京太郎「断片集」(345)

・スレタイの如くの京太郎スレ。苦手な方はそっ閉じorバック推奨

・ストーリーはあるかもしれないし、ないかもしれません



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371910120

1/4

「おはよう」

誰もいない事がわかってても部室に入る時、つい挨拶してしまう私の癖。
でも、こんな何でもない癖が時として思わぬ結果を生む事もある。

「おはようございます、福路先輩」

「今日も早いわね、須賀君」

「さっき来たばっかりですよ。福路先輩とほぼ同じタイミングです」


部活休みの日に行う部室の掃除。
以前は一人で黙々としていたそれが変わったのはつい最近だった。

2/4

「おはよう」

「おはようございます……って福路先輩?」

「あら……」

後々彼に聞いた話だと、部室に忘れ物を取りに来たついでだったみたい。
でもその時の私は、自分以外の人間がこんな時間に、この場所で、私と同じ事をしていることに嬉しくなってしまって……

「なんで泣いてるんですか!?」

「ごめんなさいね……つい」

風越という名を背負い、そして次の子達にそれを渡す人間として、やれるだけのことはやりたい。
たとえキャプテンという分不相応な肩書きを与えられていても――――ううん、キャプテンだからこそ私が率先して行動する。
その考え方に迷いを抱いたことはない。
でも、寂しいと思う時もある。

3/4

「……ずっと一人でやってきたんですか?」

皆の優しさに甘えたい。誰かに寄りかかりたい。私の中にそんな弱い自分がいるから。
私は笑おうとした。
彼は踏み込んだ。

「今度から俺も参加して良いですか?いや、参加します」

「……え?」

「池田先輩と一緒ですよ――俺も、結構図々しいんです」

その時の私がどんな顔をしていたのかはあまり覚えていない。
でも、記憶の中にある彼は微笑んでいたから、私も笑顔だったんだと思う。

4/4

「これで、終りっと……」

「ご苦労様。やっぱり二人だと早いわね」

「福路先輩の手際が圧倒的に良すぎてあんまり活躍してない気もしますけどね、俺……」

「うふふ……」

会話が途切れた。須賀君は何か言おうとして口を開きかけている。
――ごめんね。
あなたが一歩踏み込んでくれたのだから、今度は私の番。

「須賀君。どこかに出掛けない?」

1/3

ポンコツ、と言っては悪いがやたらとドジを踏む少女が身近にいた俺としては、いつかこんな日が来る事を心のどこかで予測していた。

「本当……運が悪いのか良いのか……」

「うう……」

マホが階段から転げ落ちて足首を捻挫したのは昨日の事だ。

部活が終わってすぐに、見たい番組があるとか言って部室を飛び出した数秒後、扉の外から聞こえてきた悲鳴と物音で俺達は何が起こったのかを一瞬で悟ったのだった。

それにしても

「ランチの女王の再放送なんてまたいつかやるだろうが!」

「ちょうど森田君が出る回だったんですよー!」

「録画しとけよ!」

「自慢じゃないですが、マホ、説明書は読まない派です!」

「……はぁ」

怪我をした当人が能天気この上ないのが腹立たしい。

2/3

「……和も優希も、咲だって心配してたんだからな。」

「……あう……すいませんでした」

叱り過ぎだろうか。

花が萎れるように俯いてしまうマホに少しだけ心が痛む。だが、ここでちゃんと注意しなければマホの為にはならない


「……まあ、なんだ、痕が残るような怪我じゃなくて良かったな」

「はい?」

「はいじゃねぇよ……お前だって女の子だろ?」

「……」

しばらく俺の顔をまじまじと見つめた後、マホはなぜかくすりと笑った。

「マホも女の子として見てもらえてたんですね……」

「当たり前だろ。何言ってんだ」

「だって優希先輩が『京太郎は"ぷっくり"以下は女子とみなしてないじぇ』って……」

「……あいつから麻雀以外の事を学ばんでよろしい」

優希め。今度泣かす、麻雀以外で。

3/3

俺の内部のどす黒い――されど情けない思いを知ってか知らずかマホは俺に笑いかける。

「須賀先輩、早く部活行きましょう!」

「行くのは良いけど……階段はどうするんだよ」

「あぅ!そうでした……」

本当に、手間がかかる後輩を持ったもんだ。

「ほれ……おぶされよ」

「え……」

「その足じゃ階段上がるのも大変だろ?」

「……はい!」

背中に広がるぬくもりと羽のように軽いが確かに感じる一人分の重さ。

仕方なくやってる事なんだと自分に言い聞かせても頬が赤らむのは止められそうにない。

だけど、お互い様って奴だろう。

俺の首にまわされた彼女の両腕からも確かな力と熱が伝わってきているのだから。

1/6

切っ掛けは俺の発した何気ない質問だった。

「そういえば、真瀬先輩のその髪型ってどうやってセットしてるんですか?」

「……え?」

その瞬間、姫松高校麻雀部は揺れた。

洋榎先輩は拳を握りしめ、俺を睨み付けた。

絹江先輩はおろおろと周囲を見渡した。

末原先輩は厳しい顔でマジックのキャップを取ったり付けたりし、上重先輩は天を仰いだ。

代行は笑っていた。

2/6

真っ先に口火を切ったのは洋榎先輩だった。

「おい須賀ァ!どういうつもりや!」

どうと言われましても

「須賀君……それはちょっとないわ」

き、絹江先輩まで!

「私がもっとしっかりしてればなぁ……ごめんなぁ須賀君」

いやいやいや、何で末原先輩が責任感じてるんですか?

「ガ~ス~は駄目やなぁ~」

代行、あなたは黙ってて下さい

3/6

「あー……須賀君なぁ」

見かねた様子で上重先輩が俺にそっと耳打ちする。

「うちの部じゃ真瀬先輩の髪型に関しては禁句なんや」

そりゃまたどうして?

「詳しくは私も知らんけど、何でも髪を解いた姿を人にあまり見せたくないとかなんとか。ほら、真瀬先輩の方見てみ」

なるほど。
先程から一言も喋らないと思ったら、真瀬先輩はほのかに顔を赤らめて俯いている。

「知らなかったんだからしゃあないわな。謝れば許してくれると思うで」

そうだったんですか。ありがとうございます、上重先輩。

「同じイジられキャラのよしみやな。ところで須賀君」

はい?

「さっきから腕がもぞもぞしてんのやけど」

そりゃあ上重先輩が耳打ちの体勢になれば俺の腕に密着しますよね。何が密着するのかは俺の口からは言えませんが。

「須賀君……」

はい。

「今度たこ焼きおごりな」

それはたこ焼きをおごれば、またこのような事を――

「殴るで、グーで」

誠に申し訳ございませんでした。

4/6

「ええと、真瀬先輩……」

周囲の冷たい視線(一人だけ面白がってる視線)を感じながらも俺が真瀬先輩に話しかけた時、真瀬先輩は伏せていた顔を上げて、言った。

「皆……ちょっと席を外してほしいのよー」

「ちょっと……由子!」

「恭子。由子の言う通りにしようや」

大将として部を引っ張って行く人間の自覚なのか、洋榎先輩が末原先輩を諌める。

「30分くらいしたら戻ってくる……それでええか?」

「うん……」

俺と真瀬先輩だけしかいなくなった部室。

いつもの賑やかさはどこにも見出だせず、二人の間に横たわる沈黙だけが存在感を誇示していた。

5/6

「……真瀬せんぱ」

「本当にあの四人は……」



「髪型ツッコマれるだけで取り乱すとかどんだけガラスのハートなのよー」

あの

「そりゃ昔は髪型について触れられるのはちょっと嫌だったけど、いつまでも気にしてるわけないやん」

ちょっと

「みんな心配性が過ぎるというかなんというか……」

真瀬せんぱーい

「須賀君。なんか変な空気にしてごめんな……あの四人も悪気があったわけじゃないから許して欲しいのよー……」

許す許さないなんて考える必要もなく許すのでそれは良いんですが。それよりも

「この髪型?んー……口で説明するより実演して見せた方が早そうやね」

真瀬先輩が髪留めを外し、結われた髪の毛を解く。
僅かに水分を含んだ絹糸のようになめらかで、それでいて柔らかそうな彼女の髪の毛が広がる。
普段の髪の毛を結った真瀬先輩の少女趣味な可愛さとは違う、深窓の令嬢のような雰囲気に俺の心拍数が上がる。

「流石にそんな見つめられると恥ずかしいのよー……」

す、すいません。新鮮だったものでつい……

「気にしてるのよー、この癖っ毛」

俺は良いと思いますよ。綺麗にウェーブが掛かってて

「……そう?ありがとう」

6/6

ところで真瀬先輩

「なに?」

そこの扉の隙間から除く目について心当たりはありますか?

「洋榎……」

「ちゃうねん!恭子がな、どうしても気になるって聞かんから!」

「私のせいにするんですか!?ほら!元はと言えば代行が『由子ちゃん貞操の危機やで~』とか言うから!」

「は?いくのんのせいとか喧嘩売っとんの?」

「こんな時だけ冷静にならないで下さいよ!」

またいつもと同じ様な喧噪の中、髪を下ろしたままの真瀬先輩がちょんちょんと俺をつつく。

「ねえ、須賀君。今日の部活はこの髪型で過ごそうか?」

良いんですか?俺としては嬉しいですけど。

「なーんて嘘なのよー」

ええー

「この髪型は二人っきりの時にね?」

しゅるしゅると手際よく髪を結い上げると、真瀬先輩はいつものようにふんわりと笑った。

断片集って匂宮か?

>>15
そっちとは関係ないですねー。すいません
短編集みたいなものだと思っていただければありがたいです

メンダコのぬいぐるみ可愛いです

投下します

1/6

街の臭いを含んだ独特の――私にとっては馴染み深い趣の――潮風が頬を撫でる。
陽光を浴びて、のた打つ様に光を散り散りに乱れ飛ばす海面は巨大な魚の腹にも似ていた。

いつもの場所

いつもの時間

だが、この空間で私だけがいつもと違う。


――宮永照

2/6

その名を思い浮かべたのは数え切れないが、闘志と共に浮かべるのは久方ぶりだ。思えば、私の雀士としての本当の人生は奴と交錯した時、始まったのかもしれない。
絶対王者、インハイの魔物、牌に愛された子――奴を形容する全ての言葉は、全てが大仰だがその全てが正鵠を射ているとは言えなかった。

初めて同卓した時、越えられぬ壁を私は視た。

次に同卓した時、抑えきれぬ絶望を私は感じた。

どうすれば奴に勝てるのかを考えた。考えた。考え抜いた。
幾度も強者と打ち合い、幾度となく敗北の辛酸を舐めた。
時として、壁の高さに膝を屈しそうになったこともある。

だが、それでも、今――

3/6

私はここにいる。

勝てる確信など無い。宮永照はおろか荒川憩にも――
それでも良いのだと思う。
必要なのは確実に勝てるという確信ではなく、敗北にも折れず勝利を掴もうとする意気なのだろうから。

インハイ団体戦もいよいよ準決勝戦。
奴のいる学校のブロックでは思わぬ波乱があったらしいが、順当に決勝へと進んできた。
奴との戦いは近い。しかし、その前に足元を掬われる訳にはいかない。

有珠山、姫松、それに清澄か――

相手にとって不足は無い。

4/6

私が気合いを入れ終わるのとあいつの声が聞こえてきたのはほぼ同時だった。

「姐さーん!」

軽薄と言っても差し支えないだろう人目を引く金髪の少年が私に近づいてくる。

「……須賀か……その呼び方はやめろ」

こいつと話していると肩の力が抜けていく気がする。
そういえば、初めてこいつと顔を合わせた時は"こいつとだけは仲良くなることはあるまい"と私は身構えていた。
人と人の出会いは余人の計り知れないものだ。宮永照然り、こいつ然り。

「あはは……ガイト先輩にピッタリなんでつい……」

「はぁ……で、どうした?」

「どうしたじゃないですよ。そろそろ時間だから迎えに来たんです」

5/6

「一人でか?」

「ダヴァン先輩と一緒に出たんですけど…… カップ麺の特売が」

「……みなまで言うな。大体わかった」

「ありがとうございます……」

海を見つめる私の姿に、その意図を感じ取ったのか須賀もまた私の隣に並び立つ。
波のさざめきと街の喧噪、そして二人の間の沈黙は溶けて一体となる。
いつもは率先して周囲を盛り上げようとする癖に、彼が静かでも居心地の悪い空間にならないのはなぜなのだろう。

思い出したように、須賀が呟く。

「いよいよ白糸台にリベンジですか」

「次の試合に勝てれば、な」

あまり考えずに言った言葉だった。

6/6

「 勝ちますよ」

間断を置かずに返ってきたその言葉に、私は貫かれた。
須賀はただ当たり前の事を言ったまでだと言わんばかりに、視線をこちらへも向けず海を見ている。
思わず盗み見たその横顔に当たる海面の反射光は迸る自信のようにも見える。

今度はしっかりと私の目を見て須賀は言う。

「絶対に勝ちます」

――その言葉が何物にも代え難い味方だ。
気を抜くと緩んでしまいそうになる頬を誤魔化す為に大仰な動作で私は髪を結い、眼鏡を掛けた。

これで意志は固まった。

「……行くぞ、京太郎」

私の言葉に京太郎は一瞬驚きの表情を浮かべるが、いつも以上の気合いで応えた。

「はい!」

1/10

咲「京ちゃん遅いなあ……」

久「まこは家の手伝いって聞いてるけど須賀君は聞いてないわね……まあ、四人揃ってるし優希のタコス充填が終わったら始めちゃいましょうか」

優希「う……」

和「どうしたんですか?優希」

優希「……今日はもうお腹いっぱいだからタコスはやめとくじぇ」

和「……どこか具合が悪いんですか?保健室まで付き添いますよ」

優希「のどちゃん!なんちゅう言い草だじぇ!」

和「す、すいません……優希がタコスを残す所なんて初めて見たので……」

咲「あはは……確かに……」

優希「咲ちゃんまで!私はどんな目で見られてるんだ……」

和(呪われし……)

咲(タコスの血族……)

2/10

久「でも、なーんか不自然よねぇ」

優希「部長!」

久「そもそも持ってきたタコスの数自体いつもより少ないみたいだし。その上一個残すなんて」

和「優希……もしかして……」

咲「タコス……飽きちゃったの?」

優希「天地が逆転しようとそれだけは絶対にないじぇ!」

和「じゃあ、どうして……」

優希「…………から」

咲「え……?」

優希「体重……増えちゃったから……」

咲和久「……あー……」

優希「あっさり納得すんなー!」

3/10

久「まあ、今までが食べ過ぎだったし、多少はねぇ」

和「頑張って下さいね、優希」

咲「応援してるよ!」

優希「……暖かい声援に少しイラッとくるのはなんなんだろうな」

久「ところで優希。この一個だけ余ったタコスはどうするの?」

優希「捨てるのは勿体無いし、食べたい人にあげるじぇ」

咲和久「じゃあ……」

咲和久「…………」

咲(あ、あれ?もしかして……)

和(まずいですね……)

久(へぇー……)

咲和久(みんな狙ってる?)

4/10

咲(今日は寝坊してお弁当抜きだったし……和ちゃんが半分分けてくれたから助かったけど、ちょっと物足りなかったよ……)

和(咲さんにお弁当を分けた事は良いんです……でもこのタコスは話が別です)

久(議会の仕事で急いでお昼済ませちゃったし、ちょうど小腹が空いてたのよね)

咲和久(だから、このタコスが食べたい……!)

咲(でもなぁ……)

和(がっついてると思われるのは……)

久(女子としてどうなのよ……)

5/10

咲「和ちゃんってさ……本当にスタイルが良いよね」

和「……はい?」

和(突然なんの話ですか……?)

咲「やっぱり、食べ物とかにも気を使ってるんだよね?」

久(この子……褒めるように見せかけて釘を刺した!?暗に『だから高カロリーなタコスをおやつにするなんてありえないよね』と和にプレッシャーを!)

和「……そんな事ないですよ、確かに最低限の栄養バランスは気にしていますが。それに私、昔から――」

咲(……しまった!)

久(これは!?)

