爽「さくせんかいぎだー!」 揺杏「お~」 (183)


爽「そういやさ」

揺杏「うん」

爽「ユキに言われたんだけど」

揺杏「うん」

爽「明日の試合、全国ベスト4の臨海出てくるじゃん」

揺杏「だね」

爽「作戦会議した方がいいんじゃないのかってさ」

揺杏「あー」

揺杏「大変だね」

揺杏「がんば」

爽「お前も」



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揺杏「いやでもさ」

爽「うん」

揺杏「うちらの頼れる大将は爽じゃん」

爽「どや」

爽「尊敬していいよ」 フフン

揺杏「あーすごいすごい」

揺杏「あ、ファンタ取って」

爽「敬意」

揺杏「持ってる持ってる」

揺杏「いいからファンタ取って」

爽「はい」 シャカシャカシャカシャカ

揺杏「めっちゃ振る」

 
揺杏「でもさぁ」

揺杏「なんだっけ」

揺杏「爽は弱い時こそ強い!的なアレ」

爽「なんだっけそれ」

揺杏「忘れた」

爽「馬鹿じゃん」

揺杏「まあニュアンス伝わるし」

爽「だからって私まで回る前に飛ばれたらやばいんだよなー」

揺杏「さすがの私でもそれはないんだよなあ」

爽「いやー何が起こるかわからないじゃん」

揺杏「馬鹿じゃないんだから、最低限の防御はするって」

爽「どうだか」

揺杏「余裕余裕、大丈夫大丈夫」 ブシュアアアアアアアアアアアア

爽「……」

揺杏「……」

爽「ベッドびしょびしょじゃん」

揺杏「忘れてたわ」

爽「馬鹿じゃん」

揺杏「振ったの爽だし、爽こっちのベッドで寝てよ」

爽「寝不足で上手く打てないと困るしぃ」

揺杏「頼むって」

爽「絶対嫌」

なんかおかしいと思ったらVIPじゃなかったここ
投下終わったらどうすんのか知らないので、知ってる人いたら適当に教えて貰えると助かります


揺杏「狭い」

爽「じゃあ出てくってのはどうだろう」

揺杏「ベッドのふっかふかさ貴重じゃん」

爽「ベッド使いたくてホテルわざわざ取ったくらいだもんな」

揺杏「成香だったらベッド代わってくれるだろうになーーーー」

揺杏「狭いけどジュースこぼれててヤダって言ったら泣く泣く代わってくれるだろうになーーーー!!」

爽「やめたれ」


揺杏「つーか、明日試合なのに今から会議は遅くね」

爽「まぁな」

揺杏「前回の試合の反省点とか、今言われてもあんまり覚えてない」

爽「あんまり?」

揺杏「跳満3回振った記憶しかない」

爽「反省しろ」

揺杏「悪いとは思ってる」

爽「どこをどう改善するかとか考えたか?」

揺杏「ヤバい牌切らない」

爽「この期に及んでそのレベル」


爽「まあ、一応、ユキが資料まとめといたから」

揺杏「ん」

爽「初戦とか何も話し合わなかった結果のあの惨状だからな」

揺杏「つまり話し合いをしなかった爽サイドにも責任がある」

爽「お前床な」

揺杏「その際は残りのファンタをここにぶちまけて一緒に死ぬ」

爽「そうなったら成香と代わってもらうしかなくなるからやめたれ」

揺杏「代わってもらおうとはするんだ」

爽「床とか嫌だし」

揺杏「だな」


爽「ていうか、初戦で会議しなかったの、前祝いで焼き肉食って胃もたれ起こしたからだったじゃん」

揺杏「あったわ」

爽「揺杏のせいじゃん」

揺杏「もっといい肉だったら脂身がしつこくなくて多分普通に会議出来てた」

爽「やっぱ食べ放題はダメだな」

揺杏「あれが叙々苑なら初戦で消えても悔いはなかった」

爽「あー」

揺杏「な」

爽「でも叙々苑そんな美味いのかな」

揺杏「高いってことは、美味いってことっしょ」

爽「かぁ?」

揺杏「値段は正義」

揺杏「高い方が優れてる」

揺杏「服だって何だかんだたっかいヤツは生地いいしね」

爽「でも400円オーバーの刃牙道一冊と、ブックオフで1冊100円のグラップラー刃牙4冊なら?」

揺杏「読んだこと無い」

爽「読め」

揺杏「バキドーってやつを?」

爽「そっちは別に」


揺杏「ていうか、むしろ、一回戦勝利直後に飲んだのがいけなかったと思う」

爽「しゃーない」

揺杏「アレで会議どころじゃなくなった」

爽「確かにチューハイ買い込んだのは私かもしれない」

爽「でも酔って会議どころじゃなくなったのは成香だし、むしろ成香のせいじゃないか」

揺杏「確かに」

爽「成香のせいだなー!」

揺杏「可愛いから許すけどなー!」

爽「なー」

揺杏「うん」


揺杏「あ、充電終わってね」

爽「ホントだ」

揺杏「抜いていい?」

爽「どーぞ」

揺杏「スマホもう15%しかなかったんだよね」

爽「ソシャゲやりすぎ」

揺杏「無課金だからセーフ」

爽「あ、ついでにケータイ取って」

揺杏「ほい」

爽「投げんなよ」

揺杏「大丈夫大丈夫」

揺杏「コントロールには自信ある」

爽「せめてアンダースロー」

揺杏「本格速球派だから」

爽「絶対そのトルネード人生初披露だろ」

揺杏「二度目」

爽「投げたら[ピーーー]」


爽「ついでにリモコン取って」

揺杏「ほい」 トルネード

爽「躊躇せず投げたな」

揺杏「まあ壊れないっしょ」

爽「でも空調のじゃなくてテレビの取ってほしかった」

揺杏「ほい」 トルネード

ガシャン

揺杏「あ」

爽「あ」

ダパダパダパダパダパ

爽「あのさぁ……」

揺杏「最後に一口飲んだのに蓋閉めてなかった爽も悪くね」

爽「あのさあ」

揺杏「悪いとは思ってるって」


爽「床じゃん」

揺杏「大丈夫大丈夫」

揺杏「あ、ほら、掛け布団しか濡れてない」

爽「夏だし行けるか……?」

揺杏「私のが掛け布団無事だから合わせたらいける」

爽「おっ」

揺杏「これが友情パワーだ」

爽「やるじゃん」

揺杏「助け合いって大事だね」

揺杏「試合もその精神があればいけるいける」

爽「今回の件も試合の件も一方的に尻拭いさせられてるだけな気がするんだけど」

揺杏「気のせい」


爽「なんか試合で助けられたことあったっけ」

揺杏「ほら、あれ」

爽「どれ」

揺杏「あーっと……」

揺杏「ああ、あれあれ」

爽「今思いついたな」

揺杏「忘れちゃうから変な茶々入れるのやめよ」

爽「んで、どれ」

揺杏「初日、コンビニでジャンプ読んでてバス乗り遅れたじゃん」

爽「あったな」

揺杏「先に成香達に会場行かせて、後から二人で行ったじゃん」

爽「遅くまで読んでたの揺杏じゃなかったっけ」

揺杏「記憶ない」

爽「確か揺杏がキャラの衣装可愛くて作ったらどうなるかなーとか抜かしたせいじゃなかったっけ」

揺杏「とりあえず無音寂しいしテレビつけよ」

爽「揺杏のせいだよね」


揺杏「まあとにかく、バスもう間に合わないからって電車にしたじゃん」

爽「うん」

揺杏「最寄り駅は当然知ってたじゃん」

爽「まあ」

揺杏「でも行き方知らなかったじゃん」

爽「うん」

揺杏「ガラケーの爽じゃ地図まともに調べられなかったじゃん」

爽「言うほど麻雀での借りだろうか」

揺杏「不戦敗避けさせてあげた」

爽「うーん」

揺杏「……あ、アスカ逮捕されてる」

爽「マジで」

揺杏「まあ聴いたことねーけど」

爽「アスカって誰か知らんけどアイドルだと思った」

揺杏「確かに女の子の名前っぽい」

爽「これアレだよね、ヤーヤーヤーヤーヤーヤーヤーとかいう」

揺杏「知らない」

爽「マジで」

揺杏「うん」

爽「ヤーヤーヤーヤーヤーヤーヤーだよ?」

揺杏「音痴」

爽「やかましい」


爽「そういえばさ」

揺杏「うん」

爽「作戦会議してなくない」

揺杏「だっけ」

爽「うん」

揺杏「じゃあ適当に対策教えて」 スマホスススー

爽「パズドラ始めるぅ」

揺杏「大丈夫聞いてる聞いてる」

