凛「どうして真姫ちゃんと一緒にいるの!?」花陽「ち、違うのこれは」(62)

ラブライブのSSです。
それぞれの呼び方はアニメ準拠ですが一部間違っているかもしれません。
五~十レスぐらいの短い話をいくつか投稿します。短いので、急展開で唐突で中途半端なオチが多いです。
最初だけちょっと百合百合していますが、投稿する話がすべてそうだというわけではありません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374582901

○りんまきぱな

凛「どうして真姫ちゃんがかよちんと一緒にいるの!?」

花陽「ち、違うの凛ちゃんこれは」

凛「真姫ちゃんは凛のお嫁さんになるって約束したよね?」

花陽「!?」
真姫「!?」

花陽「何、それ……どういうこと真姫ちゃん」

真姫「いや知らないけど」

凛「そんな、凛とは遊びだったの?」

真姫「話聞きなさいよ!」

花陽「真姫ちゃんは私の、その、旦那さんだからね」

凛「!?」
真姫「!?」

真姫「花陽まで……いったいどうしたっていうのよ」

花陽「真姫ちゃん教えて、私と凛ちゃん、どっちと結婚してくれるの?」

真姫「いや……」

凛「はっきりするにゃー!」

真姫「女同士の結婚なんて無理だし」

花陽「!!」
凛「!!」

真姫「ていうか、音楽室で歌の練習してるだけでどうしてそんな話になるわけ」

凛「だって放課後に密室で二人きりって」

真姫「変な言い方しないで! まあ凛の思うようなことはないから。なんなら一緒に練習する?」

凛「いいの?」

真姫「凛だって仲間なんだから」

凛「仲間じゃなくて恋人だもん」

真姫「仲間なんだから、いいのよ。ね、花陽」

花陽「……嫌、かも」

真姫「!」
凛「!」

真姫「な、なんでよ」

花陽「だってせっかく真姫ちゃんと二人きりになれる時間なのに」

真姫「あなたねえ……」

凛「かよちんがだめって言ってもやるからね。今の状況で二人きりになんてしておけないよ!」

花陽「むぅ……」

花陽「たとえば、だけど」

凛「うん」

花陽「凛ちゃんは真姫ちゃんのことどれくらい知ってるの?」

凛「うーん、かわいくていい子だってことなら知ってるよ!」

真姫「何これ、帰っていいの?」

花陽「私は真姫ちゃんの家に行ったことあるよ」

凛「!!」

凛「でもでも凛は、抱きついたことあるし」

花陽「私は真姫ちゃんの恥ずかしいところ見たし恥ずかしい声も聞いたことあるよ」

凛「!?」

真姫「嫌な言い方しないで。ただの発声練習よ」

花陽「私のほうが近いよね」

凛「そんなことないもん!」

真姫「私の話聞いてないわけ」

凛「ほら、ぎゅーっ」

花陽「!!」

真姫「ちょ、ちょっと!」

凛「かよちんにはこんなこと、できないもんね」

花陽「うぅ……」

真姫「離れなさいよ暑いじゃない」

凛「真姫ちゃんは静かにしてて!」

真姫「えっ」

凛「ふふん。これ見てもまだかよちんのほうが近いって言える?」

花陽「……この前、凛ちゃんに内緒で」

凛「にゃ?」

真姫「待ちなさいその話は!」

花陽「真姫ちゃんと二人で遊んだ」

凛「な、なななっ」

真姫「違うのよあれは。いえ違わないんだけど。ていうかなんで言い訳しなくちゃならないのよ」

凛「で、どういうこと?」

真姫「だからただ歌の練習してただけで別に遊んでたとかそういうんじゃ」

花陽「真姫ちゃんの家でね、お昼ご飯もご馳走になったんだよ」

真姫「勝ち誇ったような顔しないで」

花陽「いっぱいいろんな声出したし、凛ちゃんの知らない真姫ちゃんのすごいとこ、いっぱい見たもん」

真姫「いやらしい言い方はやめなさい!」

凛「ぐぬぬ」

真姫「なんで涙目になるの……疲れた」

凛「真姫ちゃーん」

真姫「いい加減離れて。ていうかこれ私が悪いの?」

花陽「そろそろ決めてよ、どっちと恋人になるのか」

真姫「なんか話が一周したような気がするんだけど」

真姫「で、ことり先輩、見てないで助けてくださいよ」

ことり「ひいっ!」

凛「!!」
花陽「!!」

ことり「……ばれちゃってた?」

真姫「なんの用ですか」

ことり「三人ともあんまり遅いものだから、呼んできてって頼まれちゃって」

真姫「だそうよ。今日はこのくらいにして練習に行きましょう」

凛「ことり先輩はどう思います?」

ことり「どうって?」

花陽「私と凛ちゃん、どっちが真姫ちゃんとお似合いですか?」

ことり「えーっと……」

真姫「無視して」

ことり「二人とも、とってもお似合いだと思うよ」

真姫「無難な答えね」

花陽「ちゃんと一人に決めてください!」

ことり「ご、ごめんなさい」

真姫「謝らなくていいと思うけど」

凛「……ちょっと待ってかよちん……今すごい事実が発覚したよ」

花陽「どんなの?」

凛「かよちん、衣装を作ってもらうとき、どうした?」

花陽「えと、まずことり先輩にサイズとか測って……あー!!」

真姫「今度は何よ」

花陽「ま、真姫ちゃん、ことり先輩にいろいろなサイズ測ってもらったんだよね」

真姫「それはまあそうだけど」

凛「ことり先輩だけ真姫ちゃんのあれこれ見てずるいにゃー!」

ことり「……なんて反応すれば正解なのかな?」

真姫「こら」

凛「あたっ」

ことり「わ、私先に屋上行ってるから、早く来てね」

真姫「一緒に行くわ」

凛「まさかのライバル出現……」

花陽「ことり先輩、手ごわそうです」



ことり「ねえ真姫ちゃん、なんだかすごく後ろから視線を感じるんだけど」

真姫「気にしないでください」

凛「……」
花陽「……」

ことり「ありがとうね、真姫ちゃん」

真姫「え?」

ことり「私の歌詞を曲にしてくれて」

真姫「別に。それにいい歌詞だったし」

ことり「本当?」

真姫「ちゃんと想いが篭ってる、と思う。私はああいうの好きね」

凛「!?!?」
花陽「!?!?」

ことり「ありがと。そう言ってもらえると嬉しいな」

真姫「それにしても大変ですね、衣装作ったり踊り考えたり、歌詞考えたりバイトしたり」

ことり「今度のは踊らなくてもいいし、それに衣装はメイド服を借りるだけだから。たしかにそれでも大変だけど、でも楽しいから平気!」

凛「真姫ちゃんのメイド姿楽しみだねー」

真姫「いきなり話に入ってきたわね」

花陽「なんかすごく似合いそう」

ことり「そうだね。でも真姫ちゃんだけじゃなくて、凛ちゃんも花陽ちゃんもよく似合うと思うよ」

花陽「そ、そうですかね」

凛「えへへー」

真姫「いいように扱われてるわね」

ことり「さ、そろそろ着くから、練習がんばろうか!」

凛「はーい!」
花陽「はい!」

真姫「この先輩には勝てる気がしない」

いったん投稿終了です。
だいたいこういうふわっとした感じで終わります。

○りんまきぱな2

凛「暑いよー」

真姫「じゃあくっつくのをやめて」

凛「かよちんだけ膝枕なんてずるいにゃー」

真姫「暑くて疲れたって言うから……」

凛「あーっ、なでなでまでしてもらって。凛だって疲れてるよー」

真姫「どう見ても元気じゃないの」

花陽「えへへ」

凛「もうそこ代わってよ!」

真姫「じゃあ私と代わる?」

凛「それじゃ意味ないにゃ」

真姫「はあ……自主練習するっていうから付き合ってあげてるのに、どうしてこうなるのよ」

花陽「夏のせいだよ」

凛「ほんと、暑いにゃー……」

真姫「じゃあ練習はこのくらいにして帰りましょうか」

花陽「そうだね」

凛「さんせーい」

真姫「……で、どうしてついてくるわけ?」

凛「凛も真姫ちゃんの家行きたい!」

花陽「凛ちゃんばっかりずるいよ」

凛「そもそもかよちんは行ったことあるんだから、ここは凛と真姫ちゃんの二人きりにさせてよ」

花陽「いやだよ」

真姫「……しょうがないわね、いいわよ」

凛「わーい」
花陽「わーい」



真姫「と、いうわけで帰ってきたわけだけど」

凛「またかよちんが膝枕ー? ずるいにゃー!」

花陽「なんか安心するなー」

真姫「そう……」

凛「じゃあ今度は凛をなでなでしてよ」

真姫「わかったわよ。はい」

凛「んふふー、きもちいよ」

真姫「肩に頭乗せないでよね」

凛「少しくらい我慢してよぅ」

真姫「まったく……。花陽?」

花陽「……」

真姫「寝てるわね」

凛「なんだか凛も眠くなってきたよ」

真姫「そうね、ちょっと疲れたから……。私も少し寝ようかしら」

凛「じゃあお休み!」

真姫「おやすみなさい」

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

凛「なんてねって、あれ、ほんとに寝てる。それにしても真姫ちゃんもかよちんも本当にかわいいなあ」

凛「そうだ、こうして、真姫ちゃんの頭を凛の肩に寄せて。写真撮っちゃおうっと」

凛「よし。これを先輩達に送信して……と。凛達の仲のよさをアピール!」

凛「どうしよっかな」

凛「……寝よう」

花陽「……」

真姫「……」

凛「……」



真姫母「あら……みんな気持ちよさそうに寝てるわね。記念に写真、撮っちゃおうかしら」

○ほのことうみ

穂乃果「ねえねえ見てよこれ」

海未「なんですか?」

ことり「あ、真姫ちゃん達だ。本当にこの三人は仲がいいね」

穂乃果「私達も負けてられないね!」

海未「なんの勝負ですか……」

穂乃果「だから……ごにょごにょ」

海未「なるほど」

ことり「何が?」

穂乃果「さあことりちゃん、私達もやろう!」

ことり「え?」

海未「では膝に失礼しますね」

ことり「えっ」

穂乃果「だめだよ海未ちゃん、そこは私」

海未「何を言っているのですか。ことりの膝は私の居場所だと決まっています」

穂乃果「そんなの勝手に決めないで!」

ことり「喧嘩しないで」

海未「ことり!」
穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「はいぃっ」

海未「ことりの膝は私のものですよね」
穂乃果「私だよね?」

ことり「どこかで似たような光景を見たような……」

海未「穂乃果もたまには私に譲るべきです」

穂乃果「譲れないものがここにはあるんだよ!」

海未「ではこうしましょう。右足のほうが私で左足のほうは穂乃果で」

穂乃果「なるほど、いいアイディアだよ海未ちゃん!」

海未「……」

穂乃果「……」

ことり(二人とも顔が近いよ……)

海未「ぜんぜん落ち着きません!」

ことり「なんで私に!?」

穂乃果「海未ちゃんの顔が近すぎるのがいけないんだよ」

海未「ではどいてください」

穂乃果「海未ちゃんがことりちゃんのほうを見ればいいよ」

海未「な、何を言っているのですか。そんなことをしたらことりのおなかが……。穂乃果があっちを向いてください」

穂乃果「私はことりちゃんの顔が見たいの!」

ことり(なんだか真姫ちゃんの気持ちがわかるよ……)

ことり「とりあえず二人とも落ち着いて、ね?」

海未「ことりがそう言うのであれば……」

穂乃果「先に顔上げてよ」
海未「私があとから離れますからお先にどうぞ」

穂乃果「……」
海未「……」

海未「せーので一緒にしましょうか」

穂乃果「せーののどのタイミング? 『の』のあとに一拍入れる?」

ことり(誰か助けて……)



海未「さて、結局ことりを挟んで三人でベッドに寝ると決まったわけですが」

ことり「そもそも新曲の歌詞を考えようってことでうちに集まったんだよね?」

穂乃果「そうだっけ、まあいいよ細かいことは」

海未「夏休みは始まったばかりですからね」

ことり(ええーっ)

海未「ではこれで私達を撮ってください」

穂乃果「凛ちゃん達と絵里先輩達に送ろうね」

ことり「やっぱりそうなるよね。それじゃあいくよ――」

○えりのぞにこ

絵里「あら、あの子達から……」

希「ん? ほんとだ、みんな本当に仲いいんやね。ことりちゃんはちょっと、無理に笑ってる感じがするけど」

絵里「希はともかく、私もいつかこういう風にみんなと接することができるのかしら」

希「そう言うと思ってとっておきの作戦を考えてるんよ」

絵里「へえ、詳しく聞かせてもらえる?」

希「実はね、――」

希「――ということなんやけど」

絵里「なるほどいいじゃない。さすがね」

希「どういたしまして。それにしても暇やね」

絵里「そうね、何かすることないかしら」

にこ「あーもううっさいわよ! なんなのよいったい」

にこ「いきなり宿題持って来いなんて呼び出されてみたら、一人で黙々やってる間にぺらぺらぺらぺら」

希「だってウチもエリちもとっくに終わってるから」

にこ「なんでにこを呼んだのよ!」

希「監視」

絵里「夏休みの宿題を提出しなくちゃラブライブへの出場にも響きかねないから。学校生活を疎かにしてはいけないわ」

希「わからないところがあったら聞いてもいいから、がんばろ?」

にこ「ぐぬぬぬ」

希「そうだ、ウチらもしようか」

絵里「するって何を? もしかして」

希「写真、三人で一緒にね」

にこ「にこは宿題があるからパス」

希「だーめ。そんなの明日でもいいやん?」

にこ「あんた今、自分がとんでもないこと言ったって気づいてるの」

希「まあいいやん?」

にこ「ぜんぜんよくなんてないわよ!」

絵里「ま、まあまあ落ち着いて」

希「そんなに照れなくてもいいんよ?」

にこ「誰が照れてるのよっ!」

希「じゃあにこっちを真ん中に」

にこ「いやよ、にこが子供みたいじゃない」

希「え? だってにこっちは――」

絵里「そのくらいにしてあげて……」

希「エリちが言うなら仕方ないね。残念」

絵里「さ、希が中心になってと」

にこ「やるならさっさとしなさいよ?」

絵里「はいはい」

絵里「笑って。いくわよ? はい、――」

希「いまや!」

にこ「ちょ、希!」

絵里「何を――」

凛「なんていうかこれ」

花陽「うん」

真姫「どう見ても」



海未「どう見ても」

穂乃果「この写真……」

ことり「あはは……」

○海未と絵里と真姫

穂乃果「絵里ちゃん、お願い!」

絵里「いいわよ?」

穂乃果「やったー」



穂乃果「真姫ちゃんお願い!」

真姫「いやよそんなの」

穂乃果「そうだよね、迷惑だったよね……」

真姫「!」

穂乃果「楽しいって、思ったんだけど……、やっぱりそんなの私だけだもんね」

真姫「あ、いや……」

穂乃果「いいよわかってる。どうせ」

真姫「や、やるわよ! やればいいんでしょ!」

穂乃果「やったー!」

真姫「切り替え早いわね……」



穂乃果「海未ちゃ――」

海未「だめです」

穂乃果「まだ何も言ってないよ」

海未「穂乃果のことですから、どうせろくなことにはならないに決まっています」

穂乃果「ひどい」

海未「とにかく私は嫌ですからね」

穂乃果「ぶー……」


穂乃果「ね?」

凛「わかるにゃー」

希「なんの話?」

凛「希ちゃん! えっと――」

凛「――というわけにゃ」

希「それで信号っぽいと。でもさ二人とも、それじゃ色と性格がバラバラやよ?」

穂乃果「あっ!!」
凛「あーっ!!」

落ちはない。

いったん終了です。
あと短いのが三つで書き溜めている分が終わります。

○海未と花陽

海未「えーと、それでは花陽」

花陽「は、はい!」

海未「……私、何か変ですか?」

花陽「なな、何がですか?」

海未「敬語になってますよ」

花陽「いやこれはその、そういうのじゃなくて……」

海未(最近、というよりはあの合宿のあとから、花陽の態度がおかしくなっているのでした。あれはそう、怖がっている、というような)



凛「それで凛達に相談かにゃー」

海未「そういうわけです。もしかして嫌われているのでしょうか」

真姫「花陽に限ってそういうことはないと思うけど……。理由については心当たりがあるでしょう?」

海未「うっ……。あの合宿の、枕投げですよね」

真姫「それしかないわね」

海未「そんなに怖かったのでしょうか」

凛「あれはトラウマになってもしょうがないにゃー。凛だってすごく怖かったし。かよちんなんて凛に抱きつかないと落ち着いて眠れなかったんだよ」

海未「……」

真姫「ま、まあそんなに落ち込まないで。海未を嫌うなんて花陽がするわけないじゃない。きちんと話せばわかってもらえるわよ」

海未「……あの、もしよければついてきてもらえませんか?」

真姫「私達が?」

海未「はい。だって不安なんです」

凛「いいよ。よし、それじゃあ早速行くにゃ!」

真姫「そうね、ちょっと気になるし」

海未「ありがとうございます!」



海未「花陽!」

花陽「なんですか?」

真姫「敬語使ってるわよ……」
凛「あーあれ完全に怖がってるにゃー」

海未「うぅっ」

花陽「ど、どうしたの!?」

真姫「海未からあなたに話があるそうよ」

花陽「え?」

凛「そーいうわけだから凛と真姫ちゃんはこれで退散!」

海未「なっ話が違います!」

真姫「いけない、今日は確か大事な予定があったのよね」

凛「凛もそうだった! じゃあかよちん、先帰ってるね」

花陽「うん……」

海未「待ちなさい二人とも!」

花陽「……」
海未「……」

花陽「あの」
海未「あの」

海未「すみません、花陽からどうぞ」

花陽「いや海未ちゃんから」

海未「はあ……わかりました。あの、なんだか最近、花陽が私を怖がっているように見えてしまって」

花陽「そんなことない! だって海未ちゃんは……」

海未「……」

花陽「海未ちゃんは私の、憧れの人だから!」

海未「えっ?」

花陽「いやそういうのじゃなくて。ううん、海未ちゃんや穂乃果ちゃんやことりちゃんが憧れの人っていうのは本当なんだけど」

海未「あありがとうございます。ええと、それがどうしてか、聞いてもいいですか?」

花陽「やっぱりそうなるよね……」


凛「かよちんそこで思いをぶつけるにゃ!」
真姫「覗き見なんて趣味悪いわね」
凛「真姫ちゃんだって楽しんでるくせに」
真姫「わっ私はただ、二人が心配だから見守ってるだけよ」
凛「それを世間では覗き見って言うんだよ」
真姫「うるさいわね!」


花陽「あのね、私がもともとアイドルが好きだったって知ってるよね」

海未「ええ」

花陽「だから私は最初からアイドルになりたかったりして。でもやっぱり恥ずかしいし、どうせ無理だと思ってたんだ」

花陽「それが、海未ちゃんたちと出会って変わったの」


凛「真姫ちゃんはどう?」
真姫「知らないわよ」
凛「照れちゃってー」
真姫「……」
凛「ちょっ怒んないでよー」


花陽「それにあのライブを見て本当に感動したから。真姫ちゃんや凛ちゃん、三年生のみんなももちろん尊敬してるけど、やっぱり海未ちゃんたちが私にとっての憧れなんだ」

海未「花陽……」

花陽「そうだよね、真姫ちゃん、凛ちゃん」

凛「げっ」

真姫「凛が大声出してるから!」

凛「真姫ちゃんのせいにゃー!」

海未「帰ったのではないのですか。まったく、あなたたちは本当に……」

凛「ごめんなさい!」

海未「……いいでしょう。ただし明日の練習は厳しくいきますからね。真姫も」

真姫「私も!? ただ心配だったから見守って――」

海未「それを覗きと言うのです!」

真姫「そ、それを言ったら向こうにいる穂乃果とことりはどうなのよ!」

穂乃果「ぎくっ」

海未「……二人とも」

凛「いつからいたの?」

ことり「……最初から、かな」

花陽「これはその、私もちょっと不安だったから相談しただけで……」

真姫「まあそんなことだろうとは思ってたけど」

海未「ことりたちは別にいいです」

凛「ひいきだ!」

海未「明日は覚悟してくださいね」

真姫「……諦めたほうがよさそうね」

凛「いやだにゃーっ!」

○絵里とことりと凛

凛「うぅ、こんなの恥ずかしくて着たくないにゃー」

ことり「そんなことない、とっても似合ってるよ凛ちゃん」

凛「うう……」

絵里「それにしても私と凛なんて珍しい組み合わせね」

ことり「だってね、大人っぽい絵里ちゃんの男装といつも元気な凛ちゃんのお姫様な格好の組み合わせ、見てみたかったんだもん」

凛「変じゃない?」

絵里(……かわいい)
ことり(すごくかわいい)

絵里「ええ、よく似合ってるわ」

凛「ほんとかなあ」

ことり「せっかくだし他のみんなも――」

凛「だ、だめだよ絶対! そんなことしたら脱いじゃうからね」

ことり「そっかあ残念」

絵里「さあ凛、手を」

凛「や、やめてよう」

絵里「ふふっ、本当にとてもよく似合っているわ」

凛「……ありがとう。絵里ちゃんもすっごくかっこいいよ」

絵里「そうかしら」

ことり「うんうん。やっぱり私の目に狂いはなかったよ」

凛「女の子にもてそうだね」

ことり「みんな勘違いさせちゃうよ」

凛「魔性だね」

絵里「……凛の気持ちがわかったわ。これ以上はなしにしましょう」

凛「わかればそれでいいにゃ」

ことり「たとえば」

凛「?」
絵里「?」

ことり「たとえば絵里ちゃんはどこかの国の王子様で、凛ちゃんはその国の敵国のお姫様」

凛「なんか始まったにゃ」
絵里「始まっちゃったわね」

ことり「――ということがあって、最後に結ばれるの」

ことり「そうだ、μ'sで何か劇をしてみない?」

凛「いやにゃ」

絵里「そもそも文化祭までもう一ヶ月もないのにどうこうできる話ではないと思うのだけれど」

ことり「それもそうか」

凛(よかった)
絵里(ひと安心ね)

絵里「そろそろ着替えたいわね」

ことり「だめよ?」

凛「うぅっ、絵里ちゃーん」

絵里「凛……」

ことり「二人ともとってもいいよー!」

凛「!!」
絵里「!!」

凛「な、何写真撮ってるにゃー!」

絵里「ちょっとことり!」

ことり「だってもったいないんだもん」

絵里「消しなさい!」

ことり「それじゃあ今日はここまで。私ちょっと飲み物買ってくるから、二人とも着替えておいてね?」

凛「まっ」

ことり「それじゃごゆっくりー」

凛「って」

絵里「はあ……」

凛「……」

絵里「それにしても凛は本当にかわいいわね」

凛「えっ」
絵里「あっ」

凛「もう、絵里ちゃんのいじわるーっ!」

○にこと海未と真姫と希と穂乃果と花陽

真姫「何よこの歌詞は!」

にこ「えー、アイドルっぽくていいと思わない?」

真姫「却下よ」
海未「却下です!」

にこ「どうしてよ!」

海未「これを九人で歌うなど絶対に認めません」

真姫「だいたいふざけすぎなのよ。こんなのイメージに合わないわ」

にこ「はぁっ!? こういうのも歌っていかないとねえ、アイドルとは言えないの」

海未「なんなんですか、このなんとかの魔法というものは」

真姫「ランキング一位のA-RISEにはこんな曲ないわよ」

にこ「何よ何よっ、にこが誕生日だからにこセンターの曲の歌詞を書く権利をなんて言ってたじゃない。気合入れて書いたのに。いったいどれだけ時間かけたと思ってるのよ!」

真姫「知らないわよ」

海未「とにかく、私と真姫は文化祭に向けて新曲を作っている最中ですのでこの曲の優先度は限りなく低いです」

真姫「むしろ作りたくないわね」

にこ「あんたら~!」

真姫「ま、まあ文化祭とかラブライブが一段落ついたらちゃんと作ってあげるから」

海未「それまでは我慢してください」

にこ「ぐぬぬぬ……」



にこ「ということがあったのよ」

穂乃果「なるほど……。でも二人の気持ちもわかるな。ってにこちゃん怖い顔しないで、そういう意味じゃないから!」

にこ「じゃあどういう意味よ」

花陽「かわいくて元気がもらえる歌詞だけど、海未ちゃんや真姫ちゃんは歌いたがらないかも」

にこ「まったくあの二人のカタブツっぷりにも困ったものね」

希「ここはウチらの出番やね」

にこ「何か策でもあるわけ?」

希「花陽ちゃんと穂乃果ちゃんがいればあの二人の説得は簡単だと思うの。協力してくれる?」

花陽「うん、やれることならなんでもするよ」

穂乃果「にこちゃんのためだからね!」

にこ「頼んだわよ!」

希「それじゃあ作戦会議を始めよか」



花陽「に、にっこにっこにー」

真姫「!?」

花陽「そ、そんなにびっくりしないで、私だよ」

真姫「花陽だからびっくりしてるのよ。……どうせにこちゃんか希あたりに何か言われたんでしょ?」

花陽「うぅ……そうなんだけどさ」

真姫「で、用ってのはなんなの?」

花陽「あのね、にこちゃんから歌詞を見せてもらったと思うんだけど、拒否されたって悲しんでたから……」

真姫「はぁ……ちゃんと作るとは言ってるわよ? その点では海未の同意も得ているわ」

花陽「そうなの!?」

真姫「当たり前じゃない。せっかく書いてくれたんだし、無視はできないわよ。いったい私達をなんだと思ってるわけ?」

花陽「ごめんなさい」

真姫「別に謝らなくてもいいわ。花陽は何も悪くないんだし。まあやるとしてもラブライブのあとだけど」

花陽「そうだね、文化祭とかいろいろ大変だし。新曲は?」

真姫「ほとんど完成してるわね。ちょっと聞いてもらえる?」

花陽「うん!」



真姫「――と、こんな感じね」

花陽「やっぱり真姫ちゃんはすごいね」

真姫「一人じゃできないことよ」

花陽「真姫ちゃんみたいにいろんなことができたらなあ」

真姫「そう? 私は花陽をうらやましいと思うけど」

花陽「私を、どうして?」

真姫「私が花陽のできないことをできるみたいに、花陽だって私にできないことができるのよ。自分じゃ気づかないだろうけどね」

花陽「そうかな」

真姫「私と比べるとよっぽどアイドルらしくてかわいいと思うわよ」

花陽「え……あ、ありがと」

真姫「いやこれはその、そういう意味なんだけどちがくて……って、な、何笑ってるのよ!」

花陽「ごめんね、だって真姫ちゃん、顔真っ赤だもん」

真姫「とにかく! あの歌詞についてはそういうことだから伝えておいて! これでいいでしょ?」

花陽「わかった。ねえ、一つお願い聞いてもらえる?」

真姫「なによ」

花陽「もうちょっとここにいてもいいかな。真姫ちゃんの歌、もっと聞いていたいから」

真姫「……好きにして」



穂乃果母「いらっしゃい!」

海未「おじゃまします」

穂乃果「待ってたよ海未ちゃん!」

海未「ことりは?」

穂乃果「今日は海未ちゃんに用事があるのです」

海未「……一応聞きましょうか」

穂乃果「にこちゃんの曲――」

海未「その話ならラブライブ後だと言ったはずです」

穂乃果「作ってあげ……あれ?」

海未「作らないと勘違いさせてしまった面もあるかもしれませんが、そんなひどいことはしません」

穂乃果「だ、だよねー」

海未「ただし条件はありますが」

穂乃果「というと?」

海未「私は歌いません」

穂乃果「え」

海未「もちろん真姫もです」

穂乃果「えーっ!」

海未「私達にはとても合いませんよ、あの曲は。でも面白いとは思いました。ああいうものもあっていいのではないかと」

穂乃果「ふむふむ」

海未「μ'sの、私達の可能性を広げるということを考えれば、興味深い挑戦になりそうです」

穂乃果「にこちゃんはそこまで考えてないだろうけどね……」

海未「穂乃果も書いてみますか?」

穂乃果「でも私は」

海未「私にしか書けないものがあるように、ことりにしか、にこにしか、そして穂乃果にしか書けない歌詞があるんです」

海未「それを切り捨てるなんてもったいないと思いません?」

穂乃果「そうかなあ」

海未「そうです」

穂乃果「……うん、わかった。私やるよ!」

海未「私も最低限の手伝いはしますし、他のメンバーだっています」

穂乃果「ありがとう海未ちゃん、がんばるよ!」

海未「はい!」



花陽「ていうことが」
穂乃果「あったんだけど」

希「いい話ができたんやね」

にこ「なーんだ、にこの勘違いだったってわけね。ていうかにこに関係ない部分多くなかった?」

希「気のせいやと思うよ」

花陽「そういうわけでにこちゃん、あとはがんばってね!」

にこ「何言ってるのよ、花陽達も歌うのよ?」

穂乃果「……」

にこ「何よ」

希「ああエリち、実はちょっと相談が」

絵里「今度の歌詞のことね。ごめん、ちょっと希借りるから」

希「そういうわけで、ほな」

にこ「ちょっと!」

凛「あははっ」
花陽「えへへ」

にこ「穂乃果!」

穂乃果「あーっことりちゃん、私も歌詞作るって決めたんだけど手伝ってもらえる?」

ことり「い、いいよ」

穂乃果「さあ行くよー!」

にこ「海未、真姫ちゃん……」

真姫「ま、がんばりなさい」

海未「ソロ曲ですか……いいですね。そういうのもありでしょう」

にこ「一人で歌えっての? ……なんなのよもーっ!」

以上で書き溜め分の投稿は終わりました。
あとは特に何も思い浮かばなければ明日HTML化の依頼をします。

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