【ラブライブSS】雪穂「お姉ちゃんと私」 (29)
高坂家
「おーい、ユキちゃーん」タタタッ ダキッ
雪穂「うわぁっ、お姉ちゃん!」
穂乃果「ん?そんなに驚いてどうしたの?ユキちゃん」
雪穂「べ、別に!考えごとしてただけだしっ!」
「ってお姉ちゃんこそいきなり抱きついてきてどうしたのさ!?」ドキドキ
穂乃果「えへへ、実はユッキーにお願いがあってね…」
雪穂「お金なら絶対に貸さないからね!」
穂乃果「違うよ~、明日穂乃果とデートして欲しくて…ダメ、かな?」ウルウル
雪穂「で、デートォ!?」
穂乃果「うん、そろそろ暖かくなってきたから春物のお洋服買いたくて、それで雪穂も一緒にどうかな?って」
雪穂「ってそれデートじゃないよね…」ブツブツ
穂乃果「ん?どうかした?ユキちゃん」
雪穂「何でもないよ、それで海未ちゃんやことりちゃんも一緒なの?」
穂乃果「ううん、穂乃果とユッキーの2人だけだよ?」
雪穂「えっ…」ドキッ
穂乃果「ん?どうしたの?」
「もしかして、穂乃果と2人は嫌かな?」ウルウル
雪穂「な、な訳ないじゃん!ちょっと意外でビックリしただけだし!」
穂乃果「そっか、じゃあ明日の10時ね!おやすみ、ユッキー」
雪穂「はいはい、お姉ちゃんおやすみ。きっと寝坊するんだろうなぁ…」
翌日
雪穂「やっぱりだよ!もう10時過ぎてるのにお姉ちゃん降りてこない…まぁ分かってたけど」
お母さん「あら雪穂、そんなにそわそわしてどうしたの?」
雪穂「あっ、お母さん。お姉ちゃんと出かける約束してたのにまだ降りてこなくて…」
お母さん「穂乃果ならもう1時間くらい前にどこかに出かけたわよ?」
雪穂「はぁ!?」
ブーンブーン
雪穂「お姉ちゃんからメールだ…」
『駅前で待ってるから早くきてね!』
雪穂「……」
「はぁ…行ってきまーす」
お母さん「行ってらっしゃい、車と不審者には気を付けるのよ~」
駅前
雪穂「お姉ちゃーん!」タタタッ
穂乃果「あっ、ユキちゃん!ごめんね、穂乃果ってば集合場所を言ってなくて…」
雪穂「そもそも同じ家に住んでる姉妹なんだから一緒に家出たらよかったんだよ!」
穂乃果「ユッキーってばお子様だねー、デートとは何たるかを分かってないよ!待ち合わせするところからもうデートは始まってるんだよ!」ドヤッ
雪穂「もう、お姉ちゃんたら仕方ないんだから…」ブツブツ
穂乃果「あはははは…じゃあ行こうか?春物買いまくるぞー」
店内
穂乃果「うーん、どれも良すぎて決められない…」
雪穂「試着してきたらいいじゃん。ほら、お姉ちゃんならこういうの似合うんじゃない?」
穂乃果「おぉ!さすがは穂乃果の事を一番理解してるユキちゃんだね!ちょっと試着してくるよ」
ガチャッ
雪穂(お姉ちゃんてば人の気も知らないでそんな思わせぶりなことを…よーし)
ガチャッ
穂乃果「う、うわぁっ!ユッキー、まだ着替えてる最中だよ!」
雪穂「別にいいじゃん、姉妹なんだしさー」
穂乃果「いや、でもさ…ってそのまま中に入ってこないでよ!狭いよ!!」
雪穂「えへへ、お姉ちゃんと密着しちゃってるね…」スリスリ
穂乃果「あの、雪穂?何かおかしいよ?どうしたの?」
雪穂「えへへ、お姉ちゃん…」サワサワ
穂乃果「うひゃあ、ユキちゃん、お腹ダメ…胸もダメぇ…」
「ユッキー、私たち姉妹なんだよ、だからそれ以上はダメだよ…?」
雪穂「……お姉ちゃん何勘違いしてるの?」
穂乃果「ふぇ?」
雪穂「これはお姉ちゃんに余計なお肉が付いてないかの抜き打ちチェックだよ!」
「お姉ちゃんしばらく甘い物禁止!お腹のお肉がすごいことになってるよ…」
穂乃果「…」フルフル
雪穂「いつもゴロゴロしながらお菓子ばかり食べてるからだよ。もう少しスクールアイドルとしての自覚を持たなきゃ…ってお姉ちゃんきちんと聞いてるのー?」
穂乃果「ユ…」
「ユキちゃんのバカー!早く出てけー!」
雪穂「う、うわぁー!」
外
雪穂「お姉ちゃん、ごめん…」
穂乃果「…もういいよ、雪穂のお陰でいい服も買えたし」
雪穂「小さい頃からお姉ちゃんとずっと一緒にいるから、なんか好みとか分かるんだよね~」
穂乃果「ユキちゃん…」ジワァ
「でもいきなり試着室に入るのはダメだからね!」
雪穂「あはは、本当にごめん…」
穂乃果「それよりお腹空いたね」
雪穂「そう言われれば…何食べようか?」
穂乃果「でもね、その…穂乃果、お洋服たくさん買いすぎてお金が、あはは…」
雪穂「はぁ…ハンバーガーくらいなら奢ってあげるからそこにしようよ」
穂乃果「ユキちゃん、ありがとう。えへへ…」
某ハンバーガーショップ
巨乳で天然(バカ)そうな店員「いらっしゃいませー」
穂乃果「じゃあ穂乃果はハンバーガーとシェイクで…」
雪穂(ん…?ははぁーん、なるほど)
「じゃあ私、注文するから席取っててよ」
穂乃果「はーい」
某ハンバーガーショップの席
雪穂「お待たせー」
穂乃果「ん?あれ?穂乃果のハンバーガーとシェイクは?それにユキちゃんそんなにたくさん食べるの?太っちゃうよ?」
雪穂「な、な訳ないでしょ!はい、こっちのセットはお姉ちゃんの!」
穂乃果「い、いいの?でも…」
雪穂「いいの!今日は楽しかったし!そのお礼だよ!」
穂乃果「ユキちゃん…ありがとう。でもこんなに食べちゃうと穂乃果、太っちゃってまたユキちゃんにダメ出しされちゃうよ…」
雪穂「もう!なんでも美味しそうに食べてるお姉ちゃんがいいんだから、そんなの気にしないの!あと、待ってる間に海未ちゃんに特別レッスンしてもらうようにメールしておいたから気にせずに食べて!」
穂乃果「ユキちゃん…」ウルウル
「穂乃果は幸せ者だよね。世界一優しい妹がいてさ…でも海未ちゃんの特別レッスンはちょっと…」
雪穂「きゅ、急になんなのさ!ほら、早く食べないと冷めちゃうよ、いただきます!」モグモグ
穂乃果「忘れてた!いただきます」モグモグ
高坂家の近く
穂乃果「はぁ、今日は楽しかったねー。ユキちゃんは?」
雪穂「楽しかったに決まってるじゃん。あ…」
穂乃果「ん?どうかした?」
雪穂「見たいテレビがあるんだった、先に帰ってるから!」
穂乃果「あ、うん…」
高坂家
穂乃果「もう、ユキちゃんってば…」
ガラガラ
穂乃果「ただいまー」
雪穂「お、おかえりなさい」
穂乃果「あれ?ユッキー、テレビは?間に合わなかったの?」
雪穂「先に帰ってお姉ちゃんにおかえりって言いたくて…それに、いつもみたいにおねえちゃんと一緒にテレビ見なきゃ意味ないから!だから…」
穂乃果「そっか、じゃあ一緒にテレビ見よー!」
雪穂「う…うん!!」
穂乃果「ふぅ、テレビ終わっちゃったね。あぁ、楽しかったー!」
お母さん「穂乃果~雪穂~、どっちでもいいからお風呂入ってきなさ~い!」
雪穂「だってさ、お姉ちゃん。せっかくだし一緒に入る?」
穂乃果「うん…ってダメダメ!今日はダメなの。ごめんね、ユキちゃん!」
雪穂「そ、そっか。じゃあ一人で入ってくるね」
(そんなに必死に拒否しなくても…)
穂乃果(ふぅ…よし、今のうちに)
雪穂の部屋
穂乃果「よーし、これを机の上に置いて、と…」ゴソゴソ
「あー、部屋に下着忘れちゃったー」パタパタ
穂乃果(!?嘘、きちゃう!こんなの想定外だよ~)
ガラガラ
穂乃果「」モゾモゾ
雪穂「…?」
穂乃果「」モゾモゾ
雪穂「お姉ちゃん、人の部屋のベッドで何してるの?」
穂乃果「あははは…自分の部屋と間違っちゃって…穂乃果寝ぼけてるのかなー?じゃあね~」バタン
雪穂「変なお姉ちゃん…って何これ?」
穂乃果の部屋
穂乃果「何とか誤魔化せた…よね?」
雪穂「はぁ、誤魔化せてるわけないじゃん…」
穂乃果「ユ、ユキちゃんどうして!?」
雪穂「机の上の大きな袋、ありがとう。あの服、大事に着るね…私好みな感じだったし」
穂乃果「ユッキーが穂乃果の好みを分かってるように、穂乃果だってユッキーの好みくらい分かってるんだよ。だって、世界に一人だけの私の妹だし…」
雪穂「お姉ちゃん…」ウルウル
穂乃果「まぁ、そのせいで雪穂にお昼ご飯奢ってもらっちゃったんだけど…今度ちゃんとお金返すから!」
雪穂「返さなくていいよ、その代わり…」
お母さん「こらー、穂乃果!雪穂!早くお風呂に入りなさい!今何時だと思ってるの!」
雪穂「その代わり、お風呂に一緒に入ろうよ」
穂乃果「うん!いこう、ユキちゃん!」
穂乃果「ふぅ、お風呂さっぱりしたー」
雪穂「お姉ちゃん酷いよ、私の胸とか太もも触ってさ…」
穂乃果「試着室でのお返しだよ!」
雪穂「うぐっ…」
穂乃果「でもユキちゃん、だいぶ大人っぽくなったよねー。ちょっと前までは穂乃果の背中に隠れてオドオドしてたのに…」
雪穂「それいつの話!?私そんなの覚えてないよ!」
穂乃果「えへへ…穂乃果だけが知ってる昔のユッキーだよ~」
雪穂「うぅ…。そうだ、お姉ちゃん、そういう話もっとたくさん聞きたいんだけど…」
お母さん「2人とも、お風呂上がったなら湯冷めする前に寝なさい!」
穂乃果「あはは…ユキちゃん、じゃあ今日はお姉ちゃんの部屋で一緒に寝ようか」
雪穂「う、うん…」
穂乃果の部屋
雪穂「お姉ちゃん、もっとそっちに行ってよ。落ちちゃうよ」
穂乃果「え~、じゃあこうだ!」ギュッ
雪穂「お、お姉ちゃん!?」
穂乃果「ほら、こうすれば狭くないし暖かいし」
雪穂「…」
穂乃果「ユキちゃんも穂乃果を抱きしめてよ~。あぁ、まだまだ寒いなー」
雪穂「うぅっ…」ギュッ
穂乃果「そうそう、えへへ」モギュッ
「昔ユキちゃんと一緒にお昼寝する時もこうやって抱きついて寝てたんだよ。まぁその時はベッドじゃなくてお布団だったんだけどね~」
雪穂「それ、何となく覚えてる…すごく暖かくて、心地よかったんだよね。ずっとお母さんだと思ってた…」
穂乃果「お母さんはお店が忙しくて、穂乃果が面倒見てたんだよ~」
雪穂「そうだったんだ…その、ありがとう」
穂乃果「いいんだよ、雪穂。穂乃果も雪穂が生まれてくるまでは一人で寂しかったし。だから、穂乃果こそありがとうだよ」
雪穂「お姉ちゃん、あのね…」
「うっすらと記憶があるんだけど、私はもう起きてるのに横で抱きついてるお姉ちゃんはぐっすり寝てて身動き取れなくて結構苦しかったんだよね…」
穂乃果「あぅ…ご、ごめんね」モギュッ
雪穂「それにね、最近お姉ちゃんがスクールアイドル始めてから忙しそうだしなかなか一緒にいれなくて寂しかったんだ…だから今日は姉えちゃんに誘ってもらえて嬉しかった」
穂乃果「そっか、ごめんね。また今日みたいにデートしようね。ユキちゃん」
雪穂「も、もう寝よう!お姉ちゃんおやすみ!」
穂乃果「えへへ、おやすみユッキー」
雪穂(うぅ、すっごく恥ずかしい…)
穂乃果「」Zzz
朝
雪穂「あぁ、やっぱりそうなるよね。起こすのも可哀想だし、しばらく動かないでおこう」
(お姉ちゃんの寝顔がすぐ目の前にあってなんか…)
チュッ
雪穂「し、しちゃった…」
穂乃果「えっと…ユキちゃん?今…」
雪穂「おおおおおお、お姉ちゃん!?お、おはよう!」
穂乃果「うん、おはよう。今さ…」
雪穂「き、気のせいだよ!そんな事あるわけないし!お姉ちゃん早く起きてよ」
穂乃果「もう目覚めてるよ~、ユキちゃーん」
チュッ
雪穂「お、お姉ちゃん!?」
穂乃果「えへへ~、お返しだもんねー」
ガラッ
お母さん「こら、穂乃果!いつまで寝てるの!そろそろ起きないと海未ちゃんたちとの待ち合わせの時間に間に合わなくなるわよ!?」
穂乃果「う、うわぁ…起きてる、起きてますよー!」ドタバタ
雪穂「あはははは…」
お母さん「ってあら、おはよう雪穂。珍しいわね、穂乃果と一緒に寝てるなんて」
雪穂「えっ!あぁ、私の小さい頃の話を聞きたくてさ!」
お母さん「昔は穂乃果にべったりだったもんね、どこに行くにも穂乃果と一緒。私より穂乃果って感じだったから、穂乃果に少しヤキモチ妬いたくらいよ」
雪穂「うぅ…お母さんごめんなさい…」
お母さん「ふふっ、冗談。姉妹仲よくて安心よ。雪穂も早く朝ご飯食べちゃいなさい」
雪穂「はーい」ドタバタ
お母さん「2人とも大きくなったわね…何だか寂しいわ…」ハァ
週末
高坂家
雪穂「あのさ、お姉ちゃん…」
穂乃果「ん?なぁに、ユッキー。そんな深刻そうな顔して」
雪穂「明日、私とお出かけしようよ…」
穂乃果「うぅっ、それはいいけど今お金が…」
雪穂「いいから!明日10時ね!寝坊しないこと!」
穂乃果「はーい」
翌朝
穂乃果の部屋
穂乃果「うーん、むにゃむにゃ…はっ!ってよかった、まだ9時半だ…」
「ん?メールがきてる、誰からだろ?」
『駅前で待ってるね』
穂乃果「ユキちゃん…よーし」
駅前
穂乃果「ゆっきほー!」タタタッ
雪穂「お姉ちゃん…早かったね。わざわざ走ってきたの?」
穂乃果「ユキちゃんが待ってくれてるって思うと、早く行かなきゃって…」
雪穂「ところで、今日の服どうかな?」
穂乃果「おぉ!その服!穂乃果がプレゼントしたのだ!早速着てくれたんだ~。よく似合ってるよ!」
雪穂「世界でただ一人の、大好きなお姉ちゃんが選んでくれた洋服なんだし、似合わないわけがないじゃん…あ、ありがと」
穂乃果「ユキちゃん照れてるー。このこのー可愛いなー」
雪穂「う、うるさいし!もう今日は自分でお昼ご飯代払ってよね!」
穂乃果「そ、そんなー。穂乃果のお財布とお腹は空っぽなんだよ~」
雪穂「ま、まぁどうしてもって言うなら奢ってあげないでもないけど…」
穂乃果「ありがとう、ユッキー」
雪穂「本当私がいなきゃしょうがないんだから、お姉ちゃんは」
穂乃果「えへへ、ユキちゃん大好き」ギュッ
雪穂「私も大好きだよ、お姉ちゃん…」モギュギュッ
おしまい
頭のガス抜きもおしまい
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