全国大会会場にて
えり『試合終了、準決勝進出は清澄高校と姫松高校です』
姉帯「うわああああああああああああああん!!!!」ビェーン!
咲「お疲れ様です!」ペッコリーン
末原「くっ……!」
霞「おつかれ~」
えり『今大会屈指の好ゲームと言っても過言ではないのではないでしょうか』
咏『まさに今夏20本の指に入る名試合だったねぃ』
えり『指多すぎませんかそれは……』
咏『えりさんも小じわが多すぎだぜ』
えり『ま、まだ20代ですから!そんな多くありませんよ!』クワッ!
咏『今のでまた1本増えたねぃ』
姉帯「うわあああああああああああああん!!!!」ポロポロ
咲「また今度一緒に麻雀やろう!」グッ!
霞「そうね~楽しみだわ~」ウフフ
末原「ふん……!」
咲「それじゃまたね末原さん!」ペコーン
末原「そうやな……」トボトボ
霞「ふふ~ん♪」
姉帯「うわああああああああああああん!!!!!」グジュグジュ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1590860206
姫松高校控室にて
末原「……」
洋榎「でかしたで恭子!ナイス準決勝進出や!」
絹恵「末原先輩凄すぎます!」
由子「みんなを翻弄してやったのよー!」
漫「ハラハラしてお尻に穴が開きそうでしたよ……
洋榎「そこは胃やろ!ケツに穴は最初から開いとるわ」
絹恵「二人とも下品やで……」
末原「ぐっ……!」 ポロッ…
由子「どうしたのよー恭子!なんで泣くのよー!」
末原「くそっ!くそっ!」ボロボロ…
そう言うと末原恭子は床へとうずくまった
洋榎「どないしたんや恭子!体調でも悪いんか!」
漫「ひょっとしてお腹でも痛いんですか!?ウンコですか!」
絹恵「だから二人とも下品やって!もう!」
洋榎「うちは今回なにも言ってないやろ!」
末原「ひっく……ひっく……」
由子「恭子……」
末原「名門姫松高校の看板に泥を塗るような麻雀をしてしまいました……情けない……なんと情けない……」ポロポロッ
洋榎「なんやそんなことかいな!全然気にすることないで恭子!」
絹恵「そうですよ!ベスト8進出は立派やないですか!」
由子「あいてを上回ったからこその勝ち上がりなのよー!」
末原「ち、違います……今回の私は本来なら負けていたんです……で、でも……」ポロポロ…
絹恵「でも?」
末原「宮永咲に生かされたんです……自分が勝つために私を掌で転したんです……」グジュグジュ…
洋榎「なんですて……」
末原「次やったらもう宮永咲には勝てません……私はもう無理や……」ボロボロッ
絹恵「先輩……」
漫「宮永咲にイカされたって……あの末原先輩いきなり下品な下ネタやめてくれます……」
洋榎「なに言うてるんや漫……」
由子「空気読んでなのよー……」
漫「というかなんで末原先輩泣いてるんですか?」
洋榎「この流れでまだ理解できてないんか!漫はホンマにポンポコピーやな!」
末原「ううう……」ポロポロッ
絹恵「先輩……」
ガチャン
赤阪「末原ちゃんあるある早く言いたい~♪」
洋榎「うわ!」
由子「あ~あ来ちゃったなのよー」
赤阪「末原ちゃんあるある早く言いたい~末原ちゃんあるある早く言いたい~♪」
洋榎「またしょーもないことしとるでこのオバハン!」
赤阪「末原ちゃんあるある早く言いたい~♪」
絹恵「無視やでお姉ちゃん!」
洋榎「そうや!恭子あまり気にしてはあかんで!準決勝で見返してやればええんや!」
赤阪「末原ちゃんのあるある~早く言いたいで~♪」
由子「いっぱい練習して宮永咲にリベンジマッチなのよー!」
赤阪「末原ちゃんのあるあるを~早く言いたい~♪」
末原「……」ポロポロ…
洋榎「無視やで恭子無視や……」
漫「はよ言えや!」
絹恵「上重さん?!」
赤阪「末原ちゃんのあるあるを~早く言わせてや~♪」
漫「だからはよ言えや!」
洋榎「律儀に代行に付き合わんでええんや漫……」
赤阪「末原ちゃんのあるあるを~早く早く言いたい~♪」
漫「せやからはよ言わんかい!」
由子「お願いだから空気読んでなのよー……」
赤阪「ゆーめーじゃないあるあるを~今こそ胸を張りましょう~♪」
末原「お、B'z」ムクッ
洋榎「うわ、食いついた」
赤阪「末原ちゃんあるあるが欲しいのなら~喜びを知りパーッとあるある~♪」
漫「だからはよ!」
末原「言ってくださいよ!」
赤阪「末原ちゃんあるあるを今から言うよ~♪」
末原「早く言ってくださいよ!」
赤阪「実際の身長より高く思われがち~♪」
漫「へい!」
洋榎「へいちゃうわ……なんやねんこのおもろないあるある……」
赤阪「末原ちゃんそんな身長低くないイメージやけど実際は147センチの可愛いロリっ娘やもんな~」
末原「まぁ可愛いは否定しませんけど」
由子「否定せんのかいなのよー……」
赤阪「イヒヒヒヒヒ!すっかり元気を取り返したようやな末原ちゃ~ん!」
末原「う!それは!」
絹恵「そういえばさっきの落ち込みから抜けたみたいですね……」
赤阪「いくのんはそれを見込んでわざと道化を演じたんやで~まさにいくのんの掌の上やで~~」
洋榎「絶対ただふざけてただけやろもう……」
末原「……」
末原「ハァ……」
赤阪「これでもう元気100倍やろ~」
末原「泣くのが馬鹿らしくなっただけですよ……」
洋榎「とにかく恭子次や!次は宮永咲を攻略して決勝進出や!」
由子「そうなのよー!あいては同じ人間やし不可能なんてないのよー!」
末原「無理ですよ……私には凡人には宮永にかないっこありません」
洋榎「なんや!もう諦めるんか!うちの知ってる恭子はこんな簡単に投げ出すほどアホちゃうで!」
末原「主将は宮永咲と戦ってないからそう言えるんです!あいつは人間ちゃう!モンスターや!」カッ!
絹恵「せ、先輩!?」
末原「宮永咲はあの宮永照の妹ですよ!そんな最強のDNAを持つ者に勝てるわけないやないか!私の父はタクシードライバーやぞ!」
洋榎「タクシーの運ちゃん関係ないやろ……」
末原「とにかく!宮永咲には勝てないんです!」フンッ!
由子「まるで駄々っ子なのよー」
漫「あの先輩……」
洋榎「言ってやれ漫!ガツンや!」
漫「自分のことを凡人と言うより凡夫と言ったほうがちょっとかっこよく見えますよ」
絹恵「なに言ってるんや……」 由子「もう黙ってろなのよー」
末原「……」
赤阪「末原ちゃん、あの娘より強くなる方法、あるで」
末原「え……」
洋榎「恭子!聞いたらあかん!悪魔のささやきや!」
由子「そうなのよー!」
赤阪「そうやで~いくのんは可愛い子ちゃんを誑かす小悪魔ちゃんやで~」
末原「あ、あるんですか!あの宮永咲に勝てる方法が!」
赤阪「あるで~たったひとつの冴えた方法や!」
絹恵「先輩!この人はうそつきです!騙されないでください!」
赤阪「ひどい誤解やな~いくのんが今まで嘘ついたことなんて一度もないで~」
洋榎「今の発言の時点で嘘まみれやないかい!」
赤阪「こういうのはな、優しい嘘って言うんやで~」
由子「もうなにがなんだかなのよー……」
末原「……」
赤阪「どうするん末原ちゃん?今回のやり方を身につけないで正攻法な末原ちゃんで宮永ちゃんに挑むん?」
末原「……」
赤阪「でもそれだと見事に大惨敗やで、なにも考えずにつっこめば2回戦の二の舞や」
末原「……」
赤阪「頭を使うんや末原ちゃん!あの怪物には考えて考えて策を練るしかないんや!」
末原「……」
赤阪「さぁサイコロ回して頭も回すで末原ちゃん!」
末原「やります……!その方法を教えてください……!」キッ!
洋榎「恭子!」
赤阪「ええ表情やな~、拗ねてる末原ちゃんもええけどなにかを決意した大人びた顔の末原ちゃんもええな~」
末原「ふん……」
赤阪「まぁ本当に一番ええのはベッドの上で従順になってときの末原ちゃんの顔やけどな~」
由子「なにかヤバイこと言ってるのよー……」
絹恵「考え直してください先輩!なんかイヤな予感がするんです私!」
末原「心配しないでください絹ちゃん、私は必ず無事で帰ってきます」
赤阪「そうやで~この特訓に失敗しても五体満足でいられなくなるか精神が崩壊して一生夢の住民になるか程度の話やで~」
洋榎「考え得る最悪のシナリオばっかやないか!恭子あかん!このオバハンの口車に乗ったら人生終わりや!
末原「主将、もう私はもう決意したんです」
由子「恭子……」
末原「もしあの宮永咲に勝てるというなら……たとえそれがリスキーな選択だとしても……私は挑戦したいんです……」
絹恵「先輩……」ポロポロ
末原「私は賭けたい……代行の特訓に……それが私みたいな凡夫があのモンスターに勝つ唯一の方法なんです!」クワッ!
洋榎「うわ!凡夫を使いよった!」
末原「では言ってきますね」トコトコ
絹恵「先輩待ってください!」
末原「絹ちゃん……」
絹恵「絶対に帰ってきてください!たとえ勝てなくても先輩が無事なら私はそれでいいです!
末原「大丈夫ですよ、無事に帰ってきます、そして強くなってきます」
洋榎「こうなったらもううちは恭子を止めん!絶対強くなって帰ってくるんやで!」
末原「もちろんですよ洋榎」
漫「あの先輩……」
末原「どうしましたか漫ちゃん?」
洋榎「しょーもないこと言ったらはっ倒すで!」
漫「お土産お願いします!」
洋榎「ホンマにしょーもないこと言ってどないすんねん……」
末原「漫ちゃんらしいですね、覚えてたら買ってきます」
漫「ちゃんと覚えとくように手にサインペンですわ!」
洋榎「次くだらないこと言ったらデコにサインペンやで!」
由子「あの恭子……」
末原「由子もなにかあるんですか?私なら元気ですから安心して……」
由子「凡夫って平凡な男の人のことを指す言葉だから恭子たち女の子が使うのは間違いなのよー……」
末原「は?」
漫「え?」
洋榎「まぁそれはうちも思ったな……」
絹恵「私もです……」
赤阪「そもそも夫ってついてる時点で男の言葉やん」
由子「ちょっと考えればわかるのよー」
末原「漫ちゃん」ギリッ!
漫「うちのせいですかいな!そんな自分で考えもせず使った末原先輩が悪いですよ!」
洋榎「大会が終わったら猛勉強やな」
赤阪「いくのんの母校のバカ田大学が待ってるで~」
末原「絶対に私はそんな大学に行きませんからね!」
漫「うちは勉強面倒くさいしそこでもええな……」
赤阪「ほないくのんいや行くで~」
末原「では行ってきます」
ガチャン
絹恵「先輩……」
洋榎「大丈夫やろか……」
夜の街にて
末原「……」トコトコ
赤阪「YouTubeに手を出す芸人あるある早く言いたい~♪」フラフラー
末原「……」トコトコ
赤阪「YouTubeに手を出す芸人あるあるを早く言いたい~♪」フラフラー
末原「……」トコトコ
赤阪「YouTubeに手を出す芸人あるある早く早く言いたい~♪」フラフラー
末原「……」トコトコ
赤阪「YouTubeに手を出す芸人の~あるあるを早く言いたい~♪」フラフラー
末原「……」トコトコ
赤阪「ちょうど風のない海ように~あるあるな日々だった~♪」フラフラー
末原「あの早く言ってくれます……」
赤阪「イッヒッヒッヒ!気になるんか!いくのんのネタが気になるんか!」
末原「べ、別に気になりませんよ!」
赤阪「ええってええって、末原ちゃんはホンマいくのんのことが気になってしょうがないんやな~」
末原「代行のことはどうだっていいんです!私はこの後どこでなにをするんかが気になるんです!」
赤阪「いけずやなぁ~、でもそのうちいくのんの魅力に取りつかれて二進も三進も行かなくなるで~」
末原「ハァ……」
赤阪「そんな心配しなくても大丈夫やって~失敗しても大惨事になるだけやし~」
末原「そのときは代行も地獄へ道連れですからね」
赤阪「いや~ん末原ちゃんにプロポーズされてもうたで~ここがまさに天国や~ん」
末原「……」
赤阪「地獄に落ちてもいくのんが鬼をボコボコにしてやるさかい安心して泥船に乗ってや~」
末原「舌も70枚ぐらいありますからね……」
赤阪「イヒヒヒヒヒヒ!せやから閻魔翌様もびっくり仰天やで!」
末原「ハァ……」
末原「……」トコトコ
赤阪「YouTubeに手を出す芸人あるある早く言いたい~♪」フラフラー
末原「あの目的の場所にはいつ頃着くんですか……」トコトコ
赤阪「いくのんと恭子の愛の巣のこと~?」
末原「ちゃうわ!てか急に下の名前で呼ぶのやめてくださいサブイボです!」
赤阪「目的の場所ならあそこやで~」
末原「え、あそこですか……」
赤阪郁乃が指を差した場所にはひと際目立つビルが建っていた……
末原(えらいキンキラキンで豪華やな……なんて読むんや……たつなんとかホテル?)ジーッ
赤阪「あそこにな~今回の末原ちゃんを鍛えてくれる人がおるんやで~」
末原「鍛えてくれる人?代行が鍛えてくれるんじゃないんですか?」
赤阪「ちゃうで~、実はな……」
末原「はい」
赤阪「とってもセクシーでイカれた格好をした人やで」ボソッ
末原「え!」ドキドキ
赤阪「ほないくのんいや行くで~」ガシッ!
末原「あ!ちょっと!」
こうして二人は夜の街に消えていったのだった……
そして準決勝当日 副将戦後
絹恵「やってもうや……やってもうた……」ポロポロ
洋榎「泣いたらあかんで!」
由子「そうなのよー!絹ちゃんはよくやったのよー!」
絹恵「でも!みんなの点棒が!」ボロボロ
洋榎「デモもパレードもあらへん!絹が責任を感じることなんてないんや!」
由子「テキサス野郎とWおっぱいが強すぎただけなのよー!」
絹恵「お姉ちゃん!」ダキィ!
洋榎「大丈夫や絹!このあと必ず恭子が逆転してくれるハズや!」
漫「やれやれ、まだまだ試合は続くのにこんな調子だと先が思いやられるな」
洋榎「おい漫!なんでそんな酷いことを言うんや!」
漫「気安く僕に喋りかけないでくれ、こっちまでバカになった気分になる」
洋榎「なんやと!」
絹恵「上重さんまだあの調子なんですか?」
由子「そうなのよー……」
洋榎「先鋒戦で大爆発したからって調子コキすぎやろなんやねんアレ……」
絹恵「調子に乗るはいいけど人格変わりすぎやで上重さん……」
漫「ところで末原恭子はまだ来ないのか?」
由子「それは……」
絹恵「え?まさかまだ末原先輩帰ってきてへんの?」
洋榎「そのまさかや……」
絹恵「そんな!もう始まるで大将戦!どうするん先輩がいなくて……」
由子「どうしようなのよー……」
洋榎「岐阜の眉山で修行しとると聞いたんやけどな……」
漫「フン、怖気づいて逃げたか」
洋榎「漫!なんやその言葉!恭子をバカにする気か!」
漫「実際そうじゃないか、じゃあなぜ末原恭子は今ここにいないんだそれはまさに特訓が上手く行かず逃げたってことじゃないのか」
由子「いい加減にするのよー!」
漫「僕の足を引っ張らないくれないかな」ヤレヤレ
洋榎「漫は一生不発弾でいるべきやったな!」グッ!
由子「抑えるのよー!」
絹恵「先輩無事でいればいいけど……」
洋榎「もうどないすりゃええねんもう!」
ガチャン
赤阪「おまた~」
由子「代行!」
赤阪「Long time no seeやで~諸君!」
洋榎「やいオバハン!えらい遅かったやないかい!こちとらメチャクチャ心配したんやぞ!」
赤阪「洋榎ちゃん、オバハンって言うほうがオバハンなんやで~」
絹恵「なにその理屈……」
赤阪「なんやみんな怒ったような顔しとるな~、そんなんやと10年後には小鍛冶ちゃんみたいにしわくちゃやで~」
由子「そんなことより恭子はどこなのよー!」
赤阪「みんなのココロの中に末原ちゃんはおるんやで~」
漫「くだらない戯言など聞きたくはない、早く末原恭子を呼んでくれないか?」
赤阪「あのデコっぱちはなんか変なモノでも食ったんか?」
洋榎「爆発して調子こいてるだけや、無視や無視」
赤阪「末原ちゃんならもうこっちに向かってるで~」」
チョゲチョゲチョゲチョゲ・・・・・・
絹恵「先輩……」
チョゲチョゲチョゲチョゲ・・・・・・
赤阪「新しい末原ちゃんのイッツショータイムや!」
ガチャン
洋榎「恭子!?」
由子「のよー!」
絹恵「先輩?!」
漫「なんですて!」
赤阪「ピカピカの末原ちゃんやで~」
そこでみんなが見たものは……
末原「キテますキテます」
サングラスを掛け髪をオールバックにし黒ずくめの衣装を来た末原恭子の姿だった……!
末原「ハンドパワーです」
洋榎「マリックやないか……」
赤阪「どうや~末原ちゃん生まれ変わったやろ~」
絹恵「はぁぁぁぁ……」クラクラ
洋榎「どないした絹!」
絹恵「麻雀しないでマジックの練習してただなんて……」
赤阪「イヒヒヒヒ!これで今後忘年会とかで困らんですむで~」
末原「キテますキテます」
漫「え?ホンマに大丈夫なんですかこれ?末原さん頭でも打っておかしくなったんですか……」
洋榎「あまりのショックに漫が正気になっとるやないか……」
末原「ハンドパワーです」
由子「それしか言えないのかのよー……」
赤阪「バカに出来るのもいまのうちやで~、末原ちゃん例のアレや!」
末原「わかりました」スッ
そう言うと末原恭子は胸ポケットからトランプを取り出したのだ……
末原「ここにトランプがあります」パラパラ
洋榎「お、おうあるな……」
末原「今からトランプを切っていきますので好きなタイミングでストップと言ってください」パラララララッ!
洋榎「本格的にマジックらしくなってきたな……ほなストッ!」
漫「ストップや!」
由子「なんで漫ちゃんが言うのよー」
末原「ではストップがかかったところのこの1枚を……」
漫「スペードのQですね」
洋榎「なんで口に出すねん!そこはうちらだけが覚えるとこやろ!」
由子「マジック受けるの下手くそかなのよー」
末原「チッ!じゃあもう一回切りますよ」パララララララッ
絹恵「スト……」 漫「ストップ!」
洋榎「だからなんで漫が言うねん!」
赤阪「イーヒッヒッヒッヒ!ホンマ漫ちゃんはポンポコピーやな~」
末原「ではこのカードを覚えてください」スッ
末原が提示したカードはハートの7だった
洋榎(ハートの7やな)
絹恵(ハートの7やね)
由子(ハートの7なのよー)
末原「ではこのカードをトランプの束の真ん中に入れます」
絹恵「テレビでよく見るやつやでお姉ちゃん」
洋榎「そうやな」
末原「指を鳴らします!パチン!」
由子(自分の口で言ってるのよー)
末原「では絹ちゃん、一番上を捲ってみてください」
絹恵「わ、わかりました!えい!」ペラッ!
なんと一番上のカードはハートの7だった……!真ん中に入れたハズのハートの7が一番上まで瞬間移動したのだ……!
末原「フフフ……」
絹恵「すごいでお姉ちゃん!さっきのカードやで!」
洋榎「ホンマや、いつの間にカードが移動したんや」
由子「すごいのよー!」
末原「これがハンドパワーです」
漫「……」
赤阪「漫ちゃん声も出ないくらいびっくりしとるで~、どうや末原ちゃんのスーパーイリュージョンすごいやろ~?」
漫「いやさっきどんなカードだったのか忘れてもうていまいちピンと来なくて……」
赤阪「あんたの頭はバードかいな」
末原「キテますキテます」
洋榎「すごいで、ホンマにマジシャンやん」
末原「次は500円玉にタバコを貫通させます」
赤阪「末原ちゃんもう時間やで~」
末原「そうでしたね」
絹恵「頑張ってください!」
洋榎「これで宮永咲にリベンジや!」
由子「ぶちかましなのよー!」
末原「頑張ってきます」
漫「……」
洋榎「ほら漫もなんか言いや!」
漫「あの末原先輩……」
末原「なんですか漫ちゃん、あ、お土産のことですね、忘れたわけではありませんよ、漫ちゃんには私の愛を……」
漫「あの……その手品をどう麻雀に生かすんですか……」
末原「……」
洋榎「漫……」
漫「たしかにさっきの手品はテレビのそれらみたいにちゃんとした手品ですけど、うちらは麻雀をやってるんですよ……」
由子「のよー……」
漫「さっきのトランプの手品を今から宮永咲たちに披露するんですか……それでびっくりさせてその隙をついて勝とうとかそういう話ですか……」
絹恵「ちょっと上重さん……」
漫「年下のうちが言うのも失礼かもしれまへんけど……ちょっとその考えは浅はかでは……」
末原「ホンマに浅はかやな」
漫「す、すんません!うちはそういうつもりは!」
末原「ホンマに浅はかですよ漫ちゃんは、私がそんな方法で戦うと思ってるんですか?」
漫「ちゃ、ちゃうんですか?」
末原「当然やろ、このマジックを生かした新麻雀戦法で宮永咲たちを翻弄してきますよ」
絹恵「先輩……!」
末原「ところで漫ちゃん、ちょっとあなたの財布を出してください」
漫「うちの財布ですか?」
末原「今から漫ちゃんにさらなるハンドパワーをお見せしましょう」
漫「しょうがないですね……」ガサゴソ
そう言うと上重漫はカバンから自分の財布を取り出す
末原「その中から一枚お札をください」
漫「はぁ」スッ
漫は財布の中から千円札を一枚取り出し末原に渡す……すると
末原「えいっ!」ビリィ!
漫「ええええ!!」
なんと漫の千円札を思いっきり半分に破ったのだ……!
末原「ハンドパワーです」
漫「超常現象でもなんでもただの暴挙やないですか!うちの千円返してくださいよ!」
洋榎「大丈夫やって漫、たぶんこれをもと通りするマジックやから……」
末原「では時間なのですぐ行ってきます!では!」スタタタタタタタッ!
漫「うちのお金直さないんかい!おい先輩!おい!」
スタタタタタタタタタ・・・・・・
漫「なんなんすかこれ」
今日はここまで
寝るお
準決勝会場にて
恒子『それにしてもFC町田トウキョウってクラブ名はどうかと思いますよね』
健夜『急になに言い出すのこーこちゃん!てかもうCM終わって本番始まってるよ!』
恒子『公共の電波を私物化したってたまにはいい、時を戻そう』
健夜『よくないからね!後で絶対偉い人に怒られるからね!』
∠恒子/『改めましてちゃっちゃちゃーす!福与恒子です!』
健夜『小鍛治健夜です……』
恒子『元気ないですねぇ、やはりアラフォーにもなると生きる気力というのが湧かなくなるんですかねぇ!』
健夜『アラサーだよ!もうまた年齢いじり!』
恒子『最近やたらネットでおばさんと煽られるそうですね!』
健夜『この前ネットでPVって書き込んだら「PV?ひょっとしてMVのこと?今時そんな言葉なんて誰も使いませんよ?おばさん?」って煽られちゃった……
……ってそんなことどうでもいいでしょ!もうしっかりちゃんと実況してよもー!!』
恒子『いやぁリアルなお悩みですねぇ!』
健夜『まだ27はおばさんじゃないよ……』
恒子『小鍛治プロのテンションが下がったところでピッチ解説の藤白七実プロを呼んでみましょう!藤白さーん!』
藤白「チッ!なんであたしがこんな仕事しなきゃなんねえんだよっ……くそったれが……」グチグチ
恒子『藤白さ~ん!地が出てますよ~!藤白プロ~!』
藤白「ああぁん!ってどーも!みんなのアイドル藤白七実でーす☆!」キラリーン
恒子『2年前あの宮永照をあと少しのとこまで追い詰めた藤白プロ!今年の大会はどうでしょうか!』
藤白「七実的にはぁ~2年前の大会に負けず劣らずレベルの高い大会だと思いまぷ~☆」キラリーン
恒子『大将戦の見どころを教えてください!』
藤白「やっぱし~、宮永咲さんとネリーさんが実力的には1枚抜けてると思いますぅ~☆」
恒子『なるほど!実に分かりやすい解説でした!ところで藤白プロ!あなたが元ヤンキーという噂は本当でしょうか!』
藤白「あ?どこでその話聞いたんやコラ!おいテメェ降りてこっち来いやコラ!」
恒子『ピッチ解説の藤白七実プロでした!』
藤白「なにコラタココラ!」
恒子『いやぁ元気があって愉快な人でしたねぇ!まぁあまり生放送には向かないタイプかとは思いますが!』
健夜『それはこーこちゃんもだよ……』
恒子『では選手紹介です!』
咲「よろしくお願いしますね!」ペッコリン!
恒子『現在トップの清澄高校の大エース宮永咲!今回はいったいどんなリンシャンシャワーを浴びせてくれるのでしょうか!』
爽「おいーっす!」
恒子『そして現在最下位ながら健闘している有珠山高校!果たしてこの獅子原爽がどんなミラクルを見せてくれるのか!』
ネリー「ちゃちゃっと勝ってガイトさんにお小遣いせびるよ!」
恒子『そしてそして現在2位の臨海女子ネリー!このジョージアからの刺客が今日どんな闘牌を見せるのか!』
末原「キテますキテます」
恒子『そして末原!以上です!』
健夜『もっと末原さんの情報言おうよ……』
末原「キテますキテます」
恒子『グラサンに黒づくめにオールバック!どうしたんでしょうね末原!とうとう気でも違ったんですかね!』
健夜『こーこちゃん!その表現はダメだよ!』
恒子『気が違うダメ?じゃあ気が触れるだ!もっとダメ?!』
健夜『……』
恒子『というわけで大将戦もうすぐスタートです!』
取りあえず今日はここまでですお
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません