このSSは5月18日古澤頼子ちゃんの誕生祝いのSSです
アイドル達やPが頼子さんのお祝いをしたり、頼子さんとの思い出を振り返るSSです
よろしければ是非ご一読ください
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シンデレラプロ事務所
文香「……」
晶葉「お疲れ様です…あ、文香か」
文香「あ……」
晶葉「珍しいな、本を読んでないのは、ん、カレンダーを見てたのか」
文香「……はい、あの5月18日は」
晶葉「そんな事はわかっている、頼子の誕生日だ」
文香「……」コク
晶葉「頼子のお祝いは私に任せておけばいい」
文香「……頼子さんの誕生日は私がお祝いします」
晶葉「むう…」
文香「……」ジー
ちひろ「…どうしたの二人とも」
晶葉「あ、ちひろさん…いや、これは…」
文香「…と、特別何も……」
ちひろ「ふふ、頼子ちゃんの誕生祝いの相談でしょ」
ちひろ「仲良くお祝いしてあげるのよ」
晶葉「う……」
文香「は、はい…」
晶葉「確かに…私たちが喧嘩していると頼子は…」
文香「…はい……皆でお祝いした方が、きっと喜びますね」
ちひろ「そうよ、私も出来る事は手伝うからね」
晶葉「うむ、よろしく頼む、ちひろさん」
文香「……」コク
晶葉「早速だが、ちひろさん、会議室を使わせてくれ、私は…」プルル
・・・
移動中車内
モバP「ああ、晶葉か、運転中だけど…ハンズフリーだから大丈夫だ」
モバP「わかった、参加する面子は…ああ、何とか調整するよ」
モバP「うん、じゃあな」
モバP「もう、頼子の誕生日か…早いもんだな」
モバP「頼子と出会ったのがつい昨日のようだよ…」
モバP「凛達との仕事にも慣れてきて…」
モバP「社長にスカウトしてこいって放り出されたんだったな…」
モバP「何日も上手くいかなくて…途方に暮れてた時に、たまたま頼子を見つけて…」
モバP「ああ、そういえば、美術館に入ったからついていったんだったな」
モバP「今思えばストーカーだな…気をつけよう」
・・・
とある美術館
モバP「そ、そろそろ、展示も終わるな…よ、よし」
モバP「あの、君、ア、アイドルにならないか?ぼ、僕にプロデュースさせて欲しい」
頼子「私をプロデュース…貴方が…?」
モバP「あ、ああ(怪しまれてるかな…そ、そうだ、名刺)」
モバP「こういうものです…渋谷凛とか知らない…よね」
頼子「はい…名前くらいは」
モバP「だよね…えええっ」
頼子「美術館では…お静かに」
モバP「ご、ごめん。うちのアイドル知ってるなんて…もしかして芸能界に興味ある?」
頼子「いえ、私は…アイドルなんて柄では…絵画や美術が好きなだけで…」
モバP「いや、君ならしっかりやれるよ、すごくかわいいし」
モバP「俺なんて君を一目見て、ティンと来たんだから間違いないよ」
頼子「あ、えっと…その……」
モバP「ごめん、驚かせたね。よかったら、少し話を…どうかな。嫌な無理には…」
頼子「その…でも…アイドルって…華やかな世界なんでしょうね…」
モバP「ああ、それはもちろんだよ。ど、どう?」
頼子「うん…楽しそうだな…って…」
モバP「じゃ、じゃあ…」
頼子「お話…聞かせて……」
・・・
モバP「まあ、スカウトした後が大変だったけどな…」
モバP「猫背が癖になってて人と顔合わせないし…」
モバP「笑顔作るのも苦手だったしな…」
モバP「本当は仕事やりたいのに、この仕事…少し興味がある…、だもんな」
モバP「でも、手がかかった分、本当の気持ちを話してくれた時は嬉しかったな」
・・・
シンデレラプロ事務所
モバP「お疲れ様、頼子」
頼子「はい、お疲れ様です…、Pさん」
モバP「ふふふ」
頼子「どう…しました?」
