「ハッ……」 (13)

目が覚めると頬に激痛が走った。
いてぇ…。

なんだ? 身動きがとれない。

俺は縛られているようだ。

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暗い……
霞む目を凝らして周りを見る。
殺風景な部屋に湿っぽい空気が漂い、目の前に女性が座っている。
いや、彼女も椅子に縛られて俯いている。
ここからでは生きてるようには見えない。
彼女はピクリとも動かない。

自分の体を見ると、彼女と同じように縛られていた。

なんで俺こんなことになってんだ?
ここどこだよ?
えっと、会社の帰り…駅から歩いていて、そのあと
…思い出せない

視界がはっきりしてきて、意識が戻ってくると体のあちこちが痛い。

「おい…」
目の前の女性に声をかけた。唇が切れているのか再び激痛が走った。いてぇ
彼女は椅子に縛られたままうなだれていて動かない。
ガチャっと後ろで扉が開く音がすると
外の光と共に、人が入ってくる気配がした。

「気がついたか…」
後ろで男の声がした。
この男は俺たちを助けにきたわけではない。
それは感じた。

「俺が何を聞きたいかわかるよな?」
わかんない。
全然わからない。
恐怖のせいか声がでない。

男は目の前に立つと、覗き込むように俺に問いかける。
「鍵は何処にある?」

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