偽街の子供達「ご主人様!」リボほむ「使い魔!?」 (256)
リボほむ(この魔力は間違いないわ。でもなぜ? なぜ、まどかが願ってできたこの世界に使い魔がいるのよ!)
ノロマ「?」
イバリ「どうしたの、ご主人様?」
リボほむ「どうしたのって、え? しゃべっ、た?」
ナマケ「しゃべったよ?」
ヤキモチ「しゃべれるよ」
ウソツキ「当たり前じゃん」
リボほむ「ああ、うん、そうなの。当たり前なのね。ええ、使い魔って、しゃべれるのね。……え? いやだから何で? どうして?」
マヌケ「どうしてって、何が?」
オクビョウ「さあ。なんだろう」
ガンコ「とりあえず、ご主人様の使い魔だよ」
リボほむ「へ?」
偽街の子供達「?」
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リボほむ(ご主人様? ……魔女のことかしら。でも魔女の気配は――ていうかここ、私の家よ? そうよっ。なぜこの使い魔たち、我が家のようにくつろいでるのよ!)
ヤキモチ「どうしたんだろう」
ナマケ「どうでもいいよ」
ネクラ「そうだね。どうでもいいね」
ワガママ「ところでご飯は?」
リボほむ「は? ご飯?」
マヌケ「うん」
ウソツキ「お腹はすかないけど、ご飯ちょうだい」
リボほむ「……まったく意味がわからないずうずうしい要求だけど、そうね。わかったわ」
マヌケ「え」
ミエ「どうしたのご主人様?」
リボほむ「……」
オクビョウ「なんでこっちに向かって弓を構えてるの?」
リボほむ「なんでも何もないわ。何故あなたたちのようなものが存在するか知らないけど、考えてみれば使い魔と会話なんてバカらしい」
偽街の子供達「?」
リボほむ「私はまどかが願いに殉じるまでよ」バシュ
偽街の子供達「!?」
・
・
・
リボほむ「……逃がしたわね」
リボほむ(思った以上にすばしこかったわ。たかが使い魔と侮ったのが悪かったかしら。けれども絶対に逃がさない)
リボほむ「まどかが願ったこの世界に、使い魔なんて存在は許さない」
ネクラ「……攻撃された」
ワルクチ「なにあのご主人様」
マヌケ「いきなり攻撃してきたね」
ガンコ「なんでだろ?」
イバリ「わかんない」
ウソツキ「機嫌が悪かったのかも」
ヤキモチ「それで攻撃されたの?」
オクビョウ「八つ当たり?」
レイケツ「やな感じ」
ワガママ「やな感じのご主人様」
マミ「……」
マミ(覚えのない魔力を感じたから見に来たけど、あの子たちはいったい……)
イバリ「でも、どうしよっか」
マヌケ「帰るところないね」
オクビョウ「結界でも張る?」
ナマケ「え。それは面倒」
ミエ「そうだね。葬列でもないのに結界を張るのは、変」
マミ(うーん。魔法少女、ではないみたいだし。というか、そもそも人間じゃない……?)
ワガママ「じゃあどうする?」
ウソツキ「知らな――ん?」
ヤキモチ「あ」
オクビョウ「トモエマミ」
ガンコ「トモエマミだ」
マミ「え?」
とりあえずここまで。
メガほむの続編といえば続編だけど、接点は出す予定はないので読む分には関係ないです。
今度こそドールズのほのぼのを突き通すんだ……!
また深夜に続きを投下する。
ノロマ「……」ジイー
マミ「ええっと……」
マミ(見つかった、けど……なんで私の名前を知ってるのかしら、この子達)
ネクラ「トモエマミ……」
オクビョウ「……攻撃してこない?」
マミ「え、ええ。初対面の子にいきなり攻撃なんてしないわよ?」
イバリ「そうなの?」
ナマケ「珍しいね」
マミ(珍しい……?)
マミ「あなたたちは……えっと、誰というか何って聞くべきかわからないけれども、何なのかしら?」
イバリ「使い魔だよ」
ヤキモチ「ご主人様の使い魔だよ」
マミ「使い魔?」
ミエ「うん」
ヒガミ「それがどうしたの?」
マミ(うーん。魔法的な何かなのは間違いないみたいだけど、使い魔って何かしら。……対話もできるみたいだし、もう少し深く聞いてみようかしら)
マミ「ごめんなさい。その使い魔っていうのがそもそも分からないの。どういうものなのかしら」
オクビョウ「……どういうもの?」
マヌケ「どういうものなんだろう?」
ネクラ「使い魔って、どういうものだろう?」
ヤキモチ「魔女の手下?」
ワルクチ「欲しいものを持ってこれない役立たず?」
ナマケ「わかんない」
マミ「……」
マミ(この子達自身も、自分たちのことを良くわかってないのかしら)
ガンコ「でも、私たちの役目は知ってるよ」
マミ「役目? ということは、あなたたちには何かしらの目的があるのね」
ミエ「葬列を盛り上げる」
レイケツ「葬列を盛り上げる泣き屋」
マミ(葬列? 泣き屋? 聞けば聞くほど、この子たちのことがよくわからなくなっていくわね……)
ワガママ「とりあえず、ご主人様から生まれたものだよ」
マミ「ご主人様?」
マミ(誰のことかしら……。でも質問したらむしろ良くわからない答えが返ってきそうで聞きにくいわ)
イバリ「ご主人様はご主人様」
ヒガミ「アケミホムラのことだよ」
マミ「え」
マミ「暁美さんの使い魔っていうことは、ええっと、暁美さんが魔法であなたたちを作り出したっていうことでいいのかしら?」
マヌケ「うん」
ウソツキ「だいたいそんな感じだよ」
マミ「そうなの……でも、魔法でそんなことができるなんて知らなかったわ……」
ガンコ「知らなかったんだ」
ヒガミ「ふうん」
マミ(暁美さんも教えてくれればいいのに。知ってれば私だって――)
レイケツ「……魔法で作れるの?」
ナマケ「さあ?」
イバリ「でも、間違ってもないし」
ミエ「そうだね」
ヤキモチ「トモエマミは、使い魔が作れたらどうしたの?」
マミ「え? そ、それは……」
ヤキモチ「自分の使い魔を作ったんじゃない?」
ネクラ「淋しさをまぎらわすためにね」
ワガママ「やりそう」
ワルクチ「ぼっちめ」
マミ「そそそそそそんなことないわ!」
今日はここまで。
明日もたぶん続きを投下する。
マミ「こほん。その話は置いておいて――」
ネクラ「置いておくの?」
ガンコ「ごまかした」
マヌケ「ごまかしたの?」
マミ「置いておいて! あなたたちは、これからどうするの? 暁美さんの使い魔っていうことは、暁美さんのお家に帰るのかしら」
ノロマ「……」
ヤキモチ「……帰る?」
ヒガミ「ご主人様のところに……?」
マミ「……? どうしたの? そうね。もう遅い時間だし、帰るっていうなら送っていくわよ?」
オクビョウ「……帰れないと思う」
ナマケ「うん」
マミ「え?」
ワガママ「そうだね。きっと帰れないね」
レイケツ「ご主人様なんて別にどうでもいいし」
ウソツキ「そうだよ。どうでもいいよ」
マミ(あ、あら。なにか聞いちゃいけないことを聞いちゃったのかしら)
マミ「ええっと、暁美さんと何かあったの?」
イバリ「何もなかったよ」
マミ「そ、そうなの? それじゃあ――」
ガンコ「何もなかったのに攻撃された」
ワガママ「わけわかんないよ」
マミ「――攻撃!?」
ネクラ「うん」
ヒガミ「あの弓でバシュって」
レイケツ「びっくりした」
マミ「あ、暁美さんがそんなことを……」
ミエ「そんなことをしたの」
ウソツキ「ひどいよね」
ナマケ「ねー」
マミ(な、なんてこと! こんな小さい子に攻撃なんて、どんな事情があったって許されないことだわ!)
