」

希「そんなに驚き?」

仁藤「…ランドスタイルでどうにかしたのかな…」

希「は?」

東條西木野☆探偵事務所内


ことり「星空凛太郎…、かつて組織と戦った男の人、か…」

真姫「私も命を救われて、生き方を教わったわ」

ことり「すごい人だったんだね。私も会ってみたかったなぁ…」

凛「お父さん、あの人に何を残したんだろ…。あ、真姫ちゃん!調律、できる…?」

真姫「…オッケー、やってみるわ」



とあるマンションの一室前


ガチャッ

「はい、どちら様…、に、仁藤くん…!?」


仁藤「よっ、凛子ちゃん。久しぶり」

希「おぉ、綺麗な人…。お知り合い?」

仁藤「ん、あぁ…。昔、ちょっとな。いやぁ、あの頃のことは今でもはっきり思い出せるぜ」

仁藤「俺と、晴人と、凛子ちゃん。あと瞬平と…、コヨミ、か…」

希「コヨミ?」

凛子「も、もう…、今は昔の話なんていいでしょ?さ、入って」

仁藤「あぁ…」

希「…」


希「うわっ…、めっちゃ豪華…」

仁藤「おぉ…、凛子ちゃん、相変わらずモデルガン、集めてるんだな」

凛子「警察だった頃の癖が未だに抜けきらなくてね。この銃のグリップの感触なんかもう最高で…」

仁藤「晴人は」

凛子「…」

仁藤「…亭主は元気か?」


晴人「元気さ、仁藤」


仁藤「晴人…!」

晴人「出所、してきたんだってな。おめでとう」

晴人「…だけど、あんまり昔の気分で近寄られても困る。今の俺らには立場ってもんがあるんだ」

凛子「あなた…、せっかく仁藤くんが来てくれたんだから、そんな…」

晴人「凛子。…黙ってろ」ドンッ

凛子「きゃっ…!」

仁藤「晴人…!テメェ、そこまで落ちぶれちまったのか…!!」

晴人「帰ってくんねぇかな、仁藤。お前みたいなんに来られると、変な噂になりかねない」

仁藤「変な噂なら、俺も聞いたぜ。…『魔法使い』の噂だ」

晴人「ふぅ…ん」

仁藤「いいか…、お前がまた誰かを泣かせてるってんなら俺は…!!」

晴人「フッ…、ハハハハハ!…また、あの探偵の人に泣きつくってのか?死んだ、って聞いたけど」

晴人「それとも…、なんか、形見でもあるのか?」

希「あぁ、あるよ。アレやろ?アレ」


晴人「…誰、この子」

希「うちは探偵。星空凛太郎の一番弟子や」

希「アレのことならちゃんと聞いてるよ。…じゃ、行こか。仁藤さん」

仁藤「…あぁ」


晴人「…」



東條西木野☆探偵事務所内


真姫「最後のキーワードは、仁藤攻介…」

真姫「…絞れたわ。10年前、希少な宝石から作られる指輪、名を『ホープリング』を輸送中に襲われる事件があった」

真姫「その直後、仁藤さんは自首し、10年の実刑判決を受けた」

ことり「それをどうして追跡調査したの?…星空凛太郎は」

真姫「どうも不透明な部分が多い事件なのよ。輸送車と指輪は付近のダム湖に落ち、未だに見つかっていない」

真姫「襲撃現場にも、兵器で傷つけられたような後があったらしいわ」

ことり「待って。10年前の事件…、それって」

凛「もしかして…、魔法使いの仕業…!?」



音都港


希「なんとなく話は読めた。おやっさんが調べてたんは、あいつがなにか悪さをしたって証拠やね?」

仁藤「…ガキんちょ。お前その在処、知ってんのか?」

希「いーや、出まかせや。あいつにカマかけたんよ。そのうち何か動きを…」

仁藤「お前…、このバカっ!」

希「えっ…!」

仁藤「どうなっても知らねぇぞ!晴人は…、あの男は…!!」


「フリーズ」


希「んっ…!!?身体が…、動か、へん…」


謎のドーパント「…さぁて、痛い目みたくなかったら教えてもらおうか、キマイラの居場所を」

希「キマ…、イラ…!?」

謎のドーパント「キマイラの在り処、言えよ」

希「ちょっと何言ってるか…」

謎のドーパント「そうか…。だったらッ…!!」バキィッ!!

希「おギュフゥっ!!?」

謎のドーパント「…痛い目見ないとわかんないみたいだな」


仁藤「あ、アイツは…!」

希「くっ…、真姫ちゃん!変身やっ!」スチャッ

希「変身っ!」\スター!!/

真姫『了解。…変身!』\クレッシェンド!!/ ガションッ

ピチュゥゥンン… ビジッ、ビジジジ…

希「ん…?なんやこのメモリ…、まいっか…。行くよ!」ガションッ!!

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「はぁっ!」


謎のドーパント「お前…、へぇ、お前が…」


Muse「だぁぁぁっ!!」ブンッ!!

謎のドーパント「無駄無駄、…フリーズ」

Muse「うぐっ…!身体が、動か、ない…!」「これが…、このドーパントの能力…!?」

謎のドーパント「そう、魔法みたいでしょ?じゃ、無防備なところ遠慮なく…、はぁっ!!」バキィッ!!

Muse「うぐっ…!!い、いて…!」「だけど、腕力はそれほどのようね!」「一度ダメージを受ければ身体は動く…、なら…!」

Muse「はぁっ!!」ビュンッ!!

謎のドーパント「おっと、早い…!」


ビジジジッ…


Muse「とりゃぁっ!!これでっ!!」ビュンッ!!


ジジッ…


Muse「あ、あれっ…!動きが…!!身体がうまく、動かへん…!」「スターの力が弱いのよ、別のメモリを!」

Muse「う、うん…!ならこれを…!」\ストレングス!!/

\クレッシェンド!!/\ストレングス!!/ デレレーンデレレドンドンダーン

Muse「だらっしゃぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

謎のドーパント「おっと、来たな…!…ウォーター、フリーズ」


ジャバァァァッ!!

Muse「のわっ…!身体に水がまとわりついて…!!」「くぅっ…!動けない…!」

謎のドーパント「ふふ、これも魔法のよう。いいだろ?」

Muse「うぐ、ぐぐぐ…!身体が締め付けられて…、苦しい…!」「この程度、いつもなら抜け出せるはずなのに…!」

真姫(もしかして…、希じゃなくて…、私の力が強すぎるから…!?)

謎のドーパント「さぁ…、フィナーレだ。はぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

Muse「くっ…!」


ガキィンンッ!!


ナイト「ふぅ…、危ういんだから…」

Muse「ことりちゃん…!」

謎のドーパント「だから誰だよ…」

ナイト「こいつが噂の魔法使い…!ならこっちも!」

\ビショップ!!真姫シマムドライブ!!/

ナイト「くらえっ!!」バシュゥッッ!!


謎のドーパント「…フリーズ」


ピタッ…


ナイト「そんなっ…、真姫シマムまで止められた…!?」


謎のドーパント「俺の邪魔をするやつには…、絶望してもらう。…二人共ね」

Muse「くっ…!」


仁藤「やめろっ!!」


謎のドーパント「…っ、はぁ…」ピチュゥゥンンッ…

晴人「…」


Muse「あんたは…!」


仁藤「晴人…、やっぱお前か…!お前、まだそんなこと…!」

晴人「黙ってろ攻介!…もう、変わっちまったんだよ。あの日から全部…」

晴人「今の俺は…、絶望の魔法使いさ」


ナイト「くっ…!もう一度…!!」ダダッ


晴人「おっと…、ショータイムの始まりかな?」\フリーズ!!/ ピチュゥゥンンッ!!

フリーズ・D「…だがこっちは興が冷めたよ。じゃあな。…フリーズ」


ナイト「うぐっ…!動けない…!!」

Muse「うぅっ…」


フリーズ・D「仁藤…。お前まで失いたくない。…来ないでくれ」スタスタスタ…

仁藤「晴人ッ…!!てめぇっ…!!く、クソォッ!!動けぇ…!!」


Muse「…っ、はぁっ…!や、やっと動ける…」ピチュゥゥンンッ…

希「ふぅ…」





真姫「はっ…!あ、あれ…?ここは…、『音楽室』…?」

真姫「どうして…、変身が解けたのにどうして精神が身体に戻らないの…?」


「…」スタスタ…


真姫「…っ!Muse…!?あの姿は、一体…!」

真姫「強烈な力の波が…!う、うぅぅっ…!!!」


東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「はぁっ…!!」ガバッ

凛「にゃっ…!?だ、大丈夫…!?」

真姫「はぁ…」

凛「驚いたにゃ…。いつもと違ってうなされたりするんだもん…」

真姫「私は…、私はどうしたの…?」

凛「こっちが聞きたいって…。もう…」

真姫「…」ビジジッ

真姫「ッ…!」

真姫(エクセレントと…、出会ったせい…?)



操真家


凛子「主人はまだ帰ってませんが…」

にこ「ガイアメモリを使ってたことは知ってたの!?」

凛子「い、いえ…、主人に限ってそんなことあるはず…」

ことり「悪いけど、私はこの目で見たの」

にこ「本当に知らなかったの!?実は知ってたんじゃないの!?ほら白状しなさいよ!この…」


仁藤「うるせぇっ!!」


にこ「ひっ…!」

仁藤「…凛子ちゃん」

凛子「仁藤くん…」

仁藤「…俺がいても力にはなれないだろうが…」

凛子「うぅん…、ありがとう」



東條西木野☆探偵事務所内


凛「10年前の事件の真犯人は、ガイアメモリを使った操真晴人、だったわけだね」

希「その証拠のヒントとなるのが…、キマイラ、か…」

凛「キマイラ…?キマイラってあれでしょ?えっと、たしかサルの顔にたぬきの胴体で、虎の手足に尻尾はヘビ…」

希「いやそれは鵺やから…。日本版のキマイラと言えばそうかもやけど。キマイラって言うんはライオンの頭にヤギの胴、で蛇のしっぽ…」

希「ん…?待てよ、それどこかで見たような…。しかも、おやっさん絡みで…」

凛「にゃ?」

希「えっと、えっと…、あーーーーーーっ!!!」

凛「ひぃっ!!?いきなり大声はビビるって!」

希「思い出した…!!あそこや…!行こう、明日の朝一で!」

真姫「…待って希、今のMuseには問題があるわ。行動を起こすのには注意が必要よ」

希「あぁ、確かにさっきバランス悪かったよね…。でもパワーが妙に強すぎたんはクレッシェンドのほうやし、真姫ちゃんが合わせればいいやん?」

希「仁藤さん喜ぶやろなぁ~」

真姫「…」

どっかのバー


晴人「んぐっ…、ぷはぁっ…。あ、マスター、プレーンシュガー一つ。…え?ない?そっか…」

晴人「…警察のやつ、嗅ぎ回りやがって…。絶望させてやろうか…?」


英玲奈「落ち着いて。警察にも仮面アイドルがいる」


晴人「…組織の女の子たち、だっけ。どうしたの?魔法使いに興味でも?」

あんじゅ「魔法使い…、心惹かれる響き…!…でもドーパントだしねぇ…、いらない」

晴人「えっ」

英玲奈「あなたに興味があるのは…、あの人」

晴人「ん?」


海未「ハァッ…、ハァッ…!!フフフフ…、あなたのメモリ、フリーズメモリって言うらしいですね…!?」

海未「『凍結』の旋律を持つにも関わらず、様々な属性の力を有するあなたのドーパント…!実に興味深いです…!!フスーッ…!」

晴人「何この子…、気持ち悪いんだけど…」

海未「…ふ、フフッ…、あなたの身体…、いじらせてもらえるというなら、代わりにしてあげましょう。キマイラ退治…、フフフフ…!」



谺山


希「ここ谺山に、おやっさんがワケありの依頼人を匿ってた別荘があってね。前にも一度来たことがあって、木彫りの熊もここで見たんよ」

凛「へー…」

仁藤「うわ高っ…、この橋から落ちたらピンチだな…。だがピンチはチャンス!」

凛「ピンチどころか即死だと思うにゃ」



東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「確かに感じる…」ビジジジッ…

真姫「…ぐっ…!私に新しい力が宿っていること…。…ん?」


ガラララ…


シュラウド「…」スタスタ…

真姫「し、シュラウド…!どうしてこの場所を…!?」

シュラウド「あなたより…、ずっと以前からここを知っているから…」

真姫「え…?」

シュラウド「…マキ。あなたはもうすぐ進化します。エクセレントメモリを使って」

シュラウド「でもそこに到達できる真のパートナーは、…東條希ではありません」

真姫「希ではもう…、私の力についてこれない…?」

谺山 凛太郎の別荘


ガチャッ

凛「おぉ…」

希「うわっ…、埃っぽ…」

仁藤「へぇ…、こんなとこに…」

凛「あ、希ちゃん。キマイラ、どこで見たの?」

希「ん、あぁ…、屋根裏の奥?やったけな」

凛「ほう、そんなところにキマイラが封印されて…!探しに行くにゃー!」ダダダダッ

希「まったく…、冒険に来たんやないんやから…。…ん?仁藤さん、何見てるん…?」

仁藤「…この写真、10年前の…」ペラッ

仁藤「『街の愛すべきヒーロー、魔法使いたち』か…」

希「え…?」

仁藤「おっさん、あんたの言うとおりだった。…今でも、晴人は絶望に塗れてやがる」

仁藤「誰かに涙を…、流させているんだ…」

希「…へー、それ、十年前の写真…。あ、これ仁藤さん?若いなぁ…。で、こっちが操真晴人で…」

希「凛子さんに…、うわ!芸能事務所の社長も…!?知り合いやったんや…。で…、この子は…?」

仁藤「その子は…、コヨミ。晴人の大事な人で…、もう、死んだ」

希「えっ…」

仁藤「10年ちょっと前まで…、俺たちは魔法使い、だった」

希「は?えっ…、それ、って、どういう…」

仁藤「…皆まで言うな。変なこと言ってる風に聞こえるけど、事実なんだ。…指輪の力で、俺たちは街の悪と戦ってた」

仁藤「俺たちは必死に戦って、悪の根源を倒して、それで平和になったって、そう思った矢先…。コヨミちゃんが死んだ…」

仁藤「いずれ…、死ぬ運命だったってのは晴人もわかってた。だけどそれでも…、晴人はその喪失に、絶望してしまった…」

仁藤「それ以来、晴人は魔法を使う力も喪って…、ヤサグレの日々、だった」

仁藤「そんな時、ニュースで報道されていた指輪…、ホープリングっつんだっけな、それを見て晴人は…」

仁藤「その輝きに、コヨミちゃんを重ねてしまって…。力づくでやつは、指輪を奪おうと…」

仁藤「だが犯行は失敗に終わって、ホープリングも湖の底…。犯行もいずれは見つかる…、だけど…」

仁藤「凛子ちゃんは必死に晴人をかばった…。俺は、その姿と…、そしてコヨミちゃんの最後の言葉…」

仁藤「『晴人を…、守ってあげて』って言葉が、忘れられなくてさ…。だから…」

希「操真晴人を庇って、自分から檻に…!?」

仁藤「…俺はアイツと違って、大切な人はばあちゃんくらいしかいなかったし、あいつを今牢獄で一人にさせたら、それこそ…」

仁藤「今ではあんな、だけどさ…。大切な仲間だったんだよ、当時は…。まぁ、ばあちゃんの死に目に立ち会ってやれなかったのは、痛かったけどな」

希「…仁藤さん」

仁藤「俺はこの10年で、いろんなモノ、失っちまった…。魔力と、ばあちゃんと、そして…、仲間を」

仁藤「お前も…、気をつけろよ。いつか…、大切なもん、亡くさないように」

希「…せやね。でも…」

希(おやっさんより大切な無くしもんなんか…、あらへんよ…)

ダダダダッ…

凛「キマイラ見つけたにゃ~!ほら見て!木彫りのキマイラだって!めっずらしー!」

仁藤「これか…、おっさんの置き土産って…」

凛「でも…、これがなんなの?木彫りのキマイラは珍しいけどさぁ…」

希「うぅん…」


\コールド!!/\ミスト!!/


パサァァッ!!


希「んなっ…!!くっ…」サッ

仁藤「う、うぐあぁぁっ!!」

凛「仁藤さんが…!大変、体を温めないと…」


ゴロッ… ポテ

ミックス・D「フフ…、これですか…。なるほど確かに…」


希「園田海未…!!くっ、真姫ちゃん!」スチャッ


真姫「…」 


希「真姫ちゃん…!?真姫ちゃん、真姫ちゃん!真姫ちゃんどうしたん!?」

希「あぁっ!!もう、凛ちゃん、仁藤さんを頼んだ!」ダッ

凛「うんっ!!」

希「待てコラァッ!!」



東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…」ピピピピ…


ガショーン…


シュラウド「マキ、無駄なことはやめなさい」

真姫「…そこをどいて」


ガシャンッ

ギュルルルルル…!!



シュラウド「…」

谺山 河原


ミックス・D「ふっ…、はぁっ!!」ブンッ

希「うぐっ…、ぐぅっ…!!」ドサァッ

ミックス・D「ついでです…。あなたにも止めを…!」\サンダー!!/\ジャベリン!!/

ミックス・D「ふんっ!!」バシュゥッ!!


ギャルルルルルル!!

ガキィンッ!!


ミックス・D「防がれました」



真姫「…」


希「いてて…、真姫ちゃん、なんで変身を…」

真姫「選択肢はワイルドスターしかないわ。私の体をベースにするしか…」

希「は?…まぁなんでもいいやこの際…」\スター!!/

真姫「…」\ワイルド!!/

\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン


Muse「ふっ…!はぁぁっ!!」ダダッ!!

ミックス・D「ふっ…、おや、動きが…」

Muse「だぁっ!!てやっ!!」ヒュンッ!!

Muse「はぁぁっ!!」ブンッ!!

ミックス・D「当たりませんよ?そんな鈍い攻撃では…」

Muse「なんやこのパワー…!」「ダメ、私の体を使っても…、ワイルドじゃ希がついてこれない…!」

ミックス・D「不調のようですね…。なんかかわいそうになってきました。…嘘ですが。フッ!!」バキィッ!!

Muse「うぐぅっ…!!くっ、真姫ちゃん、真姫シマムで反撃や!」「ダメよ!左右のバランスが悪すぎる!きっと衝撃に耐えられないわ…!」

ミックス・D「はぁっ!!」\ジャベリン!!/\レイン!!/


ヒュババババ!! ズシャシャシャシャ!!


Muse「くっ…!やられたら元も子もないやんっ!!」「くっ、わかったわよ!!」ガションガションガションッ!! 

\ワイルド!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「ワイルドラプソディー!!」」


Muse「はぁぁっ!!」ジジッ…


バキィンッ!!


Muse「ぐっ…、がぁぁぁっ!!!か、はぁっ…」ピチュゥゥンンッ…

真姫「そ、そんな…!Museで、いられなく…、希!」

希「…はっ!な、なんで…、こうなったらうちが…!」ピシッ…!!

希「あうっ!!ど、ドライバーに触れられない…!?」

真姫「希…ッ!!」




シュラウド「終わりです、東條希」

シュラウド「あなたには…、Museはムリ」




希「そんな…!Museに…、なれないっ…!?」




第22話「Fは訪れない / 最後の絶望」

おわり

真姫「というわけで22話ね」

凛「一話完結が初めて一つだけだったせいで偶数話が前編になっちゃったにゃ」

ことり「これからずっとこう?」

真姫「そんなことないわ。このあとに一話完結をもう一度やって元に戻すから」

希「そしてなにげにライダー主人公が悪役なのも初めてやね」

凛「今まで敵や味方サイドの人が敵役なのはあったけど完全に主人公が相手なのは初めてだね」

真姫「今回のメモリがプリ…、もといフリーズ、そして原作だとビースト回だってことでこんな感じになったわ」

ことり「うまいこと要素が重なっちゃったんだね」

希「その要素以外は大体原作通りやったね」

真姫「だって…、パワーアップなんて重要そうな回こっちで考えられるわけ無いでしょ!」

凛「逆ギレかよ」

ことり「ということは私はレース場でひたすら走る羽目に…?」

希「ことりちゃんの方はまだなんにするか考えてないけどね」

真姫「そんでもって今回は1話を一日で終わらせることに成功したわ。やったね!」

凛「やっぱり本編の時間配分の仕方はすごいね」

希「オリジナルでもこのくらいコンパクトに終われればいいのに…」

真姫「リアルタイムでお話捻出してるんだからちょっとくらい多めに見るべきだわ!」

ことり「そんなこんなで今日はここまでちゅん」

真姫「あ、それといつまでたってもオールドラゴンの時の晴人のセリフを『お前にフィナーレは訪れない』だと勘違いしてたせいでこんなサブタイになっちゃったのは内緒」

凛「次回をお楽しみにね」

希「これで決まりや!」

14話も終わったところで続きやっていきますよ

ミックス・D「フ…」

ミックス・D「アッハハハハハハハハ!!!」


希「ぐ、うぅ…!!」

真姫「…」


ミックス・D「なんですかそれ!新手の冗談でしょうか?こんな状況でコントって…、余裕綽々じゃないですか!」

ミックス・D「くくく…、いやぁ、良いものを見させていただきました…。お礼に…」

ミックス・D「粉々に吹き飛ばして差し上げましょう!!」\ブレイズ!!/\エクスプロージョン!!/


希「や、やられっ…」


ナイト「はぁぁぁぁっ!!!」ダダダダッ!!

ズバシュッ!!


ミックス・D「うぐっ…!こしゃくなっ!!」\ウィップ!!/\サンダー!!/

ミックス・D「はぁぁっ!!」ビシィッ!!


ナイト「あうぐっ…!!くっ…、園田ァ…!!」


真姫「ことりっ…!」


ミックス・D「誰かと思えばことり…、相変わらず私を付け狙って…、レズなんですか?」

ナイト「ふざけるなぁぁっッ!!ふあぁっ!!」ブンッ!!

ガキィンンッ!!


ミックス・D「ふふ…、もうお忘れでしょうか?あなた方一人だけでは私に叶うこと能わないと…」

ミックス・D「この程度で…、私を倒そうなどと百年早いです!」ビュンッ!!

バキィッ!!

ナイト「あっ…、うぐっ…!!く、クアァァッ!!」ブンッ!!



希「ことりちゃん…、くっ!真姫ちゃん、もっかいMuseに…!」

真姫「…今の、希には無理よ…」

希「なっ…」


真姫「…」

真姫「…ことりっ!!」ブンッ!!


希「あっ…」


ナイト「…っ」パシッ

ナイト「これは…、クレッシェンドメモリ…?」

ナイト「なるほど…、これを使えってことだね…っ!!」ガション


\クレッシェンド!!プロモーション!!/

ナイト「これは…、小剣…?ナイトブレードよりも軽めの…、それでいて鋭い剣先を持つ…」

ナイト「さしずめ…、クレッシェンドセイバー、ってところかな…!」


ミックス・D「武器が変わったところでなんだって言うんですか!それだったら私だって…!!」\ジャベリン!!/\ウィップ!!/

ミックス・D「しなる投槍です!」ビュルンッ!!


ナイト「甘いっ!!」バシュッ!!

ズバァッ!!


ミックス・D「ぐっ…!?が、ぁっ…!!」


ナイト「相手の攻撃の隙間を縫う無慈悲なまでの精確さ…!なんてパワーなの…!」

ナイト「これなら…!はぁぁぁっ!!」


ズシュッ!!ザシュッ!!ズババババッ!!


ミックス・D「ぐおぉぉぉぉっ!!?こんな、バカな…ッ!!」



希「…」



ナイト「ハァッ!!でやぁっ!!」ズバァンッ!!

ミックス・D「ぐっ…、う、がっ…!」

ナイト「さぁっ…、チェックメイト!!」\クレッシェンド!!真姫シマムドライブ!!/

ナイト「つぁぁぁっ!!!」

ズバババババァッンッ!!

ミックス・D「ぐ、うあぁぁぁああぁぁぁっ!!!!!」


ドサァッ…

ミックス・D「くっ…、かはぁっ…。イタタタ…、アレ!?き、木彫りのキマイラが…」


ヒュゥゥゥゥ…


ミックス・D「あぁぁっ!!た、谷底へ…!なんてことをしでかしてくれたのでしょう…!はぁ…、流石にあそこまで行くのは面倒なので帰ります…」トボトボ…



ナイト「くっ…、逃げられた…!」ピチュゥゥンンッ…


ことり「…ありがとう、真姫ちゃん。このメモリ、すごいね」スッ

真姫「…えぇ」

ことり「…?」



真姫(…ことりなら、耐えられるのね…)


(シュラウド「あなたの真のパートナーは…、東條希ではありません」)


真姫(もしかして…、真のパートナーっていうのは…)



希「うちはもう…、Museになれない…?」

谺山 別荘前


希「…」ボー


凛「希ちゃん帰るにゃー。…希ちゃん?」

希「…」ボー

凛「もう希ちゃんったら!置いてっちゃうよ!?」

ことり「…今は放っておいてあげて。それより、怪我人が第一だよ」

凛「でも…」

真姫「…とりあえず、私たちだけでも下山しましょう」

仁藤「…」

凛「あっ…、ちょ、ちょっと待ってよぉ~…」


希「…」ボー



どっかのバー


『…というわけで、キマイラは谷底に…』

英玲奈「そう…、残念…」


晴人「…キマイラはどうしたんだ?代わりに見つけてくれるんじゃなかったのか?」

英玲奈「谷底に落ちたらしい」

晴人「…はぁ、使えないヤツらだな。俺が最後の絶望になってやろうか?」スチャッ \フリーズ!!/

英玲奈「…調子に乗るな。操真晴人」

晴人「やれやれ…、キツイ女性は苦手だよ…。交渉は決裂、ってとこかな」

英玲奈「…こちらのセリフ。消えてくれ」

晴人「…チッ」



谺山 別荘


希「…」

ザー…

希「…」


(仁藤「お前も…、気をつけろよ。いつか…、大切なもん、亡くさないように」)


希「今度は真姫ちゃんかよ…」



東條西木野☆探偵事務所内


ザー…


真姫「…」

真姫「…ことり、なら…」

谺山 別荘


希「…」

希「…あ、そうや…。キマイラ、探そう…」

希(Museがまともに務まらないうちには…、探偵しかない…)\ケツァルコアトルス/



谺山 谷底


希「んと、えっと…、お、おわぁっ…!!」


バッシャーンッ…


希「…ずぶ濡れや…。はぁ…」


バッサバッサ  <グエー


希「…!見つかったん!?」 <グエー!!



<グエー

希「…こんなところに…、よかった…」ヒロイッ

希「…ん?おしりのところに収納スペースが…」パカッ

希「…!これ…、は…」



音都総合病院 病室


凛「仁藤さん、ごめんなさい…。お父さんが仁藤さんに遺したもの…、無くしちゃって…」

仁藤「あぁ、いい…。皆まで言うな…。お前のせいじゃねぇ…。あのガキんちょ…おっさんのやり残した仕事は、自分の出番だ、とか言ってたよなぁ…、」

仁藤「…おっさんみたくは、うまくできねぇ、か…」



病院前


ザー…

凛「…」トボトボ…


希「…」


凛「…あ!の、希ちゃんっ!」

希「…や」

凛「だいじょぶ!?もう傘もささずに…、風邪ひいちゃ…、あ!その手に持ってるの…」

希「ん、あぁ…、ちゃんと見つかったよ」

凛「何か、証拠とかになるものだった?」

希「…あ、いや…、うん、ただの木彫りのキマイラみたい。あ、せや…、この写真とキマイラ…、仁藤さんに渡しといてくれへん?」

希「おやっさんの形見には…、違いないし…」スッ

凛「あ…」

希「…はい」スッ

真姫「…うん」

希「…」

真姫「…希?」

希「…じゃあね」

凛「っとぉっ…、ど、どこ行くにゃ?」

希「ま、ちょっとね…」

凛「傘はー?」

希「…いらへーん」スタスタ…


真姫「…」

ことり「じゃ、私もこれで…」

真姫「…ことり、私と、組む気はない?」

ことり「…」


凛「えっ…?」


真姫「…今の希の力は弱すぎる。あなたはクレッシェンドのパワーにも耐えたし、どうかしら…?」

ことり「…真姫ちゃん」

ことり「つまらない質問、しないで。…私はひとりで奴らを追う」

真姫「…」

凛「ちょっ…!真姫ちゃん!!今の…、ひどすぎるよ!!希ちゃんの気持ちも考えてよ!!」

真姫「…凛。私だって…、希とやりたいけど…、でも、希の力じゃ、Museが維持できないのは事実なの…」

真姫「…凛だって、あの弱々しい希を見たでしょう…?もう、希にMuseは…」

凛「よっ…、弱い弱いっていうけど!それは…、それは希ちゃんが心の優しい子だからでしょ!?」

凛「でもそれって…、希ちゃんのいいところだよ!!それに…」

凛「希ちゃんは戦いの道具じゃないんだよ!の、希ちゃんはっ、ハーフボイルドだからこそ何かやる女の子なんだにゃ!!」

真姫「…はっ!そうよ…、希がああいう顔をするとき…、それは何か、甘い考えで無茶をするとき…」

真姫「…このキマイラ、ここに切れ目が…」パカッ

凛「きゃっ…!お、おしりが丸見えにゃ…」

真姫「…ん、この紙切れは…」



操真家


希「…ガイアメモリについて、聞かせてください。操真凛子さん」

凛子「警察にも言ったけれど…、晴人くんのことなら…」

希「操真さんのことやない!…あなた自身のことや…」\アーセナル!!/

凛子「…!そのメモリは…!」

希「10年前の事件…、あんたも共犯者や…!」

希「おやっさんの遺した木彫りのキマイラ、それがあんたのメモリの隠し場所やった」

希「あんたはこれを、操真さんはフリーズを使い、輸送車を襲った」

希「そして精神的に弱りきってる操真さんをダシに使うことで情に訴え、仁藤さんが罪をかぶるように、仕向けた…」

凛子「…なかなかの名推理ね。それで…?私をどうしようって言うの?」ケンジュウイジイジ

希「…仁藤さんは今でも、あんたらのこと、仲間だって思いたいんや…。そんな仁藤さんに、謝って」

凛子「…はぁ?」

希「あの人の喪った歳月はもう…!取り戻せない…!!せめて…、あんたの悔い改めた姿を…」

希「…見せてあげてほしい」

凛子「…こういうのを、『鴨が葱をしょってくる』っていうのね!はっ!!」ヒュンッ

希「えっ…!モデルガンって投げて使うものじゃ…、あぐっ!!」バシッ スポーンッ

希「あっ…、メモリが!!」

凛子「ふっ!」パシィッ

凛子「十年ぶりに取り戻せた…!フフフッ…!!」\アーセナル!!/ ピチュゥゥンンッ!!

希「しまっ…!!」


アーセナル・D「アッハハハハハ!!さぁ、始めましょう!鉄と火薬のショータイムを!!」

ガコンッ…

アーセナル・D「ファイアッ!!」

ドガァァァンッ!!


希「んなっ…!!?まずっ…」\タヌキ/

ボガァァァァッ!!

希「ぐがぁっ!!」

希(タヌキクッションで衝撃は吸収できたけど…!ぐ、大砲の推力までは…!)ググググ…


パキンッ!!


希「ぬぐおぉぉっ…!!あかん、窓際スレスレ…!」


アーセナル・D「アハハハ!これがアーセナルの力!あらゆる重火器を装備した最強の兵器庫!」

アーセナル・D「これさえ取り戻せば…、ホープリングなんかにこだわる必要もない!次は現金輸送車でも襲って…!!」


希「くっ…!」スチャッ

希(…あかん、今はMuseはダメや…!どうすれば…)


アーセナル・D「あなたはあの世で…、歯ぎしりでもしてなさいっ!!ファイアーッ!!」


ドガァァァァンッ!!


希「くっ…!!」ボヨンッ

ボガァァァッ!!

希「うぐぅっ…!!お、おあぁぁぁぁぁっ!!!!」



ヒュゥゥゥゥッ…   ボチャーンッ…

???


あんじゅ「…どうしたの?ツバサちゃん…、こんなところに呼び出して…」

ツバサ「あなたに見せたいものが、そろそろ現れる、…って、彼女がね」

あんじゅ「彼女、って…。あ…」

総帥「ふふ、お久しぶりね。あんじゅ」

あんじゅ「総帥、閣下…」

総帥「もう…、ツバサみたいに名前で呼んでくれてもいいのよ?」

あんじゅ「そんな、畏れ多くて…。そ、それで…、見せたいもの、って…?」

ツバサ「フフフ…、言い方を変えましょう。あなたと一緒に、見たいのよ、あんじゅ…。記念すべきその一瞬を」

あんじゅ「え…」

総帥「…UTXの未来を見るのは…、あなたがいい」

あんじゅ「はぁ…?なにそれ、意味わかんない…、ってこれはダメだったわね…」

総帥「…そろそろね」


ゴォォォォォ…


あんじゅ「…っ!?なに、この光の柱…!」

総帥「地球が…、あの子を呼んでいるわ…!」



音都ダム


ことり「犯人は現場に帰る。…うん、名言だね、これは」


晴人「…」


ことり「ここに見張りをつけておいてよかった。さ、メモリを渡して?」

晴人「あんたか…。仮面アイドルの刑事、ってのは」

晴人「そういうわけにもいかない…。俺には、コヨミが必要なんだ…」

ことり「コヨミ…?」

晴人「…今も、このダムの底で眠ってる…。俺が迎えに行ってやらなくちゃ…」

ことり「…なにを言ってるの?」

晴人「コヨミ…、待っててくれよ…。もうすぐ、迎えに行くから…」

ことり「…」

晴人「さぁ、はじめよう。ショータイムを…。凛子ちゃん」

ことり「えっ…!?」


凛子「えぇ!このあたり一面を焦土にして、コヨミちゃんを助けてあげましょう!アハハハハ!!」

凛子「さ、行くわよ?晴人くん」\アーセナル!!/


晴人「…あぁ、そうだな…。…変身」\フリーズ!!/


ピチュゥゥンンッ!!

アーセナル・D「アハハハハハ!!」


ことり「あなたも、ドーパントだったのね…!!」

ことり「くっ…!変…、身…ッ!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「はぁぁっ!!!」ダダダッ!!


フリーズ・D「だから無駄なんだって…、フリーズ」


ナイト「うっ…!ぐ、あっ…!!」

フリーズ・D「ふんっ!!」バキィッ!!

ナイト「ぐっ…!!…だけど、この程度なら、これで…!」\ルーク!!/

\ルーク!!/ ゴゴゴゴ!!

ルーク「これなら…、多少の攻撃じゃビクとも…!」

フリーズ・D「フリーズ」

ルーク「ぐっ…!」

フリーズ・D「…少しの攻撃じゃビクともしないなら…。凛子ちゃん」


アーセナル・D「オッケー!!ドデカイの、お見舞いしてあげるわ…!!」ガコンッ…!!


ルーク「なぁっ…!!?なんてバカでかい大砲…!!う、動け…!!」


アーセナル・D「ファイアーッ!!」

ドガァァァァンッ!!


ルーク「くおっ…!!」

バゴォォォッ!!


ルーク「がっ…、ぐはぁぁぁぁっ!!!」

ルーク(なんて火力…!ルークの装甲でも受けきれない…!こんなのを何度も受けたら、身体が…)


フリーズ・D「フリーズ」


ルーク「がっ…!んなぁっ…!!」


アーセナル・D「フフ…、起動の遅い私の能力を晴人くんのフリーズで足止めすることで確実に当てる…!」

アーセナル・D「私たちは無敵のコンビなのよ!ねぇ、晴人くん?」

フリーズ・D「…あぁ」

アーセナル・D「アッハハハハハハ!!」ドガガガガガッ!!


ルーク「無数のミサイルがっ…!うぐっ…!!」

ボガガガガガァッンッ!!

ルーク「ぐあああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」



街道


ブロロロロロ…


凛「希ちゃん…!」

真姫「…」

少し早いけどCMまたいだので今日はここまで
ことりパワーアップ回以降はほぼオリジナルになると思うので凛ちゃんが活躍するのはそれ以降ですよ
それでは次回までお別れやよ ほなな

世の中の不条理さをしみしみと噛み締めていたら気づいたらこんな時間だけど残りも少ないのでやっていきます
シャンゼリオンはサバじゃないのと夢オチってくらいしか知らないので多分ムリ 蛇に食われた弟ならまだわかる
Wの映像関連でアクセルだけ見れていないので詳しくは分からないけどアーセナルはただただ色んな兵器が使えるガンダムで言うところのデンドロビウムみたいな感じだと思っていただければ
じゃあ始めますよ

河原


真姫「ふむぐっ…、重っ…!」

凛「せーのっ…、ぬぅぅぅ~~~っ!!」

ズズズズ…


希「げほっ!!ごほっ、ごほっ!!はぁっ…、はぁっ…」

凛「だ、大丈夫?息できる…?」

希「へ、平気…、ありがと…、げほっ!はぁ…」

真姫「また真犯人に甘さを見せて、殺されかかったのね」

希「…相変わらずお見通しやね。やっぱうち…、薄っぺらいね…」

真姫「…何言ってるのよ。十分図太い体型じゃない」

凛「真姫ちゃん…、こんな時に冗談は…」

真姫「いいの。甘かろうが太かろうが、それはその人の個性に過ぎないんだし。…完璧な人間なんていない、互いに支えあって生きていくのが…」

希「…人生と言うミュージック…。おやっさんの言葉や…」

真姫「…まったく、あなたは注意力散漫ね。3万じゃないからね?」

希「口で言われても同じ発音やからどう注意されてるのかわかりづらいんやけど…」

真姫「これくらい聞き流しなさい。…キマイラのお尻の奥、これが入っていたのを見落としていたわよ」スッ

希「これ…、紙切れ…?『仁藤へ、Nobady's parfect』、誰も完全じゃ…、あ?これ、スペル間違って…」

真姫「え?あ、本当だわ…。なるほど…、おやっさんさんはこうして自ら完璧でないことを示してこの言葉を深く刻みつけようとしたのね」

凛「いやぁ…、お父さん英語得意じゃなかったから普通に間違えただけなんじゃ…」

真姫「罪を暴きつつ、心を労わり、それが星空凛太郎のしていた厳しさと優しさだった」

真姫「あなたは、彼と同じことをしたのよ」

希「…でもうちは、無力や…」

真姫「だから、Nobady's perfect…、いえ、parfectなのよ。…私は大事なことを忘れてた」

真姫「おやっさんさんの遺志を受け継いだMuseは、戦闘マシーンであってはいけない。強いだけのMuseに価値はないの」

真姫「…あなたの優しさが必要なの。…希」スッ…

凛「…ふふ」

希「…」

希「…ったく、なんか…、うちらがやっても…、締まらへんなぁ…」ガシッ

真姫「まぁ、ね。…それを含めて、弱さなんだとしても…、私はそれを受け入れる」

希「…ありがと、真姫ちゃん」

真姫「さぁ行きましょう。…相棒」

街道


ブロロロロ…


真姫「操真晴人と操真凛子はダムにいるわ。急いで」

希「…言われなくても、急いでるっ…!」


ブロロロロロ…


真姫「…」

真姫「  傷ついたその腕に なにを抱いてる  」

希「…?真姫ちゃん…?」

真姫「  打たれた頬を 拭うように笑い  」

希「なんの歌?それ…」

真姫「別に…。街を愛する漢の唄、とでも言いましょうか。…希もどう?」

希「いや、歌詞知らんし…」

真姫「…平気。きっとこの街を愛する者なら、歌える。…だってこの街は…、音楽に愛された街なんだもの」

希「そう、かな…」

希「…んんっ、あー、あー…、歌うのなんか久しぶりやから、自信ないけど…」

希「…」

希「  苦しみは優しさを 死なせやしない  」

真姫「えぇ、その調子、上手よ」

希「そう…?この歌詞であってるのか不安やけど…、んっ…」

希「  弱さを知れば 人は強くなれる  」

真姫「…えぇ、とても上手。…やっぱりあなたも、音楽に愛されているのね。希」

希「…そう、かもね」



音都ダム


ナイト「ぐあぁぁっ…!!」ピチュゥゥンンッ…

ことり「あぐっ…、う、あっ…」


アーセナル・D「いいわ、その調子…!次で最後にしてあげる、刑事さん…。晴人くん!」


フリーズ・D「…ごめん、刑事さん。あんたに恨みはないけど」

フリーズ・D「これもゼンブ…、コヨミのためだから」

ことり「うぐっ…、あなたには…、主体性ってものはないの…っ!」

フリーズ・D「…フリーズ」

ことり「うっ…!くぅっ…!ここまで、か…!」

キキィッ…


アーセナル・D「…!ブレーキ音…、誰か来た…?」


フリーズ・D「あいつらは…」

ことり「あっ…!」


希「…」

真姫「…」


ことり「希ちゃんっ…、真姫ちゃんっ…!」

フリーズ・D「まだ、俺とコヨミの邪魔を…、する気なのか…!」


アーセナル・D「フンッ…、その女はもう戦える体じゃない…、先にそっちを始末してあげなさい、晴人くん」


フリーズ・D「…わかった」スタスタ…

ことり「う、くふっ…、はぁっ…、はぁっ…!う、動けるようにはなったけど…、でも…!」

ことり(もう、戦う余力はない…。希ちゃん、真姫ちゃん…。お願い…!)



フリーズ・D「…懲りずに挑んでくるなんて、とんだおバカさんなのかな。…さぁ、ショータイム…」

希「…」

希「…すぅっ…」


希「  さぁお前の罪を数え  」

真姫「  魂に踏み止まれ  」


フリーズ・D「…あ?」


希「  愛するものを守るために  」

真姫「  立ち向かえばいい  」


アーセナル・D「…歌?」


希・真姫「  立ち向かって行けばいい  」

希・真姫「…」


ことり「…」ポカーン

ことり「…な、なんだったの、今の…?」


フリーズ・D「…どういうつもりか知らないけど…、褒めてもらいたかったのかな」

希「…いや、これはただの…」\スター!!/

真姫「…セルフBGMよ」\クレッシェンド!!/



希・真姫「「変身」」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン

ビジッ…、ビジジジ…!!


Muse「「さぁ、お前たちの罪を…、数えろっ!」」

フリーズ・D「…フィ~…」

フリーズ・D「話にならないな…。…行くよ」ダダッ


ヒュンッ!!


Muse「くっ…!はぁっ!!」ビジジジッ…

バキィッ!!

Muse「う、ぐっ…!!」「ぐっ…、身体が…!」

ビジジッ…



シュラウド「…なにをしているの、マキ…」

シュラウド「…その女では…、何もできない…」



バキィッ!!

Muse「ぐふっ…、かはっ…」「やっぱり、力を抑えるのは、難しいみたい…!」

Muse「…遠慮せんといて、真姫ちゃん…!」「希…」

Muse「真姫ちゃんは、全力で行って!!うちが…、ついていくからっ!!」ダダッ!!

ビュンッ!!


バシィッ!!

フリーズ・D「うぐっ…!!」

Muse「こんなバチバチくらいっ…!どうってことない!!」

Muse「…真姫ちゃんが相棒やって思ってくれてるうちは…、もう二度と折れへんからっ!!はぁぁぁぁっ!!!」


フリーズ・D「くっ…、フリーズ!」


Muse「うっ…、うぐぐぐぐっ…!!」「この、程度…!!」

Muse「うちと、真姫ちゃんにかかれば…!」「どうってこと…、ないのよぉぉぉぉぉっ!!!!」

バキィッンッ!!


フリーズ・D「んなっ…!!?」


Muse「「うおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」」ヒュンッ!!

バキィンッ!!


フリーズ・D「うぐぅっ…!!」


アーセナル・D「そんな…!晴人くんのフリーズを力ずくで…!?」


Muse「う、うぁぁぁっ!!!…力が…、力が溢れてくる…!」「この感覚は…、イケる…!!」

Muse「新たな力…!『卓越』の旋律が…、聞こえるっ!!」「卓越…?…なんかよくわからんけど…、今なら…っ!!」

ビカァァァァァッ!!



シュラウド「まさか…、あの光は…!!?」

<キュイィィィィィィッ!!


凛「おわっ…!またあのガジェ…、いや、あれは…、ガイアメモリだにゃ!」


ピシュゥゥゥゥ…!!


凛「え…、わー!そ、それ真姫ちゃんの身体!も、持ってっちゃダメ…!って、一体何が…」



<キュイィィィィィィッ!!


Muse「さぁ今こそ…」「来なさいっ!!エクセレント!!」


シュゥゥゥンッ ガシャーンッ!!

\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー



真姫『この沸き起こる力…!まるで、地球そのものと一体化しているような…!』

希『それだけやない…!うちらの心とカラダも…!』


Muse「「一つになるっ!!」」


Muse「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」」グググググ…!!

Muse「「はぁっ!!」」ガショーンッ!!


凛「わ、わぁぁぁぁぁっ!!!Museの前の方が開いて…、ま、前よりもダイタンな格好になっちゃったぁ!!?」


ことり「あれが…、Museの新しい姿…っ!?」



???


あんじゅ「な、なんなのこの光…!?とっても…、綺麗…!」

あんじゅ「これが私に見せたいものなの…?ツバサちゃん…」

ツバサ「ふふ…、そう。この時を待っていたの…!!」

総帥「…エクセレェェェェェェントッ!!アハハハハ!!」




シュラウド「あの二人は、地球を手にした…!」

シュラウド「今Museは…、地球という無限のデータベースと直結している…っ!!」

Muse「このMuse、および敵に関するすべての旋律を調えたわ」

Muse「「ムーンシャイナー!!」」シャキーンッ

\ムーン!!/ ガショーンッ!!


Muse「はぁっ!」ジャキーンッ


フリーズ・D「…!」

アーセナル・D「片付けるわよ、晴人くん!」

フリーズ・D「あぁ…、フリーズ!」


Muse「…」


アーセナル・D「喰らいなさい…!最大級の一撃…!!」ガコンッ…

アーセナル・D「ファイアァァァッ!!」

ズドゴォォォォォォォンンッ!!


Muse「ムーンソード!」

Muse「「うりゃぁぁっ!!!!」」シュバァッ!!

ズバァンッ!!


ドガァァァンッ!!


アーセナル・D「う、ウソ…!アーセナル最強の兵器が…、あんなにアッサリ…!」

フリーズ・D「フリーズも、まるで効いてない…!?」


Muse「次はこっちの…」「番かしら!?」


アーセナル・D「グッ…、もうこうなったら最後の手段…!晴人くん、スペシャルを!」

フリーズ・D「だ、だけど…、あれをすると、コヨミが…!」

アーセナル・D「もうダムに構ってられる状況じゃないわ!早くするのよぉっ!!」

フリーズ・D「くっ…、スペシャル!フリーズ!!」


ゴアァァァァァッ!!


Muse「…っ!」「巨大な火柱に身体を拘束された…!」「だけど、この程度…」


アーセナル・D「アハハハハ!その能力にそれほどの破壊力はないけどね!だけど…、これならどうかしら…?」ガコンッ…

アーセナル・D「この特大ミサイル…、入っているのは全て火薬…!これを引火させればここら一帯は壊滅状態よ…っ!」


ことり「まさか…、自爆を狙うつもり…!?」


アーセナル・D「残念!私は自らの能力でブースターを噴かせて離脱することができるわ!木っ端微塵になるのはあなたたちだけ、ってこと!!」

アーセナル・D「あなたは無事で済んでも、周りまでは守れないでしょう!?さぁ…、お陀仏になりやがれぇぇぇっ!!!!」

バシュゥゥゥゥッ!!


Muse「…それも調律済みよ。…シャイニーシールド!!」

Muse「「はぁぁぁぁっ!!」」


ボガァァァァァンンッ!!

アーセナル・D「や、やった…!あとは逃げれば…!あ…?」


シュゥゥゥゥゥッ…!


アーセナル・D「う、ウソ…!火が…、全てかき消されて…!」


Muse「闇を消し去る光のように、この盾はすべての攻撃を無力化する!」「あんたのチャチな火薬程度じゃ、うちらに傷一つつけられへんよ!」


フリーズ・D「…マジか」

アーセナル・D「マジで!?」


Muse「マジだ!」「そして…、ショータイムよっ!!」


\クレッシェンド!!真姫シマムドライブ!!/\フォルテ!!真姫シマムドライブ!!/\アレグリッシモ!!真姫シマムドライブ!!/\スター!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「シャイニーノクターン!!」」


シャイニーノクターンとは!

シャイナーシールドから放たれる高密度の光を束ねた光線による必殺技である!


Muse「吹き飛べぇぇぇぇぇっ!!!」

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!


アーセナル・D「ひぃっ…!!き、きゃぁぁぁぁっ!!!」


ボガァァァァァァァァァンッ!!


凛子「がっ…、ぐふっ…」



フリーズ・D「り、凛子ちゃんっ…」


Muse「そんでもって、あなたには…!」「終曲をプレゼント、させてもらうわ」ガシャンッ… ガショーンッ!!

フリーズ・D「終曲…、そうか…。…そいつは、俺に、相応しい」

Muse「これで…」「終わりやぁっ!!」\エクセレント!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「エクセレントフィナーレッ!!」」


エクレセントフィナーレとは!

地球の旋律をその身に纏い蹴りを繰り出す必殺技である!!


Muse「「はぁぁぁぁっ!!!!」」


バシィィィィィッ!!

フリーズ・D「うぐっ…、ぐ、ぐぅっ…!!」

フリーズ・D「ハハッ…、やっと…、解放される…!希望という名の…、絶望から…!」

フリーズ・D「サヨナラ…、コヨミィ…!ぐっ…、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドガァァァァァァァンッ!!



晴人「か、はぁっ…!」バタッ…

凛「や、やったにゃ!!」

ことり「はぁっ…、す、すごい…」


Muse「新しいMuseになれた…、うち、真姫ちゃんについて来れたん、やね…!」

Muse「えぇ、希。私とあなたが、完全に一体化した姿よ。…クレッシェンドスター、エクセレント!」

ピチュゥゥゥン…


希「ふふっ…」

真姫「…やったわね」


<キュイィィィィィィッ!!




カチャンッ

ことり「…さぁ、行くよ」

凛子「うぅっ…!」

ことり「ほら、あなたも」

晴人「…あぁ。ほら凛子ちゃん、行こう。何年ぶりかなぁ…、牢屋は」

凛子「…」

晴人「最初に入れられたのって確か、凛子ちゃんに…」

ことり「…」

ことり(なぜか…、スッキリした顔になってる…)

ことり「…囚われ続けた過去って鎖から、やっと解き放たれた、ってことかな」






シュラウド(まさかエクセレントにまで到達するなんて…)

シュラウド(どこまで私の計算を超えるのよ…!東條希っ…!)

出店通り


希(…10年前の事件の真相は、こうやった)

希(実際は操真さんが宝石を欲しがったのではなく、心神喪失状態だった操真さんに、大門凛子…、当時の凛子さんがホープリングのことを吹き込んだそうや)

希(当の凛子さんはホープリングを売り払い金にするつもりやったみたい。…なんともひどい話や)

希(せやけどかつての仲間が、そんな欲望の闇に飲まれてた、なんてことは、仁藤さんにとっては辛いことのはず。…うちはなんて言えば…)


仁藤「おーおー!なにシケた顔してんだ!ドーナツの味が落ちんぞぉ!」

希「に、仁藤さん…」

穂乃果「そだよ希ちゃん!このドーナツ美味しいから希ちゃんもどうぞ!」スッ

希「へっ…?あ、あぁ…、いただきます…。あむっ…、もぐもぐ…。…っ!!?こ、この酸味と鼻に抜ける生臭さは…!」

仁藤「仁藤攻介特製、マヨドーナツだ!どうだ!うまいだろ?」

希「…おえぇぇぇっ…、ま、マズぅ…」

真姫「そうかしら、結構行けると思うわ」モフモフ

凛「というかなんで穂乃果ちゃんがドーナツ屋の屋台を…?」

穂乃果「フフフ…!こういう場所にこそ情報ってのは転がってるもんなんだよ!そしてあわよくばこのマヨドーナツで一発儲けようかな、って仁藤さんと!」

真姫「穂乃果は無駄に商才がある気がするからうまくいくかもね」

凛「…現役カリスマアイドルがこんなところでドーナツ売ってるのも不思議な話だにゃ」

真姫「え?カリスマ…?」

凛「ナンデモナイ」


仁藤「…いいか」

希「ん?」

仁藤「事務所、潰すんじゃねえぞ。…後釜」

希「…ふふっ、当然やっ!」

仁藤「お、それと…、お前がくれたおっさんの形見、大事にすっからな!」

希「…うん」

仁藤「こいつ昔の相棒にソックリなんだよなぁ~…。なー、キマイラー」

希「は?」

真姫「ね、希。もう一口どう?わかってから食べると意外と行けるかも?」

希「えぇ…、いやいや…」


希(うちと真姫ちゃんは新しい力を得た。これからもうちは必死で走るしかなさそうや…)

希(追いつかなきゃいけない人が…、ぎょうさん、おるからね…)


希「あっ…、ホンマや。イケるわコレ」

真姫「でっしょー?」




第23話「Fは訪れない / 僕らは今、輝きの中で」

おわり

真姫「第23話、思ってたよりかかっちゃったわ」

希「Nobady's perfectの部分とかぶち込んだり未だにプリズムビッカーにあたるものの名前を考えてなかったせいで時間食ったね」

ことり「ちなみにグーグル翻訳さんにmoonshinerって入れると酒類密造者って出るよ」

凛「無駄にカッコ良さげな名前の犯罪者だにゃ」

真姫「そしてどうでもいい裏話だけど、エクセレントの必殺技(蹴り)は前々からエクセレントフィナーレ、って名前にしようと思ってて…」

真姫「今回晴人が偶然出てきちゃったってことでどうせだからこのタイミングで使っちゃおうか、ってことで、本来チャージブレイクのところを蹴り技になったって話があるわ」

希「ホンマにどうでもいいね」

凛「…で、途中で出た質問で、希ちゃんのメモリ、っていうか真姫ちゃんのもだけど、…は、これ以上増えないのか、ってあったけど…」

真姫「んー…、別に打ち止めするつもりはないけど、まだまともに使ってないメモリも数本ある気がするし、あまり増やしまくっても手に余るかな、ってことで最近は安価してなかったんだけど…」

ことり「私みたいに3本程度がちょうどいいんだよ!」

凛「次々回一本増えるけどね」

真姫「まぁ安価する機会があれば全然増やしていくつもりよ。ってことなのでカッコイイメモリ考えててちょうだいね」

希「そしてついに次回は…」

真姫「2スレ目始まって最も書きたかったお話が来たわ」

ことり「ん…?ってことは、もうどんな話にするか決まってるの?」

真姫「いえ、まったく。骨組みすらも何も」

凛「なんだそれ」

希「まぁ書きたいことははっきりしてるんやけど、ストーリーは決まってない、ってことやね」

真姫「それなんで今回は!メモリは安価じゃなくて何本か募集してそのうちの一本を選ばせてもらいたいの!もらいたいのーっ!」

凛「声でかいにゃ」

ことり「元々書きたいことが決まってるのにそのストーリーに全くそぐわないメモリが来られても困るしね」

真姫「そゆこと。いい感じのをお願いするわね。あ、なるべく精神に干渉するタイプのほうが扱いやすいかもなんでできればそっち方面で」

凛「できなかったら普通に好きな英単語でも出してくれればいいにゃ。もうだいぶ数少なくなってきてるし」

希「アルファベット尽きないうちに終われるか不安になってくるね…。まぁ…、こんなところかな」

凛「あと次回は1話完結って言ってたけどもしかしたら2話続くかも!」

ことり「どうなるかわかんないけど次回をお楽しみに!あ、こんなお話かも!って察しちゃった人は胸の奥でニヤニヤしててね!」

真姫「これで決まりね!」



次回のメモリ

↓4,5レスくらいのどれか(頭文字A,G,I,O,P,S,V,X,Y,Zのどれか)

あ、頭文字は上の10個のうちのどれかでお願いします かなり縛りキツイと思うけどサブタイ被らせたくないので

クッソ時間空いてしまったけどようやく始めます 待っててくれた人がいれば申し訳ない
その前にあらかじめ登場人物の安価をしておこうかな 安価来たら始めていきたいと思います

ナース
>>338

ヒデコ

「はぁっ…、はぁっ…、はぁっ…!」


行かなくちゃ。





音都総合病院 とある病室


ガチャッ

「入ります。検診のお時間です、よ…?」

「あれ…?いない…。窓が空いて…。こ、これって…!!」





「はぁっ…!はぁっ…!」


走る。

裸足のまま、道なき道を、ただひたすらに。

行かなくちゃ。

ただその言葉だけ、頭の中に谺する。


「はぁっ…、はぁっ…、あぐっ!!」


足がもつれて地面に頭を打つ。

痛い。

だけど、だけど…。

行かないと、いけないんだ、私は…。


「ぐっ…、ぎゅぅっ…!!」


擦りむいた額をさすりながら、地面を手で押し上げて、なんとか立つ。

そしてまた、走り出す。


行かなくちゃ。


走って、走って…。

もう体力の限界で、体が動かなくなったってとき、初めて。

自分に問いかける。


行かなくちゃ。



…どこに?



わからない。

今の私には、何も、わからなかった。




第24話「穴の空いたP / ロンリエスト・ベイビー」

東條西木野☆探偵事務所内


希「…ほうほう、なるほど」

ヒデコ「…はい」


希(この人はヒデコさん。音都総合病院に勤めるナースさんや)

希(昨日の夜、とある患者の病室に検診に訪れた際、ベッドがもぬけの殻なのを発見、その人が脱走したことがわかったそうや)


凛「患者さんが脱走、かぁ…。何か嫌なことでもあったのかなぁ?」

ヒデコ「それはわかんないですけど…。そう遠くへは行っていないだろうと昨日何人かで捜索したんですが…」

希「見つからなかった…。それでうちに依頼を、ね」

ヒデコ「はい。今でも仲間が探してくれてて…、心配なんです」

ヒデコ「…あの子、記憶がないから」

希「記憶が…」

凛「ない…?」


真姫「…記憶喪失、ね」


ヒデコ「うん。…数ヶ月前、道端で倒れているのが見つかって…、今にも死にそうだったってことでうちに運ばれたの」

ヒデコ「なんとか一命は取り留めたんだけど、身分証明を出来るものがなくてどこの誰かすらわからなくて…」

ヒデコ「だから意識が戻ったら本人から聞き出そうと思っていたんだけれど…」

希「その本人も、自分が誰かすらわからなかった、と…」

ヒデコ「…はい。きっと外に出ても頼れるものなんて何もないはずなのに…、今度こそどこかで怪我でもして野垂れ死になんてことになったら…」

凛「確かにそれは心配だね。記憶を取り戻して逃げ出したならまだいいけど…」

希「本当に記憶が戻ったかなんてわからんしね…。とりあえず見つけて話を聞かないことにはなんとも…」

ヒデコ「あの…、依頼、受けていただけますか?」

希「ふっ、もちろんや。街の住人のことならうちに任せて。必ずその患者さん、見つけてみせるから」

凛「ヒデコさんは、心配せずに待っててね!」

ヒデコ「あ、ありがとうございます!よかった…」

希「それで…、その人の特徴、教えてもらえます?」

ヒデコ「…特徴、ですか。そうですね…、その子は…」

???


英玲奈「…」


あんじゅ「あれ、英玲奈…。そのメモリ…」

英玲奈「…ん?あぁ…、これは…。いや、何でもない。少し懐かしく思っていただけだ」

あんじゅ「…英玲奈が持ってたんだ。あの人の…」

英玲奈「あの人、ではない。すべてのメモリはUTXのモノだ」

あんじゅ「そう、だけど…」


海未「あら、お二人共お揃いで…。おはようございます」


英玲奈「あぁ…、海未さん。おはよう。…その洋服は?」

海未「え?あぁ…、おかしいでしょうか?」

英玲奈「いや、いつも和服だったせいか新鮮で…、いえ、とても美しいと思う」

あんじゅ「…うん、いいんじゃ…、ないかしら」

海未「そうですか…。ふふ、嬉しいです。今日は少し女の子らしくショッピングへ向かおうかと」

海未「最近運動もしていないので体が鈍ってしまって…。気分転換ということで」

英玲奈「ショッピング…!う、海未さんっ…!私もついていってはいけないだろうか!」

海未「え…?えぇ、構いませんよ」

あんじゅ「ちょっ…、英玲奈!今日は私とスイーツを食べる約束じゃ…」

英玲奈「あんじゅとならいっつもスイーツ食べに行ってるでしょう?いいじゃない、一度くらい…。ふふ…、海未さんとショッピング…」

あんじゅ「英玲奈…」



街中


希(それからうちらはヒデコさんの証言を元に、行方不明の患者さんを探した)

希(って言っても名前もわからんし…、ひたすら聞き込みに次ぐ聞き込み…、だけど成果は…)


希「あうぅ…、病院付近に聞き込んでも誰も見てない、か…」

凛「逃げ出したのが深夜だったこともあって、目撃されづらい状況だったのかもね…」

希「もう少し聞き込みの範囲を広くしてみよっか。じゃあうちはタワーの方を探すから、凛ちゃんは港の方面をお願い」

凛「ラジャーにゃ!」

音都タワー付近


モブ「…うぅん、見てないなぁ…」

希「そう、ですか…。ありがとうございます」

希「…はぁ。こっち方面もダメか…。うぅん…、じゃあ次は…」


おねえさん「はーいっ!じゃあバロンくんと記念写真とりたい人ー!」

ガキども「はいはいはいはいはいはいはいはいはいはい」


希「お、なんかやってる。バロンくんと記念写真やって…」

希「…バロンくん、か…。あれをデザインしたのって確か…」


(「えぇ、また会いましょう、希。私の、最高の友達」)


希「結局、もう一度会うことは叶わなかったね…」

希「…あの子も、あの子の妹も、この街を愛してくれた人間、だったのに…」

希「…」

希「…あれ?そういえば…」


ピリリリリリ…

希「あ、電話や。っと、もしもし?」

凛『の、希ちゃん!み、見つかったにゃ!そ、その人…!』

希「ホンマ?よかった…」

凛『い、言ってる場合じゃないよ!大変なの!その人…』

凛『なぜかドーパントに襲われてるんだよぉっ!!』

希「えっ…!どうして…」

凛『わ、分からないけど…!とりあえず早く来て!場所は港の方の…』

希「わかった!すぐ行くから待ってて!」ピッ



港の方


「はぁっ…、はぁっ…!」タッタッタッタッ…


ドロレス・D「…」

ドロレス・D「…なぜ、あなたが…」


「はぁっ…、あぐぅっ…!!」ズシャァッ…

「あ、ぐ、ぅっ…!こ、来ないで…!」


ドロレス・D「…裸足で、白いシーツを被って、まるで生まれたての赤子のよう」

ドロレス・D「もしかして…、"また"私に殺されるために、生まれ変わってきてくれたの?」


「ぅ、うぅ…!来ないで…、来ないで…!」


ドロレス・D「だとするなら…、フフ…、フフフフフ…!とっても、嬉しい…!」シュゥゥゥウ…!



希「待てっ!!」

「…っ」


ドロレス・D「…仮面アイドル。邪魔…、しないで」

希「人を殺そうとしてるの邪魔するな言われて、邪魔しない街のヒーローなんておらんよ!」

ドロレス・D「それもそう。…だったら、あなたも一緒に…!」

希「行くよ、真姫ちゃんっ!!」\スター!!/

真姫『オッケー!』\クレッシェンド!!/

希・真姫「『変身っ!』」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「たぁっ!」ヒュンッ!!

ドロレス・D「…おっと。フフ…、そういえばMuseと直接やり合うのは初めてね…」

Muse「前はあんたの方が逃げたんでしょうが!」「今度は逃がさへんからね!」

ドロレス・D「それは…、どうかな?」シュゥゥゥ… バシュゥッ!!

バシィッ!!

Muse「くっ…、うぐぅっ!!」「こいつ…、かなりの力…!」

ドロレス・D「この程度で音を上げてもらっても困る…。この力の真骨頂は…」

ドロレス・D「…ここからなのだから」キィィンンッ…!!

Muse「う、うぐぅっ…!!?ぐ、がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ドロレス・D「アハハハハハハ!!痛い?ねぇねぇ、頭痛いぃ?アッハハハハハハハ!!楽しい!!」

Muse「い、いだいぃぃぃぃぃぃっ!!!ぐ、うぅぅぅっ!!!」「希っ…!うぐぅっ…、うぎぃっ…!!」

ドロレス・D「さて…、Museが痛みで悶え苦しんでいる隙に…、あなたを…!」


「…っ!」


\ビショップ!!プロモーション!!/


ドロレス・D「…っ!」


ピシッ…、バシィィンンッ!!

ドロレス・D「くっ…!この攻撃は…」


ナイト「…通報で駆けつけた警察だよ。さぁ、…チェックメイトだ」


ドロレス・D「また厄介な…、フフ…、だけどあなたもすぐに私に屈服することになる…!」キィィィィィンッ…!!

ナイト「…」\ルーク!!プロモーション!!/

ナイト「…それが何か…?」\ルーク!!真姫シマムドライブ!!/

ドロレス・D「えっ…?き、効いてない…?ウソ…!?」

ナイト「はぁぁっ!!!」ダダダダッ!!

ズバシュゥッ!!


ドロレス・D「ぐぉっ…!!ご、ふぅっ…!!な、何故…!?私の…、力が…!」

ドロレス・D「ぐっ…、思わぬダメージを受けてしまった…。ここは、一時退却を…!」シュバッ


ナイト「くっ…、誰も彼も便利な退却手段持って…。私なんか槍投げないとワープできないっていうのに…」ブツブツ…

Muse「ぐぅぅぅっ…!はぁっ…、や、止んだ…!」


ことり「…大丈夫?もう敵は去ったけど…」

Muse「…うん、なんとか…。な、なんてパワーや…」「ノイズメモリも似たような力だったけど…、あれとは比べ物にならないわね…」

ことり「…。…それより、そこの人」


「…!わ、私…?」


ことり「裸足で病院にあるようなシーツを被って…。どういう状況でそうなったのか説明してもらえるかな?」

「え、えっと…、私は…」

Muse「あぁ待った待った!その人はうちの依頼人が探してる人で…」「…どうやら記憶喪失らしいのよ」

ことり「記憶…?」

Muse「と、とにかく…、ここはうちに任せて…。っと…」ピチュゥゥンンッ…

希「あ、あの…。その…、うちは怖い人やないから、まず…、顔から見せてくれへんかなぁ…?」

「…」

希「シーツ被ったままやと髪の色もわからんから…、ね?お願いや…」

「…」

希「…」ゴクリッ

希(…ヒデコさんが言っていた特徴…。あれの言う通りだとすると…)

希(だけど…、ありえへん…。でも…、でも…!)



(ヒデコ「…特徴、ですか。そうですね…、その子は…」)



「…わかった。これ、取れば、いいのね…」



(ヒデコ「陶器のような白い肌に…」)



ファサッ…


希「あっ…!」



(ヒデコ「宝石のような青い瞳で…」)



希「そんな…、本当に…!」

希「…生きていた、なんて…」



(ヒデコ「…透き通るような金色の髪の…、あなたくらいの年齢の女性、です」)




希「えりち…!」



絵里「…?えり、ち…?誰の、こと…?」

東條西木野☆探偵事務所内


絵里「…?」


希「えっと…、この子で間違いない、かな…?」

ヒデコ「え、えぇ!この子よ!あ、ありがとうございます…。さ、病院へ戻りましょう!」

絵里「え、えっと…、私は…」

希「あ、あの…。ちょっと待ってもらえますか…?」

ヒデコ「はい?」

希「実は…」


ヒデコ「…そう、あなたたちの知り合い、だったんだ…。すごい偶然ですね…」

凛「う、うん…。そ、そですね…」

希「それで…。少しこの子、預からせてもらっても構わないでしょうか?」

ヒデコ「え…?」

希「うちの友達やから…、知ってる人と一緒にいたほうが記憶も戻りやすいと思って…」

真姫「…ダメかしら」

ヒデコ「うーん…。…そうね。もう身体のケガのほとんどは完治しているし、精神的にも病院にずっといるよりは楽そうだし…」

ヒデコ「わかりました。その子の世話、お願いします。その代わり、何かあったらすぐ連絡してくださいね?」

希「は、はいもちろん…」


ガチャッ チリンチリーン…


希「…」

真姫「…で、どうするの?これ…」

絵里「…」プルプル

凛「生まれたての小鹿みたいに震えてるにゃ。っていうかこれ本当に…」

希「…間違いないよ。この子は…」

真姫「絢瀬絵里。かつて私たちと死闘を繰り広げたUTXのメモリの売人にして、ディコーラム・ドーパントだったもの」

真姫「前の騒動以来UTXから名前を抹消されて、存在も消されたものと思っていたけどまさか…」

希「…生きていた、なんて…」

絵里「えと…、あなたたちは、私のこと…、知ってるの…?」

真姫「…えぇ。特にそこの…、コイツが」

希「わぁっ…!あ、頭掴んでまで紹介せんでも…」

絵里「あなたは…?」

希「う、うちの名前は東條希。えりちの友達やよ」

絵里「えりち…?そのえりち、っていうのが、私の名前?」

希「あ、いや…。えりちは愛称で、本名はさっき真姫ちゃんの言ったとおり絢瀬絵里で…」

絵里「真姫ちゃんっていうのは…」

真姫「私よ。そしてこの子が星空凛」

凛「勇気凛凛あなたの凛だよ!にゃんにゃんにゃーん」

絵里「…?で、あなたが…」

希「いや、だからうちは東條希…」

真姫「…どうやら頭に重大なダメージを抱えている、っていうのは本当のようね…」

希「簡単なことでも記憶するのが難しくなってるみたいや…」

凛「確か…、音都大橋で衣服が見つかった、って話だったから…」

真姫「あわや溺死、ってところだったんでしょう。酸素不足で脳にダメージを負うのも無理はないわ」

希「だとして…、これからどうする…?」


絵里「えっと、髪の長いのが希で、短いのが凛、気の強そうなのが真姫で、胸の大きいのが希…?あれ、4人になってる…」


凛「とりあえず今は…」

真姫「記憶を取り戻す方法を考えましょう」

凛「え、いきなり!?まずは絵里ちゃんと慣れ親しむとかそんなんじゃ…」

真姫「絵里を襲っていたあのドーパント、…あれはUTXの幹部よ。もうUTXに絵里が生きているってことを知られてしまった」

真姫「UTXは組織を抜けるものを許しはしない。きっと絵里を全力で潰しに来るはず」

希「悠長に仲良ししてる時間もない、か…。せめて自衛の方法くらい身につけてほしいけど…」

真姫「…この状況で絵里にそれを要求するのは酷だわ。だから…」

凛「記憶を取り戻してもらうしかない、か…」

真姫「それに、彼女はUTXの幹部に近い立ち位置にいたはず。記憶が戻ればそのことについても聞けるかも…」

希「なるほどね…。でも…、どうやって?」

真姫「え?」

凛「どうやって記憶を取り戻すんだにゃ?方法がわからないとどうすることも…」

真姫「フッ…、そこはこの真姫ちゃんに任せなさい。何のための音楽室だと思っているの」

凛「おぉっ!そっか、真姫ちゃんが調律して記憶を取り戻す方法を探ればいいんだね!」

真姫「そのとおり!じゃ早速…、すぅっ…」

真姫「キーワードは、『記憶喪失』…。記憶、取り戻す…。方法…」

真姫「…調律を完了したわ」

希「んで?その方法は!?」

真姫「それはね…!」

真姫「>>351よ!」

サッカー

真姫「サッカーよ!」

凛「…は?」

希「あの…、サッカーっていうのは…」

真姫「球形のボールを用いて1チーム11人の2チーム間で行われるスポーツ競技のひとつで、現在では200を越える国で2億5千万人を越える選手によってプレーされており、世界で最も人気のあるスポーツと…」

希「いやサッカーのことは知ってるけど!それと記憶を取り戻すのとどんな理由が…」

真姫「さぁ?検索したら出てきちゃったんだもの。関係とかそれについては知らないわ」

凛「なんてテキトーなんだにゃ…」

真姫「だけど私の音楽室は絶対よ!さぁ、今すぐ記憶を取り戻すために絵里とサッカーしましょ!」

希「ホンマに大丈夫なんかなぁ…?」


希「えりち、サッカーしよ?」

絵里「サッカー…?サッカー…って何?」

真姫「球形のボールを用いて1チーム11人の2チーム間で行われるスポーツ競技のひとつで、現在では…」

希「いやそれはいいから…。そっか、サッカーのルールも覚えてないんやね…」

絵里「きゅうけい…?休む、ってことかしら?」

希「そのきゅうけいじゃなくて…。えっと、ボールを転がす遊びっていうか…」

絵里「ボール…。希の胸についてるこれのことね」プニッ

希「ほわぁっ!!?な、何いきなり人のおっぱいつついてるんよ!これはボールじゃないから!」

絵里「違うの?丸いものがボールでしょう?」

希「いやこれはおっぱいって言って…、ってそこからか!」

凛「これでサッカーしろなんてそれこそ酷だにゃ…」

真姫「言葉の意味すら曖昧になっているのね…。本当に、まるで生まれたての赤子だわ」

希「まぁ本格的なルールはどうでもいい!とりあえずボールを蹴ってみよう!決定!」


音鳴公園


絵里「これがボール…。丸いわね」

希「せ、せやね…。じゃあそれを向こうの凛ちゃんに向かって蹴ってくれへん?」

絵里「蹴る…?蹴る、ってどうするんだったかしら…」

希「えっと、足を使って球を…」

絵里「あ、ねぇねぇ希。この小さい黒いの、何?」

希「え、あぁそれはアリっていう昆虫で…」

絵里「こんちゅう…?昆虫っていうのは…」

希「えっと、虫や!」

絵里「え…、無視…?ひどいわ…」

希「いやそれやなくて…」

真姫「早く蹴ってこい!!!!!」


真姫「…ダメね。ボールを蹴る、って動作の一つすら満足にこなせないなんて予想外だわ…」

凛「何か別の方法、ないのかにゃ…?もっとシンプルなヤツで…」

真姫「そうね…、調律してみるわ。…できたわ」

希「早。…で?」

真姫「>>356よ」

逆上がり

真姫「逆上がりね。これで喪失した記憶を取り戻した例は過去にも数え切れない程あるわ」

凛「ホントかにゃ~…?テキトー言ってるようにしか聞こえないんだけど…」

真姫「マジよ!というわけで絵里、そこにある鉄棒のところまで行きなさい」

絵里「てつぼう…。あれ?」

希「あれは滑り台で…」

絵里「あれ楽しそう!」タッタッタッ…

希「おぉーい!」

真姫「…まぁ、喜んでるみたいだし少し遊ばせてからでもいいでしょう…」


絵里「あははは!すごいすごい!もう一回!」

希「いや、もう…」

絵里「あ、次はあれ!」


絵里「わーい!ぶらーん、ぶらーん!あはははは!」

凛「絵里ちゃん!それはお尻で乗るものであってお腹で乗るものじゃ…」

真姫「はい!とっととこっちへ来なさい!」


絵里「これがてつぼう…?楽しくなさそうね」

真姫「いえ、とっても楽しいわよ。凛、逆上がりを実践して見せて」

凛「にゃ!見ててね絵里ちゃん!ひゃっ!」グルンッ

絵里「お、おー!すごいわ!それが逆上がり、って言うのね!」

真姫「まぁこれは難しいからまずは前回りから…」

絵里「よし、私も…、え、えいっ!!」ブンッ

希「あっ…」

絵里「お、おっ…、も、もう少しぃ…!」

凛「で、できそうだにゃ…!さすが元フェンシング経験者…!」

絵里「ぐぬ、うぬぬぬぅ…!う、腕が、痛い…」

絵里「つ、疲れたぁ~…」パッ

希「あ、あかんっ!今手を離したら…」

絵里「およっ…?」


ゴチンッ☆


真姫「あ…」

凛「見事に頭を打ち付けたにゃ…」

絵里「…う、うぅ…」

希「えりち…、大丈夫…?」

絵里「い、痛い…。う、うぅっ…、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん…!!痛いよぉぉぉぉぉぉぉ…!!」

希「わわっ!泣いてもた…、ちょっ、向こうでお母様方がみてる!恥ずかしいって…」

絵里「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」

希「あぁ…、もうどうしたら…」

真姫「まるで我が子に手を焼く母親ね…」

凛「結構似合ってるにゃ」

???


