結衣「そうか」
京子「なんだよーもっと驚けよー」
結衣「じゃあやってみろよ」
京子「よしきた!」
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結衣(あれ、私がいる)
京子「な?」
京子「戻すよー」
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結衣「……」
京子「すごいだろー」
結衣「感動した……」
京子「だろー」
結衣「でも絶対悪用はするなよ」
京子「分かってるってー」
京子「ゆいが苦しいときには私が代わりにその苦しみを受け持ってやろう」
結衣「それはどうも」
京子「これでもう一心同体だね!」
結衣「そうだな」
京子「もー冷たいよー」
結衣「ちょっ、京子!」
ある日の帰り道、京子に『百合』という言葉を教えられた。
女の子どうしが好き合うことらしい。
そのあと京子はおすすめの百合漫画はあれだ、とか、私たちの日常を漫画にするならタイトルはこうだ、とか言ってたけど頭に入ってこなかった。
女の子どうしでもいいんだ。どこかで否定していたけどおかしいことでは無かったんだ。
嬉しかった。
京子「いや~それにしても電車なんて久しぶりだなー」
結衣「ふたりで行ったあの旅館以来だな」
京子「あのときは卓球やったり温泉入ったり楽しかったね」
結衣「そうだな」
京子「また今度行く?」
結衣「うん」
京子「それにしても地下鉄ってなんか怖くて私好きじゃないんだよねー」
結衣「だったら言ってくれればバスにしたのに」
京子「いいのいいの。こっちのほうが安いし。それにゆいがいれば怖くないから」
結衣「……」
京子「あれ、結衣赤くなってるー」
結衣「なってない」
京子「もーゆいは照れ屋さんだなー」
結衣「うるさい」
京子「あはは」
風呂入ります
すぐまた書き始めます
バッ
背後で音がした。
ひったくりだ。そいつが京子のカバンをひったくっていった。
結衣「ちょっと待ってて」
京子「あっ結衣」
七年後
プルルルルルル
結衣 「はいもしもし」
編集 「あ、先生。先生の漫画が季刊誌で連載することになりまして」
結衣 「本当ですか!?」
編集 「はい。そこでタイトルなんですがいくつか候補がありまして……」
結衣 「はい。どんなのでしょうか」
編集 「はい。ごらくぶっ! 、ごらくぶ、さどうぶ、さどうぶっ!?、おちゃのこっ!!、最後にゆるゆりです」
ん?
最後のタイトル……ゆるゆり? なんかどこかで……
ある日の帰り道
京子『なあゆい。百合って知ってる?』
結衣『百合?人の名前か?』
京子『ちがうよお。簡単に言えば女の子どうしが好き合う、みたいな』
京子『結衣はどう思う?百合について』
結衣『いいと思うよ』
京子『だよねー。まあ私たちの日常も百合一歩手前みたいなもんだしねー』
結衣『そうか?』
京子『私たちの日常を漫画にするならタイトルはずばり ゆるゆり だな』
結衣『なんだよそれ』
京子『ゆるい百合でゆるゆり どうよ』
結衣『ふふふ そうだな。ゆるゆりだ』
京子『そう! ゆるゆりだ!!』
編集「せぃ………先生? どれにしましょうか?」
結衣「あぁ、えっとじゃあ……」
憶えてる。
『私たちの日常は』
憶えてる。
『ゆるゆりだ!!』
ありがとう。
きっと忘れない。
終
このSSまとめへのコメント
ssで初めて感動した