ジャン「俺はエレンに勝ちたい」(92)
※某所でもやりました。原作ネタバレ及び一部キャラの口調等本編と異なる場合があります
ジャン「おいアレ見ろよマルコ」
マルコ「エレンが変な格好で倒れているね」
ミカサ「ギリギリ」
ジャン(ざまぁみろ死に急ぎ野郎!って言ったらミカサに嫌われるよな)
アルミン「エレン……って痛い!?痛いよミカサ!!」
ミカサ「アルミン。この溢れ出る感情を何処にぶつければいい?」
アルミン「少なくても僕じゃないのはたしかだよ!?」
マルコ「ジャン今ならミカサと組めるんじゃない?」
ジャン「俺は死に急ぐつもりはないからな?」
ベルトルト(この流れはライナーが来るかもね)
ジャン「まぁ俺なら遅れを取らないけどな!」
マルコ「あっライナーが宙を舞った」
ジャン「」
マルコ「ジャン今なんて言ったけ?」
ジャン「おいマルコ……お前今エラい強気だな」
ミカサ「あの女……!」
アルミン「痛いよぉミカサァ!!」
ミカサ「明日の格闘訓練が楽しみ」ギリギリ
アルミン「お、折れるよぉミカ…サアアアア!!」
ミカサ「!ごめんアルミン意識が無かったわ」
アルミン「それ本当かい?」
ベルトルト「ライナー……君は戦士だ」
ライナー「大丈夫かエレン」
エレン「ああ……でも凄く強いなアニは」
アニ「……」
ライナー「まさかこの俺が宙を舞うとはな……お前もしかして男か?」
アニ「……」ゲシッ
ライナー「無言で蹴るな!?」
キース「貴様ら……何時まで休憩を取るつもりだ」
ライナー「ハッ!ブラウン訓練兵及びイェーガー、レオンハート共に訓練を即刻再開します!!」
キース「ふむまあいいだろう……遊んでいる奴らよりはな」
コニー「」
サシャ「」
――食堂――
ミカサ「エレン痛い所は無い?骨は筋肉は?」
エレン「アルミンすっごい腕痛そうだな大丈夫か?」
アルミン「エレン君!君はそろそろ自覚しようね!」
エレン「おいアルミン?」
アルミン「ハッ!?いや今のは忘れてねエレン?」
ライナー「いやー俺も背中痛いわ―」
アニ「……」
ライナー「骨折れたかも」
アニ「……」
ベルトルト「ら、ライナーもそろそろ」
ライナー「暴力とか最低だよな」
アニ「あっそ」
ライナー「だから蹴るなって!!」
エレン「……」
ジャン「まぁ全員が俺の様に上手く出来るとは限らないけどな!」
エレン「アニが言った通りだ……巨人から離れるために巨人に対向する術を学ぶ……」
ジャン「おっと言いふらすなよ?競争相手が増えちまうしよぉ」
エレン「茶番だ……おいジャン!」
ジャン「何だエレン?」
エレン「お前巨人から離れたいから対向する術を磨くって事がおかしいと思わないか?」
ジャン「まあそうだな……これが現実なら甘んじるしかねえな」
エレン「――このクズ野郎が!!」
ジャン「才能ねえからってひがむんじゃねぇよ!!」
モブ「また始まった!」
モブ「またかよ」
モブ「よくやるなあの二人…」
エレン「だから!!どうやって巨人に勝つって言うんだよ!!できるやつばっかり内側に引きこもって!!」
ジャン「俺に言わても知らねえよ……ん?」
アルミン「エレン落ち着いて!」
マルコ「ジャンも大人しくしようね!?」
ミカサ「はぁ」
ジャン(こいつまたミカサと…!)
ジャン「ふざけんなよてめぇ……!!」
エレン「はぁ!?そんなに引っ張ったら服が破けちゃうだろうが!!」
ジャン「服なんかどうでもいいだろうが!うらやましい!!」
サシャ(うわぁ……)
コニー「まったくジャンが何を言いたいかわからん」
エレン「何言ってんだお前いい加減にしないと……!」
ライナー「……」
アニ「……」
エレン「……!!」
エレン「そうだこいつは前の俺と同じなんだ」
エレン「でも俺はもう……兵士だ!!」
ジャン「うおっ!?」
エレン「技術を駆使してこの場を収める」
モブ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ミカサ「エレンかっこいい」
アルミン「今の技ってたしか……」
ライナー「お弟子さんの成長が早いようで」
アニ「全然さ……」
ジャン「おいテメェ!今何しやがった!?」
エレン「今のはお前が怠けている間に痛い思いをして学んだ技だ」
ベルトルト(すごい正直だね)
エレン「楽して感情に任せて生きるのが現実だって?お前それでも……」
「兵士かよ」
ジャン「!」
アニ「……」
ライナー(かっこいいかもしれんが全部アニのパクリじゃないか)
ジャン「兵士が何だっておいこら……!!」
キース「今しがた大きな音がしたか誰か説明してもらおうか?」
ミカサ「サシャの放屁した音です」
キース「ブラウス訓練兵ならそこで塞ぎこんでるではないか……アッカーマン貴様は嘘を吐いたのか?」
ミカサ「そ、それは……」
アルミン(助けに入ったミカサが逆にピンチに陥ってる!)
