幸子「カムヒア、ウサミンロボ!」 (46)
【モバマスSS】です
池袋晶葉によって作られたウサミンバックダンサーズこと、お団子作りとお団子配布もこなす優れロボ、ウサちゃんロボ
選ばれたウサちゃんロボは、異星の超科学ウサミン科学によってさらなる改修を受ける
そして生まれた、心優しウサミン科学の子、その名はウサミンロボ
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幸子「おはようございまーす」
モバP「おはよう、あ、ちょうどいいところに来たな。ほら、晶葉、例のあれ」
晶葉「いいところに来た。これを渡しておこうか」
幸子「なんですか、これ」
晶葉が差し出したのは小さなウサちゃんロボストラップ。キャタピラではなくて二本足バージョンである。
幸子「あ、もしかして、ウサちゃんロボの商品展開ですか?」
晶葉「それはウサミンロボ専用呼び出し機、通称ウサロボコールだ」
幸子「ウサちゃんロボじゃなくて、ウサミンロボなんですか?」
晶葉「悔しい話だが、ウサちゃんロボを単独で呼び出す必要性はあまりない」
モバP「うむ。晶葉には悪いが、やっぱり、ウサミン科学による改造を受けたウサミンロボのほうが役に立つだろう」
晶葉「現状ではな。しかし、いずれ追いついてみせるさ。池袋科学は、地球科学とウサミン科学のハイブリッドだ」
幸子「ボクには話が見えないんですけれど」
モバP「早い話が、危機に陥ったときにウサミンロボを早急に呼び出せるってことだ」
幸子「危機、ですか?」
晶葉「ウサちゃんロボで対応できるレベルの危機なら、たいした危険じゃない」
モバP「しかし、ウサミンロボでないと対応できない危険があるかもしれない」
晶葉「ウサミンロボなら、移動はウサミンジェットスクランダー、ウサミンマリンスペイザー、ウサミンマグマライザー、ウサミンザボーガー」
晶葉「武装のほうも、ウサミウム光線、ウサミン連装砲ちゃん、ウサミンの赤い雨、そして最終兵器ウサミン竹槍」
晶葉「色々と揃っているからな」
幸子「そういえば、フル武装したウサミンロボ部隊なら、五十時間でホワイトハウスとペンタゴンを占拠できるって、菜々さんがこの前言ってました」
モバP「なにシミュレートしてんだ……ウサミン星人」
晶葉「その戦力でも勝率が34%にしかならなかった765プロのほうが私は恐ろしいが」
幸子「765プロ相手にガチシミュレーションやってみる二人が一番恐ろしいとボクは思います」
モバP「……」
晶葉「……」
幸子「……とりあえず、ストラップは可愛いので、喜んでいただきますね」
モバP「いざとなったらそのストラップをつかんで頭上に掲げ」
晶葉「『ウサミン! カムヒア!!』と叫ぶんだ」
モバP「正確には『ウサミーーーーン、カァム、ヒア!!』だな」
幸子「いや、どうでもいいような気がしますけど」
モバP「とにかく、そういうことだから、何かあったら使ってくれ」
幸子「はぁ……」
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幸子(結局もらっちゃいました)
幸子(ストラップ自体は可愛いからいいんですけれど……)
幸子(危機なんてそう簡単に……)
幸子(第一、人前でいきなり「ウサミンカムヒア」なんて……)
幸子(ああ、もうこんな時間。早く帰って宿題しないと)
幸子(明日は地方ロケだし)
幸子(この路地通ると、近道だから……)
不良A「やあ」
不良B「はじめまして」
不良C「唐突ですが」
不良D「金出すか、腹出すか選べや」
幸子「」
不良A「さっさと金を……」
幸子「ウサミーーーーン!!! カァム、ヒアーーー!!」
うさ! うさ! うさ!
幸子「は、早い、さすがウサミンロ……」
有香?「うさ!」
幸子「」
一瞬にして四人の不良をボコって縛り上げるゆ……ウサミンロボ。
幸子「……有香さん……ですよね」
有香?「うさ!」
幸子「いや、あの、ウサミンロボのお面を額にくくりつけているのはわかりますし、付け耳もわかりますよ?」
有香?「うさうさ」
走り去っていく、誰かにそっくりのウサミンロボ。
後に残される満身創痍雁字搦めの不良カルテットと、目が点になっている幸子。
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幸子(昨日はびっくりしました)
幸子(まさか、ウサミンロボでなくて有香さんが来るなんて)
幸子(一体、あれは何だったんでしょう……)
幸子(いけない、集中しないと。お仕事お仕事)
幸子(えーっと、スタジオから中継が来るんですよね)
幸子(スタジオにいるのは蘭子さん……?)