爽「ガチャとかしないの?」

揺杏「無課金派だから」

爽「なんかエロいカードとかあんの?」

揺杏「作戦会議しなくていいの」

爽「する」


爽「臨海の中堅いるじゃん」

揺杏「居なきゃ大会出られないし」 パズドラー

爽「なんか傘持ってるんだと」

揺杏「!?wwwwwwwっw!?wwwwwwwww」

揺杏「何それ意味わかんねえwwwwwwwwwwwww」

爽「んでな」

爽「その傘で飛ぶんだと」

揺杏「wwwwwwwwwwwww」

爽「麻雀界のメリー・ポピンズ」

揺杏「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

爽「まあ名前読めないから知らないんだけどさ」

揺杏「笑わせんなってもーーー!」

揺杏「連鎖し損ねたじゃん」

爽「メリー・ポピーーーーンズ(裏声)」

揺杏「やwwwwwwめwwwwwっwろwwwwwwwwwwwww」


揺杏「で、その、ぽ、ポピーンズwwwwwなんなのwwwww」

爽「風を集めるんだってさ」

揺杏「何それかっけえwwwwww」

爽「風のポピーンズ(裏声)」

揺杏「ゴリ押しやめ!wwwwww」

爽「自風牌集めるから意外とヤバいんだって」

揺杏「ほーん」

爽「傘でふわふわする方が人としてはヤバいけど」

揺杏「だよね」

爽「まあ一応警戒しといてよ」

揺杏「警戒してどうにか出来るの」

爽「無理だろうなあ」

揺杏「意味ねえこの話し合い」


爽「あ、でも槓子にはならないとかいう情報もある」

揺杏「マジで」

爽「多分」

揺杏「多分?」

爽「ソースはユキ」

揺杏「なら信用できるな」

爽「私へのリスペクト」

揺杏「あるけど、まあ」


揺杏「ていうかさ」

爽「うん」

揺杏「その情報知ってさ」

爽「うん」

揺杏「私に何か出来るの」

爽「私やユキクラスじゃないと、それを逆手には取れないだろうなあ」

揺杏「やっぱりこの話意味なくない」


爽「例えばさ」

揺杏「うん」

爽「また揺杏がボコられるじゃん」

揺杏「大丈夫大丈夫」

爽「ボコられるとするじゃん」

揺杏「……」

爽「ボコられるとするじゃん」

揺杏「しゃーない甘んじてそう仮定しよ」

爽「それで飛んで負けるとするじゃん」

揺杏「……」

爽「するじゃん」

揺杏「はいはい」

爽「パズドラ再開やめ」


爽「真面目な話、揺杏が飛んで終わるとさ」

揺杏「うん」

爽「前日何も教えてなかったのって私がユキに怒られるじゃん」

揺杏「うん」

爽「怒られるじゃん」

揺杏「……」

揺杏「それだけ?」

爽「ユキに嫌われたくないし」

揺杏「素直に謝りなよ」

爽「謝るべきはトんだ人の方では」

揺杏「トばないから平気平気」

爽「初戦ですら役満喰らえば終わるくらいまで追い込まれてたんだよなあ」


爽「まあだから作戦会議しとくことに意味があるわけよ」

揺杏「へえ」

爽「聞いてる?」

揺杏「聞いてる聞いてる」

爽「あ、日ハム負けてる」

揺杏「まーじで」

爽「テレビは見るのにこっちは見ないのな」

揺杏「爽と至近距離で見つめ合ってもなあ」

爽「見つめ合うと素直にお喋り出来なくなってもいいんだぞ」

揺杏「あー喋れない喋れない」

揺杏「思わずパズドラに逃げる」

爽「ファック」


爽「つーか明日何時起きだっけ」

揺杏「知らね」

揺杏「え、知らないの」

爽「知らないわあ」

揺杏「明日何時からだっけ」

爽「鞄に予定表入ってる」

揺杏「取ってよ」

爽「遠い」

揺杏「じゃあしょうがない」

爽「まあ、ユキとか成香が起こしてくれるっしょ」

揺杏「だよな」

爽「寝よか」

揺杏「パズドラ終わったら」

爽「寝ろ眩しい」


揺杏「……」

爽「……」

揺杏「……」

爽「……」

揺杏「……」

爽「メリー・ポピーーーンズ(裏声)」

揺杏「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

揺杏「寝ろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

爽「狭い」

揺杏「床開いてるよ」

爽「年功序列」

揺杏「ぐごーぐごー」

爽「蹴るぞ」

揺杏「もう蹴られてる」


爽「思ったんだけど」

揺杏「うん」

爽「狭いわ」

揺杏「そりゃね」

爽「暑いわ」

揺杏「夏だしね」

爽「降りるってのはどうだろう」

揺杏「ベッド譲ってくれるとかマジ先輩の鑑」

爽「降りるのお前な」

揺杏「ぐごーぐごー」

爽「蹴落としていい?」

揺杏「予想以上の強さで蹴られて頭ぶつ前に言って欲しかった」


爽「あつい」

揺杏「寝たら気にならないって」

爽「私は揺杏と比べて結構繊細だから、寝苦しいと起きるんだよねえ」

揺杏「言うほど繊細?」

爽「繊細繊細」

爽「せんさーい、とまれ!」

揺杏「……」

爽「……」

揺杏「ちょっといみわかんなかった」

爽「なんでもないわ、寝よ」


揺杏「……」

爽「……」 モゾ

揺杏「ちょ、動かないでもらっていい?」

爽「わり」

揺杏「ちょっとならいいけど、肘はカンベン」

爽「シングルベッドに二人はきついわ」

揺杏「……だよなあ」

爽「まあ、さっさと寝たら何とかなるっしょ」

揺杏「だね」

爽「一度寝たらなかなか起きないし」

揺杏「ん、おやすみ」

爽「……」

揺杏「……」

爽「……」

揺杏「……」 ウト・・・

爽「……」

揺杏「……」 ウト・・・ウト・・・

爽「シングルゥ~ベェエ~~ッド~~~でぇゆぅ~~~~~っめっとぉ♪」 ボソ

揺杏「もおおおおおおおおおおお!!」

爽「あ、起きた」

揺杏「眠れそうだったのに!」

爽「つい」


揺杏「歌うのやめよ」

爽「だね」

揺杏「カラボ以外で歌うヤツはクソ」

爽「迷惑極まりないわ」

揺杏「反省して」

爽「うん」

揺杏「じゃあ寝よう」

爽「あ、そういえば」

揺杏「ん?」

爽「歌といえば」

揺杏「うん」

爽「メリー・ポピンズ、歌うんだって」

揺杏「は?」

爽「対局中」

揺杏「歌を」

爽「そう」

揺杏「対局中に、歌うと」

爽「そう」

揺杏「想像できない」

爽「さっきユキに動画見せてもらったんだけど、こう、らっさいらっさいぃ~って感じ」

揺杏「言い方で笑わせに来るのずるい」

爽「らっさいらっさいぃ~っ」 フゥゥゥ~~

揺杏「動きつけるのやめよ夢に見る!!」


爽「……」

揺杏「……」

爽「……」

揺杏「……」

爽「はっやっり~のうぅ~たも~うた~え~なぁくてぇ~♪」

揺杏「はややぁ☆」

爽「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

揺杏「寝ろ」

爽「不意打ちずるい」

揺杏「絶対もっかい歌うと思ったから、冒頭から歌い出したら言おうと準備してた」

爽「もっかいやってよもっかい」

揺杏「ゼッテー嫌」


【翌日】

誓子「……で」

爽「はい」

誓子「何か言うことは」

揺杏「……おはざっす」

誓子「昼よ」

爽「うん」

誓子「試合、時間伝えてたよね」

爽「見てなかった」

誓子「二人とも何か言うことはある?」

揺杏「中堅戦が昼休みの後でよかった」

爽「起こしてくれなかった誓子も悪いよ」

誓子「成香、鞄にペンチ入ってたから取ってもらっていい?」

揺杏「すんませんでした」

爽「反省はしてる」


爽「ていうか、何であんなに疲れてたのに誓子は起きれたの」

誓子「むしろ耳元で目覚まし鳴らして何で起きないの?」

揺杏「疲れてたしぃ、やっぱり揺り起こしてもらわないと……」

