黒川千秋「私を信じて任せて、プロデューサー」 (62)

黒川千秋。黒く長い髪に冷たくも美しい目線。程よく扇情的な体。
かわいいアイドル。応援したくなるアイドル。元気なアイドル。多種多様なアイドルたちが世間で輝く中、彼女を一目見てこう思った。
彼女は誰よりも、美しいアイドルになれる。

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初めてのLIVEバトルで負けた日。勝者が飛び跳ねて喜ぶ姿を、彼女はいつもの凛とした表情を崩さずに眺めていた。
(ショックじゃないのか?)
「帰りましょう」
「あっああ」

なにかを言葉を掛けるべきかと迷い、結局何も言えなかった事を後悔した。

「まだ、練習続けるのか」
「ええ」

一人レッスン場に戻り、鏡を見ながら何度もダンスを繰り返す。まとめた髪から雫が流れ落ちる。
体を動かして忘れたい? ミスした動きの修正?
汗に混じって彼女の目に光るものが見えた。
「飲み物買ってくるよ」
「……」
慰め、労をねぎらう言葉を考える。
(……)

黒川千秋はそれを望んでいるだろうか。彼女はなぜ練習を続けている。
(いや、多分慰めてほしいからじゃないよな)
 携帯を取り出す。宛先は今日戦った相手。そしてトレーナー。

「黒川」
「……なに?」
「一週間後に再戦だ。今日はもう安もう。その代わり、明日からトレーナーさんと地獄の特訓だ」
彼女は少し呆然とした後、一つ息をついてタオルを受け取り、気品をまとった笑顔で言った。
「望むところよ」

「これじゃ物足りないわ」
へとへとになりながらも、彼女は決して弱音は吐かなかった。
むしろトレーナーが疲れを察し、ストレッチ中心にすることもしばしば。
少しスケジュールを空けようとするものなら、
「任せて、これくらい余裕よ」
とこちらの気もはばからない。
宣材写真の撮影が予定より早く終われば、
「さぁ、レッスンしましょう」
自然、二人共家に帰る時間が遅くなった。
だが不思議と苦痛ではない。

ふと、こんなことを言われた。
「後は私とトレーナーさんで充分よ。あなたは先に帰って、体を休めていて」
「好きで残ってるんだ。邪魔じゃなければ見させてくれないか。頼むよ」
「……しょうがない人」
彼女は微笑み、しゃらんと黒髪をなびかせ、鏡を前に踊り歌う。
(……初めてだな。こっちに気使ったの)

「黒川」
「なに?」
「トレーナーさんと話してな。明日明後日はレッスンの時間を減らしてもらった」
「私に相談もなしに?」
彼女はこちらを見ずにタオルで髪を拭いている。
「わるい。ただ、黒川ならわかってくれると思ってさ」
彼女はタオルを下ろすと、少し射ぬくような視線をしてから、目線を逸らして言った。
「三日後のLIVEバトルに合わせ体調を万全に整えておく。けずったレッスンの時間は打ち合わせとイメージトレーニングに比重を置く」
「ああ、どうしても勝ってほしいからさ。ちょっと怒ってる?」
「まさか。プロデューサーとトレーナーさんが私のために相談して決めたことよ。プロとして、そして私を気遣ってくれた判断に感謝こそすれ怒ることなどないわ。けど」
「けど?」
「いえ、なんでもないわ」
あとで言ってくれたが、それを一瞬察せず怒りの感情を抱いてしまった自分が腹ただしかったらしい。

LIVE当日。先攻、前川みくは一週間前と勝るとも劣らないパフォーマンスでLIVEを終えた。
個人営業でこの安定度は驚異的ではある。
後攻の黒川千秋。舞台袖でマイクを両手で握り、ステージ中央を真っ直ぐに見つめる。
(一週間前の黒川千秋と比べれば間違いなく上のパフォーマンスができる。だけど、前川みくには……)
そんな思考をしてしまったからか、いつのまにかこちらに視線を移していた彼女に対し少したじろいでしまう。
(いかんいかん。プロデューサーが担当アイドルの勝利を疑ってどうする)
背筋をのばそうとした刹那、


「私を信じて任せて、プロデューサー」


優雅な微笑と流し目を最後に、彼女はステージに向かう。
ふわりと舞う優雅な乙女。万感と共に、聞く者へ語りかける圧倒的な歌唱。観客達は降り立った真珠に魅了され、瞬きを忘れる。
(俺もまだまだだ)
トップアイドルの原石の本気のパフォーマンスの凄さなど、ぺーぺーの新米プロデューサーが予測できるものではないのだ。
黒川千秋のLIVE初勝利と共に、そう学んだ。

祝勝会は些細なものだった。
その場の思いつきで彼女を呼び止め、入ったのはチェーンの喫茶店。
彼女はコーヒーとショートケーキを前に、
「最初はこんなものね。徐々に豪華になっていくのかしら」
勝利の余韻からか、珍しい茶目っ気を披露してくれた。
「俺と千秋、二人次第だな」
「千秋」
彼女が素早くつぶやく。
「あ……いやだったか?」
「ふふ……いいえ。千秋……ふふ……」
コーヒーに口付ける彼女の心境の全てはわからない。いつかわかりたい。
「全力をつくすよ。今日のLIVEで確信した。千秋となら、これから」
と言った所で、彼女に手で制された。
彼女はコーヒーカップを置き、意思のこもった目でこちらを射抜く。
「アナタのおかげでアイドルのスタートラインに立つことは出来たわ。でもまだまだトップは遠いってこと、分かってる。だからこそ協力してほしいの。私、アナタとならトップになれるって思ってるわ」
そう真面目に言い切った後、彼女は慈愛ともとれる柔らかな微笑みをくれた。
想いは同じ。まばゆく光るステージへ。
この輝き始めた黒真珠を――。

黒川千秋中心で続きます。
また明日。読んでくれた方ありがとう。

>>2
×なにかを言葉を掛けるべきかと迷い、結局何も言えなかった事を後悔した。
 →なにか言葉を掛けるべきかと迷い、結局何も言えなかった事を後悔した。

>>8
×祝勝会は些細なものだった。
 →祝勝会はささやかなものだった。

誤字脱字チェック終わり次第本日分投下します

孤高の歌姫。ライブが終わったあと、ファンの一人がそう彼女を称しているのを聞いた。
別にグループで活動できないわけじゃない。
それでも彼女の普段の冷静さとアイドル活動のストイックさが合わさって、孤高に見えてしまうのだろう。
なんとかプロデュースで、彼女の可能性を広げることができるだろうか。

孤高の歌姫。ライブが終わったあと、ファンの一人がそう彼女を称しているのを聞いた。
別にグループで活動できないわけじゃない。
それでも彼女の普段の冷静さとアイドル活動のストイックさが合わさって、孤高に見えてしまうのだろう。
なんとかプロデュースで、彼女の可能性を広げることができるだろうか。

「パジャマパーティー?」
「ああ、初めてのイベントだ」
数々の営業が実り、アイドルイベントへの参加が決まった事を報告すると珍しく喜色をあらわにした彼女。
しかし概要を話すと疑問の顔つきへと変わった。
「おおまかに言えば各自自分のパジャマを持ち寄ってのフリートークと、パジャマをモチーフにしたイベントユニットでのLIVEの二つ。共演者は……」
台本を渡すと疑問の顔つきは消え、プロの仕事人といった表情へと変わった。
(パジャマでがらじゃなさそうだしなあ。うまくハまってくれるといいが)
黒川千秋は、人付き合いがあまり得意ではないのだろう。
共に仕事をしているうちに、彼女の交友関係の少なさと初対面の人間への淡白さが見えてくる。
仕事に支障が出ているわけではないが、この業界は人とのつながりが何よりも力を持つ。打算的な意味合いを抜きにしても。
パジャマパーティー、アイドルのイベントとはいえリラックスしたムードでの交友は、これからアイドルを続けていく上で彼女にいい影響をもたらすのではないか。
そんな期待を抱いていた。……イベント主催者からすれば、一人交友が淡白な人を入れればバラエティに富むと思ったのだろうが。

