※本SSでは、試験的にプロデューサーに名前と個性が付いています。
所謂オリキャラ感満載です。苦手な方はそっ閉じを推奨します。
※時系列が若干原作と異なります。気にしない方向でどうぞ。
※本当は菜々さん誕生日おめでとうSSを書くつもりでしたが、もう滅茶苦茶書かれてるのでもういいかなってなりました。
菜々さん!17歳の誕生日おめでとう!ミミミン ミミミン ウーサミン!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400149619
凛「……え?違うの?」
P「ああそうか、ここのシステムを説明していなかったね」
凛「うん、まだ何も聞いてないよ」
P「まずは我がCGプロダクションにようこそ。渋谷凛さん。
私はプロデューサーの斡旋などを行う仲居です。皆からは『仲介P』なんて呼ばれてるよ」
凛「よろしく。私はしぶ……あれ?」
P「ははは、全てのアイドルとプロデューサーの名前は把握しているよ」
凛「ふーん、結構凄いんだね」
P「そんな事ない……とも言い切れないかな。わが社には400万人を超すプロデューサーと、180人以上のアイドルが所属しているから、確かにすごい量ではあるしね」
凛「よ、400万人!?アイドルに対してプロデューサー多すぎじゃない!?」
P「そんな事はない。全てのプロデューサーが常に活動しているわけじゃないし、
一人のアイドルに対し二人以上のプロデューサーがつくこともある」
凛「万全の態勢だね……」
P「ははは。当然さ。わが社は連結で年間2000億もの売上を誇るトッププロダクションだからね。手を尽くすのも当然の事さ」
凛「(すごい所来ちゃったな)」
P「ではさっそくわが社を案内していこう」
凛「うん」
―――――― 総合事務所
P「ここが総合事務所。様々なイベントなどにも使用するよ」
凛「結構広いんだね。あれ……?」
P「ああ、プロデューサーがいないだろう?当然さ。ここはあくまで総合事務所。
プロデューサーは各人の個別事務所を持っているんだ」
凛「一人一つ!?」
P「ああ、全国に400万の事務所が存在するよ」
凛「(凄まじい量じゃないの……?)」
P「そしてここで働く事務員の千川さんだ」
千川「初めまして。凛ちゃん」
凛「は、はじめまして」
P「彼女は非常に有能で、400万人のプロデューサーに対するドリンク販売などを全て一人で行っているんだ」
凛「400万に対して一人!?」
P「ああ、彼女がどれだけ凄い人物か理解してくれたかな?」
凛「(すごいなんてレベルじゃない……神仏か何かなのかな)」
P「そしてこれからプロデューサーの紹介に移ろうか。まずプロデューサーは、キュート部門、クール部門、パッション部門の
三部門から構成される。この部門によって担当アイドルが大きく変わってくるんだ」
凛「へぇ……徹底されてるんだね」
P「うん。君は見たところクール部門だと思うけど、例外もあるしなぁ……、とりあえず適当に色々と見て回ろうか」
凛「プロデューサーに挨拶に行くの?」
P「まぁそんなところかな。プロデューサーによって担当(好み)のアイドルが違うんだ。
それぞれの個性に合わせたアイドルをプロデュースしてもらうことによって、そのアイドルの全力を引き出せるようにしているんだ」
凛「へぇ……流石最大手」
P「ん?うちは最大手じゃないよ。最大手は765プロダクション。所属アイドルはうちよりはるかに少ないけど、世界最大手として名高いよ」
凛「どういうことなの……!?」
P「まぁそれはそれさ。さ、移動しようか」
―――――― 総合レッスン敷地
凛「(広ッ……)」
P「ここでは様々なアイドルとプロデューサーがレッスンに励んでいる。レッスン中に少し話を聞くわけだから、迷惑の無いようにね」
凛「うん、わかったよ」
ザッザッザッザッザ
「イチ!ニ!イチ!ニ!」
「いち!に!いち!に!」
ザッザッ…‥
「全体!止まれ!」
ザッ ザッ!
P「あ、これはこれは……大佐P」
大佐P「敬礼!!」ビシッ
亜季「ハッ!!」ビシッ
大佐P「これはどうも、仲介P殿。彼女は新人の方かな?」
P「ええ、今日からの新人です。現在配属先を決めているところです」
大佐P「ふむ……どれ、これを持って行進してみてくれないか」
スッ
P「木銃ですか」
凛「え、なにこれ……」
大佐P「まぁ、君の好きにやってくれたまえ」
凛「えっと……」
テクテク
大佐P「むむ……やはりわが隊向きではないか」
P「そのようですね」
凛「え?え?」
大佐P「亜季!!」
亜季「ハッ!」
バッ
ザッザッ、キュ、ビシッ!!!
大佐P「……完璧だ」
亜季「ハッ!誠に光栄です!これからも精進致します!」ビシッ!
大佐P「まぁ、彼女なら他でもやっていけるだろう。良いプロデューサーを探してやってくれたまえ」
P「はい、もちろんです」
凛「……?……?」
――――
凛「何さっきの」
P「まぁうちには個性の強いアイドルが多いからね。それに負けじと、個性の強いプロデューサーを集めているんだよ」
凛「へぇ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
凛「!?」ビビクッ!
P「あ、覇王P」
覇王P「どうも……彼女は見ない顔だね」
凛「(ででで、でかい!!2mをはるかに超えてる!?)」
P「本日より我がプロダクションに所属した、渋谷凛ちゃんです。
彼女に合うプロデューサーを探しつつ、設備などの紹介を行っているんです」
覇王P「そうか……ふむ」
きらり「うきゃーっ!!」
ドゴォォォンンッ!!!
凛「!?」
P「きらりちゃん、おはよう」
きらり「うきゃーっ☆仲介さんおはようだにぃ!」
覇王P「こらこら、あまり激しく抱き着いてはいけないよ、きらり」
きらり「えーっ、Pちゃんのケチー!」
ハハハ
凛「(いやいや!?今トラックが正面衝突したような音がしたよ!?なんで平気なの!?)」
P「ああ、わかるよ。私も最初は疑問に思ったんだけどね。覇王Pさんは、謎の特訓の成果により、大概の攻撃が効かない体になったんだよ」
凛「それプロデュース関係なくない!?」
P「いやいや大事なんだよ。たとえばこのきらりちゃんの全力タックルを受けても平気なプロデューサーは少ないからね、例えば……」
「ちゃお!皆どうしたんだい?おやおや、新人の子かい?」
P「ヤングP、いたんですか」
ヤングP「はは!当たり前さ!僕はいつだってナウでヤングなデューサーだからね!」
凛「(なんか言葉遣いが若干古い)」
きらり「うきゃ……」
覇王P「やめなさい」
P「そうだよきらりちゃん。あ、渋谷さん、説明しておくとね、ヤングPさんは今年で50歳なんだよ」
凛「え!?」
ヤング「ゴイスーだろ?若さの秘訣は教えま千円!」
P「見た目はこの通り20代前半だけど、中身は50歳だからね。きらりちゃんの一撃で再起不能になるんだよ」
きらり「きらりん☆ぱわー!」
覇王P「ハピハピしちゃだめだからな?」
きらり「にょわ」
凛「ええっ……」
菜々「あ、プロデューサーさん、こんなところに」
ヤングP「おっとすまないすまない、あいすみません!」
菜々「謝る気ないですよね!?」
ヤングP「え!?なんでわかったの!?驚き桃の木」
菜々「山椒の木!」
二人「「あはははは!」」
凛「……(ついていけない)」
P「渋谷さんには合わないようだね……」
覇王P「我々とも少しイメージが違うようだね……」ゴゴゴゴ
きらり「うきゃー……残念だにぃ。また今度遊ぼうね!」
凛「う、うん」
P「(この二人が並ぶと威圧感すごいなぁ……)」
――――
P「今の所は渋谷さんのイメージと合わないねぇ……」
凛「確かに……いや正直あの辺りのプロデューサーに担当してもらっても、アイドル続けていく自信はないかな……」
P「まぁ、うちにはまだまだたくさんのプロデューサーがいるし、そのうちいい人と出会えるよ」
凛「だ、だよね」
ザシャァァァッ!!
「はーっはっはっは!見ない顔だね!?新人かな!?」
凛「!?」
P「あ、ドヤ顔Pじゃないですか。どうも」
凛「(ドヤ顔P!?何それ!?)」
ドヤ顔P「やぁ初めまして!新人、新人と言う事は……ええっと、島村君だっけ?」
P「違います、渋谷さんです」
凛「(島村?)」
ドヤ顔P「ああそうだったそうだった!すまないね!だが中々にカワイイ新人じゃあないか!」
凛「えっ」テレッ
ドヤ顔P「だが私の担当アイドルの方がもぉぉ~っとカワイイがな!!」ドヤァァァッ!!
凛「……」イラァッ……!!
P「凛ちゃん、気持ちはわかるけどね。抑えて抑えて」
凛「今、先生に思わず手が出ちゃう子の気持ちがわかったよ」
P「うんわかる。でもね、よく見てて」
ドヤ顔P「フフーン、ひっじょ~に残念だが、私はその子とは合わなさそうだな!まぁ君にもいつかお似合いのそこそこかっこいいプロデューサーが見つかるさ!アーハッハッ」
スタスタ
ズボォォォッ!!!