マミ「あなた達っ。暁美さんの家に帰らなくていいわ!」
ノロマ「?」
マヌケ「帰らなくてどうするの?」
ナマケ「そこらへんで野宿?」
ヒガミ「街を徘徊?」
ワガママ「それでもいいよ?」
マミ「いいえ。あなたたちみたいな子供にそんなことさせられないわ!」
ミエ「させられないの?」
イバリ「別にそれでもいいのに」
マミ「そういう問題じゃないの! 夜の街は変な人とかいて危ないのよ?」
ノロマ「?」
ワルクチ「なに言ってんのこいつ」
ウソツキ「独り言だと思う」
ガンコ「なるほど」
マミ「でも、どうしましょう……佐倉さん、はダメね。こういうことを任せられる子じゃないし……」ブツブツ
マミ「今回に限っては、キュゥべえに相談するのもダメね。あの子、聞かれれば答えちゃうから、暁美さんに情報が漏れるかもしれないし……どうすればいいのかしら」ブツブツ
ネクラ「どうする?」
オクビョウ「ほっといていいと思う」
ワルクチ「ほっとくのがいいと思う」
ワガママ「もうどっか行こうよー」
マミ「うーん、どうすれば……あ!」
ノロマ「?」
ガンコ「あ、何か思いついた?」
マヌケ「何か思いついたみたい」
レイケツ「何か嫌な予感がする……」
マミ「え、えっとね。その、提案があるんだけど、いいかしら」モジモジ
ナマケ「……何?」
マミ「い、嫌じゃなかったら、嫌じゃなかったらでいいのよ? 嫌じゃなかったって言うのをしっかりわかってほしいんだけどね」モジモジ
ヤキモチ「うん」
ヒガミ「嫌じゃなかったら?」
マミ「無理強いしようなんて、これっぽっちも思ってないし、ただの思い付きだから断ってくれても全然いいんだけどね」モジモジ
ウソツキ「うんうん」
レイケツ「だから何」
マミ「その、だからね。もしも嫌じゃなかったら、私の家に来るのはどうかしら……?」
偽街の子供達「…………」
今日はここまで。
明日も続きを投下するつもりではある。
イバリ「どうする?」ヒソヒソ
レイケツ「正直、予想はしてた」ヒソヒソ
マヌケ「だよね」ヒソヒソ
ノロマ「……」チラッ
マミ「……」ゴクリ
ネクラ「固唾をのんでる……」ヒソヒソ
ワルクチ「めんどくさい性格」ヒソヒソ
ミエ「ご主人様とどっこいだね」ヒソヒソ
ヒガミ「あれとって、結構よっぽどだよね」ヒソヒソ
マミ(何か小声で相談してるわ。も、もしかして、やっぱり嫌だったのかしら? で、でも暁美さんのところに帰せない以上、それの案がないのも確かだし……でもでも――)
オクビョウ「何か一人で悩んでるし……」ヒソヒソ
ナマケ「面倒そうだから、断りたい」ヒソヒソ
ガンコ「断ろっか」ヒソヒソ
ヤキモチ「そうだね。ことわ――」
ワガママ「ね、トモエマミ。ご飯はあるの?」
偽街の子供達「!?」
マミ「ご飯? うーん……。ちょっと待ってね」
ネクラ「……ちょっと」ヒソヒソ
ワガママ「うん? なに?」
マミ(この子たちは、ひのふのみの……十四人。うん。自分の分も含めて、冷蔵庫にある分で足りるわね。……あら。そういえば冷蔵庫の中に――)
ワルクチ「なにってお前」
レイケツ「いま、断るって話を――」
マミ「ご飯なら大丈夫よ。それどころか、いまならケーキもついてくるわ!」
ワガママ「ケーキ! 行く!」
レイケツ「――え」
レイケツ「何を勝手に――」
ウソツキ「あ。ケーキあるならわたしも行く」
ナマケ「は?」
マミ「ほんとう? ふふっ、おいしい紅茶もあるわよ?」
イバリ「紅茶はどうでもいいや」
マミ「あ、あら……」
ヤキモチ「でもケーキあるならわたしも行こ」
ガンコ「ちょ」
オクビョウ「ならわたしも行く」
ヒガミ「わたしもー」
ノロマ「……」
マミ「ええっと、来るっていうことでいいのかしら?」
マヌケ「それでいいのかな?」
ワガママ「それでいいよね?」
ナマケ「反対するのもめんどくさいね」
レイケツ「……もうそれでいいよ」
マミ「そう? それじゃあ、いらっしゃい!」ニコニコ
今日はここまで。
明日もきっと続きを投下する。
~マミルーム~
マミ「ようこそ。ここが私のうちよ」
ガンコ「やっと着いた」
レイケツ「お邪魔します」
マミ「ふふっ。いらっしゃい」
ネクラ「わ」
ヒガミ「広い」
マミ「そう? 普通だと思うけど……ほら、あなたたちも入って入って」
ワルクチ「はいはい」
ワガママ「ケーキ♪ ケーキ♪」
マミ「うふふ。ケーキはご飯の後ね。夕ご飯は今から作るから、ちょっと待ってて」
マヌケ「はーい」
ウソツキ「ケーキ……」
レイケツ「ごちそうさま」
マミ「はい。お粗末様です」
ネクラ「おいしかったね」
ウソツキ「ケーキ、おいしかったね」
マミ「お口に合ったようで何よりだわ。あれは買ってきたものだけど、良かったら今度作ろうかしら?」
ノロマ「!」
オクビョウ「そういえば、ご飯もおいしかったよ」
ウソツキ「ご主人様のよりおいしかった」
マミ「ふふっ。嬉しい事を言ってくれるわね。……あら。もうこんな時間なのね。それじゃあ、みんな寝ましょうか」
偽街の子供達「はーい」
マミ(ふふふ。部屋はちょっと狭いけれども、にぎやかでいいわね。……それにしても、こんなかわいい子達を攻撃するなんて何を考えているのかしら、暁美さんは!)
――翌日・通学路――
リボほむ「……ふわぁ」
リボほむ(眠い……昨日一晩中あの使い魔たちを探していたけれども、結局見つけられなかったなんて不覚だわ。この世界で魔女のことを覚えている人なんていないから、誰かに協力を頼むこともできないし……ああ、もうっ)
リボほむ「見滝原にはもういないのかもしれないし、いっそ学校を休んだほうが良かったかしら」
リボほむ(ああ、でも、巴さんに覚えのない魔力を感じなかったかどうかぐらいは聞いても――)
マミ「何がもう見滝原にいないのかもしれないのかしら」
リボほむ「――巴さん!?」ビクッ
マミ「おはよう、暁美さん」ギロ
今日はここまで。
前回と同じく全部即興で好きに書いてるから、先のことなんて書いてる本人にもわかりません。
プロット? なにそれ知らない。
とりあえず、ほのぼのを突き通すつもりですけど、前回もそのつもりだったんですよね。不思議。
たぶん明日も続きを投下する。
リボほむ「え、ええ。おはよう、巴さん」
リボほむ(何かしら。いま、睨まれたような……。気のせいかしら?)
マミ(なぜ暁美さんがあの子たちを攻撃したか探るべきよね。その理由によっては、あの子たちを暁美さんのところに帰していいかどうかもわかれるし)
マミ「それで、寝不足みたいだけど徹夜で何かを探していたのかしら? ダメよ。夜更かしは美容の天敵なんだから」ニコリ
マミ(この質問をごまかすようなら、やましいことがあるっていうことよね。しばらくはあの子たちをわたしのうちでかくまわないといけないわね!)
リボほむ(……何かしら、あの白々しい笑顔。いつかの巴マミを思い出すわ。使い魔のことを相談しようかと思ったけれども、これはダメね)
リボほむ「いいえ。少なくともあなたの手を煩わすようなことではないわ」
マミ「……あら。そう」
マミ「……」
マミ(案の定ごまかしたわね。自分が小さな子供達に向かって攻撃したっていうことを隠したいってこと? ……不誠実にもほどがあるわ)プンスカ
リボほむ「……?」
リボほむ(雰囲気がますますとげとげしくなったわ。下手なことを言ったわけでもないのに、どうしたのかしら)
マミ「それじゃ、私は先に行くわね」ツーン
リボほむ「え、ええ。それじゃあ」
リボほむ(早足で行っちゃったわね。やたらとツンツンしていたけれども、あまり機嫌が良くなかったのかしら? まあ、そういう日もあるわよね)
マミ(徹夜で探していたみたいなのは評価するけど……それでも反省の色が見えないのはいただけないわ! しばらくあの子たちをかくまって、暁美さんとは引き離しておく日露があるわね!)
~マミルーム~
ノロマ「……」
ワガママ「ここ、ひま!」
ヒガミ「うん。ヒマだね」
マヌケ「ひまでしょうがないね」
ウソツキ「そもそもケーキのないトモエマミの部屋なんて……」
ワルクチ「なんの意味もない」
ネクラ「そうだね」
ミエ「外に出よっか」
ヤキモチ「そうだね。外に行こう」
ガンコ「インキュベーターでも狩ろう」
ミエ「そうしよう」
ナマケ「わたし留守番してる」
レイケツ「勝手にしてろ」
イバリ「それじゃ――あれ?」ガチャ
引き離しておく日露があるわね!
日露?ww
オクビョウ「どうしたの?」
マヌケ「立ち往生?」
ワルクチ「邪魔だし早くしろ」
イバリ「えっと、出れない」ガチャガチャ
ノロマ「?」
ヒガミ「鍵でもかかってるの?」
ヤキモチ「ここ、内側だよ?」
ミエ「簡単に開けられるでしょ?」
イバリ「いや、これ、たぶん、結界」
ナマケ「え」
>>58
ドールズとリボほむには現在の日露のような関係が必要だとマミが考えているということなんてわけなく誤字です本当にすいません許して(ry
日露→必要
どうしたらこんな誤字が打てるんだか自分でもわからない……
ワガママ「結界?」
ネクラ「なんで?」
ウソツキ「きっとウソだよ」
イバリ「ウソじゃないよ。お前じゃあるまいし」
ウソツキ「え」
レイケツ「ほんとに結界張ってある……」
ガンコ「でもなんで?」
ワルクチ「そんなの知るか」
オクビョウ「これじゃ出れないよね」
ヒガミ「うん。閉じ込められた?」
ヤキモチ「でもこれ、壊せるよね?」
ナマケ「壊したら壊したで、きっと面倒」
ミエ「だよね」
イバリ「じゃあどうするの?」
マヌケ「さあ?」
ワガママ「どうしよっか」
ヤキモチ「どうしようね」
ノロマ「……」
偽街の子供達「…………」
今日はここまでー。
明日の投下予定なんて知りません。もう寝る。
――放課後・マミルーム――
マミ「ただいま!」
レイケツ「……おかえりなさい」
ネクラ「おかえり」
マミ「ふふっ。ただいま」
マミ(うん。やっぱり『ただいま』って言って迎えてくれる人が待っているって、いいわね。……ずいぶん久しぶりだわ)
ノロマ「……」
イバリ「……トモエマミ」
ガンコ「ちょっと聞きたいんだけど」
マミ「あら、どうしたの? 夕ご飯ならもうちょっと後の時間よ?」
ヒガミ「違う」
ミエ「それじゃない」
マミ「それじゃないの? じゃあ……もしかして、暁美さんのこと」
ウソツキ「それも違う」
マヌケ「なんで部屋に結界を張ったの?」
マミ「え?」
ウソツキ「だめかぁ」
レイケツ「……じゃあ今は」
マミ「うん? いま?」
ワルクチ「いまはトモエマミが部屋にいるから、外に出てもいいでしょ」
マミ「あ、そういうことね。もちろん大丈夫よ」ニコリ
ワガママ「やった!」
ヤキモチ「それじゃ、外に行こう」
ネクラ「行こう行こう」
ナマケ「……わたしも行く」
マミ「あ、ちょっと待ってね」
ノロマ「……?」
マヌケ「どうしたの?」
マミ「ええっと、火元はよし。窓の鍵も大丈夫。うん。それじゃ、行きましょう!」
偽街の子供達「……え?」
ミスった。上は無視してください。
ネクラ「今日、外に出ようとしたら、リボンの結界があったの」
ナマケ「なんで?」
マミ「あら。だって子供だけでお留守番なんて危ないじゃない」
ヒガミ「危ない?」
ヤキモチ「お留守番が?」
マミ「そうよ。何かの勧誘が来るかもしれないし、泥棒さんが入ってきちゃったりするかもしれないでしょう? だから、結界を張って守っていたのよ」
レイケツ「……守ってた?」
ナマケ「あれが、守ってた?」
ワルクチ「あれはどう考えても、かんき――」
ワガママ「でも、外に出たい!」
マミ「あら。あなた達みたいなちっちゃい子達だけでお外に出るなんてダメよ。迷子になったらどうするの? それに鍵の開け閉めとかもできないでしょう?」
ミエ「えー」
オクビョウ「そうかもだけど……」
ウソツキ「……だめ?」
マミ「だーめ」
ウソツキ「だめかぁ」
レイケツ「……じゃあ今は」
マミ「うん? いま?」
ワルクチ「いまはトモエマミが部屋にいるから、外に出てもいいでしょ」
マミ「あ、そういうことね。もちろん大丈夫よ」ニコリ
ワガママ「やった!」
ヤキモチ「それじゃ、外に行こう」
ネクラ「行こう行こう」
ナマケ「……わたしも行く」
マミ「あ、ちょっと待ってね」
ノロマ「……?」
マヌケ「どうしたの?」
マミ「ええっと、火元はよし。窓の鍵も大丈夫。うん。それじゃ、行きましょう!」
偽街の子供達「……え?」
マヌケ「行きましょう?」
オクビョウ「行きましょうって……」
イバリ「まさか、ついてくるつもり?」
マミ「あら。そんなの当然よ?」
ヤキモチ「当然?」
ミエ「当然だっけ?」
ヒガミ「当然じゃない気がする」
ウソツキ「当然なわけないよ」
マミ「いーえ、だめよ。もう日も暮れてかかってるんだから、子供だけで外出なんて許可できません!」
ワガママ「えー……」
ノロマ「…………」
ナマケ「……わたし、やっぱりるすば――」
マミ「だめよ。離れるほうが不安だもの。みんなで出かけましょう?」
ナマケ「………………はいはい」
マミ「ふふっ。分かってくれて嬉しいわ。それじゃ、外に出ましょう!」
偽街の子供達「…………」
~風見野市付近~
リボほむ「……やっぱり見当たらないわね」
リボほむ(もうここは、風見野の境界線に近いわね。ここまで来たのなら、いっそ――)
杏子「よぉ。こんなところでなにやってんだ? こんなところまで来るなんて、あたしの縄張りでも横取りしようって腹か?」
リボほむ「……あら。少し前まで見滝原に入り浸っていたあなたに言われるなんて、心外ね」クスリ
杏子「ははっ。ま、それもそうだな。で、何か用でもあるのか、ほむら」
リボほむ「そうね。……実は、ちょっと探し物をしてるのよ」
杏子「探し物?」
リボほむ「ええ。杏子。ここ最近で、不審な魔力を感じなかったかしら?」
杏子「ん? それが探し物と何か関係あんのか?」
リボほむ「ええ」
杏子「ふーん」
リボほむ「それで、覚えはないかしら? あったら教えてほしいのだけけれども」
杏子「うーん。魔獣は毎日のように湧いてるけど、不審な魔力っつってもな。しいて言えば、今日ここまで近づいてきたあんたの魔力ぐらいなもんだよ」
リボほむ「そう」
リボほむ(ということは、風見野市のほうに逃げたというわけでもないのね。別の街に行った可能性もあるけど、明日はもう一度見滝原市をチェックしましょう)
リボほむ「分かったわ。ありがとう、杏子」
杏子「んん? 別にあたしは何もしてねーけどな」
リボほむ「いいえ。助かったわ。……それと、もし不審な魔力を感じても、あなた一人で対処しようとは思わないで、わたしに連絡を頂戴」
リボほむ(あの使い魔だけではなく大本の魔女もいるかもしれないしね。魔獣ならともかく、魔女との戦闘経験のない杏子だけだと万が一ということもあるもの)
杏子「……ああ、わかったよ」ヒュン
リボほむ「……?」パシッ
リボほむ(……リンゴ?)
杏子「ほむら。……あんたは勝手にいなくなったりすんなよ」
リボほむ「……ええ、大丈夫よ。わたしは大切な人のために、この世界で戦い続けるって決めているから。……あの子とは、違うわ」
杏子「そうかよ。なら安心だ。……それじゃあ、またな」
リボほむ「そうね。また今度、杏子」
今日はここまでー。
明日もきっと続きを投下する。
――翌日・放課後――
キーンコーンカーンコーン
仁美「それでは暁美さん。また明日」
リボほむ「ええ、仁美。さようなら」
リボほむ(ふう。学校は終わったわね。今日もあの使い魔を探さないとね。まずはもう一度、見滝原市を探索ね)
リボほむ「ええっと、魔女や使い魔が活動しやすいのは、確か人の多い繁華街とかだったわよね。最近は魔獣の行動パターンが思考の中心にあるから、少し戸惑うわね。でも、魔女のこういう行動を一番観察して私たちに教えてくれたのは――」
リボほむ(……やっぱり、忠告ぐらいはしておくべきよね)
リボほむ「そうと決まれば、まずは巴さんの家ね」ファサ
リボほむ(――と思って巴さんの家に来たわけだけれども)
マミ「あ、あら、ああああ暁美さん。ななな何をしに来たのかしら。わ、私の家に何か用でもあるの……?」ダラダラ
リボほむ「……そうね。もちろん用があるから来たのだけれども――あなた、まずは冷や汗を拭いたら?」
マミ「え? え、ええ。ごめんなさい。ちょっと暑くて!」
リボほむ「…………そう。まあ、暑いなら仕方ないわね」
マミ「そ、そうよね! 暑いものね!」
リボほむ「……」
リボほむ(連絡なしに来たのは確かに私の落ち度だけれども、それだけでは説明できないこの挙動不審さ。そしていつもならこちらが何も言わずとも中に迎え入れるのに――)
マミ「そ、それで、用って何かしら。急ぎの用なら時間がもったいないし、このままで聞くわ」
リボほむ(――なぜか扉を半開きにしての応対で、決して私を中に入れようとしないわ。怪しい。怪しいわ。というか、さっきから覚えのある魔翌力を感じるのだけれども、まさか……いえ、巴さんはそんな愚かなことをしないはず……いえでも……)
リボほむ「……巴さん。とりあえず、部屋に入れてくれないかしら。あなたの紅茶を飲んで、ゆっくり話をしたいの」ニコリ
マミ「 」
マミ「ご、ごめんなさい、暁美さん。その、気持ちはうれしいのだけれども、今はちょっと、あの、えっと」
リボほむ「あら。どうしてちょっと泣きそうになっているのかしら巴さん。私は、ぜひとも、あなたのおいしい紅茶を飲んで、ゆったりとした雰囲気お話したいだけなの」ニコニコ
マミ「あ、ぅ……あ! そ、そう! ちょっといま、部屋がちらかっちゃっていて! 恥ずかしくてお客様をお招きできるような状態じゃないのよ!」
リボほむ「うそ言わないで。あなたが部屋を散らかすなんて想像もできないわ」
マミ「ぅ……」
リボほむ「いいからこのドアを開けなさいっ。あなた、いったい何を隠しているのよ……!」グググッ
マミ「だ、だめよっ。暁美さんは、暁美さんだけはここを通すわけにはいかないの! あの子達のためにも、ここは守り通さないといけないの!」
ノロマ「……」ジイー
リボほむ「自分でもうほとんど暴露してるじゃない! あなたが何か拾ってなぜか匿ってるってここに来た時点で予想はついてるんだから、おとなしく――……え!?」
ノロマ「?」
今日はここまで。
明日もたぶん続きを投下する。
マミ「あ、あなた、今は出てきちゃダメよ! 大人しくしていてって言ったじゃないっ」
ノロマ「……?」
リボほむ「巴さん。あなたやっぱり……! なんてバカなことをしてるの!?」
マミ「ち、違うのよ暁美さん! は、話を聞いて? ね? ほ、ほら。おいしい紅茶もあるから、部屋で話し合いましょう?」
リボほむ「話すこと何て何もないわ。どうせまだ中にもいるんでしょう? そこをどきなさい」
マミ「え。その、いない……そう、いないわ! この子だけ――」
ワルクチ「うるさい」
イバリ「何を騒い――あ」
ヒガミ「あれ?」
オクビョウ「……ご主人様?」
ワガママ「ご主人様だ!」
レイケツ「こんにちは」
ヒガミ「なにしに来たの?」
リボほむ「……巴マミ。何か釈明はあるかしら」
マミ「……ごめんなさい、暁美さん。嘘をついてました」
リボほむ「そう。素直でよろしい」
ネクラ「無視された……」
マヌケ「何の話をしてるんだろう?」
ウソツキ「さあ?」
マミ「で、でもね、暁美さん。私のほうだって、ちゃんとした理由があるのよ!」
リボほむ「そう。聞く必要性を感じないわ。そこをどいてそいつらを引き渡しなさい」
マミ「そう、それよ! 暁美さん。この子たちをあなたの元へと帰して、それでどうするの?」
リボほむ「は?」
ノロマ「……」
ヤキモチ「会話に熱中してるね」ヒソヒソ
ガンコ「そうだね」ヒソヒソ
マミ「そもそも、この子達は暁美さんに攻撃されて逃げていたのよ? それについての釈明はあるのかしら?」
リボほむ「……? 別にないわ。当然のことをしたまでよ」
マミ「!」
マミ「そう……。そういう態度なのね、暁美さん」
リボほむ「あ。巴さん。あなた、もしかして……」
マミ「なにかしら。もっとも、子供に暴力を振るって反省の色が見えない人に話すこと何て、私のほうにはないけれども」
リボほむ「っ」
リボほむ(やっぱりっ、この人は……! 昨日の今日でこの使い魔たちに入れ込んでいるのね!)