誓子「ホテルはオートロックだからしょうがないでしょ」

爽「そこをなんとかして起こしてほしかった」

揺杏「むしろ自力で午前中に起きただけ私ら頑張った」

誓子「なるか」

成香「は、はい、ペンチ!」

爽「ごーめーんって!」

揺杏「悪いとは思ってるから。マジ」


爽「せめて明日から部屋割り変えよ」

誓子「まだ勝ち上がるって決まってないでしょ」

揺杏「遅刻の詫びに頑張るって」

爽「私が巻き返すから大丈夫」

誓子「だとしても、それは無理よ」

爽「何で」

誓子「なるかやユキを爽達と一緒になんて出来ないもの」

爽「ひどくない?」

誓子「でも、どうせなるかと一緒の部屋になったら、ペイチャンネルとかつけてからかうでしょ」

揺杏「うっ」

誓子「ユキと同室だとセクハラとかしそうだし」

爽「うっ」

誓子「そもそもとても騒がしそうだし、私も嫌」

揺杏「ぐう……」

爽「エスパーかこいつ……」


揺杏「とと、そろそろ行くわ」

誓子「もう」

誓子「後でもうちょっとお説教するからね」

揺杏「へーい……」

成香「ちかちゃんが頑張って私の分を取り返してくれました……」

由暉子「頑張ってくださいね」

揺杏「任せておきなって」

揺杏「かっこいーとこ、見せてやんよ」 ニッ

速報はスレが滅多に落ちないのが長所ですし、一旦休憩はさみます。
夜には投下終わらせたい。

再開


揺杏「減ったぁ」

揺杏(ずるいわーこれ)

揺杏(中堅強いわー)

揺杏(むしろこれ、ユキは中堅にでも配置すべきだわ)

揺杏(一概に私だけのせいとは言えないわ) タン

ロン

揺杏「げっろ……」

揺杏(何か強くねこの人達)

揺杏(ずるいわー)

揺杏(多分全自動卓に金握らせてるよこいつら)

揺杏(おかしいわー配牌から何までおかしいわー)


揺杏「金を握らせるなら私にしてくれたらいいのに」

ミョンファ「?」

揺杏「ああ、いやなんでもないっす」

揺杏「ひとりごとー」 テンボウチャラー

揺杏(しかし参ったあ)

揺杏(思った以上に強いぞーこの、えーっと)

揺杏(名前なんだっけな)

揺杏(……)

揺杏(メリー・ポピンズじゃないことしか分からん)

揺杏(でもメリー・ポピンズしか出てこない)


揺杏(とりあえず、目下の問題はここを切り抜けることだよなー)

揺杏(最悪二位通過でいいわけだし、他校叩くか?)

揺杏(他校の特徴は、えーっと……)

揺杏(……)

揺杏(……)

揺杏(……)

揺杏(あれ?)

揺杏(臨海以外の対策情報教えて貰ってなくね?)


揺杏(まあ何とかなるっしょ)

揺杏(対策を教えられないということは、対策など不要な相手ってこと!)

揺杏(臨海さえ警戒しておけば勝てる!) バシィ

ロン

揺杏「……はーい」

揺杏(あーマジ空気読んでほしいわ)

揺杏(モブ顔のくせに横から当ててくるとか何こいつ)

揺杏(聞いたことない県のくせに!)

揺杏(やばいなーこれ)

揺杏(どーすっかな)


揺杏(とりあえず臨海の対策を取る)

揺杏(ていうかそれしかできねーし)

揺杏(とにかく臨海に、私は絞りとりにくいと思わせればいい)

揺杏(そうすりゃもっと楽なやつから絞りとってくれるっしょ) タン

揺杏(……)

揺杏(……)

揺杏(臨海の情報、何もらったっけ) タン

揺杏(傘で降ってくるってのしか思い出せねええええ……)

揺杏(つーか今回トイレで気合入れてたせいでそのシーン見てねえし!)

揺杏(役に立たねーな爽情報!!)

揺杏(頼むぜ大将!)

揺杏(しっかりしてよな!!) タン

ソレロン


揺杏(ヤバいヤバいこれヤバい)

揺杏(見てねーけど前二人が頑張って割りと平らなスタートだったのにこれはヤバい) タン

揺杏(思い出せ)

揺杏(他に何を言われたか)

揺杏(思い出せ!!)

揺杏(そうすれば、何かを掴めるかもしれねえ!)



爽『シングルゥ~ベェエ~~ッド~~~でぇゆぅ~~~~~っめっとぉ♪』



揺杏「役に立たねーーーーー!!」 ズダン

ミョンファ「?」

ミョンファ「あ、ロン」

揺杏「うげろ」

揺杏(あーあーあー)

揺杏(最悪だわ)

揺杏(爽のせいだわ半分くらい)


揺杏(あ、でも何か歌うって言ってたわ)

揺杏(そこ思い出したわ)

揺杏(歌い出したら本気モードなんだっけ)

揺杏(中二くせー)

揺杏(ま、いいや)

揺杏(覚えてたことがあったんだ!)

揺杏(さあ歌って来い!)

揺杏(さりげなく咳払いしたり、違う曲口ずさんだりで妨害してやる!) ヒッヒッヒ


『中堅戦終了ーーーーーーーーーッ!!』

『臨海女子、リードを大きく広げましたーーーーー!』



揺杏(歌いやがらねえええええええええええ!) ズーン

揺杏(くそっ、舐められてんのか!?)

揺杏(歌うまでもないと思われてたのか!?)

揺杏「ぐぎぎぎぎ……」

揺杏「準決勝じゃ負けねーからな」

ミョンファ「?」

ミョンファ「はい」


【大会後】


爽「はい勝ちましたー!」

揺杏「爽やるぅ」

成香「べ、べべべベスト8ですよ!」 ワァ

由暉子「この調子で油断せず行きましょう」

誓子「そうね」

誓子「反省しなきゃいけない人もいるだろうし、反省会はいるかも」

揺杏「何でこっち見んの」

誓子「自覚は?」

揺杏「無いわけじゃないけど、結果的に爽のやる気や強化に貢献したからまぁ」

誓子「そう」

揺杏「毒すら吐かず無言でペンチ鳴らすのやめて」


爽「とりあえず打ち上げ行くか」

揺杏「美味いもん食べよ」

成香「お金大丈夫ですか?」

誓子「うん」

誓子「ベスト8に残ったから予算増えるし、経費で落とせるよー」

由暉子「明日からもまだあるのですが……」

揺杏「やっぱ肉だべ?」

爽「焼き肉前食ったじゃん」

由暉子「私はお寿司好きですけど」

揺杏「でも多分寿司なら北海道帰って食った方が美味しいって」

成香「ぱ、パスタとか……」

誓子「ラーメン、もありかも」

揺杏「経費で落ちるんだから高いモン食べよ高いモン」

爽「まあそれらが揃ってそうなのは飲み屋系かなー」

由暉子「制服」

誓子「さすがに着替えなきゃダメよそれは」

由暉子「着替えたらいいんですか……」


誓子「調べておいたわ」

誓子「バイッキーーーーーング!」

爽「うおおおおおおおおおおおお!!」 ヒャッハー

揺杏「広い!! でかい!!!」 スゲエエエエ

成香「何かあっちにたくさんありますよ!!」 ワァ

由暉子「スイーツもいっぱい……お寿司も……!」 キラキラ

誓子「ふふふ、はしゃぐがいいわ田舎者達めー」 フフ

爽「すごいな食べログ!」

揺杏「有能だなスマートフォン!!」

誓子「調べた私は」


誓子「それと、ほら」 ス

由暉子「あ、あれは……!」

揺杏「やべー! マジやべー!」

誓子「どう?」

誓子「可愛い制服でしょ」

揺杏「写メっといて、後日ユキ用にカスタムしねーとなー」

成香「ちかちゃん!」

成香「あっちでチョコレートの噴水みたいなのがありますよ!!」

誓子「へー、どれどれー」


誓子「あ」

智葉「ん?」

成香「!!」 ビックゥ

揺杏「げっろ」

ダヴァン「食事の場デそのハツゲンはいかがーなものかト」 ラーメンズズー

智葉「……持ち込み禁止だぞここ」

ダヴァン「失敬、今食べ尽くします」 ズゾゾゾゾ

智葉「食うな」

揺杏「なーんでいらっしゃるんすかねえ」

ミョンファ「?」

ミョンファ「打ち上げですが……」

揺杏「金持ち私立め」

ミョンファ「?」

揺杏「……」

揺杏(爽あたりが「地元でいつでも来れるんだから快適な私らの食事のためにももう帰るってのはどう」だの)

揺杏(追撃かけてくれないとやりづれーな)