ドヤ顔P「ボゲブゥ!!」
凛「え!?何事!?何事!?」
「よっしゃー!!!」
P「おや、悪童P」
悪童P「大」
麗奈「成」
二人「「功ーーー!!」」
凛「(うわ……この落とし穴、すごい深い……2m以上掘ってある)」
イエーイ! ハイタッチ!
P「せっかくだし紹介しておきます。彼女が新人の渋谷凛ちゃんです」
悪童P「おうよろしく。俺は何故か皆から悪童Pと呼ばれているぜ!」
凛「(何故かって……)」
麗奈「アタシは小関麗奈、レイナサマって呼ばせてあげるわ!」
凛「(なんて上から目線の子どもなんだろう……)」
凛「うん、よろしく麗奈」
P「いきなり名前呼び捨てとは」
悪童P「レイナの扱いが解ってるなぁ」
麗奈「な、何よ二人して!」
凛「(う~ん、この二人も仲良さそうだけど……)」
P「む」
悪童P「ん?」
P「やっぱり悪童Pさんとは合わなさそうですねぇ」
悪童P「なんだ、プロデューサー探しの途中か」
P「そりゃ、それが私の仕事ですから」
悪童P「いやぁ、てっきりお前にもついに担当アイドルができたのかと思ったぞ」
P「え?私に?それはないですよ」
凛「え、何でないの?」
P「え?」
悪童P「え?」
麗奈「え?」
凛「(あれ?聞いちゃいけない流れ?)」
悪童P「そういや……何でだろうな」
P「何ででしょうね」
麗奈「何でなんだっけ……?」
悪童P「有能なのに、なんで担当がいないんだろうな……」
P「そりゃあ、仲介の仕事があるからじゃないですか?」
麗奈「仲介って、そんな忙しいの?」
P「え?いや全然?」
悪童P「だよな……今回だって、新人3人だろ?それ終わったら?」
P「暇ですけど」
悪童P「……お前、仕事してる?」
P「失礼な!してますよ!」
凛「……(有能だし、皆と仲良いし)」
凛「……(確かに担当くらいいてもいいのに、何でだろう?)」
ドヤ顔P「誰か……たすけて」
P「あっ」
凛「(普通に忘れてた)」
悪童P「すまんすまん、今引き上げるから」
麗奈「ロープ持ってくるわね」
凛「普通に助けるんだね……」
P「ま、あくまで『イタズラ』の範囲だからね。対象も、頑丈さに定評のあるドヤ顔Pだし」
凛「(頑丈さに定評あるんだ……)」
――――
P「で、こちらが依存P」
凛「……依存P?よ、よろしく」
依存P「よろしくね。渋谷さん」
凛「ね、普通そうな人なのに……何で依存Pって呼ばれてるの?」
P「見てればわかるよ」
依存P「ああ、せっかくだから、担当アイドルを紹介するよ。僕の担当の、佐久間まゆちゃんだよ」
『よろしくおねがいしますねぇ……凛ちゃん……』
凛「えっと、これ、テレビ電話ですか?」
依存P「違うよ?隠しカメラ」
凛「!?」
P「大丈夫、合意の上だから」
凛「え!?ちょ、ちょっと待って、アイドルの家に隠しカメラ仕込んでるの!?」
P「まぁそういうこともあるよ」
凛「(芸能界ってすごい)」
凛「え、ちょっとまって?」
『どうしましたぁ?』
凛「これ、隠しカメラの映像なんだよね?じゃあなんで、まゆちゃん……いや、まゆに声が聞こえてるの?」
依存P「……さぁ?」
P「……さぁ」
凛「(……まさか)」
依存P「そういえば、最近俺の携帯、電池減るのはやいんだよなぁ……なんでだろ」
凛「(あ、盗聴だコレ)」
依存P「ちなみにまゆの家には46か所の隠しカメラがあるんだよ」
凛「(こわい)」
『実はプロデューサーさんの家にも……うふふ……』
依存P「まゆぅ~、また仕掛けちゃったのか?このおちゃめさんめ!」
『ごめんなさぁい……でもこれで、二人はずっと一緒ですよぉ……』
依存P「そうだね……うふ……うふふふ……」
凛「プロデューサーさん」
P「何?」
凛「この人は駄目、何か生理的に無理」
P「わかってるから」
依存P「あ、じゃあそろそろ行くね。仕事とはいえ、女の子と3分以上話すとまたまゆが怒るから……」
スタスタスタ……
凛「……」
P「……」
凛「……ねぇ」
P「何かな?」
凛「芸能界って、皆こうなの?」
P「今回のは特例だよ」
凛「ならよかった」
―――
ピンポンパンポーン
P「ん?」
凛「アナウンス?」
『え~、敷地内に不審者が侵入したらしいですが』
凛「ですが?」
『今日は忍者Pと師範代Pがいます』
P「なら安心だ」
凛「なら安心なの!?」
P「ちなみにこのアナウンスはアナウンサーPがやってるんだよ」
凛「それプロデューサーじゃなくアナウンサーじゃない!?」
P「違う違う、元アナウンサーのアイドルをプロデュースしてるからプロデューサーだよ。アナウンスはあくまで業務の一つ」
凛「いろんなプロデューサーがいるんだね……」
ギャアアアアアアア
P「あ、悲鳴が……不審者はあっちか」
凛「悲鳴を聞いてなんでそんなに落ち着いていられるの……?」
P「日常茶飯事だしなぁ」
警部P「犯人、確保!」
ジャキッ!
不審者「もうゆるぢでくだざい……おうちにかえじでくだざい……」シクシク
凛「(何されたの)」
P「警部P、不審者はこれだけですか」
警部P「ええ、たった一人でやってくるなんて、身の程知らずもいいところです」
師範代P「押忍!これはこれは仲介P殿」
P「あ、どうも師範代P。こちら新人の渋谷さんです」
師範代P「よろしくな!渋谷君!」
凛「どうも……え、ていうか不審者いるのに自己紹介してていいの」
P「あー大丈夫、ここでのことは全て忘れるから」
凛「えっ」
科学者P「ヒッヒッヒ……今回もイキのいいのが釣れたのう」
サイボーグP「チョウドイイ実験材料デスネ」
凛「え」
凛「え」
P「まぁ芸能界って怖いところだからさ」
凛「まって、何かを超越してるような」
P「大丈夫大丈夫。うちのプロダクションは、警察や政治家にもコネがあるんだ」
凛「違う、プロデューサー、何かが違うよ」
――― カフェテリア
凛「こんな施設まであるんだ」
P「アイドルとプロデューサーには、完璧な仕事をしてもらいたい。ならば、こちらが施設を完璧に用意するのも当然だろう?」
凛「すごいね」
「おや、こちらは噂の新人の方ですか?」
P「執事P。はい、こちらが新人の渋谷さん」
凛「よ、よろしくおねがいします」
執事P「よろしく。私は桃華お嬢様の担当をさせていただいております。皆からは執事Pと呼ばれているよ」
凛「桃華……お嬢様?」
桃華「あら?見ない顔ですわね……」
P「桃華ちゃん。この子が新人の渋谷さん」
桃華「ごきげんようですわ。わたくし、櫻井桃華と申しますの」
凛「ええと、ごきげんよう……?」ワタワタ
P「渋谷さん、普通でいいんだよ、普通で」
凛「よ、よろしく、桃華お嬢様」
桃華「うふ。桃華で構いませんことよ?」
凛「じゃあ、よろしく、桃華」
桃華「ええ、こちらこそ」
「お、何か飲むのかい?」
P「あ、ウェイターP。じゃあ私はブレンドをひとつ」
凛「え、じゃあ……お茶ください」
ウェイターP「かしこまりィ!ゆっくりしていってくれよ」
凛「ねぇ、あの人、プロデューサーなの?ウェイターなの?」
P「だからプロデューサーだって」
桃華「ここは個性的な方が多いんですの。まぁ、わたくしたちのような個性的なアイドルをプロデュースしていただくのですから、当然かもしれませんわね」クス
凛「(あ、個性的って自覚あったんだ)」
スッ ガタ
スト
コポポポ
桃華「……」ゴク
桃華「おいしいですわ」
執事P「おほめに預かり光栄です」
凛「(今さりげなく、スカートのすそを持って移動し、イスを引いて座りやすくし、
流れるように紅茶を淹れた……!!)」
P「まぁ執事Pだしね」
凛「と、当然の事なんだ……」
P「ここではよくある事さ」ハハ
志保「お待たせいたしました!ブレンドコーヒーと緑茶です!」
コト
P「ありがとう志保ちゃん。あ、ついでに紹介しておくよ。新人アイドルの渋谷凛ちゃん
そして渋谷さん、この人がアイドルの槙原志保ちゃん」
凛「よろ……え!?ウェイトレスさんじゃないの!?」
志保「違いますよー♪ウェトレスは趣味です♪」
凛「(ウェイトレスが趣味……!?)」
P「本業はアイドルだしね」
凛「アイドルがわからなくなってきたよ」
スタスタ
「おや?飲み物だけか?スイーツどうだ?スイーツ」
P「ああ、パティシエP」
パティシエP「今日は季節のフルーツタルトがオススメだぞ」
凛「ぱ、パティシエまでいるの……?」
P「医者Pとか探偵Pとかもいるよ」
凛「何でプロデューサーになったのか聞きたいよもう」
かな子「Pさんのエクレアは絶品ですよ!」
愛梨「ショートケーキも捨てがたいですよっ」
凛「わ」
槙原志保
http://i.imgur.com/uCDtXUg.jpg
三村かな子
http://i.imgur.com/CiX0maE.jpg
十時愛梨
http://i.imgur.com/ydFwBEE.jpg
「こらこら、急に話しかけても対応できないだろ?」
凛「あ、やっとまと……あれ!?」
P「脱衣P、いたんですか」
脱衣P「まぁな。今日は珍しいオフだ」
凛「(脱衣Pって……)」
P「こちらが脱衣P。確かに素肌にジャケットは珍しいが、実力は折り紙つきだよ。
なんせ自分の担当アイドルを初代シンデレラガールにしたほどだから」
脱衣P「褒めても上着しかでねぇぞ」
ヌギ
凛「(何で脱ぐの!?)」
P「脱いじゃ駄目ですって」
愛梨「確かに今日もいい天気ですよね」
ヌギ
P「愛梨ちゃん!」
愛梨「はっ!すみません、ついクセで」
凛「(クセで!?クセで脱ぐの!?)」
P「あ、紹介してなかった。こちら、新人アイドルの渋谷凛ちゃん」
愛梨「十時愛梨です!よろしくおねがいしますね!」
凛「よろしく……おねがいします?」
ヌ……
脱衣P「愛梨ストップ」
愛梨「は、はい!事務所まで我慢します」
脱衣P「おう」
凛「(事務所はオッケーなんだね)」
かな子「私は三村かな子、よろしくね!」モグモグ
凛「う、うん。よろしく」
凛「(食べてる?いや?喋ってる……?どっちなんだろう?)」
――― 再び総合レッスン敷地
凛「おいしかったね……」
P「そりゃあ、そうさ。パティシエPは世界各国の洋菓子屋で修業をしてきたしね」
凛「ねぇ、本当に何でプロデューサーやってるの?」
ガササッ!!
