男「『妹、売ります』……?」(56)

妹A「売られた…兄さん、に…売られた…?どうして…?」

妹B「兄さん……暴力、ふるって……怖い、こわい」ガタガタ

妹C「捨てられて……こんなところで、いや、いやぁ」シクシク

妹D「帰りたい……帰りたいよぉ……」

妹E「…ち………ぇ……」ボソボソ

妹F「おねえちゃん…?おねえちゃんどこー?」ビクビク

男「なんなんだ、よ‥ここは‥?」

最近此処に引っ越して来たばかりの俺は、休日を利用して町を探検していた。

だがしかし、早朝から出掛けていたものの、つい時間を忘れて辺りはすっかり暗くなってしまった。

そろそろ帰ろうかと思い歩いていると…和気藹々とした雰囲気の商店街を見つけた。

見て回っていると、商店街の隅にこれまた良い雰囲気の居酒屋を見つけた。

何と無く立ち寄ったものの、あろうことか飲みすぎて道端で潰れてしまったのである。

今は既に夜中の3時だ。

越してきたばかりの人間が、深夜に町を徘徊していたらご近所さんの評判が悪くなってしまう。

ご近所付き合いは大切だ。早く帰宅しないと。

そんなことを考えながら家路を急いでいたところで、俺は…「それ」を見つけた。

いや、見つけてしまったのだ。

男「?さっきあんな所にテントなんてあったっけ…。」

ライトアップされていてどこか豪華な見た目だが、見世物小屋の様な小ぶりで控えめなテント。

入り口には細い文字で「営業中」と書かれた札が掛かっていた。

薄暗い町の外れにぽつんと立っているその様は、何処か不気味に感じさせるものがある。

男「…まだ営業してるなら良い、よな」

だが、昼間見つけられなかったことも相乗し、結局俺は好奇心に負けてしまったのである。

…入り口に合った看板を見もせずに。

男「…な、……」ポカーン

まず目に飛び込んだのは、大きな金庫にこれまた大きな垂れ幕。

…そして、たくさんの小さな少女達。

少女達はみな一様に目隠しをされ、手を鎖で壁の大きなフックに繋がれていた。

服はぼろぼろで、引っ張ったりしたらすぐに破れてしまいそうだ。

?「…ぃらっしゃい、ませ……」ボソッ

男「ひぃっ!?」ビクッ

?「本日は、どれを…お望みでしょうか…?」

いきなり声を掛けられたため、不覚にも情けない声をあげてしまった。

服装や口調から察するに、ここの店員だろう。

男「え、どれって、…え?」

店員A「…?当店の、ご利用、は…今回が初めてでしょうか…?」

男「は、はい…」ゴク

店員A「…そう、でしたか…。本日は、ご来店、誠にありがとうございます…。」

しかしこの店員、話し方が独特で思わず緊張して冷や汗をかいてしまう。

店員A「ここは、入り口の看板の通り、でございます…。お客様の、ご家庭内で、不要になられた妹を取り扱っております…。」

男「え…?そ、それって所謂…」

人身売買?