揺杏「つーか、何してんの」

ミョンファ「……いえ……」

ミョンファ「ただちょっと……」

成香「あ、そのチョコの滝のやつですか」

成香「どうやって食べるんですかねー」

揺杏(フォンデュ……)

誓子(多分横に置いてある串をつけるのよね……)

ダヴァン「ズズーズゾゾゾゾゾハフハフハフ」

智葉「お前そろそろつまみ出されるぞ」

智葉「あとミョンファ、それは」

揺杏「あー……」

揺杏(もうバラすのかよ)

誓子「……ふぅ」

誓子(もうちょっと困惑するなるかを見ていたかったわ)

智葉「?」

智葉(気のせいか、何だか便所に落とされ見向きもされない一円玉を見るような目を向けられてるような……)


ミョンファ「なるほど……」

成香「わわっ、美味しいです!」

成香「いちごとかシュークリームとか、いっぱいですよちかちゃん!」

誓子「しかも食べ放題よー」 フフ

ミョンファ「……」

智葉「どうした」

ミョンファ「いえ……」

ミョンファ「こうも滝のように降るチョコレートを見ていると……」

ミョンファ「いちごでもマシュマロでもなく、傘を差し込みたく鳴るな、と……」

智葉「やるなよ?」

揺杏(こんな奴に負けたのか私は)


揺杏「なー」

由暉子「おかえりなさい」

爽「遅かった割に全然持ってきてないな」

誓子「フォンデュが楽しくてついその場で食べちゃって……」

成香「さすがに席に戻らなくちゃって」

爽「まあ、荷物番ばっかさせられても困るしな」 ケラケラ

由暉子「それじゃあ飲み物ついできますね」

爽「いってらー私オレンジー」

揺杏「そういやさー」

揺杏「さっき意外な奴らに会ったよ」

爽「マジで?」

爽「お前らも?」

揺杏「え、なに、そっちも会ってんの」

爽「なんだよー驚かせようと思ったのにー」

揺杏「まあそりゃ会っちまうかー目立つもんなー」

爽「だよなあ」

爽「2名で予約してある席に真顔でずーっと座り続ける小鍛治プロとか、面白ポイント高すぎるんだよな」

揺杏「何それ知らねえ見てないわ超見たい」


爽「どうだった?」

揺杏「やばかった」

成香「アレ絶対すっぽかされてますよね……」

誓子「ていうか、向かいのお店、今調べたけど結構な高級店だよ」

揺杏「すごい感じだったもんな」

成香「プロポーズとかに向いてそうな感じでしたよね」

爽「見てらんねーよなwwwww」

揺杏「笑ってるじゃんwwwwww」

誓子「いやー……申し訳ないけど、つい話題にはしたくなるわね」

揺杏「でもさすがにネットに書き込めないレベルだわ」

爽「わかる」

誓子「割りと洒落にならないくらい気の毒ではあるもんね……」


由暉子「はい、オレンジです」

爽「サンキュー」

揺杏「ユキは見た?」

由暉子「何をです?」

揺杏「小鍛治プロ」

由暉子「あー……少し気の毒で……」

成香「だよね……」

爽「そういや揺杏は何見たの?」

由暉子「?」

爽「何かそっちはそっちで別の目撃したんでしょ」

揺杏「あのクソインパクトプロの後だと言い出しにくいわ」


成香「臨海の人達がいたんですよー」

爽「まーじで」

爽「折角ベスト8入りの祝杯なのに、演技悪いなー」

由暉子「まあ私達負けてたわけですからね」

由暉子「やっぱり臨海は強かったです」

由暉子「世界は広かったです」

揺杏「ホントだよな」

揺杏「お前と戦ったアメリカ人いるだろ」

由暉子「はい」

揺杏「持ち込みのカップ麺めっちゃ食い散らかしてつまみ出されてた」

由暉子「?」

揺杏「世界広いわ」

由暉子「?????」

夜も遅いので中断します。
一晩で終わらせたかった。猛省。

ちょっとだけやります。
平日入ってもーたやんけ……


誓子「そういえばさあ」

揺杏「?」

誓子「その臨海の人達なんだけど」

揺杏「うん」

爽「こ」

誓子「食事の場」

爽「こって言っただけなのに」

由暉子「割りと最低ですね……」


成香「それで、どうしたんですか?」 モグモグ

誓子「何か、話してたんだけど」

誓子「……あの人達、私達より長くて高いコースだったのよ」

爽「なっ!」

揺杏「なんだってーーーー!!」

誓子「しかも途中で退場させられた人に対して、ラーメンでも食べてきていいって別途お金を渡していたわ」

成香「うわわ……」

由暉子「強豪校の予算ものすごいですね……」

揺杏「ず、ずりーー!!」

爽「こいつはメチャ許せんよなぁ……」


揺杏「くっそー、調子乗りやがって!」

爽「値段と時間だけがバイキングじゃないってこと、教えてやろうぜ!」

揺杏「おうよ!」

爽「行くぞ成香!」

爽「臨海に殴りこみだ!」

成香「え、ええええ?」

誓子「いいわよ、別にあの二人には付き合わないで」

由暉子「あ、ケーキ取ってきますけどついでに何かいりますか?」

成香「あ、私行きますよ!」

由暉子「大丈夫です、後輩ですし行きますよ」

誓子「じゃあ、お言葉に甘えてガトーショコラお願いしようかしら」

揺杏「ちいいいい、ほんわかどもめ!」

爽「シャレオツなもん食べやがって」

揺杏「いいさ、私ら二人で有珠マウンテン魂見せてきてやろうぜ!」

爽「おうよ!」

爽「我ら北のバイキング魂見せてやる!」


アレクサンドラ「どうかしたか?」

智葉「いえ」

智葉「少々ダヴァンが気がかりで」

アレクサンドラ「……まあ、おとなしくラーメン屋に行っていると思うが」

ネリー「ハオも行ってるし、大丈夫だよ」

智葉「そうだな」

智葉「ハオは責任感もあるし、今頃美味い中華屋にでも行ってるだろう」

智葉「自分もラーメンがいいって言って金だけ貰ってホテル帰るつもりだった奴とは違うしな」

ネリー「お金貰えないなら食べまくれるこっちに残るよ」

ミョンファ「その姿勢に躊躇がないですよね」

ネリー「それが自慢」


アレクサンドラ「あんまり食べてないな」

アレクサンドラ「しっかり食わないとバテるぞ」

ネリー「監督は胸やおしりに脂肪いかないタチだけど、サトハは乙女だから気にしてるのかも」

智葉「そんなわけないだろ」

智葉「……時間あるんだしゆっくり食べているだけだ」

ネリー「……」

ネリー(ダヴァン達を心配してるんだろうなあ)


揺杏「ふっふっふ」

爽「小食だねえナンバースリー!」

智葉「……」

アレクサンドラ「何だあれ」

智葉「さあ、知らない人ですね」

爽「ちょっと」

揺杏「わざわざポーズつけて現れたライバルにこの仕打ち」

アレクサンドラ「ライバルって言えるほど拮抗してたっけ?」

ミョンファ「?」

ミョンファ「何故私を見てそのようなことを?」

揺杏「この女覚えちゃいねえ」


ネリー「有珠山の人だよね」

爽「おお、覚えてくれてる?」

ネリー「怒涛の追い上げで次も戦わないといけない人だよね」

爽「照れるなー」 ハハハ

ネリー「そんで怒涛の吐き出しをして巻き返しを演出した人だよね」

ミョンファ「ああ、あの」 ポン

揺杏「くっそーお前ら完全私をナメてやがんな」


揺杏「ナメてかかってる君達に、台風の目となる初出場校パワーで目にもの見せてやろう!」 フッフーン

爽「やっぱ私目立ってた? かっこいい?」

揺杏「即日和らないで帰ってこいよ」

爽「いやー意外と話分かる相手かもしれないしぃー」

爽「何なら共同戦線でラクラク決勝進出、的な?」

ネリー「別に言うほどかっこよくはなかったけど」

アレクサンドラ「身内がアホほど吐き出したものを何とか取り返したただのマッチポンプだしな」

智葉「どことも手を組むつもりなどない」

ミョンファ「でも決勝に登ってきたら楽なのは彼女達では?」

智葉「宮永照を止められんだろ」

ミョンファ「なるほど」

爽「やっぱナメてんなこいつら」

揺杏「キレそう」


揺杏「次の私らは一味ちがうぞっ!」

爽「バイキングと言えば北海!」

揺杏「北海道と言えば我々有珠山高校!」

爽「バイキングで英気を養った我々は天下無双!」

揺杏「君達から点棒略奪しまくってやるぜぇ!」 グエッヘッッヘ

ネリー「おー」

ミョンファ「面白い方々ですね」

アレクサンドラ「まともに相手しなくていいぞ、多分ただのアホだこいつら」

智葉(酔ってんじゃないだろうな……)