凛「!?」ビクッ
P「あ、忍者P」
忍者P「ドーモ。シブヤ・リン=サン」
凛「あ、どうも……」
ガサァァッ!!
あやめ「ニン!」
凛「!?」ビビクッ!!
P「渋谷さん、こちらがアイドルの浜口あやめさん」
凛「ど、どうも……渋谷凛です」
あやめ「宜しくお願いします。凛さん。あやめと申します」
忍者P「……」ゴゴゴゴゴゴ
凛「(何このオーラ……何このオーラ……!?)」
P「忍者Pさんはな、不審者を気配で察知して分銅でとらえる事ができてな……」
凛「だからそれプロデューサーに必要!?」
あやめ「わたくしも精進しないと……」
―――――――― 休憩所
凛「こんなところまで……」
P「ああ、一流のプロダクションだからね。休憩ももちろん必要なんだよ」
P「おや……あそこにいるのは、わが社が誇るトッププロデューサーの二人!!」
凛「え、どんな人?」ワクワク
P「自堕落Pと堕天使P!」
自堕落P「めんどくさい 帰りたい」
堕天使P「漆黒の羽が落ちる時……(まだ時間じゃないよ)」
凛「(これが!?)」
凛「……(これが!?)」
凛「これが!?」
P「渋谷さん、口に出てる」
自堕落P「あ~人生めんどくせぇなぁ~、俺の代わりに誰か生きてくれないかなぁ~」 ダラダラ
堕天使P「世の理は世界に求められん(それは流石に無理じゃないかな)」
凛「(想像を絶するほどわけわかんないんだけど)」
P「気持ちはわからないでもないよ。自堕落P、仕事するときはすごいんだけどね……とことん仕事しない人だから」
凛「プロデューサーの前に、それ社会人として大丈夫?」
P「うーんでも売り上げ自体はトップクラスだし……」
凛「(どれだけ有能なの……?)」
P「堕天使Pは、ちょっと言葉遣いと格好が独特な事を除けば普通にいい人だよ」
堕天使P「深遠なるソナタが奏でられん。新たな時の始まりか(あ、新人さん?よろしくねー)」
P「あ、渋谷さん、よろしくって言ってるよ」
凛「え!?今のよろしくって意味なの!?」
格好が独特ってどんなだよ
凛「ねぇ……もうちょっと普通のプロデューサーいないの?」
P「いるっちゃいるけど」
「あ、どうも」
P「普通P。丁度探してたところです」
普通P「そうなんですか?」
凛「(普通だッ……!!)」
普通P「どうかしたんですか?個性に耐えきれなくなったとか」
P「多分それですね」
普通P「ですよね。ここのプロデューサーさんとアイドルさんって、すごい人多くて」
凛「わかります」
P「普通な人がいないかと探していたところなんですよ」
普通P「ああ、僕でよかったら話くらいは……あ」
P「ん?」
普通P「まだ担当アイドル決まってなかった……」
凛「え」
P「ああ、そういえば。うーん、普通Pに合うアイドルかぁ……」
凛「アイドルも個性的なのばっかりだからねぇ、いるのかな」
P「渋谷さん、どう?」
凛「私?」
普通P「……?」
凛「……ごめん、なんか違う」
普通P「あ、普通にショックだな……」
P「でもなんとなくわかるし、仕方ないね」
凛「ごめんなさい」
普通P「いいよいいよ」
P「んー、今回新しく入った新人がもう二人いるんで、あとで二人を紹介しますよ」
普通P「本当ですか?合う子がいるといいなぁ」
P「一人はなんとなく、合いそうでしたよ。何か全体的に普通の子がいましたし」
普通「そう?嬉しいなぁ」
凛「(全体的に普通って逆にどんなアイドルなんだろう……)」
>>41
ビジュアル系バンドのライブ衣装を想像してくれれば早い
――――
P「……うーん、なかなか見つからない」
凛「ま、まぁゆっくり探せばそのうち」
P「そうだ!女性のプロデューサーも当たってみよう!」
凛「え?女性もいるの?」
P「もちろん。うちは総合プロデュースをモットーとしているからね。自分で着替えられない女の子なんかは女性プロデューサーの出番さ!」
凛「(そんな子アイドルにしていいの!?)」
―――― 女子寮近辺
凛「女子寮?」
P「女性専用の寮だよ。男性プロデューサーに比べて、武闘派が少ないからね」
凛「(少ないって事はいるんだ)」
凛「あれ?そういえばプロデューサー、ここって男子禁制とかじゃないの?」
P「あー、仕事のためなら別だよ」
凛「へぇ……(もしかして、男と思われてないんじゃ)」
スッ……
「あら、その子、新人さん……?」
凛「(わ、キレイな人……)」
凛「この人、アイドル?」
P「ああ、淑女P?違うよ。彼女はプロデューサー」
凛「(淑女P、きっと素敵な人なんだな……)」
P「淑女P、この子が例の、『ニュージェネレーション』の一人ですよ」
淑女P「あらそう……例の」
凛「例の、って?」
P「あ、言ってなかったね。ごめんごめん」
P「わが社でね、今までのプロデュースからさらに進んだ、新たなプロデュースを行う計画」
P「それがニュージェネレーション計画」
凛「え、なにそれ」
P「まぁ要は、今までやってこなかったことに挑戦しよう!と言う事だよ。丁度その一組目が渋谷さん、君たちの代なんだ」
凛「えっ……実験台って奴?」
P「いや、それは違うかな……。むしろプロダクションがプッシュしていく形だから、ちょっと豪華な新人って感じかな?」
凛「そんな贔屓みたいな事……」
P「大丈夫大丈夫。贔屓しようがしまいが、売れる子は売れる。売れない子は売れない」
凛「て、手厳しい……」
淑女P「凛ちゃん、だっけ?」
凛「は、はい(緊張する!)」
淑女P「お近づきのしるしに、握手でも……」
凛「は……」
P「ストップ」
凛「え?」
師匠の師匠なんじゃね
P「淑女Pさん」
淑女P「な、何?」
P「流石にまだ早いかと」
淑女P「うっ」ギク
凛「な、なんの話……?」
キィィィィンッ
P「この音は!」
淑女P「まさか!」
凛「??」
ガシィィッ!!
愛海「愛海!!お山を発見しました!!今から登山を行います!!」
モミモミモミーッ!
凛「きゃっ……な、何!?」
愛海「うっへへ~」
ゴツッ
淑女P「こら」
愛海「いたい……」ヒリヒリ
淑女P「愛海!お山をもむときは、いつも淑女らしくおしとやかに、相手に許可を得てっていつも言ってるでしょ!」
愛海「ごめんなさぁい……」
凛「……!?……!?」
P「あー、説明が遅れてごめんね。彼女は淑女P」
淑女P「趣味は女性の体を撫でまわすことです」
凛「は!?」
愛海「私は棟方愛海!趣味は女性のお山をもみしだくこと!」
凛「は!?」
棟方愛海
http://i.imgur.com/asLcwce.jpg
>>47
まさか当てられるとは
腐女子P「なんだぁ、女性同士かぁ……男性同士の絡みかと思って損したー」
由里子「あたしは生ものは苦手かなー」
凛「は!?」
P「あ、こちらが腐女子Pとアイドルの大西由里子ちゃん」
腐女子P「よろしくねー凛ちゃん」
由里子「よろしくだじぇー」
凛「あ、うん……よろしく(婦女子……?どういう事……?)」
淑女P「女同士の絡みも良いと思うんだけど……」
腐女子P「うーん、百合は二次元派かな……」
由里子「あ、それわかるー!」
愛海「腐女子Pさんちょっと揉んでもいいですか?」
腐女子P「え?またデスマーチ手伝ってくれる?」
愛海「……ッ!!」ビクッ
P「うぅ~ん……あの辺りは……ちょっと、違うか……」
凛「う、うん。ていうかなんか身の危険を感じるよ、次行こう、次」
化け物どもめ!(褒め言葉)
化け物どもめ!(褒め言葉)
――――
テクテク……
凛「それにしても鬼のように広いね、ここ……」
P「まぁ第六女子寮まであるし、アイドル何百人と入るシステムだしね」
凛「え?アイドルって180人くらいなんじゃ……」
P「それはそれ、これはこれ……おっと、渋谷さん」
凛「ん?あ……」
スヤスヤ
P「あそこで寝てるのが日光浴Pで……」ボソボソ
日光浴P「……」スヤァ
美穂「……」スピー
P「くっついて寝てる子が小日向美穂ちゃん」ボソボソ
凛「風邪引かないの?」
P「……さぁ?」
凛「さぁって……」
P「まぁ、起こさないであげよう」
凛「そうだね」
――――
P「お、あれはメイドPさん」
メイドP「あら?これはこれは仲介Pさん。ということはその子は……」
P「はい、ご察しの通り新人アイドル、渋谷凛ちゃんです」
メイドP「わたくし、琴歌お嬢様の召使い兼プロデューサーです。皆様からはメイドPと呼ばれておりますわ」
凛「あ、どうも……(何かさっきもあったようなこんな事)」
メイドP「プロデューサー探しの途中ですか?」
P「その通りです。流石一流のメイドさんは話が早い」
メイドP「いえいえ。しかし、そのご様子だと結構いろいろな方と会われたのでは?」
凛「うん、かなりね……」
P「でも皆少し個性が強すぎるみたいで……どうにも上手くいかないなぁ、と思っていたところです」
メイドP「だから同性ならなんとかなるかも、と思い女子寮の方に来たと言う事ですね」
P「そうです」
メイドP「うぅ~ん……ですが、あまり私も、おすすめという方を思いつきません」
P「でしょうねぇ……」
メイドP「A事務所に行ってみてはいかがですか?今何人かのプロデューサーが談笑しているそうですよ」
P「わかりました、行ってみます」
凛「A事務所?」
P「事務所の一つだよ。Aは結構大き目かな」
――――
育児P「はい、こずえちゃん、あーん」
こずえ「あーん……」
モグモグ
凛「……」
P「どうか?」
凛「ここ、託児所?」
P「いや、れっきとした事務所だけど」
バタバタ
薫「わー!お姉さん、誰?」
千佳「新しいアイドル!?」
凛「う、うん、そうだよ」
薫「後輩だね!」
千佳「後輩だー!」
ワイワイキャッキャ
凛「(子ども相手、疲れる……)」
遊佐こずえ
http://i.imgur.com/0lWHMk6.jpg
横山千佳
http://i.imgur.com/NslCNU0.jpg
竜崎薫
http://i.imgur.com/hLOuXkW.jpg
亜里沙「託児所ってわけじゃないんだけど……ね?」
若葉「なんだか、子どものたまり場になってるような気がしなくもないですよね」
凛「えっと……」
P「ああ、紹介が遅れたね、アイドルの持田亜里沙さんに、日下部若葉さん」
亜里沙「よろしくね」
若葉「よろしくね!」
凛「えっと……若葉ちゃんはいくつ?」
若葉「いくっ……!?」ガーン!
P「えっとね渋谷さん……若葉さんは20歳なんだ」
凛「え!?ご、ごめんなさい!」
若葉「あはは……慣れてるから」
「まぁその見た目だからね、仕方ないよね」
P「あ、こどもP」
こどもP「こどもPって言うな!」
凛「こどもPくんはいくつ?」
こどもP「僕は19歳だからな!?」
凛「えっ」
若葉「それでも私の方がお姉さんなんですよ~」スリスリ
こどもP「こら!若葉、すりすりするな!」
凛「プロデューサー……」
P「わかってる……見た目は子どもだけど、実際19歳だから」
凛「でも彼、合法的に女湯に……」
こどもP「入らないぞ!?」
「プロデューサー探しかな?」
P「あ、魔法少女P」
凛「魔法少女P!?」
魔法少女P「うん、正直この歳でこの呼ばれ方は恥ずかしいんだけどね……」
凛「な、なんで魔法少女Pって……?」
魔法少女P「そりゃ、変身できるからよ」
凛「え」
P「ステッキをかざして」
魔法少女P「まじかるみらくるなんたらかんたら~とか唱えたらね、返信できるの」
凛「……それって、プリキュア的なあれですか」
魔法少女P「うんまぁ……隠すまでもないけどそれね」
P「ただ……」
千佳「ねー!Pさんあれやってよあれー!」
魔法少女P「絶対嫌!」
千佳「えー、なんでー!?」
P「一回……」
凛「一回?」
魔法少女P「変身の途中で、一回必ず全裸になるのよ」
凛「そ、それは……」
テクテクテク
凛「……!?」ビクッ!!
P「着ぐるみPじゃないですか」
ガポッ
着ぐるみP「や、どしたの?あれ?その子新人?」
凛「え、あ、はい……」
P「彼女は着ぐるみP、プロデュース業の時以外は常に着ぐるみの中さ」
凛「暑くないんですか!?」
着ぐるみP「暑いよ、うん、死にそうになるよ!」
P「でもなんとか耐えるんですよね」
着ぐるみP「耐えるねー。着ぐるみへの愛だねー。あと」
凛「あと」
仁奈「その、動物の気持ちになるでごぜーますよ!」ばーん!
凛「(小さい)」
P「こっちが市原仁奈ちゃん。この子は普通に9歳だよ」
凛「よろしくね」
仁奈「よろしくおねげーします!」
凛「(独特な言葉遣いだなぁ)」
一旦中断します
明日くらいには完結させます
ちょこっと再開します
今回で終わりそうにないっぽいので、もうちょっと続けるかと
――――――― 遊技場
ピロロロロロ ジャリーン
ジャンジャンパリパリ ザワザワ
凛「……これって」
P「遊技場だね。休憩所と似たようなものかな?プロデューサーとアイドルの心身を癒すために……」
凛「癒す……?」
P「まぁちょっとした遊び場かなぁ」
凛「だよねぇ……」
P「えっと、あそこでルーレットに励んでいるのが、任侠P、博打P、金持ちP、あとアイドルの兵頭レナさん」
凛「あの人ディーラーじゃなくてアイドルなの……!?」
P「ディーラーは趣味だよ」
凛「趣味……?(趣味がわかんなくなってきた)」
ざわ……ざわ……
博打P「俺は……この赤の16に一点賭けするぜ……!」
金持ちP「ほほう、勝負に出たのう?」
任侠P「潔いな、ふふ……やりおる」
P「ちなみに任侠Pは小指がないけど、これは……あっ」
凛「(あ!?)」
P「いや、なんでもないよ」
凛「(何があったの!?)」
P「(工場の勤務の時に、ベルトコンベヤに巻き込んだなんて話すべきじゃないな……うっかりうっかり)」
凛「(芸能界ってこわい)」
レナ「結果は黒の8~。親の総取りっ!」
博打P「ああっ……!こんな……こんなことが……!」
ぐにゃああ
金持ちP「自滅しおったか……」
任侠P「欲は身を滅ぼす……自らをもって教えてくれたか」
凛「ね、賭博って日本じゃ違法なんじゃ……」
P「……こ、ここは私有地だしね。うん。大丈夫なんだよ」
凛「(本当かなぁ……)」
P「それに賭けに使っているチップを見てごらん」
スッ
凛「ん?これ……」
P「そうだよ。チップの包装がしてあるチョコレートさ」
凛「なんだ!なら大丈夫だね!」
P「一つ10万円だけどね」
凛「!?」
P「まぁそんな世界もあるってことさ」 ハハハ
凛「(この人、案外黒い……!?)」
P「そういえば任侠Pってね、見た目は怖いけど実は内気な所もあってね……」
ガチャーン!
巴「こらーーーっ!」
任侠P「……!!!」ビクッ!!