ナマケ「何か面倒そう」ヒソヒソ
ワガママ「ね、今のうちに外に出ちゃわない?」ヒソヒソ
ミエ「あ、それいいね」ヒソヒソ
リボほむ「巴マミ。あなたはどこまで愚かなの……!」
マミ「とうとう開き直りってわけ? そういう態度は目上として見過ごせないわ、暁美さん」
今日はここまで。
明日も続きを投下する。
マミ「事情が分かるまでかくまっていようと思ったけれども、黙ってあの子たちがいじめられるのを見過ごすわけにもいかないわ。どういうことだか説明してくれる?」
リボほむ「あなたはそいつらに騙されているわ。使い魔たちは危険な存在なのよ!」
マミ「……危険な存在? 何を言っているの? そもそもこの子たちを生み出したのはあなたでしょう」
リボほむ「は? 生み出した? 何を言ってるのあなた」
オクビョウ「そうっと逃げよう」ヒソヒソ
ネクラ「トモエマミに気が付かれないように、そうっと」ヒソヒソ
ナマケ「窓から逃げよう」ヒソヒソ
マミ「ごまかそうとしたって無駄よ。あの子たちの魔力のパターンは、確かにあなたと同質なものが感じられたもの」
リボほむ「言いがかりよ! あの子供達は、私が生み出したものではないわ! 魔力のパターンが似ている? そんな偶然でしょう!」
ノロマ「……」
イバリ「はやくー」ヒソヒソ
ワルクチ「あんまり遅いと置いてくぞ」ヒソヒソ
ノロマ「!」テクテク
マミ「生み出したものじゃないって、暁美さん! あなた、どうしたらそんなひどいことが言えるのよ! 子供達の気持ちも考えられないの? 最低だわ!」
リボほむ「言いがかりはやめてちょうだい。私があの子供達を生んだんじゃないのは紛れもない事実だわ。いくら魔力のパターンが似ているって言ったって、私にそんな覚えはないもの!」
マミ「暁美さん、あなたって人は……! そんなに言うなら、わたしがあの子たちを引き取るわ! 暁美さんはもうかかわらないで」
リボほむ「それは聞けないわね。私は、あの子供達に用があるのよ」
マミ「虐待を見過ごすわけないじゃない!」
杏子「……」
杏子(どういうことだ、おい。あいつら、修羅場ってるじゃねーか……!)
杏子(昨日ほむらに会ったから、久しぶりにマミのやつの顔でも見ようかと思ってここに来てみたが、何だこれ。思わず隠れちまった……)
リボほむ「人聞きの悪いことを言わないでちょうだい。魔女も使い魔もわたし達の敵よ。私がやろうとしているのは正当なことなの」
マミ「魔女なんて知らないわ。わたし達の敵は魔獣でしょう。そんなわけのわからない理由で子供達への暴力を正当化できると思わないで。あなた、生み親として最低なことを言っている自覚があるの?」
リボほむ「だから私が生んだわけじゃないっていってるじゃない! 使い魔を生んだ覚えなんて、一切ないわ!」
杏子(ちっと距離があるから切れ切れにしか聞こえないけど、さっきか『子供』だとか『生んだ』とか『覚えがない』とかばっかりだな……。な、なんだ? あいつら、いつの間にそんな関係になったんだ?)
マミ「もう話し合いで解決できないのね。……暁美さん。もうあなたの顔も見たくないわ。どこかへ行って」
リボほむ「どうあってあいつらをかばうつもり?」
マミ「ここを通ろうなんて考えないで。さもないと私と――戦う羽目になるわよ」
リボほむ「……っ」ギリッ
杏子(しかも何か子供を巡って言い争ってるっぽいけど、どうなってんだよ。女同士でそんなんアリなのか? あれか? 魔法少女同士ならできるもんなのか?)
リボほむ「……後悔するわよ、巴マミ」
マミ「後悔するとしたら、あの子達をあなたのところに帰したら、よ」
リボほむ「……」
クルッ スタスタ
杏子(ほむらが帰ったな。……終わったみたいだけど、こりゃ顔出せる雰囲気じゃねーな。あたしも引き上げるか)
今日はここまで。
明日も続きを投下するんじゃないかな。
杏子(しっかしどうしようかな。今度ほむら達にあったら、あたしはどんな顔をすりゃいいんだよ……)
杏子「はぁ。たっく――ん?」
レイケツ「無事に脱出できた」
ヤキモチ「あのままだったら、閉じ込められてたね」
ワルクチ「やっぱダメだあのドリル」
ナマケ「あれはメンドウすぎる」
杏子「あいつら……なんだ、ありゃ?」
杏子(あの魔翌力は、魔法少女じゃねえな。かといって魔獣なわけでもない。あ。そういやこの間、ほむらが覚えのない魔翌力がどうとか言ってたな。もしかしてあいつらのことか?)
ネクラ「でも、どこに行こっか」
ワガママ「そろそろ帰る?」
ガンコ「それはダメ」
ヒガミ「ダメなの? 帰らないの?」
杏子(どうすっかな。ほむらのやつに知らせるっつっても、いまはちょっと顔を合わせずらいよな。どっかに帰る相談してるみたいだし、あとをつけて居場所だけでも突き止めておくか)
ウソツキ「ダメだよ」
オクビョウ「だって、ここに来た目的が――あ」
ノロマ「……」ジイー
杏子「げ」
杏子(見つかっちまった。さて、どうするかね。……やるか?)
マヌケ「サクラキョウコ?」
ミエ「サクラキョウコだ」
レイケツ「こんにちは」
杏子「お、おう」
杏子(な、なんだ。意外に礼儀正しいな……。ほむらのやつは何か危険っぽいようなことを匂わせてたけど)
杏子「あー、なんだ。こう聞いていいもんなのかわかんねーけど、お前ら何なんだ?」
ナマケ「またその質問……」
ヒガミ「ご主人様の使い魔だよ」
ヤキモチ「アケミホムラの使い魔」
杏子「ほむらの?」
杏子(使い魔っつうのはよくわからねえけど、言われてみれば確かにこいつらの魔力パターンはほむらに似てるな。じゃあ、ほむらの奴は昨日こいつらを探してただけか。……たっく人騒がせな奴だな、あいつも)
杏子「じゃあ今からほむらのとこに帰んのか?」
ワガママ「ご主人様のところ?」
ガンコ「だから帰らないって」
杏子「んん? そういやそんな相談してたな。まあ確かに、今の状況じゃ帰りたくもなくなるか……んじゃお前ら、どこに行くんだ?」
イバリ「どこに?」
オクビョウ「どこだろう」
ウソツキ「遊園地」
ワルクチ「黙れ」
今日はここまで。
明日も続きを投下するはず。
杏子「何だ、お前ら。もしかして、行くところがねえのか?」
ナマケ「んー?」
ヒガミ「行くところ?」
ナマケ「そういえば、ない」
ヤキモチ「どうしよう」
ワガママ「どうしよっか」
ネクラ「どうにでもなるよ」
杏子「あー、なんだったらあたしんとこに来るか?」
ガンコ「サクラキョウコのところ?」
オクビョウ「なんで?」
杏子「そりゃ、お前らみたいなチビはほっとけないからな。それに行くところがないってのは、不安だろ?」
ノロマ「……」
イバリ「不安?」
ミエ「不安はないよね」
杏子「そうか? んで、どーすんだか早く決めな。あたしがこんな気まぐれ起こすこともそうないんだ」
ナマケ「んー……」
オクビョウ「ちなみにどこ?」
杏子「ん? 場所か。まだ決まっちゃねーけど、たぶんホテルとかだな」
マヌケ「ホテル……」
ネクラ「普通の人には見えないし、いいかも?」
杏子(こいつら、普通の人間には見えないのか。なんかいろいろ便利そうだな)
ガンコ「どうしよっか」
ウソツキ「なやむ」
ワガママ「じゃあ、ご飯は?」
杏子「飯はねえな。自分で用意しろ」
ワガママ「じゃあね。ばいばい」
レイケツ「さようなら」
ワルクチ「無駄な時間だった」
杏子「ちょ」
今日はここまで。
明日も続きを投下する。
杏子「お、お前ら、飯は自分で調達するのが常識だろうが! そうじゃないと生きていけねえぞ!」
ヤキモチ「なに言ってるの?」
ワルクチ「小卒がなんか言ってる」
ウソツキ「小卒だからしかたないよ」
杏子「しょ――っ」
ヒガミ「それじゃ、どこ行こうか」
ナマケ「どこでもいいよ」
ワガママ「ご飯あればどこでもいいよ」
杏子「よしお前ら飯があればいいんだな。ちょっと待ってろよ」
ノロマ「?」
イバリ「どうい――あ」
オクビョウ「……行っちゃった」
ネクラ「どうしたんだろう」
レイケツ「さあ」
ヒガミ「どうしたんだろうね」
ガンコ「意地になってのかも」
ウソツキ「小卒って言われてたしね」
ワルクチ「本当のことなのに」
オクビョウ「意地になって、どうしたんだろう」
マヌケ「ご飯の調達?」
ミエ「たぶんね」
ナマケ「じゃあ待ってよう」
ワガママ「ご飯を待ってよう」
ノロマ「……」
オクビョウ「……遅い」
イバリ「ご飯が遅い」
ヤキモチ「もうどっかに行――」
杏子「よう、待たせたな」
レイケツ「あ」
ワガママ「ご飯がきた!」
杏子「よーし、何かすっげー釈然としねーけど、ほれ」ドサドサ
ガンコ「わーい」
ウソツキ「ごは、ん……?」
ヒガミ「んん?」
杏子「どうした? さっさと食えよ」モグモグ
ナマケ「んー」
ワガママ「これ違う……」
ネクラ「違うね」
杏子「あ?」
ヒガミ「ま、仕方ないよ」
ワルクチ「サクラキョウコだしね」
杏子(なんだ。普通にコンビニで買ってきたんだけど、すげーむかつくぞこの反応)
杏子「はっ。お前らが食わねーなら全部自分で食うよ。あーあ。飯だけじゃなくてせっかくお菓子も買ってきたっつうのにな」
ウソツキ「あ。お菓子は食べる」
ワガママ「お菓子だけちょうだい!」
杏子「お前らいい加減なぐるぞおい」
今日はここまで。
明日もまた続きを投下する。
杏子「……」モグモグ
ノロマ「……」モグモグ
イバリ「おいしい」パクパク
ガンコ「こういうのもなかなか」ムシャムシャ
ネクラ「新鮮な気がする」パクバク
杏子「……りんごもあるけど、食うかい?」
ワガママ「食べる!」
杏子「りんごは食うのか。お前らの基準がわかんねーよ」
レイケツ「りんごはおやつ」シャリシャリ
オクビョウ「切ってないりんごもなかなか」モグモグ
ワルクチ「誰かさんが見てないうちに食べよう」パクパク
ウソツキ「そうだね」ムシャムシャ
ヤキモチ「……あ」
ヒガミ「食べ終わった」
杏子「ああ、なくなったな。そこそこ買い込んだけど、さすがにこの人数じゃな」
ナマケ「そっか」
レイケツ「ごちそうさま」
イバリ「じゃ、行こっか」
ネクラ「そうだね」
ワガママ「ご飯もないしね」
杏子「そうか? んじゃな」
ガンコ「うん」
ミエ「ばいばい」
ノロマ「……」テクテク
マヌケ「でも、どこ行くの?」テクテク
ウソツキ「さあ?」
オクビョウ「そういえば、なんでサクラキョウコといたんだっけ」テクテク
ナマケ「さあ?」テクテク
・
・
・
杏子「ん? 何か忘れてるような気が……」
~ほむホーム~
リボほむ「だから、ここにはいないって行ってるでしょう! もういい加減に帰りなさい!」
マミ「そんなわけないわ! 私の部屋からいなくなったなら、ここに帰って来てるに決まってるの! じゃなかったらどこにいくって言うの!?」
リボほむ「知らないわよそんなの! そこら辺に結界でも張って潜んでいるんでしょう、きっと。大体『もう顔も見たくないわ』とか言っていたくせに、なんで私の家まで押しかけてくるのよ!」
マミ「だ、だって暁美さんの家以外に心当たりもないし……や、やっぱりあの時のことを怒っているの? それであの子達を隠しているの? ご、ごめんなさい。あの時はちょっと頭に血がのぼって、言い過ぎちゃったの。だから、あの子達が暴力を受けてないかの確認だけでも――」
リボほむ「だからいないって言ってるでしょう! あなた本当にめんどくさいわね!?」
今日はここまで。
明日もまた続きを投下するよ。
マミ「ねえ、もう意地悪はやめて。全部わたしが悪かったから……」ウルウル
リボほむ「ああもうっ。私が悪いことしてるみたいな被害者ぶった態度はやめ――!」
リボほむ(これは、魔獣の気配! よし。都合がいいわね!)
リボほむ「巴さん。魔獣の気配よ。退治しに行きましょう」
マミ「あ。そ、そうね。魔獣がわいたなら退治しないとね!」
リボほむ(ふう。さすがに魔法少女の義務を怠るほどトチ狂ってはないようね)
リボほむ「じゃあ、さっそ――」
マミ「で、でもその前に、あの子達の顔を見るぐらいは、ね?」
リボほむ「もうあなた私の部屋で留守番してていいわよ! 中に入ってあの使い魔どもがいないってしっかり確認しないさい!」
・
・
・
魔獣「ヴオオオオ――……」
リボほむ「ふう」
リボほむ(問題なく倒せたわね。グリーフキューブでソウルジェムの穢れを取ってましょう。人気のないところで……あの工事中の建物の鉄骨部分なんてよさそうね)
リボほむ「よ、っと」ヒュン
QB「やあ、ほむら。お疲れ様。いまからソウルジェムの浄化を開始するんだろう?」
リボほむ「……あなたたちは本当にどこにでも都合よく現れるわね、インキュベーター」
QB「グリーフキューブの回収は僕の役目のひとつだからね」
リボほむ「そう。まだ時間がかかるわよ」
QB「もちろん待っているよ。今夜はなかなか瘴気が濃いようだから、また魔獣がわかないとも限らないしね」
リボほむ「ふうん。まあ、今夜はあんまり部屋に帰りたくないからちょうどよいわね」
QB「何かあったのかい?」
リボほむ「巴さんが少し、ね。思い込みで暴走してるのよ」
リボほむ(魔獣を駆り終えたら、今夜もあの使い魔を探さないと……)
QB「へえ。マミがおかしいのは、もしかして新しく増えた魔力に関係しているのかな?」
リボほむ「あら。あなたも気がついていたの?」
QB「もちろんさ。けれどもあれはいったいなんだろうね。僕たちにとっても、あの存在はまったくの未知だよ」
リボほむ「……」
リボほむ「そう、ね。そういえば、あなたですら何も覚えていないんだったわね」
QB「覚えていない? 僕たちが、何かを忘れているって言うのかい」
リボほむ「ええ。実際、あの使い魔たちがどういう存在か、あなたたちですら把握していなんでしょう?」
QB「それはそうだけど……」
リボほむ「そうね。せっかくだから、浄化時間の暇つぶしにでも話してあげる。魔女、使い魔、そしてわたしのたった一人の友達、鹿目まどかの物語を」
QB「鹿目まどか――君は、円環の理のことをそう呼ぶよね。それに起因する話かい?」
リボほむ「そうよ。さて、どこから話始めればいいのかしら。長い、そう、とても長い話になるものね」
QB「すべての事の起こりからでいいさ。僕たちは気が長いからね。いくらでも話を聞いていられるし、そもそも最初から話してくれないとわけが――」
イバリ「てい」カッキーン
QB「――わからないよおおおおぉぉ……」キラン☆
今日はここまで。
明日も続きを投下する。たぶん。
リボほむ「……」ポカーン
リボほむ(インキュベータが星になった……いえ、あいつらは異星人だし星にかえったというべきなの? え、いや、そういう問題じゃないわね」
ミエ「おー」
ワガママ「飛んでった飛んでった!」
ネクラ「飛んでいったね」
ウソツキ「さすがー」
リボほむ「あ、あなたたち……!」
ガンコ「あ」
オクビョウ「ご主人様」
レイケツ「こんばんは」
リボほむ「……なぜここにいるのかしら? インキュベーターを襲ったのはなぜ?」
ノロマ「?」
マヌケ「なぜここに?」
ナマケ「魔獣の気配がしたから、なんとなく」
ミエ「だよね」
ウソツキ「インキュベーターを襲ったのは?」
イバリ「そこにインキュベーターがいるから」
ワガママ「だよね!」
リボほむ「…………」
リボほむ(この世界では別段インキュベーターに何かをされたわけでもないし、あいつらともそれなりに友好的な関係を保っているわ。ええ、そうなんだけど……)
リボほむ「そうなの。よくやってくれたわね。正直いって、胸がスカッとしたわ」
ヤキモチ「ほめられた?」
ヒガミ「ほめられた」
イバリ「わーい」
リボほむ「まあ、そうは言ってもそれとこれとは話は別よね」
マヌケ「そうなの?」
ナマケ「別なんだ」
リボほむ「ええ。まったく別の話よ」
リボほむ(巴さんが入れ込む気持ち、ほんの少しだけわかったけれども、わたしが使い魔の存在を許すわけにはいかない)
ウソツキ「話といえば」
レイケツ「インキュベーターと何を話してたの?」
リボほむ(これ以上、この子達の言葉に耳を傾けてはダメね。……心が揺らいでしまうわ)
ヒガミ「聞かなくてもわかるでしょ」
ミエ「そんなの決まってるよね」
ワルクチ「どうせ、カナメマドカのことだよ」
リボほむ「!?」
リボほむ「なぜあなたたちの口からその名前が出てくるの!?」
ミエ「なぜって……」
ネクラ「……なぜ?」
リボほむ「なぜも何もないわ! あの子は、まどかはこの世界から消えてしまったのよ。一切の痕跡も記憶も残さないでいなくなってしまったの。なのに、どうしてあなたたちみたいな使い魔――ぁ」
ノロマ「?」
リボほむ(この世界にいるはずのない使い魔、そうしてまどかのことを知っている使い魔。人間への害意が伺えず、なぜか魔力パターンが私に似ている。以上を踏まえて考えれば、もしかして、この子達は――)
リボほむ「まどか。この使い魔たちは、あなたが遣わしてくれたの……?」
ワルクチ「おいどうしよう」ヒソヒソ
ヒガミ「なんかカン違いしてる気がする」ヒソヒソ
レイケツ「絶対なんかカン違いしてる」ヒソヒソ
ヤキモチ「どうしたらあんなカン違いができるんだろう」ヒソヒソ
ナマケ「不思議」ヒソヒソ
今日はここまで。
明日もきっと続きを投下する。
リボほむ「……そうよね。あなたたちがまどかの使わせてくれた使い魔だというなら、無碍にはできないわ」
ワルクチ「なに言ってんのこのご主人様」
レイケツ「さあ?」
リボほむ「勘違いで攻撃してしまったことは謝るわ。ごめんなさい」
イバリ「謝った」
ウソツキ「謝られた?」
オクビョウ「珍しい……」
リボほむ「そうかしら? でも、あなたたちがまどかのことを知っているというなら、彼女のことを話しましょう。……あの子は、まどかは、確かにいたものね」
ノロマ「?」
ネクラ「いいよ」
マヌケ「鳥から聞いた女神様のお話があるもんね」
リボほむ「ふふっ。そう。なら、私のうちでご飯でも食べながら――っ!」
魔獣「ヴオオオオオオオオ――」
リボほむ「――ふんっ。今夜は、瘴気が濃いわね」
ミエ「そうだね」
ナマケ「手伝う?」
リボほむ「あら、手伝ってくれるの?」
レイケツ「まあ」
ワガママ「ご飯食べたいもん」
ガンコ「ご主人様のお願いならね」
リボほむ「そう。なら、手伝って。そして、あれを狩りつくしたら、わたしの部屋でご飯を食べながらまどかの話をしましょう」
偽街の子供達「はーい」
今日はここまで。
明日のことは、また明日考える……
~ほむホーム~
レイケツ「ただいま」
イバリ「ただいまー!」
マミ「おかえり――ああ! あなた達、無事だったのね! よかったぁ……本当によかったわ……!」
リボほむ「何を心配してたのよ。というか、魔獣狩りに行っていた私の心配より、その子達の方を心配するのね。ま、いいけど」
マミ「え? あっ、ち、違うわ暁美さん! 心配してなかったわけじゃないんだけど、ほら、暁美さんが魔獣に遅れをとるっていうのも想像できなくて――」
リボほむ「だから別にいいって言ってるでしょう。気になんてしてないわ」ファサ
マミ「うぅ……。で、でも、その子達はどうしたの?」
ノロマ「?」
ネクラ「ご主人様とはばったり会ったよ」
マミ「あら、そうなの。そこで会って家まで連れてくるなんて、暁美さん、どういう心変わりかしら?」
リボほむ「自分がいろいろと勘違いしていたことに気がついたのよ。確かにこの子達へ攻撃してしまったのは、愚かだったわ」
マミ「……ふふっ。やっと親の自覚が生まれたの?」クスクス
リボほむ「その勘違いをこれ以上引っ張るようなら、あなたの首がもげる呪いをかけるわよ」
マミ「ええ!?」
とりあえず、今日はこれだけ。
そして三日以内に終わらせます。
8月11日は聖クララの日
というわけで再開させる。うん。ごめんなさい。とりあえずごめんなさい。
マミ「と、とりあえずもう夕ご飯の時間ね」
リボほむ「ええ、そうね」
オクビョウ「ご飯?」
ワガママ「ご飯!」
リボほむ「そうよ。今から作ってくるから、少し待ってなさい」
イバリ「はーい」
ヤキモチ「待ってる待ってる」
マミ「それじゃ私も手伝うわ、暁美さん」
リボほむ「え?」
マミ「え?」
リボほむ「巴さん、食べていくの?」
レイケツ「なんで食べてくの?」
ワルクチ「帰ればいいのに」
マミ「ええ!?」
マミ「の、残ったら迷惑だったかしら……」グスン
リボほむ「あ、いえ、ごめんなさい。手伝ってもらえるなら助かるわ。……今日は人数が多いもの」
マミ「そ、そう? よかったわ」パァ
リボほむ(すぐ表情に出るわよね、この人)
ナマケ「どっちでもいいから早くご飯」
リボほむ「はいはい。おとなしく待ってなさい」
マミ「ふふっ。何だかんだであなた達、息が合ってるわよね」
ヒガミ「そう?」
リボほむ「そうかしら」
マミ「ええ」クスリ
・
・
・
杏子「そうだよ。何か忘れてた思ったら、ほむらにアイツ等のこと言うの忘れてたんだよ」
杏子(ほむらに連絡しといてくれって言われてたけど、あいつらに毒気抜かれちまったんだよな。何か無邪気というか、変なやつらだったよな……と。着いた。インターホンを押して、と)
ピンポーン
ネクラ「はーい」ガチャリ
杏子「!?」
マヌケ「あれ?」
ミエ「サクラキョウコだ」
杏子「お、おう。お前ら、なんでここにいんだ……?」
オクビョウ「なんでって言われても」
ウソツキ「ここ、ワタシ達の家だもん」
杏子「お前らの家って……いや、ここはほむらん家だろ」
ガンコ「うん」
レイケツ「そうだね」
杏子「そうだねってお前らな。なんつうか、自由にしゃべりすぎだろお前ら」
マヌケ「そう?」
イバリ「そうかな」
オクビョウ「そうでもな――あ」
マミ「こーら」
ヒガミ「げ」
ネクラ「トモエマミ……」
マミ「あなたたち勝手に来客にでちゃダメじゃない……って、あら。佐倉さん」
杏子「なんだよ今度はマミかよ。家主はどーした家主は」
マミ「暁美さんはいまご飯を作ってるわ」
杏子「……メシ?」
杏子(メシ、か……)
イバリ「そうそう」
ウソツキ「ご飯ご飯」
ワガママ「ご飯まだ?」
マミ「もうちょっと待ってね」ニコニコ
杏子(……そういや、こいつらと肉まん食ってから何にも食ってねえな。ちっと腹減ったな。けど、この状況だと言いにくいよな……)チラ
ノロマ「……?」
レイケツ「そういえばなんでここにいるの?」
ワルクチ「帰れば?」
杏子「ははははわりーなマミ。あたしもちょっと晩飯食ってくよ。いいよな。いいに決まってるよなマミ?」
マミ「え? それは暁美さんに聞いてみないとちょっと……」
杏子「おおそれならちょうどいーな。ほむらのやつにも用があったんだよ。だからあたしはメシを食っていく。絶対に、絶対にだ」
マヌケ「へー」
ナマケ「好きにすれば」
・
・
・
マミ「はい。それじゃあ、手を合わせて」
レイケツ「いただきます」
ワガママ「いただきます!」
ウソツキ「おいしい」パクパク
イバリ「これはなかなか」バクバク
ガンコ「品数も多いし」パクパク
杏子「うめーな。ていうか、なんでこんな豪勢なんだ」ムシャムシャ
リボほむ「どこかの誰かさんがやたらと気合をいれちゃったのよ」
マミ「あらいいじゃない。こんな大人数で食事をすることなんてそうないんですもの」
リボほむ「……まあ、そうね。まどかの話をする晩餐なら、いくら豪華にしても構わないわ」
今日はここまで。
明日も投下する。
杏子「まどか……?」
マミ「ええっと、暁美さんが『まどか』って呼ぶのは、円環の理のことよね」
ワルクチ「逝ってしまったわ……」
ウソツキ「円環の理に導かれて!」
マミ「へ? 突然なにを……?」
ガンコ「なんでもない」
ネクラ「なんでもないよ」
マミ「え、っと……なんでもないの?」
ワガママ「うん」
杏子「……で? なんで『まどか』の話をするんだ? こいつらが何か関係あんのか?」
リボほむ「ええ、杏子。実は言うとね。この使い魔たちは、まどかが遣わしてくれたのよ!」
杏子「へー」
杏子(頭大丈夫か、こいつ?)