アナウンサー「はい、今日のグルメリポートは、蘭子ちゃんのお友達アイドル、興水幸子ちゃんの登場です!!」
蘭子「ふふふ、遠き地よりの化身を今、現世に持たらさん」(現地から生リポートですよ)
アナウンサー「それでは蘭子ちゃん、紹介お願いします」
蘭子「目覚めよ、我が声で目覚めよ、遙かなる星の彼方から来しもの!」(中継の現地さん、どうぞ)
幸子「こんにちわーー カワイイボクが美味しいスイーツを紹介しますよ!」
アナウンサー「それでは、今日はどんなスイーツを紹介してくれるんですか?」
幸子「ここ名古屋の、知る人ぞ知る名店喫茶マウンテン。そのマウンテンに対抗している喫茶店に来てるんですね」
幸子「ここでは、元祖以上に変わったものが食べられると言うことで……」
幸子(なにこれ)
幸子(苺生クリームパスタ?)
幸子(なんか、パスタが赤いんですけど……湯気たってますけど……ホットなんですか!?)
アナウンサー「それでは、いったんコマーシャルはいります」
幸子「あの、これ……え? 食べてる瞬間は写さないから、せめてコマーシャル明けまでにある程度食べてくれって?」
幸子「あの、これ……え? 食べるんですか?」
幸子「苺パスタは一応経験あるんですけど、あれと同じくらい……」
幸子「え? 似てるのは見た目だけ?」
幸子「それなら……え? 味は完全に負けてる? って、駄目じゃないですか、それ!!!」
幸子「うう……」
幸子「ウサミーーーーン!!! カァム、ヒアーーー!!」
うさ! うさ! うさ!
幸子「は、早い、さすが……」
橘?「うさ!」
幸子「」
バクバクと苺生クリームパスタ(ホット)を食べ始めるあり……ウサミンロボ。
幸子「あの、ありすちゃん?」
橘?「うさっ、うさっ!」
幸子「あの、無理はしなくて……」
橘?「うさっ、うさっ、うげっ」
幸子「今、『うげっ』って言ったぁあああっ!?」
橘?「」
幸子「え? ちょっと、ありすちゃん? ちょっと……」
橘?「」
幸子「あわわわわ……」
橘?「」
幸子「あああああ、ウサミーーーーン!!! カァム、ヒアーーー!!」
清良?「うさ!」
幸子「もう驚きません」
倒れたあり……ウサミンロボ一号を運んでいく、きよ……ウサミンロボ二号。
幸子「なんなんですか……一体なんなんですか……」
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幸子「おはようごさいまーす」
モバP「おう、今日はこれからレッスンだったな」
幸子「あの、ウサロボコールのことなんですけど」
モバP「すまん、予定が立て込んでいるんで手短に言うが、ヴォーカルトレーナーさんの都合が悪くなって、自主レッスンになってしまいそうなんだ」
幸子「え?」
モバP「スタジオは確保済みだから、機材はあるが」
幸子「……うーん……あ、とりあえず、レッスンスタジオに行きますね」
モバP「大丈夫か? キャンセルしてもいいんだぞ」
幸子「ちょっと思いついたことが……」
幸子(これまでの経験からすると……)
幸子(木場さんかな?)
IN レッスンスタジオ
幸子「ウサミーーーーン!!! カァム、ヒアーーー!!」
千早?「……うさ」
幸子(うわぁ、なんか大先輩来ちゃった)
千早?「うさ」
幸子「あ、あの」
千早?「?」
幸子「トップアイドルに教えを請うのは純粋にありがたいんですけれど」
幸子「歌姫がウサミンロボのお面と付け耳をつけている姿はシュールというかなんというか……」
千早?「うさ」
幸子「あ、やっぱりレッスンしていただけるんですか」
千早「♪う~さ~うさ、うさうさ~」
幸子(「うさ」しか言ってないのに、巧い!?)
結局きちんとレッスンを済ませてちは……ウサミンロボは帰って行った。
幸子「……72分間ノンストップのマンツーマンレッスンは凄く緊張しましたけれど、確かにとっても勉強になりました」
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幸子「ふぅ……」
杏「……」
幸子「はぁ……」
杏「珍しいね、ため息なんかついて」
幸子「いろいろとありまして」
杏「……まあ、いいけど。事務所でため息ばかりついてると、辛気くさいって怒られるよ」
幸子「お仕事は巧くいっているんですけどね。なんだか、調子が……」
杏「お、語り始めた? 別にいいけど、杏は相槌すら打たないからね」
幸子「あはは、杏さんらしいですね」
杏「杏は自分を曲げないよ」
幸子「それ、みくさんじゃないですか」
杏「よし、聞いてあげるから、お茶煎れてくれない?」
幸子「それくらいはしてあげちゃいますよ。カフェオレに美味しくなるおまじないしましょうか?」
杏「菜々さんの、【昔】取った杵柄はいらない」
幸子「【昔】を強調しないであげてください……」
幸子「あれ、コーヒー豆が切れてますね」
杏「豆から煎れてくれるの? インスタントでいいのに」
幸子「ボクも飲みたくなって、カフェオレ」
杏「うーん、新しい豆は戸棚の上だけど……届かないよね」
幸子「ボクたち二人とも、背は低い方ですからね」
杏「こんな時に限って、きらりはいない」
幸子「……喚びましょうか、きらりさん」
杏「いや、さすがにそれは」
幸子「いいんです、もう自棄ですよ。たぶん来ると思います」
杏「は?」
幸子「ウサミーーーーン!!! カァム、ヒアーーー!!」
杏「何やってんの?」
きらり?「うさ!」
幸子「ほら来た」
杏「なんだ、ウサミンロボか」
幸子「はい?」
杏「ん?」
幸子「どうみても、ウサミンロボのお面と付け耳をつけたきらりさんですよね?」
杏「ああ」
杏「確かにきらりそっくりだけど、これはきらりじゃない」
幸子「え?」
杏「杏にはわかるよ」
きらり?「うさうさ」
杏「君、ウサミンロボ?」
きらり?「うさ」
杏「杏はウサミンロボの言葉わからないけど、たぶん今のはイエスだよ」
幸子「え……」
杏「で、なんで、きらりそっくりのウサミンロボが来るのかな」
幸子「かくかくしかじか……」
杏「ふーん」
幸子「ボクにはきらりさんにしか見えないんですけれど」
杏「じゃあ……小梅か輝子喚んでみたら? 幸子とトリオ組んでる二人」
幸子「えーと……」
杏「ん、このキノコ鉢植えを触媒にしてみれば?」
幸子「それじゃあ……ウサミーーーーン!!! カァム、ヒアーーー!!」
輝子?「……うさ」
幸子「……」
幸子「……本当だ。この子、輝子ちゃんじゃないです」
杏「納得した? この子もウサミンロボだよ。凄いなぁ、これもウサミン科学の成果なのか、それとも晶葉の科学力なのか」
幸子「それじゃあ今までのも全部」
杏「ウサミンロボなんじゃない?」
幸子「凄いなぁ、ウサミン科学」
幸子「でも」
杏「ん?」
幸子「一目できらりさんを偽物と見破った杏さんも凄いですね」
杏「」
幸子「凄いですね」
杏「きらりには内緒にするように」
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晶葉「データインプットによるアイドル憑依システムは成功のようだな」
モバP「おまえ、いつの間に765さんのデータ取ってたんだよ」
晶葉「様々な分野でプロ級の腕前のアイドルが多いからな、無駄にするのも惜しいだろう」
モバP「それはそうなんだが」
晶葉「助手のデータも取ったから、これで少しはプロデュースの役に立つぞ」
モバP「データ取り過ぎて暴走させるなよ」
晶葉「一昔前のSFでよくあるパターンだな。安心しろ、ウサミンロボを暴走させるほどのキャパなんて、そう簡単に……」
ぷしゅん、ぷしゅん、ぷしゅん
モバP「これ、ウサミンロボの緊急停止音だよな」
晶葉「はぁああ?」
ヘレン?「」
晶葉「容量オーバーだと……?」
菜々?「ミミミ……ミン」
モバP「すげぇな、ウサミン星人」
みちる?「」
晶葉「なんでパンくわえてるんだ」
ぴにゃこら太?「」
モバP「なんか混ざってるぞ、おい」
765P?「」
晶葉「馬鹿な、助手のデータだと全然平気だったのに」
モバP「チクショーーーー!!!!」
晶葉「こ、これは!?」
モバP「どうした?」
晶葉「この輝き、神々しいばかりの輝きは」
モバP「ウサミンロボが輝いている!?」
晶葉「まさか神!?」
モバP「そ、そんな、神に等しいデータなんて……」
こずえ?「」
芳乃?「」
のあ?「」
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幸子「おはようございまーす」
モバP「おはよう、あ、ちょうどいいところに来たな。ほら、晶葉、例のあれ」
晶葉「いいところに来た。これを渡しておこうか」
幸子「なんですか、これ」
晶葉が差し出したのは小さなウサちゃんロボストラップ。キャタピラではなくて二本足バージョンである。
幸子「あ、もしかして、ウサちゃんロボの商品展開ですか?」
モバP「ああ、ウサロボストラップ、可愛いだろ」
幸子「可愛いですね。ま、ボクのカワイさには及びませんけどね」
モバP「あははは」
幸子「あははは」
晶葉「あははは」
シンデレラプロは、今日も平和です。
以上お粗末様でした
芳乃さんは可愛いけど、SSに出しにくい
芳乃さんを出して面白いSS書いている人は凄いと思いました
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