P「あれ、巴ちゃん」
巴「おう仲介さん。お疲れさんじゃ。さぁて、やっぱりここにおったのう!」
任侠P「お、お嬢……!」
凛「(お嬢!?)」
巴「なぁにこんな所で油売っとるんじゃ!今日はうちとパスタを食べる約束じゃろう!?」
任侠P「あ、あれ?ワシそんな事言ったっけのう……?」
巴「おい……男が一度言ったことを撤回する気か?」 ゴゴゴゴゴゴ
任侠「ヒィー!お嬢!堪忍してつかぁさい!」
巴「なんじゃ、別に怒っとらんて!さぁさっさと支度せんかい!」
P「ほら、ものの見事に尻に敷かれてるだろ?」ハハハ
凛「え、うん……」
凛「(事務所ってどっちの事務所なんだろ……なんかアレなのかな、ドスとかチャカとか使う事務所なのかな……)」
―――――――
P「まぁ無理だとは思ってたけどやっぱり合わないかぁ……」
凛「むしろ私のどこを見てあのプロデューサーたちと合うと思ったのかな」
P「うーん、困ったな、結構いろいろなPを当たってみたんだけど……」
ボゥンッ
凛「え、煙幕!?」
P「あ、あやかしP。いたんですか」
妖P「うむ、お困りかと思ってな。」コンコーン
凛「み、耳……?」
P「あ!」
妖P「しまった!」
サッ
周子「もー、プロデューサー油断しすぎ」
妖「はは、すまぬすまぬ」
P「周子ちゃんもいたんだ。この子、新人の渋谷凛ちゃん」
凛「よ、よろしく」
周子「あたいしは塩見周子。シューコでいいよ」
妖P「俺は好きに呼んでくれていいぞ。皆からは『あやかしP』等と呼ばれているな」
周子「どうみても怪異のそれだからねぇ」
妖P「そうか?結構最近人間にもなじんできたつもりだが……」
凛「(人間にもなじんできた!?)」
P「あまり深く考えない方がいいよ。ここのプロデューサーは人間離れしてる人が多いからね」
妖P「そうだそうだ。八つ橋食うか?」
周子「あたしも欲しいー」
凛「(なんかすごいな……)」
周子「で、アドバイスにきたんじゃなかったっけ」
妖P「そうだった!仲介Pよ、結構多くのプロデューサーと会ってみたものの、合わないのだろう?」
P「ですね。皆、渋谷さんのイメージとは違うと言うか……」
妖P「ならば、アイドルを担当していないプロデューサーなどいいんじゃないか?」
P「なるほど!」
凛「いるの?」
P「もちろん!なんせうちには400万のプロデューサーがいるからね。アイドルを担当してない人も多いよ」
凛「……その人たちは、仕事あるの?」
P「人によるかなぁ。パイロットPや弁護士Pは結構活躍してるところ見てるけど」
凛「それ完全に職業違うよね!?」
妖P「いざと言う時、ジェット機を飛ばしてくれるのは助かってるぜ」
周子「今度は蟹食べたーい♪」
凛「私物化!?」
妖P「おおっと、勘違いしてくれるなよ。あくまでロケのついでだ」
周子「北海道は美味しい物がたくさんあるから、何度でも行きたいよねぇ」
妖P「次は富良野でロケするかな……」
凛「(やっぱり私物化してる!?)」
P「あ、あったあった……まだ担当アイドルがいないPのリスト」
妖P「結構な数いるだろ?」
P「確かに。これなら渋谷さんにも合う人が見つかるかもしれませんね」
スッ
凛「これがリスト?」
P「そう、顔写真と簡単なプロフィールさ、会ってみたい人はいる?」
凛「うーん……」
未担当リスト
配管工P
黒魔術P
殺人鬼P
全裸P
検事P
盗撮P
ネットの知識を鵜呑みにするP
強盗P
栄養失調P
引きこもりP
凛「ロクなのがいない!!!」
凛「どうしようもないよ!ひどいのしかいないじゃん!
ていうか何で採用してるの!?」
P「え?いや……確かにアレかもしれないけどさぁ、実際活躍してるPに、
さっき見た『自堕落P』の他にも『人見知りP』とか『病弱P』とか『心霊P』とかいるからさぁ……」
凛「どういう活躍!?」
P「何か知らないけど、アイドルとの親和性が高いんだよ」
凛「逆にそのアイドル達を見てみたいよ……」
P「あと、『隠れオタP』も最近頑張ってるね」
凛「それ、微塵も隠れて無くない?」
P「本人は頑張ってるんだけどね」
妖P「ダメだったか?」
P「うーん、どうでしょうか。まだもう少し人はいるんですけど……」
周子「地道に探すしかないかもねー」
凛「私、別にそんなに焦ってないから」
P「そういってもらえると助かるよ」
「よ!新人の担当探しか?」
P「あ、先輩P」
凛「先輩なの?」
P「まぁ先輩っていうより先輩っぽいからかな?」
凛「(どういう理論……?)」
P「そうなんですよ。中々難航してて……あれ?その子は?」
先輩P「ああ、新人の本田未央ちゃんだよ。どうしてもって言うから案内してたんだよ。
早くこの子にもプロデューサー紹介してやれよ仲介」
P「すみません。どうも、本田さん」
未央「えっへへー!初めまして?だっけ?」
P「こうしてきっちりお話するのは初めてかな」
凛「よろしくね、未央、私は渋谷凛」
未央「よろしく!しぶりん!」
凛「しぶりん!?」
先輩P「……しぶりん」
妖P「しぶりん」
周子「しぶりん……」
P「……アリですね」
凛「アリなの!?」
未央「いや~、最初はアイドルって不安いっぱいだったけど、ここの人たち面白いし、何だか楽しそうだね!」
先輩P「おお、この状況を見てそう言える、中々パッションな子だな」
妖P「この子はパッション部門だな……」
周子「お近づきのしるしに羊羹をあげよう」
未央「わーい!ありがとうございます!先輩大好き!」
周子「あたしは塩見周子だよ。よきにはからえ~」
未央「周子先輩一生ついていきます!」
先輩P「調子いいな!?」
アハハハ……
P「……」
凛「どうかしたの?」
P「いや……先輩P」
先輩P「どうかしたか」
P「本田さんの担当、やってみません?」
先輩P「俺がか?」
P「ええ、なんとなく、なんとなくですが……合うと思うんですよ」
先輩P「俺自体は別にかまわないが……本田さんは?」
未央「未央でいいよ!私も別にかまわないよ!先輩Pいい人だし!」
先輩P「だそうだ」
P「じゃ、決まりですね。上に申請は出しておきます」
先輩P「やけにあっさり決まるんだな、アイドル生命がかかっていると言うのに……」
P「ははは、舐めないでください。私は180人のアイドルを排出してきた人間ですよ?あと私の勘はよく当たるんです」
先輩P「いや、お前が凄いのはとうの昔に知ってる、まぁ、お前がそういうなら間違いないだろ。
よろしくな!未央!」
未央「よろしく!先輩!」
先輩P「先輩じゃなくてプロデューサーと呼びなさい!」
未央「えー」
アハハハハ……
凛「うん……」
P「ん?」
凛「あ、いや別に」
P「いや、ちょっと気になるな、今なんで頷いたの?」
凛「いや、本当大したことじゃないんだけど『お似合いだな』って思ったんだよ」
P「あの二人が?」
凛「うん。未央は元気で、天真爛漫だけど、どこか人に迷惑をかけそうな子だから……
ノリはいいけど、しっかりしてて面倒見も良さそうな先輩Pさんならピッタリかなって」
P「……」
凛「あ、いや、私がちょっと思っただけで、深い意味は」
P「その通りだよ」
凛「え?」
P「私が彼を担当に選んだのも、そこなんだよ」
凛「……うん?」
P「アイドルとプロデューサーってね?すごく微妙な関係なんだ。友達でもあり、同僚でもあり、時にはライバルとして切磋琢磨する」
P「そういう関係を作り上げるのは、実は中々骨が折れる」
凛「……だろうね」
P「アイドルの面倒を見られればいいかというと、実はそうでもない。一人でなんでもできるようなアイドルに、
そういった人物は逆に足かせになりかねない」
P「かといってアイドルとなれ合えばいいかというとそうでもない。時には厳しくしかりつけるのも、プロデューサーの仕事だからね」
P「そんな関係は……正直一朝一夕では絶対に成り立たない。だが、一人でも多くのトップアイドルを排出するために、
その関係を作ろう、作ろうとこちらも必死に仕事をしているんだ」
凛「……」
