「春香のグルメ」 (22)


春香「ふんふ~ん♪」

温かい風が吹き、笑顔と陽気を運んでくれる春。
私は今、そんな心地よさに包まれながら街を歩いています。

今日のお仕事は撮影なんですけど、事務所からすぐ近くが現場ということもあり歩いて行くことにしました。
近いと言っても30分位は歩くんでプロデューサーさんが送っていくって言ってくれたんですけど、とってもお散歩日和なので歩いて行くことにしました。
撮影は14時からなので、途中でお昼ご飯を食べる事も考えて2時間前に事務所を出ています。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397046536


春香「わぁ~、桜の花がとっても綺麗。やっぱり春っていいなぁ」

近くの公園に通りがかると、見事な桜が咲き誇っています。
風に吹かれて花びらが舞って、まるでドラマのワンシーンみたいで心が踊ります。
道端や鉢に植えられた花々がどれも綺麗に咲いていて、春を感じさせてくれる。
名前に“春”が入っていたり、誕生日も4月なのでやっぱりこの季節は私には特別な季節です。

そんな季節をかみ締めながら歩いていると、もうすぐ現場に着くくらいの位置まで歩いていました。


春香「現場まではもうちょっとか、そろそろ何か食べたいけど・・・・・・」

辺りを見渡すと、飲食店らしいお店は見当たりません。

春香「う~ん、まぁ現場の場所は分かったから少し歩いてみよう」

確かここから少し歩けば駅があったはずなので、とりあえず駅前を目指します。

春香「今日は何を食べようかな~♪」

普段趣味でお菓子作りをしているので、食べることは好きです。
食べ過ぎちゃうと後が怖いんですけど・・・・・・。


現場近くから歩き始めて程なく、美味しそうな匂いが鼻を刺激してきました。
この匂いは……カレーですね!

春香「あ~、いい匂い。カレーの匂いってずるいなぁ

   嗅ぐだけでもう口の中がカレーになっちゃうもん」

周辺を歩いてそれらしいお店を見つけました。
どうやら洋食屋さんみたいです。
近くまで来ると匂いが強くなってつばが出てきました。
出てきたつばを飲み込んでお店の中へ。


店主「いらっしゃいませ」

感じのいいご主人が迎えてくれました。
御夫婦で営んでるみたいで、奥さんと思われる方が席まで案内してくれます。

婦人「ごゆっくりどうぞ」

席に通されれてお水が運ばれてきました。
テーブル脇のメニューを手に取り開くと、同じカレーでも色々種類があって目移りしちゃいますね。

料理の写真を見比べながら何を食べるか頭を悩ませます。
う~ん、どうしましょう。

この間りっちゃんの奴書いてた人か
期待


ふとミックスカレーの文字が目に飛び込んできました。

春香「何だろう?ちょっと気になる……」

写真がついてる訳じゃないのでどんなカレーなのかは分かりません。
とりあえず注文しようと声をかけます。

春香「すいませ~ん」

婦人「はいただいま」

店内に私の声が響く。
すぐに奥さんがやって来たのでミックスカレーを注文しました。
何が来るかわからないこのドキドキ感を楽しみたいので、あえてどんなカレーなのかは聞いてません。


カレーが運ばれてくるまでにざっと店内を見回してみると、まだ混む時間帯ではないのかお客さんはまばらです。
小さな子供がお母さんと一緒に来ていたり、お昼休憩のサラリーマンの方がいたり。
長い年月をかけて醸し出されるお店の雰囲気というか、味わい深さが感じられます。

婦人「お待たせいたしました」

なんて事をぼんやり考えていたらお目当てのカレーが運ばれてきました。
ミックスと銘打たれたカレーはどうミックスなのか。
テーブルに置かれたトレーに乗ったそれはまさしくミックスの名に恥じないミックスっぷりでした。