和「――食べた物が胸に行ってしまうんです」

咲(やられた……)

久(『本人にとっては自虐でも他人からすると自慢』の典型!しかも和のスタイルが何よりの証拠!それにしても、貧乳の咲相手にこの発言……和、本気なのね……)

和(はしたない発言です……それに私、咲さんに酷い事を……ですが、それでも)

久(でも――)

久「――和。良いの?」

和「……え?」

久(――通らないな)

6/10

久「また胸が大きくなったりなんかしたら、ますます須賀君に嫌らしい目で見られちゃうわよ」

和「そ、それは!」

久「ていうか、お腹空いてるから私が食べて良い?」

咲和(ド直球!)

咲(そもそも食い意地が張ってると思われたくないからこんな争いしてるのに!?)

和(しかも先輩の頼みだから後輩の私達では断りにくい!)

咲(ここで部長と同じ主張をしても、さっきまでの『別にお腹減ってないけど皆がいらないなら食べても良いですよ』的態度が足枷になる……)

和(勝負ありですね……)

7/10

久「んじゃ、いっただきまーす♪」

咲(ああ……京ちゃんのタコスが……)

和(おいしそうです……)

久「須賀君も腕上げたわねぇ……前に味見した時の奴とは段違い。優希が食べ過ぎるのもわかるわ」

咲「……和ちゃん。さっきはごめんね……」

和「いえ……私こそ……」

咲「……お腹空いたね……」

和「……はい……」

8/10

京太郎「こんちわー」

優希「京太郎!遅いじぇ!」

京太郎「わりーわりー……って半分くらいはお前の責任だっつーの」

優希「なにー!?」

京太郎「そんなにタコス作んなくて良いなら事前に言っといてくれよな」

優希「う……ごめんなさい」

京太郎「余ったタコスを知り合いに配ってたから遅くなったんだよ。……結局残っちまったけどよ」

久「あら須賀君こんにちわ」

京太郎「こんにちわ、遅くなってすいません……って、それ」

久「美味しく頂いてるわ。前よりずっと腕上げたわね」

京太郎「ありがとうございます……おいこら優希」

優希「重ね重ねすまん……」

京太郎「まったく……」

9/10

咲「京ちゃん……」

和「須賀君……」

京太郎「おう咲、和……そんなフラフラしてどうした?」

咲「タコス……余ってるの?」

京太郎「あ、ああ……」



咲「ちょうだい!」

和「下さい!」

京太郎「え」

咲「ちょうだい!」

和「下さい!」

京太郎「お、おう」

10/10

咲「和ちゃん……!」

和「咲さん……!」

京太郎「俺のいない間にお前ら二人に何が起こったんだよ……ほれ」

⊃タコス(一個)

咲「……和ちゃん……」

和「……咲さん……」

その後、二等分しました。

投下終了

基本不定期更新です

1/3

コクン、コクンと列車の振動に合わせ、俺の隣に座る弘世先輩の体が揺れる。

「先輩?」

「……なんだ?」

「眠いんですか?」

「……いや」

そう言った途端、欠伸をかみ殺したのか、彼女の目尻に涙が浮かぶ。
いささかばつが悪そうに先輩は咳払いをした。

「別に無理しなくとも……」

「うるさい。無理などしていない」

ピシャリと言い放つと手元の参考書に目を落とす。
いつもの風景、いつもの弘世先輩だ。

2/3

使う路線が一緒なのに加え、部長としての雑務でつい下校が遅くなりがちな先輩と雑用で残る事が多い俺は一緒に帰る事が多かった。
まだほんの数か月しか同じ部にいないが、俺は弘世先輩が居眠りはおろか欠伸をする姿さえ見たことが無い。
下校中でも同じだ。常に参考書からは目を離さず、参考書じゃない時は麻雀の理論書をひたすら読み耽っている。
いつ休んでいるのか、以前から不思議だったが、どうやら先輩にも油断する時はあるらしい。

そして、また――

「今……寝てましたよね?」

「……寝てない」

「淡には言いませんよ」

「…………」

「もちろん宮永先輩にも」

「……写真、撮るなよ」

3/3

「そんなに信用無いんですかね……俺」

「ばか……冗談だ」

視界の横で舞ったのは先輩の流れるような黒髪だろうか。
コトン、と俺の肩に先輩が頭を乗せる。

「駅に着いたら起こせよ」

「はい」

「淡や照だけじゃない、誰にも言うなよ」

「はいはい」

「あと、写真は絶対に撮るな」

「……弘世先輩」

先輩は欠伸を一つした

「おやすみ、須賀」

「おやすみなさい」

しばらくして俺の耳元から聞こえる規則正しい寝息。
……少しだけ頭を撫でても、大丈夫だろうか?

1/8

prrrrr

「 はい、もしもし」

「突然ですが、ここでクイズです!」

「え」

「高校百年生級の実力を持つ白糸台高校麻雀部の女の子は誰でしょう!」

「……わかりません」

ガチャ

2/8

prrrrr

「ヒントは金髪!」

「マンションとか興味ないんで」

ガチャ

prrrrr

「正解はー!」

「オカケニナッタ電話番号ハ現在使ワレテオリマセン」

ガチャ

prrrrr

「キョウタロー!真面目にクイズに答えてよ!」

「夜中に知り合いから意味不明な電話をかけられる俺の身にもなれ!」

3/8

「尭深先輩はちゃんと乗ってくれたよー」

「今日、先輩がすっげぇ眠そうにしてたのはお前のせいか……」

「ほーんとキョウタローは空気読めないなー」

「……用が無いなら切るぞ。あっても切るけどな」

「ちょっと待ってよもう!」

「……なんだよ」

「今日って何の日か知ってる?」

「今日って、もう10時過ぎじゃねえか……明日の事か?」

「違うよ!明日の今日でもなく今日の明日でもなく今日の……あれ?」

「自分で言っててわからなくなってんじゃねえよ……わからん」

4/8

「今日はスーパームーンなんだってさ。一年で一番月が大きく見える日」

「へー、よくそんな事知ってるな。それで、それがどうしたんだよ?」

「窓の外にご注目ー!」

「窓の外って……」

コン

「来ちゃった☆」

「……おい」

5/8

以上が事の顛末。

とは言っても、こいつのお気楽かつフリーダム過ぎる振る舞いには慣れている俺にたいした驚きは無かった。

問題児係(弘世先輩命名)の名前は伊達じゃないのだ。

……だが、驚きはなくとも見過ごせぬ事がある。

淡を家へと送る道すがら、俺は彼女を問いただす。

「……夜道を一人で歩いてくるなんて、何考えてんだよ」

「だって仕方ないじゃーん。キョウタローをビックリさせようとしたらこれくらいは体張らないと無理でしょ?結局失敗したけど」

「そんな方向に努力せんでいい」

「へいへーい」

馬耳東風とはこの事か。

6/8

溜息混じりに見上げた夜空には淡の言う通り、いつも見るよりもだいぶ大きな満月がかかっている。

予想を遙かに上回るその美しさに俺は息を呑んだ。

月の光は白熱灯のそれよりも冷たく、蛍光灯よりも穏やかに俺達を照らす。

木にも、石にも、人間にも、光が染み込んでゆくような気がした。

「でもほら、得はしたでしょ?」

得意げに俺の顔を覗き込む淡に、苦し紛れの返事をする。

「……次からはちゃんと連絡入れてくれよ。俺が迎えに行くから」

「ぷくく……それってデートの予約?」

「てめーこのやろう」

7/8

ひとしきり笑った後、淡が突然立ち止まった。


銀色の月光を浴びて

「ねぇ、京太郎」

金色の髪を風に遊ばせながら彼女は口を開く




『月が綺麗ですね』

8/8

昔、知り合いから"その言葉"にまつわる逸話について聞いたことがある。
こいつの無闇矢鱈と自信に満ちた顔からは、この言葉が"そういうこと"を指しているのか判ずるのは難しい。
返すべきなのは好意か、それとも――

――どうにでもなれ。
からかわれていようがいまいが、俺にそれを見抜くなんて器用な事はできやしない。
いつだって俺が淡に返してやれるのは、本当の事だけだ。


『       』

俺の言葉を聞いた淡はただ黙って微笑んでいる。

そっと、俺と淡はお互いに一歩近づいた。



         ´          ` 、
      /              \
.     /   ,   | |   ト、      :.
    /  / /  | | \| \ /  |
    .′ /|../__`八 |  / __.Ⅴ   |
    |i  / _ \ヽ  / _\  |
    |i   { 〈 厄 ) }  { 〈 厄 )リ  |
.    八   >x 二/   \二vヘ、|
     ,.ヘ_人    v ア     >/´_ヽ
   /  、 > ≧=‐::r‐=:::ト< \/_∧
  ./ 、/ / x<  ._/  /ヽ∧   i
  /  / / ノ   \ ∨ /   } 、}   |

おやすみなさい

1/5

袋小路に薮小路

順路、迂回路、遠路に迷路

路地を歩けば隘路に通じ、街路を進めば帰路から逸れると――

まさに迷子の中の迷子。迷子インターハイがあればそちらの方でも宮永先輩はチャンピオンだと思います。

「そこまで言わなくて良いと思う」

迎えに来てみりゃ『喉が渇いた』って言うから、仕方なく俺が自販機行って戻ってきたら数十秒の間に消えたでしょうが、あんた

「たまたま野良猫がそこにいた」

……はい?

2/5

「私を呼んでいる気がした」

……それで?

「私は追いかけた」

……

「追いかけてる途中で気がついた。あ、そういえば私喉が渇いてたって」

…………

「そしたら今度はジュースを持って走り回っている須賀君を見かけた」

「良いな、私に一本くれないかな、と思った」

……そしたら途中で気がついたんですね?


「そう、私はお腹も空いてたことに」

そう、俺を待たせてたことに

3/5

「…………」

…………

「どうしたの?そんな複雑な顔して」

弘世先輩って、今まで大変だったんだろうなぁと思いまして……

「先輩を敬うとは感心。褒めてあげよう」

わーい、すっっっっごく嬉しいです

「あ」

……今度はなんですか?

「こんな所で立ち話してる場合じゃなかった。早く戻らないと菫に叱られる」

……そうですか……原点に立ち戻ってくれて本当に嬉しいです……

4/5

「ほら須賀君、早く行こう」

だからなんで当たり前のように変な裏路地とか行こうとするんですか

「?そこに道があるからじゃない」

……もういいから、俺に任せてください

ほら、ちゃんと手を握って

「……」

宮永先輩?

「手、初めて男の子に握られた」

不快でもちょっとだけ勘弁してください

こうでもしないと先輩がどこに行くのかわからないんで

5/5

「慣れてるの?こういうこと」

そんなに安々と女性と手をつなげる訳ないでしょうが

俺だって女性と手をつなぐのは初めてです

「そう」

……そんなに手に力込めなくても、離れやしませんよ

「気にしなくて良い」

そうですか……それじゃ、行きましょう

「うん――ふふっ――」


1/


恒子「という訳で始まりました!雀士マル秘ドッキリレポート!」

京太郎「どういう訳なのかはまったくわかりませんが始まりました」

恒子「実況は私、福与恒子と!」

京太郎「解説兼雑用兼いざという時の生贄……生贄?の須賀京太郎でお送りいたします」

恒子「いやー、ついに来てしまいましたね……普段は華やかな世界に隠れて窺い知れぬ、女性雀士達の赤裸々な素顔がお茶の間に引き摺り出されてしまう時間が!」

京太郎「そうですね。ところで福与アナ、俺の役職名におかしな所があるんですが」

恒子「それでは早速ドッキリについて説明いたしましょう!」

京太郎「あの生贄って……」

2/


恒子「まず、女性雀士の方々にはドッキリ御約束のウソ番組の収録予定が告げられています」

京太郎「世界の雀荘からという番組ですね。車窓とか街道ならともかく雀荘なんてそう変わり映えするもんなんでしょうか?ところで生贄って……」

恒子「雀士の方々には楽屋で待機していただきますが、ここがドッキリポイント!楽屋には暇潰しの為にweekly麻雀todayなどの週刊誌が置かれていますが、なんとそこにエロ本が紛れこんでいるのです!」

京太郎「良い大人にするドッキリじゃないですね……あ、遺書を書く時間を下さい。あと実家の両親に最後の電話を」

恒子「誰もが仰ぎ見る卓上の花達はこのエロ本にどういった反応をするのか!さあ、それではご覧いただきましょう!」

京太郎「あ、母さん?俺だよ、京太郎だよ。東京って怖い所だなぁ……」

恒子「最初のターゲットはこの人!」

三尋木咏

/: : : :/.:.::::::::l::::::/ |:::::::::::ハ::::::::::::::::::::ヽ::::\:::::::::::ハ:::::::.:.:l.:.:.:.:: : l: : |
: : : :/.:.:::::l::::l:::: 厂|`:ー::/、 l:::::::::::::::::::::| \:{ \,:斗-―:::.:l.:.:.: : : l: : |
: : :/..:.:.::::l::::l::::::| :!::::::::  ヾ:::::::::::::::::: |   ヾ/ヾ:|  }::::.:.:l.:.:.:: : :l: : |
: :i: : :.:.:::::l::::l::::::l_::::::::|  |:ハ:::::::::::::: |   \___ }:::: イ::.:. : : l: : |

: :|: :::i::::::::l::::l:::孑卞::::芋ミx′ ̄ ̄ ̄  ィ斧芋苡`V: / |::l.:.:.:: :l: : |
: :|: :::l:::::::::l::::|::込 |::::::::|じリ           ら{::::::リj 犲 |::l:.:./:::l: : |
:/|: ::::l:::::::::l:::ト:::::{ 乂::::|少          乂辷少 /   从::/: : l: : |
{ .!: ::::l::::::::::l:::::ヾ| |::::::::|                     /:::::/:: : :l: : |
| : :::::l/\l::「` |::::::::|      ,       〃〃   /::/::::::: :l: : |
| 从::::::\  \ヽ |::::::::|                  / ':::::::::::: : :l: : |
|  ヾ::人\  \|::::::/   、_____,       /::::::::::::::::::::/: : :|
|   .〉::::ヽ::\  \{     `     ´     <::::::::::::::::::>ヘ: : : |
  /:::::\::\::\  \::>       <::::::::::::::_彡 ':::::.:.:.:.}: : :|

3/


京太郎「横浜ロードスターズに所属し、過去に首位打点王とゴールドハンド賞を受賞、日本代表では先鋒も担当と、日本女子プロ雀士の中でもトップクラスの実力者ですね。
    また日常的に和服を着こなすという、ファッションにおいても注目度の高い選手です」

恒子「さあ、それでは!ドッキリスタート!」



ガチャ

詠『……』

恒子「ターゲットが楽屋に入りました!」荷物を置いて、椅子に腰かけて……」

詠『~♪』プラプラ

恒子「足をプラプラさせてます!」

京太郎「データによると三尋木プロの身長は145cmと同世代の20代女性の平均と比べかなり低めですからね、足がつかないのは仕方ないでしょう。」

恒子「しばらくお茶を飲んだりして寛いでいたターゲットですが、いよいよ雑誌の山に手を伸ばしました!」

京太郎「緊張の一瞬ですね……俺の命運的にも」

4/


詠『んー…………ん?んん!?』

恒子「気づいたぁー!」

京太郎「かなり戸惑ってるみたいですね。いつもの余裕溢れる姿からは程遠いです」

詠『……』パッ

恒子「扇子を広げて顔を扇ぎ始めました!むむむ……流石は三尋木プロ、一瞬でいつものペースに戻りました」

京太郎「……三尋木プロの顔を見てください。むしろ何か始まってますよ」

恒子「あれは!?」




詠『…………』バッサバッサバッサバッサバッサバッサバッサ

恒子「耳が真っ赤です!表情はいつもと変わらないのに耳だけ真っ赤!そもそも室温はそこまで高くないのにさっきから扇ぎすぎです!」

京太郎「育ちが良さそうですからね、ああいったものには耐性が無いのでしょう。しかし、自分のスタイルを崩すのは癪なのでなんとか取り繕いたいのではないかと」

5/


詠『はぁ……』

恒子「落ち着いたみたいですね……扇ぐのを止めました。手持ち無沙汰なのか他の雑誌を読み始めました」

京太郎「それでも視線はチラチラとエロ本と手元の雑誌を往復しています。ヤバいです可愛いです」

恒子「おーっと!ここでまた動きが!」




詠『っ…………』チョンチョン

恒子「なんと!扇子を使ってエロ本のページをちょっとずつ捲ってます!」

京太郎「捨てられたエロ本のページを蹴って捲った小学生の時を思い出しますね」

6/


詠『……わひゃっ!?』

恒子「急に過激なページが来たのか、思わず両手で目を覆った!」

京太郎「ヤバいヤバいこのままだと好きになっちゃう」

詠『うー……』

恒子「部屋の中をぐるぐる歩き始めました!見た目は子供、心は思春期!その名は三尋木咏!」

京太郎「本格的に余裕が無くなってきたようですね。もはや顔を扇ぐ事もしなくなりました」

恒子「それではそろそろネタバラシをば。須賀君、この看板を持って三尋木プロの元へ」

京太郎「ここにきて俺ェ!?嫌ですよ!他のスタッフさんとか」

恒子「須賀君、いけ」

京太郎「……はい」

7/


咏「はっー……はっー……」


バァン!


咏「うわっ!」

京太郎「ドッキリ大成功ー!」

咏「……」

京太郎「大成功ー!」

咏「…………」

京太郎「だいせい……こう……」







咏「――京太郎よ」

8/


京太郎「あの……ドッキリ……」

咏「見てたのか?」

京太郎「俺はそのですね……呼ばれただけというかなんというか」

咏「見てたんだな?」

京太郎「自発的に参加したわけでは……」




咏「――見たな」

京太郎「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

9/


恒子「えー、三尋木プロより伝言です。『あんな醜態を曝すとは私もまだまだだねぃ。恥ずかしいけど面白おかしくイジっちゃってよー、知らんけど。あと須賀は死ね』」




京太郎「彗星かなぁ?違うよなぁ、彗星ってもっとバァーって動くもんなぁ」

恒子「えー……先ほどの放送で、皆様のご家庭に、社会倫理を無視した映像が流れてしまった事を深くお詫びいたします」

京太郎「なんだか息苦しいなぁ」

恒子「気を取り直していきましょう!次のターゲットは!」

京太郎「おーい、出してくださいよ。ねぇ」

↓2


てるー

>>93
すいません、説明が抜けてました
女子プロ雀士でお願いします

↓2

安価ならのよりん

>>97
了解しました
いつになるかはわかりませんが、野依プロで

途中まで咏ちゃんが詠ちゃんになってた事をお詫びいたします
それでは、また

          _

     , - ,r ´    て ̄ヽ=-
   /  ̄  ヽ  r ⌒ `Y_丿___ニ、
  /        }( ー' , ー' ̄ `゙`ミ、ヽ
  l        l/ T  ,ィ=-    、.i_
 f ゝ      .八(ヽ!        ヽ i.! ヽ   _ -, -──‐-、
. ゝ  > __ . イ| .| ヽz=-ミ    __  !!   ! / /: : : : : : : : : \.    | _|_   |_L   /
 ( ー zイ  .ミ.l  ! ヲ んィ:i!`   ,r'心}.!   /  ' ___: : : : : : : : : ヽ   | _|    ̄|  _ノ  (
   ー' Y⌒ヽ ! .! ゝ弋_:リ    l!ィ爿.!/   /:::::::::::::, '´ ゙̄ヽ: : : : : '.  レ(__ノ\  |     \
      ヽ   | .!  ''''     , ゙'' '´       |::::::::::::::{:::::::::::::::}: : : : : :|
       ー-、.| .!    , -r‐'了        |:::::::::::::: 、::::::::::ノ: : : : : :| ,―┴┐ -/─   ─┼─ |   ヽ -/─  / ̄\  │─
            )! !:.   、_|::::::|        ∨:::::::: '´ ̄: : : : : : : :/ ヽ| 三l_  / __| ヽ   ゝ  |    | / __|  |  |  | __|  ───
         _|.ヽ! 、    ヘ_::::\__    \'´ : : : : : : : : : : /  ノ| '又 '  (___ノ\ ヽ_   ヽ/    (___ノ\ ヽ-  ' (___ノ\
        / \   /、 ̄   ! ̄::>ヘ、 ̄¨''¬ー- 、 _____, '´
   , - ´ \  .\ ;ハ 、   !.::./ .二\
 <       >.-::::‐.h::‐:....、>、 |.:/  -‐、∨
/  .ヽ     {::::::/:::Πヽ;::/   {   ィヽソ|


1/4


和先輩がおっしゃるには、自分がどうしてその牌を切ったのか、過去の自分を意識しながら打つ事が重要らしいです。
なので、その日どういう対局をしたのか、 調子はどうだったのかについて記録をつける事にしました!
このノートが一冊埋まる頃には新生夢乃マホの誕生です!

【記録者:夢乃マホ】


その心掛けは立派だと思うし、有言実行ですぐに始めるのも良いと思う。
……だが、なぜそれを俺の所に持ち込むんだ。 あとなんだ採点者って。

【採点者:須賀京太郎】



「和先輩のお邪魔はできないので……」

「俺なら良いのかよ!」

2/4


今日はチョンボばっかりでした……
ムロ先輩や優希先輩の言う通り、もっと基礎から頑張らないと!
それより!学校からの帰り道でよく見掛ける猫さんに初めて触れました!
首輪がついてるからどこかの家の子なのかな?すっごく大人しくてマホが抱き上げても暴れたりしないんですよ!
かわいかったなぁ……
そういえば須賀先輩はカピバラを飼ってるんですよね?
カピバラって撫でたり抱き締めたりしても嫌がったりしないんですか? すっごく気になります!

【記録者:夢乃マホ】



麻雀ほとんど関係ねぇよ! お前の日記帳じゃねーか!

【採点者:須賀京太郎】



「ダメなんですか!?」

「むしろ、なぜ大丈夫だと思った」

3/4


今日は須賀先輩の買い出しにお供しました!
先輩はそんな暇あるなら自分の練習をしろって言いますけど……本当は後輩であるマホ達がすべき事なんですからね?
せめてお手伝いはさせて下さい。
それにしても、やっぱり須賀先輩はすごいです!
マホじゃ持ち上げる事もできない荷物を一人で幾つも持って平然としてるなんて!
優希先輩が一家に一人京太郎っていうのがわかった気がします!

【記録者:夢乃マホ】

百歩譲って、麻雀に関する記述が全くないのは良い。
でも雑○の部分##で俺を褒め$%は止め>(文字がふやけて解読困難)

【採点者:須賀京太郎】


「須賀先輩……」

「…………」

「……キョ、京チャン!元気出シテ!」





「お前が原因だコノヤロウ……」

「痛いですー!マホのほっぺたはそんなに伸びませんー!」

4/4

今日はなんと、モノマネなしで初めて最下位を回避しました!
須賀先輩とマホと優希先輩と和先輩の4人で打ったんですけど、すっごく嬉しいです!
チョンボだって一度も無かったんですよ!
やっと練習の成果が出てきたみたいです!
この調子で、マホも先輩方みたいになれたら良いのになぁ。

【記録者:夢乃マホ】


最下位回避って三位だろうが。……まあ、四位が俺なんだけどな。
……とにかく、おめでとうマホ。このまま努力を続けていけば、絶対にもっと強くなれるよ。

【採点者:須賀京太郎】

「わぁ……!」

「どうした?」

「初めて先輩に褒められた気がします!」

「初めて後輩を褒めた気がします」

「真似しないでくださいー!」

「ははは……マホ」

「はい?」




「よく頑張ったな」

「……!はい!」

マホと京ちゃんは阿智賀ポータブルでも出番があるのでしょうか?

                     /:::ヽ

         , -..''::":: ̄: :`: . 、  /:::::::::::::ヽ
       /: : : : : : : : : : : : : : ヽ/::::::::::::::::::::',
     , ': : : : : : :/: : : : : ヽ: : : :/::::::::::::::::::::::::l

    /::/::/:/:/: :l::| /: l、: : :i: : : l: : : --――''

    ,,",':.,',':.|l:.|: ::! !'l: : |_ヽ: |: : : l::::::::::::::`..、
    li i: l、|:.l `ヽ::| l l、: :! `l: |: : : ヽ:::::::::::::::::l
    ' lヽl:.l、|     ` l l:/l::l: /: \:::::::::::/
    l: : :.| ''"`    == 、/'_|/: ::/  ヽ_/
     |: : :.|""  _'__ "" ゙ -,`/:i
    ,',: : /ゝ、  、 __ノ   ,,-,,'l: :l::|
   / l: :,'l: :l :`r r 、_ ,, イ_/ノ lノ`

   ,'  l: |`_l_l`l l. | |-、/ ヽ__
     ヽl l l |_| | | |、"、   ,, ィヽ
      /! _ -' |_i-、゙_-,// | |

       /_| l, -''" ヽ  /'   ! !
     / l ヽ_ヽ, -''"`ー'- 、  | _ゝ
     | ヽ___,,/、      ヽ i´
     ヽ_ , ''  \      /
       /        ヽ__ /l
.      /               l
    /             ',

100%無いけどもし新作で京ちゃん操作キャラなら5本買うことも辞さない
まあ無いんだけどな(´・ω・`)

京ちゃんの「ツモ!」や「ロン!」が聞けるとか最高なのにね…

1/

じっと彼の顔を見る。
色素が薄いせいか、陽に照らされると金色にも見える柔らかな髪。髪の色に合わせたかのような男子にしては色白の肌。
遠目からは女の子と間違われそうな顔立ち。
いつもはシロや胡桃、豊音に振り回されてて、年齢よりも大人っぽい――もとい苦労人な雰囲気の須賀君だけど、
こうして目を瞑って静かに寝息を立てている姿は年相応の15歳の男の子そのものだった。
普段、真正面から人の顔を見る機会などあまり恵まれていない為、もう一回私はじっと見る。

あと一回見る。

最後の一回見る。

……御馳走様でした、じゃない。

そもそも普段の彼なら、部室で無防備に寝ると、胡桃には叱られ、シロには座椅子代わりにされかねない事をよく知っている為、決して寝ない。
ならば、なぜ今、須賀君は優雅ささえ感じるほどに悠々と部室のど真ん中で寝ていらっしゃるのか?

……そうです、私が犯人です。

トシさんに急な都合ができてしまい、最近の根の詰め具合も考慮して臨時の休日にしてしまおうと決めたのが一昨日。
須賀君を除いた皆に連絡したのが昨日。
須賀君に連絡し忘れた事に気づいたのが三十分前……

2/4

自分のミスに気がついた私が上半期でも三本の指に入るくらいの全力疾走で部室に来ると、彼は既に寝ていた。
待っている時間を無駄にせず、きちんと掃除された室内や整理された備品がまるで私のマヌケさを咎めているようで非常に心苦しい。

――本当、ごめんね

いつも麻雀部の為に働いてくれてる須賀君にこそ、休日が必要なのにね。
彼のためにも早く起こしてあげて一緒に帰ろうかな、と思っていたのがつい数分前。

そして、今。

――なんじゃこれ!

この肌の綺麗さ!私達女子がその肌を維持するのにどれだけ血道を挙げているのか彼は考えたこともないだろう。
睫毛長い!「アイプチ?アイコラの一種ですか?」とのたまった彼がそんなものを使っているわけがない。
ところでアイコラってなんだろう?

最初の頃に彼に抱いていた謝意はすっかり立ち消え、今の私の中には訳の分らぬ怒りが渦巻いていた。
いや、訳が分らない訳じゃ無い。原因、もしくは由来とおぼしきものはある。
彼の苦労人ポジションは変わっていないけど、ここ最近は胡桃やシロと一緒になって私に変なことを言ってくるのだ。
前は一緒になってイジられてたというのに、である。
それだけ皆と仲良くなったって事なんだろうけど、一応立場的には部長である私にしても良いのかな?

そんな私の気も知らないで爆睡して――

――よし!ちょっとお灸を据えなきゃね……

3/4

物理的に痛い事は絶対に無し。無論、須賀君の名誉に傷がつくような事も。
つまり、二人の間で終わって、なおかつ私の溜飲が下がり、須賀君がギャフンと言うような事。

……あった。
前に須賀君がいつも以上にダルンダルンなシロにおんぶをせがまれた時のことだ。
あの時の須賀君はいつもの快活さからは程遠く、胸が背中に着くでしょうが、とかなんとかごにょごにょ言って逃げたんだっけ。
攻められると弱いという須賀君の弱点。思春期と言ってしまえばそれだけだけど、ある種の美徳でもあるそれを利用させてもらおう……


作戦内容を考えると、私は早速準備のために――




――脱いだ


靴下を

4/4

作戦はこうだ。

靴下とか脱げてるし、服もあちこち乱れてる私→須賀君、起きる→さっきは激しかったね……→ななな何言ってるんですか!→やーい引っかかった

素晴らしい。これなら須賀君もさぞや慌てふためいて――
――そこで私は正気に戻った。
あれ?私、実は思ったよりアホ?発想が一昔前のトレンディードラマ?

なんだろう……冷静になったらすっごく馬鹿な事してる気がしてきた。
そもそもこれは、物理的に痛い訳じゃないけど、(私が)痛いんじゃないだろうか?そりゃ、須賀君も慌てるけど、私が失うものが大きすぎる。
うわぁ……あきらめよう、平穏に生きよう。
そう私が決めて服を着直そうとした、まさにその時

ドアが開いた。

「ノート部室に忘れちゃったよー……あれ?塞と須賀君?なんでいるの?その格好は……」

豊音の視線が私と須賀君の間を往復すること、数十回。
その間、私が考えた言い訳の数、数百個。
須賀君の寝息三回。

豊音は、ゆっくりと口を開いた。







「塞……秘密にするから大丈夫だよー」

「お母さんみたいな優しい笑顔で見ないでぇぇぇ!違うの!」

……ああ、やっぱり早く起こしとけば良かった。

姉スレの時といい、なぜ私が塞さんを書くとこんなんなってしまうのでしょう?

1/7


おはようございます、真瀬先輩

「……おはよ」

その日の朝は、真瀬先輩のいつもとは違う挨拶で始まった。
普段の真瀬先輩とは違う、固い――それでいて寂しげな表情。
俺の怪訝な表情に気付いたのか、挨拶を交わした後も言葉一つ残さず、逃げるように先輩はその場を立ち去って行った。
残された俺は呆けたように先輩の華奢な背中を見つめる。

――何が起こったんだ?

俺は自覚無しに、真瀬先輩に何か嫌な思いをさせてしまったのだろうか?
いや、もしかすると真瀬先輩だけじゃなく他の先輩方にも?

漠然とした不安感に襲われながらも、俺は次々と部室にやってくる先輩方に挨拶をする。

 おはようございます、上重先輩

「おはようさん、須賀君」

 おはようございます、絹恵先輩

「おはよう、須賀君」

 おはようございます、洋榎先輩

「おう、おはようさん」

 ……やっぱりおかしい

「え?なんでうち朝っぱらから後輩に喧嘩売られとんの?」

2/7


 いえいえ、洋榎先輩の事ではなくてですね、真瀬先輩の事です

「なんや?由子がどないしたん?」

 さっき、いつものように朝の挨拶を交わしたんですが、なんというかその……

 虫の居所が悪いと言いますか……まるで俺を避けているような感じがしたんです

「由子が?まさかぁ……由子が怒ったり、人を避ける所なんて一度も見たことないで」

 そうですか……俺の気のせいかな

「知らん間に壮絶なセクハラでもかましたんちゃうの?」

 ……壮絶なセクハラとは具体的に?

「女の口から何言わせようとしとんねん」

言えないような事を想像してたんか、あんた

3/7


そんな俺と洋榎先輩のやりとりを見守っていたのか、眉間に皺を寄せながら末原先輩が近づいてくる。

「朝から何やってるんですか、二人共……」

「お、恭子!おはようさん」

 おはようございます、末原先輩

「おはようございます。あ、そういえば須賀君おめでとう」

 はい?

あまりにも唐突な祝福に俺の目が点になる。

「知らばっくれるのがうまいなぁ。ほら、何か私たちに言うことがあるでしょう」

いつになく目を輝かせながら迫る末原先輩に、思わず頭を抱えそうになる。
……真瀬先輩の一件といい、今日はとことん厄日だ。

「まったく恭子は野暮なやっちゃな」

ちっちっちっと指を振りながらも末原先輩を制す洋榎先輩だが

「主将も知ってたんですか?」

「あったり前田のクラッカーや」

あんたもかよ。
あと古い、超古い。

4/7

そもそも"私たちに言うこと"とはなんだろう?末原先輩の表情から察するに悪いことじゃなさそうだけど






「それにしても、須賀が告白されるとはなぁ」

 ノーウェイノーウェイノーウェイノーウェイ!

「そんなにむきになって隠そうとしなくても」

 マジでないです!

照れ隠しとは思えぬ俺の剣幕に疑問を抱いたのか、先輩方は首をかしげる。

「……なぁ恭子、その話誰から聞いた?」

「……もしかして主将もですか?」

 ……ああ、大体わかりました

「呼ばれて飛び出ていくのん参上~」

赤阪郁乃監督代行。趣味は(おそらく)人を振り回す事。
やっぱりあんたか

5/7


「え~?だってガ~ス~が女の子と二人っきりでコソコソしてたの見たで~。あと何か手渡されてたやん?」

代行の言葉を受けて記憶を探る事、数秒。俺は思い出した。
確かに代行の言うような状況にはなった。だが――

 あれは俺の知り合いに渡すよう頼まれたもので俺宛だった訳じゃありませんよ

「うそん」

 ほんとん

無責任かつ適当な代行の反応を受けて末原先輩と洋榎先輩はやっと自分達の勘違いに気付いたようだった。

「このおばはんの言う事を素直に信じたうちらがアホやった……」

「右に同じです……」

「ていうかガ~ス~に告る女の子がいると思えへんしな~、いくのん失敗~」

「そうや!そっからおかしいやん!」

それを言ったら……戦争だろうが……!

6/7


ひとしきり言いたい事を言い終えると代行と先輩達は立ち去った。
……部活を始める前からなんで俺はこんなに疲れてるんだろう?
何はともあれ、いつまでもこんな所で油を売っている場合じゃない。
俺もその場を後にしようと振り返ると、

真瀬先輩がいた。

 ……

「……」

俺と真瀬先輩の視線はぶつからない。先輩の目線は出口を探すようにあちこちと彷徨う。
先輩はここで何をしていたんだろう?機嫌は直ったのか?そもそも、なんで怒ってたんだっけ?
怖い。沈黙が――先輩と目が合わせられない今この時が、怖い。

だけど、一番怖いのは、このまま先輩と何も話せなくなってしまうことだ。

腹に力を入れると、意を決して俺は口を開いた。

 ……あの!

「……あの!」

かぶった。

 ……先にどうぞ

「……先にどうぞ」

なんだこりゃ。これじゃあ、まるで――

7/7


俺と真瀬先輩は顔を見合わせ笑いあった。
他の部員が何事かと様子を見に来るのも構わずに。
――そして、笑いが治まると改めて向かい合う。

「……須賀君」

 はい

「ごめんなさいなのよー」

 わかりました

「……何も聞かないの?許してくれるの?」

 むしろ、俺が何かやってしまったんだと思ってましたから

「そんなことない!……私が」

 先輩

「……なに?」

 仲直りの握手で、手を打ちませんか?

「……うん」


長い間、牌を握り続けたために、少しだけ指の皮が固くなった先輩の手。
その手から伝わる力が少しづつ強くなるにつれて、先輩の表情は柔らかな笑顔へと変わっていく。
俺はただ、先輩の笑顔にいつまでも見惚れていた。

次鋒戦が始まりますねー
のよーの出番が少しでも増える事を祈ってます

1/5

俺が彼女を"女"として見た事が無いと言えば、嘘になる。
プライドの表れのようにも見える露出の多い改造制服。
短くとも癖っ毛のせいか、女性的な柔らかい印象のある髪型。
次いで個人的に挙げるなら――時折、無防備にちらつくヘソ周り。
このように、二条泉という少女の魅力的な点は思いつくまま適当に挙げるだけでも、3、4個はすぐに挙げられる。

ならば、なぜ俺が普段、泉に対して"そういう気分"にならないのかというと、同学年の気安さというか、泉と接している時の俺の気分が男友達とのそれに非常に近しいからである。
要するに俺は、泉との関係を男友達との関係の延長線上に据えていた。
決して、彼女の首から下の局所的特異性性差別的部位が同世代のそれと貧しいからとか、そんな下世話な理由では無い。たぶん。きっと。おそらく。

だが、そんな俺でも今の泉にはかなり"きている"のは否定できない。
普段のやたらと自信に満ち溢れた瞳は、嘘のようにしおらしく伏せられ、視線だけが捨てられた子犬のように俺と泉自身の足元をうろうろしている。
緊張の為か、ほの赤く染まった頬は泉が何かを喋ろうと口を開けたり閉じたりする度にせわしなくゆれている。
放課後の誰もいない教室という舞台も加わり、緊張した面持ちの泉に呼応するように俺の心臓もまた鼓動を速めていた。

――やがて、決心がついたのか、泉が俺と目を合わせる。

「……京太郎……」

その瞳から伝わる熱は俺の内側にまで入り込んできて

「……私と……」

次に聞こえてくるであろう言葉に対する期待感を否が応にでも高めた。


「……付き合ってくれへん?」









「え、やだ」

「は!?」

2/5


「待って待って待って……おかしいやん……おかしいやん、今の」

「え、やだ」

「二回も言わなくてええわ!」

なんということでしょう、匠の一言ですっかり泉の化けの皮が剥がれてしまいました。
このひどすぎる劇的ビフォーアフター。
数分前にこいつにちょっとドキドキしていた俺はなんだったんだろうか。

数十秒前とはうってかわって興奮する泉を眺めながら、俺は最初からあった違和感が正しい事を確信する。
やはり何らかの意図があったに違いない
いくら気安さを感じているからといって、俺には誰かの真剣な告白を茶化すような趣味はない。

まだるっこしいのも面倒なので、単刀直入に俺は泉に問う。

「そもそも、なんで唐突に告白なんかしてくるんだよ」

「えーっと……」

核心を突かれたのか、泉の目が泳ぐ。それは、さっきのような気恥ずかしさをこらえるような仕草ではなく、自らの醜態を隠そうとするようなものだった。
怪しい。滅茶苦茶怪しい。
これは船久保先輩のタブレットをポテチ食った直後の手でイジったのを誤魔化した時と同じ感じだ。

「ほ、ほら!女心と秋の空って言うやんか!昨日、突然京太郎への恋心を自覚したんや」

「……自分で言うもんじゃねぇだろそれ。あと昨日って……」

昨日の話題:カップヌードルのシーフードとカレーのどちらが雑炊に適しているか?

「…………」

「…………」

「……あの話がきっかけでな」

「苦しすぎんだろうが!」

3/5

「どうせあれだろ?知り合いに『麻雀部ッテ大変ソーダネー?遊ブ時間モナサソウダシ彼氏ナンテ無理ッショー』とか煽られたんだろ?」

正直、この言葉は一種のお決まりのギャグのつもりだった。
いつものように俺がボケ、いつものように泉がそれにツッコむという、いつもの光景。いつもの俺達。

だから、無言の肯定と受け取れるほどに、俺の言葉を受けた泉が顔を真っ赤にして全身を震わせた時、俺は――


笑った。


「笑うなや!そこは『仕方ないなぁ……じゃあ俺が彼氏役やってやんよ!』とか引き受ける所やろ!」

「……泉、お前高校何年生?」

「……は?あんたと一緒の高一やん」


ものすごく笑った。


「うがー!あんたに話した私がアホやったわ!

「まぁまぁ落ちつけって!…………クク」

「あんたなぁ…………もし、清水谷先輩に同じこと言われたら?」

「謹んでお受けするに決まってんだろーが。ていうか"役"じゃなくて本物を目指すね」

「本ッ当に腹立つなぁ!もう!」

4/5

これ以上は流石に可哀想なので止めておく。
演技から羞恥へ、羞恥から怒りへと、顔面温暖化三段活用を終えた泉が落ち着くのを待ってから話しかける。

「正直に話した方が良いんじゃねぇのか?相手の子だって他意があって言った訳じゃ無いだろ」

「むぅ……それはわかっとる……でも」

「でも?」

「……なんか悔しいやんか」

ぽつりと零れ落ちた泉の言葉。
その言葉に込められた想いは何なのだろう?
麻雀に打ち込む自分の姿を人にとやかく言われたくないからなのか、あるいは、単なる女の意地か。

だが、ふと俺は気がつく。
これが泉の強さの元なのかもしれない。
どれだけ些末な事にも倦まず弛まず妥協せず、自分の力を信じ、常に理想の自分へと近づこうとする意志。
他人の目には、生意気、負けず嫌い、鼻持ちならないと映るのかもしれない。
でも、彼女は、俺の見た二条泉は――



やっぱりおかしいから笑っておこう

「もうええわ!ちゃんと正直に話します!」

「ははは、悪い悪い……あ、そういえばさ」

「……何や?」

5/5

「お前、演技とか意外とうまいのな」

「……はぁ?」

「さっきの告白だよ。あまりにも突然過ぎて怪しかったからあんな返事したけど、正直かなりドキドキしたんだぜ」

「ああ、あれなぁ……あれは本番の――」

「本番?」









人が爆発する瞬間を、俺は確かに見た。

「―――――!うっさいぼけ!帰る!」


今日一番の赤い顔をしながら教室を飛び出る彼女の背中を俺はぼけっと見つめる。

――本番、か

泉が置いていった鞄を持つと、俺も教室を出る。
泉が途中で鞄が無い事に気づいて戻ってきた時に渡そう。

――いや、走って渡しに行く方が良いな。

息が上がった事にすれば、俺の顔も赤くなってる事に言い訳がつくだろうから

書くネタはたくさん思いつくのですが、文章に出力しようとすると齟齬が生じる日々
莉子ちゃん、モモと書き上げてもしっくりこなくてボツったのが多いですね
あと、最新号のはやりんが想像以上に想像以上でドッキリの草稿を改訂してました

のよりんの投下は気長にお待ちください

それにしても、このプロきつい……

                       __
                   .  ´        `  :、
                (⌒ヽ .:'    ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  ̄ ̄)
                ゝ /  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: f⌒ヽ  /
               /廴/ .:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.: ト、_,ノ ⌒ヽ
              / .:{ / .:.:.:.:/⌒  :.:.\.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.\  ト-イ.:\
          / イ人{.:.|.:.:.: |   \:.:.:.\.:.:.:.:.:.:|.:.:.:|`¨´ У.:.::.:.:.
            /// .:.:ハ`|人≫=ミ、  `¨≫=ミ、 .:!.:.: |.:.:.:.| i.:.:.:.:.:.:.|
        ///.:.:.:.:.:.|.:l: 〉{ んハ     ん ハ Y}-、l.:.:.: | |.:.:.:.:.:.:.|
        〃 { .:.:.:.:.:.|.:| ハ 弋rソ    弋_rソ :|:|ん} .:.: | |.:.:.:.:.:.:.!
        {{  ヽ.:.:.:.:.|人 } .:.:.  '    .:.:.:.  }:}, イ.:.:.:.:| | .:.:.:. /
         ヾ.  } .:.:.:| .:.:.込、   ( ̄ )    イ/:|.:.|.:.:.:. | |.:.:.: /
              | .:.:.:|.:.:.:.:./.:.:`> . __   イ‐/、:|.:.|.:.:.:. | |.:.:./
              |.:.:.:/ .:..:/.:.:.:.:.ハ ‘┴─/ /`ヽ .:|.:.:.:. |人:.{
            ノ .:/ 厂二ニ=┘}  }.........{  {   }‐く二二「}\、
            /: / .:辷ニ=7 人__丿......人__廴ノ { てYV〉 \ 、_, イ
    ー==彡'  /:/ {_,7 /........................ , ┘  {__)....ヽ   `ー一'′
          /:〈...../    \.....Y....../     `ヽフ........〉

乙ー
あくまで断片なんだから地の文なしの適当でも良いと思うけどね
後ボツネタも下さい

1/4

その帰り道を選んだのは"なんとなく"だった。
ただ、今日の対局で一度も泉の順位を上回る事が無く、一日中あいつのドヤ顔を目にする羽目になったとか――
船久保先輩のデータ整理につき合わされて死ぬ思いをしたとか――

――そういう出来事でクサクサした頭の中を入れ替えたいから、気分転換にいつもと違う道で帰ろうと思っただけだ
虫の知らせとか、そういう第六感めいたものがあった訳ではない、決して。
そう、予定外の行動だった。





そういう予定外の行動をとったからこそ、俺は道に迷った。



――どこだよ、ここ……

歩き疲れた足は既に棒を超えて鉛のように重くなっていた。
目に入る度に見覚えの無い街角には何の親しみも気安さも無く、むしろ俺の不安感を掻き立てる。
携帯は充電切れ。タクシーに乗れるような金も無ければ、道を聞ける人も見当たらない。
認めたくない。認めたくはないが――

人、その状態を迷子と言う。

……認めたら認めたらで更に気分が重くなるのが迷子の恐ろしい所だ。
どん底にまで落ち切った気分が、平時なら絶対に考えない、ありえないほど馬鹿馬鹿しい想像を呼ぶ。


このまま家に帰りつかなかったら?
このまま体力が尽きて途中で倒れてしまったら?

『――男子高校生、行き倒れ。原因は迷子』


――ああ、もっと親孝行すれば良かったな

ついでに泉にも優しくすれば良かった。

あと、一回くらい清水谷先輩の膝枕を堪能――

「いや、そこは私専用やし」

……ああ、ついに幻聴まで聞こえてきたな

「誰が幻聴やねん。勝手に人の存在を亡き者にせんといて――最も、本当の意味で亡き者になりそうやけど」

幻聴にしては発言がとんでもない。
というか、このあまりにも不穏すぎるブラックジョークは!

「園城寺先輩!」

「よーっす、須賀君」

2/4


気だるげに、そして飄々とした感じで園城寺先輩が笑う。
その姿は校内であった時となんら変わりなく、偶然の出会いを必然だと錯覚させるほどに自然だった。

「こんちはっす」

「どしたん?こんな所で。ははーん……さては迷子か」

当たり前のように俺の現状を言い当てる。
この人の勘の良さは、もはや俺の理解の範疇を超えている。
さっきの発言だって、なんで俺が清水谷先輩の事を考えているとわかったんだろう?

「そら、女の勘って奴やな」

「……俺が考えてる事に返事すんのやめません?」

「白状すると、須賀君が発言しようとしてる内容の"先を読んでる"だけなんやけどな」

「スナック感覚で寿命削るの止めて下さい」

クスクスと笑う先輩の姿に、疲れも相俟って座り込みそうになる。
……駄目だ
この人と話してると、雲をつかむような会話しかできない。

だが、地獄で仏とはまさにこの事。
先輩ならきっと道を知っているに違いない。

「……俺の事はさておいて、園城寺先輩はここで何を?」








「迷子や」

……ん?

「すいません、もう一回良いですか?ちょっと聞き逃し「迷子や」」

…………んん?

3/4


「人ってこんなに顔が青くなるもんなんやなぁ……」

「なんで地元民が道に迷ってんすか!?」

「そらウチにも知らん場所くらいあるに決まってるやん」



地獄で仏に会ったと思ったら、鬼だった。

「鬼とは失礼やな……せめて三途の川の渡し守くらいに」

あまりにものほほんとした園城寺先輩の言葉につい口が滑る。


「だから寿命削んなよ!」





「ほうほう……先輩にタメ口とはええ度胸やなぁ?」

儚げな雰囲気に似合わぬゲス笑い。
まるで最初からこれを狙っていたと言わんばかりの表情に、俺は悟る。

――嵌められた



「お詫びとして……」

「……お詫びとして?」

にやり、と園城寺先輩が笑う。
……やばい、この流れは……
次の瞬間、先輩は視界から消え――

――ぽふりと、俺の背中に何か柔らかくて暖かいものが飛び乗った。

「先輩のタクシーとして頑張りや」

「……お詫びなんですかね、これ?」

……只今絶賛密着中の背中のアレとか

「ふふっ、正直者やなぁ。まぁ、せめてもの駄賃やね」

顔は見えなくとも、俺の耳元で聞こえる先輩の笑い声が今の彼女がどんな顔をしているのかを雄弁に物語る。

「ほれ急いだ急いだ。歩き疲れたし、はよ家に帰りたいんや」

4/4

確かに"お詫び"だ。
俺だって歩き疲れてるのに、人一人分の重さがプラスされるのだから。
普通だったら、それは十分に"罰"と成り得る
でも、背中から伝わる先輩の重さは同じ人間のそれとはとても思えなくて、俺に疲れよりも不安を強く感じさせた。
こんなにも暖かいのに、この人の体はあまりにも軽い。

――そんな俺の想いが、先輩の足を持つ手に力が入った事から伝わったのだろうか。
園城寺先輩はクスリと笑って、俺の首元にまわした腕に力を込めた。


「……苦しいっす」

「これくらい強くしがみついてれば、振り落とされることもないやろ?」

「……別に、何があっても落としませんよ、絶対に」

「ん……まぁ、信じとるよ」

少しだけ、背中の重みが増したような気がした。

俺は園城寺先輩を背負いなおすと、また一歩見知らぬ街を進む。






「ところで園城寺先輩」

「何や?」

「どの道を行けばいいんですか?」

「いや、だからわからんってば」

「……はい」

不定期とはいえ週二、三回は投下したいですねー

>>152
台本形式も好きなんですが、文章が下手糞なせいでついつい地の文に逃げちゃいますね
もっとお気楽にさくっと読める話を作りたいものです

           _
           \ヽ, ,、
                `''|/ノ
                |
         __     |
         \`ヽ、|

           \, V
              `L,,_
             |ヽ、)        ,、
             /        ヽYノ
               /       r''ヽ、|
            |        `ー-ヽ|ヮ
            |              `|
            |             |
               ヽ、           |
               ヽ______ノ
               / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
            '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
           / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
         /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.

         /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘
         {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
        rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{
        /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
        |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
        {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:
        乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
      /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|

     イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{         ┼ヽ  土  十
     ://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{          d⌒)   し   つ

1/7

マホ「おっはよーございます!今日もいい天気ですね!」

京太郎「…………」

マホ「優希先輩達はまだ来ていないんですね。今は須賀先輩しかいないんですか?」

京太郎「…………」

マホ「ムロ先輩はおうちの用事で今日はこれないみたいです。あ!それより聞いてください!」

京太郎「…………」

マホ「昨日、家でネトマしてたら天和和了ったんですよ!マホ初めて見ました!」

京太郎「…………」

マホ「写真に撮りましたから須賀先輩にも見せてあげて…………あれ!?残ってない!」

京太郎「…………」

マホ「ううう……すいません……でも本当に本当に和了れたんですよ?」

京太郎「…………」

2/7


マホ「あのー……先程からどうして何も喋ってくれないんですか?」

京太郎「…………」

マホ「……もしかして……」

京太郎「…………」

マホ「言葉が出なくなるくらいお腹が痛いんですか!?待っててください!すぐに保健室でお薬貰ってきますから!」

京太郎「…………」

マホ「貰ってきました!どうぞ!」

京太郎「…………」

マホ「あの……お腹痛くないんですか……?」

京太郎「…………」

マホ「あはは……マホの早とちりで良かったです……」

京太郎「…………」

3/7


マホ「……っ……あの……」

京太郎「…………」

マホ「マホが……何かしちゃったんですか……?」

京太郎「…………」

マホ「何か……しちゃってますよね……いつもいつも……」

京太郎「…………」

マホ「マホ……っ……いつも先輩に迷惑ばっかりかけて……」

京太郎「…………」

マホ「愛想尽かされちゃっても……しょうがないですよね……」

京太郎「…………」

4/7

マホ「もう……先輩に近づきません……」

マホ「でもっ……!でも!言葉を交わす……っ……ぐらいならっ!」

京太郎「…………」

マホ「先輩っ……!」






京太郎「あー……」

マホ「……!」

京太郎「……あれ?寝ちまってたかぁ……」

マホ「……」

京太郎「うわ……着けっぱなしにしてた……電池ほとんどねぇよ……」カチャ

⊃ワイヤレス式イヤホン

5/7

マホ「…………」

京太郎「んー……はぁ……お!マホは来たのか……ってどうした?」

マホ「………………」

京太郎「なんで泣いてんだよ?……何かあったのか?」

マホ「ううっ……!」


ドンッ





京太郎「おいおいおいおい!なんで抱き着いて――」

マホ「……」ギュッ

京太郎「おーい……」

マホ「……」ギュ―ッ

京太郎「なんだってんだよ……もう……」

マホ「……」ギュ――ッ

京太郎「はぁ……」ナデナデ


ガチャ!

6/7



優希「おタコようございまース!いやー遅くなったしまったじぇ!私がいなくてもちゃんと練習して――」

咲「ごめんね京ちゃん、遅くなっちゃって……図書室に本を返し――」

和「遅れてすいません……どうしたんですか?二人とも――」






京太郎【後輩に抱き着かれている】

マホ【先輩に抱き着いてる】

優希「」

咲「」

和「」


京太郎「…………あのな、お前らの想像するような「京ちゃん」はい……」





咲「……一緒に、麻雀、楽しもうよ」ニッコリ

7/7

京太郎「こんちわーっす」

マホ「こんにちわ!」

咲「…………」

優希「…………」

和「…………」

ムロ「あはは……」


京太郎「……なんかさ、最近部活内での俺の扱いがおかしいと思うんだ」

咲「そんなことはないと思うよ、ロリコンさん」

優希「そんなことあるわけないじぇ、ロリコン」

和「ありえませんね、性的倒錯者さん」

ムロ「あのー……皆さん、それくらいで……」

京太郎「ムロとマホ以外、お前ら全員鬼か……」



マホ「……!」バッ


京太郎「……どうしたマホ?いきなり手なんか広げて」





マホ「あの時のお礼です!今度はマホに先輩が抱き着いて良いですよ!」


京太郎「そ!れ!が!原因なんだよ!」

咲の新作はプロの過去編でしたねー
それにしても、のよりんが新道寺出身だったとは……
というか二十代後半だったとは……

   /: : : : : : : : : : :`ヽ、 /::::::::ヽ
  //:.:.:/:.:.:./:.:,:.:.:.::... :. .y'::::::::::::::|
 / / //.,イ.i:.:.;イ:.:.i:.ハ:.:i:.i:.:.:i:::ー=ニ二
 !./:.:i:.|:.i |ハ:.:| |:.:.!:|、|:.:!:.!:.:.:l:::::::::::::::|
 |ハ.:.:|:|:.!',二、! ヽハ|_|ナiメ!:.:.:|ヽ :::::::/
  |.i:.ヽ!ィf,´`!   'f,´`iヽ:.:リ:.:ハ:/
  |:|..:.:.| Uー'′,  ーU !ノ`)'

  |.|.:.:.|:! ""      "" ,、.イ|
  !;!、.:.!:i゙' 、  ~´~   /:.;ノ'"
  ノハ:.:|、!-ヘ〕ー-‐ 'i/ !ノ
 /⌒ヽヽ  `ヽ-、 ,_!ー-、

 !   i |i    ヾ ̄|  |iヽ

1/7

キーンコーン


京太郎「……あれ?おかしいなぁ……」

淡「んー?どしたのキョウタロー?」

京太郎「おう淡か。……いや弁当が見当たらなくてさ……あっれぇ?」

淡「家に忘れたんじゃないのー?」

京太郎「いや、ちゃんと持ってきたはずなんだよ。確か朝練で部室に着いた時、荷物を整理して……あー……あん時か」

淡「思い出した?」

京太郎「……部室に置き忘れた。めんどくせぇ……教室から遠いんだよなぁ」

淡「ぷくく……ご愁傷さまさまー」

京太郎「…………こんにあわあわー」

淡「――――――!!」バンバンバンバンバン

京太郎「ああもう……暴れんなっつーの」


ガラガラ


照「須賀君」

京太郎「あれ?宮永先輩?どうしたんですか一年の教室に」

2/7


照「君に用があって――これ」

京太郎「これって――俺の弁当じゃないですか」

照「朝練の時に部室に忘れていったでしょ」

淡「すごい……テル―が先輩に見える!」

照「そんなに褒めるほどの事じゃない」

京太郎「淡、いくらなんでも言い過ぎ。先輩、どストレートで馬鹿にされてますから」

照「とにかく届けたから。じゃ」

淡「えー!?せっかく来たんだからテル―も一緒にお昼食べようよー!」

照「私はもう食べた」

京太郎「珍しいっすね、先輩って確か購買派でしょう?……まぁ、いいや。とにかく、ありがとうございました」

照「ううん、こちらこそ」

京太郎「それじゃ、いっただきまーす!」

カパッ!






弁当「ナカニダレモイマセンヨ」







京太郎「」

淡「あれ?空っぽじゃん!」

3/7


照「……」

京太郎「……先輩」

照「なに?」

京太郎「なんすかこれ?」

照「お弁当箱」

京太郎「中身は?」

照「食べた」

京太郎「どうして?」

照「お腹が減って我慢できなかったから」

京太郎「……」

照「ごめん、一言謝ってから食べるべきだった」

京太郎「…………何が……一番おいしかったですか……」

照「卵焼き。個人的にはもっと砂糖が多めの方が良い」

京太郎「ははは…………そうですかぁ……そっかぁ!」

4/7


京太郎「返せよ俺の弁当ッ!出せ!今すぐ出せ!ペンギンの親から子への餌付け的なラジカルなメソッドで良いから出せよッ!」

淡(キョウタローが壊れるの初めて見たなー)

照「怖いよ、須賀君」

京太郎「腹が減ったからって手元にある後輩の弁当で平然と食欲を満たすあんたのが怖えーよッ!」

淡「もう……お弁当くらいでそんなに怒んなくても良いじゃん。ほら、私のお弁当分けたげるからさー」

京太郎「お前んちの卵焼きは塩だろうが!」

淡「……それが?」

京太郎「俺は!卵焼きは!砂糖じゃなきゃ絶対に嫌なの!」

淡(……空腹のあまりキョウタローがかつてないほどバカになってる)

照「須賀君、わかる」

京太郎「わかるじゃねーよ!ああ!?そういやあれか!さっきの『ううん、こちらこそ』って弁当の礼だったのか!」

淡「ううーん…………どーしよっかなー、これ……」

5/7


京太郎「とにかく弁償っていうか昼飯代下さいよ!俺金持ってないんすよ!?」

照「ごめん、今日は財布忘れたから」

京太郎「それが原因か!」



淡「ええっと――もしもーしスミレ先輩ですか?はい。テル―の事なんですけど」




京太郎「どうしてくれんだよ……俺の昼飯……」

照「ほら、元気出して」ナデナデ

京太郎「百パーあんたのせいだよ!」

ガラガラ

菫「須賀……」

京太郎「ははは……弘世先輩だぁ、どうしたんですかぁこんな所でぇ?もしかして観光ぅ?」

菫「…………想像していた以上に重症だな……とりあえず、昼食代は私が出しかえておくから。ほら」

京太郎「……!ありがとうございます!ありがとうございます!よっしゃ飯だ飯だ!購買行ってきます!」

淡「いってらー」

6/7


照「菫、ありがとう」

菫「……あのなぁ!ありがとうじゃない!後輩の弁当を無断で食うとは何事だ!先輩として恥ずかしくないのかお前は!?人類の所業か!」

照「深く反省している。今後は二度とこのようなことがないようにする」

菫「……ああもういいや。とにかく、後で須賀にはもう一度”ちゃんと”謝っておくように。いいな?」

淡「お勤めご苦労様です!スミレ先輩!」

菫「同情するならまともになれ、頼むから……」





照「?」

淡「?」

菫(須賀……早く帰ってきてくれ……)

7/7


京太郎「ただいまー。あれ?こんな所にいて先輩方のお昼の時間は大丈夫なんですか?」

照「私は「知ってます」……」

菫「……連絡を受けてすぐにこちらに向かったからまだ食べていない。弁当は持ってきているし、君達と一緒してもいいか?」

淡「もっちろん!」

京太郎「ええ、大歓迎ですよ」

淡「テル―も残るよね?」

照「私はもう教室に戻るよ」

淡「何でー!?おしゃべりだけでも良いから一緒にいようよー!」

照「……須賀君に申し訳ないから」

京太郎「…………もう怒ってないですよ」

照「…………」

京太郎「俺も気が動転して先輩に色々言っちゃいましたし……またこんな事やられるのは流石にアレですけど」

照「……」

京太郎「……せっかくなんですから、皆で一緒にいませんか?」

照「……ありがとう」







照「じゃあ、私はそのメロンパンで」

京太郎「言えば良いってもんじゃねぇよ!」

ほぼ勢いのみ
本編のテル―はこんな重篤なアホじゃありません

1/7


休みなく降り注ぐ雨は時間が経つにつれて坂を転げる石のようにどんどんとその勢いを強めていいる。

ガラスを打つ雨音が部室に横たわる沈黙を消してくれないかとも祈るが、耳に慣れてしまえば新たな沈黙へと変わっただけだった。

俺は部室の片隅にそっと目を遣る。

窓際に立ち、目を瞑ったまま動かない彼女の姿は雨を楽しんでいるようにも、俺と同じくこの居心地の悪い空気に気を揉んでいるようにも見える。

やけに様になったその姿に話し掛ける事を気後れするが、雨と同じく終わる気配の無い静けさに俺はいい加減辟易していた。

「……清水谷先輩」

「……ん?どうしたん?須賀君」

俺の声に笑顔で答える先輩。

だが、その笑顔にはいつものような朗らかさは無かった。

2/7


園城寺先輩が今日も練習を欠席する事が伝えられたのは朝練の時だ。自他共に認める病弱な彼女が突然の体調不振で練習に参加できなくなるのは決して珍しい事ではない。

清水谷先輩もそんな連絡を受ける度、心配そうにはするものの、それ以上の感情は表に出さない。

でも、今日は何かが違った――いや、違って当然だ。なぜなら、今日で園城寺先輩が練習に来ないのは三日になるのだから。

練習はひどいものだった。素人に毛が生えた程度の俺にもわかるような無様な振込――もたもたとのろつく捨て牌の選択――挙句の果てには見せ牌まで。

普段の姿からは想像もつかないほどに精彩を欠いた清水谷先輩の練習に、愛宕監督は怒らなかった。

ただ一言だけ、――誰にも聞こえぬように、そっと何かを――清水谷先輩に言った。

午後の練習の中止が告げられたのはそれからすぐの事だ。

理由はゲリラ豪雨による交通機関のマヒを予想しての事、らしいが、俺は素直に信じる事が出来なかった。


「……なぁ、須賀君……」

清水谷先輩が口を開きかけ、

「……なんでもない」

閉じる。

また、会話が途切れる。

彼女の声で途切れた雨音が、より一層強く俺の耳に入る。

3/7


清水谷先輩と部室で鉢合わせしたのは偶然だった。

朝の天気予報を信じず、傘を持ってこなかった俺は部室の置き傘を取りに行こうとと鍵の貸し出しを職員室で頼んだ。

しかし、返ってきた答えは『部室の鍵は清水谷部長が借りていった』との事。

『個人的な練習、データの検討』…………部長という立場から見れば別段、おかしくない理由だった。

――あの朝のやり取りを見なかった人間からすれば、ではあるが。

部室に入り、先輩の姿を見つけた瞬間、俺は何も言わず席に着いた。傘など、もはやどうでも良かった。

清水谷先輩も何も言わない。俺の行動を黙認しているのか、あるいはどうでもいいと思っているのか。

何度か清水谷先輩は俺に何かを言おうと口を開いた。無論、おれもまた雰囲気を和ませようと清水谷先輩に話しかけた。

だが、会話が広がらない。突風で花が散らされるように、ふとした瞬間、咲きかけた会話が終わってしまう。

そうしたやりとりを繰り返すうち、俺は持久戦を決め込んだ。

清水谷先輩が”何か”を話してくれるまで待つこと、最後までそれを聞く事を。

――そして再び、彼女は口を開く。

「……なぁ、須賀君」

「なんですか?」

瞬きほどの迷いの後、先輩は初めて続きを言った。





「うちは正しいと思う?」

4/7


その言葉が何を指すのか、何を意味しているのかくらい俺にだってわかる。

そして、なぜこのタイミングでこの言葉があふれ出てしまったのかも――

――わかるからこそ、答えられない。

「……監督に言われたんや。『お前が決めた事なんだからしっかりせい』って」


俺は


「怜を支えるって決めたのはうち……あの子の好きなようにさすことも」


こんなにも


「これが最後のインハイになるからって…………でもっ!」



「それで怜に何かあったら元も子もないやん……っ!」


俺はこんなにも、何も言えなかったのだろうか。


「怜が能力を使えば使うほど、怜自身の体に悪影響が出る……それをわかってて麻雀をやらせとるうちは正しいのかな?」

「本当は怜の意思なんか無視して麻雀から遠ざけなきゃいけないんやないか?」

「怜には恨まれるかもしれん……でもうち一人が嫌われた所でそれがなんや?怜が普通に生きていけるならうちは……うちは――」


「――わかんなくなったんや。何が正しくて、何が間違ってるのか」

「なぁ、須賀君。うちは正しい?このまま黙って怜のやりたい事に協力するのは本当に正しいんかな?」

5/7

そこまで言って、清水谷先輩は一言も喋らない俺の様子に気が付いたようだった。

戸惑いと申し訳なさと――僅かな失望を滲ませて、先輩は俺に謝る。

「ごめんな…………こんなこと言われても困るわな」

凍りついたように動かなかった窓際の立ち位置から清水谷先輩が動き出す。それは、話はもう終わったという無言のサインに違いなかった。

このまま行かせていいのか?




…………言いわけがないだろう!

俺は咄嗟に先輩の手を掴んだ。

「――――!……なに?」

……どんな言葉を掛ければいいのかなんてわからない。慰めればいいのか、励ませばいいのか。肯定すべきか、否定すべきかさえも。

先輩より二つ下の、ただの高校生でしかない俺は、こんな状況を丸く収める言葉なんて持っていなかった。

だが、言葉はなくても、意地はある。

「…………正直、先輩が正しいのかどうかはわかりません」

「…………」

「でも、これだけは言えます。先輩が決めた事を――その結果を咎める事ができる人間なんていない」

笑ってしまうくらいに幼稚な言葉でも、何も伝えぬまま、この人を行かせたくなかった。

「そんな奴がいたら俺が――いえ、皆が許さない。だから、先輩は自分が正しいと思うことをしてください」

「自分が納得できる選択が一番良いんじゃないでしょうか?」

6/7


清水谷先輩が俺の目を見つめている。

その瞳からは何も読み取れない。俺の想いは届いたのだろうか?それとも、馬鹿馬鹿しいと思われたのだろうか?

数時間に思えるほどの長い数秒の沈黙の後、突如、先輩が俺の顔にゆっくり自分の顔を近づけてきた。

これは、あれなのか?少女漫画的なあれなのか?

確かに下心が無いとは言い切れないけども!

でも、こんなにもいきなり!?シチュエーション的には完璧――って

――顔が――近づいて――綺麗な睫毛――透き通った肌――朱い唇――先輩は








「…………ぷっ」

笑い転げた。

「なんや、やっぱりいつもの須賀君やん。あんまりカッコいいこと言うからソックリさんかと思ったで」

「……ひどいっすよ。真面目に言ったのに」

落ち込むふりをしていても、俺の心中は穏やかだった。

――ああ、いつもの清水谷先輩だ。

「ごめんごめん!でも……ぷくくっ」

「……俺が真面目なこと言うってそんなにおかしいんですか?」

「いっつも皆に振り回されてる姿見てるしなぁ……でも、ありがとうな」

7/7

雨は上がっていた。

やはりゲリラ豪雨の名の通り、にわか雨だったらしい。

結果的に傘を取りに来たのは無駄だったが、ここに来た意味は確かにあった。

「そういえば須賀君、何でここに来たん?」

「置き傘を取りに来たんですよ。まぁ、この感じじゃ必要なくなったみたいですけどね」

「そうかぁ?あっちの方はまだ降ってるように見えるけど」

「マジっすか……あっちって?」

「ほら、あっちあっち」

先輩の指差す方を見ても、それらしい雲も何も見当たらない。

もう一度先輩に聞こうと振り向いた時だった。



再び、至近距離に清水谷先輩がいた。

固まる俺の頬を両手で挟み、吐息がかかるほどに距離を縮める。

ー―二度も騙されるか……だけど、これは

「……やっぱり、背伸びしても届かへんかなぁ」

ぽつり、とつぶやいた言葉の意味はわからい。

そのまま手を放すと先輩は部室の扉に近づいた。

「ほら!すっかり遅くなってもうたし、はよ帰ろう?」

「……あー……はい」

一体何だったのだろうか?……考えても無駄か。

荷物を取り上げると、俺も先輩と一緒に部室を出た。



――届かない、か

斉藤千和さん御結婚おめとうございます
それにても時事ネタとか一切やってないんですけど何かやった方が良いんですかね
遠い昔にとったのよりんの安価処理すらままならない有様なんですが
安価スレできる人ってすごいです

1/6


――須賀君についてどう思ってるか?

突然どうしたの?華菜

ふふふ……そうねぇ……

とても良い子だと思うわ。率先してお手伝いしてくれるし、練習にも熱心に参加しているし。

それに須賀君、うちの部は女の子の方がずっと多いのに、すぐに皆と仲良くなったでしょう?

もう華菜!ダメよ、そんなこと言っちゃ

私は……そういう風に人と距離を縮めるのがあまり得意ではないから……彼のあんな所、凄いなぁって思うの



――欠点?

そんな……ええと……強いて言うなら、皆の為に時間を割きすぎている気がするわね

男の子の力が欲しい時もたくさんあるから須賀君の助けは本当にありがたいけど……麻雀を始めたばかりの今だからこそ、誰よりも牌に触れている時間を増やすべきよ

だから、自分を蔑ろにしがちなのが彼の欠点なのかもしれないわね

2/6


――――福路先輩についてですか?なんすか、いきなり

だぁーちょっと!喋ります!喋りますから!もう……

うーん……なんていうか、凄い人ですよね

県下でも一、二を争う強さなのにそれをまったく鼻にかけないし、それどころか雑用まで引き受けてるでしょう?

凄い人って……単純な言葉っすけど福路先輩を一言で言い表してると思います

…………その上おっぱいまでデカイし

痛だだだだ!失言でした!すんません!

あと、福路先輩ってうちの部の皆から尊敬されてるじゃないですか

ただ強いだけじゃなく、いつも皆の事を考えてるからですよね

いや……違うかな……

もし、俺が福路先輩と同じくらい強くなれたとして、先輩と同じような事をしても、あれほどの信頼と尊敬は得られないと思います

先輩が先輩だから、ですよね

――――福路先輩の欠点、ですか?

欠点……機械音痴――はある意味チャームポイントだし……

……あ、そうだ。

福路先輩って、いっっっつも!雑用を勝手にやっちゃいますよね?

あんなもん俺とか他の一年に任せて下さいよ!俺達の練習時間を増やす為って、今年で先輩は卒業じゃないですか!

先輩こそ高校生活最後のインハイなんだから誰よりも練習しなくちゃダメでしょうに……

ああいう、皆の為に自分を犠牲にする所は直してもらいたいですね。

もっとも、本人には自覚が無さそうだし、楽しんでやってるから無理なんでしょうけど……

3/6


――好きな人?



――――好きな人ですか?










――そういうことって、私はあんまり……



――――俺は、います

4/6

――どうして、そんなこと聞くの?

……ごめんね……今まで、誰かと、その……お付き合いするとか、考えたことが無かったから……

ううん……気にしないで、華奈

でも……私が、男の子に好かれることなんてあるのかしら?

私は……取り柄とかもあんまり……麻雀以外にできることなんて、お料理とか家事くらいしかないから……

――え?須賀君?

……今日の華奈、何か変よ?もう……

須賀くんだったら、すぐにでも恋人はできそうね

さっきも言った通り明るいし、人とすぐに仲良くなれるし……

……うん……きっと…………

…………きっと……

5/6


――――答えといてあれですけど、なんでそんな質問を?

あーはいはい、なんとなくっすね。そーですねー

相手の名前は……答えませんよ、そんなの

池田先輩も知ってる人ですよ。たぶん、俺なんかよりもずっと……

大体、相手は俺のことなんて……何人もいる後輩のうちの一人としか思ってないですよ

……池田先輩がそういうこと言うとなんかおかしいですよね

わぁー!ちょっと!?調子乗りました!すんません!

――――…………

ははは……バレてました?

自分じゃ普通のつもりだったんですけど……

……俺だってわかってますよ。このままじゃ、あの人の隣に立つことなんてできやしないって

今は、”皆の内の一人”で良いんです……でも、いつか絶対にあの人に釣り合う男になって見せます

絶対に……

6/6

「……華奈ちゃん?どうしたの?そんな難しい顔して」

「……ああ、みはるん」

「何かあったの?私で良かったら聞くよ?」

「何かあったていうか………………にゃぁぁぁぁぁ!」

「か、華奈ちゃん!?」

「気が付いたらとっくに勝負が着いてた気がするし!でも……でも華奈ちゃんは往生際が悪いからあきらめないし!」

「えーっと……がんばって?」

「ありがとうみはるん!キャプテンにはもっとお似合いの人がいるに決まってる!例えば私とか!」

「…………結局何の話だったの?」

ボツネタのサルベージとかで時間食ってました
なんとか一週間に三回ぐらい更新できれば……

池田切ないなぁ……

池田の名前は華菜ちゃんだし!

>>228
咏ちゃんに続き二度目の名前間違え……
全国数千万人の華菜ちゃんファンにお詫びいたします

               ___

              ,..::';::;::::i、:::::、`ヽ
               /.._/!ハ;:、:!r:、....゙、 :: ヽ
            /ri,/フ'ハ、y | ゙、:::゙、::::...゙、
             /:::i  /  )    !::::゙、:::::::|
          i:::::|  |'   |  __ ∧:::::|:::::::|
      _ , -‐  ̄ _ノ-‐-、ヽ.  \ !:::|:::::::|

      /    ,..- ' 、`´ ̄`  \  `ー 、:|ソ
   /    / "レ'ヾiヽ__...::::'  |;\    \
.  〈   _ ノヾー-、-r‐--r-イ  / /7'   /
   `ー-、_ // ヽ i、、  /___/ ./ハヽ、. /|
     | `7/   iヽ、. | / ./=i  ヾ< iヽー┐
     |ノノ     Y\、レ/   ヾ/. `ー/ | ||
     `ー-r---、i  oY     ゙、ヽイ´  .| ||
          |    |    ハ      /-‐-、.|. ∥
          |   |   | i      |     ||
          |   |   o| ゙、      |      .||
          |..  |  |      .i       ||
          |     |   |       ゝ、    ||
          |   f-、  |      `ヽ    .||
          |   /   o|        ゙、   ||
_____ |   〈    .|       / >   ||
_____  ̄ ̄ ̄"""""ー――――-----、、、、、、、、

         ̄ ̄ ̄"""""ー――――-----、、、、、、、、

1/9

恒子「ねぇ、すこやん……なんか面白いものない?

健夜「いきなり家に押しかけといてその言い草!?」

恒子「んー……だってアラフォーと男子高校生の爛れた愛の巣を突撃レポートしようと思って来てみたら健全そのものだったしさぁ」

健夜「アラサ―だよ!ていうか!あああああ愛の巣とか……須賀くんとはそういう関係じゃないから!」

恒子「うん、知ってる」

健夜「じゃあやめてよ!」

恒子「まるっきり実家時代のすこやんと変わりないんだもん。お母さん役が須賀君に変わっただけで」

健夜(自然にスルーされた……)

京太郎「あはは……付き人としては喜んでおくべきなんですかねー」

恒子「ぶっちゃけさー、須賀君ってすこやんの事どう思ってんのよ?単なる雇い主?要介護者?でっかい子供?」

健夜「私に好意的な選択肢が一つも無いよ!?」

京太郎「……”大切な人”ですよ。どういう意味かはご想像におまかせしますけど」

恒子「これだよ……最初はからかい甲斐があったのに小慣れてきちゃってさ…………けっ!」

健夜(大切な人言われた大切な人言われた大切な人言われた大切な人言われた)

2/9


恒子「そういう訳でこっちとしては面白くないのー!せっかくの休日なんだからさ、もっと有意義に時間を使おうよ」

健夜「そんなこと言われても……あ!じゃあ三麻でも「命が惜しいからパス」「右に同じで」…………」

京太郎「うーん……でも麻雀以外ならトランプくらいしかやるものないですよ?」

恒子「トランプかぁ……ま、しゃーない。大富豪でもしようか」

京太郎「ルールは八切りはありで?」

恒子「うん。あと、革命、Jバック、階段、他には……すこやんは入れたいルールある?」

健夜「…………ごめん、こーこちゃん達が何言ってるのか全然わかんない……」

恒子「……」

京太郎「……」

健夜「……」

恒子「皆があまりやったことないゲームでやろっか!」

京太郎「良いですね!そうしましょう!」

健夜「やめてよそういう気遣い!地味に傷つくから!」

3/9

恒子「適当にググってみたけどさ、このインディアンポーカーって奴が簡単そうで良いんじゃない?」

京太郎「ルールは聞いたことありますけど、実際にやってみたことはないっすね」

健夜「どういうゲームなの?」

京太郎「えーっと……」


インディアンポーカーのルール(適当)

・山札からカードを一枚引いて、中身を見ないまま自分以外の人に見えるように額にあてる

・周りとの会話や反応で自分のカードの”強さ”を予想する(嘘、演技も有り)

・カードの強さは、Joker>K>Q>J>10>9~2>Aの順番でJokerが一番強い

・チェンジは一度だけ

※正式なルールとは違います。詳しくはググりましょう。



京太郎「ていうルールです」

健夜「それなら私みたいなアラサ―でもできそうかな……」

恒子「……」

健夜「何か言ってよ!恥ずかしいから!」

恒子「今のギャグだったの!?」

京太郎「カード引きまーす……」

4/9


恒子「むぅ……これは……」

京太郎「なるほど……」←8

恒子(須賀君の微妙な線だなぁ…………チェンジさせた方が勝率は上がるけど、それはあくまでも確率の話……次に8以下を彼が引いてくれる確証は無い)

恒子(それにチェンジに応じてくれるかわからないし、そもそも私のカードの強さがわからない……とりあえず様子見かな)

恒子(でも、その前に…………)






京太郎「なるほど……」

恒子「むぅ……これは……」←5

京太郎(福与さんのかなり弱いな……これならチェンジなしでいけるか?いや……油断は禁物。こういう時に限って俺が3とか引いてる可能性もある)

京太郎(様子を見る限りは微妙な感じだけど、大人の女性だからなぁ……騙し合いなら向こうの方が何枚も上手だ)

京太郎(でも、その前に…………)


健夜「ふ、二人ともどうしたの?そんな怖い顔して……」←Joker

京恒(あんたのが怖いわ!)

京太郎(最初からJokerってどういうことだおい!)

恒子(全盛期のすこやん見てるみたい……)

京太郎(なんとしてでも)

恒子(チェンジさせなきゃ……)

5/9


恒子「すこやんはチェンジしなくて良いの?」

健夜「直球!?少しくらい考えさせてよ!」

京太郎「……そのカードじゃちょっと厳しいんじゃないですかね」

健夜「須賀くんまで!もう……本当に?」

恒子(ナイスアシスト!ちょろいぞすこやん!)

京太郎「まぁ、嘘かもしれないですけどね。本当かどうかは小鍛治さんの御判断におまかせします」

恒子(揺さぶりまでかけてくるとは……末恐ろしいな!少年!)

健夜「どうしようかな……」

恒子「ところでさー、普通にやるだけじゃいまいち燃えないし、罰ゲーム有りにしない?」

健夜「ええー……」

京太郎「内容に依りますけど……どういうのですか?」

恒子「猫耳スク水でビデオ撮影」

健夜「絶対やだよ!なんでそんなピンポイントに私が嫌がりそうな内容なの!?」

恒子「ほほー……負けると思ってるだ、すこやんは?」

健夜「……むっ。別にそんなんじゃ……」

京太郎「あのー……」

恒子「どしたの?」

京太郎「その罰ゲームじゃ、俺って蚊帳の外じゃないですか?俺が負けた時は?」

恒子「何言ってんの?」







恒子「須賀君が負けた時も猫耳スク水でビデオ撮影だよ?」

京太郎「っしゃぁ!絶対に負けねぇぞ!」

6/9


恒子「負けた時はちゃんと私もやるからさ。はい!続き続き!」

健夜「結局それで決定なんだね……」

京太郎(小鍛治さんはなんだかんだチェンジさせられそうだ……この勝負、実質的には)

恒子(須賀君と私の一騎打ち!さぁ……どっからでもかかってきなさい!)





京太郎(小鍛治さんが俺を見た時の反応は福与さんとほぼ同じだったと思う……重要なのは福与さんの反応だ)

   (俺のカードを眺めている時はどこからどこまでが演技だったかわからない……でも俺のカードを見てない時には間違いなく演技じゃないと自信を持って言える瞬間があった)

   (小鍛治さんのカードを見た時だ!あの時だけは俺と同じような反応をしていたと思う……そして小鍛治さんから俺のカードに視線を戻した時……)

   (まだ警戒が解けてなかった!あの衝撃からすぐに演技に戻れるか?いや、無理だろう。あの反応を信じるならば、おそらく俺のカードは割と強い!)

   (でも福与さんがカードをチェンジしたら?……駄目だ、負けを想定してもしょうがないだろ。俺は俺のカードの強さを信じる!)

   (ここは――この一手だ!)

京太郎「……チェンジしません」

7/9


恒子(そう来たかぁ……ちぃ!やっぱりやるなぁ……)

  (私の反応にどういう穴があったかはわからないけど、今はそんなことはどうでも良い……)

  (駆け引きする前に勝負を決めたのは私に判断を乱されるのを恐れたから?いや……彼が私の言葉で乱されるとは思えない)

  (罰ゲームもかかってる状況下で勝負をおろそかにするってのもないな……ならば導き出される答は一つ)

  (勝負を急いでも構わないくらい私の手が弱いってことか!運否天賦の勝負はあまり好きじゃないけど……)
   
  (――嫌いでもないんだよね!)

恒子「……チェンジ!」

健夜「私もチェンジかな……」

京太郎「全員、決定しましたね?では、一斉にカードを前に出しますよ?」

恒子「良いよ!」

健夜「うん……!」

京太郎「……せーのっ!」


京太郎、8

 恒子、J






健夜、K




健夜「良かったー!なんとか私の勝ちだね!」

京太郎「」

恒子「」

8/9


恒子「さっすが、すこやん……ていうか麻雀以外でも運が強いとか反則じゃん……」

健夜「べ、別にそんなんじゃないよ……たまたまだって……」

恒子「なんでそんなに引きが強いのに良縁は引けないの……?」

健夜「余計なお世話だよ!」

恒子「ヒーローインタビューはこの辺にして……」

健夜「どこら辺がインタビューしてたの!?」











京太郎「」

恒子「ねぇねぇ?今どんな気持ち?勝負を急いだらあっさり負けちゃってどんな気持ち?」

京太郎「…………ゆ」

恒子「ゆ?」

京太郎「許してください!なんでもしますから!」

恒子「ん?今、なんでもするって言ったよね?」

京太郎「ええもう!炊事洗濯ごみの分別から買い物までどんな雑用でも!」

恒子「じゃあ猫耳スク水でビデオ撮って」

京太郎「」

9/9


京太郎「嫌ですよ!そもそも俺がそんな恰好して誰が喜ぶんですか!?」

恒子「罰ゲームに需要も糞もあるか!ほれ!きりきり脱がんかい!」

京太郎「そ、そうだ!所詮は口約束……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!」

恒子「男に二言は無いだろうがー!ちょっともう、すこやんからも何か言ってやってよ!」

健夜「……ねぇ」

恒子「なに!?」

健夜「こーこちゃんもだよね?罰ゲーム」

恒子「な!?私は負けてないじゃん!」

健夜「須賀くんにはね……でも私には負けたよ?」

恒子「そんなのおかしいよ!罰ゲームは一人でやるものって古来から決まってるんですー!」

健夜「……『負けた時はちゃんと私もやるから』って言ったよね?恒子ちゃん、私に負けたよ?」

恒子「それは「負けたよ?」……」

健夜「あれだけ人に色々言っておいて、自分は逃げちゃうんだ?ふーん……」

恒子「の、ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!」

京太郎「ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!」

ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!ノーカン……ッ!

健夜「はぁ……」




健夜「――文句があるなら麻雀で決着つけよっか?」

京恒「やらせていただきます」


後日、カメラマンすこやんでそれぞれのビデオを撮ったいう。
そして、そのビデオが世に出る事は”たぶん”ない

勢いで書いたせいか誤字があるようなないような……
咲日和の新刊まだですかね


http://i.imgur.com/Y6OO1Kq.png

1/6


撫でるような優しい寝息だった。
俺達二人しかいない静かな空間だからこそ際立つその音は、小鳥のさえずりにも似ている。

うっとうしいほどに燦々と降り注いだ日が頂点を越して、下り始めた頃――学生達が部活や予備校、友達付き合い、あるいは何もしなかったりと――
ある意味、学生達が最も学生らしくある時間、放課後。そんな時間を、部屋の外から聞こえてくる運動部員の掛け声に耳を傾けながら、俺は真瀬先輩の幸せそうな寝顔をぼけっと眺める事で浪費していた。

いつものように丁寧に整えられた頭のお団子は少しの乱れも見られないが、前髪は少し崩れ、彼女の顔にはらりとかかっている。
クーラーの効いた室内であっても流石に寝苦しいのか、小さな唇からは時々悩ましげな吐息が吐き出される。

 ……正直、えろいです……代行

いや、代行まったく関係無いけど。

普段のふんわりと暖かな雰囲気の真瀬先輩を知っているからこそ、目の前の真瀬先輩は、俺にとって別人とも思えるほど生々しく”女性”を感じさせた。
思春期の男子が、かわいい先輩と二人っきりとはどんな拷問だろうか。しかも、相手はまったくの無防備と来た日には――

「……んぅ…………」

――と、不意に彼女から漏れた色っぽい声に俺の心臓が跳ねる。

 真瀬先輩……?

俺の呼びかけに答えは返ってこなかった。無意識に込めていた肩の力を抜く。

 
――しかし、まぁ……どうしたもんだろう、この状況

2/6


 遅くなりました!すいません!

「おう!サボりかと思ったやんか」

 すいません洋榎先輩。ちょっと委員会の仕事が長引いてしまいまして……

「気にせんでもええ――と言いたい所なんやけどなぁ」

 何かあったんですか?

「もう今日は練習終了やで」

 え

「あのおばはんがうっかり今日の練習で使うはずだったデータ持ってくんの忘れたーとか言うてな……」

 ……まじっすか。でもデータが無くても普段通りの練習はできるでしょう? 

「……”明日できることは今日やらんでもええやんか~”」

 ……似てますね、モノマネ。

「恭子が休みっちゅーのもなぁ……ウチが指導してもええんやけど、なんでか不評やし……」

 『そこはガーッといっとけや!』『ほれ!もっとこうバッと!』『そらそうよ』

 ……………

「どうしたん?急に黙り込んで」

 いえ、なんでも……

「そんなわけで今日は解散や!ほな!」

なんでだろう……なんだかんだ休みを喜んでるように見えたのは俺の気のせいだろうか。
それで良いのか良いのか姫松、良いのか名門校。

「あ!言い忘れてたけどな!」

 はい?

「由子をよろしく頼むな。なんか死ぬほど疲れてるから起こさないでとか言ってたけど」

 ……へ?

「ほなさいなら~」

3/6


以上、回想終了。 
びっくりするほど味気無い。

俺が部室に来た時から既にスヤスヤと眠っていた真瀬先輩だが、もうかれこれ30分くらいは経過しているだろう。
起こすなと言われたから起こさなかったが……
今更になって思う――

――俺、嵌められてねぇ?

代行がデータを忘れてくるのは十分ありえるし、洋榎先輩の指導が少々アレなのも否定はできないけど、それくらいで練習が休みになるか?
そもそも、なんで寝てる真瀬先輩を男と二人っきりの状態で放置していくのだろうか?
俺は男として認識されていないのか?
…………自分で言ってて情けなくなってきたな。

とにかく、考えてみると怪しい点が幾つかある。
これは要するに――ドッキリなんじゃないだろうか?

そうだ、きっとそうだ。
辛抱できなくなった俺が真瀬先輩になんかしようとした途端、「ガースー、アウト~」とか言いながら代行が入ってくるに違いない。


……にしても、なんで真瀬先輩?

絹江先輩や上重先輩のような、健康な青少年的に嬉しい人達じゃなく、真瀬先輩?
真瀬先輩と言ったら常にニコニコ笑っていて、そういう男女のやり取りからは離れているような気がする――実際に目の前の彼女を見ると俺の予想は外れてはいたが
確かに真瀬先輩も申し分のない美少女ではあると思うけど……


悩んでいても仕方がない。
実際にやるのは勿論ダメだが、とりあえずフリだけでもしなきゃこの馬鹿馬鹿しいイベントは終わらないのだろう。

…………よしっ

4/6


 真瀬先輩?起きてますか?

「……」

返事はない。当たり前か。

椅子に座って寝ている――フリだろう――彼女に俺はそっと近づく。

静かに伏せられた瞳が――いつも笑顔を絶やさない口元が、よく見える

……これくらいじゃ駄目か。

 真瀬先輩……起きてるんでしょう?

彼女は目覚めない。

少しだけ迷ったが、思い切って彼女の額に手をやり、乱れた前髪をそっと戻す。

それだけで済むはずだった。だが、気が付くと名残を惜しむように俺の手は中々動いてはくれなくなっていた。

……まずい。触ってしまうと止まらなくなる。

 ……先輩?

光に吸い寄せられる虫のように、ふらふらと俺の体が勝手に動く。
おいおいドッキリなんだぜ?これ以上やったら冗談じゃ済まなくなる。こんな…………いや、でも

もしも――本当に寝ているのだったら?



 良いんですか?(俺は何を言っているのだろう?)

彼女の肩に手を置く。

 本当に良いんですか?(こんなの悪ふざけに決まっているのに)

身を低め、覗き込むように顔を近づける。

 先輩――








「良いのよー」 

 そうですか、良いんですね

「うん、やっちゃって良いのよー」

 ………… 

5/6


 ……起きてますよね

「……ぐー……」

 ……起きないと、すっげぇ勢いでくすぐりますよ。もう笑い死ぬレベルで

「それは嫌なのよー……」

 あ、起きた

「おはよ、須賀君」

 おはようございます……いやいやいや、そうじゃなくて……

「……?どうかしたの?」

 どうかしたのじゃないですよ……ドッキリは?

「ドッキリ?」

 何それ初耳、みたいな顔しないでください

「何それ初耳なのよー」

 ……マジですか?

「マジよー」

6/6

 じゃあ、なんで部室で寝てたんですか?

「昨日夜更かしし過ぎて眠かったのよー、ごめんね……」

 いや、別に良いんですけど……

どういうことだ?また代行の悪ふざけか何かだと思ったけど……違ったのか?
じゃあ、真瀬先輩は本当に寝てて、途中で起きたのだと?

……一番恥ずかしいパターンじゃねぇか……

「どしたの須賀君?急にどんよりして」

 自分の馬鹿さ加減に嫌気がさしまして……あと、なんでも代行のせいにするのはやめようと思います……

「ふーん?よくわかんないけど、ご愁傷様ー?」

 ……ははは

「……でも、初めて言われたのよー」





「”えろい”なんて」

…………ん?

「”そっち”の方は絹ちゃんや漫ちゃんには負けると思ってたけどなー」

 ちょっとちょっとちょっとちょっと!

「んー?」

 どこから起きてたんですか!?ていうかやっぱりドッキリだったんじゃ――

わけもわからず泡を食う俺とは対照的に、真瀬先輩はどこまでもいつも通りだった。

だが一つだけ――いつものようなふんわりとした微笑みではなく、からかうような、面白がるような――違う顔で彼女は笑う。

「それは、秘密なのよー」

めっ、とばかりに、開きかけた俺の口は先輩の人差し指で止められた。

赤くなった俺の顔色が差し込む夕日でわからなくなっている事を祈りつつも思う――

――どうしたもんだろうか、本当に…… 

なぜかマホネタばかりが浮かんできます
京マホで立てようとも思うのですが長編は難しいですねー
なんでもありなこのスレは気楽に色々パッと思いつくのですが

   ` く  /`¨¨¨´` ー- ゝ-r  ノ`ヽ     
    l l. /          `弋   ノ- 、  
    l | /             T´l|_ \
   /{   '' ⌒`      __  }_ノl  ヽl 
ニ彳   |     ヽ       ´ ` | |   l 
Y´-|  |>ァテ示 ミ、     二  /   |__/
.ヽ |  l/ {:::::七     彳示K_/::  |
  ` i  | `ー '     {:::::ソリハ::::  |
  |  | ゛゛`    '   ¨´ / |:::::..|
   l  ト、   r‐   ┐   ゛ /  l::::::. |
. _ 」 | |ノ 丶、` ー _´..  ィ   |::::::|

   入|!.|、   T7´l> 、      ノ|::/::|
  | `` \  /  ∨ `丶、  /ノノ
   |__/ヒヽ__ |     \    '⌒ヽ
l   {   ‐{_」‐-   / /  -┴┐ | __ ノ-、
|  ∧   ハ    / / /    ` /ー'l  ノ⌒

           ` 、
⌒ヽ_ィ三三三ミュx 、\
○ _)===== ミミ、、 ヽ
_,、__)      ヘ,,  ` ミ》∧
/_/_ / ,/  "''|  ヽ ',

∧/ レ、/|`/     !     ヽ!
弍芸弍 、     --l 、    ',
ら:::刈 `      レ! ヽ   l
廴:::ソ     /斧ミ/| / V

         ん::::/ /|'  /  
        弋::ノ/  ' /
\   マ >      /  / /
_><l>   _____/  / /
|!〃 / |/!/レi/!/! / /

::'':::::/ |   __ |/ヘ|/
  ./|  ̄ ̄-'三)


ベーグルの生地捏ねてたら指も一緒に捏ねました
指も直ってきたので二、三日中に何か投下したい所存ー

以上、どうでもいい生存報告でしたー

1/5


この土地に来て、初めて迎えた夜を今でもはっきりと覚えている。

右も左もわからないのに、手持無沙汰で家を出て気の赴くまま歩いた、あの夜の事を。

真夏なのに上着が無ければ凍えてしまうほどの寒さに驚いて、

以前いた場所と同じくらいの緑の濃さに安心して、

目に映るものが似ているからこそ、そこにいない人間――例えば”あいつ”とか――の事を考えてしまって、

俺は立ち止まった。

俺の事を知る人が一人もいないこの土地が――俺が知っている人が一人もいないこの土地が、たまらなく嫌だった。



誰かに名前を呼んでもらいたかった。

誰かの名前を呼びたかった。


要するに俺は、ホームシックに陥っていたのだ。

2/5


あの時、どうして空を見上げたのだろう。

天体観測なんて趣味は俺には無いし、そもそも星座すらまともに覚えていないくらい星に対する興味が薄かったのに。

理由はどうあれ――俺は、空を見上げた。


懐かしい――と、思った。

綺麗だとか、凄いだとか、そんな感想の前に、体に染みついた記憶が蘇ってきた。

部活で遅くなって、仲間達とくだらない事を喋った帰リ道、あの一際輝く大きな星を見た。

大会で皆が頑張っている姿を見て、悔しさと嬉しさで一杯になった夜、あの星の並びを目で追った。

雪崩れこむように次々と思い出されてゆく記憶に俺はただ茫然としてしまって――





――先輩と出会った。

3/5


「しっかし、よくあんな道の真ん中でだらだら涙流してる奴に話しかけられましたね」


「確かにちょっと怖かったんですけど……」


隣を歩く先輩は、身長にだいぶ差のある俺の歩くペースに追いつこうと急ぎ足で歩いている。

少し歩みを遅くすると、ありがとうございます、とわざわざ話を中断して礼を言った。

先輩は話を再開する。


「私と同じ高校生に見えましたし、それに……」


「それに?」


「……凄く寂しそうでしたから」


彼女の左目が俺を見ている。



――先輩が練習で遅くなって偶然あの道を通った、あの日。

道の真ん中で泣いていた俺に先輩は少し怯えながらも話しかけてくれて、俺の話を聞いてくれた。

俺の話が終わった後、俺が通うことになる高校が先輩と同じだということがわかり彼女は言ってくれたのだ。

”私の部活に来ませんか?”、”新しい思い出を作りましょう”と――



我に返った俺は、さっきからずっと先輩と目を合わせていたことに気がついた。

小さな体をもっと縮めて先輩は顔を真っ赤にしていた。

「あの……そんなに見つめられると……」

「……え?ああ!すいません!」

4/5

風が吹き付ける。

故郷とは違う、夏の匂いがしない北の大地の冷たい風だった。

その冷たさが俺達の間の火照りを取り去ってもくれたが、俺には少し涼しすぎた。


「あの夜もそうでしたけど……やっぱり夏でもこの時間は結構寒いですよね、この辺」


「私はもう慣れてしまいましたけど……須賀くんは寒いですか?」


「あはは……習慣のせいか、どうしても半袖で出ちゃうんですよ」


「そうですか……」


突然、彼女は俯いてしまう。

そのまま何かを祈るようにぎゅっと目をつぶると、よしっ、という掛け声の後、目を開けた。







「……寒いなら、手、つなぎませんか……?」


「……はい?」

5/5


あの夜のような震え声だった。

本当は誰よりも怖がりな彼女が、小さな体からありったけの勇気を出して行動しようとした証。

差し出された手は所在なさげに俺に向かって差し出されていて、助けを求めているようにも――こちらを助けようとしているようにも見えた。


「あの……嫌でしたか……?」


「いえ!嫌じゃないんです!嫌じゃないんですけど……」


「?」


「……良いんですか?」


俺の言葉に一瞬ぽかんとしたものの、彼女はすぐに答えた。



「だって、須賀くんですから!」


……その言葉をどう受け取ればいいのだろう。

ほんのりと暖かい彼女の小さな手を握って俺は悩む。

彼女の真意はわからないが、一つだけ確かなことがある。

きっと、これもまた新たな思い出になるということだ。



星がまた一つ、輝きを増したような気がした。

誰かはご想像におまかせします
と言ってもバレバレなわけですが

そういえば、阿智ポにまさかの出演&しおり化おめとうございますー

          ,, _
       /     ` 、
      /  (_ノL_)  ヽ
      /   ´・  ・`  l    
     (l     し    l)   
.     l    __   l   
      > 、 _      ィ
     /      ̄   ヽ
     / |         iヽ
    |\|         |/|

    | ||/\/\/\/| |

書く→しっくりこない→書き直す→しっくりこない→放置

のループを繰り返してて気分転換に別の物を書いてたりしたら二週間以上もたってました。

明日、明後日中に何か投下します

 |┃三        / ̄\
     |┃         |     |
      |┃          \_/
 ガラッ. |┃            |
      |┃  ノ//   ./ ̄ ̄ ̄ \    
     |┃三    /  ::\:::/:::: \
     |┃     /  <●>::::::<●>  \ 申し訳ありません、しばしのお待ちを―!
     |┃     |    (__人__)     |
      |┃三   \    ` ⌒´    / 
     |┃三   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \

1/14

恒子「君の名前は?」


京太郎「スガ……キョ……キョ……」


恒子「もう少し……!ほら喉まで出かかってる!」


京太郎「スガキョウタロウ!」


恒子「よし!治療完了!最後にもう一つ……」


京太郎「……」


恒子「おはよう……?」







京太郎「ゴザイマシタ」


恒子「あー……まぁ、いっか。……あれ?カメラまわってる!?失礼しました!」


京太郎「マシタ」

2/14


恒子「ちょっとした小休止を挟んだわけですが、そろそろ皆さんお待ちかねのあの人のドッキリに移りたいと……」


京太郎「マシタ」


恒子「…………」


京太郎「マシタマシタ」


恒子「……もっかいCMお願いしまーす……」


  五分後


恒子「さぁ!ちょこっと時間を食ってしまったので巻いて行ってみましょう!」


京太郎「お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた……オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦……」


恒子「次のターゲットはこの人!」

            ... -―━━―- ...
.            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::\

.        /::::::::/::::::/|::::::::::::::::::::::::::\:::::_∧
       /::::::::/::::::/  |:::::::::::::::::::::::::::::::「 ̄::::.
.       ′::::::::::::/   ::::::::::::: : |:::::::::::::|::::::::::::.
      |::::::::::::::/    |::l::::::::::::::|:::::::::::::|:::::::::::::|
      |:::::::::::::′   |::l:::::: |:::::l\::::::::|:::::::::::::|
      |::::::::::::「 ‐- _j从::::::|:::::l_ -\::|:::::::::::::|

      |::::::l:::::|苧≧x  \l\{≦苧ミ|:::::::::::::|

      |::::::l:::::| 乂沙'      乂沙' |:::::::::::::|
      |::::::l:::::l / l ヽ       / l ヽ |:::::::::::::|
      |::::::l:::::::.      '      .:|::::l::::::::|
      |::::::l:::::込、   --(    ...イ:::|::::l::::::::|
      |::::::l:::::|::::介ト_       个::::|::::|::::l::::::::|
      |::::::l:::::|:://{ 」   ̄  { l\::: |::::l::::::::| 
      |::::::l:::::l/  {∧     / |  Χ:::リ:::::: | 
      |:::八:: |   ∨〉--、/ / /::::::/\ : | 
        /: :.ヾ{   /   ‘,/ 厶 イ}: : :.\  

3/14


恒子「野依理沙プロ。年齢は――はい?事務所的にNG?――えー、インハイ準決勝での壮絶な闘牌が記憶に新しい北九州の強豪、新道時女子出身。
   
   いぶし銀の堅実な打ち方でコアな人気を集めている方ですね。また、最近は独特な語り口による解説で新たなファン層を開拓してるとか」



京太郎「暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム………そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう……雨の中の涙のように……」


恒子「いつも寡黙な彼女が何を考えてるのか気になりますよね?皆さん!」


京太郎「……俺も死ぬ時が「それでは!よーい……スタート!」


ガチャ


理沙『……!』=З=З=З


恒子「入った瞬間から臨戦態勢!通称”激のよプンプン丸”フェイスでのスタートだ!テレビで見る野依プロの九割を占めると噂される表情ですが、一体全体何に対して怒っているというのでしょうか!」


京太郎「特に怒っているわけではありません。あの顔が野依プロにとっての普通の状態なんです」


恒子「おお!やっと正気に戻ったね、須賀くん。このままの状態が続けば放送倫理規定に引っ掛かるかと戦々恐々だったんだけど」


京太郎「いやぁ、ご迷惑をおかけしました。流石に”小鍛治プロが耳元で結婚をせがむだけCD”を三十分も聞き続ければ元に戻れますよ」


恒子「でしょー?一度だけ麻雀協会が気の迷いで作った世界に百枚しかないCDだからね。なんでも、全部回収すると結婚が早まるとかなんとか」


京太郎「なんですかそのザックリとしたドラゴンボール的な設定。あ、野依プロに動きがありましたよ」

4/14


理沙『……♪』



恒子「荷物を置いて、席に――座らない!そのまま素通りしたと思ったら、今度は姿見の前に立ちました!」


京太郎「衣装チェックですかね?楽屋に到着してすぐにやるものなんでしょうか」








理沙『…………』グギ



恒子「!?」



京太郎「!?」



理沙『アメンボ赤いなあいうえお……』


恒子「なんということでしょう!笑顔と発声の練習を始めました!」


京太郎「……周りの評判とか結構気にしてたんですね。つーか、野依プロのあんな表情初めて見ました」

5/14


理沙『練習ならうまくいくのになぁ……』


恒子「まさか影ながら努力していたとは思いませんでした!好感度が爆上げだー!」


京太郎「むしろ練習してあれだったんですか……笑顔というより顔が筋肉痛の人みたいだったんですけど……」



理沙『ふー……』


恒子「練習に疲れたのか席に着きました。さあ!俺達の戦いはここからだ!」


京太郎「縁起でもないこと言わないでください」







理沙『ふんふ~ん………ん?……!!!!』=З=З=З





恒子「赤ぁぁぁぁい!説明不要!顔を真っ赤にして固まった!」


京太郎「正直、予想通りでしたけど、まさかここまでの反応を取るとは」

6/14


恒子「どうする野依プロ!ここからどう出るんだ!」


理沙『……』=З=З=З


恒子「さあ!」


理沙『……』=З=З=З=З


恒子「えーっと……」


理沙『……』=З=З=З=З=З









恒子「……須賀くん、モニター壊れてないよね?」


京太郎「……全て正常なはずです」

7/14


理沙『……』=З=З=З=З=З=З


恒子「これぞヤラセ無しの証!野依プロ、動かざること休日のアラフォーの如し!」


京太郎「車道に飛び出た野生動物みたいな状態ですね。あまりの驚愕で体が言う事を聞かないのでしょうか」


理沙『うぅ…………』=З=З=З


恒子「おっと!何やら慌ただしくカバンを漁りはじめた!一体何をしようというのか!」


京太郎「手に持ったのは……携帯電話ですかね?」









理沙『……もしもし!みさきちゃん?』


恒子「知り合いに助けを求めたー!何ということでしょう!我々はかつて、ここまで大きな子供を見た事があったでしょうか!?」


京太郎「女性プロ雀士はスケベなことに耐性がないのか(困惑)」

8/14


理沙『あのね……あの……』


恒子「しかし野依プロ!パニクッて電話をかけてみたはいいものの、何も喋れない!」


京太郎「元々が口下手なのに加えてこの状況ですからね。ちなみに、村吉アナも今回のドッキリの事については把握しているそうです」


理沙『……違う!用はある!…………あるけど』


理沙『…………ううん、なんでもない。ごめんね……』


恒子「結局何も言えずに電話終了!どうしたんだ野依プロ!何のための電話だー!」


京太郎「ええっと、村吉アナから連絡です”気にせずどんどんやっちゃってください”。あの人もプロ意識が高いというかドSというか……」


理沙『はぁ……』


恒子「エロ本をテーブルの端っこに寄せて見ないフリを決め込んだようです。同じ”はぁ”でも三尋木プロとの差!」


京太郎「三尋木プロよりも年上のはずなんですがこの人……」

9/14


恒子「まぁ、ノリノリでエロ本読み耽られるよりもイメージ的には良いですよね」


京太郎「……なんか変なフラグ立てませんでしたか?今」


恒子「ではではー!取れ高も稼げたみたいですし――これ以上待っても面白くならなさそうだし――……須賀くん!そろそろ例の奴を一発!」


京太郎「……わかってましたよ。わかってたけどさぁ……また悲劇を繰り返したいんですか?」


恒子「ええー……野依プロなら笑って許してくれるでしょー」


京太郎「何が起こるかわからないでしょうが!ノーモア三尋木プロの精神でいきましょうよ……」


恒子「ぶっちゃけ余りにも野依プロが反応がアレだったから、須賀くんの惨劇で溜飲を下げようかと思ったのに……」


京太郎「この番組マジで生放送なんですか?未成年の人権が堂々と蹂躙されてるんですが、それは」


恒子「うだうだ言ってないで早く行ってきなって!ほら、三尋木プロもお怒りだよ!」






@mihirogiutasan
須賀バーカ(´∀`)


京太郎「無茶苦茶楽しんでるじゃないですかあの人!ああもうわかったよ!行きゃいいんだろ行きゃあ!」

10/14


理沙「…………帰りたいな」~З~З~З




バァン!




理沙「!?」===З





京太郎「ドッキリ大成功ー!」


理沙「……」


京太郎「大成功ー……」




京太郎(二回目ともなると覚悟ができてくるなぁ)

11/14


理沙「……ドッキリ……だったの?」


京太郎「あっはい」


理沙「……」


京太郎(鬼が出るか蛇が出るか……)


理沙「……そっか――」




理沙「――良かった!」=З=З=З


京太郎「え」


モニターの向こう側


恒子「ちっ」

12/14

京太郎(良かった……今回はひどい目に合わなさそうだ)


理沙「嫌がらせで置かれてたと思った……」=З=З=З


京太郎「いやいや、そんなこと絶対にありませんから!あんな努力家な野依さんを誰が嫌いに……」


理沙「……待って!」=З=З=З


京太郎「はい?」


理沙「どうして努力家って?」


京太郎「……あ……」


理沙「…………どこから?」


京太郎「あのーですね……これはそのー……」


理沙「どこから!」=З=З=З


京太郎「…………最初から」


理沙「…………」









理沙「……ッ……みられだぁ……」ポロポロ


京太郎(数秒前の俺死ね)

13/14


理沙「うぅ……ひっく……!」


京太郎(やばいやばいやばいぐぎぎぎぎぎ)


理沙「……恥かしい…………」


京太郎「は、恥ずかしい事なんてないですよ!とっても素敵な笑顔だったじゃないですか!」


理沙「…………ほんと?」


京太郎「……はい!」


理沙「間があった……嘘なんだ…………」メソメソ


京太郎(いっそ殺せよ)



五分後


理沙「……ごめんね!」=З=З=З


京太郎「いえいえ……俺はただのメッセンジャーですから……ははは……」ゲッソリ


モニターの向こう側


恒子「ご覧ください!twitterのホットワードに須賀くんが上がってきていますよ!」


@mihirigiutasan
泣かしてやんのー!やーいやーい須賀ー(`▽´)

@murayosiANA
おい何やってんだ須賀

@TOSHI
須賀ないわー

14/14


京太郎「戻りましたー……」


恒子「お疲れ!今回は良かったじゃん!ひどい目に合わなかったよ!」


京太郎「合いましたよ!自業自得ですけど!ていうか一回くらい福与アナが行ってきてくださいよ!」


恒子「え、やだよ」


京太郎「これだよ!」


恒子「そういや村吉アナから連絡来てたよ」


京太郎「……なんてですか?」


恒子「『泣 か せ ま し た ね』だって」


京太郎「俺が悪いんですかこれ!?」


恒子「順調に世界中の悪意と敵意が須賀くんに集まっていますねー!この調子でドッキリをやっていけば世界平和も近いのでは!?」


京太郎「確実に死ぬじゃないですか俺がァ!」


恒子「はーい!それじゃ、次のターゲットはー?」






・小鍛治健夜

・瑞原はやり

・戒能良子

の中から一人↓2

すこやん把握しましたー

すこやんは〆に持ってくるつもりでしたので次で最後ですね

迂闊に安価を取ってはいけない(戒め)

投下はいつになるかわkらないので気長にお待ちを―

               ___

              ,..::';::;::::i、:::::、`ヽ
               /.._/!ハ;:、:!r:、....゙、 :: ヽ
            /ri,/フ'ハ、y | ゙、:::゙、::::...゙、
             /:::i  /  )    !::::゙、:::::::|
          i:::::|  |'   |  __ ∧:::::|:::::::|
      _ , -‐  ̄ _ノ-‐-、ヽ.  \ !:::|:::::::|

      /    ,..- ' 、`´ ̄`  \  `ー 、:|ソ
   /    / "レ'ヾiヽ__...::::'  |;\    \
.  〈   _ ノヾー-、-r‐--r-イ  / /7'   /
   `ー-、_ // ヽ i、、  /___/ ./ハヽ、. /|
     | `7/   iヽ、. | / ./=i  ヾ< iヽー┐
     |ノノ     Y\、レ/   ヾ/. `ー/ | ||
     `ー-r---、i  oY     ゙、ヽイ´  .| ||
          |    |    ハ      /-‐-、.|. ∥
          |   |   | i      |     ||
          |   |   o| ゙、      |      .||
          |..  |  |      .i       ||
          |     |   |       ゝ、    ||
          |   f-、  |      `ヽ    .||
          |   /   o|        ゙、   ||
_____ |   〈    .|       / >   ||
_____  ̄ ̄ ̄"""""ー――――-----、、、、、、、、

         ̄ ̄ ̄"""""ー――――-----、、、、、、、、


ぐぎぎ……
この修羅場を潜り抜けばなんとか時間を確保できるので……
アマミノクロウサギを目撃する程度の心構えで気長にお待ちください

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom