あやめ「えっ……あ、あの」
P「なんか見せてくれよ忍術」
あやめ「えっ……!? 事務所でですか!?」
P「え? まずいの?」
あやめ「ま、まずいといいますか……あの、そのっ」
P「あぁ……やっぱり忍者ってのは名ばかりで……」
あやめ「…なっ!! 失敬な!忍術の一つや二つ……!!」
P「マジかよさすがあやめだな!! じゃあ見せて!みせてよ!!」
あやめ「うっ……わ、分かりました……P殿が、望むのであれば……」
P「やった!さすが忍ドル!!」
あやめ「では、忍装束に着替えて参りますので……」
P「本格的だな!!」
あやめ「その……仮眠室で、お待ちください……」
P「うん! うん?」
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仮眠室
あやめ「お、お待たせ致しました……」
P「おう! はやく! あやめはやく!!」
あやめ「わ、わかりました……あの、今からお見せする術は、一人で施すのは難しいものでして……」
P「ん? 手伝えばいいの?」
あやめ「は、はい……あと、わたくしも修行中の身なので……うまくできるかどうか……」
P「大丈夫大丈夫、ちゃんと手伝うから!」
あやめ「はい……実践するのは、初めてですゆえ……
下手でも、笑わないでくださいね……?」
P「笑わないよ! 絶対笑わないよ!」
あやめ「はい……それでは……」
あやめ「参ります……」スルリ
P「え」
あやめ「はぁー……ふぅ……」スルスル
P「ちょっと待って!!」
あやめ「うぅ…………」パサ
P「あやめ! ストップ!!」
あやめ「え?」
P「なんで脱ぐんだ!?」
あやめ「え……ですから、忍術を」
P「誰も房中術を披露しろなんて言ってないから!!」
あやめ「房中術ではありません! 立派な忍術です!!」
P「じゃあなんで脱ぐんだ!?」
あやめ「だ、だからP殿が……あやめの忍術を見たいとせがむので……」スルリ
P「脱がなくていいから!!」
あやめ「じゃあどうしろと!?」
P「えぇ!?」
P「そ、そもそもどんな忍術を見せてくれるつもりだったんだ?」
あやめ「ええと……女人の髪を使う術なのですが」
P「髪?」
あやめ「はい……それが、普通の髪では駄目でして」
P「えーと……」
あやめ「つまり……そ、その、男女の交わりを行い、法悦にわななく女人の髪を用います」
P「え……」
あやめ「その名も、忍法髪切丸。
その髪は、鉄をも断ち切る強靭な刃と化すのです」
P「マジで?」
あやめ「マジです」
P「なんか……なんとも言いがたいんだけど」
あやめ「はい……ご納得頂けたでしょうか?」
P「う、うん……」
あやめ「それでは……」スルリ
P「だから脱がないで!!」
あやめ「えっ」
P「えっ」
P「他の、他のにしよう!!」
あやめ「そうですか……すみません、お気に召しませんでしたか……」
P「いや、気に入らないわけじゃないけど、色々とマズいからさ、ね?」
あやめ「は、はい……」
P「他にはどんな忍術が使えるんだ?」
あやめ「そうですね……それでは、忍法袈裟御前などはいかがでしょう?」
P「う、うん、それでいこう」
あやめ「は、はい……」
P「いやぁ、ビックリしたなぁ……」
あやめ「……」スルリ
P「えええぇぇぇぇ!!」
あやめ「大丈夫ですゆえ……!」パサ
P「なんにも大丈夫じゃない!!」
あやめ「何故止めるのですか! P殿が見たいと仰るから、あやめは、あやめはっ……!!」プルプル
P「ごめん! 俺が見たいのはあやめの裸じゃなくて忍術だから!!」
あやめ「え……それはつまり、あやめでは興奮しないという、そういう……?」
P「いや! そうじゃない! あやめは大変に魅力的だと思います!!」
あやめ「そ、そうですか……」ホッ
P「だから困るんだ!」
あやめ「よかった……それでは」スルリ
P「だからああぁぁぁ!!」
P「はぁはぁ……とりあえず脱ぐのは待って欲しい」
あやめ「はぁ……わ、わかりました」
P「で、次のはどんな忍術なんだ?」
あやめ「そうですね……この術は、対象が男性に限るものなのですが」
P「……」
あやめ「そっ、その……女性器に挿入された陰茎を、粘膜で包んでしまう、とでも言いましょうか」
P「そ、それってただのセッ」
あやめ「違います!断じて違います!」
P「う、うん」」
あやめ「その粘膜は膣内から抜いても陰茎にまとわりつき、術を解除しない限り離れません」
P「え」
あやめ「そして粘膜は陰茎を刺激し続け、性器に快楽を与え続けます」
P(オナホールかな?)ゴクリ
あやめ「しかし、陰茎は粘膜で完全に覆われているので射精ができず」
P「えっ」
あやめ「それでも尚、与え続けられる快楽」
P「うぅ……」
あやめ「射精できずに溜まった精液は、いつしか身体を逆流し……」
P「え?」
あやめ「忍法袈裟御前。最終的に、目鼻口と言わず身体の穴という穴から精液を噴出して死に至ります」
P「死ぬの?」
あやめ「死にます」スルリ
P「やめて!!」
P「いや、死んじゃうのはちょっと……」
あやめ「そ、そうですね……すみません、袈裟御前はやめにします」
P「うん……あと、できれば脱がない忍術で……」
あやめ「……」
P「え……」
あやめ「あやめはくのいちですゆえ!」
P「えぇぇぇ……できれば服は着たままできる忍術で……」
あやめ「そうですか……P殿がそう仰るのであれば……」
P「よかった……」
あやめ「そういう嗜好であれば、服は着たまま下着だけ……」スルリ
P「あやめ、そうじゃない、あやめ」
あやめ「え? 次のは死にませんよ?」
P「死なないのはありがたいんだけど!そこじゃないんだ!」
あやめ「ご安心を、着たままが好きだというP殿の嗜好も理解しました」
P「いや、違うんだ。間違ってないけど」
あやめ「それでは……」スル…
P「あぁっ!? みえっ……」
あやめ「はい、三重は伊賀の里出身ですゆえ」
P「え、あ、うん」
あやめ「では……どうぞ、P殿……実践は、はじめでですゆえ、できればやさしく、お願いします……」スッ
P「わあああぁぁちがああう!! ちがうんだあやめえぇぇ!!」
あやめ「…ニンッ!」
P「ニンッじゃない!!」
あやめ「またですか! なんなんですか、もう!!」
P「いいから股を閉じなさい!!」
あやめ「あ、はい……」
P「今度は何の忍術なんだ!!」
あやめ「え、ええと……これも対象は男性に限るのですが……」
P「でしょうね」
あやめ「これは……挿入された男性器を強烈に締め上げる術でして」
P「……」
あやめ「その力はさながら万力がごとし。男性は、その激痛によって悶絶します」
P「……」
あやめ「忍法天女貝。ちなみにこの術は、術者が死んでも解除されません。
陰茎が壊死して腐り落ちるまで、その苦悶は続くでしょう」
P「恐ろしいな!!」
あやめ「組み合わせ技として、何らかの方法で天女貝から対象が逃れそうな場合、
腹の中の胎児に陰茎を掴ませるという術もあります。
その名も忍法羅生門……」
P「随分限定的な技だな!!」
あやめ「ニンッ!」
P「シンッ!」
P「とにかく、とにかく、性交渉が発生する術は駄目!!」
あやめ「そ、そんな……」
P「だめったら駄目!!」
あやめ「……P殿はそんなにあやめと繋がるのがお嫌ですか……?」
P「い、いや、そういうわけじゃ……?」
あやめ「うぅ……」
P「……」
ベッドを見れば、そこには衣服を乱した半裸の少女。
はだけた胸元からは、白いふくらみを露にし、
目には涙を溜め、頬を紅潮させてこちらをみつめているのであった。
P「……」ゴクリ
あやめ「……P殿?」
気が付けば、部屋には花の蜜のような甘い香りが漂い、鼻腔をくすぐり脳を痺れさせた。
あぁ、その香りは目の前の少女のもつものか、少女の成す術のせいか。
あやめが身をよじり息をつくたび、濃くなっているように思われる。
あやめ「P殿、なんだか視線がいやらしい……」
あやめが何かを感じ取って、咄嗟に胸元を隠すと、その腕に押しつぶされた柔らかな乳房が形を変える。
ふとももをこすり合わせると、衣装がはだけ、ふとももがますます露となる。
全てが官能的に見えてくる。これはきっと、そういう忍術なのだろうとPは思った。
あやめ「あっ……!? P殿!?」
P「え?」
気が付けば、Pはあやめの肩を掴み、押し倒していた。
あやめ「う、P殿……そんな、いきなりは……」
P「あ……あやめ、これは……」
あやめ「……っ」
くのいちと言えど未熟なあやめには、さすがに大の男を押しのける力は無く。
あやめが、何かをあきらめたかのようにそっと目を伏せ、顔を背ける。
ほつれた黒髪と、朱に染まるほそい首筋。