エビフライ、コロッケ、チキンカツ。
三つの揚げ物が乗ったボリューム満点のカレーが、ど~んとテーブルに鎮座しています。
た、食べきれるかな……。

春香「うわぁ~、すごいなぁ……」

脇に備え付けられた福神漬けを少し乗せてから手を合わせます。

春香「いただきます!」


ボリューム満点ですけど、空腹の上にお散歩までしてたからお腹はペコペコ。
早速スプーンでご飯とルーを掬って一口。

春香「美味し~い」

美味しさでほっぺが落ちないよう思わず押さえてしまいます。
続いてコロッケにスプーンを入れると、揚げたてなのかサクッと気持ちの良い音がしました。
そのまま割って、カレーと一緒に頬張ります。

春香「はむっ……はふ……ほふ……あっひゅい……」


噛むとお口の中でコロッケのサクサクとした食感が。
中のおいもはホクホクで、これだけでご飯がいけちゃうくらいの美味しさでした。

次に食べやすく切ってあるチキンカツを食べます。

春香「あ~んっ……ん~、ほいひい……はふ……」

これまたサクサク、中はジューシーでカレーとの相性も抜群でした。
厚みもそこそこあってボリューミーです。


お次はエビフライ。
流石にスプーンじゃ食べにくいのでお箸に持ち替えて、ルーをつけてから口に運び、その後スプーンでご飯を口に入れます。

春香「あむっ……はぐっ……ふぁ~……」

衣のサクサク感がまずあって、その後にやってくるエビのぷりっぷりの食感のギャップがまるで口の中でエビが踊ってるくらいの美味しさでした。

ここで少しスプーン休めに福神漬けを一口、なんと手作りみたいでカリカリとした食感と酸味がカレー味の口の中に変化をもたらしてくれますね。


カレー自体は辛すぎず控えめの辛さで、食欲を掻き立てる辛さと言えます。
私にはとっても丁度いい辛さでした。
とは言え少しは辛いので額にはじっとりと汗をかいていました。
一度手を止めて紙ナプキンで汗を拭います。
水を一口飲んでから夢中でスプーンを動かして完食しました。
いやぁ、意外と食べられるものですね。
カレーの力って凄い。


食後の余韻に浸っていると店内が混み始めてきた事に気づきます。
どうやらピークに差し掛かったようで、だんだんとお客さんが増えてきました。
時計を見ると現場入りまで1時間を切っていた事もあり、伝票を掴んでレジへと向かいます。

婦人「765円になります」

意外と安い……!
あのボリュームでこのお値段は色々助かるんじゃないでしょうか?


食後の余韻に浸っていると店内が混み始めてきた事に気づきます。
どうやらピークに差し掛かったようで、だんだんとお客さんが増えてきました。
時計を見ると現場入りまで1時間を切っていた事もあり、伝票を掴んでレジへと向かいます。

婦人「765円になります」

意外と安い……!
あのボリュームでこのお値段は色々助かるんじゃないでしょうか?

おわりです。
駆け足感が拭えませんがいかがだったでしょうか。
晩ご飯がカレーだったので思いつきだけで書いてみました。
短いですね……。

少しでもお腹を空かせられたら幸いです。
それではお目汚し失礼しました。

>>6
「律子のグルメ」お読みいただいていたようですね。
ありがとうございます、嬉しいです。
ご期待に添えられるかは分かりませんがこんなお話になりました。


春香「ごちそうさまでした、美味しかったです」

婦人「まぁどうも~。またお越し下さい」

春香「はい!」

支払いと軽い挨拶が済んで外に出ると変わらず春の日差しが注いでいます。
カレーで温まった体には少し熱いくらいですね。
でも、撮影にはいい気分で臨めそう。

トップアイドル目指して頑張ろう!おー!


おわり

>>15>>16の間が抜けていることに気がつきました。
今更感満載ですが>>15>>16の間に>>21が入ります。

もうダメダメですね……。
穴掘って埋まってます……。

お目汚し失礼しました……。

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