ベルトルト「サシャは恥ずかしくて塞ぎ込んでいます」
キース「フーバー訓練兵……貴様が言うなら信じよう……普段から積極的に発言するんだな」
ベルトルト「ハッ!」
ライナー「おつかれだベルトルト」
ミカサ「礼を言うベルトルト」
ベルトルト「気にしなくていいさ」
エレン「危なかったなジャン、こんなことで憲兵団入りを逃すところだったぜ?」
ジャン「しかし困ったな……俺の収まりがつかねえ……でもこの施設内でやる訳にはいかねえ」
エレン「公然と取っ組み合える時間が在るだろ?お前の好きなタイミングで来いよ」
ジャン「……覚えとけよ死に急ぎ野郎」
ライナー「エレンの奴お前にすっかり感化されたな」
アニ「そんなの知らない」
ベルトルト「たしかにまだまだ甘いとは思うけど筋はいいんじゃない?」
アニ「……そんなの知らない」
――格闘訓練――
ジャン「おらああああああああああああああああああ!!!」
モブ「うおッ!?」
ジャン「次のやつこいやあああああああああああああああああ」
アルミン「ジャン凄く気合入ってる……マルコ今何人目?」
マルコ「これで9人目だね」
コニー「俺のこの手が真っ赤に燃える!」
サシャ「南斗の輝きを見てみますか?」
ユミル「真面目にやれ馬鹿共」
クリスタ「ユミルもだよ?」
ユミル「そんな酷いこと言うクリスタにお仕置き」
クリスタ「いーたーい!」
ライナー(かわいい)
エレン「ジャンの奴……初めから真剣にやれよ」
アニ「何も兵士になりたいわけじゃない。アンタに一泡吹かすためだよ」
エレン「だろうな…でも……本気で技術を学ぼうとしてる」
アニ「……」
エレン「昨日の俺はどうだった?見様見真似だけど結構よかったろ!」
アニ「全然駄目……全くなってない」
エレン「何がそんなに駄目なんだ?」
アニ「もしあんたが気に入ったなら教えてあげてもいいけど」
エレン「え?やだよ足蹴られんの痛いし」
ミカサ「ざまぁみろ」
アルミン「だから何で強く握り締めるのぉ!!」
アニ「遠慮なんかしなくていいって」
エレン「いや別に――痛え!!」
ミカサ「エレン!!」
アルミン「ミカサ力入れすぎぃぃ!!」
ミカサ「アニ、これ以上エレンを痛めつけるなら私は牙を剥く」
アニ「訓練の一環なんだけど」
ミカサ「今のはただ一方的に蹴っているだけ」
アニ「それは今私が暴漢役だからでしょ」
アルミン「エレン大丈夫かい?」
エレン「ああ……やっぱアニは強くてかっこいいな」
アニ「!」
ミカサ「!」
エレン「絶対覚えてやるからなその技!」
アニ「覚えれるならね」
ミカサ「ぐぬぬ」
アニ「ニヤァ」
ミカサ「ぐぬぬぬ」
ジャン「今日のラストォ!!」
マルコ「お疲れジャン!はいタオルと水」
ジャン「気が利くなマルコ、何人俺は倒したんだ?」
マルコ「えっと……14人だね!流石ジャンだね」
ジャン「いやまだだ……俺より弱い奴らを倒しても意味がねえ」
モブ「あ?」
マルコ「じゃ、ジャンも今日は疲れてるし早く夕食に行こうよ!?」
ジャン「そうだな……腹減っちまった」
アルミン(マルコから僕と同じ苦労属性を感じる)
アニ「エレン今日は終わりだよ」
エレン「ああ……まだまだ吸収してないし明日も頼むわ」
アニ「別に……いいけど」
ミカサ「ぐぬぬ」
――夜・男子宿舎――
ジャン「あぁーもう俺寝るわ」
エレン「俺も今日は早く寝させてもらう」
ジャン「何だエレンずっと空飛んでたら重力に負けたか?」
エレン「そんな軽口叩けるほど元気があるんだなジャン」
ジャン「喧嘩売ってんのかテメェ!!」
エレン「お前がかかってきたんだろ!!」
アルミン「二人共充分元気だよね!?」
ベルトルト「若いね二人共」
ライナー「お前も同期だからな?」
エレン「俺は本当に速攻で寝るからな!」
ジャン「俺の方が早く寝るに決まってんだろ!」
マルコ「寝ろよ」
エレン「……おいジャン……ジャン……ジャン!!」
ジャン「うるせぇよ!邪魔すんなエレン!!」
アルミン「寝ろよ」
ライナー「こいつら若いわ」
ベルトルト「若いというか幼いというか……」
エレジャン「ベルトルトォ!!」
ベルトルト「寝ろよ」
――格闘訓練――
ジャン「踏み込みが足りんッ!!」
モブ「くっそ!!」
ジャン「もうこいつらじゃ駄目だ……ライナー!!」
ライナー「ん?どうしたジャン何か用か?」
ジャン「俺の相手を頼む!お前を見込んでの話だ」
ライナー「そんな言葉で取り繕わなくてもやってやるさ――他の奴らと違って俺は手強いぜ?」
ジャン「そんなの百も承知だ」
ライナー「面白い……と言うことだベルトルト」
マルコ「代わりに僕と組もうか」
ベルトルト「そうさせてもらおうかな」
アニ「もっと踏み込んで」
エレン「こうか?」
アニ「全然、もっと重心を」
エレン「ん……こうか?」
アニ「踏み込みが足りんッ!!」ブン
エレン「――うおっ!?」ドシーン
ミカサ「エレン……エレン!!」
サシャ「ミカサはこの私を相手に余所見ですか」
ミカサ「エレン!!」グシャ
サシャ「あいたぁ!?」
ミカサ「アニ明日は私と組もう」
エレン「ミカサはお願いだから邪魔しないでくれよ」
ミカサ「!?」
ジャン「……」
ミカサ「エレン?」
エレン「ミカサだって知ってるだろう?俺は強くなりたいんだ」
ミカサ「!」
エレン「だから今はアニの技術を学ぶ必要があるんだ」
アニ「そういう事らしいよ、こいつの目は嘘を付いていない」
ジャン「……」
ライナー「気になるかも知れねえがお前は自分に集中したらどうだ?」
ジャン「それが……一番かもな」
アルミン(ミカサの顔に笑いが無い……すごく悲しんでいる?)
アルミン「こうして何日か経ちました」
ジャン「おらぁ!!」
ライナー「おっ!その調子だぞジャン!」
マルコ「ジャンもライナーを倒せるようになってきたね」
ベルトルト「ライナーの巨体を投げ飛ばすとはジャンも真剣に取り組んだ甲斐があったね」
アルミン「エレンもアニとの訓練で確実に強くなってる……けど」
ミカサ「……」
ユミル「おーいまた機嫌悪くすんなよな」
クリスタ「ゆみる!」
ユミル「格闘訓練の時だけあからさますぎ」
ミカサ「……ごめん」
アルミン「でもエレンだっていっつもご飯一緒に食べてるしそれに」
ミカサ「大丈夫、私が……だから」
ジャン「……」
エレン「!こうか?こうだよなぁ!?」
アニ「!今のは今までで一番良かった」
エレン「よっしゃー!!俺も大分身についてきたな」
アニ「そうね荒い感じもあるけど一応形にはなってる」
エレン「……よしっ」スッ
アニ「……?」
エレン「どうしたアニ?はやくしろよ」
アニ「その手は何?」
エレン「何ってハイタッチに決まってるだろ」
アニ「は?」
エレン「なんだよこういう時はハイタッチするだろ?」
アニ「……アンタは面白い、本当に面白い奴だよ」
エレン「おーい早くしろよアニ!」
アニ「わかったよ」パチーン
エレン「よし!続きもやろうぜ!」
キース「これにて本日の訓練を終了する!!」
「「「「「ハッ!!」」」」」
ミカサ「エレンお疲れ様」
エレン「ミカサ聞いてくれよ!俺とうとう形になってきたぞ!!」
ミカサ「……おめでとうエレン」
エレン「はやくご飯にしよう!……アニも一緒に食べるか?」
アニ「いや……私は遠慮しとく」
エレン「ミカサちょっと眠そうだけど大丈夫か?」
ミカサ「ええ私は大丈夫」
エレン「ならいいんだけどよ……その、お前も大事な家族だからな」
ミカサ「!エレン!!」
エレン「うお!?急に近寄るなって!!」
アルミン「水を得た魚……」
クリスタ「でも最近やつれてたミカサが元に戻った」
ユミル「こんだけでかよ、どんだけ現金な奴なんだか」
ジャン「あのタラシ野郎……!」
ライナー「おっ久々に喧嘩するのか?」
ジャン「悔しいがまだその時じゃない」
マルコ(ジャンも確実に成長しているよ)
ベルトルト「アニもエレンの所に行かなくていいのかい?」
アニ「……変な勘違いをしていない?」
ベルトルト「……僕にはエレンと居る時のアニは笑顔だと思う」
アニ「……」
ベルトルト「僕たちは――戦士でもあるんだからね」
アニ「――わかってるさ」
ベルトルト「もちろん仲間づき合いは大事だけどね!」
エレン「アニー!お前もこっちこいよー!!」
ミカサ「エレンあなたの隣には私が居るわ」
エレン「反対は誰も居ないだろ?」
ミカサ「その分残像で埋めるわ」
アルミン「無茶言わないでよ!?」
ベルトルト「行ってきたらどうだい?アニ」
アニ「――仕方ないねエレンは」
アニ「邪魔するよ」
アルミン「アニもお疲れ様、これ水ね」
アニ「ありがとう」
ミカサ「エレンの隣に座れるなんて光栄に思いなさい」
アニ「そこの取って」
エレン「ほらよ」
ミカサ「!エレン、私も、あーん」
エレン「怖―よミカサ」
クリスタ「……」
ユミル「なぁクリスタ」
クリスタ「?」
ユミル「口開けろおおおおおおおおおおおお」
クリスタ「~!!」
アルミン「大変だクリスタが喉を詰まらせた!!」
ライナー「人工呼吸は任せろ!!」
ユミル「テメェはすっこんでろやあああああああ」
マルコ「誰か水をー!!」
ベルトルト「ジャン、そこの水を――ジャン?」
サシャ「仕方ありません私の水を分けましょう」
エレン「え?」
ライナー「おいサシャが人に物を譲ったぞ……!!」
ユミル「こりゃあ明日鎧の巨人と超大型巨人に襲われるわ」
サシャ「とっても心外だし酷すぎません!?」
――外――
ジャン「フッ!フッ!!」
ジャン「はぁはぁ……もっと拳を早く――!!」
ジャン「そして踏み込みを深く――!!」
アニ「誰かと思ったらあんたかいジャン」
ジャン「……よぉもう飯はすんだのか?」
アニ「クリスタが喉を詰まらせてね、騒ぎが大きくなって仲良し組は全員教官の説教さ」
ジャン「お前も仲良し組の一員じゃねえか」
アニ「冗談はよしなよ……それに上手く逃げてきたさ」
ジャン「そうか……まぁ見ての通り俺は自主練ってやつだからな」
アニ「邪魔しに来た訳じゃないし気にしなくていい」
ジャン「ありがてぇ……夜は冷えるしとっとと戻れよ?」
アニ「言葉を掛ける相手を間違っているじゃないかい?」
ジャン「ほっとけ!!」
ジャン「フッフッ!!」
アニ(ライナーと組んでいただけあって拳の筋は良いね)
ジャン「――ラァ!!」
アニ(ライナーは体格がいいぶんその重心を保つのに注意はいらない)
ジャン「チィ!もっと踏み込みが足らん!」
アニ(ジャンは軽い分しっかりと構えないと重い一撃が打てない)
アニ「右足を半歩踏み込む」
ジャン「――さんきゅ」
アニ「別に」
ジャン「――おお!風を切る音が違え!やるなアニ!!」
ジャン「なぁアニ」
アニ「星が綺麗だな、とかならいらないけど?」
ジャン「わりぃ割りと大事な話し何だわ」
アニ「そ……ごめんなさい」
ジャン「俺が誰を好きかは知ってるか?」
アニ「そんなの知らないのはコニーぐらいだね」
ジャン「ならそいつは誰が好きか知っているか?」
アニ「――あんた何が言いたいわけなの?」
ジャン「俺は笑っているミカサが好きだ――でもそれはあいつがいないと成立しないんだ」
ジャン「今日の飯でもそうだ……最近暗かったけどエレンに良くしてもらったら顔色が変わりやがった」
アニ「……」
ジャン「悔しいが今の俺じゃミカサを笑顔に出来やしねえ……」
アニ「意外に考えてるし周りを見れてるねあんた」
アニ「今度エレンに勝つってミカサを振り向かせることかい?」
ジャン「……本気で思ってるか?」
アニ「まさか……私は馬鹿って自覚はない」
ジャン「俺はあいつが嫌いだ。こんな世の中でもしっかりと軸を据えていやがる」
ジャン「俺みたいに内地で暮らしたいとか言う残念な理由じゃなくて明確な夢がある」
ジャン「巨人に会ったことが在るってのに怖がらないで瞳は夢だけを見てる――俺にはそんな事出来やしねえ」
ジャン「俺はあいつが羨ましい――強いエレンを妬んでいるのかもな」
アニ「……」
ジャン「俺は自分の気持ちに決着を付けたくてエレンの誘いに乗ったのかもな……それで話しを戻すがよ」
アニ「……」
ジャン「ミカサのためにもエレンとミカサを格闘訓練のペアにしてやってくれ」
アニ「別に……構わないよ」
ジャン「――恩に着る!!すまねえなアニ!!」
アニ「但し条件をつける」
ジャン「何でもいいぜ、ミカサの笑顔のためなら」
アニ「エレンがミカサと組むなら私と組む奴がいない――つまりアンタが私のペアになる」
ジャン「!――そんなんでいいのか?」
アニ「私にとっては死活問題だけど……ライナーならベルトルトとかいるし」
ライナー「おいこr」ベル「やめなよ」
ジャン「いいぜ……ついでに稽古も頼むわ」
アニ「仕方ない……覚悟しなよ?」
ジャン(すまねえな……エレンと引き離してよ)
――朝――
アニ「エレンちょっといいかい?」
エレン「あっ!アニ悪い俺昨日の騒ぎで今日は走行訓練だけなんだ、だから格闘訓練一緒に組めないんだ」
アニ「そ、そう……」
ライナー「ついでに俺とベルトルトは上手く回避して説教のみだ」
ユミル「テメェ主犯の一角だろうがホモ野郎!」
ライナー「朝からうるせぇぞレズ野郎!!」
クリスタ「二人共そんな事言うならもう知らないよ?」
ライユミ「すみませんでしたあああああああああああああああ」
ベルトルト「うるせぇよ」
マルコ「ジャン僕も巻き込まれたから頑張ってね」
ジャン「おう、お前も頑張れよ」
――訓練――
アニ「そう昨日の感じを大事に」
ジャン「――セラァ!!」
アニ(!筋は充分だし立体軌道で体幹もあるし……足腰を鍛えれば)
アニ「足元がお留守だよ――ッ!!」
ジャン「~!!痛ってー!!」
アニ「今みたいに重い一撃を放つにはもっと重心を踏み足に掛ける必要がある」
ジャン「任せろやぁ!!」
アニ「――飲み込みが早くて助かるよ!!」
ライナー「おーおー気が合うんじゃないかあいつら?」
ベルトルト「不器用な二人だからね」
ライナー「それは正論だ――ん?」
モブ「今はエレンもミカサもいない」
モブ「ちょっと最近調子に乗ってるジャンといっつも感じ悪いアニにお仕置きするか」
ライナー「最近集団戦やってねえなぁベルトルト?」
モブ「ら、ライナー!?」
ベルトルト「そうだね……ってここにいっぱいいるじゃないかぁ!!」
モブ「やべぇよ……ミカサを除いたらトップの二人が……」
モブ「もうおしまいだぁ……」
ジャン「ちょっと腕の使い方が弱いんじゃねえか?」
アニ「師匠に文句言う訳?」
ジャン「俺は正直者なんでね――っと!」
アニ「ストレートを躱すかい――そうかい!!」
ジャン「でも蹴りは強い――うわっ!?」グルン
アニ「早く立ちなよ吸収が良いんだから詰め込むよ」
ジャン「飴が少ない教官だな!」
アニ「甘ちゃんは内地にいけない」
ジャン「抜かせぇ!!」
――食堂――
ジャン「あいつらいねえと静かだな」
アニ「なんであんたと私が一緒に食べているの?」
ジャン「一人飯は寂しいだろ」
アニ「草食?」
ライナー「ミカサへのアタックからそれはないだろ」
ベルトルト「ごめんね邪魔するよ」
ジャン「おー気にすんな飯は大勢で食ったほうが美味いしな」
ライナー「だってよアニ?」
アニ「……否定はしない」
ジャン「おっ分かってるじゃねえか!ならもっと輪に入れって!!」
エレン「疲れたー」
アルミン「も、もう限界……水」
ミカサ「エレンあそこの席が空いてる」
クリスタ「うー、うー」
ライナー「やぁクリスタあそこに君の席を取っておいたよ」
ユミル「キモいんだよホモ、野郎……!!」
ライナー「言われると思って2つ分取ってある」
ユミル「話せるホモは嫌いじゃない……」
アニ「……お疲れエレン」
エレン「ようアニ……お前のおかげで足腰が強くなったみたいだありがとう」
アニ「……そう」
ミカサ「……」
ジャン「お節介かも知れねえがあそこに三人分の席を用意してある」
アルミン「え!?」
マルコ「はぁ!?」
コニー「ジャンが気をつかってる!?」
サシャ「そこじゃないと想います」
ジャン「疲れてると思うし使ってくれよ」
ミカサ「三人分……」
ジャン「ミカサとアルミンそれにエレンの分だ」
アルミン「!」
エレン「ジャンお前何か良い奴なのか?」
ジャン「どうした死に急ぎ野郎?すっげーキモいぞ」
エレン「ったく……ありがとな」
ミカサ「今回は礼を言う。ありがとうジャン」
ジャン「ッ!――どういたしまして」
マルコ(ジャンはまさかミサカを――?)
アニ(やっぱりエレンと話しをしている方が――)
ジャン(やっぱ俺はミカサを――)
ちょっとお風呂です
――朝――
アニ「……」
ミーナ「おはよーアニ」
アニ「おはよ」
ミーナ「なんか最近お尻痛いんだけど何かしたかな」
アニ「さぁ」
ジャン「おーす」
ミーナ「ジャンおはよー」
ジャン「邪魔するぜ師匠さん」
アニ「勝手に……」
マルコ「突然ごめんね……あっちだとサシャにパン取られそうで」
ミーナ「サシャェ……」
ジャン「それより師匠はよぉ朝から怖いって」
アニ「あ?」ギロ
ジャン「それが怖いって言ってんだよなー」
アニ「今日は覚えときな」
ジャン「おーこえ~わー」
アニ「馬鹿にしてるねあんた」
ベルトルト「二人共朝から元気だね」
ライナー「いつからそんな仲良くなったんだよ」ニヤニヤ
ジャン「おうライナー師匠が俺を脅してくんだわ」
ライナー「お前もアニを煽って本気出させようとすんなって」
ベルトルト「強くなりたい気持ちは分かるけどね」
ジャン「お前ら……隠し事は通じねえのか」
ベルトルト「隠し事……」
ライナー「それにしても『今日は覚えておきな』キリ」
ベルトルト「何かかっこいいよね……作ってたりして?」
ジャン「アニはヤンキーキャラだったのか!」
アニ「あんたら――」
サシャ「その隙を逃さない女とは私のことです!!」
アニ「まさか」
サシャ「アイエエエエエエ!?」
モブ「サシャがライナーに突っ込んだぞ!?」
アニ「……今みたいに常に集中することだね」
ジャン「お、おう(こえーわ)」
――訓練――
アニ「……」
クリスタ「立体起動だねユミル」
ユミル「そうだな……格闘訓練じゃなくてなぁ?」ニヤァ
ライナー「ハラがwwwwww」
ベルトルト「は、はやく行こうよライナー」
ジャン「そんな恥ずかしい顔すんなって」
アニ「――!」
ジャン「格闘訓練だと思った?残念立体起動でした!!」
アニ「殺す!!」バシュ
ジャン「立体起動は俺の方が上なんだよぉ!!」バシュ!
ジャン「おいおい追いついてねぇぞ?」
アニ(悔しいがジャンは立体起動の扱いに関しては唯一ミカサに届く……!)
ジャン「このままぶっちぎりだぜ!」
アニ「でも負けない!!」
ライナー「早すぎだろ……」
エレン「負けねえぞジャン!」バシュ
ミカサ「エレン待って私も行く」バシュ
ベルトルト「速さを競う訳じゃ無いんだけどなあ」
ユミル「ベルトルさんに賛成だ」
クリスタ「でも点数高いと気合はいるよね……」
ジャン「俺の勝ちだな……疲れた」
アニ「く……」
ジャン「という訳で教えてやってもいいぞ?」
アニ「何を?」
ジャン「立体起動のコツ」
アニ「あんたのキャラからしてありえない」
ジャン「当たり前だそこら辺の奴には教えねえよ」
アニ「――!」
ジャン「いつもの恩返しだよアニ」
アニ「……弟子のためなら仕方ないね」
ジャン「素直じゃねぇよなお前」
アニ「鏡見てみる?」
ジャン「ほっとけ!……簡単にいえば視野を広く持て」
アニ「視野を……広く?」
ジャン「ああ、どいつもこいつも自分のルートしか見てないからな。そりゃ加速も限界が来る」
アニ「あんた頭いいよね」
ジャン「まぁアルミンやベルトルトに隠れてるけどな」
ジャン「前しか見てねえと咄嗟の巨人に反応出来ねえしな」
アニ「で、具体的には何をするの」
ジャン「いざ広くしろって言っても無理がある」
アニ「だから――」
ジャン「体験すればいいんだよ――俺を」
アニ「ごめん、あんた馬鹿?」
ジャン「馬鹿ではないと思いたいが?」
アニ「そのポーズは何?」
ジャン「口で説明するより俺の背中で体験した方が早いだろ」
アニ「……たしかに」
ジャン「アニは周りを見てればいい舵取りは俺に任せろ」
アニ「……落とさないでよ?」
ジャン「ならちゃんと捕まってろ」
アニ(意外に大きくて暖かい)
ジャン「どうよ客観的に見る景色はよぉ?」
アニ「うんたしかに何時もと違って視界が晴れる」
ジャン「それが俺やミカサが見ている風景だ」
アニ「こんな時でもミカサなの?」
ジャン「ほっとけ!」
ジャン(とは言ったもの意外にアニの体が柔くて緊張しちまう)
アニ(居心地が良くて驚き)
ジャン(でもミカサが……いやアニも?)
アニ(エレンよりも大きい背中……って何を考えている)
ジャン(ミカサが一番だろ俺!――ん?)
アニ(どうしてこんなこと――え?)
ベルトルト「あっ」
クリスタ「て、天気いいよねー…」
ユミル「俺を感じろwwwwwww」ゲラゲラ
ライナー「いやぁ……いやぁ」ニヤニヤ
ジャンアニ「この出歯亀共があああああああああ」
アニ「修業の成果」
ベルトルト「アニがライナーの後ろを一瞬で取った!?」
クリスタ「そのまま顔を蹴った!?ねえユミルライナーは大丈夫なの?」
ユミル「逃げようクリスタ……腹減った」
ライナー「ばぁーか!この勢い利用して逃げてやる!!」
ジャン「俺を出し抜けると思うかライナー?」
クリスタ「うん逃げよう」
ライナー「ベルトルトォォ!!」
ベルトルト「ユミル、クリスタこっち」
ライナー「ファッキューベッル」
――食堂――
サシャ「ライナー!パァンをパァンでパァン!?」
ライナー「俺はスープで十分だ」
ジャン「動いたから腹減った」
アニ「同感」
マルコ(また仲良くなってる?)
エレン「ジャンどうしたらあんなに立体起動が」
ジャン「お前に教える訳ねえだろヴァアアアアアカ!!!」
エレン「馬鹿って言ったほうが馬鹿なんだよこの馬鹿!!」
コニー「うるせぇぞバカども」
エレジャン「うっせーぞ馬鹿!!」
アニ「……w」
ジャン「おっ師匠が笑ったぞ」
エレン「ジャン!余所見すんなって!」
ジャン「お前より目が良いからな俺は」
エレン「俺の視力はお前よりいい!!」
ジャン「おもしれぇ……比べようぜ!」
ベルトルト「賑やかでいいね」
アニ「……ホントね」
ライナー「まぁ楽しいのは好きだしな」
ユミル「……」
アルミン「日にちは過ぎていきエレンとジャンの仲は深まり対立も少なくなりました」
マルコ「驚いたのはジャンがミカサから身を引いたことです」
アルミン「そして来たるべきエレンと決着の時が来たのです」
マルコ「この時はみんながその戦いを真剣に見ていました」
アルミン「遂に来た対決の時に誰もが注目したのです」
マルコ「二人の思いが交差する時新しい何かが生まれる――」
「ようエレン随分と待たせちまったな」
「気にすんな……それに遂にこの時が」
普段の訓練とは思えないほど静まる訓練場。
訓練兵のその全ての人間が断りもなくその腕を止め二人を凝視する。
教官たちが止めに入ろうとするがキース教官がそれを防ぎ二人の決着の場を作り上げる事に貢献する。
「エレン……もちろん本気出せよ」
「当たり前だジャン……それにどっちが暴漢だとか関係無いからな」
男の真剣勝負に順番など必要じゃない。
己の溢れ出る意地と意思をぶつけ合うのに時間の待ちなど語る事なかれ。
決闘に水を差す物など誰も呼んではいない。
「ならこっちから行かせてもらうぜぇ!!」
一気に距離を詰めエレンの懐に潜り込むジャン。
対するエレンはバックステップの要領で間合いを測りなおしジャンを見据える。
拳を引くジャンのタイミングに合わせ足を踏み込み右拳を突き出す。
その拳はジャンと重なり両者の中心で拳と拳がぶつかり合う。
「やるなジャン!」
「お前もなエレン!でもよぉ!!」
突き出した右腕をその勢いのまま上に逸らしエレンの腕を叩き落とす。
ライナーとの訓練では重い一撃を受けるのではなく流すことに集中していた賜物である。
「そうかよ!!」
「しまっ!?」
腕を降ろされたことにより姿勢を崩したまま前のめりになるエレンは策を講じていた。
崩されても倒れること無くその足で踏ん張り逆にジャンの懐に潜り込む。
ジャンがアニと訓練している間エレンはミカサと格闘訓練を過ごしていた。
そしてそこから生まれたのは――
容赦の無い膝蹴り。
ジャンの腹にめり込んだ膝はジャンの大勢を崩し彼の身体が宙に浮く。
そのまま着地する無防備な足を払いジャンを大地に倒れさせる。
取った。
誰もがそう思ったがジャンは諦めていない。
大地を転がりその身を汚しながら、プライドを捨てながらも立ち上がる。
至近距離となった今小細工など必要もなく力と力の競い合いが行われる。
ジャンの右ストレートがエレンの顔に当たればエレンの蹴りがジャンを捕らえる。
そんな見るに耐えない応酬が何度も行われる――
クリスタ「ねぇユミル……男の子ってどうしてこんなに不器用なの?二人共謝れば」
ユミル「黙ってなクリスタ、馬鹿は馬鹿なんだから」
ミカサ「エレン……!!」
「俺はお前が羨ましい!!」
「何だよこんな時に!!」
「いっつもミカサと一緒に居るお前が!!」
「またミカサの話かよ!!」
「それに前を見続ける強いお前が羨ましかったんだよ」
「え――!?」
硬直するエレンの隙を逃さず大振りの回し蹴りを放つジャン。
その攻撃を間一髪で躱し隙の出来た肉体目掛けて渾身のストレートを押し込むエレン。
ジャンの肉体にエレンの拳は響き渡るがジャンは崩れない。
そのまま外れた右足を踵落しの要領でエレンの左肩に振り下ろす。
「がっ――!!」
「だから俺はお前に強く当たってたんだよ」
「そんなの知るかよ!ならお前だってもっと――」
「それが出来たら苦労しねんだよ!!」
アルミン「これは……何の意味があるんだ……!」
キース「止めに入る者は私の許可を取れ」
互いに衝撃を受け大地に寝転ぶ男が二人。
だが迸る熱い思いは止めることも出来ずに溢れ出る。
「エレン……お前みたいにみんな正直じゃねんだよ」
「ジャンだって……し、正直だろ、普通あんな堂々と憲兵団とか内地とか言えないだろ」
「あれはただの逃げ道をつくっていただけだ!お前みたいに夢のある発言じゃ無い!!」
「だったら夢を信じろよ!?俺達は何のために此処に居るんだよ!?」
「はは、それだ――それだぜエレン。お前って奴は眩しいな」
「本当に分からねえ俺だって強くないし巨人だって怖いさ」
拉致が明かない――エレンはその無自覚故に周りを惹きつける力があるのかもしれない。
ジャンもエレンもお喋りをするために此処に寝ているわけではない。
「俺も何かよく分かんねえけど吹っ切れたみたいだわ――俺はお前みたいになれないらしい」
「当たり前だろ?俺は――俺だ」
(そうじゃねえよばーか……本当に面白い奴だなエレン)
そうして重い腰を限界寸前の体力で持ち上げ最後の攻撃に映る――。
クリスタ「二人共頑張ってー!!」
ユミル「――クリスタ?」
クリスタ「何か勝手に声が出ちゃった……ううん、これはきっと私の本心!頑張れー!!」
ユミル「……はっ!おいささっと終わらせろよぉお前ら!!」
コニー「ジャンもエレンもかっけーぞ!!」
サシャ「勝った方には私のパンを特別に上げますよ―!!」
トーマス「立ち上がれ―!!」
ミーナ「頑張って!!」
アルミン「みんなが二人を応援している……最初は茶番みたく見ていたのに」
アルミン「エレェェン!!頑張れええええええ!!!」
マルコ「ジャン最後まで踏ん張れ!!」
ベルトルト「どっちも頑張れー!!」
ライナー「さて……エレン!もっと根性見せろ!!ジャン!俺が訓練に付き合ったんだから負けるなよ!!」
ミカサ「エレン……エレン!!」
ミカサ「エレン!!――私はあなたを信じてる」
ジャン「!――それでこそミカサだぜ」
エレン「何か言ったかジャン?」
ジャン「何でもねえよ死に急ぎ野郎……ミカサを大切にな」
エレン「俺はもう家族を失わない――守り通すさ」
アニ(私はエレンを――)
(でもジャンだって――)
(こんな気持は初めて――)
ベルトルト「気にする必要はないよ」
ライナー「お前の応援したい方を応援しろ」
アニ「あんたら……」
ベルトルト「お見通しさ僕達にはね」
ライナー「ついでにユミルもな」
ユミル「よぉ恋する乙女」
アニ「そう――私の応援したい方――!!」
アニ「ジャン!!最後まで頑張ってから果てな!!まだ諦めるのは早いよ!!」
ジャン「――!俺にも女神ってのがいるのかもな」
エレン「こんなに応援されるなんて思ってもいなかったなジャン」
ジャン「全くだ――さっさと終わらせるぞこんなもん!!」
エレン「ああみんなのためにも、俺達のためにも!!」
ジャン「こんな部外者から見たらただの茶番だそれも極上にクソ寒い――でも俺にとっては大切なモンなんだよ」
エレン「行くぞジャン!!」
ジャン「ああ――俺も決着をつける!!」
アルミン「こうしてエレンとジャンの戦いは終わりました――どっちが勝ったのか?」
アルミン「両方共倒れてしまって勝敗はわかりません。その後すぐ医務室に運ばれました」
アルミン「ただその気高き兵士の姿は僕達訓練兵に深く刻まれました――」
ン――レン――!!
ミカサ「エレン!!」
エレン「う…み、ミカサ?」
ミカサ「良かった目を覚ましたのね」
エレン「そっか俺とジャンは倒れて――ジャンは!?」
クリスタ「先に起きてどこかに行っちゃたの」
アルミン「マルコとライナーとベルトルトとアニとユミルが探しに行ってるから心配しないでね」
コニー「それにしてもお前ら熱いぜ!!」
サシャ「最初はいつもの喧嘩かと思いましたが……感動しましたよ!」
エレン「……そっか」
アニ「こんなとこにいたの」
ジャン「よう師匠、俺の負けだわあれ」
アニ「そう思うのかいジャン」
ジャン「たしかに勝負は引き分けかもしれないけど……いや何でもねえ」
アニ「そう……言わない方がいい」
ジャン「でも区切りは付いた……と思う……そう言えば」
アニ「?」
ジャン「応援、聞こえたぜ?俺だけの応援したのマルコとアニだけだ」
アニ「そ、それは付き合いもあったし弟子だし……」
ジャン「言ってくれただけで嬉しいさ」
マルコ「ジャン……」
ライナー「水差すなよマルコ」
マルコ「うん……それはわかってる」
ジャン「すっげー嬉しかった」
アニ「……」
ジャン「何かこう言葉に表せない気持ちって言うか」
アニ「……」
ジャン「自分の気持ちに気づいたんだ」
アニ「無意識だった……両方応援するつもりだった」
ジャン「……」
アニ「でもジャンが浮かんでジャンだけを応援してた」
ジャン「……」
アニ「それで真っ直ぐなジャンに触れて私は気づいたんだ」
ジャン「俺はミカサの事が好きだって事を改めてな」
アニ「私はエレンの事が好きって事に――」
アニ「……」
ジャン「悪いなアニ……いや両方なら謝る必要ねえか」
アニ「何でジャンは――泣いているの?」
ジャン「!……なんでだろうな……分からねえ、分からねえな!!」
ジャン「俺はミカサの事が好きなのに……何でだろうな」
アニ「あんたは本当に不器用だよ……私も」
ジャン「お前も泣いてるじゃねえか」
アニ「――馬鹿」
ジャン「俺此処に来て良かったって本当に思う」
アニ「そうね……出会いは」
ジャン「もちろんアニだって出会えた」
アニ「――馬鹿」スッ
ジャン「おい抱きついても何も俺達には無いって分かるだろ」
アニ「少し……少しでいいから」
ジャン「仕方ねえな……」
アニ「私、みんなと戦いたくない……!」
ジャン「……よくは分かんねえけど助けてやるから心配するな」
アニ「もっと早くそうやって素直になってくれたら……」
ジャン「お互い様だ…でも俺はミカサが好きだ」
アニ「私も――エレンが好き」
ライナー「帰るぞ」
マルコ「ごめんちょっと僕は先に行ってるね」タタッ
ベルトルト「アニ……そうか、そうだね辛いよね」
ユミル「……」
ライナー「俺も人のことは言えないか」
ユミル「お前ら……いやなんでもない、何でもないんだ……どっちしろ全てはまだ先だろ?」
ベルトルト「――!何を言っているかは分からないけどまだ訓練は終了していない」
ライナー「別れにはまだ早いって訳だ」
――翌朝――
エレン「ジャン!大丈夫か!?」
ジャン「こっちの台詞だ馬鹿野郎」
エレン「そんだけ言えるなら大丈夫だな」
アニ「おはようエレン」
エレン「おはようアニ……今日久しぶりに訓練組まないか?……あ、ジャンとか?」
ジャン「いや俺はもうアニとの修行は終わったからな……終わったよ」
マルコ「……」
エレン「なら頼むぜアニ、今日こそ倒してやる!!」
アニ「――!負ける気はしないけどね」
ライナー「胸が痛いなベルトルト」
ベルトルト「どうしてこんな……不器用なんだろうね」
ミカサ「その、ジャンは元気?」
ジャン「!あ、ああ!元気だぜ!ありがとよミカサ!!」
アルミン「元通り――なのかな?」
サシャ「食べないならエレンとジャンの分も貰いますね!」
エレン「サシャやめろおおおおおお!!」
ジャン「この芋女ァ!!」
アニ「ふふ……面白い奴らだよ」
ミカサ「同感……誰も欠けること無くこのまま……」
アニ「――そうだね」
ジャン「おいエレン!」
エレン「何だよジャン?」
ジャン「絶対ミカサを守れよ――死んでもだ!!」
エレン「当たり前だろ!」
ジャン「そうだ……これでいいんだよ俺はな」
――終わり――
終了です
ジャン「俺はエレンに勝ちたい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371911191/l50)
に加筆修正を加えたものでした(完結した後に続けるのもアレなので新スレで
コメントありがとうございました!
それとジャンアニっていいですよね!
このSSまとめへのコメント
胸が…ジャン兄さん…あんた男だよ…