洋榎「胸を大きくするで」絹恵「え?」 (106)
洋榎「というわけで鹿児島に行ってくる」
絹恵「お姉ちゃんいきなり何言い出すんや。インハイも終わったばっかなんに」
洋榎「止めるな絹!うちは胸を大きくして見返してやるんや!」
絹恵「見返すって誰を?」
洋榎「世間や!ほな行ってくるで!」ピュー
絹恵「あ、待ってや……行ってもうたわ」
絹恵「末原先輩、あれは何なんでしょう?」
恭子「絹ちゃんにはわからん悩みやと思う」
新幹線内
洋榎「さー鹿児島行くでー」
洋榎「……あそこにおるんは」
照「」キョロキョロ
洋榎「おーチャンピオンやん。何してんねやこんなとこで」
照「今は咲に負けたから違う」
洋榎「まあええやん。このほうが呼びやすい」
洋榎「で、何で一人でこんなとこおるんや?まさか西東京に帰るつもりが新幹線に乗ってここまで来たんやないやろな?」
照「私はそこまでドジじゃない。鹿児島に行くためにここに来た」
洋榎「奇遇やな。うちと一緒や」
洋榎「鹿児島に何しに行くんや?」
照「胸のことで」
洋榎「おぉう……うちと同じやんけ」
洋榎「テレビに映る人は辛いわな」
照「?」
洋榎「テレビに出て胸のこと言われたんやろ?」
照「別に……でも、鹿児島で何とかしてもらいたい」
鹿児島
洋榎「着いたでー」
照「ふぅ、ここからこれを背負って歩かないと」
洋榎「なんやその荷物は」
照「お菓子。泊まり込む気でいるから」
洋榎「遠足か」
照「断られた場合は粘り強く交渉する」
洋榎「そこまでケチやないやろ。あんな胸してんねんから」
いとこのフナQも一緒に大きくしたれや!
洋榎「こんにちわー」
巴「わざわざ遠いところからどうも。ご用件は?」
洋榎「胸大きくしてほしいんや」
巴「お帰りください」
洋榎「はぁ!?なんでやねん!」
巴「うちはそういった願いをかなえる場所じゃないんです」
洋榎「嘘つけや!そんなでかい胸持っとるんは神様の力やろ!」
巴「たしかに姫様は神を降ろしますが胸は関係ありません」
洋榎「とにかく通してくれ!通さんかったら」
照「ここで野宿してどちらかが折れるまで持久戦に持ち込む」
巴「それは困ります」
洋榎「嫌なら通して、その姫様に合わせてや」
巴「わ、わかりました」
洋榎「こ、これでうちのコンプレックスが治る……治るんや!」
小蒔「ごめんなさい」
霞「無理です」
初美「無理なのですよー」
春「無理」ポリポリ
洋榎「」ズコー
照「なぜ……」
小蒔「なぜと言われても、無理なものは無理なんです」
洋榎「ふざけんな巨乳軍団!その胸が天然物の訳ないやろ!」
照「ありえない。これが同じ人間だとは思えない」
洋榎「そうやそうや!豊胸手術したとしか思えんわ!医者がでっかくしすぎたんや!」
霞「小蒔ちゃん、この人たちどうしましょうか?ちょっとお仕置きを」
小蒔「やめて霞ちゃん、この人たちにもここまで言うわけがあるのよ」
小蒔「話してもらえませんか?どうしてここまで来るほど胸がほしいのか」
洋榎「分かった。なんでうちがこれほどにまで胸がほしいか話したる」
洋榎「大阪の強豪校はテレビで大きく取り上げられるわ」
洋榎「今年団体戦で出場した姫松と千里山はぎょーさんマスコミがやってきた」
洋榎「そこでうちは主将やからいろいろ聞かれるんや」
照「阪○タイガースのことを?」
洋榎「そうそう今年の阪○は兎軍と互角の戦いをして――ちゃうわ、そんなこと聞いてくるわけないやろ」
洋榎「麻雀で、どうやって勝ち残ってきたかとか、相手はどうやったかとかそういうのや」
洋榎「ただな……終わった後言われるんや」
洋榎「愛宕姉妹の妹は強くて優秀やなーって」
愛宕姉妹のおもろい顔のほうと言われている洋榎
洋榎「ふざけんなや!人を見かけで判断すな!」
小蒔「いやぁ……流石にマスコミの方なら間違えないでしょう」
洋榎「いや間違えとる。初めて来るやつは絹のことを姉と認識しとるんや。背とか胸とかでな」
洋榎「どこの錬金術師やホンマ。アホちゃうかあいつら」
洋榎「それくらいならまだ許せる。でもな、今年我慢ならんことがあった」
洋榎「週刊誌がうちと絹は姉妹やないと書きよった。姉妹ならある程度胸の大きさは似てくると」
照「うっ」
洋榎「それ見たとき泣きそうになったわ」
洋榎「せやからな、うちは胸を手にれるんや」
洋榎「胸を手に入れて、マスコミを黙らせたる」
洋榎「胸さえあれば、うちが姉と言われる……身長は運動とかで差はつくし」
霞「あなたは芥川龍之介の『鼻』という作品を知っていますか?」
洋榎「はぁ?知らんわ」
霞「仮に今ここで胸を大きくしたところで、周りから笑われるのがオチです」
洋榎「知るか!それでも大きくしたいんや!」
小蒔「……わかりました。それでは宮永さんは?」
照「私は大会終了後咲と和解した」
小蒔「咲というのは、今年の個人戦1位の」
照「そう、私の妹」
照「いろいろあったけど、この大会の後何とか和解することができた」
照「ただ……一つだけ言われて悲しいことがあった」
… ─ ── ─── ──────────────── ─── ── ─…
…… … ────────────── … ……
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
照「こうして和解できてよかった」
咲「うん……」
照「どうしたんだ?」
咲「私、お姉ちゃんの妹でよかったって思うこともあった」
咲「でも、ひとつだけ、お姉ちゃんと違えばいいなって思うこともあるの」
照「違えばいいところ?どこ?」
咲「胸」
照「」
咲「和ちゃんと一緒に過ごして、胸がないことが……貧乳なのが嫌なの!」
咲「ねえお姉ちゃん!私どうなるの!?ちゃんと大きくなるの!?」
咲「私はお姉ちゃんのこと尊敬してるよ!でも、胸の大きさだけは――っ」
照「…………」ヒック
_________
…… … ────────────── … ……
… ─ ── ─── ──────────────── ─── ── ─…
照「妹に真顔でこんなこと言われた」
小蒔「…………」
照「だから、咲の胸だけでも、将来的に咲の胸だけでも大きくしてほしい」
照「せっかく和解したんだから、少しは咲の悩みを解決してあげたい……」
小蒔「……二人の悩みは解決してあげればいいんですが、できません」
洋榎「だからなんでや!?」
小蒔「うちにはそういう神様はいないんですから」
照「そ、そんな馬鹿な」
照「鹿児島にはどんな願いも叶えてくれる神様がいると聞いた」
小蒔「いません。いたらうちは世界中から参拝客が来ます」
小蒔「誰がそのような噂を流したかは知りませんが、できません」
霞「仮に胸が大きくなるなら初美ちゃん は今頃」
初美「う、言わないで」
小蒔「わかりましたか?私たちもその願い、叶えられるなら叶えたいのですが」
洋榎「……せっかく大きくなると思うたんに」
照「なら、せめて胸が大きくなる秘訣だけでも」
小蒔「秘訣ですか?そういわれても」
??「お任せあれ!」
一同「!?」
玄「おもちと聞いて飛んでまいりました!松実玄です!」
玄「おもちの悩みなら叶えるのです!」
洋榎「お前は、阿知賀のドラ爆」
玄「ふむふむ、なーるほど」
玄「ずばり、おもちの悩みを抱えているのはそこの黒糖を食べている娘ですね?」
洋榎「は?」
玄「おもちは揉めば大きくなるのです。それでは――」モミモミ
春「ひっ……きゃあ!?」
洋榎「お、おおおお前何しとるんや!?」
照「悩みを抱えているのはその人じゃない」
玄「そうなのですか?てっきりあのお二人のような爆乳を手に入れたいのかと」
玄「それではこちらですか?」
巴「私も違います」
照「悩みを抱えているのは私たち二人」
玄「そ、そんなぁ……胸がないと揉むことさえできないのです」
玄「もっと胸を大きくしてもらわないと揉む価値すら」
ガシ
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洋榎「よっしゃ、捕まえた。後はそのスクリューを決めるのみやで!」
照「分かってる」ギュルルル
玄「ひゃあああ!?や、やめるのです二人とも」ジタバタ
霞「みなさん落ち着いてくださいね。ここは神聖な境内ですよ」ニッコリ
洋榎「あ、はい」
小蒔「あなたも何か悩みを抱えてそうですね……聞くだけ聞きます。叶えれるなら叶えますよ」
玄「おお、やっぱりここは願いを叶えてくれるのですね!」
玄「私の願いは……憧ちゃんのおもちを大きくしてもらうことです!」
小蒔「お帰り願います」
玄「あ、違った。お姉ちゃんの体質を治す方法が知りたいのです」
洋榎「それ言う順番が逆やろ」
玄「仕方ないのです!揉んだら大きくなるから揉んであげようとしたら逃げられて」
洋榎「そら逃げるわ」
小蒔「胸はどうすることもできません。でも、体質のほうはものによればできますよ」
玄「本当ですか!?お姉ちゃんは重度の冷え性なのです」
小蒔「ああ、それなら少々時間がかかりますが何とかなるかもしれません」
小蒔「永水秘伝の漢方薬なら多少の冷え性は完治します。ただ……お時間が1週間ほど」
玄「長期戦も覚悟のうちなのですよ!泊まることも考えて準備はしています」
小蒔「それはそれは。なら中へどうぞ」
玄「はい!ありがとうございます!」
照「いや待って!」
洋榎「うちらはぁ!?」
小蒔「え?」
照「私たちの願いも何とかしてほしい」
洋榎「そうや!その漢方薬とやらがあれば」
初美「どうあがいても無駄なのですよー」
初美「漢方薬も治療用だけで、決して胸を大きくすることはできません」
洋榎「…………」
洋榎「う……うぅ……」ポロポロ
照「ひどい……」
初美「泣いても無理なものは無理なのですよー」
小蒔「……そこまで胸を大きくしたいなら、少しの間ここで過ごしますか?」
洋榎「ここで過ごす!?そ、そうか!大地の力で」
小蒔「そういうものから離れてください。ここで過ごしたからと言って胸が大きくなるとは限りません」
小蒔「それでも、私たちの経験から大きくなる可能性はあります」
洋榎「可能性も何もあらへん!大きくなる望みがあるならやったるで!」
照「私も。大きくなる可能性のある方法があれば知ってて損はない」
小蒔「それでは、お二人も中へお入りください」
小蒔「あ、そうだ。その前に……宮永さん、その荷物は何が入ってるんですか?」
照「荷物?ああ、これは」
小蒔「何分神聖な場所なので、危険物は持ち込んでいただいては困ります」
小蒔「それと、食べ物も出来るだけ持ち込まないでください。特にお菓子は」
照「そ、そんな……お菓子がないと栄養が」
小蒔「駄目です。持ち込み禁止」
初美「おお、中に大量のお菓子が」
小蒔「もったいないですが、すべて廃棄処分で」
照「ああ……厳選したお菓子が……」
・
・
・
小蒔「それでは、ここから1週間ここで生活してもらいます」
洋榎「ここで?いったい何を」
小蒔「私たちと同じように生活するんです」
小蒔「私たちと同じような生活をすれば胸も大きくなると思って」
照「……なるほど」グス
洋榎「ほぅ、で?その内容は」
小蒔「それはですね……」
洋榎「何で巫女服なんか着て掃除せなあかんねや?」ザッザ
照「私に聞かれても知らない。でも咲のため」ザッザ
初美「ほらほらーもっと集中してやるのですよー」
洋榎「うっさいわ!!監視名目で遊んどる奴に言われとーない!」
初美「ちゃんと出来なかったら私の巫女服で働いてもらうでのすよー」
洋榎「ぐぅ……」ザッザ
照「真面目にやろう。あんな服着てるのがばれたら人前を歩けない」ザッザ
照「お、終わった……意外に重労働」
洋榎「掃除と胸の大きさの何が関係あるんや……」
巴「私たちは毎日このようなことをやっていますので」
霞「多少の運動も必要ですよ。胸以前に健康にもいいんです」
霞「胸をつけようとしてもぐーたらしていてはただの脂肪になりますよ」
洋榎「はぁ……(そういえば絹はサッカーやってるし、麻雀やっててもランニングは欠かさんかったな)」
照「お、終わった……意外に重労働」
洋榎「掃除と胸の大きさの何が関係あるんや……」
巴「私たちは毎日このようなことをやっていますので」
霞「多少の運動も必要ですよ。胸以前に健康にもいいんです」
霞「胸をつけようとしてもぐーたらしていてはただの脂肪になりますよ」
洋榎「はぁ……(そういえば絹はサッカーやっとったし、麻雀やっててもランニングは欠かさんかったな)」
巴「夕食の時間ですよ」
洋榎「おお、もうそんな時間か」
照「結構掃除やってたから」
洋榎「どれどれ……粉もんはないか……」
玄「当り前です。ここは関西ではないのですから」
洋榎「おったんかい」
玄「漢方薬ができるまで炊事のお手伝いを任されました」
玄「この料理でおもちが大きくなるならみんなに勧めるんのですよ」
洋榎「(料理って言ってもなぁ……あんま派手やない)」
一同「ごちそうさまでした」
霞「片付けは松実さんと私でやるので、今からはご自由にお過ごしください。決して祭壇のものには触れないでくださいね」」
洋榎「それくらい分かっとるわ」
洋榎「…………」
洋榎「………………」
洋榎「……………………」
洋榎「暇や……」
照「この黒糖おいしい」ポリポリ
春「それはよかった」ポリポリ
洋榎「テレビはあるわな……」ポチ ピッピ
洋榎「おもろい番組ないなー」ピッピ
『あーまたフォアボール!国与四、制球が定まりませーん!巨◯満塁の』
洋榎「野球もこれだけか……」
洋榎「つまらんわー」
照「黒糖にひと手間加えると」ポリポリ
春「そういうのは一通りやってみた」ポリポリ
小蒔「暇なら麻雀しますか?」
洋榎「あるんか?ならやるで!それが一番の娯楽や!」
照「よし、私も」
洋榎「チャンピオンはあかんやろ……やる前から勝負が見える」
小蒔「ではやりましょう。そろそろ片付けも終了するので」
洋榎「よーし、大阪代表の腕見せたろうやないか」
洋榎「よっしゃツモ!断幺九平和ツモ一盃口、2600オール」
玄「う……流石姫松高校の主将、胸はなくても強いのです」
洋榎「はっは、後で覚えとけ」
ジャラジャラ
霞「すみません、その山から4つ取ってもらえますか?」
洋榎「ええけど、どないした?」
霞「いや、このまま手を伸ばすと胸で前の山が崩れるので」
洋榎「…………」
・
・
・
洋榎「…………」ズーン
照「どうだった?」
洋榎「トップやってんけど……嫌なん見たし聞いてもうたわ……」
洋榎「……うち、ホンマに頑張って胸大きくするわ」
洋榎「別に絹程とは言わん、恭子くらいでええ。それでも大きくする」
照「そうだね。私も、この方法で菫くらいの胸に成長できたらいいと思ってる」
洋榎「菫ってあの隣におった背の高い奴か。あれ結構あるで」
照「大丈夫。菫は中に仕込んでる」
洋榎「ほうほう、あんなにきりっとして実はパッドを……」
――――――――――――――――――――――――――
菫「くしゅん……誰か噂してるのか?」
菫「胸に詰めてるの、照にしかばれてないよな……?こんなことほかのやつに知られたら恥ずかしすぎる」
霞「お風呂はどうしますか?浴槽は大きいのでみんなで入ることも」
洋榎・照「「二人だけで」」
霞「わかりました。ではお先に」
洋榎「あんなのと風呂に入ったら立ち直れんくなる」
照「たしかに。1年の時、合宿でみんなで入った時に胸を見せつけてくる奴がいたときはへこんだ」
照「あとで飛ばしたけど」
洋榎「おうそんなやつ飛ばせ」
その後しばらく談笑
洋榎「それでなー、絹が蹴り返したボールが運悪く恭子に命中してなー」
洋榎「恭子が一瞬犬神家みたいになってやな」ケラケラ
ガララ
霞「お風呂どうぞ」プルン
洋榎・照「「」」
霞「?どうされました?」
洋榎「……服、着てや」ズーン
照「それを見せられると傷つく……」ズーン
霞「?」
チャポーン
洋榎「何食ったらああなるんや」バシャ
照「もう少しここの食事を見てみないと分からない」バシャ
洋榎「……チャンピオンも、麻雀やってるときはおっかないけど、こうしてみるとやっぱ普通の人なんやな」
照「誰だってそう。小鍛冶プロも三十路手前で焦る普通の人間」
照「牌に愛されても人並みの悩みは抱えるものだから。私の場合は胸」
洋榎「なんか安心したわ。違うところにおる人やと思っとったから」
照「ふふっ」
2日目
初美「起きるのですよー」
洋榎「……ぅーん、絹ぅ……あと5分だけ」
照「ふぅ……んん」
初美「起きないと奇乳BBAのお尻ぺんぺんの刑なのですよー」
洋榎「!?」ガバッ
洋榎「な、何でや……一応夏休みやろ今」
霞「早寝早起きは大事ですよ」
洋榎「これ、胸を大きくするより刑務sy……何でもないです」
照「早寝早起きも胸の為には重要っと。それと朝のちょっとした運動も」メモメモ
洋榎「(熱心やなー。それほど妹の為に)」
洋榎「顔も洗ったし、ちょっと汗かいたらすっきりするわー」
キャーキャー
洋榎「ん?向こうで松実の声がする」
洋榎「どないし――ぎゃはははは!!!」
照「どうし――っぷぷ」プルプル
初美の巫女服を着た玄がいた
玄「こ、これはあんまりです……///」
洋榎「む、胸見ると悔しいけどっ……笑いがっ……何やったんやっ」ケラケラ
春「寝ぼけて姫様の胸を揉みすぎた」
洋榎「さて食い終わったけど……っ」プルプル
照「献立は……っ」プルプル
玄「や、やめるのです///」
小蒔「さぁ、今日も一日頑張っていきましょう」
初美「二人は今日も掃除ですよー」
洋榎「よし、行くか」
照「うん」
玄「わ、私は」
小蒔「流石に外に出すのは止めましょうか」
洋榎「昨日よりは早く終わりそうやな」ザッザ
照「昨日ちゃんとやったから」ザッザ
洋榎「なぁ、ひと段落ついたら遊ばへん?」
照「遊ぶってどこで」
洋榎「ここでや。箒持って遊ぶいうたらチャンバラか野球や」
照「学校ならできるかもしれない。でも今は」
初美「」ニヤニヤ
洋榎「わかった」
洋榎「終わったでー」
照「疲れた。黒糖」
春「はい」スッ
洋榎「夕飯はなんやー?」
玄「普通の和食です」
洋榎「そうか……」
照「ここまで来たら粉ものはあきらめたほうがいい」
洋榎「チャンピオンは黒糖があるから耐えれるんや」
3日目
洋榎「おお、もう元の巫女服に戻ったか」
玄「これじゃあおもちを堪能できないのです……」
照「あなたは胸を堪能するために来たんじゃないんでしょ?」
玄「ぐぅ……お姉ちゃんの為に耐えるしか……やっぱり難しいのですよ……」
小蒔「さあみなさん、朝食ですよ」
洋榎「うぉりゃりゃりゃー」ザザザザ
照「乱暴にやっても飛び散るだけ。丁寧にやったほうがいい」
洋榎「でも今はな、あいつおらんねんで」
洋榎「やったらちょっとくらい手抜いてもええやん」
照「ばれたらあの服を着せられるし、どこかで見てるかもしれない」
洋榎「大丈夫や。一応掃除はしてるんやからな」
照「はぁ……」
初美「サボってるところ見つけたのですよー」
照「げっ」
・
・
・
玄「ぷぷっ……これは傑作なのです……」
洋榎「死にたい」ペターン
照「…………」ペターン
霞「明日までおとなしくしていたら元の服にします」
洋榎「何があかんかったんやろな」
照「サボる姿勢を見せたのがいけなかったと思う」
小蒔「さあ、夕食ですよ」
洋榎「ふぅ……食った食った。さあ麻雀や」
照「今回は私もやる」
洋榎「え……ちょ」
照「巻き添え食らった報復。覚悟してね」
洋榎「えー……勝たれへんやんか……」
玄「いっそのこと再起不能までやって」
照「もちろん、あなたも」
玄「ふぇ!?」
こうして、なんやかんやありながら1週間が過ぎた
洋榎「ふぅ……」ザッザ
洋榎「これで終わりや!」
照「これで掃除もやらなくていいんだね」
初美「終わったら着替えて集合ですよー」
洋榎「あー、粉もん食えんけど、まあおもしろかったな」
照「普段はこんな生活意識してもできないから」
小蒔「1週間ご苦労様でした」
初美「この生活を持続すれば胸も成長するかも」
洋榎「あんたが言っても説得力0やけどな」
小蒔「最初に言いましたがこの生活を続けても大きくならない可能性はあります」
洋榎「構わんわ。これはこれでおもろかったしな」
玄「おもちの鑑賞いいことに気づいたのです!」
照「何か達観してる」
小蒔「では3人とも、お疲れ様でした」ペコ
霞・初美・巴・春「「「「お疲れ様でした」」」」ペコ
洋榎「世話になったのはこっちやし、頭下げんでもええで。じゃあ、さよなら」
春「忘れてた。この黒糖、お土産に」
照「ありがとう。向こうで分けてくる」
新幹線内
洋榎「さーて戻るで」
照「大阪に着いたらお別れか」
洋榎「……そんなん言わんといてや。淋しくなるやんか……」
照「ごめん。でも、鹿児島での1週間、楽しかった」
洋榎「最初はいろいろ文句言ったけど、慣れたらわいわい麻雀もできておもろかったしな」
照「そうだね……」
洋榎「帰ったら……絹の運動に付き合うてみるか……」
照「私も、菫や誠子と一緒に……淡も付き合わせる」
洋榎「もうすぐ新大阪や」
照「じゃあ、本当にお別れだね」
洋榎「そう言うなや。たぶん、インカレでも顔合わせるやろ」
照「そうだといいね」
洋榎「いや、絶対会おうな。約束やで、照」
照「――っ……分かった、洋榎」
シンオオサカー シンオオサカー
洋榎「着いたか……ほんなら!次は大学で」タタタタ
照「……絶対だからね」
・
・
・
洋榎「絹ー、ランニング行くでー」
絹恵「お姉ちゃん何があったの!?鹿児島から帰ってきてから生活習慣が別人に」
洋榎「胸を大きくするためやで」
絹恵「はぁ?」
洋榎「まーそれ以外でも健康にええから」
絹恵「そ、それはそうやけど……早寝早起きに、野菜もきちんと食べるようになったから」
絹恵「じゃあお姉ちゃん、ゆっくり行くからついてきてや」タッタ
洋榎「よっしゃ、いくで恭子」
絹恵「へ?」
恭子「ふぁ~」
絹恵「なんで末原先輩がここに」
恭子「なんか知らんけど巻き込まれたわ……」
絹恵「ご愁傷様……」
洋榎「さあ、頑張っていこうや!」タッタッタ
菫「お前、鹿児島から帰ってきてから変わったな」
照「そう?」
菫「以前はインドア派で部屋で本読んだり麻雀打ちながらお菓子食べて」
照「向こうで食生活を見直してきた」
照「これも胸を大きくするため。きちんとした生活を送れば体は成長するから」
菫「はぁ、胸が大きくなるかは知らんがまあその生活はいいだろうな」
照「咲にもこの生活を勧めてみた。咲も運動不足だったし」
照「菫もやってみる?もしかしたら大きくなるかも」
菫「私は別にそんなことしなくても」
照「知ってるから、それが偽物ということ」ボソッ
菫「な、お前どこでそれを!?」
照「秘密。さぁ、やる?」
菫「……松実館に泊まったら大きくなりそうな気がするからそれで」
照「逃げちゃダメ。運動しよう」
菫「いや……お前と違って一応やってはいるんだが」
淡「テルー!菫!どうしたの?」
菫「うわこんな時に」
淡「何話してたの?面白そうな感じがする」
菫「おい空気読めよ」ボソッ
照「集中力を上げるため運動をしようと」
淡「えー運動!?やだやだー」
照「やるだけやってみたほうがいい。あとお菓子の量も減らす」
淡「菫……これテルー?」
菫「たぶん」
・
・
・
洋榎「おっしゃー!ちょっとはでかなったで」
絹恵「ホンマに?」
洋榎「まあほんのちょっとやけどな。効果はないわけでもないんやな」
洋榎「(大学で大会勝ち抜いて……照と再開するときには普通にわかるくらいになっときたいな)」
照「咲?ちょっと効果あった?お姉ちゃんも少しだけど効果あったよ」
照「うん……うん、じゃあ」ガチャ
照「ちゃんと大きくなってる……鹿児島での1週間は無駄じゃなかった」
照「(洋榎と再開するまでには、バカにされないくらいは大きくなってるよね)」
洋榎「よし、次に会う時までは」
照「頑張って、ちゃんと大きくしよう」
洋榎・照「「お互い、恥じることのないように」」
―槓―
これで終わりです
読んでいただき、ありがとうございました
書き忘れてたのがあった
憧「宥姉、寒いのましになったの?」
宥「はい、玄ちゃんからもらった薬がよく効きました」
憧「へー、宥姉の体質にも効く薬があるんだね」
宥「私の為にわざわざ鹿児島に行ってきたみたいです」
憧「へ、へぇ……鹿児島ね」
憧「(あの乳軍団の中で大丈夫だったのかな?)」
宥「鹿児島から帰ってきて、あんまり胸を揉まなくなったんですよ」
憧「嘘!?あの玄が!?」
憧「(鹿児島すげー、あの癖を直すのか)」
玄「憧ちゃん、こんにちわ」
憧「あ、うん。こんにちわ」
玄「鹿児島で巫女服を着ていろいろやったのですよ」
憧「へぇ~巫女服を」
玄「憧ちゃんも一度行ってみたら」
憧「(玄がこうも性格が変わるってことは……)」
憧「や、やめておきます。なんか……刑務所のような気がするから」
玄「おもちも大きくなるのですよ」
憧「やっぱりそれが目的か」
―もいっこ、槓―
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