モバP「いや、今日の頼子はずいぶん多弁だったなぁってさ」
頼子「え…でも、今日は作詞家さんとの打ち合わせで…」
頼子「私のイメージをつかんでもらうために…色々話さないと…ってPさんが」
モバP「そうだけどさ、あんなに色んな事話してくれる頼子初めて見た気がするよ」
頼子「……そんな…事は」
モバP「そうか?どうだアイドルの仕事は…まあまだ準備段階だけど」
頼子「……うん」
モバP「頼子?」
頼子「Pさん、私、アイドルのお仕事嫌いじゃないかも…。それに…」
モバP「うん、それに?」
頼子「Pさんとなら…自分を表現できる…かな…って」
頼子「美術…好きだけど…本当は受け止めるだけじゃなくて…」
頼子「自分を思う存分表現したいって…ずっと」
モバP「頼子なら出来るよ」
頼子「うん…あの…」
モバP「ん、どうした?」
頼子「華やかな世界に憧れてた事、Pさんは気付いてたの?」
モバP「ああ、初めて会った時からな」
頼子「どう…して?」
モバP「あの頃のデビューしたての凛の事、よっぽど好きじゃないと名前も知らないぞ」
頼子「…もう、嘘はつけないね。このまま全て受け止めてくれる…?」
モバP「頼子…ああ」
・・・
モバP「……ふぅ」
モバP「あの頃を思うと頼子は見違えるように変わったよな」
モバP「まあ、しばらくは他人と一緒は苦手で、俺も頼子も苦労したけど」
モバP「猫背も直って、姿勢もよくなって」
モバP「でもな、頼子、胸を張って顔を上げるって」
モバP「俺もいつも仕事中に心の中で唱えてるんだからな」
モバP「よし、頼子に負けないように営業がんばろう」
・・・
シンデレラプロ会議室
晶葉「皆よく集まってくれたな」
晶葉「頼子の誕生日を祝い隊隊長の池袋晶葉だ」
文香「皆さん…副会長の……文香です」
夏樹「知ってるぞー」
伊吹「ていうか人多くない?」
晶葉「流石頼子…私の予想以上だな」
美世「確かにこれは多すぎよね」
聖來「私と夏樹ちゃんと伊吹ちゃんは地元一緒よ」
伊吹「茨城のイベントでよく一緒になるしな」
夏樹「別にいいけどよ、だりーも頼子と仲よかったのか?」
李衣菜「うん!私と頼子はバロックについて語り合う仲だからね」
一同「えっ」
ありす「李衣菜さん、失礼ですが、ロックと間違われているのでは?」
聖來「(誰もが思ってて聞かないことを…ありすちゃん、恐ろしい子)」
李衣菜「最初はそう勘違いしてだけどさ、頼子に聞きにいったら詳しく教えてくれたよ」
李衣菜「そしてバロックもロックだって気づいたんだ」
ありす「そ、そうですか…」
李衣菜「ていうか、なつきちが頼子が詳しいって教えてくれたんじゃん」
夏樹「ははは、そうだなったな、すまん!説明、面倒くさくてさ」
文香「(頼子さん…さぞ困惑された事でしょう…)」
比奈「ははは、頼子ちゃんは面倒見いいっスね」
李衣菜「むうー。そういう比奈さんは頼子と仲良いんですか?」
比奈「アタシらはよく読書会するっス。ねっ、ありすちゃん」
ありす「はい。頼子さんにはよくオススメのミステリーを紹介してもらってます」
沙織「わだすもよくご一緒させてもらってます」
風香「私の作品もよく読んでもらってますね」
風香「作品のための調べ物の資料も教えてくれるんです」
文香「(私の部屋の本からが多いですが…頼子さんが私の司書…)」ニコ
晶葉「文香…なんか怖いぞ」
ありす「それに私の勉強も見てもらってます」
ありす「今までのどの学校の先生よりわかりやすいです」
光「へぇー、ありすもなんだ。アタシもよく教えてもらってるよ」
美世「あたしと光ちゃんは頼子ちゃんと同期だしね」
光「うん、そうだね!三人組のヒーローみたいだよね!」
ありす「むぅ」
美世「ヒーローはどうかな…」
美世「あ、そうだ…皆はさ、頼子ちゃんが泣いてる所見たことある?」
晶葉「な、何だと!何故だ、私はそんな頼子知らないぞ」
美世「それは…あたし達は同期だもんね」
文香「…気になります」
晶葉「会長権限だ、話せ」
美世「ま、そこまで言うなら仕方ないね」
光「ちょっと、美世さん、いいの?」
美世「最後はいい話だから、いいの!」
ありす「(会の趣旨から離れてる気がしますが…私も気になるので大人しくしましょう)」
晶葉「さぁ!」
光「う、うーん、いいのかな」
・・・
とあるレッスン場
モバP「お疲れ様です」
トレーナー「あ、お疲れ様です」
モバP「どうですか、三人の調子は」
トレーナー「え、ええ、頼子ちゃんがちょっと…」
モバP「えっ、頼子が…ですか?俺が見てる時は特に問題ないように見えますけど」
トレーナー「はい…一人でレッスンは問題なかったんですけど」
トレーナー「二人と合わせると…急に」
モバP「そうですか…確かに普段の仕事でも、よく知らない人とはやりづらそうですね」
トレーナー「何かのきっかけで自信がつけばと思いますが…」
モバP「そこは俺に任せてください」
トレーナー「はい、でも…」
モバP「これで俺はプロデューサー、女の子をシンデレラにする魔法使いです」
トレーナー「は、はぁ…(Pさん、正直くさいです)」
モバP「じゃあ、三人は連れて帰りますね。今日はありがとうございました」
トレーナー「はい、またよろしくお願いします」
・・・
モバP「おーい、三人とも、レッスンお疲れ様、ほら、差し入れ」
光「あっ、Pさん、お疲れ様!もーらい!」
美世「お疲れ様です、差し入れありがとう!」
頼子「…お疲れ様です」
モバP「ほら、頼子も」
頼子「あ…ありがとうございます」
モバP「(うーん、見るからに元気ないな)」
モバP「(光も美世もまだ自分の事で手一杯だろうし)」
モバP「よし、じゃあ、帰るぞ」
モバP「光と美世は駅まででいいよな」
光「はい!」
美世「はーい!」
モバP「頼子は事務所によって俺と打ち合わせな」
頼子「は…はい」
・・・
シンデレラプロ事務所
モバP「悪いな、頼子、レッスンで疲れてるのに」
頼子「いえ…こちらこそ、すみません」
モバP「ははは、もうちょっと元気出せないか」
頼子「すみません…」
モバP「すみません、じゃなくてだな」
頼子「Pさん、私…もうダメです…これ以上は…」
モバP「頼子、急にどうしたんだ」
頼子「Pさんだってわかってるはずです…私、人前だと…失敗ばかりで…」
モバP「頼子…」
頼子「ごめんなさい、せっかくスカウトしてもらったのに、でも…」
モバP「頼子!」
頼子「は、はい!」
モバP「頼子はずっとアイドルに憧れてたんだろ」
頼子「でも…それだけじゃ……」
モバP「光も美世もいい子だ、二人に遠慮しないでいいんだぞ」
頼子「出来ません…そんなこと」
モバP「ふぅ…わかった、もう少し後に見せるつもりだったんだけど」
頼子「…?」
モバP「とっておきの魔法を頼子にかけてやるよ」
頼子「う、うん…」
モバP「頼子、目つぶってくれ」
頼子「は、はい…」ポッ
・・・
晶葉「ちょっと待て!助手め、よくも頼子に!」
文香「……」ギギ
美世「二人とも、落ち着いてー。そういう話じゃないから」
光「えっ、どういう話なんだ!?」
ありす「光さんは黙っていてください」カァ
光「えー」
美世「話に戻るよー」
・・・
モバP「よし、終わった!目開けていいぞ」
頼子「は、はい…えっ…これ、本当に私?」
モバP「ああ、間違いなくな」
モバP「どうだ、人手が足りない時のために覚えたメイクけど、なかなかだろ」
頼子「……」
モバP「頼子、どうしたー?」
頼子「い、いえ…自分じゃないみたいです…ふふ」
モバP「どうだ、こんなにかわいいんだ、アイドルしないでどうするんだ」
頼子「え、はい…で、でも」
モバP「じゃあ、魔法第二弾だ」
モバP「頼子、上着脱いで」
頼子「えっ…私、まだ心の準備がっ」
モバP「そ、そうじゃないぞ、ほら、これ」
頼子「Pさん…これは…私のステージ衣装ですか?」
モバP「ああ、合わせてみろよ、俺は外してるから」
頼子「はい…(私のステージ衣装…)」
・・・
モバP「どうだ、頼子、着替え終わったか」
頼子「は、はい…どうぞ」
モバP「おお、これは予想以上だ」
頼子「え、えっと…」
モバP「何か感想は?」
頼子「えっ、あ、はい…。この私がアイドルだなんて…驚きですよね」
モバP「ふーん」ニヤニヤ
頼子「でも、一番驚いてるのは私…。ポーカーフェースもこういう時には役立つの」
モバP「ポーカーフェースじゃなきゃ、どうなるんだ?」
頼子「そ、それは…こ、この衣装だって新鮮だし…」
頼子「さすがプロデューサー、私以上に私を知ってるの…」
モバP「ふふ(ちょっと面倒くさいけど、かわいいなぁ、こういう所)」
モバP「どうだ、頼子の役目はみんなの心を奪う事、やれそうな気がしてきただろ」
頼子「…うん」
モバP「ただ、今の姿勢のままじゃな、ちょっと失礼」グイ
頼子「きゃあ」
モバP「胸を張って、顔をあげる」
頼子「う、うん、ちょっと苦しいです…でも」
モバP「でも、出来そうな気がしてきただろ」
頼子「はい…私に出来ますか?」
モバP「出来るさ、頼子なら、自分が信じられなくてもさ」
モバP「俺を信じて、思い切りやってみないか?」
頼子「…はい」
モバP「よし!それに光も美世も頼子の事受け止めてくれるさ」
モバP「二人とも出てこいよ」
光「ええっ!」
美世「バレちゃった?」
モバP「頼子が心配でついてきてたんだろ」
頼子「美世さん…光さん…」ウル
モバP「な、頼子、俺が言ったとおりだろ」
頼子「はい…はい…」グス
光「頼子さん、どうしたんだ、Pさんにいじめられたのか!?」
頼子「ううん、違うの…ありがとう」
美世「これからは何でも言ってね、一人で悩むのはダメだよ」
頼子「はい、美世さん」
モバP「よし、せっかく三人揃ったし、二人も衣装合わせするか」
光「えっ、ホントに!ヤッターーー!!」
美世「あたしのもあるの…ドキドキしてきた」
モバP「はは、じゃあ、俺は外で待ってるな」
頼子「あの…Pさん、ありがとうございます」
モバP「ああ」
・・・
文香「頼子さんにも…こんな時期があったんですね…」
夕美「私も頼子ちゃんとお仕事したの、お月見イベントの時だったから」
夕美「昔の話聞いた時は驚いたなぁ」
晶葉「ああ、夕美はあの時が初めてか」
聖來「お月見イベントと言えば菜々さんは?」
晶葉「菜々には声かけてない、菜々のバースデーライブもすぐだからな」
聖來「あーなるほど」
夕美「菜々ちゃんなら、ライブ終わってからでも大丈夫だよ♪」
沙織「お月見イベンドの頼子ざん、素敵でしたぁ」
風香「そうですね、とってもかわいいかったです」
晶葉「……」カァァ
文香「(どうして…晶葉さんが照れてるの…でしょうか?)」
夕美「お月見イベントの頼子ちゃん、よかったよね」
晶葉「同じような衣装なのに、頼子はやたらに色気があったな」
夕美「Pさんなんて、どぎまぎしてたしねー」
美世「ところでさ、そのお月見イベント辺りで…」
美世「Pさんと頼子ちゃんに何かあった気がするけど、あたしの気のせいかな?」
聖來「あーそれ、わかる。何か感じ変わったよね」
晶葉「そ、そうか?何かと言っても…イベント中は、菜々も夕美も一緒だったからな」
夕美「Pさんと、月は移り気だから気持ちを誓ってはダメ…とか」
夕美「十三夜も一緒に見ようって言ってたくらい?」
晶葉「そうだな、イベントの打ち上げのために用意したお団子が」
晶葉「何故か、頼子と助手が席を外して戻ってきたら減っていたことくらいだな」
美世「それって…」
聖來「思いっきり…」
晶葉「大方頼子がつまみ食いしたのだろう」
文香「えっ?」
晶葉「頼子は少食のわりに食意地張ってるからな、うんうん」
夏樹「そう…なのか?」
伊吹「いや…違うと思う」
晶葉「ああ、私と一緒に休憩時間中にクレープを食べてた時なんて」
晶葉「休憩時間中に食べきれなくて、ライブ前に、た、食べ終わってからで…」
晶葉「なんて言ってたぐらいだからな」
ありす「給食が時間内に食べられない子みたいですね」クス
文香「(あれ…頼子さんって少食だけど…、食べるの遅かった…?)」
美世「(違う、違うよ、晶葉ちゃん、ありすちゃん)」
聖來「(ゆっくり食べてPさんとわけっこしようとしたのよ、それは!)」
・・・
とあるスタジオ
頼子「ッッッ」クシュン
頼子「風邪…かな?私のバースデーライブも近いから気をつけないと」
頼子「ファンの方の笑顔が見られるように、しっかり準備しないと…フフ」
頼子「あ…月が綺麗……」
頼子「お月見イベント…思い出すな…」
頼子「貴方はどうですか…Pさん?」
・・・
とあるイベント会場
モバP「皆、お疲れ様!最高だったぞ!」
晶葉「ははは、私と皆が一緒なのだ、当然だな」
夕美「ありがとう、Pさん、えへへ」
菜々「ウサミン星の皆も盛り上がってくれました」
頼子「………」
モバP「どうした、頼子?」
頼子「いえ…ファンの笑顔が見れました…フフ」
頼子「私も笑顔になっちゃいます…」
晶葉「その割には控えめな笑顔だったな、もっとこう」グイ
頼子「あ…あ、あきゃはひゃん」
夕美「ポーカーフェースもこれじゃ型なしだね」
モバP「でも頼子、ライブ中とてもいい笑顔だったぞ」
菜々「そうですねー、すごく楽しそうでしたー、でも、菜々は…」
晶葉「どうした、ウサミン星人、体力切れか」
菜々「はい…、菜々は菜々はすべてを出しつくしました」
夕美「私もへとへと…少し休もう?」
モバP「ああ、打ち上げは少しあとだから、ゆっくり休んでくれ」
頼子「あの…Pさん…あの約束、覚えてますか?」ボソ
モバP「え、ああ…」
頼子「では、後ほど…フフ」
・・・
モバP「えっと、ここかな?」
頼子「Pさん…お待ちしていました」
モバP「頼子…おい、まだその格好なのか?」
頼子「Pさんに…Pさんだけに私のステージ見てほしくて……」
モバP「あ、ああ」
頼子「(…月も見守ってくれてる…今日なら)」
モバP「頼子…綺麗だな…」
頼子「(Pさんが信じてくれるなら…私も私を信じられるんです)」
頼子「(だから…)」
・・・
頼子「どうでしたか、Pさん」
モバP「ああ、凄かったよ、月でうさぎが飛び跳ねてるみたいだった」
頼子「もう…Pさん…困ります」
モバP「いや、本当だって…」」
頼子「振付は一人用に少しアレンジしたんです」
モバP「うん、良いセンスだったぞ」
モバP「なんていうか、すごく頼子らしくて、綺麗だったな」
頼子「ありがとうございます」
頼子「私…仕事に余裕が持てるようになってきました」
モバP「うん」
頼子「これからは…私もっと自分らしさを見せていきます…」
モバP「ああ、よろしく頼むぞ」
頼子「あの…Pさん、お団子、受け取ってくれますか?」
モバP「えっ、これは打ち上げ用の…」
頼子「今、貴方に受け取って欲しいんです」
モバP「わかったよ、皆には秘密だな」
頼子「…はい」
モバP「うん、美味しいな、ほら、頼子も」
頼子「はい、美味しい」
頼子「……」
モバP「どうした、頼子?」
頼子「Pさん…なんだかこの月を見ていたら、いろんな気持ちが…」
モバP「月?ああ、綺麗だよな…今日晴れてよかったよ…ははは」
頼子「いえ、何でもありません」
モバP「そうか?でも、本当に綺麗だな。…何か言いたいことあるんじゃないか?」
頼子「いえ…、ただ…月が綺麗ですね…」
・・・
移動中社内
モバP「ハッーーークション」
モバP「誰かが俺の噂をしているな…」
モバP「それにしても…月、綺麗だな」
モバP「こういう日はお月見イベントの事、思い出すな」
モバP「頼子…誕生祝いは用意したけど……」
モバP「18日は…直接お祝いしてやれないのがな」
モバP「どうしたものかな」
・・・
シンデレラプロ・会議室
周子「みんな、おまたせーーん」
奏「ごめんなさい、遅れて」
晶葉「ああ、遅かったな、二人共」
周子「かんにんしてー、で、話は進んでる?」
文香「…頼子さんの素晴らしさを語り合っていた所です……」
奏「いや、誕生祝いの相談のために集まってるのよね」
晶葉「あ…」
文香「…これは…大どんでん返し……」
周子「もう遅いし、早く誕生日の打ち合わせしよー」
・・・
5月18日
シンデレラプロ事務所
頼子「ふふ…今日はバースデーライブも上手くいったし」
頼子「ファンの方にもスタッフの方にもお祝いしてもらえるなんて…」
頼子「ちひろさんからこんな時間に打ち合わせって…どんな話かな」
頼子「お疲れ様です」パンパン
頼子「えっ…」
一同「誕生日おめでとう、頼子」
頼子「晶葉ちゃん?文香さんに…みんな……これは?」
晶葉「これはって、今日は頼子の誕生日だろ」
文香「…皆さんと準備してたんです……」
頼子「私のために…ですか?…嬉しい」
夕美「もー、頼子ちゃんの誕生日なのに、他の誰のためなの?」
菜々「菜々もいますよ、頼子ちゃん、お誕生日おめでとうございます」
頼子「夕美さん…菜々さんも…ライブで忙しかったのに」
菜々「頼子ちゃんのためなら、お安い御用ですよ」
菜々「私の誕生日もお祝いしてもらいましたし、キャハ」
頼子「菜々さん…」
菜々「あの…出来たら私も同世代の子みたいにちゃん付けに…」
頼子「え…?」
ありす「頼子さん、そんな事よりこれを…」
頼子「これはケーキ?もしかして、ありすちゃんが?綺麗ね…ピンクサファイアみたい」
ありす「はい…お口に合えばいいですけど」
伊吹「頼子、安心して、アタシがフォローしたからさ」ボソ
頼子「…はい、でもありすちゃんなら大丈夫ですよ」ボソ
聖來「早速だけど、バースデーケーキにろうそくを歳の数だけ用意したよ」
比奈「さ、頼子ちゃん、前に出るっス」
頼子「う、うん…」
・・・
晶葉「さあ、ケーキに舌鼓を打った後はプレゼントタイムだ」
頼子「ありすちゃん、美味しいケーキ、ありがとう」ナデ
ありす「は、はい…ありがとうございます、えへへ」
晶葉「さぁ、頼子、まずは私からだ、見ろ」
晶葉「頼子専用ウサちゃんロボR2だ」
頼子「ありがとう、あ、モノクルしてるね。かわいい」
晶葉「そうだろう、そうだろう、もちろん性能も大幅に向上しているぞ」
頼子「ねぇ…でもどうしてウサちゃんロボなの?」
頼子「たしか、お月見イベントの時に菜々さ…ちゃんのオーダーって」
晶葉「なんでって、そのお月見イベントの時に」
晶葉「…晶葉さんのうさぎさん、かわいらしいですね。フフッ」
文香「(頼子さんの真似…上手い……)」
晶葉「って言ってたじゃないか」
夕美「そういえば言ってたねー♪」
菜々「私は頼子ちゃんとお揃いで嬉しいですよ」
頼子「あ…あれは、晶葉ちゃんの衣装がよく似合っててかわいいよって…ふふ」
晶葉「な…」カァァァァァ
頼子「ふふ…私も菜々さ…ちゃんと一緒は嬉しいな」
文香「頼子さん、私からはこれを…」
頼子「まあ、ストールですか?文香さんみたいです」
文香「夜の読書で…体冷やさないように…と」
夏樹「……ン?」ブーン
夏樹「…おっ、美世からだ…あれ、上手く行ったな」
・・・
頼子「ありがとう、皆、こんなに遅くまで」
ありす「そんな…当然のことです…ふわぁ」
頼子「ありすちゃん…ありがとう」ナデ
ありす「子供扱いは…」カァ
晶葉「頼子、実は最後のプレゼントがあるんだ」
頼子「まだ、何かもらえるの?これ以上は悪いよ…」
晶葉「そう言うな、まあ、ものじゃないがな、フフ」
頼子「一体何を…?」
文香「それは…見てのお楽しみ…」
頼子「…はぁ?」ガチャ
モバP「頼子、お待たせ」
頼子「………」
モバP「ん、どう…した、頼子?」
頼子「いえ…本当にPさんですか?今日は遠くのはずじゃ…」
モバP「ああ、それならな…」
美世「あたしがかっ飛ばしてPさん連れてきたの!」
モバP「あ、ああ…もうちょっとやり方を選んで欲しかった…」
頼子「美世さん…」
美世「それであたしはいなかったの、おめでとう、頼子ちゃん」
モバP「頼子…誕生日おめでとう」
頼子「はい…Pさん……」
晶葉「よし、助手、頼子はお前に任せた!ちゃんと送ってやれよ」
文香「私達は…片付けをしますので……」
モバP「あ、ああ、行こう、頼子」
頼子「はい…あ、でも……」
晶葉「いいから、さっさと行け」
頼子「うん、ありがとう、晶葉ちゃん」
・・・
とある公園
モバP「ちょっと休んで話しようか」
頼子「はい」
モバP「今日の誕生日パーティーはどうだった?」
頼子「驚きました…私なんかをこんなに盛大に祝ってもらえるなんて」
モバP「ま、俺もここまでとは思ってなかったけどな」
頼子「それに本当に嬉しかったです…」
頼子「今日のバースデーライブではファンの方やスタッフの方に…」
頼子「それにみんなやPさんにも…」ウル
モバP「頼子…」ギュ
頼子「誕生日を…誰かが祝ってくれるなんて想像もしていなくて…」
モバP「今日ではわかっただろ、ファンもスタッフも俺たちもみんな頼子が大好きだよ」
頼子「はい…。でも…本当に少しだけ…Pさんならって…期待を…」
モバP「バカだな、頼子は」
頼子「…うん」
モバP「それにな、頼子、俺はこれからもずっと頼子の誕生日を祝いたいって思ってるよ」
頼子「Pさん…」
モバP「お月見イベントの時にさ、気持ち伝えてくれただろ」
頼子「えっ…あれは月が綺麗と…ふふ」
モバP「そうだな、今日も月が綺麗だな」
頼子「はい、そうですね…」
モバP「なぁ、頼子はさ、これからどうしたい?そのアイドルとしてさ」
頼子「えっ…うん」
頼子「いつか…きっと誰の心も奪えるようなアイドルになりたいな…」
頼子「Pさんと一緒に…」
モバP「ああ、頼子が嫌だって言わない限り離さない」
頼子「(そんな事言わないってわかってるくせに…)それと…」
モバP「それと?」
頼子「個人的な事です…もっと自然にPさんといられたらって…ふふ」
モバP「そうだな、少しずつがんばろう、二人で」
頼子「はい」
モバP「それとさ…もう一つ受け取って欲しいものがあるんだけど」
頼子「誕生日プレゼントならカチューシャいただきましたよ…ふふ」
モバP「あ、ああ、それは…そうだけどさ。いいから、目つぶってくれ」
頼子「…うん」
モバP「誕生日おめでとう、頼子」
おしまい
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誕生日おめでとう、頼子さん
今日はたくさん頼子さんの話が出来て幸せです
来年の誕生日のお祝いします
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