男「敗残兵よ……立ち上がれ!」 (19)



男「バレンタインがなんぼのもんじゃい!」

友「どうせ俺らにゃ関係ないさぁ!」

メガネ「あんなの所詮、カカオと砂糖の塊さ」

不良「甘ったるくて食えたもんじゃねえよな」

イケメン「全くだ!」

男・友・メ・不・イ「「「「「バレンタインは中止になりました!」」」」」



幼「何やってるの?あんた達」

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男「おやおやおや?誰かと思えば、幼さんじゃないっすか」

幼「何でさん付け?」

友「毎年恒例の『幼なじみのよしみチョコ』を、今年はくれなかった幼さんチース」

幼「いやさぁ」

メガネ「あれですか?高校生にもなって、幼なじみにチョコなんて、みたいな考えですか?」

幼「そうじゃなくて」

不良「実は好きな人がいて、今年はそいつだけあげて、俺らは知るかって話ですか?」

幼「あのね」

イケメン「僕たちの最後の砦をぶっ壊した裏切り者の幼さん何の用ですか?」

幼「黙れ……」

男・友・メ・不・イ「「「「「はい……すみませんでした」」」」」ドゲザ

幼「大体……昨日は雪で外に出られなかったでしょうが!学校も休みになったし!」



男「それはそうだけどさ、ほら……やっぱり……な?」

友「翌日ってのは……な?」

メガネ「こう……モチベーションとかが……な?」

不良「ぶっちゃけテンション下がっちまうと言うか……な?」

イケメン「かなり違うよな?」

幼「じゃあいらないのね」

男「すみません欲しいです」

友「翌日でも嬉しいです」

メガネ「モチベーション保ってます」

不良「テンション上がってます」

イケメン「1日や2日なら全く変わりません」

幼「はあ……あんた達は……」



幼「はい男」スッ

男「あざっす!」

幼「はい友」スッ

友「どもっす!」

幼「はいメガネ」スッ

メガネ「やった!」

幼「はい不良」スッ

不良「よっしゃあ!」

幼「はいイケメン」スッ

イケメン「我が世の春が来た!」

幼「はい終わりと」

男「いやあ嬉しいなぁ」

幼「裏切り者とか言っといて、随分調子がいいわね」

友「すんませんっした!」

メガネ「あの……開けてもいいかな?」

幼「いいわよ?」

不良「今年はどこのチョコか……な?」ガサガサ

イケメン「あの……幼さん?これってまさか」

幼「私ももう高校生だしね、手作りに挑戦したんだけど」

男・友・メ・不・イ「「「「「幼の……手作り……だと」」」」」

幼「もしかして嫌だった?市販品買ってこようか?」

男・友・メ・不・イ「「「「「神の奇跡だ!」」」」」

幼「うん……まあ喜んでくれたみたいね」



男「おっお返し何がいい?」

友「何か欲しいのある?」

メガネ「手作りには手作りかな?」

不良「手作りチョコの3倍ってどんなだ?」

イケメン「くっ俺には想像すら出来ない!」

幼「別にいつも通りでいいってば、適当にお菓子でも包んでよ」

男「お菓子か……今度東京行って」

友「いや待て、確か駅前に美味い洋菓子店が」

メガネ「材料買ってきてみんなで作るとか」

不良「俺らに出来るか?」

イケメン「やはりここは、素直にお店のパティシエさんに任せた方が」

幼「普通のクッキーとかでいいってば」ハァ



幼「じゃあ私はこれで、また月曜日に学校でね」スタスタ

男「おう……さて、改めて宣言しよう」コホン

男「我らは勝利した!祝砲を上げろ!」

友「バレンタインイエーイ!」

メガネ「チョコ最高です!」

不良「甘いもん大好きだ!」

イケメン「全くだ!」

男・友・メ・不・イ「「「「「バレンタインは永久に不滅です!」」」」」



兄「幼ちゃん今年も俺には無しか……」ガクッ



 月曜日

男「おはよう」

友「おうおはよう」

メガネ「これで揃ったね」

不良「んじゃ行こうぜ」

イケメン「幼は朝練だっけ?」

男「いや……確か今日は日直だろ」

友「そういやそっか」

メガネ「みんな宿題やって来た?」

男「ああ」

友「一応な」

不良「やってねえ」

イケメン「分からなかった」

メガネ「不良……イケメンも」

不良「別にいいじゃねえか宿題くらい」

イケメン「なあメガネ、頼む写させて!」

メガネ「そういえばホワイトデーだけど」

イケメン「無視ですか!?」

男「別にいいじゃん、数学の先生に叱られるだけだろ」

イケメン「男に叱られる趣味はない!」

友「そりゃそうだ」

不良「叱られるのは面倒くせえな、メガネ写させてくれ」

メガネ「しょうがないなぁ、ファンタでいいよ」

イケメン「何で!?」



兄「賑やかだなあいつ等、いいなぁ幼なじみは」



男「おはよう「ちょっと幼!」ん?」ガラッ

女「昨日また告白されたんだって?」

幼「……何で知ってるの?」

女「新聞部のエースですから!」

幼「……プライバシーの侵害で訴えたら勝てるかな?」

女「そんな事よりも!その時の状況とか!思ったこととか!結果がどうなったとか!教えてよ!」

幼「はあ……あ、おはようみんな」

男「おうおはよう幼」

友「おはよう!」

メガネ「おはよう」

不良「おう!おはよう!」

イケメン「おはよう幼、宿題写させてくれ」

幼「イケメン以外おはよう」

イケメン「言い直した!?」

女「おっとっと、早くもナイトさん達が来ちまったか、こりゃ退散した方がよさそうね!」ササッ

男「早っ!本当にアイツは、どこでネタを仕入れてくるんだか」

幼「油断も隙もないよね」

友「全くだよなぁ」

メガネ「まあ嘘や捏造はしないだけマシなんだけど」

不良「むしろ悪くね?事実ならどんな事でも記事にしやがるんだぜ」

イケメン「誰か宿題を……」

モブ「頑張って」

イケメン「モブにまで!?」

一旦ここまで。

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