P「おっと、すまないね。いきなりこんな話を……」
凛「ううん、わかるよ」
P「え?」
凛「今日、色んな人達を見てきたけど、皆、個性はすごいけど、お互いに認め合ってるようにも見えたよ。
やっぱり信頼しあえて、かつ、仕事もできるような、そんな関係になれるのは凄く良い事だと思う」
P「……渋谷さん」
凛「凛でいいよ」
P「え?」
凛「渋谷さんはなんだかむずむずする。凛でいいよ」
妖P「しぶりん」
凛「それはやめてください」
今回はここまでで。
次回は明日……いや多分明後日になると思います。
一応言っとくと“輩出”ね
再開します
>>99 すまぬ……誤字脱字には一応気を使ってるつもりでしたが……
――――――
P「うーん……」
凛「悩み事?」
P「ていうか君の事だよ。過去、これだけ色んな人を見て、担当が決まらなかったのは初めてなんだ」
凛「……え?」
P「ご存知の通り、私は全プロデューサーを把握してる。だから普通はアイドルを見た瞬間、誰と誰が合うかなみたいな事がわかるんだ」
凛「さっきの先輩Pもそうだったの?」
P「ああ、あの子、……本田未央ちゃんは天真爛漫な元気さがウリだからね。そこをうまく引き出してくれる人がいればと」
凛「ふーん……私はいないんだ」
P「うっ、いない、というか……うーん……なんというか」
凛「でも、400万人もいれば、流石に一人か二人くらいはいるもんじゃない?」
P「そうなんだけどね。君の場合は何故か思いつかない。だからこうして見て回ってるのさ」
凛「……珍しい事もあるんだね」
P「本当、それだよ」
ガサガサ
凛「?」
P「ああ、キノコPじゃないですか」
キノコP「や、やぁ……ここには、希少なキノコが多くて……本当に楽しいよ」
P「いえいえ、楽しんでいただけるなら……ってアイドルのプロデュースは!?」
ガサガサ
輝子「フヒ?」
P「あ、いたんだね輝子ちゃん」
輝子「フフ……プロデューサーと、キノコ狩り……楽しい……」
凛「(仲良いんだなぁ)」
P「あ、輝子ちゃん、こちらが新人の渋谷凛ちゃん。凛、こちらがきのこ系アイドルの星輝子ちゃん」
凛「よろしく、輝子」
輝子「フヒッ……!」ビク
キノコP「悪いね……輝子は、人見知りなんだ、ほら、輝子……」
輝子「こ、コワイ……」ビクビク
凛「プロデューサー、私そんなに怖い……?」
P「ぶっちゃけ私は麻痺してるからなんとも言えないけど、クール系だから怖い人には怖いかもね」
凛「……」ズーン
P「ああでもそれは人見知りとかそういう人の場合であって!普通は綺麗な子だなくらいにしか思わないよ!」
凛「あっそ」 パァァァ
P「(表情がわかりやすい!!)」
輝子「ほ、ほ……星輝子です……キノコが好きです……私は細くてお肉がないので食べてもおいしくないです……」ビクビク
凛「よ、よろしく……(ちょっと傷つく……)」
キノコP「ご、ごめんね凛ちゃん……輝子も悪気はないんだ……そ、そうだ!ちょっと待っててくれないか、せっかく来てくれたんだ、一芸を披露するよ」
凛「一芸?」
キノコP「う、うん……僕にはちょ、ちょっとした特技があってね……」
輝子「……」ワクワク
P「おお、キノコPさんのアレが見られるのか」
凛「あれ?」
P「見てのお楽しみだよ」
「ヒャッハー!!」
李衣菜「ヒャッハー!!」
P「ロックP、いたんですか」
ロックP「ロックあるところに俺がある。キノコPの本領発揮と聞いて飛んできたぜ!!!」
李衣菜「ロックだぜ!!」
凛「何このすごいテンションの人たち、パッション部門?」
ロックP「いえ、クール部門です」
凛「(口調が!?)」
ロックP「じゃんけんでは必ずグーを出す!」
李衣菜「それが石(ロック)の心意気!」
ロックP「暗証番号は決まってる!」
李衣菜「6666で4倍ロック!」
ロックP「好きな妖怪はろくろ首!」
李衣菜「首が伸びるなんてロックだぜ!」
ロックP「家を出た後は必ず鍵を!」
李衣菜「ロックだぜ!!」
ロックP「―――ということで、ロックPです。よろしく」
李衣菜「多田李衣菜です。よろしく」
凛「(口調が!?)」
凛「あ、うん……渋谷凛です、よろしく」
李衣菜「凛ちゃんもロックだよね。クール部門?」
凛「プロデューサー、私こんな感じの部門なの?」
P「あのね凛、部門によっても全てが同じというわけじゃないからね。だからクール部門が全てこれって決めつけないでね」
ロックP「これってなんだよこれって!」
李衣菜「そうだそうだー!」プンスカ
凛「(なんだろう……とてつもないパッションを感じる)」
ザッ
P「あ、ギタリストP」
ギタリストP「……」 ジャーン……
ロックP「おうギタP、どうした急に」
ギタリストP「……風のうわさでな、キノコPのパフォーマンスが見られると」
夏樹「貴重だよなー、せっかくの機会だしアタシもじっくりみておかないと」
ギタリストP「……」ギュイッ
李衣菜「(ギタリストPやたらとギター弄ってる……わけわかんないけど多分これがロックなんだ……!!)」
李衣菜「ねぇなつきち、ギタリストPってさ、ロッ」
夏樹「ああ、やっぱりわけわかんねぇよな?何でいちいちギター弾いてるんだろうな?」
李衣菜「ろっ……六回会ってもわからないよね!!」
夏樹「だりー六回しか会ってなかったっけ……?」
P「こっちがアイドルの木村夏樹さんとギタリストP」
夏樹「お、噂の新人さんか。よろしく」
凛「渋谷凛です。よろしく」
ギタリストP「……」ギュィンッ……
夏樹「クールで気に入ったみたいだぜ」
凛「そうなの?わかんないけど……」
李衣菜「(今の何!?ギターで会話できるの!?)」
ロックP「……ロックだな」ゴクリ
ザァッ!
「お待たせしました!!!」
凛「何アレ!?」
P「あああれは、キノコP改め、『菌類の王、デス・マッシュルーム三世様だよ」
凛「マッシュルーム三世!?」
ロックP「様をつけろ!!」
凛「アッハイ」
マッシュルーム三世「いくぜェェエェェェエ!!!マッシュルゥゥム!!!マシンガンッァァ!!!」
ギャィーン!! ギャリギャリギャリィィィッ!!!
マッシュルーム三世「エリンギマイタケオニフスベ!ノウタケハツタケハナイグチ!クロカワヒラタケホウキタケ!
ハ・ル・シ・メ・ジィィィィィィィェェェェェェァァァァァァァァァァァーッ!!!!」
ギュィンァッ ギャギャギャギャジィィィン!!!
夏樹「出た!マッシュルーム三世様の歯ギターだ!!」
ロックP「相変わらずロックだぜ……」ゴクリ
凛「歯ギター!?そんなことして大丈夫なの!?」
輝子「わー……」パチパチ
ギタリストP「……」ギュィンギュィン
夏樹「すごい喜んでる……」
李衣菜「(え!?喜んでるのアレ!?)」
ギュイィィン……
マッシュルーム三世「この一曲に……俺の菌糸をかける!!」スゥゥゥ
ギタリストP「くるぞ……!」ガタッ
凛「(え?何が?)」
マッシュルーム三世「ススヤマドリタケヤマドリタケホテイシメジコザラミノシメジキヌメリタケノボリリュウタケ
オニタケクロハツサクラタケヒトヨタケタマシロオニタケツキヨタケオシロイシメジアカヤマタケスギヒラタケ
シロタマゴテングタケシャグマアミガサタケキシメジカンダタケシザラエノハラタケタマゴタケチチタケツチグリ……
……ベニテングゥゥゥゥゥゥェェェェェェェェェァァァァァァァァァアーーーー!!!!!」
P「でた!マッシュルーム三世様の『無呼吸マッシュルームマシンガン!!』」
夏樹「あんな事したら……普通は呼吸困難で死ぬはずなのに……ロックだぜ」
ロックP「(なんで命かけてるの こわい)」
李衣菜「ウッヒョー!!」
輝子「すごい……」パチパチ
ギタリストP「……」ホロリ
李衣菜「(泣いてる!!)」
夏樹「へへ……熱い魂のビートが聞こえるぜ」ホロリ
李衣菜「(泣いてるーー!!!)」
凛「 (ついていけない) 」
――
ジャーン……
マッシュルーム三世「ありがとうございましたァッ!!!」
ギュイッ!
ワァァァァァァ!!
ロックP「ロックだったぜ!」
夏樹「魂が震えたよ!」
ギタリストP「……ありがとう、音楽の求道者よ」ギューン
李衣菜「ウッヒョー!」
輝子「すごい、すごい……」パチパチ
ゴシゴシ
キノコP「ふう……楽しんで、もらえたかな」
凛「あ、はい、すごかったです……はい」
キノコP「そ、それなら、いいんだ……うひひ」
凛「(いい人なんだろうけどなぁ……)」
――――
P「いやぁ、相変わらずキノコPのパフォーマンスはすごかったなぁ。しかし……」
凛「しかし?」
P「しかし何故、バンドをやめたんだろう、ってね……」
凛「バンドやってたんだ」
P「ああ、すごく有名なメタルバンドでね。全国にすごいファンがいて……」
凛「……なんでプロデューサーに?」
P「それは私にもわからないんだ。ある時事務所を訪ねて、『プロデューサー募集の広告を見た』とだけ……」
凛「……」
P「こちらとしても、元有名パンクバンドの人間だし、採用しない理由はなかった。
しかし、引退も突然、パフォーマンスが衰えたわけでもないのに……何故なんだろう、って思ってね」
凛「やりたいことができたんじゃないかな」
P「やりたいこと?」
凛「そ。音楽って自己表現だよね。その途中で……別にやりたいことが見つかったんじゃないかな。
自己表現は、音楽以外でもできる。そう思って、プロデューサーになったとか」
P「ふむ……」
凛「あくまで推測だけど」
P「いや、あながち間違いじゃないかもしれないな」
凛「そう?」
P「ああ、この前本人が……『アイドルってのはすごい……若いのに、すごくがんばっている』
と言っていて、その時の表情は、すごく楽しそうな表情をしてたんだよ」
凛「……」
P「だから、もしかしたら凛の言う通りなのかもしれない、ってね……」
凛「そんなに楽しいのかな、プロデュース」
P「私はやったことがないからわからないけどね」
凛「……やったことないのに何で仲介できるの?」
P「……さぁ?こればっかりはわからないよ。できるんだから、仕方ないね」
凛「よくわかんないもんなんだね」
P「そういうもんなんだよ」
些細な事だけどメタルがパンクに変わってるな
>>132
ごめん間違えたwメタルが正解ですw
P「そうだ」
凛「どうしたの?」
P「人生相談に行こう」
凛「じ、人生相談?」
―――――
サッ サッ……
歌鈴「あ、仲介Pさん」
巫女P「どうも~。お悩み相談ですか?」
P「巫女P。ええちょっと。人生に迷いまして」
歌鈴「神主Pなら奥にいますよ。あれ?その子は……」
凛「新人アイドルの渋谷凛です。よろしく」
歌鈴「ああ、あの新人さん……!私は道明寺ガリッ」
歌鈴「~~~~ッ!?」
巫女P「大丈夫歌鈴?ほら、舌出して……?」
歌鈴「ふぁい……」ヒリヒリ
凛「道明寺、ガリさん……?」
P「道明寺歌鈴ちゃん。どじっ娘系巫女アイドルさ」
凛「ドジなのに巫女……」
歌鈴「ら、らいじょうふれふよ。儀式のときはまらしっぱいしてまひぇん」
凛「儀式!?」
巫女P「こらこら、あまり儀式の事を言わないの」クスクス
歌鈴「すみまふぇん」
凛「(なんかもう色々慣れてきた自分が怖い……)」
――
神主P「おお、仲介P君」
P「ご無沙汰しています」
神主P「君が来るとは……珍しいな。人生にでも迷ったか」
P「その通りで」
凛「……」
神主P「そちらの子は……新人だな。クール部門といったところか」
P「ええ、まだ配属はしていませんが……おそらくクール部門でしょう。
渋谷凛ちゃんです」
凛「どうも」ペコリ
神主P「なかなかにクールな子だな。さて……では相談を始めるか」
P「はい」
凛「え、何か必要なの?」
P「あくまで気持ちとして……5円をお賽銭するんだ」
凛「……」ゴソゴソ
チャリン チャリン
P「そして二回手を叩く」
パン パン
P「神よ……どうか私は導きたまえ」
凛「それって完全にキリスト教じゃない?」
P「いいんだよ、うちでは神って言えば一人だから」
凛「一人……?」
ガララー
茄子「あの……そろそろこの流れ、やめません?何か恥ずかしいんですけど……」
凛「か、神様って実在するの!?」
茄子「違いますよ!?私は普通の人間です!ここでアイドルをやらせてもらってる、鷹富士茄子です!」
P「ありがたやー……」
茄子「あの、だから……もういいですよ」
凛「なるほど、本日はよろしくおねがいします。神様」
茄子「……はぁ」
茄子「ええと……今回の相談は」
神主P「『アイドルに合うプロデューサーが見つからず、人生に迷っている』だそうです」
茄子「はぁ……私、マッチングはあまり詳しくないんですけど……」
P「そこをなんとか!」
茄子「ええと、もう普通に、私個人のアドバイスでもいいなら……」
P「ありがとうございます!」
凛「(……なんだかこの人、本当に神様みたいだな、ちょっと後光が見えるし)」
茄子「それはもう……ゆっくり待つか……あとは、選び方を変えて見ては?」
P「選び方を……変える?」
茄子「だからつまり、その子、ええと」
凛「渋谷凛です」
茄子「そう、凛ちゃんに合うプロデューサーを見つけるのではなく……凛ちゃんがプロデューサーに合わせればいいんです」
P「え!?」
凛「どういうことですか神様」
茄子「(この子結構気が強い……)今まではプロデューサーが、見事にマッチする人を選んでいた。
でもそれが見つからないなら、それはそういう運命なんじゃないでしょうか?」
P「運命……」
茄子「はい。なので運命はさっさと受け入れて、凛ちゃんがどんなプロデューサーならついていけるかを選ぶんです。
自分の個性に合わせるのではなく、自分が合わせられそうな個性のプロデューサーを選ぶんです」
P「それはつまり……凛が変わる、ということですか」
茄子「もちろん、私個人の意見なので、正しいかどうかは……」
P「神がそういうのであれば……」
凛「うん、私は大丈夫だよ。人の個性にでも合わせられる」
神主P「おお、それでは……」
P「はい、少しすっきりしました、ありがとうございます」
茄子「いえいえ」
神主P「神はいつでも、君たちを見守っているよ」
凛「ありがとうございます」
――――
P「凛に合わせるのではなく……」
凛「私が合わせる、か。何か新しい道が見えてきた気がするね」
P「ああ、神のお導きの通りだ……!」
凛「そういえばさっきの茄子様は、なんで神って呼ばれてるの?
見た感じ神っぽいとはいえ普通の人みたいだったし……」
P「彼女の助言のおかげで、様々な危機を乗り越える事ができたんだ」
凛「へぇ……やっぱりすごいんだ」
P「ああ、それはもう凄まじい。彼女がなんとなく『あそこに事務所あると便利ですよね』
って建てたところが今の総合事務所だ。あそこを建ててからというものの、一気に売り上げが伸びた」
凛「すごいね」
P「ほかにも、『この車あまり好きじゃないです』って言ってた車が、点検した時ブレーキが壊れていたり、
『○○っておいしいですよね~』って言ってた食べ物が大ブームを巻き起こしたり、もはや神仏の類だよ」
凛「だから神様……」
P「あの人の言う事は大体当たるんだよ。適当に言ってるらしいが、最終的にその言葉が正しくなる。
一体どういう原理かは知らないが、とにかく彼女こそが正解であり、最終到達点なんだよ」
凛「そんな人が実在するんだね」
P「ああ、あの人をスカウトできたのは、もしかしたら奇跡だったのかもね……まぁとにかく、
おかげでうちは、年商2000億を記録する大企業に成長できたんだよ」
凛「そっか、ここまで大きくなるのに色々あったんだね」
P「うん。元々は私と社長、ちひろさんの三人しかいなかったんだ」
凛「少な!」
P「そこからプロデューサーとアイドルをひたすらスカウトして……最初は業務も多くて、毎日が死にもの狂いだったなぁ……」
凛「今は?」
P「こうやってアイドルを斡旋していない限り凄く暇だね」
凛「それって……どうなの?」
P「うん、そろそろ私も休職するか……何か他の仕事でも探そうかなって」
凛「え?」
P「だってそうだろ?もうアイドル数も180人、これ以上スカウトする必要も薄い。
ニュージェネレーション計画もあるし、なんだかもう、そろそろ自分が不必要になってる感じがするんだ」
凛「そんなことないよ」
P「でも」
凛「でもじゃない。プロデューサーの事詳しいわけじゃないけど……今日色んなプロデューサーとアイドルを見たよ。
でもどの組み合わせもすごくお似合いで、本当に幸せそうだった。それを作ったのはプロデューサーでしょ?」
P「確かに斡旋したのは私だけど、結果、二人の相性がよかっただけで……」
凛「違うよ。プロデューサーじゃないと駄目なの、プロデューサーのおかげなの」
P「そ、そこまでか……?」
凛「もっと自分に自信を持ちなよ。何で新人のアイドルに説教されてるの」
P「はは、そうだな……ごめん」
凛「謝らない」
P「うっ、お、おう」
バサァッ……
P「世界(ワールド)P!」
凛「(今度は何)」
世界P「もっと広い目で考えるんだ、仲介P」
P「広い目で……?」
ヘレン「そう……あなたはこの、世界レベルのプロダクションの仲介者。ならばアイレベルも、世界レベルであるべき」
世界P「世界は広いだろう……?宇宙から見た地球はどうだと思う……?」
P「あ、青い?」
世界P「惜しい。もっと……ダンサブルに」
凛「……蒼い、とか」
ヘレン「グゥゥッド!!!」ビシッ
凛「ひっ」ビク