ますます濃くなる甘い香り。少女の色香か体臭か、Pはたまらずあやめのうなじに顔をうずめた。
あやめ「あっ!?……ひ……っ…!!」
荒い息をつき、か細い声を上げるあやめ。
徐々に弛緩していく身体は、衣服の中をまさぐる度に、小さくはねる。
Pの手が、あやめの白い腹を撫でる。
きゅっと引き締まった筋を、Pの指先がなぞるかの様に、あやめの腹を下へ、下へと滑ってゆく。
あやめ「んっ……はぁっ、こんな、戯れ……だ、だめ……P殿……っ」
明らかに法悦を含んだその声を聞き、Pがあやめの顔を覗き込む。
あやめ「P殿……まって……」
愛おしさと欲望が溢れ、その口を奪おうとPが覆いかぶさる。
あやめの閉じた瞳が、ゆっくりと開いた。
あやめ「あやめの眼を見よ!」
P「!?」ビリッ
その瞳は金色に輝いているように見えた。
Pの両手は、さもそれが当然であるかのように、あやめの体を離れ、
なんと己の首へと食い込んだ。
P「おごああああぁぁぁっ…」
あやめ「はぁ……ふぅ……」
P「ぐげええぇぇぇ……」
あやめ「はぁ……や、やった、成功ですP殿!!」
P「けええぇぇぇぇぇぇ…………」
あやめ「これは瞳術と呼ばれるものです。
術者に悪意を持った人間は、この瞳術に掛かると、その悪意を術者でなく自分に返します」
P「……」
あやめ「P殿?」
P「………」
あやめ「……P殿ー!!」
P「死ぬかと思った」
あやめ「す、すみません……まさか、こんなにものの見事に術が掛かるとは……」
P「いや、術とはいえ、まさかあやめを襲ってしまうとは……こっちこそすまない」
あやめ「え?」
P「ん?」
あやめ「そ、それにしても……この瞳術が掛かるという事は……
P殿は、わ、わたくしを本気で手篭めにしようと……?」
P「……え? それはあやめの術が……」
あやめ「え? いえ、わたくしがお見せしたのは瞳術だけで……」
P「……え?」
あやめ「……ん?」
あやめ「……P殿」
P「え……い、いやぁ!! すごいな!くのいちって!」
あやめ「……」ジー
P「う……」
あやめ「……あ、P殿……首筋に、爪あとが……」
P「ん? あぁ、思いっきり自分の首絞めたからな……」
あやめ「……」
P「まぁ、授業料ということで……あやめ?」
あやめ「あやめが負わせてしまった傷ですので、ここは、あやめが……」ペロ
P「!?」
あやめ「ん……」
P「あやめ、何もそこまで……」
あやめ「……ちゅ」
首筋に這う小さな舌の感触に、たまらず声を上げそうになる。
それどころかあやめは、はだけた衣装をそのままに、身体をこすり合わせてくる。
耳元で響くねばっこい水音と、その肌の感触が、またもPの脳を焼き、理性を溶かした。
P「瞳術、敗れたり」
あやめ「……え? ……あっ!?」
あやめの細い身体をかき抱き、再びベッドへと倒れこむ。
Pの眼は瞳術対策として、硬く閉ざされている。
そのまま手探りで、Pはあやめの身体をまさぐってゆく。
あやめ「あっ……! んっ、P殿……!! 傷に障りますのでっ……! っ……!!」
さぐるような指の動きに、あやめは身体を震わせ、声を上げる。
その声を頼りに、Pはあやめが悦ぶ場所を責め立てる。
胸を、内股を這い回るPの指に、あやめの声はますます熱を帯びたものに変わっていった。
あやめ「……っ! そんな、P殿っ……そこはっ……んっうぅっ……!!」
あやめが一際高い泣き声を上げる。
それに応じたようにPの指は動きを増してゆく。
あやめは、もうすっかり、自分の身体に与えられる快楽に興じるままとなってしまった。
あやめの頬がPの頬に押し付けられると、
Pもそれに応じたようにして、あやめの唇をさぐりあてる。
一度、軽く唇を合わせる。
Pの眼はすでに閉ざされておらず、あやめの眼は、ただただ潤んでPを見つめるばかりであった。
息をつく間も無く、二人は深く、貪る様に唇を合わせた。
あやめ「んんっ……! んっ、ちゅ……んっ……」
あやめはますます、その肌をPの身体へ押し付け、細い腕はPの頭をかき抱き、
白い脚は、招くようにPの腰へ絡められた。
Pは、己のPヘッドを、あやめの女子寮の奥へと、導かれるままに深く沈めていった。
あやめ「ふぅっ……はっ、あっ……んっ、んんううぅぅ~~っ……!!」
あやめが、口を塞がれたまま、くぐもった声を上げ、身体を大きく跳ね上げた。
P「……く、うっ……」
Pは、あやめの腕の中で小さくうめき、身体を震わせると……
P「……ごぼっ!!」
盛大に血を吐いて倒れた。
あやめ「はっ……はぁっ、ふ、うぅ……ふぅ、はぁ……」
P「……」
あやめ「……や、やりました、成功です、Pどのっ……!」
P「……」
あやめ「法悦の吐息が毒の息へと変ずる、まさにくのいちの奥義といった……」
P「……」
あやめ「……P殿?」
P「……」
あやめ「……P殿~~~~ッ!!」
P「死ぬかと思った」
あやめ「す、すみません、すみません……」
P「いや、こっちこそすまない……」
あやめ「い、いえその、なんというか、その……はい」
P「うん……」
あやめ「え、えぇと……」
P「あ、あやめ……今更言える立場じゃないが、ちゃんと責任は
あやめ「ええええぇぇぇぇっとはい! あ、その、そうだ、思い出しました! お見せできる、もうひとつ忍術が!!」
P「え……また死んじゃうの?」
あやめ「いえ……これは逆です」
P「逆?」
あやめ「この術は、人を転生させるものです。P殿に転生のご意思があれば、その際には是非」
P「転生って……」
あやめ「言葉通りのものです。まぁ、すぐにお見せできるものではありませんが……」
P「……」
あやめ「かなり、条件の厳しい術ですが、逆に条件さえそろえば成功はほぼ確実となりましょう」
あやめ「条件ですが、ひとつは、転生するものが尋常ならざる精力にみなぎる男性であること」
あやめ「こ、これはP殿であれば、すでにクリアしている条件かと……」
P「そ、そう?」
あやめ「えっと、いや、どうなんでしょうか、その、よく知らないので、はい……」チラチラ
P「……」ムクムク
あやめ「え、えぇぇぇ! な、何故!? しまってください!!」
あやめ「そして、ひとつ、P殿が深く愛する女性を忍体とすること」
P「忍体?」
あやめ「はい、今際の際にその女性と結合することによって、その女性を忍体として、
今の姿そのままに、この世に生まれることができるのです」
P「産みなおすって感じか……その女性はどうなるんだ?」
あやめ「忍体となった女性は、およそ一月後に転生体を生むことになりますが……
忍体となった時点から、既に命亡き者とお考えください」
P「……」
あやめ「そして最後に、この世に只ならぬ未練を残していること。
それこそ、生まれ変わってやり直したいと、本気で考えるほどに」
P「……」
あやめ「その名も、忍法魔界転生」
P「……なんか、すごい外道っぽいんだけど」
あやめ「そ、そうですね」
P「うーん」
あやめ「まぁ、すぐにご決断できることではないでしょう」
P「……」
あやめ「しかし、しかしP殿の命尽きるその時に、あやめは必ず参ります故!
その時まで、しからばごめん!!」バッ
P「おうっ!?」
P「……消えた!!」
あやめ「……!?」ズキン
P「ん?」
ボト
あやめ「ひぃ、い、いたい……いたいです、P殿……」ヒョコヒョコ
P「ご、ごめん、無理をさせたからな……」
あやめ「な、何故男性は痛くないのですか……不公平です、これは……」ヒョコヒョコ
P「……」
P「さっきの魔界転生? だっけ……」
あやめ「はい、え? もう決められたのですか?」
P「うん」
あやめ「そ、それではP殿……魔界転生のご意思、有りや否や!?」
P「否!!」
あやめ「えぇー……お気に召しませんでしたか……」
P「生まれ変わっても、あやめが居ないんじゃ意味がないしなぁ」
あやめ「……えっ?」
P「ん?」
あやめ「え、P殿、それはどういう……」
P「……」ダッ
あやめ「え、逃げっ……あ、いたい、まって、置いていかないで下さい……」ヒョコヒョコ
こうして、Pは魔界転生を拒んだのだった。
が、数十年後、Pの今際の際。
Pのその隣には確かに、寄り添うあやめの姿があったという。
アイドルマスターシンデレラガールズ ~アイドル忍法帖~
おわり
参考文献
甲賀忍法帖
瞳術(術名無し)
毒の息(術名無し)
忍法八犬伝
忍法袈裟御前
忍法天女貝
くノ一忍法帖
忍法羅生門
魔界転生
忍法髪切丸
忍法魔界転生
著:山田風太郎
何分記憶が古いもので、誤りがあったら申し訳。
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