僧侶「あぁ、剣士さんがロリコンをカミングアウトした奴ですね」

魔女「あれないわーぶっちゃけ引いたんですけどー」

勇者「えっシカトすんなよ、俺だよ俺！ 勇者だぞ！」

剣士「因みに魔女もロリ圏内に入れてるから」

魔女「だーかーら気色悪いー」

勇者「おい……おい……！」

僧侶「剣士さん、そろそろ反応してあげないと可哀想ですよw」

剣士「そうだな！ 勇者……だっけ？ よろしくな！」

勇者「えうえう……」

魔女「うわ泣いてんの？ キモッ！」

魔女「誰よこんな汚物引き込んだの！」

剣士「お、良い事言うじゃん。今から勇者の渾名は『汚物』な」

僧侶「ブフッw」

魔女「ねぇ汚物ー！ 聞いてるー？」

勇者「うげう……げう！」

魔女「ちょっと、吐かないで！」

僧侶「流石汚物www」

剣士「こらこら僧侶、落ち着け」

僧侶「ププププププwww」

魔女「……キャラ崩壊始まったね」

勇者「とにかく！ 仲間は集まった。次は装備が必要だ」

魔女「え、王様から貰ってないの？」

僧侶「普通は少量の金貨と共に支給されるはずですよね」

剣士「王様も人間だ。きっとミスったんだろう」

剣士「だから気を落とすな、な？」

勇者「じゃあ俺の装備は」

魔女「無しで良いんじゃない？」

僧侶「素手で魔王を倒した女勇者とあれば史上初の快挙ですよ」

勇者「でもなぁ、一分足りとも勝てる気がしないぞ」

剣士「ん～。俺達待っててやるから装備買ってこいよ」

勇者は装備屋で干柿剣と皮の服を購入した。

勇者「おーい、買って来たぞ……ってあれ？」

勇者「不思議や不思議、すっかりもぬけの殻……」

勇者「まさか俺置いてかれた……？ それも意図的に」

勇者「急いで合流しなければ！」

剣士「勇者の奴まんまと引っかかったぜ。単純にも程がある」

僧侶「剣士さんの判断は正しかったですよ……多分」

魔女「そうそう、あんなダサ女と旅なんて真っ平ごめんよ！」

勇者「お～い、待ってくれー！」

剣士「……と言ってるそばから何か来たんだが」

勇者「何故勝手に出発したんだ？ 理由を言いたまえ！」

剣士「君は虚弱体質っぽそうだったからね。過酷なのでは、と」

勇者「なら僧侶のヒールでパパッと癒せば済むよね」

僧侶「私、そんな高度な魔法なんて詠唱できません」

勇者「お前もう僧侶辞めろよ！」

剣士「さて、議論は終いだ。早速魔物がおいでなすった様だぜ」

僧侶「コボルトですか……序盤にしては厳しく無いでしょうか？」

魔女「僧侶はサポート役だからもっと後ろで良いよ」

勇者「よし、ここは任せろ！」ダッ

僧侶「メテオ！」ゴゥッ

勇者「！？」

僧侶の活躍により、二匹のコボルトは消し炭となった。

勇者「僧侶……君はメテオが使えるのかッ！？」

魔女「あんたさぁ、僧侶を何だと思ってるの？」

勇者「いやだから回復要員として」

剣士「汚物は常識を復習すべきだね。僧侶にも攻撃魔法の一つや二つあるんだよ」

勇者「ぐぬぬ……」

僧侶「魔女さん、先程はありがとうございます」ヒソヒソ

魔女「あんたが魔法名を叫び、私が魔法を放つ。変な事を考えたね」

僧侶「勇者様に攻撃魔法使えないなんてバレたくないですし。助かりました」

剣士「ま、この調子で勇者を精神的に追い詰めていこう」

魔女「はーい♪」

僧侶「……」

夜の帳が下りた。

火を起こし、キャンプファイヤーよろしく四人で囲む。

剣士「もうすぐ焼き上がる頃か」

魔女「お腹減ったー！ 一番大きい肉を頂戴ね」

僧侶「私は僧侶ですけど……ヒヒッ」

勇者「勿論俺の分もあるよな！」

剣士「勇者はガツガツしてはならないよ。汚物の取り分は骨だ」

魔女「そうね、働かざる者食うべからずよ」

僧侶「……ごめんなさいッ」

勇者「お前ら……！」

勇者（骨なんかで足りるかっての！ よし、こうなったら）

勇者「魔女、ごめんよ」ガブ

魔女「ギャー！ あたしの鶏肉勝手に食うなよ、泥棒猫！」

剣士「他人の肉を奪い、食す……立派な窃盗だ。罰を受けて貰うよ」

勇者「おい、勇者に手を上げる気か！？」

勇者「助けてくれ僧侶！ 勇者に暴力を奮うパーティーがどこにある？」

僧侶「もぐもぐ」

勇者「呑気に咀嚼している暇無いだろう！ あだッ……痛い痛い！」

剣士「明日の朝食、お前の分だけ抜きな」

勇者「幾らなんでもやり過ぎだ！」

ー真夜中ー

勇者「一体俺の何が悪いのだろう。イマイチ彼らの真意が掴めない」

僧侶「勇者様、起きてます？」

勇者「……僧侶か。トイレならそこらでしろ」

僧侶「辛くないですか？ 皆に冷たくされて」

勇者「そりゃ辛いさ……。もう魔王討伐どころじゃないよ」

僧侶「元気を出して、私は陰からでも勇者様を応援していますから」

勇者「……本当？」

僧侶「うふふ、信じるか信じないかは、勇者様次第ですわ」

勇者「うわ、信憑性薄いなー……」

翌朝

剣士「おい、僧侶！ 起きろ！」

僧侶「う～んむにゃむにゃ……」

僧侶「どうしたんですかぁ？」

剣士「お早う、勇者とのお喋りはさぞ楽しかっただろうね」

僧侶「」

僧侶（まさか昨夜の密会がバレた……？ でもどうして）

剣士「全くもって残念だ。汚物に心動かされるなどね」

僧侶「違います！ 私は……」

魔女「おはよ～。2人とも朝型なの？」

剣士（面倒臭い奴が来た……）チッ

魔女「で、汚物はまだ起きてないわけ？」

僧侶「仕方ないですよ、昨日一晩中見張りやらされていたんですもの」

剣士「確か僧侶も一緒にいたんだよな。俺見たから」

僧侶「！！」ギク

魔女「へ？ なにそれ」

僧侶「な、何でもないのです！ ただトイレの場所を聞いただけで」

魔女「そうだよね……僧侶ちゃんに限って私達裏切ったりしないよね」ジロ

剣士「ダンテの神曲にもあるだろ？ 裏切りは地獄の最下層行きだって」ニコ

僧侶「はい！ 私は断じて清廉潔白な僧侶ちゃんなのです！」ガタガタ

剣士「ほーん、で？」

勇者「やぁおはよう！ 今日も一日頑張ろうな！」

魔女「朝から暑苦しい。どっか行ってくれない？」

僧侶「朝食の用意お願いしますねー」

剣士「イヨッ食糧供給係」

勇者（仲間にこき使われる俺……惨めだなぁ）

勇者は近くの草原で一狩りした。

勇者「ほら、兎だ」ドサッ

魔女「また小動物？ あんた頭おかしいんじゃないの！？」

魔女「普通だったらマンモスとか、食える奴狩ってくるでしょ」

僧侶「私、宗教上肉は……」

勇者「昨日散々食ってただろ！」

剣士「ま、頂いてやるよ」

魔女「そうね。もう選り好みとかしてる場合じゃないし」

僧侶「もぐもぐ」

勇者（良かった……皆食べてくれた）

勇者「さて、腹ごしらえは済んだし、次の街へ赴きますか」

剣士「そんでさぁw俺が裸になったのwんでさ」

魔女「あーね」

僧侶「つまり、剣士さんは変態であると……プッ」

勇者「話聞けや！！」

剣士「どうした？」

勇者「いやだからそろそろ出発し」

僧侶「へーい！！」ドカッ

勇者「うっ？ 痛いな……」

魔女「やめなよー、汚物困ってんじゃんw」

勇者（もうやだこいつら）

勇者「うわああああああ！？」

ぼかーん

世界は終わった

疲れたのでここいらで終了とさせて頂きます