咲「私が魔王?」(175)

ID:9L1uL/de0

>>1
代行ありがとうございます

咲「私が勇者?」の蛇足であり続編です


咲(……暗い。一体何があったの?)

咲(そうだ……私、淡ちゃんとお出かけしてたんだ……)

咲「淡ちゃん……淡ちゃん!」

「どうしたの?」

咲「よかった……」

淡「サキー、もしかして心配してくれたの?」

咲「当たり前だよ」

淡「ありがとう。それより、目の前が明るくなってきたね」

咲「うん。淡ちゃんの姿も見えてきた」

淡「ねぇ、サキー」

咲「奇遇だね淡ちゃん。私も言おうとしてたよ」

淡「そうだよね。ここって」

咲「魔王の城だね」

淡「またこの世界かぁ。サキー、ステータスは?」

宮永 咲
Lv:72
職業:魔王
最大HP:460
最大MP:250
ちから:121
すばやさ:218
みのまもり:136
かしこさ:255
うんのよさ:255

大星 淡
Lv:74
職業:妃
最大HP:526
最大MP:250
ちから:199
すばやさ:281
みのまもり:188
かしこさ:246
うんのよさ:255

咲「……淡ちゃん、今度は逆かもしれない」

淡「そうみたいだね。魔王って」

咲「それは置いといてさ、また戦わないといけないのかな?」

淡「いいじゃん。後さサキー」

咲「どうしたの?」

淡「私達、また記憶が消されてるね」

咲「……本当だ。淡ちゃんと松実さんと園城寺さんとお姉ちゃん以外の記憶がないよ」

淡「ま、クロとトキもこの世界にいるよ。多分」

咲「それならいいんだけど……」

淡「サキーは魔王らしくしたらいいよ。私は魔王のお妃だからサキーに着いていくから」

咲「ありがとう淡ちゃん。そういや淡ちゃん、すばやさが限界突破してるけどどうしたの?」

淡「……愛のなせる技だよ」

――――――

玄「……また」

玄(今度は普通の村かな)

「すいません」

玄「私ですか?」

「ここってどこですか?」

玄(……一応覗いておこうかな)

高鴨 穏乃
Lv:1
職業:勇者見習い
最大HP:31
最大MP:23
ちから:19
すばやさ:18
みのまもり:17
かしこさ:12
うんのよさ:14

魔法
無効化

玄(……やっぱりだよ)

玄「うん。よろしくね」

松実 玄
Lv:77
職業:強くてニュー召喚師
最大HP:417
最大MP:250
ちから:161
すばやさ:201
みのまもり:131
かしこさ:255
うんのよさ:255

――――――

張り付けミスった
ステータスの前にこれがはいります

玄「ごめんね。私も旅の途中だから分からないんだ」

穏乃「そうですか」

玄「迷子なら暫く一緒に行動する?」

穏乃「いいんですか!ありがとうございます!」

怜「……ここって」

咏「よう僧侶さん」

怜「今度は何をするんですか?」

咏「さぁ?」

怜「……何で私がここに?」

咏「そりゃ、倒れてたから連れてきたんだよ」

怜「ありがとうございます」

咏「ま、行くとこないなら暫くゆっくりしていきな」

怜「そうさせてもらいます」

園城寺 怜
Lv:77
職業:拾われた大賢者
最大HP:399
最大MP:250
ちから:115
すばやさ:203
みのまもり:156
かしこさ:255
うんのよさ:255

――――――

咲「……皆さんを呼んだのは他でもない私です」

淡「おー、皆久しぶりだね」

久「あら、妃って大出世ね」

恭子「あかん……ほんまにあかん」

和「あの女狐に私の咲さんが……」

白望「ダルい」

咲「えっと、この世界の事情を教えてください。はい、末原さん」

恭子「私ですか。結界が解除された状態と魔王の城が半壊なだけです」カタカタ

咲「末原さん、カタカタ禁止です」

恭子「……はい」

淡「そうなると過激派は行きたい放題じゃん」

久「ええ。けど、勇者の影響か銃器が流行りだしてね。過激派も最近はおとなしくなったわ」

咲「あはは。じゃあ、過激派のことは後回しにして結界の修復は各自でしておいてください」

白望「分かった。それまでは魔王の城は無防備だから」

咲「それなら何とかしますよ」

淡「私達に任せてよ」

咲「それで、和ちゃんはなんでワナワナしてるの?」

和「認めません。咲さんにお妃なんて認めません」

淡「へー。ふかぁい繋がりまであるのに認めないの?」

咲「あ、淡ちゃん。恥ずかしいから止めてよ」

淡「いいじゃん。別に減るもんじゃないんだからさ」

和「」

淡「あっれぇ?どうしたの?まだ認めないの?」

和「……」

淡「ねぇねぇ?返事してよ」

和「……決闘です」

淡「へー。いいよ。やろうか」

久「ねぇ咲」

咲「どうしました?」

久「あれ放っておいていいの?」

咲「大丈夫ですよ。淡ちゃんは負けませんから。それに死にさえしなければ私が回復します」

久「貴女、何でも出来るのね」

咲「そんなことないですよ」

白望「帰ってもいいかな?」

咲「いいですよ」

――――――

穏乃「それで私は何をすればいいんですか?」

玄「勇者だから魔王を倒さないといけないんじゃないかな」

穏乃「魔王ですか……」

玄「うん。頑張ろう穏乃ちゃん」

穏乃「は、はぁ」

玄(やっぱり自覚ないよね……)

――――――

怜「戦争ですか……」

咏「銃器が流行りだしてから鉱山の権利を主張してやらでね。知らんけど」

怜「じゃあこの国も……」

咏「そろそろ巻き込まれるんじゃね?」

怜「……」

咏「そこでだ。魔法使いが多い国だろ?教えてやってくれない?」

怜「分かりました。けど、私は回復専門ですから期待はしんといてください」

咏「おっけー。部屋は空いてるところ使っていいから」

怜(大変なことに巻き込まれたなぁ私)

――――――

和「」

淡「やり過ぎちゃったかな?」

咲「やり過ぎだね」

淡「けどサキーが治してくれるんでしょ?」

咲「うん。後でやっておくよ」

淡「そうだサキー、城に何があるか探検しようよ」

咲「うん。いいよ」

――――――

相談室

煌「貴女方が次の魔王ですね」

咲「そうらしいですね」

淡「私はお妃だけどね」

煌「相思相愛すばらです。私は花田 煌。魔王の相談役です」

咲「今後、よろしくお願いします」

淡「よろしくね」

煌「はい。よろしくお願いいたします」

――――――

厨房

洋榎「おー魔王やん。いらっしゃい」

咲「ここは厨房ですか」

淡「おーいい匂い」

洋榎「毎日うまい飯食わしたるから覚悟せえよ」

咲「お願いします」

淡「あっ、饅頭だ。いただきます」

洋榎「それウチの饅頭……」

「お姉ちゃん、お客さん?」

洋榎「おう絹、魔王や」

絹恵「あっ、魔王さん。どうも、愛宕 絹恵です」

咲「宮永 咲です。こちらが私のお妃の大星 淡です」

淡「よろしくね」

――――――

咲「結構回ったね」

淡「そうだね。それにしても今度の勇者って誰だろう?」

咲「見に行く?」

淡「出来るの?」

咲「さっきステータス覗いたら勇者探知って魔法があったから出来ると思うよ」

淡「じゃあ行こうよサキー」

――――――

穏乃「玄さん、そろそろ行きますか?」

玄「そうだね。日が暮れないうちに村に戻ろう」

咲「あっ、松実さん」

淡「クロ久しぶりー」

玄「咲ちゃんに淡ちゃん。やっぱりこの世界にいたんだ」

咲「はい。そちらは?」

穏乃「高鴨 穏乃です」

玄「新しい勇者だよ」

淡「そうなんだ。じゃあ待ってるね」

玄「淡ちゃん、待ってるって?」

咲「私が魔王ですから。穏乃ちゃん、私を倒しに来てね」

穏乃「勇者とか魔王とか言われても分からないですよ」

咲「そうだよね。私だってそうだったから」

淡「……サキー、ここで勇者を殺したら帰れるんじゃないかな?」

咲「……言われてみれば確かにそうかもしれないね」

玄「咲ちゃん、淡ちゃん、穏乃ちゃん怖がってるよ」

淡「そんなの知らないよ。ねぇサキー」

咲「……松実さんに任せます」

玄「ありがとう咲ちゃん」

淡「サキー、何で見逃すの?」

咲「そりゃ楽しみは取っておいたほうがいいからかな」

淡「なるほど。じゃあねクロ。後、新米勇者さん。魔王の城で待ってるよ」

咲「さようなら」

玄「――行っちゃった。穏乃ちゃん、大丈夫?」

穏乃「……はい。けど、あの人達のオーラは怖かったです」

玄(まさか咲ちゃんが魔王……私だけじゃ勝てないよ)

玄「穏乃ちゃんが強くなった
らいいんだよ。それまでは私が守ってあげるから」

穏乃「ありがとうございます」

――――――

咏「魔法の練習うまくいってるかい?」

怜「そこそこですね。順調ですわ」

咏「ほー。そりゃよかったよ」

怜「それで、他の国の動きはどないなってます?」

咏「まだ準備段階ってところか。知らんけど」

怜「ならまだ時間はありますね」

咏「まぁね。ギリギリまで頑張ってよ教官」

怜「その呼び方止めてください」

――――――

魔王の城浴室

淡「サキー、何であの時殺らなかったの?」

咲「まだそのときじゃないからかな。一回だけ本気を出してみたいんだ」

淡「あれ?テルと戦ったときは本気じゃなかったの?」

咲「あれは勝てないと思ったからやり方を変えただけだよ。実際にあの風の壁を突破できる方法すら思い浮かばなかったから」

淡「そうなんだ。サキーがこの世界にいたいなら私は着いていくけどさ、さっき城で面白いこと聞いたよ」

咲「何かな?」

淡「そろそろらしいよ」

咲「……戦争?」

淡「うん。多分勇者の前に軍隊がこっちにも向かってくるんじゃないかな?」

咲「そうなったら面倒くさいなぁ」

淡「けどサキー、負ける気する?」

咲「全然しないかな。淡ちゃん、髪洗ってあげるよ」

淡「ありがとうサキー。お願いするね」

――――――

玄「穏乃ちゃんの武器どうしよう」

穏乃「使いやすければ何でもいいですよ」

玄(前の旅の残金が四人で折半されてたからお金には困らないかな?)

玄「それじゃあ買ってあげるね」

穏乃「ありがとうございます。それより玄さん」

玄「どうしたの?」

穏乃「魔王と知り合いなんですね」

玄「……そうだよ」

穏乃「何でなんですか?」

玄「それは咲ちゃん……魔王から聞いてね」

穏乃「分かりました」

――――――

魔王の城浴室

咲「淡ちゃん」

淡「んー?」

咲「また黒髪でポニーテールしない?」

淡「気が向いたらね」

咲「楽しみにしてるね」

淡「サキーこそ髪形変えてみれば?」

咲「私は短いからそこまで自由じゃないよ」

淡「そっか。それにしてもいつまでお風呂に浸かっとくの?」

咲「淡ちゃんが出るまでかな?そういや淡ちゃん、ジパングって本当にあるのかな?」

淡「あるんじゃないかな?私の刀もジパング製だし」

咲「私もそう思うよ」

淡「旅してたときは忙しかったから行けなかったけど今なら探せるよね」

咲「もう捜索するように言ってあるよ」

淡「さすがサキー。手が早いね」

咲「あと二日くらいでいけるよ」

――――――

二日後

咲「黄金?」

淡「……山と森じゃん」

咲「伝承だからね。こんなこともあるよ」

淡「あるって分かっただけいいや。どうするサキー?」

咲「どうするって何がかな?」

淡「旅するか帰るか」

咲「少しだけふらつこうよ」

淡「おっけー」

――――――

咲「おお、淡ちゃん似合うよ」

淡「着物って動きにくいよね」

咲「甚平最強だよ」

淡「交換しようよサキー」

咲「私着付け出来ないから遠慮しておくよ」

淡「残念。祭りやってるらしいし行こっか」

咲「うん」

咲(けど相変わらず時代の流れが滅茶苦茶だな)

淡「サキー射的やってよ。銃は得意でしょ?」

咲「お金は無尽蔵にあるから下手でもなんとかなるんだけどね」

途中寝落ちしたんだけど前回のは完結したの?

>>41
地震で起きたから完結したよ


淡「おやっさん、射的一回!」

「しっかり狙えよ」

咲「コルク入れれない」

「弾はもう入ってるよ」

咲「そうなんですか。なら、やりますね」

咲(これってショットガンの形だよね。更に言ったらMK3A1)

ガゴンッ

咲「…………」

淡「あはは景品が粉々になっちゃったね」

咲「これ全部買い取らせてください。勿論、このショットガンもです」

淡「サキー太っ腹だね」

咲「……淡ちゃん、何か食べようか」

淡「たこ焼!」

咲「はいはい。二人で一つだからね」

淡「はーい」

――――――

玄「ナックルとかどうかな?」

穏乃「何でもいいですよ」

玄「それじゃあ穏乃ちゃん、私からのプレゼントだよ」

穏乃「ありがとうございます」

玄「……早く出ようか。この町も少しピリピリしてるから」

穏乃「そうなんですか。私には分からないです」

玄「空気がね違うんだ。穏乃ちゃんも経験を積んだら分かるようになるよ」

穏乃「分かりました。行きましょう玄さん」

玄「先に行っててくれないかな?私忘れ物しちゃったから」

穏乃「はい」

――――――

焼けた教会

玄「ここは……それに日記?まだ新しい」

玄(……園城寺さんに対しての謝罪と村の掟のことが書かれてる。この教会が焼かれた原因が勇者一行が魔王を倒したから……)

玄「なるほどなるほど。そうなるんですね」

玄(村の掟の出所をを教会にした。なら、怒りをぶつけるところができるから)

玄「酷いね。けど、この空気の正体はこれだけじゃないよね」

「そうだな」

玄「神父さんですか。これはこれはお邪魔しています」

「構わないよ。と言ってももてなしなんて出来ないが」

玄「いえいえ。それより、何かあったんですか?」

「戦争が近いんだよ」

玄「……こんどは人と人ですか」

「そう。旅人なら早く離れなさい。もうすぐここは火に包まれる」

玄「……分かりました」

玄(穏乃ちゃんを死なせるわけにはいかない。もしかしたら、今回の方が大変なんじゃないかな?)

――――――

魔王の城寝室

淡「帰ってきたのはいいけどさ、サキー便利な魔法増えてないかな?」

咲「魔王特権だよ。探知と移動が楽になっただけだけどね」

淡「羨ましいなぁ」

咲「淡ちゃんは何か増えてないの?」

淡「いや、それが全く増えてないよ」

煌「失礼します」

淡「すばらじゃん、どうしたの?」

煌「それが少々すばらくないことになりまして……」

咲「どうしました?」

煌「まず、この大陸……と言うより島ですね。島がどこに位置していますか分かりますか?」

淡「さぁ?」

咲「五つの大陸のまん中じゃなかったですか?」

煌「すばらです。そしてですね、この島を明け渡すように言ってきた国がありまして」

淡「別の大陸と戦争するからここを中間地点にするってこと?」

煌「ええ。明け渡さなければ攻め入るとおっしゃってました」

咲「花田さん、この城に兵隊っているのかな?」

煌「いません。前は結界のおかげで立ち入れませんでしたので必要なかったですから」

咲「分かりました。私がなんとかします」

淡「ちなみにどこを欲しいのかな?その国は」

煌「なんでも魔法が発達している国が欲しいらしいですよ」

淡「サキー、あの王様には恩があるよね」

咲「うん。決まったね」

淡「二対沢山かぁしんどいなぁ」

咲「危なくなったら私が疲労ごと消しあげるよ」

煌「仲がよろしいことですばらです。ああ、それともうすぐ各地で戦争が起こります。くれぐれも一人で町に行こうだなんて思わないでください。それでは、失礼します」

咲「知ってますよ。けど戦争かぁ。物騒だね」

淡「うん。サキーが危なくなったら私が助けてあげるから安心してね」

咲「じゃあ私も淡ちゃんが危なくなったら助けてあげるね」

淡「ありがとうサキー」

咲「もう寝よっか」

淡「おやすみサキー」

咲「おやすみ淡ちゃん」

――――――

夜中
魔王の城玉座

咲「これをこうやって……出来た。銃弾だ」

咲(失敗すればプラマイ0で作る前に戻して大変だったよ)

咲「じゃあ行こうかな」

洋榎「どこに行くんや?」

咲「お姉さんの方ですか。どこって交渉ですよ」

洋榎「止めといた方がええんやないか?死んでもうたら妃が泣くで」

咲「私が死ぬわけないじゃないですか」

洋榎「そんなん誰が分かるんや?」

咲「……さぁ?」

洋榎「ほらな。止めときって」

咲「嫌です」

洋榎「聞き分けのできへん魔王やなぁ。なら、約束な。絶対に死ぬんやないで」

咲「私は魔王ですよ。死にません」

――――――

とある城
城門

咲(……どうしよう。警備が……一人消したら騒ぎになるよね)

咲「すいません」

「夜中にどうした?」

咲「王様の夜のお手伝いに来ました」

「ああ、それなら入れ。にしても王様も物好きだな」

咲(どこ見て話してるのかなこの人?)

咲「ありがとうございます」

城門→王の寝室

「……誰だ?」

咲「魔王です。交渉しませんか?」

「話を聞こうか」

咲「私の島は諦めてください。そうすれば命は取りません……彼女の」

憩「んー、んー」

咲「そっか、猿ぐつわ付けっぱなしじゃ話せないですね」

憩「ぷはっ……」

咲「助かりたいですか?」

憩「そりゃまぁ助かりたいけど」

咲「……どうしますか?」

「殺せ」

憩「……」

咲「……どうしますか?」

「殺せばいい」

咲「だそうですよ憩さん」

憩「ウチを殺すんは魔王さんやない。ウチに選択権なんかないやん」

咲(……)

咲「分かりました。王様、受けてたちますよ。それじゃあ憩さん、行きましょう」

憩「嫌やなぁ殺されに行くなんて」

荒川 憩
Lv:48
職業:捕虜
最大HP:213
最大MP:161
ちから:93
すばやさ:106
みのまもり:88
かしこさ:172
うんのよさ:136

――――――

咲「ここが魔王の城です」

憩「お邪魔します」

咲「それじゃあ着いてきてください」

洋榎「おっ魔王やん。お帰り」

咲「約束は守りましたよ。あ、後この人に仕事を分けてください」

憩「魔王さん、ウチを殺すんやないの?」

咲「そんなことしませんよ。受けてたつんですから。結局、連れて帰れば貴女は死んだことになるんですから」

憩「そっかぁ。魔王さん優しいんやな」

咲「くだらない事したくないだけです。それと魔王って呼ぶのやめてください」

洋榎「咲、掃除とかでええか?」

咲「はい。私の部屋と花田さんの部屋の掃除だけでいいので」

洋榎「分かった。ほな、行こか」

憩「行きましょか。咲ちゃん、ありがとうね」

咲「いいですよ。私はもう寝ます」

――――――

淡「サキー、この人は?」

咲「私が啖呵切ってきた王様の娘さんだよ。この子は淡ちゃんです」

憩「荒川 憩やで。よろしくね」

淡「そんな身分の高い人にメイド服着せていいの?」

咲「表向きには死んだ人だから問題ないよ。ちなみに私が殺したことになってる」

淡「サキー、ときどき思いもよらないことするよね」

咲「毎回上手くいくんだから気にしないで」

淡「そうだけど。あっ、そうだメイドさん」

憩「どうしたん?」

淡「サキーに変な気をもったらダメだからね」

憩「さすがに猿ぐつわ付けられた相手にそんな感情は抱かんわ」

淡「サキー……」

咲「城の宝箱に入ってたんだよ」

憩「あっせやせや魔王さんと淡ちゃん」

咲「どうしました?」

憩「昼くらいに軍隊が攻めてくるで」

咲「分かりました。じゃあ今から過激派を説得してきます」

淡「私も行くよ」

憩「行ってらっしゃい。帰ってきたら綺麗になってるわ」

――――――

過激派駐屯地

淡「これは人いないんじゃないかな?」

咲「一応見てみようよ」

淡「そうだね」

「なんじゃお前ら?ちゃちゃのんに何か用か?」

咲「帰ろうか」

淡「うん。帰ろう」

いちご「ちょっ。待って」

咲「じゃあ用件だけ言っておきますね」

いちご「しゃあないの。ちゃちゃのんが聞いたろか」

咲「昼に魔王城が襲われます。暇なら来てください」

――――――

憩「お帰りなさい」

淡「ただいま。軍隊は?」

憩「すぐそこやで」

咲「じゃあ私が行ってくるね」

咲(結局来なかったな……)

淡「行ってらっしゃい」

咲「うん。淡ちゃん、お風呂の用意だけしておいてね」

淡「はーい」

憩「淡ちゃん、行かせてよかったん?」

淡「そっか、サキーの実力知らないからね」

憩「そんなに強いの?」

淡「サキーの魔法は全てを0にするから」

憩「0?」

淡「その物が存在しない時を0にしたらどうなるか分かるよね?」

憩「……存在そのものを消すでええんかな?」

淡「そうだよ。ちなみに0の地点を変えて回復なんてこともできるよ」

憩「そんなん滅茶苦茶やん。ちなみに消費は?」

淡「0だよ」

憩「魔王やなぁ咲ちゃん」

淡「魔王だよほんと。優しいんだけどね」

憩「せやねぇ」

――――――

怜「動き出したらしいですね」

咏「それがさっき全部消えたらしいよ。跡形もなく」

怜「まるで存在しなかったかのように……ですか?」

咏「存在しなかったのは知らんけど、教官ちゃんはこの現象を知ってるんじゃない?」

怜「ええ。まぁ」

咏「けど、問題は場所なんだよな」

怜「どこですか?」

咏「魔王の島」

怜「……」

咏「勇者が今度は魔王ってことかい?知らんけど」

怜「咲が魔王……」

咏「どうする?見に行くかい?」

怜「いや、ええですわまだ。それより、国の防衛に力を入れましょう」

咏「ありがたいねぃ」

怜「ほな、行って来ますわ」

怜(暇ができたら行かなあかんな)

――――――

咲「ただいま」

淡「早かったね」

憩「いや、早すぎるわ」

咲「全部消したから早かったんだよ」

淡「やっちゃったかぁ。あっ、お風呂できてるよ」

咲「ありがとう。淡ちゃん一緒に入ろうか」

淡「いいよー」

憩「仲ええなぁ二人」

――――――

玄「……始まった」

穏乃「何がですか?」

玄「穏乃ちゃんは気にしなくていいよ。ほら、次来たよ」

穏乃「また私ですか」

玄「頑張って」

玄(仲間……いらないよね)

――――――

相談室

煌「私に何かご用ですか?」

咲「はい。少しだけ」

煌「私でよければ聞かせていただきますか?」

咲「魔王らしく世界征服しようと思うんです」

煌「それはまた思いきったことを。理由とかはありますでしょうか?」

咲「人と人が争うよりはいいと思うんです」

煌「それはすばらです。けど、魔王様のお心は痛まないんですか?少なからず人が死にますが」

咲「私、麻痺してますから」

煌「そうですか。私個人の意見では賛成しかねません。少々粗っぽいですからね」

咲「なら、花田さんはもっといい方法があると言うのですか?」

煌「結論から言わせていただきますと無いです」

咲「なら、私に止めろと言っているんですか?」

煌「いえ、魔王様がしたいのでしたら私は止めませんし全力で支援します」

咲「結局は私ですか」

煌「力及ばずで、すばらくない」

咲「いえ。ありがとうございます」

――――――

絹恵「あっ、咲ちゃん。どないしたん?」

咲「絹恵さん、淡ちゃん知りません?」

絹恵「さっきまでいたんやけどどっか行ったで」

咲「またお姉さんのお菓子を強奪しに来たんですか」

絹恵「そうそう。それでさっき帰ってきたお姉ちゃんが顔真っ赤にして探しに行ったわ」

咲「迷惑をかけてすいません」

絹恵「いやいやかまへんよ。あの子いたら楽しいし」

咲「淡ちゃんは私のお妃ですからね」

絹恵「そんな気あれへんよ」

咲「ならいいんですけど」

絹恵「後、咲ちゃん。無理はしんといてな?」

咲「はい。ありがとうございます。後、絹恵さんはどんな未来にしたいですか?」

絹恵「えらい漠然とした質問やな。現状で満足やから何とも言えへんなぁ」

咲「そうですか」

――――――

洋榎「待てやボケ」

淡「あはは。待たないよー」

憩「はいはい淡ちゃん止まりや」

洋榎「淡、来ようか。ありがとうな」

憩「いえいえ。ええですよ」

洋榎「そういやここには馴染めたか?」

憩「皆ええ人達ですわ。まぁ、会ってない人もいるらしいですけど」

洋榎「ならよかったわ。じゃあ淡行こか」

淡「いーやーだー。いじめられるもん」

洋榎「されるようなことしたヤツが悪いわ」

憩「ほどほどにね」

――――――

咲「お話があります」

淡「どうしたの?」

憩「いきなりやなぁ」

煌「どうされました?」

洋榎「なんやいきなり」

絹恵「どうしたん?」

咲「これからの方針が決まりません。何か意見のある人いないですか?」

淡「はーい」

咲「はい、淡ちゃん」

淡「えっとね、サキーは私とここで仲良くしてくれたらいいと思うよ」

憩「仲良いやん二人。あっ、せやせや咲ちゃん」

咲「どうしました?」

憩「メイドを増やしてくれへん?ウチだけやったら咲ちゃんと煌ちゃんの部屋だけで精一杯やし」

咲「検討しておきます」

洋榎「ウチのお菓子を勝手に持ってかへんのやったら何でもいいわ」

淡「取られるところにおいてる方が悪いんだよ」

洋榎「あ?なんやと?」

絹恵「お姉ちゃん落ち着いて」

煌「私もおひとつよろしいでしょうか?」

咲「期待していますよ」

煌「方針と呼ぶほどの物じゃないのですが、この島を開拓して町を作るのはどうでしょう。難民や孤児などを受け入れる形で」

淡「おーすばらだね」

洋榎「ええやん」

絹恵「素敵ですね」

憩「咲ちゃん、決まりちゃう?」

咲「そうですね。けど、この島って城以外森ですよ」

淡「それならサキーの魔法で町にするところだけ消しちゃえばいいじゃん」

咲「うん。けど、0にはできるけどプラスには出来ないし、木も使えなくなるよ」

憩「業者さんを雇えばいいんちゃう?」

咲「はい。花田さん、お任せしてよろしいでしょうか?」

煌「ええ。任されましたよ」

――――――

寝室

淡「ねぇサキー」

咲「何かな?」

淡「サキーって魔王らしくないよね」

咲「そんなのお姉ちゃんもだよ」

淡「テルもそうだったね。そういやテルとは仲直りしたの?」

咲「うん。記憶が微妙に消されてるから分からないけど」

淡「でもさ、こっちの世界で死んでも元の世界じゃ生きてるんだね」

咲「それは私にも分からないかな」

淡「だって咲は魔王――テルを殺したんでしょ?」

咲「ううん。銃弾をギリギリで消したから。実質私の勝ちって決まってたから帰れたんじゃないかな?」

淡「へー。やっぱりサキーは優しいね」

咲「そんなことないよ。私はやりたいことをやってるだけだから」

淡「それが優しいんだよ。サキー、もっとよっていい?」

咲「毎日こうなら布団はシングルでいいよね」

淡「だね」

――――――

セーラ「ども、業者やけど」

煌「あれ?お一人ですか?」

セーラ「いやいや、島の入り口に部下は置いてきたんや。早速作業に移らしてもらうけどええか?」

煌「はい。やっちゃってください。夜は城に泊まっていただいてよろしいので」

セーラ「おおきに。ほな、また夜に」

――――――

数日後

セーラ「終わったでー」

煌「早すぎませんか?」

セーラ「小規模な町やし人もおらんから建物数件と道の整備だけやから」

煌「それでも建物って建設するのにもっとかかりますよ」

セーラ「オレら優秀やから。ほな、また何かあったらよろしゅうな」

煌「ええ。ありがとうございました」

――――――

咲「終わったんですね」

煌「ええ。これからが魔王様の仕事ですよ」

咲「仕事ですか?」

煌「法律ですよ法律。さすがに最低限の法は必要かと」

咲「そうですね。適当にやっておきます」

――――――

穏乃「玄さん、ここすごいですね」

玄「私は行ったことなかったけど魔法が発展しているらしいよ。少しだけ私は外すね」

穏乃「はい。私も少しだけ練習してきます」

玄「頑張ってね勇者さん」

穏乃「まだ自覚はないんですけどね」

――――――

咏「今度は魔法使いちゃんか」

玄「はい。この国なら私の魔法を強化できるかと」

咏「いつもならいいんだけどねぃ。今はちっと時期が悪かった」

玄「ここも戦争ですか?」

咏「まぁ、相手が魔王の島で消えたんだけど」

玄「……咲ちゃん」

咏「なんだ、知ってるんだ」

怜「失礼します……玄、なんでおるねん」

咏「教官ちゃんの知り合いかい?」

怜「はい。前の旅の仲間です」

咏「なら話は変わってくるね。けど、魔王の城まで行ってくれないかな?」

玄「できません。穏乃ちゃんがいますから」

咏「ならその子はここにいさしたらいい。教官ちゃんと行ってきな」

怜「私も行ってええんですか?」

咏「いいよ。行ってきな」

怜「ありがとうございます。玄、今から行くで」

玄「分かりました。穏乃ちゃんをお願いします」

咏「はいよー」

――――――

憩「咲ちゃん、お客さんやで」

咲「通して下さい」

淡「通しちゃっていいよ」

憩「ほな、入って下さい」

怜「おー久しぶりやなぁ」

玄「まだ結界は治ってないだね」

淡「これはこれは」

咲「お久しぶりです」

怜「積もる話もあるやろうけど、本題からいこうか」

咲「聞きますよ」

怜「魔法の国と同盟を組んでくれへんか?」

咲「それはいいんですけど一応私は絶対悪ですよ?」

怜「それはかまへん。極秘に行ってるから他の国にはばれへんよ」

咲「そうですか。いいですよ。借りもありますから」

怜「せやったら私の出番は終了やな」

淡「クロ、ドラゴンと力比べしたい」

玄「淡ちゃん死んじゃうよ?」

淡「……止めとくね。あっ、勇者はどんな感じ?」

玄「そうだね、強くなったけどまだまだかな?」

淡「戦ってみたいなぁ」

玄「三秒持たないよ?それでもいいのかな?」

淡「面白くないなぁ」

玄「そういや淡ちゃんは最近なにやってるの?」

淡「毎日サキーと遊んでるよ」

玄「仲良いね」

淡「けど、私とサキーが遊んでいても外は面倒なんだよね」

玄「そうだよ。どこの国も征服に躍起になってるから」

淡「そのうちここにも来るんだろうな」

玄「それは暫くないかな。軍隊が魔王一人で消したって噂だから」

淡「サキーだねやったの」

玄「やっぱり咲ちゃんだったんだ」

淡「サキー、自分のテリトリーに勝手に入れば見境ないよね」

玄「変わらないね。けど、気を付けてね。魔王の城を落とせば一気に征服しやすくなるって皆思ってるから」

淡「サキーなら負けないよ」

玄「くれぐれも私達以外に負けないでね」

淡「クロ達にも負けないけどね」

――――――

煌「魔王様はお楽しみのようですね。すばらです」

憩「最近どないですか?」

煌「町の方なら形になってきましたよ」

憩「ええですね。平和で」

煌「本当にすばらです」

憩「けど、咲ちゃんは疲れてますよね」

煌「さすがにあそこまで隈を作れば誰だって思いますよね」

憩「町関係で夜遅くまで仕事してるらしいですからそりゃそうなりますよ」

煌「私のする仕事が殆どありませんからかなりやってますね」

憩「心配ですわ」

煌「ええ」

――――――

咲「……体がダルい」

淡「サキー熱あるよ」

咲「……もう少しだけ寝とくね」

淡「うん」

淡(これは会議だ)

――――――

淡「サキーが熱を出してます。どうしたらいいかな?」

洋榎「寝かしといたらええんちゃうの?」

絹恵「体に良いもの作らんとな」

煌「やっぱりですか。すばらくない」

憩「心配やね」

淡「うん。皆よろしくね」

――――――

咲(風邪かな?頭に何か冷たいのが乗ってる……濡れタオルかな)

淡「サキー起きたんだ」

咲「……淡ちゃん」

淡「大丈夫?」

咲「うん。ましになったよ」

淡「よかった。汗ふこうか?」

咲「うん。お願いするね」

――――――

憩「淡ちゃんに任せてよかったんですか?」

煌「大丈夫ですよ。裏で私達がバックアップしてますので」

憩「そうですね。けど、こんな時に攻められたら大変ですね」

煌「すばらくないことは言わないでおきましょう」

洋榎「ああ、お取り込み中すまんけど、敵襲や」

憩「……」

煌「……どうしましょうか」

淡「皆どうしたの?」

憩「淡ちゃん、咲ちゃんの看病は?」

淡「サキー寝ちゃったから。それで、どうしたの?」

洋榎「敵さんがこの島をよこせーって押し掛けてきたんや」

淡「なんだそんなこと。私が行くよ」

憩「無理はしたらあかんよ?」

淡「うん。サキーを悲しませたくないからね。じゃあ行ってくるね」

洋榎「……よかったんか?行かせて」

煌「私は何もできないので何とも言えません」

憩「まぁ、淡ちゃんを信じましょうよ」

――――――

咏「おっ、だいぶ出来るようになってきたねぃ」

穏乃「はい。ありがとうございます」

怜「失礼します。何でも魔王の島にまた出兵したらしいですよあの国」

咏「まだ諦めて無かったんだね。ま、教官ちゃんのお友だちが何とかしてくれるよ」

怜「そうですね。あっ、後勇者さん。玄が城の外で待ってるで。はよ行ったり」

穏乃「分かりました。王様、お世話になりました」

咏「今度来るときは土産話よろしく」

怜「いつでも来てなぁ」

――――――

咲「…………」

憩(この空気あかん。耐えられへん)

煌(これはすばらくない重圧です)

洋榎(ウチ死ぬんちゃうかな?)

絹恵(なんやこれ……)

咲「それで憩さん、淡ちゃんはどこに?」

憩(何でウチなん……)

憩「……城に連れてかれたわ。島と交換やそうで」

咲「何で起こしてくれなかったのかな?」

憩「……ごめんなさい」

咲「うん。いいよ。今から行ってくるから。誰か来ても絶対に誰も入れないように」

――――――

城門

咲「そこを退いてもらえます?」

「それは無理だ。許可証がなければ通すことは出来ない」

咲「じゃあ消えてよ」

「何言っ」

咲「待っててね淡ちゃん」

城門→城内部

咲「あの」

「ガキが迷子か?」

咲「迷子じゃないです。魔王のお妃の場所を訊きたいんです」

「俺は知らない。仮に知っていても誰が教え――」

咲「答える気がないなら消えればいいよ」

咲(どこにいるんだろう?)

――――――

咲「王様ですか。これはこれは。お初にお目にかかります、魔王です」

靖子「警備の者はどうした?」

咲「皆仲良く消えましたよ。後は貴方だけです」

靖子「……私の負けか」

咲「はい。私の勝ちです」

靖子「……殺せ」

咲「その前にお妃の場所を教えていただけますか?」

靖子「……既に出遅れだ。この城にはいない。そろそろ奴隷商の船に乗るところじゃないか?」

咲「……さようなら。もう、兵隊はいないので農民になった方がいいと思いますよ」

咲(……急がないと)

――――――

奴隷船

「これで全部か?」

「あぁ。この娘は高く売れるぜ?」

「手ぇ出すなよ」

「わーってるよ。品物を傷物になんてできないからな」

「分かってたらいいんだ」

咲「そうですよ。分かってたらいいんですよ」

「誰だお前?」

咲「魔王ですよ」

「魔王がなぜこんなと――」

咲「淡ちゃん、起きてよ」

淡「サキー、熱下がったの?」

咲「淡ちゃんの看病のおかげでね。本当にこんなに傷だらけになって」

淡「恥ずかしいな。けど、何で助けにこれたの?」

咲「淡ちゃんが危なくなったら私が助けてあげるからね」

淡「ありがとう。大好きだよ」

咲「私も大好きだよ淡ちゃん。無茶はもうしないでね」

――――――

咲「ただいま帰りました」

憩「お帰り。咲ちゃん城を落としたらしいやん」

咲「そういやそうでしたね。結局ほぼ無人になりましたし」

憩「魔王って肩書だけやなかったんやな」

咲「肩書だけですよ。淡ちゃん、寝ちゃったんで寝室で寝かしておいて下さい」

憩「分かりました魔王様」

咲「やめてください」

憩「あっ、せやせや。煌さんが呼んでたよ」

咲「ありがとうございます」

――――――

咲「失礼します」

煌「お疲れさまです。お妃様は連れ戻せましたか?」

咲「はい。ギリギリでしたけど。船が出たら大変でしたよ」

煌「すばらです。用件ですが、町の方が少し狭くなってきましてですね、拡張しようと思っているんです」

咲「いいですよ。花田さんに全て任せてますから。予算は気にしないで下さい」

煌「ありがとうございます。話はそれだけですので、体をお休め下さい」

咲「あっ、町って今人口何人くらいですか?」

煌「ざっと2000と少しってところです」

咲「……なんでそこまで増えてるの?」

煌「何でも世界中で噂になっているらしいです」

咲「なるほど。私はもう行きますね。病み上がりではしゃぎすぎました」

煌「ええ」

咲「あっ、後各大陸の結界を治してる人に中断するように伝えてください」

煌「町のためですね。かしこまりました」

咲「はい。入れなくなったらだめですので」

――――――

咏「……お友だちやり過ぎじゃないかな?」

怜「やり過ぎですね。何かあったんでしょうけど」

咏「ま、この国に対しての脅威はなくなったわけだけどどうするよ?」

怜「暫くいさせといて下さい。それやないと私、ホームレスになりますから」

咏「その代わり、仕事は以前同様頑張っね」

怜「分かりました」

――――――

玄「長かったね」

穏乃「ここが魔王の城ですか……」

玄「そうだよ。長かったねここまで」

穏乃「はい。けど、私も強くなりましたよ」

玄「今ならいい勝負できるよ。じゃあ行こう」

玄(けど、いつの間に町なんてできたんだろう)

――――――

憩「咲ちゃん、勇者が来たで」

咲「待ちくたびれました。何ヵ月待たされたのかな?」

淡「けど、サキーあれできたの?」

咲「うん。何とかなったよ。それじゃあ行こっか淡ちゃん」

淡「そだね」

――――――

咲「来たんだ」

淡「お久しぶり勇者さん。ちょっとは強くなった?」

穏乃「比べ物にならないくらい強くなったよ」

淡「へー。じゃあ、私と戦う?」

玄「淡ちゃん、穏乃ちゃんは咲ちゃんだよ」

淡「じゃあクロが私の相手?」

玄「うん。そうだね」

淡「じゃあ、向こうに行こうか」

穏乃「玄さん、頑張って下さい」

玄「……うん」

咲「じゃあ戦う?それともお話するかな?」

穏乃「一つだけ訊いていいかな?」

咲「オドオドした感じが無くなってるね。いいよ。どうしたの?」

穏乃「玄さんと知り合いなんだよね?」

咲「そうだよ」

穏乃「何で魔王と繋がりがあるのかな?」

咲「そりゃ、私が前の魔王を倒したときの仲間だったから」

穏乃「じゃあ貴女が勇者?」

咲「今は魔王だけどね。それじゃあ戦おうか」

穏乃「そうだね」

咲「……あれ?」

穏乃「残念だね。私にはそれ効かない」

咲「魔法を無効果するんだ。じゃあ、これならどうかな?」

咲が取り出したのはM1911。それも暇を持て余して三点バーストに改造した物。

穏乃「銃?」

咲の人差し指にかかったトリガーが引かれ、銃口から弾丸が放たれる。
だが、それが穏乃に届くことは無かった。主に拳のせいで。

穏乃「やっぱり痛いな」

咲「凄いよ勇者さん。じゃあこれなら?」

MK3A1。散弾銃。
点ではなく、面でする攻撃。フルオートだか、咲の優しさかトリガーからは一発目で指を離している。

穏乃(あれはやばい)

危険を察知した穏乃は跳躍する。
常任には瞬間移動したように見える跳躍だが、咲は見失わなかった。

咲「ありがとう避けてくれて」

穏乃「じゃあ今度は私から」

穏乃が手を伸ばしても咲には届かない。だが、穏乃は拳を突き出した。
そして、吹き飛ぶ魔王。

咲「いててて。風圧?じゃあ、私も本気でいくね」

穏乃「っ……」

咲から放たれるオーラ。
魔王の威厳なのか咲自身の強さなのか。

穏乃(ヤバい……私、殺される……)

咲(けど、殺すのは穏乃ちゃんの周りの空気を消せばいいだけだから簡単だけど、どうしよう……)

咲「穏乃ちゃんの魔法って自分に対しての魔法を無効果だよね」

穏乃「そうだけど」

咲「穴だらけだね。銃弾も防げないって」

穏乃「……」

咲「だからこれは使わないであげる」

咲が脇に捨てたのはMP5。完全に舐めプである。

咲(邪魔なんだよねMP5)

穏乃(……それでも勝てない。でも、諦めたら玄さんに申し訳ない……よし!諦めない!
)

咲「いい目になったよ。それなら遠慮はいらないよね?」

咲は穏乃の周りの空気を消した。
そして追撃の銃弾。

穏乃(息も……銃弾)

銃弾は弾き返したが、穏乃の息は吐き出されるだけで吸い込まれることはない。

咲(跳んだらいいのにな。数メートルだけしか魔法は発動してないのに)

穏乃(せめて一発だけでもってあれ?息ができる)

咲「あれ?どうしたの?顔真っ赤だよ。それにチェックメイトかな?」

穏乃「なんで……どうやって?」

穏乃の目の前に現れた咲。
数メートルある距離を一瞬で積めたことに穏乃は戦慄する。

咲「簡単なことだよ。距離を0にしただけ。それと、ごめんね?痛いのは一瞬だけだから」

穏乃(玄さん……この人には勝てません)

咲がトリガーを引く。

――――――

咲「淡ちゃん、お疲れさま」

淡「お疲れサキー。終わったの?」

咲「うん。松実さんは?」

淡「そこでのびてるよ」

玄「」

淡「いやぁ、クロ強かったよ。死にかけたし。けど、ドラゴンを何で呼ばなかったんだろう?」

咲「優しさだよ」

淡「そっか。じゃあサキー帰ろうか」

咲「ちょっと待っててね。少しだけやることがあるから」

――――――

咲「私魔王を引退します」

憩「そっか。ならまた会おうな咲ちゃん」

咲「はい。次の魔王は任せましたよ。それと、餞別です」

憩「これは石?綺麗やん」

咲「それは抑止力です。私の魔法が込められています」

憩「分かった。ほな、さよならや」

咲「はい。さようなら」

――――――

穏乃「ん……玄さん?」

玄「おはよう穏乃ちゃん。物語は終わりだよ」

穏乃「私、撃たれて……」

玄「咲ちゃんが助けてくれたんだよ。死にかけの状態を0に戻したって淡ちゃんが言ってたよ」

穏乃「完全に私の負けですね」

玄「うん」

――――――

淡「サキー、行こう」

咲「そうだね」

淡「手を繋いで行こうよ」

咲「うん。いいよ」

淡「帰ったらサキーの家まで遊びに行くね」

咲「待ってるね」

――――――

宮永 咲
Lv:99
職業:最強の魔王
最大HP:807
最大MP:250
ちから:150
すばやさ:255
みのまもり:180
かしこさ:255
うんのよさ:255


大星 淡
Lv:92
職業:限界突破した妃
最大HP:907
最大MP:250
ちから:221
すばやさ:300
みのまもり:203
かしこさ:255
うんのよさ:255

高鴨 穏乃
Lv:78
職業:敗北を知った勇者
最大HP:526
最大MP:166
ちから:203
すばやさ:255
みのまもり:189
かしこさ:206
うんのよさ:193

松実 玄
Lv:99
職業:魔法使いの頂点
最大HP:603
最大MP:250
ちから:201
すばやさ:255
みのまもり:238
かしこさ:255
うんのよさ:255

――――――

小蒔「おはようございます霞ちゃん。夢を見ました」

霞「どんな夢かしら?」

小蒔「優しい魔王様の夢です」

――――――

淡「そういやサキー、今回はだし!とワカメ出なかったね」

咲「だし!は目を離したら増えてるし、ワカメは胞子を振り撒いて勝手に増えるしで管理が大変だったから根絶やしにしたんだよ」

淡「魔王も大変だったんだね」

咲「うん」

カン

最後の最後にさるった
沢山の支援ありがとうございました!


憩「こんどはウチが主人公や」

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