世界P「そう……そうだ!もっと高く!もっと崇高に!もっと広く!!!」
ヘレン「貴方が世界を見ているとき……世界も同時に貴方の事をみているのよ」
世界P「じゃあな」
バサァッ……
スタスタスタ……
凛「(なんだったの……)」
P「あれが世界……そして世界……」
凛「(なにこれ……)」
今回はここまでです。次回あたりに完結する予定です。
予想以上に長くなってる気がします
http://mup.vip2ch.com/up/vipper43298.jpg
茄子様の画像が忘れられてたので
ヘレン「グゥゥッド!!!」ビシッ
が俺にはヘレン「グゥゥレイトオオオオ!!!」ビシッにみえた
そして配管工Pはあの赤帽子にMと書かれた髭の方なのだろうか…
遅くなって申し訳ない、再開します
>>149
サンクス!やっぱ茄子様は美しいわ……
――――――― 総合事務所
ガチャー
ちひろ「あ、仲介Pさん。どうですか?担当の方は決まりましたか?」
P「それが……」
ちひろ「まぁ焦ることはありませんよ、ゆっくりじっくり」
普通P「そうですよ」
P「あれ?普通P。どうしたんですか?」
普通P「いえ、また新人の子が事務所を見学したいとのことで『担当が決まってなくて暇で個性の強すぎない人』
と言う事で僕が呼ばれたんですよ」
P「なるほど……」
凛「なるほど……」
卯月「島村卯月です!頑張りますのでよろしくお願いします!」
P「ああ、この子が」
普通P「そう。島村さん。元気そうでいい子ですよね」
卯月「卯月って呼んでください!」
普通P「ああ、うん」
凛「私は渋谷凛、よろしく」
卯月「よろしくね!凛ちゃん!」
P「(凛と卯月ちゃんは合いそうだけど……プロデューサーとアイドルって感じではないよなぁ……)」
P「(卯月ちゃんと普通Pは……あ、何か普通に合いそうだな)」
P「普通P」
普通P「え?なんですか?」
P「卯月ちゃんの担当、やってみます?」
普通P「僕が?」
P「ええ、なんか普通に合いそうだったんで」
普通P「なんか割と適当だなぁ」
P「いや、なんかビビッとくるんですよ、ビビっと……」
「お前の勘なら間違いないだろう」
P「あ、大御所P!」
凛「大御所P!?」
大御所P「あー、そうかしこまらんでもいい。この事務所ではお前の方が古株だろう」
P「わ、わかりました」
大御所P「やはり数々のトップアイドルを輩出してきたその手腕……
ワシがここに来たのも間違いじゃなかったようだのう」
P「泰葉ちゃんも、前の事務所よりイキイキしていますしね」
ヒョコ
泰葉「そうですか?」
P「わ、いたんだ」
泰葉「プロデューサーと打ち合わせですよ。いるに決まってるじゃないですか」
P「打ち合わせのスケジュールまでは把握してないよ。メモPじゃないんだから」
泰葉「あはは、そうですよね」
大御所P「やはり、よく笑うようになったな……」
泰葉「……そうですか?」
P「前の冷たい人形みたいな目をしてた時が嘘みたいですね」
大御所P「ここは……なんだか暖かい家のような場所だからな。
おかげでワシも丸くなってしまった……」
普通P「そんなに恐ろしかったんですか、昔」
P「そうか、普通Pは知らないんですよね。大御所Pは昔はもう、それはそれは……」
大御所P「はは、昔の話だ。それより……島村といったかな?」
卯月「はい!」
大御所P「お前はどうなんだ?この普通の男をプロデューサーとして、
おそらくこれからずっとアイドルを続けることになるとは思うが」
卯月「私は嬉しいです!なんというか……お兄ちゃんみたいな雰囲気を感じます!」
普通P「お兄ちゃんみたいかぁ……」
P「決まりですね」
普通P「え」
P「なんか普通にいけそうですしね。大丈夫でしょう。普通Pさえよければ」
普通P「まぁ、可愛いしね。普通にオッケーだよ」
P「よし」
卯月「それでは、改めて宜しくお願いします!プロデューサーさん!」
普通P「よろしく!卯月!」
凛「なんか普通に決まったねー」
P「まぁ、この二人はプロダクション中最も普通の組み合わせだと思うし……」
「順調みたいだね」
P「あ、主夫P」
凛「主夫P……?」
主夫P「ああ、えっと、君が噂の凛ちゃんか」
凛「え?噂って……」
ヒョコッ
響子「あの仲介Pさんが初めて担当を決めかねているって聞きました!」
凛「わっ」
P「何で皆そんな神出鬼没な出方を……?」
主夫P「はいコーヒー」
コト
P「あ、ありがとうございます」
響子「麦茶どうぞ!」
コト
凛「あ、ありがとう」
主夫P「あの仲介Pをここまで悩ませるからどんな子かと思ったけど……案外普通の子なんだね」
卯月「呼びました?」ガタッ
普通P「卯月、違うから座ってようか」
響子「そんなに難しいんですか?担当決めって」
P「え?いや……今まで苦労したことはなかったんだけど」
主夫P「スランプって奴かな?」
P「それかもしれませんね」
主夫P「はは、じゃあもう、仲介辞めちゃえば?」
P「ええっ!?」
凛「結構きつい事言うんですね」
主夫P「そりゃあ、彼は一流の仲介で、今までアイドルの担当決めで迷ったことなんてないんだもの。
試行錯誤Pの時でさえ迷わず決めたほどだし。それが迷うって事はもう無理なんじゃない?」
P「……」
凛「(試行錯誤P!?)」
主夫P「そして凛ちゃん、君の担当はだ」
凛「はい」
主夫P「君が適当に決めちゃえば?」
凛「え?」
主夫P「だってそうじゃない?今まで担当決めの役割だったPが今を持って解任なんだよ。
じゃあもう、アイドル本人に選んでもらうほかなくない?」
凛「でも、それは……」
凛「(あ)」
『凛ちゃんがどんなプロデューサーならついていけるかを選ぶんです。
自分の個性に合わせるのではなく、自分が合わせられそうな個性のプロデューサーを選ぶんです』
凛「……考えてみます」
主夫P「おっ、いい反応だね」
響子「わー、ぱちぱちー」
P「(やはり茄子さんの言う通りに未来が動いた……)」
主夫P「アイドルにとってプロデューサーは一蓮托生。もちろん大事な役割だけど――」
響子「別に途中で変えちゃいけないって決まりもないんです。だから適当に決めてもいい」
主夫P「そして何より、お互いに大事なのは、結局のところ『相性』だけだからね」
響子「ねー♪」
凛「(この二人すごく仲いいな……)」
P「(この二人相変わらず仲いいな……)」
凛「一応、一人いいかなって思う人がいるんです」
主夫P「その人で決定かな」
P「え?そんな人いた?」
スッ……
P「……え、私?」
凛「うん、なんとなく、一番合いそうだなって思ったから」
P「私か……仲介の仕事は」
主夫P「さっき、ニュージェネレーションの二人目が決まっただろ?
だからその子で最後じゃない?つまり、仲介の仕事はもうない」
P「そうか……じゃあもう仲介Pである必要もないということか」
凛「もちろん、プロデューサー次第だよ。嫌なら無理にとは言わない」
P「そんな事はない!何より最初見たときから、君はトップになるだろうと確信している!」
凛「……ッ」
響子「おお~大胆ですねー」
P「え?」
凛「……そっか、じゃあ、よろしく」テレッ
P「どうした凛、顔が赤いようだけど」
凛「うっさい」
バシッ
P「痛い」
P「それじゃ、改めて……よろしく!俺は……えっと」
凛「……俺?」
P「あれ?変かな。今までは仲介の役割があったから、どうしても『私』に拘ってたんだけど……もういいかなって」
凛「ううん。そっちの方がいいよ」
P「ありがとう」
主夫P「おめでとう!えっと……あ、なるほど」
響子「何がなるほどなんですか?」
主夫P「仲介じゃなくなった今、こいつをなんて呼べばいいかわからない」
響子「なるほどー……だからさっきちょっと口ごもったんですね」
P「仲介じゃないなんて慣れないな……」
凛「ふつうにプロデューサーでいいよ。あだ名なんてそのうち勝手につくし」
P「そうだな……改めて宜しくな!凛!」
凛「うん。よろしく。ところで」
P「ん?」
凛「改めて、アイドルのプロデューサーになったわけだけど……気分はどう?」
P「まぁ、悪くないかな……」
凛「そ。これからよろしくね、プロデューサー!」
P「おう!」
終わり。
■おまけ デスマーチ
愛海「腐女子Pさん!ちょっと揉みたいんですが構いませんねッ!!」
腐女子P「いいよ。デスマーチ手伝ってくれるならね」
愛海「ですまーち?なんか知らないけど手伝う手伝うー♪」
モミモミーッ!
――――――――
カリカリカリカリカリカリカリカリカリ……
カリカリカリカリカリカリカリ……
愛海「……」 カリカリカリ……
愛海「……」 ウツラ…… ウツラ……
バチッ!!!
愛海「ひぎゃっ!!?」
腐女子P「駄目じゃない愛海ちゃん……手が止まってる」
愛海「すみ、すみません……」ビクビク
腐女子P「次はもうちょっと電圧強くしようか?」
愛海「ごめんなさああああぁぁぁぁいい!!」ビクビクッ!
由里子「いやー……犠牲者が増えてくれて助かるじぇ……」
――――――
淑女P「愛海……」
淑女P「あれほど『相手を選べ』って言ったのに……」
以上です。予想以上の長丁場になって申し訳ない。
お読みいただきありがとうございましたー。アイドル未登場のPもいますが、一応(非担当リスト以外は)全員考えてあります。
誰が誰のPか、全員わかりましたか? それではまたー。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません