春香「さようなら 千早ちゃん」(76)

週刊誌に千早ちゃんの弟さんの件が乗ってから、事務所に活気が無くなりました。
勿論、千早ちゃん本人が一番ダメージを受けています。
ショックで歌が歌えなくなり、引きこもってしまって プロデューサーさんとも連絡を取りません

私も何度か千早ちゃんのおウチに行ったのですが、どう言葉をかけて良いかわかりません


千早「もう構わないで」

春香「…え?」

千早「私はもう歌えない…皆の気持ちに応えられないもの…」

春香「千早ちゃん…自分を追い詰めすぎなんじゃないかな……?」

千早「やめて……」

春香「また…一緒に歌えたら、私たちも嬉しいし……天国の弟さんだってきっと」

千早「やめて!!!!」

春香「あ…」

千早「春香に私の……優の何がわかるのよ!?」



千早「もう、おせっかいはやめて!!!」

春香「うぅ…グスン…ぅぅ…」トボトボ
私は全然千早ちゃんの力になれませんでした 大切な友達が仲間が苦しんでいる時に何もできませんでした
大切な人一人救えないで、何がアイドルでしょう 泣きながら、自嘲しながら帰り道を歩きました

-----事務所

春香「私はいつも、皆に『頑張ろう 頑張ろう』って…千早ちゃんに笑顔を取り戻して欲しくって」

P「春香でもダメか… 家に行ってもドアを空けようとしないし」

律子「ご両親の方は?」

P「事情を説明しても、何もできません の一点張りだ こんな時こそ、支えになってもらいたいんだが」

律子「このままだと、定例ライブどころか…二度とアイドルは…」

春香「…あの…私って…おせっかいですか?」

P「どうしたんだ急に」

春香「その、千早ちゃんに、言われちゃって」

春香「『おせっかいはやめて』って…余計なお世話だったのかな…」

P「そんな事はない!」

春香「え?」

P「いつも前向きなのが春香の良い所じゃないか!」

春香「そう…ですか…」

P「千早にもきっと届いてる!思ったとおり『体当たり』でぶつかってみろ!」

プロデューサーさんに励まされて、俄然やる気が出てきました!



春香「プロデューサーさん!この週刊誌借りてって良いですか?」

P「別に良いけど…ほとんど悪意のある記事だぞ?」

春香「良いんです!どんな事が書かれたか把握しないといけませんし、それと」

P「ん?」

春香「千早ちゃんの実家の住所を教えて下さい!私、千早ちゃんのお母さんに会ってきます!」

P「……そうか、春香に任せてしまって申し訳ない。くれぐれも粗相の無いようにな」

春香「ハイ!」

P「今日はもう遅いし、帰ってゆっくり休むんだ 明日はオフだし、日中から行ってみるのも良い」

社長「それなら私も同席して良いかな? 如月君の母君と会うのは、彼女が事務所に入る前の一度きりだからね」

春香「あ、その前にもう一度、千早ちゃんの家に寄っていいですか?一声かけたいので」

社長「構わんよ。では明日10時に事務所に集合だ 私が送迎しよう」

春香「ありがとうございます!社長!」

プロデューサーさんはお仕事が入ってたので、社長の送迎で明日はアタックです!頑張れ私!

----翌日

社長「如月君、私だよ。天海君も来ている。声だけでも聞かせてくれないかな…?」

春香「千早ちゃ~ん 春香だよ~」

シーン

社長「寝ているのかね~…」

春香「う~ん…」

やっぱり昨日の事で距離を取りたいのかなぁ

社長「如月く~ん」カパッ

社長は失礼、と呟きながらドアに付いている郵便受けを開け、室内を覗き込みました。
流石にそれはマズいんじゃ…と思ってましたが、社長の表情が見た事無い険しい顔に変わりました。


社長「………天海君、何も言わずに聞いてくれ  君は私の車で待っていてくれ 絶対にだ」

私は恐る恐る社長から車の鍵を受け取りました。でも、、、その際に、恐らく千早ちゃんの部屋から漏れたであろう異臭と
社長の険しい顔が、、無言で私に千早ちゃんの状況を理解させました。

車内に入り、ドアを閉めた瞬間、私は泣き叫びました。でも、もしかしたら、料理してる千早ちゃんが何かを焦がしちゃったり
引きこもってるから生ゴミが散らかってるだけかもしれない。  でも でも昨日はあんな匂いしなかった!!!


数分後に警察と救急車が来ました。近づいてくるサイレンが、不謹慎にも どこか誰か他人のケガである事を祈り続けました
でも、両方とも社長の車の近くにとまり……

--



千早ちゃんは居間のドアノブで首を吊っていたそうです

昨日の夜中、私が帰った数時間後でした


--

社長は警察への聴取を先延ばしにし、プロデューサーさんが駆けつけてくれるまで、ずっと無言で、泣きじゃくる私の方を抱いていてくれました

走り書きの遺書には 『疲れました 優の所へ行ってきます』 とだけ書いてあったそうです
ノドには沢山の生傷があったそうです 声の出ないノドを自傷していたそうです


そこからは記憶が飛び飛びであまり覚えてません



   
送っていく というプロデューサーさんの制止を振り切り、私は駅に居ました

『~次は72番線に特急72号車が参りアェス 白線の内側までお下がりクラサァイ』

春香「…………事務所の皆に知らせなきゃ……電話なんかじゃなく、直接」   ---プルルルルル----

きっと社長から音無さんに伝えてるだろうけど、音無さんから皆に伝えるなんて酷だと思う
私が…皆に うぅっ…

-----電車内


私の頭の中はグチャグチャで、自分は何もできなくて  でも でも じゃあ過去に戻った所で自分は何ができた なんて

ガタンガタン

と思っていた瞬間  頭をガツンと叩かれた様な衝撃に遭いました
目の前が真っ暗になって 気が遠くなっていくのがわかりました

春香「え…?ひょっとして…わ、たしも…死ぬ……の?」

ガタンガタン

うぅ、、、、、、ん、、、、ドサッ

ガタンガタン

ガタンガタン

-----
んん……

ガタンガタン

あれ…私 何を
春香「はっ!!そういえば電車内で気を失って…」

ガタンガタン 

春香「あれ?何ともない…」ガサゴソ「カバンも無事、お財布もある」ホッ

春香「あぁっっ!!!もう事務所の駅だ!!!降りなきゃあわわわ」どんがらがっしゃーん

急いで事務所の皆に知らせなきゃ!! 改札で定期をかざした際、駅員さんが怪訝な表情をしていましたが
どうしたんでしょう? 定期の期限はまだまだあるのに?

私は事務所へ走って行きました。

息を切らしながら、走ること数分、、、事務所に

春香「………え?」

そこには見慣れた事務所のビルがありました。たるき亭もありました、でも

765プロの『765』の字が窓にありません
あのボロボロのテープで不恰好に作られた文字が無いのです

事務所の中に入って更に驚きました

春香「………何も、、無い」

春香「…音無さん…? …皆?」

ソファーもTVもプロデューサーさん達のデスクも、何もかもありませんでした
奥にダンボールで大きな四角い箱が作られてました

その箱がゴソゴソと動き始めました

春香「音無…さん? それとも亜美、真美?」

???「なんだ不動産屋の奴でも警察でもねぇじゃんか…」

見るからにみずぼらしい男が出てきました

春香「あなた誰ですか!?皆は…!?不法侵入ですよ!警察呼びます!」

???「そうわめくな 確かにホームレスの俺が居座って悪いけどよ、警察だけは勘弁してくれ 結構良い場所なんだ」

春香「え?え?」

眼鏡ホームレス「迷惑はかけないからよ、もう少しここに居させてくれ じゃあ寝るから」

春香「どう…いう事?」

何がなんだかわかりません どうして皆は居なくなっちゃったんでしょう 何でホームレスが居ついているのでしょう
あんなに大変な事が起きているのに ひょっとして千早ちゃんの死の影響で、もう倒産??

誰に電話しても「おかけになった電話番号は現在使われておりません」になるし…どうしちゃったんだろう

ワケがわからないまま、私は再び駅に居ました

春香「なんなのなの?なんなのなの…?意味がわかんないよぉ 皆どこぉ?」グスン

春香「……考えてもわかんないよ……」グスゥン ポロポロ

その時、ポケットからメモ用紙が一枚ハラリと落ちました 拾ってみるとそれは

春香「千早ちゃんの実家の住所…」

この意味不明な状況に、何でもヒントが欲しかった私は、糸をたぐるようにその住所へ行きました

----如月家

ピンポーン

『はい どちら様でしょうか?』

春香「あの…私、765プロの…千早ちゃんの友達の天海春香と申します」

『……ハイ?』

春香「えっと…突然失礼ですが…千早ちゃんの事で…」

『失礼ですが、765プロ?あの…塾の勧誘か何かでしょうか?』

春香「え…?」

『千早はまだ8歳なので、そんな予定はありませんので…』

春香「いや…あの…先ほど、千早ちゃんが自宅で首を吊って亡くなっていて…それを伝えに…」

『何を言ってるんです!千早が死んだなんて…!!なんて事言うんです!?』

春香「ん…?千早ちゃんが8歳…?」

『千早は今そこで元気に遊んでいます!!あんまり失礼な事言うと、警察呼びますよ!!』

春香「すいません、あの、、、では事故で亡くなられた弟の優君につい『優も今千早と一緒に遊んでいます!ホンットに失礼ですね!警察呼びますから!』ブツッ

春香「え~…」

----繁華街

春香「どういう事だろう……まったく検討つかないや… でも千早ちゃんが8歳で死んでなくて、優君も生きてる…?」

千早ちゃんの実家から逃げるように街についた私は頭を抱えて歩いていました

ふと、ビルの電光掲示板のニュースを見上げると…そこには

『~新型肺炎SARSが猛威を振るう~~オリックス谷選手・結婚!柔道・田村亮子選手と~~マイケルジャクソン逮捕~~』

『2003年のニュースでした』

春香「え…2003年?」    「2 0 0 3 年 !?」
※(アニマス準拠の年代です)

春香「は、8年前…に居るの私?」

どどどど、どうやら私、過去に来てしまったみたいです、、、、
あわわわわわわ……どうりで千早ちゃんも優君も生きてるし、765プロが空っぽなワケだ

でもでもででも、信じられないけど、そういう事なら皆に電話が通じないのも納得 皆この時ケータイ持ってないだろうし
きっと電話番号も変わってて…

ん!変わってない番号がひとつある!!!!

prrrrr prrrrrr

『はい天海です』

春香「(お母さん!!)あ、あの~私、はるkゴホンゴホン、中村といいまして、春香ちゃんはいらっしゃいますか?」

『春香なら、小学校の友達と遊びに行ってます ゴメンナサイね 何か伝えておきましょうか?』

春香「いや、いいです…」


確定だ  私は過去に来たんだ…

春香「そういえば、お腹すいたなぁ…あ、牛丼屋さん発見  食べよう」

ラッシャセェーイ

春香「ええと…並と納豆に豚汁を」

カシコマァッシタァー

春香「ええと状況を整理すると、ここは2003年、私が居た時代の8年前。千早ちゃんも優くんも生きてる」

オマタセッシタァー

春香「他の皆も居るけど、私と面識は無い、頼みの綱のプロデューサーさんも、765プロに入るまでの経歴は知らない」モグモグ

春香「プロデューサーさんと食べた牛丼美味しかったなぁ」モグモグ

???「……」モグモグ ジロー

春香「私が過去に戻るには、頭の良い誰かの協力が必要…」ネリネリ モグモグ

春香「伊織…水瀬財閥なら… でもいきなり信じてもらえないだろうし」モグモグ ゴクン

???「……」ジロー

春香「泊まる場所も解決策も探さなきゃいけないし、困ったなぁ  あお会計お願いします」ゲプッ


『ハイ、並納豆豚、○○○円です』

春香「はい、んじゃ1000円でお願いします」

『ん~……』

春香「?」

『あの、お嬢さん、このお札自分で作ったの?』

春香「え?」

『困るよ~ よくできてるけどさ、1000札の表面は夏目漱石だよ~? これ、野口英世って書いてるけど…』

春香「使えないんですか!?」

『だってこんなお札見た事ないよ~ 透かしまで作っちゃって、これニセ札だよ 冗談はヤメてちゃんとしたお金出して』

春香(あ、確かお札変わってるんだった…困った、これ以外のお札も全部新しいヤツだと思うし…小銭も無い…)

『お客さん払う気ないなら、警察呼びますよ~』

???「ティン!ときた!  待ちたまえ」ガタッ


???「この娘は私の連れでね まとめて払うよ」

『はぁ、ありがとうございます…』

春香「しゃ……社長!ーーーーー!!!」

社長?「ん?」

----

社長?「とりあえず君が騒ぐから近所の公園まで来たけれど、」

春香「スイマセン…つい」

社長?「まぁとりあえず事情がありそうだ 話してくれないか?」

春香「はい」


私は765プロで社長にスカウトされアイドルをやっていた事から、千早ちゃんの周辺で起きた事、過去に来てしまった事など全て話しました

社長?「…ハッハッハ」クスクス

春香「社長?」

社長?「気を悪くしたらスマンよ 色々なアイドルを見てきたが、タイムスリップ系のアイドルなんて始めてだよ」クスクスクス

社長?「さすがにそう自分を偽って、アイドルのプロデューサーである私にスカウトされようとするなんて よく調べてあるじゃないか」クスクス

春香「違います!!ホントなんです!見てくださいこの学生証!未来の日付ですよね!
    この週刊誌も見てください!8年後の、さっき話した如月千早ちゃんの記事です!どうですか!!!」

社長?「よくできてる 上手な合成だね 便利な世の中になったものだよ  ただ、大人をからかうのは関心しないな
     その技術を、こんな弱小プロデューサーに 見せてないで、ソッチの道に進んだ方が良いのではないか?」ハッハッハ

春香「信じて…もらえない…」(一体どうすれば…考えろ私…)

社長?「面白い話をありがとう。牛丼1杯分にはなったよ 流石に若い子が捕まるのは見たくないからね」
(ティン!と来たのは気のせいだったのだろうか…)

社長?「私はそろそろ帰るよ 君の様な若い娘といたら、誤解されてしまう」スタスタ

春香「待って下さい!」

社長?「まだ何か?」

春香「………アナタは…『順一郎』さんですか?それとも『順二郎』さん?」

社長?「………………どこでそれを?  それを知っているのは」

春香「知っているのは、黒井社ちょ、黒井さんと共に、プロデュースしていたアイドル『音無小鳥』さん1人でしょうか?」

春香「それとも記者の『吉澤』さんもご存知でしょうか?二人は入れ替わって仕事しているんですよね?」

社長?「誰から……聞いたんだね?」

春香「音無さんです」

社長?『私は順一郎だ しかも入れ替わりについては、音無君にしか教えていない』

高木「信じるしか……無いようだな」

春香「ホッ……社長…良かった…」

----

高木「しかし、本当に良いのかね?私の家に泊まる…だなんて」

春香「はい!お金は全部使えないですし、帰る方法を一緒に考えて欲しくて…それに…」

高木「それに?」

春香「社長が、そんな変な事しない人だと知っています。私をスカウトして、アイドルにしてくれた人ですから」

高木「…そうか」ハッハッハ「世の中は面白いねぇ!」

春香「はい」クスクス

私は、本当に久しぶりに笑った 何とかなるかもしれない!!そう思えるようになった

高木「話を整理しよう 君は如月君を何とかしようと思案していて、過去に来たのだね?」

春香「現在の千早ちゃんは生きていますが、8年後に自殺してしまいます それを止めたくて」

高木「その頃は順二郎が765プロの社長で、そこに立ち会ってしまう、、、と」

春香「はい…」

高木「そうか…辛い思いをしたね、大変だったね… 如月君が自殺してしまう理由となった原因は?」

春香「これです」スッ

高木「それは…さっきの週刊誌かね?」

春香「そうです 千早ちゃんの弟さんは事故で亡くなっておりまして、その家庭環境について悪徳記者がスャンダルで書いたんです」
    事務所の誰も触れてはならない千早ちゃんの家族の事を、平気でスッパ抜いたんです…」


『アイドル 如月千早の隠された真実』


高木「当時如月君は8歳、弟を助けようとせず、見殺し…写真は墓前で争う母との絵…事故死、家庭崩壊、離婚…」

春香「この記事書いた人を何とかできませんかね?」

高木「無理だよ天海君…記者の名前も出ていない、未来の雑誌だ。それに万が一わかったとしても、今の何もしていない人間を拘束なんてできない…」

春香「そうですか…」

高木「ん……待てよ、この日付…」

春香「どうしました?」

高木「簡単な話、この記事が無ければ如月君は死ななくて済むんだね?」

春香「そうですけど、、、、」

高木「この記事に、如月君の弟さんが事故に合った日付が書いてあるんだよ。明日になっている」

春香「………あっ!!」

高木「そう!弟の優君を交通事故から救えば良い!そうすれば時の連鎖により、この記事は無くなる!」

春香「それに、千早ちゃんの両親も離婚しないで済む!!!」

高木「その通りだ!未来を変える…なんて映画のようだが、私も順二郎や君に悲しい思いをして欲しくない!」

高木「ただ問題なのは…明日の「いつ」「どこで」事故に合うかが書かれていないのだよ…」

春香「それなら、千早ちゃんの実家の住所はわかります!それと、その日は縁日に行っていた とも未来の千早ちゃんが言ってました」

高木「見せてくれ!ふむふむ、8歳なら縁日は徒歩圏内の場所に行く、住所と明日のお祭りの予定をネットで出せば…」

高木「天海くん!ここだ!○○区の○○祭り!ここなら如月君の家よりすぐだ!
    君は明日、朝から如月君達を尾行し、事故に合わないようにすれば良いのだ!!」

春香「了解です!!」

高木「私はその間に君が帰る方法を模索してみるよ さぁ今日は疲れたろう 私はリビングで寝るから」

春香「ありがとうございます!」


やったぁ!流石社長!これで私が帰る方法さえ見つかれば、千早ちゃんは死ななくて済む!!
優君も助かるし 嬉しい!また千早ちゃんの笑顔を見る事ができる!

---そう思い、私は眠りにつきました



      重要な事に 気付かないまま-----

----翌日


~如月家周辺~


壁│


壁│ヮの スゥッ

壁│ヮの <こちら天海です、無事千早ちゃんち周辺に着きました。ユーコピー?

~高木自宅~

高木「アイコピー ご苦労、こちらは君が詳しく話してくれた内容を加味し、帰れる方法を検討している 」

高木「何かわかったら連絡する ユーコピー?」


~如月家周辺~

春香「アイコピー」

頑張れ私、今日は失敗できない、絶対に優君を助けるんだ!

春香「あ、あれが千早ちゃんかなぁ」ヮの

ロリ千早「優~早く来ないと置いていっちゃうぞ~」

優「待ってよお姉ちゃ~ん」

千種「二人とも~車には気をつけるのよ~」

ロリ千早&優「は~い」

春香「ふふふ、二人ともかわいい」ヮのハァハァ

あっと 追跡開始ですよ!追跡!

prrrrr prrrrr 

春香「ヴぁい!!??  電話…社長から!!」

春香「社長!帰る方法がわかったんですか!?」

高木「うむ!どうやら君が8年後、タイムスリップの瞬間なんだがね
    『72番線』」『72号電車』が『時速72マイル』(114キロ)に達した時点で何か空間変異が起きたのでは?というのが仮説だ」

春香「72…72…あ!全部千早ちゃんに関係ある数字だ!」

高木「聞いてた話の通りでビックリしたよ!全て如月君に関係あり、その電車に、如月君と親しい君が偶然乗った事により
    亡くなった如月君の思念のようなものがSOSを出したのだろう、だから君はこの時代に来た」

高木「どこかの映画で見た様な設定だが、その電車に乗れば…君は元の時代に帰れる!」

春香「わっほい!やりましたね!後はこっちの事故を防ぐだけ…社長「その事なんだがね…」

春香「?」

高木「君には少し酷かもしれんが…優君を助けると君は……」

春香「どうしたんですか?」

高木「君は『二度と如月君と友達にはなれない』」

春香「………え?」

高木「考えてもみなかった…如月君が765プロに入ったのは、弟君に歌を届けたいからだ その目標が無くなるんだよ
    アイドルにはならないし、スカウトしてもやる気が無ければ、この業界に入ってこない。当然、私とも君とも出会わない」

春香「そんな…そんなぁ」グスッ

高木「これ以上は私からは何も言えない…もしかしたら未来に帰る時間がほんの早く、如月君の自殺を食い止められるかもしれないが…確証は無い」

高木「君にとって、一番の親友を失ってしまうんだ…よく考えて行動したまえ…」

春香「……答えは……最初から決まってます」



春香「あっ!二人を見失いました!社長、また後で!!!」プツ

高木「天海君…頑張るんだよ」

----縁日周辺

春香「んも~どこいったんだろ二人とも…」

???「今年こそは今年こそは…この神社の恋結びのお守りも買ったし…」ブツブツピヨピヨ

???「次は射的で勝負しよ→よ!」???「負けないYO→」

屋台の人「スイマセン…もう焼きそば完売です…帰って下さいグスッ」

???「ったく、なんで私が親のローソンの出店の手伝いなんて…」

『おい誰だこんなトコに穴掘ったヤツ…』



春香「あ!居た!」

優「お姉ちゃ~ん待ってよ~」

ロリ千早「優!危ない!!!渡っちゃダメェ!!!」

春香「!!」ダッ


私はすぐに駆け出した
答えなんて決まってる!!
「私は『千早ちゃんの笑顔』が見たいんじゃない」
「私は『千早ちゃんが笑顔で居て』欲しいんだ!」


転ぶな!転ぶな私!真!響!力を貸して!!!!

プロデューサーさん!!!

~P「思ったとおり『体当たり』でぶつかってみろ!」~

春香「うううわっっっああああああぁぁぁぁぁぁっぁあああああああああ!!!!!!」

ドン!


キキー  オイアブネェゾコラー




春香「ハァハァ…ハァハァ…大丈夫?優君」

優「ううぁぁあぁあああんんありがとう!怖かったよーーーーーー」

ロリ千早「優!!バカっ!何で飛び出して来たの!?」

優「うあわわわああああああああああん」

千早「あの、弟を助けてくれてありがとうございます」

春香「いいのよ、ケガ無かった?」

優「うぅ…グスッ…う」

ロリ千早「ほら!優、泣き止んで?お礼言おう?」

優「うわああぁぁぁああん」ビエー

春香「優君、大丈夫 今元気が出るお歌を歌ってあげるね?」


♪~
      ♪~
   ♪~   ♪~

優「グス」ヒック

ロリ千早「上手…」

春香「どうかな優君、私ね、一応アイドルなんだ」

優「グスツ 千早お姉ちゃんみたいに上手だねお姉ちゃん!」

ロリ千早「コラ!優、お礼が先でしょ!」

優「うん アイドルのお姉ちゃん、ありがとう!」

春香「いいのよ…じゃあ私はこれで」

ロリ千早「あの…っせめてお名前だけでも、お礼がしたいので…」

春香「………ダメよ…アイドルだから…ね?(名前を教えれば、きっと今の時代の私にいきついちゃう…)」

ロリ千早「そっかぁ」

優「じゃあアイドルのお姉ちゃん!このスケッチブックにサインして!僕、自慢するんだ!
  僕を助けてくれたアイドルのサインなんだ!って、皆に!」

春香「それなら良いよ」サラサラサラ 

春香「はいっ」

優「ありがとう」

春香「二人とも、私とは…もう会わないだろう、けど 姉弟で仲良く、グスッするんだよ…」ポロポロ

ロリ千早「どう、して泣いてるの? どこか怪我しました?」

春香「ううん… 元気で、幸せに、、、ね」ダッ

優「アイドルのお姉ちゃん、仕事かな? 走って行っちゃったね」

ロリ千早「………」

優「それにしても、変なサインだなぁ…」





--『さようなら 千早ちゃん』---

---駅 72番線乗り場

高木「そうか、辛い選択をさせてしまったね」

春香「良いんです。これで千早ちゃんは幸せになりますから」

高木「そうか、私が765プロを立ち上げた時、スカウトに行ってみるよ」

春香「ダメですよ、社長。これで千早ちゃんは家族仲良く暮らせるんです…アイドルの業界に入って、また家庭で何かあったら」

高木「…そうか…」

春香「私は自分の居た時代に戻ります」

高木「そう…だな、7年後、どこかで会う時は、スカウトさせてもらうよ」

春香「はい!待ってます」

高木「順二郎にも、この話は伝えておく、君が戻った時、社長は彼だからね それと1つ…」

春香「なんでしょう?」

高木「…君の未来でも、音無君は独身かね?」

春香「……はい」クスクス

高木「はっはっは」クスクス

春香「私からもひとついいですか?」

高木「なにかね?」

春香「社長がスカウトした女の子の中で、よく転ぶ子が居るんです、その子が事務所に初めて来た日に、緊張の余り
    お茶を社長のスーツにぶちまけちゃうんですけど……あんまり叱らないであげて下さい」

高木「ふふっわかったよ」

春香「社長 本当にありがとうございます」

高木「良いのだよ 君のおかげで、新しいアイドル像も見えた-仲間を思う心-そういったアイドルが溢れる事務所を作ってみるよ」

春香「はい!」プルルルルルッルル「では社長!未来で!」

高木「あぁ!元気で!」



----72号車


ガタンガタン ガタンガタン


春香「キタキタキター!この頭を殴られる感覚ーーーー」
ドン

ガタンガタン

うぅ、、、、、、ん、、、、ドサッ

ガタンガタン

春香「はっ!ケータイケータイ!!!」

『2011年』

やったーーー!!戻ってきたーーーーー!!!!

春香「そういえば週刊誌はどうなってるんだろ!?」

『歌姫-如月千早!IA大賞受賞』


記事が変わってる!優君も、千早ちゃんも生きてるんだ!!!やったーーーーーーーー
私は電車内なのにガッツポーズをとってしまって周りから白い目で見られちゃいました////

何故か時間は朝だったので、このまま事務所に行くことにします



千早ちゃんの居ない…事務所へ
これでよかったんだ 全部これで

----事務所

春香「おはようございま~す…」

P「おはよう」

千早「おはよう春香」

音無「おはよう春香ちゃん、元気無いわね~」

春香「皆おはよ………えええっっ!!!!」

千早「どうしたの?春香」

春香「ちっちっち千早ちゃんが何でここに!?」

千早「失礼ね春香、今日はアナタとやよいと『元気いっぱい3人ラジオ』の収録じゃない」

春香「ぢばやちゃ~~~~~~~んっ」ダキッ

千早「ちょっと春香!急に抱きつかないで!!」

春香「なんで!なんでどうして!」

千早「もう春香っ!落ち着いて!何よ、数年ぶりに会うみたいな…」

春香「そうじゃないけど、そうなの!!それに……胸大きくなった?」///

千早(80)「きっ昨日も会ってるじゃない///一晩で大きくなるわけないじゃないの///」

春香「あれー?」

千早「もうっ変な春香! あ、こないだ頂いたクッキー美味しかったわよ お母さんも優も喜んでたわ
    また一緒にご飯食べに来なさいってお母さんから伝言!」

春香「は…はぁ」

千早「それと、優がね、あなたの新曲買ったって、CDにサインして欲しいみたいよ。まったく小さい頃は『お姉ちゃんのファン』」って
    言ってたのに、最近は春香一筋なのよ?ふふふ、困った弟よね」クスクス

春香「72ガナンダカ」

社長「うおーい 天海君は居るかね~?社長室においで~」

春香「は…はい!」


----社長室

社長「順一郎から話は聞いているよ 今日の君は「過去を経験した」君だね?」

春香「はい、そうですけど、、、どうして千早ちゃんが居るんですか?どうしてオッパイが大きいんですか?」

社長「胸に関しては予測だがね、、、弟さんの事故以来、彼女はふさぎこんでいたのだろう?」
    でも君が変えた過去では弟さんは助かっている 家庭も円満で食事も人付き合いもバッチリさ」

春香「成長期にちゃんと栄養取っていたって事ですね…」

社長「あぁ、それに君や高槻君みたいに明るく、双海君達のようによく笑う娘になってるよ 明るい歌も多い」

春香「そっかぁ……良かった」グスッ「もう二度と会えないと思ってたから」エーン

社長「うちの事務所に入った理由だがね、これは私の口から伝えるのは野暮だね」

社長「君が過去に持って行き、内容が変わった週刊誌を見てごらん そこに理由は書いてあるから」

春香「はい」 千早「春香ー収録行くわよー!!」

春香「待ってよ千早ちゃ~ん」


社長「何が起きても、彼女なら、いや、彼女達なら大丈夫だ  未来は白紙なのだからね」

『歌姫-如月千早!IA大賞受賞』

記者:最後のインタビューです 如月さんがアイドルになったキッカケは?

千早:昔、弟が交通事故に合いそうになった時、颯爽と現れて助けてくれた方が居るんです。
その人はアイドルの方らしく、怖かったと泣きじゃくる弟に歌を歌って慰めてくれたんです。
その時、私も、こういう、人を勇気付けられるアイドルになりたいって思いました。すごくかっこ良かったんです。

記者:そのアイドルさんというのは?

千早:両親にも手伝って色々と探したんですが、全然ダメで… 売れてなかったのか、活動を辞めてしまったのか…

記者:手がかりとか無いですか?

千早:弟のスケッチブックに残ったサインがあるんですが、見た事ないサインで…

 『のヮの」

記者:これは見た事ありませんね(笑)

千早:いつかその人に届くくらい、私は元気に歌い続けたいと思います!

社長「もう、届いているよ 如月君」


---終わり

以上です

本当に幸せな(胸含む)ちーちゃんを書きたかった

でも何かバックトゥザフューチャーとバタフライエフェクトを足して72で割ったような中途半端

しえん㌧クス

あ、高木コンビのお互いの呼び方は
一郎ちゃん 二郎ちゃん だった気がするが細かいこたぁry

ちっは 明るい世界ではるるんとお幸せに

さるるかと思ったが完走できたか乙
平行して他スレに書き込みとかやった?

>>72 うんにゃ 書き溜め投下してただけよ

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