――――新子家
憧「今日はなにしよっかな~」
憧(久しぶりの休みだしねー。今日は買い物とかいこっかなー)
憧(さてさて、じゃあ用意でも……っと、あれ、これは)
憧「部活紹介の冊子……。なんだっけこれ」
憧「あーそうだ。確か先月くらいに配られてたっけ。新聞部が作ったとかなんとか」
憧「あーそういや写真撮ってもらったような気もするな」
憧「えーと、麻雀麻雀……おーあったあった。へー中々いい感じに写ってんじゃん」
憧「ついでに他の部活も見てみるかなー」
憧「ふむふむ……うーん、文芸部の子はあんまパッとしないなあ」
憧「ソフトボールも……うーん。みんな活発そうだけど、私好みじゃないなあ」
憧「サッカーも、バスケも……なんだろ、コレってのがいないわねー」
憧「そうやって考えたら麻雀部のみんなかわいいな~」
憧(今まで一緒にいすぎて気づかなかったけど、麻雀部のみんな偏差値高いなあ)
憧(他の部活にはいない美少女がうちにいるんだもんねー)
憧(しかも5人中5人! という100%美少女率。すっごいわー)
憧(……べ、別に私も含めちゃっていいよね? そこまで容姿は悪くない、はずだし)
憧(あー、しずも玄も宥姉も灼さんもみんなかわいいなあ)
憧(あ、あれ? 本当にちょっとみんなかわいすぎない?)
憧(うわー、やっばいなあ……。気づいたらなんか幸せな気持ちになってきた)
憧(こんなかわいい人たちと一緒だったなんて……)
憧(お、おかしくなんてない。女の子をかわいいって思ったってふつうだし)
憧(……それに最近は女同士の付き合いも段々認められてるみたいだしね)
憧「えへへへ。みんなかわいいなあ……」
憧(いやーいいこと気づいちゃったなー。あー明日からの部活楽しみー!)
憧(あ、そうだ。この抱き枕がしずとか灼さんだったらどんな感じが妄想してみよ)
憧(予行練習的な、うんそんな感じで)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
穏乃「あ、憧。なんか、ちょっと恥ずかしいね」
憧「そう? 昔はしょっちゅう一緒に寝たりしてたじゃん」
穏乃「そうだけどさ、こんなにくっつくことってあんまりなかったし……」
憧「しず柔らかくていい感じだわー」
穏乃「あ、憧だって、そうだろ」
憧「えへへー、そう?」
穏乃「うん……」
憧「あらあら~、しず顔赤いよー?」
穏乃「そ、そんなことないよ!」
憧「ほら、耳まで真っ赤じゃん」
穏乃「……だって、憧なんかいい匂いするし、女の子なんだなーって思ったら……その……」
憧「しずだって女の子じゃん。しずもいい匂いするよ」
穏乃「……そう?」
憧「うん……私、しずの匂い好きだなあ……」
穏乃「私も、憧の匂い好きだよ」
憧「ありがとうしず……。ねえ、しず……」
穏乃「あ……。うん……憧……」
憧「……目、閉じて」
穏乃「……うん」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
キマシタワー
憧「うっはああああーーー!!」
憧(最高ー! しず最高ー! うん、だって。うんだって!!)
憧(いっつも明るいのにそういうときだけしおらしいとか最高ー!)
憧(あー、しずの唇って柔らかいんだろうなあ。ふにっとしてて)
憧(キスした後も恥ずかしくて顔真っ赤にして俯いちゃうんだろうなあ)
憧(それで、あう……、みたいな声にならない感じで私の服ちょっとつかんだりしちゃって……)
憧(しずーーー!! あー最高!)
憧(うんうん。妄想するのって楽しいかも。ううん、楽しすぎるこれ)
憧(じゃあちょっと灼さんパターンも考えてみよ)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
憧「ねえ灼、さっきから恥ずかしがりすぎだって」
灼「そ、そんなことない……」
憧「だったら顔こっちにむけてよー」
灼「それはちょっと無理……」
憧「やっぱ恥ずかしいんじゃん」
灼「………」
憧「あーらたー」
灼「う、うるさい……」
憧「ひどっ! ねえねえ顔見せてってば」
灼「……恥ずかし……」
憧「結局そうなんじゃん。まあねー、耳真っ赤だもんねー」
灼「ちょっ、耳触らな……んっ」
憧「灼って耳弱いよね」
灼「や、やめっ……」
憧「うーん、じゃあ顔見せてくれるならやめよっかなー」
灼「こ、この……ううっ」
憧「灼かわいいー」
灼「わ、わかっ……見せるからっ」
憧「本当?」
灼「うん……」
憧「じゃあやめるー」
灼「はぁ、もう」
憧「はやくー」
灼「わかってる」
憧「うんうん」
灼「………」
灼「……ねえ、憧……」
憧「うん?」
灼「あの……やっぱりいきなりは恥ずかしいから、最初は目、つぶってて……」
憧「えー……うん、わかった」
灼「絶対だからね……」
憧「わ、わかってるって……ほら、目つぶったよ」
灼「本当?」
憧「うん、閉じてるって。見て確認してみなさいよ」
灼「私がいいって言うまで開けたら、ダメだから……」
憧「はいはい」
灼「……憧。……ちゅ」
憧「……え……あ、灼今……もしかして」
灼「な、なに……?」
憧「い、今キス」
灼「……仕返し」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
憧「きたーーー!! 灼からのキス!!」
憧(えへ、えへへへ。ああ、うん。うん。)
憧(いい、いい! 最初恥ずかしすぎて顔もあげれないけど、最後には仕返しのキス!)
憧(しかもキスした後には結局恥ずかしくなっちゃって顔あわせれなれないっていう!)
憧(ああ、その後に私からキスしてあげたらいいのかな)
憧(そしたらその後はいい雰囲気になって、見詰め合うこともできて、そっからは……)
憧(ああやばいやばい。それ以上は、もう灼ったらダメだってー!)
憧(すごいわーこれ。妄想に殺されちゃいそう)
憧(だめだめ死んだらだめ。みんなのかわいさに今更気づいたんだから。これから堪能しないといけないんだから)
憧(もう買い物とかどうでもいいわー。ちょっとこのまま色んな妄想してみよう)
憧(あー、みんなとイチャイチャしたいー!)
――――翌日
憧「ん、ふわあぁ。朝か……」
憧「んー、眠いー」
憧「今何時ー?」
憧「7時……。ううう、そろそろ起きるかあ」
憧(あ、そういや夢には誰も出てこなかったなあ……)
憧(くっそー。……まあいいや、今日はみんなと会えるしー)
憧(さって、降りてご飯食べよー)
憧(よーし、ご飯も食べたし、そろそろ行こうかな)
憧(と、その前に占い占い)
憧「えーと今日はー……あ、やった1位だ! ラッキー」
憧(積極的に関わっていこう、か)
憧(今日はあなたをみんなが受け入れてくれそうな日)
憧(いつもより積極的になるだけで、気になるあの人との距離もぐっと縮まりそう!)
憧(だけど過度に関わっていくのには要注意。なにごとも節度をもって行動するべし)
憧(ラッキーアイテムはカチューシャ。ラッキーアニマルは猫)
憧「なるほどねー。積極的かあ」
憧「ふむ……ってことは、ちょっとスキンシップ多めになったりしても大丈夫ってことよね……?」
憧「それでみんなとの距離も近づいて、より親密に……」
憧「えへへへ」
憧「そうだ、カチューシャカチューシャはっと……」
憧(ん……? カチューシャ……? 猫さん……?)
憧「そうだ! たしかここに……あった!」
憧「猫耳カチューシャ! なつかしー。いつだっけこれ買ったの」
憧(たしか……ああそうそう、初瀬と買いに行ったんだ。店先で二人で冗談でつけてたら買おうって話しになって)
憧(あれ以来つけてなかったけど、まさかここで役に立つとはねー。初瀬ナイス!)
憧「さてさて、これをかばんにしまって……よし、行くか!」
――――新子家前
憧「あ、しず、おはよー」
穏乃「おはよー憧」
憧「行こうか」
穏乃「うん」
憧(うはー。やっぱりしずかわいいなあ。なんで朝からこんなに爽やかなんだろう)
憧(とりあえず占いでもあった通り、積極的にいってみますか!)
憧「よーし、きょ、今日は気分を変えて手つないで行きましょっか!」ギュ
穏乃「え?」
憧「あ、あれよー、なに、手つなぐと血行よくなるってテレビでやってたからさー」
穏乃「へー、そうなんだ。うん、じゃあ手つないで行こっか」
憧「う、うん!」
憧(よしっ! 口からでまかせ成功ー。うわーしずの手、体と一緒で小さいなあ)
憧「しずの手、小さいねー」
穏乃「憧とそんなに変わらないよ」
憧「いやいやかわるでしょ。背も違うし」
穏乃「まあそうかもね」
憧「あー小学校のときとかこんな感じで歩いたりしてたわね」
穏乃「……今憧、私が小学校から成長してないとか考えてない?」
憧「考えてないって。私はそうやって変わらずかわいいしずが、そ、その……す、好きだにゃー」
穏乃「……へ?」
憧「えへ、へ……」
穏乃「………」
憧(や、やばい! これいきなりやっちゃったパターン!? ぶっこみすぎちゃった!?)
憧(今のうちに猫キャラの布石うっておこうとか思ったけど早まりすぎた!!)
憧(と、とりあえずごまかさないと!)
憧「……な、なーんてねー」
穏乃「………」
憧(ごまかしきれてなああああい!!)
憧(どど、ど、どうしよう。さっきからしず黙ったまんまだしー!)
憧「し、しずー……?」
穏乃「わ、私も……」
憧「へ?」
穏乃「私も……あ、憧のことは好きだにゃー」
憧「はふっ……」
穏乃「………」
憧「……あ、ありがとう」
穏乃「うん……なんかこれ、ちょっと恥ずかしいね」
憧「そうね……」
憧(しずの猫語かわいすぎでしょ!! あやうく意識かりとられるかと思った!)
憧(微妙に照れながらの猫語のすごさ!! ああ、これだけで今日1日が祝福された気分……)
憧(それにしてもしずが猫語で返してくれるなんて思ってもみなかった)
憧(だからこそ予想外すぎてやばかったんだけど……)
憧(それに、返してくれたってことはそこまでひいてないってことよね……?)
憧(よかったー。ひかれてたら今後の展開が危ういからね。よしひとまずはクリアってことで)
憧(ここは引かずに攻めていく!!)
憧「……ね、ねえしず。よかったらさ……『憧、おはようにゃん』って言ってくれない?」
穏乃「……おはようにゃん?」
憧「そ、そうっ!」
穏乃「や、やだよっ。さっき恥ずかしいって話したじゃん」
憧「お願いしますっ!」
穏乃「えー……だって……。じゃ、じゃあ憧から『しず、おはようにゃん』って言ってよ」
憧「え……」
穏乃「そしたら言うよ」
憧(私からの言うの!? さすがに私もちょっと恥ずかしいしなあ……)
憧(……はっ、いやこれってもしかしたらここから色々発展して……)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
憧「しず、言ったよ……」
穏乃「うん、よく言えたね憧」
憧「うん……」
穏乃「違うでしょ憧、憧は今猫ちゃんなんだから、返事はにゃんでしょ?」
憧「え、でもしずだってさっきにゃんって……」
穏乃「口答えする子猫ちゃんは嫌いだな」
憧「……ご、ごめんにゃい」
穏乃「そうそう。憧にゃんはかわいいね」
憧「にゃう……」
穏乃「ふふっ。憧、おはようにゃん」
憧「お、おはようにゃん!」
穏乃「よしよし。じゃあ、憧にゃん。次は『私はしずのことが大好きだにゃん』って言ってよ」
憧「え……?」
穏乃「言えない?」
憧「い、言える! わ、私は、しずのことが大好きだにゃん!」
穏乃「……ありがとう。私も、憧のこと大好きだよ」
憧「し、しず……!」
穏乃「ねえ憧……今日の放課後、たくさん遊ぼうね」
憧「……うん!」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
憧「い、言う!!」
穏乃「わっ。なにっ?」
憧「あ、ごめん、いきなり大声出しちゃって」
穏乃「いや、別にいいけど……憧、本当に言うの?」
憧「言わせてください!」
穏乃「まあ、いいけど」
憧「うん。……わ、私は、しずのことが大好きだにゃん」
穏乃「……え?」
憧「………」
穏乃「………」
憧「……ん?」
憧「……はっ! あ、あわわわわわ」
憧(間違ったー!! 間違って妄想してたこと言っちゃった!!)
憧(何やってんの私!? やばいしず口開けて呆然としちゃってるし!)
憧(あああああ、どうしよう。しかも今の意味わかんない流れからの告白じゃん)
憧(やばいー、やばいよー!)
憧「え、えへへー。……あ、あのー、おはようだとアレかなって思って、アレンジしちゃいましたー……」
憧(苦しい! 苦しすぎるよ!! お願いしず、変な風に受け取らないでー!!)
穏乃「あ、憧ー。本当今日はどうしちゃったんだよ」
憧「いやーそのーえとー」
穏乃「ねえ憧」
憧「な、なに……?」
穏乃「わ、私だって、憧のこと好きだ……にゃん……」
憧「……ふぇ?」
憧(今、しずなんて……? え、好きって言った?)
憧(あ、あれ? も、もしかしてこれって……)
憧(だ、大逆転勝利!? ま、マジ!? え、やった。やったーー!!)
憧(今言ったよね!? 言った、うん言ってた!! しずが、す、好きって言った!!)
憧(うわー本当にこれ!? 夢じゃない!? うんこれ夢じゃない!!)
憧「え、えへ、えへへへへへ」
憧(まあしずのことだから親愛のあれでしょうけど。それでも十分嬉しい)
憧(だってこんなかわいい子から好きって言われるなんてもう……)
憧(やっばいわあ……。もうこの幸せの中なんでもやれちゃいそう)
憧「ありがとう、しず」
穏乃「ま、まあいいからさ、学校行こう!」
憧「うん!」
――――校門前
玄「おはよう、憧ちゃん、しずちゃん」
穏乃「あ、玄さん! おはようございます」
憧「おはよー玄!」
憧(あー幸せってまだまだ続くものね。玄もやっぱしかわいいなー)
憧(色々と気遣ってくれるし。落ち込んでるときに、大丈夫? って話しかけられただけ落ちちゃいそう)
穏乃「今日は宥さんと一緒じゃないんですか?」
玄「うん、お姉ちゃんはもうちょっとお布団であったまってから来るって」
憧(今日学校で会ったら、宥姉あっためてあげるーって言って抱きつこう)
憧(そこで『憧ちゃん、あったかい……』って宥姉からも抱き返されて……うんこれでいこう)
憧「あはは、宥姉の寒がりは相変わらずねー」
玄「そういえば今日は二人とも、いつもより仲良しさんだね」
憧「へ?」
穏乃「どういうことです?」
玄「だって二人とも手つないでるから」
憧「ああこれ」
穏乃「憧がなんかいいことあるから手つないで登校しようってなったんです」
憧「そうそう」
玄「あはは、いいね。そうやって憧ちゃんとしずちゃんが仲よさそうだと私も嬉しいな」
憧「なに言ってんのよ。私たちと玄だって十分仲いいじゃない。ほら手」
玄「え?」
憧「ほら、これで仲良し三人組ー」
穏乃「そうですよ!」
玄「うん、ありがとう二人とも!」
憧(両手に花ってまさにこのことよねー! うわー本当今日の私朝から最高だわー!)
憧(ってよく考えたらすぐに玄関じゃん……)
玄「ごめん、私あっちだから……。すぐ履いてくるね!」
憧「うん」
憧(そっこうで両手に花が終わってしまった……まあいいや履き替えてすぐに手つなごう)
先生「あ、高鴨」
穏乃「先生、おはようございます」
先生「うん、おはよう。それより課題ちゃんと持ってきた?」
穏乃「課題……。あ、はい。ちゃんと持ってきました!」
先生「うん。じゃあ今から私も職員室行くから一緒に行きましょう」
穏乃「……え」
先生「ん? もしかして本当は忘れちゃった?」
穏乃「いえ、ちゃんとあります!」
先生「じゃあ行きましょ」
穏乃「……はい」
穏乃「ごめん、憧。職員室行ってくる」
憧「うん、まあしょうがないって。玄にも行っておくから」
穏乃「うん。お願い。じゃあ、また後で教室で」
憧「はいはーい」
憧(夢……破れたり……)
玄「あれ、しずちゃんは?」
憧「課題の提出だってー……ってあれ、玄それなに?」
玄「あ……。うん、これ……お手紙、かな。下駄箱に入ってたの」
憧「え」
玄「ど、どうしたらいいかな……」
憧「ま、マジ?」
玄「うん、多分……」
憧(ええええーーー!! なにそれ、え、ちょ、本当に!?)
憧(あわわわ。なんとかしないと私の『みんなでハッピー阿知賀女子麻雀部☆』計画が頓挫しちゃう!)
憧「と、とりあえず、場所移動しよ。あっちの階段、朝はあんまり人来ないからそこで話そう」
玄「う、うん」
憧「ふーっ。……で、どうするの玄?」
玄「どうするって……?」
憧「だからもしそれがラブレターだとして、付き合うのかどうかってこと……」
玄「つ、付き合うって、そんなのわからないよ」
憧「そうかもしんないけど……私は、やだな……」
玄「やだ、って……?」
憧「だから、その、玄が誰かと付き合うことがってこと」
玄「え……」
憧「そりゃまあ、誰と付き合うとかは玄の勝手だけど……」
憧「なんか、私たちの知らない人と玄が付き合うのはやだなーって」
憧「玄がどっか遠くにいっちゃうみたいでさ……」
憧「子供じみた理由で悪いけど、これが私の本音かな」
憧「正直、この差出人より私の方が玄のこと好きだと思うし」
玄「憧ちゃん……」
憧(うん、これだけ言っておけば玄も手紙の返事に相当困るはず!)
憧(差出人さんには悪いけど、デートとかいって玄が部活にあんまり来なくなるとか絶対勘弁だからね)
憧(せっかくみんなのかわいさに気づいたんだから、初日からその幸せを終わらせるきなんて毛頭ない!)
玄「ありがとう、憧ちゃん」ギュ
憧「く、玄……?」
憧(うわわわわわ。私もしかして今、玄に抱きしめられてる!?)
憧(玄いい匂い……。わ、私も手回していいよね……?)
玄「大丈夫。……手紙だしてくれた人には、ちゃんと断るから」
玄「私、器用じゃないから誰かとお付き合いしながら部活も、ってのは出来ないし」
玄「それにそんな風に憧ちゃんに言われたら、誰かとお付き合いなんてできないもん」
憧「玄……ありがとう。えへへへへ」
玄「………」
憧「………」
玄「ねえ憧ちゃん」
憧「なに?」
玄「安心して。私はいなくなったりしないから」
憧「玄……」
玄「それと、私も憧ちゃんのこと大好きだよ」
憧「え?」
玄「いっつもありがとね、憧ちゃん」
憧「わ、私の方こそ……ありがとう、玄……」
玄「うん……」
憧「………」
玄「………」
憧「………」
玄「……ふふっ。憧ちゃん、いい匂いするね」
憧「玄の方がいい匂いだよ」
玄「そうかなあ」
憧「うん」
玄「なんか、ずっとこうしてたいね……」
憧「うん、このままずっと……」
キーンコーンカーンーコーン
憧「あり、予鈴……?」
玄「みたいだね」
憧「あー、残念!」
玄「しょうがないよ。教室いこっか?」
憧「うん。……ねえ玄。そのよかったらさ……」
玄「……うん。憧ちゃんがしたいならいつでもいいよ。……私も、憧ちゃんとなら嬉しいし」
憧「じゃ、じゃあ今度、またお願いね」
玄「うん。こちらこそお願いします」
憧「じゃあまた、放課後で」
玄「うん。また後でね」
憧(あー、玄に抱きしめられてちょードキドキしたー)
憧(女の子ってあんなに柔らかいんだ……)
憧(昔しずとはよくじゃれあってたけど、全然違うじゃん)
憧(しかも玄からも大好きって言われたし。あーニヤニヤが止まらないわー)
憧「えへ、えへへへ」
憧(うーん、好きって言葉の響きがいいわよね! 好き。あー何度言われてもいいわー)
憧(あっ、待てよ。よく考えたら、好きって言われた流れからこう、もっとイチャイチャできたんじゃないかしら)
憧(……うわー。失敗したー。好きって言われて舞い上がりすぎちゃってた)
憧(くっそー、ちょっと妄想で補完しよ……)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
玄「それと、私も憧ちゃんのこと大好きだよ」
憧「……し、知ってるし」
玄「あはは、なんだ。知ってたんだー」
憧「うん……」ギュ
玄「………」
玄「憧ちゃん、おもちおっきくなったね」
憧「なっ。ちょっと、なにいきなり触ってるのよ馬鹿っ!」
玄「ひどいっ!」
憧「いきなり玄が触ってくるからでしょ」
玄「リラックスするかなーと思って……」
憧「い、いいのよそんな気遣わなくて……」
玄「そっかぁ……」
憧「それで、触るのはやめないんだ」
玄「うん」
憧「ていうか、私のなんて触ったって面白くないでしょ。その……そんなに大きくないし……」
玄「ねえ憧ちゃん。もしかして私が、大きければなんでも満足すると思ってない?」
憧「思ってるけど」
玄「違うよ。憧ちゃんだけは特別」
憧「え?」
玄「憧ちゃんのおもちだったらね、どんな大きさでもいいの。誰かの大きいだけのおもちとは比べられない」
玄「憧ちゃんのおもち……柔らかいね」
憧「何言って、んっ……何言ってるのよ」
玄「本当のことを言っただけだよ、憧ちゃん」
憧「玄……」
玄「ふふっ、かわいいよ、憧ちゃん」
憧「………」
憧「……ねえ玄……じゃあ、直接触ってみる……?」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
憧(うわあああああ!! ストップ、ストップ!!)
憧(これ以上妄想しちゃったら大変なことになっちゃいそう!)
憧(ドキドキしたー。まさか自分の妄想でこんなにドキドキするなんて……)
憧(というか私の考える玄、ちょっとイケメンすぎでしょ。絶対あんなこと言わないって)
憧(……でもちょっと特別だよとか言われてみたいかも……)
キーンコーンカーンコーン
憧「ってやばっ! 遅刻する!」
――――昼休み
憧(あー……あれからなにも午前中が終わってしまった……)
憧(いやいや、これからよ。これからまた怒涛の憧ちゃんの幸せ阿知賀計画がスタートしていくんだから)
憧(よしまずはカバンを開けっ放しにして、お弁当とりだして……)
モブA「憧ー、しずー、一緒にご飯食べよー」
憧「いいよー」
モブB「私もー」
憧「うん」
穏乃「食べよー食べよー!」
憧「うむ。いただきます」
モブA「しずは相変わらずだねー」
モブB「……ねえ憧、そのカバンの中のそれ……なに?」
憧「へ?」
憧(かかった!)
モブA「うん? なになにー……え、これ……」
モブB「ね、猫耳?」
憧「あちゃー見つかっちゃったかー」
モブA「なんであんたこんなもん学校に持ってきてんのよ」
憧「いやー実は占いでねー、猫耳カチューシャがラッキーアイテムって書いてあってさー」
モブB「だからってふつう持ってこないと思うけど……」
憧「まあいいじゃん」
モブA「……ふーん。ねえ憧、じゃあせっかくだしつけてみてよ」
モブB「あ、たしかにちょっと見てみたいかも」
憧「えー、そう? じゃあつけてみよっかなー」
憧(よーしここまでは計画通り!)
モブA「ほらしず、あんたもご飯食べるの1回やめて憧見てみなって、面白いもん見れるよ」
穏乃「へ?」
憧(ナイスA! よーしばっちり決めちゃうわよー)
憧「えへへー、憧にゃんだにゃん!」
モブA「………」
モブB「………」
穏乃「………」
憧「え、えへへへー……」
憧(や、やっちゃったー!? これはさすがに余裕で大丈夫だと思ったのに!)
憧「……え、えーと……場の空気はずしちゃったし、これもはずしてしまっちゃおうねー……」
モブA「……はっ。ま、待て、はずすな!」
憧「え?」
憧(嘘でしょー!? さすがにはずすってこれは!)
憧(いやこの二人はどうでもいいとして、しずが一体どうなってるかが一番大事!)
憧「し、しずー……?」
穏乃「………」
憧(なんかよくわかんないけど、すっごいてんぱってる……?)
穏乃「わ……」
憧「わ?」
穏乃「わああああああああっ!!」
憧「し、しずー!?」
モブB「すごい勢いで走っていっちゃった……」
憧(や、やばい。かつてないほどに引かれた!?)
憧(はっ、いや待て、待つのよ新子憧。たしかしずは自分で抑えきれない感情の高ぶりがあったら走りだしちゃう気があったような)
憧(だとすると2つのパターンが考えられる)
憧(1、普通に引いた。2、わたしの猫が予想以上にかわいかった)
憧「………」
憧(できれば2と思いたいけど、2だと思うとなんかむしょうにはずかしい。それになんか思い上がってるみたいでやだなー……)
憧(でも1だともう立ち直れないし……いや、どうせしずは後で戻って来るんだし、どちらにせよここはおしておしまくる!)
憧「はあ……」
モブA「なにため息ついてんのさ。その……私はそれ、かわいいと思うよ……」
憧「本当?」
モブA「う、うん……」
憧(よしっ。かわいいっていう意見があるならしずもひいてないはず!)
憧「ならよかったー。ドンビキされたかと思ったし」
モブB「よくやろうと思ったね……」
憧「ま、まあその場のノリってやつよー。あははは……」
憧「そんなことよりご飯食べちゃいましょ」
モブA「あーその前にさ、ちょっといい?」
憧「なに?」
モブA「……写メとらせてくんない?」
憧「はい?」
モブA「いや同級生がさ、猫耳してる姿なんてめったにないじゃない? だからさ」
憧「え、いや、さすがに写メはー……」
モブB「私も撮りたいなー」
憧「えええっ!?」
憧(え、もしかしたらもしかすると私意外と猫耳似合っちゃってる? 後でしずにつけてもらうためにつけただけなんだけどなー……)
憧「ど、どうしよっかなー」
穏乃「た、ただいま!」
憧「あ、しず!」
穏乃「う……」
憧(しずすっごい顔真っ赤にしてる。もしかして恥ずかしくて私の顔見れないとか……?)
憧(もしそうならけっこう嬉しかったり……)
モブA「しず、いいところに戻ってきた! 憧の体おさえて!」
穏乃「えっ?」
憧「え」
モブA「ほら早く。時間ないから!」
穏乃「え、ええ!? はいっ!」ギュ
憧「ちょ、しずっ!?」
モブA「な、なんで前からおさえるんだよ!?」
穏乃「おさえてるよ!?」
憧「はわわわわわ……」
憧(まさかしずに抱きしめられてるー!? すっごいこの状況。よくわかんないけどAグッジョブ!)
モブA「ちっ……まあいいや、憧撮るよー。こっちむいて!」
憧「え、あ、はい」
穏乃「………」ギュー
モブA「……うん。ありがとう」
憧「あ、はい……」
モブA「しず、もういいよ」
穏乃「………」ギュー
モブA「む。しず、もういいって!」
穏乃「へ? え、あ、うん!」
モブA「たくっ……あんがと」
穏乃「う、うん」
憧「……やーい、怒られてやんのー」
憧(ドキドキしたー!)
穏乃「憧に言われたくないよ!」
憧「なんでよ」
穏乃「な、なんでも……」
憧「そんな怒んないでよ」
憧「……あー、ねえしず。私お願いがあるんだけどー」
穏乃「なに?」
憧「……へへー、じゃーん! 実はここにもう1個猫耳があるんでーす!」
憧「これ、つけて」
穏乃「な、なな、何言ってるんだよ!」
憧「お願いっ! 猫耳つけてるしずが見たいの! つけてくれたらしずのお願いなんでも聞くから!」
穏乃「えー、さすがに恥ずかしいよ……。だって私、憧ほどかわいくないし……」
憧「なに言ってんのよ!! しずが私よりかわいくないわけないでしょ!!」
穏乃「憧の方がかわいいって」
憧「しずだってば。いいからさ。お願い! なんでも言うこと聞いたげるから!」
穏乃「本当に……?」
憧「うん。つけてくれたらなんでもする!」
穏乃「えー……そういわれても……。」
穏乃「………」
穏乃「……い、いいよ。つける」
憧「本当!? えへへー。じゃあ私つけるー」
穏乃「い、いいよ。自分でつけるよ!」
憧「いいからいいからー。よっと……うはぁっ」
憧(か、かわいすぎる!!)
憧(予想してたけど、それを上回るかわいさ!!)
穏乃「ど、どうかな……」
憧(しかもちょっと照れながらの、どう? って、しずあんたやっぱり天使!!)
憧「すっごいかわいいわよしず! うんうん、やっぱりしずはかわいいなー」
穏乃「ありがとう……」
憧「うんうん。えへへー」
穏乃「……それでさ憧……言うこと、聞いてくれるんだよね?」
憧「うん。なんでも聞くわよー」
穏乃「じゃあさ……あの、猫みたいに甘えてきて……」
憧「へ?」
穏乃「今の憧って、その……憧にゃんなんでしょ?」
穏乃「その……前親戚の家で猫と遊んだときに、甘えてくるのがかわいかったから……憧にもしてほしいなって」
憧(なにそれ。しずに合法的に甘えていいってこと!? 喜んで!!)
憧「うん……わかった」
憧「にゃーん。しずにゃーん」ギュ
穏乃「……う、うわわわっ……!」
憧「えへへー、あったかーい……」
穏乃「……う、うん……私も、あったかい……」
憧(至福ー。意外としずもいい匂いするなあ。なんか草原な感じ)
憧(それにしてもしずから甘えてきてーなんて中々ないし。最高ー!)
憧(えへへー、もしかしたらこれからこんな展開が……)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
穏乃「本当憧にゃんは甘えたがりだね」
憧「うん」
穏乃「そこは、にゃんでしょ」
憧「あ、ごめん。にゃん」
穏乃「ちゅ……そんなにしょげないで。ね、笑ってよ憧にゃん」
憧「しず……。にゃん!」
穏乃「うん。憧、かわいいね……」
憧「そんな、しずの方がかわいいって……」
穏乃「ねえ憧にゃん……もっと憧にゃんのこと、かわいがっていい?」
憧「……うん。もっとしずの手で憧にゃんをかわいがってください……」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
憧(みたいな、みたいな!? やーん、もうしずったらー!)
憧(そんなん言われたら断れないよー! たくさんかわいがってー!)
憧(なでなでしてもらったりー。ご飯食べさせてもらったりー。もうなんでもあるじゃーん!)
憧「えへ、えへへへー」スリスリ
穏乃「はう、あうう」
モブA「ちょ、ちょっと憧! しずがやばいって、なんか限界むかえてやばい顔してるって!」
憧「ん、なにー?」
モブA「はうっ!?」
モブB「Aちゃん!? あ、あの憧ちゃん、しずちゃんがやばそうだから、その……」
憧「しずが……?」
憧(うわっ、たしかにこれはやばい! さっきの走りだす直前の顔よりやばい!)
憧「し、しずー。大丈夫?」
穏乃「ひゅっ!? ふぇ、え……はっ!……んん?」
憧「おーい、大丈夫?」
穏乃「あ、憧っ!」
憧「だ、大丈夫?」
穏乃「え……あ、うん。大丈夫大丈夫!」
憧「よかったー。あんた今にも爆発しそうな感じだったから」
穏乃「うん、なんか、大変だった……」
憧「あははー、なんかごめんね……」
穏乃「こっちこそ、なんかごめんなさい……」
キーンコーンカーンコーン
憧「やばっ、もう昼休み終わり!?」
穏乃「ご飯全然食べれてない……」
憧「後5分あるから急いで食べよう!」
穏乃「うん!」
――――放課後
憧「しずー、部室いこー」
穏乃「ひゃっ、憧!?」
憧「な、なによ。話しかけたくらいで驚かないでよ」
穏乃「ご、ごめん。なんか、その……」
憧「なに?」
憧(モジモジするしずもかわいいなー。こうやってときたましおらしくなっちゃうのがいいギャップ萌えよね)
穏乃「昼休みのこと、思い出しちゃって……」
憧「あ、うん。確かに思い出すとちょっと恥ずかしいわね……」
穏乃「うん……あー、で部活だっけ?」
憧「そうそう!」
穏乃「ごめん、私もすぐ行きたいんだけど、先生が課題についてちょっと話したいって言ってたから、少し遅れて行く」
憧「そうなの? りょーかい」
穏乃「うん。終わったらすぐ行くから!」
憧「わかった。じゃーまた後でね」
穏乃「うん、すぐ行くからー!」
憧「はーい……」
憧(相変わらず元気でかわいいなー、しず)
憧(それに恥ずかしがってるところもいつもとのギャップでぐっとくるなー)
憧(それに案外私の猫さんもいけてんだなあ。今度またしずの前でやってみよう。そんで本当にかわがってもらおう)
ふぅ...
お前ら百合ばっか見てないで彼女でも作れよ...
憧「さーてと、どうしっかなー」
憧(ホームルームも早めに終わっちゃったからまだみんな部室にいなさそうだし……)
憧(まあいっか。先についてて到着を待とう)
憧(しっかし最近はあったかくなってきたなー。植物もいきいきしちゃってるし)
憧(……あ、そうだ! 温室行ったら宥姉いるかも!)
憧(時間あるし寄ってみよー。ついでによかったら猫耳つけてもらおうっと!)
すんません、ちょっと飯と風呂いってきます
任せなさい。
ちょー保守だよー
保守ありがとうございました。再開します
――――温室
憧「お邪魔しまーす……」
憧(あ、いたいた。……うーんなんか風情ある光景っていうか、宥姉絵になるなー)
憧(宥姉が植物に水やってるだけでこの癒し効果だもん。さすが阿知賀の癒し担当よねー)
憧「やっほー、宥姉」
宥「あれ……憧ちゃん。どうしたの?」
憧「ホームルーム早めに終わっちゃったから、宥姉に会おうと思って」
宥「私に……? 後で部室で会うんじゃ……」
憧「まあまあ、2人っきりでーみたいな」
宥「そうなの?」
憧「……ねえ宥姉、今あったかい?」
宥「うん。温室の中、ぽかぽかしててあったかいよ」
憧「じゃ、じゃあ私がもうちょっとあったかくしてあげるー」ギュー
宥「あ、憧ちゃん!?」
憧(うっはー。予想してたけど、宥姉すっごいいい匂い)
憧(そしてなんだろ、私が抱きしめてるのに逆に包み込まれてるような安心感)
憧(玄とはまた違って抱擁感があるなー)
憧(このまま昼寝とかしたら最高なんだろうなあ……)
憧(こう……宥姉が、私があったかくしててあげるから寝てていいよ、みたいなこと言ってくれて)
憧(うとうとしてる私は、うん……、くらいしか言えなくて)
憧(それでも宥姉が、おやすみ憧ちゃんって言ってくれるんだー!)
憧(寝ます! ばっちり寝ます!)
宥「どうしたの突然?」
憧「ちょっとねー……ごめん宥姉、もうちょっとこのままでいさせて」
宥「なにか、あったの……?」
憧「んー?」
宥「その、憧ちゃんが人に甘えるって珍しいなって思って。いつもしっかりしてるから……」
憧(ごめんなさい、宥姉……。邪念しかありません)
憧(でもどうなんだろう。今日を振り返ってみたら、私って案外甘えるほうが好きなのかも……)
憧(うん今はそんな理由づけでいいや)
憧「別に嫌なこととかあったわけじゃないけど、宥姉と触れ合ってたら安心できるかなって思って」
宥「……うん。私でよかったら、いいよ」
憧「ありがとう……」
宥「ううん。私も、いつもありがとね、憧ちゃん……」ギュ
憧(ああ抱きしめ返されて安心感が3倍増し……。着込んでるけど、宥姉自身の温かみをすごい感じる……)
憧(なんかちょっと気持ちよくなっちゃってきたかも……)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
憧「ねえ宥姉」
宥「なに……?」
憧「手冷たくない?」
宥「え、うん。大丈夫だよ……」
憧「……もし、冷たかったら私の服の中に手入れていいよ……」
宥「え……」
憧「私は、大丈夫だから」
宥「……でも」
憧「ううん、遠慮しないで。宥姉のためなら別にそれくらいなんともないから」
宥「……わ、私も大丈夫だよ」
憧「……じゃあ宥姉、私が宥姉に手入れてもらいたいから、入れて」
宥「でも……」
憧「いいから。ほら、背中に手回して」
宥「う、うん……」
憧「んっ……」
宥「ご、ごめん。やっぱり冷たい……?」
憧「ううん、大丈夫。普通くらい。でもちょっとひんやりするから、さ……背中……さすって、ほしいな……」
宥「……うん」
憧「ん……はぁ」
憧「はぁ、ねえ宥姉、私も……宥姉の背中、さすっていい?」
宥「……うん、さすって……」
憧「……宥姉、肌サラサラ」
宥「ん……ありがとう……」
憧「それにすごく気持ちいい……」
宥「憧ちゃんの肌も、とっても気持ちいいよ……」
憧「はぁはぁ、ん、あ……宥姉……」
宥「はぁ……憧ちゃん……」
憧「ねえ、宥姉……」
宥「うん……」
憧「キス……してもいい……?」
宥「……して」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
宥「憧ちゃん……憧ちゃん?」
憧「んぇ……? あ、宥姉……んー、キスー」
宥「へ、憧ちゃ……ん……」
憧「えへへへー」
宥「あう、あう……」
憧「あったかーい……」
宥「あ、憧ちゃん……」
憧(幸せー。あったかいなあ。宥姉とキスしちゃったし。そのまま妄想のように……)
憧(妄想のように……。あれ? なにかがおかしい気がする)
憧(なんだろうこの違和感。えーと……はっ!?)
憧(やばいっ! 私もしかして寝ぼけて宥姉にキスしちゃった!?)
┏┓ ┏┓ 巛 ヽ. ┏┓ ┏┳┓
┏━━━┛┃┏┓ ┏━┛┗━┓ ┏┓ + 〒ー| ┏┓ ┏┓┏━━┛┗┓┏┓┃┃┃
┗━┓┏━╋┛┗━┳┳┳╋━┓┏━╋━┛┗┳━| |┳━┛┗┳━┛┗╋━┓ ┏┻┛┗┫┃┃
┃┃ ┗┓┏┓┃┃┃┣┓┃┃┏╋┓ +┻ +/ /┻┓ ┏┻┓ ┏┛ ┃┃┃┏━┓┃┃┃
┃┃ ┃┃┗╋┻┛┃┃┃┃┃┣┛ ∧_∧/ / .┏┛┃┃┏┛┃┃┏━┛┃┣╋━┛┣╋┫
┗/´》〉 ┗┛ ┗━━┻┛┗┛┗┻━(´∀`_/ / ┗━┻┛┗━┻┛┗━━┻┛┗巛 ヽ┻┻┛
* | 〒 /⌒ヽ | 〒 ||| ,.へ´_|_ヽ ,-r、,r/」 f ||| ∧ ∧,.へ, 〒 ! /⌒ヽ 〒 !
| | ( ´∀`) | 人l ァ'`・ω・)〉/_ュヘ〈|7 | * (゚∀゚ `ァ ノ + | | ( 个 ) | |
+ | { | .| { .(__)、 ○〈_}ノ : | + O /:-一;:、 / /. | | ./ /*
ヽ ヽ | .|.ヽ ヽ (___) 、 〈 く/ ヽ__,」 + ) ミ;;★:;:;:;ミ/ / | |/ /
ヽ ヽ,, ´∀`) ヽ ヽ ´∀`)__ノ ヽ__) / ,ヘ | __,, '´ ̄`ヽ__ (・ω・´/ / (・∀・ / /
,.へ ■ヽ ヽ ー、 ヽ ー、 / / |. | ★((ハヾヽ,.べ, ミ三彡 f ,- f+
l ァ'^▽^) i ,rュ ', i rュ ', ||| ( 〈 .| .| ハ^ω^*`ァノュヘ | / ュヘ |
ヽ ○.| /{_〉,.へ∧ ∧{_〉 << \ ヽ .| .| O☆゙ _ノ_,} ) | 〈_} ) |
| 、 〈 | 〈 l ァ';・∀・) \ノ |_,,| ノ´ ̄ゞ⌒'ーァ ! ||| / ! |||
||| l__ノ ヽ__)| ,ヘ. ヽ ヽ ○ヽ + |__ノ| ) `7゙(´〈`ー''´ | / ,ヘ | ガタタタン!!!!
憧「あわ、あわわわわ。ご、ごめん宥姉!」
宥「な、なにっ……!?」
憧「わ、私今、宥姉に寝ぼけてキスしちゃってない?」
宥「………」
宥「……ううん。キスなんてしてないよ……」
憧「はれっ? そうなの?」
宥「うん……ずっと抱き合ったままだったよ」
憧「あ、そうだったんだ。よかったー、寝ぼけてただけだったんだ」
憧「ごめんね宥姉、いきなり大きい声だしちゃって」
宥「ううん、大丈夫。それよりみんなもう集まってるんじゃない……?」
憧「あ、確かにそうかも。いこっか」
宥「私は、もうちょっと水やりしてからいくから、憧ちゃん先に行ってて……」
憧「あ、ごめん宥姉作業中断させちゃって」
宥「そんなことないよ。私も憧ちゃんとギューってして、幸せだったから」
憧(宥姉マジ天使! その笑顔だけで私この先やっていけそう)
憧「えへへ、そう? じゃあ、私先行ってるね」
宥「うん、また後でね」
宥「………」
宥「……キス、しちゃった……」
――――部室
憧「……あれ、灼だけ?」
灼「うん。しずと宥さんはわからないけど、玄はなんか用事があるって」
憧「用事……。ああ、へー……。しずは、先生のとこ行って、宥姉は温室にいたからもう少しで来ると思う」
灼「ん、わかった……。ハルちゃんももうすぐ来ると思……」
憧(うんうん、灼もしずと一緒で背小さくてかわいいー)
憧(こうやっていっつもクールというか冷静なのにふとした拍子に見せるギャップがなー、灼はなー。いい!)
憧(特に照れて顔伏せてるときを思い出したら……。なんで当時は気づかなかったんだろうなー)
憧「灼はホームルーム終わったらすぐ来たの?」
灼「………」
憧「どしたの?」
灼「憧……」
憧「なに?」
灼「今日はいつにも増して図々しいね」
憧「へ?」
灼「だって、私のこと呼び捨てにしてるし……。まあそこまで気にしないけど」
憧「あ……」
灼「気づいてなかったの?」
憧(やっばー。妄想の中では灼呼びが普通だったから素で言っちゃった)
憧(でもここは変に誤魔化さずにいい機会と捉えて……)
憧「ごめんなさいいきなり呼び捨てで呼んじゃって」
灼「別に呼びたいなら呼んでもいいよ」
憧「え、本当に!?」
灼「うん。さっきも言ったけどそこまで気にしないから……」
憧「じゃ、じゃあ呼び捨てで呼ばせてもらおうかなー」
灼「いいよ」
憧「ありがとー! いやー、私親しくなった人は呼び捨てで話しかけちゃうんだー」
灼「うん、わかってる」
憧「えへへー、じゃあこれからも改めてよろしくね、灼!」
灼「でも節度は守ってほし……」
憧「大丈夫だってー。そこはわきまえてるから」
灼「……まあならいいや」
憧「あ、そうだ。今日私いいもの持ってきてんだー」
灼「いいもの?」
キマシ...?
憧「そうそう……。ああっ!!」
灼「なに?」
憧(うわーーー、失敗した!! 宥姉に猫耳つけてもらうの忘れてんじゃん私)
憧(まさかこんなチョンボしちゃうなんて……あーやばい、ふっつーにへこむ……)
灼「憧……?」
憧(いやいや、でもへこたれたらダメ! ここには灼がいるんだから、灼に目いっぱいかわいく猫さんやってもらおう!)
憧「……じゃーん、猫耳でーす!」
灼「……は?」
憧「あ、あの、今日の占いで猫耳カチューシャがラッキーアイテムって書いてあったから持ってきてみたんだ」
灼「よく持ってたねこんなの……」
憧「うん、友達が全部買ってくれたんだ」
灼「……全部?」
憧「そう。5種類あって……じゃーん、どう、かわいくない?」
灼「どうだろ……」
憧「よかったらさー、みんなにつけてもらいたいんだよねー」
灼「……は?」
憧「みんなかわいいから似合うかなーと思って」
灼「なんで? 憧のラッキーアイテムなんだから憧がつけたら」
憧「えと……麻雀やってる人のラッキーアイテムなのよ!」
灼「……嘘でしょ」
憧「……はい」
灼「はい、憧」
憧「え……」
灼「……うん、似合ってるよ」
憧「ちょっとー、私だけつけたって意味ないってばー。灼もつけてよ」
灼「それは無理……」
憧「いいから。つけてくれたらなんでもお願い聞くから」
灼「……なんでも?」
なんでもするって
憧「うん、なんでも聞く。だからはい、つけて」
灼「ふーん……本当になんでも聞くの?」
憧「うん、なんでも聞くわよ」
灼「……じゃあ、猫のモノマネして」
憧「猫さんのマネ?」
灼「そう。やってくれたらつけてもいいよ」
憧「いいわよー。やってやるわ!」
灼「うん」
憧「じゃあいくわね……。憧にゃんだにゃん!」
灼「………」
憧「………」
灼「………」
憧「………」
憧(うん、知ってた。多分失敗するだろうなって。一縷の望みとか持つのもうやめよう)
灼「……なんか、ごめん」
憧「あ、謝るならつけてよ!」
灼「え。さすがに今のでつけるのは……」
憧「ずるい、なにそれ! 私ちゃんと猫さんのマネしたのに! 私ただのやりぞんじゃん!」
灼「だって今の猫っていうか……」
憧「うるさいうるさーい! いいからつけてよ。私ちゃんとやったんだから!」
灼「わ、わかった。わかったからそんなに迫ってこないで……」
憧「ほら、はい!」
灼「はいはい……」
憧「うはぁ……」
憧(か、かわいい……! ていうか猫耳似合いすぎ! こんな姿ですりよられたら誰でも一発で落ちちゃうでしょ)
灼「……これでいい?」
憧「はい……」
灼「……じゃあはずすよ」
憧「ちょ、ちょっと待って!」
灼「なんで?」
憧「いや、あのー、お願いがありまして……」
灼「……なに?」
憧「女の子座りして、あらにゃーだにゃー、って言ってください」
憧(こんなかわいいのにつけただけなんてもったいない。それにこんなチャンス二度とない。じゃあいつ言わせるか。今でしょ!)
灼「………」
憧「………」
灼「やだ」
憧「お願いしますっ!!」
灼「どうしたの憧? 今日なんかおかし……」
憧「おかしくてもいいです! 灼の猫さん見たいの!」
灼「いや、ちょっと無理」
憧「無理じゃない!」
灼「それは私が決めることじゃ……」
憧「どーしてもダメ?」
灼「むしろなんでそんなに見たいかがわからな……」
憧「だって、かわいいから」
灼「え」
憧「絶対そうやってる灼、かわいいもん。だから見たい」
灼「ど、どうしたの。本当に今日はどっかおかし……」
憧「じゃ、じゃあ、にゃーだけでもいいから!」
灼「にゃーって……。そんなに見たいの……?」
憧「見たい!」
灼「……はあ」
灼「……にゃー。これでいい?」
憧「……もう1回!」
灼「え……にゃ、にゃー。……もういいでしょ」
憧「ありがとうー!」ギュー
灼「ちょっと、やめ……」
憧「えへへー。かわいいなあ」
灼「なんかむかつく……それと頭なでないでほし……」
憧「いいじゃんいいじゃん」
キマシタワー!!!!
灼「はあ……」
憧「えへへへー」
灼「はいはい、よかったね……」ギュ
憧(あれ、灼もしかして私の腰に手回してる?)
憧(これきた? もしかして灼のデレ期きた?)
憧(やっぱ猫耳ってすごいわー。かわいさ3倍増しで、人に心もゆだねさせやすくするなんて!)
憧(ちょっとしずと玄と宥姉のときにはシミュレーション不足でイチャイチャできなかったから今からしっかりしよう!)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
憧「あれ、灼。耳赤いよ」
灼「……気のせい」
憧「なんだー。平気なフリしてるけど、やっぱり恥ずかしいんだ」
灼「憧だって、耳赤いし……」
憧「え、そ、そうかなー」
灼「うん。それに心臓も早くなってるよ」
憧「私じゃなくて、灼のじゃない?」
灼「絶対憧」
憧「……まあ、そうかも」
灼「………」
憧「ひゃっ!? あ、あらた!?」
灼「なに?」
憧「な、なんで耳……」
灼「……猫なら耳はんだりするかなって」
憧「ならっ、私だって……!」
灼「ちょっ! 憧は禁止……!」
憧「禁止とかそんなのないもん」
灼「このっ……」
憧「ちょっ、なめるのは……なめるのはダメ、だって……」
灼「耳弱いんだ」
憧「わ、わかんない……」
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――――
憧(グッド!! 案外自分からいかないようで強気な灼もいいなー!)
憧(でもどうせそのときには内心灼も恥ずかしがってて耳真っ赤だったりして)
憧(結局最後には私が主導権握るのがベストよね!)
憧(それにしても猫耳女子高生と抱き合うとか最高ー!)
ガチャ
玄「すみません、遅くなっちゃいました!」
穏乃「遅れてすみません!」
宥「遅くなりました……」
玄「え」
穏乃「わわ」
宥「え……」
憧「あ、みんなお疲れー」
灼「お疲れ……」
玄「あ、うん、お疲れー……」
憧「あれ、なんでみんな一緒なの?」
穏乃「たまたまそこであったからだけど……って憧また猫耳つけてんだ」
憧「そうそう。それと灼にもつけてもらってるんだー」
玄「わぁ……灼ちゃん、かわいいねー」
灼「あ、ありがとう……」
憧「でしょー。もう抱きしめたくなるわよねー」
宥「だから、抱きしめてたの……?」
憧「そうそう。やっぱかわいいものって抱きしめてたくなるでしょ」
憧「ということで……はい、3人ともつけて!」
穏乃「え……。猫耳こんなにあったの?」
憧「全部で丁度5個あるわ。ほらほらしずー、さっきみたいにつけてよ」
穏乃「え、え~……」
玄「でもよく灼ちゃん猫耳つける気になったね。あんまりそういうことしなさそうなのに」
灼「正直つけたくなかったけど、つけないとうるさかったから……」
宥「憧ちゃんが……?」
灼「そう。なんか今日の憧ちょっと変……」
玄「どんな風に?」
灼「なんていうか、いつもよりテンションが高い」
玄「あー……でもなんかわかるかも」
憧「ほらほら、玄も宥姉も話してないでつけてつけて!」
玄「しずちゃんもかわいいねー」
宥「うん、似合ってる……」
憧「でしょー?」
灼「なんで憧が自慢げなの……」
.. ---- .
. ≦ ミ .
/ . . . . . . . . . . . . \
/ . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ
/ ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
/ \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i
/ .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |
′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|
: / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
. |:il .:.::ii:八:{::{ |≧十\:∨ ,. `|:.:.:..ト:|:.:.: |: .{
. |:|!..:.::,| ..:.トド\ _, ` z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: . ( \ / ) {_.}_} r‐
,|:{ .::/l| .:小≧==' '^ ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . { \ \/ / _| |_/ )
八| :ハ| .:.:{:.i xxx , xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i .> / (__ __ ヽ __
(__) | .:. 八 |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . { / 〃 | | ) } (_ ヽ
.イ i! .:.:| :i::.. 丶 ノ ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . . { {____. | | (_ ノ ) }
〃{ .}: :.:.{ :|::::i:>... イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l 乂 ___ ) ._ノ (__ノ
{:i.:{ ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
. 八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{ /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
/;..:.:.:.:.:./ \}! r‐〉ォ´ ̄ }ノ /::.:.:.:./ , ヽ: .∧
. /:/ .:.:::::/ ノ{{ '介′ i{ ./::.:.:.:./ / ∨. ∧
ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./ / i: : . .:.
__ノ/ ..:..::厶}/ \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i / {: : . ∧
憧「玄も宥姉も似合うに決まってるからさー。早くつけちゃってよ」
玄「え……。わー、なんかいざ自分がつけると思うと恥ずかしいねお姉ちゃん」
宥「うん……」
憧「つけれないんだったら私がつけてあげよっかー? ほら宥姉貸して」
宥「あ……」
憧「うんうん! やっぱりかわいいなー!」ギュー
宥「あ、憧ちゃん……」
玄「うん、お姉ちゃん、似合ってるよ」
宥「あ……。玄ちゃんも、すごくかわいい……」
憧「そうよねー。本当みんなかわいくて私、感激だわ!」
灼「本当テンションたか……」
穏乃「あははー……。でもみんな猫耳って面白いですね」
玄「なんでこんなに憧ちゃんは猫耳持ってるの?」
憧「たまたまよ、たまたま。なんならみんなにそれぞれあげてもいいわ。たまに見せてくれるだけでいいから」
灼「いや、私はもうつけな……」
憧「よーし、じゃあ写真撮ろう!」
穏乃「写真?」
憧「そうそう。みんなの猫耳姿とっておきたいから」
玄「まあ別にいいけど……」
灼「わずらわし……」
憧「ほらほらいいからそこ並んで」
穏乃「ここ?」
憧「うんそこで。じゃあ私は後ろに行くから、宥姉と玄が前で座って、中腰で灼としずね」
宥「う、うん……」
憧「よし、じゃあ撮るわよー。……よしっ、みんな笑顔よ、笑顔!」
カシャッ
玄「どんな感じで写ってるかな?」
憧「最高! みんなバッチリ、かわいく写ってる! きゃほー! 一生の宝物だわー」
宥「憧ちゃん楽しそう……」
穏乃「憧ー、私も写真もらっていい?」
憧「うん、全然いいわよ。ちゃんとみんなに現像して渡すから安心して!」
宥「ありがとう……」
玄「なんだかちょっと恥ずかしいけど」
憧「いやいやー、みんな自分のかわいさに自覚的になってもいいって」
憧「なんてったて麻雀部は阿知賀の美少女たちの集まりだからね!」
憧「いやーみんなかわいくて私幸せだわー。ねーしずー」ギュー
穏乃「わ、私に聞かれても困るよ! それに……憧もかわいいって……」
灼「ねえ玄、本当に憧どうしちゃったの?」
玄「さあ……でも憧ちゃんが幸せそうならいいかな」
灼「……そうかもね」
憧「私はどうでもいいんだってばさー。みんながかいくて幸せなのよー」
宥「ううん、憧ちゃんはとってもかわいくていい子だよ」
憧「宥姉?」
宥「憧ちゃんあったかい……」ギュー
憧「えへへー。宥姉のがあったかいよー」
穏乃「宥さん……」
憧(前にはしずがいて、後ろからは宥さんが抱きしめてくれてる……)
憧(ああ、私ここで死んでも一切悔いはないわ……。本当に今まで生きててよかった……!)
憧「えへ、えへへへへ」
玄「ねえ灼ちゃん、私たちも混ざろっか」
灼「え……」
玄「私たちだけ仲間はずれっていやだからさ」
灼「いや、私は別に……」
玄「ほら、行こう」
灼「………」
灼「……うん」
玄「憧ちゃん、しずちゃん、お姉ちゃーん!」ギュー
憧「わわっ、玄?」
玄「私もみんなと一緒がいいから」
灼「……私も」ギュー
憧「灼……」
憧(うっはあーー!! みんなが私を中心に抱きついてきてる!)
憧(これ夢!? 妄想!?)
憧(いや、違う違う。まさに今、現実で起きている!!)
憧(ああ、神様ありがとうございます!)
憧(こんなに幸せなことって他にないわー)
憧(美少女たちに囲まれ、美少女たちとこうしていられるなんて……)
憧(本当阿知賀に入ってよかった。本当によかった!)
憧(あわよくば、この生活がいつまでも続きますように……)
憧「えへへへ」ギュー
カン!
以上です。支援、保守ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません