真姫「『ラブライブ!なぞなぞ』……?」 (173)

~部室~



真姫「ふう……」

真姫「今日から3年生は3日間の修学旅行」 ゴソゴソ

真姫「練習は休みだからここには誰もいない」 ゴソゴソ

真姫「……1人でずっと使ってた部室だもの」 ゴソゴソ

真姫「アイドルグッズに紛れて他人に言えない恥ずかしい物のひとつやふたつ」 ゴソゴソ

真姫「にこちゃんなら隠していてもおかしくないわ」 ゴソッ

真姫「……ビンゴ」

真姫「棚の奥……伝説のアイドル伝説を目隠しにして……無題のノート発見♪」

真姫「何が書いてあるかしら……って』 ペラッ

真姫「『ラブライブ!なぞなぞ』……?」

真姫「何これ……」 ペラッ

『ラブライバーのみんなー!こんにちわー!』

『ナゾナゾノー星からやってきた《怪人ゾノー》だの~ん★』

『今日もいっぱいなぞなぞ出しちゃうの~ん★』


真姫「にこちゃんの字じゃないわね……誰が書いたのかしら」 ペラッ


『ボクの出すなぞなぞはねー、全部ラブライブ!に関連したなぞなぞなんだの~ん★』

『ラブライバーを自称するからには全問とけて当たり前の問題ばっかりだの~ん★』

『全部で5問あるからみんなも一緒に解いてみよう!』

『ではまず第1問~』

真姫「……にこちゃんの秘密を探るつもりが、変なもの見つけちゃったわ」

真姫「なぞなぞって……子供じゃなんだから」

真姫「馬鹿馬鹿しい」 ポイッ

真姫「……」

真姫「……」

真姫「……でもまあ」 チラッ

真姫「ラブライブ!のことなら私にわからないことなんてないし?」

真姫「むしろ私がラブライブ!だし?」 ヒョイ

真姫「やってやろうじゃない」 ペラッ

[問題]



ドルはドルでも、うたったり、おどったりするドルってなーんだ?

真姫「なるほどね、確かに簡単だわ」

真姫「まさにラブライブ!といえば?って問題ね」

真姫「みんなもわかったと思うけど……って、みんなって誰よ」

真姫「答えはズバリ、『スクールアイドル』ね!』 

[答え]



少ない元手で大きなリターンという謳い文句に躍らされた結果
有り金全部溶かしてしまったFXのドル円





真姫「」

『……声優になって事務所の正所属になったはいいんだけどさ』

『……新人に仕事なんてそうそう来ないわけよ』

『……オーディション落ちまくってやっと来た仕事がモブ役ばっか』

『……ギャラも新人枠だから最低ランクの15000円』

『……そこから事務所のピンハネでホント不安定収入……バイト生活やめられない』

『……そんな時に目に留まったのが……つり革広告のFXの文字だった』

『……外国為替の取引なんだけど凄いのが元手の最大25倍の取引ができて』

『……危ないのはわかってたんだけど……この貧乏生活から抜け出して』

『……声優業に専念するんだって有り金全部突っ込んだらさ……』

『……日銀砲がね……』

『……』

『……あ』

『ラブライバーのみんなー!正解だったかなー?』

『じゃあ続いて第2問いくの~ん★』

真姫「なによコレ!?」

真姫「ラブライブ!関係ないし!」

真姫「ていうか怪人ゾノーが声優とか知らないし!」

真姫「駄目よFXなんてプロでも勝てないのに素人が手出しちゃ!」

真姫「なにより世知辛い!なぞなぞなのに!」

真姫「そして1人でツッコミ入れてるこの私!」

真姫「まったくー……」 ペラッ

[問題]



穂乃果ちゃんがお昼に食べるものといえばそう!パン!
じゃあ、パンはパンでも食べられないパンってなーんだ?

真姫「また簡単な問題ね」

真姫「でもさっきの例があるし捻くれた答えなんでしょどうせ……」

真姫「うーん……」

真姫「普通ならフライパンとかパンツとかなんだけど」

真姫「……」

真姫「あ、パンツはないわ」

真姫「だってこの前海未が」

海未『パンツは食べ物ではありませんが、穂乃果のパンツなら食べられます!』 キリッ

真姫「って……ドン引きだったわ」

真姫「うーん……」

真姫「パン……パン……パンサー……」

真姫「……!」

真姫「『Cutie Panther』!我らがBiBiの新譜よ」

真姫「歌は食べられないしこれに違いないわ」

真姫「あとカップリング曲の『夏、終わらないで。』も良い曲よ」

真姫「まだ買ってないラブライバーはすぐポチりなさい」

真姫「さて答えは……」 ペラッ

[答え]



昨夜に目撃した両親の交わりのせいでとてもじゃないが食べられない昼食のパン





真姫「Oh……」

『たぶんアニメ最終話の講堂ライブ見て感極まったんだろうね』

『ついでと言っちゃあなんだけど下半身も感極まったと』

『娘達が寝静まった頃に穂乃果ママに学生時代の制服着せて』

『穂乃果がまだ……父ちゃんのお稲荷さんで……泳ぎ回ってた頃は……』 パンパンッ

『こんな立派に……成長するとは……思わなかったぞ……』 パンパンッ

『的な?』

『夜中にお腹が空いて降りてきたらこの始末』

『いやあ……キツイね!』

『みんな合ってたかな?それじゃあ第3問いくの~ん★』

真姫「ド下ネタじゃない……」

真姫「そんな場面に遭遇したらキツイなんてもんじゃないわ、トラウマよ」

真姫「……そういえば」

真姫「穂乃果が食欲ないからって花陽にパンあげたことあったっけ……」

真姫「あの時の穂乃果の真顔と、パンをおかずに白むすびを食べる花陽の笑顔」

真姫「ひどいコントラストだったわ……」

真姫「ふう……」

真姫「なにこの答え」 ペラッ

[問題]



ラブライブ!の魅力の根幹にあるのは、やっぱり歌の良さ!
じゃあ、聴いてほしいのに聴いてもらえないものってなーんだ?

真姫「問題はまともなのよね」

真姫「答えが天の邪鬼なんてレベルじゃないのよ」

真姫「いじわるなぞなぞってジャンルがあるけど、これただのいじわるじゃない」

真姫「まったくー……素直になりなさいよね」

真姫「……うーん」

真姫「普通のなぞなぞなら答えは『子守唄』とかなんだろうけど」

真姫「ここは私も捻くれましょうか……」

真姫「……『初ライブのSTART : DASH!!』」

真姫「アニメ第3話で披露した3人バージョンのほう」

真姫「μ's 初の講堂ライブはまさかの観客ゼロ」

真姫「でも穂乃果達3人はめげることなくライブをやり遂げた」

真姫「それからメンバーを着実に増やし人気も出て……」

真姫「9人バージョンも良いけどこっちは誰も生で聴いてなかった」

真姫「聴いてほしいのに聴いてもらえない素晴らしい曲」

真姫「そしてそれを作曲したのは……」

真姫「そう!真姫ちゃん!」 フフン

真姫「ずーっとひとりごと言ってる真姫ちゃん!」

真姫「傍から見たら変な人!」

真姫「でもそんなのどうでもいいから答えは!」 ペラッ

[答え]



アニメ第8話で絵里が亜里沙達に聴かせたクソみてぇな演説





真姫「そっちかぁー」

『エリチカさん相当切羽詰ってたんだろうね』

『生徒会独自に動くと言っておきながらやろうとしたことはまさかの』

『音ノ木坂の歴史に焦点を当てた演説だったからね』

『これ、ことほのうみの3人がアニメ第1話Aパートでとっくに通過してんだもん』

『そりゃ理事長もエリチカさん認めないわけだわ』

『エリチカ、廃校を阻止するチカ!』

『何か良い方法はあるんですか?』

『ないチカ!』

『……スクールアイドルやって生徒集めるほうがよっぽど具体的で現実的だね』

『演説するにしてもモブ役員の言うように制服の可愛いさやアルパカ』

『開き直って美人の生徒会長と副会長がいるって謳ったほうが可能性感じたんだ』

『……でもまあ』

『完璧に見えて結構抜けてるとこがあって……』

『誰かのために必死になって空回りしてるエリチが……』

『みんな大好きなんや』

『せやろ?』

真姫「せやな!」

真姫「いい話にしてお茶を濁そうたって答えが滅茶苦茶なのは変わらないし!」

真姫「演説を歌というには無理があるんじゃ……って」

真姫「よく見たら問題文に歌という文字がない!」

真姫「どうやらマヌケは見つかったようね!」

真姫「Yes, I am !」

真姫「はい次の問題!」 パァン!

真姫「頭いたい……」

[問題]



正直者の海未ちゃんが飲む飲み物ってなーんだ?

真姫「はいわかったー真姫ちゃんわかったー」

真姫「正直者ってことは正しいことを言う人!」

真姫「正しいことを別の言い方にすると正論!」

真姫「正論、せいろん、セイロン……」

真姫「セイロンティー!」

真姫「答えは『セイロンティー』!」

真姫「ばんざーいばんざーい愛してるばんざーい!」

真姫「さあ答えは!?」 スパァン!

[答え]



煮え湯





真姫「はい違ったー!」

真姫「誰がうまいこと言えと!」

真姫「なに、ここは私もうまいこと言う流れ?」

真姫「よし、ちょっと待ってなさい……ととのいました!」

真姫「海未とかけまして、微糖のコーヒーとときます」

真姫「その心は……」

ほのかに甘い

真姫「その心は、ほのかに甘いでしょう」

真姫「>>107すごいわ!」

真姫「ご褒美に頭の中身をさばいてあげる!」

真姫「あははははははっ!!!」

真姫「……」

真姫「ちょっとトイレ……」 ガタッ


ガラガラッ
タッタッタッ
バタン

ヴェェェェェェェ
ビチャビチャッ

―――― 
―――――― 



真姫「……変な氣に中てられてキャラがおかしくなってたみたい」

真姫「これも全部この変ななぞなぞのせい」

真姫「誰が書いたのよ……」

真姫「……」

真姫「……あと1問だし最後までやるんだけどね」 ペラッ


『ラブライバーのみんなー!何問正解したかな?』

『なんと次がラスト問題!』

『1問も正解してないゴミライバーはいないと思うけど泣いても笑ってもこれで最後』

『楽しんでほしいの~ん★』

[問題]



前を走る μ'sのメンバーが曲がり角にさしかかった時、なにかを落としたよ!
さあ、それはいったい何でしょう?

真姫「……これ、ひっかけ問題よね」

真姫「どこかで似たようなの見たことあるわ」

真姫「確か答えは『スピード』だったけど……」

真姫「性悪怪人ゾノーのことだわ、単純なわけない」

真姫「……」

真姫「曲がり角ってのがターニングポイントで……」

真姫「ラブライブ!にとってのターニングポイントは……アニメ化?」

真姫「落としたってことは不必要な物だから……」

真姫「……媒体ごとに変わるぶれぶれの『設定』」

真姫「……なわけないか」

真姫「アハハッ」 ペラッ

[答え]



アニメ化に際し不都合になった設定





真姫「」

『ラブライブ!は3社合同企画で始まったスクールアイドルプロジェクト』

『各方面から集まった人材がキャラと同じように実際に歌って踊る』

『まさに2次元と3次元の融合ってことで密かな注目を集めてた』

『でも蓋を開けてみると……ファーストシングルの売り上げは』

『たったの四百と数十枚』

『現実は厳しかった』

『誰も見向きもしてくれないんじゃないかって思った時もあった』

『だけど、諦めなかった』

『スタッフ、キャスト……皆が一丸となって地道な活動を続けていった』

『次第に歌が評価されライブが評価され……』

『そして2013年初春、ここからラブライブ!は、 μ'sはさらなる飛躍を遂げる』

『そう、アニメ化という名の……』

『曲がり角を越えてね!』

真姫「……」

真姫「……」 ブワッ

真姫「……うん……うん、うん」

真姫「……私達、頑張ってきた」

真姫「高飛車設定とか彼氏いない歴17年の15歳とか彼氏いた設定とか」

真姫「いろいろ落としたけど……ファンの皆を笑顔にしたくてその一心で」

真姫「……今じゃこんなにラブライバーが増えて」

真姫「諦めなくて……本当に良かった」

真姫「……仲間と支え合ってこれて……本当に幸せ」

真姫「……こんなこと皆に言えないけどね」

真姫「……あーあ」

真姫「こんなワケわかんないなぞなぞで泣くとは思わなかったわ」 グスッ

真姫「まったくー……」 ペラッ


『ラブライバーのみんなー!楽しんでもらえたかなー?』

『ラブライブ!を知ったきっかけはみんな人それぞれだけど』

『みんな笑顔になるコンテンツ……それがラブライブ!』

『これからも目が離せない展開が待ってるはずだから』

『みんなで盛り上げていくの~ん★』

『ついでに怪人ゾノーのことも忘れないでいてほしいの~ん★』

『じゃあ名残惜しいけど最後にゾノーからのメッセージ!』

真姫「結局、これ書いたのが誰かはわからず仕舞いだったわ」

真姫「まあ……暇つぶしになったし……良かったわよ」

真姫「日が暮れて来たし、最後のページ見て帰りましょうか」 ペラッ

こんな なぞなぞに まじに

なっちゃって どうするの




真姫「」

真姫「」 プルプル

真姫「……ああ……もう……!」




真姫「イミワカンナイ!」


                               おわり

~おまけ~


真姫「ねえ、凛」

凛「なになに真姫ちゃん?」

真姫「ちょっとなぞなぞ思いついたんだけど」

凛「えー!なぞなぞ!?凛なぞなぞ大好きにゃー!」

真姫「そう、じゃあいくわよ」


真姫「見ようとすればするほど見えないものってなーんだ?」

凛「現実」

真姫「え」

凛「現実」

真姫「……」

真姫「……はい」

真姫(……『夢』って答えてほしかったんだけど……)

                                  おしまい

ゾノーは希の悪ふざけな
あとFXには気をつけろよ、じゃあの

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