マミ「そ、そうなの」
マミ(暁美さん……疲れてるのね)
リボほむ「……微塵も信じてないって顔ね、あなたたち」ヒクヒク
マミ「そ、そんなことは――」
マミ(ない、とは言い切れないわね、さすがに……。顔を引きつらせている暁美さんには申し訳ないけど)
杏子「だってさぁ。そりゃ、あんたの言う『まどか』って名前に何となく懐かしい感じはするけど、それだけだぜ? それが一足飛びにそいつら遣わせたーとか言われても信じろってのが無理だろ。そもそも何でいきなりそいつらが来たんだよ。てか、そいつらのご主人様ってまどかじゃなくてほむらじゃねーのか?」
リボほむ「そうね。ならちょうどいいわ。なぜここに来たのか、この子達自身に語ってもらいましょう。そういえば詳しい話は私も聞いていないことだし」
QB「そうだね。それは僕もきゅぷっ」
ヒガミ「Fort」
ヤキモチ「Da!」
マミ「あ、あら? いまキュゥべえの声が聞こえた気が……」
ナマケ「トモエマミ」
ウソツキ「気のせい気のせい」
マミ「そうかしら……でも、いないってことはわたしの気のせいなのよね、うん!」
オクビョウ「そうそう」ポイ
イバリ「気のせい気のせい」カキーン
杏子(マミは目をつぶってうなづいてたから気がつかなかったみたいだけど、いまあいつらが窓の外へと打ち捨てたあれは……見なかったことにしとくか。ていうか、ほむらのやつそこはかとなくうれしそうだな。キュゥべえとそんな仲悪かったっけな、あいつ)
リボほむ「それじゃあ話してもらおうかしら。――あなたたちがここに来た理由を」
レイケツ「ここに来た理由……」
ノロマ「……」
今日はここまで。
明日もきっと投下する。
・
・
・
~回想・叛逆後の世界~
デビほむ「さて、と。夕ご飯の用意が終わったところで、そろそろ話してもらおうかしら」
オクビョウ「何を?」
ネクラ「ご飯より大事なことなの?」
デビほむ「ええ。もちろん、それよりずっと大事なことよ。……あなた達、この一か月どこに行っていたのかしら?」
マヌケ「ご飯食べたい」
ワガママ「ご飯食べてからじゃダメなの?」
デビほむ「ダメよ。この一か月、家には戻ってこない。目撃情報もない。挙句の果てインキュベーターに探させても見つからない。それでどれだけしんぱ――ごほん。もとい、手間をかけさせたと思っているのかしら?」
ナマケ「さあ?」
イバリ「知らない」
デビほむ「はいはいそうね。あなたたちはそういう子よね。わかったらこの一か月どこにいたかだけ教えなさい。結界でも張ってひきこもっていたの?」
ノロマ「……」
ヒガミ「……この一か月?」
ヤキモチ「だいたいご主人様の家にいたよね」
レイケツ「うん」
ナマケ「だいたいご主人様の家にいたよ」
デビほむ「……何を言ってるのかしら」
ミエ「何をって?」
ガンコ「この一か月でしょ」
ヤキモチ「ご主人様のところにいたよ」
デビほむ「……嘘をついたら後悔するわよ?」
ウソツキ「ウソなんてつかないよ?」
ヒガミ「ご主人様のところにいたよ」
ワルクチ「眼鏡かけてたりしたね」
ナマケ「三つ編みしたりね」
デビほむ「……そう、わかったわ」
マヌケ「わかったの?」
ワガママ「だったらご飯!」
デビほむ「あなたたちがまともに質問を答える気がないのは、わかったわ」ギロリ
ノロマ「?」
オクビョウ「え? いや、だから……」
デビほむ「黙りなさい。ほんとうのことを話すまで罰を与えるわ。あなた達……しばらくご飯は抜きよ!」
偽街の子供達「!!??」
レイケツ「ちょ」
ワガママ「そんな」
デビほむ「黙りなさい。いい加減、私の我慢も限界よ。悪戯程度ならともかく、一か月の失踪に加えてその理由についてぺらぺらと適当なことを……! 少しは思い知りなさい!」
マヌケ「いや」
ヤキモチ「だから」
デビほむ「今は何も聞く気はないわ。この料理はいま下げるから、それまでおとなしくしてなさい」
ノロマ「……」
ナマケ「……」
デビほむ「なにかしらその眼は。言っておくけれども、あなたたちが正直になるまでご飯はないわよ?」
偽街の子供達「…………」
オクビョウ「……ご主人様は?」
イバリ「台所に行った」
ワガママ「……ご飯は?」
ミエ「台所に行った」
ノロマ「……」
ネクラ「……理不尽」
レイケツ「うん」
ワルクチ「むかつく」
ナマケ「うん」
マヌケ「ご飯食べたい」
ヤキモチ「うん」
ヒガミ「あっちのご主人様は食べさせてくれたのに……」
ガンコ「うん」
ウソツキ「……じゃあさ」
ミエ「うん?」
レイケツ「あっちのご主人様のところでご飯を食べよう」
偽街の子供達「うん!」
・
・
・
デビほむ「……」
デビほむ(罰というのはやりすぎだったかしら……。この料理もせっかく久しぶりに人数分作ったのに。いえ、でも仕方ないわ。もう二度とあんなことがないように、事態を把握しないと。あの子達、別に食べる必要もないのにご飯には執着してるところがあるし、少しは堪えるでしょう。……もうそろそろいいかしら?)
デビほむ「あなた達、いい加減話す気になったかしら。正直になるならもう――あれ、いない!?」
・
・
・
~本篇終了後の世界~
イバリ「到着!」
レイケツ「したけど……」
ノロマ「……?」
オクビョウ「あれ?」
ネクラ「何か違うような……?」
ミエ「魔女がいないような……」
ガンコ「魔獣がいるような……」
ワガママ「でも大体同じだよ」
ヒガミ「そうだね。……あ。ご主人様だ」
ナマケ「ほんとだ」
ヤキモチ「眼鏡してないね」
マヌケ「髪もほどいてるね」
ワルクチ「そのくせリボンしてるね」
ウソツキ「そんなご主人様だね」
リボほむ(……あら? いま、変な魔力を感じたような――)
偽街の子供達「ご主人様!」
リボほむ「使い魔!?」
今日はここまで。
明日も続きを投下します。
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レイケツ「ていう感じ」
ガンコ「そんな感じ」
リボほむ「……」
マミ(この子達と円環の理、何の関係もないような……)
杏子(こいつらとまどか関係ねえな)モグモグ
リボほむ「……えっと、まどかは? あなたたち、まどかが遣わせてくれた使い魔じゃなかったのかしら」
ノロマ「?」
ヤキモチ「まだその思い込み引っ張ってたの?」
ワルクチ「バカみたい」
リボほむ「~~~っ!」
杏子(おお。真っ赤だな。面白しれぇ)パクパク
マミ(ふふっ。暁美さん、かわいらしいわ)
リボほむ「い、いいわよっ。どっちにしろあなたたちがまどかのことを知ってるのは変わらないでしょうっ。なら、まどかのことを話す相手としてふさわしいのは変わらないわよ!」
マミ(照れ隠しで言葉が荒くなってるわね)クスクス
杏子(逆切れしてんなぁ)
ヒガミ「なに怒ってるの?」
マヌケ「自業自得だよ?」
リボほむ「黙りなさい。あなたたちは黙ってまどかの話を聞いていればいいのよ。……忘れてしまったそこの二人相手に話すよりはそっちのほうがましだもの」
杏子「あ? なんだよ勝手に決め付けんなよ」
リボほむ「え?」
マミ「そうね。わたし達だって興味あるわよ。円環の理……いいえ。まどかさんのお話には」ニコリ
リボほむ「あ……」
今日はここまで。
明日は秋葉に行ってきのこなべ避難所様の新刊2冊買ってくるつもりだけど、他におすすめの作家さんご存知でしたら教えてくださいお願いします何でもしますか(ry
リボほむ「そうね。そうだったわね。それじゃあ、あなたたちもまどかの話を聞いてくれるかしら」
マミ「ええ!」
杏子「おう!」
ノロマ「……」モグモグ
ワガママ「ご飯おいしいね」パクパク
レイケツ「そうだね」ムシャムシャ
ヤキモチ「おいしいね」バクバク
オクビョウ「食べ終わったら帰ろう」モグモグ
イバリ「そうだね」
杏子(こいつら聞く気ねえな)
マミ(自由ね……)
リボほむ(この子たちのことは気にしたら負けね)
リボほむ「それじゃあ、まずはわたしがまどかと出会った時間軸から――」
ヒガミ「そこから?」
ワルクチ「長くなりそう」
リボほむ(――気にしたら、負けよ!)
今日はこれだけ。
きのこなべ避難所さまの同人読んでると誰も幸せにならないほむさやを書きたくなる。不思議。
同人情報下さった方はありがとうございます。参考にさせていただきました!
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レイケツ「ごちそうさま」
ナマケ「食べ終わった」
ワガママ「おいしかった!」
マミ「ふふっ。よかったわね」
リボほむ「結局、あなたたちはぜんぜん話を聞いてる様子はなかったわね……」
イバリ「そう?」
ウソツキ「ちゃんとキイテタヨ」
リボほむ「どうだか」
杏子「ははっ。ま、いいじゃねーか。頑なだったあんたが『まどか』のことを話すきっかけにはなったんだからさ」
リボほむ「……まあ、そうね」
ヒガミ「そうだね」
ヤキモチ「そうだそうだー」
リボほむ「……」ピキピキ
マミ「ま、まあまあ。暁美さん、落ち着いて」
リボほむ「……そうね。こんな子供相手に怒るのも大人気な――」
ネクラ「そうだそうだー」
ワルクチ「大人気ない」
リボほむ「――ふふふ。そのくらいで怒るとでも思ってるのかしら。まったく、見た目どおりの子供のあおりね」
杏子「口元ひきつってんぞ、ほむら」
リボほむ「……うるさいわね」ムスッ
ナマケ「まあでも」
ミエ「ご飯食べたし」
マヌケ「そろそろ帰る」
マミ「えっ?」
リボほむ「あら、そうなの? さっさと帰りなさい」
マミ「ええ!?」
杏子「なんでマミが驚いてるんだよ……」
今日はここまで。
明日も続きを投下する。
マミ「え? だってこんなにかわいい子達が帰っちゃうのよ? 寂しくなるじゃない」
杏子「かわ、いい……?」
リボほむ「寂しく、なる……?」
マミ「え。な、なによその反応は。かわいい子達じゃない」
リボほむ「巴さん。人恋しいのはわかるけど、いくらなんでもそれは……」
杏子「だな。お人よしなのはいいけど、せめて人間相手までにしとけよ」
マミ「そ、そんな……」ショボン
ノロマ「?」
ワルクチ「なにか言われてる気がする」
ナマケ「もう帰るからいいよ」
ネクラ「そうだね」
リボほむ「あら。もう帰るのね。いざとなると巴さんの言うとおり寂しく、は……ならないわね」
杏子「ああ。なんだかんだで一緒にしゃべったけど……うん。やっぱりかわいくなかったわ、てめーらは」
マミ「もう。暁美さんも佐倉さんも最後まで憎まれ口をたたいて……あなたたち、元気でね?」
ワガママ「はーい」
イバリ「それじゃあ」
レイケツ「さようなら」
マミ「またね」
杏子「じゃーな」
リボほむ「……さようなら」
リボほむ「……」
杏子「……」
マミ「……行ってしまったわね」
杏子「そうだな。……結局なんだったんだ、あいつら?」
リボほむ「あの子達自身で言ってたじゃない。ご飯を食べに来た。本当にそれだけだと思うわ」
杏子「へー。なんつーか、ほんとに自由なやつらだな。飯のたかりに巻き込まれたこっちとしてはいい迷惑だよ」
リボほむ「ふふっ、そうね。でも、少しだけあの子達に感謝していることもあるわ」
マミ「あら? 何かしら」
リボほむ「まどかのことよ。あの子達のおかげで、まどかの存在をほんの少し疑っていた馬鹿な自分がいなくなってくれたわ」
杏子「……ふーん」
マミ「そう。それはよかったわね」
リボほむ「ええ。とても、とてもうれしいことだわ」
杏子「……ならさ。これからもちょっとずつ『まどか』のことを吐き出していかねーか?」
リボほむ「え?」
マミ「どういうこと、佐倉さん?」
杏子「ほら。今回の食事であたしたちもまどかのことをちゃんと知ったわけだろ? だから今日みたいなことを定期的にやろーぜっていう提案だよ」
リボほむ「え? ちょ、ちょっと――」
マミ「あら、いいわね!」
杏子「だろぉ? 何せあたしたち魔法少女の女神様の話だ。――それにさ、ほむら」
リボほむ「へ? な、なにかしら」
杏子「なに思いつめてんのか知らないけどさ、あんまり堪えて溜め込むの、よくないと思うぞ」
リボほむ「……」
マミ「ふふっ。そうね。暁美さんの知っている鹿目さんのこと、わたしたちに話して吐き出してくれていいのよ?」
リボほむ「そう、ね。そうだったわね」
杏子「……」
マミ「……」
リボほむ「杏子、巴さん。またこんな食事会をするためにも、これからも一緒にがんばりましょう!」
杏子「おう!」
マミ「ええ!」
今日はここまで。
明日は、続きを、投下できるのか……?
~叛逆後の世界~
レイケツ「ただいま」
ワガママ「ただいまー!」
デビほむ「……」
ネクラ「あ」
ナマケ「ご主人様だ」
デビほむ「……」
イバリ「ご主人様、ただいまー」
デビほむ「……」
ノロマ「……?」
ヒガミ「ご主人様、なんで黙ってるの?」
デビほむ「……」
ミエ「そりゃ、あれだよ」
ヤキモチ「ご主人様、怒ってるんだよ」
デビほむ「……」
マヌケ「あ、そうなんだ」
オクビョウ「ご主人様、怒ってるの?」
デビほむ「……」
ウソツキ「ねえねえご主人様」
ワルクチ「怒ってるの?」
デビほむ「……」パンッ
ノロマ「?」
ガンコ「なんで手を叩いて――イタッ」
ワガママ「うわカボチャが降ってき――イタタッ」
ワルクチ「これトマトと比べ物にならく固イタタタタ!」
ヒガミ「ちょご主人様」
ヤキモチ「やめ――」
ノロマ「――……」
ネクラ「……痛かった」
オクビョウ「わたしたちをカボチャで生めて」
レイケツ「もう気はすんだ?」
デビほむ「そうね。ひとつだけ勘違いを正しておこうかしら」
ミエ「あー……」
ウソツキ「なに?」
デビほむ「わたしは、これっぽっちも怒ってないわ」ニッコリ
オクビョウ「そっかー……」
ウソツキ「そうだね。怒ってないネ」
デビほむ「そうね。それとあなたたちの行き先を探るのもやめにするわ。どうせ戻って来るんだし、いちいち探るのもめんどくさいわ」
ミエ「そうだね」
ナマケ「めんどくさいね」
デビほむ「ええ、ええ。猫の散歩の行き先を探るのと同じくらい馬鹿らしいことだと気がついたわ」
ネクラ「そうだね」
ヒガミ「馬鹿らしいね」
デビほむ「ええ、馬鹿らしいわ。……あなたたち、もうご飯は食べたのかしら?」
ヤキモチ「うん」
レイケツ「食べた」
デビほむ「そう。ならデザートでも食べる? 偶然にもあるのよ」
ワガママ「食べる!」
デビほむ「そう。なら待ってる間にそのカボチャを片付けておいて。いま持って――」
キュゥべえ「やあ、ほむら。いま、君に言われたとおりにまた君の使い魔を探してみたけど、やっぱり……おや?」
デビほむ「!」
ワルクチ「げ」
ガンコ「インキュベーター」
キュゥべえ「なんだ。君が先に見つけていたのかい。なら今日は、ここ最近僕が処理されていたデザートの処理もしなくていい――きゅぷ」
今日はここまで。
明日も続きを投下する。
デビほむ「あらあらインキュベーター。足元にいたからぼろ雑巾と間違えて踏んづけてしまったじゃない」グリグリ
キュゥべえ「呼んでおいてこの扱いは理不尽じゃ――」
デビほむ「ほらあなたたち。デザートを用意する間にそのインキュベーターで遊んでなさい」ポイ
マヌケ「はーい」
ワガママ「わーい!」
キュゥべえ「わけが、きゅっ。わからな――っぷい、いよ!」
ノロマ「……」
レイケツ「カボチャ片付けてよう」
ネクラ「そうだね」
ナマケ「カボチャってかぶれなかったっけ」
オクビョウ「そうなの?」
ガンコ「なら、えい」
イバリ「え、ちょ」ゴンッ
ウソツキ「あれ?」
ミエ「かぶれないじゃん」
ワルクチ「中身抜けよ」
イバリ「痛い……」
デビほむ「ほら、デザートを持ってき――なにやってるの、あなたたち?」
イバリ「カボチャで殴られた……」
オクビョウ「え、いや」
ガンコ「かぶせようと思って」
デビほむ「ほんとになにやっているのよ……。いいから座りなさい。ほら、デザートよ」
レイケツ「あ」
ミエ「やった!」
ワガママ「ケーキ!」
デビほむ「はいはい。配りおわるまで大人しくしてなさい」
偽街の子供達「はーい!」
デビほむ「はい。全員にいきわたったわね。それじゃあ、いただきます」
レイケツ「いただきます」
ワガママ「ケーキ♪」パクパク
ナマケ「おいしい」モグモグ
ネクラ「それに懐かしい」ムシャムシャ
オクビョウ「懐かしい味」パクパク
デビほむ「……ふふっ」
ノロマ「?」
ウソツキ「どうしたの?」
ワルクチ「なに笑ってるの?」
デビほむ「いいえ。ただ、言い忘れたことがあってね」
ガンコ「言い忘れ?」
ミエ「なぁに?」
デビほむ「あなたたち。――おかえりなさい」
ヒガミ「!」
ヤキモチ「うん」
マヌケ「そうだったね」
ヒガミ「それじゃ、こっちも」
偽街の子供達「――ただいま!」
おわり。
クララドールズがご飯たかりに行くだけのお話しでした。
リボほむとクララでほのぼのやりたかったのに、なんだか全体的に前回のおまけみたいになっちゃいました。
まあ、メガほむリボほむクーほむデビほむそれぞれをクララドールズ達と絡ませられたので、個人的には満足です。
あ、クーほむは前回のメガほむの眼鏡はずして以降からということで。
クララドールズSSもっと増えろ。
このSSまとめへのコメント
結構面白いのに、なぜか評価は低いんだな…(アンチ?)
偽街の子供たちは結構好きだしこのほのぼのとした雰囲気がいいから自分は評価するよ