店員A「…お客様、の…ご想像通りです…」

男「そ、んな…そんなのって…」

店員A「…ご安心、を。ここでのやり取りが、外部に漏れる事、は、絶対にありませ、ん…。」

店員A「…また、売った妹、が…第三者に告げ口をすることも、ありません。…そう躾ておりますの、で。」

店員はこちらの反応を気にも止めずに、抑揚の無い、冷ややかな声で続ける。

店員A「万が一、妹が…話そうとした場合、は…腕輪から手首に、致死量の猛毒が塗ってある針、が…発射されま、す。」

店員A「また、腕輪の鍵は、お売りする際に、お客様へお渡し…して、おります…。妹と、信頼関係が、築けた際に…外したがるお客様がいらっしゃいます、故…。」

最初はあまりにも壮絶な光景に気を取られていて気付かなかったが…確かによく見ると、か弱い少女達には不釣り合いな、大きく、頑丈そうな腕輪が嵌めてあった。

店員「では、ごゆっくり…」

俺は呆然と、「商品」を見ていた。

目隠しに涙を滲ませている妹。

状況が呑み込めず、助けを求め続ける妹。

言い知れぬ恐怖に怯え、ガタガタと震えている妹。

なんとか手錠を外そうと試みる妹。

妹。妹。妹……。

店員A「…お客様…」

ゆっくりと振り替えると、先程と同じ店員が俺に話しかけていた…。

店員A「当店の営業時間、は…3時、から、3時半まで、のみとなっておりま…す。」

店員A「本日は既に営業時間外ですので、退店して…頂いて、も…?」

男「ぁ…。す、すみまふっ…失礼しましたぁ!」ダッ

店員A「またの、お越しを…一一 ― ー 」

店員の言葉がすべて聞き終わる前に、俺はそそくさと店を出た。

焦って声が裏返ってしまった。そのうえ舌も噛んでしまった。

…だが、そんなことはどうでもいい。

兎にも角にも、俺は早く現実離れしたこの場から逃げたかったのだ。

次の日

店員B「いらっしゃい!」

店に一歩踏み入れると、昨日とは違う、威勢の良い声が聞こえてきた。

男「あ、どうも…」ペコ

またこの店に来てしまった。しかもわざわざこの時間に目覚ましまでかけて。

昨日はあまりの異様さに驚いてしまったが…よく考えてみたら妹を買えるだなんて、一人っ子の俺には夢のような話だ。

値段はともかく、せっかくの機会だ。見学しても罸は当たらないだろう。

さて、何をしようかな。

安価
?@妹を一人一人見て回る。
?A店員さんオススメの妹を買う。
?B店員さんと店のシステムについて聞く。
>>20

次の日

店員B「いらっしゃい!」

店に一歩踏み入れると、昨日とは違う、威勢の良い声が聞こえてきた。

男「あ、どうも…」ペコ

またこの店に来てしまった。しかもわざわざこの時間に目覚ましまでかけて。

昨日はあまりの異様さに驚いてしまったが…よく考えてみたら妹を買えるだなんて、一人っ子の俺には夢のような話だ。

値段はともかく、せっかくの機会だ。見学しても罸は当たらないだろう。

さて、何をしようかな。

安価
?@妹を一人一人見て回る。
?A店員さんオススメの妹を買う。
?B店員さんと店のシステムについて聞く。
>>20

うわミスった。連投と文字化けすまん。
安価は上から1、2、3で。
再安価>>23

3

安価遠かったか。悪い、次は近くする
2把握した。では投下

とは言えこの辛気臭い雰囲気はあまり好ましくない。…それに、最終的にどうするかはもう決めているんだ。

それならば思いきって、今日買って行ってしまおう。案ずるより産むが易し、だ。

男「すみません、ちょっと良いですか?」

店員B「はい、気に入った子でも見つけました?」ニコ

男「あ、いえ…その、今日…妹を一人買いたいんですが、俺、一人っ子なのでどんな子がいいのか良くわからないんですよね。」

店員B「ふむふむっ。」頷

男「だから…オススメの妹とか、いませんか?」

店員B「オススメですかあ…はい、少々御待ちください!」ニコ

店員はしばらく「うーん…」と妹達を何度も見回してから、不意に顔をこちらに向け、満面の笑みで再び声を掛けてきた。

店員B「こんな子なんてどうでしょう!」

妹「…」ビク

男「あ、じゃあ…その子でお願いします。あの、料金は?」

店員B「料金はですね…ボソボソ」

男「え、意外に安…人身売買ってもっと高いと思ってました。」

店員B「はは、うちはそこまで商売目的ってわけじゃないですよう。売った妹が幸せになれれば良いなあって感じなんで!」

店員は「此処に売っていくお客様も、お金はあまり気にしないようですし…。」と、少し悲しげな顔で続けた。

店員B「…では、明日の13時頃に私が配達しますね。お代はそのとき受けとりますっ、ありがとうございましたっ。」にこ

店員に会釈をしてから、俺は昨日と同じように家路を急いだ。

昨日よりも足が軽いのは、やはり買うとは言え初めて兄妹が出来ることにわくわくしているからだろうか。

