男「まぁ無難にカラオケとかの方がいいかな」

友「いやでもカラオケに行くのが趣味なのか、カラオケで歌うのが趣味なのかわからんよ」

男「そこまで深読みするやついる？」

友「世界は広いからな」

男「じゃあ……」

友「色々試すのもアリだな」

男「だとしたら何から手をつけるか」

男「……おや？」

イケメン「ｲｪｰ!!」

ｼﾞｬｶｼﾞｬｶｼﾞｬｶ
ﾎﾞﾝﾎﾞﾝﾍﾞﾝﾍﾞﾝ
ﾊﾞｽﾊﾞｽﾊﾞｽ

ｷｬｰｶｯｺｲｰ!
ｳﾋｬｧｰ!


男「バンド組むぞ」

友「奇遇だな、俺も同じ考えだ」

友「でも二人じゃ無理だから勧誘しようや」

男「そこで軽音部が出ないのはなぜ」

勧誘中

男「ちょっと兄ちゃんツラ貸してや」

「え……」

男「別に金盗ろ思てんとちゃうねん」

男「ただここにサインしてくれればええんや」

「あ、いや……」

男「なんや言うこと聞けへんのかいな」

男「まさかウザったいと思てるんちゃうやろな？」

「い、いや……」

男「ハッキリ喋れやゴルァ！」

友「やめろやめろ何してんだ」

男「勧誘って最初のインパクトが大事だからさ」

友「下手くそな関西弁で何がインパクトだよ」

男「じゃあお前やれよ」

男「難しさがよくわかるから」

友「少なくともお前よりは上手い自信ある」

男「見せてもらおう」

勧誘中

友「おいねーちゃん」

友「今ちょーっとワシに当たったやろ」

「え？」

友「とぼけんなや、見てみい」

友「折れてもうとるがな」

友「どないすんねん、これから会合なんに行けへんくなったやろ！」

「ご、ごめんなさい……」

友「謝って治るなら苦労せんがな」

友「慰謝料や慰謝料」

友「500万耳揃えて払ってもらうで」

「そんな……ぶつかってないです！」

友「口答えすんなや……まぁ金ない言うならしゃーない」

友「夜の仕事に興味あらへん？」

男「やめろやめろ」

男「俺と大差ないだろ今の」

友「バカだな」

友「音楽勧誘がソープ勧誘にすり変わった辺りが俺のすごいとこだ」

男「バカなの？」

男「それにお前だって関西弁下手すぎんだろ」

友「大阪だけが関西だと思うなよ」

男「もう無理だ諦めよう」

友「まぁ待て、望みはある」