揺杏「見ろ、この皿をぉ!」

ネリー「こ、これは!」

爽「肉、肉、肉、肉、カレー、肉ッ!!」

揺杏「その場で切ってもらう肉を、旅の恥を掻き捨てて山盛りにしてもらったッ!」

爽「どうだ、ホーム故に恥を捨てれず、こんなことは出来まいッ!」

智葉「旅先でもやるなよ」

ミョンファ「相当にボリュームがありますね」

爽「だっろう?」

揺杏「いくら食ってもお値段は同じ」

揺杏「金をかけて時間たっぷりとってるアンタらは油断してるようだけど、私達に慢心は無いッ!」

爽「短い時間でガッツリ食うッ!」 フフン

揺杏「元を取って、トータルでは私達の方がバイキングを満喫したと言えるんじゃあないかなッ!」 ババーン

智葉「飲み物取ってくるが、誰か他に要る奴は?」

ミョンファ「ではアールグレイを」

揺杏「聞いて」


ネリー「ふっふっふ」

ネリー「元を取る、いい言葉だね」 スッ

ネリー「有耶無耶になった大将戦の決着、つけてあげよう!」 ババーン

智葉「お前ほんっと……」

ミョンファ「がめついですよね……」

ネリー「サトハ達がおとなしいから我慢してたけど、大義名分もできたし!」

ネリー「誰よりも元を取るよ!」

爽「ふっ、面白い!」

揺杏「他人の金で食えるだけ食うのが得意な私らに、挑もうなんてなあ!」

ミョンファ「私も流れ的に言ったほうがいいんでしょうか」

アレクサンドラ「放っといてもいいだろ」

智葉「他人のふりしてもいいぞ」

時間なので中断です。
意地でも今週中には終わらせます。


ネリー「ふっふっふ」

ネリー「元を取ることにかけて、負ける気はしないよ……!」

ネリー「他人のお金で思いっきり豪遊するときの基本戦法その1ッ!!」

ネリー「米は勿体ないから食べないッ!」

揺杏「ば、馬鹿なッ!」

爽「肉だけでドカ盛りだとぉ!?」

揺杏「ど、どーする!?」

爽「確かにアレなら私達より遥かに効率よく元が取れるッ」

揺杏「私らもカレー成香に押し付けて肉ばかり食うか!?」

爽「いや無理だ」

爽「私らが真似ても胃もたれは不可避ッッ」

ネリー「ふっふっふ……」

爽「あの野郎――肉だけ食うのに慣れてやがるッ!」

ネリー「ハングリー精神で、私に勝てると思ったら大間違いだよ!」

智葉(アイツ部の経費で焼き肉行くと無言で高い肉黙々食いまくるからなあ……)


揺杏「いや……」

揺杏「問題ないぜ……」

揺杏「カレーはちょっとだけ食って、あとは成香にあげればいい……」

ネリー「!」

ネリー「その手のモノはッ!」

爽「そ、そうか!」

揺杏「米を間に挟むなら――寿司にすればいいッ」 バーン

ネリー「ぐ、ぐう~~~……」

アレクサンドラ「寿司は高い」

アレクサンドラ「意地汚いネリーは当然ソレを知っているし、食い放題で手を出したこともある……」

ミョンファ「でも……」

ミョンファ「確か、お口に全く合わないんでしたよね」

アレクサンドラ「まあ、生魚ってのはなぁ……」

揺杏「どーだ外人さん!」

揺杏「あんたらにこんな豪快に寿司を食うことができるかなっ!?」

ネリー「ぐ……うう……!」


ネリー「ならば、見せてあげよう」

ネリー「様々な国を渡り培った、グローバルな食べ方をッ!」

揺杏「ば、ばかな!」

爽「ピザにあの肉を載せただとお!?」

ネリー「こうして高そうなものを組み合わせ新たな味にすることで飽きもこさせないッ!」

ネリー「美味しく食べられるんだよ!」

爽「ちっ」

爽「ならばこっちは!」

揺杏「おお!」

揺杏「大量のマシュマロやフルーツを一気にフォンデュへ!」

爽「チョコがけオリジナルフルーツミックス!」

揺杏「こいつはチョコレートケーキにも乗せられるぜえ!」

ネリー「ぐぬぬ」

ミョンファ(楽しそう……)


ミョンファ「……」 スッ

智葉「?」

智葉「どうかしたか?」

ミョンファ「……」

ミョンファ「2対1では不利ですから」

智葉「え」

アレクサンドラ「わざわざ関わりに行くのか……」

智葉(コイツはコイツでよくわからんな……)


ミョンファ「豪勢な食べ方なら、私にも出来ます」 ババーン

ネリー「ミョンファ!」

揺杏「援軍か!」

爽「傘女か……ハングリーさは見えないけどねえ」

ミョンファ「下品だから我慢してましたが……」 ブスブスブスブスブス

揺杏「何ぃ!?」

爽「長串全体にマシュマロを挿したッ!?」

ネリー「でもミョンファ、それだとチョコレートをかけることが……」

ミョンファ「こう……すれば……」 ブッスゥ

揺杏「ま、マシュマロを介し、更に別の長串を刺したァ!?」

ミョンファ「スゥ……」

爽「!」

爽(深呼吸からの、この暗殺者のような目――)

爽(集中力が高まっているッ)

爽(ゾーンに入ってんのか!?)

ミョンファ「……ッ!」 シュバババババババ

揺杏「な、なんって手さばき!」

ネリー「すごい……」

ネリー「マシュマロで埋まった長串が次々と生まれ、そしてマシュマロを介して繋がっていく……」

爽「この形、間違いないッ!」

ミョンファ「Guimauve Parapluie(ギモーブ・パラプリィ)――」 ザッ

爽「奴はマシュマロ串で傘を作ったんだッ!」


揺杏「ま、まさかあいつ!」

ミョンファ「傘とは――」

爽「結構重量ありそうなマシュマロアンブレラを容易く振ってやがる……!」

ミョンファ「降りしきる雨の中でこそ映えるものッ!!」

ネリー「つ、突っ込んだーーーー!」

揺杏「すげえ……」

爽「ああ……」

揺杏「一瞬でチョコがマシュマロ串を覆っている……」

爽「そして串を伝って大量のチョコレートが床へと流れ落ちている……」

店員「お、おおおお客さーーーん!」


アレクサンドラ「めちゃ怒られてるな」

智葉「……というか、あの長さのもんを思いっきり突き刺したらダメだろ……」

アレクサンドラ「フォンデュしてる装置に傷とかつけて弁償とかじゃないだろうな」

ミョンファ「……」

ミョンファ「文化の違い、ですか……」

ミョンファ「難しいですね」

揺杏「そういう問題じゃなくねー」

爽「アホだな」

ネリー「チョコ勿体ないなあ」 ペロ

揺杏「舐めんなよ」


ミョンファ「……」

智葉「……あのバカ厳重注意されてるな」

アレクサンドラ「また謝らなくちゃいけないのか」

ミョンファ「……チラッ」

店員「君達も、あまり食べ物で遊んじゃいけないよ」

ネリー「私は遊んではいないよ」

揺杏「そうそう、ていうかその変な外人さんとか丸で知らない人だし無関係だし」

ミョンファ「!?」

爽「いやー怖いね、変なことに巻き込まれるなんて」

揺杏「友達とバイキング来たら初めて会った外人さんがいきなりキチガイ行動取るなんてね」

ミョンファ「……」

ミョンファ(これが……国境……) ソガイカンー


揺杏「ちっ、めっちゃ厳重注意受けちまった……」

爽「次やらかされたら巻き添え退場されかねないのがなぁ」

ネリー「食べ物で遊ぶとかダメだよー勿体ない」

智葉(お前らがソレを言うのか……)

ミョンファ「申し訳ありません……」

ミョンファ「素直に食べたいものを普通に食べていくことにします」

揺杏「そうしろ」

ミョンファ「……これとか、食べてみたかったのです」

ネリー「あ、くしかつー」

爽「おーっと、言っておくけどソースは二度漬け禁止だよ」

揺杏「そこ知らなかったーとか言われて怒られんのは真っ平だからな」

ミョンファ「はい」

ミョンファ「承知しております」 ダバババババババ

揺杏「」

爽「」

ミョンファ「はむ」 モグモグ

ミョンファ「うーん、私の口にはあまり合いませんね……」 ショボン

揺杏「おい、何の躊躇もなくチョコフォンデュにぶち込みやがったぞあの外人」 ヒソヒソ

爽「ソース別って言った方がいいんじゃねーか?」 ヒソヒソ

ミョンファ「こちらのうずらとやらはどうでしょうか……」 ダバババババババ

揺杏「……」

爽「めっちゃチョコに油と衣浮いてきとる……」


揺杏「そ、それじゃあ私達はこれで……」

爽「おじゃまー」

ミョンファ「帰ってしまうのですか?」

ネリー「む、決着ついてないのに」

揺杏「いや多分決着もうつくよ」

爽「だろうなあ……」

ミョンファ「?」


揺杏「ただいまー」

誓子「おかえり」

由暉子「?」

由暉子「お疲れですね」

爽「まあちょっと……」

成香「辻垣内さん達と何かあったんですか?」

爽「あー、まあ」

誓子「あれ?」

誓子「入り口の所で平謝りしてるの臨海の監督さん?」

揺杏「まあそうなるわな」

成香「?」

由暉子「臨海の人達、まだ時間残ってるのに帰るんですね」

揺杏「退場だろうなあそりゃ」


爽「……しかしまあ」

爽「ノリノリだった時は全然食えたんだけど……」

揺杏「いざ冷静に黙々と食うとなると、この量きついな……」

爽「肉もカレーも冷めてきてるのが特にな……」

誓子「残しちゃダメよ」

揺杏「ぐう……」

爽「ほら成香、いっぱい食え」

成香「ええ!?」

誓子「押し付けないの」

爽「ぐううう……」


揺杏「げっろ」

揺杏「お腹すげー痛いんだけど」

爽「スイーツはせめて置いて来ればよかった……」 ゲッソリ

誓子「もう」

由暉子「何故こんなに持ってきたんですか……」

爽「それもこれも全部臨海のせいだよなあ」

揺杏「マジ許せねー」

爽「準決勝じゃ絶対ぶっ倒してやる……」

揺杏「今度こそマジのマジで対策立ててやる……」

爽「……」

爽「やっぱり昨日の作戦会議の内容忘れてたなお前」

揺杏「あーさっさと食べ切らないと!!!!」

時間が時間なので中断します。
申し訳ない。

思いっきり設定勘違いしてて矛盾しちゃったのに気付いたからね、しょうがないね
まあ考えながら軌道修正できたらいいなの精神で進めます


誓子「ごちそーさまでした」

成香「いっぱい食べました……」 フウ

由暉子「おいしかったですね」

爽「胃が痛い……」

揺杏「げっろ……」

揺杏「待って立てない動くと吐きそ……」

誓子「ほら、迷惑かけないの」 グイ

揺杏「ッ!!」

揺杏「」 ゲロゲロゲロゲロゲロ

爽「ばっ、吐くな!!」

誓子「顎押さえて顎!!」

揺杏「んぶぶぶぶぶぶ」

爽「飲め、ほらごっくんしろ!」

誓子「ここ嘔吐罰金あるんだからねっ」

成香「」 アワアワ


誓子「ふう……」

誓子「何とかなったわけだけど」

成香「鼻から胃液出てたけど……」

爽「まあ今頃便器に全部吐いてるし大丈夫っしょ」

由暉子「それは大丈夫なんですか」

揺杏「あー参った参った」

成香「大丈夫ですか」

揺杏「大丈夫じゃねーわ」

揺杏「トイレ詰まったし」

爽「ちゃんと逃げてきた?」

揺杏「もち」

誓子「じゃあさっさと離れましょうか」

由暉子(いいのかな……)


揺杏「あーーーーーー」

揺杏「美味いモン食ってたはずなのに、口の中最悪な気分だわ!」

由暉子「具体的には?」

揺杏「脂っこい冷めた肉3:ゲロ7くらいの後味」

爽「その割には元気じゃん」 ゲッソリ

揺杏「出したらスッキリした」

爽「あーくっそ」

爽「私も吐いてくっかなあ」

揺杏「でも吐いてる時は死にたくなる」

爽「だよなぁ」

揺杏「悲しい物語だぜ」

寝落ち申し訳ない。
終わらせたい。投下します。


誓子「それじゃあホテル帰りましょうか」

爽「うぃー」

揺杏「風が気持ち良い~~」

爽「のんびり散歩してくのもいいな」

揺杏「腹ごなしにね」

誓子「普通に帰って早く寝ましょ」

成香「見たいテレビが……」

由暉子「反省会は」


爽「あったなーそんなの」

揺杏「へいへーい、忘れてんなよーう!」

爽「お前も忘れてたろー」

成香「どうしますか?」

爽「面倒くさいし明日の朝やりゃいいんじゃねー」

揺杏「そうそう帰ろ」

誓子「そうねえ……」

誓子「……」

誓子「!!」 ハッ

誓子「作戦会議の必要経費として落とせば」

誓子「夕飯代とは別に落とせるかも!!!!!」

揺杏「!!」

爽「!!」

成香「喫茶店いけますね!」

爽「さくせんかいぎだー!」

揺杏「お~」

由暉子「現金ですね……」


揺杏「店の案内なら任せろー!」

誓子「大丈夫?」

誓子「食べログ使おうか?」

揺杏「行きたい店あるんだよねぇ」

揺杏「衣装がさー、すげーくてさー!」

誓子「ああ、そういう」

成香「私はそこでも大丈夫ですよ」

誓子「じゃあそこにしましょうか」

爽「んじゃちょっと飲み食いできるよう吐いてくる」

成香「だ、大丈夫ですか?」

爽「大丈夫大丈夫、成香が指を優しく挿れてくれたら」

成香「!?」

誓子「やめたげなさい」


揺杏「高層ビル!」

揺杏「ゴテゴテ目に痛い広告!!」

揺杏「夜でも構わず人人人!!」

揺杏「あっきはっばらーーーーー!!」

爽「きめえ」

誓子「遠いなあ」

成香「ゴミゴミしてますね……」

由暉子(落ち着く……)

揺杏「ソーラ行くぞ、あっちだー!」


メイド「おかえりなさいませ!」

揺杏「ちゅーわけでメイドカフェー」

爽「お、おおう」

誓子「き、きつい……」

由暉子「なかなか可愛い衣装ですね」

揺杏「だっろー!?」

揺杏「だろだろ?」

揺杏「このフリルがいいんだよねー」 ヒョイ

メイド「す、スカートをつまむのはちょっと……」

成香「わあ、東京のお店はすごいですねー」 キラキラ

爽「田舎もんめー」 ハハ

誓子(可愛い……) ナデ


爽「しっかしまぁ」

爽「意外とこういう、なんていうか、アレな店好きだよね」

揺杏「ま、可愛いもん好きだしねー」

揺杏「それにほら、私は美少女だから」

揺杏「そこらのキモオタとは違う」 キリッ

由暉子「あまり人をそういう風に言うのは……」

成香「わあっ、このメイドさんの気まぐれドリンクって気になりますっ」

誓子「そうね~」

揺杏「おねーさーん、チェキよろー」

爽「?」

揺杏「写真に制服残しとこうかなーって」

由暉子「萌え萌えキュンっていうのやってもらえます?」

爽「ノリノリだなお前ら」

吐き気と腹痛の波状攻撃が全然収まらないので、申し訳ないけど投下休みます。
一週間以内に終わらなくて申し訳ない。

それなりに体調復活したので、いい加減畳んでいきます


成香「このメイドさんの手作りオムライス、どの人が作ってくれるんでしょうか」 キラキラ

由暉子「エプロンのスタイルが調理に向いているのはあの黒髪の方ですが……」

爽「バイトのおっさんとかじゃねーの?」

揺杏「いや、よーく耳を澄ませてごらん」

\チーン/

爽「お、おう……電子レンジ……」

誓子「予想通りではあるけども」

揺杏「メイドさんに文字を書いてもらうってことが大事なんだろーよ」

成香「はあ……」

揺杏「腹減ってたら、是非とも文字書かせたかったんだけどなー」

爽「薔薇とか」

揺杏「殺戮遊戯とか」

誓子「やめたげなさい」


揺杏「いやーしかし」

揺杏「追い出されるとは思わんかったな」

爽「お前がスカートん中撮るからだろー」

揺杏「いやだって気になるじゃん、どうなってんのか」

爽「バレんなっつってんの」

爽「教えようか、上手く撮るコツ」

揺杏「まじ?」

爽「3万な」

揺杏「たけーって、2万」

誓子「こら」


由暉子「どうするんですか」

爽「さすがに明日あんのに徹カラってわけにもなー」

揺杏「東京のカラオケってやっぱり狭いんかな」

成香「ちなみに予算ってまだ残ってるんですか?」

誓子「そうねえ、まだ喫茶店でケーキセット食べるくらいなら余裕あるわ」

由暉子「作戦会議云々って名目忘れてきてませんか」


誓子「とりあえず小洒落てて落ち着いた出来る喫茶店でいいかしら」

揺杏「制服かわいいとこなー」

成香「ケーキが食べたいです」

爽「あ、パフェあるとこがいい」

由暉子「わがまま放題ですね……」

誓子「何か希望はない?」

由暉子「……」

由暉子「美味しいカプチーノがあるところで」


揺杏「うおおおおお」

揺杏「すげーなあの制服」

爽「ユキに着せるならもーちょい布地は減らしたいな」

成香「うーん」

誓子「あら、決まらないの?」

成香「どっちも美味しそうで……」

誓子「なら二つ頼んで私と分けっ子する?」

成香「!」 パァァァァ

成香「はい!」

由暉子「あの、一応作戦会議をそろそろしないと、いい加減まずいのでは……」

誓子「注文は?」

由暉子「カプチーノってケーキセットのドリンクに出来ますかね」

揺杏「無理じゃね」

爽「いーよ単品単品で頼めばさー」

揺杏「そうそう経費経費」

由暉子「一応経費で落とす以上は会議くらいしないと不味いのでは」


由暉子「ここまで来たら優勝したいですし、やはり多少なりとも作戦会議は必要では」

爽「あーうんそうだねー」

揺杏「あ、電池切れてら」

揺杏「代わりに写メってフェイスブックあげといて」

爽「私だって言うほど電池ねーから」

成香「わああ、すごく美味しい……!」

誓子「ふふ、ほらこっちも」 ハイ、アーン

成香「あーん♪」

由暉子「作戦会議……」

成香「あ、一口食べますか?」

由暉子「いただきます」

由暉子「それはそれとして作戦会g」

成香「はいどーぞ」 アーン

由暉子「……」

由暉子「少し照れますね」

揺杏(何だかんだで流されやすいよなこいつ……)


由暉子「それで……」

由暉子「何か気がついたこととかはありますか?」

爽「このケーキ、多分ちょーっとアルコール入ってるね」

揺杏「え? まじ?」

成香「私お酒の入ったケーキやチョコは苦手です……」

由暉子「いや、そうじゃなくて」

揺杏「はっはっは、この揺杏さんには分かってるって」

由暉子(他の誰が言うよりも不安……)

揺杏「前髪、ちょっぴり切ったんだろー似合ってるぜ」 ウインクバチコーン

爽「ひゅー、気合入ってるぅ!」

成香「あ、か、かわいいですよ!」

誓子「いつも可愛いけどね」 フフ

由暉子「明日の試合の話です」


由暉子「何か気付いたこととか、不味いと思ったこととかはありますか」

揺杏「吐きすぎたのか、まだもうちょい食い足りないんだよな」

爽「さっき気付いたけど、ここ季節の限定パフェある」

揺杏「マジ?」

誓子「成香はお酒入りのケーキが不味いんだっけ」

成香「不味いというか……あんまり得意では……」

由暉子「麻雀の話をしましょう」


揺杏「つってもなー」

揺杏「私や成香にそんな観察眼があるとお思いか?」 ドヤァ

成香「い、一緒にしないでください!!」 アワアワ

揺杏「おーおー、大人しい顔してディスってくれるじゃないのー」

成香「そ、そんなわけじゃ……」

揺杏「んじゃ何か言ってみなよー」

成香「ええと、このコーh」

由暉子「麻雀のことでお願いします」

成香「え、ええと……」

誓子(何って言おうとしてたんだろう……)

揺杏(何に気付いたんだ……このコーヒーか? 私の飲んでるこのコーヒーか!?)


成香「ま、まだあります!」

成香「戦った、臨海女子の辻垣内さんです!」

揺杏「ほう」

由暉子「そう、それ、そういうのです」

成香「辻垣内さんなんですけど、普段は怖い目で牌を睨んでるんですよ」

爽「うんうん」

由暉子「それで、どうなるんです」

成香「でも、そんな辻垣内さんでも、表情が緩む時があるんです」

爽「ほう!」

揺杏「おっ、弱点発見か?」

由暉子「やるじゃないですか、見直しました」

成香「お散歩してるわんちゃんを前に、凄くいい笑顔でナデナデしてたんです」

爽「おおっ、意外!」

揺杏「まーじでー」

誓子「案外可愛いとこあるのねぇ」

由暉子「思ってたのと違った……」


爽「まあ、真面目な話、明日の臨海連中のデータはちゃんと調べてあるよ」

揺杏「おお」

誓子「さすが」

由暉子「見直しましたが……」

由暉子「一応、そのデータお聞きしてよろしいですか」

爽「あんまり信じてないなチクショー」

揺杏「日頃の行い悪いからじゃなーい?」 ケラケラ

爽「そうだな、揺杏とつるんじゃったりしてるしな」

揺杏「え、私悪い行いの権化扱い?」


爽「例えば臨海の傘女」

爽「あいつにゃ同じ風は4つは集まらない」

揺杏「まじ?」

爽「マジ」

由暉子「にわかには信じがたいですが……」

爽「お?」

爽「何なら集めてきた牌譜、見てみるかい?」

由暉子「いいです」

由暉子「信じがたいですが、こういう場面で、ふざけたことを言うことはあっても」

由暉子「適当なことや嘘は言わない人であること、分かってますから」


爽「嬉しい事言ってくれるじゃないの」

由暉子「でも……」

由暉子「こういうデータを持っているなら、もっと早く素直に提示してくれていたらよかったのに……」

爽「まあそうなんだけどさ」

爽「考えてもみてよ」

由暉子「?」

爽「私に出来るのは、相手の分析くらいだ」

爽「こいつらが、そのデータ活かせるrと思う?」

揺杏「何で私だけ指さした?」

誓子「一緒にされるのは侵害よねえ、成香」

成香「ふ、ふらないでくださいよぉ」

由暉子「…………」

揺杏「何で『確かに』みたいな目でこっちを見る」


はやり「おかえりー☆」

良子「少々混んでいて、FlowerHuntingに時間がかかってしまいました」

はやり「そうなんだー」

良子「ワオ、なかなかにビューリフォーですね」

はやり「すごいよねー」

はやり「ここのスイーツ、見た目もこだわっててはやり大好き☆」

良子「そういえば……」

はやり「?」

良子「さっき、あっちのテーブルに有珠山高校のティームメンバーがいましたよ」

はやり(ティームって言った……無駄に流暢に言った……)


良子「確か彼女達、はやりさんに憧れてると言ってましたよね」

はやり「うん、嬉しいな~」

はやり「はやりにも、牌のお姉さんに憧れた時があったからね~」

はやり「打倒瑞原はやり☆みたいなことを公言してもらえるの、結構うれしいかも☆」

良子「羨ましいですね」

はやり「えへへ☆」

良子「何やら真面目に明日の試合の会議もしていましたよ」

はやり「そうなんだー☆」

はやり「確かにこのままじゃちょっと決勝は厳しそうだったもんねー」

はやり「頑張ってるんだ、応援したいなあ☆」


良子「サプライズで声をかけてあげるというのはどーですか」

はやり「あ、それいーかも☆」

はやり「頑張ってーって伝えてこよ☆」

はやり「丁度手品用の牌も持ってきてたはず☆」

良子(なにゆえ)


爽「……と、まあ、こういうデータもあんだけど」

爽「これ聞いて、どう思う?」

誓子「私達不利ねえ」

成香「が、がんばりますっ」

揺杏「どうにもできなくない?」

爽「はい、ご覧の有様である」

由暉子「……」

揺杏「まーそんな顔すんなって」

揺杏「一応頭には入れてあるし、試合中にそのデータの活かし方ひらめくかもしれないだろー?」

由暉子「角砂糖貪りながら言われても説得力がありません」

爽「意外と美味しいよなー角砂糖」 パクパク

誓子「太るわよ……?」


爽「まっ、例え私の分析力を持ってしても、それを事前に作戦に組み込める腕があるのはユキくらいだわな」

揺杏「なー」

由暉子「先輩は反省して下さい」

爽「しかもユキは放っておいても対策しといてくれるときたもんだ」

由暉子(しないと多分このチーム負けるし……)

爽「じゃあ私達が全員で出来る対策とは何か」

爽「ユキに対する恩返しとは何か」

爽「ユキのために、打倒はやりんの対策を練ってあげることではないだろうか」

揺杏「今日だけで色々衣装のアイデア出たぞー」

誓子「新色コスメも手に入れてあるわ」

成香「わあ、これでもっと可愛くなるんですねっ」 ワクワク

爽「私達は目先にとらわれず、遠い将来を見据えて対策を打っているのだ!」

由暉子「目先のことを考えるのって大事ですよ」


爽「まあ、はやりんもそろそろいい歳だしな」

揺杏「世代交代させてあげるべきっしょー」

誓子「でも、あのキャラクターを打ち倒すのってなかなかに難しいんじゃ」

成香「はやりん人気高いですもんねぇ」

揺杏「ふっふーん」

揺杏「そこは私におまかせあれ!」

誓子(爽じゃなくて揺杏かあ……)

由暉子(不安しかない)

揺杏「君らほんと目だけでディスるのやめてね凹むわ」


揺杏「私だってインターネッツで情報収集くらいするんだぜー?」

誓子「へえ、意外」

爽「メディアリテラシー0で炎上してそうなのにな」

揺杏「きみたち」

成香「ゆ、揺杏ちゃんだって、さすがにそこまでお馬鹿じゃないですよ多分! きっと!」

由暉子「でも多分ツイッターとかに平然と先輩の写真あげるタイプですよ」

誓子「わかる」

爽「ケーキの写メにバッチリ顔映ってんのに平気で上げそう」

揺杏「きみたち」


揺杏「まあまあ、落ち着いて聞け」

爽「おうともさ」

揺杏「私はユキに似合う可愛いふりふり衣装を探していた」

揺杏「そして魔法少女とかいうジャンルに行き着いた」

爽「あー、セーラームーンとか?」

誓子「ちょっと古いんじゃ……」

爽「明日のナージャとか?」

成香「魔法……?」

誓子「もっと有名なのあったでしょ……」

爽「夢のクレヨン王国ぅ!」

揺杏「全力で話の腰追ってくるねえ」

爽「ン・パーカ ン・パーカ~♪」

誓子「それ多分ユキとかには通じないんじゃ……」

揺杏「ン・パカパ~ ン・パカパ~♪」

爽揺杏「「ク・レ・ヨ・ン・マ・ァ・チ・ッ♪」」

爽揺杏「「YeaHHHH!!」」 ピシガシグッグ

成香「よ、よくわからないですけど楽しそうですね……」

由暉子「公共の場」


誓子「それで、魔法少女がどうかしたの?」

揺杏「いやさ、魔法少女っぽいふりふり衣装調べるためにね」

揺杏「ピクシブとか漁ってみたのよ」

成香(あ、なんか嫌な予感が……)

揺杏「ま、早い話がアレだ」

揺杏「はやりんみたいな格好の女は、触手に弱いんだよーーーッ!」

爽「な、なんだってーーーー!」

由暉子「公共の場」


成香「というか……」

成香「触手ってなんですか?」

爽「えっ」

揺杏「えっ」

成香「え?」

誓子「知らなくていいのよ成香は」

爽「まあ早い話がちんp」

由暉子「そこまで」


成香「よくわからないです……」

誓子「それでいいの」

成香「お仕事の職種とは違うんですよね?」

揺杏「違うねー」

爽「それはそれで面白いけどね」

誓子「牌のお姉さんは職種に弱い……」

揺杏「まあ、あの感じじゃ他の仕事できなさそうだもんなー」

爽「再就職きかなさそうってのはつらいね」

由暉子「寿退社するのでは」

揺杏「うわー残酷ぅー」

爽「あれでいて浮いた話聞かないってのが最高にヤバいよね」

揺杏「キャラのイメージ大事にしてるかもしれないけど、28だからねはやりん」

由暉子「ボロクソですね」

爽「敵の戦力分析に情けは入れるな、だ!」

由暉子「その敵と同じものにさせられようとしてるのですが」

揺杏「だいじょーぶだいじょーぶ、ユキなら余裕余裕」

爽「平気平気」

由暉子「根拠は」

爽「カン」

揺杏「インスピレーション」

由暉子「なるほど」

誓子「納得するんだ……」


揺杏「閃いた」

爽「そうか」

揺杏「……」

誓子「聞いてあげなさいよ」

爽「やだよ面倒くさい」

成香「げ、元気だして下さい揺杏ちゃんっ!」

揺杏「べっ別に凹んでねーから!」

由暉子「ガチ凹みですよアレ」

爽「わ、悪かったよ……」


爽「しょうがないなあ」

爽「優しい優しい爽先輩がその恐らくろくでもないアイデアを聞いてしんぜよう」

誓子「何の躊躇もなく軽く追撃していくわね」

成香「優しい……?」

揺杏「まあ、つまりはやりんに勝つには、はやりんを犯せb」

由暉子「そこまで」

誓子「本当にろくでもなかったわね」 ナルカノミミフサギー

成香「???」

爽「なるほど一理ある」

誓子「ない」


揺杏「安心しろ、私にかかればエロ衣装だって作れるッッ!!」

由暉子「安心要素はいずこ」

爽「どうせなら触手はつけたいよね」

誓子「でも触手って実在しなくない?」

成香「?????」

揺杏「まあそこは何かで代用するしかないわなぁ」

揺杏「ギミック凝らして多少動くようにしてさあ」

爽「漫画の強キャラっぽくてときめくじゃん」

由暉子「ワイヤー使いとかですか?」

揺杏「ワイヤーだと細すぎるし、ロマンがないんだよなあ」

爽「あ、でもワイヤーで宙吊りにして身動き塞ぐのは魅力的かも」

揺杏「亀甲縛りってやつ?」

由暉子「公共の場でその単語はちょっと……」

誓子「声のトーン落としましょうか」

由暉子「そもそもそこまで露骨にせずとも両手を持ち上げるだけでも瑞原プロなら十二分にセクシーなのでは……」

誓子「あ、そこは掘り下げるんだ」


はやり(え~っと、有珠山の娘達、あっちの席にいるんだっけ) ソロソロ

揺杏「分かった、じゃあはやりんは両手に手錠をつけてパイプ辺りに固定しよう!」

爽「服は? 私破るのグッとくるんだけど」

揺杏「服飾関係者としては破るのあんまり好ましくはないけど……」

揺杏「写真写りを考慮した芸術的やぶき方ならありだね!!」

爽「乳放り出してやろうぜ乳」

誓子「さすがに可愛そうだし、乳首は隠してあげましょう」

由暉子「そういう問題ですか」

揺杏「んじゃ乳首に絆創膏か洗濯バサミだな」

爽「搾乳器使おうぜ」

揺杏「いくらくらいするんだろ」

誓子「さすがに経費じゃ落とせないわよ?」

揺杏「最悪股間にねじ込むホースあたり巻きつけて隠せばいいだろ」

爽「あ、もうぶち込むのもホースなのか」

揺杏「何? 他の挿れたい?」

爽「もっとガッツリエロエロと精神壊すレベルで犯してやろうぜ」

はやり「」






良子「あ、おかえりなさい」

良子「どーでした?」

はやり「……」 カタカタ

良子「?」

良子「喜んでましたか?」

はやり「悦ばされる計画を立てられてた……★」

良子「???」


爽「たっだいまー」

揺杏「げっろ……」

揺杏「食い過ぎて吐きそう」

誓子「結局ラストオーダーまで居座っちゃったわね」

由暉子「何度も大声で卑猥な話をしていたことを怒られたのによくあそこまで居座れましたね」

成香「もう、始まっちゃいますよー」 ポチ

爽「やっぱホテルで見るテレビは違うなー」

揺杏「そーいうもん?」

誓子「ホテルで飲むジュースは違うわ」

揺杏「それはわかる!」

由暉子「それチューハイじゃ……」

揺杏「気のせい」

由暉子「……」

爽「おっ、はやりん」

揺杏「やー、まじいつかユキで超えてやりたいなー」

成香「かわいいですよねー」

誓子「憧れるわ」

由暉子「あれだけ好き放題言っていたのに好きではあるんですね」

揺杏「当たり前だろー」

爽「好きじゃなきゃあんなに語らないって」 ケラケラ


『瑞原プロの目でご覧になって印象に残った高校はありますか?』

はやり「……」

はやり「優勝予想といいますか……」

はやり「はやりが一番戦いたくないチームは」

はやり(さすがにあんな目にはあいたくないし)

はやり「初出場校の――――」

はやり「有珠山高校です☆」

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