海未「…ふぅ、久しぶりのショッピングは楽しかったです。…で、英玲奈さん、あなたは…」

英玲奈「うっ…、ぐ…」

海未「急に血相変えて走り出して、帰ってきたらボロボロになっている、って…、何があったんですか?」

英玲奈「実はちょっと…、穏やかではないことが…」


海未「ほぅ…、過去に始末したはずの人物が生きていた…、ですか」

英玲奈「…ドロレスの姿を見ても特に反応せず、ただただ逃げ回っていたことを見ると…」

英玲奈「おそらく、記憶をなくしている。もはや過去の絢瀬絵里は死んでいると言ってもいいけれど…」

海未「やはり生かしたままでは落ち着かない。…そうですね?」

英玲奈「…えぇ。私が殺しそこねるなんて…、次こそは必ず…」

海未「待ってください。あなたの気持ちもわかりますが、ここは私にいい考えがあります」

英玲奈「考え…?」

海未「えぇ…。こんな状況にピッタリな、最高のガイアメモリがね…。…じゅるりっ」



東條西木野☆探偵事務所内


ヒデコ『…へぇ、それで?』

希「色々試してみたけど、無理でした…。本当に、何も覚えてないんやね…」

ヒデコ『そうね…。最初は自分でトイレに行くこともできなくて、何度オムツを交換させられたことか…』

希「そんなことが…」

ヒデコ『食事の方法もわからなくて、本当…、大変だった…』

希「…」

ヒデコ『…だけど、やっぱりあなたたちに任せて正解だったみたい』

希「えっ…」

ヒデコ『だって、私のときはそんなに早く打ち解けてくれなかったもの。会話すらまともにしてくれなかった』

希『それは…、ヒデコさんが最初にあった人だから…。まだ人を信じる、ってことができなかっただけやないですか?』

ヒデコ『私だけじゃないわ。他のナースも、医者の先生も、そんなすぐに話してくれることはなかった。私と会話してくれるようになってからもね』

ヒデコ『きっと心のどこかでは、あなたたちのこと少し覚えていたんじゃない?だから、打ち解けられた』

ヒデコ『この調子なら…、あの子の記憶が戻るのも、そう遠くないのかもね』

希「…」

ヒデコ『…じゃ、私まだお仕事が残ってるから。また何かあったら。それじゃ』プツッ

希「…そう遠くない、か…」


絵里「あはは!凛の負けね!」

凛「ぐ、ぬぬ…!さっきルール覚えたばかりの絵里ちゃんにババ抜きで負けるとは…」

真姫「凛の脳みそにも重大なダメージがあるんじゃない?クスクス…」

凛「くっそぉぉぉぉっ!!もう一回にゃ!」

絵里「次は真姫にも勝ってみせるんだから!」


希「…うちは、今のままがずっと続いてもええんやないかな、って…、そう思い始めたよ」

希「あんな子供みたいに笑って、泣いたえりち見たの…、初めてやもん」

絵里「ぱくっ…、もぐもぐ…、お、おいしい!」

凛「ふふ、でしょ?凛の料理の腕、舐めてもらっちゃ困るにゃ!」

希「前はそんなに、やったのにね」

真姫「何が凛をこんなにも成長させたのかしら」

凛「…残りふたりの腕前があんまり過ぎたから嫌でも成長せざるを得なかったんだにゃ…」

絵里「私…、こんなにおいしい料理食べたの初めて…!はぐっ…、もぐもぐ…、んふーっ!」

凛「喜んでもらえて何よりだにゃー」


絵里「ねぇ希。一緒にお風呂入りましょう?」

希「えっ…」

絵里「ご飯を食べたらお風呂に入らないと、でしょう?さ、一緒に…」

希「待って待って…。ひ、一人で入ったら…?」

絵里「一人だと背中の方洗えないじゃない。ナースさんも一緒に入ってくれたわよ?」

希「いや、それはいわゆる介護っていうか…、ってそこ二人!ニヤニヤしないの!」


絵里「ふふ、希ー。気持ちいい?」ショコショコ

希「う、うん…。いい感じ…」

絵里「これが終わったら次、希が背中洗ってね?」

希「うん…。はぁ…、結局風呂に入ることに…」

真姫『あんまりイチャついたら怒るわよー?』

希「イチャついてへんよ!」

絵里「イチャつく…?って何?」

希「え、いやそれは…、その…。ま、まだえりちには早いから!」


希「ふぅ…、いいお風呂やった…」

絵里「ふふっ…、希と一緒のお風呂…、いつもより楽しかったわ」

希「そ、そう…?」

真姫「あ、絵里。ちょっとこっち来なさい」

絵里「ん?」

真姫「今テレビでサッカーやってるわ。これ見て大体のルールを覚えるのよ」

凛「あのボールを、同じ服の味方に回してゴールに導くの」

絵里「へー…、なんだか大変そうね」

真姫「ちゃんと見てなさい。…今度、もう一度挑戦するんだから」

絵里「…うん。わかったわ」

凛「よっしゃー!アルゼンチン決めたにゃー!」

絵里「日本は?日本は出てないの?」

希「日本は…、うん、出てないんや…。出てなかったんや、W杯には…」

絵里「…?」

凛「それじゃ、夜も遅くなってきたことだし、そろそろお休みするにゃー」

真姫「絵里は私の布団を使って。私は希と同じ布団で…」

凛「真姫ちゃんは凛と一緒に寝るにゃー。…それじゃ、ごゆっくりね?」

真姫「ちょっ…、希と一緒に寝る絶好の機会だったのにぃ~~…」


希「それじゃ、ちょっと狭いけど…、うちと同じ布団でもいい?」

絵里「…うん。病院のベッドだと、寂しかったくらいだし。むしろ嬉しいわ」

希「そっか。…じゃ、一緒に寝よね」

絵里「うん…。よいしょっ…」ゴソッ

絵里「ふふ、顔近いわね」

希「せ、せやね…。電気消すよ?えいっ」ピッ

絵里「わ、真っ暗」

希「あ…、電気少し付いてる方がよかった?」

絵里「あ、うぅん…。平気…。少しびっくりしただけ」

希「そう…?…それじゃ、おやすみなさい」

絵里「うん…、おやすみ…」


希「…」

絵里「…希、起きてる?」

希「…ん?起きてるけど…、どうしたん?」

絵里「うん、ちょっとね…」

希「…?」

絵里「…ありがと、希」

希「へ…?いきなり、どうしたん…?」

絵里「私ね…、最初とっても不安だった。いきなり知らない人に、友達だ、って言われて…」

絵里「正直、信じられなかった。だけど…、希たちはとっても優しくて、親切で…」

絵里「…何より、一緒にいてとても楽しい、って思えたの。医者の人たちとは、全然違って…」

絵里「それに、私の記憶を取り戻すために頑張ってくれて…、嬉しかった。だから…、ありがとう、って」

希「…そう、なんや。うぅん、全然…、当然やよ。だって…、友達やもん。友達が困ってたら助けるのは、普通やよ」

絵里「そうなんだ。…でも、それを教えてくれたのは、希。友達は頼っていいものだ、って教えてくれたのはね」

希「えりち…。うん、そう言ってくれると…、うちも嬉しいよ。えりち…」

絵里「…希」

希「…すぅ、…すぅ」

絵里「…あら、寝ちゃった?もう…、これから大事な話だったのに…」

絵里「…希。私ね…。あなたのこと…、大好き。これからも、ずっと一緒にいたい」

絵里「私も…、ずっとここに置いてくれる、かな…?なんて…」

絵里「…ずっと、この幸せな時が続けば…、いいのにね」

絵里「…おやすみ、希」

絵里「…」


(「私は…」)


絵里「…っ!」


(「私は…、行かないと、いけないの…!」)


絵里「…そう、だ…」


(「私の夢を…、叶えるために…!」)


絵里「行か、ないと…、行かなくちゃ…!」



ガチャッ チリンチリーン



希「すぅ…、ん、むっ…、えりち…。いっしょに…、これからも、いっしょに、いよな…。むにゃむにゃ…」




街中


絵里「はぁっ…、はぁっ…!」

絵里「うっ…、痛っ…!!小石、踏んづけた…」

絵里「でも…、行かないと…、行かないといけないの…!!」

絵里「私は…、私は夢を…!夢を叶えるんだから…!」



ザー…


絵里「あ、雨が…、はぁっ…、はぁっ…、うぅっ…、身体が冷えて…、くちゅんっ!ずずっ…」

絵里「でも、でも…」


ゴロゴロ… ピシャァッ!!


絵里「ひぃっ!!か、雷…、怖い…。やっぱり…、か、帰ろう…。そうよ、希も、心配してるし…」



「…久しぶり、絵里」



絵里「…え?私の、名前…、知ってるの…?あなたは?」


英玲奈「あら、覚えていないの?ショックだわ…」

英玲奈「私たち…、とても仲のいい親友、だったのに…」


絵里「親友…、友達…?」


英玲奈「…そう。友達。ねぇ、絵里…。ちょっと、付いてきてほしいところがあるの」

英玲奈「友達の頼みだもの、聞いてくれるでしょ?」


ゴロゴロ… ピシャァッ!!

翌日

東條西木野☆探偵事務所内


凛「大変だよぉっ!!何寝てるの起きて!!」

希「ほぇ…?」

凛「アホ面晒してる場合じゃないよ!!絵里ちゃんが…、絵里ちゃんがっ!!」

希「へ…?え、えりちが…、どうしたんっ…!?」

凛「またいなくなっちゃったのぉっ!!」



街中


ブロロロロ…


希「はぁっ…、はあっ…!!くっ…、うちがもっとしっかりしてれば…!」

真姫『本当よ、クソの役にも立たないわねこのバカ』

希「今は真姫ちゃんの罵倒すら心地いいくらい焦ってるわ…!くっ…!えりち、一体どこに…!」

真姫『おそらく…、絵里の記憶が少し残っているのよ。それに導かれて彼女は外へ飛び出した』

真姫『そしてその記憶は多分…、記憶を失う直前の出来事、それに起因してるんじゃないかしら』

希「というと…」

真姫『彼女は自分の夢を叶えるために、この街を抜けようとした。その記憶が彼女を動かしている』

希「なら音都大橋の方に…!?」

真姫『可能性は高いわ。急いで、希!』

希「了解っ!!」



音都大橋前


希「ふぅっ…!着いたけど…」

真姫『いた?』

希「いや…、それらしい人影は見当たらへん…。仕方ない、ここらへんで聞き込みを…」



「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!!」



希「…っ!?この声は…!」

真姫『ちっ…、こんな時に…!!』



謎のドーパント「グガァァァァァッ!!」

街の人「ひぃぃっ…!!」


希「ドーパントに人が襲われてる…!!真姫ちゃんっ!」\スター!!/

真姫『ドーパントに構ってる暇なんて無いっていうのに…!!クソッ…!!』\クレッシェンド!!/

希・真姫「『変身っ!!』」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン

Muse「とっとと終わらせるわよ、希っ!」「あぁ!」

Muse「「はぁぁぁっ!!」」ヒュンッ!!


バシィッ!!


謎のドーパント「ウグッ…!ぐぅっ…!」


Muse「今のうちに逃げなさい!」


街の人「あ、ありがとう仮面アイドル…!」タッタッタ…


謎のドーパント「クゥッ…!!キサマァ…!!」

Muse「あの人が何をしたかしらんけど…、まずはドーパントを止めることが先決やからね!」ヒュッ!!

謎のドーパント「フンッ…!!」ヒュンッ!!

Muse「んなっ…!!」「速いっ!」

謎のドーパント「ハァァァァッ!!」ドゴォッ!!

Muse「ぐはぁっ…!!」

謎のドーパント「ハァァッ!!デヤァァァッ!!」バゴォッ!!ズゴォッ!!

Muse「ぐおぉっ!!が、ぐふっ…!!?」「何、この力…!昨日のあのドーパントと同等…、いえそれ以上のパワー…!?」

Muse「そんな…!市販のメモリがそれほどの力を持つなんてありえるん…!?」「普通はないけど…、やはり、過剰適合者…?」

Muse「くっ…、ここは一気にケリを付けるために…!」「エクセレントで行くよ!」


<キュイィィィィィィッ!!

\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー


Muse「はぁっ!」チャキッ

Muse「ムーンソード!」シュバァッ!!

謎のドーパント「ギッ…!」ヒュンッ!!

Muse「お前の動きは…」「見切った!!」ズバァッ!!

ズシュッ!!

謎のドーパント「ぐぅっ…!!ガ…!!」

Muse「これでも…、くらえぇぇっ!!」ヒュンッ!!

謎のドーパント「グ、ウゥッ…!!」ヒュッ…

バキィンッ!!


パキッ…

Muse「ちっ…、かすっただけか…」「仮面にヒビを入れる程度しかできなかったわね…」

Muse「ならもう一発…、あれ…?」「仮面のヒビが大きくなって…、割れる…?」


ピキッ…、ピキピキ…


パリンッ…


Muse「「なぁっ…!!?」」

謎のドーパント「グゥッ…、ウゥゥゥゥッ…!!」


希(謎のドーパントの下から出てきた…、おそらくメモリの使用者の素顔、それは…)


Muse「えりち…!?」「どう、して…!?」



ミックス・D「アーーッハッハッハッハッハ!!!楽しい…!いい顔をしてくれますね、お二人共!!」



Muse「貴様…!」「園田海未…!まさかあなたが…!」


ミックス・D「えぇ、そうです…。彼女、絢瀬絵里にペルソナのメモリを差し込んだのはこの私」

ミックス・D「フフフ…、ペルソナのメモリは力は強力なのですがある意味厄介でしてね。最大限力を発揮させるには…」

ミックス・D「…穢れのない、まっさらな心の持ち主でなければならないのですよ。それこそ、マネキンのような」

ミックス・D「それであってこそペルソナは真価を発揮する。使用者はペルソナのメモリに人格を乗っ取られるのです。このようにね」



ペルソナ・D「グギィィィッ…!!キサマ…、コロス…!!ヨクモ、オレノカオヲ…!!」



ミックス・D「いわば…、『生きたメモリ』でしょうか。人を寄り代にした悪魔のようなメモリです」

ミックス・D「いやぁ…、このメモリの被検体は常日頃から探していましてね?なかなかいいのが見つからなかったんですよ…」

ミックス・D「ですがどうです…。とてもいいものがいると聞きましてね。記憶喪失だそうで…、ふふ、実際話してみて、最高の人材だと感じました」

ミックス・D「彼女は死ぬまでこのメモリに愛され続けてくれる…!そう確信しましたよ…!!アハハハハハ!!」


Muse「…今、ことりの気持ちがはっきりと理解できたわ。園田海未…!あなた…、最低の屑ね!」「…」


ミックス・D「あぁ…、絢瀬絵里さん…。あなた方のお友達だそうですね?ウフフ…!それでこそ燃える、いえ萌えるじゃないですか!!」

ミックス・D「友人の命をメモリに奪われるか、はたまた自ら奪うのか…!なんて美しい友情愛なのでしょう…!!アッハハハハハハ!!!」


Muse「そ、園田…」「ソノダウミィィィィィィッ!!!!許さへんっ!!絶対に許さへんからなぁぁぁぁっ!!!!」

Muse「ちょっ…、希…」「殺すっ!!お前だけは…、うちが絶対に…!!!うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


ミックス・D「おっと、そうはいきません。この性格上人に恨まれるのは慣れていますが…、まだ殺されるのは慣れていないので」

ミックス・D「ペルソナ。彼女たちがあなたの相手をしてくれるそうですよ?」


ペルソナ・D「グ…?ギギギ…!!ソウカ…!!!キサマラ…、オレニクワレタイノカァ…!!」


Muse「くっ…、邪魔やっ!!どけぇっ!!」「待って!!そのドーパントの中身は絵里なのよ!!」

Muse「…っ!!そ、そうや…!下手に攻撃したら…!」「…命を奪う可能性も…!!」


ペルソナ・D「ヒヒッ…!!サァテ…、オレノカオヲキズツケテクレタダイショウ…、ハラッテモラオウカ…!!」クォォ…

Muse「仮面が再生していく…」「再生能力まで持ってるなんて…、どれだけ厄介なメモリなのよ…!!」

ペルソナ・D「ヒャッハハハハハハ!!!シネェェェェッ!!!」シュバッ!!

Muse「く、くぅっ…!!」




第24話「穴の空いたP / ロンリエスト・ベイビー」

おわり

真姫「ちょっと遅くなっちゃったけど第24話、終わらせたわね」

希「お、おぉぅ…、生きてたと思ったら敵になるとかどんな胸糞展開やねん…」

凛「だけど考えてる時はすごいワクワクしてたにゃ。ウロブッチーの気持ちが少しわかった気がするにゃ」

ことり「私の出番少ない…」

真姫「この絵里が生存している話はそれはもうだいぶ前から計画していたわ。それこそ死ぬ前から」

希「だからこそ水落ち、やね。これはもう生きていること確定のような死に方だから」

凛「だけど本編じゃ霧彦さんが普通に死んじゃったこともあってか、適度にみんなに絶望感を与えられてとっても良かったにゃ」

ことり「出てきたの2レスだけってどういうことなの…」

真姫「そして絵里が生きていたことが発覚して喜んでくれたのも嬉しかったわ。それだけ愛されていた、ってことだし」

希「もし霧彦さんが生きてたらみんな喜んでくれたんやろうけどね」

凛「これからの絵里ちゃんの動向に期待にゃ」

希「下手すると今度こそ死んじゃうかもしれへんねんけどね…」

ことり「ねぇ…、私の出番…」

真姫「うるさいわね。次々回パワーアップ回だから我慢しなさい」

ことり「(・ω・`)」

希「せや…、ことりちゃんの話全く考えてない…。どうしよ」

凛「もうテキトーでいいんじゃない?」

ことり「おい」

真姫「じゃ、激動の次回をお楽しみに」

ことり「ネタバレしまーす、実は次回絵里ちゃ…」

希「待て待て待て!!」

凛「こ、これで決まりにゃ!!」

「話を考える」「時間も確保する」両方やらなくちゃいけないってのがSSの辛いところだな
ついでにやる気を出さなくてはならない 未だボロボロの脚本だけれどナンクルナイサの精神でやっていきますよ
ネット版は…、流石にないかなぁ… うん

ペルソナ・D「ヒャッハハハハハハ!!!シネェェェェッ!!!」シュバッ!!

Muse「く、くぅっ…!!」


シーン…


Muse「…あれ?」「攻撃、してこない…?」

ペルソナ・D「ギッ…!?グ、ギギギッ…!!ガ、ガァァッ…!!」

Muse「苦しんでいる…?」「あっ、見て!仮面が…」


ピキッ…、パキパキッ…!!


ミックス・D「あれは…!くっ…、強引にメモリを挿入したせいでドーパント体の維持に負担がかかって…」

ミックス・D「あれでは…」


パキンッ…!!


ペルソナ・D「ガッ…!」ピチュゥゥンンッ…


絵里「あぅっ…!」バタッ

Muse「え、えりちっ!!よかった…!」「元に、戻れたのね…」


ミックス・D「…」


Muse「ふ、ふんっ!!えりちが元に戻ったならお前なんて…!」「もう何の遠慮もなくコテンパンにのめしてやるわ!」


ミックス・D「…」


Muse「ちょっ…、なんとか言ったらどうなのよ!」「うちらに負けるのが怖くて震えてるん!?」


ミックス・D「…フ」

ミックス・D「フフフフ…!」

ミックス・D「アッハハハハハハハハハ!!!」


Muse「なっ…」「何がおかしくて笑ってんねや!!」


ミックス・D「いえ…、フフ…、まさか…、それで絢瀬絵里さんが助かった、なんて思い込んでるとは…」

Muse「「え…?」」

ミックス・D「むしろ逆…。あなた方はいつ迫るかもわからない喪失の絶望に押しつぶされることとなるでしょう…」

Muse「ど、どういうことよ…」「意味深な言い方せんとはっきり答えろ!」

ミックス・D「…いいでしょう。全てをお話しします。そして打ち震えるのです。己の無力さにね…。フフフフ…」

ミックス・D「おかしいとは思いませんか?何かいつもと違うと感じたりは?」

Muse「なによいきなり…」「いつもと違う…?あっ…!」

Muse「何…?希は気づいたの?」「…うん。そうや、えりちのメモリ…」

Muse「えりちは人間に戻ってるのに、メモリが排出されてない…」「あっ…!」

ミックス・D「えぇ、それで正解です。ブルームメモリのこと…、覚えていますよね?」

Muse「親鳥さんの…」「まさか今回も…!?」

ミックス・D「えぇ、そのとおり。少し細工をね」

ミックス・D「今の絢瀬絵里さんは人間のように見えて人間ではない。彼女は今もまだドーパントなのです」

Muse「「…っ!」」

ミックス・D「ただ今はペルソナの意識が外へ出てきていないだけ…。今でもメモリを使用している状態なのですよ」

Muse「…だ、だけど!それがどうしたっていうのよ!」「排出されへん言うんやったら、もう一回…」

ミックス・D「もう一回…、心臓を止める、でしょうか?アハハハハ!無理ですよ、ムリムリ」

Muse「なっ…!」

ミックス・D「私も馬鹿ではありません。同じことを二度も繰り返す訳ないじゃないですか」

ミックス・D「今回のメモリにはもう一つ細工が施してあります。…死んでもメモリが排出されない仕掛けを」

Muse「死んでも排出されない…!?」「だったら、え、えりちが死んだあとはどうするつもりなんよ…!お前もメモリを摘出することが…」

ミックス・D「それはご心配ありません。ちゃんと摘出する方法は用意してありますから。あ、もちろん死後、ですが」

Muse「ッ!園田…!」

ミックス・D「そのメモリを摘出するにはペルソナ自身が身体を放棄するか、私が特殊な方法で摘出するか、しかありません」

ミックス・D「あなた方が絢瀬絵里さんからメモリを抜き取る方法はただ一つ。…メモリブレイクだけです」

Muse「だけど…、そんなことしたら…!」

ミックス・D「…そう。過剰適合者である絵里さんは死を迎える…。いやはや…、なんて素晴らしいハッピーエンドなのでしょう」

Muse「何が…ッ!!」

ミックス・D「ですがそうしなければいつまたペルソナの意識が覚醒するかわかりません。そうなれば次は…」

ミックス・D「…強大な力を持った悪魔によって街の人々がどうなるか…。それに比べれば人一人の命です。安いものではないですか」

Muse「あなた…!なんてことを…!!」「本当に…、人間の心を持ってるん…!!?」

ミックス・D「どうしても生前に摘出して欲しかったら…、んー、そうですねぇ…」

ミックス・D「あのいちいち突っかかってきて鬱陶しい南ことり…。彼女の首をあなた自ら私に差し出して…」

ミックス・D「ついでに私に今後一生の忠誠を誓うと約束して下されば大いなる慈悲の心を以て元に戻して差し上げても吝かではないですが」

ミックス・D「…まぁ、すぐにあなたも彼女も私の芸術品として…、その一生を終えていただくことになるんですけどね」

Muse「くっ…!貴様ぁぁぁっ!!」ダダッ

ミックス・D「おっと…、今はあなた方と戦うつもりはありません。せいぜい悩んで悩んで悩み苦しんでください」

ミックス・D「メモリブレイクして頂いても構いません。あなた方の葛藤に歪む表情…、メモリ一つを犠牲にしても見る価値のある美しさでしょうから…!アハハハハハ!!!」\ハリケーン!!/\ミスト!!/


バヒュゥゥゥゥッ…!!


Muse「くっ…!」「待てっ!!園田海未ぃっ!!」


Muse「…いないわね」「逃げられた…」

Muse「…とりあえず今は…、絵里をこんなところに放置しておくわけにもいかないし…」「…事務所に帰ろう」


絵里「んむっ…、うぅっ…」

東條西木野☆探偵事務所内


ガチャッ チリンチリーン


凛「あっ、戻ってきた…!」

ことり「どうだった、希ちゃ…、あ!」

絵里「う、うぅっ…、凛…」

凛「よ、よかった…!見つかったんだね!」

真姫「…見つかったのはいいけど、もっと大変な事態がね…」

凛「…え?」

希「…」

真姫「…私から説明するわ。よく、聞いてね」


凛「そんな…!絵里ちゃんが…」

ことり「園田海未…!許せない…」

絵里「…」

真姫「次にいつドーパントとなるかは誰にもわからない…。今日、またドーパントとして覚醒するかもしれないし…」

凛「し、しないかも、しれないんでしょ…?」

真姫「…えぇ。だけど、その可能性は限りなくゼロに近い。…いいえ、ゼロよ」

真姫「間違いなくメモリはもう一度絵里に牙を剥く。次は、さらに深く、深く、意識の奥底まで侵食して」

凛「そんな…」

ことり「ねぇ…、心臓を止めるのが不可能でも他に方法があるんじゃ…」

凛「そ、そうだよ!園田海未にできるんだもん!真姫ちゃんにだってきっと…。音楽室で調律すれば…!」

真姫「…えぇ、もちろん、やってみるわ。…少し、集中したいから…、地下に行ってくるわね」


ガチャッ チリンチリーン


絵里「…」

希「えりち…」

絵里「希…、私、どうなっちゃうの…?」

希「…心配いらんよ。今、うちの超優秀な相棒がえりちを救う術を調べてくれてるから」

希「きっと、助かる」

絵里「…本当?」

希「ホンマ、や」

絵里「…そう」

絵里「そう、だと、いいけど…」

凛「絵里ちゃん…」

希「ねぇ、えりち…。教えてくれへん?どうして、あの女…、園田海未にメモリを入れられたか、その経緯について」

絵里「経緯…?」

希「うん。昨日あった出来事、覚えてる範囲で構わへんから」

絵里「…わかった。そうね…、じゃあ、あの雷が鳴り始めたところから…」

絵里(雷が鳴り始めた頃、私は一人の女性と出会った…。私の親友を名乗る、髪の長い女の人)

絵里(とても…、冷たい目をしていた…)



英玲奈「…久しぶり、絵里」


絵里「…え?私の、名前…、知ってるの…?あなたは?」

英玲奈「あら、覚えていないの?ショックだわ…」

英玲奈「私たち、とても仲のいい親友、だったのに…」

絵里「親友…、友達…?」

英玲奈「…そう。友達。ねぇ、絵里…。ちょっと、付いてきてほしいところがあるの」

英玲奈「友達の頼みだもの、聞いてくれるでしょ?」



絵里(私はその言葉が、すぐに嘘だと感じた。だって…)

絵里(その人の目は、決して友達を見るような目じゃなくて…、道端に捨てられた猫を今にも踏みつぶそうと考えているような…)

絵里(そんな、残酷な目だったから)



絵里「…いや」

英玲奈「…え?」

絵里「いやよ…!来ないで!私に近寄らないで!!」

英玲奈「…」

絵里「あなたなんかが…、友達のはずがない!だからっ…」ダッ


ガシッ!!


絵里「っ!!」

英玲奈「…やれやれ。記憶を失ったら逆にカンが冴えるなんてね」

絵里「やめて…、離して!!誰か!誰かぁっ!!」

英玲奈「私は前の愚かしいあなたの方が好きだったわ。…殺しやすくてね」

ギュッ!!

絵里「…っ!!?もがぁっ…!ぐ、ぐるしっ…」ジタバタ

英玲奈「だけどすぐに…、あなたは物言わぬ人形に成り果てるのだから…!クフフ…!」

絵里「もがーっ!!むぐぐっ…、ぐ、うっ…」




絵里(私は口をハンカチか何かで抑えられ、身体を羽交い締めにされた)

絵里(薬をかがされながら、せめて反撃の一つでも行おうと、何かを必死につかもうと手を伸ばしてたのだけれど…)

絵里(…何かを掴んだ感触を最後に、私の意識はそこで途切れた)

絵里(次に目を覚ましたとき、私は暗い部屋で、ベッドに両手両足を固定されて寝かされていた)



絵里「…ん、んぅ…、…はっ!こ、ここは…」


「おや…、やっとお目覚めですか」


絵里「あなたは…、あなたは誰?ここは、どこなの…?」

海未「ふふ、私は園田海未、と申します。ここは私に貸し与えられている部屋ですよ」

絵里「なんで…、私はベッドに繋がれているの…?私はこれから、なにをされるの…?」

海未「ふふ…、それは内緒、です。そうですね…、とても楽しいこと、とでも」

絵里「楽しい…?トランプや、サッカーみたいな…?」

海未「…えぇ。とても、とても楽しいことです。きっと、あなたにも気に入ってもらえるでしょう」


絵里(そこで私は、色々なものを身体に射たれて…)

絵里(…そして、気づいたら…)




希「…音都大橋で、うちに抱えられていた、か…」

絵里「…うん」

ことり「あの女…、どこまで人を悲しませれば気が済むの…!?」

凛「ひどすぎるよ…、こんな…」

希「命を弄ぶようなマネ…!」

ことり「…あの女はそういうヤツなんだよ…。性根まで腐りきった、外道…!」

絵里「…希。私…」

希「…大丈夫。心配しないで。真姫ちゃんが…、きっと真姫ちゃんがえりちを助けてくれるから…」

絵里「…希」

希「…うちの相棒を、信じて」

絵里「…」

絵里「…うん」


数時間後…


希「…」

絵里「…」

ことり「…」

凛「…真姫ちゃん、まだかな…。どれだけ調律に時間かかって…」


ガチャッ チリンチリーン


真姫「…」

凛「あっ…、真姫ちゃん!終わった…?」

真姫「…えぇ、終わったわ」

希「そ、それで…。えりちを救う方法は…」

真姫「…」

真姫「…ダメ、だったわ」

希「…っ!」

凛「そ、そんな…っ!」

真姫「何度やっても、死亡してもメモリが体外に排出されない方法なんて見つからなかった」

真姫「つまり、世界中のあらゆるデータにそんなものは存在しない、ってこと」

真姫「…あの女は、自分の能力を応用して、独自の技術を開発しやがったのよ」

ことり「なっ…!」

真姫「ミックスメモリはあらゆる可能性を秘めたメモリ。様々な組み合わせによって思いもよらない力を生み出すこともできる」

真姫「どんな曲調の曲も全部綯交ぜの状態。…そんなものは、音楽室に楽譜として記録されない。未完成品のようなものだから」

希「じ、じゃあっ…!」

絵里「私は…、どうなるの?」

真姫「…」

凛「真姫ちゃんっ!!」

真姫「…まだよっ!!まだ…、可能性は残ってる…!」

ことり「可能性…?」

真姫「体内にあるメモリの成分を、メモリという形に戻すことなく排出する方法が…!」

希「そ、そんな方法が…!?」

真姫「…だけど、これは私たちの技術じゃどうしようもできない。それに人間での成功例は未だ皆無だし…」

真姫「でも、少しでも可能性があるなら、それに賭けるしかない…!」

絵里「大丈夫、なの…?」

真姫「…私を、誰だと思ってるの。天才少女西木野真姫ちゃんなのよ」

真姫「希の大切な人は、私にとっても大切な人だから。…この名に掛けても必ず、あなたを救ってみせる」

真姫「私を…、信じて」

絵里「…」ゴクリッ

凛「真姫ちゃん…」

真姫「…音都総合病院へ行きましょう。そこのドクターに相談してみるの」

真姫「メモリの成分を体外に排出する手術…。出来るか掛け合ってみる」

絵里「…うん。お願い…」

希「えりち…、行こう。絶対にえりちを…、死なせたりするもんか…」


希(もう、二度と…!)

???


海未「あっはぁ…!やってやりました!あの絶望に塗れた顔!なんて美しいのでしょう…!」

英玲奈「でも、本当によかったの?ペルソナメモリは貴重なメモリなのでしょう?それをみすみす手放すような…」

海未「構いませんよ…。どうせ彼女たちに仲間を殺すような覚悟などないでしょうし。…メモリに命を食い尽くされて、それを私が体内に取り込む時の彼女たちの顔…!」

海未「それを想像しただけで、フフッ…、下品ですが…、ぼ、ボッキが収まりませんよ…!にゅふふふふ…」

英玲奈「…どこがボッキするというのか」

海未「え、知らないんですか?女の人でもボッキするんですよ?例えば乳首とか、クリ」

英玲奈「言わなくていい。だけど私も…、絵里が私を見て恐怖する様は見ていてとてもゾクゾクしたから…、フフ、人のことは言えないけど…」

英玲奈「…ん?」

海未「でしょう?いやぁ、ブルームメモリを台無しにされたときの怒りが少しは収まり…、どうしました?変な顔して」

英玲奈「…」ペタペタ

英玲奈「あれ?あれあれ?」ペタペタ

英玲奈「…ない」

海未「…はい?なくしもの、ですか?」

英玲奈「…どこで?」

英玲奈「いや、だけど…、うぅん…」

海未「大事なもの、なのですか?」

英玲奈「…いえ、平気。あってもなくても同じ、ようなもの、だから…」

英玲奈「だけど…、一体いつ、どこで…?」



音都総合病院 受付


希「えりちはここで待ってて。うちらがドクターに手術について話し合ってくるから」



絵里「…って、言われたけど…」

絵里「も、もしここでメモリがかくせい?しちゃったら…」

絵里「…」ブルッ…

絵里「や、やっぱり希と一緒にいたほうが…!」


ヒデコ「あら…?あなた…」


絵里「あっ…、ナースの…」

ヒデコ「ヒデコよ。あなたは確か…、絵里さん、って名前だったっけ?」

絵里「は、はい…。あの…、一昨日は勝手に外へ出てごめんなさい…。どうしても、行かなきゃいけないところがある、って思い込んじゃって…」

ヒデコ「行かなきゃいけないところ…?前の記憶に関係しているのかしら」

絵里「さぁ、それは…」

ヒデコ「…前の記憶、で思い出したんだけれど…。あなた、この病院に運び込まれたときのこと、覚えてる?」

絵里「え…?」

ヒデコ「あぁ…、覚えてないだろうけど。でも…、その時あなたが大事に抱えてたものがあって。今でも私のロッカーに入ってるわ」

ヒデコ「もう病院へ来ることはほとんどないと思うし、今のうちに返しておこうかな、って思って」

絵里「私が…、大事に抱えていたもの?」

看護師休憩室


ヒデコ「えっと…、確かここに…、あった!これこれ…」


ヒデコ「お待たせ!」

絵里「あぁ、いえ…。それで、抱えてたもの、って…?」

ヒデコ「これ、なんだけど…。何かわかる?」

絵里「…?これは…、何?」

ヒデコ「さ、さぁ…。私にもよくわからなくて…。あなたなら何か覚えてるんじゃないか、って…」

絵里「うぅん…。でもこれ、どこかで見たような…。希が持ってた気が…」

ヒデコ「あ、そういえば…。あなたって確か溺死寸前、だったんだよね?」

絵里「えっ…、あぁ…、そうみたいね…。私はよく覚えてないのだけど」

ヒデコ「ということは長時間水中にいた、ってことになるけど…。確かそれ、運び込まれたときは全然濡れてなかった、っていうか…」

ヒデコ「乾いていた…。だから、溺れる前から持ってたんじゃなくて、溺れて、助かってから、手にしたものなんじゃないかな?」

絵里「助かってから…?」

ヒデコ「そう!それよ!」

絵里「え?」

ヒデコ「まずあなたはどうやって溺死寸前から助かったのかが不明なのよね。音都橋の下は広大な海で、海面に落ちた時の衝撃で骨も数本折れてたはずなのに…」

ヒデコ「どう考えても自力じゃ助からないのに…。だから誰かが助けてくれたと思うんだけど…、でも助けてくれたのなら通報してくれてもいいのに…」

ヒデコ「それがずっと気にかかってたのよね…」

絵里「…私にはちょっと難しくてよくわからないわ」

ヒデコ「あ、あぁ…、そうだったわ。ごめんごめん」

絵里「…」

絵里(私が今手にしている『これ』は、海から上がってから手にしたもので、そして誰かが、私を海から助けてくれた…?)

絵里(だとしたら『これ』は…、その人が私にくれた、もの…?)



(「…きっと、あなたの役に、立つはず…」)



絵里「…っ!」

ヒデコ「ん…?何、どうしたの?」

絵里「あ、いや…。うぅん、なんでも、ない…」

ヒデコ「そう…?あ!それと…、もう一つあるのよ!あなたが大事に持ってたもの!」

ヒデコ「これは多分…、溺れてる時も大切に握り締めてたんじゃないかな。はい」

絵里「…?これは…?」

ヒデコ「バロンくん、って言って、音都のマスコットキャラクターよ。バナナがモチーフになってるみたいね」

絵里「ばなな…?それが音都と何の関係が…」

ヒデコ「さぁ、私も詳しくは…。でもここ!この頭の部分…、音符の形をしてるでしょ?これが音都成分じゃないかな?多分…」

絵里「へぇ…」



(「ただのバナナじゃないよ!ほら、頭のヘたのところが四分音符の形に…」)



絵里「…っ!また…!でも…、これは…」

ヒデコ「このキーホルダー…、確かあなたが見つかった頃にはまだ市場に流通してなかったはずなのよね…、もしかして販売業者の人だったの?」

絵里「…」

ヒデコ「…絵里ちゃん?」

絵里「…え、あぁ!あ…、いえ、わからない、わ。だけど…。このキーホルダーを見てると、何か…、悲しいような、暖かいような。不思議な気持ちになってくる気がするの」

絵里「この気持ちは…、一体…」



医者の診察室


真姫「どういうことよっ!!もう一回言ってみなさいよぉっ!!」

凛「ま、真姫ちゃんっ!お、落ち着いて…」

ことり「そうだよ…!掴みかかったって…」

真姫「これが落ち着いてられるものですか!!今、なんて言ったかもう一度…」

ドクター「で、ですから!そんな手術私には到底不可能です!ガイアメモリの成分のみを体外に排出など…、馬鹿げている!」

真姫「あなた医者でしょう!?人の命を救うのが医者の仕事でしょう!?最善を尽くすのが医者の矜持でしょう!?なんで出来ないのよっ!!」

ドクター「た、確かにそういう実験を行われたというデータはありますが…、全て動物実験の範疇ですし…」

ドクター「成功率も微々たるもの…、仮に成功したとしてもねぇ…、ガイアメモリというのは体内全てを変異させるものだから…」

ドクター「成分をこそぎ取る際、一緒に色んなものも持って行っちゃうんですよねぇ…。ですから成功したとて、その人がまっとうに生活できるようになるとは…」

真姫「ふざけるなぁぁぁっ!!!!」

ドクター「ひぃっ…!」

凛「真姫、ちゃん…?今日の真姫ちゃん、おかしいよ…?」

ことり「いつもより…、冷静じゃない…。そういう取り乱すのは希ちゃんの役目、でしょ…?」

凛「…って、その希ちゃんはやけに静かだけど…、どうしたの?」

希「…」

凛「…希ちゃん?」

希「真姫ちゃんは…、全部わかってるんや…」

凛「え…?」


真姫「そんなの…、そんなのわかりきってるのよぉぉっ!!だけど…、医者ならなんとかしてくれるんじゃないの…!?」


希「音楽室であれだけ長時間調べて…、あらゆる実験結果を根こそぎ調べて…、きっと誰よりもその手術のことをわかりきってる」

希「だからこそ…、真姫ちゃんはすがらざるを得ないんよ。成功しないはずのものが成功する…、…奇跡、ってのに」


真姫「もうっ…、嫌なのぉっ…!!大切な人を失うのも…、大切な人が、大切な人を失って泣いているのを見るのも…!!」

真姫「だからぁっ…、お願い…!助けて、神様…!絵里を…、助けてあげてください…」

ドクター「…私は、人間だ。神様じゃ、ない…。できないことだって…、あるんですよ…」

真姫「うぅっ…、う、うぅぅっ…!!」


凛「真姫、ちゃん…」


ガララッ

絵里「…」

希「えりち…?」

絵里「お取り込み中、悪いけど…、希」

絵里「少しお話、いいかしら?」

じゃあまあ今日はここまで
ドクター役井坂深紅郎ってことで脳内再生しておいてください 井坂先生は普通にお医者さんもやってるんですよ
じゃあまた次回 できれば明日か無理なら明後日に ほなな

最近隔日更新になってきてしまった 毎日更新したい
おそらく叶うことはないだろう とりあえずこの話は今日中に終わらせよう ってことでやっていきます

音都総合病院前


絵里「ごめんなさい。…込み入った話だった?」

希「あ、いや…、別に…。それで、うちに話、って…」

絵里「あぁ…、これ。このストラップなんだけど…」

希「あ…、バロンくんの…」

絵里「知ってるのね?このストラップのこと」

希「…もちろんや。これは…、うちとえりちとの、絆の証でもあるし…」

絵里「絆…。そのせいかしら。これを見ると…、胸が暖かくなるのは…」

希「胸が?」

絵里「えぇ…。でも同時に、きゅっと締め付けられるような、少し切ない気持ちにもなるの…。これって…」

希「それは…、それはね。そのストラップが…、うちとえりちだけのものじゃない、から」

絵里「…?」

希「そのストラップ…、バロンくんをデザインしたのは、えりちの妹さん、亜里沙ちゃんやってん」

絵里「ありさ…?私に、妹がいるの?」

希「あぁ…、うん。そうらしい…」

絵里「じ、じゃあ…、私が生きてるって知らせてあげたほうが…!きっとその妹も喜ぶ…」

希「…いや、その必要はないよ」

絵里「え?」

希「…えりちの妹さん、亜里沙ちゃんは…、もう亡くなってる。既に、数年前にね」

絵里「亡くなって…、死んだ…?」

希「うん。うちも会ったことない。えりちから少し話を聞いただけ、やから」

絵里「そ、そう…、なの…」

希「多分、えりちがバロンくんのストラップを見て切ない気持ちになるのは、心のどこかに残ってる亜里沙ちゃんの記憶が疼くから」

希「真姫ちゃん、言ってたよ?えりちが無意識に外へ飛び出すのは、ほんの少し残留した記憶に引っ張られているからだ、って」

希「残っている記憶…、おそらくそれは、亜里沙ちゃんの記憶。えりちが誰よりも大切やった妹さんの記憶」

希「そんな感じ、しない?」

絵里「…」

絵里「…正直、よくわからない」

絵里「そうと言われれば、そうかもしれないし、…そうじゃないかもしれない。だって」

絵里「私にはそれが妹の記憶なのか、判断する材料が少なすぎるから」

希「…」

絵里「…だからね、希」

希「…ん?」

絵里「聞かせて、欲しいの。あなたの知っている限りでいいから」

絵里「私が、どんな人間だったかを」

希(それからうちは…、しばらくの間、えりちの過去話をした)

希(最初に会った時…、穂乃果ちゃんの事件のときは、とっても綺麗なおねえさん、って感じやって…)

希(…次に矢敷さんのお家で会った時は、イヤなヤツだって思った、って、正直に伝えた)

希(そうやってうちが素直に思ったことを伝えることで、えりちにも伝わりやすいかな、って思ったから)

希(話しているうちにえりちもうちも楽しくなってきて、ついついテンション上がって…)



希「そんでなぁ、えりちってばそんなこと言っただけでテンションがた落ちやねんよ?」

絵里「何それ?私そんなにナイーブだったの?」

希「うん、自分でも豆腐メンタルだわ、やって。認めてたわ」

絵里「ふふっ…、へぇ…、話聞いてる限りじゃ、底意地悪そうな悪女に聞こえるんだけどなぁ」

希「べっ…、別にうちがえりちのことをそう思ってたってわけじゃないからね?確かに…、最初はイヤな子やとも思ったけど…」

希「…でも、話してるうちに、心の底からそうじゃない、ってすぐ気づいた。ただ…、とっても不器用な子やねんな、って」

絵里「ふぅん…」

希「妹さんに縛られて、自分のやりたいことを見失ってた。妹さんの夢を叶えることで、必死になりすぎて…」

希「その行為も結局空回りで、何も自分のことできてない、って気づいたのが…、うちと友達になる直前、やったっけね」

絵里「縛られて…、うん、だけど気持ちわかるわ。大切な妹の夢だもの…、どんな手を使っても叶えたくなる、っていうのは」

希「それはうちも同意見。でも…、やっぱり不器用やってんよ。叶えることに躍起になりすぎて、見えるものも見えなくなってた」

絵里「…そうね。あはは…、聞けば聞くほど、私バカね、って思えてきちゃうわ」

希「うん。…でもそれも仕方なかったんかも。えりちは…、事故死してしまった妹さんの生きた証を必死に追い求めてたから」

希「周りが見えなくなるのも、今ならわかる気がする」

絵里「…」

希「…あ、えっと…、でね。そんなえりちに大切なこと気づかせてくれたんが…」




希(…結局、うちの知ってること、ぜーんぶ言ってもた。気づいたらもう夕方で…、辺りはオレンジ色に染まってた)

希(だって、仕方ないやん?…えりちがこんなに無邪気に笑ってるんやもん。楽しくなっちゃうのも、わかるでしょ?)

希(こんなにえりちと長話するのは初めてで…、言ってみれば付き合いなんてほんの数日間程度のものやのに…)

希(何年もの付き合いの友達みたいな気がしてる。多分…、えりちもそうなんかな)

希(だけど…、どうしてえりちは笑ってられるのか、うちは不思議で仕方なかった。…もうすぐ、自分の理性が消えるかも、しれないのに)

希(もうすぐ…、メモリに殺されるか…、うちらに殺されるか、するっていうのに…)

希(それだけが…、ずっとわからなかった。少し、怖かった)

希(…そろそろ話すこともなくなったな、ってところで、目を赤く腫らした真姫ちゃんが二人に連れられて病院を出てきた)

希(大丈夫?って言ったら、かすれた声で平気、やって。…本当に、平気なんかな)

希(…もうこれで、真姫ちゃんの持つ全てが失われた。えりちを助ける術は、なくなった)

希(これから、どうする?…その一言が、どうしても言えずに。言ってしまえば、全てが終わるような気がして)

希(言い出せずにいたうちらを尻目に)

希(えりちは、屈託なく、こう言いのけた)



絵里「ねぇ、サッカーしましょう?」

音鳴公園


ポーンッ


凛「ことりちゃんっ!ヘイパスっ!」

ことり「はいっ!凛ちゃんっ!」パコンッ


絵里「させないっ!」シュバッ


希「おぉっ!えりちインターセプト上手いっ!」

真姫「さすがプロスポーツ選手目指してるだけのことはあるわね…」


絵里「はぁぁっ…」タッタッタッタッ…

絵里「これで決まりよ…!エリチカシュートッ!!」バシィッ


バシュゥゥゥゥッ!!

カコーンッ


希「やったぁ!えりち一点決めた!」

凛「ぐぬぬ…、やられたにゃ…」

ことり「ドンマイ!次頑張ろ!」

絵里「さーて、まだまだ行くわよー!」


真姫「…って」

真姫「なんでサッカーしてるのよ!?」



希「なんで、って…、えりちがやりたい、って言ったからやん?」

絵里「昨日のサッカーでルールはだいたい覚えたわ。ただボールで缶を飛ばす競技だってことは知らなかったけど」

凛「それは公園にゴールネットがないから仕方なく…」

真姫「いや…、っていうか!…その前に、絵里のメモリを取り除く方法を…」

ことり「うぁ…」

真姫「…いつまた、ペルソナメモリが覚醒するかもわからないのに…、こんな事している暇なんか…」

絵里「じゃあ…、何か案はあるの?」

真姫「え…」

絵里「私のメモリを、取り出す方法。あるの?」

真姫「それは…」

絵里「…ないんでしょ?…だったら、ただそのときをじっと待つよりも…、楽しいことしている方が有意義だわ」

凛「絵里ちゃん、それって…」

絵里「…」

ことり「もう…、受け入れた、ってこと?」

絵里「…」

絵里「まぁ…、ね」

凛「そ、そんなぁっ…!まだ諦めるには…」

絵里「諦めてなんか、ないわ」

凛「え…?」

絵里「だからこうしてサッカーして、記憶が戻らないか、試してるの」

真姫「記憶…」

絵里「記憶が戻れば、希に有意義な情報を渡せるし、メモリに対する知識だってあるだろうから、少しは抵抗を…」

凛「でもそれっ…、結局死ぬ、ってことでしょ!?」

絵里「…」

凛「そんなの…、諦めてるのと一緒じゃん!まだ絵里ちゃんは…」

絵里「…なによ。元々死んでたようなものでしょ?それが…、ほんの少しだけ生き返れた。そう思えばこの時間だって…」

絵里「幸せな時間だって、そう思えるわ」

凛「…っ」

ことり「…私はあなたのこと、伝え聞き程度にしか知らないけど」

ことり「死を受け入れるってこと、恐ろしくないの?」

絵里「…」

ことり「記憶を失う前は、とても強かったって聞いてるよ」

ことり「強いと、死ぬのも怖くなくなるの?」

絵里「…」

ことり「…ねぇ、答えて」

絵里「…怖いわよ」

絵里「死んだらどうなる、とか…、全然わからないし…、痛いのも嫌だけど…」

絵里「…でも、今、この時、私は…、楽しみたいの。この時を。この人達と」

絵里「死の恐怖に怯えて時間を過ごすなんて、私は嫌。なら短いこの時に、精一杯遊んでいたい」

絵里「これが…、私のやりたいこと。記憶を失う前の私は、やりたいことをやる、って思ってたらしいから、それに倣って」

ことり「…やっぱり、バカだよ。残された人が、どんな気持ちになるかも知らないで」

絵里「…ごめんなさい」

真姫「まだ少し、時間はあるわ。…もっとあらゆる方面から調律をかけて、あなたからメモリを取り出す術を…」

絵里「もう、いいの。真姫。ありがとう、…私のために、泣いてくれて」

真姫「…」

真姫「勘違いしないで。あれは…、あなたのための涙じゃないわ」

真姫「これ以上、…悲しい気持ちになりたくないから。全部、私のため、なのよ」

絵里「…うん。それで、いい。それが真姫の、やりたいこと、なんだものね」

真姫「…えぇ、そうよ。私が、やりたかった…、ことなの…」

真姫「あなたに…、礼を…、言われる、筋合いなんて…、う、うぅっ…、うぐっ…!」

真姫「ぐ、うぅぅっ…!!悔しいっ…!!何が…、何が地球の旋律よ、音楽室よっ…!!こんなもの…、なんの役にも立たないじゃない…!!」

真姫「たった一人の命も救えないっ…!!ぐずっ…、とんだ役立たずだわっ!!」

真姫「そしてぇ…、それ以上に…!…何もできない私が…、役立たずすぎて…、悔しいのよ…!うぅっ…!!」

真姫「また、無力に…!!大切な人が死んでいくのを眺めるしか、出来ないのが…っ!!」

絵里「…そんなこと、ないわよ。真姫は…、とってもすごいわ」

絵里「私に、こんな楽しいこと、教えてくれたんだし、ね」ポンッ

真姫「…!ば、バカッ…!!こんなの…、こんなの…!う、うぅぁっ…!!」

希「…」

絵里「希…」

希「…まったく、真姫ちゃんは泣き虫やなぁ…。ヒーローは泣かない、って言ったのはどこの誰やったっけ?」

絵里「希」

希「…」

希「…本当に、いいん?」

絵里「えぇ…。いいのよ」

絵里「あなたが話してくれたおかげで、決心がついた。今、やりたいことをやる、って」

絵里「こうしてあなたたちとかけがえのない時間を過ごしたい。それが今の私の、やりたいことなの」

希「…うちがえりちの事、話してるとき…、えりちがあんなにも楽しそうやったのは…」

希「楽しいことしか、考えてなかったから、やねんね。もう、やりたいことしか、考えてないん、やね」

絵里「えぇ。だって…、悲しいこと考えても仕方ないじゃない。その時間が勿体無いわ」

絵里「今を最大限に楽しみたい。…ダメなこと、なのかな?」

希「…うちは」

希「…っ」

希「うちは…、それがえりちのやりたいことなら…」

希「…否定は、しないよ」

絵里「…ありがとう、希。ふふ、それにね…、天国に行けばもう一度会えるかもしれないし、その…、亜里沙、に」

絵里「だからその前に記憶も取り戻しておかないと。喋りがぎこちなくてバレちゃうかも知れないし」

絵里「さ、サッカーの続きを…」



ドクンッ



絵里「…っ!!ぐ、うぐぅぅっ…!!」


凛「な、何っ!?」

ことり「急に苦しみだした…、これは…!」

真姫「マズい…!始まった…!!」

希「って、ことは…!!」

真姫「ペルソナの、覚醒…!!」



ドクンッ



絵里「ぐ、うぅっ!!ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ピチュゥゥンンッ…!!

ペルソナ・D「ハァッ…!あ、グゥゥッ…!!」


希「えりちっ!!」

ペルソナ・D「ダメェッ…!今、チカヨったら…、アナタを、キズつけちゃウ…!!」

希「でも…、でも…っ!!」

ペルソナ・D「モウ…、イシキを保っテられるノモ…、スコシ、しか、ない…!!」

ペルソナ・D「だから…!サイゴに…!ツタエタい、ことが…!!アルの…!!」

希「えっ…」

ペルソナ・D「キオクガ戻ラナかったのは…、すこし、ザンネンだったけド…、でも…」

ペルソナ・D「アナタとハナシたジカン、ミンなトサッカーシタコノとき…、トッテモ、タノシカッタ…!」

ペルソナ・D「だから…、モウ、オモイノコスコトハ、ナイ、カラ…」

ペルソナ・D「ワタシヲ…、コロシテ、ノゾミ」


希「…っ!!」


ペルソナ・D「セメテ、ダレカヲキズツケルマエニ…、オネガイ…、オネガイ、ノゾミ…!!」

ペルソナ・D「ワタシハ、ワタシノママ…、シニタイ」

ペルソナ・D「ダカラ…、ダカ…、ラ…」

ペルソナ・D「ノ、ゾ…、ミ…」



「ダイ、スキ…」



ペルソナ・D「…」


希「…」

真姫「…希」

希「うん…、今、意識が消えたこの瞬間なら…、えりちに怖い思いをさせることなく…」

凛「希、ちゃん…、真姫ちゃん…、本当に、やる気なの…?」

真姫「それが絵里の…、最後の望みなのよ。私たちが、叶えてあげないと…!」

希「…うん、やろう。うちが、うちらが…」

希「…えりちに、最後の一撃を…!!」\スター!!/

真姫「…ッ!!」\クレッシェンド!!/


希・真姫「「変身っ!!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン



Muse「…」


ペルソナ・D「…」


Muse「…えりち」「希」

Muse「わかってる。わかってるけど…」「…早く、真姫シマムを」

Muse「…うん、…うん」「希っ!」

Muse「あぁっ…!!わかってる!!くっ…、クッソォォォォォォッ!!!!」



\スター!!真姫シマムドライブ!!/



Muse「「はぁぁぁぁぁっ!!!」」


ペルソナ・D「…」



バシィィィンッ!!

Muse「「はぁぁぁぁぁっ!!!」」


ペルソナ・D「…」



バシィィィンッ!!



Muse「ぐ、はぁっ…!?」バタッ


凛「えっ…!の、希ちゃん!?真姫ちゃんっ!?どうして…」

ことり「さっき、Museの真姫シマムが当たる寸前…!横から何かが…」


Muse「今、のは…!」「くっ…、間違いない、この気味の悪い旋律は…!」



パチパチパチパチ…


ミックス・D「…フフ、そうです、私ですよ」

Muse「園田海未…!」「くっ…、またあなた…!」

ミックス・D「いやぁ…、本当に絢瀬絵里をメモリブレイクしそうになるなんて焦りましたよ」

ミックス・D「しかもあんな青春臭い芝居をされては…、見ている方もあまり楽しくないので」

ミックス・D「やはりここは、絢瀬絵里さんには存分に暴れてもらおうかと」

Muse「ぐぅっ…!貴様ぁぁっ!!」「やはり…、あなたは生かしておくべきじゃないようね…!!」

ミックス・D「フフ…、ならばどうしますか?」

Muse「うちがこの手で…!」

ことり「…待って」

Muse「こ、ことりちゃん…」

ことり「希ちゃんたちは絵里さんをメモリブレイクすることだけを考えて。こいつは…」

ことり「私が、やる」\ナイト!!/

ミックス・D「…いい加減、あなたにも飽きてきました。そろそろ殺して差し上げましょう」

ことり「…笑止。変…、身…っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「へぁぁぁぁぁっ!!」ダダダッ!!

ミックス・D「ふっ、はっ!」ヒュンッ!!

バシィッ!!



Muse「今は、あいつはことりちゃんに任せよう」「…そうね」

Muse「うちらはえりちを…、あれ?えりちがいな…」「希っ!!後ろっ!!」「えっ…」


ヒュンッ!!

バキィッ!!


Muse「ぐ、がぁぁぁっ!!!」


ペルソナ・D「く、クククク…!!キハハハハハハハッ!!!」

ペルソナ・D「…オハヨウ、ソシテ、コロス」

Muse「ペルソナ、ドーパント…!」「ぐっ…、ついに、目覚めてしまったのね…!」


ペルソナ・D「ヒヒィ…、ヨクネタァ…。オカゲデ、コンドコソオマエヲ…、クイコロスコトガデキル…」

ペルソナ・D「ギァァァァァッ!!ヒヒハァァァァァァッ!!!」ヒュンッ!!


ズバシュッ!!


Muse「ぐぅっ…!!」「早いっ!今朝の数倍…!」

ペルソナ・D「ハヒャァッ!!」ビュンッ!!

Muse「くぅっ…!!防ぐのが、精一杯…!」

ペルソナ・D「ヒャァッ!!ウラァァッ!!」ズババババッ!!

Muse「ぐぎぃっ…!!く、クソぉっ…!くそぉっ!!」



ナイト「はぁぁぁっ!!」ヒュンッ!!

バシュゥッ!!

ズバッ!!

ミックス・D「ごふぅっ…!な、なかなか、やりますね…!ですが…!!」

ナイト「ふっ!」\ビショップ!!/

ミックス・D「なっ…、早い…!」

\ビショップ!!/ パオーンッ \ナイト!!プロモーション!!/

ビショップ「てやぁぁぁっ!!」シュババババッ!!

ミックス・D「ぐおぉぉっ!!?」

ビショップ「たぁっ!!」ブンッ!!

バキィッ!!

ミックス・D「がはぁっ…!!な、い、いつの間に、こんな力を…!?」

ビショップ「フンッ…!人は日々進歩するんだよ…!」

ビショップ「さぁっ…、これで止めっ!!」


ヒュンッ!!


ビショップ「…っ!」ヒュッ

バシュゥッ!!


ドロレス・D「…危なかった」

ビショップ「貴様ァ…!邪魔を…、するなァッ!!」

ミックス・D「おや…、背中を向けている場合ですか?」\サンダー!!/\ジャベリン!!/

ヒュンッ!! バシィッ!!

ビショップ「ぐ、ふぁっ…!!」


ミックス・D「…ふぅ、助かりました。ありがとうございます」

ドロレス・D「冗談ばかり。…全く本気を出してなかったくせに」

ミックス・D「あなたにいいところを譲って差し上げただけです。さぁ…、二人で強力して敵を殲滅しましょう」

ドロレス・D「…了解」


ビショップ「くっ…!」

ペルソナ・D「ハハハハハッ!!クラァッ!!」

バキィッ!!

Muse「う、ぐぅっ…!!」「歯が、立たない…!もうエクセレントしか手はないわ!」

Muse「く、ぅ…!」「希、エクセレントよ!希っ!」

Muse「…う」「もしかして…、まだ迷っているの!?希ぃっ!!これ以上絵里を暴れさせたら、先にメモリに生命を食い尽くされるわ!」


希(…ちがう)


Muse「…違う」「だったら、早くエクセレントを!」

Muse「…あぁ!来い、エクセレント!」


<キュイィィィィィィッ!!

\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー


Muse「はぁっ!!!」

ペルソナ・D「グゥッ…!?コノヒカリハ…!」

Muse「ムーンソードッ!!」キンッ!!

Muse「てやぁぁぁっ!!」ブンッ!!

ズバシュッ!!


ペルソナ・D「グガァッ…!!」


Muse「だぁぁぁぁっ!!」ビュンッ!!

バシュゥゥッ!!

ペルソナ・D「グギィィィィッ!!オノレェ…!!ユルサンッ!!」ビュンッ!!


シュタタタタッ!!


Muse「なんて速さ…!」「だけど…」


ペルソナ・D「ヒャァァッ!!」ビュンッ!!


Muse「「そこだっ!!」」バッ!!

キィンンッ!!

ペルソナ・D「ナッ…!」

Muse「その程度…!」「お見通しなのよっ!!たぁっ!!」ブンッ!!

ズバァッ!!

ペルソナ・D「グガァァッ!!が、グフゥッ…!」


Muse「これが、エクセレントの力…!」「…さぁ、希。今度こそ…!」

Muse「…」「希っ!!」

Muse「…」「希ぃっ!!」

Muse「うっ…、うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


\ストレングス!!真姫シマムドライブ!!/\ビブラート!!真姫シマムドライブ!!/\フォルテ!!真姫シマムドライブ!!/\コン・フォーコ!!真姫シマムドライブ!!/



Muse「「てりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

希(…ちがう)


(絵里「…なによ。元々死んでたようなものでしょ?それが…、ほんの少しだけ生き返れた。そう思えばこの時間だって…」)

(絵里「幸せな時間だって、そう思えるわ」)


希(…ちがう)


(絵里「こうしてあなたたちとかけがえのない時間を過ごしたい。それが今の私の、やりたいことなの」)


希(…ちがう、違うっ…!!)


(ペルソナ・D「アナタとハナシたジカン、ミンなトサッカーシタコノとき…、トッテモ、タノシカッタ…!」)

(ペルソナ・D「だから…、モウ、オモイノコスコトハ、ナイ、カラ…」)

(ペルソナ・D「ワタシヲ…、コロシテ、ノゾミ」)


希(違う、違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!!)




Muse「違うっ!!!」

ダンッ!!


凛「えっ…!ふ、振り上げた剣を…、地面に刺しちゃった…」


Muse「な、何をしてるの希っ!!なんで真姫シマムを途中で…」「…」

ガチャッ…

Muse「希…?や、やめなさい希っ!!なんで…、なんでエクセレントメモリを引き抜こうと…!!」「…」

Muse「希ぃぃぃっ!!!」「…」ピチュゥゥンンッ…


希「…」


凛「の、希、ちゃん…?」



ビショップ「ぐ、はぁぁっ!!ぐ、く、くそぉ…!」

ミックス・D「ふっ…、大口叩いておきながらこの程度ですか…。笑わせてくれます」

ドロレス・D「…見て、あっち。…あちらの方が、面白いことになってる」

ミックス・D「ん…?おやおや、あれは…」



真姫「希っ!!何変身解除してるの!早くっ…、もう一度変身を!!」


希「…」

ペルソナ・D「…グギ?ドウシタ…、タタカワナイノカ…?」

希「…」

ペルソナ・D「ナラバ、エンリョナク…!キヒヒィッ!!」ブンッ!!

希「…嘘つき」

ペルソナ・D「エ?」ピタッ


希「えりちは…、大嘘つきや」

色々書きすぎて冗長になってしまった… 今日中に終わらせられなかったし
というわけで続きは次回 ここからならすぐ終わるはず 待っててね ほなな

始めます 流石に今日で終わるはず

希「えりちは…、大嘘つきや」


ペルソナ・D「…?」


真姫「ちょっ…!何言ってるのよ希!!!?トチ狂ったの!?」

凛「ペルソナ・ドーパントに対して会話しようとしてるの…?」



ドロレス・D「クフッ…」

ドロレス・D「アハハハハハハハハ!!なんて…、なんて愚かなの!」

ドロレス・D「最後の最後まで甘すぎるお子様だったわねぇ…、東條希」

ドロレス・D「そのままペルソナ・ドーパントに八つ裂きにされるがいいわ」




希「なんで…、いっつもそうなん…?」

希「自分の本当にやりたいことは隠して、他人を傷つけないようにする」

希「亜里沙ちゃんのときだってそう。えりちは自分の夢を捨てて、亜里沙ちゃんの夢を叶えようとした」

希「…何もかも、自分が犠牲になればいい、なんて思ってるんや」

希「でもっ!!そんなん違うやんっ!!」

ペルソナ・D「ナニイッテンダコイツ…、ウルルァッ!!!」ヒュンッ!!

ズバシィッ!!

希「ごふぅっ!!うぐ、ぎ…!」


真姫「希っ!またアイツ…、甘い考えで殺されかかって…!ここは、ワイルドで…!」

凛「…待って、真姫ちゃん」

真姫「えっ…、な、何言ってるのよ!希が死ぬかも知れないのよ!?一刻の猶予も…」

凛「希ちゃんだって、バカじゃない。きっと、何か考えがあってやってることなんだよ」

真姫「そ、そう…?私にはそうは思えないけど…」

凛「…実は、凛も。でも、希ちゃんは…」



ビショップ「…希ちゃんは、ハーフボイルドだからこそ、ほかの人じゃ成し得ないことをこれまでもやってきた…」

ミックス・D「おや…、まだ立てるのですか。しぶといのですね、あなたも…」

ビショップ「だから…、今だって、そう…、起こせるはず。奇跡を…」

ドロレス・D「…バカバカしい。奇跡というのは、そう簡単に起きないから奇跡と言うの」

ドロレス・D「そして彼女は、奇跡を起こせるような器ではない。奇跡というのは…」

ビショップ「…なら、黙って見ていればいい…。希ちゃんが、ペルソナにやられて散っていくのが先か、それとも…」

ミックス・D「奇跡が起こるのが先か…。フフッ…、いいでしょう。見せてもらおうじゃないですか」

ドロレス・D「…いいの?」

ミックス・D「いいではないですか。…存在しないものにすがろうとしてあっけなく散っていく一人…、いえ、ふたりの女性の姿、とても美しいものです」



希「ぐふっ…!!ぐぎっ…!!」

ペルソナ・D「マダヤルカ…、トアァァッ!!」バキィッ!!

希「ぐうぅぅっ!!!ぎっ…、まだ、まだやぁっ…!!えりち、うちは…っ!!」

希「うちは…、嘘つきが大っ嫌いやからねぇっ!!」

希「ぐふぇっ…!!えりちは…、うちのこと、大好き、って言ってくれたけど…!!」

バキィッ!!

希「ごっ…、ぐひぃっ…!!うちは…、今のえりちなんか…、大嫌いやっ…!!」

ゴスゥッ!!

希「えぶぅっ…!!自分の…、自分のしたいこと、素直に言えへん子なんて…、うちは…」

希「大嫌いなんやぁぁぁっ!!!」


バキィィッ!!


希「い゙っ…!!たいなぁぁっ!!」ブンッ!!

ゴンッ…!!



真姫「あ、アイツ…、生身でドーパントに頭突きかましやがったわよ…」

凛「う、痛そう…。案の定頭から血が…」



希「はぁっ…!!はぁっ…!!そんな…、言われて悔しいなら言い返してみろっ…!!」

希「えりちの…、えりちの本当にやりたいことをっ!!」

バキィッ!!!

希「ぶっ…、ここで、死んでも、悔いがない、やって…!?そんなわけ、ないやろぉっ…!!」

希「うちな、うち…、聞こえてたんや…!!えりちが出て行く直前の、言葉…!そのあと、すぐに寝ちゃったけど…」

希「えりちは、ずっとうちらと一緒にいたい、って…、そう言ってくれたやんかっ!!」

希「だったら…、だったらこんなところで死んでいいはずないやろぉっ!!」

希「もっと、生きようよ!」

希「生きて…、生きて、生きて生きて、生きてずっとずっと一緒にいようよ!!」

希「うちは…、うちはそうしたいっ!!えりちと、これからも、ずっと一緒にいたいんよっ!!」

希「えりちは違うんか!?えりちは…、うちと一緒にいたくないん!?昨日の言葉は、嘘やったん!?」

希「そんなこと…、そんなことないやろぉっ!!そう思ってるはずや…、いや、絶対思ってる!!うちがそう決めた!」

希「そしたらぁっ…!!そんな…、そんなヤツに乗っ取られて、命吸われて死ぬこと、簡単に受け入れるんかっ!!」

希「たかがガイアメモリやっ!!ただの道具に殺されることを良しとするんかっ!!」

希「昨日の、昨日の言葉が嘘やない、って…!!ずっと一緒にいたい、って今でも言ってくれるならッ…!!」

希「そんなヤツ、とっととぶっ倒せ、えりちぃっ!!!」

希「そんで、もう一回、聞かせて…!!」

希「えりちの、本当にやりたいことっ!!」




ペルソナ・D「ア?」

ペルソナ・D「ウルサイヨ、オマエ」

ペルソナ・D「トットト、シネ」ブンッ


ザシュゥッ


希「あっ…!」

ペルソナ・D「トットト、シネ」ブンッ


真姫「まずいっ…!ドーパントが希の腹を貫こうと…!希っ、避けてっ!!」

凛「希、ちゃんっ…!!」



ビショップ「…っ!」

ドロレス・D「やはり…、奇跡など、存在しない」

ミックス・D「アハ…!さぁ…、綺麗な花、咲かせてください…!!」



希「…くぅっ…!」


ザシュゥッ


希「…」

希「…」

希「…え?」


ペルソナ・D「ギ…、ギ…?」

ペルソナ・D「ウデ、ガ…?オレノウデガ、ウデヲ…」



真姫「希の腹を突き刺そうとした腕が…、もう片方の腕で止められた…?」

凛「う、しかも指が貫通してるにゃ…!」



ミックス・D「アッ…、ハ…ハ?」

ドロレス・D「…一体、何が…?これは、どういう…」

ビショップ「…どうやら、あったみたいだよ?」

ドロレス・D「…はい?」

ビショップ「…奇跡、ってやつが」



ペルソナ・D「ギ、ギギ…!ギィッ…!!」

ペルソナ・D「イチ、イチ…、ウルサイ、ンダヨ…!」

ペルソナ・D「ソンナ、コト…、イワレナクタッテ…」

ペルソナ・D「ワカリ、キッテルンダカラ…!!」

希「えっ…?」

ペルソナ・D「ヒトガ…、オトなしく…、諦めテルッテのニ…」

ペルソナ・D「それを…、わざわざ否定して…」

ペルソナ・D「まだ私に…、生きさせようとする、なんて…」

ペルソナ・D「希を…、こんなふうに、痛めつけたくなかったから…、私は、死にたかったっていうのに…」

ペルソナ・D「…ホント、ひどい傷…。ホント、バカ、なんだから…」

希「え、えりち…?」

ペルソナ・D「…だからこそ、好きよ、希」

ペルソナ・D「こんな私に、もう一度生きる希望を思い出させてくれたから」

ペルソナ・D「そう…。そう、私は…。私の、やりたいことは…っ!!」

ペルソナ・D「ギ、ギギィィィッ!!ナニカッテニシャベッテンダテメェッ!!」

ペルソナ・D「ぐっ、ウグッ…!」


希「あっ…、えりちっ!!」


ペルソナ・D「コレハオレノカラダダァ…!テメェハモウヨウズミナンダヨォ…!ヒヒヒッ…」

希「えりち!負けたらあかん、負けたらっ…!」

ペルソナ・D「ウルセエンダヨボケガァッ!コンドコソ…、ア、アァッ…!?」ガシィッ!!

希「んなっ…!?じ、自分の仮面を掴んだ…?」

ペルソナ・D「ヤ、ヤメッ…、ヤメロォッ…!!コイツ…!ヒキハガソウト…!」

ペルソナ・D「あんたこそ、邪魔よ…!!これは、私の身体なの!出て行きなさいっ!!」

ペルソナ・D「ギギギギィッ!!フザケルナァッ!!テメェハオレニツカワレレテレバソレデ…」

ペルソナ・D「誰に…、誰に向かって口聞いてるのかしら?メモリ風情が…ッ!!」

ペルソナ・D「私は…、私は絢瀬絵里よ!!かしこいかわいいエリーチカ様なのよっ!!」

ペルソナ・D「ハッ…?ハァァァァァッ!?」

ペルソナ・D「私はねぇっ…、まだまだ、やりたいことがたっっくさん残ってるの!こんなところで死ぬわけにはいかないのよ!!」

ペルソナ・D「それが私の夢でもあり…、亜里沙の願いでもあるんだからっ!!」


希「え、えりちっ…!!もしかして、記憶が…!」


ペルソナ・D「とりあえず…、まずはぁっ…!!」ググッ…、ググググ…

ペルソナ・D「や、ヤメロォッ…!ヤメテクレェッ…!!」

ペルソナ・D「私は…、生きたい!生きて…、とにかく、生きるっ!!」ググッ…、ググググ…!!

ペルソナ・D「それを、邪魔するヤツは、なんであろうと…!!」グググッ…!!

ペルソナ・D「ぶっ壊してやるんだからぁっ!!」バキィンッ!!



真姫「仮面がっ…!」

凛「外れたにゃぁっ!!」



ペルソナ・D「はぁっ…、はぁっ…。おわかりかしら?」

仮面「…」

ペルソナ・D「返事は?」

仮面「…ハイ」

ペルソナ・D「…よろしい。じゃ、とっとと私の身体から出て行きなさい」

仮面「…デテイッタラ、コワサナイ?」

ペルソナ・D「えぇ、壊したりしないわ。なんなら、これからも使ってあげるけど」

仮面「…ジャア、コンゴトモ、ヨロシク…」


ピチュゥゥンンッ…


絵里「…ふぅ」

絵里「手間、かけさせてくれるわね…」

希「え、えりちっ…!その手に持ってるんは…!!」

絵里「…ペルソナメモリ。なんとか、取り出せた…、みたいね」

ドロレス・D「なっ…!あれはあなたしか取り出せないはずじゃ…」

ミックス・D「…ペルソナ・ドーパントの性質として、メモリ自身が身体を放棄すれば、その限りではありません」

ミックス・D「つまり彼女は…、メモリを屈服させた、ということでしょう…、ね」

ドロレス・D「そんなことが…」

ミックス・D「…元々、記憶を失っているから、可能だったようなものです…。記憶を取り戻せば…、まぁ…」

ミックス・D「あぁ…、すっごい…、すごい腹たってきました…。こんな…、こんなことで、私のメモリが…」

ドロレス・D「ちょっ…、落ち着いて…」

ミックス・D「もう、いいです。…あなたたち、みんなまとめて…!」

ミックス・D「消し炭にしてあげますからっ…!!」ゴゴゴゴゴ…



希「ま、まずい…!園田海未がキレて、手がつけられない状態に…」

真姫「希、変身よっ!Museであいつを…」

希「う、うんっ…!へんしっ…、うぐぅっ…!!」

真姫「希っ!?くっ…、無茶しすぎるから…!ペルソナに殴られた傷がひどい…」

希「ぐ、うぅっ…!あかん、動けない…!身体、痛い…」

真姫「あぁもうっ!だったらここは私がっ…!」


絵里「その必要はないわ」


真姫「…へ?」

絵里「…私が、止める」

真姫「な、何言ってるのよ!?あなたに戦う術なんてないでしょ!?」

凛「も、もしかして、またペルソナになるの!?さっきも使うとか、言ってたけど…」

絵里「…いいえ、あれをもう身体に挿すのはゴメンよ。やっぱり、私は…」

絵里「…コレ、でしょ」スッ


ドロレス・D「そ、それは…!?」


絵里「…私の運命のメモリは、やっぱりこいつよね。…ディコーラム」


ドロレス・D「貴様っ、どこでそれを…!…はっ、まさか、あの夜…!」


絵里「そう、あなたに押さえつけられて、逃げ出そうと必死にもがいていたあの瞬間に…」

絵里「…この子は私の手の内へと収まりに来てくれた。あなたがこれを持っていたことも偶然してね」

絵里「いえ…、これすらも必然、なのかもね。ガイアメモリは引き合う、っていうから」


ドロレス・D「だが…!それをどうするつもりっ…!?」

ドロレス・D「フハッ…、あなたはガイアドライバーもなければメモリコネクタもない…!どれだけメモリが強力であろうと、使えなければ無用の長物に過ぎない…!!」


絵里「…心配には及ばないわ。私には…」

絵里「これが、あるから」スッ


ドロレス・D「…っ!!?!?!?そ、それは…!?」


真姫「ロスト、ドライバー…!?どうして、あなたが…!?」

絵里「…貰った」

真姫「貰った、って…、誰に…?いつ…?」

絵里「…記憶は曖昧だけど、海に落ちて、溺れて…、死ぬって寸前に…」

絵里「…なんか、包帯巻きの女の人が引きずりあげてくれた気がするわ。その時にね」

真姫「し、シュラウド…!」

絵里「…じゃあ、行きましょうか」カチャッ


凛「も、もしかしてっ…!?」

真姫「やっちゃうの…?」


絵里「今更私が…、アイドルなんてね」\ディコーラム!!/

絵里「柄じゃないけど…、フフ、言わせてもらうわ」

絵里「変身っ!!」


ガシャンッ!! \ディコーラム!!/


バヒュワァァァァッ!!


真姫「ぬおわっ…!凄まじいパワー…!」

凛「ま、まさか…!絵里ちゃんが…!」

希「へん、しんするなんて…」


「…フゥー」


ドロレス・D「なっ…!これが…、ディコーラム・ドーパントの、新しい姿…!?」


「ディコーラム・ドーパント?違うわね、ナンセンスだわ」

「…今の、私は」



ディコーラム「仮面、アイドル…、ディコーラムよ」

凛「ひょ、ひょえぇぇぇぇっ!!!絵里ちゃんが…、絵里ちゃんがぁっ…!!」

真姫「仮面アイドルに…!」



ドロレス・D「フンッ…!小賢しいィ…!お前など…!」

ミックス・D「邪魔です」バキィッ!!

ドロレス・D「あぐぅっ…!な、なにを…」

ミックス・D「こいつらは私が…!私が全て、焼き払う…!!」\ヴォルケーノ!!/\ラプター!!/

ミックス・D「燃やし尽くしなさいッ!!灼熱の怪鳥よっ!!」

<グゲェェェェェェェッ!!



希「んなっ…!あいつ、鳥とかまで召喚できるんか…!?」

真姫「どこまで底なしなのよ、アイツの力は…!」


ビショップ「ぐ…!身体が…、動けば…!クソォッ…!」



ディコーラム「…」


<グゲェェェェェェェッ!!

シュバァッ!!


真姫「来るっ…!」

凛「危ないっ!!」


ディコーラム「…遅いわね」シュババッ


<グゲッ!!?


希「き、消えた…?」

真姫「違う…。超高速で移動してるのよ!」


ディコーラム「ハァッ!!」

ズバァァンッ!!


<グゲェェェッ!!?

バゴォォォンッ!!



ドロレス・D「なっ…!」

ミックス・D「わ、私の…、私の力が…、一撃で…!?」


ディコーラム「この程度で…、この程度で私を倒すつもりなら…」

ディコーラム「…ナンセンスとしか言いようがないわね」


ミックス・D「くっ…!クァァァァァァッ!!!」\ハリケーン!!/\サンダー!!/\ブレイズ!!/\コールド!!/

ドロレス・D「お、落ち着いて海未さんっ!!」

ミックス・D「私を…!私を侮辱するなど…!!許せませんっ!!!ぶちっ…、殺しますっ!!」

ディコーラム「私の武器…、Dフェンサー…。こいつに!」\ペルソナ!!/

ディコーラム「早速働いてもらうわよ!ペルソナメモリ!!」ガチャンッ!!

\ペルソナ!!真姫シマムドライブ!!/


ディコーラム「ディコーラム1(アジン)ッ!!」


1「ヒャッハァァァァッ!!アタラシイカラダダァッ!!」


ディコーラム「ディコーラム2(ドゥヴァー)ッ!!」


2「コッチノホウガミガルデラクチンダナァ!!」


ディコーラム「ディコーラム3(トゥリー)ッ!!」


3「イシキがミッツアルノモオカシナモンダケドナァッ!」


ディコーラム「行きなさいっ!」



真姫「分身能力も残っている…!しかも、今度は絵里とは別の意識を持って…!」

凛「あれが…、ペルソナメモリの力かにゃ?」



1「ハッハァ!!」 2「ウラァァッ!!」 3「ホラホラァッ!!」

シュバババッ!!


ミックス・D「んなっ…!こ、こいつら…!!私の邪魔を…!!どきなさいっ!!」

1・2・3「「「コトワルッ!!」」」

ズバシュッ!!

ミックス・D「ぐふあぁぁぁっ!!」


ビショップ「すごい…!あの園田海未を…、圧倒してる…!」



ディコーラム「これで…、終わらせるっ!!」\ディコーラム!!/

\ディコーラム!!真姫シマムドライブ!!/


ディコーラム「あの時の嵐は…、まだ私の記憶に残っている…!」

ディコーラム「それを旋律に乗せて…、この剣に纏わせる!」


ディコーラム「貫けぇっ!!ディコーラム…、テンペストォォォッ!!」


ヒュバァァァァァァァッ!!


ミックス・D「ぐ、ぐぅっ…!!こ、こんな、ところでぇっ…!!」

ドロレス・D「危ないっ!!」ドンッ

ミックス・D「なっ…」


ズバシィィィィィンッ!!


ドロレス・D「ぐ、グアァァァァァァァァァァッ!!!!」

ドロレス・D「ぐ、がはぁっ…!」

ミックス・D「え、英玲奈さん…!私を、庇って…?」

ドロレス・D「ぐふぅっ…、ぶ、無事…?それなら…、いい…」ピチュゥゥンンッ…

英玲奈「ぐ、うぅっ…」パキンッ

ミックス・D「…メモリが、割れてしまった…」


ディコーラム「くっ…、英玲奈に邪魔された…。もう一度…!」


ミックス・D「…帰って、修理しなくては…」


ディコーラム「は…?」


ミックス・D「今ならまだ…、基盤も形が残ってますし、能力の復元も…」

ミックス・D「帰りましょう、英玲奈。早く、あの家へ…」


ディコーラム「ちょっ…!逃げるの!?」


ヒュォォォォォッ…!!


ディコーラム「うぐっ…、風が…!」

ディコーラム「…ちっ、逃げられたわね…」ピチュゥゥンンッ…

絵里「…ふぅ」


凛「すっ…」

凛「すごいにゃすごいにゃすごいにゃー!!」

真姫「…新しい、仮面、アイドル…」

絵里「あ、はは…。まさか、私まで、なっちゃうなんてね…」

絵里「うぐっ…!」

凛「絵里ちゃんっ…!?ど、どうしたの?」

絵里「…長い間ペルソナに身体を支配されてたせいで…、身体の調子が…、いたたた…」

真姫「…それは大変ね。今すぐ、病院へ逆戻りだわ。…希もね」

希「う、うん…」


ことり「…」

真姫「ことり、立てる?」

ことり「う、うんっ…。平気…」

真姫「そう。私たちは病院へ行ってるわ」

ことり「…うん」

ことり「…」

ことり「私にも…、力があれば…。くっ…」

数日後

音都総合病院 ふたりの病室


希「はぁ…、また入院か…」

絵里「いいじゃない。そういえば、あなたと友達になったのもこの病院だったわね」

希「つくづく病院と縁がある気がするわ…」

絵里「…ね、希」

希「何?」

絵里「ちゃんと、聞こえてたわよ。あなたの言葉」

絵里「私の、本当にやりたいこと、か…」

絵里「あの言葉のおかげで、私は自分を取り戻せた。記憶もね。感謝してるわ」

希「そう。よかったわ」

絵里「それでね…。私のやりたいこと、についてなんだけど」

希「ああ…、もう『生きる』、って目標は一応クリアできたもんね。どうするん?やっぱり…、フェンシングを?」

絵里「それなんだけど…、私―――」




???


海未「英玲奈…。で、できました…。新しい…、ドロレスメモリ、です…」

英玲奈「あ、ありがとう…。これ…、海未が作ったの…?」

海未「はい…。作ったと、言うより…、修理改良を同時にした、といった感じですが…」

海未「具体的には…、身体能力の向上や、脳に揺さぶりかける出力の増大…、その他もろもろをパワーアップしました…」

海未「その分身体に掛かる負担も以前より増しますが…、まぁ…、あなたなら平気でしょう…」

英玲奈「あ、あぁ…、ありがとう…。でも、その目の下の隈…、すごいことに…」

海未「め、メモリは鮮度が命ですから…、壊されたあと、一睡もせず…、と、とりあえず、今は寝ます、おやすみなさい…」

海未「…くかー」

英玲奈「あぁ…、そこは床なのに…。全く…」

英玲奈「…」

英玲奈「…どうして」

英玲奈「あなたは、美しさにしか興味のない人間では、なかったの?」

英玲奈「私のことを気遣い、私のメモリをこんなになってまで修理するなんて…、あなたらしくない」

海未「くかー…」

英玲奈「あなたも…、変わりつつあるの?海未…」

さらに数日後

東條西木野☆探偵事務所内


ガチャッ チリンチリーン

希「ただいまー」


凛「おっかえりー!希ちゃん、退院おめでとー!」

真姫「あぁ、お帰りなさい。あなたがいないせいで暇だったんだから」

希「それはごめんなー。あ、でもでも!今度からはもーっと事務所が盛り上がるから!」

凛「にゃ?どういう意味?」

希「うふふ…、それでは、今日より新しくうちらの探偵事務所に加わるメンバーを紹介するよっ!」

希「入ってきて!」


ガチャッ


希「じゃ、自己紹介を!」

絵里「…絢瀬絵里。前職はメモリの売人をしていたわ。今の夢はフェンシングのプロ選手になることよ。どうぞ、よろしくね」

凛「お、おぉっー!!絵里ちゃんっ…!!本当にここにいてくれるの!?」

絵里「まぁね。また部屋を借りるより、ここに住ませてもらうほうがお金もかからずに済むし」

真姫「でも…、自分の夢を叶えるためにフェンシングのプロを目指すのはどうするの?」

絵里「それは、今は保留。今私がやりたいことは…」

絵里「希たちと一緒に、妹の、亜里沙の好きだったこの街を守ること。それが、私の一番の願い」

絵里「生まれ故郷が穏やかじゃないと、豆腐メンタルの私は落ち着いて競技に集中もできないしね」

真姫「…納得したわ。今後とも宜しくね」

絵里「えぇ、よろしく。凛もね」

凛「よろしくよろしくしっましょ!」

絵里「うん!あ、希ぃー。今日の寝る場所なんだけどー…、私希の隣がいいなっ♪」

真姫「なっ…!」

希「えっ…、いや、うちは…」

真姫「ちょっと!もう記憶喪失じゃないんだから隣で寝させる必要もないわ!床で寝なさい!」

絵里「別に必要だから寝るわけじゃないしー。希のとなりだと落ち着くの。ね?」

希「えっ…」

真姫「ムッキー!やっぱりこの女には別に部屋を借りて住んでもらうほうがいいわ!」

絵里「いいじゃない、希の隣で寝たい、って言っただけなんだし。それとも真姫が隣に寝たいの?どうしてもって言うなら…」

真姫「えっ…、そ、それは…///ま、まぁ…絵里がいい、っていうなら…」

絵里「絶対譲らないけどね」

真姫「こ、このっ…!!オンドゥルラギッタンディスカー!!」


希「…本当、賑やかになりそうやね」

凛「…そだね」




第25話「穴の空いたP / やりたいことは」

おわり

絵里「第25話、どうだったかしら?なかなか時間が…」

真姫「って!そこは私のポジションよ!」

ことり「なんだか大変だね…」

凛「ついにエンドトークも5人だにゃ…。μ'sの半分以上がレギュラーだよ…」

希「そう!ついにオリジナルから完全に離反した要素が!」

凛「いきなり叫んでどうした」

希「霧彦さんポジやったえりちがライダー…、というかアイドルに変身!そしてレギュラーに!いぇいっ!」

絵里「フフフ…、みんな、これからも応援よろしくね」

真姫「これで以前より話を考えるのが面倒になったわ。はぁ…、来なくていいのに」

絵里「あ゙?」

ことり「まぁまぁ抑えて…」

凛「この二人こんな犬猿の仲だっけ…」

希「まぁ均等に出番を分けるのは大変やと思うけど…、ま、なんとかなるでしょ!」

絵里「多分そんなに変身しないと思うしね」

真姫「変身といえば…、今回出てきた仮面アイドルディコーラムについてだけど」

凛「お、そうだにゃ!だいたいどんな特徴か言っておこ!」

ことり「えっと…、見た目は…」

真姫「みなさんのご想像にお任せするわ」

希「必殺技が…」

真姫「みなさんのご想像にお任せするわ」

凛「全部任してんじゃないにゃ」

絵里「唯一はっきりしてるのが、固有武器であるDフェンサー。これにはガイアメモリを挿入することができるの」

絵里「希たちのメモリや、ことりのメモリでもいいんだけど、最大の特徴はドーパントのメモリでもオッケー、ってことね」

絵里「初期アクセルの案だった、相手のメモリを奪って攻撃、っていうのができるようになるかも!?見た目はレイピアを想像してもらったらいいわ」

真姫「ということでした。ことりよりアクセルに近い性能ね」

ことり「アクセルの成分を2で割ったような感じかな?」

希「ミリアルドとトレーズがシャアの成分を云々的な?」

凛「何言ってんだコイツ」

真姫「そして次回はついにことりのパワーアップ回よ!まだなんにも考えてないけど!」

ことり「ひどいちゅん」

絵里「じゃあ最後にメモリ安価して終わりましょうか」

希「メモリ安価はケツァルコアトルスみたく大型の生物モチーフだといいかも…?」

凛「じゃあ今回はここまで!」

ことり「次回をお楽しみにね!」

真姫「これでk 絵里「これで決まりよ!」 真姫「ちょっとー!」



次回のメモリ

>>426(頭文字A,G,I,O,S,V,X,Y,Zのどれか)

gleam

せやね、大型がいいって言うんやったら少し間開けるべきだったかもね 調べる時間とかも必要だし
で、今回だけど何も思いつかない 前回で燃え尽きてやる気が出ない
ので重要回にも関わらず大量に安価使って何かしようかと考えています こんな時間に予告なしで始めてどれだけの人が来るか不安だけれど
なるべく本編沿って行きたいのであまりな無茶ぶりは勘弁やで 最大限うまく処理するように努力はするけれども
そんなこんなで不安しかないけど始めるよ あなたの安価でことりのパワーアップフォームが決定するかも!?

ことりの部屋


ガチャッ


ことり「…ただいまー」

ことり「…って、誰もいないかー…。ふぅ…、今日も疲れたなぁ…」



チーン

ことり「いただきます」

ことり「もぐもぐ…、やっぱりコンビニ弁当はセ○ンに限るね…。もぐもぐ…」


ことり「ごちそうさまでした」

ことり「…っと、じゃあ寝よっか」

ことり「あ…、布団…。最近帰ってなかったせいで散らかってるなぁ…」

ことり「片付けないと寝られないよ…。はぁぁ…、疲れてるのになぁ…」


ことり「よいしょっ…、これは、ここで…。それから、これは…」

ことり「…ん?これって確か…」

ことり「懐かしいー。これ、穂乃果ちゃんから貰った…」

ことり「…そういえば、穂乃果ちゃんとの付き合いもそこそこ長いなぁ…」




ことり(そう、確か穂乃果ちゃん…、高坂穂乃果と出会ったのは、私たちが高校生の頃…)

ことり(二人は高校で同じ部活に所属する先輩後輩だったの。私が二年生の頃、彼女が入ってきて…)

ことり(えっと…、確か高校の頃は、>>436部に所属してたんだっけ)

ソフトボール

ことり(そう、高校の頃はソフトボール部に所属してたんだよね)

ことり(私は2年目ながらも将来が期待されていたピッチャー。私はプロになる気はなかったんだけど)

ことり(もともと高校を卒業したら警察学校に入って刑事になるのが夢だったから)

ことり(だけど、その腕が惜しまれるくらいには、そこそこの速球を投げてたような記憶がある)

ことり(そしてそんな折、私の一つ下で入ってきた穂乃果ちゃん)

ことり(彼女のポジションは…、>>439だった)

>>433 434
すんません、文字化けです。

ことり(大方の予想通り彼女のポジションはキャッチャーだった)

ことり(彼女が入ってきてからというもの、私たちは抜群のコンビネーションを見せ、ソフトボール部随一のバッテリーとなった)

ことり(大会でもそこそこの結果を残し、その過程もあってか二人は強い絆で結ばれた親友になった)

ことり(そして、私が3年になって…、もう、少しで部活も引退、って頃…)



穂乃果「え、えぇー!?ことり先輩、プロにならないんですか!?」

ことり「うん。元々警察官になるのが夢だったし…」

穂乃果「もったいないよー!ねーねー、プロ目指してくださいよー!」

ことり「そんなこと言われても…。昔からの夢だったから…」

穂乃果「夢、かぁ~…。なら仕方ないなぁ…」

ことり「穂乃果ちゃんは、夢とかないの?将来なにになりたい、みたいな…」

穂乃果「穂乃果の夢?…うーん、そうだなぁ…」

穂乃果「私、あんなこと言っちゃったけど、正直ソフトボールで食べていく気はないんですよねー」

ことり「人をプロに勧めておいて…」

穂乃果「だってだって!ことり先輩の腕はきっとプロに行っても通用すると思うし…」

穂乃果「それに比べて私は…、キャッチャーとしてだけならまだ行けるかもだけど…。バッティングや走りは苦手だし…」

穂乃果「加えて流石に毎日試合するとかなると絶対飽きちゃうし…」

ことり「あぁ…、穂乃果ちゃんたまに雨降るとこれでもかと言わんばかりに喜ぶもんね…。ソフトボール嫌いなのかと…」

穂乃果「好きだけどー…。やっぱり休みも必要じゃないですかぁ~」

穂乃果「フルシーズンで活躍するプロ選手には向いてないと思うんですよね…」

ことり「まぁ…、そうかもね」

穂乃果「だから夢、って言われてもー…。うーん、遊戯王のプロデュエリストで食っていけたらいいのに…」

ことり「は?」

穂乃果「あ、いや、なんでもないです…」

ことり「…じゃあ、こうしよう?」

ことり「私が警察学校を卒業して、警察官になるのが早いか、それとも穂乃果ちゃんが夢を見つけてるのが早いか、競争しよ?」

ことり「勝った方が、負けた方に何かプレゼント、ってことで!」

穂乃果「ま、マジっすか!よ、よし!それならイケる気がしてきた…!うん、私、きっと先輩より早く夢、見つけてみせます!」

ことり「うん、その意気その意気!」




ことり(…そんな約束、したんだっけ)

ことり(そして、その勝負に勝ったのは結局…、>>444だった)

ことり

ことり(私が優秀だったのもあってか、警察学校のカリキュラムを変態的な早さでクリアして…)

ことり(高校卒業から2年で警察官になったのだった)

ことり(穂乃果ちゃんはまだ大丈夫と余裕ぶってたらしく、私が警察官になった、って報告しに来たとき…)

ことり(…情けなさそうな顔と申し訳なさそうな顔、それと驚愕の表情を混ぜたような複雑な表情をしていた)




ことり「…それで?今穂乃果ちゃんはなにしてるの?」

穂乃果「絶賛ニートです…」

ことり「…」

穂乃果「うぅ…!だってだって!世の中は臆無情なんだよ!やりたいことなんてそんなすぐに思いつかないし…!」

穂乃果「思いついても…、それに見合うだけの力なんて、持ってないし…」

ことり「…努力は、したの?なりたいものに。なろうとする努力」

穂乃果「したよ!したけど…、すぐ、やめちゃった…」

ことり「どうして?」

穂乃果「だって…、所詮努力しても…、才能には勝てない…。前から努力していた人にも、勝てない…」

穂乃果「才能を持って努力してる人には、もっと勝てないんだもん…。じゃあ、私がしていることってなんなのかな、って思って…」

穂乃果「穂乃果はバカだし…、大学にだって行けそうにない…。一度はスポーツ推薦で入ってみたものの、ついていけなくて一年で退学…」

穂乃果「こんな私ができることなんて…。うぅ…。高卒じゃどこも雇ってくれないし…」

ことり「…思ってたより深刻、なんだね」

穂乃果「色々考えてはみたものの、穂乃果ができそうなこと、思いつかなくて…」

穂乃果「だから…、ごめんなさい」

ことり「穂乃果ちゃんが謝る必要なんてないよ。…穂乃果ちゃんの人生だもん」

ことり「ゆっくり、ゆっくり考えて、決めればいいと思うよ」

穂乃果「うぅ…。その優しさが今は痛い…」

ことり「…あ、じゃあ!約束、覚えてる?」

穂乃果「約束…。あぁ…、負けたほうが、買った方にプレゼント、ってやつですか…。あ、でもなんにも買ってないですけど…」

ことり「んーん、違うよ?『勝った方』が『負けた方』にプレゼント、って言ったの」

穂乃果「え…?そう、だったっけ…?」

ことり「うん。だから、私はちゃんと持ってきたよ。穂乃果ちゃんにプレゼント」

穂乃果「プレゼント?」

ことり「はい、これ。穂乃果ちゃんに似合うと思って」



ことり(そうして穂乃果ちゃんにあげたもの。それは…)

ことり(>>447(装飾品の類)だった)

連続でいいなら
デプス・アミュレット

ことり「はいこれ、デプス・アミュレットっていうの」

穂乃果「なにその手札捨てないといけないみたいな…。穂乃果IF使いじゃないんですけど…」

ことり「…?そっちの方がわかんないんだけど…」

穂乃果「えっ」

ことり「デプス・アミュレットはね、日本語で『悲しみのお守り』って意味なの」

ことり「これを持ってると、悲しいことや辛いことから、全て守ってくれるんだって」

穂乃果「そ、そうなんだ…」

ことり「これをつけていれば、穂乃果ちゃんがこれから辛いことや悲しいことがあっても、耐えられるかな、って」

ことり「絶望に負けないで、夢を見つけ出せるのかな、って」

穂乃果「…」

ことり「…なんて、ご利益のほうはそんなに気にしないで買ったんだけどね」

ことり「地方に行ったときに、路地裏で売ってたのを見つけて、これだ!って衝動的に買っちゃったの」

ことり「…穂乃果ちゃんに、似合うと思って。可愛いでしょ?」

穂乃果「ま、まぁ…、このドクロのデザインを無視すれば可愛いと言えなくも…、うーん…」

ことり「え、この髑髏が可愛いと思うんだけどなぁ…」

穂乃果(…ことり先輩のセンスってどこか抜けてるよなぁ)

ことり「…それでね、私、ふと思ったんだ」

穂乃果「ん?」

ことり「穂乃果ちゃんって、キャッチャーとしてどういうところが優れてるのかな、って」

ことり「捕球力はもちろん、ほかの人に比べて格段にあると思う。私がどこに投げても必ず捕ってくれるし」

ことり「…だけど、それが穂乃果ちゃんの本質じゃない。穂乃果ちゃんがキャッチャーとして最も優れている点、それは…」

ことり「相手の心を揺さぶる会話力と、選手の癖を把握しきる情報力、だと思うの」

穂乃果「会話力と、情報力…?」

ことり「穂乃果ちゃん、バッターボックスに立った選手に毎回話しかけてたよね?」

穂乃果「あ、うん…。少しでも相手の集中力を乱させたら有利になると思って…」

ことり「きっとそれは、穂乃果ちゃんが思っている以上に有利に働いてる。全盛期の野村さんレベルに」

穂乃果「ま、マジっすか!?穂乃果にそんな才能が…」

ことり「そして、選手の癖を見切る情報力。どの選手がどんな球種を苦手とするのか、どこに投げれば遠く飛ばないのか」

ことり「それを誰よりも事細かに調べること、それが穂乃果ちゃんの持つ才能だって、私思うの」

穂乃果「え、でも…、そんなこと誰でもやってるってほかの先輩からは…」

ことり「…みんな、知ってるんだよ。『穂乃果は自分が頑張ってる、って思うと、すぐサボる』って」

ことり「逆に、誰かに追いつこうとする努力…、というよりも、誰もがやっているならやらないと、っていう使命感はとっても強い」

ことり「だから、みんな言わなかったんの。穂乃果ちゃんの才能には気づいていてもね」

穂乃果「穂乃果に…、そんな才能が…?」

ことり「…うん、だから穂乃果ちゃんは…」

穂乃果「…わかりました!」

ことり「え…?」

穂乃果「私…、やっぱりやる!やるったらやる!」



ことり(そう言って穂乃果ちゃんは、私の前からしばらくの間、姿を消しました。私のプレゼントを握り締めて)

ことり(そして次に穂乃果ちゃんと会った時、それは…)

ことり「…穂乃果ちゃん、どうしたんだろ。急に電話してきたと思ったら呼び出しなんて…」


穂乃果「おーい!ことり先輩ー!」


ことり「あ、来た…、って、えぇっ!!?どうしたのその格好…」

穂乃果「ほぇ…?」

ことり「ほぇ、じゃないよ!ボロボロじゃない…。女の子がこんな格好してたらダメだよ!」

穂乃果「あはは…。ごめんなさい…。でもずっと探すのに夢中だったから…」

ことり「え?」

穂乃果「…先輩、覚えてる?先輩が警察官になって、私のところに来た日のこと…」

ことり「う、うん…。つい1ヶ月くらい前、だから…」

穂乃果「私…、ことり先輩に何も就任祝い上げられなかったから、今、プレゼント用意してきました」

穂乃果「これ、受け取ってください」

ことり「え…?こ、これ、って…」

穂乃果「…ことり先輩が、あの日穂乃果にくれた…、アミュレットです」

ことり「う、嘘…!これ、本当に目立たない路地で買ったんだよ…?それを…」

穂乃果「うん。調べて調べて、ついに見つけて、買ってきたの。えへへ…」

ことり「すご…、ネットでだって載ってないはずなのに…」

穂乃果「だよね?調べるのにすごい苦労したんだもん。だけど、これでね…」

穂乃果「…私、夢、見つけたよ」

ことり「えっ…」

穂乃果「私、情報屋になる。そして、ことり先輩のためにがんばるんだ」

穂乃果「ネットですら載ってないこれを探してきた、ってことで、証明できるかな?」

ことり「あ…」

穂乃果「私、ことり先輩の力になりたい。ことり先輩が、私にこれを渡してくれたのと同じように」

穂乃果「ことり先輩に辛いこと、悲しいことが会った時、それを守ってあげられるお守りになりたいんです」

穂乃果「だから…、だ、ダメ?かな…。非公式だけど、警察の協力、なんて…。えへへ、なんかカッコイイって思ったんだけど…」

ことり「…ダメ、だよ」

穂乃果「えぇっ!?やっぱりダメですか、ことり先輩…」

ことり「…うん。…もう、先輩じゃ、ないもの」

穂乃果「え…?」

ことり「穂乃果ちゃんも、立派な大人だもん。…もう、私の後輩じゃない。だから、ことり先輩は、ダメだよ」

ことり「これからは仕事仲間として、…名前で呼んでもらわないと。…ね?」

穂乃果「…!!う、うんっ…!!わかったよ、ことりちゃんっ!!」

ことり「うん、うんっ…!!穂乃果ちゃんっ…!!」




ことり「…そっか、そうだったっけ…。懐かしいなぁ…。まだ1年くらい前の話なのに…」

ことり「あれがあったから、今穂乃果ちゃんが情報屋やってるんだって思うと…、なんか感慨深いものが…」

ことり「このアミュレット…、そういえばもらってから一回しかつけてないや…。辛いことも、悲しいこともあったのに…」

ことり「今度久しぶりにつけて、穂乃果ちゃんと会ってみようかな…」

プルルルル…

ガチャッ


『…もしもし』


ことり「あ、もしもし?穂乃果ちゃん?夜遅くにごめん」

『ことり、ちゃん…?』

ことり「うん。あのね、いきなりでゴメンなんだけど、今度の休日に…」

『…』

『…ごめん、その日は用事があって』

ことり「え…?あ、そ、そうなんだ!じゃあ次の休みは…」

『…全部、空いてない』

『だから、ごめん』

ことり「え…」

『…そういうことだから、バイバイ』


ガチャッ プープープー…


ことり「…穂乃果ちゃん?」



次の日

東條西木野☆探偵事務所内


希「穂乃果ちゃんの様子がおかしい?」

ことり「うん…」


真姫「珍しいわね、ことりがこんなにしょんぼりしてるなんて」

ことり「だって、穂乃果ちゃんにあんなに無碍に約束事断られたの初めてなんだもん…」

凛「そういえば二人は仲良しだったんだっけ。珍しいつながりもあるもんだにゃー」

絵里「でも、用事があることなんて珍しいことでもないでしょ?忙しくて遊べないだけなんじゃない?」

ことり「でも、いつもは電話したら最低30分くらいは世間話で盛り上がるのに、あんなにそっけないなんて…」

希「だとしてもそれをうちらに相談しに来る?普通…」

真姫「それだけことりにとって穂乃果は大きな存在なんでしょ。私にとっての希みたく」

絵里「あぁ、私にとっての希みたくね」

真姫「あ゙?」

絵里「なにか?」

凛「そこ、抑えて」

ことり「…もしかしたら穂乃果ちゃんになにかあったんじゃないかと思うと気が気でなくて」

希「それでそんな頭ボッサボサやねんね…」

凛「うーん、と言ってもそれだけじゃ理由なんてわかったもんじゃないにゃ」

真姫「穂乃果の様子がおかしい理由…、ハッ!まさか…、毎月一度の>>453なんじゃないの!?」

絵里「いえ、>>454が最近来てないに違いないわ」

凛「なんでそう勘違いしやすそうなワードで…」

大仕事のイベント

天啓

真姫「毎月一度の大仕事のイベントなんじゃない!?」

凛「イベント…?なんの?」

真姫「実はつい先日から穂乃果がライブ会場に度々足を運んでいるとの情報を得たの」

希「なっ…」

凛「ま、まさか…」

希(穂乃果ちゃんがあの謎のカリスマアイドルHONOKAであることがバレた…?)

真姫「これから導き出される結論は一つ…!」

凛「…っ!」

真姫「あの子はアイドルの追っかけなんじゃない!?」

凛「へっ…?」

真姫「しかもあの子がライブ会場に行った日にち、それはHONOKAのライブとも一致するわ!」

真姫「月一のHONOKAのファン感謝ライブ!それに足を運んでるってわけね!」

希「あー…、違うと思うわ」

真姫「えっ…、そんなアッサリ」

絵里「じゃあアレよ。最近天啓が来てないんじゃない?」

ことり「どういう意味ですか…」

絵里「実は情報屋高坂穂乃果は人物からではなく神から与えられる情報で稼いでいたのよ」

絵里「ところが最近神からのお告げがなくなってめっきり情報が得られなくて、それで不機嫌だったんじゃない?」

ことり「もうめちゃくちゃだよ!」

希「…やっぱり、こればっかりは予想よりも調べたほうが早いやろなぁ…」

ことり「初めからそうして欲しかったよ…」




???


海未「…ガツガツ…、もぐもぐ…」

ツバサ「…」

あんじゅ「…」

英玲奈「…美味しそうに食べる海未…、これもまた美しい…」

ツバサ「…あー、ゴホンッ」

ツバサ「えっと、今朝気づいたんだけど…。UTXの保管庫からね…、メモリが数本消えていたの」

ツバサ「盗んだのは…、園田海未、あなたね?」

海未「モグモグ…、ガツガツ…」

ツバサ「…」

海未「はぐっ…、もぐもぐ…」

ツバサ「…聞いてるの?」

英玲奈「つ、ツバサ!海未を疑っているのか!?」

ツバサ「いつから呼び捨てするような仲に…、でも、そうとしか考えられないでしょう?」

ツバサ「…あそこに入れるのは幹部以上の人間のみ。私たちでないなら、あなたしかいない」

ツバサ「どうなの?そろそろ答えてもいいんじゃないかしら?…園田海未!」

海未「…もぐもぐ、…ごくんっ」

海未「…>>457

さぁ…どうでしょうね

海未「さぁ…、どうでしょうね」

あんじゅ「まんまじゃねーかっ!」

ツバサ「」ビクッ

英玲奈「ど、どうしたあんじゅ…。いきなり叫びだすなんてらしくないぞ」

あんじゅ「…ごめんなさい。急にそう叫びたくなったの…」

ツバサ「そ、そう…。なら気を取り直して…。ひ、否定はしないのね?」

海未「…」スクッ

海未「綺羅、ツバサ…。私はね、3年前、ある誓いを立てました」

ツバサ「3年前…?」

海未「あなたにはわからないでしょうねぇ…、誰が死のうとオンナジヤオンナジヤ思ってるあなたには」

ツバサ「あなたがなにを言っているのか私にはさっぱりだわ」

海未「…まぁ、その誓いを果たす日が、近づいて来ているということです」スタスタ

英玲奈「あ、海未…」タッタッタッ…



英玲奈「…海未、どうしたの。ツバサにメモリを盗んだことがバレたら危険だ…」

海未「英玲奈。…覚悟は、できていますか?」

英玲奈「えっ…」

海未「共にUTXを倒し、あなたが女王になる覚悟です」

英玲奈「」

海未「…どうしました?まるで初耳だと言わんばかりの顔を…」

英玲奈「…初耳だ」

海未「あれ?言ってませんでしたっけ?私はUTXを乗っ取るためにあなたを利用してここに潜り込んだということを…」

英玲奈「聞いていない!もちろん覚悟などこれっぽっちも…」

海未「…ですが。…あなたの内に秘めた野望…、気づいていないとは言わせませんよ?」

英玲奈「…っ」

海未「あなたも、上に立ちたいと望んでいるはず…。そして、最愛の友に、屈辱を与えたい、とも…」

英玲奈「う、うぅ…!」

海未「ほら、もうこんなにゾクゾクしています…。想像するだけで絶頂するほどの快感でしょう…?」

英玲奈「…だとしても、勝てるの…?ツバサと…、そして、総帥に」

海未「…勝てますとも。ようやく手に入れたのです…」

海未「私を最強の存在へと変えてくれる、勝利の鍵を…」

全然進んでないけど今日はここまでです
やはり安価は偉大 なんも考えなくてもネタが出てくるのだから
今日湧いて出たネタをなんとか綺麗にまとめて話を締めれたら万々歳です それではほなな

はい再開します
相変わらず安価に頼る予定です

穂乃果「…」


希「見つけたよ、穂乃果ちゃん」


穂乃果「…っ!希、ちゃん…」

ことり「穂乃果ちゃん、どうして…」

穂乃果「ことりちゃんも…」

凛「穂乃果ちゃん、どうして…」

凛「どうして>>470(場所)なんかに…?」

競馬場

凛「どうして穂乃果ちゃんは競馬場に…」

穂乃果「…ほっといてよ。今は一人になりたい気分なの」

希「穂乃果ちゃん…、その手に握られた何枚もの馬券は…?」

穂乃果「…」

ことり「ねぇ、忙しいんじゃなかったの?競馬でギャンブルするのが穂乃果ちゃんのお仕事なの?」

穂乃果「…」

ことり「…どうして、私を避けるの?穂乃果ちゃん…」

穂乃果「別に、避けてなんか…」

希「…なんに怯えてるん?穂乃果ちゃん」

穂乃果「…っ」

希「穂乃果ちゃんはわざとうちらを避けてる。どうして?」

穂乃果「…それは、それは…っ」

穂乃果「う、うぅ…」

ことり「どうしても言えない理由があるの?」

穂乃果「…」

ことり「ねぇ、穂乃果ちゃん…。辛いことがあるならさ…」

ことり「私が…、私がお守りになってあげる、って、言ったよね?」

ことり「ほら、穂乃果ちゃんとお揃いのアミュレット。これに誓ったでしょ?」

ことり「お願いだから…、話してくれないかな?」

穂乃果「ことり、ちゃん…」

穂乃果「じ、実は…」



「…おや、おやおやおや…。あれあれ?どうしたんですかぁ…?」



穂乃果「…ッ!!」ビクッ

ことり「この、声…!!」


海未「…あら、ことり…。どうしてこんなところに?ここは…」


ことり「それはこっちのセリフよ、園田。なぜあなたがここに…ッ!」

海未「フフ…、それはね…。穂乃果、言ってあげなさい?」

穂乃果「…っ」

ことり「穂乃果ちゃん…?園田、あなた、穂乃果ちゃんのこと、知ってるの…?」

海未「えぇ…、なにせ二人は…」



海未「結婚するのですから!」



ことり「…は?」

海未「おや、わかりませんでしたか?二人というのは私と穂乃果のことで…」

ことり「それはわかるけどっ…!どうしてあなたと穂乃果ちゃんが結婚するの!?」

海未「それは…、ねぇ穂乃果、私の口からは恥ずかしいです…///あなたが言ってください。ね?」

穂乃果「…っ」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん…?」

穂乃果「い、イヤっ…!嘘だよ…!アイツの言ってること、全部デタラメ…!!」

海未「なんてことを…!あの日、私とあなたで交わした約束を忘れたのですか?」

希「約束…?」

穂乃果「あんなのっ!!あんなの、あなたが勝手にやったことじゃないですか…」

凛「な、何があったにゃ!?聞かせて…」

穂乃果「つい先日…、私が情報を集めようと夜の街を練り歩いていたら、そしたら…」



数日前


穂乃果「ふんふんふん~ん、なにか情報落ちてないかなぁ~、落ちてないかなぁ~」

穂乃果「おや?アソコにいい感じのダンボールを発見!今日はあれを借りて寝泊りするかー」



凛「…回想中に申し訳ないけど、穂乃果ちゃんホームレスだったの…?」

穂乃果「う、うん…。お金なくて…」

希「スイーツ食べるお金を家賃に回せばいいんじゃ…」

穂乃果「は、話戻すけど…、それからしばらく街を歩いて…」



穂乃果「う~ん…、いい感じの情報見つかんないなぁ…」

穂乃果「…ん?おっ、そこのおねえさん!今時珍しい和服美女のお姉さんっ!」


海未「…はい?私ですか?」


穂乃果「そうそう、あなた!わぁ…、服も綺麗ですけどお顔もお綺麗ですね!」

海未「そ、そうですか…。それで、私になにか御用ですか…?」

穂乃果「あ、えっと…、お仕事は何されてるのかなー、って」

海未「仕事…。あぁ、芸妓をしていましたが最近はめっきり。少しややこしいことになっていましてね」

穂乃果「ややこしいこと…?」

海未「はい。まぁ…、色々あるんですよ。その…、折角なので愚痴聞いてもらえませんか?」

穂乃果「えっ…」

穂乃果(うぅ…、人の愚痴は好きじゃないけど…。でも!芸妓業界の情報なんかも聞けるかも!)

穂乃果「あ、はいっ!喜んでお聞きしますよ!」

海未「では…、最近>>473がよく>>474しちゃうという悩みから…」

欲しいもの

海未「最近欲しいモノがよく盗まれてしまうという悩みが…」

穂乃果「欲しいものが盗まれる、ですか…。具体的には?」

海未「まぁ…、盗まれる、という表現は少し違うかもしれませんが…。前から目をつけていたモノが他人に奪われたり、台無しにされたり…」

海未「大事に取っておいたレアものをあずけてたら、その人のものにされてしまったりだとか…」

穂乃果「は、はぁ…。大変なんですね…」

穂乃果(あんまり芸妓さん関係なさそうだ)

海未「あぁもう話足りません!あそこの酒屋に入りましょう!そしてたくさん愚痴ります!」

穂乃果「は、はいぃ…」

穂乃果(うにゅぅう…、我慢我慢…!今は面倒でも、いつか有用な情報が…)


数時間後…


海未「それれれすねぇ…、あの女ったら、私になんて言ったと思いまふぅ…?」

穂乃果「さ、さぁ…」

海未「…なんて言ったか忘れちゃいましたぁ~…。ふへへへ…、ごくごく…」

穂乃果「あ、あの…。もうお酒はそのくらいにしておいたほうが…」

海未「うるしゃいっ!こんな…、飲んでないとやってられ…。んぁ…?」

ピカー

穂乃果「おわっ…!ふ、懐が光ってる…?」

海未「これは…。まさかっ!」ススッ

海未「…グリームメモリ…!なぜ、ここで…」

穂乃果「め、メモリ…?もしかしてそれ、ガイアメモリ…?」

海未「そう…、そうだったのですか。あなたが…、あなたが私の運命の人…!」

穂乃果「え?」

海未「あなた、お名前は?」

穂乃果「な、名前…、高坂、穂乃果ですが…」

海未「穂乃果…!あぁ、穂乃果…!神よ、感謝いたします!彼女に出会わせてくれた奇跡に!」

穂乃果「は?な、なにを…」

海未「それでは、あなたに誓いの指輪を…」スッ

穂乃果「えっ…、ちょっ!いきなりなんなんですか!!!?!?は、離して!!」

海未「離しません、えぇ、離しませんとも…。永久に…!」



~回想終わり~



穂乃果「…ってことが…」

凛「だ、だから左手の薬指に…、そんな指輪を…」

希「この指輪が、メモリ…?」

海未「まぁ、そんなところです。正確には、こちらのメモリとそちらの指輪、二つで一つ、ですがね」

ことり「そんなの、初めて見た…」

海未「でしょうねぇ…。なにせ、これは最強のメモリなのですから…」

ことり「最強のメモリ…?」

海未「フフ…、グリームのメモリは一瞬の輝きを灯したメモリ…」

海未「しかしそれゆえに内に秘められた力は莫大…!核を内包したようなメモリと言って差し支えありません」

海未「それを私が取り込めば、核のエネルギーを延々と引き出せる…、無限の動力源と化すのです」

海未「ですがねぇ…。このメモリも厄介でして…、使用者を選ぶのですよねぇ…」

海未「過剰適合者でなければ光を灯してくれない。そして過剰適合者を選んだとしても…」

海未「すぐには使えないのです。まず指輪が必要不可欠。その指輪に力を溜める必要があるのです」

ことり「力…?それを穂乃果ちゃんから奪っているというの…!?」

海未「奪っているなどと人聞きの悪い…。溜める力は誰もが持っているものですよ」

希「誰もが持っている…」

凛「脂肪かにゃ?」

希「それは凛ちゃんの含有量が少ないんじゃ…」

凛「希ちゃんは過多だけどね」

ことり「…真面目な話してるんだから黙ってて」

海未「それは…、愛なのです!」

ことり「あ、愛…!?」

海未「えぇ…!メモリ所持者に対する愛!それが貯まれば貯まるほど、グリームメモリは輝きを増す!」

海未「そして真に二人が愛し合った時…!グリームメモリと指輪の交換が行われる…!」

海未「グリームメモリを刺した人間の命は、即座に失われ…、そのメモリに一瞬の光…、力を残して死に至ります」

海未「そして指輪には…、グリームメモリ使用者の意思が永遠に宿るのです!指輪に囚われる魂、といったところでしょうか…」

ことり「なっ…!それ、そんなの…!」

希「まるで、呪いや…!」

海未「次にメモリを使用した場合、凄まじい爆発とともにメモリは砕け散ります」

海未「これを用いれば音都の壊滅どころか、関東全域が死の嵐に巻き込まれるほどの力を秘めているのです」

凛「そ、そんな力が、そんな小さいメモリの中に…!?」

海未「人の命と…、そして愛の力はそれだけ強大ということですよ。…そして、そんな力を私がこの身に宿せば…」

海未「もう、おわかりでしょう?そのために私は、穂乃果と愛を育まねばならないのです」

海未「そして穂乃果は、永遠に、指輪として私と添い遂げるのです。ね?穂乃果っ♪」

穂乃果「イヤ…、イヤ、だよ…!」

海未「なぜ嫌がるのです?永遠の命ですよ?いいじゃないですかぁ」

穂乃果「やめてよ…!そんなの私望んでない!私に付きまとうのも、やめて…!」

希「え、付きまとわれてるん?」

穂乃果「う、うん…。その日から毎日毎日…、私のところにきて…」

穂乃果「私の身体を執拗に触ったり、耳元で囁いたり…、私が拒否したらドーパントになって殴られて…」

穂乃果「自分以外の人間と喋ったら、ソイツを殺します、とまで、言われて…!」

ことり「だから、私を避けてたの…!?」

穂乃果「うん、うんっ…!ことりちゃんや希ちゃんに迷惑かけたくなくて…!!」

穂乃果「だから、競馬で一発当てて、あいつの知らないうちに海外に逃げようと思ったけど…」

希「だから競馬場に…」

海未「私から逃げるなどと…。お仕置きが必要のようですね」\ミックス!!/

穂乃果「ひぃっ…!!」

ことり「…させない!穂乃果ちゃんは…、私が守る…!!」\ナイト!!/

希「真姫、ちゃん、行くよ」\スター!!/

真姫『えぇ、変態女に、分からせてやりましょう!』\クレッシェンド!!/


希・真姫「『変身っ!』」 \クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン
ことり「変…、身…ッ!!」 \ナイト!!/ ヒヒーンッ!!



ミックス・D「あなたたちに時間を食っている暇はありません。…二人まとめてかかってきなさい」


Muse「言われなくても…!」「そのつもりやっ!!」

ナイト「はぁぁぁっ!!」


Muse「はぁっ!!」ブンッ!!

ミックス・D「おっと危ない…」

ナイト「でりゃぁぁっ!!」ブオンッ

ミックス・D「おぉぅっ…、スレスレです」


Muse「くっ…、ちょこまかと…!」「二人まとめて相手するんちゃうんかいっ!!」


ミックス・D「意外と…、疲れるものですね…。仕方ありません、前言は撤回します」

ミックス・D「あなたは…、休んでいて構いません」\アイヴィー!!/\チェーン!!/


シュルルルルッ!!


Muse「んなっ…、なによこれ…!!」「鎖が蔦のように身体に絡んで…!くっ、動けへん…!!」


ナイト「どれだけのメモリを内包してるのよ、あなたはっ…!!」

ミックス・D「さぁ、今までに食べたパンの枚数など、誰も覚えていないでしょう?」

ナイト「それだけ…、人の命も貪ってきたってこと、よねっ!!」ブンッ!!

キィンッ!!

ミックス・D「えぇ…!人の命ほど甘美なものはありませんから…!」

ナイト「この…、下衆がぁぁぁっ!!!」ブンブンッ!!

ミックス・D「おっと危ない…。そういえばことり…。あなたは私に復讐するために仮面アイドルになった、らしいです、がっ!!」バキィッ!!

ナイト「ごふぅっ…!!」

ドゴォォンッ!!

ナイト「く、ふぅっ…!」

ミックス・D「なんとも弱々しいリベンジャー…、話になりません…」\サンダー!!/\アシッド!!/


ブヂュルッ… ビジジジッ!!


ナイト「ぐっ…!!うぐあぁぁぁっ!!!!」


凛「さ、酸が身体に絡みついて…!それに雷まで…!」


ナイト「がぁっ…!逃げ出そうとしても…、雷の酸にまとわりつかれて…、逃げられ…!!うぎぃぃぃいっっ!!!」


ミックス・D「さて…、邪魔者はいなくなりました。…穂乃果?」

穂乃果「ひ、ひぃっ…!」

凛「く、来るなバカぁっ!!き、来たら噛むからにゃ!!」


ミックス・D「さぁ、穂乃果…、指輪を見せてください」


穂乃果「う、うぅっ…!」

凛「く、来るなぁ…」

ミックス・D「邪魔です」バシィッ

凛「ぐへぇっ…」

穂乃果「ひっ…!」ダダッ


ガシィッ!!


穂乃果「あぐっ…!!!」

ミックス・D「何も逃げる事ないじゃないですか…。指輪が見たいだけなんですから」

穂乃果「う、うぅっ…!」

ミックス・D「…あぁ、いい感じです…。私のことを、思ってくれているのですね…」

穂乃果「だ、誰が…!誰があなたみたいな、人…」

ミックス・D「いいんですよ?無理しなくて…。あなたに使わせていただいたメモリの力…、『オーバーライド』『マインド』のチカラで…」

ミックス・D「私を拒絶すればするほど、私に対する恋心が募っていくように、脳をいじらせていただきましたから」

穂乃果「そ、そんなぁっ…!!」

ミックス・D「私としては本当に私を愛してくれる方が嬉しいのですが…、まぁ時間がないので仕方ありません」

ミックス・D「私への真の恋心は、指輪になってからゆっくり育んでいただければそれで…」


ナイト「穂乃果ちゃんから離れろっ!!このっ…、う、うぐぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

バリバリバリィィィィッ!!


ナイト「ぐ、が…!かはっ…」バタッ ピチュゥゥンンッ…

ことり「う、あぁぁ…!ほの、か、ちゃ…」


ミックス・D「わかったでしょう?私はあなたに近づくことすらできない…」

ミックス・D「誰かを守る騎士(ナイト)など、名乗っていて恥ずかしくないのですかねぇ…?」


ことり「ぐ、く、うぅっ…!!」


ミックス・D「では最後に…」ピチュゥゥンンッ…

海未「さぁ、穂乃果、こちらを向いて?見せつけてあげましょう、私たちの愛を…」

穂乃果「え、なにを…、むぐぅっ…!!?」


ことり「え、あ、あぁぁっ…!!」


海未「んむぅっ…、ちゅぶっ…、ぷふぅっ…、ふふ、糸引いています…」

穂乃果「あ、あぁ…、は、初めて、だったのに…、ぃ…」

穂乃果「嫌ぁ…、嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


ことり「穂乃果ちゃ…、う、うあぁ…!!」

ことり「うあぁぁぁぁぁっ!!!」

ヒュッ!!

ズババババッ!!


Muse「はっ…!」「私たちを縛っていた鎖が断ち切られた…!」


ディコーラム「…情けないわね」

Muse「えりち!」「来るのが遅いわよ」

ディコーラム「これでも街中探し回ったんだから…。さて、やるわよ」


海未「…おっと、今はまだあなたたちとやり合うつもりはありません」\ミックス!!/ ピチュゥゥンンッ!!

ミックス・D「しばしの別れですが、穂乃果、また逢いましょう。何、会えない時間が恋をさらに加速させるのです…」\ハリケーン!!/\ミスト!!/

ヒュォォォォォッ…!!


穂乃果「う、くぅっ…!」バタリッ


ディコーラム「ちっ…!逃げやがったわね…」

Muse「あの女…!ひたすら趣味が悪いわね…!!」「許せへん…!」


ことり「穂乃果、ちゃん…?大丈夫…?」

穂乃果「…つき」

ことり「え…?」

穂乃果「嘘つき…!守ってくれる、って、言ったのに…!!」

穂乃果「ことりちゃんじゃ、全然敵わなかったじゃない…!!」

穂乃果「…せめて、ファーストキッスくらい…、好きな人と、したかった、のに…!」

穂乃果「う、うぅっ…!!うあぁぁっ!!」ダッ


ことり「あっ…、ほのか、ちゃ…」

ことり「くっ…、ぐぅっ!!」ダンッ!!



東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「…やはり、園田海未が言っていたことは真実のようね」

真姫「グリーム…、『瞬き』の旋律を宿すメモリ…。穂乃果はそれの過剰適合者よ」

希「やっぱり…」

真姫「今までの海未は、過剰適合者にメモリを使用させ、その力を最大限増幅させることでメモリを自分に取り込もうとしていた」

絵里「…けれど、今回は違う、のよね?メモリは使用せず、穂乃果に拒絶されるような行為を行なっている…」

真姫「えぇ…。本来なら『愛』を溜めるはずの指輪を、過去に喰らったメモリの力を利用して、拒絶感を愛へと上書きしているのね…」

希「だから穂乃果ちゃんにあんな嫌がらせを…!」

真姫「…しかも、感情が書き換えられているなら…、無理やりなキスをされれば嫌じゃない相手からなら心を揺さぶられる」

真姫「だけど相手は海未…、普通なら拒絶感を感じるところだけど…、拒絶感は愛へと書き換えられてるから…」

凛「性的な嫌がらせであればあるほど、胸キュンしちゃう、ってこと、だよね…」

絵里「本当…、悪趣味だわ…」

真姫「…これからも、あいつは穂乃果に性的いたずらを仕掛けることでしょうね…。指輪が愛を溜め込むまで…」

ことり「…っ!」スタスタ…

凛「ちょっ…、ことりちゃん!どこ行くのー!?」



???


海未「んくっ…、ふぅ…。やはり、お酒は日本酒に限りますね…」

英玲奈「…」

海未「…英玲奈。私は昔、自分が何のために生まれてきたのか、それだけ考えていたことがあります」

海未「園田家は元々日舞の名家、生まれながらにして私も日舞の道を志すことを宿命づけられてきました」

海未「来る日も来る日も、私は日舞の練習に明け暮れ、舞を踊る上での美しさを追求してきました」

海未「ですが…、そんな毎日が続くうちに分からなくなってしまったのです。私の思う美しさとはなにか」

海未「万人が美しいと思うものに真の美しさなど存在しない。ただ私一人が美しいと思えるものが、私は欲しかったのです」

海未「そう思うに連れ、私の生活はどんどん自堕落なものとなっていきました」

海未「その日も、夜な夜な街を徘徊し、私の美しいものを探し続けているうちに…、あの光景を目にしたのです」

海未「綺羅ツバサの、圧倒的な力…」

海未「何人もの人が、為すすべもなく死にゆくのを見て、私は恐怖し、そして…」

海未「…絶頂していたのです。これほどまでにおぞましい力が、この世に存在するのかと…」

海未「その時、真に理解しました。その女性が手にしているものこそ、私が追い求める唯一にして絶対の美しさ…」

海未「…私を虜にした力の根源であるのだと」


~回想~


ツバサ「…」スタスタ…


海未「ま、待ってください!!」

ツバサ「…」ピタッ

海未「お、教えてください…!それは…、それはなんなのですか…?」

ツバサ「…」チラッ

ツバサ「…」スタスタ…

海未「待って!!わ、私は…、それが欲しい…!その力が…!!」

ツバサ「…あなたにその資格があれば、いずれ出会うわ」

ツバサ「ガイアメモリに…」


~回想終わり~



海未「その時に私は誓ったのですよ。あの絶対的な闇の力を…」

海未「綺羅ツバサの持つ、『ユーフォリア』のメモリを、いつか必ず…、私のものにしてやろう、と…」

英玲奈「それで、私に近づいた、と…」

海未「…そうですよ。…嫌いになりましたか?」

英玲奈「いえ、むしろ…、好きになれたよ」

英玲奈「あなたならきっと…、ツバサを殺せる」

微妙に中途半端だけど今日はここまで
ヌルッっとツバサのメモリが判明したけど気にするな ほなな

はい始めるます
途中で恐竜or幻獣の類を安価するかも 有名どころ持ってきてくれると書きやすくて助かります 逆にドマイナーでも笑えるんでいいけど
ただしT-REXとトライセラトップスはナシやで もう遅い時間だけど付き合っていただけると嬉しいです

どこぞの森


ことり「…」スタスタ…


凛「ちょっ…、ことりちゃーんっ!!どこ行くにゃー!!」

ことり「…」ピタッ

凛「ここは…?」

ことり「私が初めてシュラウドとあった場所…」

ことり「聞こえる!?シュラウド!!」


凛「…」

ことり「…」


ボッ…


凛「おぉっ…!!じ、地面が燃えたにゃ…。…あっ!!」


シュラウド「…私に何の用ですか」


凛「で、でたーっ!!妖怪ミイラ女!!」

シュラウド「誰が妖怪ミイラ女よ」

ことり「…私は力が欲しい。もっと強い力が…」

シュラウド「力を、欲している、というのですか。…でしたら」

シュラウド「その力のためなら、なんでもする、と誓えますか?」

ことり「えぇ、なんだって…!!なんだってしてみせる!だから…」

シュラウド「だが断る」

ことり「んなっ…!?」

シュラウド「このシュラウドの最近ハマっていることは許諾されるかもしれないと期待している相手にNoと言ってやることよ」

凛「性格ねじ曲がってるにゃー」

ことり「ど、どうして…っ!」

シュラウド「私が今まであなたに力を貸してきたのはあなたの戦う理由が復讐だから」

シュラウド「ですが、今は違う」

シュラウド「その目に、以前のような憎しみの炎は、ないわ」

シュラウド「…だから、あの男には勝てません」スタスタ…

ことり「待って!!」\ナイト!!/\ルーク!!プロモーション!!/


ジャキッ!!


シュラウド「ひゅぅー…、槍を突きつけるとは恐ろしいことを…」

ナイト「私の中の炎は…、まだ燃え尽きてはいないっ!!」

シュラウド「…わかりました。付いてきなさい。…決してビビったわけじゃないから」


ピチュゥゥンンッ…

ことり「…」スタスタ…

凛「わわっ、待ってー!凛も行くにゃ!!」ダッ

あの男×
あの女○

何も考えずセリフコピペしてたらうみみくんになってしまった

どこぞの厩舎


穂乃果「よしよし…、いい子だね。次のレースは頑張って一位とるんだよー」


希「…やっほ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「あ、希ちゃん…、それと…」

絵里「絢瀬絵里よ。あなたとは初めまして、かしら」

希「穂乃果ちゃん、馬好きなん?競馬場にもいたし…」

穂乃果「あ、いや…、競馬で一発当てようと色々調べてたら愛着湧いちゃって…。職業病だねー」

穂乃果「この子たちの馬主さんとも仲良くなって、時々癒されに来てるの」

絵里「へぇ…。この子たち、名前なんていうの?」

穂乃果「えっと…、この子はオコメノチカラって名前で、脚からお尻にかけての筋肉が引き締まってる子で…」

穂乃果「あっちの白いのがハクマイサイコーちゃん、走るときのフォームが綺麗なんだ」

穂乃果「隣の黒い子がノリマキオムスビくんで、荒々しい気性だけど走り方も力強くて…」

穂乃果「この中ではオコメノチカラが一番強い子だから、この子たちが出てるレースには毎回この子単勝で賭けてるんだけど…、なかなかうまくいかなくてね…」

穂乃果「芝の具合やその日の天候によって馬の調子が変わるみたいだし、単純にその日体調が優れない場合もあって…」

希「いや、もういいから…。思ってたよりも数倍詳しいんやね…」

穂乃果「あ、いや…、これもここ数日で仕入れた情報だし…。というよりも、ずっと見てると嫌でも気になっちゃうっていうか…」

穂乃果「昔から、癖、みたいなもんかな」

絵里「癖、ね…」

穂乃果「…ねぇ、希ちゃん。私…、ことりちゃんに酷いこと言っちゃったかな…」

希「ん?」

穂乃果「初キッス奪われて、気が動転してた、ってこともあったけど、それでも…」

穂乃果「私を命懸けで守ろうとしてくれた先輩に、失礼なこと…」

希「…穂乃果ちゃんは知ってるかもしれないけど、ことりちゃんのお母さんは昔、あの女に殺された」

穂乃果「うん、知ってる…。ことりちゃん、ひどく取り乱してたの、覚えてる…」

希「だからこそ、なんとしても穂乃果ちゃんを守りたいんちゃうかな。…数少ない、昔の友人みたいやし」

穂乃果「だけど…、それでも無茶、しすぎだよ…。それで、ことりちゃんまで死んじゃったら…」

希「…あの子は死なへん」

穂乃果「えっ…」

希「『守るべきものがあれば、男はどこまでも強くなれる。もちろん、女も』…うちの尊敬してる人の言葉や」

穂乃果「…」チャリッ

希「それ…、お揃いのアミュレット?えらくボロボロやけど…」

穂乃果「…えへ、ことりちゃんと違って…、ずーっと、付けてたから、ね…」

穂乃果「守る、べきもの、か…」


ギュルヒヒヒヒッ!!←馬の鳴き声


絵里「何…?急に馬が騒ぎ始めたけど…」




海未「…ごきげんよう、穂乃果。今日も私のことを想っていただけてますか?」

希「園田海未…!」

絵里「ふざけないで。あなたの下らない欲望のために、この子がどれほどの恐怖を与えられていると思っているの」


海未「恐怖だなんてそんなそんな…、私は穂乃果とラブラブしたいだけですのに、ひどいです。ね?穂乃果」


穂乃果「う、うん…、そだね…」

希「って穂乃果ちゃん!?何肯定してるん!?」

穂乃果「えっ…、あ!違っ…!!」

海未「無理しなくていいんですよ?」

海未「頭では否定しようとしても、私への嫌悪感は愛情へと上書きされてしまうのですから」

海未「もう理性ではコントロールしきれず、私を好きな感情が否定できなくなってしまっているのではないですかぁ?」

穂乃果「そっ…、そんなことぉっ…!!」プイッ

絵里「穂乃果、頬を赤らめながら顔を背けるその行為は恋愛対象に対する照れにしか見えないわ」

穂乃果「えぇっ!?そ、そんな…」

希「これは早くなんとかしないとヤバげやね…」

海未「あははっ!ほらほら穂乃果~、今日は穂乃果のために特別なプレゼントを用意したのですよ?」

希「プレゼント…?」

海未「UTXからかっぱらってきたメモリのうちの数本です…。穂乃果が恐竜とか…、そういった類の大型生物がお好きだとおっしゃっていたので」

穂乃果「どっ…、どこで知ったの!?言ったつもりないよ!」

海未「そんなの…、盗聴したに決まってるじゃないですか」

絵里「当然のごとく異常なことを言ってのけるわねこの変態は」

希「もう人格からぶっ壊れてるんよ、この人…」

海未「というわけで…、終わらないパレードの、始まりと行きましょう」カチッ カチッ カチッ



>>492!!/(大型の恐竜or幻獣) \>>494!!/ \>>495!!/(馬ほどの大きさの恐竜or幻獣×2)

スピノサウルス

スレイプニル

ヴァルドラプトル

\スピノサウルス!!/ \スレイプニル!!/ \ヴァルドラプトル!!/


海未「ふんっ!」ヒュッ


ピチュゥゥンンッ…!!


穂乃果「あぁっ!オコメノチカラ!ハクマイサイコー!ノリマキオムスビ!!」


ミシッ…、ビキッ…、ビキビキッ…!!


希「あかんっ…!!穂乃果ちゃん、逃げて…!!」

絵里「くっ…!厩舎が…!」


バキィィッ!!



スピノサウルス・D「グガァァァァァァァッ!!!」

スレイプニル・D「ヒヒィィィィィンッ!!」

ヴァルドラプトル・D「ギャイィィィイィィッ!!」



穂乃果「あ、あれはっ!!中生代白亜紀に生息していたと言われるスピノサウルス!」

絵里「知っているの!?」

穂乃果「全長約15mで最大級の獣脚類とされていて、体格はティラノサウルスよりも劣るものの背中の棘突起が巨大で…」

希「そ、そんな解説はいいから…、あ!あっちの足八本の馬はスレイプニル!オーディンの騎乗する軍馬として伝説上の生物と伝え聞かされているアレが…」

絵里「意外と希が詳しい!?」

穂乃果「であっちが…、あっちが…。…アレ何!?」

絵里「知らないの!?」

穂乃果「み、見たことないよ…。ゔぁ、ヴァルドラプトル…?あぁ!アレか!?」

希「心当たりがあるん!?」

穂乃果「えっと…、足の化石しかまだ見つかってなくて全身がどうなってるかまだわかってないはずの恐竜なんだけど…」

穂乃果「あ、あんな見た目だったんだね!大発見だよ!!」

絵里「って!そんなこと悠長に話している場合じゃ…!」


スピノサウルス・D「ギアァァァァァッ!!!」ガブリンチョッ

穂乃果「ほえっ?」


希「おわっ!ほ、穂乃果ちゃんがっ…!」

絵里「首元くわえられて連れて行かれた!?」


ダダダダダッ…!!

穂乃果「ひ、ひぃぃぃぃぃいぃぃぃ!!助け…、助けてぇぇぇぇぇぇ!!!」


海未「あはは!いいではないですかー!憧れの恐竜さんと夢のドライビングですよ?」


穂乃果「こ、こんなの…、怖すぎるよぉぉぉぉぉぉっ!!!」


海未「あははははははは!…ふぅ、穂乃果が楽しそうで満足です。では私はこの辺で…」

希「あっ…、あの女!どさくさに紛れて逃げよった!」

絵里「っと…、他の二匹も檻から逃げ出しちゃったみたいよ」

希「くっ…、穂乃果ちゃんも放ってはおけないけど、あっちの二匹を放置してても街に被害が及ぶ…!」

絵里「じゃあ私が二匹のほうを追いかけるわ!希は穂乃果をお願い!」

希「…おっけー!任せておいて!!」

希「じゃ、行くよ真姫ちゃん!」スチャッ

絵里「行くわよ…、ペルソナ!」スチャッ



街道


ブロロロロ…!!

Muse「くっ…!穂乃果ちゃんを離せ!!」「待ちなさいこのデカブツ!!」


ダダダダ…!!

穂乃果「ひぃぃぃぃぃっ!!怖いよぉぉぉぉっ!!!」

スピノサウルス・D「グヒィィィィィィッ!!!」ヒュンッ!!


シュバババッ!!


Muse「ぐおっ…!!背中の円盤状の棘を飛ばしてきよった…!」「くっ…、厄介ね!!」


スピノサウルス・D「ギアァァァァァッ!!!」シュババババッ!!


Muse「ま、マズッ…!!」「ちょっ!ブレーキブレーキ!!」


バキィィッ!!


Muse「ぬぐあぁぁぁっ!!」「くっ…!モロに当たっちゃったじゃない!この運転下手!」

Muse「ご、ごめん…!って!そんなん言ってる場合ない!今ので減速しちゃったから…!」「あっ…!!」



ダダダダッ…!!

スピノサウルス・D「グアァァァッ!!」

穂乃果「ちょっ…!!希ちゃんが離されていくぅぅぅぅぅっ!!」


Muse「アカン…!かなりの距離離された…!!」「もうここは…、アレしかないわ!」

Muse「アレ…?」「えぇ…、かなり燃費が悪いけど…、遠距離砲撃のできるあのメモリを使うしかない!!」カチッ



>>503!!/ ※希のメモリ・タロット関係でどんな武器かも併せて(遠距離砲撃ができるもの限定で)

ザ・サン
反陽子砲

\クレッシェンド!!/\サン!!/ デレレーンデレレジャワワーン

Muse「ぐっ…、ぐおぉぉぉぉぉぉおぉっ!!!?重っ!!なにこれ重っ!!っていうかデカァッ!!?」

Muse「反陽子砲、よ。荷電粒子砲って言ったほうが聞き馴染みがあるかしら?」「いや、どっちにしてもわからんけど…、ていうかデカすぎひん!?」

Muse「もはやうちの左半身そのものが大砲に…」「これが撃てるのは3発まで。反動も半端ないからなるべく少なく済ませなさい」

Muse「も、もうこれ最終兵器やん…!くっ…、やけっぱちや!!よーく狙って…!!」「そこっ!!」


シュピィィィィィィィン… バシュゥゥゥゥゥゥッ!!!

ゴォォォォォッッ!!


スピノサウルス・D「グギィッ…!?」

穂乃果「んなっ…!!何あれぇぇぇ!?光の束…?」


ドガァァァァァァッ!!


スピノサウルス・D「グゴァァァァァァァッ!!!」

穂乃果「のわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


Muse「よし!当たった!!」「口を開いた拍子に穂乃果ちゃんも開放された!今や!」\フェルマータ!!/\スター!!/

\フェルマータ!!/\スター!!/ テレレンダダーンデレレレーン


シュルルルルルッ!! パシッ

穂乃果「おわっ…、腕が伸びてる!キモイ!」


Muse「よっ…、と」「ここに隠れてなさい。すぐに終わらせるわ」

穂乃果「う、うん…」


一方その頃


ヒュゥゥゥゥッ!!

ディコーラム「チッ…、こいつら足速いわね…!私の飛行速度でも追いつけない…!!」


スレイプニル・D「ヒヒィィィィィンンッ!!」

ヴァルドラプトル・D「グヒィィィィィイッッ!!」


ディコーラム「逃げてばかりいないで…、ちょっとは相手しなさいよっ!!」\ペルソナ!!/

ガションッ!! \ペルソナ!!真姫シマムドライブ!!/


1「ヨンダ?」

ディコーラム「呼んだわ。あいつらの意識をなんとかこっちに向けさせなさい!!」

1「アイヨー。ヒヒヒッ!」


1「ヒャッハァァァッ!!ウマドモコッチヲミロォォォォォッ!!」

ドーパント×2「「グガ?」」

1「バーカバーカ!!マーヌーケー!!ギヒヒヒヒヒッ!!」

ドーパント×2「「…」」イラッ

ドーパント×2「「グガァァァァァァッ!!!」」


ディコーラム「…どうやらうまくいったみたいね。…納得できないけど」

スレイプニル・D「ギヒヒヒヒヒィィィィィンッ!!」


ディコーラム「コイツは私が相手する。アンタはあっちの時間稼ぎをしておきなさい!」

1「ジカンカセギィ…?」

ディコーラム「あんたじゃ倒しきれないでしょ」

1「ベツニタオシテシマッテモカマワンノダロォ?」

ディコーラム「…できるならお願いするわ。行くわよっ!!」

1「アイヨォッ!」


ヒュヒュンッ!!


スレイプニル・D「ギヒアァァァッ!!」


ディコーラム「チッ…!速すぎる…!!流石は神様の乗ってた馬というところかしら…?」

ディコーラム「…けれど!」\アレグリッシモ!!/

ディコーラム「勝手に拝借してきたけど…、使わせてもらうわよ!!」ガションッ!!

\アレグリッシモ!!真姫シマムドライブ!!/


シュババババッ!!


スレイプニル・D「ヒヒィィィッ…!?」


ディコーラム「私の能力も相まって…、これなら誰にも追いつけないっ!!」

ディコーラム(純正化されたメモリのせいか、私のDフェンサーじゃ持って数秒が限界だけど…!)

ディコーラム「その間に…、『キャプチャー』させてもらうわ!」\ディコーラム!!真姫シマムドライブ!!/

ディコーラム「でやぁぁぁぁぁっ!!!」ビュンッ!!


ズバァァンッ!!


スレイプニル・D「グオォッ…!!」

ディコーラム「そして…、そこっ!!」ズシュッ!!

スレイプニル・D「グギィィィッ…!!」

ディコーラム「あなたのメモリ…!いただくわよ!!」グリュンッ

スレイプニル・D「グギャァァァァァァァァッ!!!」ピチュゥゥンンッ…


ハクマイサイコー「…ヒヒィン?」


ディコーラム「ふぅっ…、なかなかの成果だわ。早速、使わせてもらうわね。ペルソナ?」

1「ンダヨォ…、コチトラマダイソガシイッテノニ…」

ディコーラム「いいものをあげるわ」\スレイプニル!!/

1「ヘッ…?」

ディコーラム「気にしないで。痛みは一瞬よ」ピチュゥゥンンッ…!!

1「ヌッ…、ヌォォォォォォッ!!?」

スレイプニル・1「ッテ、ウワァァァッ!!馬ニナッタ!!ナンジャコレ!」

ディコーラム「…まさか本当に使えるとは。試してみるものね」

スレイプニル・1「オレイチオウドーパントナノニ…」

ディコーラム「メモリにメモリを挿す…。誰も試したことないでしょうね。さ、飛びつかれたからあなたの背中に乗せなさいな」

スレイプニル・1「チッ…、ドウゾ、オヒメサマ?」

ディコーラム「よろしい。さぁて、残るアイツも仕留めるわよ?…恐竜相手のジョストは、初めてね」



一方その頃


\クレッシェンド!!/\スター!!/


Muse「てやぁぁぁっ!!」

スピノサウルス・D「グギアァァァァァッ!!」ボファァァッ!!

Muse「ひゃぁっ!!口から火の玉吐いてきおった!!」「ちっ…!やっぱりここは!」


<キュイィィィィィィッ!!

\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー


Muse「やっぱこれよねー」「ムーンシャイナー!!」ビシュゥッ

\ムーン!!/

\フォルテ!!真姫シマムドライブ!!/\ハーミット!!真姫シマムドライブ!!/\ビブラート!!真姫シマムドライブ!!/\サン!!真姫シマムドライブ!!/



スピノサウルス・D「ギアァァァァッ!!」


Muse「そう、そのまま突っ込んできなさい…!!」「大口開けて、なぁっ!!」ピチュゥゥゥンッ…!!

Muse「「シャイナーヴァース・アンセム!!」」



シャイナーヴァース・アンセムとは!!

ムーンソードから放たれる巨大な光の剣で相手を一刀両断にする必殺技である!!



Muse「「でりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」クォォォォォォッ!!

スピノサウルス・D「ギ、グガァァッ…!!?」

Muse「「はぁぁっ!!」」


ズバァァァァンッ!!


スピノサウルス・D「ギ、ギアァァァァァァッ!!!!!」

ドガァァァァンッ!!



オコメノチカラ「ヒヒィィィンッ!」

Muse「ふぅ…、なんとかなったね」「あっちは大丈夫かしら…」

ディコーラム「はぁぁぁっ!!」ズバァッ!!

ヴァルドラプトル・D「グゥゥッ…!!ガァッ!!」ダダダッ…

ディコーラム「逃がすかっ!ペルソナ!」

スレイプニル・1「アイヨッ!」


シュバァァンッ!!


ヴァルドラプトル・D「ギィッ…!?」

スレイプニル・1「ヒヒッ…、ハヤスギテビックリダロ?オレモダ」

ディコーラム「雷よりも疾く走る馬らしいからね。…さて、じゃあ…」ブンッ サクッ

スレイプニル・1「ヌオォォォッ!?ナンデオレノセナカニ剣ヲブッサス!?」

ディコーラム「メモリを…、取り出してるのよぉっ!」ニュルグッ

1「アァ…、モドッチャッタ」

ディコーラム「ここまで弱らせれば…、あとはこれで!」\スレイプニル!!/

\スレイプニル!!真姫シマムドライブ!!/


ディコーラム「スレイプニル…、ら、ライトニングッ!!」



スレイプニルライトニングとは!

空中に浮いた8本の剣を自在に操りながら雷光の如く相手を斬り散らす必殺技である!!



ディコーラム「とりゃぁぁぁぁっ!!!」シュバババッバッ!!!

ズバシュゥゥゥッ!!


ヴァルドラプトル・D「ギアァァァァァッ!!!」

ドガァァァァンッ!!


ピキッ…、パリンッ


ノリマキオムスビ「…ヒヒンッ?」


ディコーラム「ふぅっ…、メモリキャプチャーする余裕はなかったけど、これで解決、ね」

1「オマエ必殺技サケブノニ若干抵抗ヲカンジルゾ」

ディコーラム「う、うっさいわね!!こ、この歳でそういうのは恥ずかしいのよぉっ!!」

1「無理シテ叫バナクテイイノニ…」

Muse「…そういえば、穂乃果ちゃんは?」「隠れてろって言ったのに…」



穂乃果「嫌ぁぁぁぁっ!!やめてっ!!」



Muse「この声…、穂乃果ちゃんっ!!」「まさか…!」


穂乃果「離してっ!!ヤダ、気持ち悪いよぉっ!!」

海未「い、いいではないですか…、ハァハァ…。穂乃果しゅきぃ…、んむーっ、ちゅっちゅっ」

穂乃果「キモイ!!本格的にキモイよこの人ッ!!」


Muse「こ、このっ…」「園田海未ぃぃっ!!」




一方その頃…


凛「ここ、どこ…?」

ことり「…小さい部屋に…、そして…」

凛「こ、これって…」

ことり「…チェス盤、だよね…」


シュラウド「さぁ、座りなさい」

シュラウド「…南、ことり」




第26話「もうGできない / やがて変態という名の光」

おわり

絵里「第26話、いかがだったかしら」

真姫「もう普通に最初に喋る係りのお株を奪われてしまったわ」

ことり「まぁまぁ…」

希「基本的にはほぼ原作をなぞった感じやったけど」

凛「絵里ちゃんの活躍のシーンが増えたね!」

絵里「ふふ、でしょう?メモリを奪って戦う…、意外とかっこよかったんじゃない?」

真姫「私としてはペルソナが普通に相棒として戦ってたのが違和感バリバリだったけどね」

絵里「あの子はほら、ただ生きる肉体が欲しかっただけだから。私の分身を使わせてあげてるんだから利害は一致するわ」

凛「ちなみに名前欄の『1』はディコーラム・アジンの略で決してこの作品を書いている人を指してるわけじゃないからね!」

希「しかも分身体とはいえ意識を持つメモリにメモリをぶっさすとは…」

真姫「色々元ネタじゃやってない無茶なことをやってのけてるわね」

ことり「そして次回はついに…」

絵里「コッティーのパワーアップ回ね!」

希「だいたいどんな形態にするかは決まったんやけど…、名前が思いつかへん…」

真姫「これはもうその場のノリで決めちゃいましょう。今回のスレイプニルライトニング(笑)みたく」

絵里「…」カァァァ…

凛「絵里ちゃんめっちゃ顔赤いにゃ」

ことり「やっぱり技名叫ぶのは恥ずかしかったんだね…。わかるよ…」

真姫「…そうかしら?気持ちいいと思うけど。ねぇ?」 希「うん」

絵里「そ、そんなことはどうでもいいからぁっ!!さ、締めるわよ!!」

希「どんな展開になるのか、それはまだ誰にもわからへん!」

凛「単純に何も考えてないからだにゃ」

真姫「ま、その時までお楽しみにね」

ことり「これで決まりちゅん!」

はいこんばんは 急に眠たくなったけど始めるよ
今日は根幹に関わる大事な安価というか多数決でルートを決めるので5人くらいは集まってくれると嬉しいのだが来ていただけるかどうか
時間かかりすぎると日を置くことになるます 明日もやると思うけれども それじゃあやっていくぞよ

穂乃果「嫌だぁぁぁっ!!離してよぉっ!!」

海未「そんなこと言って下…、もとい指輪は正直ですよ?…っと、あれれ?」

海未「おかしい…、これだけ拒絶されそうなことをしたにも関わらず愛情が溜まりきっていない…」

海未「あれだけ気持ちわるいことしたら確実に私にメロメロになるはずなのに…!一体何があなたを支えているのですっ!!」ドンッ

穂乃果「きゃぁっ!!」バタッ


チャリーンッ…



穂乃果「うっ…、いたた…」



Muse「園田ぁぁぁっ!!」ダダダッ


海未「おっと…」\ミックス!!/ ピチュゥゥンンッ

ミックス・D「ふっ!!」\サンダー!!/\ジャベリン!!/


シュババババッ!!


Muse「喰らうかそんなもんっ!!」「シャイニーシールドで!」


キンキンキンッ!!


Muse「でりゃぁぁっ!!!」ビュンッ!!

シュバッ!!


ミックス・D「おぉっ…、っと、危ない」ヒュッ


Muse「ふぅっ…!!」「なら、これで!!」



\クレッシェンド!!真姫シマムドライブ!!/\フォルテ!!真姫シマムドライブ!!/\アレグリッシモ!!真姫シマムドライブ!!/\スター!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「シャイニーノクターン!!」」

バシュゥゥゥゥゥゥッ!!!


ミックス・D「…おや、これは危険そうだ…」\ミスト!!/\ハリケーン!!/

ビシュゥゥゥゥゥッ…



Muse「くっ…、また逃げよった…」「ゴキブリかっての…」

謎の部屋


シュラウド「…」ヒュッ


ことり「っ…!」パシィッ

ことり「これは…?」


シュラウド「『サバイブ』メモリと…、『アヴェンジャー』メモリ。」

ことり「Sと…、Aのメモリ…」

シュラウド「サバイブを使えば、何者にも屈しない強靭な耐久力を得ることができ…」

シュラウド「アヴェンジャーをバスターにセットすれば、あらゆる敵を粉砕する驚異の破壊力を得ることができます」

凛「強靭な耐久力と、驚異の破壊力…!すっご!」

シュラウド「外はちょうど開けた土地です。試してみなさい」

ことり「…え?前回の最後に座れ、って言ってたような…」

シュラウド「あれは引きをよくするための決め台詞です。座るのは後でいいから」

ことり「そ、そう…?」



ことり「じ、じゃあ…」\ナイト!!/

ことり「変っ…、身…っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「…!」\サバイブ!!/

ガシャンッ!! \サバイブ!!/


ナイト「くっ…、うっ…!!」


パリーンッ…!!


ナイトサバイブ「ふぅっ…!」


凛「おー!変身成功だにゃ!」



ナイトサバイブ「これが新しい私のアイドル…、ナイト、サバイブ…!」

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…見せて、その指輪」

穂乃果「う、うん…」

真姫「…園田海未はあなたのこの指輪に愛情が溜まりきれば、メモリを挿しに必ず現れるわ」

真姫「そうなれば…、あなたの命は途絶え、意識だけがこの指輪の中に閉じ込められ、永遠の時を過ごすことになる」

穂乃果「そ、そんなっ…、怖いよ…」

希「永遠の時か…。一度は憧れるもんやけど…」

絵里「意識だけが捕らえられて、体が全く動けないなんてなったら…、発狂しちゃうわね」

穂乃果「き、きっと…、きっとことりちゃんが、守ってくれるよね…?」

希「ん?…うん、せやね」

真姫「…そっか。穂乃果、あなたの心が園田海未を愛しきれないのは…」

真姫「きっとあなたの心の支えに、ことりがいるからよ」

絵里「え、それって…」

真姫「穂乃果はことりのことが好き、ってことね。Loveの方で」

穂乃果「のえぇっ!!?」

希「おっ?そうやったん…?ヒューヒュー!」

穂乃果「ちっ…、ちがぁぁっ…!ちが…、わ、ないかも…」

絵里「あら、否定しないのね」

穂乃果「…うん。多分、正解なんだよ…。私は、ことりちゃんのことが大好き」

穂乃果「私といっしょにマウンドで戦ってくれたことりちゃん。迷ってた私に道を示してくれたことりちゃん」

穂乃果「そんなことりちゃんと、ずっといっしょにいたいから、こんな仕事を選んだんだし」

真姫「ふふ…、お熱いのね」

穂乃果「いつだって、ことりちゃんを忘れないように、あのお守りを…、お守りを…」ゴソゴソ…

穂乃果「あれ…?あれれ…?」ゴソゴソ…

穂乃果「な…、ないっ…!!」ダッ

希「ちょっ…、穂乃果ちゃんっ!!」

穂乃果「…っ!」

希「今、外に出るんは危険や。…大事なものかもしれんけど、事が収まってからの方が…」

穂乃果「…」

穂乃果「うん…」

謎の部屋の外

…の、採石場的なところ



シュラウド「まさかこんなに近くに採石場があるなんてビックリね」

凛「なにを白々しい」

シュラウド「というわけで青春スイッチ、オン」ポチッ


ドガァァンッ!!


ナイトサバイブ「んなっ…!?」


ゴロゴロ…

シュラウド「岩山を爆破したことで大きな岩がゴロゴロと転がってくるのが見えますね」

凛「なんで今そんな正確な実況を…」

シュラウド「あれを破壊しなさい。わかりましたか?」


ナイトサバイブ「…!うんっ…!!」ダダッ


ナイトサバイブ「だぁぁっ!!」ブンッ!!

バシィィッ!!


バゴォォンッ!!


凛「す、すごいっ…!素手でもあの攻撃力…!傷一つついてないにゃ…!」



ゴロゴロ… ゴロゴロ…


ナイトサバイブ「ぐっ…、複数の岩が同時に…!だぁぁっ!!」

バキィッ!!


ゴロゴロ…


ナイトサバイブ「くっ…、動作が重くて同時には破壊しきれな…」


ドガァッ


ナイトサバイブ「あいたっ!」

ドシャァッ…


ナイトサバイブ「うぅ…、いつものようにうまくいかない…」


シュラウド「違うわ。いつも通りやるからいけないのです」

シュラウド「操る武器が変わったのなら、自分の有利になるように使う…。戦法を変えるのです」


ナイトサバイブ「戦法…?」


シュラウド「サバイブ最大の特徴は、自身の耐久力…。多少の攻撃なんて躱すまでもなく、致命傷となる攻撃だけを防ぎつつ…」

シュラウド「アヴェンジャーによる一撃によりねじ伏せる!二撃、三撃なんて生ぬるい、一度で終わらせるのです!」

ナイトサバイブ「一度で…、終わらせる…!よしっ…」

ナイトサバイブ「ふぅっ…!!」\アヴェンジャー!!/

\アヴェンジャー!!プロモーション!!/


ナイトサバイブ「ど、うわぁっ…!でっかい剣に…」

凛「今まで見た中で最大サイズだね…。まるでモンハンの大剣だにゃ…」

ナイトサバイブ「なるほど…、これで相手を一撃で屠る…!!イケるっ…!!」ダダッ


ナイトサバイブ「はぁぁぁぁっ…、ぐっ…、うがぁっ…!!」

ナイトサバイブ「な、何、これ…!まるで、制御が効かない…!!剣に、振り回され…!!」


ビビー 


ナイトサバイブ「うぐっ…、うがぁぁぁぁぁぁっ!!!」ピチュゥゥンンッ…!!

ことり「くはぁ…!」バタッ



凛「わぁぁぁっ!!こ、ことりちゃんが岩山途中で変身解除して倒れちゃった!あのままだと…」

シュラウド「いずれ岩の下敷きになりますね」

凛「悠長なこと言ってる場合じゃないよ!!早く助け…、ってわぁぁぁぁっ!!今にも大きな岩が転がってきそう!!」


ゴロゴロ…


ことり「うっ…、くぅっ…」


シュラウド「…はぁ」ピッ


バゴォォォンッ!!


凛「う、うおぉ…、大きな岩が爆発したにゃ…」

シュラウド「今のが実践なら…、あなたは確実に死んでいました」

ことり「くっ…、も、もう一回…!…あれ?め、メモリが…」

ことり「メモリが、白くなってる…。Sと…、Aとしか書いてない…」

シュラウド「それはブランク、という状態。メモリに内包された旋律が打ち消された時に起こる現象です」

ことり「どうして…、そんなことに…?」

シュラウド「それは、あなたが『生き残りたい』とも、『復讐したい』とも思っていないから、です」

ことり「なっ…」

シュラウド「強く思う気持ちは、メモリを容易く変異させる。ですが、逆もまた然りです」

シュラウド「気持ちが弱ければ、それに込められた旋律は姿を眩ませる。当然のことよ」

ことり「…っ」

シュラウド「…あの部屋に戻り、私とチェスをしなさい。一度でも、チェックメイトの形に持ってきことができれば…」

シュラウド「あなたにはそれらのメモリを使いこなすことができる。…やる?それとも…、やらない?」

ことり「私に…、質問するな…っ!!」グググ…

???


ショキッ… ショキッ…


海未「…ふぅ、英玲奈自ら私の髪を切ってくれるなんて…」

英玲奈「いいの。あんじゅの髪だって時々こうして…」


ツバサ「…」

あんじゅ「…」


英玲奈「…ッ!ツバサ、あんじゅ…、いつから、そこに…」

ツバサ「…思い出したわ。3年前のあなたを」

ツバサ「あの貧相な胸…、もとい、貧相な女が、随分と立派になったものね。…貸しなさい」

英玲奈「あっ…、ハサミ…」

ツバサ「私に…、メモリをくれと、強請ったわね。…力が、欲しいと」ショキッ… ショキッ…

海未「…フッ」

ツバサ「あなたは、とんだ欲しがり屋さんね…。ミックスのメモリを手にし、私のお友達まで篭絡し…、これ以上何を望むのかしら…?」ショキッ…

海未「…私は、満たされたいのですよ。究極の力で」

海未「だからあなたを倒し、ユーフォリアのメモリを奪います」

英玲奈「…っ」

あんじゅ「…!」

ツバサ「できると思って?」

海未「できますよ。もうじき私はあなたを超える。愛と、命の力によって」

ツバサ「愛と、命ね…」

海未「今度はあなたが…、私の足元に這いつくばる番です」

ツバサ「…そこまで言うなら」\ユーフォリア!!/

あんじゅ「ツバサちゃっ…!!」  英玲奈「…っ!!」

ツバサ「覚悟は、できてるのよね?」ピチュゥゥンンッ…!!


ユーフォリア・D「真の幸福を…、あなたに授けてあげるわ。…死という幸福を」


英玲奈「ま、待って!!落ち着いて、ツバサ…!」

ユーフォリア・D「英玲奈、なんのつもり?『UTXに逆らう者は処刑する』…それがあなたの生きがいではなかったの?」

英玲奈「だ、だけど…、海未は…、海未は…!」

海未「…英玲奈」

ユーフォリア・D「ダブルスタンダードは許されないわ、英玲奈。あなたは、どちらにつくの。…答えなさい」

英玲奈「…っ!!わ、私は…!!」




1.UTXを裏切り、海未と共に行く
2.仲間とUTXを裏切ることはできない。ただし海未は逃がす


↓5~7で多数決 多かった方に分岐します

というわけで圧倒的多数で1に
個人的には2が良かったんだぜ!オリジナル要素増やせそうだったのに
というわけで英玲奈には離反してもらいます 続きどうぞ

英玲奈「…!」\ドロレス!!/ ピチュゥゥンンッ…!!

ドロレス・D「…ツバサ」

ユーフォリア・D「英玲奈…、本気なのね?」

ドロレス・D「もう、お前の時代は、終わったんだ…、ツバサ!」クォォォォォ…!!

ユーフォリア・D「へぇ…、撃てるの?あなたに…」

ドロレス・D「…っ!」

ユーフォリア・D「この私を…!!」

ドロレス・D「…あぁぁっ!!撃ってやるよっ!!はぁぁぁっ!!!」バシュゥゥゥゥゥッ!!


ビッ…、ピカァァァッ…!!


ユーフォリア・D「くぅっ…!」

あんじゅ「ま、まぶしっ…!!」



あんじゅ「…っは!え、英玲奈…?英玲奈は…」

ユーフォリア・D「どうやらあの一瞬で、園田海未を連れて逃げたみたい」ピチュゥゥンンッ…

あんじゅ「嘘…、そんな、英玲奈…」

ツバサ「…本当、バカな女…」



謎の部屋


ことり「チェスであなたにチェックメイトすれば、私はこのメモリを使いこなせるようになるのね?」

シュラウド「えぇ…、間違いなく」

凛「でもなんでチェス…?」

シュラウド「私がチェス大好きだから」

凛「ずこー!そ、そんな理由で…?」

シュラウド「…もう一つの理由は、私が強いから。チェスではほとんど負けたことがないわ」

シュラウド「強大な敵と戦うとき、生き残りたいと思う気持ちと、復讐したいと思う気持ちを呼び起こす。それが目的」

シュラウド「チェスのルールでは、弱者はまず強者には勝てない。駒を奪われ、陣地を荒らされ、それでも尚冷静な判断力を持てるか…」

シュラウド「戦闘においても、同じことが言えます。だからチェスを選んだのです」

凛「お、おぉぅ…、思いのほかまともな理由だったにゃ…。画づらはすっごい地味だけど」

シュラウド「やかましいわ。…で?準備は出来ました?南ことり」

ことり「…あの、少し、いい?」

シュラウド「何?ハンデなんて儲ける気は…」

ことり「わ、私…」


ことり「…チェスのルール、知らない」

シュラウド「…」

凛「…」


シュラウド「…マジか?」

凛「マジで?」

ことり「マジだ」

ことり「しょぉーたーいっ♪」

凛「じゃないよっ!!え、チェスドライバーって名前のベルト使っててチェスのルール知らないの!?」

ことり「だってだって私がチェス好きで使ってるわけじゃないもん!!この人の趣味でしょ!!?」

シュラウド「まぁそうだけども」

ことり「別に戦い方にチェスの要素があるわけでもないし…、今まで興味なかったから覚えてないよ…」

凛「そ、それでチェックメイトすれば云々とか言ってたの…?無謀すぎるよ…」

凛「…ってかキメ台詞の『さぁ…、チェックメイトだよ』ってチェス知らないで言ってたんだとしたら恥ずかしすぎるよね」

ことり「うっ…、そこを突かれると非常に痛い…」

シュラウド「…やはり、あなたには…」

ことり「ま、待って!!今からネットでルール調べるから!!あとやりながらルール覚えるからぁっ!!」

凛「おいおい…」

シュラウド「…別に、構いません。それで気持ちが高まるなら」

シュラウド「ですが、私にチェックメイトをしなければ、いつまでもメモリを扱えるようにはなりませんよ?」

ことり「わかってる…!何時間かかっても、絶対に勝ってみせる…!!」


数分後…


シュラウド「…チェック」

ことり「うっ…、じゃあ、ここにナイトを…」

シュラウド「ではクイーンで」

ことり「ぐふっ…!こ、これは…」

シュラウド「チェックメイト、ね。…失格です」

ことり「うっ…、ぐぐっ…!」

凛「ルールは覚えたけど…、物の見事に惨敗だにゃ…」

ことり「も、もう一回!!」

シュラウド「えぇ、何度でも。最後まで生き残り、見事復讐しきるまで、何度だって付き合いますよ」

2回戦


シュラウド「…チェックメイト」

ことり「うぐっ…!」


5回戦


シュラウド「…チェックメイト」

ことり「ぬあぁっ…!!」


11回戦


シュラウド「…チェックメーイ」

ことり「にょわぁぁぁ…!!」


23回戦


シュラウド「…チェッ、ミー」

ことり「のむひょん…!」

凛「もう二人共まともに喋る気さらさらないよね」


シュラウド「…弱すぎます。一度もチェックされないなんて」

ことり「だ、だって…!初めて数時間の素人が、経験者に勝てるわけ…」

シュラウド「…そうですね。片方が有利なものを使えば、一方のワンサイドゲームになるのは目に見えてます」

シュラウド「自分の有利なものを使って戦うのも、戦術の一つです」

ことり「そ、そんなの…、じゃあ私にどうしろと…」

シュラウド「それは自分で考えなさい。…ですが、ここで諦めるようなら…」

ことり「わ、わかってる…!24回目…、行こう…!」


数分後…


ことり「ぐ、うぅっ…!!」アセダラダラ…

凛「お、おぉ…!ことりちゃん、今回は今までで一番攻めてる…!」

シュラウド「まぁ何回もすればこちらの手の内も多少は探れるでしょうし…」カタッ

ことり「ぬ、ぐ…!」アセダラダラ…

凛「う、うわ…、すごい汗…」

シュラウド「将棋やチェスといったゲームは非常に脳内の糖分を消費するらしいですからね。こうして疲労がたまるのも無理は…」

ことり「ぐ、ぎ…、ぎ…、ぅ…」バタッ

凛「えっ…、ちょっ!!ことりちゃん!た、大変…、ことりちゃんが…!!」

凛「頭の使いすぎでぶっ倒れちゃった!!」

東條西木野☆探偵事務所内


穂乃果「でねー、ことりちゃんってピッチャーなのにも関わらずだよ!?バッティングの才能まで持ち合わせててさー…」

希「へぇ…、意外…」

絵里「あのことりがねぇ…、人は見た目じゃ判断できな…、あ、トイレ行きたい。紅茶の飲みすぎかしら…」テクテク…

穂乃果「あ、いってら。…でね、私なんかキャッチャーの癖にバッティングできなさすぎて、ついたあだ名が歩く四次元…」

ピリリリリ…

希「…あ、電話や。あだ名の件はめっちゃ気になるけど、後でね。…はい、もしもし、凛ちゃん?」

凛『こっ、ことりちゃんが大変なの!ち、ち、チェスで!勝てなくて!!俺は俺にご褒美を与えるとかなんとか…』

希「お、落ち着いて…。ことりちゃんがどうしたって…?ふむ…、えっ!?ぶ、ぶっ倒れて意識を失った!?」

穂乃果「えっ…!?」

穂乃果(わ、私がお守り無くしちゃったからだ…!)

希「で、怪我は…?それはない?よかった…、うん、だから落ち着いて…」

穂乃果「…」ササッ…


ガチャッ チリンチリーン



???


ピリリリリ… ピリリリリ…

あんじゅ「…」


ガチャッ

あんじゅ「あっ…、英玲奈!?英玲奈、今どこにいるの!?」

英玲奈『あぁ…、あんじゅか…』

あんじゅ「え、英玲奈は…、英玲奈はあの女に騙されてるのよ!」

あんじゅ「今までUTXやツバサちゃんのために頑張ってきたじゃない…!ツバサちゃんとは幼馴染なんでしょ!?ねぇ!?」

英玲奈『…あははは、あはははは…、アハハハハハハハ!!』

あんじゅ「え、英玲奈…?」

英玲奈『…ごめん、あんじゅ。私はね、あんじゅのこと、大好き。ツバサも、総帥は…、まぁまぁ好き』

英玲奈『だけど、好きだからこそ…、好きだからこそ、私はそれを踏みにじりたい…!』

あんじゅ「そ、そんな…!」

英玲奈『私はね?本当は傷つきやすい性格なんだ。なんでも好きになってしまう。今まで殺してきた、UTXを抜けようとしてきた仲間も』

英玲奈『それらを手にかけるとき、私の心はひどく痛ましく傷つく…。一人殺せば、一つ心臓が抉られるような感覚に陥いる』

英玲奈『最初は、それがたまらなく嫌だった。嫌で、嫌で、だけどUTXのゴミ処理として任務を全うしないと、UTXの、ツバサのためだ、って…、そう思いながらやってたら…』

英玲奈『いつしかその胸の痛ましさが、気持ちよくなってたんだ…。それまで長く共にいた人を殺す時ほど、絶頂に近い感覚を覚える…!』

英玲奈『だから…、だから私は…!お前たちを殺せば、どれほど気持ちいいか…!!いつもいつも考えていたんだよ…!!』

あんじゅ「え、れな…」

英玲奈『海未のことはきっかけに過ぎない…。私は私の感情に嘘が付けなかった。…それだけよ』

英玲奈『…じゃあね、さよなら、私の大好きなあんじゅ。私に殺される時は、せいぜい良い声で啼いてくれ』ガチャッ


ツー ツー ツー


あんじゅ「…」

???


カタッ… カタッ…


総帥「…へぇ、英玲奈がね。ふぅん…」

ツバサ「…驚かないの?」カタッ

総帥「まぁ…、あの子はそういう子だって思ってたし。いつかは袂を分かつことになるとは…、思ってたけどね」

ツバサ「…そう」

総帥「あなたも…、わかってたことじゃないの?」カタッ

ツバサ「さぁ…、どうかしら。それより、園田海未のメモリの件なんだけど…、グリームメモリ、だったっけ?」

ツバサ「あのメモリで、本当に私を倒せるほどの力が手に入るの?」カタッ

総帥「でしょうね。ほとんどの相手なら圧倒できるほどの、莫大なパワーを手にすることができるわ」

ツバサ「えらく…、すっぱり言い切るのね」

総帥「…だって、あのメモリは、私の力を一つにまとめたようなもの、だから」カタッ

ツバサ「…」

総帥「指、止まってるわよ?悩んでるの?」

ツバサ「…いや、そうじゃないわ。…そう、確かに…、そう、かも…」カタッ

総帥「装着したものの愛を吸い取り、意思へと変換する指輪と、使用者の命を吸い取り、力へと変換するメモリ」

総帥「人の『愛』と、人の『命』…。その二つから作られるエネルギーは、凄まじいものよ」カタッ

ツバサ「だから私じゃ敵わない、と…。じゃああなたなら?」

総帥「…ん?」

ツバサ「同じく、その力を持つあなたなら、どうなの?」

総帥「…」

総帥「…さぁ、やってみないと、わからないわね」

ツバサ「…そう」カタッ

総帥「…ん?これって…」

ツバサ「チェックメイト。…また私の勝ちね。あなた、本当に弱いのね」

総帥「あぁ…。また負けちゃったわ。これで何敗目かしら…。あなたが強すぎるのよ、ツバサ」

ツバサ「…そんなことないわ。私なんて…、全然…」

ツバサ「あの人に、一度だって勝てたことないのに」

ツバサ「…本当、全然違うのね。あの人とは」




路地


穂乃果「えっと、多分この辺に…」

穂乃果「あ、あった!私のお守り…、よかった…!」


海未「…やっと謎が解けましたよ」


穂乃果「…っ!!」

海未「あの刑事があなたの心の支えだったとは…。でしたら彼女をあなたの目の前で血祭りにして差し上げましょう」

海未「そうすれば私への拒絶感は一気に増大し…」

海未「私は究極の存在となる」

今日はこの辺で 予定では550までにはこの話終わらせたかったんだけど安価とか多数決とかしてたら間に合わなくなっちゃった
これでは1000までに本編終わらないかもしれないね まぁどうせAtoZのための次スレ立てる予定なのでそっちで続きはやればいいんだけど

かなりクソどうでもいい余談だけどあんじゅの呼び方で英玲奈は呼び捨てツバサはちゃん付けは個人的にすごく気に入ってるので
公式でもこうなったらいいのにって思いましたまる

あ、あと今のうちに言っておくと次回のサブタイトルには『X』を使う予定なのでメモリの頭文字はフリーです
よさげなのを考えておいてね ほなな

遅くなったけど始めます!それで満足するしかないじゃないか…
あ、次回サブタイXだけど別にメモリはXじゃなくていいよ!っていう意味でのフリーでした
なるべく抽象的な英単語より生物モチーフとかの方が単純で扱いやすいと思うけど 次回はバトルメインでないし
今はこの回を完結させるほうが先決だけれども じゃあやっていくよん

穂乃果「ねぇ、ことりちゃん」

穂乃果「ことりちゃんはね、私にとって、ずっと憧れの存在だった」

穂乃果「かっこよくて、頼りがいがあって…、私にとって、ヒーローみたいな人」

穂乃果「だけど、今は」

穂乃果「私だけ、じゃないんだよね」

穂乃果「ことりちゃんは、この街のヒーロー」

穂乃果「だから、ね…、ことりちゃん…」



「…り、ちゃん!こと…、…んっ!!」



ことり「ん、うぅ…」

凛「ことりちゃんっ!!」

ことり「凛ちゃん…?」

凛「よ、よかった!起きたにゃ!!」

ことり「私…、そっか、気を失って…」

シュラウド「…」

ことり「…心配しないで。まだ、できる…」スクッ…


<ゼツメツタイムダ!!


ことり「…?キバットフォンが…」パシッ ガチャッ

ことり「もしもし…」


海未『…高坂穂乃果は預かりました』


ことり「…!園田…!」

凛「えっ…!」


海未『急いで来なさい。…でないと、あなたはまた大切なものを失う』


凛「なっ…、なになに!!どういうことなの!?」

ことり「…わかった。4時に鈴鳴峠だね」ガチャッ

凛「どうしたの…?」

ことり「…穂乃果ちゃんが…、園田に攫われた」

凛「う、嘘…!」

ことり「…シュラウド」

シュラウド「…」

ことり「私は行かなきゃいけない。…次こそ、あなたをチェックメイトしてみせる」

シュラウド「復讐ではなく…、その子を守るために?」

ことり「…そうだよ」

シュラウド「…」

謎の部屋 の外


凛「…」

凛「なんで凛は追い出されたの…」

凛「…なんか、ことりちゃんが見られたくないから、とかなんとか…」

凛「でも、いくら攻めてたからとは言っても、次でシュラウドにチェスで勝つことなんて…、本当にできるの?」

凛「下手すれば、今から何時間も…。って!それじゃあ4時に間に合わないよ!」

凛「ことりちゃん、大丈夫かなぁ…」


ガチャッ


ことり「…」

凛「って、ことりちゃん…?どうしたの?トイレ?」

ことり「…終わったよ」

凛「へ…?いや、まだ数分しか経ってないんですけど…」

ことり「ちゃんと私は『チェックメイトの形に持っていった』よ。…だから、合格なの」

凛「…?」

ことり「凛ちゃん」

凛「なに…?」

ことり「希ちゃんと真姫ちゃんにも、よろしく、って伝えておいて…」スタスタ…

凛「えっ…」



謎の部屋


凛「ちょっと!ど、どういうことなの?ことりちゃん、チェスで勝ったの…?」

シュラウド「…」

凛「…って、なにこの盤面…!」

凛「シュラウド側はキング一つだけ…。ことりちゃんの白の駒が、やたらめったらキングを取り囲んで…」

凛「どうやったらこんな状況に…?」

シュラウド「簡単なことです。…彼女は、私の駒をその手で払い除け、あらかじめセットされていた駒を周りに並べただけ、です」

凛「えっ…、それって…」

シュラウド「ルールなぞ、もはや完全に無視。ただ私の言った条件である『一度でも、チェックメイトの形に持っていく』を強引に成立させた」

凛「そ、そんなの…そんなので合格なの…?」

シュラウド「なわけ無いでしょ。…ただの屁理屈でしかないわ」

凛「じ…、じゃあなんで行かせたの!?今のままのことりちゃんがメモリを使用したら…!!」

シュラウド「彼女は憎しみの心を忘れた…。もう興味はないわ」

凛「興味ない、って…。それじゃ、ことりちゃんは…」

凛「…って、え…!?シ、シュラウドが消えた!?一瞬目を離した隙に…」

凛「ど、どうしよ…!どうしよう…!!」





ブロロロロロ…

ことり「…」

海未「…ごくっ、ふぅ、紅茶が美味しい」

英玲奈「…」

海未「…英玲奈。私は今、戸惑っているのです」

英玲奈「戸惑う…?何を?」

海未「自分の気持ちにです。…はっきり言ってあなたは、綺羅ツバサに近づくための道具でした」

海未「でも、今は違います」

英玲奈「えっ…」

海未「…初めてです。好きでも、嫌いでもない。…こんな気持ちになったのは」

英玲奈「海未…」

海未「英玲奈…。私は、あなたが…」


ブロロロロロ…


海未「おっと、来ましたか」スクッ

英玲奈「ぁ…」

海未「…戻ったら、次は…」

海未「あなたの髪を切らせてください。そして、見せてください」

海未「本当のあなたの笑顔を」スタスタ…

英玲奈「…」



鈴鳴峠


ブロロロ…

ことり「…」


穂乃果「ことりちゃんっ!ぐっ…、動けな…」


ことり「すぐ助けてあげる…。待ってて」

穂乃果「あ…、うんっ!!」


海未「いいのですかぁ…?」\ミックス!!/

海未「そんな約束をして…」ピチュゥゥンンッ…!!


ミックス・D「わずか1%も、勝つ望みなどありはしないのに…」


ことり「…」\ナイト!!/

ことり「変…、身…っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「ふっ…!!でやぁぁぁぁっ!!」ダダダッ


ミックス・D「はぁっ!!」\サンダー!!/\レイン!!/


バチバチバチィィィッッ!!


ナイト「あぁぁぁぁっ、でいやぁぁぁあっ!!」ブンッ!!

ミックス・D「くっ…!ふんっ!!」ヒュンッ!!

ミックス・D「ふぅっ…!なかなか…、やるようですねぇ…」

ミックス・D「ですが所詮その程度…。私には敵いません…」


ナイト「…」

ナイト「…」スッ


ミックス・D「…!?それは…、新しいメモリ!?まさか…」


ナイト「…」



タッタッタッタッ…

凛「はぁっ…!はぁっ…!!こ、ことりちゃんっ!!」

希「はふっ…、走りでこんなとこまではキツイ…」

真姫「…」


ナイト「…凛ちゃん」


凛「だ、ダメだよっ!!ズルしちゃ意味ないんだよっ!!それじゃ、メモリを使いこなすなんて…」


ミックス・D「ズル…?…おや、よく見ればそのメモリ…。ブランクではないですか」

ミックス・D「そんなメモリを挿したところで、新たな力を得ることなど、不可能ですよ?」


ナイト「…」

ナイト(確かに、このSとAのメモリには、何も書かれてはいない…)


凛「今のままじゃ、園田に勝つことなんて…」

希「…待って」

凛「えっ…?」

希「ことりちゃんなら、やれる」

真姫「…えぇ」


ナイト「…」



(シュラウド「操る武器が変わったのなら、自分の有利になるように使う…。戦法を変えるのです」)

(シュラウド「強く思う気持ちは、メモリを容易く変異させる」)

(シュラウド「自分の有利なものを使って戦うのも、戦術の一つです」)



ナイト(彼女は、私にヒントを与えてくれた…)

ナイト(そう、他人から押し付けられた力を使っても、それが自分の得意なものでなければ、力を最大限発揮することはできない)

ナイト(なら、自分の有利になるように…、自分の得意なもので、戦うことができれば…)

ナイト(強く想う気持ちは、メモリを変異させる。だったら…)

ナイト(私の、得意なモノ…。それは…!)



ピカァァァァァァッ!!

ミックス・D「…!?この光は…!」


凛「ことりちゃんの握った二本のメモリが、光を放って…」

希「これって一体…」

真姫「メモリが…、メモリに秘められた旋律が、変異しているのよ」

凛「えっ…!?」

真姫「『守りたい』…ことりのその心に、メモリが応えている」


ピカァァァァァァッ…


ナイト「…」


凛「光が、収まって…、ことりちゃんの手に握られてるのは…」

希「メモリ、やけど…。メモリの上部に、半球が付いてる?あれは…」



穂乃果「あ」

穂乃果「あれって、もしかして…」

穂乃果「…ソフトボール…?」



ナイト「…思い出した」

ナイト「私は、昔、無敵だったの」

ナイト「…マウンドの上では、誰にも負けなかった」

ナイト「全て、抑え、全て、振り切ってきた」

ナイト「さぁ…、今こそ」

ナイト「振り切るよ」


\エース!!/ ウゥゥゥゥィィィィィィィ!!


凛「えっ…!?」

希「な、なにこの変身音…?」

真姫「これは…、サイレン?」



ナイトエース「…これが」

ナイトエース「これが私の、本当の新しい姿」

ナイトエース「仮面アイドル…、ナイトエース」



凛「Aの…、アヴェンジャーのメモリが…!エースのメモリに、変わっちゃった…!?」

ミックス・D「ほぅ…、それがあなたの新しい力…。ですが以前にもまして貧相なシルエットですねぇ…」

ミックス・D「そんなので、どうやって戦うんですか?」


ナイトエース「それは…」スッ… ガションッ

ナイトエース「こうやって」ジャンッ


ミックス・D「は?それは…」


希「もう片一方のメモリと組み合わせて、二本のメモリの上に球体がのっかってる状態に…」

真姫「突き出てるメモリを格納したわね。これで見た目は完全に球状」

凛「あれは、まさしく…!」


穂乃果「や、やっぱりソフトボールだ!!」


ミックス・D「そふとぼぉる…?あっ…、あはははははは!!」

ミックス・D「ふざけているのですかぁ!?」


ナイトエース「ふっ…」ザッ…


ミックス・D「そんな球っころでどうやって私を…」


ナイトエース「はぁぁぁぁぁっ!!」ブンッ!!


ビュォォォォッ!!


ミックス・D「倒すとい…、ブゥッ!!」

スコォォンッ!!


ナイトエース「…ワンストライク」



希「ふ、振りかぶって投げたー!!」

真姫「しかもオーバースローだし…」

凛「ソフトボールじゃなかったの…」


ミックス・D「んなっ…!は、速い…!」

ミックス・D「で、ですが一発当てた程度じゃ…ヘブゥッ!!」スコォォンッ!!


ナイトエース「ツーストライク」


ミックス・D「んがぁっ…!な、なぜボールがあなたの手に…!」


ナイトエース「メモリが私のしたいことに応えてくれる。あなたにぶち当てた次の瞬間には、私の手の内に戻ってる」

ナイトエース「心配しないで。スリーストライクで終わらせるつもりなんてないから」

ナイトエース「3球で足りなければ10球、それでもダメなら100球…!それでも倒れないなら…!!」

ナイトエース「1000球だ…!!」ビュンッ!!


ミックス・D「ひぃっ…!!?」

ズゴォォォォンッ!!

ミックス・D「ぐっ…!ぐふひぃっ…!!」

ナイトエース「はぁぁぁっ!!」ビュンッ!!


スコォッォンンッ!!

ミックス・D「ごぶふぅっ…!!こ、こしゃくなっ…!!」\ブレイズ!!/\スティング!!/

ミックス・D「これでも…、喰らいなさいっ!!」


シュバババッ!!


ナイトエース「そんなもの…!全部…!!」

ナイトエース「打ち落とすっ!!」ブンッ!!

ビュンッ!!ビュンッ!!ビュンッ!!


スバババババッ!!

ミックス・D「そ、そんなっ…!私の能力すら…、全て…」


希「な、投げるのめちゃくちゃ速い…」

真姫「一つ一つの動作が次の投球に繋がっている…。しかも、あらゆるフォームで全くブレのない球速…」

凛「あ、あれがことりちゃんの…、真骨頂…!」


ミックス・D「お、おのれおのれおのれぇぇぇっ!!ならばこれで…!!」\ヴォルケーノ!!/\ラプター!!/

<グエェェェェェェェッ!!!


ミックス・D「焼き殺してあげましょうっ!!」


ナイトエース「…っ!」\エース!!真姫シマムドライブ!!/

ナイトエース「はぁぁぁぁぁ…!!」ザッ…

ナイトエース「でりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


ビュゥゥゥウンッ!!


希「は、速い…!でも、球がめっちゃブレてる…!あれは…」

真姫「いわゆる…、ナックルボールだわ!」

凛「で、でもあの球…!!」


ビュウォォォォォッ!!

ガシィィッ!!


凛「こ、拳のオーラを纏ったにゃ!!」

真姫「これがホントの…」

希「ナックルボールか…」


ビシュゥゥゥゥゥッ!!


<グギェェェェェェッ!!?

ズバシィィィィィィッ!!


ドガァァァァンッ!!


ミックス・D「んなぁっ…!!こ、これほど、までとは…!!」

ナイトエース「私の力は、これだけでは終わらないよ…!」

ナイトエース「もう一つ、思い出したの」

ナイトエース「私、バッターボックスでも、そこそこの負け知らずだったってことに」\スラッガー!!/

ナイトエース「もう一度…、振り切るよ」

\スラッガー!!/ ピピーピピピーピッピッピッピッ


凛「こ、今度はSのメモリ…、サバイブがスラッガーに!?」

希「しかも今度の変身音は…」

真姫「…応援歌ね」


ナイトスラッガー「私の最初の武器、ポーンバスター…」

ナイトスラッガー「この子がバットだったことは…、運命だったのかもね」ガチャンッ…

ナイトスラッガー「それじゃ、行くよっ…!」ポチッ カシャンッ


希「また二つのメモリを合わせて球体に…」

真姫「でも、次は…」

凛「打つつもり…!?」


ナイトスラッガー「はぁっ!!」ブンッ!!

カキィィンンッ!!


ビュォォォォッ!!

ミックス・D「ぬおぉっ…!!ひぶぅぅぅっ!!!」バシコォォンッ!!


希「当たった!」

真姫「そして、ミックス・ドーパントに直撃したボールは跳ね返ってそのまま…」

凛「もう一度、ベストな位置でことりちゃんの正面に…!!」


ナイトスラッガー「はぁぁぁぁっ!!」カキィィンンッ!!


バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!


ミックス・D「ぐ、ぐおぉぉぉおぉぉぉおっっ…!!!」


カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!カキィィンッ!!バシィィンッ!!


ナイトスラッガー「これで、最後の一発…ッ!!」

カキィィィィインンッ!!


ミックス・D「ぬぐぅっ…!!おぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

バシィィィッンッ!! シュゥゥゥッ…

\スラッガー!!真姫シマムドライブ!!/


ナイトスラッガー「…絶望がお前の、コールドゲームだ」


ミックス・D「ぬおぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!!」



ドガァァァァァァァァァァァァンッ!!

英玲奈「ぅ、あ…!」

英玲奈「海未…!!」



パキィィンンッ…!!



海未「ぐ、ふぁっ…!」バタッ…!!


凛「…ぃ」

凛「ぃやったー!!ことりちゃんが勝ったぁぁぁぁぁっ!!」


海未「し、信じられません…!憎しみがあなたを…、ここまで強くしたのですか…!!」

ナイトスラッガー「…私を強くしたのは、憎しみなんかじゃないよ」スッ…

(グリームメモリの砕ける音)


穂乃果「あ…!」


ことり「…大丈夫?」ススッ…

穂乃果「あ、ありがと…!ことりちゃんっ…!!」

ことり「…穂乃果ちゃんを守れて…、よかった…」



海未「ぐっ…、ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ミシミシミシィィィッ…!!



ことり「…っ!!?」

希「体中に、メモリコネクタが…!」

凛「な、何が起こってるにゃ!?」

真姫「メモリの過剰使用のツケが回ったのよ…!」


海未「ぐ、うぅっ…!!これで、終わったとは思わないこと、です…!」

海未「あなたたちの運命も、仕組まれてしたんですよ…!!」

海未「あの…、シュラウドという女にぃ…!!」


ことり「…っ!?」


海未「先に地獄で、待っていま…ごあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」グジュルゥゥゥッ…!!

サァァ…!!


ことり「うっ…」

希「…悪魔にはふさわしい最期、か…」



英玲奈「ぅ、ぅぁ…」ガクッ…



シュラウド「…」

東條西木野☆探偵事務所内


希(事件は終わり、穂乃果ちゃんは以前の笑顔を取り戻した)

希(今回の事件、ことりちゃんが焦るのは当然やったやろうけど、うちらも内心かなり焦ってた)

希(また、あの時みたいに…、大切な人を失ってしまうんじゃないかと。だけど、ことりちゃんのおかげで街の住人は命を救われた)

希(これで誰かが涙を流すことも…、あ、そういえばこれってことりちゃんの依頼だったような…)


希「ねぇ、ことりちゃん。今回の依頼料やけど…」

ことり「え…、あぁ、そうだったね。うん、もちろん…」

穂乃果「えぇぇっ!!?ダメだよことりちゃん!心配かけたのは穂乃果なんだから、穂乃果が払うよ!」

ことり「えっ…?でも穂乃果ちゃん、お金そんなにないんじゃ…」

穂乃果「うっ…!そうだった…!!」

希「いや、そのことやねんけど…。お金はいらないわ」

ことほの「「えっ?」」

希「今回のヒーローは、ことりちゃんやし」

希「その代わりと言ってはなんやけど…。どこか楽しいところに、連れて行ってくれへん?」

ことり「楽しいところ…?」

希「うん。今回大変な事続きやったから、気分を発散したくて」

穂乃果「あっ!それだったら、ちょうどうってつけの場所が!!」

凛「ん?どこどこ!?」

穂乃果「それはねー…」



競馬場


穂乃果「いっけー!!オコメノチカラー!!」

真姫「ハクマイサイコー、負けんじゃないわよ!」


希「競馬かよ…」

凛「ま、いいじゃん。こういうところも新鮮で」

絵里「ぎ、ギャンブルはいけないっていつもおばあさまから言いつけられてきたのに…!すごく楽しい!悔しい…!」

真姫「のわーっ!!まさかの大穴ニコニーニコチャンが一位!?」

穂乃果「ウッソぉっ!?ってことは…、またことりちゃん大当たり!?」

ことり「あ、やった」

穂乃果「なんでこの中で一番の高給取りが一番当たるのぉっ!!?」

ことり「わたしに質問するな」

凛「…穂乃果ちゃんもアイドルなんだからそれなりにもらってるはずじゃ…」

真姫「え?アイドルがなんですって?」

希「ナンデモナイナンデモナイ」

絵里「何の話?ねぇ何の話?」

ことり「わたしに質問するな」



第27話「もうGできない / 全てを振りかぶれ」

おわり

ことり「27話、どうだったかな?」

真姫「誰かも言ってるけれど、まさかのナイトの上位形態がソフトボールだなんて…」

凛「チェス成分どこへ消えちまったんだにゃ」

ことり「だって私そもそもチェスしらないしー」

希「ソフトボール部設定も前回付いたばかりなのに…」

絵里「ちょうど初期武器がバットだったのもあってなんかイケるんじゃないかと考えた結果らしいわね」

凛「本当に前回始めるまで何も考えてなかったんだね…」

真姫「ちなみにエースメモリ、スラッガーメモリの仕組みはこんな感じ(http://i.imgur.com/EeUFdzy.jpg)よ」

希「見づらかったらごめんね」

ことり「そういえば野球モチーフの仮面ライダーっていない気がするね。おもちゃが危ないからかな?」

凛「戦隊の方はいるけどね。助っ人外国人みたいなニンジャ」

絵里「そして今回でついに海未がお陀仏したわ!私の代わりに出てきやがった敵幹部がついに退場したわね!」

希「なんか嬉しそうやねえりち…」

真姫「今のところ唯一何の救いもないゲスな本名キャラね…。本来の海未には申し訳ないわ」

ことり「実際には私と海未ちゃんは仲良しだからね?あんな争いはしないんだから!」

凛「…穂乃果ちゃんの所有権を争うのはよく見る気がするけど」

真姫「実は今回のお話のコンセプトはそれなのよね。だから穂乃果にはひどい目にあってもらったわ」

希「ほのキチのによる穂乃果ちゃんの奪い合いか…」

絵里「そして次回からは…」

真姫「ようやく核心に迫るお話へと!物語はクライマックスに突入するわ!」

真姫「一人離反した統堂英玲奈の運命は!?その時優木あんじゅは何を想う!?綺羅ツバサに秘められた恐ろしい力とは!?」

真姫「UTXの真の目的、それは一体…!?そして、謎に包まれた少女、UTX総帥の正体やいかに!」

凛「なんで敵方の紹介ばっかりなんだにゃ」

希「まぁ元ネタも壮大な家族の物語みたいなもんやし…」

ことり「そんなこんなだけど、次回をお楽しみにね」

真姫「じゃあ次回のメモリを安価して今日はおしまいね!」

絵里「これで決まりよ!」



次回のメモリ
>>572(頭文字なんでもええよ)

photon 光子

夜分遅くこんばんわ おそらく1話3分割になるけどやっていきます
このあたりから元ネタと設定が食い違いまくってきているせいで完コピが通用しなくなってきた
見切り発車は危険だけど二日は開けたくないのでノリで辻褄合わせて行ければいいな

1年とちょっと前 凛がはじめてこの街に来た日



星空☆探偵事務所前


真姫「…っと、よいしょっ…」トンテンカン

真姫「ふぅ、できた」

希「ま、真姫ちゃん…、こんな大きな看板を短時間で作れるなんて…。なんでもできるんやね」

真姫「なんでもはできないわ。出来る範囲内だけよ」

希「そ、そう…。でも…、いいんかな。勝手に看板入れ替えて、うちらの事務所にしちゃうなんて」

真姫「いいの。また今日みたいに星空所長を頼ってここに来ちゃう人がいるかもしれないでしょ」

希「まぁ、せやけど…」

真姫「…おやっさんさんが居ない今、あなたがこの街を守らなきゃいけないの。しっかりしなさい」

希「…そっか。そう、なんやね…。まだ実感はわかないけど」

希「うちが、立派にならないと…」

希「『男の仕事の九割は決断、あとはオマケみたいなもの』か…」

真姫「ん?なにそれ」

希「おやっさんの口癖。…うちも、この言葉に従って生きていかんとね」

希「よし、決めた!今日からここはうちらの事務所や!」

真姫「ふふ、なかなか威勢がいいじゃないの。よし、飾り付けるから手伝って、希」

希「凛ちゃんが起きる前に設置して驚かせたいもんね!じゃ、うちはこっちもつから、真姫ちゃんはそっち持って…、…」

真姫「?どうしたのよ、急に黙って」

希「あ…、いや…」

希「今更やけど、真姫ちゃんの苗字って…」

真姫「は?看板に大きく書いてるでしょ?『西木野』だって」

希「いや、そうやねんけどさ…、こんな字やと思わなくて。珍しいよね」

真姫「えっ…、あぁ、実はこれ…」

真姫「自分じゃ字がわからなかったから、辞書で適当な漢字を当てはめてみたのよね」

真姫「これ、おやっさんさんにもらった名前だけど、口頭でしか伝えられてなかったから」

希「あ…、へぇ、そうやったんやね」

真姫「なによ。簡単な文字ばっかりで小学生みたい、なんていう気?」

希「うぅん、そうやなくて…、うちてっきり『ニシキノ』って言ったら」

希「この街の…」


現在

東條西木野☆探偵事務所内


ザー…、ゴロゴロ…


希「くかぁ~~…、すぴぃぃぃぃ…」


凛「のーぞみちゃんっ」

希「ん、んや…?」

凛「はい、にっこにっこにー」

希「へ…?」

凛「にっこにっこにーして!はい!」

希「え…、あ、にっこ、にっこ、にぃ…?」

凛「うんいい笑顔!」パシャッ

希「…って、なんで急に写真なんか撮ってるんよ…。寝てたのに…」

凛「仕事中に寝るのもダメでしょ!事務所のホムペを立ち上げるの。そのためのプロフ写真だにゃ」

凛「よーしもう一枚!次は二人で写ってる感じの!」

希「ちょっ…、そういうのは硬派なイメージの探偵には似合わないっていうか…」


ガチャ…


「…」


凛「今はなんでもネットに頼る時代なの!客足を増やすならホムペ上等Twittermixi顔本上等なんだにゃ!」


「…あの」


希「お、おぅ…、そう言われると…」


「…仕事」


凛「よーし、じゃあ撮るにゃー」

希「うお、腕掴まんといて!」

「…」

凛「はい、チーズ!」

パシャッ


凛「よしよし、撮れたかなー?…ハァッ!?」

希「ど、どしたん?」

凛「し、ししし…、心霊写真だにゃぁぁぁぁぁぁっ!!!」

希「え、どこ!?…うわほんまや!肩に人形載せたオッサンの幽霊が克明に写って…」

「あの」

希「はい?…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁでたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ」

凛「幽霊だぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

謎のオッサン「…幽霊とは失礼ですね。私は、れっきとした人間です」

希「お、おぉぉ…、そうやったんか…。余りにも生気がなさすぎる顔をしているのでつい」

凛「あ、あとその肩に乗せてる怖いお人形さんのせいも…。なんなんですかそれ」チョン

謎のオッサン「サワルンジャナイヨォォォォッ!」

凛「ひぃっ…!!?」

謎のオッサン「…失礼。取り乱しました。実は…」


真姫「…もう、うるさいわね。作曲に集中できないじゃない。…あ、一話以来の作曲してる設定が復活ね!」


謎のオッサン「…ッ!あなたは…、どうして、ここに…」

真姫「え…?」

謎のオッサン「…いや、なんでも、ありません…」

希「…オッサン、真姫ちゃんを知ってるん…?」

謎のオッサン「…マキは私ですが」

凛「は?」

謎のオッサン「どうでもいい話でしょう、そんなことは」

希「…?で、オッサンは一体何者なん…?」

謎のオッサン「…姉を」

希「ん?」

謎のオッサン「姉を探して欲しいのです。10年前に別れた、私の家族です」スッ

希「ほう、これが写真…」

凛「なかなかの美人さんだにゃー」


希(この怪しい依頼人が、うちらの運命を大きく揺さぶろうとは…)

希(この時は、全く気づかずにいた)




絵里「くかー…、むにゃむにゃ…」

希「えりち、もう始まってるで」

第28話「憂帝X / アイドル×探偵」


???


あんじゅ「…もぐ」

ツバサ「…んぐっ…」


あんじゅ「…ツバサちゃん」

ツバサ「ん?」

あんじゅ「いつの間にか、この家の食卓も、私たち二人になっちゃったわね」

ツバサ「…今は感傷に浸ってる場合じゃないわ」

あんじゅ「え…」


総帥「…そう、私のUTXの計画も、いよいよ最終段階に入ったのだから」


あんじゅ「総帥閣下…」

ツバサ「あら、来たのね。あなたもいっしょにどう?」

総帥「遠慮しておくわ。…そろそろ、私も自由になりたい頃だから」

あんじゅ「自由…?」

総帥「後の計画はあんじゅ、あなたが取り仕切るの」

あんじゅ「えっ…、わ、私!?ツバサちゃんじゃなくて…?」

総帥「ツバサには、他にやってもらうべき仕事があるのよ。ね?」

ツバサ「…まぁね」

総帥「そういうわけだから。…覚悟しておいてね?」

あんじゅ「あ…、ぅ…」



路地


ザー…


英玲奈「はぁっ…、はぁっ…!」


パンッ!!


英玲奈「うぐぅっ!!ぐ…、足が…」


ゾロゾロ…


英玲奈「ちぃっ…!!UTXの狗どもめ…!私を誰だと思っている…!」

マスカレイド・D「組織の裏切り者だろうが」

英玲奈「ぎっ…!」\ドロレス!!/


キュィィィィィィインッ!! 「「「「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」」」


ドロレス・D「ぐぅっ…!こんな生活、いつまで続けば…!」

ドロレス・D「あぁ…、殺したい…!早く殺したいよ、あんじゅ…!」

東條西木野☆探偵事務所内


凛「はい真姫ちゃん笑ってー」

真姫「ふふんっ、こんな感じかしら」キリッ

凛「おぉっ!!最っ高のキメ顔!こんなの自分が可愛いと自覚してないとできない業だよ!」

絵里「あなたたちはいつも元気ね」

凛「あ、絵里ちゃんも!はい、チーズ!」

絵里「私も?…遠慮しておくわ。私はこの事務所に居候しているだけだし…」

凛「でもでも!絵里ちゃんもれっきとしたここの仲間なんだし、載せないのも…」

絵里「嫌よ」


ガチャッ…

「…」


凛「そんなこと言わずにー。ね?真姫ちゃんからもお願いしてよ!」

「私ですか。…お願いします」

凛「ってどわぁぁっ!!い、いたの…?いやあなたには頼んでないですよ!」

「…そうですか。…」ジロジロ…

真姫「ん…?」

「…」プイッ

凛「あ、あの…、希ちゃんが調べてるとこなんで、このソファに腰掛けてお待ちください、…にゃ」

「…わかりました」

真姫「…?あの男…、やっぱり怪しい」




街中


希「…っと、うちができる範囲はここまで、か…。あとは穂乃果ちゃんの話を聞きにいかんとね」


ピリリリリ… ピリリリリ…


希「おっと、電話や…。もしもし?」

あんじゅ『の、希ちゃんっ!?助けて希ちゃんっ!!』

希「あ、あんじゅちゃんっ…!?一体何が…」

あんじゅ『ずっと誰かに付けられてるの…!怖い…』

希「今どこにおるん!?」

あんじゅ『音都大橋の上!すぐ来て!』ガチャ

希「も、もしもしっ!?もしもし!!…くっ、あんじゅちゃん、何があったんや…」

希「仕方ないけど、今すぐ行ってあげないと…。あ、でもでも…、穂乃果ちゃんのことも…」

希「…あ、っと…、じゃあ凛ちゃんに電話かけて、代理で真姫ちゃんかえりちに来てもらうことにしよ…」ポピパ

東條西木野☆探偵事務所内


凛「えっと、こちらお茶になります…」

「ありがとうございます。…アッチィ!!アツイヨ!!ナニコレアツイ!!」

凛「うわぁこぼしちゃった!!ご、ごめんなさいごめんなさい!!」

絵里「すぐ替えのお茶を用意しますね!少々お待ちください!!」


真姫「…大変ねー」


トゥルルルル…

真姫「ん?事務所の電話が鳴ってる…。こういうのは所長の…、凛ー!電話なってるわよー!」


凛「いっ、今忙しいから代わりに真姫ちゃんが出てぇっ!!」


真姫「…ったく、しょうがないわね」ガチャッ

真姫「はいこちら東條西木野☆探偵…」

希『あ、凛ちゃん!?なんかあんじゅちゃんが大変やっていうから今すぐ…』

真姫「…希?」

希『え…?真姫ちゃん?』

真姫「そうだけど…。それより!今、今あなたあんじゅ、って…」

希『え、あー…、いや…』

真姫「なに!?あなたあんじゅと知り合いだったの!?ちょっ…、早く言いなさいよ!」

希『わ、わー!今はそんなんいいから!か、帰ったらちゃんと話すから!!』

希『とにかく、忙しくて手がまわらないから、誰か穂乃果ちゃんとこ行ってあげて!それじゃ!』ガチャッ

真姫「あ、ちょっ…!ちっ…、アイツ切りやがったわね…」

絵里「…なんだったの?希から電話だったみたいだけど」

真姫「よくわかんないけど…、忙しいから穂乃果のところへ行ってあげて、だって」

絵里「そうなの?…じゃあ私が行くわ」

真姫「え、えぇ…、行ってらっしゃい」


「…先ほど、あんじゅと言っていましたね」


絵里「きゃぁっ…!い、いきなり前に出てこないでよ!」

「それが、優木あんじゅのことなら…、やめたほうがいい」

絵里「はぁ?なんで…」

「いえ、別に…」

絵里「…?」

真姫「…やっぱり、あの男…」

街道


ブロロロロ…

絵里「…穂乃果のところね…」

絵里「…」

絵里「…ハッ!」

絵里「そ、そういえば忘れていたわ…!」

絵里「優木あんじゅがUTXの幹部だってことをみんなに伝えるのを!」デデーン

絵里「…」

絵里「ま、いっか」エリチカー



裏路地的なところ


穂乃果「おぉ、絵里ちゃんが希ちゃんの代理ですかー」

絵里「まぁね、で、要件ってのは?」

穂乃果「それがね…、希ちゃんが…」


穂乃果「…ってことで、希ちゃんの女の勘は見事的中!あの人、かなりヤバイみたい…」

絵里「なるほど…。私も薄々感づいてはいたけど、やはりね…」

穂乃果「ホントかなー?」

絵里「…ホントよ。マジのマジよ。…要件はこれだけ?じゃ、私は帰るわね」

穂乃果「あ、待ってよー!これから美味しいパフェのお店に行くんだけど、いっしょにどう?」

絵里「美味しいパフェ…?ハッ、この私がそんなものに…」

絵里「行くに決まってるわ」

穂乃果「よし決定!じゃ、今から…」


ドンッ


穂乃果「あ痛っ…!な、なにぶつかって来てくれてんですか!」

「…」

穂乃果「ちょっ…、謝罪もできないの!?ねぇ!」

>>590>>591…、食べる…?」

ガメル

ごめんやっぱり食べるはナシで
個人的には晴人の名前を叫ぶようなヤツにしたかったけど該当者いなかったんでそのまま続けます

湊「…」

穂乃果「ちょっとお姉さん!謝ってよ!」

湊「…あなた、この人、知ってる?」チラッ

穂乃果「えっ…、いきなりなに…、って、この人…!」

湊「…」

穂乃果「しっ…、知らないなぁ…」

湊「ふっ!!」ゲシィッ!!

穂乃果「ごへぇっ!!」

絵里「ちょっ…!」

湊「せいっ!」バゴシィッ!!

穂乃果「ぐぇぇぇっ…!」

湊「喋る?」

穂乃果「し、喋りま…」

絵里「…っ!穂乃果から離れなさいっ!!」ビュンッ!!

湊「っ!」サッ!!

絵里「…っ!速い…!」

湊「私に歯向かうなんて…、懺悔の用意は出来ているかしら?」ズバシィッ!!

絵里「ごはっ…!ぐ…、この人、強い…!」


ブロロロ…


ことり「…そこ。何やってるのかな?」


湊「…」

絵里「ことり…!」

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「あれ、絵里ちゃんに穂乃果ちゃん。もしかして楽しいこと?私も混ぜて欲しいなぁ」

絵里「ふざけてる場合じゃ、ないでしょ…!」

湊「これが楽しいことに見えるの?とんだロマンチストね…」

湊「でも…、これから楽しいことにしてあげる…!」\フォトン!!/

絵里「んなっ…!」

ことり「へぇ…、そういうこと」

湊「狩らせてもらうわ、あなたたちの魂ごと」ピチュゥゥンンッ…!!


フォトン・D「フォトンチェンジ!」


ことり「…あなたと一緒に戦うのは、はじめてかもね」\ナイト!!/

絵里「そうね、…腕前、見せてもらおうかしら」\ディコーラム!!/


ことり「変…、身…ッ!!」
絵里「変身っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!! \ディコーラム!!/


ナイト「はぁっ…!」

ディコーラム「ふっ…!」

眠いので短いけど今日はここまでです
強引にとあるキャラのフレーバーを付け足したので湊さんっぽくないけど許してね
じゃあおやすみ ほなな

まさかのこんな時間だけど少しだけ更新します
2時間くらいできればいいかな 少しの間ですがお付き合いください

音都大橋


ブロロロロ…

希「…っと、ここらへんやな…」

希「あんじゅちゃん!?あんじゅちゃん、おるんっ!?」

希「一体どこに…」


ピリリリ… ピリリリ…


希「あ、電話や…」ガチャッ

希「もしもし…」

あんじゅ『…希ちゃん』

希「あ、あんじゅちゃん!大丈夫…?今どこに…」

あんじゅ「『後ろよ』」

希「えっ…」クルッ

あんじゅ「…」

希「な、なんやあんじゅちゃん、心配し…」

あんじゅ「『もしもし』」

希「…?も、もし、もし…?」

あんじゅ『もしもし、名探偵さん』

希「…もしもし、あんじゅちゃん」

あんじゅ『…久しぶりに会えたね。ONTIC I☆DREAM以来、だっけ…』

希「あー…、せやね。お食事に行く、って言ってたのに誘ってもくれなくて…」

希「ん?そ、それじゃあ…、さっきの電話は…」

あんじゅ『ふふ、嘘。ごめんね?』

希「そ、そんなぁ…。本気で心配したんよ?」

あんじゅ『希ちゃんのこと、驚かせたくて。…それでね』

希「ん…?」

あんじゅ『実は…、相談があるの』

希「相談?…うん、言って?」

あんじゅ『私の親友が、私の勤めている会社を裏切って…』

希「親友…」

あんじゅ『…その子の名前は、統堂英玲奈、って言うの』

希「…ッ!?」

希(統堂、英玲奈、って…、あの、UTXの…?園田海未と共に、うちらを苦しめた…)

希(だとしたら…、あんじゅちゃんの勤めてる会社、っていうのは…。そんな…)

希「…」

あんじゅ「…」パタン

あんじゅ「それでね、私の上司は…、私に今の仕事を全部引き継げ、っていうの」

あんじゅ「でも私迷ってて…、だってアイドルの仕事も辞めなきゃいけなくなるし…」

あんじゅ「ねぇ…、どうしたらいいと思う?」

希「…」

あんじゅ「希ちゃん?」

希「…その仕事、っていうのは…」

希「ガイアメモリの流通、やんね?」

あんじゅ「…」

希「そう、なんやね?」

あんじゅ「…」…コクリ



路地裏


フォトン・D「アハハハハハハハ!」フォンッ


ナイト「くぉっ…!速いっ…!」

フォトン・D「せやぁっ!!」ズバシュッ!!

ナイト「ぐふぁっ!!」

ディコーラム「これしきの速さ…!私の飛行能力に比べれば!」シュバッ!!

フォトン・D「フフフ…」


スカッ…


ディコーラム「あ、あれっ…!?」

フォトン・D「後ろよ」

バキィッ!!

ディコーラム「グッ…!?まさか…」

フォトン・D「私は自らの肉体を光子に変換して移動できる。その間、物理攻撃は完全に無効よ」

ナイト「そ、そんな…!」

ディコーラム「私、物理しか攻撃手段がないのに…」

ナイト「くぅっ…!だったら…!」\ビショップ!!/

フォトン・D「させないっ!!」ブオンッ!!

ナイト「ぐぎぃっ…!!」

ドゴォンッ!!

ナイト「かっ…、はぁっ…!」ピチュゥゥンンッ…

ことり「ぐ、うぅ…!」

ディコーラム「ことりっ!!」

フォトン・D「よそ見をしている場合?」スバッ

ディコーラム「しまっ…!」

フォトン・D「喰らいなさい!破滅の…、フォトンストリィィィィィィムッ!!」

バシュゥゥウゥゥゥゥゥッ!!

ディコーラム「ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!」ピチュゥゥンンッ…

絵里「あ、うぐっ…!」

フォトン・D「フン…。それじゃあ駆紋戒斗には敵わないわね。…あ、違った」

フォトン・D「歯ごたえのない人たち。…フッ!」フォンッ

ことり「くっ…、逃がした…!」

絵里「ふたりがかりでも敵わないなんて…!…駆紋戒斗って誰なのかしら…」


シュラウド「…なんて無様な戦い方なの。あなたにはまだ、やるべきことがあるののに」


ことり「…シュラウド…!」

絵里「うわっ!全身包帯女!?何この人、知り合い?」

ことり「うーん、まぁ…。…っと、そんなことより…」

ことり「園田海未が言っていたよ。シュラウド、あなたが私たちの運命を仕組んでいると」

ことり「一体、どういう意味なのか、説明してもらえない?」

絵里「そ、そーよそーよ!よくわかんないけど説明しなさい!」

シュラウド「…あなたたちの運命、それは戦うこと…。この街に恐怖をもたらす、本当の敵と」

ことえり「「本当の敵…?」」 絵里「あ、ハモった」


シュラウド「…ガイアメモリ流通組織、UTX…!」



音都大橋


あんじゅ「…」

希「…ずっと、黙ってるんやね」

あんじゅ「…」

希「…」ピッ…


アンジュチャン、ウチトスケベシヨ… アンジュチャン、ウチトスケベシヨ…


希「…っ!?」

あんじゅ「あ、電話…」

希(な、なんて音声を着信音に…。しかもこんな言葉言ったことないし…。合成音声…?)

あんじゅ「…もしもし」

希「…もしもし。ホントの、あんじゅちゃん、かな?」

あんじゅ「…もしもし、どう、かな…」

希「…うちはあんじゅちゃんに、本当の自分でいてほしい、って、思うな」

あんじゅ「え…?」

希「…」

あんじゅ「も、もしもし!本当の私よ。…あなたは、本当の希ちゃん?」

希「うん」

あんじゅ「…本当の私はね。…こうしてあなたといると心が安らぐ」

希「うちもやよ」

あんじゅ「なんでだろうね」

希「…なんでやろね?」

あんじゅ「…もしもし。私たち、こうしてずっといれたら、素敵でしょうね…」

希「…もしもし。うちも、そう思う」

あんじゅ「じゃあ…」

あんじゅ「…そうする?」

希「えっ?」

あんじゅ「二人で、この街を出るの!家も仕事もぜーんぶ捨てちゃって!」

希「ええよ?本当のあんじゅちゃんがそうしたいなら、本当のうちも着いていくよ?」

あんじゅ「ふふふっ…、ねぇ、今の本気?」

希「ん?…どうかなぁ…」

あんじゅ「あははっ…!あはははは…」

希「ふふふ…、あははは…」



東條西木野☆探偵事務所内


絵里「…はいこれ。穂乃果からもらった、あなたのお姉さんの現在の住所よ」

「…ありがとうございます。では、私はこれで…」テクテク…

ガチャッ…

希「お、おっと…」

「…っ」

凛「あ、希ちゃん、おかえり…。ま、真姫ちゃんにあんじゅちゃんのこと、軽く伝えておいたから…」

真姫「…」

希「あ、あぁ…」

凛「詳しくは、後で直接…。それであんじゅちゃんの様子は?」

希「う、うん…。まぁ…、大丈夫や」

「じ、じゃあ…」

絵里「待って」

「…」

絵里「…希、あなたの勘は当たっていたみたいよ。…この人は、真姫のことを知っている」

真姫「…!?どういうこと…?」

絵里「この人は有名な生物学者よ。…そうよね?真木博士」

凛「ま、まき…!?この人も、まきちゃん…!?そんで生物学者…!?」

真木「…」

絵里「それにあなたは、十年前に死亡したことになっている」

凛「え…?」

絵里「…ここからは、希の方が詳しいわよね?あとお願い」

希「…わかった。うん、えりちの言ったこともやけど、それだけやない」

希「当時あなたと似たような状況で、少なくとも7人が姿を消している」

希「その全員が、科学者や」

真木「…」

希「教えてくれへん?博士…。当時、あなたに何があったかを」

真木「言えません」


ことり「だったら、私が代わりに答えるね」


真木「…」

凛「うおぉ…、ことりちゃんいつの間に…」

ことり「あなたはある組織に連れ去られて、強制的に研究をさせられていた」

ことり「そうだよね?」

真木「…そうです」

真木「私は、姉に会いたくて、逃げ出してきたのです。このキヨちゃんと共に」

凛「あ、この人形名前あったんだ…」チョン

真木「ダカラサーワールナァァァ!!…ですが、見つかれば命はないでしょうね」

希「博士…。あなたを追ってる組織って…」

真木「…」

一同「…」ザワッ…


真木「…UTX。すなわち、綺羅ツバサ…」


真姫「綺羅ツバサ…」

真木「それだけではありません。統堂英玲奈、そして…、優木あんじゅ」

真姫「…っ!?」

凛「えっ…!?」

希「…」

真木「年端も行かぬ彼女たちが、組織を中枢を担う幹部であり、ガイアメモリの流通を取り仕切っているのです」

凛「ち、ちょっと待ってよ…!?ゆ、優木あんじゅって…、あの!?スーパーアイドルの、だよね…?」

真木「えぇ」

真姫「な、何かの間違いでしょ…?あのあんじゅがUTXの、幹部…!?」

絵里「間違いではないわ。…私も、あそこであんじゅと会っているもの」

凛「えっ…?あ、そっか…。絵里ちゃんは元UTXの幹部なんだもんね…」

希「…って、アソコ?UTX幹部は、いつもは一体どこに集まってるん…?」

絵里「それは…」

絵里「…いいわ。答えましょう。彼女たちが集まっている場所。それは」

絵里「もうひとりの『ニシキノ』。…あの、錦野家よ」

ラジオ局


あんじゅ「…お相手は、優木あんじゅでした!まったねー!」


マネジャー「あんじゅちゃん、おつかれちゃーん」

あんじゅ「お疲れ様ですー!」

マネジャー「今日も最高に、よかったよー!」

あんじゅ「あ、ありがとうございますー」


アンジュチャン、スケベシヨ… アンジュチャン、スケベシヨ…


あんじゅ「あ、電話」

マネジャー「その音声…」

あんじゅ「妻です♪」

マネジャー「そ、そう…。他の人の前じゃマナーモードにしておいた方がいいよ…。そ、それじゃあ…」ガチャッ…

あんじゅ「誰からかしら…?もしもし?」


『…大好きだよ、あんじゅ…』


あんじゅ「ひっ…!?す、ストーカー…!?」

『誰がストーカーだ。…私だよ』

あんじゅ「あ、え、英玲奈…!今、どこ!?迎えに行くから…」

英玲奈『勘違いしないで。…こんな屈辱まみれにしてくれて、お前に対する憎しみと愛情が日増しに膨れ上がっている…』

英玲奈『それを報告したかったの』

あんじゅ「え…?」

英玲奈『羨ましいよ…。逆の立場なら、きっと私は今まで以上に生き生きしていただろうに…』

あんじゅ「な、何の話…!?私は…」

英玲奈『だが、簡単には死んでやらない。生き延びて…、必ずお前とツバサを殺す…。お前とツバサの血で、身体を濯いでやる…』

あんじゅ「え、英玲奈…!何言ってるの、英玲奈、英玲奈ぁっ!!」


ブツッ… ツーツー…


あんじゅ「え、英玲奈…」



公衆電話


英玲奈「…あんじゅ」


ブオンッ…!!


英玲奈「…っ!」サッ!!


バゴォォォンッ!!

英玲奈「…くっ、間一髪よけられた…!だが、今の攻撃は…!」


ユーフォリア・D「…」


英玲奈「ツバサ…!なぜ、お前自ら…!?」

英玲奈「お前は…、お前は総帥から全権を任された…、実質的な最高責任者のはず…!」

英玲奈「そのお前がなぜ、ゴミ処理当番のような真似…!」


ユーフォリア・D「…」

ユーフォリア・D「…ゴミに話しかける趣味はないわ」


英玲奈「…っ!!つ、ツバサ…?」

ユーフォリア・D「…」コォォォォッ…!!

英玲奈「ま、マズいっ…!!」\ドロレス!!/ ピチュゥゥンンッ…!!

ユーフォリア・D「はぁぁぁっ!!」ブォォォンッ!!

ドロレス・D「くぅぅっ!」バシュゥウッッ!!


バシィィィンッ!!


ドロレス・D「ぐっ…!危なかった…、一瞬遅れていれば相殺できなかった…!」

ユーフォリア・D「…」

ドロレス・D「…理由はどうあれ、お前が私を殺しに来る、ってことは…」

ドロレス・D「この件、あんじゅは関わってないんだな」

ユーフォリア・D「…」

ドロレス・D「…よかった。安心したよ」

ドロレス・D「これで、あんじゅを憎まずに済む」

ドロレス・D「…殺すのは、お前だけでいい…!」

ユーフォリア・D「…本当にあなたは」

ユーフォリア・D「複雑な感情を持っているわね」

ユーフォリア・D「あんじゅを憎みたいと思いながらも、もう一つの心は憎むことを恐れている」

ユーフォリア・D「狂気の心と、優しい心を同時に持っている。…それが、私の知っている、あなた」

ドロレス・D「…そうだな。全部分かるだろう。随分と長いあいだ、ともに暮らしていたものな。あの家で」

ユーフォリア・D「そうね。…そして、今日でお別れよ。英玲奈」

ドロレス・D「あぁ…。お前を殺すことで、永遠にお前とはおさらばだ」

ユーフォリア・D「まだとぼける気?」

ドロレス・D「…」

ユーフォリア・D「あなたのドロレスでは、私には敵わない。…そんなの、何年も前から分かっていることでしょう?」

ドロレス・D「…わからないさ」

ドロレス・D「お前を本気で殺したいと思ったのは、これが初めてだからね…!」

ユーフォリア・D「そう。…諦めの悪い、都合の悪いものは信じない、そんなあなただからこそ」

ユーフォリア・D「ここで死ぬのよ。…せめて、幸福感にまみれて、死になさい」

ドロレス・D「死ぬのは、お前だ、ツバサ…!痛ましさに包まれてなぁ…ッ!!」




英玲奈「う、ぁ…」



ユーフォリア・D「ほら、言ったでしょう?」

ユーフォリア・D「あなたは、私には勝てない」

ユーフォリア・D「そんなの、何年も前に知っているはずなのに」


英玲奈「ツバ、サ…」


ユーフォリア・D「…英玲奈。大好きだったわ」

ユーフォリア・D「せめて、痛みを知らずに」

ユーフォリア・D「幸せに包まれて、逝って頂戴」


ザシュゥゥッ!!


英玲奈「ご、が、ふぅっ…!!あ、が…!」


ユーフォリア・D「さよなら、英玲奈」


英玲奈「ぁ…、ぐぁ…、か…」

英玲奈「あん、じゅ…、生き、て…」

英玲奈「お前、だけ、は…」

英玲奈「生き、ぇ…」バタッ…


ユーフォリア・D「…」

ユーフォリア・D「心臓を貫通。死亡を確認」

ユーフォリア・D「これで、ひとまず私の仕事はおしまいね」


英玲奈「…」


ユーフォリア・D「…じゃあね。来世で会いましょう」スタスタ…


英玲奈「…」







総帥「…生きたい?」

英玲奈「…」

総帥「って、聞こえてないか」

総帥「大丈夫よ。また生かせてあげる」

総帥「だから、私のお人形になりなさい。英玲奈」

総帥「平気、すぐに目が覚めるわ。だって…」

総帥「愛と生命は、偉大なのだから…」\ライブ!!/

キリがいいので今日はここまで いい感じに原作と離れ始めたんじゃないかな
先のわからないワクワク感を楽しんでもらえれば幸い 正直めっちゃネタバレしたい でも我慢やで
少し更新頻度がまた下がるかも 次回は明後日か明々後日です 余裕があれば明日 そんなわけでほなな

余裕はないけどすぐに終わると思うんでやっていくよ
日が経つにつれてどんどん遅くなって言ってる気がする

東條西木野☆探偵事務所内


絵里「もうひとりの『ニシキノ』。…あの、錦野家よ」

凛「えっ…!嘘、それって…」

真姫「ニシキノ…?」

希「前にも一度、話したことあったやん?ほら、看板を作った日のこと」

真姫「あぁ…。確かに聞いた記憶があるわ。なんだったっけ…、錦野…」

希「…錦野財閥。莫大な資産を以て、世界の恵まれない子供たちを救う支援組織」

ことり「この音都も、過去に錦野財閥によって作られた、一つの実験都市だった」

真姫「実験都市、って…」

絵里「今、この世界の出生率、知ってるわよね?」

真姫「え、えぇ…、もちろん。未曾有の社会問題なんだもの」

真姫「今やこの国の出生率は0.7を切った。世界的にも、全体的な人口は減少傾向にあるわ」

ことり「そう。このままだと、この国は、人がいなくなって滅んでしまう。だからこの街は作られたの」

希「うん。…同じ遺伝子によって人口を増やす計画…、つまり、ヒトクローンの実用化のために」

凛「だからこの街、同じ顔が多いんだよね…。初めて知ったときはびっくりしたよ…」

絵里「そのヒトクローン計画、それを取り仕切っていたのが、錦野財閥」

絵里「そして、その社長が住んでいた屋敷が、錦野家、ってわけ」

凛「で、でもさぁ…。確かその社長、って…」

ことり「…うん。数年前に、行方不明。警察も足取りを追えず、一部ではもう死んでる、って噂もある」

希「当然錦野財閥は経営が破綻、その後釜となって計画を引き継いだ組織が…」

真姫「…UTX」

希「せや。UTXは確かにヒトクローン計画を続けてる。おかげでこの町の人口は増加の傾向にあるけど…」

ことり「同時に悪魔の技術、ガイアメモリの流通にも、手を出していたんだね」

凛「なんてことを…。錦野財閥は世界を救うための組織だったはずなのに…」

真姫「それの後に付いたのは、世界を苦しめるとんだ邪悪の根源だった、ってわけね…。笑えない」

希「そして、その全権を握っているのが、綺羅ツバサ…!こいつが、全ての元凶…!!」

ことり「錦野家にUTXの幹部が住んでるなんて、とんだ皮肉だね…」

絵里「…」

希「ん?えりち…、どうしたん?」

絵里「あ、いや…。うぅん、何でもない…」

ことり「真姫ちゃん。とりあえず、今から調律を始めて欲しいの。綺羅ツバサのことについて」

真姫「わかったわ。地下へ行って準備する」


絵里(…なにか、忘れているような気がする。…とても、大事な人のこと…)

絵里(ニシキノ…)

絵里(だ、ダメ…。思い出せない…。まだ記憶が曖昧だわ…)

東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「…調律する項目は、綺羅ツバサ」

真姫「キーワードは、UTX…」

真姫「…」

真姫「…うっ…!ぐ、うぅっ…!!」

真姫「うあぁぁぁぁっ!!」ドサァ


希「ま、真姫ちゃん!?大丈夫…?」

真姫「はぁ…、ええ、大丈夫。…音楽室がフリーズして、弾き出されたわ」

真姫「綺羅ツバサに関する情報は、私には調律不可能だわ…」

ことり「これで決まり、だね。綺羅ツバサの名前は何度か調査線上に出てはいたけれど、彼女に対する証拠は何一つ残らない」

ことり「裏で政治家やマスコミを操ってる可能性もある。とんでもない怪物だね…」

希「どんなやつやろうと、そいつがこの街を泣かせてるなら…」

希「…うちが絶対に追い詰めるよ」

絵里「…」

ことり「…?どうしたの絵里ちゃん、さっきから神妙な顔して…」

絵里「え、あぁ…、うん、ちょっと…」

真姫「あ。そういえば希!あんた、あんじゅと知り合いですってね!」

希「えっ…、あぁ、そうやった…」

真姫「凛から聞いたわよ!なんでも、一度や二度会った仲じゃないって…」

希「うぅ…、えーっと…」

真姫「あぁ羨ましい妬ましい!何より私に秘密にされてたことが一番腹立たしいわ!」

希「だ、だって真姫ちゃん、うちとあんじゅちゃんが知り合いやって知ったら、あんじゅちゃんに迷惑かかるんやないか、って…」

真姫「なんでそうなんのよ!私を信用してないわけ!?べ、別にあんじゅとあったところで…」

希「…興奮して迷惑かけへんって言い切れる?」

真姫「…あー、どうかしら」

希「せやろ?」

真姫「で、でもぉ…!ずるいわよずるい!何も知らない私を見てニヤニヤしてたりしたんでしょこのマルゲリータ!」

希「それは悪口なん…?」

ことり「真姫ちゃんは妬いてるだけだよ。希ちゃんがあんじゅちゃんと仲良い、ってことに」

真姫「あと秘密にされてたことにね!はぁ…、状況が状況じゃなかったら紹介して、って言ってるところだけど…」

ことり「優木あんじゅがUTXの幹部…、今でも信じられないよね。あのスーパーアイドルが…」

絵里「…」

希「…うん、せやね…。まさか、あのあんじゅちゃんが…」


ガチャッ


凛「た、大変っ!!あの博士…、消えちゃったにゃぁっ!!」


ことり「なっ…!」

希「ちょっ…、凛ちゃん!ちゃんと見張っといてって言ったやん!!」

街道


真木「ふぅっ…、ふぅっ…」タッタッタッタッ…



錦野家


ツバサ「…」

湊「あら、ツバサ様…」

ツバサ「湊さん。…調子はどう?」

湊「…これといって収穫は…」

ツバサ「へぇ…。私はもう、勤めは果たしたのだけれど」スッ

湊「…」

ツバサ「あなたも、急いだほうがいいんじゃない?」

湊「えぇ…」スタスタ…

ツバサ「…ふん」


あんじゅ「ツバサちゃん…。その手に持ってるもの、って…」


ツバサ「…あんじゅ」

あんじゅ「それ、英玲奈のメモリ…!?まさか、ツバサが英玲奈を処刑したの…!」

ツバサ「私だって、辛いわよ。だけど、裏切り者は決して許さない。それがUTXの掟」

ツバサ「私に殺された彼女だって、そうしてきたはずよ」

あんじゅ「…」

ツバサ「…覚悟はできた?あんじゅ…」

あんじゅ「…っ!う…」

あんじゅ「くっ…!」ダッ

ツバサ「…」



あんじゅの部屋


あんじゅ「はぁっ…、はぁっ…!」スッ

あんじゅ「希ちゃん…!希ちゃんに電話すれば…、この気持ち、わかってもらえ…」

あんじゅ(…でも、こんなこと、敵である希ちゃんに言っちゃったら…!ツバサに…!)

あんじゅ「うぅっ…!」



東條西木野☆探偵事務所内


希「…」

希(もう一度、あんじゅちゃんとちゃんと話したほうがええんやろか…)

希「…」ポピポ…

希(…う、せやけど…、せやけど…。あぁもう…っ!うちはどうしたらええんよ…!)

希(あんじゅちゃん、やっぱり君は…)

暗い路地裏


真木「ふっ…、ふっ…」スッタカター


ヒュッヒューヒュー、ヒュー…


真木「…なんですかこの音は。…口笛?」


湊「見つけたわよ」


真木「っ…!お願いですが、見逃してくれませんか。頼みます」

湊「とんだロマンチストね」\フォトン!!/

真木「ぬおっ…!」

湊「狩らせてもらうわ…、あなたの魂ごと!」ピチュゥゥンンッ…!!

真木「ぬぐぅぉっ…!!」ダッ…!!

フォトン・D「遅いっ!」ブォンンッ!!

真木「ぐぬぬっ…!」


ブロロロロロ…


フォトン・D「ん…?」


ズドォンッ!

フォトン・D「うぐぅっ…!!?」


キキッ…

真木「ば、バイク…?」

真姫「どうやら物理攻撃は効かないって聞いてたけど…、油断してればその限りでもないみたいね」


フォトン・D「ぐっ…!貴様ァ…!!」


真姫「希はちょっとお悩み中みたいだから、代わりに私が出てきてやったわ」

真姫「まぁ…、どうせ意識はこっちに来ちゃうんだけど」スチャッ


希「んっ…、ドライバーが…。今は考えても仕方ないか…」\スター!!/


真姫「っ!」\ワイルド!!/


真姫・希「「変身っ!」」

\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン

錦野家


あんじゅ「…」ポピポ…

プルルルル… プルルルル…

あんじゅ「…希ちゃん」



希「…」

ピリリリリ… ピリリリリ…



あんじゅ「…」プルルル… プルルル…

あんじゅ「はぁ…」カチャッ パタン




路地裏


Muse「「さぁ、お前の罪を…、数えろ!」」


真木「やはり彼女らが仮面アイドル…!」


Muse「行くわよ」「ふっ!」

フォトン・D「フンッ!!」ブォンッ!!

Muse「や、やっぱり速いっ…!」「なんのこれしき…!!」


真木「今のうちに…」スッタカター


フォトン・D「せいっ!!でやぁっ!!」バコシッ!!

Muse「ぐぅっ…!!」「このぉっ!!」ビュンッ!!

スカッ

Muse「くっ…!打撃が通らへんっ!!」「落ち着いて!打撃無効は移動中だけ、って絵里から聞いたわ!」

フォトン・D「はぁっ!!」ビュンッ!!

Muse「攻撃する瞬間ならっ…!」カションッ!! \シャイニングスター!!/

Muse「「でっりゃぁっ!!」」シュバンッ!!

ズバァッ!!

フォトン・D「ぐあぁぁぁっ!!!」

Muse「ふっ…、読み通り!」「もういっちょ!」シュバッ!!

ズバシュッ!!

フォトン・D「ぐふぅっ…!!」

Muse「そしてこいつで…!」「吹き飛びなさいっ!!」ガションガションッ!! \ワイルドストーム!!/

Muse「「せいやぁぁぁっ!!」」ビュォンッ!!


シュバババッ!!


フォトン・D「くっ…、ぐあぁぁぁぁっ!!!」

Muse「こいつで止めよ!」ガシャンガシャンガシャンッ!! \ワイルド!!真姫シマムドライブ!!/



フォトン・D「ぐふっ…!!」ドサァッ…

真木「ひっ…!コッチコナイデ!!」

フォトン・D「…!フンッ!!」ガシィッ!!

真木「ツカンジャヤダ!!」



Muse「「はぁぁぁぁっ!!」」


フォトン・D「フッ!」ズイッ!!

真木「ひぃっ…!!」


Muse「…ッ!!」ピタッ…


フォトン・D「フッ…!」

Muse「き、汚いわよ!人を盾にするなんて!!」


真木「は、離してください…!!私に触れるな…、ば、バケモノ…!!」

フォトン・D「ひどい話ね…。あなたが私を作ったのに…」


Muse「なんやって…?」


フォトン・D「散々UTXでおいしい思いしてきたくせに…。ほら、そいつの片割れのカラダも作ったじゃない…!」


Muse「え…っ!?」


フォトン・D「裏切りもの…、懺悔の用意は出来ているかしら!」ズオッ!!

真木「ヒィィィィイィッ!!」


ナイト・ディコーラム「「はぁぁぁぁぁっ!!」」ヒュンッ!!


ズバァッ!!


フォトン・D「くっ…!また邪魔を…!」

ディコーラム「そのメモリ、強そうだからね。私がそれ、いただいちゃおうと思って」

ナイト「さっきのお礼も、させてもらうよっ!!」ビュンッ!!

真木「ハァー…、ハァー…、私自身が終末を迎えるところでした…」

Muse「さっきの話…、真姫ちゃんの身体を作ったのがあなた、って…、本当なん!?」

真木「…はい、本当です」

Muse「私の身体を作った、って…、それじゃあ私は、誰かのクローン…?」

Muse「せやけど…、真木博士が連れ去られたのは10年前やから、それなら10歳以下の見た目でないとおかしいんじゃ…」

真木「あなたは…、あなたは特別なのです。成長を促す培養液で、育てられた…」

Muse「特別…、私は一体、誰の遺伝子から作られたクローンなの…?」

真木「それは…」

真木「…」

Muse「…」ゴクリッ



真木「あなたは…」

真木「錦野財閥社長、錦野真姫の、クローンなのです」



Muse「…!わ、私が…、私が錦野財閥社長の、クローン…!?」




第28話「憂帝X / アイドル×探偵」

おわり

真姫「第28話、どうかしら」

希「ついに仮面ライダーWと全く異なる設定を出していくことができるようになったね」

凛「真姫ちゃんがクローンだとか、この街の住人もクローンだとか、あと錦野家だとか…」

絵里「当初はただの役者の頭稼ぎ、って理由だけで苗字の違う同一人物を多数出してたわけだけど…」

ことり「途中からそういうことにしちゃおう、って決めたんだよね」

真姫「だいたいこれらの設定は11話くらいから考えたから、読み返してみればあ、これが伏線だったんだ!っていうのも見つかるかもね」

希「まだ設定が固まってなかったから、ムジュン点も大量にあるかもやけどね…」

絵里「英玲奈が『その名前はUTX総帥がつけたのよ』とか言ってるところ、とかね」

真姫「そこらへんはもうスルーしてちょうだい」

ことり「っていうか今回の話、マキって名前の人大杉だよね…」

凛「真姫ちゃんに、真木博士に、錦野真姫…」

真姫「無論真木博士を出したのはそれが理由よ。マキ大杉だろ!ってのがやりたかったの」

希「あと、ミューズドライバーの設定やけど…」

真姫「あぁ…、動画見ながらマイナーチェンジしてたせいで私が装着して希のお腹から生まれちゃったことになってるわね…」

絵里「ワイルドをかざせば勝手にドライバーが出てくるから、どっちからでもいい、っていうのはそうなんだけど…」

ことり「装着する方はもちろん変わってないから、そこらへんは頭の中でどうにかしてね」

凛「今回はフィリップの成分が希ちゃんと真姫ちゃんで半分こ状態だからややこしくて仕方ないにゃ」

真姫「今から次回説得のいく希の離反理由を考えるのに必死よ」

希「他にもややこしいことがたくさん…、まぁ、ノリでなんとかなると思うけどね」

絵里「そんなこんなで次回をお楽しみに」

ことり「事情により更新に間が空くかもしれないけど、気長に待っててね」

真姫「それじゃあ今日はここまでよ!まじえんじぇー!」

凛「それ違うやつだから…」

希「決め台詞はこっち!これで決まりや!」

いやぁ本編見返してもうまいこと話展開できる気がしねえわHAHAHA 無理やり展開あっても見逃してね
サブタイの憂帝XはいわずもがなUTXと掛けてます ここでいう憂帝は…、誰だろうね
ワイルド回の伏線とやらが自分の方がわからない… あの回の凛ちゃんは恥部を晒したことくらいしか記憶にない…
ビギンズナイトの間違いなら納得なんですけれども
矢澤小泉はどうなんだろう…、いつか使うことがあるのだろうか とか考えてたら最高で最低な使い方を思いついたのでいつか出てくるかもね
前書きが長くなりましたが何も思いつかない状態だけど始めて行きます

Muse「私が…、錦野財閥社長の…、クローン…?」

真木「…」



フォトン・D「はぁぁぁっ!!」ブオォンッ!!


ディコーラム「ちぃっ…!またうろちょろと、鬱陶しいわね!」

ナイト「厄介な蠅は…」\エース!!/

ナイト「打ち落とすっ!!」

\エース!!/ ウゥゥゥゥィィィィィィィ!!


ナイトエース「ふっ…!」ビュンッ!!


スカッ

フォトン・D「無駄よっ!どれだけボールを投げたところで私には当たりはしないわっ!!」


ディコーラム「あぁ…、やっぱり…」

ナイトエース「単純な物理攻撃じゃ、傷ひとつ与えられないか…」


フォトン・D(しかし、こう敵が集まられては任務達成が困難…、ここは)

フォトン・D「ふんっ!」シュバッ!!


ナイトエース「あっ…、逃げた!」

ディコーラム「追いかけ…、られなさそうね。方角すら見失ってしまったわ」



ことり「逃げられちゃった…」

真木「おぉ…、私は助かったのですか…」

真姫「どういうこと?たしか、この街のクローンは…」

ことり「選ばれた数十人の遺伝子を元に作られてるはず。その中に錦野財閥の社長がいたなんて話は聞いたことないよ」

絵里「…というか、10年前といえばまだ錦野財閥が健在だった頃…。あなたは錦野真姫に連れ去られた、ってこと?」

真姫「真木博士、答えてもらえるかしら?…あなたは、無理やり研究させられていたんじゃないの?」

真木「確かに…、10年前は錦野財閥によって、優秀な科学者が集められました」

真木「最初は無理やりだったものの、錦野真姫は研究に必要な施設と予算を全て用意してくれました」

真木「UTXに計画が移ってからも、その待遇は続けられました」

真木「科学者としては、これほどの魅力的な誘いを断れるわけがありません」

絵里「あ、あなたねぇ…!」

ことり「…でも、あの錦野財閥の社長が、人を拉致してまでも真姫ちゃんを作りたがる理由って…?」

真姫「そう、ね…。それまでの行いから鑑みても、強引なやり方だって感じるわ」

ことり「それに、錦野財閥社長…、名前は公にされてなかったけど、錦野真姫、って今わかって…」

ことり「彼女が行方不明になったのがおよそ7年前…、その頃綺羅ツバサはまだ十数歳の少女…」

ことり「当然UTXを率いる力なんてなかったはず…。もしかして、裏にまだ綺羅ツバサを支える誰かがいるんじゃ…」

真木「…それは」

真姫「なにか、知っているの?」

真木「…いえ、知りません」

真木「私はただ…、あなたを作っただけです」

真木「それ以外のことに関しては…、何も…」

真姫「…」

ことり「…署に連行するね。UTXに関して知ってること、全部喋ってもらうから」


絵里「綺羅ツバサを支える、誰か…。う、うぅん…、そういえばいたようないなかったような…」

絵里「全っ然覚えてないチカ…。溺れたショックで頭パーになったのかしら…」



第29話「憂帝X / 少女×総帥」



錦野家


ツバサ「…」


総帥「あら?元気ないわね」

ツバサ「…別に、いつもどおりだけど」

総帥「そう?ならいいけどね。…暇なの?」

ツバサ「暇、ってわけじゃないわ。…考えることがたくさんあるし…」

総帥「そうねぇ…、ガイアメモリ開発に関しても、ちょっと計画より滞ってるところがあるものね?」

ツバサ「…痛いところ、ついてくるわね」

総帥「このままだと、見切りつけられて資金援助してもらえなくなっちゃうわよ?」

総帥「あの…、なんだったかしら。財団…、ナントカさんに」

ツバサ「総帥なんだからそれくらい覚えておきなさいよ。…わかってる、修正案はちゃんと考えてあるわよ」

ツバサ「指揮権を全て、私の最も信頼の置ける有能な人間に与える」

総帥「優木あんじゅ、ね…」



あんじゅ「…!」

あんじゅ「どう、しよう…」



東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…私が、この街を作った人のクローン…」


凛「真姫ちゃん、昨日寝てないみたい…。大丈夫かなぁ…」

希「急に自分がこの街一番の有名人のクローンや、って言われれば、そうもなるやろね…」

凛「…希ちゃん?」

希「ん?なに?」

凛「希ちゃんももしかして…、元気ない?」

希「えっ…!?いや…、そんなこと、ないけど…」

凛「そう…?なんか暗いにゃ…。うーん、ここは…、そうだ!」

凛「写真を撮ろう!」

希「写真…?」

凛「ね、撮ろ撮ろ!ほら真姫ちゃんも!」グイグイ

希「ちょっ…、いきなりどうしたん…」

凛「だって、3人で撮った写真って、最初の一枚しかないじゃん!」

凛「それぞれ精神的にも肉体的にも成長したんだよ、って記録に残したいにゃ」

希「凛ちゃんの胸は肉体的にも成長してなぶべらっ!」

凛「いらんこと言うとぶっ飛ばすにゃ?」

希「…ごめんなさい」

凛「それに…、凛たちも、家族みたいなもんでしょ?クローンの真姫ちゃんだって、家族はいるんだよ?」

希「…せやね」

希「真姫ちゃん」

真姫「…さっきから人が落ち込んでるみたいな扱いして」

真姫「別に私が誰のクローンだとか、そんなこと気にしてないわよ?」

凛「え、そうなの?」

真姫「えぇ。誰から作られても、私は私。それ以外の何者でもない」

真姫「昨日寝てなかったのは…、私の元となった人が、どんな人か調べてただけよ」

真姫「…何も、出てこなかったけれどね。行方不明になる前からも、素性を隠してたみたい」

希「そっか…」

凛「じゃあ何も心配することないねっ!よし、集合写真にゃ!じゃ、カメラをここにセットして…」ストッ

凛「んじゃ撮るよー!並んで並んでー…」

真姫「私希の隣っ」

希「あっ、もうそんなに引っ付いたら…」

凛「はい、チー…」


絵里「希の隣は渡すかぁぁぁっ!!!」ドシャァァッ!!


凛「え、ちょっ…!」

真姫「きゃぁっ!!」

希「ぬぐぇっ…!く、苦し…」


パシャッ


絵里「はぁっ…、はぁっ…!抜けがけは許さないわよ…!」

凛「って絵里ちゃん!?写真には写りたくないんじゃ…」

絵里「でもなんか希の隣を取られるのが悔しくてつい…」

真姫「あんた立派にのぞキチになってきてるわね…」

凛「うぅ…、絶対これへんな顔になってるにゃ…。取り直しかな、今度は絵里ちゃんも入れて…」


ピリリリリ… ピリリリリ…


希「ん?あ、電話や…。ごめん、撮り直すんはちょっとまってね。…はい」

あんじゅ『…希、ちゃん…』

希「あんじゅちゃん…?」

あんじゅ『この前の約束…、覚えてる…?』


希「約束…」

真姫「何…?あんじゅから電話?」

凛「しっ…!大事な電話みたい…」


あんじゅ『この街から、一緒に逃げて…』

希「えっ…」

あんじゅ『どこかの街で、あなたと一緒に生きたいの…』

希「で、でもそれは…」

あんじゅ『…今日の午後2時、音都駅に来て』

あんじゅ『待ってるから』ガチャッ…


ツー… ツー…


希「あっ…、あんじゅちゃんっ…!!ぅあ…」

凛「希、ちゃん…」

希「…う、うぅ…、うちは…、うちは…」

真姫「希…」



音都ホテル 一室


英玲奈「…う、うぅ…」

英玲奈「はっ…!うっ…、頭が痛い…」

英玲奈「ここは、どこ…?私は一体…」


  「ここは音都ホテルよ。…泥のように寝てたわね」


英玲奈「だ、誰…?」

  「よっぽど疲れが溜まってたのね。何があったのか知らないけど、大変だったでしょう?」

英玲奈「…」

英玲奈(見たことない少女…。いや、違う…)

英玲奈(私はこの少女のことを…、認識できない…。見えているはずなのに、見えない…)

英玲奈「…っ!そ、そんなことより…、メモリっ…!私のドロレスメモリは…!」

  「探し物?これならあったけど?」スッ

英玲奈「それは…、ガイアドライバー…!返して…」

  「…壊れてるけどね」ガシャンッ

英玲奈「うぁっ…!く、うぅ…!これでは、私は…」

英玲奈「…?私は…、私は…」

英玲奈(私は…、何をするつもりだったのだったっけ…?)

  「…あなた、全てを失って迷ってるのね」

英玲奈「えっ…?」

  「大丈夫、心配はいらないわ。…あなたに、生きるための愛を与えてあげる」

  「私の言うとおりにすれば、救われるわ…」

音都警察署 取調室


ことり「…真木博士、まだ隠してること、なにかあるんじゃない?」

真木「…」

にこ「そうよそうよ!とっとと吐いて楽になりなさいっ!!」

真木「…」

にこ「こんな変な人形肩につけて…」

真木「サワルナァァァァァ!!」

にこ「ひぃっ…!ごめんなさい…」

真木「…いえ」

ことり「…ふぅ」

花陽「え、えっと…、と、とりあえずみんな、お茶飲んでリラックスしましょ?ね?」カポンッ

花陽「…ん?あ、あれー…!梅昆布茶が切れてる…。今週の買い出しはにこちゃんの担当でしょ!?」

にこ「え、そうだったかしら…?」

花陽「そうだよ!ほら、梅昆布茶買ってきて!あれとおにぎりがないと始まらないよ!」

にこ「わ、わかったわよ…。ったく、年下だってのに容赦ないわねあの子…」スタスタ…

ガチャッ


花陽「…はぁ、にこちゃんってば使えないなぁ…」

真木「…誕生日、だったのです」

花陽「そうそう、誕生日といえば梅昆布茶に塩おにぎり…、え?」

真木「私が誘拐されたのは、姉の誕生日だったのです…。なのに、研究に魅せられた私は…」

真木「自分の意思で家族を捨てた…。今更会う資格がないことは、よくわかっています…」

真木「…ですが、この身が終末を迎える前に、一言…、謝りたいのです…」

花陽「う、うぅっ…!わかる、わかるよその気持ち…!うんうん…!!」


ガチャッ

にこ「…」

花陽「あれ、にこちゃん。随分早いんだね」

にこ「…」バタリ

花陽「に、にこちゃんっ!?た、魂が抜けてる…」


湊「…懺悔の用意はできてるかしら?」


花陽「ざ、懺悔…!?え、えっと…」

花陽「じ、実はにこちゃんのお昼のお弁当を盗み食いしてたのは私です…、ごめんな」

湊「はぁっ!!」バキィッ!!

花陽「こまちっ!!」ズシャァッ


ことり「…バレバレだったけどね、盗み食い…。…あっ、貴様ァ…!!」


湊「…ふっ!」ガシィッ!!

真木「ぬぐぅっ…!!」

湊「今度こそ…、狩らせてもらうわよ…?」\フォトン!!/

ことり「…っ!」\ナイト!!/

ことり「変…、身…っ!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「はぁっ!!」ブンッ!!

フォトン・D「ふっ!」ガキンッ


真木「くぅっ…!」スッタカター


ナイト「あっ…!真木博士!」

フォトン・D「はぁっ!!」バキィッ!!

ナイト「うぐぅっ…!!」

フォトン・D「ふっ!」ダダッ



街中


真木「はぁ…、はぁっ…」タッタッタッタッ…


フォトン・D「ふふっ…!」ブォンッ


真木「ひっ…!」

フォトン・D「逃げられないわよ?」

真木「お、おのれ…」


ナイト「はぁっ!!」パカラッパカラッ

ズシャァァッ!!


フォトン・D「ぐあぁぁっ…!!」


ナイト「てぇぇぃっ!!」ブンッ!!


フォトン・D「くっ…、ここは…」グイッ

女性A「きゃぁっ…!」

フォトン・D「はぁっ!」ポイッ


ナイト「なっ…!!階段上から無関係の人を…!くっ…!」

ナイト(今からメモリチェンジは間に合わない…!手を伸ばせば…!)

ナイト「届いてっ…!私の腕っ…!!」


スカッ…


ナイト「あっ…!」



女性A「きゃぁぁぁぁっ!!!」


ナイト「うっ…、くぅっ!」

ヒュォンッ!!

パシッ!


ナイト「あ…!」


ディコーラム「…ふぅ、間一髪だったわね」

女性A「あ、ありがとうございます…」

ディコーラム「…いえ」


ナイト「よ、よかった…」


ディコーラム「ことり?気を抜きすぎてるんじゃなくて?」

ナイト「…そんなことは」

ディコーラム「なら、早く奴を追いかけるのよ。手遅れになる前に」

ナイト「分かってる…!」



東條西木野☆探偵事務所内


ニュィー…

真姫「へぇ…、これが写真プリンタ…。ここにこんなのあったんだ」


凛「ねぇ、希ちゃん。どうする気?」

希「…」

凛「まさか…、あんじゅちゃんと街を出るなんて…、言わないよね?」

希「…」

凛「…一緒にいよ」シャシンスッ

希「あんじゅちゃん…、とっても真剣やったんよ」

凛「か、彼女はUTXの人間なんだよ!?悪の組織の大幹部なんだよ!?…罠だよ」

凛「行っちゃダメにゃ!…絶対、ダメだからね!」

希「…」

凛「ま、真姫ちゃんもっ!写真が出てくるところ眺めてないで止めてよぉっ!!」

真姫「…これは、希が決める問題よ」

凛「はぁ…!?何言ってるの!?」

真姫「…『男の仕事の八割は決断、あとはおまけみたいなもん』。そう言ったのは、あなたでしょう?」

真姫「どうするの。…希」

希「…っ」スクッ

凛「あっ…」

希「…真姫ちゃん、凛ちゃん…。あとえりち…。三人は、うちの大切な仲間や…。かけがえのない、家族…」

希「みんなと別れるなんて、ありえへん…」

凛「…!の、希ちゃぁんっ…!!」


希「…でもあんじゅちゃんもほっとけなぁいっ!!うちはどうしたらええんやっ!」

凛「結局まだ決まってないのかよっ!!」ズビシッ!!

希「あぅぅ…、どうしよう…、どうしよう…!あ、もう少しで約束の時間や…」

真姫「…はぁ、仕方ないわねぇ…。とりあえず駅まで行くしかないわね…」

凛「えぇ…」



とある住宅街の一角


真木「ここの住所…。苗字は変わっていますが…、ここに私の姉が…」

チリンチリン

真木「誰か来る…!」ササッ



女性B「よいしょっ…、っと」

ピンポーン

ガチャッ


女性「あら…!いらっしゃい!久しぶりね」

女性B「はい、ご無沙汰してました!」




真木「…!ね、姉さん…!!まだあれほど若さを保っているとは…!」

真木「さ、早速、謝りに…」


湊「プロフェッサー・マキ」スッ


真木「…ッ!」

\フォトン!!/

フォトン・D「ふっ!」ザシュゥッ!!

真木「うぐっ…!ぅ、がはぁっ…!」



女性「それにしても久しぶりね、比奈ちゃん。元気だった?」

女性B「はい、知世子さんもお元気そうで」

女性「ささ、入って。…ん?」

女性B「どうしました?」

女性「うぅん。誰かいたような…。気のせいみたい。さ、お茶の用意しなくちゃ!」



フォトン・D「全くの他人を姉だと思って逝けるなんて、幸せなヒト…」


パカラッ…

ナイト「あぁっ…!」

ディコーラム「くっ…、一足遅かった…!」


フォトン・D「あらあら、見つかっちゃったわね。…フッ!」ダダッ

ナイト「ま、待てっ!!」


真木「ぐ、ぅ、ぅ…!」ピ、ポ、パ…

東條西木野☆探偵事務所内


凛「はぁ…、大丈夫かな、二人共…」


ジリリリリリ… ジリリリリリリ…


凛「あっ、電話!はい、もしも…えっ!!?」



音都駅


ブロロロロロ…

真姫「っと、着いたけど…」

希「あんじゅちゃん、まだ来てないみたいやね…」


ピリリリリ… ピリリリリ…


希「ん、電話…?もしもし」

凛『の、希ちゃんっ!!』

希「うわうっさ!な、何…!?」

凛『真木博士が、大変で…!びょうい…、二人にどうしても伝えたいことがあるって!』

希「真木博士が、うちらに…?」

凛『音都総合病院に今すぐ向かって!』

希「え、でもっ…」

凛『早くっ!!』

希「…う、うんっ!わかった…、真姫ちゃんっ!」

真姫「なんとなくわかったわ。行きましょう」


ブロロロロロ…



あんじゅ「…」スタスタ…

あんじゅ「希ちゃん…、きっと来てくれるよね?」

こっから戦闘描写入って面倒なので今日はここまで
更新頻度遅くなるとか言っておいて逆に毎日更新に戻るとかどっちやねんやけど明日は微妙です
急にオリジナル成分増えてわかりづらいかもだけどすぐ慣れると思うんでできればついてきて頂きたい
じゃあまた次回 ほなな

エクセレント回でも一応言っているけれど『卓越』の旋律やで
正直語感で選んだだけだけど調べたらこれが一番しっくりくる日本語訳だったので

はいこんばんは 続きやっていきますよ
更新ペース遅くて申し訳ない もうすでに丸2ヶ月以上これに費やしてると知ってビックリ
早く終わらせなければ てなわけで再開です

フォトン・D「はぁぁっ!!」

ズシャッ!!


ナイト「うぐぅっ…!!」

ディコラーム「くっ…、ならばこちらも!」シュピンッ

フォトン・D「無駄よっ!」ブォンッ


スカッ


ディコーラム「あーもうっ!光子化されると攻撃の当てようがないわ…」

ナイト「…やはり、アレで行くしかないかな…!」サッ

ディコーラム「それって昨日のエースメモリ?だけどそれも物理攻撃のはず…。アイツには効かないんじゃ…」

ナイト「だから…」スッ

ナイト「こうするの!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ!!

ビショップ「それから…、こう!」\エース!!/

\エース!!/ ウゥゥゥゥィィィィィィィ!!


ビショップエース「はぁっ!」キュピーン


ディコーラム「お、おぉ…、そんな形態もあるのね…」

ビショップエース「スーツ代の心配がないからなんでもできちゃう!」

ディコーラム「そんなメタな話はやめなさい」

ビショップエース「これなら…、こうやって!!」ビュンッ!!


ゴォォォッ!!


フォトン・D「ふんっ、無駄無駄…」


ボファァッ!!

バキィッ!!


フォトン・D「んなっ…、あうぅぅっ!!」ドサッ


ディコーラム「ボールが燃えて…、炎を纏ったわ!」

ビショップエース「こうすれば、ただの物理攻撃じゃない…。光子化しても届くよ」


フォトン・D「ぐっ…、おのれ…!!」

ビショップエース「うらららららららぁぁぁぁぁいっ!!!」ビュバババババババッ!!

ヒュボボボボボボオッ!!


フォトン・D「む、無数の火の玉が…!避けきれないっ…!!」

ドガガガガッ!!


フォトン・D「ぐっ…、うぐあぁぁぁぁっ!!」


ディコーラム「よし、効いてるわ!その調子よ!」

ビショップエース「うんっ!」


フォトン・D「ぐぐっ…、こうなったら…」

フォトン・D「ハァッ!!」ビュンッ


ディコーラム「あ、アイツッ…!上空に逃げやがったわね!」

ビショップエース「確かに上空なら球速は落ちるけど…」


フォトン・D「ここから光弾を乱れ打ちすれば、奴らからの反撃を受けることもないわ…!」


ビショップエース「…考えが、甘いよ!」\スラッガー!!/

\スラッガー!!/ ピピーピピピーピッピッピッピッ


ビショップスラッガー「…絵里ちゃん。今度は絵里ちゃんの力も貸してほしいの」

ディコーラム「私の…?」

ビショップスラッガー「うん。ふたりの力を合わせた…、合体技、だね」



フォトン・D「フフ…、喰らいなさい…!螺旋のストライク…」

フォトン・D「…ん?」



ビュォォォォオォッッ!!


フォトン・D「なっ…!」


ディコーラム「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ビュォォォォォッ!!


フォトン・D「ものすごい速さで、こちらに近づいてくる…!?だ、だけどヤツの攻撃は、こちらには効かない…!」


ディコーラム「それは…」



ビショップスラッガー「どうかなぁぁぁぁぁぁっ!!!」ビュンッ!!


カキィィィィィイィンッ!!

ゴォォォォォオォッッ!!!



(ビショップスラッガー「私がスラッガーメモリとエースメモリを打ち出すから…」)


ディコーラム「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ビュォォォォォッ!!


(ビショップスラッガー「絵里ちゃんは勢いそのままで、それをDフェンサーに挿入して」)


ディコーラム「ま、まったく…!無茶なこと言ってくれるわねぇっ!!」

ディコーラム「だけどやってあげるわ!だって私は…!」

ディコーラム「かしこいかわいい…、エリーチカだものっ!!」


ゴォォォォォオォッッ!!


ディコーラム「来たっ…!!さぁ、来なさいっ!!」

ディコーラム「その炎を…、あいつにもぶつけてやるのよっ!!」


ゴォォォオッ…、ガジャキィィンッ!!

\スラッガー!!真姫シマムドライブ!!/


ディコーラム「入った…ッ!!」

ディコーラム「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」


ビュゴォォォォォォッ!!!


フォトン・D「ほ、炎を纏ってこちらに…、く、来るなっ!!」



ディコーラム「こいつで…、正真正銘のダイレクトアタックよっ!!」


ビュォォォォォオッ!!


フォトン・D「ひっ…!」


ズバァァァンッ!!


フォトン・D「ぐがぁっ…!」

ディコーラム「ダスビダーニャ…!」



ドガァァァァァァァァァァァァンッ!!


湊「う、ぐっ…」パキンッ…

ディコーラム「あぁ、メモリが…、流石にあの威力じゃキャプチャーはできないか…」

ディコーラム「さて、ここから手を離すのもいいけど…、まぁそこまではやめておきましょう…」

ディコーラム「ふぅっ…」

湊「うぅ…」ドサッ

ことり「おつかれ、絵里ちゃん」

ディコーラム「…無茶させてくれるわ」ピチュゥゥンンッ…

絵里「さて、こいつはどうしてくれようかしら」

ことり「私が逮捕して署まで…」

湊「…」

湊「…フッ!」スクッ

絵里「…っ!まだそんな力が…!」

湊「ぐっ…、覚えておきなさい…!」ダッ

ことり「あっ…、ま、待て…!」


バシュゥッ!!


湊「ぐっ…!?う…」


絵里「い、今のは…?」

ことり「光線のようなものが身体を貫いたように見えたけど…、見えなかった…」


謎のドーパント「…」

湊「あな、たは…!ぐ、う、うぅっ…」バタリ


絵里「口封じ、というわけね…。UTXらしい…」

ことり「だけどあれは…、ドロレス、じゃない…?」


謎のドーパント「…フッ」サッ


ことり「あっ、逃げた…」

絵里「…放っておきましょう、疲弊してる私たちで勝てる相手とも思えない。それより今は…」



音都総合病院


ガタッ

希「はぁっ…!凛ちゃんっ!」

凛「あ、希ちゃんっ!」

真姫「博士は…?」

凛「もう、遅いよ…!先生、来ました…」

医者「…はい」

真木「…」

希「…真木博士、うちらに言いたいこと、って…?」

真姫「…」

真木「ぁ、あぁ…、来て、くれましたか…。どちらから、言ったものか…」

真木「では…、優木あんじゅのこと、から…」

希「あんじゅちゃん、の…?」

真木「あなたは…、彼女を気にかけていた…。伝えておくべき、だと、思ったのです…」

希「な、何を…?」

真木「彼女は…、孤児、なのです…」

凛「あんじゅちゃんが…、孤児…!?」

真木「はい…。まだ、錦野真姫社長が健在の時、最後に連れてきた、孤児…」

真木「だから、彼女には、家族が、居ない…。頼れる者が、いないのです…」

真姫「そういえば、錦野真姫は『恵まれない世界の子供たちを助けるための活動』をしていたのだったわね…」

希「その一つが…、身内を失った子供を引き取って…、養子にしていた、ってこと、か…」

真木「彼女は…、残酷な面も、ありますが…、心根は、とても優しい…」

真木「もし、これからも、友人で居続けるつもりなら…、彼女を…」

真木「彼女を…、UTXから、遠ざけてあげて、欲しいのです…。彼女はまだ、間に合う、はず、です…」

希「あ…」

真木「UTXの計画は…、遠からず、最終段階を迎える…、その、前に…」

真木「お願い、し、ます…」

希「わ、…わかった!うちが…、うちが絶対に…」

真姫「そ、それで…、もう一つ、言いたいことがあるんじゃ…」

真木「…ふ、二つ目は…、それは…、あなたに、関する、こ、と…」

真姫「私に…?」

真木「は、い…。あ、なた…は、錦野、真姫の、遺伝子を、持つもの…。ですが…」

真木「彼女のDNAを、持つ人間が…、もう、ひと、り…」

真姫「錦野真姫のDNA…、つまり、彼女のクローンは…、私だけじゃない…?」

真木「その、もう、一人、は…、……そ」

真姫「…そ?」

真木「ぅ…、うぅ…っ!私が…、終末を迎えて、しま……、うっ」ガクッ

真姫「え、ちょっ…!」

凛「ま、真木博士…!」

真姫「最後の辞世の句読んでる間に言えたでしょ…」

希「…」

希「…あんじゅ、ちゃん…」



音都駅


あんじゅ「…もう、2時か…」

あんじゅ「来ないなぁ…、希ちゃん…」

音都総合病院前


希「…決めた」

希「うちは、あんじゅちゃんとこの街を出る」


凛「の、希ちゃん…!それ、本気なの…?」

希「…うん」

真姫「それがどれほど大変で、どれだけ危険かわかった上での、決断なのね?」

希「…うちは、恵まれ過ぎてるほど恵まれてる」

希「ことりちゃんに、えりち。穂乃果ちゃん、にこちゃんと花陽ちゃん」

希「そして、凛ちゃんと…、真姫ちゃん」

希「こんなにも愛おしい仲間がいてくれる。うちは…、もう満足や」

希「だから今度は…、一人ぼっちのあんじゅちゃんを、うちが守ってあげないと」

希「だって…、仲間、なんやもん」

真姫「…ふっ。やっぱり、甘いわね…。甘すぎるわ…」

希「だけどアイドルは…」

真姫「甘いもの、だものね…。…もう、私から言うことはないわ」

真姫「さ、早く行ってあげて」

希「…うん」

凛「の、希ちゃん…!さよならなんか…、言わないから…!」

希「凛ちゃん…。…じゃ、行ってくる」ダッ

凛「あっ…」

真姫「…行っちゃったわね」

凛「これから、どうするの?」

真姫「そうね…。戦う力もなくなっちゃったし…。色々と課題はあるけれど…」

真姫「まずは、私と同じ遺伝子を持ったクローン…、そいつのことを調べることから始めましょうか」

真姫「…私、この街の歴史について調べてみようと思うの。『音楽室』にも無い情報だって、見つかるかもしれないし」

真姫「だから先帰ってていいわ」

凛「あ、わ、わかったにゃ。…じゃ、じゃね。気をつけてね?」

真姫「…うん。またね」

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…希の、バカ」



音都駅


あんじゅ「…まだ、かな…」


「あは、アハハハハハハ…!」ズニュニュニュ…


あんじゅ「こ、この声…!ツバサちゃんっ…!?」

ユーフォリア・D「…あんじゅ、一緒に来てもらうわよ…?」

あんじゅ「きっ…、きゃぁぁぁぁっ!!」ズニュニュニュ…

???


あんじゅ「うっ…!こ、ここは…?」

ツバサ「…こっちよ」


ツバサ「これこそが、あなたが継ぐべき組織の真の姿」

ツバサ「もう、自分勝手なわがままは許さない」

ツバサ「あなたの双肩には、この星の運命がかかっているのだから」

あんじゅ「この星の…、運命…?」

ツバサ「…あんじゅ、あなたこそが…」

ツバサ「UTX、そのものよ」

あんじゅ「…?」



音都駅


希「あれ…、あんじゅちゃんおらへん…。もしかして先行っちゃったんじゃ…!」

ダダッ


希「はあっ…、くっ…、あんじゅちゃん…」

ピリリリリ… ピリリリリ…

希「あっ…、もしもし、あんじゅちゃん?今どこ?」


あんじゅ「『後ろよ』」


希「んっ?あぁ…、あんじゅちゃん」

あんじゅ「『来てくれたんだね、希ちゃん』」

希「うん…、うちね、あんじゅちゃんが孤児だって知って…」

希「UTXを離れるなら、誰も頼れるものがいないんじゃないかって…、だから…」

希「あんじゅちゃん、うちと一緒に行こ?仲間、やん…」

あんじゅ「…うん、希ちゃんと、私は、仲間」

あんじゅ「だけどね、私はひとりぼっちじゃないの」

希「え…?」

あんじゅ「…この星のみんなが、私の仲間」

あんじゅ「だから」

あんじゅ「あなた一人くらい、いなくなってもいい」

あんじゅ「っていうか、邪魔」

あんじゅ「だからね?」



あんじゅ「死んで、希ちゃん。UTXのために」\アグリネス!!/



希「えっ」

街道


真姫「…はぁ」トボトボ

真姫(…結局、私より…、うぅん、私たちより、あんじゅの方が大事、か…)

真姫(そうよね、かたや知らない人がいないような大スター、それに比べて私なんて…)

真姫(…って、希がそんな肩書きで人を選ぶような人間じゃないって、自分でもわかってるのに)

真姫「…負け、かぁ…」

真姫「今頃、アイツ何やってるのかしら…。あー…、呼び止めてればよかった…」

真姫「何カッコつけていいオンナアピールしてるのよ…。そこはみっともなく呼び止めればこんな後悔…」


謎のドーパント「…」


真姫「…」

真姫「…っ!?ど、ドーパっ…!くっ…、の、希に連絡を…」

謎のドーパント「あぁ…、待って。別にあなたを襲うつもりはないの」

真姫「…は?」

謎のドーパント「この姿は仮面の代わりというか…、あなたを驚かせるための仕掛け、なのよ」

真姫「どういう意味、かしら…」

謎のドーパント「いえ…、そろそろ会いたくなって。何年ぶりかしら、こうしてあなたとお話するのは」

真姫「…!…私を、知っているのね…。そして、何年ぶり、ってことは、あなた…」

真姫「UTXの人間…!私がUTXにいた頃に、会ったことのある人…。でも、あいにく私は…」

謎のドーパント「記憶喪失、よね?知っているわ、だって…」

謎のドーパント「ミューズドライバーが起動すれば、そうなるようにしておいたもの」

真姫「えっ…?」

謎のドーパント「私やUTXの情報を、外部に漏らされないように。せっかく『音楽室』にロックをかけてるのに、記憶からバレたんじゃ笑い事だからね」

真姫「『音楽室』にロック…?それじゃあなたは…、綺羅ツバサ…!?」

謎のドーパント「…ふふ、惜しい。残念だけど、彼女じゃ、ない」

謎のドーパント「じゃあそろそろ、仮面を外させてもらおうかしら」

謎のドーパント「あなたに見せてあげる。もはや世界に『二つ』しかない、類稀な美貌を」ピチュゥゥンンッ…



真姫「…え」




「久しぶり、…いえ、初めまして、かしら」

「私は…、私こそが、UTXの真のトップ。UTX総帥」

「名前は」

「ニシキノ、マキ」

「もうひとりの、錦野真姫の、クローンよ」

真姫「もうひとりの、錦野真姫のクローン…!」

真姫「そ、それが…、UTXの…、トップ、ですって…!?」

マキ「あは、驚いたかしら?ふふふ…、この顔が見たかったのよね」

真姫(私より…、歳は数個上、みたいだけど…)

真姫(姿はそっくり…、まるで鏡を見ているような…)

マキ「ねぇ真姫。あなたが生まれた理由…、知りたくない?」

真姫「え…?」

マキ「どうして被検体でないはずの錦野真姫のクローンが二人も存在するのか、その理由」

真姫「理由が…、あるの?」

マキ「もちろん」

真姫「そ、それは…」


シュルルッ


真姫「…えっ!?なんで…、なんでドライバーが…!?」

マキ「あら残念。希が呼んでるみたいよ?」

真姫「どうして…!アイツは今頃あんじゅと電車の中のはず…」

マキ「…さぁ?だけど早く行ってあげなきゃ…」

マキ「ドロドロに溶かされちゃうかもね?」

真姫「…くっ!」\クレッシェンド!!/

真姫「…っ!!」ガションッ!!

真姫「うっ…、くっ…」バタリッ


マキ「おやすみなさい。…『器』の真姫ちゃん」



駅前


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン

Muse「…はぁっ…、はぁっ…」「こ、これは…」


マスカレイド・D×たくさん「…」

アグリネス・D「…」


Muse「…どういうことよ?あなたはあんじゅとこの街を出たはずじゃ…」

Muse「…あれが…、あんじゅちゃんや…」「え…?」


マスカレイド・D×たくさん「ハァッ!!」


Muse「あの醜いドーパントが…、みんなが憧れるスーパーアイドルなんよっ!!」ゲシッ!!

Muse「えぇ…?どういうことよ!?」「うちにもわからへんよっ!!どうしてこんなことになってるのかなんて…」


<キュイィィィィィィッ!!

\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー


Muse「はぁぁぁっ!!」ズバァァンッ!!

マスカレイド・D×たくさん「グワァァァァッ!!」ドガァァンンッ!!

おい、仮面ライダーWか…やらせろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

Muse「はぁっ…、はぁっ…!教えて…、何があったって言うん…!?」


アグリネス・D「…私の使命を、理解しただけよ。ハァッ!!」グワンッ!!


Muse「マズイッ…!あれを食らうとっ…!」「くっ!」ササッ!!


バギィィンッ!!


Muse「シャイナーシールドなら平気か…」「でもあれは…」

Muse「えぇ、当たればドロドロに溶かされる…。遊園地の時に出会ったヤツ、ね…」「アレが…、あんじゅちゃん…」


アグリネス・D「フンッ…。なかなかやるじゃない…。ならこれで…!」グワンッ…!!


Muse「な、何っ…!?」「じ、地面が崩れ…!?」


ゴゴゴゴゴ…


Muse「違う…!空間自体が歪んでるのよ!これじゃシールドでも防げない…!」「えっ…、どうすれば…!?」


グジュルルルルッ…!!


Muse「ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!」「身体が、空間に…、巻き込まれ…!!」


ドガァァァァァンッ!!


Muse「ぐ、う、あぁっ…!」ピチュゥゥンンッ…!!

希「ぐ、はっ…」


アグリネス・D「やっぱり、この程度なんだ…」

アグリネス・D「弱すぎるよ、希ちゃん」

アグリネス・D「もう、私の前に現れないで。私、別に好きな人ができたから」

アグリネス・D「さよなら。次会った時は…、死んでね」シュバッ



希「ぐ、う、うぅっ…!!!」

希「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」





錦野家


マキ「…おかえり、あんじゅ」

あんじゅ「うん、ただいま。…ねえ、今度お仕事があるときは…」

マキ「ツバサじゃなくて、あなたに伝える。…わかったわ」

あんじゅ「あは、マキちゃんは理解が早くて助かるわぁ。どこかの誰かさんとは大違い」

あんじゅ「さすが…、私の未来の旦那様…♪」

???「Muse…実に興味深い…!」

???「おいフィリップ!そんな事してる場合じゃないだろ!」

フィリップ「ああ…行くよ、翔太郎!」サイクロン!

翔太郎「ああ、フィリップ!ここの街の人達も俺たち仮面ライダーが守るぞ」ジョーカー!

翔太郎/フィリップ「変身!!」テレッテレーテテッテテレレデンデンデン!!!

W「さぁ、お前の罪を数えろ!」

東條西木野☆探偵事務所内


希「…」


真姫(あのあと、私の前からニシキノマキは姿を消していた)

真姫(私の片割れがUTXの総帥…、信じがたい事実ではあるけど…)

真姫(今はそれより、希の方が心配。…信じていたあんじゅに、ああも裏切られるなんて…)

真姫(事務所に戻ってきてくれたのは嬉しいけど…、彼女にとって状況は全く変わってしまった)

真姫(受け止めるには、その現実はあまりに過酷で…)



凛「できたにゃー!」

絵里「ん?どれどれ…。おぉ、なかなかプリチーね」

真姫「あぁ…、たしかに…。ハードボイルドさのかけらも感じられないわね…」

凛「本当はこの写真使いたかったんだけどねー」

真姫「ん…?これ、撮るの失敗してるじゃない」

凛「いい写真だと思うにゃ。いかにもうちの事務所っぽくて!」

真姫「まぁ…、ね」


真姫(だれのクローンだろうと、誰がクローンだろうと、私は私…、か)

真姫(問題は山積みだけど、でも、今は…)

真姫(この写真の四人が、まだ笑っていられる)

真姫(それだけでも、とても喜ばしいことだって、思った)





第29話「憂帝X / 少女×総帥」

おわり

すまない…仮面ライダーWは分かるんだがラブライブがいまいち分からんwwwwwwwwwwwwwwwwwww

???「翔太郎、フィリップ」

W(翔太郎)「あ?」(フィリップ)「照井 竜…」(翔太郎)なんだ、お前も行くのか?」

竜「俺に質問するな…!」

W「へっ、そうだったなぁ」

アクセル!

竜「変…身!」ブゥィンブゥィィィィン アクセル!!!

竜「さぁ、振り切るぜ!!!」ブゥィン!

>>667 >>668
黙ってろクズ

腹減ったな、夕食食えば良かったぜ!

マキ「というわけで!私の正体も明らかになったところで、エンドトークはUTX側が担当させてもらうわ!」

英玲奈「暫定的に私もいるよ」

あんじゅ「わー、英玲奈久しぶり!やっぱりA-RISEの三人はこうでないとねー」

英玲奈「あーあんじゅかわいいあんじゅかわいい」

ツバサ「そういうのはいいから…。29話、ついにUTX側にスポットが当たってきたわね」

マキ「大変だったのよー?原作より少ないキャラでなんとか辻褄合わせようとして」

あんじゅ「ツバサちゃんがミックやったりお父さんやったりハチャメチャだったね…」

ツバサ「これまで影が薄かった分好き勝手使われてるような気がする…」

英玲奈「そしてなぜかツバサに心臓を貫かれた私が生きていたな」

マキ「ふふふ…、私のライブメモリの力でね。さて、これからどうなっていくのかしら」

ツバサ「これ、私たちが知っていていい情報なの…?」

あんじゅ「あ、これ物語が全部終わってあの世で撮ってるって設定だから!」

ツバサ「死ぬのは確定なのね…。それもネタバレな気が…」

英玲奈「悪役なんて死んでナンボだ。さ、誰が最初にいなくなるか競争しようじゃないか」

ツバサ「嫌よ…」

あんじゅ「ある意味英玲奈は二週目ね」

マキ「私がもうひとりの真姫設定はW回の頃にはもうできてたのよね」

ツバサ「総帥初登場時ね。私とチェスをしていたわね」

英玲奈「ただR回の、絵里が真姫を見て驚くシーン、あの時点ではまだそれは決まっていなかった」

あんじゅ「色々後付けで設定が固められていったんだよね」

マキ「私が総帥であることすらね!まるで粘土のようなワタシ。あ!憂帝とは私のことよ!特に意味はないわ!」

ツバサ「最初は優帝で、あんじゅのことにする予定だったけど…」

英玲奈「今回は総帥の正体が一番の見所のつもりだったからな。あんじゅを連想させるワードは無くした」

あんじゅ「というか今回色々あり過ぎで混乱してる人もいるかも…。ゆっくり理解していってね!」

マキ「じゃあ今日はここまで!メモリを安価してまた次回よ!」

英玲奈「あ、まだ何するか決めてないからまた↓5個くらいから決めさせてもらう」

あんじゅ「なるべくGeneみたくなにかを変異させる力、とかだと書きやすいかも?」

ツバサ「これで決まり!」



次回のメモリ

このレスから↓5個くらい(頭文字A,I,O,S,V,Y,Zのどれか)

>>669え?なに?本当の事言っただけですよ???

え?新しいレス立てるの?初めてでわからない

どうやらアクセルが出るみたいだな

これ以上書かれても困るのでこの中から考えます
あと頭文字少なくなってきてるけどその中から選んでもらわないと採用しようがないんでせめて最後の一行だけでも読んで頂きたい
ついでに言っておくとZは最終回のタイトルに使うので次回から候補外になります もう5個しかないけどなんとか絞り出してね
といってもおそらくLとZ除いてあと3,4話くらいだけれど 次スレまで行かなければいいな それじゃほなな

はいこんばんは 眠たすぎて更新できなかったよ… 今日の夜にでもできればいいな
次回のメモリはImagineにしました そこそこ安価多めのギャグ回になるかも? 期待に応えられるといいね
のぞあんというかあんのぞ派が自分以外にいるとかビックリだよ ほとんど空想上の産物とも言えるのに

で、うろライブのかよちんの件ですが、うろかよちんは興奮すると漢字の音訓がメチャクチャになる、という性質があるので
安価は「百合ん百合ん」だったけど「ひゃくあいんひゃくあいん」と読んじゃった、ってことです ホント今更ですが
早くうろライブ二期やりたいです ほなな

最近11時超えたら始めるのがデフォになってきてしまった
というわけで始めますが、期待に応えられると、とか言ったけどうまく話を繋げる自信ねー
パクリばかりで完全創作がほとんどなかったから妄想力低下してきてるのかも
なので進行速度や話の整合性はアレかもですがなるべく笑える展開を狙っていくんで安価の方もよろしくオナシャス

希「…」ボー


真姫「…希」

希「…」

真姫「あんまり、一人で思いつめないようにね。…あんじゅのこと」

希「…平気よ」

凛「あー、あんまり可愛くないにゃー。そんな言い方ー」

希「べ、別に…、あんじゅちゃんに関しては心の整理が付いたし…」

希「人の心の闇を増幅させるのがガイアメモリの魔力…」

希「あんじゅちゃんもそれに負けちゃったんよ…。それだけ、や…」

凛「…でも」

真姫「もう、いいじゃない。放っておいてあげましょ?」

凛「う、うん…」

真姫(…そういえば未だに)

真姫(UTX総帥…、ニシキノマキのことについて、話せてないわね)

真姫(やましいことはないはずなのに、なんでかしらね…)

真姫「…」

真姫「…ところで」

真姫「絵里の出番がまた忘れられている気がするわ」

凛「あ、ホントだよ!原作に沿おうとするとすぐに絵里ちゃんいなくなって…」

凛「もっと絵里ちゃんにも喋らせてあげて!」

希「…二人共、誰に言ってんの…?」

真姫「いや、別に…」

希「…っていうか、えりちなら…」

希「ちょっと前から、行方不明やよ」

凛「へぇ、行方不明…、って、えぇぇっ!!?」

真姫「あ、そういえばそうだったような…」

凛「な、なんで落ち着いてるのさぁっ!?絵里ちゃん行方不明なの!?」

真姫「そう驚くことでもないわ。…まぁ、焦るべきではあるかもしれないけど」

真姫「最近女性の行方不明事件が乱発しているのよね…。特に10代後半から20代前半の女性にかけて」

希「もしかしたらなにか重大な事件の前触れかも、って穂乃果ちゃんにも調査を依頼しててんけど…」

真姫「その前に穂乃果からの連絡が途絶えた。さらにそれを探しに出た絵里も、また行方不明に、ってこと」

凛「そ、そんな…!」


ガチャッ

ことり「…そしてついさっき。うちのにこちゃんとかよちゃんも、いなくなっちゃった」

凛「ことりちゃん…」

ことり「これは異常事態だよ。私たちで徒党を組んでみんなを見つけないと」

希「せや、ね…。依頼を待ってる場合じゃない、か…」

真姫「いずれ街の住人がほとんどいなくなっちゃうかもしれないし…。やるしかないわね」

凛「よ、よしっ!みんなで手分けして、手がかりを集めよう!おーっ!」

みんな「「おーっ!」」

希(そんなわけで、行方不明になった街の住人を探すべく、手分けして捜査をすることになったうちら)

希(うちと凛ちゃん、真姫ちゃんとことりちゃんのペアで別れて聞き込みをしてたけど…)

希(今までの情報が穂乃果ちゃん頼りすぎてあまり進展がない…)


凛「穂乃果ちゃんが探偵になったほうがいいんじゃない…?」

希「うるさい」


希(道中隣の子からそんなことも言われたりしたけど、根気よく捜査は続け…)

希(ついに有力な情報を手にしたうちら)

希(それは、行方不明になった人たちの多くは、最後に映画館に入っていくところを目撃されている、ってこと)

希(早速うちと凛ちゃんはその問題の映画館とやらの前まで行ってみたんやけど…)



シネマ音都前


ガヤガヤ… ガヤガヤ…


希「うわっ…、人多っ…」

凛「仕方ないにゃ…。最近はズブリ映画最新作にポケモソ、瑠璃鬼信玄にハリウッド版牛頭苛の映画まで公開されて…」

凛「それにそれに!特撮番組の映画まで!人が混み合うのも無理はないにゃ」

希「そのラインナップの中に特撮はなんか浮いてる気がするわ…」

凛「でもこんなに混み合ってると行方不明になった人が映画館に入っていったっていうのも偶然かもしれないね」

希「あぁ…、見たい映画があったんかも知れんしね。まぁでも調べてみないことには…」

希「…ん?」



真姫「…」スタスタ

ことり「…」スタスタ



希「…あっ!」

凛「なになに?どうしたの?」

希「今…、真姫ちゃんとことりちゃんが映画館に入っていくのが見えた!」

凛「え、本当!?」

希「二人も同じ情報を掴んで捜査に来たんやろか…。とりあえず、二人と合流して話を聞いてみよ!」

凛「わ、わかったにゃ!…っと、そこ通して…」

希「ぐぬぬ…、人が多すぎて通れない…」

凛「あぁっ!誰かにお尻を触られた気がするにゃ!」

希「それはもの好きもいたもので…。って言ってる場合やない!二人が行っちゃうやん!」

希「こ、こうなったら…、凛ちゃん!」

凛「は、はいっ!なんだにゃ?」

希「>>694をしてこの場の人の目を引きつけるんや!」

イクササイズ

希「この場でイクササイズをして周りの人の目を引きつけるんや!」

凛「い、イクササイズって何…?」

希「魑魅魍魎が跳梁跋扈するこの地獄変においてアイドルとして戦うための体力を身に付ける特訓メニューや!」

凛「えぇぇっ!?なにそれ!?」

希「いいから早くやるんや!」

凛「そう言われてもやり方知らないし…」

希「仕方ないなぁ…。うちが言うとおりにするんよ?」

希「まずは周りにぶつかるような危ないものがないか確かめるんや」

凛「ぶつかるものだらけなんですけど…」

希「知らん!うちの管轄外や!まずは軽く…、イクササァァァァァァァァイズッ!!」

凛「お、大声出しちゃ迷惑だよぉっ!」

希「イクササーイズ、うちは正しいっ!ついてくるんやー、迎撃開始っ!」

凛「お、おぅ…、周りの人に腕がバシコシ当たってるにゃ…」

希「腕振りなさーい振りなさい」ブンブン

凛「あぁ!小さいお子様の顔面に拳が何発も叩き込まれてるにゃ!」

希「早くしなさい飛びなさいっ!」ブンブンダッ

凛「すかさず保護者の顎も狙っていくスタイル!?…って、警備員の人がこっち来てるよ!」

希「避けなさい、避けなさい、敵の攻撃避けなさい」

凛「お、おぉ…、最小限の動きで警備員さんを振り切ってゆく…」

希「叩きなさい、叩きなさい、悪い奴らを叩きなさい」ゲシゲシッ

凛「…希ちゃん。今希ちゃんが叩いてるのはどちらかといえばいい人たちなんだよ」

希「己を信じてー…、イクササーイズッ!うちは正しい!」

凛「もう見てらんないにゃ…。ほら、人ごみがドン引いてる今がチャンス!」ダダッ

希「迎撃続…、あぁ、これからがいいところやったのに…」



シネマ音都


凛「そんなこんなでー、調査させてもらえません?」

館長「許可できません」

希「い、いいやないですか調査くらい。ね?」

館長「他のお客様の迷惑ですので。つい先ほども入口で迷惑行為を行った人がいたようですし」

希「くっ…!誰か知らんが余計なことしよって…!うちらの調査にまで影響が出てるやん!」

凛「自業自得だよ」

館長「お帰りください」


希「…どうする?素直に帰るわけにもいかんし…」

凛「っていうか二人はどこに行っちゃったの?見当たらないにゃ…」

希「そや、それもあるんか…。うぅん、どうしよ…」


??「…なにか、お困りですか?」

希「おわっ、誰?」


海未「あ、あぁ…、私、ここの従業員をしております、小野田海未、と申します」


希「あぁ…、従業員の人ですか」

海未「なにかお悩みのようでしたので、声をかけてみましたが…。どうされました?」

凛「え、えっと…」

凛(また探偵として調査に来た、なんて言ったら追い返されるかも…)

希(それなら…)

希「え、えっとぉ…、友達と4人で来たはずが二人見失っちゃって…」

凛「そ、そうそう!そうなんです!くせっ毛の髪の女の子とトサカが生えた子なんですけど…」

海未「くせっ毛と、トサカ…。あぁ、あの人たち」

希「あ、心当たりあるんですか?」

海未「えぇ、9と3/4番シアターに入っていくのを見ましたよ?」

凛「え…?9と3/4…?」

希「あ、そうなんですか。凛ちゃん、9と3/4やよ。行こ!」

凛「えっ…、あ、ちょっと…」

海未「でしたら、案内いたします。こちらへ」

凛「えっ…、凛たちまだチケット…」

希「ま、いいやん。二人と合流することが先決やし」

凛「う、うん…、だけど…」

凛(9と3/4、なんて部屋…、普通ある?希ちゃんも疑問に思ってないみたい、だけど…)


海未「こちらです」

凛「…ほ、本当にあったにゃ…。9と3/4番シアター…」

希「よし、二人と合流して情報の共有に急ぐよ!」

凛「う、うん…」


ガチャッ

…バタンッ


海未「…どうぞ、ごゆっくりとお楽しみ下さいませ」




錦野家


あんじゅ「希ちゃんと…、あと真姫ちゃんと戦ったわ。過去の自分と決別するために」

マキ「へぇ、頼もしいわね。…本当に嬉しいわ、あんじゅ」

あんじゅ「ふふふ…、総帥の笑顔が見れて、私も嬉しいわ」

マキ「もう…、総帥、なんて他人行儀な言い方はもうやめて。マキ、ってちゃんと呼んでよ」

あんじゅ「あは、そうだったね…。マキちゃん…」

マキ「ありがと、あんじゅ。それでね、あなたにプレゼントがあるの」

あんじゅ「プレゼント…?なにかな…」

マキ「あなたのために作られた…、女王の証よ」

9と3/4番シアター


希「はぁ、思ってたより広いなぁ、ここの映画館…」

希「なんか…、暗くて向こう側が見えない…。壁がないように見えるわ…」

希「それに…、変に静かやと思わへん?映画、始まってるはずやのに…」

希「てか、始まってなかったとしても…、人の声すら聞こえへん」

希「ねぇ、これってやっぱり…、あれ?凛ちゃん?」

希「り、凛ちゃんっ!?凛ちゃん、どこ!?」

希「う、嘘やん…。さっきまで一緒にいたはず、なのに…」

希「あれ…?ここ…、映画館のはず、やんな…?」

希「椅子が…、全部ない…」

希「大きな画面も、スピーカーも…、映写機も、何もかも、なくなって…」

希「真っ暗闇に、うちが、ひとり…?」

希「ここは、ここは、一体…」



希「…ここは」

絵里「希」

希「わっ!え、えりち…?あ、えりち!よ、よかった…!行方不明やったから、心配しててんよ!?」

絵里「行方不明…?私が?」

希「そ、そうやよ!あ、ちょっと今凛ちゃんとはぐれて、どこに行ったか…」

絵里「何訳のわからないことを言っているの。早く準備をしなさい。副生徒会長なんだから、しっかりしなきゃダメよ?」

希「え、副生徒会長…?何を…。それに、準備、って…、なんの準備…?」

絵里「そんなの…」

絵里「この音ノ木坂学院の入学式の準備に、決まってるじゃない」

希「…は?」



講堂


絵里『…以上で、2013年度、入学式を終わります。一同、起立!礼!』



絵里「…ふぅ、今年も前年度に比べて入学者数が減っていたわね。まさか1クラス、だなんて」

希「…」

絵里「このままだと、この学校も…。…希?どうしたのよ、ぼーっとして…」

希「えっ…、あ、いや…。うぅん、なんでも、なんでもない…」

希(えっと…、なんや、この感じ…。なんか…、なんかおかしい…)

希(うちは…、うちは何しにここにいるん、やったっけ…?)

絵里「…あ、もしかして…。来年度の入学者数を増やす名案をもう思いついた、とか?」

希「えっ…?あ、あぁ…」

絵里「本当!?さすが希だわ!ね、ね。聞かせてよ」

希「えっ…!?あ、えっと、その…」

希(生返事してたらおかしなことに…。来年度の入学者数を増やす方法…?え、えーっと…)

希「せやね…、>>699とか、してみたらいいんとちゃう、かな…」

偏差値を65まで上げる

希「へ、偏差値を65まで上げればいいんちゃう、かな…?」

絵里「…希。簡単そうに言うけど、学生全体の学力をあげるなんてそう簡単なことではないわ」

絵里「それに、偏差値を上げて間口を狭くしちゃったらそれこそ入学者数も減っちゃうかも知れないわよ?」

希「え、えぁ…、せ、やね…」

絵里「もっと…、画期的な学校を盛り上げる方法を…」

希「…」

絵里「…思いつかないわね。仕方ないわ。私はこの資料を先生に届けておくから、希は先に教室に帰っていいわよ」

絵里「じゃあね。よいしょっ…」スタスタ

希「…」

希「…」

希「…」

希「いやうち学生ちゃうしっ!!」


希(何が…、何がどうなってるんよ!?)

希(気づいたら知らない学校で知らない制服着て…、しかもうちが副生徒会長!?)

希(うち、学力は昔から下の方やのに副生徒会長て…)

希(おかしい…、この状況はイミフすぎる…)

希(せや!真姫ちゃんに連絡を…)


希「あれ…、携帯がない…」

希「それどころか…、ドライバーもないっ!?」

希「嘘やろ…!?なんなんこれ…、これって…」

穂乃果「お願いしますっ!」

希「は…?」

絵里「…アイドル部設立の申請書?」

穂乃果「はい!」

希(えっ…?さっきまで講堂にいたはずなのに…)

ことり「えっと、ダメ、ですか…?」

希「こ、ことりちゃんっ!そ、それに…、穂乃果ちゃんも!?」

ことり「はい…?私のこと、知ってるんですか…?」

穂乃果「あ、ほら、さっき校庭で…。あれ、でも名前は聞かれなかったけど…」

希(いつの間にか場面が変わって…、ここ、生徒会室…?)

絵里「希…、最近ちょっと変よ?急に大声を出したり…」

希「え、いや…、ごめん…」

絵里「あのね、部の設立には…」

絵里「…いえ、これは希から言ってもらいましょう。希、部の設立の第一条件、なんだったかしら?」

希「えっ…!?」

絵里「最近たるんでるみたいだから、簡単なことでも忘れてないかテスト。部の設立には、何が、最低何、必要なのか」

絵里「答えて」

希「え、えっと…、せやね…。うん、部の設立には…」

希「>>702が、最低>>703必要、やよ…」

イマジネーション

1ギガバイト

希「部の設立には、イマジネーションが最低1ギガバイトは必要なんよ!」

絵里「い、イマジネーション…!?」

希「そ、そう…!イマージン!想像する力が創造する力を生み…、」

希「…ってうちは何を言ってるんや…」

絵里「そうね!想像する力…、素晴らしいわ!ハラショー!」

希「えっ…!?」

絵里「うん、決めた…、私もμ'sに…、入れてもらえる?」

穂乃果「もちろんですよ!絵里先輩…、うぅん、絵里さん!」

にこ「やれやれ…、やっとね…」

真姫「これで8人、だけど…」

花陽「希先輩は、どうするの?」

希「え…?えぇ…?」

希「ねぇ…、これ、どういうことなん…?」

ことり「はい?何が、ですか?」

希「だって、うち…、さっきまで生徒会室に…」

絵里「あはは、おかしなこと言うわね、希」

絵里「ここはメイドカフェじゃない。ほら、あなたも着替えて?」

希「はぁ?」

海未「ことりが必死になって考えてくれた曲です。私たちもそれに応えないと」

穂乃果「よぉしっ!頑張るぞーっ!!」

希「え?え?」

真姫「…あら、早起きね」

希「えっ…!?」

真姫「こうやって海を見てると…、悩みなんて小さなものに思えてくるような…」

希「あの、いや、ちょっ…?」

真姫「ねぇ、そう思わない?…ことりの様子、おかしい、って」

希「」

花陽「うん、なんだか…、なにか言い出せなくて困ってるような…」

にこ「もう!今はそれより学園祭のこと、でしょ!まだ振り付けも…」

希「なんなんや、これ…。…意味が、わからない」

絵里「…どうして?」

希「えっ」

絵里「あなたが、言ったんじゃない。想像する力が、創造する力を生む、って」

絵里「あなたも、想像すればいいじゃない。あなたの思い描く世界」

絵里「これまで過ごせなかった、楽しい日常を」

絵里「大丈夫、何も怖くないわ」

絵里「ただ、想像するだけで」

絵里「世界は、造られるんだもの」

絵里「さ、行きましょう。屋上でのライブ、最高のライブにしましょうね」

希「…」

希「…うん」

音都ホテル


英玲奈「…」

英玲奈「私、は…」

  「あら、起きてたのね。おはよう」

英玲奈「あ、あぁ…。おはよう。…って、今は昼じゃないか」

  「何だ、時間分かるのね」

英玲奈「当たり前…」

  「ずっとどこ見てるかわからないような顔してるから、寝てるのかと思ったわ」

英玲奈「…」

  「自分の目的、思い出せないのでしょう?」

英玲奈「…どうしてそれを」

  「顔に書いてあるもの。ふふ、心配しなくても、すぐに思い出すわ」

  「自分のやるべきこと。自分のやりたいこと」

  「それじゃあまたね。…英玲奈」

英玲奈「自分の、やるべきこと…。やりたい、こと…」

英玲奈「…」




講堂


穂乃果「私たち、いつかこの講堂を…、満員にしてみせますっ!」

希「…」

絵里「…どうしたの、希」

希「…ねぇ、これ、って…」

希「何回目、やったっけ…?」

花陽「アイドルの祭典、ラブライブは、今回が第一回目、ですよ!」

希「…それも、何回目、かな…」

にこ「ねぇ、私とアイドル…、やってみない?」

希「…」

真姫「希…、ありがとう」

希「…」

ことり「これがね、私たちの初めての衣装!かわいいよね?希ちゃん」

希「…」

海未「希。もう、またほっぺにパンくずをつけて…。太りますよ?」

希「…」

凛「…希ちゃん」

希「…」

凛「希ちゃん」

希「…」

凛「ねぇ、希ちゃんっ…!」


凛「希ちゃんっ!目を覚ましてっ!!」

希「はっ…!」

凛「よ、よかった…!希ちゃん、戻ってこれた…!!」

希「こ、ここは…?」

凛「映画館、だよ。…希ちゃん、今まで…」

希「そうや…、うちは…、うちは今まで音ノ木坂学院に…」

凛「やっぱり…」

希「ねぇ…、これって一体…」


「イマァァァァァァジィィィィィィィイィンッ!!」


希「…っ!?」

凛「き、来たっ…!」


謎のドーパント「…きっと何者にもなれないお前たちに告げる」

謎のドーパント「ピンク色のドラム缶を探しなさい」


希「…?」

凛「聞いちゃダメ!またあの変な世界に閉じ込められちゃうよ!」

希「どういうこと…?」

凛「あいつの言葉を聞くと、一種の催眠状態にかかるみたい…」

凛「そして、自分の想像が現実となる…、不思議な世界に連れて行かれるの」

凛「今まで行方不明になった人は、みんなアイツに連れられて、そして不思議な世界に閉じ込められて…」

希「そのままずっと、帰ってこられない、か…!」


謎のドーパント「…そういうことです。まさか、この世界から抜け出せる人がいるとは…」

謎のドーパント「驚き桃の木三色団子ですよ」


希「…」

凛「ダメ!」スパァンッ!!

希「おぉぅっ!…っと、一瞬気が…」

凛「アイツの意味不明な言葉を聞いたらそれだけで連れて行かれちゃうんだよ!」

希「な、なるほど…。じゃあ、凛ちゃんはどうやって戻ってこれたん…?」

凛「それは…」


謎のドーパント「ちっ…、面倒です。ならば…」

謎のドーパント「ジョン・レノンは最初からクライマックスに釣られて泣いた!答えは聞かないけど!」


希「う、ぐぅっ…!?!?」グワングワン

凛「うぉぉぉ…!意味不明すぎるにゃ…!これはキツい…」

希「…いや、これで、いい…!」

凛「え…?」

希「仕組みがわかれば、こっちのもんや…!なら…」

希「今度は真姫ちゃんを連れて…!帰ってくれば…!」

凛「…そっか!Museに変身してあいつを倒せる!」

希「そういうこと!せやから…、い、行って…、くる、よ…!うぅっ…」

はい、今日はここまで
あれ?ギャグ回のつもりだったんだけど軽めのホラー&シュールになってしまった…
安価もあまり使わなかったし何を書きたいか定まってないとひどいことになるね
ここから軌道修正できればいいな ではまた次回 ほなな

こんばんは 遅くなって申し訳ない
またまたこんな時間だけれど安価大丈夫だろうか 無理かなと思ったら中断します
それではやっていきますよ

希「…」

希「ここは…」

希「やっぱり、学校やね…。確か…、国立音ノ木坂学院、やったっけ」

希「これも誰かの望んだ想像が形になった世界なんやろか」

希「さっきから場面が転々としていたのも、おそらくいろんな人の想像が入り混じってたせいで…」

希「だけどそれもあってか催眠に近い状態になって、この世界に囚われている人はここが現実だと思い込んだまま、抜け出せなくなっている…」

希「さっきのえりちも、真姫ちゃんも…、多分本人のはず…。ことりちゃんだって意思が強いはずやのにものの数分で取り込まれて…」

希「…なのに、凛ちゃんだけはこの不思議空間から抜け出して、うちを助けてくれた」

希「他の人にはない芯の通った心根が凛ちゃんの強み、なのかもね」

希「…っと、気づいたら別の風景に…。ポンポン場面が変わって、タネがわかってたとしても混乱してまうね…」

希「この景色…、ここは…、>>717?」

希「これはおそらく…、>>718(1.真姫ちゃん、2.ことりちゃん、3.えりち)の想像かな…?」

野球場

ことり

希「広い…、ここは野球場、かな…?」

希「野球といえば…、まぁ、ことりちゃんか穂乃果ちゃんやけど…」


ことり「ヘイヘイヘイバッタービビってるのかい!ちゅんちゅん!」


希「…ことりちゃんだったみたいね」

穂乃果「やったれことりちゃーんっ!これさえ決めればリーグ優勝だよ!」

希「あ、穂乃果ちゃんもおるし…」


ことり「そう…、これで決めれば、日本人女性初抑えエースの称号が欲しいままに…」


希「いつの間にかソフトボールやなくて硬式野球になってるし…」

希「…ま、想像やしなんでもアリ、か」

希「だけど、うちはその想像の世界をブチ壊しに来たんやからね」

希「ことりちゃん、いいよ。君がなんでも思い通りにできる、って思い込んでるなら…」

希「まずはその幻想をぶち殺す」

希(…考えるんや。想像する…)

希(うちの右手には…、バットが握られている…!)

希「ふっ!」ガシィッ!!

希「ふふ…、慣れればこんなことも可能、やね。さぁ来い!」


ことり「…言われなくても!くらえ大リーグボールっ!!」ビュンッ!!


希「来たっ…!掛け値なしの剛速球…!」

希「だけど、ただ速いだけの攻撃なら見慣れてる…!真芯に捉えることなんて…」


穂乃果「最近太ったよね、希ちゃん」


希「…っ!!?」ブンッ!!


スパァンッ!! ストラーイクッ!!


希「…今、なんか言った?」

穂乃果「は?何が?」

希「…」

希(そうか、これが…。これが穂乃果ちゃんの得意技、相手の精神を揺さぶるボヤキ…)

希(一瞬で集中力が乱されてバットの位置がぶれてしまった…。空振りしたのが救いと言ったところやね)

希(かすってフェアにでもなれば完全アウトコース。…危なかった)

希「せやけど…!手の内さえわかればこちらのもの…!さぁ、もいっちょ!ピッチャービビってんのか!」


ことり「…」

ことり「…ふっ!!」ビュンッ!!


希「…!」

希(来た!さっきと同じコース…!これなら…)

ビュンッ!!


希「ここやっ!!」ブンッ!!


ググッ…!!


希「なっ…!!?」

希(手元で…、曲がっ…!?)


スパァンッ!! ツーストライッ!!


希「…っ!」

希(な、なんて鋭いカーブ…!?)

希(そして恐るべきは…、投球フォーム、球速ともに、全く違いがわからない…)

希(穂乃果ちゃんの揺さぶりと、ことりちゃんの技術…。これがかつて栄光を手にした最強の女子バッテリー…)

希(…初心者のうちが打つ手は…、ない)

希「…」


穂乃果「ことりちゃん、バッターもう意気消沈だよ!討ち取ったね!」


ことり「…うん」


希「…」グッ…


ことり「…これが、最後の一球…!行くよっ…!」

ことり「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ビュンッ!!


ビュォォォォォオォンッ!!


希「…っ!」

希(速いっ…!さっきよりも数段…!やっぱり、ストレート…?いや、もしくは…)

希「…うぅんっ!そんなん、関係ない…!だって…」

希(ここは想像力が力になる世界…!想像、想像、想像…!)

希(…うちはなんでもできる、なんでもできる…!)

希(だから…!)

希「うぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉっ!!!」


希「ボールよ…、止まれっ!!」


ビュォォォォォッ…、ピタッ



ことり「えっ」

穂乃果「えっ」


希「ここやぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!


カキィィィィィィンッ!!

ビューーーーーンッ カコンッ


希「よっしゃぁぁぁっ!バックスクリーン一直線!うちの大勝利や!」


ことり「そ、そんな…。私が、ま、負ける…!?」

穂乃果「ことりちゃんしっかり!あんなの反則だよ!球を止めるなんて…」


希「反則やないよ。…ここはなんでも想像で叶う世界やから」


ことり「想像で、なんでも…?」

希「…そう。こうしてことりちゃんが穂乃果ちゃんと一緒に野球してるのも、ことりちゃんが見てる夢」

希「起きるんやことりちゃん。そして気づいて、ことりちゃんのやるべきこと」

ことり「私の…、やるべきこと…」

ことり「私は…。そうか、わたし…」

ことり「私は…、この街…、音都を守る、ヒーロー…。警察官で…!」

ことり「そして…、アイドルだ!」



ことり「はっ!」

凛「こ、ことりちゃんっ!ことりちゃんも気づいたんだ!」

ことり「…ここは。…そうか、そういうこと、なんだね」

ことり「希ちゃんが助け出してくれた…。夢に溺れた私を…」


謎のドーパント「んなっ…!ぐっ…」

謎のドーパント「あの女…、どうして…。よくも私の邪魔を…!」




希「ことりちゃんが消えた…。そして風景が真っ黒に…」

希「穂乃果ちゃんにも説得したかったけど、世界の想像主がいなくなったことで、また真っ暗な世界に戻された、ってことか…」

希「きっと穂乃果ちゃんもまた、真っ暗世界に戻されて、まただれかの想像世界で登場人物を演じてる…」

希「…いつまでもそんなおままごとを続けてたら、いずれ…」

希「そうなる前に、うちがこの世界を崩壊させないと…!」


希「…ここは」

希「この場所は…、>>722、かな」

希「で、この世界の想像主は…、>>723(1.真姫ちゃん、2.えりち)やね」

採石場

希「ここは…、なんかよく見る採石場や」

希「これは…」


絵里「ふはははははは!現れたわね仮面アイドル!」


希「…」

絵里「あなたはこの怪人エレクトリーチカがコテンパンにしてあげるわ!」

希「…」

絵里「…」

希「えりち…」

絵里「ちょっと希!希が乗ってくれないと面白くないじゃない!さ、早く正義の味方をしなさい!」

希(…どうやらえりちは過酷な現実を忘れて特撮番組の世界に浸りたいみたいやね…)

希(今自分たちがまさにそんな状況下だっていうのに…)

希(…つまりは、えりちは『遊びたい』んやね…)

希「…」

希「よっしゃ!今回は付き合うよ!おのれ怪人エレクトリーチカ!許さん!」

絵里「おっ!いいじゃない!ふはははははは!ふはははははははは!!」




音都ホテル


英玲奈「…」

英玲奈「私の、したいこと…、するべき、こと…」

英玲奈(記憶に穴が空いているように…、私がしたかったことを、思い出せない…)

英玲奈(それどころか、このホテルに来る前、自分がどんな状況だったのかすら)

英玲奈(私は…、何をしていたのだっけ)

英玲奈「…あん、じゅ」


ドクンッ…


英玲奈「…っ!?な、なんだ、胸が…、苦し…!」


ドクンッ…!! ドクンッ…!!


英玲奈「ぐ、がぁっ…!!熱い…!胸が、焼ける…、燃えてしまう…っ!!」

英玲奈「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


英玲奈(その瞬間、私の脳裏に浮かぶ数々の光景)

英玲奈(スライドショーのように一つ一つの記憶が写真のように流れていく)

英玲奈(…それを見て私は、ついに思い出した。私の、やるべきことを)


英玲奈「はぁっ…!はぁっ…!!お、収まった…」

英玲奈「…」

英玲奈「…そう、そうだ、私は…」

英玲奈「ツバサ…。ツバサと…」

英玲奈「…あんじゅを、殺したい。それが、私のすべきこと。やりたい、こと」

絵里「くらいなさい!電撃光線!ビービッビビビッ!」

希「うぐおぉぉぉっ!クッソォォォォォ!!」


ボガァァァァンッ!!


希「おぉ…、本物の特撮もさながらの派手な爆発が背後で…」

絵里「油断していいのかしら!?電撃キック!たぁっ!」ゲシッ

希「ゴフゥッ!え、えりち普通に痛い!」

絵里「違う!怪人エレクトリーチカ!」

希「か、怪人エレクトリーチカ…!痛いって!」

絵里「当たり前でしょ敵なんだから!痛くなかったら攻撃にならないわよ!」

希「せやけど…」

絵里「全く、希は特撮に対する気持ちがなってないわね!これはお仕置きが必要だわ…」

希「お、お仕置き…?」

絵里「自分がどれほど危険な状況かを理解してもらうためには…」ゴゴゴゴゴ…

希「あ、あれ…?えりち、おっきくなってへん…?徐々に…」

絵里「こうするのがてっとり早いわ…」ゴゴゴゴゴ…

希「いや、もうその…。高層ビルほどの高さに…」


絵里「さぁ、希ぃぃぃぃぃ…。お仕置きよぉぉぉぉぉぉぉ…!!」グオンッ


希「ひ、ヒィィィィッ…!巨大怪人やぁぁぁぁっ!!パンチが降ってきた!」


ズゴォォォォンッ!!


希「う、うわ…!軽いクレーターになってる…。いくら想像の世界といえども、これを喰らえばひとたまりもない…」

希「これは…、やっぱりうちも巨大化…?」


絵里「希ぃぃぃぃぃぃっ…!!わかってないわねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ…!」


希「ひっ…!わ、わかってない…?」

希「そ、そうか…。えりちがうちに求めてるのは特撮の正義のヒーロー…」

希「ヒーローはヒーローらしい対抗策を考えろ、ってことやね…」

希「…別にヒーローだって巨大化してもいいと思うけど。円谷的に」

希「でもえりちが気に入らんのなら仕方ない…。ここは…」

希「>>726をしてえりちに対抗や!」

バイクで逃げながらミサイルランチャーをぶっぱなす

希「バイクで逃げながらミサイルランチャーをぶっぱなすで!」

希「…どこにバイクとミサイルランチャーが…?」

希「いや、自分で召喚すればいいんや!ほら、こうやってベルトにカードを…」

希「って、いつの間にこんなモノを…?ま、まぁ気にしたら負け!行くよ!」ガションッ

\アタックライドォ…、サイドバッシャー!!/ テーレッテーテレテテテンッ!!



希「う、うぉぉぉぉぉおっっ!!」ブロロロロロロロ…!!


絵里「逃げるなぁぁぁぁぁ…!戦うのよぉぉぉぉぉぉぉ…!!」ブオンンッ


希「うひぃっ!腕を振った風圧だけで吹き飛ばされそうや…」

希「でもうちかて逃げてるだけやないよっ!こいつでどうや!」ガションッ

\アタックライドォ…、ギガァント!!/


希「これでも…、くらえぇぇぇぇ!!まじえんじぇー!」


ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


バゴォォォォンッ!!


絵里「ぬぅっ…!!ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ…!!」



希「よっしゃひるんだ!!」

希「えりちが怯んでる隙に…」

希「最強の必殺技でえりちをぶっ飛ばすんや!」

希「うちの必殺技は…、そうやなぁ…」

希「具体的にいうと>>728をすることで力を貯めて、>>729をする際に起こる衝撃波で相手を倒す…」

希「名前を>>730、っていうのはどうやろうか!かっこよい!」

脇腹辺りに拳を構えて

ジャンプ

スピリチュアルウェーブ改弐

希「脇腹辺りに拳を構えて力を溜める…、そして…!」

希「ジャンプをした際の衝撃波で相手を倒す必殺技!」

希「その名もスピリチュアルウェーブ改弐や!」

希「ジャンプが必殺技の前段階かと思わせておいてまさかのこれが攻撃手段という相手の意表も付けるトリッキーな技やよ!」

希「ほな、行くよ~~~…、グググググ…」


絵里「はっ…!希が脇腹に拳を構えて力を貯めている…。正直隙だらけ…」

絵里「だけどここは攻撃してはいけない!そんな気がするわ!」


希「よし、こんなもん…!くらえぇぇぇ~…!必殺!」ピョンッ


バシュゥゥゥゥゥゥッ!!


絵里「ぐふうぅぅぅぅぅぅっ!!!」


希「スピリチュアルウェ…。あれ、しまった…。必殺技を叫ぶタイミングがずれてしもた…」

希「まさかの自分の意表すらもついてしまう必殺技でした」


絵里「う、うぅ…」シュゥゥゥゥゥ…


希「えりち、やっと縮んだね」

絵里「の、希…。そうね、じゃあ今度はね、私がヒーローで…」

希「えりち」

絵里「でね、希は世界中の焼肉を食べ尽くしてしまう怪人スピデーモンで…」

希「えりちっ」

絵里「な、なによ。今考えてるんだから、邪魔しないで」

希「もう、満足したでしょ。えりちはこの世界で存分に遊んだはずや」

希「だから、早く戻ろう。本当の世界へ」

絵里「本当の、世界…?何言ってるのよ、ここが…」

希「違う。ここは、夢の世界やよ。自分の想像が現実になる、楽しい世界」

希「だけど現実はそうじゃない。辛くて、厳しい世界。目を背けてしまうのもわかるけど」

希「だけど、えりちには夢があるはずでしょ?自分で決めた、夢。現実で叶えたい、夢が」

絵里「夢…。私の、夢…」

絵里「…私は、…そう、フェンシングで世界を獲って…」

絵里「うぅん、それもだけど…、うん、そう、今、今しなきゃいけないこと、それは…」

絵里「希を…、そして、音都の皆の笑顔を守ること。それが…、私の、夢」




絵里「うっ…、くぅ…」

ことり「絵里ちゃんっ!」

凛「やったやった!希ちゃん順調だにゃ!」

絵里「ここは…、ふふ。なんだか久しぶりに会った気がするわね、凛、ことり」


謎のドーパント「な、なぜ…!?なぜ私の世界から…!」

謎のドーパント「くぅっ…!!私の想像を…、私の想像を壊すなど…、許されません…!!」

希「…」

希「…涼しい風が、窓から入り込んでくる」

希「ここは、どこやろ」

希「なんだか懐かしいような、でも、見たこともない景色」

希「ここは…」


真姫「…音楽室。音ノ木坂学院の、音楽室よ」


希「音楽室、か」

真姫「…どうしたのよ、希。珍しいわね、あなたがここに来るなんて」

真姫「上でみんなと練習しなくていいの?あ、もしかして私のこと見に来てくれたの?」

真姫「大丈夫。作曲なら順調だから。ふふ、ラブライブ本戦ってこともあって、今度の曲は…」

希「…」

真姫「…希?なんで黙ってるのよ」

希「音ノ木坂、学院は…、真姫ちゃんの想像、やってんね」

希「真姫ちゃんはこうして、うちらとアイドルがしたかった」

希「今まで、アイドルになりたいって夢を持ちながら、行動に移せなかったのは」

希「一人じゃ、ダメだったから。うちらと一緒にアイドルに、なりたかったんやね」

真姫「は、恥ずかしいから…。アイドルになりたいとかどうとか、今更やめてよっ…」

真姫「もう私はμ'sの一員。それは外せないわ」

真姫「うん…、そうね。あなたたちと一緒に、アイドルになれてよかった。私の人生は…、こんなにも晴れやかになったわ」

真姫「μ'sが無くなっちゃうのは寂しいけど、希たちの想いはこれからも受け継いでいく。だから…」

希「…真姫ちゃん」

真姫「…心配しないで。これからだって、私はアイドルを続けるもの」

真姫「きっと卒業して、大学へいって、医者になって、結婚したとしても…」

真姫「あなたたちのことは、この一年間は、一生忘れない」

真姫「絶対に、忘れないから」

希「真姫、ちゃん…」

希(…真姫ちゃんの想像は、うちの想像をはるかに凌駕するほどに)

希(現実味を帯びていた。もう、これでいいんじゃないか、って思うくらい)

希(真姫ちゃんはこのまま、この世界で生きていくほうが、幸せなんじゃないか、って本気で思うくらいに)

希(この世界、この想像の世界を、この偽りの世界を崩壊させてしまえば、この真姫ちゃんの笑顔も、当分見られない)

希(そう思うと、うちは…)


真姫「あ、でも…、私も少しは動かないとダメかも。気分転換にもなるしね」

真姫「そういうことだから、私も練習に参加させてもらうわ。先に屋上、行ってくるわね」

希「あっ…」

希(…うちは)


1.真姫を止める
2.真姫を止めない


希「>>734

2

希「…」

希(真姫ちゃんは、この世界で…)

希(ドーパントや、UTXの事忘れて、生きていくほうが)

希(ずっと、ずっとずっと、幸せに生きていける…)

希(なら、ここでうちが現実を教えたって…)


真姫「…」ガララッ

真姫「…」


希「…」


真姫「…何、やってるのよ」

希「…え?」

真姫「ホントに、先に行っちゃうわよ?」

希「え、あ…、うん、せやね。うちも一緒に…」

真姫「一緒に?」

希「は?」

真姫「…一緒に、じゃないわよ。あなたは…」

真姫「街を愛する、探偵で」

真姫「笑顔を守る、ヒーローで」

真姫「涙を拭う、一枚のハンカチで」

真姫「そして、私の相棒じゃない」

真姫「相棒がね、間違った道を進もうとしてたら、止めるのがもうひとりの相棒の勤めなのよ」

希「真姫ちゃん…、それじゃ、記憶は…」

真姫「…オトノキで過ごした記憶は、とても愛おしい。私だって、こっちのほうが現実であってほしい、って今でも願ってる」

真姫「でもね、いつまでも、夢を見て過ごせるお年頃じゃいられないのよ」

真姫「もう…、オトナだからね」

希「真姫ちゃん…、まだ10歳やん」

真姫「…うるさい。それはいいのよ。…あぁ、それに、私が言っちゃったんだもの」

真姫「私とずっと、相乗りしてもらうわよ、って」

真姫「それを、私から先に降りるわけにもいかないでしょ」

真姫「あんた一人に運転させたら、どこ行くかわかったものじゃないし」

希「そう、やね…」

真姫「…やっぱり希、あなたは甘いわ。もっと自分を貫きなさい」

真姫「私が幸せそうでも、それが偽りなら容赦なく打ち砕いて」

真姫「そして、私を希と共に、生きさせて欲しいの」

真姫「それが、私の夢」

希「…そして、うちの夢、でもある」

真姫「…さ、戻りましょう。辛くて厳しくて、とんでもなくクソッタレな…、私たちの愛おしい現実に」

希「うん。…みんなが待ってる」

真姫「…」


謎のドーパント「そんな…!なんで戻って来れるのです…!?」

謎のドーパント「あなたたちは…、これ以上なく幸せな想像に包まれていたはずです…」

謎のドーパント「なのになぜ…!?なぜ戻って来れるのです…!」


ことり「…簡単だよ」

絵里「えぇ、簡単なこと。だって私たちには」

真姫「この世界でしか成し遂げられない、夢があるから」

希「自分を支えてくれるものがあるからこそ、この世界でも生きていける」

希「うぅん、この世界で生きていたい、って思えるんよ」


謎のドーパント「夢…!?ふ、ふざけないで…、くださいよ…」

謎のドーパント「だったら私の…、私の学園生活だって…、夢のはず、なのに…」

謎のドーパント「あなたたちにそれを壊す権利が、どこに…!!」


凛「夢を壊す権利はないけど、だからってその夢に無理矢理人を巻き込んでいいわけじゃない!」

凛「誰にだって、この世界で叶えたい夢を、それぞれ持ってるんだから!」

凛「でも…、どうしても叶えたい夢があるなら…!凛が協力するにゃ!」


謎のドーパント「えっ…?」


凛「り、凛も…、その気持ち、少しわかるから!」

希「凛ちゃん…?」

凛「だから…、今は皆を開放して!お願い…!」


謎のドーパント「…」

謎のドーパント「…嫌、です…!やっと、やっと手に入れた友人なんです…!!」

謎のドーパント「簡単に手放して…、なるものですかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



凛「う、うぅっ…!わかってもらえないにゃ…」

真姫「説得に応じる様な相手じゃなさそうね…。メモリブレイクしか、この世界の人を解放する手立てはないわね」

ことり「うん。…さぁ、振り切ろう」

絵里「えぇ。やりましょう」

希「うちらがこの世界を…、ぶっ壊すんや!」


\クレッシェンド!!/ \ナイト!!/ \ディコーラム!!/ \スター!!/




希・真姫「「変身っ!!」」

ことり「変…、身…ッ!!」

絵里「変身っ!!」

今日はここまでなのだよ
ギャグ方面に持っていこうと考えたけれど気づいたらなんかいい話風味になっていたのだよ
自分でも書いてて何言ってんだこいつら感あったけれど少しでも皆の琴線に触れていれば幸い
それではまた次回 収集つくといいな ほなな

既にこのスレでの完結は諦めたよ…

はいはじめていきまーす
といっても今日はそれほど長くないかも… なこともないかも
とりあえずやっていくぞよ

錦野家


マキ「…」カチャッ


ボワァァァァン…


あんじゅ「このケースに入っているのが、プレゼント?なんなの、これ…」

マキ「結城丈二…、じゃなかった、有機情報制御器官試作体…、ガイア・プログレッサー」

あんじゅ「この輝き…、どこかで…」

マキ「これであなたは、完璧になれる」

マキ「そのためには、あるドーパントの協力が必要なのよ」

マキ「…ようやく、見つけたわ」

マキ「イマジンメモリの力を引き出すことに関しては…、彼女は天才よ」

マキ「小野田、海未」



映画館


謎のドーパント「ひ、ひぃぃっ…!!私に攻撃能力はないんですよぉぉぉぉぉ…!!」ダダダッ


Muse「に、逃げんなコラァッ!!」「…ったく、仕方ないわね…」

Muse「すでに調律は完了しているわ。あのドーパントの正体は…、イマジン・ドーパント」

ナイト「イマジン…?」

Muse「そのまま、想像を現実に変えてしまうチカラを持っている。…けど、どうやらその効果はあの特別な世界でないと最大限発揮できないみたいね」

ディコーラム「私たちをあの世界から逃した時点で、対抗する術はほとんどない、ってことね」

Muse「世界を構築するには限られた空間とあの人自身の集中が必要みたいだから…、追っかけられてる時はどうしようもないみたいね」

Muse「そこまで分かってるなら容赦はいらんよ!追っかけて撃墜や!」

ディコーラム「了解よっ!」



イマジン・D「はぁっ…、はぁっ…!」


Muse「コラ待てぇぇぇっ!!」「待ちなさいっ!!」ブロロロロロロロ…

ナイト「はぁっ!!」パカラッパカラッ

凛「待ってよぉ~~!」

ディコーラム「フルーツジュースにしてやるわ!!」ビュオンッ


イマジン・D「ひぃぃぃぃっ!!追いかけてこないで~~~~!!」

採石場


イマジン・D「ぬおぉぉぉ…、追い詰められました…」


ナイト「はぁっ…、はぁっ…。なんて逃げ足の速い…」

ディコーラム「走りでここまで私たちを振り切るなんて…、そういう性能もあるの…?」

Muse「いえ、そんなチカラはないと思うけど…」「あれ、ここ夢の世界で見たことがあるような」


イマジン・D「で、ですが、ここまでくれば多少は…!えいっ!」


ホワワワーン



ナイト「…っ!?これは…」

Muse「まずい…、またイマジンの世界に包まれたわ…!」

ディコーラム「でも、さっきと比べてなんというか…、しょぼい?」

Muse「開けた空間だからでしょうね。映画館のような狭い場所じゃないと能力を留めるのに限界があるんでしょう」

凛「だ、だけど…、それでも想像のチカラでどうにかなっちゃうんだよね…」

Muse「催眠能力はなくとも…、私たちに対抗しうる力は持ってしまったかも…!」



イマジン・D「フフフ…!想像で世界を創造することまではできなくとも…」

イマジン・D「色々なモノを創造する程度にはチカラは持っていますよ!例えば…」

イマジン・D「当たるとロリっ子になってしまうミサイルを発射!!」

ドゴンッ!!


凛「なんだそれ!?」

Muse「避けるわよっ!」

ディコーラム「えぇっ!!」

ナイト「おっとと…、あいたっ!」コケッ

凛「こ、ことりちゃんがこけた!」

Muse「なんでこんなところでドジっ子属性覚醒させてんねん!」「言ってる場合じゃないわ…!ことりにミサイルが!」


ドガァァァンンッ!!


Muse「こ、ことりちゃんっ!!」


ナイト「ふ、ふえぇぇぇぇ…、ままぁぁぁぁ…」


ディコーラム「お、おぉぅ…、ちみっちょいナイトになってしまったわ…」

凛「こ、コイツはなかなかの強敵じゃなかろうか…」

Muse「フンッ!だけどこっちにも手はあるわ!」「手…?」

Muse「イマジンの世界は何も相手だけが使えるわけじゃない。こっちだって使えるのよ!」

Muse「こちらも相手にイヤらしいダメージを与える武器を想像で創造してしまえば…」「おお、なるほど!」

ディコーラム「別にイヤらしい必要はないような」

Muse「というわけだから、>>745という特性を持つ>>744を創造するわよ!」


※特性のほうが後で、武器安価が先になります。別に武器でなくともメロンパンだとかゴーグルだとかなんでもアリ

フライパン

叩かれると感じる

Muse「叩かれると感じるフライパンを創造したわ!」

ディコーラム「なんてもの作ってるのあなた」

Muse「というわけやからこれで相手殴ってきて!」

ディコーラム「え、私がやるの!?し、仕方ないわね…」


イマジン・D「ふふふ、次はですね…」

ディコーラム「次なぞないわっ!!」ビュンッ!!

イマジン・D「ひぃっ!!速いっ!?」

ディコーラム「私の飛行能力を侮ったわね!ふふ、これでも食らうがいいわ!」


バシンバシンッ


イマジン・D「お、おふぅぅっ!!ひゃんっ!なんですかこれ!?」

ディコーラム「あなたが知る必要はないわ。えいえいっ!!」バシバシ

イマジン・D「あはぁんっ!!イヤンっ!らめぇぇっ!!フライパンはそういう風に使うものじゃないのれすぅぅっ!」


凛「か、感じまくってるにゃ…」

Muse「ふはははは!やはり私の想像力は只者じゃないわね!一発で相手をひるませたわ!」

Muse「よっしゃ!次はうちが…」

ナイト「ねーねー、のじょみちゃー」

Muse「へ…?こ、ことりちゃん、どないしたん…?」

ナイト「おちっこー」

Muse「ファッ!?」

ナイト「もれそう」

Muse「えぇ…、今ちょっといいところやねんけど…」

ナイト「あ、ちょっとれた」

Muse「あぁっ!わ、わかった…。あっちでしてこよな…」「何やってるのよ…」

凛「えぇっ!でも今隙ができてるところなのに、もったいないにゃ!」

Muse「えー…、あ、じゃあ凛ちゃんがなにか作って攻撃して!」

凛「えぇっ!!?凛も!?」

Muse「この世界じゃあなただって戦えるわ!さぁ早く!」

ナイト「ちっこもらすぞ」

Muse「あぁごめん!あっちの茂みでやろなー」

凛「え、えっと…、じゃあ…」

凛「>>749という特性を持つ>>747を創造するにゃ!」



ディコーラム「えいえいっ!!ふふ…、なんか楽しくなってきた…」

イマジン・D「くぅ…、好き勝手叩いてくれますね…!反撃です…!!」

イマジン・D「>>750という性質を持つ>>748を創造して反撃して差し上げましょう!」


※凛ちゃんの武器→イマジンの武器→凛ちゃん武器特性→イマジン武器特性の順番です ややこしいけど間違えないでね

スリッパ

叩かれるとダメな性癖と恋心に目覚める

叩かれるとドSになる

イマジン・D「ふふふ…!でしたら私はこの叩かれるとドMになる鞭を使って…」

イマジン・D「今度は私がボッコボコにしてあげましょう!そのフライパンを使ってねぇ!」


凛「はっ!いけない…!絵里ちゃんがピンチだにゃ!」

凛「ならここは…!」

凛「このスリッパを喰らうにゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


スパシーンッ!!


イマジン・D「フォグフゥっ!!?」

凛「は、はぁっ…!ま、間に合ったにゃ…!」

ディコーラム「凛…!助けてくれたのね…」

凛「うん…、もう少しで絵里ちゃんがドMになるところだったん…」


イマジン・D「…」ヌッ


ディコーラム「…っ!凛、危ないっ!!後ろ!!」

凛「えっ…!?」


イマジン・D「ふふっ…!」

パシーンッ!!


凛「うぐにゃぁっ!!!」

ディコーラム「り、凛っ…!!あなた、凛に何を…!」

イマジン・D「ふ、フフ…、これで…」

ディコーラム「しまった…、あれはドMになる鞭…!これじゃ、凛は…」


凛「アハハハハハ!!」スパーンッ!!

イマジン・D「おふぅっ!!!」


ディコーラム「…は?」

イマジン・D「い、今のは…、ドMではなく、ドSになる鞭だったのです…」

イマジン・D「ど、どうやら私…、今の一撃でダメな性癖と…」

イマジン・D「彼女に対する恋心に目覚めてしまったみたいで…」

ディコーラム「な、なんてもの創造したのよ凛は…」

イマジン・D「な、なので凛さんっ!存分に私をぶん叩いてくださいっ!!」

凛「フフフっ…、言われなくても…、そうさせてもらうにゃっ!!」バシィィンッ!!

イマジン・D「おっほぉぉぉぉぉぉおっっ!!」


ナイト「ちっこでた」

Muse「うんうん、せやねー」「…さて、あっちはどうなってるのかしら」


イマジン・D「あはぁ…!もっと!もっと激しく!!」

凛「ふぅっ…!なんだか…、すっごいゾクゾクするにゃ…!てぇいっ!!」バシィィィンッ!!

イマジン・D「おきゅうぱあぁいっ!!」


Muse「…なんだあれ」

数分後…


海未「う、うぅ…!気持ち、よかった…」


希「イマジン・ドーパントの正体はあの映画館の従業員やってんな…」

真姫「そういえばコイツ、夢の中にも出てきてたわね」

絵里「あぁ、いたわね。どうやら時々あの世界にも入ってきてたみたい」

ことり「やれやれ…、それじゃあ逮捕、ということで…」


凛「ま、待って!」


ことり「…?どういうこと?」

希「凛ちゃんがどうして止める必要が…?この人はたくさんの人を拉致して自分の世界を作り上げてたんやよ?」

絵里「そうよ。失われた自分の学園生活を再びエンジョイしたいだなんて自分勝手な理由で!」

真姫「メモリに心を奪われた人間には、もう何を言っても無駄なのよ」

凛「で、でも…!」

海未「凛、さん…?」

凛「このまま刑務所に行っても、この人の歪んだ心は元に戻らないんだよ!」

凛「それに、夢の世界の人たちを、せっかく出来た友人だ、って言ってたし…」

凛「この人今まで友達がいなくて、ろくな学校生活を送ったことないんだよ、きっと…」

海未「…その通りですけどなんかひどいです」

凛「だ、だからね!凛にいい考えがあるの!だから警察に連れて行くのは…」

真姫「…凛。その話は後で」

凛「真姫ちゃんっ!」

真姫「…違う。今は…」

真姫「あちらのほうが先、みたいよ」

凛「え…?」


あんじゅ「…あら、なにか楽しそうなこと、してるみたいね」


希「…っ!」

海未「え…!?あ、あれ…、優木あんじゅ!?本物!?ふぁぁぁっ!!大ファンで…」

あんじゅ「あら、そう…、なら…」\アグリネス!!/ ピチュゥゥンンッ…!!

海未「えっ…!?」


アグリネス・D「私と一緒に、来てもらえるかしら?イマジンさん」


海未「か、かかか…、怪物っ!?」

絵里「あなたもそうでしょうが」

希「…えりち、ことりちゃん。凛ちゃんと海未さんを安全な場所に避難させて」

ことり「それはいいけど…、希ちゃんは」

希「うちは、うちの手で…、あんじゅちゃんとケリを付ける…!!」

アグリネス・D「希ちゃん…、奇遇だね」

希「…せやね」

アグリネス・D「ふふふふ…。ねぇ、この間言ったこと、覚えてる?」

アグリネス・D「次会ったら、殺す、って」

希「…」

真姫「…あんじゅ。希の気持ちも考えてあげて」

真姫「UTXから、離れて頂戴」

アグリネス・D「そんなの、無理よ」

アグリネス・D「だって、私自身が、UTXなんだから」

希「もう、仕方ないんや…。戦うしか、ないっ…!!」\スター!!/

真姫「…えぇ」\クレッシェンド!!/


希・真姫「「変身っ!!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン



Muse「…行くわよ」


アグリネス・D「ハッ…、無駄だってこと、まだわからないのかな?」

アグリネス・D「あなたじゃ、私には勝てないのよ。ハァッ!!」グワンッ


Muse「それはどうかしらね!来なさいっ!!」


<キュィィィィィィインッ!!

バシィンンッ!!


アグリネス・D「っ!私の波動が弾かれた…!?」


Muse「もう希に迷いはない…。あなたごときに…!」「負けるうちじゃ、ないんよ!!」


\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー


Muse「ムーンシャイナー!!」シュバッ


アグリネス・D「性懲りもなくまたそれ…?無駄だって言ってるでしょう!」グワンッ!!


Muse「空間湾曲…!来るっ!」ダダッ!!


アグリネス・D「なっ…!こっちに近づいて…!?」


Muse「はぁぁぁぁぁっ!!!」\ムーン!!/

Muse「てりゃぁっ!!」ズバァァンッ!!


アグリネス・D「ぐ、ぐあぁぁぁぁっ!!!」

アグリネス・D「な、なぜ…!?なぜ私の攻撃が…!」


Muse「あなたのことに関しては調律済みよ。…アグリネス・ドーパントは攻撃そのものは強力だけど、発生に時間がかかる」

Muse「一度攻撃を受けて体勢を崩せば、攻撃も無力化できる。この近距離じゃ、あなたは私たちには勝てないわ」

アグリネス・D「ぐ、ぐぅぅ…!!」

Muse「アグリネスの再生能力も、ムーンソードの前では無力や。再生能力自体を切断することができるからね」

アグリネス・D「こ、これが…、エクセレントの、チカラ、なの…!?ぐぅっ…!!立てない…!こんな、ところで…!」

Muse「さぁ、メモリブレイクよ。希…!」「うん…!!」



「アハハハハハハハハハ…」



Muse「…っ!?」「誰…?」


英玲奈「アハハハハハハハ…!!」


ディコーラム「…統堂英玲奈!」

Muse「あなたいつの間に…」「二人に向けたセリフやね」


英玲奈「無様だな、あんじゅ。お前をいたぶりに来たのに、拍子抜けだ」


アグリネス・D「え、英玲奈、お願い…!UTXに戻ってきて…!!あなたなら…」


英玲奈「戻る…?笑わせないでよ、あんじゅ」

英玲奈「私はもう、お前たちを殺すことだけでしか生きることの価値を見いだせない」

英玲奈「さぁ…、早く私に悲鳴を聞かせておくれよ、あんじゅ。フフフフ…!」


アグリネス・D「ぐっ…!ふ、ふざけないで!!ドロレスを失ったあなたに…、私をどうこうできると思ってるの!?」

アグリネス・D「どうしても戻る気がないなら、私が…!」ググッ…


英玲奈「ドロレスを失った…。あぁ、そうさ。だけどね」

英玲奈「私は代わりにもう一つ、力を授かったんだ。…新しい命と共に…!」

ドクンッ…!!

英玲奈「あぁ…!胸が…!胸が高まるっ…!!」

ドクンッ!!ドクンッ!!

英玲奈「私の…、私の心臓が…!!私の、心臓は…!!アハッ…!!」

英玲奈「ガイア、メモリ…!!アハ、アハハハ…!!」\ライブ!!/


アグリネス・D「…っ!?ら、ライブ、メモリ…!?どうして、あなたが…!」

Muse「なんや、あれ…!?」「胸部に穴が…!その中に…、メモリ!?」



英玲奈「ハハハハ!!アハハハハハハハハハハハハハ!!!!」ピチュゥゥンンッ…!!

ライブ・D「アハ!アハハハハ!!アーッハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!!」




第30話「Iしてるばんざーい! / 想像して創造」

おわり

真姫「第30話だったわ。どうかしら?」

希「久しぶりの安価多様やったけど面白く出来たかな…」

凛「シュールホラー→いい話風→ギャグ、とかなり難航して形ができあがっていったにゃ」

絵里「しばらく安価を使った話を書いてなかったせいで苦労したのかしらね」

ことり「あと安価待ちで30分は辛いよね…」

真姫「ちょくちょく時間を空けてたせいで見てくれる人が減っちゃったのかしらね…」

凛「ま、まぁ…、一気に4つも安価しちゃったせいもあるけど…」

希「絶対にラストまで書ききるので継続して見に来てね」

絵里「ま、しょんぼりばっかもしてられないわ。そうね、今回は一応オリジナル回だったわね」

ことり「少しだけかぶってる点もあったけど、多方はオリジナルだったね」

真姫「やっぱりオリジナルだと尺の取り方が難しいわ…」

凛「まだ今回はマシだにゃ…。次回やるべきことたっくさん残ってるからどれだけレス持っていかれることか…」

希「レス持っていかれる、といえば、もうこのスレで最終回まで書くのは諦めたみたいやね」

真姫「どうせAtoZの新スレも建てる予定だったけど、このスレ中に終わらせたほうが綺麗だ、って理由でね」

絵里「レス数的に無理っぽいと判断したから、諦めるそうよ。このスレではUTXの最終決戦か、その前くらいまで続けばいいわね」

真姫「っていうかどうせなら最終回も思いっきり派手にしてやるわ。200レスくらい使ってやろうかしら」

凛「いくらなんでも一話に200レスはどう頑張っても無理な気がするにゃ…」

希「元の話もそんな濃い話じゃないしね…」

真姫「ハッ!最終回がどうなるかなんて今からわかったものでもないでしょ!」

真姫「とっぷり濃厚に伏線を残しつつ最終回に持ち込む…。アリでしかないわ!」

ことり「そして私たちの出番がその分減らされるんだね」

絵里「私なんてイレギュラーな存在だから元々出番少ないのに…」

凛「まぁ…、真姫ちゃんの妄言だから気にしないでね」

希「じゃ、今日はこの辺で!」

真姫「次回をお楽しみに!」

ことり「これで決まりちゅん!」

こんばんは
見てくれる人が少しでもいるのは嬉しいけれどやはり数は減ってきている気がする…
客足を増やすためにはどうすれば…、どうすればいいの!? ROM専多いだけかもしれないですが
悩みの種ですが書いてる最中はなるべく考えないように初めて行くますよ

Muse「ライブ・ドーパント…!?」「ドロレス・ドーパントじゃ、ない…」

ディコーラム「め、メモリはひとり一つのはずじゃ…」

Muse「…それに関しては、彼女がガイアドライバーを使用していたから。メモリコネクタを使用する場合においては、一つだけ、ってことよ」

ディコーラム「へ、へぇ…、初めて知ったわ。つまり今、彼女は体内にコネクタを持っている、ってことなのね…」

Muse「元ガイアメモリ商人の言葉とは思えんね…」「そんなことより、あのドーパントから感じる規格外の力…!」


アグリネス・D「な、なんで…!」

アグリネス・D「それはっ…!総帥…、マキちゃんのメモリの一つのはず!なぜあなたが…」


ライブ・D「…答える必要はない。ゴミがっ」ゴワァッ!!


バシュゥッ!!

アグリネス・D「あぐあぁぁっ!!!」



ライブ・D「次は…、お前たち…!」


Muse「来るわよ希っ!!」「うんっ…!」


ライブ・D「はぁっ!!」ビュンッ!!

Muse「ぐっ…!速いっ!!」「身体能力もかなりあるのね…!」

ライブ・D「てやっ!!」バシィッ!!

Muse「ぎゅぅっ…!!ぐぅっ…」

ライブ・D「はぁぁっ!!」ズドォッ!!

Muse「ぐあぁぁっ!!」ズサァッ…


ディコーラム「希っ!速さなら…、私の専売特許よ!」\スレイプニル!!/

\スレイプニル!!真姫シマムドライブ!!/


ディコーラム「八本の剣による連撃を…、喰らいなさいっ!!」

シュババババッバッ!!


ライブ・D「ふっ!」ササササッ

ディコーラム「なっ…!これも避ける…!?」

ライブ・D「止まって…、見えるよ!」ズドォッ!!

ディコーラム「ちぃっ…!」\ペルソナ!!/

\ペルソナ!!真姫シマムドライブ!!/


1「ヌォォォッ!イキナリヨビダスナヨ!アブネェ!」ヒョイッ

ディコーラム「二人がかりならっ…!てやぁっ!!」ビュンッ!!

1「ヒヒヒッ!ヒャハァッ!!」シュバッ!!

ライブ・D「ぐっ…!これは…!!」

ディコーラム「隙有りっ!!!」ガシィッ

ライブ・D「ぐっ…」

ディコーラム「希っ!今よ!」

Muse「お、おぅっ!!」

Muse「はぁぁぁぁっ!!」ジャキンッ!!


ライブ・D「フフ…」

ライブ・D「ハァッ!!」キュゥゥゥゥッン…!!


ディコーラム「…っ!!?ぐ、あ、がぁっ…!」

Muse「グギッ…!」「う、うあぁぁっ…!!」

1「ナンダ、コレ…!チカラガ、スイトラレ…!」ピチュゥゥンンッ…


ライブ・D「フ、フハハハハハ!これがライブメモリの真の力…!」

ライブ・D「周囲の対象の生命力を吸い取り、力に変える…!」

ライブ・D「私に近づけばそれだけ、命を削られるということだよ…!」


Muse「んなっ…!なによ、それ…!」「そんなん、反則やんっ…!!」

ディコーラム「ペルソナの分身も消えたということは…、メモリからも力を吸収している…!」

ディコーラム「なんて能力、なの…!」


ライブ・D「フフフ…、じっくり私のテリトリーの中で命の火を枯らしていくがいいさ…!」


ディコーラム「テリトリー…、ってことは…!能力範囲があるのね…!ならっ!」ビュオォッ


ライブ・D「飛んで範囲外に逃げるつもり?…甘い」

ライブ・D「『生命力を吸い取り、力に変える』…この意味が分かっていないようだね」

ライブ・D「吸い取った生命力の分だけ、強力な攻撃も行えるということ!ハァッ!!」ビュゴォッッ!!


ズバァァァァンッ!!


ディコーラム「ぐぅっ…!!?ぐあぁぁぁぁぁぁあっ!!!!」ピチュゥゥンンッ…

絵里「が、ふあぁっ…!」バタッ


Muse「えりちっ!」


ライブ・D「敵に背を向けるからよ。…さぁ、次は…、あなた」

ライブ・D「倒れゆく味方の心配をしている暇は…、ないよ?」


Muse「ぐっ…!」「絶体絶命、ね…」



マキ「フフフフ…。あの子…、なかなかに使えてるじゃない」

マキ「その調子…、その調子で、私の思い通りに動いてちょうだいね?お人形さん」

ライブ・D「フフフ…!」


Muse「くっ…、刻一刻と生命力が吸い取られていく…!」「体に力が入らへん…」

Muse「こんな状態で、どうやって戦えば…」


アグリネス・D「待って!」


Muse「…っ!?あ、あんじゅちゃん…?」


ライブ・D「…なんだ、どうしてお前が止める?あんじゅ」

アグリネス・D「そ、それは…」

アグリネス・D「…希ちゃんは、私が殺すから」

アグリネス・D「あなたに殺させるのは…、勿体無いわ」

ライブ・D「…知ったことじゃない。お前の希望なんて」ブンッ…

アグリネス・D「だ、だから待ってって言ってるでしょ!」

ライブ・D「…」ピタッ

アグリネス・D「え、英玲奈…!お願い、戻ってきてよ、UTXに…」

アグリネス・D「ずっと…、ずっと友達だったじゃない!お食事行ったり、洋服のコーデ考えたり…」

アグリネス・D「なのにどうして私たちが争わないといけないのよっ!!」

ライブ・D「…フン、自分で何を言ってるのかわかっているの?」

アグリネス・D「え…?」

ライブ・D「東條希にとって、お前もそういう存在だってことに」

ライブ・D「友達だった人間から理不尽に命を狙われているってことに」

アグリネス・D「あっ…」

ライブ・D「あんじゅ、やはりお前はまだまだお子様だよ。自分の言ってることすら曖昧だなんて」

ライブ・D「そんな奴がUTXを担う…?笑わせる…」

ライブ・D「アグリネスメモリなんて、たかが人殺しの道具でしかないメモリしか持たされていないお前に、何ができるというのか」

アグリネス・D「ぐ、うぅっ…!」

ライブ・D「再生能力もMuseに無効化されては…、唯一の取り柄すら失ったようなもの」

ライブ・D「お前は…、無力だよ。あんじゅ」

アグリネス・D「う、うぅぅぅっ…!!うあぁぁっ…!!」

ライブ・D「…はぁ。話が長くなったね。それじゃ…」

ライブ・D「Muse。長かった因縁に、今こそ終焉を…」

Muse「ぐっ…!やられっ…」


ビュオンンッ!!


シュバッ!!


ライブ・D「…左頬を掠めた、今のは…」




ナイトエース「…外しちゃったか。でも次は…」

ナイトエース「絶対に、当てる」

Muse「ことりちゃんっ!」「見ないと思ったら、あんなところに…」

絵里「あ、あれだけ遠いところなら…!ライブ・ドーパントの攻撃も簡単には当たらないはず…!」


ライブ・D「…」

ライブ・D「…長話が過ぎたようだ。正確な照準を定められるまで突っ立っていたのだから」

ライブ・D「仕方ない。今は引いてあげる」

ライブ・D「あんじゅ。いつでも気を抜かないことだ。…私はいつお前の後ろに現れるか、わからないからね」

ライブ・D「…そして、西木野真姫」

Muse「…!私…?」

ライブ・D「『器』のあなたには、まだ利用価値がある」

ライブ・D「いつ使い捨てられるかわからないけど、それまで楽しい余生を過ごせるように祈っているよ」

ライブ・D「じゃあね」シュバァァ…


アグリネス・D「ぐ、うぅっ…!」ピチュゥゥンンッ…

あんじゅ「く、はぁっ…」


Muse「あ、あんじゅちゃ…、うちらを…」


あんじゅ「…ッ!!」キッ!!

あんじゅ「勘違い、しないで…!時間稼ぎをしたつもりなんか、ないから…!」

あんじゅ「私はあなたを…、この手で殺したいだけ…!ただ私だけのために!」

あんじゅ「次こそは…、次こそは絶対に…!くぅっ…!!」ダッ


Muse「…」ピチュゥゥンンッ…

希「…う、くっ…!」ガクッ

真姫「希っ…!う、うぅっ…、体に、力が…」ガクッ

絵里「無理もないわ…。ライブ・ドーパントに生命力を吸い取られていたんだから…」

真姫「今は、事務所に帰りましょう…。身体を休めるのよ」

希「う、うん…」

希「…やっぱり、無理なんかな。あんじゅちゃんの目を、覚まさせること、なんて…」

真姫「…さぁ、どうなんでしょうね」

真姫(…統堂英玲奈の言う『器』。そして、もうひとりの私…、ニシキノマキの言った、私が生まれた理由…)

真姫(これらがなにか、関係しているのかしら…)

真姫(…考えても詮無いことね。わからないものは…、わからないん、だから)



凛「ど、どうやら事務所に帰るらしいにゃ…。さ、海未ちゃんも行こ!」

海未「は、はい…。ところで、いい考えって…」

凛「うん。それはね…、ゴニョゴニョ…」

海未「そ、それは…、あ、あぁ…、はぁ…」

音都ホテル


  「…うん、ライブメモリとの適合率は上々。期待以上の成果ね」

英玲奈「…キミは」

  「うん?どうかした?」

英玲奈「…イヤ、なんでも…」

英玲奈(どうしてだろう。こんなにも近くにいるはずなのに)

英玲奈(彼女の顔がはっきりと認識できないのは…)

英玲奈(これも…、ライブメモリのせいなのかな)

  「…英玲奈、あなた…、いい顔をするようになったわね」

英玲奈「いい顔?」

  「うん。とても…、晴れやかそうな顔」

英玲奈「そう、かな…。あぁ、でも…、胸のつっかえが外れた感覚は、あるかな…」

  「えぇ…、でしょうねぇ…」

マキ(…複雑な心のうち、一つを…、完全に切除してあげたんだもの)

マキ(今のあなたは…、心のない狂気の存在でしかない)

マキ(だからこそ…、あなただからこそ…、イイのよ。フフフ…)



東條西木野☆探偵事務所内


希(今回の行方不明事件に関しては、大方の決着は付いた)

希(犯人の小野田海未は凛ちゃんにメモリを没収され、メモリの力を失ったおかげで、人々も解放されてるみたい)

希(問題なのは…、なぜかあんじゅちゃんが海未さんを狙っているのと…)

希(…なぜか凛ちゃんが海未さんの暗い青春を明るく取り戻そうと頑張っている、ってところやね…)

希(凛ちゃんも暗い青春時代を送っていて、それで共感できるから、ってことかもしれへんけど…、真相はわからない…)

希(ある意味…、こっちのほうが難事件やよ…)


絵里「…さてと、体の疲れもだいたいほぐれたところで…」

絵里「聞かせてもらえる?凛。あなたの目的を」

凛「う、うん…。それはね…」

海未「うぅ…」

凛「海未さんは過去に嫌なことがあったからこんな事件を起こしちゃったんだよ!」

凛「だから凛たちで新しくいい思い出を作ってあげるの!」

凛「そうすることで海未さんを本当に救ってあげることができるんじゃないかにゃ!?ね?そう思うでしょ?」

真姫「でしょ、って言われても…」

希「まぁ、言わんとするところはわかるよ。仮にこのまま逮捕しても、この心の持ちようのままじゃ、再犯の可能性もある、って言いたいんやね」

凛「そうそう、それそれ!もう二度と悪いことしないようにしてあげるのが、探偵の役目なんだよ!」

絵里「それって私たちのやることかしら…?」

真姫「…で?具体的には何を小野田海未にしてあげるのよ。いい考えとやらがあるんでしょ」

凛「おぉ!それだよ!じゃあ発表するね!海未さんにいい思い出を作ってあげる方法、それは~…!」


凛「学園モノの劇を、みんなでやるんだにゃ!」

希「…げ、劇ぃ…?」

真姫「何言ってるのよアンタ…」

凛「いや、だって!すっごいいい考えだと思わない!?」

凛「劇を演じることによって失われた学園生活の上塗りができる!もう一度青春を送れるんだよ!」

凛「海未さんだって、映画館で働いてたくらいだからそういう劇というか…、演じることが好きなんだよね!?」

絵里「どういう理屈でその結論に至ったのよ…」

海未「ま、まぁ…、映画やお芝居は好きですし…、演じるのも嫌いでは、ありませんが…」

凛「じゃあ決まり!台本はもう凛が頭の中で練ってあるから、安心して!!」

真姫「ち、ちょっと待って…、そういえばさっき、みんなで、って言ったけど…」

真姫「そのみんな、には誰が含まれてるの…?」

凛「そんなの決まってるよ!希ちゃんに真姫ちゃん、絵里ちゃんにことりちゃんに、穂乃果ちゃんやにこちゃん花陽ちゃんも!」

絵里「想定外に多いわね…」

凛「ここにいる人はみんな海未さんに攫われ経験がある人だし、海未さんだって一度は友達になった人と劇、やりたいよね?」

海未「う、ま、まぁ…、知らない人よりかは、まだ…」

凛「でしょでしょ?イマジンメモリなんか使わなくても、理想の学園生活をエンジョイできることを教えてあげるんだよ!」

希「う、うち演技には自信ないんやけど…」

凛「別にいいの!ともにやりきる、っていうのが大事なんだから!」

真姫「…私はパス。バカバカしくてやってられないわ。あなたたち8人でやってなさい」

凛「ふふっ!真姫ちゃんがそう言うことも想定済み!これを聞いたら真姫ちゃん、絶対やりたがるよ!」

真姫「へ?」

凛「今回の劇のテーマ、それは~…!」

凛「女子高生で、アイドル!つまり、スクールアイドルを題材にした演劇なの!」

真姫「あ、アイドル、ですって…!?も、もしかして…、希も!?」

凛「そう!今挙げた9人全員で、アイドルを目指す物語を考えてるの!」

絵里「あ、アイドルって…、そんなのやりたがるわけが…」

真姫「やるわ!全力でやってやるわ!」

絵里「マジかよ」

希「えりちは知らんかもやけど真姫ちゃんはアイドル大好きっ子やから」

希「…でもまぁ、凛ちゃんはこういうこと言いだしたら止まらん子やし、仕方ない。協力してあげよか」

絵里「マジかよ」


海未「…」

錦野家


ツバサ「ライブメモリ…?」

あんじゅ「うん…。英玲奈が…。あれは、総帥のメモリのはずでしょ?なんで英玲奈…」

ツバサ「…さぁ、私にもわからないわ」

ツバサ「でも、彼女の心臓を確実に貫いたのは確か。…なのに今も生きている、ってことは」

ツバサ「ライブメモリが彼女に生を与えているってことなんでしょうね」

あんじゅ「それは、間違いないよね…。あのポッカリ空いた胸…。そこに心臓の影は見当たらなかったもん」

ツバサ「多分あの時…、園田海未が倉庫からメモリを盗み出したとき」

ツバサ「どさくさに紛れて総帥のメモリも一つ、盗まれていたのね」

ツバサ「それを英玲奈が海未に手渡すかなにかして隠し持っていたのでしょうね」

ツバサ「私が英玲奈を殺した時にそれが自動で発動して、英玲奈に新たな生を与えた」

ツバサ「…総帥の力の一端を英玲奈が持ったとなると、厄介ね」

あんじゅ「ね、ねぇやっぱり…、英玲奈には戻ってきてもらって…」

ツバサ「まだ言っているの。…もう英玲奈のことは忘れなさい」

ツバサ「今考えるべきは、驚異的な力を手にしてしまった、反逆者に対することだけ、よ」

あんじゅ「でも、でも…。ツバサちゃんは何も感じないの!?」

あんじゅ「英玲奈とは…、幼馴染なんでしょ…?小さい頃からの…」

ツバサ「そうね。…あの人、錦野真姫に拾ってもらってから、今までずっと、この家で一緒だった」

ツバサ「孤児だった私たちだからこそ共感できることもあったし、他の人にはない絆も築いてきたつもりよ」

あんじゅ「だったら…!」

ツバサ「だけど、私たちはもう子供じゃないの。仲良しでいられる時間は終わったのよ」

ツバサ「大人なんだから、考え方に相違があるのは当然よ。…あなただって理解できる年頃でしょう」

ツバサ「いつまでも、子供みたいに駄々こねないの」

あんじゅ「う、う…」

ツバサ「…そんなことより、今は英玲奈に対抗する術を考えなさい」

ツバサ「今のままでは、あんじゅ、あなたは英玲奈に無残に殺されるだけよ」

あんじゅ「…」

あんじゅ(…たしかに、今の私では、英玲奈には勝てない…)

あんじゅ(だとしたら、どうすれば…?)



ツバサ「…」

ツバサ(ライブメモリが、盗まれる…?本当にそんなことが、あり得るの…?)

ツバサ(…二つのLのメモリは総帥が常に携帯しているはず。盗めるタイミングなんて…)

ツバサ(もし、盗まれたのではなくて…、いえ、そんなはずはない)

ツバサ(あの人に限って、そんなはずは…)

今日はここまでです
どうせなんで次回はひたすら遊びつくそうと思います 安価で叶える物語やよ!
なので人が集まるといいな なるべく今日続きできればと考えてます
そんなわけでお楽しみに ほなな

台本は練ってあるとか凛ちゃんは言っていたけど実際はなんも考えてないんで
人&運任せです どんなことになるかは神のみぞ知る ではやっていくよ

凛「よーし、じゃあ早速やっていくにゃー」

希「…凛ちゃん、その前に」

凛「何?」

希「ここは一体…」

凛「えっとね、ここは…」

凛「廃校になっちゃった学校の跡地だよ」

絵里「うわ…、不良とかメチャクチャいそうな雰囲気漂ってる…」

真姫「実際には誰もいないんだけどね」

ことり「ここで本当に青春をやり直すお芝居とかできるのかなぁ…」

花陽「あ、ある意味こんな逆境からの方が燃えます!」

にこ「…なんでにこまでこんなことに付き合わないといけないのよ…」

穂乃果「うぉぉーっ!こういうアングラな雰囲気私好きー!」

海未「は、はぁ…、そうですか…」

凛「そういえばなにげに全員集合だね」

真姫「は?何が?」

凛「なんでもー。じゃ、まずは役設定だけど…。海未さんっておいくつ?」

海未「わ、私ですか…。21ですが」

凛「ことりちゃんとおなじかー…。じゃあ二人は2年生設定ね!」

ことり「二年生…。懐かしい響きだね」

凛「んで、それより年上の希ちゃん、絵里ちゃん、にこちゃんが3年生」

絵里「ふむふむ、なるほどね」

希「えりちはうちらよりさらにもう一個上やけどね」

にこ「つまり一番先輩…!ことり課長にでかいツラできる!」

凛「んで、残りの3人が1年生!」

真姫「はぁ、私たちが…」

穂乃果「お、真姫ちゃん花陽ちゃんと同級生?なんか珍しい感じするね!」

花陽「あれ…。凛ちゃんはやらないの?」

凛「凛は演出脚本担当だにゃ。演技指導もビシビシやっていくよ!」

花陽「はぁ…、そうですか」

凛「じゃあ早速最初のシーン!」

真姫「ちょっと。台本は…?」

凛「そんなもの…、ないよ…」

凛「場面場面で状況により演者がセリフをひねり出す…。それこそが良き演劇の姿なんだよ!」

ことり「つまりただのアドリブ芝居ってことだね」

凛「というわけで最初のシーンは…」

凛「2年生の二人が>>777するシーンから始まります!」

アルゼンチン・バックブリーカー

凛「2年生の二人がアルゼンチン・バックブリーカーをかますシーンから…」

ことり「待って」

凛「は?」

ことり「こっちのセリフだよ。なに、アルゼンチン・バックブリーカーって」

海未「アルゼンチン国債なら知ってますが…」

凛「プロレス技だよ常識じゃん。人を肩に担いでグイーってするヤツ」

にこ「今どさくさに紛れて下ネタ言ったわよね…」

ことり「どうして女子高生がそんなことする必要があるの!?」

凛「凛の頭の中ではいい感じに出来上がってるんだにゃ!とりあえず四の五の言わずにやる!」

ことり「う…。わかったけど…。どっちがかけられるの?」

海未「わ、私、痛いの嫌です…」

ことり「私だって嫌だよ」

希「じゃあここは公平にじゃんけんでかけられる方を決めよか」

絵里「ここは…、女気じゃんけんで勝った方が技をかけられる方、ってことで」

海未「Oh…、リア充のノリ苦手です…」

ことり「言ってないで、さ、行くよ?じゃーんけーんっ…」



勝った方
>>779

コッティー

ことり「ぽいっ!」


ことり・パー 海未・グー


ことり「お、おぅっ…!」

海未「おっと、これは…。や、やっ…、ではなくて。いやぁ、残念です。バックブリーカーされたかったんですがねー」

花陽「リア充のノリ嫌いな割にノリノリだね…」

ことり「あ、あはは…。うわー、嬉しいなぁ…。あはははは…」

凛「じゃあ配役も決まったことなのでレッツスタートにゃ!」



-プロローグ-


モノローグ(CV星空凛)「ここはすでに廃校となってしまった女子高…、もはや人は一人もいないこの地に」

モノローグ(CV星空凛)「8人の少女たちが奇跡を起こすことは、まだ誰も知らない」

モノローグ(CV星空凛)「荒れ果てた大地に希望を見出すため、少女たちは果て無き明日へ手を伸ばす!」

モノローグ(CV星空凛)「なるはずのないチャイムが学校に響くとき、その物語は始まりを告げる…」


凛(はい、ここから!)


ことり「えっ…」

海未「てやぁっ!!」ゴキッ

ことり「のフゥぅっ!!?!!?」

海未「ふんうぬぬぬぬぬぬぬ…!」グキキキ…

ことり「い、痛い…、ギブギブ…」


凛「ことりちゃん、なにかセリフ言わないと始まらないにゃ!」



ことり「え゙っ…!こんな状況で…」

海未「おりゃっ!」ベキベキ

ことり「あぎょえぇぇっ!!ぐ、ぐ…」

ことり(って言われてもこの状況にあったセリフってなによ…!?)

ことり「じゃあ…、い、いい天気だね…」

海未「曇りですが」グキッ

ことり「おぐふぅぅぅっ!!ごめんなさい曇りでしたぁっ!!痛い痛い!!」

海未「…えっと、ここからどうすれば…」


凛「えー、じゃあね…」


1.登場人物を増やす
2.この学校のことについて(この体勢のまま)話す
3.その他


凛「>>781で行こう」

2

凛「この体勢のままこの学校のことについて話していくにゃ」

凛「あ、設定は自分たちで創作していっていいよ!想像で創造にゃ!」


海未「想像で創造ですか…。得意ですね」

ことり「って、この体勢のままぁ!?」

海未「いいじゃないですか」バキベキッ

ことり「おごほぉっ!!!!」


花陽「あのままだとことり課長死んじゃうんじゃ…」

にこ「おっ…!いいわよ、もっとやりなさい!」


ことり(あいつ後でぶん殴る…)

ことり「え、えっと…、この学校はね…」

海未「私たちの親の出身校であり、かつては都内一の進学校とも言われたお嬢様高校でした」

海未「しかし昨今の少子化の影響や都内の土地代の上昇により次第にこの学校を志望する学生は少なくなり」

海未「ついに3年前、ここは廃校となってしまったのです」

海未「私たち二人はかつてこの近くに住んでいた幼馴染同士でしたが、とある理由で二人共別の土地へ引越し、離れ離れに」

海未「それがつい先日、偶然にも同じタイミングでこの土地へ帰ってきたのです」

海未「二人はそれぞれのっぴきならない理由でかつて通っていた学校を退学させられ、行き場を失ったもの同士」

海未「子供の頃憧れていたこの学校に来ることで傷ついた心を癒そうとしましたが、錆び付いた校舎を見てさらに落胆」

海未「あれほど煌きを放って見えた校舎も、今では薄汚い廃墟としか見れませんでした」

海未「この世に希望なんてないんだと冷めた心で帰ろうとした私と、同じく校舎を見て絶望していたことり」

海未「校門の前で、二人は再開しました」

海未「数年ぶりの再会に、心躍らせる二人。それから久しぶりの街を共に楽しみました」

海未「そして話題は自然にあの学校へ、そして二人の事情へとシフトしていきました」

海未「ふたりがどれだけこの学校に思いを馳せたか、幼心に今でも残っている思い出を、語り合いました」

海未「そうしているうちに二人は決意したのです。この学校を、私の母が、小鳥の母が、そして、この煌きに憧れ入学した全ての女性が通っていたこの学校を」

海未「もう一度、二人で再建しよう、と。心に決めたのでした」

ことり「…」

海未「ですよね?ことり」

ことり「その設定、今考えたの…?」

海未「は?設定?なんのことでしょう。これは現実ではありませんか」

ことり「本当に想像で創造するの好きなんだね…」

海未「はいっ!」バキバキ

ことり「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


真姫「だとしてもどうしてその格好になったのよ…」

凛「ふむふむ。物語の背景はこれでだいたい掴めたね…。じゃあ次のシーン行ってみよう!」

凛「次はねー、ふたりが>>783で生計を立てている>>784ちゃんと出会うシーンから行こうかな」

絵里「…映画作ってるんじゃないんだからシーンごとに区切る必要ある…?」

マッチ売り

のんたん

凛「あまりに貧乏でマッチを売って生計を立てている希ちゃんと出会うシーンをやろう!」

希「平成のこの時代にマッチ売りなんて成立するん…?」

真姫「バカね。マッチ売りっていうのは建前で、本当はカラダを…」

穂乃果「ほぇ?カラダ?」

ことり「穂乃果ちゃんにはまだ早いから聞かなかったことにしようねー」

希「…水商売か」

花陽「というより…、売春?」

にこ「思ってたよりドロドロした話になりそう…」

凛「じゃあそんな感じで!よーい、アクション!」



希「マッチ、マッチはいらへんかー?今ならたわわに実った果実もついてくるよー」

ことり「あれ?何してるんですか、こんなところで」

希「マッチを売ってるんやー。うちはー、貧乏やからー、マッチを売って、なんとかお金を稼いでるんやよー」


真姫「希の演技が棒すぎるわ」

絵里「…マッチだけに、ってことかしら」


海未「あなたは…、見たところまだ10代後半のようですが、学校へは?」

希「そんなお金持ってへんわー。学校、あれば行きたいんやけどなー」

ことり「実は、私たちはね…、ゴニョゴニョ…」

希「な、なんやってー。あの有名な学校を、もう一度立て直すー?どっひゃー」


にこ「…わざとらしすぎて殴りたくなってきたわ」

花陽「お、抑えて抑えて」


希「せやけどー、立て直すって言ったって、お金がないと、話にならへんよー」

ことり「そう、だよね…。大人の人の協力もないと、学校を立て直すなんて夢のまた夢だし…」

海未「あぁ、どうすれば…」

ことり「どうすれば…」

希「どうすればいいの?」


穂乃果「だってー!可能性感じたんだー!」

凛「ほ、穂乃果ちゃんはまだ出てないから!なんでいきなり歌ってるの!?」

穂乃果「え、なんか歌わないといけない空気だったから…?」


希「せや!うちにいい考えがあるんよ!」

海未「いい考えですか?なんでしょう」

希「この三人でー、>>787をすればいいんよー」

希「この三人で劇をすればいいんよ」

ことり「げ、劇…?」


凛「まさかの劇中劇かにゃ!?」

真姫「アイドルをするはずだったのにどうしてそうなった」


海未「なるほど、三人で行える劇を街ゆく人に見てもらって、おひねりをもらおう、ということですね」

希「いや、男と女が絡み合い生命の始まりに到達するまでの一連を劇としてビデオ販売すれば…」

ことり「それAVだよ!」



凛「劇かー…。なかなか面白い方向になってきたね!」

花陽「私はもう全然展開が予想できないよ…」

凛「じゃあねー。次は…」

真姫「もう、早く終わらせてよね…」

にこ「真姫はアイドルさえできればなんでもいいのね…」

にこ「アイドルとか何がいいのかさっぱりだわ!やっぱり女の子が憧れるのは戦う男の子…、ヒーローよね!」

絵里「別次元の自分に問いかけてみればいいと思うわ」

凛「よし決めた!次は…」

凛「演劇を道端でやっていた三人!当然街行く人は目もくれません!」

凛「そんな中、プロ>>790として活躍する>>791ちゃんと遭遇するのです!」

決闘者

凛「じゃあここらへんでプロデュエリストの凛が登場して…」

真姫「なんでアンタが出てくるのよ!?出ないんじゃなかったの!」

凛「あー、凛はアレ、モブというか、メインキャラ以外全般をやるんだにゃ。このプロデュエリストが三人の大きな転機に…」

穂乃果「えー!プロデュエリストなら穂乃果もやりたい!穂乃果の方が遊戯王に詳しいよ!」

凛「んー、じゃあ穂乃果ちゃんは凛の弟子の見習い決闘者で、学校は通ってないことにしよう」

絵里「学校にも通わず遊戯王とかどんな世界観なのよ…」

にこ「プロがいるくらいだし何でもアリなのよ…」



凛「お、キミたち。こんなところでショートコントをして、どうしたんだい?」

穂乃果「太陽みたいに笑う君はどこだい!うぉううぉう!」

希「なんで忍たま…。いや、うちらは劇をやっておひねり貰おうっておもてー」

海未「でも全然集まりません…。何がいけないんでしょうか」

凛「いやそれはまぁ…、劇に見えないからじゃない?」

穂乃果「良くて学生のショートコントだよね」

ことり「や、やっぱり…!私たちには劇は向いてなかったんだよ…」

凛「お金を手っ取り早く稼ぎたいならいい方法があるにゃ!」

希「なんなん?」

凛「ふふふ、凛は実はプロデュエリスト!遊戯王でお金を稼いでるんだよ!」

海未「そ、そんなことができるんですか!?」

凛「うん。そしてそれは君たちにも不可能じゃない!」

凛「来週行われるYu-Gi-Oh!OTONOKI CHAMPIONSHIP2014で優勝すればなんと!」

凛「賞金1000万円がもらえるんだにゃ!」

希「な、なんやてぇっ!?」


真姫「おぉ、希の演技に磨きがかかったわ。急に」

絵里「いや、あれはガチの驚きなんでしょうね」


希「そ、そんなもんが本当にあるん!?」

凛「いや…、劇中設定だけど…」

希「なんや…」

凛「まぁそれに優勝すればなんとかなるよ!ガンバ!」

穂乃果「穂乃果も出場するんだ!負けないからね!」

ことり「私たちまだ出るつもりないのに…」

海未「そもそもカードすら持ってませんし…」

希「せやけど賞金1000万は大きい!いや大きすぎる!多少のお金は犠牲にしてでも強いデッキを組んで出場すれば…」

海未「当分の活動資金が繰り出せますね!」



モノローグ(CV星空凛)「そんなこんなでネットで今一番強いデッキを検索した海未たちは…」

モノローグ(CV星空凛)「ガチ構築のシャドールで猛者たちを屠り見事栄光を勝ち取ったのだった。ちなみにジュラックで挑んだ穂乃果ちゃんは一回戦敗退だった」

真姫「遊戯王編短いのね…。別にいいけど」

はいここまで 今日中にお遊びは終わらせたかったけどあまり話が進まなかったぜ
次回は軽くなぞって本編に戻ろう 安価に参加してくださった方々ありがとうやで
でもやっぱり寂しいのは否めないのでいつか短編を書いてこのスレ宣伝しようかなとか考えてます
せめて最終決戦前後は盛り上がってくれますように ほなな

シャドール自体は使ってて面白いから影依禁止くらいで勘弁してください
演劇の流れはもう少ししたかったけど引っ張りすぎてもあれだからダイジェストにします
短編は話自体は考えてるけど細かなストーリーは考え中なのでもう少し待っててね
今回と次回でこの話は終わらせられますように じゃあやっていきます

錦野家


あんじゅ「…」

あんじゅ(英玲奈に対抗する術…。でなければ、私がやられる…)

あんじゅ(だとしても、今のままでは…)

あんじゅ「…!そ、そうだ、これ…」カチャッ

あんじゅ「マキちゃんから貰った…、なんだっけ、確か…」


(マキ「有機情報制御器官試作体…、ガイア・プログレッサー」)


あんじゅ「そ、そう…、ガイア・プログレッサー、だっけ。よいしょっ…」ネチョォ…

あんじゅ「やっぱり、この光…。この光は…!」

あんじゅ「…っ!そ、そうか…。奴が…、イマジンがいれば、それが、可能…!」



廃校舎


凛「そこで伝説のスーパーアイドルの卵(現在ホームレスで主な収入源は自販機のお釣りの取り忘れ回収)の真姫ちゃんが登場!」

凛「どこにでもいるような優等生かと思わせて実は悪魔の血族の末裔だったにこちゃんの仮面を暴くんだにゃ!」

凛「しかしそれをにこちゃんの親友の花陽ちゃんが庇う!花陽は正体を知りつつも生まれてからの十余年を共に過ごした幼馴染だったから!」

凛「突如訪れる非日常に戸惑う海未さんとことりちゃんたち!さてこのあとの展開は!?」


凛「…っと、ここらへんで休憩にゃ~」

真姫「な、なかなか面白い展開になってきたじゃないの…!」

希「そうかな…。三流脚本もええとこやと思うわ…。なんやねんこの展開…」

絵里「未だに私の出番がないんだけどいつ出てくるのかしら?」

にこ「アイドルの要素も少ないまま悪魔なんて出して収集つくの…?というかこの劇はいつ終わるの…?」

穂乃果「ねー、デュエルはー?ルールを守ってデュエルしようよー」

ことり「帰りたい」

花陽「ま、まぁまぁ…。楽しいところもあるし、もうちょっと付き合ってあげよ?ね?」

海未「…」

海未(…私は別に、付き合って欲しいわけじゃ)

海未(こんなことしたって、青春が戻ってくるわけじゃない…。やっぱり私には…)

海未(あれが、必要…!)

凛「じゃ、休憩終わって~…、次のシーンはねー…」

海未「…凛さん、その」

凛「にゃ?なになに、どうしたの?」

海未「実は…、二人きりで話したいことがあるのです…」コソコソ

凛「お、おぉ…?それって大事な話?」コソコソ

海未「…はい、これからの私に関するとても大事な…」

凛「わ、わかった!絵里ちゃん!出番ないなら私の代わりに話進めといて!」

凛「どんな展開でも凛は許すよ!じゃ!」

絵里「えっ…ちょっ…、私監督!?」



凛「…で、話って?」

海未「じ、じつは、その…」

海未「わ、わた…、私は…」

凛「うんうん、なになに?」

海未「私は…、その…、実は…、り、凛さんのことが…」

凛「えっ…?」

海未「凛さんの、こと…、す、す…」

凛「おいおい…、マジか…!?」

海未「すっ…!」

凛「…ッ!」ゴクリ

海未「…っ」

海未「や、やっぱり言えませんっ!!恥ずかしいっ!!」

凛「ち、ちょっ!そこまで言ったなら言おうぜ!?」

海未「で、ですが…、やはり面と向かっていうのは少し…」

海未「その…、よければ私がいい、というまで目をつぶっていてはくれませんか?」

凛「目を…?そうすれば、言ってくれるの?」

海未「はい…。お願いします、どうしても、恥ずかしくて…」

凛「…っ、わ、わかったにゃ…!凛も覚悟は出来た…、どんな告白でも受け止める!」

凛「さぁ来いっ!」メギュッ

海未「じ、実は…」ソソー…

凛「う、うんっ…」

海未「凛さんのことが…」カバンアケッ

凛「お、おぅ…」

海未「す、す…」カバンアサリ

凛「そ、それから…?」

海未「すすす…、す…」メモリトリダシ

凛「す…」

海未「す…」スッ…

凛「…あぁっ!じれったい!だからなんなの!?」メアケッ

海未「あ」

凛「あ」

凛「って何勝手にメモリ取り出してんの!これはダメー!!」グイッ

海未「いやぁぁっ!離してください!あんな演劇ではやはり私の心は癒されません!これでなければ…」

凛「いつまでもこんなものに頼ってたらそれこそ海未さん戻れなくなっちゃうよ!だからぁ…!!」グググ…

凛「ストーップッ!」グイーッ


スポーンッ


海未「あぁっ!力強く引っ張られたせいでメモリがぁっ!!」


ポトッ

アグリネス・D「…」


凛「って、うわぁっ!?あんじゅちゃっ…!?」


アグリネス・D「…ふふ」スッ

アグリネス・D「頂いていくわね…!」ダッ…!!


海未「ちょっ…、え、うわっ!きゃぁぁぁっ!!!」


シュバァッ



凛「う、海未さんとメモリが連れ去られちゃった…!ま、待ってよぉっ!!」ダダッ






絵里「…うん、そう。いえ違うわ。それだと希が実は貴族の生まれであったことの衝撃が薄まるから…」

絵里「そうね…、にこ。あなた、突如悪魔の血が騒いで花陽を殺害しなさい。そして正気を取り戻したときそれに絶望して自殺」

絵里「それを嘆いた希が圧倒的スピリチュアルパゥワーで二人を普通の人間に蘇生…。それから生まれのことを暴露、でもいいかもね」

真姫「あんた希贔屓しすぎでしょ!水商売やってた奴がなんで貴族のお金持ちなのよ!?」

穂乃果「死者を蘇生するならここは穂乃果だよね!?だってほら、死者を蘇生って言ったら…」

にこ「花陽…。一回あんたのこと…、ヤってみたかったのよね…」

花陽「ちょっとにこちゃん!?目がマジだよ!?」

希「お腹すいたなぁ…」

ことり「…ていうか、小野田海未のための劇なんだから本人がいない時にやっても意味ないような…」

海未「…う、うぅ…」

海未「はっ!ここは…?」


あんじゅ「ここはUTXの専用スタジオ。…あなた、お友達が欲しいのよね?」


海未「あっ…、うぅ…!」

あんじゅ「怖がらないで。私の頼みを聞いてくれるなら、ここをあなたの世界にしてくれて構わないわ」

あんじゅ「あなたのお友達も、たくさん連れてきてあげる。一生ここで終わらない学園生活を過ごしてくれていい」

海未「え…?」

あんじゅ「イマジンの力なら食事や睡眠をとらなくても一生生きていける。スタジオの維持費用も考えてくれなくていい」

あんじゅ「ただこれを…、あなたの能力で私の細胞の一欠片まで行き渡るように一体化させてほしいの」

あんじゅ「想像を現実に変えられるあなたなら、できるでしょう?」ポイッ

海未「あっ…。私のメモリ…」

あんじゅ「ま、断ればその体ドロドロに溶かしちゃうんだけど。…この二択を迷うバカはいないわよねぇ?」

海未「…」

海未「…やります」\イマジン!!/

あんじゅ「ふふ、よろしい…。じゃ、始めて頂戴?」\アグリネス!!/


ピチュゥゥンンッ…!!


イマジン・D「これを、一体化…。体全体に行き渡るように…」

アグリネス・D「…」

イマジン・D「物体を液体と思って…。液体ならどんなものでも混じる…」

イマジン・D「想像、想像…。赤と青の絵の具が混ざって、紫色になるように…」

イマジン・D「二つが一つ…、二つを、一つに…!想像…!!」


コォォォォォォ…!!


アグリネス・D「うくっ…!ふ、フフ…!始まった、融合が…!!」

イマジン・D「想像して…、創造…!!」

アグリネス・D「これで、私は…、私は…!!アハ、アハハハハハハ!!」

凛「はぁっ…、はぁっ…。どこに…」


コォォォォ…!!


凛「うわっ!?な、何あの建物から出てる光…!?」

凛「もしかして、あそこに…?」



UTXスタジオ


ガチャッ

凛「はぁっ…!」


アグリネス・D「はぁぁぁぁっ…!う、うあぁぁぁぁんっ…!!」コォォォ…


凛「な、なにこれ…」


イマジン・D「は、はぁっ…。お、終わりました…」


凛「二人共…、何、してるの…?」


アグリネス・D「…エステのようなもの、かな。私をUTXの女王にするための」ゲシィッ!!

イマジン・D「おふぐぅっ!!ひ、ひどい…」


凛「…そんなことに手を貸したの、海未さん…」


海未「う…」


凛「…」テクテク…

海未「ひ…!」

凛「このっ…」

凛「バカァッ!!」バシィッ!!

海未「平手っ!?」


アグリネス・D「…フンッ」


凛「…」

凛「…」スタスタ

アグリネス・D「…ん?」

凛「どりゃぁっ!!」ブンッ!!

アグリネス・D「なっ…!?」


バキィィィッ!!


アグリネス・D「ごふぅっ…!?な、なんて重いパンチ…!?」


凛「…久々に本気出したから腕痛いにゃ」

アグリネス・D「…って、何するのよ!?私は…」

凛「何がUTXの女王だよ!二人共流されてばっかじゃん!」

凛「それ…、ほんとにやりたかったことなの!?」


アグリネス・D「…っ」

海未「うぅ…」


凛「海未ちゃんは友達が欲しいんでしょ!?メモリに頼ってなんになるの!?」

凛「友達は…、そんな風に作るもんじゃないんだよっ!」


海未「凛、さん…」


凛「…あんじゅちゃんもだよ」

凛「本当のあんじゅちゃんは…」

凛「今も希ちゃんが大好きなあんじゅちゃんはっ…!」

凛「音都のみんなを癒してくれる音楽を届けてくれる、歌姫だよ…」


アグリネス・D「…」


凛「お願い。あなたも…、心を開いて…」


アグリネス・D「…」

アグリネス・D「言ったでしょう?…私は女王になるの」

アグリネス・D「もう歌姫は…、卒業よ」


アグリネス・D「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ゴォォォォォォォッ!!


凛「うぎぃっ…!す、凄い力…!吹き飛ばされちゃっ…!!」


海未「ひ、ひぃっ…!!」


凛「う、海未さんっ!!早く逃げて!みんなに知らせてぇっ!!」

海未「で、でも…、私、私なんかじゃ…」

海未「私の言葉じゃ…、信じてもらえない、ですし…」

海未「そもそも…、こ、腰が震えて、立てません…!」

凛「しっかりしてよ海未さんっ!!海未さんなら、できるよっ!!」

海未「で、でもぉ…!」

凛「でもじゃないよっ!!海未さんには…、海未さんにも夢、あるんでしょっ!!?」

海未「えっ…?夢…?」

凛「友達を作る、って夢!だったら、やれるよっ!!」

凛「だって、凛、には…」

凛「…夢、ない、から」

海未「えっ…?」

凛「凛は…、凛はね…、今、とっても幸せなんだ」

凛「お父さんは無くしちゃったけど、それ以上に、大切な仲間がいっぱい出来て」

凛「だからこの環境に満足しちゃって、今、夢が見つからないの」

凛「だから、夢を持ってる希ちゃんや真姫ちゃん、絵里ちゃんやことりちゃんに…、海未さんが羨ましかった」

海未「だ、だけどっ…!それ、おかしいですよっ…」

海未「夢がないなら、どうして…、どうして私の世界からいち早く抜け出せたんですかっ!」

海未「他の人は、現実で叶えたい夢を支えに世界の誘惑に打ち勝ったというのに…、あなたは、どうして…」

凛「…信じてるから」

海未「え…」

凛「凛には力も、夢も、何もないけど、信じることなら誰にも負けない」

凛「凛より強いみんななら、きっとどんな状況でだって立ち向かえる。勝てる、って」

凛「凛はそれを信じて、そして支えてあげる。…それは、誰にだってできることなの」

凛「だから、海未さんも、希ちゃんたちを信じてあげて。…そうすればきっと、希ちゃんたちも海未さんのこと、信じてくれるから」

凛「…友達っていうのは、そうやって作るものなんだよ?」

海未「…っ!」

海未「凛、さん…!もしかして、それを私に伝え、たくて…」

凛「そ、そう、だ、けどっ…、そろそろあんじゅちゃんの力に耐えるのに疲れてきた…」

凛「なんにも持たない凛でだってできることだもん!海未さんならきっと、…うぅん、絶対にできる!だから!!」

凛「行って!海未さぁんっ!!」

海未「っ!は、はいぃっ!!」ダダッ




廃校舎


絵里「よしそこでキスシーンッ!」

花陽「なんで私がことり課長とキッスゥ!?」

ことり「う…、かよちゃんとかぁ…。迷うなぁ…」

花陽「迷うの!?すっぱり断ってよ!」

にこ「おっ…、何この胸のトキメキ…。アリって思ってる自分がいる…」


海未「…はぁっ!はぁっ…」


希「う、海未さん…?どないしたん…、そんな息切らせて…」

真姫「凛はどうしたのよ」

海未「う、ぁ…」

ことり「もしかして…、凛ちゃんに何かあったの?」

海未「うぅ…」

にこ「もう!あいっかわらず劇以外じゃ無口な子ね!もっとシャキシャキ話しなさいよ!」

にこ「そんな照れてる場合じゃないでしょ!こらぁっ!」

海未「う、うぅ…!!」

海未「ぅ…」


(凛「なんにも持たない凛でだってできることだもん!海未さんならきっと、…うぅん、絶対にできる!」)


海未「うああぁぁぁっ!」

にこ「ひぃっ!?なによ!?」

海未「…っ!」

海未「と…、友達になってくださいっ!!」オジギッ

にこ「…」

にこ「…は?」

海未「その…、出所してからでいいので、たまに遊ぶような関係とか!」

海未「あ、にこさんだけでなく他の皆さんも!携帯は持ってませんけど、家電ならあるので!」

海未「私っ…!今からでも友達を作って、失われた青春を取り戻したいんですっ!だからっ…!」

海未「よろしくお願いしますっ!!」



一同「…」ポカーン



海未「ダメ、でしょうか…?」

花陽「フ、フフ…」

海未「ひっ…!や、やっぱり…」

希「ダメ、なんかやないよ?…もううちら、友達やん」

海未「え…?」

真姫「そうね。こんなくだらないこと、必死になってやろうとするの、友達同士でしかできないもの」

ことり「帰ってきてからとは言わず、今からでも全然お話するよ?海未さんと一緒に劇するの、楽しかったし」

海未「ま、マジ…、ですか…!?」

絵里「えぇ、ま、遊ぶって言っても頻度があるけどね。私は毎日暇だからいつでもいいけど」

にこ「にこは警察官だからニートと一緒にされても困るわよ!?…だけど、たまになら遊んで上げてもいいわ」

海未「…!あ、ありがとう、ございますっ!」

海未(こんな…、こんな簡単なこと、だったなんて…)

海未(…いえ、違う。きっと簡単にさせてくれたのは、彼女のおかげ)

海未(凛さん、あなたは…、あなたはある意味で誰よりも、強い…)

海未「はっ!そうだ!凛さんが大変なんです!実は…!」

UTXスタジオ


ガチャッ

希「ここかっ…!」


アグリネス・D「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」コォォォォ…


希「あんじゅちゃんっ…!」


凛「誰かー…、助けてぇ…」


真姫「あ、凛がドラム缶に頭突っ込んでるわ!助けてあげましょう!」

希「そう言いつつもなんで棒立ちやねん…。凛ちゃん今助けるからね!よいしょっ…」

凛「ぷはぁっ!た、助かったにゃ…。っとそうだ!希ちゃん大変だよぉ!!」

凛「あんじゅちゃんが…、海未さんに何かさせて…」

凛「うにゃー…、ピカー!ってな感じ?」

真姫「どうして今ポケモンが出てくるのよ!」

絵里「いやそういう意味じゃないと思うけど…」

希「言ってる場合やないっ…!」


アグリネス・D「ふぅぅ…」シュゥゥ…


ことり「光が収まった…」

真姫「なるほど…。イマジンの能力を使ってアグリネスに新しいチカラを加えたのね…」

絵里「そんなことできるの…?」

真姫「わかんないけど…。武器を創造できるくらいだもの。身体に能力を付加させることくらいできるでしょう」

希「でも、それは世界から脱すればもう関係ないことじゃ…」


アグリネス・D「創造したものがイマジンの世界だけならの話、ならね…」

アグリネス・D「けれど二つのものを一つに融合させれば、世界が崩壊しても元に戻すことはできない…」

アグリネス・D「フフ…、今完全に馴染んだよ…!」


希「…行くよ、真姫ちゃん、ことりちゃん、えりち…!」

真姫「えぇ」

ことり「…っ!」

絵里「うんっ!」


\クレッシェンド!!/ \スター!!/ \ナイト!!/ \ディコーラム!!/




「変身っ!!」

とりあえずここまで
やる気が出れば明日短編、というかおそらくそんなに短くないけど何か書きます 予定ではにこまきだよ
こっちもそんなに間開けたくないから2,3日で終わるといいな それでは ほなな

やる気が出なかったのでこっちから先やるます
ラストの展開考えなきゃならんのにまだ本編最後まで見返してないZE それはそれとしてやっていくよ

路地裏


アグリネス・D「はぁぁぁっ!!」ビュンッ!!


Muse「てやぁっ!!」

ナイト「たぁっ!!」

ディコーラム「ウラァッ!!」


ガキィンンッ!!


Muse「ぐっ…!攻撃が重いっ…!」


アグリネス・D「ふぅっ!」グワンッ!!


Muse「まずい…、身体を溶かす攻撃が来るっ…!」「みんな、避けるんやっ!」


ナイト「くっ…」ヒュッ

ディコーラム「おっとと…」


グジュゥッ…!!


ナイト「うわっ…、壁が…!」

ディコーラム「なんて大穴…」


アグリネス・D「フフフ…、ハァッ!ダァッ!!」グワングワンッ


グジュゥッ… グジュゥッ…


ナイト「おぉぉっ…!!危ないっ!」

ディコーラム「発生は遅いものの当たったら一撃死の攻撃をこんな連発されたら…!」


Muse「それだけじゃない…、発生速度も前に比べて早くなってる…!」「やっぱ強くなってるってことか…」

Muse「ここは…」「押し切るしかないねっ!」


<キュイィィィィィィッ!!

\エクセレント!!/  テレレレテーレッテレッテッテレー


Muse「ムーンシャイナー!」シュバッ


アグリネス・D「ていっ!!」バキィッ

ディコーラム「うぐぁっ!!」


Muse「ふっ…!」\ムーン!!/

Muse「はぁぁぁぁぁっ!!!」ジャキンッ

アグリネス・D「はぁっ!!」グワングワンッ


Muse「そんな攻撃っ…!」「シャイニーシールドの前では無力よっ!」バシンバシィンッ

Muse「はぁぁぁっ…!」ダダダッ

Muse「でやぁっ!!」バシィンンッ!!

アグリネス・D「ぐあぁっ!!」

Muse「はぁぁっ!!」ズバァッズバァンッ

Muse「せいはぁっ!!」ザバシュゥッ!!



近くのビルの階段のところあたり


英玲奈「…そろそろ、出番かな」

英玲奈「歯ぎしりをするがいい…。あんじゅ…」



アグリネス・D「フ、フフフ…!」



英玲奈「…っ?」



Muse「はぁっ!!」ズバァンッ!!

アグリネス・D「ぐあぁっ…!ふ、フフフ…!」

Muse「今度こそメモリブレイクや…!」

\ムーン!!真姫シマムドライブ!!/


アグリネス・D「フフ…、アハハハハ…!」


Muse「「ムーンシンフォニア!!」」


ムーンシンフォニアとは!

ムーンソードに月の光を込め一閃を放つ必殺技である!!


Muse「「つぉぁっ!!!」」ブンッ!!


ズバァンッ!!

アグリネス・D「くぉっ…!」バゴォォンッ…!!


ベチャベチャッ…



ディコーラム「やった…!?」

ナイト「でも、体が泥みたいに飛び散っただけで、メモリが…」


グチュッ… ジュルグチュッ… シュゥゥゥッ…

ピキィィンッ…!

アグリネス・D「フフフ…!」


Muse「なっ…!?」

Muse「そんなっ…!これでメモリブレイクできないはずがないわ…!」


アグリネス・D「残念だったね。…私、変わったの」

アグリネス・D「英玲奈はそこで見ていればいいわ」


英玲奈「…っ!」


アグリネス・D「はぁぁぁぁ……!!」ゴォォォォォオッ!!

アグリネス・D「エクセレェェェェェェェントッ!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ…!!


Muse「くぅっ…!」「この、力は…!!?」



錦野家


マキ「…真のアグリネス」

マキ「アグリネス…、Uglinessは醜悪さ、醜さを表す」

マキ「古来から醜いもの、邪悪なるものは忌避の対象として嫌われてきた」

マキ「けれど、醜さは極めれば…、崇拝の対象となる」

マキ「邪悪の限りを極めしもの…。悪魔として」

マキ「今のあんじゅは…、神にすら匹敵する存在となった」

マキ「アグリネス、エクセレント…」

マキ「Museの戦いがいいデータになってくれたわ…。ここまで、泳がせておいた甲斐があったわ…」

マキ「英玲奈の心を少し改竄したおかげで…、あんじゅにも火が付いたし…」

マキ「…残すはあと一工程。…あとは、彼女さえ、あの子さえ始末できれば…」




アグリネス・エクセレント(以下アグリネス・X)「ハァッ!!」グォンンッ!!


英玲奈「…っ!」\ライブ!!/

ズゴォォンッ!!

ライブ・D「ごはぁっ…!なんて、パワー…!」



アグリネス・X「アハハハハハハハハハハ!!!」ズゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


Muse「ぐぅっ…!!ぐあぁっ!!」

ナイト「きゃぁぁぁっ!!」

ディコーラム「おごふぅっ…!!」


アグリネス・X「フハハハハハハハ!!」


ナイト「この力…、圧倒的すぎるっ…!」

ディコーラム「ど、どうすればいいのよ、こんな相手…!」


凛「はぁっ…、はぁっ…!希ちゃんっ…!」

海未「あ、あれは一体…」

アグリネス・X「ハァッ!!」ドババババババババッ!!


ドガァンンッ!!

Muse「ぐわぁっ…!!」

ナイト「うくぅっ…!」

ディコーラム「ひゃんっ!」


ビュォォッ!!


凛「ひぃっ!?こっち来るっ!?」


Muse「…っ!凛ちゃっ…!危なっ…」


海未「危ないっ!!」ガシッ!!

凛「ひゃぁっ!!」バタリッ


ドガァァァァァンッ!!



Muse「海未さん…!か、間一髪や…!」「でも、まだ安心はできないわよ…」



アグリネス・X「ハァァァァァァァ…!!」ゴォォォォォォォッ!!


Muse「ぬわぁぁっっ!!?なんやあのでっかいんは…!?」「あんなのまともにくらったら…」

ディコーラム「それ以前に…、受けきったとしても凛たちが危ないっ…!」

ナイト「ど、どうするのっ…!?」

Muse「くっ…!絵里!凛たちを運んで!ことりはルークメモリを貸して、私たちの後ろで隠れていて!」

ディコーラム「了解っ!このメモリ借りるわよっ!」ビュンッ!!

ナイト「わかった…!はいっ!」サッ


ディコーラム「ふっ!」\アレグリッシモ!!真姫シマムドライブ!!/

ディコーラム「はぁっ!!」シュバァァンッ!!

ディコーラム「凛、海未っ!こっちよっ!!」ガシィッ!!

凛「ほわぁっ!!」

海未「は、速いですぅっ…!!」


Muse「このメモリの組み合わせなら…!」


\フォルテ!!真姫シマムドライブ!!/\ストレングス!!真姫シマムドライブ!!/\タワー!!真姫シマムドライブ!!/\ルーク!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「これなら…、どうやっ!!」


アグリネス・X「ゴアァァァァァァァッ!!!」

バシュゥゥゥゥゥゥッ!!


Muse「「シャイニーノクターンッ!!」」


ズガァァァァァアァァンッ!!

Muse「ぐ、うぁぁっ…!!」「なんて、威力…!」

アグリネス・X「アハハハハ…!アハハハハハハハハハッ!!」シュバァァ…


Muse「くっ…、はあっ…!」ガクッ…

凛「希ちゃんっ!真姫ちゃん!大丈夫っ!?」

Muse「あ、あぁ…、なんとかね…」「防御に徹したメモリのおかげで、助かったわ…」



地下道


英玲奈「はぁっ…、はぁっ…」

英玲奈「あれが真のアグリネス…」

英玲奈「あんじゅは最初から…、最強のメモリを渡されていた、のか…」

英玲奈「くっ…!見ていろ、あんじゅ…!いつか、いつかきっと…」

英玲奈「お前を…、殺してやるっ…!!」



廃校舎


海未「…これ」スッ

凛「これって…、イマジンメモリ…?海未、さん…」

海未「もう、私にはいりません。…私の夢は、叶いましたから」

Muse「うん…。よしっ!」グシャッ

ディコーラム「あぁっ!使わないなら貰いたかった…」

ナイト「そういえばメモリ再利用できるんだったね…」



音楽室


真姫「…アグリネス。エクセレント…」


あんじゅ「あなたたちと同じ力だよ。…真姫ちゃん」


真姫「…っ!あんじゅ…!?どうしてここに…!」

あんじゅ「本当は希ちゃんと会いたかったけど…、でもいいの」

あんじゅ「今はまだあなたに触れることも、本を読むこともできないけど…」

あんじゅ「…そのうち、あなたの人格だって乗っ取れちゃうかもしれないし…!」

真姫「…あんじゅ。私は今でもあなたの大ファンよ」

真姫「だから私は諦めないし、…私以上に希は諦めない」

真姫「絶対にあなたを、救ってみせる」

あんじゅ「フフッ…、バカな娘…。地球一頭のいいくせに」

真姫「…っ」

あんじゅ「…まぁ、今日ここに来たのはそんなこと話すためじゃないの」

真姫「は…?」

あんじゅ「一度あなたと語り合いたかったのよね…。…希ちゃんについて」

真姫「…どういうことを?」

あんじゅ「もちろん…、希ちゃんのカワイイところについて」

真姫「明日の朝まで語り明かしましょう」

東條西木野☆探偵事務所内


希(事件が終わって、海未さんは随分と変わった)

希(性格も明るくなって、凛ちゃんやえりちと時々遊びに行ったりしてるみたい)

希(いつか海未さんにも…、自分の理想とする、幸せな世界が創造できるんかな)


凛「でねー、海未ちゃん始めてワンピースを着た、ってことになって…」

真姫「そ、そう…。ゴメン、ちょっと昨日寝てないから眠たい…」

絵里「何してたのよ…」


ガチャッ

ことり「…」

花陽「あわわわわわ…!」


希「ことりちゃん…?それに花陽ちゃんまで。どうしたん?」


ことり「私に、質問するな」

ことり「…私はね、あの時かよちゃんとのキッスを迷ってしまった自分が許せなかったの」

ことり「だから…、さっきしたの」


希「…」

凛「…」

真姫「…」

絵里「…」


「「「「はぁァァァァァっ!!!!?!?!」」」」


花陽「課長っ!何言ってるのぉぉぉっ!!」

ことり「それでね!私目覚めちゃったの!女の子同士のキッスに!」

真姫「あらあら、このパティーンは…」

ことり「というわけだからみんなっ!!みんなとのキッスも体験させて欲しいな!って!」

凛「やっぱりそうきたかぁぁぁあっ!!!!」

希「ちょっと!これえりちの責任やんっ!さぁえりちっ!!えりちがどうぞ!!」

絵里「いやいや!私は希一筋だからっ!他の女性には興味ないから!レズビアンな真姫から行きなさいっ!!」

真姫「だれがレズビアンかっ!私だって希にしかっ…!」

ことり「あぁもうじれったいなぁっ!みんなまとめてチューしちゃうからねっ!!」

希「ちょっ…!落ち着くんやことりちゃぁぁんんっ!!」

絵里「そ、そうよコッティー!コーヒーでも飲んで…」

真姫「私はレズじゃなぁぁぃっ!!」

ことり「ことりのおやつにするぞぉぉぉぉぉっ!!」ガバァッ!!

希「くっ…!くらえスタースカイシールド!!」

凛「うわその技何ヶ月ぶり…、って言ってる場合じゃむちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!!?!」



第31話「Iしてるばんざーい! / 友達の作り方」

おわり

マキ「31話だったわ。…どう?」

ツバサ「はすはす!はすはす!」

英玲奈「ツバサがハスハスしているぞ」

あんじゅ「ツバサちゃんもそういうの好きだったんだぁ。趣味が合うね!」

ツバサ「そ、そうね…!自分の中の眠っていた欲望をたたき起こされた感じだわ!」

英玲奈「ずっと眠ってたら良かったのにな」

マキ「あ、ちなみにスタースカイシールドについては西木野☆星空クリニックの最後の方の通常営業が初出よ!」

あんじゅ「ダイレクトな過去作宣伝乙だよ」

ツバサ「この事件がきっかけで両者は互いを意識するようになって、それで…」

英玲奈「もうここはいいから…。今回はアグリネスエクセレントが出てきたけど…」

マキ「原作のクレイドールエクストリームにはそこそこちゃんとした力を持っていた描写があったせいで…」

マキ「えらくこじつけ臭い設定になっちゃったわね」

あんじゅ「醜さも極めれば崇拝の対象、ってやつ?うぅん、いいんじゃない?」

英玲奈「アグリネスが元々強い描写をしていたせいでそんな進化する必要もないんじゃないか、とも感じてたな」

ツバサ「それに前回、Museクレッシェンドスターエクセレントに勝利したせいで今回とっても弱体化してるみたいに見えるわね」

マキ「展開上仕方のないことなのよ。むしろよくこじつけられたと思うくらいだわ」

マキ「ま、今回はこのくらいでいいでしょ。次回だけど…」

あんじゅ「全く何も決まってないってさ!笑っちゃうよね!」

英玲奈「ジュエル回をまだ見返してないのでどんな話だったか…」

ツバサ「まぁ、ジュエル自体はそんなに園咲家に関わってこなかったような気がするから、別にメモリに関しては大丈夫じゃない?…多分」

マキ「そういうことだからメモリはもうなんでもいいわ。決まってから話考えるから」

英玲奈「そろそろクライマックスが見えてきたな。メモリ安価も残るはこれを入れて二つだ」

あんじゅ「ってことは私たちのエンドトークってかなり少ない…?」

ツバサ「気にしない気にしない!もともと予定されてなかったものだし、喋れるだけマシよ!」」

マキ「今日はこんなところね。それじゃあ次回をお楽しみに」

英玲奈「これで決まりだ!」




次回のメモリ

>>823(頭文字A,O,S,V,Yのどれか)


最終回のサブタイは自分でも傑作だと思うのでお楽しみに

solitude


ボディサイドのメモリって
愚者 不明
魔術師 マシンガン(ウィザードガトリング)
女教皇 不明
女帝 不明
皇帝 不明
法王 不明
恋愛 不明
戦車 不明
正義 不明
隠者 足刀(ハーミットナイフ)
運命の輪 不明
正義 不明
剛毅 メイス型のハンマー(ストレングスハンマー)
吊るされた男 釣竿(ハングドロッド)
死神 不明
節制 不明
悪魔 不明
塔 ドリル(タワースパイラル)
星 徒手空拳
月 ソード(ムーンシャイナー)
太陽 荷電粒子砲(サンブレイカー)
審判 不明
世界 不明
こんな感じでしたっけ?ついでにムーンシャイナー以外の武器の名前つけてみた

おぉまとめすげぇ パッと見それで全部っぽいね 意外と少なかった
これ以降増えるかは微妙 次回なんか安価しようかな
あと魔術師はマジシャンなので名付けるならマジシャンズファイアとか…、うんどこかで聞いたことあるなこれ

>>826
そっか、魔術師はマジシャンでしたね、ウィザードの響きが良かったせいでうっかりしてたわ。
それじゃ、マジシャンズライフルで

日が空いてしまったけどようやく話がまとまったのでこんな時間だけれど始めます
で、安価メモリのsolitudeだったんだけど、これ次回に回して今回は上のangelic使わせてもらいます 勝手だけど許して
そして残りのレスで32~35までなんとか終わらせたいので今回からほとんど安価に頼ることはなくなると思います
ただしもうすでに予定で登場人物に困ってるのでそれだけは安価させてもらいます もう誰出せばええんかわからへんねん…
おそらく安価するにしても1,2回だと思うんで一人でもいいから来てくれますように それでは始めて行きます

路上


ナイトエース「でやぁぁっ!!」ビュンッ!!


ズゴォォォッ!!


ドーパント「グオォッ…!!」

ナイトエース「絶望がお前の…、コールドゲームだ」


ドガァァァァァンッ!!



パキンッ…


ことり「…逮捕するね。立って」

市民「う、うぅ…」

ことり「これで、今月に入ってもう8件目…。最近ガイアメモリによる犯罪は増えてきた、って言っても…」

ことり「少し、多すぎる気がするよ…」




東條西木野☆探偵事務所内


ことり「どう思う?」

希「メモリによる犯罪が増え始めたことについて?それは、まぁ…」

凛「UTXのトップがあんじゅちゃん…、優木あんじゅになったから、じゃないの?」

希「うちもそれが有力やないかな、って思う。UTXの計画は着々と進行している」

希「まだ敵の詳しい目的まではわかってないけど、ガイアメモリの流通だって計画の一つには入ってると思うし…」

希「それならガイアメモリがいろんな人に行き渡るようになって、犯罪の数が増えるのもおかしくないと思うけど」

ことり「…やっぱり、そういうことなのかなぁ…。だけど、そんな一朝一夕でこんな…」

凛「ことりちゃんは考えすぎにゃー。ガイアメモリを使ってる人がいたら、希ちゃんたちで退治しちゃえば問題ナシだよ!でしょ?」

希「せやよ!どれだけのドーパントが襲ってこようとうちらにかかればちょちょいのちょい!やからね!」

ことり「…そう、かもね。私の気にしすぎなのかな…。それでも、数が増えてることに変わりはないんだけど」

ことり「おかげで最近忙しくてならないよ。…じゃあ私、仕事が残ってるから、これでね」

希「うん、またね」


ガチャッ チリンチリーン


凛「それにしても…、最近物騒になってきたにゃー…。凛も一人じゃ外歩けなくなってきたかも」

希「そのために凛ちゃんにはガジェットが…、…あれ?えりち…」

絵里「…」

希「おーい、えりちー?どうしたん?珍しく真剣な顔して」

絵里「…へっ?わ、私が何?」

希「なんか心、ここにあらず、ってかんじやね…」

絵里「あ、あぁ…。さっきの話聞いて、少しね…」

凛「さっきの話っていうと…、ガイアメモリ犯罪の数が急増していること?」

絵里「…うん。元ガイアメモリ売人の立場から聞くとね」

希「あー、そういえば元売人やったっけ。どう気になるん?」

絵里「ガイアメモリは売買が成立したとしてもすぐに犯罪につながるとは限らない、ってこと」

凛「…にゃ?どゆこと?」

絵里「核を所持している国みたいなものよ。いわゆる、他に対する抑止力として所持して、実際には使わない場合だって多々あるわ」

絵里「おそらくUTXの広げた流通ルートもそういった人を対象にしたものが多いでしょう」

絵里「実際には使わないかもしれないけど、いつか必要になるかもしれない」

絵里「そう思わせたほうが、商売人としてはやりやすいからね」

希「ほうほう、なるほど…。ん?でもそうなると…」

絵里「えぇ。やっぱり最近のガイアメモリ犯罪急増については、おかしいと思う」

絵里「ガイアメモリの販売料は増えてもそれが必ずしも犯罪につながるとは限らないもの」

絵里「犯罪につながるとするなら…、そういう人をピンポイントで見つけて、売りつけてる場合ね」

絵里「ちょうど、過去の私のように」

希「過去の、えりち…」


絵里(そう、ちょうど、過去の私のように)

絵里(こんなスピードで一般人には手の届きにくい価格のガイアメモリを捌くなんて、そうそうできない)

絵里(それができたのは、私くらい)

絵里(だからこそ私はUTXの幹部に選ばれた、っていうのに)

絵里(そんなことをやってのける人が、まだいる、っていうの…?)



ガチャッ チリンチリーン


凛「あれ、お客さん…?」

希「おっと…、そうみたいやね。ようこそ、東條西木野☆探偵…」


依頼人「あっ…」


希「…ん?どうかされました?」

絵里「あっ…!あなた…!」

凛「知り合い?」

絵里「…元、同僚よ」

希「同僚…?ってことは…」

絵里「えぇ。ガイアメモリ売人時代に、同じ会社で働いていた仲間」

絵里「名前は…、>>834っていうの」

乾巧

絵里「名前は…、乾巧」

巧「…絢瀬。死んだ、って聞いたけど」

絵里「残念ながら、しぶとく生きていたわ。なんとかね」

絵里「そっちは、どうなの?…まだ、あの会社には勤めてる?」

巧「あぁ。…おかげさまで大繁盛だ。給料もうなぎのぼりだよ」

絵里「…そう」

巧「絢瀬、お前がその気なら、うちの会社に…」

絵里「今は私より、依頼なんじゃないの?何か頼みたいことがあってきたのでしょう?」

巧「…。あぁ、そうだったな」

巧「改めて、乾巧だ。そこにいる絢瀬の、元同僚、でいいのかな」

巧「今もガイアメモリの販売を携わっている会社に勤務してる」

巧「こんなこと、あんたたちの前でいうのもどうかと思うけどな」

希「あ、いや…。うちらにどうこうする権利はないからね」

希「依頼人がどんな人物だろうと、一度請け負った仕事は最後までやりきるのが、ここのモットーやから」

凛「まだ何も請け負ってないけどね」

希「それで依頼って言うのは…」

凛「…の前にー…。すっごいイケメンさん!モデルみたい!」

巧「お、おぉ…?なんだコイツ…」

希「あぁ、ごめんなさい…。凛ちゃん失礼やよ…」

凛「こんなに容姿に恵まれてたらガイアメモリ販売なんかよりもっと向いてる仕事、あったと思うんだけどなぁ」

巧「あぁ?」

希「うわっ…!凛ちゃんっ!」

凛「にゃ?」

希「せやからさっきから失礼やって…」

巧「…いいよ別に。…なかったんだ、やりたいこと」

凛「え?」

巧「別に、なかったんだよ。特にやりたいことが」

巧「夢が、なかったんだ。…俺には」

絵里「だから代わりに、人に夢を与える、って宣伝文句が売りのこの会社に就職したのよね」

巧「…あぁ。俺には夢はないけど、誰かに与えることならできるかも、って思って」

希「それ、って…」

絵里「…えぇ。私と、ちょっと似てる」

絵里「だれかの夢を叶えるためにガイアメモリ販売に手を染めた人間、ってところでね」

巧「そんな昔の話、今はどうでもいいだろ。依頼のことじゃなかったのかよ」

希「お、おぉっと、せやせや。凛ちゃんのせいで話がそれたやん」

希「それで…、具体的な依頼内容は?」

巧「…人を探して欲しい」

巧「そいつは、うちの会社から…」

巧「金と、大量のガイアメモリを持ち出したやつだ」

希(巧さんの依頼はこうやった)

希(巧さんの会社は最近のガイアメモリの特需によりかなりの利益を上げていた)

希(しかし、それは個人による販売よりも、企業単位での取引によるものが大半を占めていた)

希(その結果、過去のえりちのようなガイアメモリ売人は逆に仕事が減り、会社の頭数を減らすためにリストラされることも多かったらしい)

希(それを良しとしなかったガイアメモリ売人のうちの一人が、今回巧さんの探して欲しい人、らしい)


巧「…社長もお怒りでとっとと捕まえて牢屋にぶち込んで欲しいんだと」

凛「その社長さんが依頼に来ればいいのに」

巧「アンタら、警察とも繋がりあるんだろ?下手するとしょっ引かれかねない、って、俺にな」

希「あぁ…、なるほどね。その警察も頼れへんから、うちらに、ってことかな」

絵里「…その売人、って」

巧「あぁ。アンタが抜けてから入ってきたやつだよ。アンタは知らないと思う」

絵里「…そう」

希「その人の写真かなにかは…」

巧「これ、だけど…。なくてもどうにかなるかもな」チラッ

凛「え、これ、って…?」

希「えりち、ソックリや…。っていうか、えりちと違うん?」

巧「そこの絢瀬と遺伝子を同じくするクローンだよ。絢瀬より色の薄い髪をしてるだろ?それが特徴かな」

巧「名前は…、エリー・アヤサキ。本名かはわからないけど、そう呼べって言ってた」

絵里「こいつはっ…」

巧「…知ってるのか?」

絵里「…えぇ。少しね」

希「うん。これだけの情報さえあればなんとかなると思う」

希「うちらに任せて、巧さん」

巧「…あぁ、頼んだ。必ず見つけ出してくれ」

絵里「…」



絵里(…まさか、もう一度この顔を拝むことになるなんて)

絵里(タチの悪い冗談としか、思えないわね…)

街道


希(名前と顔が分かってるなら、捜査は容易い)

希(エリー・アヤサキって名前の女性のことについては、簡単に探ることができた)

希(よくサングラスをかけていて、黒いスーツでいることが多いらしい、ってことも)

希(本当に、昔のえりちをなぞるように、彼女は同じ格好をしていた)

希(調べていくうち、うちらはガイアメモリ売人時代のえりちのこと、なんも知らへん、ってことに気づいた)


絵里「売人の頃の私…?」

凛「うんうん、嫌じゃなければ教えて欲しいな、って」

絵里「そうね…。その頃の私は躍起だったわね」

絵里「亜里沙の夢を叶える、その一心だけで動いていたわ」

絵里「そのおかげかもしれないけど、業績は社内トップ。…今となっては誇れることでもないんだけど」

凛「いやいや!すごいことだと思うにゃ!」

絵里「ふふ、ありがとう、凛。…だけど、夢を与えた数以上に、夢を奪っていた、って考えると…、ね」

希「…えりち」

絵里「…そう、その頃ね。私に『夢を持っている人を選別できる能力』が芽生えたのは」

絵里「能力、っていうのもおこがましい、ただの勘のようなものだけど。その能力のおかげで、私は誰よりもガイアメモリを売ることができた」

希「夢、か…」

絵里「…さっきの乾君。彼が夢を持っていないっていうのは本当よ。私から見ても、彼は空っぽだった」

絵里「もう、やめていてもおかしくない、って思ったのに、まだ勤めていたなんてね。…少し、驚いたわ」

希「巧さんは、今でも夢を持ってなかったん?」

絵里「…さぁ、それはわかんない。もう、私のその力は衰えてしまったから」

絵里「もう、必要じゃなくなったから、かしらね」

凛「そっか。なんかもったいない気がするにゃ」

穂乃果「何がもったいないのー?」ニュッ

凛「おわぁっ!?穂乃果ちゃんっ!?」

希「おぉ、どうやった?エリー・アヤサキについて何かわかった?」

穂乃果「もっちろん!」

穂乃果「この人なんだけど…、最近街で頻発してるガイアメモリによる犯罪あるじゃん?」

穂乃果「どうやらその犯人の誰もがこの人からガイアメモリを買ってるみたいなんだよね」

絵里「それって、売人をしている、ってこと…?」

凛「お金を盗み出して、メモリも盗んで…、やることがまた売人…?」

希「どれだけ好きやねん…、メモリ売り…」

絵里「…」



絵里(どれだけ、好き、か…。はぁ…)

穂乃果「でねー、この人がよく通ってる会員制のクラブがあるんだけど」

凛「クラブ?部活かにゃ?」

穂乃果「違う違う。お酒とか飲むイケイケな場所だよ」

希「どうしてクラブに…?」

穂乃果「あぁいう場所は人が集まりやすいからね。メモリの取引も目立たない」

希「ほう、なるへそ…。で、そのクラブの名前は…?」

穂乃果「…ダイヤモンド・プリンセス」

希「オッケー。凛ちゃん、えりち、行こか」

凛「にゃー、クラブって凛初めて!緊張するにゃー」

絵里「…私もよ」



東條西木野☆探偵事務所地下


ピリリリ ピリリリ

ガチャッ


真姫「…はい」


希『あ、真姫ちゃんっ?これからうちら、依頼人の探してる女がよく通ってるクラブに行くんやけど…』


真姫「へぇ、そう…」

希『…?どうしたん?なんか元気ないけど…』

真姫「…」



~回想~


あんじゅ「やっぱりほどよく付いた脂肪が希ちゃんの魅力だと思うの。スレンダー過ぎても面白くないし」

真姫「わかるわ。少しだらしないボデーがなんとも女心そそるのよね」

あんじゅ「あ、あとあれよね。知ったかぶりする時の態度がわかりやすくて…」


~回想おわり~



真姫「…いえ、何でもないわ」

真姫(…まさか敵方のトップと話し合って既に48時間くらい寝てないなんて言えるわけない)

音都ホテル


英玲奈「あんじゅが地球の旋律に…?」

  「進化したあんじゅは無限アーカイブともコンタクトする能力を得た」

  「そればかりか、いずれ西木野真姫とも直接接触できるようになる」

英玲奈「西木野…。アイツを放っておけば、あんじゅに更なる力が…」

英玲奈「それだけはなんとしても阻止しなくては…」

  「そうね。ライブ・ドーパントでは今のままでもかなり厄介だっていうのに」

  「このままだと勝つ可能性は限りなくゼロに近くなるわ」

英玲奈「…それもそうだが、どうしてあなたは私にそんな情報を寄越す?」

英玲奈「利益があるとは思えない。…それに、その情報を知っていることも解せない」

英玲奈「教えて。あなたは…、何者なの?」

  「…」

  「私は…」

  「      よ」

英玲奈「…?」

  「どうせ言ったところであなたには理解できない。聞こえない」

  「そういう風に、私がライブメモリで心を書き換えたから」

  「私があなたに加勢する理由。それはあなたに強くなって欲しいから」

  「あんじゅは私にとって必要だから、消されると困るんだけど」

  「あなたが充分に強くなってから、また心を書き換えればそれは問題ない」

  「あんじゅに対する憎しみを持って、強くなってくれれば」

  「あなたの望んだ優木あんじゅとの安らかな日々は保証するわ」

  「彼女を倒せるくらい、強くなれれば、ね」

  「って、言ってることも、あなたには理解できていないのでしょうけど」

英玲奈「…おい、さっきから一体何を…」

  「…それより。あなたの勝利の確率を高めるメモリがあるわ」

  「見つければ、反撃の役に立つかもね」

英玲奈「…教えてもらおうか、そのメモリの名前」

2時なので今日はここまで オリジナル要素多めだと考えるのに時間かかって進まないね
あ、でもこの話において乾巧はこれ以上なくベストマッチな人選だったと思うよ 安価とってくれた人ありがとう
短編の話ですが最近忙しいのと夏で変な人がいっぱいいるらしくそういうのに来てもらっても困るのと
もう安価もそんなに使わないと思うから宣伝する必要もないかな、ってことで後回しにしました
楽しみにしてくれてた人がいたならもう少し待っててね それではこの辺で ほなな

始めます
555はやっぱり見てないのでたっくんの口調がこれでいいのか不安だぜ 1期も龍騎とカブト以降なら見てるよ
そういえば前回も凛ちゃんの夢云々の話で少し今回と被ってると気づいた今更
このSSのテーマが「夢」っていうことにしておこう それじゃあやっていくぞよ

クラブ『ダイヤモンドプリンセス』


ワーキャー モーオソイー


希「おおぅ…、美人さんばっかやん…」

凛「同じ人類だと思えないにゃ…」

希「…さてと、素知らぬ振りで入っていけば通してくれるやろ…」


希「ハーイ、失礼」スタスタ

ガシッ

店員「当店は会員制です。会員でない方は入れません」

希「おぅ?うちはモデルやよ?まぁそんなわけで」スタスタ

グイッ

希「おうふっ…、入らせてよ…」

凛「だ、だったら!ぷりちーすぎる所長の凛が…」

ガシィッ

凛「おのののの!頭掴むのはやめてぇ!」



希「…はぁ。まさかクラブに入れすらしないなんてなぁ…」

凛「凛ほどの美貌なら顔パスくらい楽勝なはずなのに…」

凛「…ん?そういえば絵里ちゃんは?どこいったにゃ」

希「そういえばここに来る直前から姿が…」

絵里「ただいま」

希「お、えりち!どこ行ってたんよ」

絵里「どうせ真正面から入っていこうとしても入れてもらえないと思ったからね」

絵里「ちょっとした対策を考えてきたの」

希「お、おぉ…!えりちは実行に移す前からそんなこと…、かしこい!」

凛「かわいい!」

絵里「エリーチカ!…そんなわけだから私に任せておいて」

凛「でも対策、って言ったって…、何するつもりなの?」

絵里「簡単。これよ」サッ

希「これは…」

凛「黒いスーツと…、サングラス?」

希「あぁ…、なるほどね」

凛「え、全然わかんないにゃ。これで入れるの?」

希「…まぁ、えりちに任せてみよう」

クラブ『ダイヤモンドプリンセス』前


絵里「…」カツカツ…


絵里「失礼」

店員「これはこれは、エリー様。どうぞ、お入りください」

絵里「えぇ」カツカツ

希「それじゃ」

凛「にゃ」


ガシィ ガシィ


希「おごふぅっ…!次は首、かいな…」

凛「にょわぁぁぁっ!!離すにゃぁっ!!」

店員「また性懲りもなくお前らは…」

絵里「その子たちは私の連れよ。入らせてあげて頂戴」

店員「…はっ!し、失礼しました…!」ハナシッ

希「け、けほっ…。ひどい目にあった…」

凛「ふんっ!べー!」

店員「…」イラッ



クラブ『ダイヤモンドプリンセス』内


絵里「…ふぅ。うまくいったわね」

凛「あの服装でエリー・アヤサキに変装するなんてね。考えつかなかったよ」

希「顔パスできるほど入り浸ってくれてたんが幸運やったね」

絵里「顔がソックリなのがこういう時に役に立つなんてね。…この街のセキュリティはもっと強化するべきだと思ったわ」

凛「それにしてもここ…、妖艶な雰囲気漂う、まさにオットナー、な場所って感じにゃ…」

希「あっちこっちで女性の嬌声が響いて…、耳が痛いわ」

絵里「今はそれよりエリーを探しましょう。ここにいるとは限らないけど、いなくても有力な情報を得ることくらい…」

凛「あ!あれじゃない?」

希「見つけるの早っ!さすが凛ちゃんの探し物スキルは役に立つね…」

絵里「で、どこ?」

凛「あそこの階段の上…。黒いスーツに薄い金髪のお姉さんが…」

絵里「…ッ!本当…、間違いない、アイツっ…!」

絵里「…!!」ダダッ

希「ちょっ、えりちっ!!?」

凛「いきなり駆け出して行ったにゃ…」

「…」


絵里「はぁっ…!やっと、見つけた…!」

絵里「エリー…、あなた…!」


「…!」

「絢瀬、絵里…?」

「絵里、なの…?」


絵里「えぇ。…あなたは、エリーなのね?」

エリー「…えぇ!そうよ!私はエリー・アヤサキ!あはぁ…!ハラショー!おぉハラショー!!」

絵里「エリー、話がっ…」

エリー「絵里!生きていたのね!ワオ!嬉しい!もう会えないと思ってた!!」ギュッ

絵里「ひゃぁっ!!や、やめっ…、離れなさいっ!!」


希「えりちー?何してるんよっ?いきなり駆け出して…、あぁ、ちょっとごめん、そこ通らせて…」


絵里「もう…、今はあなたとじゃれあうような関係じゃないのっ!」バッ

エリー「きゃんっ!ひどいわ絵里…。同じ顔同士仲良くしましょう?」

絵里「…それより今は」

希「え、えりちっ…。その人が…?」

絵里「うん。コイツがエリー・アヤサキ」

絵里「エリー。正直に答えなさい。…会社から金とガイアメモリを奪い、今もなおこの街の若者にガイアメモリを売りつけているのは…」

絵里「…あなたね?」

エリー「…」

エリー「…ダー。そうよ」

エリー「うちの会社じゃ売人の仕事は少なくなってきた。そうでもしないとやってられなかったからね」

絵里「…」

エリー「?…どうしたの?聞きたかったことはそれだけ?」

希「エリー・アヤサキ…。うちらはお前を…」

絵里「待って、希。私はまだ話したいことがあるの」

絵里「ただ…、言葉が出てこなかった」

絵里「『どうして?』なんて、メモリの売人を生業にしている人に対する質問じゃない、って思ったし…」

絵里「だから、私がするべき質問はこれ」

絵里「…どうやって?どうやって、あなたのような…、凡百の売人程度の力しか持たない売人が…」

絵里「ガイアメモリを求める人を見つけ出せるようになったの?しかも、短期間で多くの人数…」

エリー「ふ、ふふっ…!絵里…、あぁ絵里!あなたからその言葉が聞きたかった!」

エリー「そのために私は今まで努力してきたのだから!あぁ、嬉しいわ、絵里!」

エリー「教えてあげる!ただの凡人だった私が、あなたに追いつけるようになったワケを!」

凛「凡人…?ど、どういう意味…?」

エリー「そこのかわいいお嬢さんにもわかりやすく教えてあげないとね。私とあなたの関係を」

絵里「…えぇ」

絵里「エリーと私は、私がガイアメモリ売人の頃のライバルのような関係…、売上を競うような仲だった」

エリー「あら、嬉しい。ライバルって認めてくれていたのね」

絵里「…私だって、最初から業績良好だったわけじゃないわ。行く先々であなたとしのぎを削るような取引の奪い合いをしていた」

絵里「だけどそんな風に競い合ううちに…、仲良くなっちゃったのよ。私たちは」

エリー「営業の最前線を戦う者たちだけにしか分かり合えない苦悩、そして快感」

エリー「私たちはそれを共有し合った同士だったの」

絵里「売れない売人時代はよくつるんでいたのを覚えてる。…けれど私には目標があった」

エリー「私には、なかった。ただお金が欲しい、それだけの理由で売人をやってたの」

絵里「私は亜里沙の夢のため、必死に働いてお金を稼いで…、気づいたら業界トップの業績」

エリー「私はどう頑張ってもあなたには追いつけなかった。どうあっても、そこらの他人と同じような業績」

エリー「私には、営業の才能がないんだって思ってたわ」

エリー「だから、売人の中でもエリート中のエリート、遥か高みまで到達し、UTXに移籍すらしてしまったあなたが」

エリー「もう私の手の届かない、遠くの世界まで旅立ってしまったように思えた」

絵里「実際、売人としての最終的な技能において、あなたは私に追いつくことはできなかった」

絵里「なのになぜ、今現在こうしてありえない速さで、盗んだガイアメモリを捌いているのかが知りたいのよ」

絵里「あなたはどうやって、その高みに到達できたの…?」

エリー「…簡単なことよ、絵里」

エリー「あなたが高みに到達できた理由。それは自分を犠牲にしてまでも叶えたい夢があったから」

エリー「死んだ妹さんの夢を叶えるため、必死で上を目指していたから」

エリー「だったら、私にだってできる。自分を犠牲にしても叶えたい夢さえあれば」

絵里「そんなものが…、あなたにあるの…?あなたは夢なんて…」

エリー「えぇ。あなたといた頃は、そんなもの持ってなかった」

エリー「だけど、あなたを失って気づいた。私は自分を犠牲にしても欲することのできるものがある、って」

エリー「わかる?絵里」

絵里「…」

エリー「それは、あなたよ。絵里」

絵里「っ…!」

エリー「私はあなたに憧れたの。ひたすらに夢を追いかけて躍起になるその姿に」

エリー「あなたと共にいられる時間がとても愛おしかった。私はその時間を1分1秒増やすためなら命ですら賭けれるって気づいた」

エリー「私のような凡人があなたのような力を手に入れられたのはね」

エリー「絵里、あなたに会いたかったから。もう一度、あなたの隣に並びたかったから」

エリー「今、ようやく叶ったわ。絵里」

エリー「うぅん。私の夢はもう、通り過ぎてしまった。だって…」

エリー「今、私はこうやって…、あなたを見下しているのだもの」

エリー「もう私は…、あなたを見下すことができる位置にいる…!」

エリー「夢にすら見られなかった、あなたの上…!これほど心地良いなんて…!」

エリー「あぁ、絵里…。あんなに大きく見えた絵里が、今では私の手のひらに収まりそう…」

絵里「…」

絵里「あなたが横にいようが、上にいようが、私はそんなものに興味はないの」

絵里「私が本当に聞きたかったことは、たった一つ」

絵里「あなたがこれからも、ガイアメモリが売り、街の人々の夢を奪うつもりなら」

絵里「私が、あなたを止める」

エリー「…はぁ?」

エリー「あは…、私はガイアメモリ売人という職業に命を投げ売ったの」

エリー「もう他の職業は考えられないし、だからこそこの仕事を辞めるつもりはない」

エリー「お金とメモリを盗んでまで、個人で続けてるってことで、理解してもらいたかったんだけど」

絵里「…」

エリー「あなた、昔とは変わってしまったわ。ガイアメモリは夢を叶えるモノ、って言ってたじゃない」

エリー「今ではあなたにとって、夢を奪うものなのね」

絵里「…そうよ。ガイアメモリの魔力は人の夢を奪う」

絵里「もうこれ以上、街に涙は流させない」

エリー「…」

エリー「…ハッ」

エリー「失望したわ。絵里」

エリー「私はガイアメモリをひたむきに売り続けるあなたが好きだったのに」

エリー「私の知っているあなたは、もういないのね」

エリー「残念よ。…そんなあなた、見たくなかった」

エリー「それならもう…、いっそ死んだままでいて欲しかったわ」

絵里「…」

エリー「私を、止める、って言ったっけ」

エリー「そんな力が、あなたにあるのかしら?」

絵里「…えぇ。あるわ」

絵里「今の私は、この街を守るアイドルだから」

エリー「…そう」

エリー「じゃあ見せてよ。その力、っての」\エンジェリック!!/

希「っ!ガイアメモリ…!」

絵里「売人である以上、持ってても不思議じゃない、か…」

エリー「私の知ってるあなたがもういないのなら…」ピチュゥゥンンッ…


エンジェリック・D「私の手であなたを消す。この天使の力で」

キャァァァァァッ!!


希「クラブの客が混乱してるっ…!凛ちゃん、お客さんの避難をお願い!」

凛「了解にゃ!」


絵里「エンジェリック・ドーパント…。それがあなたの力、ってわけ…」

エンジェリック・D「えぇ。さぁ、あなたの力も見せて?」

絵里「…」スッ

希「えりち、うちもっ…!」\スター!!/

絵里「希…。えぇ、そうね。どんな手を使ってでも、この街を泣かせるものは排除する…!」スチャッ

絵里「行くわよ、希っ!!」\ディコーラム!!/

希「うんっ!!真姫ちゃんっ!」

真姫『…えぇ』\クレッシェンド!!/


「「「変身っ!」」」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン

\ディコーラム!!/



Muse「「さぁ、お前の罪を、数えろっ!」」

ディコーラム「…!」



エンジェリック・D「それがあなたの力…?お隣はお友達かしら」

エンジェリック・D「羨ましいわね。絵里の隣にいられるなんて」

エンジェリック・D「まずはあなたから…、壊してあげるわ」

Muse「フンッ!」「やれるもんなら、やってみ!」

Muse「てやぁっ!!」ビュンッ!!

エンジェリック・D「フッ!」

ガゴンッ!!

Muse「くひぃっ…!?」「か、硬っ…!なんて硬い盾なの…?」

エンジェリック・D「この程度?」

Muse「何をぉっ!」「まだまだぁっ!!」ゴンゴンゴンッ!!

Muse「くおぉぉ~~!!?盾硬すぎ…!?」

エンジェリック・D「私のアイギスの盾は、何物も通すことはないわ」

エンジェリック・D「それじゃ、反撃ね」ブンッ

ズバァッ!!

Muse「ぐあぁっ…!!」

エンジェリック・D「そしてレヴァテインの剣は、万物を切り裂く」

エンジェリック・D「あらゆる装甲も、私の剣の前では無力よ」

Muse「なによ、それ…!」「そんなん反則やんっ…!」

Muse「…っていうかそれって!」「ムーンシャイナーと同じ…!?」

ディコーラム「Museと同じ性能を持つ、ドーパント…!?」

ディコーラム「そんなはずないっ…!エクセレントの力を得たMuseと同性能のドーパントなんて…」

ディコーラム「ありえないわっ!!」ビュンッ!!


エンジェリック・D「あら、これは…」


ディコーラム「ディコーラムの高速移動!これなら盾を使う余裕もないはずよ!」シュバババババッ

ディコーラム「ここっ!!」ビュンッ!!

エンジェリック・D「ふっ!」ガキンッ!!

ディコーラム「なっ…!?」

エンジェリック・D「その程度?それなら…」ビュンッ!!

ディコーラム「な、なんですって…!?」


Muse「あのドーパント…、速いっ!」「それこそ、ディコーラム以上に…!」


エンジェリック・D「ウラァッ!!」ズバシュッ!!

ディコーラム「うあぁぁっ!!」ドサァッ…

ディコーラム「ぐっ…!なによ、コレ…!」

Muse「…強すぎる」「Museの力と、ディコーラムの力、その両方を併せ持つドーパント、ですって…!?」

Muse「余りにも、ハイスペックすぎる…!」「何かわけが…!」

エンジェリック・D「理由なんてないわ。私は神の使いの力を得たのだから」

エンジェリック・D「たかが人間の力では、叶うはずもないのは当然でしょ?」

ディコーラム「何がっ…!神の使いよ!」

ディコーラム「どこまで行ったって、ガイアメモリは人の生み出したもの!」

ディコーラム「それに神が宿ることなんて、ありはしないわっ!!」\スレイプニル!!真姫シマムドライブ!!/

ディコーラム「スレイプニルライトニングッ!!」

ディコーラム「せやぁぁぁぁっ!!!」シュバババババッ!!

エンジェリック・D「無駄な…、あがきをっ!!」カキキキキキンッ!!

ディコーラム「神速の剣技も、盾に全て弾かれるっ…!」

エンジェリック・D「はぁぁっ!!」ズバァンッ!!


ズバシュッ!!

ディコーラム「くぁぁぁっ!!」ピチュゥゥンンッ…

絵里「が、はっ…!」

エンジェリック・D「…絵里。この程度なの?本当に、これ?」

絵里「え、エリー…」

エンジェリック・D「だとしたら…、想像以上よ。絵里。想像以上に…、弱いのね」

エンジェリック・D「だから、今度は絵里の番。私はこれからもメモリを売り続ける」

エンジェリック・D「絵里はそれを止めるために、何度だって私に挑んで来て」

エンジェリック・D「そして決して追いつけないと言う事実を知りながらも、私を倒すために必死になって」

エンジェリック・D「それが、あなたに追いつこうとした私と、同じ気持ちだから」

エンジェリック・D「私、幸せよ。好きな人が自分と同じ思いを共有してくれるっていうのは」

エンジェリック・D「絵里、また会いましょう」

エンジェリック・D「…ダスヴィダーニャ」シュバッ

Muse「に、逃げられたっ…!」「追う余裕も、なさそうね…」


絵里「…くっ!」ダンッ

凛「え、絵里ちゃんっ…!怪我、平気…?」

絵里「…えぇ。悔しいけど、アイツ手加減してやがったわ」

絵里「クソッ…!完敗よ…」

Muse「えりち…」「とりあえず今は、事務所へ戻りましょう」



東條西木野☆探偵事務所内


凛「ちょっとしみるけど、我慢してね」

絵里「痛たたたたた…。…はぁ」

希「えりち…。エリーに勝てなかったん、気にしてる?」

絵里「当たり前でしょ。…まさかアイツが、あんな力を持っていたなんて」

希「平気やって!うちらのエクセレントならきっと…」

真姫「…そう簡単にも、行かないかもね」

希「え…?」

真姫「ついさっき調律したの。…エンジェリック・ドーパントについて」

真姫「そして分かったこと。間違いなくこのドーパントには」

真姫「私たちを凌ぐ力がある」

凛「っ!?う、嘘っ…!?ただのガイアメモリに、それだけの力が…!?」

希「せ、せやけど…、何かタネがあるんやろ?力を発揮するのには一定の条件下でないと的な…」

真姫「それは…」

真姫「…」



~回想~


真姫「エンジェリック…、これね。ふんふん、なるほど…。やっぱり…」

パシッ

真姫「…っ!?が、楽譜が奪われ…」

あんじゅ「まーきちゃんっ。ふふっ」

真姫「あ、あんじゅっ…!?もう、楽譜に触れるようになったの、ね…」

あんじゅ「あなたがここに入ると私も感じるの…。ふふ」

あんじゅ「前来た時のシンクロ率は50%、半分の存在だったけど…」

あんじゅ「今はこうやって…、あなたに触れることもできる…」サワッ

真姫「…っ!」

あんじゅ「そのうち、あなたを殺してあなたの身体に住み着くことだって、できるかもね」

真姫「うっ…!」


~回想~



真姫「…ごめんなさい。わからなかったわ」

真姫(あんじゅのせいで楽譜は途中までしか読めなかった。エンジェリックに何か弱点があるかは…、まだわからない)

今日はここまで 話ここらへんまでしか考えてないので次はいつになることやら
エンジェリックはもともとBeat in Angelの歌詞だけど真姫にも凛にも使わせられそうになかったので
まだやってなかった復帰後のえりち回に使わせてもらいました
設定だけ考えて文章はリアルタイムで書いてるからだいぶ冗長気味だけど許して それではまた次回 ほなな

セイクリッドプレアデス2枚買った帰りにそのまま落としてテンションダダ下がりだけどやっていくよ
720円だったからまだ良しとしよう じゃ始めます

東條西木野☆探偵事務所内


絵里「…」

絵里(エリー…)

絵里(まさかもう一度、あなたの顔を見ることになるなんてね)

絵里(そして今度は敵同士として。…いえ)

絵里(私が売人をしていた頃からずっと、敵同士だった)

絵里(…けれど、なぜかしら。あの頃とは余りにも違うと感じるのは)

絵里(たしかに、私たちは同じ市場でシェアを競い合う間柄だった)

絵里(だけど、そんな関係でありながらも感じる奇妙な絆も、あった)

絵里(エリー、本当はね)

絵里(…あなたに会えて、とても嬉しかった。私も、あなたとハグしたかったのよ)

絵里(でも、あなたが…、あなたがガイアメモリを売って街を泣かせているなら、止めるしかない)

絵里(希が、以前の私に気づかせてくれたように)

絵里(私も、あなたを止める)

絵里(…そのためには、どうすればいいの?今のままじゃ、あなたには…)


ガチャッ チリンチリーン


巧「…あ」

絵里「乾くん…。希に用かしら?今は地下の方にいるから呼んできましょうか?」

巧「いや、いい。…そんな用ってわけでもないし」

巧「それよりさ。アンタと話したかったんだ」

絵里「私と…?」

巧「うん。アイツ…、エリー・アヤサキのことについて」

巧「アイツのこと、アンタはどのくらい知ってるんだ?」

絵里「えっと…、どのくらい、と言われても…。時々お酒を飲みに行っていた程度の仲よ」

絵里「プライベートのことはほとんど知らないし、彼女と会って話したのは営業のことくらい」

巧「…そうか」

絵里「…どうしたのよ、歯切れが悪いじゃない。らしくないわね」

巧「いや…」

巧「…だったら、言っておいた方がいいのかな。ウチの会社に入ったあとのアイツのこと」

絵里「…?」

巧「…俺さ、この会社ずっと辞めるつもりだった。入って数ヶ月で気づいたんだ」

巧「夢のない俺に夢を与える仕事なんて出来るわけない、って」

巧「ましてや人をバケモンに変える道具なんて…。怪物になったって、いいことなんてないのにな」

巧「だから、辞めたかった。ずっと辞めたくて、同期で入ったアンタが会社いなくなって、俺も辞めるいい機会だって思った時に…」

巧「あの女が入社してきた。…アンタにソックリなアイツが」

巧「…笑われるかも知らないから、恥ずかしくてあまり言いたくない言葉なんだけどな」

巧「俺は、あの女が入って来てくれたおかげで、今も働けてるんだ」

巧「…今は、ちょっとした夢も、持ててるしな」

錦野家


あんじゅ「…」スタスタ

マキ「…おかえり。あんじゅ」

あんじゅ「ただいま」

あんじゅ「…あ、ねぇマキちゃん」

マキ「ん?」

あんじゅ「英玲奈は元気?」

マキ「…」

マキ「…なんでも知ってるのね」

あんじゅ「なんでもは知らないよ、知ってることだけ。…なんて」

あんじゅ「私は地球の旋律と繋がってるからね。わからないことなんて何もないわ」

あんじゅ「…手に入らないものもね」

マキ「ふぅん…、羨ましいわね」

あんじゅ「だから、マキちゃんのやりたいこともわかってる」

あんじゅ「私の邪魔さえしなければ、英玲奈をどうしようとマキちゃんの勝手だから、何も言わないけど」

マキ「…そう」



どっかのバー


ことり「…この写真の女の人、知ってる?エリー・アヤサキ、って言うんだけど」

にこ「こ、こいつはねぇっ…!ガイアメモリを売ってる大悪党なのよ!だから早急に捕まえないとまた怪我人が…!」

花陽「にこちゃん、過去のことがトラウマになってるのはわかるけど落ち着こう」

ことり「このお店によく来ているらしいね」

店員「えぇ、今日もいらっしゃってますよ」

にこ「えっ、ど、どこにぃっ…!?」

店員「先ほど、洗面所に…」



どっかのバーの洗面所


エリー「…はぁっ、…はぁっ」

エリー「やっと、落ち着いた…」


英玲奈「エリー・アヤサキ」


エリー「…」

英玲奈「派手に稼いでいるそうだな。ガイアメモリを持ち出して、個人に売りつけて」

エリー「誰?」

英玲奈「お前の働いていた会社の親会社の、幹部だった人間だよ」

英玲奈「お前のガイアメモリ、ものすごい力を有するらしいじゃないか」

英玲奈「…私に、見せてくれる?」

エリー「…」

エリー「…英玲奈。そうか…、統堂英玲奈」

エリー「…思い出した」

英玲奈「あら、知っていてくれたんだ。それなら…」

エリー「お前は、私が…」

エリー「私がこの手で…、殺すっ!」ブンッ!!

英玲奈「…っ!」


バキィッ!!


英玲奈「ぐふっ…!何をっ…!」

エリー「…私だって一介の売人よ?あらゆる人と話す機会だってある」

エリー「だからあなたが…、絵里が最後に会っていた人間だってことも、知っている」

エリー「あなたが絵里を消そうとした張本人だってことも」

英玲奈「なっ…!あの女に…、何か執着でもあるのか…!?」

エリー「えぇ、あるわ。だって私は…」

エリー「彼女の一番のファンだもの。せいっ!!」ビュンッ!!

英玲奈「ちぃっ…!」ヒュッ

エリー「遅いっ!!」スバッ!!

英玲奈「ぐぅっ…!?手刀で、肌に傷が…!?」

エリー「フフ…、こう見えても古武術を習っていたのよ?メモリの能力に頼りっきりのあなたごときに…」

エリー「負けたりはしないっ!!」シュバッ!!

ズゴォッ!!

英玲奈「ごふぅっ…!!かはっ…!」ガクッ…

エリー「膝を付いたわね…!止めっ!!」ビュンッ!!


ことり「…っ!」ダダッ


エリー「っ…。っと、流石に見られるのはマズい、わね…」

にこ「み、見つけたわよエリー・アヤサキ!逮捕するわっ!」

エリー「アハハ…、しかも警察…。ここは…」

エリー「逃げるっ!」ドヒューンッ

花陽「あ、逃げたっ!追うよにこちゃん!」

にこ「おうよ!」ダダッ


ことり「…あなたは、統堂英玲奈」

英玲奈「ふっ…、無様なところ、見られてしまったな」

ことり「ちょうどいい。…ガイアメモリ流通の容疑で、あなたを逮捕するよ」

英玲奈「…笑わせる。やれるものなら…」

英玲奈「やってみろよ」\ライブ!!/

ことり「変…、身…っ!!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「ゼヤァッ!!」ビュオンンッ!!

ライブ・D「フンッ!!」ガキィンッ!!



路地裏


にこ「ふふふふ…!追い詰めたわよ…!」

エリー「チョルト…」

花陽「に、にこちゃん、気をつけてね…。油断するとまた…」

にこ「ふふ、心配しないで花陽…!こんな奴私一人で…」

エリー「ウラァッ!!」ビュンッ


スゴォッ!!


にこ「おぶひゅぅっ!!?」

花陽「言わんこっちゃない!」

エリー「あなたも…、やる?」

花陽「…の、のーせんきゅー」




ライブ・D「ふっ!!」バシュゥッ!!

ナイト「ぐあぁっ…!くっ…、てやぁっ!!」

ライブ・D「ふん、こんなものっ…!ハァッ!!」バキィッ!!

ナイト「チィッ…!クソッ…!」

ライブ・D「女の子がクソなんて言葉、使うものじゃない。…お仕置きだな」クオォォォォ…!!

ナイト「ぎゅぅっ…!!?こ、これが…、生命力吸収…!?力が…」

ライブ・D「フフ…!こっちは逆に心地いいよ…!」

ナイト「こんな空間にいつまでもいたら、持たない…!ここはっ…!」\ビショップ!!/\ルーク!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ!! \ルーク!!プロモーション!!/


ビショップ「せいっ…!ハァッ!!」ブンッ!!

ライブ・D「うおぉっ…!急に槍を投げるなっ!」ヒョイッ

ライブ・D「…そんな大味な攻撃、当たると思っているのか?」

ビショップ「当てるつもりなんて、最初からないよ…!」

ライブ・D「何…?」

ビショップ「キャスリングッ!!」シュバッ


ビショップ「…っと、ここまでワープすればあの空間の圏外かな」\ナイト!!/


ライブ・D「なっ…、そんな能力が…!」


ナイト「それじゃあ思いっきり…、振り切るよ」\スラッガー!!/

ナイトスラッガー「…特大ホームラン、ぶち込んであげる」シュッ…

ナイトスラッガー「ふっ!!」カキィィィンンッ!!


ライブ・D「困ったな…。ライブ・ドーパントは機動力そんなにないんだ」

ライブ・D「そう遠く離れられると…、対抗する手段がない」


シュゴォォォオッッ!!


ライブ・D「フゥッ!!」バシュゥッ!!

バシィィィンッ!!

…ゴォォッ!!

ライブ・D「ぐっ…!」

ズゴォォォッ!!

ライブ・D「ぐほぉぉっ…!!か、はぁっ…!効く、なぁ…」


ナイトスラッガー「とっさに気弾をボールに放って威力を減退させたか…」

ナイトスラッガー「けれど一度放たれたボールは、また私の手に戻る…!」シュッ

ナイトスラッガー「もう一発…!」


ライブ・D「…それは困るな」

ライブ・D「案外、お前が私の一番の強敵かも知れないよ、南ことり…」シュバッ


ナイトスラッガー「あっ、逃げっ…!おいっ!便利ワープ卑怯だってば!」

ナイトスラッガー「なんで敵は標準装備なんだろう…。しかも逃走専用…」



音都大橋


エリー「はぁっ…、はぁっ…。ふぅ、疲れた…」

エリー「ここまで来れば大丈夫かな…」


希「…見つけたよ、エリーさん」


エリー「…っと、今度はあなたの方か…」

希「巧さんが言ってたよ。ここがあんたのお気に入りの場所みたいやね」

エリー「はぁ…、余計なことを…」

凛「ちょっと!え、絵里ちゃんとは昔お友達だったんでしょ!?だったらどうして命を狙ったりなんか…」

エリー「友達?…ハッ」スタスタ

希「あっ…、ちょっと待ち!」ガシッ

希「アンタ、ガイアメモリを売ってるらしいね。…目的は?」

エリー「目的?」

希「ガイアメモリを売ってどうしたいんよ!?…街に混乱を招こう、なんて理由ならうちは…」

エリー「…」

エリー「…あら、ご名答。そうなの、私ガイアメモリでこの街に血の雨でも降らせようと思って」

エリー「素敵でしょ?」

希「…許さへんよっ!」

エリー「許さないなら、どうだって言うのよっ!」ビュンッ!!

希「うおぉっ…!くっ、ていっ!!」ヒュンッ!!

エリー「さっきの刑事さんより…、緩慢ねっ!!」ビュオォッ!!


ズゴォッ!!

希「ごふぅっ…!い、ったぁ…!!やったなコラァッ!!」ヒュッ!!

エリー「なっ…、速っ…!」


バシィィンッ!!


エリー「うぶぅっ…!」


凛「うおぉっ…、平手打ち…。女同士の平手打ちは恐ろしいにゃ…」


エリー「はぁっ…、ふふ、なかなかやるじゃない…。及第点、ってところね…」

希「あ?」

エリー「それじゃあ次は…、こっちでどうかしら?」\エンジェリック!!/ ピチュゥゥンンッ…!!

凛「わぁっ…!またあのメモリ…!来るよ、希ちゃんっ!」

希「わかってる…!真姫ちゃん、行くよっ!」\スター!!/

真姫『…オッケー』\クレッシェンド!!/


希・真姫『「変身っ!!」』


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン



エンジェリック・D「何度やったって同じよ。…せやっ!!」ズバッ

Muse「うおっ…!」「危なっ…!」ヒョイッ

エンジェリック・D「あら、上手く躱すわね」

Muse「あいつの剣は厄介ね…」「だったら…、このメモリとかどうかな!?」


>>871!!/

※希のメモリ・タロット関係で武器も併せて


Muse「さらにこれもっ!」


>>872!!/

※真姫のメモリ・音楽関係でどういう能力かも併せて

恋人(ラバーズ)
磁力で大雑把な遠隔操作・変則軌道で攻撃できる2つのブーメランが変形して組み合わさったトマホーク

よく考えたら磁力の部分はライトサイドの管轄だった
すみません、ただの可変武器でお願いします

そういや真姫ちゃんの音楽安価って役職とかはOKなのかな

安価下で

インプロヴィゼーションはそのままだと伸びる・曲げる能力のフェルマータと被っちゃうので
「ノータイムで他のソウルサイドのメモリの能力を使える(ただしごく短時間)」にします 即興で能力を入れ替える、って感じで

\インプロヴィゼーション!!/\ラバーズ!!/ タララッタタターラタリラリラー


Muse「ふっ!」ジャキンッ

エンジェリック・D「なにその可愛らしい手斧は。そんなので打ち勝てるつもりかし…らっ!!」ビュンッ!!

Muse「フンっ!アンタの厄介な能力に一々付き合ってられるかっての!」「こいつはこうやって…、使うんや!」ガションッ

Muse「せいっ!」ヒュンッ!!


ヒュヒュヒュヒュッ…!!


エンジェリック・D「分解して二つのブーメランに…?ってことは…」

エンジェリック・D「ふっ!」ヒョイッ

ヒュンッ

エンジェリック・D「そして避けた後も…、戻ってくるのは予測済み!このアイギスの盾で…!」


Muse「…それくらい、こっちも予測済みよ」

Muse「ソウルサイド最終兵器…、コイツの力をとくと味わいなさいっ!」\フェルマータ!!/


ヒュンッ!! ヒュンッ!!


エンジェリック・D「なっ…!当たる直前で軌道がっ…!?」

ザザシュッ!!

エンジェリック・D「うあぁっ!!うぐっ…、痛…!」

エンジェリック・D「さっきの曲がったの…、あれがあのメモリの力…?」


Muse「はいもういっちょ!」「ていっ!!」ビュンッ!!


エンジェリック・D「軌道が変わるなら…、それを上回る速さで叩き落とせばいいだけっ!」ブンッ!!


Muse「そうは…、行かないわよっ!」\アレグリッシモ!!/


ビヒュンッ!!


エンジェリック・D「は、速っ…!?」

ズバシュッ!!

エンジェリック・D「きゃぁぁっ!!」


Muse「それそれ!!」\ダル・セーニョ!!/


シュバッ!!

エンジェリック・D「こ、今度は瞬間移動…!?」

ヒュババッ!!

エンジェリック・D「くっ…、防御が追いつかないっ…!!ぐぅっ…!」


Muse「よし、効いてるっ!」「盾で守れなければ必ずしも無敵じゃない、ってことね!」

Muse「だったら最後は…、エクセレントで決めるっ!!」

<キュイィィィィィィッ!!


\エクセレント!!/ テレレレテーレッテレッテッテレー

エンジェリック・D「ぐっ…、こんな、ところで…!」

エンジェリック・D「私は…、まだ負ける、わけには…!」

エンジェリック・D「かくなる上は…!くっ…!」


Muse「ムーンシャイナー!!」シュバッ


\サン!!真姫シマムドライブ!!/\ラバーズ!!真姫シマムドライブ!!/\タワー!!真姫シマムドライブ!!/\インプロヴィゼーション!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「インプロヴィゼーションは一瞬だけなら私の全メモリの能力を併用できる…!その代わりこっちの負担もキツいけどね」

Muse「けれどこれなら…、全方位からの超威力砲撃を喰らって、あなたは無事でいられるかしら?」

Muse「受けなさいっ…!これが私のっ…、真姫シマムっ!!」


Muse「「シャイニーノクターン!!」」


エンジェリック・D「…っ!」

エンジェリック・D「モード…」

エンジェリック・D「…『アキレス』ッ!」


Muse「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」


バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!

ドガァァァァァンッ!!


シュゥゥ~…


Muse「はあっ…、はぁっ…!」ピチュゥゥンンッ…

Muse「エクセレントも、解除されるほどのエネルギー…。はぁっ…、流石に無事じゃ、済まないでしょう…?」

Muse「くっ…、当分インプロヴィゼーションは…、使い物にならないわね…」「でも、これで倒せたはず…」


シュゥゥ~…


Muse「「なっ…!?」」


エンジェリック・D「…ふぅ」


Muse「嘘…!?む、無傷…!?」「Museの全力の攻撃で、傷一つ付かない、やって…!?」


エンジェリック・D「…流石の私も、ヤバいって思ったけど、悪かったわね」

エンジェリック・D「エンジェリック・ドーパント、モード『アキレス』…」

エンジェリック・D「一瞬だけ、相手からの攻撃を一切受け付けなくなる能力よ」

エンジェリック・D「もう二度と、使えないけどね」


Muse「んなっ…!」「そんなんチートやんっ!チーターやんっ!?」


エンジェリック・D「はぁっ…、はぁっ…!うぐっ…」

エンジェリック・D「やっぱり、あなたたちは…、邪魔、かもね…」

エンジェリック・D「ここで、始末するべき、相手…!」

エンジェリック・D「…エンジェリック・ドーパント…!モード…」

エンジェリック・D「…『ラブリュス』!」

エンジェリック・D「あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ゴォォォォオッッ!!


Muse「エンジェリックの剣と盾が合わさって…」「超巨大な斧に…!?」「キラキラ言いたくなるわね…」


エンジェリック・D「ぐ、がぁっ…!」

エンジェリック・D「フ、フフ…!こいつで…、おしまいよっ…!」

エンジェリック・D「ウラァァァァァァァァァァッ!!!!」ブォォォォォンッ!!


Muse「「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」





東條西木野☆探偵事務所内


絵里「…ウソ」

巧「…本当だよ」

巧「あいつは…、あいつはな…」

絵里「嘘よっ!!」

巧「…」

絵里「それが、それが本当だとしたら…!」

絵里「早く止めないと…」


絵里「…エリーが、死んじゃう」




第32話「Aの隣に / ダイヤモンドプリンセスの憂鬱」

おわり

絵里「32話、どうだったかしら」

真姫「最初に言っておくわ!私はかーなーりー…、じゃなくて」

真姫「実はエリーの設定は書いてる途中で二転三転してるから色々違和感あるところが多いかも知れないけど大目に見て頂戴!」

凛「現段階でそこそこ固まっては来たけどもしかしたらまだこれからも変わるかもね」

希「そして今回のメモリ…、エンジェリックやったけど…」

ことり「本来安価だとソリチュード、孤独、だったんだけど、これは次回、つまりWで当たるところのオールド回に使えそうかな、ってことで先延ばしにさせてもらいました」

ことり「で、再安価するのもアレかな、って思ったからその上のエンジェリックを使わせて貰うことになったんだよね」

絵里「インプロヴィゼーションもアレだけど、安価をそのまま使うことが少なくなってきちゃってる気がするわ…」

希「せやけど指定通りの能力やとそれこそフェルマータと被っちゃうし、インプロヴィゼーション、って言葉の響き的にも好きやったからねー」

希「なんとか活かしたくて勝手に変えさせてもらったけど…、ダメかな…」

凛「もう今更だと思うにゃ。ヒーローメモリの段階で安価先延ばしやってたし」

ことり「そういう作風だと納得してもらえれば貰い物だね!」

絵里「その言い方はあまり印象が良くないわよ…」

真姫「いわゆる『安価スレ』って形にはそぐわないかもしれないけど、寛大な心で許してくださいって望んでいるわ」

凛「『許してやるよォ!』との返事を期待してるにゃ」

希「あ、ちなみにエンジェリックの能力や武器は遊戯王のテーマ『アーティファクト』を参考にしてるんよ」

希「最近作ってて、だからプレアデスが必要やったんやけどね…、しょんぼり」

ことり「それは置いておいて次回!…はまぁなんとかなるとして」

凛「このスレで次の34,35話完結できるのかなぁ…」

真姫「どうして35話まで完結を目標としているか、って言うとね」

真姫「時系列的にちょうど35話おわりくらいでAtoZが挟めるのよ」

真姫「だから次スレ建てていきなりAtoZからはじめられたらカッコイイかしら、と思ったから」

絵里「AtoZを書き終え次第、本ストーリーに戻るって仕様ね」

ことり「ダメならダメで仕方ないんだけどね…。多分残りレスじゃ難しいかもね…」

希「なんて言ってると気を使ってみんなが感想レスを書かなくなってしまうかもしれないから気にしてくれなくてええんよ」

凛「正直綺麗さよりモチベのほうが断然大事だからね」

真姫「ま、そんなこんなで悩みは尽きないけどまずは次回を終わらせることを考えるわよ!」

絵里「ストーリーは大まか考えてるけど綺麗に纏まるかは未定よ!」

凛「じゃあ今日はここまで」

希「次回をお楽しみに!」

ことり「これで決まりちゅん!」



真姫「ちなみに今回のサブタイはなんにも思いつかなかったからテキトーよ」

希「元ネタがジュエル回だったのにかけてダイヤモンド使っただけという安直な発想やで」

頑張ってエリーおよびエンジェリックメモリに関する設定をまとめてきたぜ
問題は話をどう構成するかを考えてないことだけどまぁ勢いでなんとかなる
下手すると長くなりそうだが930くらいまでに終わってくれますように じゃあ始めるよ

エンジェリック・D「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ゴォォォォオッ!!


Muse「こ、こんな攻撃どうやって防げって言うねん…!」「もうエクセレントは解除されちゃったし…!」

Muse「絶体、絶命ってやつ…!」「ね…!」


エンジェリック・D「ウラァァァッ!!」グオォンッ!!


Muse「南無三…!」


ビュォォォンッ!!


バシィィンッ!!


エンジェリック・D「っ!?何かがラブリュスに…!?」

エンジェリック・D「しまった…!衝撃が加わったことで直撃位置がズレ…」


ドゴォォォォォォンッ!!


Muse「うぐっ…、うわぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!!!」ピチュゥゥンンッ…

希「く、はぁっ…!衝撃波だけでも、この威力…。身体が、ちぎれそうや…」



エンジェリック・D「ちぃっ…、仕留め損なった…!一体何が…」


ナイトエース「私だよ」

希「あっ…、ことりちゃんっ!」

ナイトエース「えらく派手にやってたからダメもとでボールぶつけてみたけど、どうやらうまくいったみたいだね」

希「そ、そうやったんか…。助かったわことりちゃん…、ありがと…」


エンジェリック・D「よ、余計なこと…っ!だったらあなたもっ!」

エンジェリック・D「グッ…!?ガ、かはぁっ…」ピチュゥゥンンッ…

エリー「は、あがぁっ…!ぐ、うぅっ…」


希「…?ど、どうしたんやろ…、あいつにはダメージを与えてないはずやのに…、苦しんでる?」

ナイトエース「…」


エリー「くっ…、やっぱり…、二つ失ったのは…、痛い、わね…」

エリー「フン…、今日のところは、見逃してあげるわ」

エリー「あなたが強かったおかげで、私の計画ももう少しで遂行できそう、だし…」

エリー「願わくば…、もう二度と遭わないことを祈ってるわね」

エリー「プロシャイチェ」ダダッ


希「あっ…、逃げ…っ!あ、ぐっ…」

ナイトエース「追いかけたいのは山々だけど…、こんな状態の希ちゃんを放っておくわけにもいかないし…」ピチュゥゥンンッ…

ことり「とりあえず、事務所に戻ろう。希ちゃん、立てる?」

希「う、うん…」

希(あいつの最後の言葉…、どういう意味、やったんやろう…)

数分前

東條西木野☆探偵事務所内


巧「俺は、あの女が入って来てくれたおかげで、今も働けてるんだ」

巧「…今は、ちょっとした夢も、持ててるしな」

絵里「え…?」

巧「お前のことだから、きっと俺はもう仕事を辞めてるもんだと思ってたろ?」

絵里「えっ…、あ、そ、そんなことないわよ!?」

巧「そうかな?ふふ、まぁそれは置いておいて…」

巧「…きっと、あいつが来なければ確かに俺は会社を辞めていただろうしな」

絵里「エリーが…?あの子は、あなたに何をしたの…?」

巧「何も。ただな、すげぇんだぜ、あいつ」

巧「最初に転勤してきたときはアンタにソックリだったからそれはもう驚いたけどさ」

巧「さらに驚きなのはその働きぶりでさ。最初は鈍臭いところもあったけど認められようと必死で…」

巧「気づいたときにはアンタに並ぶくらい、凄い売人になってた」

絵里「並ぶくらい…」

巧「最初俺にはエリーのことが理解できなかった。どうしてコイツはこんなに頑張れるんだろう、って」

巧「きっとこいつは遠い星の住人で、俺みたいな出来損ないとは違ってどんなことでも挑戦していけるタフな精神の持ち主七日、なんて考えたりもしたよ」

巧「俺は企画部だからあまり絡む機会もなかったんだけど、どうしてもエリーのことが気になって仕方なかった」

巧「だから一度二人で飲みに行ったら…、なんてことない。アイツも、俺と変わらないひとりの人間だって思ったよ」

絵里「どういうこと?」

巧「最初は謙虚なやつなのかな、って思ってたんだけど、いざ飲み始めるとすげぇのなんのって」

巧「どこに溜め込んでたのかって思うくらい矢継ぎ早に出てくるわ出てくるわ、耳が痛くなるほどの愚痴がよ」

巧「どこそこの営業先のスケベオヤジがどうとか、電車で隣に座ったババアの香水の匂いがどうとか」

巧「日頃生きててストレスを感じない時間がないんじゃないか、ってくらい、エリーは常に重圧を背負っていたんだ」

巧「けど、俺その時つい笑っちゃってさ。…こんなに出来るやつでも思うものは一緒なんだ、って思って」

巧「どこか遠い存在ってその時まで思ってたのが、その瞬間から身近な存在に感じてきて」

巧「でもアイツ俺が笑ったの見てそれでまたキレてさ。…朝になるまで説教と愚痴に付き合わされちゃったの覚えてる」

巧「けどその日からエリーとは仲良くなって、週に2,3度は飲みに行く仲になったんだ」

絵里「そんなに仲良くなったのに、エリーの口から私の話は出なかったの?」

巧「ん?あぁ…、そうだな。一度も絢瀬のことは聞かなかったな。まさか知り合いだったなんて」

絵里「そう…」

巧「…でも、きっとあいつのアレは、お前の…」

絵里「ん?」

巧「…話、戻すよ。あいつと仲良くなって数週が経って、今度は俺が愚痴を聞いてもらうことになったんだ」

巧「俺にはここでやっていく自信がない、って。目標も目的も、夢も見つからないって」

巧「ずっと溜め込んでたものをあいつに吐き出したら、あいつは」

巧「…泣いたんだ」

絵里「泣いた?あいつが?」

巧「うん。俺もビビってさ、どうしてこいついきなり泣いてるんだ、って狼狽えたよ」

巧「あいつが言うには、『昔の自分を思い出した』だってよ」

巧「俺その時にまた驚いた。俺はエリーと友達になっても、心の中でどこか完璧なやつなんだ、って思ってた」

巧「昔、こいつにも俺みたいな頃があったなんて、想像もしてなかった」

絵里「昔の、エリー…。うん、そうね、確かに」

絵里「自分のやりたいことが見つからない、って酒の席で嘆いていたの、思い出したわ」

巧「そうか。…そのあとも、エリーは泣きながら俺の話を聞いて、涙でグチョグチョになりながら俺の話に共感してくれた」

巧「でさ、その時に、俺初めてエリーの夢を聞いたんだ。目標にしていること、のが正確かな」

巧「これは、アンタも知らないはずだろ?」

絵里「うん、そうね…。エリーの夢、聞いたことないわね…」

巧「…エリーの夢、それはな」

巧「憧れている人の隣で、もう一度働きたい、だってさ」

絵里「え…」

巧「多分この、憧れてる人、っていうのが、お前のことなんだろうな」

巧「そのときは誰かわからなかったけど、俺は心の底からそいつのことが羨ましかったよ」

巧「コイツにそこまで思われてるヤツがいるなら見てみたかったけど…、よく見知った顔だったなんてな、二つの意味で」

絵里「あなた…、エリーのこと好きなの?」

巧「はは、違うよ。…エリーがアンタを憧れてるのと同じで、俺はエリーに憧れてるだけさ」

巧「こいつみたいになりたい、って思ってる。それだけのことだよ」

絵里「ふぅん…」

巧「その後さ、聞いてみたんだ。お前みたいに夢を持つためには、どうすればいいのか、ってな」

巧「そしたら、エリーはこう答えた」

巧「『最初から自分だけの夢を持つなんてできない。最初は誰かの夢を追いかけてるだけでいい』」

巧「『それがいつの間にか、自分の夢になってたりするから』ってな」

絵里「だれかの夢を、追いかける…。そう、ね…、最初は私もそうだった」

絵里「亜里沙の夢を追いかけて…、それで何も見えなくなってたけど…、でもそのおかげで出会えた人もいるし、新しく持てた夢もある」

絵里「案外、正しいのかも、ね」

巧「…あぁ。そう、だな」

巧「だから俺は、その日からエリーの夢を追いかけることに決めた」

巧「俺にとっても憧れだったアンタと、もう一度働くことと…」

巧「エリーのもう一つの夢のために、俺はこの会社で働き続ける、って決めたんだ」

絵里「へぇ…。それがあなたの夢、ね…」

絵里「…ん?」

絵里「もう一つの夢?っていうのは…?話の中に出てきた?」

巧「…いや。…随分と話込んじゃったな。だけど…」

巧「これからが本当に言いたかったことだ。エリーの、もうひとつの夢のことについて」

巧「お前には知っておいて欲しい。そして…」

巧「エリーを、救ってやってくれ」

絵里「す、救う…?」

巧「エリーのもうひとつの夢、それはな…」

巧「『憧れている人の、夢のお手伝いをすること』、なんだってよ」

絵里「…はぁ?それ、ってつまり…」

絵里「私の夢の、手伝い…?ってこと?」

巧「…あぁ」

絵里「それが一体…」

絵里「…」

絵里「私の、夢…?いや、そんなの…、おかしいでしょ…?」

絵里「私は…、私はエリーにそんな話した覚え、ないのに…」


(絵里「プライベートのことはほとんど知らないし、彼女と会って話したのは営業のことくらい」)


巧「そう、だよな」

絵里「そ、それにっ…!夢って言ったって、エリーが知っている頃の私の夢は…」

絵里「『妹の夢を叶えること』よ?どうしてエリーが私の妹の夢を叶える必要が…」

巧「そう、だな。エリーはお前の妹のことなんて知らない、叶える必要なんてない」

巧「だったら…、そうじゃないんだろう。その夢じゃ、ないんだ」

絵里「その夢じゃない、ってそれじゃあっ…!」

絵里「それ、じゃ…」

絵里「…今の、夢、ってこと?」

巧「…」

絵里「ち、ちょっ…!その話をしたのっていつのこと!?」

巧「たぶん、二ヶ月くらい前だよ」

絵里「二か月前…、その頃にはもう私は希に助けられてこの事務所に…」

絵里「でもアイツ、私のこと死んだと思ってたはずなのに…」

巧「それは…、嘘だろう。きっとあいつはお前が生きている事を知ってた」

巧「そして、お前の夢も、知っていたんだろう」

絵里「私の、夢…。それ、それは…」

絵里「『街の人たちの夢を守ること。…ガイアメモリの脅威から』」

絵里「お、おかしいでしょっ!?どうしてガイアメモリを今も販売しているエリーが…」

絵里「そんな私の夢の手伝いをすることになるのよっ!?」

巧「…」

巧「落ち着いて聞いて欲しい。俺が知っている、エリーについての最後の話を」

絵里「え…?」

巧「あいつがガイアメモリを売っている、真の目的を」

巧「あいつはエンジェリックメモリっていう禁忌を犯して、あんたの夢を叶えようとしている」

巧「エンジェリックメモリの本当の力、それは…」

巧「他のメモリの力を吸収し、それを自分の力へ変換する」

巧「吸収されたメモリは二度と使い物にならなくなる」

巧「つまりあいつは…」

巧「エンジェリックメモリを使ってあらゆるガイアメモリを無効化する気なんだ」

絵里「なっ…!?」

巧「エンジェリックメモリは敵対するメモリの力を吸収し、自らの力に変える」

巧「それゆえに普通のメモリじゃ持ち得ないような強大な力をエンジェリックメモリは有している」

絵里「で、でもそれだけじゃあらゆるメモリの無効化なんて…」

巧「それだけじゃない。エンジェリックメモリはその因子を他のメモリにも潜り込ませることが出来る」

巧「他の人間がそのメモリを使用すればその力の一部を吸収することが出来る」

巧「そして、そのメモリが破壊される際に、そのメモリの持つ全ての力を一気に吸収することも可能だ」

絵里「だ、だからエリーは自らガイアメモリを売り歩いた、ってこと…?」

絵里「所持されるだけで使われないメモリではなく、力の行使に使用され、そして破壊されるためのメモリとして…」

巧「あぁ、そしてエリーはエンジェリックメモリに力を貯め続ける」

巧「そして一定量貯め終えたその時、エンジェリックメモリの最後の力が発揮される」

絵里「それが…、全てのガイアメモリの、無効化…?」

巧「あぁ…、名前は確か…」

巧「モード『デュランダル』」

巧「エンジェリックの因子を含んだメモリを中心にエンジェリックメモリの吸収能力が半径数kmの範囲に渡って発動する」

巧「この街には既に因子を含んだメモリが点在しているし、ここ数ヶ月でうちの会社から出荷されたメモリには全て因子が含まれている」

巧「エリーが能力を発動すれば、全世界に散らばったエンジェリックの因子を持つメモリがあらゆるメモリの能力を吸収し」

巧「ガイアメモリによる争いは、終わる」

絵里「そ、それが…、エリーの、本当の目的…」

巧「…」

巧「…そしてここからが、俺の本当の依頼だ」

絵里「えっ…」

巧「エンジェリックメモリの最後の力、モード『デュランダル』」

巧「この能力は確かに強力だ。だけど…」

巧「ただ一つ、重大な欠点がある」

絵里「欠点…?」

巧「…世界中からあらゆるメモリの能力を吸収するんだぜ?…その力はとてつもなく膨大だ」

巧「そんな力を、ただの人間一人が受け止め切れると思うか?」

絵里「あっ…!」

巧「モード『デュランダル』を発動すれば、使用者がどれほど強靭な肉体を持とうと」

巧「メモリの膨大な出力に耐え切れず、その身体は崩壊する」


巧「エリーは…、ガイアメモリを消すために、死ぬ気だ」


絵里「…」

絵里「…ウソ」

巧「本当だよ」

巧「あいつは…、あいつはな…」

巧「お前の夢…、いや、お前のために…っ!」

巧「お前が幸せに暮らしていける世界を作るために、一人死のうとしているんだっ!」

巧「だから…、だからっ…!」

絵里「嘘よっ!!そんな、そんなのって…」

巧「だからこれは、俺の依頼だ…っ!」

巧「おれはあいつの夢を追い続けるつもりだった…!だからこの計画を知った後も力を貸してきた!…けど」

巧「やっぱり、俺にはあいつを失うことに…、耐えられない…!」

巧「だからっ…!!頼む!あいつを…、あいつの計画を阻止してくれ…!」

巧「生きてさえいれば、他にどんな方法でだって夢は叶えられるって…、あいつに教えてやってくれよっ…!!」

巧「なぁっ!!」

絵里「…っ」

絵里「わかったわ…、絶対に私が…」

絵里「エリーを止めてみせる」



ガチャッ チリンチリーン


希「ぐっ…、うくっ…」

ことり「うっ…、よいしょっ…」


絵里「希っ!?どうしたのその怪我…!」

希「え、エリーにやられた…。あの子…、凄い強い…」

ことり「エクセレントでなら多少は防げたはずなのに…、どうして普通のMuseだったの?」

希「だからそれはインプロヴィゼーションの力を使ったせいで…」


ガチャッ


真姫「…それがどうもおかしいのよね」

凛「あっ、希ちゃん!?ぼ、ボロボロだにゃー…!」

希「凛ちゃん…、真姫ちゃんと一緒にいたんか…。おかしい、ってどういうこと?」

真姫「確かにインプロヴィゼーションの力を使えばエクセレントといえども消耗するけど…」

真姫「あそこで即時エクセレントが解除されるほどの力を消耗するとは思えない…」

凛「多少はエクセレントを維持できたはずだって真姫ちゃんは言ってるんだにゃ」

巧「…エンジェリックの吸収能力」

絵里「あっ!そ、そういうこと…!」

絵里「エリーはMuseと戦うことでMuseのメモリの力の一部を吸収したんだわ…!」

巧「モード『デュランダル』を使うためには一定以上の力を吸収して貯める必要がある、ってエリーは言っていた…」

巧「敵対するメモリが強力であればあるほど、吸収量も多くなる、と…」

絵里「ってことは、今エリーはMuseのおかげでかなりの力が貯まってる…?」

巧「『デュランダル』が発動できるようになるのはもう、時間の問題かも知れない…!」

絵里「そんなっ…!」

真姫「ち、ちょっと!さっきからなんの話をしてるの!?吸収だのデュランダルだの…」

絵里「あ、あぁ…、そうね。みんなにも言っておかないと…」

絵里「エンジェリックメモリに秘められた能力と、エリーの真の目的について…」

真姫「…なる、ほどね」

ことり「ガイアメモリの無効化、か…」

希「それだけ聞いたら、放っておいてもいい気がするけど…」

絵里「…そうすれば、エリーが死んでしまう」

絵里「それだけは絶対に阻止したいの」

巧「俺からも、頼む」

巧「あいつは刑務所に入って少し頭を冷やすべきだ。だから…」

希「うん!もちろん協力するよ!えりちの友達が困ってるんやもん!」

凛「その依頼、東條西木野☆探偵事務所が請け負ったにゃー!」

絵里「二人共…。ありがとう」

真姫「…だけど、簡単には言うけどね」

真姫「エリーを止めるってことは、あのドーパントを倒さなきゃいけないのよ?」

希「あっ、そっか…」

真姫「しかも希は負傷、動けてもエクセレントのような強力なメモリを使えば…」

ことり「エンジェリックに力を貯められて、戦ってる最中にも最後の能力『デュランダル』を発動されるかもしれない、だよね」

希「う、うちは戦えっ…、あぎゅっ…!」

凛「コラ!安静にしておかないと…」

希「う、うん…。ごめんなさい…」

絵里「そっか…。そうよね…。エンジェリックに対抗する策も必要、か…」

凛「あ、そうだ!やっぱりこういう時は調律すればいいんだよ!ね、真姫ちゃん?」

真姫「…」

真姫「…えぇ、やってみる。…でも」

真姫(また、あんじゅに阻止されるかも…。いえ、されるでしょうね…)

真姫(どうすれば…)

ことり「いやぁ、でも…。エンジェリックメモリは他のメモリの力を吸収して強くなってるんでしょ?」

ことり「だったらその力はホンモノってことだよね…。対抗策なんて本当にあるのかなぁ…」

凛「少なくともことりちゃんが破壊したメモリ8本分以上の力はあるんだよね…」

絵里「弱点がないかもしれない、ね…。そうなると本格的に詰みかしら…」

希「弱点がない、…ってことはないと思うけどなぁ」

絵里「え?」

希「うちらがエンジェリック・ドーパントと戦ってたとき、モード…、確かモード『アキレス』とかモード『ラブリュス』とか言って凄い強力な技を使ってきたことがあってんよ」

希「それ自体はうちらもたじたじな必殺技やってんけど、その能力を使ったあとになぜか攻撃を一つも食らってないはずなのに疲弊してて…」

希「そして…『二つ失ったのは痛い』とも言ってた…。あれどう言う意味やったんやろ…」

真姫「モードなにがしは一度使ったらもう二度と使えないって言ってたし、それじゃないのかしら」

希「そうかな…?あれだけ強かったら必殺技一回こっきりでも十分やと思うけど…」

絵里「そのことについて、何かエリーから聞かされてない?」

巧「えっ…、いや、俺が聞いたのはメモリの吸収能力についてだけだ。戦闘については何も…」

巧「ただエンジェリックはそれ自体強力なメモリだから、使っていくたびに体力を削られる、とは言ってたな…」

凛「やっぱり調律するしかないみたいだね」

真姫「…仕方ないわね。覚悟を決めて、やってみるしかないみたい、ね…」

今日はこんなもんだ これで設定の8割は出終えたぜ あとは戦闘だけやね
原作じゃありえないくらい全く場面変わらなかったけどまぁSSだしいいよね!
それじゃあ次回をお楽しみに ほなな

エンジェリックのモチーフがAFなのは単に能力の名前が思いつかなかっただけなので
そんな積極的に遊戯王成分取り入れていく気はないのよ
あとメモリの安価はおそらくもうすることはないと思うのでまた別のお話で頑張ってくれ
そいえば催眠スレで遊戯王はいつか建てるとか言っておきながら全く建ててないけど
架空デュエルを考えるのがかなり難しかったんので当分できないと思われます
そんなこんなで急遽この話がこのスレ最後の話になりそう 今日中に終われますように

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…」

真姫「…もう一度、音楽室に」



音楽室


真姫「エンジェリックメモリの情報…、この楽譜を読めば…」


サッ


真姫「…っ!」

あんじゅ「どうしてもこの楽譜が読みたいんだ?」

真姫「返してあんじゅっ!」

あんじゅ「返して?返して欲しいの?」

真姫「か、返してくれるの…?」

あんじゅ「ダーメ」

真姫「なぁっ…!」イラッ

あんじゅ「フフッ…、アハハハハハッ!超ウケるその顔っ!アハハハハハハッ!!!」

あんじゅ「アハハッ…、そうだなぁ…。じゃあ…」

あんじゅ「私に勝ったら、教えてあげる」\アグリネス!!/

真姫「…っ!?」


ピチュゥゥンンッ…!!


アグリネス・D「アハハハハハハッ!」

真姫「こ、ここで変身までっ…!?」

アグリネス・D「フッ…、たぁっ!!」バキィッ!!

真姫「うぐぅっ!!」


ズサァッ…


真姫「く、ふっ…」

『驚いたァ?この場所とのシンクロ率は既に真姫ちゃんを超えたの』

真姫「ど、どこっ!?どこからっ…」

アグリネス・D「後ろ。ふっ!!」バシィッ!!

真姫「ぐぅっ!!か、はっ…」

アグリネス・D「はぁっ!」ゲシィッ

真姫「ごほっ…!が、ふ、はぁっ…、はぁっ…!」

アグリネス・D「真姫ちゃん…、もうあなたは…」

アグリネス・D「私の手中よ…!」グワンッ!!

真姫「っ!ま、マズっ…!!」


グチュォォッ…!!

東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「っ…!はぁっ…!!」

凛「うおぉっ!いきなり動いたらびっくりするにゃ!?」

真姫「はぁっ…、はぁっ…!あ、危なかった…、ギリギリだったわ…」

希「どうしたん…?一体音楽室で何が…」

真姫「…あんじゅが地球の旋律と直結できるようになったの」

凛「ほよ?それってどういう…?」

真姫「音楽室を占領された、みたいなもの」

希「それは…、穏やかやないね…」

真姫「そのおかげでエンジェリックの情報を閲覧することができない…」

真姫「あんじゅは今も加速度的に進化して、ついには…」

真姫「…音楽室の中でドーパントに変身したの」

希「音楽室の中で変身っ…!?それで真姫ちゃん無事やったん!?」

真姫「えぇ、攻撃が当たる既のところでなんとか逃げ出せたわ…」

凛「それは危機一髪だったね…。あ、でも真姫ちゃんも変身して戦えば良かったのに!」

希「それは無理やよ、凛ちゃん。音楽室でMuseに変身することはできない」

凛「にゃ?どうして?」

真姫「希の精神が音楽室に入ることができないから」

真姫「Museは二人の精神を宿さないと活動できないからね」

凛「なるほど…。真姫ちゃんは希ちゃんと半分こずつの力で戦ってるから変身できないんだね…。大変だにゃ」

真姫「そういうこと。…ん?」

真姫「半分…?」


(あんじゅ「前来た時のシンクロ率は50%、半分の存在だったけど…」)


真姫「…そっか!それが可能なら…」

凛「にゃ?」

真姫「凛!やっぱりアンタは天才かもね!早速検証を…」ダッ

凛「お!?や、やっぱりぃ~?凛ってば無自覚に天才オーラ滲み出せちゃうんだよにゃ~デレデレ」

希「もう真姫ちゃんおらんよ」

東條西木野☆探偵事務所内


絵里「…」

絵里(エリー…、あなたは…)

絵里「…まさか、そんなに懐かれてるなんてね。正直予想外よ」

ことり「そうなの?結構仲いいのかと思ってたけど」

絵里「あの子とは仕事の繋がりで知りあった子だから。お酒の席でも話したのは仕事関連のことばかり」

絵里「でも、そうね…。よくよく思い返せば、あの子は私の話をいつも目を輝かせながら聞いていた記憶があるわね」

ことり「それは…、なんか子供みたいだね」

絵里「うん。…本当に、まるで子供みたく、私の仕事の話をワクワクしながら聞いていたわね」

絵里「きっと夢を持たないエリーにとっては、夢を追いかける私の姿がひたすら輝いて見えたのでしょうね」

絵里「あの頃の私は前しか見てなくて、後ろを振り返る余裕もなくて、自分の行いで誰かを傷つけてるなんて思いもしなかったけど…」

ことり「でもその底抜けにまっすぐな姿勢に、エリー・アヤサキが惹かれたんじゃない?」

絵里「…そうなのかしら。自分じゃ、わかんないものね」



絵里(…でも、私にとっても、あなたと過ごした時間はとても楽しいものだった)

絵里(あの頃の私は、一緒にお酒を飲んで、共に愚痴をこぼせる存在がとても貴重だったから)

絵里(二人で入った居酒屋じゃ、いつも姉妹に間違われたりしたわね)

絵里(元は同じ遺伝子を使っていても、クローンの製造過程でDNAの一部を多少改竄されるから、完全に外見が一致する個体はとても珍しいはずなんだけど)

絵里(私とあなたは、髪の色くらいしか変わらなくて…。それでも少し薄いか、その程度の違い)

絵里(そんな奇跡とも言えるような偶然の出会いを、私たち二人共、面白がってた)

絵里(顔の同じ、同い年のふたりが、理由は違えど同じ職業について、こうして隣でお酒を交わしている奇跡)

絵里(二人で笑い合って、二人で泣いて、二人で語り合って、二人で嘲りあって)

絵里(あの時だけは、私も夢を忘れられた。あの時だけは、隣だけを見ていた)

絵里(…エリー。あなたもまた、私のかけがえのない親友だった。だからこそ…)

絵里(あなたを、絶対に失いたくない)



ピリリリリ… ピリリリリ…


ことり「あれ、電話…。この事務所のじゃない…、じゃあ…」

絵里「…私、みたいね。誰かしら」ピッ

絵里「…もしもし」

『ハーイ、お元気?』

絵里「…」

ことり「誰から?」

絵里「…エリー」

エリー『どうしたのよ、つれない顔して』

絵里「顔は見えないでしょうに。…それより、私はこの携帯の電話番号をあなたに教えた記憶はないんだけど」

エリー『フフ、そんなの、調べたに決まっているでしょう?どれだけの人間を相手にしてきてると思っているの』

エリー『人一人の携帯番号なんて、簡単に手に入る』

絵里「…そう。転職先は情報屋をオススメするわ。まぁ、この街には優秀な情報屋が既にいるけどね」

エリー『アリガト。でも私はこの仕事を辞めるつもりはないから』

絵里「そうね。辞めるより先にあなたが人間を卒業する予定だものね」

エリー『…へぇ、もう知ってるのね。巧が言ったのかしら。誰にも言わない約束ってことで言ってあげたのに』

絵里「エリー。お願い、聞いて…」

エリー『だったら、もう私の言いたいこと、わかるでしょう?』

エリー『私と戦いなさい、絵里』

絵里「…っ」

エリー『あなたのお友達のおかげでエンジェリックには相当なパワーが溜まったわ。もう少しで全世界のガイアメモリが機能を停止する』

エリー『本当はあなたを何度かあしらうことでディコーラムやペルソナからメモリの力を頂こうと思ってたんだけど』

絵里「…そこまで調べてるのね。クラブで私を挑発したのも…」

エリー『あなたを怒らせて焚きつけるため。戦えば戦う分だけメモリの力を吸収できるからね』

エリー『でももうその必要もない。明日、あなたと戦ってねじ伏せる。そうすれば、エンジェリックメモリへのパワーは十分に充填されるの』

エリー『だから、私と戦って。絵里』

絵里「…断ったら?」

エリー『どうもしない。ただあなたたちに絶対に見つからないような場所で残った時間を過ごすだけ』

エリー『ばら蒔かれたメモリからは徐々に力を吸い上げているからね。『デュランダル』の発動は時間の問題』

絵里「じゃあどうして、私を呼ぶ必要があるのよ。その私たちに見つからない場所とやらで静かに余生を過ごせばいいじゃない」

エリー『冷たいこというのね?…別に、できるならなるべく早くガイアメモリのある世界を終わらせたいってだけ』

エリー『あとは…、最後に会う人間は、あなたがいい』

絵里「…」

エリー『あなたと最後に戦って、あなたの好きな世界に別れを告げるの。素敵でしょ?』

エリー『人知れず静かに消えていくより、好きな人に看取られたいの』

絵里「そんな90代のバァさんみたいなこと言わないで。…エリー」

絵里「考え直して。死ぬのなんて、良くないわよ」

絵里「自分だけ犠牲になって世界を救うなんて、そんなの…」

エリー『よく言うわ。絵里』

エリー『あなただって、同じじゃない』

エリー『東條希のために、自分だけ犠牲になって死のうとした愚か者』

エリー『そうでしょう?』

絵里「…っ!そんな、ことまで知ってるのね…」

エリー『えぇ。絵里のことならなんでも調べ尽くしたもの』

絵里「で、でもっ!だからこそ私は命の尊さをっ…!」

エリー『だったら』

エリー『あなたも私に教えてよ。その命の尊さってやつを』

エリー『東條希と同じように』

絵里「…っ!」

エリー『やっぱり私たち、似たもの同士ね』

エリー『死に方まで、同じ』

エリー『…明日、鈴鳴峠で12時。待ってるから』


ガチャッ ツーツー…

絵里「…」

ことり「絵里ちゃん。どうするの?」

絵里「…どうするもこうするも」

絵里「これは、あの子がくれた最後のチャンスよ」

絵里「私が、大切な親友を失わないで済むチャンス」

絵里「だったら、行くしかないでしょう」

ことり「…一人で、行くつもり?私も…」

絵里「ダメよ。二人以上で相手をすれば、それだけ多くのメモリの力を奪われる」

絵里「私一人で、相手をしないといけない」

絵里「これは、私の問題でもあるから」

ことり「…そう。だったら、私は止めない。気持ちはよくわかるから」

ことり「希ちゃんや真姫ちゃんにも、そう言っておくね」

絵里「お願い。…希なら、強引にでも着いてきそうで怖いからね」

ことり「…もう、遅くなっちゃったね。それじゃ私、地下寄ってから帰るね」

絵里「えぇ。…私は、明日に備えて寝ておくわ。おやすみ」

ことり「うん。…おやすみなさい」




翌日 朝

東條西木野☆探偵事務所地下


凛「くかー…、くかー…」


真姫「…次こそっ」

真姫「すぅっ…」



錦野家


あんじゅ「…っ」

ツバサ「真姫、ね?」

あんじゅ「うん、また音楽室に」

ツバサ「そう。…あんじゅ、あなた真姫を殺そうとしているつもりだけど」

ツバサ「真姫にはまだ役目がある。それを努努忘れないようにして。なにせ、あんじゅと真姫が揃えば…」

あんじゅ「最終ステージの扉が開くことが出来る。でしょう?ツバサちゃん」

ツバサ「…えぇ」

あんじゅ「それより私には、ツバサちゃんのほうが気になるんだけど」

あんじゅ「今日は、何か用事でも?」

ツバサ「…うん、ちょっと」

ツバサ「うるさい羽虫を、叩き潰しにね」

あんじゅ「…ふぅん。ま、いいけど」

あんじゅ「すぅっ…」

音楽室


真姫「…」


あんじゅ「また性懲りもなく入ってきて。そんなに希ちゃんのこと話し合いたいのかしら?」

あんじゅ「残念だけどもう語り尽くしちゃったからあなたと話すことはないの。さ、覚悟は出来ているかしら?」

真姫「…私を、殺すの?」

あんじゅ「そんなことはしないわ。その代わり、私と共にUTXへ来て頂戴」

真姫「UTXに…?」

あんじゅ「えぇ。戻るの、UTXに」

真姫「そ、そうすれば…、もう希には手を出さない?希のことは殺さない?」

あんじゅ「うん。あなたさえ居ればもう希ちゃんなんてどうでもいいもの」

真姫「ならせめてっ…、最後にその楽譜に書いてある、エンジェリックメモリの情報を教えて…」

あんじゅ「ふんっ。…真姫ちゃんの知りたいことはー…、この譜面に書いてあるね」パラッ…

真姫「…へぇ。…ふっ!」ダダッ

あんじゅ「あっ…!逃げた…!?」ガクフオキッ

あんじゅ「往生際の悪いっ!」\アグリネス!!/ ピチュゥゥンンッ…!!

アグリネス・D「はぁぁぁぁぁぁっ!!」パキパキパキィッ…

アグリネス・X「ハァッ!!」バシュゥッ!!

真姫「うおっ…!危なっ…!!」サッ、サッ

アグリネス・X「チョコマカチョコマカトッ…!!フンッ!!」バシュゥゥゥッ!!

真姫「ふっ…!ここっ!!」ピョンッ!!

アグリネス・X「チマヨッタ!?ワザワザソッチカラツッコンデクルナンテ!」

アグリネス・X「ツカマエ…」


スカッ


アグリネス・X「エッ…!?」

真姫「ふふ、やりぃっ!」

アグリネス・X「ナンデッ…!?ワタシハモウマキチャンニサワレルハズナノニ…!」

真姫「…逆よ」

アグリネス・X「…っ?」

真姫「私のほうがシンクロ率50%。つまり半分だけの状態でここに入ったの」

真姫「私は楽譜に触れないけど、あなたも私に触れない」

真姫「そして、調律は終了したわ」

アグリネス・X「オキッパナシノガクフヲ…!」

真姫「…じゃあね、また逢いましょう。あんじゅ」シュバァッ…

アグリネス・X「グッ…!」

12時

鈴鳴峠


エリー「ふんふんふ~ん…、ふふふ~ん…」

エリー「…あ、来た」


絵里「…」


エリー「遅いわよ、女の子を待たせるなんて酷いんだから」

絵里「…ちゃんと時間通りよ。むしろ少し早いくらいだわ」

エリー「普通30分前には着いてるものでしょ?デリカシーがないんだから」

絵里「…ごめんだけど、あなたの戯言にいつまでも付き合ってる場合じゃないの」

絵里「これが、最後の説得。…エンジェリックメモリの、モード『デュランダル』」

絵里「発動を止めて、って言って、止めてもらえは…」

エリー「…こっちこそ、絵里。あなたの戯言をこれ以上聞くつもりはないわ」

エリー「これはもう、決めたことなの。私の、夢なのよ」

エリー「あなたの望んだ世界を、私が作る。その世界に、私はいないけど」

絵里「私の望んだ世界は、あなたがいる世界よっ!」

絵里「…あなたが消えたあとの世界なんて、望んでない」

エリー「…ウソばっかりね。私のことなんて、巧に会う前まですっかり忘れてたくせに」

絵里「…っ」

エリー「でも、それでいいの。私はずっと、あなたの事を忘れてなんかいなかったから」

エリー「あなたはずっと、私の憧れ。私の、大切な人」

エリー「だからこそ、この身体を賭してでも」

エリー「あなたの理想とする世界を創り上げる」

エリー「たとえ、あなた自身が立ち塞がってもね」

エリー「さぁ始めましょう、絵里。勝っても負けても、これが私にとって、最後の戦い」\エンジェリック!!/

エリー「終止符を打つのは、あなたよ。…絢瀬、絵里っ!」ピチュゥゥンンッ…!!


エンジェリック・D「さぁっ!来なさい絵里っ!どこからでもかかってくるがいいわっ!」

エンジェリック・D「あなたの想いも何もかも、この盾で防いで、この剣で切り刻んであげるからっ!!」


絵里「…」

エンジェリック・D「どうしたの?戦わないの?」

絵里「…」

エンジェリック・D「戦わないなら、私どこか行っちゃうわよ?いいの?」

絵里「…」

絵里「…エリー、剣と盾を、捨てなさい」

エンジェリック・D「…はぁ?何を言っているの?」

エンジェリック・D「勝ち目がないから相手に手加減を乞うつもり?そんな甘い話が…」

絵里「もう一度言うわ、エリー」

絵里「剣と、盾を、捨てなさい」


絵里「もうそれらが、なんの役にも立たないことを、私は知っているわ」

やっぱり今日中には書ききれなさそう これ以上やっても切り悪そうなので今日はここまで
最近は忙しいので次回がいつになるか不明 もしかしたら一週間くらい空くかもね
それじゃあおやすみなさい ほなな

消えてないです
明日の夜には書きます 日が開いて申し訳ない

予定通り31日の翌日の夜なので始めていきますよ
流石に今回でこの話は終われるはず そのあとに次スレについての説明?などを入れます
もう忙しい時期は終わったんで更新頻度も上げられる…、はず そいじゃやってきます

真姫「エンジェリック・ドーパントはメモリの力を吸収して強くなる」

真姫「それは基本スペックについてはもちろんのこと、その他にも強化されるものがあるの」

真姫「力を吸収し、ある程度の力が付けばつくほど、エンジェリック・ドーパントは特殊能力を手にすることができる」

真姫「具体的には、4種類」

真姫「『絶対破壊』、『絶対防御』、『高速移動』、『完全治癒』」

真姫「あいつの使っていた剣と盾…、デュランダルとアイギスが、その『絶対破壊』と『絶対防御』の象徴」

真姫「ディコーラムを上回るほどのスピードが、『高速移動』ってことね」

真姫「『完全治癒』に関しては、おそらく前に私たちと戦った時には習得してなかったんでしょうね」

真姫「ラバーズの攻撃で怪我していたし。…でも、エクセレントの力を吸収した今はどうだか」

真姫「これだけ聞けば、エンジェリックに対抗する術なんて思いつかないかもしれないけど」

真姫「でも、今なら…、あいつに対抗しうるかも知れない」

真姫「…なぜなら今、エンジェリックは、『絶対破壊』と『絶対防御』を失っているから」

真姫「いえ、今、ではなく、これから永劫に、エンジェリックはその力を取り戻すことはない」

真姫「彼女が私たちに対して発動したモード『アキレス』とモード『ラブリュス』」

真姫「あれは『絶対防御』と『絶対破壊』の力を最大限に発揮させた大技。私たちで言うところの真姫シマム」

真姫「あんな技を何度も使われると厄介…、だけど、幸運なことにもうその力は使えない」

真姫「エンジェリックのモードチェンジは、発動する代わりにその能力の象徴…、すなわち」

真姫「『アキレス』なら『絶対防御』、『ラブリュス』なら『絶対破壊』を」

真姫「未来永劫失うこととなるの。…命の4分の1と共にね」

真姫「彼女がモードチェンジを使うたびに苦しんでいたのはこのせい。今の彼女は命を半分以上失っている」

真姫「ただでさえエンジェリックは使用者の体力をじわりじわりと削っていくにも関わらずね」

真姫「だから、倒すのは今しかない。倒して…、助けられるのは今しか」

真姫「もう二つ…、『高速移動』と『完全治癒』のモードチェンジを使用されれば、エリー・アヤサキはモード『デュランダル』を使用することもなく死に至る」

真姫「いえ、一つでも使用されれば、彼女の磨り減っている体力では、命を支えきれずに衰弱死しちゃうかも」

真姫「だから今、このタイミングでしか、エンジェリックメモリを破壊し、エリー・アヤサキを助けられない」


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


絵里「…圧倒的な攻撃力と防御力を失ったあなたなら、私でも勝ち目がある」

絵里「他のモードチェンジを使われる前に、あなたを倒させてもらうわ」

絵里「あなたも、『デュランダル』を使用できずに倒れるのは本望じゃないだろうし、使用したくてもできないでしょうけどね」

エンジェリック・D「…へぇ、そこまで…。そこまで、わかってるのね…」スッ

カランッ… 

絵里(…重厚な見た目の剣や盾からは考えられないほど軽い音。形はあれど、もはやオモチャほどの役も成してなかった、ってわけね)

エンジェリック・D「…わかっていて、勝つ、つもり…?」

絵里「えぇ、そのつもりよ。勝って、あなたを助ける」

絵里「まだ、失った命は半分だけ。…まだ、半分も残ってるんだから」

エンジェリック・D「大した、自信ね…。フッ…」

エンジェリック・D「だったら、やってみなさいよっ…!こんなものなくたって私は…!」

エンジェリック・D「あなたなんかに、負けはしないっ!!」

絵里「…」スチャッ

絵里「甘く、見られたものね」

絵里「…アイドルを、舐めるんじゃ…、ないわよっ…!!」\ディコーラム!!/

絵里「変身っ…!!」

\ディコーラム!!/


ディコーラム「…」

エンジェリック・D「行くわよ、絵里」

ディコーラム「…えぇ、来なさい。エリー」


「「ハァッ!!」」

ビュンッ!! シュバッ!!


ディコーラム「くっ…!」

エンジェリック・D「くぁっ…!」



絵里(…やっぱり、徒手空拳でもかなり強い)

絵里(古武術を習っていただけあって、動きも鋭い)

絵里(でもっ…!)



エリー(ぐっ…!あと少し、ってところでひらりと躱される…!)

エリー(これがフェンシングの世界、ってやつ…?紙一重で攻撃をあしらう技術…)

エリー(だけどっ…!)



「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

ガキィィンンッ!!


ディコーラム「負けるわけには、いかないっ…!!」

エンジェリック・D「諦めないっ…!」

ディコーラム「大切な友人をっ…!」

エンジェリック・D「私の望んだ世界をっ…!」

ディコーラム「失わないためにもっ!!」

エンジェリック・D「実現させるためにっ!!」

ビュンッ!!

ビシュゥゥッ!!


ディコーラム「ここっ!!」ヒュッ!!

エンジェリック・D「ぎっ…!」ズバッ…!!

エンジェリック・D「まだまだぁっ!!」ヒュォォッ!!

ディコーラム「…っ!ハイキックっ…!」

ディコーラム「ぐあぁっ!」

バキィッ!! ズサァッ…!!


ディコーラム「くふっ…!」

エンジェリック・D「ハァッ…!ハァッ…!」シュォォォ…

エンジェリック・D「フフッ…、その程度?」


ディコーラム「ぐっ…」


絵里(やっぱり、与えた傷がすぐに再生している…。『完全治癒』も習得している、ってことね…)

絵里(どうにかして、勝つ方法を考えないと…。チマチマやってたら先に倒れるのはこっち…)

絵里(今は、考える時間と息を整える時間を…)


ディコーラム「…はぁっ、はぁっ…」

ディコーラム「どう、して…」

ディコーラム「どうして分かってくれないの…?私は、あなたを失いたくないっていうのに…」

エンジェリック・D「…まだ、そんな事を言うつもり?意外と物分りが悪いのね、あなた」

ディコーラム「だって…!」

エンジェリック・D「今のあなたは、昔仲の良かった知人が死にそうだから、一時の感情だけで否定しているだけ」

エンジェリック・D「私はね、そんな考えでこの計画を立ち上げたつもりはない」

エンジェリック・D「もちろん、諦めるつもりもないわ」

エンジェリック・D「もしかしてあなたは、私が死ぬのは怖くない、感情を忘れた人間のように思ってるかもしれないけど」

エンジェリック・D「冗談じゃないわ」

エンジェリック・D「…死ぬのは、怖い。私だって、死にたくないわよ」

ディコーラム「だったらどうして…っ!」

エンジェリック・D「どうして?…そんなの、あなたのために決まってるじゃない」

エンジェリック・D「あなたが安らかに暮らせる世界を創りたいから。ただそれだけのこと」

ディコーラム「…っ」

エンジェリック・D「…理解、できないでしょうね、あなたには。希ちゃんと、真姫ちゃん、凛ちゃんに、ことりちゃん、だったかしら?」

エンジェリック・D「大切な友達がたくさんいる。その人たち一人一人に、思うところもたくさんあるんでしょうね」

エンジェリック・D「だけど私には、あなたしかいなかった」

エンジェリック・D「片時もあなたのことを忘れたことなんてない。あなたと出会い、あなたに憧れてから」

エンジェリック・D「私の人生はあなた一色で埋め尽くされているの」

エンジェリック・D「私は、あなたのことしか考えられない。あなたのことを考えて、将来的にあなたが最も幸せになれる方法を考えて」

エンジェリック・D「結論づけたのが、この方法だった」

エンジェリック・D「死ぬのは怖い。…でも、あなたのためなら、それでもいい」

エンジェリック・D「今のあなたは私を否定するでしょう。それは、誰だって当たり前の感情だから」

エンジェリック・D「私はそんなものに流されない」

エンジェリック・D「私の命で、あなたが幸せになる」

エンジェリック・D「それが私の、夢なのよ」

エンジェリック・D「かつてあなたがセールストップにまで上り詰め、そして、私をもその地位に並ぶまで成長させた、力の源」

エンジェリック・D「それを、そう簡単に覆せるなんて、思わないで」

ディコーラム「…」


絵里(エリーの、夢…)

絵里(それを覆す、か…)


ディコーラム「そうね…。そう簡単には、覆らないでしょうね」

ディコーラム「でも、私は覆ったのよ。私を縛り付けていた、私の夢から」

ディコーラム「妹はとても大切な存在だったけど、その夢を追うばかりに私は盲目になっていた」

ディコーラム「夢は人を成長させる強い力も持っているわ、確かに」

ディコーラム「けれど、思いが強すぎるあまりに、間違った道へと進ませる場合だってあるのよ」

ディコーラム「エリー。私は、あなたが間違っていると思う」

エンジェリック・D「間違っている?どこが?」

エンジェリック・D「私の行っている行為は、世界中から一部の武力を抹消させる行為なのよ?」

エンジェリック・D「少なからず、争いが消える。それのどこが悪い行為だって言うのよ」

ディコーラム「それ自体が悪い行為だとは思わないわ」

ディコーラム「だけど、それに命を賭けるのは、間違っている」

ディコーラム「…たとえ、ガイアメモリがなくなったとしても、人々はまた新しい武力を求めるわ」

ディコーラム「どれだけの兵器を壊そうと、それを作り出し、悪用する人間が居れば争いは消えない」

ディコーラム「争いを消すには、人間の争う心を消す。…そのくらいのことがないと無理なのよ」

ディコーラム「だから、エリー。あなたのやってることは、仮初めの平和を作り出す行為なだけよ」

ディコーラム「ほんの一瞬、街が、世界が、平和になるだけ。…そんなことのために、命を賭けるのはやめて」

ディコーラム「お願い、エリー」

エンジェリック・D「…いいの。いいのよ、ほんの一瞬でも」

エンジェリック・D「私は、あなたがあなたの夢を叶える時間が作れれば、それでいい」

エンジェリック・D「あなたのために、私はこの身体を捧げたいのよ!」

ディコーラム「なら死ぬなんてやめて…」

エンジェリック・D「私が生きていてもあなたの夢は叶わないっ!」

エンジェリック・D「ほんの一瞬嬉しくて、そしてまた当たり前のように、争いの日々に戻っていくだけ」

エンジェリック・D「それじゃあ、私の夢が叶ったことにはならないの」

エンジェリック・D「あなたの夢が叶えられなければ、私は満たされない」

ディコーラム「…どこまで行っても、平行線、みたいね」

エンジェリック・D「えぇ、そうよ。最初からわかりきっていること」

エンジェリック・D「いわばこれば、夢のぶつかり合い」

エンジェリック・D「あなたのその感情論で、私の夢を覆せるか、その戦いよ」

エンジェリック・D「さぁ、続けましょう。もう息は整ったでしょう?」

ディコーラム「…」

エンジェリック・D「あなたを倒して、私は『デュランダル』発動のための最後の力を得る」

エンジェリック・D「それで、私の夢は、叶うのよ」

ディコーラム「…だったら、それを私が阻止するわ」

ディコーラム「私のワガママのために、その夢、諦めてもらうわよ。…エリー」

ビュォォォンッ!!

シュバッ!!


ディコーラム「くっ…!」

エンジェリック・D「せいっ!せいせいせいっ!!」シュバババッ!!

ディコーラム「このっ…!これでっ!」ビュンッ!!

エンジェリック・D「フンッ!」ズシュゥッ!!

ディコーラム「んなっ…!」

絵里(Dフェンサーの攻撃を左手でモロに受けた…!?)

エンジェリック・D「ハァッ!!」ブォンンッ!!


バゴォォォッ!!


ディコーラム「ご、ぉぉっっ…!!?」

ズサァァッ!!


ディコーラム「か、はぁっ…!ごほっ、ごほっ!!」

エンジェリック・D「鳩尾を掌底で突かせてもらったわ。しばらくはまともに呼吸もできないでしょう」

エンジェリック・D「そして戦いを長引かせれば長引かせるほど、あなたのメモリから効率的に力を吸い取ることができる」

エンジェリック・D「こっちはどれだけ貰っても…」シュォォォ…

エンジェリック・D「…倒れることはないし、ね」

ディコーラム「くひぃーっ…、くひぃーっ…」


絵里(い、息が…、苦し…)

絵里(…あっちにとっても、私の時間稼ぎはメモリの力を吸い取るために有効だった)

絵里(まんまと利用されてた、ってわけね…。それを見越して、私の体力を削るような戦い方を…)

絵里(でも彼女も、エンジェリックのせいで体力が長く続くことはないはず…。いくら怪我が治っても体力自体は回復してないでしょうし)

絵里(…だからこそ、私の呼吸を乱し、戦いを中断させる事で同時に彼女の体力も回復させている、ってこと、かしら…)

絵里(どちらにしろ、戦いを長引かせれば長引かせるほど、こちらが不利…)

絵里(だったら、一撃で決めるしかない…。真姫シマムで…)

絵里(でも、あれほどの反射神経を持つ彼女に、大振りの必殺技がまともに当たるとは思えない…)

絵里(…よし、なら…、さっきの時間で考えたあの方法…。あれを試してみましょう)

絵里(こいつが失敗したら…、そこそこに詰みね)


ディコーラム「はぁっ…、はぁっ…!」

ディコーラム「ん、ぐっ…!ふっ!」ビュンッ!!

エンジェリック・D「無駄っ!」ガキィンンッ!!

ディコーラム「くっ…!ならこれでっ!」


ヒュヒュヒュヒュンッ!! シュバァァァァァァッ…


エンジェリック・D「…?高速で私の周りを飛び回って…、これは…。ケホッケホッ!」

エンジェリック・D「砂、煙…?風圧で地面の砂を巻き上げて、視界を制限したつもり、かしら…?」

エンジェリック・D「その程度で目くらましできると思ってるなら…!」

エンジェリック・D「スラートキー…!」

絵里(かなりの砂煙が舞った…。これで視界はだいぶ制限されているわ)

絵里(チャンスは一回限り。これを外せば…)

絵里(…いえ、そんなことを考えるのは止しましょう)

絵里(絶対に、当てるっ…!!)



エンジェリック・D「…」

ヒュォォォォ…

エリー(…正直何も見えないけど)

エリー(私が視界だけであなたを捕捉していると思ったら大間違いよ、絵里)

エリー(フェンシングは動体視力で敵の攻撃を避けるのでしょうけど、武術は違う)

エリー(相手の気配、風の動き、匂い、音…。五感全てをフルに活用して相手の位置を探る)

エリー(ジリジリと忍び寄るようにこちらへ近づいているみたいだけど、無駄…)

エリー(後ろにいることは、わかってるわ)

エリー(そして攻撃態勢に入った…。高速で突進して一撃で仕留めるつもりでしょう)

エンジェリック・D「…でも」


ヒュンッ!!


「ハァッ!!」


エンジェリック・D「そこっ!!」ビュンッ!!

ズシュゥゥッ!!


「ゴ、ハァッ…!」

エンジェリック・D「バレバレよ、絵里…」

エンジェリック・D「…っ!?こ、これは…」

1「グフッ…、ヒデェ…」

エリー(…ペルソナメモリを利用した分身…!ってことは本体は…!)



ヒュゥゥゥゥウッッ…!!


エンジェリック・D「…っ!」



ディコーラム「とっくの前に上空よっ!!」

ディコーラム「喰らいなさい!!」\ディコーラム!!真姫シマムドライブ!!/

ディコーラム「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」



エンジェリック・D「し、しまっ…!」

ディコーラム「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


エンジェリック・D「し、しまっ…!」

エンジェリック・D「…った、なんていうと思った?」


ディコーラム「…っ!?」


エンジェリック・D「ふっ!!」ブンッ!!

1「グエェッ…!」


ディコーラム「なっ…!ペルソナの分身をこちらに投げたっ…!?視界が…!」

ディコーラム「くっ!どきなさいっ!」バシィッ!!

1「グフッ…」


エンジェリック・D「一瞬でも視界が防げるなら上々…!それの排除に時間をかけるならさらに上々!」

エンジェリック・D「避ける隙なんて充分生み出せるっ!」ヒュンッ


ディコーラム「ぐっ…!クソォッ…!」ヒュンッ!! スカッ


エンジェリック・D「あははは!どこに向かって剣を振るっているのかしら?」

エンジェリック・D「どうやら最後の策も失敗に終わったようね、絵里。真姫シマムをもう一度放つ体力もないでしょう?」

エンジェリック・D「失意のところ申し訳ないけど…、もう一発、大きいのをぶち込んでやるわっ!」ビュンッ!!


ディコーラム「…」

ディコーラム「…なんてね」


エンジェリック・D「えっ…?」


ディコーラム「ドゥヴァ!トゥリー!」


ゴボゴボッ… ボコォッ!!


2「ヨッシャァッ!!」ガシィッ!!

3「ツカマエタゼッ!!」ガシィッッ!!

エンジェリック・D「なっ…!?地面からもう2体の分身がっ…!?」

ディコーラム「…あなたがアジンの第一撃、私の第二撃を躱すのは予想していたわ」

ディコーラム「あなたは戦闘経験が豊富みたいだからね。地上での戦いも、空中からの襲撃も慣れているでしょう?」

ディコーラム「でも、地中からの奇襲は、どうかしら?」

ディコーラム「嫌でも意識を空中に向けざるを得ない状況で、自分の足元から敵が迫ってきていることに、気づけるかしら?」

エンジェリック・D「ぐっ…!このっ!放しなさいっ!!」

2「コトワルッ!」 3「ヤダヨー!」

ディコーラム「腐っても悪魔の力を持ったペルソナメモリの分身よ。力はあなた以上にあるわ」

ディコーラム「…それと、私の真姫シマムはまだ発動していない。嵐の力は、今もこの剣に宿っているのよ」

エンジェリック・D「んなぁっ…!?」

ディコーラム「私の真姫シマムは斬りじゃなくて突き。…あなたなら知っていたはずでしょう?」

ディコーラム「注意が、足りなかったわね」

エンジェリック・D「ぐぅっ…!く、放してっ!!はなしなさいぃぃぃぃぃっ!!!」

思いのほか時間がかかってしまったのでやっぱり今日中には終われないです
というわけでまた次回 いつになったら終われるのかな ほなな

レッツ再開

ディコーラム「これで、本当の本当に、おわり」

ディコーラム「喰らいなさいっ…、ディコーラム…」

ディコーラム「テンペ…」


ゾクゥッ


ディコーラム「…ッ!?」

絵里(何…!?この感じ…)

絵里(体中から汗が…、全身に鳥肌が立って…)

絵里(これは、エリーが…?)


エンジェリック・D「ぐぅっ…!?」

エンジェリック・D「なによ、これ…!?」


絵里(違う…。じゃあこれ…)

絵里(…!何か、来るっ…!?)



ズジュルルルルル…



ディコーラム「こ、これはっ…!あなた、は…」




ユーフォリア・D「あはっ…、お久しぶりね。絢瀬絵里」


ディコーラム「ユーフォリア・ドーパント…。綺羅、ツバサ…!」

ユーフォリア・D「覚えていてくれたのね。嬉しいわ」

ディコーラム「…忘れるものですか。こんな…、胸をえぐるような怖気…」

ディコーラム「あなたとは…、友達になっておきたかったのだけれどね…」

ユーフォリア・D「私に殺されないために?お生憎様だけど、私は友達だって、家族だって、容赦なく殺すような人間よ」

ユーフォリア・D「…まぁ、家族はいないんだけれど」

ディコーラム「…何の、用?まさか、裏切り者の私を始末しに…」

ユーフォリア・D「いえ、それもいいけど…」

ユーフォリア・D「今はUTXの計画を邪魔しようとする者の排除を優先しないと」

ディコーラム「…っ!まさか…」


ユーフォリア・D「エリー・アヤサキ」

ユーフォリア・D「あなたのやろうとしている行動は我がUTXにとって実に不利益」

ユーフォリア・D「よって」

ユーフォリア・D「この私自ら、あなたを消すわ」

エンジェリック・D「私を、消す…?」

エンジェリック・D「誰だか知らないけど、そう簡単にやられるとは思わないことね」

エンジェリック・D「見るからに強そうなメモリ…。少しの間動き回って力を吸収させてもらうわね!」ビュンッ!!

ヒュンッ!!

エンジェリック・D「捕まえられるものなら、捕まえてみなさいっ!!」



ディコーラム「やめてっ!そいつの周りをウロチョロする前に早く逃げなさい!」

ディコーラム「そいつには…っ!」


キュォォォォォ…ンッ


ディコーラム「く、くぁぁっ…!」ピチュゥゥンンッ…

絵里「う、あ、あぁ…!」



エンジェリック・D「ふっ!」ビュンッ!!

エンジェリック・D「う、うぐっ…!?か、はぁっ…!」ピチュゥゥンンッ…

エリー「は、あ…?なん、で…」

エリー「から、ら…、うご、かな…ひ…」



ユーフォリア・D「私の前では、どんな行動も無意味」

ユーフォリア・D「対象の幸福感を増大させ、運動神経系を麻痺させる」

ユーフォリア・D「さらに、思考すらも幸福に侵蝕され、何も考えられなくなる」

ユーフォリア・D「これが私、ユーフォリア・ドーパントの力」

ユーフォリア・D「やるとか、捕まえるとか、そういう次元の力じゃないのよ、私は」


絵里「エリー…っ!」

ユーフォリア・D「…絵里。あなたは昔のよしみで、まだ力を弱めてあげてる」

ユーフォリア・D「ユーフォリアの力による脳内麻薬の過剰分泌で、廃人になることはないわ」

ユーフォリア・D「だから、よく見ていなさい。UTXに歯向かう者の末路を」

ユーフォリア・D「幸福に包まれて、死にゆく者の姿を、その目に焼き付けなさい」



エリー「あ…、あぅ…?」

エリー(きもち、ひ…。これ、は…、なに…?)

エリー(なにも…、かんがえ、れない…。どっか、とんじゃってる…)

エリー(ぽーっとして…、あったかくて…)

エリー(とっても…、しあわせぇ…)



ユーフォリア・D「さよなら、愚かな夢見人よ」

ユーフォリア・D「生まれ変われるなら、今度は人並みの夢を志すことね」コォォォォォ…

ユーフォリア・D「…ハァァッ!!!」バシュゥゥゥッ!!


絵里「エ、リー…!」

絵里「エリィィィィィィィィィィィッ!!!!!!!」

ダッ


ドガァァァァァァンッ!!


ビチャビチャッ


エリー「えっ…?」

エリー(あたたかい、あたたかいものが…)

エリー(わたしの、かおに…?)


絵里「はぁっ…、はぁっ…!!」


ユーフォリア・D「…あら、これはすごいわね」

ユーフォリア・D「あちら側が、丸見えよ。絵里」

ユーフォリア・D「そんな状態でも立ってられるのは、さすがといったところかしら」



絵里「ご、ふぁっ…!」

エリー「絵里…?」

絵里「え、りー…。へい、き…?」

エリー「なに、が…?なにが、平気、なの…?」

エリー「どうして、私の前に、立っているの…?」

エリー「どうして…」

エリー「どうして絵里のお腹に、そんな大きな穴が、空いているの…?」

絵里「ぐぶ、ふぅっ…、ふ、ふふ、これは、ね…。と、時計を入れるための…ごふぁぁっ!!」

絵里「なんて…、冗談も言って、られない、か…、ぐぶぅっ…!」


ビチャビチャッ


エリー(絵里の口から出てくる液体が、私の顔にかかる)

エリー(赤くて、あたたかい液体)

エリー(絵里が口を開くたびに溢れ出る、止まらない、止まらない)

エリー(絵里の命が、失われていく)


絵里「…エ、リー…。聞いて…うぶっ…、聞いて、欲しいの」

エリー「うん、うん…」

絵里「今すぐ、ここから、逃げ、て…」

絵里「誰にも見つからない、場所に…。それでもダメなら、希たちを、頼って…」

絵里「そして、生きるの…」

絵里「生きてさえいれば、夢も変わるかも、しれないし…。変わらなくても、いいけど…」

絵里「…とにかく、生きて、生きて…、そして、生きるの…」

絵里「それが…、今あなたに、して欲しい、こと…」

絵里「私の、最期の…、お願い…」

絵里「聞いて、くれるわよ、ね…?」

エリー「絵里…?」

絵里「エリー…。あなたは…、自分には私しか、いない、って、いったわよ、ね…?」

絵里「だけど…、あなたを慕ってくれている人は、確かに、いる…」

絵里「乾君が、そう…。彼は、あなたが私に憧れるように…、あなたに憧れている、んだから…」

絵里「死んだら、彼が、悲しむ、でしょう…?」

絵里「いい、男なん、だか、らっ…、泣かせたら、ダメ、なんだから…ね…」

絵里「あな、たは…、一人、なんかじゃ…、ない…か、ら…。だ…か、らっ…」

絵里「あ、ぅ…」


バタッ


エリー「…絵里?」

エリー「絵里…、絵里っ…!」

エリー「起きて…、起きてよ絵里ぃっ!!」

エリー「まだ…、まだ勝負はついてないでしょっ!!絵里っ!!」

エリー「なんでっ…!なんで私なんか庇ったのよ!これから、死のうとする人間なんかっ…!」

エリー「私はっ…!私はあなたが幸せに暮らして欲しかったからっ…!!それなのに…っ!」

エリー「うぅっ…!!うっ…、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」



ユーフォリア・D「…あなたを殺す気はなかったのだけどね、絵里」

ユーフォリア・D「あなたが死んだところで、エリー・アヤサキの死は変わらない」

ユーフォリア・D「どこへ逃げようと、追い続ける」

ユーフォリア・D「次はもう誰もかばってくれないわよ?」



エリー「絵里ぃっ!!絵里っ!!絵里ぃぃぃぃっ!!!」


『…もう、泣き虫なんだから』


エリー「っ…?この声…」


『やっぱり、私がいないとなにもできない、ノロマのままね。あの頃から、なにも変わってない』

『だけど、そんなところも好きだった。転んだあなたの手を、私が引っ張ってあげるのが』

『暇なときはいつもあなたが隣にいて、共に笑い合って』

『そんな関係でいられた日々は、とても尊いものだった。…でも』

『正直言うとね、あなたの言ったとおり、乾君に会うまで私、あなたのこと忘れてた』

『それは、過去より、それ以上に、今が幸せだったから』

『だから、あなたも私を忘れて、幸せになって』

『私が妹に縛られていたように、あなたも私に縛られ続ける必要なんてない』

『あなたは、あなただけの夢を目指して、幸せになってちょうだい』

『これが、私の最期のワガママ』

『さ、立ち上がって。今すぐ、その場を離れて』

『私のことなんて、置いていきなさい』

『さよなら、エリー』


エリー「…絵里。絵里の、声…」

ユーフォリア・D「絵里の声…?」

ユーフォリア・D「…最後に幻聴でも聞いたのかしら?」



エリー「私は、私の夢を…」

エリー「…」

エリー「ありがとう、絵里」

エリー「あなたのおかげで、私は気づけた」

エリー「…私は」

エリー「やっぱり私は、あなた以外のこと、考えられないってこと」

エリー「あなたと違って、最後まで不器用な人間だってこと」

エリー「最期のワガママだったら、聞いてくれると思った?」

エリー「ゴメンね、絵里。私、あなたのお願い事、全部無視しちゃう」

エリー「そう、これはあなたの言ったことよ」

エリー「私は私の夢を…」\エンジェリック!!/

エリー「…貫き通すっ!!」ピチュゥゥンンッ…!!


ユーフォリア・D「…へぇ、まだ立ち向かう?」

ユーフォリア・D「無駄だってこと、わかってないのかな?」キュォォォォォ…ンッ


エンジェリック・D「う、うぅぅっ…!」

エリー(あたまが、くらくらする…。めのまえが、まっしろになる…)

エリー(でも、でもわたしは…)

エリー(あなたのためだけにっ…!!)

エンジェリック・D「…うあぁぁあああぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


エンジェリック・D「…モードッ!!」

エンジェリック「『フェイルノート』、発動っ!!!」

チュォォンッ…


ユーフォリア・D「…っ?消え…」


ズバァァンンッ!!


ユーフォリア・D「ぐぅっ…!?う、ぐあぁっ!!」


ヒュォォンンッ!! ズバァンッ!!


ユーフォリア・D「こ、これはっ…!?ぐあぁっ!!」



エリー(モード『フェイルノート』は、『高速移動』を犠牲に発動する必殺技)

エリー(音速で相手に突撃する。私が気絶しようとも、どんな状態であろうとも)

エリー(ただ、ただただ突き進む。今の私の意思のように…っ!!)

エンジェリック・D「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


ビュォォォンッ!!


ユーフォリア・D「こんなっ…!クッ…!!」ズジュルルル…

ユーフォリア・D「…私にこれほどのダメージを与えたのは、あなたが初めてよ…」

ユーフォリア・D「でも、もう遅い…。それだけの命を失えば、あなたはもう…」ジュブブッ…


ヒュォォォッ…


エンジェリック・D「対象不在っ…、モード、強制解除…」

エンジェリック・D「逃げられた…!仕留め、損なった…」

エンジェリック・D「…う、ぐぅっ…!!ぐ、が…!」

エンジェリック・D「私の命も…、もう、尽きかけている…。だから、その、前に…」スタスタ…


絵里「…」

エンジェリック・D「…絵里」

エンジェリック・D「身を呈してまで、こんな私を救ってくれた絵里」

エンジェリック・D「私が、死なせはしないわ。絶対に」

エンジェリック・D「ひとりぼっちの私に、こんな能力、使う機会なんてない、って思ってたけど」

エンジェリック・D「きっと、これがあるのはこの時のため」

エンジェリック・D「エンジェリック、最後のモード」

エンジェリック・D「モード…、『カドケウス』」


フォワァァァ…


エンジェリック・D「この能力は、『完全治癒』を犠牲にして発動する」

エンジェリック・D「効果は、対象を生き返らせる。それが死んでいたとしても」

エンジェリック・D「天使のような、なんて名前が付いているクセに、神に背くような、大それた能力よね」

エンジェリック・D「…これで、『デュランダル』以外の、4つのモードを使い切った」

エンジェリック・D「わたしは…、命を失って、死ぬ」

エンジェリック・D「でもね、私はそれでいいの。…あなたのために、この命を捧げられたから」

エンジェリック・D「なんて言うとね、おかしいって思われるかもね。実際、おかしいのかもしれない」

エンジェリック・D「だけど、私には…、あなたと笑い合って、語り合って、肩を抱き合っていたあの頃以上に幸せな日々なんて」

エンジェリック・D「考えられない。…考えたくないの」

エンジェリック・D「あなたとの思い出が廃れていくなんて、私には耐えられない」

エンジェリック・D「大好きだったはずなのに、最後まで意見が合わなかったわね、私たち」

エンジェリック・D「…大切な人に、死んでもらいたくない、って気持ちは、同じなのかもしれないけど」

エンジェリック・D「…」ピチュゥゥンンッ…

エリー「…絵里。このメモリはここに置いていく。心配しないで、『カドケウス』は発動すれば、対象の蘇生まで解除されることはないから」

エリー「このメモリにはこれまで吸収してきた多くのメモリの力と、私の思いが詰まってる」

エリー「きっとこのメモリが使えるのは一回こっきり、だから、その時が来るまで、握り締めていて」

エリー「そうすることで、私はまた」

エリー「あの頃のように、あなたの、隣に…」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



絵里「…う、んっ…」

絵里「こ、ここは…?」

絵里「…エリーと戦っていた場所、そう、それで、ツバサがやってきて…」

絵里「…っは!ツバサはっ!?ユーフォリア・ドーパントは…」

絵里「あれ…、そういえば、私は…、エリーをかばって…、お腹に穴が…」

絵里「…ない?」

絵里「じゃあ、エリーは?エリーは助かっ…、あ…」

絵里「…これ、は」

絵里「エンジェリック、メモリ…」

絵里「エリーの姿は…、ない」

絵里「…そう、そういうこと、なのね」

絵里「あなたは最後まで、私のために生きていてくれた、のね」

絵里「…バカ、なんだから」

絵里「…」

絵里「ありがとう…」

絵里「私のこと、好きでいてくれて」

絵里「いつまでも私のこと、慕っていてくれて」

絵里「私が弱いせいで、また大切な人を失ってしまったけれど」

絵里「あなたの遺した想いは、私が受け継ぐ」

絵里「私は、私が安心して暮らしていける世界を、私の手で創り上げる」

絵里「だからそれまで、力を貸して」

絵里「…エリー」ギュッ

絵里「あなたの、隣に」

東條西木野☆探偵事務所内


巧「…そっか」

絵里「エリーを救うことは、できなかった。ごめんなさい」

絵里「…なんて言っていいかわからないけど、それしか言えない。依頼料は結構だから…」

巧「いや、ありがとう。依頼料はきっちり支払うよ」

絵里「でもっ…」

巧「…あいつはあいつのやり方で、夢を叶えられたんだと思う」

巧「もう会えないのは寂しいけど、あいつとの思い出は今でもこの胸に刻まれてるから」

巧「だから…、これでいいんだ」

絵里「…そう。乾君がそう言うなら…。あ、そうだ。今度あなたの会社に久しぶりに行ってみるのは…」

巧「会社に?」

絵里「うん。…エリーの遺品を、片付けてあげたいし」

巧「あぁ、そうだな。…だけど、もう俺の会社じゃ、ないぜ」

絵里「え?」

巧「会社、辞めるんだ。そんで、旅に出る」

絵里「や、辞めるっ?どうして…」

巧「もう一回夢、探してみようと思って。あいつがいなくなった今、自分だけの夢をさ」

絵里「へぇ…、うん、いいんじゃないかしら。乾君の夢…、見つかるといいわね」

絵里「…じゃあ、旅に出る乾君に、アドバイス」

巧「ん?」

絵里「夢っていうのは、とっても漠然としていて掴みどころのないもの、だけど」

絵里「あるとき、これだ、って思うものが見つかるかもしれない」

絵里「それは時々、とっても熱くなって、とっても切なくなって」

絵里「それでも叶えたい、って思うもの」

絵里「きっと、乾君にも、見つかるはずよ」

乾「…ありがとう。覚えておくよ、その言葉」


ガチャッ チリンチリーン


絵里「…」

希「えりち」

絵里「…希」

希「コーヒー、淹れたよ。下で飲も」

絵里「…うん。今、行く」

絵里(…エリー)

絵里(あなたのことを、忘れることができる日が来るまで)

絵里(ずっと隣で、支えていて、ちょうだいね)


『…ハラショー』



第33話「Aの隣に / それぞれの夢」

おわり

マキ「私の出番がなかった第33話だったわね」

英玲奈「いきなりそういうこというのはどうかと思うが…、悲劇のヒロインが板に付いてきたな、絵里」

絵里「だ、誰がっ…」

ツバサ「っていうかなんでいるのよ…」

あんじゅ「絵里ちゃん回かつ元UTX幹部ってことで特別にね」

マキ「物語が二転三転しリアルの用事で更新が遅くなった挙句、話も冗長になっちゃったけどどうなのかしらね」

絵里「うまいセリフが思いつかないのよ…。仕方ないでしょ」

あんじゅ「今回は私と真姫ちゃんの下り以外は完全にオリジナルだったからね。考えるのに時間がかかっちゃったみたい」

ツバサ「更新にも時間がかかってえらく間延びしちゃったけど、次回からは当分は大丈夫なはず!…もうオリジナルはないと思うし!」

英玲奈「で、その次回なのだが…」

マキ「本来ならばこのスレでソリチュードの話、原作ならオールド回をやる予定だったんだけど…」

あんじゅ「見ての通り残りレス数じゃ無理。だから次スレに持ちこしね」

絵里「で、普通ならそのままソリチュード回をやるんだけど…」

マキ「キリがいいので次スレはAtoZから始めることにするわ!本来はオールド回をしないとAtoZは辻褄が合わないんだけど…」

ツバサ「予定ではシュラウド云々の話は関わってこないと思うから、先にこっちからやっちゃっても問題ない、って結論づけたのね」

英玲奈「そういうことらしい。もちろんまだ一切書いてないから本当に問題ないかは分からないが」

あんじゅ「そんなわけだからこのスレではもうお話は書かないの!残ったレスは好きに使ってね!」

マキ「…っと、その前に、AtoZの予告を少ししておかないとね。でも私たちが予告するのもアレなんで一旦あっちの方にお返しするわ」

ツバサ「色々と先に言っておいたほうがいいこともあるしね。じゃあ、締めましょうか」

英玲奈「次スレもお楽しみにな」

絵里「これで決まりよっ!」

真姫「そんなわけで戻ってきたわ」

凛「33話は凛たちの出番も少なかったにゃー。ほぼほぼ絵里ちゃんばっか!」

ことり「仕方ないよ。もうこれ以降は絵里ちゃんほとんど出なくなるんだし」

希「えりちの知らんところでえらい会話がなされてる…」

真姫「ほとんどでなくなるかはさておき、早速AtoZの予告、というか注意事項を先に話しておきましょう」

ことり「それなんだけど…、どういうことを話すの?」

真姫「そうね。まず第一に…、いや、もうほぼこれだけなのだけれど」

真姫「敵キャラについての説明をね」

希「敵…、そういえばもはやμ'sのみんなは出ちゃったし、A-RISEも本編の敵…」

凛「それにAtoZの敵、って言ったら6人もいるにゃ!ヒフミ先輩たちを入れてもあと3人は必要だよ!」

ことり「え、じゃあママライブ?」

真姫「そんな統一感のない敵なんて燃えないでしょうが」

凛「じゃあどうするにゃー!もうμ'sの敵っぽい6人なんて思いつかないよー!」

真姫「簡単なことよ。μ's…、いえ、ラブライブ!の敵、として参戦させるならこれほどの適役はいない…!」

希「ま、まさか…!」

ことり「そ、そんな…!」

真姫「AtoZの敵役、それを抜擢するにあたって…」



真姫「THE IDOLM@STERともクロスすることになったわ!いぇいっ!」



凛「なん…、だと…?」

真姫「プロデューサーさん、アイマスですよ、アイマスっ!」

希「やあらへんよ!ま、マジ…?」

真姫「そうよ、マジよ。同じアイドルを扱った作品としての共通項もあるしね」

ことり「WUGとかは…?」

真姫「そっちは知らないんでパス」

3人「…」

真姫「…まぁ人によっては嫌な人もいるかもしれないけど。いわば倒されるための役だし」

真姫「だけどそういったファンの方を対立させる目的でアイマスを使うわけじゃないから、その辺の了承をね」

ことり「あと、ラブライブ!しか知らない!って人もいるだろうし…」

凛「そんなこと言ってりゃこのSSに関してはもういろんな知識無いとイミフな状態だよ」

希「今のうちにどんな見た目のキャラがいるか、くらいは調べておいてくれると多少は楽しめるかもね」

真姫「ま、いつもどおり原作の設定はほとんど無視してWよりになると思うから、アイマスをそれほど知らなくても問題はないと思うわ」

真姫「あと、シンデレラガールズやミリオンライブのキャラを使う気はないから、それらを知らない人は安心していいわ」

凛「だれがどんなメモリを使うか、知ってる人はそれを想像して待っててね!」

希「あれ…、でもMuseのメモリの総数って…」

ことり「何人出てくるのかな…」

真姫「そういったところもお楽しみに。注意事項はこれくらいよ」

凛「バイバイにゃー」

「ここ音都に侵入した凶悪なグループが、輸送機を襲撃」

「その際、AからZまで、26個が街にばらまかれた」



Muse史上、最大の事件、勃発!



希「T2ガイアメモリ…?」



次世代ガイアメモリの恐るべきパワーが、音都を襲う!



ことり「地獄から迷いでたのっ…!?」



「私は、仮面アイドルよ」

\エンプレス!!/



希・真姫「「変身っ!」」



絵里「私たちのメモリが…、機能を、無力化されている…!?」



「地獄を楽しみなさい」



最強アイドルの出現に、音都壊滅の危機!



真姫「あなたに何が分かるのっ!?」

希「真姫、ちゃ…」



それぞれの宿命を胸に、いよいよ、最終決戦が始まる!



??「借りを返しに来たわよ。…少し、早いけれどね」


希「…死なんといてね」


凛「負けないで…、仮面アイドル…」


穂乃果「よし!歌おう!」 凛「ハァッ!?」



エンプレス「終わりよ、過去の仮面アイドル…」




仮面アイドルMuse FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ 




真姫「…というわけで予告っぽいものもやってみたわ」

希「本当にこんな感じになるかは神のみぞ知るやで」

うい 新スレ立てました 是非とも見に来てね 書いてる最中でもレス大歓迎やで

希「死なんといてね、ことりちゃん」ことり「知らないの?…私は死なない」
希「死なんといてね、ことりちゃん」ことり「知らないの?…私は死なない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409755619/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月21日 (土) 14:47:27   ID: 4YqbypQc

海未ちゃんが危ない・・・!

2 :  SS好きの774さん   2014年06月23日 (月) 00:11:12   ID: rsOklUaS

吹き出すシーンが所々あってつらいwww

3 :  SS好きの774さん   2014年07月14日 (月) 23:59:24   ID: XSIrDc3N

応援してます!頑張ってください!

4 :  SS好きの774さん   2014年08月04日 (月) 23:51:34   ID: FovPerWt

もう終盤?

5 :  SS好きの774さん   2014年09月07日 (日) 16:39:42   ID: 7xHEy4rB

ラブライブオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンオワコンガ

6 :  もこうんこ( ´,_ゝ`)   2014年09月07日 (日) 16:43:58   ID: 7xHEy4rB

うんここのssの面白さはうんこ3つですw
あばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばあばばばばばばばうんこ食べる( ´,_ゝ`)

7 :  ( ´,_( ⌒,_ゝ⌒)なんや   2014年09月07日 (日) 16:56:24   ID: 7xHEy4rB

※6なんやこの偽者死ねにこまきも死ね
なんやこの糞えすえすぅー死んどけカス

8 :  ( ⌒,_ゝ⌒)うえーん   2014年09月07日 (日) 19:04:19   ID: A9I8544d

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