名門オーケストラ御用達のコンサートホールで行われる、黒川千秋初の単独ライブ。

リハーサルを終えてホテルに戻った夜半、彼女に部屋を訪ねるといつもと変わらない優雅な佇まいで迎えてくれた。

「……やあ、ちょっと明日の事について話したいだけど、いいかな」

「ええもちろんよ。入って」

摩天楼が立ち並んで光をこぼす夜景をバックに、彼女は胸元が空いたナイトウェアでソファーに足を組んで座った。

「部屋でくつろいでいたものだから、こんな格好でごめんなさいね。…どうしたの、目が泳いでいるわよ。ふふ」

「勘弁してくれ」

苦笑してごまかす。

「いよいよだな……プレッシャーは感じてないか?」

「不思議とリラックスしているの。そうね、どんなライブになるのか、期待の方が大きいわ」

「そうか……」

思うように会話が続かなかった。

(緊張してんのはこっちだな)

「軽く、何か飲まないか」

立ち上がり、ホテル備え付けの冷蔵庫へと向かう。後払いのワインが入っているはずだ。

「仕事の話をするのでは?まぁ…こういう空気も悪くはないけれど」

赤色のワインを注ぎ、グラスを合わせる。

「うん、なかなか……。しかし、本当に、なんていうか目のやり場にこまるな」

「いつもこんな姿で人前に出たりしないわ。でもプロデューサーさんにはプライベートな私を見せてあげる。貴方を信頼してるから…」

彼女は足を組み直し、自身の頬に手を添えながらこちらを見つめてくる。

(これで20歳とか……最高だな)

自然に、グラスが進む。

彼女は少し、潤んだ瞳をこちらに向ける。

「だけど、歯がゆくて、悔しい時もあるの。どうしてうまくいかないのか。どうしてもっと練習したいのに体力が尽きてしまうのか。

 でも、そんな時目を閉じて思い出すの。今まで出会った人たちの顔、応援してくれるファンたちの顔、共に協力し、高め合うアイドルの仲間。

 そして最後は……」

黒川千秋以外の世界が、視界から消えていく。

「瞳の裏に浮かぶと、心に浮かぶ不安が消えていく。体に落ち着きと安らぎが戻る。全部、あなたがくれたものよ。

 そして、それでもダメなときに限って、あなたが私に手を……」

熱のこもった声、上気する体。二人の距離が狭まっていく。

「…………千秋……」

彼女に頬へ手を添える。千秋はなすがまま。

「……こんなに自分をさらけ出すなんて…考えられなかったわね。ふふ、少し飲み過ぎたかしら」

彼女を、抱きしめたい。抱き寄せて唇を吸い、全て繋がり合いたい。

思いは一緒。

(………好きだ……)

吸い込まれる。彼女へと……。

「あ……」

>>42
×リハーサルを終えてホテルに戻った夜半、彼女に部屋を訪ねるといつもと変わらない優雅な佇まいで迎えてくれた。
 →リハーサルを終えてホテルに戻った夜半、彼女の部屋を訪ねるといつもと変わらない優雅な佇まいで迎えてくれた。
>>44
×彼女に頬へ手を添える。千秋はなすがまま。
 →彼女の頬へ手を添える。千秋はなすがまま。

最終話投下します。

黒川千秋
二十歳、誕生日 2月26日。魚座のB型。北海道出身。
レッドバラード、パジャマパーティー、気高きプライド、そして黒真珠。
今回メイドセレクションに選出された彼女は、これからのアイドル生活に何を思うのだろうか。

「ムッ…これから雑巾がけですが、何か? メイドに扮するなら、お芝居とはいえ妥協はしたくないわ。普段はしない雑用でもしっかりとこなさなくては。ホコリひとつ残さないよう、しっかりとね」

青いメイド服に身を包んだ黒川千秋は、忙しなく動いている。掃除用具を手にしててきぱきと動く姿は、まるで本職のメイドのよう。

役柄として入り込むプロ意識はもちろんのことだが、きりりとした表情の奥に楽しさを見出しているように見えるのは気のせいだろうか。

「アフターパンフレット用の取材…? プロデューサーのあなたが担当するの? そう、動きながらでいいの。わかったわ」

ファンたちへ給仕するアイドルたちから一歩離れ、次に来るファンのために空いたテーブルと汚れた床を綺麗に掃除していく。

クールさと一生懸命さが同居した彼女の一挙一動に、熱い視線を送るファンは少なくない。

彼女はそんな視線を知ってか知らずか、空になって残された食器をバックヤードへ運び、温水につけて一つ一つ丁寧に洗っていく。

「尽くすのは、新鮮な体験ね。低い視線だと、新しい世界が見えてくる…。いい勉強になるわ」

ピンと伸びた姿勢で、白く輝くようになった皿を見て微笑む。

彼女はイベント前に、

「衛藤さん、表の接待は任せるわ。私は裏方に興味があるから」

と言って自分から望んで掃除を受け持っていた。

経過は順調だった。家事一般の細かい成果に喜びを見出す姿には、歳相応の女性らしさがかいま見える。

「こんな服とは縁遠い環境の中で暮らしてきたわ。だからこういう衣装に身を包むと、つい無邪気な少女のようにはしゃいでしまうのかも……。束の間のメイド遊戯、楽しみましょう」

汚れたエプロンを変えながら言うと、足早に店内へと戻っていく。アイドルとは無縁にも思える仕事、ファンの目に止まっていない時でも、黒川千秋は新鮮さと楽しさを感じている。

「汚れ仕事もいとわない覚悟は、プ……ある人から学んだの。一つ一つが自分の成長と輝くステージにつながっている……。そう実感してからは、ふふ…自然に微笑んでしまうわ」

しかしいざ客の前に出ると、彼女はきりりとした表情を崩さず手際よくタスクをこなしていく。

神がかり的な反応で、配膳をサポートする場面も見受けらた。

そうした姿を見たファンからは感嘆の声が漏れるが、果たして同じ舞台に立つアイドルからはどう見えるだろうか。

佐城雪美に聞いてみた。

「千秋…。ううん…おねえさん……本当は…やさしい…。わかる…」

合同練習では、歌についてよく話しているのが見られた千秋と雪美。どんなことを話していた?

「音程の……取り方とか……。無理に伸ばさないで……歌い出しを合わせれば……綺麗に…聞こえる…。できるまで…一緒に…練習してくれる……」

衛藤美紗希は軽快に笑顔振りまきながら一言。

「あたしが給仕で、千秋ちゃんがお掃除。うん、女子力バッチリコンビ♪」

月宮雅は彼女のメイド姿とライブ衣装を見て。

「千秋ちゃん、細~い。みやびぃも、あんな風に見えるといいなぁ」

黒川千秋のメイド振りは至って真面目で妥協を許さないプロフェッショナルな様子。

それでいて面倒見の良さと、新しい仕事を楽しむ余裕を持ち合わせている。

黒髪をなびかせ歩くたび凛とした晴れやかさが店内を色取る。



「プロデューサーさん、少し離れていてくれる? 貴方に見つめられると、地味な掃除係にしては気持ちが華やぎすぎてしまうから」




(これは載せられんな)

デスクの上でボイスレコーダーを止めて、軽く腕を伸ばしながら筋肉をほぐす。

今事務所は静かなもので、アイドルはほとんど出払い、雑誌を読み時間をつぶすアイドルや、ちひろさんがパソコンの画面を見ながらコーヒーを飲む姿が見える。

もう一度ボイスレコーダーを再生し、原稿にとりかかる。

メイドイベント前半が終わり、ライブステージの直前。

彼女たちは舞台裏で昭和初期のカフェにおける女給を元にした和服メイド衣装に身を包み、軽くステップを確認していた。

「足が弾むわ。…着崩れないのね」

佐城雪美と黒川千秋が向い合って動きを確認していた。

「雅に……ついてく………。スカート…握って……そう…だめ」

「ん……ソデを持って、こんな感じかしら」

スタッフから「まるで姉妹ですね」と声がかけらると、黒川千秋と佐城雪美は二人まんざらでもない顔をしていた。

「佐城さんと私、似ているわ。姉妹メイドを気取るのも悪くないわね」

黒川千秋が手を差し出すと、佐城雪美もゆっくりと手をのせて握り微笑む。

「それじゃああたしも雪美ちゃんのお姉ちゃんでーす☆、後で髪結ってあげる」

「みやびぃ~もぉ、お姉ちゃんっぽく、見えるかなぁ~」

驚いた二人をよそに、衛藤美紗希と月宮雅も手を重ねていく、

手を重ね合わせて自然円陣を組んだ途端、ライブ開始のアナウンスが響く。

4人は顔を見合わせた後、軽く笑いあい、そして活力に満ちた顔へと変わる。

4人合わせて、掛け声を上げる。

そいてメイドたちはファンの待つ輝くステージへ……

(少し休憩するか……ん……?)

原稿を閉じると、視界の端に黒川千秋がソファーに座って雑誌を読んでいる姿が見えた。よく見ると佐城雪美が千秋の膝を枕にして眠っている。

「や、帰ってたのか。おかえり」

努めて小さく声をかけると千秋は雑誌を置き、笑顔で答えてくれた。

「ええ、ただいま。あなたは休憩?」

「ああ」

対面に座ろうとすると、千秋に首を振られ空いている隣へと手で誘われた。

少しちひろさんを気にしたが、特にこちらは見ていない。

「随分となつかれてるな。智絵里の時もそうだったけど、結構面倒見いいよな」

「そうかしら。あまりそういうこと、自分ではわからないけれど、あなたが言うのならそうなのでしょうね」

最近は共演した年少組の送迎を任せることも多くなっている。

「疲れたか」

「いいえ、まだまだ……と言いたいところだけど、少し休息は必要ね。私も仮眠しようかしら」

そういうと千秋は雪美の頭に手をおいたまま、こちらへ頭をかたむけて肩に乗せてくる。黒髪が流れるように滑り半身を覆う。

「おっおい…」

「大丈夫よ」

夜の黒く澄んだ窓に、千秋のいたずらっぽい微笑みが写る。

彼女はさらに体を寄せて、次第に体重をこちらにかけてくる。

「私の疲れをあなたが癒してくれれば、次の仕事もうまくこなせるわ。冗談のつもりはないわよ」

ささやきと吐息が首筋と頬に当たる。

「……少しだけな」

頭を撫でると、「んっ……」と声を漏らしてこちらへ頭をこすりつけてくる。

彼女がここまで甘えてくるのは、精神的な不安があるのだろう。

(総選挙……だもんな)

「いい結果、出るといいな」

そう言うと彼女は顔の向きを変え、唇をこちらの耳へ寄せる。

「言っておくけど中途半端な結果は望んでないわ。目指すのはただひとつの高みだけ」

「ああ」

その一言で満足したのか、千秋は瞳を閉じて力を抜いた。

つられて目をつぶる。今千秋と二人、頭に想い描く光景が同じだと確信する。

「シンデレラガール、黒川千秋。そう呼ばれる日を絶対に……」

「ええ。そこに立つときはプロデューサーさんも一緒よ」

黒真珠の輝きは続いていく……。


END

これにて終了です。全ての黒川千秋ファンにささげます。
読んでくれた方、本当にありがとうございました。

>>54

×スタッフから「まるで姉妹ですね」と声がかけらると、黒川千秋と佐城雪美は二人まんざらでもない顔をしていた。
 →スタッフから「まるで姉妹ですね」と声がかけられると、黒川千秋と佐城雪美は二人まんざらでもない顔をしていた。

×手を重ね合わせて自然円陣を組んだ途端、ライブ開始のアナウンスが響く。
 →手を重ね合わせて自然に円陣を組んだ途端、ライブ開始のアナウンスが響く。

感想ありがとうございます。
近いうちにまた黒川千秋さん中心で投稿したいと思います。

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