まあ何はともあれ、明日が楽しみだ。

安価
妹の性格>>29
妹の得意な家事>>30
妹の趣味>>31

敬語ツンデレ
ちょっと冷めててデレ要素は少ないがたまに見せるデレは一級品

人見知りで臆病だが、気を許した相手には甘えん坊

男の身の回りの身支度
朝起こす、マッサージ、耳掻きなどなど

安価ずれて性格が>>29で家事が>>31っぽい?
趣味なら裁縫やぬいぐるみ作り

あちゃ、今度は近すぎたか?安価って難しいなあ。
では>>29>>31>>32でいきます。明日は夕方か夜になると思います。

乙です
連続で安価をとる場合は1つあけた方がいいね
時間帯で人の数も変わるだろうし大変だろうけど頑張って

>>34ありがとう。次取るときはそうさせて貰うわ

では今日の分投下

次の日 13:00

男「ふー…。まぁ、こんなもんか。」

第一印象は大切である。

と、いうことで。俺は朝から家の片付けをしていた。

まあ片付けと言っても何分一人暮らしなため、普段からはあまりしていなかった。結果、ギリギリまで時間をかけてしまった。

しかもタンスに無理矢理物を詰め込みすぎたため、次開けた時には確実に雪崩が起きてしまいそうだがまあ…よしとしよう。うん。

―― ピンポーン

男「っ……!」

来た。ついに、念願の…!

男「はーい!」ワクワク

業者?「すみません、お荷物が届いておりますので、判子又はサイン頂けますでしょうか?」

男「…あ、はい。えと、どちらにでしょうか…?」

業者?「…なんてね。」バサッ

店員B「お待たせしました男さん!妹ちゃんと一週間分のお泊まりセットのお届けですー!」

男「」

…や、やられた。完全に騙されてしまった。何故わざわざあんな変装してまで騙しに来たんだよ。くそぅ…。

ま、まあいいか。何はともあれ妹だ妹。

男「何やってるんですか、もう…」苦笑

店員B「いやー私がお届けするときこれ毎回やるんですけど、皆さん反応が面白いんですよね!」

店員B「満面の笑みから一気に真顔になって、『…あ、はい。』ですって!」ニヤニヤ

あ、この店員Sだ。間違いなくSだ。

男「そ、それには触れないで下さい…。」ヒク

店員B「クスクス…じゃ、気を取り直して。」

店員B「いやあ、実は昨日お話するの忘れちゃったんですけど…うちはお試し期間ってのがありましてですね。」

店員B「一週間お試しで一緒に生活してみて、相性が良ければ正式にご契約。」

店員B「逆に、相性が悪ければ返品。でもお金は半額しか戻りませんのでそのへんのご了承お願いしますねー♪」ヘラッ

男「わかりました。で、その…妹はどこに?」

店員B「あは、男さんは正直ですね。」ケタケタ

しまった。焦りすぎたかな…?で、でも、仕様がないだろ、楽しみにしてる気持ちは本当なんだし!

店員B「妹ちゃん、ほら隠れてないで出ておいでー。」

店員B「…ちょっと、なんで扉の陰に隠れてるのさー?緊張するのはわかるけど、ほら」ポン

妹「わぁ…っ」ビク

男「あっ、えと…男です。よろしくね?」

妹「…妹、です。よろしくお願いします。」

やっぱり警戒されてる、よな。

まあ…その辺は追々、慣れてくればどうにかなるだろう。

店員B「じゃ、一週間後にスタッフ来させるんで。んじゃあ、頑張って下さい!ではまたー」ノシ

男「あ、はい…ありがとうございました!」ペコ

男「えと、妹ちゃん。で良いかな?とりあえず一週間よろしくね?」

妹「はい。よろしくお願いします。」

妹「あの、私は何と呼べば?」

安価 なんて呼んで貰う?
1、兄さん
2、男さんor男
3、お兄ちゃん
>>42

1

ここは慎重にスタンダードに行こう。

男「じゃあ、『兄さん』でお願いしていいかな?」

妹「はい。では兄さん、改めてよろしくお願いします」ペコ

―― ピンポーン

店員B『すみませーん男さん!忘れてましたあ』ドンドン

男「はい、どうしました?」ガチャ

店員B「あのう、お代まだ頂いてないなーって…」あせあせ

男「あ、はい!じゃあこれで!」っお金

店員B「はい、どうもでしたあ!あのう…非常に厚かましいお願いなんですが、この事はどうかお店には言わないでください…!無口で怖ーい相方に怒られちゃうんですう」ビクビク

男「はは、良いですよ。では」

店員B「はーい、では今度こそ、失礼しまっす!」ダダッ

Sだと思っていたが、案外弄り甲斐もありそうな店員さんだなあ。

今日の分は以上です。
明日から妹と男の絡みを書いていきますね。敬語ツンデレがクーデレになりそうで難しいです。

安価 男は
1、社会人
2、学生(学年指定もお願いします)
3、お金が余ってるのでニート生活
>>47

3

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