咏「嫉妬してるえりちゃんが見たい」(142)
oCnOiGIj0
>>1
ありがとうございます
恒子「急に呼び出されたと思ったらそれかい…」
健夜「あはは…」
咏「いやいや、由々しき問題だぜ?知らんけど」
恒子「はいはい、惚気っすね」
咏「違うんだって!マジなんだって!」
健夜「どうしたの?」
咏「いや、だってさ…えりちゃんが嫉妬だぜ?」
恒子「はぁ」
咏「見たいじゃん」
健夜「………うん?」
咏「見てみたいじゃんか!」
恒子「……ふーむ?」
咏「あの…生真面目でガッチガチに堅いえりちゃんだよ?」
健夜「うん…二人が付き合いだした事にビックリしたもん」
恒子「“あの針生さんが!?”“しかもあの三尋木プロと!?”ってね~」
咏「こーこちゃん?あの三尋木プロってどーの三尋木プロだい?」グリグリ
恒子「すんません、すんません」
咏「ったく……」
健夜「まぁ…たしかに、えりちゃんが恋愛してるだけでもビックリだし、それで嫉妬……かぁ」
咏「気になるっしょ?」
恒子「……………」
咏「んだよー珍しくノリ悪いねぃ」
恒子「いや……なんか。怖そう」
健夜「?」
恒子「生真面目だからこそ、その。なんだ。“こうじゃなきゃ駄目”ってルールとか。作ってそうじゃん?」
健夜「それは偏見だよ……」
恒子「そりゃ、そうだけど……うーん」
咏「ま、それでさ。二人に協力して貰いたくてね。急に呼んだってわけ」
健夜「協力?」
咏「しばらく夜遊び付き合って」
健夜「はぁ!?」ガタッ
咏「飲んだりカラオケ行ったりするだけだって!」
恒子「……そんで?」
咏「えりちゃんにさ。“今日は遊んでくるー”って。態度もちょっち素っ気なくしてみようかねぃ」ニヤニヤ
健夜「うわぁ……」ヒキ
咏「それをしばらくやってたら、えりちゃん嫉妬してくれるんじゃないかねぃ~知らんけど」
恒子「……ヤンデレ化とかしちゃっても知りませんよぉ?」
咏「んん?…いやー、むしろ上等だねぃ」ニヤリ
恒子「えっ」
咏「そんだけ愛してくれてんなら、落とした甲斐があったってもんよ!知らんけど!!」ババーン
健夜「おおー……」
恒子「……そういうもんっすかねぇ」
咏「なんだよー協力してくんねーの?」
恒子「いやいや、こっちに文句言われちゃ溜まったもんじゃ…」
咏「協力してくれたらその日は全部奢るぜ?」
恒子「やりましょうかァ!!」バァン
健夜「えええええええ!?」
恒子「なに?いつから?いつから?」
咏「明日ヒマ?」
恒子「ドントコイ晩飯ィ!!」
咏「うっしゃあ!!」
健夜「……あー、うん。明日ね。オッケー」
~翌日
えり「おはようございます、三尋木プロ」
咏「あーうん、おっはよー」
えり「本日もよろしくお願いします」
咏「おっけーおっけー」
えり「…………」
咏「…………」
えり(………?)
えり(なんか、違和感……なんだろう)
咏「………」ゴソゴソ
えり(……あ、そうだ。いつもなら……)
えり『本日もよろしくお願いします』
咏『もぉーえりちゃんはかったいねぃ~。“よろしくねっ”くらいの軽さで良いんだよ』
えり『は、はぁ……?』
咏『笑顔で“今日もよろしくねっ咏さん♪”リピートアフターミー』
えり『いや、しませんよ…』
咏『ちぇー見たいのにー』
えり『馬鹿なこと言わないでください』
咏『知らんしー』
えり(……みたいな茶化が入って、なんだかんだ会話を……)
咏「…………」カチカチ
えり(……携帯いじってる……)
えり(いや、会話を、とまでは言わないけれど…)
咏「………」カチカチ…
えり(これから仕事だってのに、携帯いじってるのは、失礼なんじゃない?)イラッ
咏「………」カチカチ
えり「……あの、みひろ…」
プルルル
えり「っ!」
咏「あーいもしもーし」
えり(音、切ってないの……!?)
咏「ん?今夜?ヒマヒマー。なに、晩飯!?行く行く!」キャイキャイ
えり「…………」イライラ
咏「あーい、んじゃまた今夜ねーぃ」ピッ
咏(くふふ、コカジさんに電話してもらうように頼んで、からの目の前で夜の約束!どうよ!?)
えり「………三尋木プロ?」
咏「お?」(もう動き出した!?)
えり「スタジオでは携帯電話電源は切っておいてください。マナーですよ」
咏「………へーい」ブスー
えり(まったく……)
咏(ちぇっ、真面目ちゃんめ)
~夜
恒子「んで、成果は?」
咏「まだまだ。一回くらいじゃ全然」
健夜「ま、そうだよね」
恒子「そっかぁ~。明日もするんですか?」
咏「おー。明日、大丈夫?」
恒子「夜でしたら、モチ!」グッ
健夜「私も一応大丈夫」
咏「んじゃ、明日も頼むねぃ~」
健夜「また電話、する?」
咏「そーだなぁ~」
恒子「電話?」
咏「おー、えりちゃんの目の前でー」カクカクシカジカ
恒子「ふんふむ、うーん。それだけじゃあ、ちょっとヌルいんじゃないですか?」
咏「おっなんかアイディア?」
恒子「ここはですね~……」
咏「ふむ……」
~翌日
咏「…………」カチカチ
えり(また、携帯いじってる……)イライラ
ブーブー
咏「あい、もしもーし」ピッ
えり(あ、マナーモードになってる…)
咏「お、すこやーん!どしたの?」
えり(……すこ、やん?)
咏「今夜?暇だよーなになに?…一緒にカラオケ?オッケー楽しみにしとくわ!サンキュー!」
えり(…………)
咏「~♪」ピッ
えり「……あー、えっと。三尋木プロ?」
咏「ん?」
えり「えっと、聞いてしまったのは申し訳ないのですが、その…今の電話は…?」
咏「ああ、すこやんから、遊び行こーって」
えり「すこやん……小鍛治プロ?」
咏「そーそー」
えり「……ずいぶん仲良くなられたんですね?少し前まで“コカジさん”って……」
咏「え?……ん、あー、まぁ。色々ねー」
えり「はぁ……」
咏(効果、アリかな~?知らんけど!)
えり(小鍛治プロ、ねぇ……)
えり(あんまり話したこと無いけど…麻雀実況のお仕事をしている身としては)
えり(私も、仲良く…と、いうか。知り合いくらいにはなっておきたいなぁ…)
えり「三尋木プロ」
咏「ん?」
えり「小鍛治プロと、どこへ?」
咏「カラオケだよー。なに?気になる?」
えり「まぁ、少しは」
えり(へぇ…小鍛治プロ、カラオケ好きなんだ…意外)
咏(効いてる効いてる♪)
すこやんと仲良くなって咏タンが嫉妬するのきぼう
~夜
恒子「どうでした!?」
咏「おう、バッチリっぽい!知らんけど!」
恒子「うっしゃあ!!」
咏「この調子でどんどんいくぜ~!明日はどこ行こっか!」
健夜「あ、ゴメン。明日はちょっと…」
咏「え?マジ?」
恒子「私は平気っすよー」
咏「んじゃ、明日は二人かー。この前の店で良いっしょ?」
恒子「うぃっす!ゴチになりまっす!」
~翌日
ブーブー
咏「あい、もしも……」
恒子『はぁーい愛しのこーこちゃんでぇす!』
咏「ブッ」
えり「!?」
恒子『ちょ、吹き出すのってひどくないっすか』
咏「いや、だって…プ、くく……」プルプル
えり(ど、どうしたんだろ……)ドキドキ
恒子『妬かせるなら、ちょっとはそんな素振りも見せなきゃだめですよー?』
咏「あー、なるほどねぃ…」
恒子『んじゃま“今夜、いつもの店で。楽しみにしとけよ?”くらいの…』
咏「ブハッ!」
えり「っ!?」ビクッ
恒子『だーもぉ!台無しじゃないっすかー!』
咏「ご、ごめ、プ、く、はははっ…」プルプル
えり(な、なんなの一体……)
咏「んじゃ、今夜、いつもの店で。…っ…クク…た、たの……アハハッ」プルプル
恒子「駄目だこりゃ」
~夜
恒子「三尋木プロ!!」バァン
咏「おぅっ!?」ビクッ
恒子「やる気あるんですか!」
店員「ビールおまちー」
咏「うぃーっす」
恒子「ちょいちょいちょい!」
咏「いや、あるよ?あるある。あるって」グビグビ
恒子「ウソつけぃ!」
恒子「もぉー三尋木プロ!」
咏「んんー?」
恒子「嫉妬、されたくないんですか?」
咏「されたいに決まってんじゃん」
恒子「いーや、そうは見えないね!」
咏「そーかい?」
恒子「…いやさ、ちょっとこの前見ましたよ。三尋木プロと、針生さん」
咏「ん?」
恒子「前と。どこが変わったんですか!?」
咏「えっ」
恒子「付き合う前とほっとんどかわんないじゃないですか!!」
咏「そ、そうかねぃ?知らんけど」
恒子「そーっすよ!“付き合ってる”って設定があるだけ!なぁんも変わった雰囲気なし!」
咏「い、いやいや。えりちゃんはちゃんと愛して……」
恒子「……くれてます?」
咏「……あれー?なんかあったかなー?」
恒子「っでっしょう!?針生さんからは何て呼ばれてるんですか!」
咏「三尋木プロ……あれっ?」
恒子「…今こそ、愛を確かめるチャンス!」
咏「ふおぉ……!?」
~翌日
えり「おはようございます、三尋木プロ」
咏「おっはよー」
えり「本日もよろしくお願いします」
咏「よろしくぅ~!」
えり(……あ……)
咏「ん?」
えり「今日は、いじってないんですね」
咏「なにを?」
えり「携帯」
咏「あ、あー。さすがにねー、行儀悪いかなーって」
えり「やっとわかりましたか」
咏「いや、わかんねーけど」
えり「わかってないんですか」
咏「いやいや。わかんねーけどわかったって」
えり「どっちですか……」
咏「とりあえず、スタジオで携帯はマナー違反ってね」
えり「はい、その通りです」
咏「ふふんっ」ドヤッ
えり「誇ることじゃありません。常識です」
咏「常識とか知らんし~」
えり「まったくもう。あなたは…」クスッ
咏「あはは~」
えり(……あれ?)
えり(なんだか、久しぶり…会話、するの)
えり(最近は、始まる前は電話して…本番終わったら、すぐどこかに行ってたから…)
咏「いやー、やっぱいいねぃ」
えり「は、はい?」
咏「えりちゃんと、話してるの!」
えり「!」
咏「ね、えりちゃんも思わん?」
えり「わ、わたしは……別に」
咏「えー楽しくないの?」
えり「それは……その」
咏「んん?」
えり「…そんなことより、ほら。資料ちゃんと見ました?」
咏「お、話を反らしたねぃ。アヤシイなぁ~?」
えり「な、なにがですかっ」
咏「知らんし~」
えり(……ばか。ちゃんと、言えばいいのに)
咏「んで、資料?が、なに?」
えり「あ、ええと…」
えり(三尋木プロとの会話は、楽しいって。もっと、お話したいって)
スタッフ「そろそろ本番でーす!」
えり「あ、は、はい!」
咏「お、そろそろかー」
えり(……今日、勇気を出して…夕食に…誘ってみようかな)
えり(そこで、言おう。ちゃんと……素直に)
スタッフ「本番5秒前ー、4、3……」
えり(………よしっ)
~本番終了
咏「ふぃー!外の空気はうまいねぃ!」
えり(結局、言えずに外まで来てしまった……)
咏「さぁーて、と」
えり「っ!」(言わなきゃ!)
咏「じゃ、」
えり「あ、ああああのみひりょぎぷろっ!」
咏「…………」(噛んだ……?)
えり(………ばか………///)カァァ
咏「あ、あー。どしたん?」
えり「は、はいっ!あの、えっと……」
えり(今夜、暇ですか?……ううん、なんだか違和感……今晩、一緒にお食事でも?…これかな。でも硬っ苦しい?じゃあ、えーと、えーっと)
えり「こ、こんやっ……」
健夜「う、咏ちゃーん!」
えり「っ!!」ビクッ
咏「お、すこやーん!」
健夜「はぁ、はぁ…ごめん、待った?」ゼェゼェ
咏「ううん、えりちゃんと話してたから。ね?」
えり「え……え……?」
健夜「そ、そうだったんだ。…その。ええと…」
咏「んじゃ、晩飯行こっかーすこやん」
健夜「あ、う、うん…」
えり「あ……」
咏「じゃねー、えりちゃん」
えり「っっ……」
健夜「…………」
えり「……ぃ……」
えり「いって、らっしゃい…です…」
………………
えり「…………」
えり「……なによ、いってらっしゃいですって……」
えり「……ばかみたい……」
はやり「あれー?」
えり「っ!」
はやり「やっほーえりちゃーん☆」
えり「ぁ、瑞原、プロ……」
はやり「……どうしたの?」
えり「べ、べつに……なんでもありません」
はやり「……うーん……」
えり「……………」
はやり「……ね、えりちゃん?」
えり「……はい?」
はやり「このあと、ヒマ?」ニコッ
……………
はやり「さぁーて、飲むぞーっ☆」
えり「…………」
はやり「えりちゃんもっ!ほらっ!」
えり「わたしは……」
はやり「もぉ、そんなしょんぼりした顔してちゃ、メッ!」
えり「え……」
はやり「お姉さんが奢るからっ!ほらっ」
えり「……瑞原プロ……」
はやり「すいませーん、焼酎ひとっつー☆」
はやり「んもう、遠慮しなくていいんだよ?」
えり「いえ、あの…ほんとに、飲めないので…」
はやり「じゃあ、こんなのは?サワー系。甘くて美味しい☆」
えり「でも…」
はやり「すいませーん梅サワーひとっつー☆」
えり「あ、ちょっ……」
はやり「そんなしょんぼりした顔するくらいなら、酔って酔って吐くまで酔って、吐いて嫌なことも吐いちゃお☆」
えり「…………」
はやり「ね☆」
…………………
えり「スタジオ内で携帯とかっ!あまつさえ音も切らない!酷いと思いませんかっ!」
はやり「そーだねー☆」
えり「それで、ヒック、毎晩のように遊びの約束!それで本番で“知らんしー”って!そりゃ知らないでしょうよ遊んでるんですから!」
はやり「そーだねー☆」
えり「たまに話しかけてきたかと思ったら“常識なんて知らんしー”って!また知らんしーですよ!ヒック、しかも、常識を!」
はやり「そーだねー☆」
えり「ひどすぎるとおもいませんかっ!!」
はやり(まさかサワーで酔っちゃうとは…☆)
えり「ったく、三尋木プロは……なんでわたしがこんなにイライラしなきゃならないんだろ…!」ムカムカ
えり「それもこれも、三尋木プロが悪いんですよっ…ん、んくっ」ゴクゴク
はやり「……ね、えりちゃん」
えり「はいっ?」
はやり「それで、なんであんなところで一人でしょんぼりしてたのかな?☆」
えり「あ……」
えり「…………」プイッ
はやり「……うぅん……☆」
はやり「さっきから聞いてると、咏ちゃんが夜遊びしてるのに怒ってる…のかな?」
えり「いや、それだけじゃなくっ」
はやり「はいはい、電話とかね。それって遊びのお誘い電話でしょ?」
えり「それは…たしかに…」
はやり「それじゃあ、えりちゃんは一緒に遊びたいの?」
えり「ちがいます!!夜に遊びなんて、次の日もお仕事があるのにっ」
はやり「あーはいはい。それじゃ、えーっと。誘われなくて寂しいのかな?」
えり「誘われ……いえ。別に、それは気にしてませんが……」
はやり「じゃあ、なんだぁ?」
えり「え……と……わかりません……」
はやり「……………」
えり「なんで、自分がこんなにイライラしてるのか…三尋木プロが、どこで遊んでようと、別に……」
はやり「んーと……じゃあ、誰と遊んでるか、かな?」
えり「誰、と……?」
はやり「たしか…健夜ちゃん、だったよね。毎晩のように遊んでる相手は」
えり「ぁ……っ」ズキッ
ここからえりちゃんがはやりんにNTRれる展開オナシャス
はやり「………なるほど☆」
えり「? ??」
えり(なんで、今……?)
はやり「えりちゃん、健夜ちゃんに妬いてるんだー☆」
えり「やいて……る……?」
はやり「咏ちゃんと健夜ちゃんが一緒に遊んでるのがつまんないんでしょ☆」
えり「……?」
はやり「あ、えーっと、つまり……うーん」
はやり「えりちゃんは、咏ちゃんと付き合ってるの。恋人同士」
えり「そ、それは…」
はやり「黙って聞く。…咏ちゃんと一緒にいるべきなのは自分なのに、咏ちゃんが最近構ってくれない上に、健夜ちゃんとばっかり遊んでる」
えり「…………」
はやり「“なんで構ってくれないの”って、怒ってるんじゃないのかな?」
えり「そ、それはっ」
はやり「好きなヒトがいる女のコは、無意識にでもそう思っちゃうんだよ☆」
えり「そ…そう、なんですか?」
はやり「そうそう☆」
えり「…………」モヤモヤ
はやり「自分に、素直になりなよ☆」
えり「…………」
えり(そう、なのかな……)
えり(構ってくれないのが、不満なのかな……)
えり(なんとなく、そうじゃない気がする…なんだか、もっと、こう……)
えり(暗い、感じの……暗い、くらい……)
えり「…………」
はやり「?」
えり「…………」クタッ
はやり「ほぁッ!?」
えり「……ん……すぅ……」zzZ
はやり「……寝ちゃい、ましたか……☆」
~数日後
咏「…………」
恒子「ん?どしたんすか、三尋木プロー」
咏「いやー…わかんねー」
健夜「?」
咏「最近、やっとというか、なんつーか。効果、出てきたかもしんないんだけどー」
恒子「おっ、ついに!」
咏「なんか…えりちゃん様子オカシイんだよねー」
健夜「……?」
恒子「ふむ?」
咏「なんつーか…挙動不審?」
恒子「なんじゃそら」
咏「なんか、この前の作戦がかなり効いたらしいねぃ。知らんけど」
恒子「おっ“針生さんの目の前で仲良さげにしてみよう大作戦”、ここにきて成功ですかっ!?」
健夜「……実は、私も少し……」
恒子「え?すこやん?」
健夜「なんというか…こう、たまにすれ違うときとか…ほんと、あんまり会わないし、ちょっとしたときなんだけど…」
恒子「うんうん」
健夜「なんだか……視線が」
咏「視線?」
健夜「うん…ほんの少し、見られてるかなー…って。ほんとに、少しなんだけどね」
恒子「すこやん自意識過剰~」
健夜「こ、今回ばかりは、そうだといいなぁ…」アハハ…
咏「うーん…こりゃ、もう一回カマかけてみるかい?」
健夜「えっ!」
咏「だって、こんなん不完全燃焼じゃん」
健夜「そ、そうかもしれないけど……!」
恒子「うぅーん…」
咏「な?」
恒子「……ガンバ、すこやん」ポムッ
健夜「えええええっ!?」
恒子「ここは、カマかけてみよう!」
健夜「で、ででででも!でもぉぉ……!」
咏「頼むっ!ヤンデレならヤンデレで、ちゃんとえりちゃん甘やかすから!」
健夜「そ、そういう問題!?」
恒子「ほらー、三尋木プロがこんなに頼んでるんだよー?」
健夜「うぐ……で、でも!」
恒子「なにさーまだなんかあるの?いっちゃえよー」
健夜「いやいやいや、カマってどうするの?何する気?」
恒子「えっ、あ、うーん…」
咏「前と一緒じゃダメなん?」
健夜「それは、その……なんか違うよ」
咏「わっかんねー…」
恒子「…たしかに…なんか、違う」
咏「全てがわかんねー……」
恒子「ここは…三尋木プロと針生さんの二人の方がいいかなー」
健夜「」ホッ
咏「つまり?」
恒子「んーと、だな……」カクカクシカジカ…
咏「ふむふむ……ほほー、なるほど!」
恒子「これで、念願の…」
咏「ついに嫉妬するえりちゃんかぁ!」
健夜(だ、大丈夫かなあ……)オドオド
~翌日
スタッフ「本日は終了でーす、お疲れ様でしたー!」
えり「お疲れ様でした」
咏「おつかれぃ~」
えり「…あ、資料、片づけますから…」
咏「お、サンキュー」
えり「いえ…」
咏「っあ~…疲れたぁ~」ノビー
えり「お疲れ様です、三尋木プロ」
咏「うーん、こういうときは飲みにでも行きたいねぃ~」
えり「はぁ…」
咏「明日は、オフだしなぁ~」
えり「…………」
咏「よっし、飲みに行こーっと」
えり「…………」
咏「すこやんはヒマかな~?」
えり「っ…!」ビクッ
咏「この前の店、すこやん気に入ってたからまたあそこ行こーっと」
えり「…………」
咏「そうと決まれば……っと、電話はマナー違反だったねぃ。ちょっと外行ってくらぁ~」
えり「…………っ」
咏「んじゃ、…」
キュッ
咏「…っと」クンッ
えり「…………」
咏「……えりちゃん?」
えり「…………」
咏(袖摘んだまんま、うつむいて固まっちゃった)
えり「………ないで………」ポツリ
咏「ん?」
えり「いか、ないで……」
咏「え……」
えり「………っ」パッ
咏「………えりちゃん?」
えり「わた、…―――ッ」ジワッ
咏「えっ」
えり「わ、た……っ、ヒッ…ク…ぅ、うぅ…グスッ…」ポロポロ
咏「」
咏(泣いたーーーッ!!!?)ガーン
これって前スレとかあるんですか?
あったら書き終わったら教えてください><
えり「ぅ、うぇぇ……グスッ…みひ、ろ……ヒック…ぁぅ…」ポロポロ
咏「え?え?ちょ、えりちゃーん…」オロオロ
えり「うぅー……っ……」グスン
咏(やっべ、完全に予想外だった!)
えり「わ、わた…ヒック……わた、し……グスッ、…そん、なに……ぅぅ…ヒック……」
咏「お、落ち着いてよ、ね、えりちゃん…」ナデナデ
えり「わた、…ヒック、ぅぅ…そんな、に……ヒック……みりょく、……グスッ、ないですか……?」
咏「……え……?」
えり(数日、色々考えた)
えり(構ってくれないから、寂しいから。そんな理由では、やっぱりスッキリしなかった)
えり(でも、この間…小鍛治プロとすれ違ったときに、気づいた)
えり(小鍛治プロは…小柄で、髪もサラサラで。なにより…女性らしかった)
えり(いわゆる、守ってあげたくなるような…そんな女性)
えり(そんな魅力、わたしには…ないから…きっと、三尋木プロは、わたしなんかより……)
えり(……でも、三尋木プロは…こんなわたしに、好きだと言ってくれた。じゃあ…もう……)
えり「飽き、ちゃいましたか…?…グスッ、…それ、とも…ヒック、きらいに、なった…?」
咏「え?ええ?」
えり「わたし、いっつもおこってて、…グスッ、いいとこ、ないし…っ…」
咏「え、えりちゃんっ」
えり「もう、わたし、あなたのとなりにいちゃ……っ」
咏「えりちゃんッ!!」
えり「っ」ビクッ
咏「そんなわけないから!」
えり「ふぇ…?」
咏「えりちゃんに魅力がないとか!飽きたとか、嫌いになったとか!無いから!!」
えり「…ヒック、ほん、と……?」グスッ
咏「ほんと、ほんとっ!!」コクコクッ
えり「………き………」
咏「え……?」
えり「すき、なの……グスッ、みひろぎ、ヒック、プロが……すき……!」
咏「」キュンッ
えり「これからも…グスッ…すきで、いいですか……?」
咏「も、もちろん……///」キュンキュン
えり「あなたの、こいびとでいて、いいですか………?」クスン
咏「と、と、とーぜん…だろ…」ドキドキ
えり「……ぁぅ……」グスッ
咏「えりちゃんは、私の、コイビトっ!」
えり「ぅ……うぅぅ~!」ポロポロ
咏「だぁーも、泣くなよぉ~!」ヨシヨシ
えり「みひろぎぷろぉ~!」ギュゥー
咏「おーおー、三尋木プロだぞー」ナデナデ
~報告会
咏「っつーわけでぇ~」デレデレ
恒子「惚気だね。ハイ、解散」パンパン
咏「まてまてまて!!」
恒子「いやー、うん。おめでとう!祝福する!おめでとう!!」
咏「でっへへ~」デレデレ
恒子「解散!!」
咏「待てっつーの!!」
健夜「…………」ニガワライ
健夜「うん、なんというか……おめでとう?」
咏「はっはっはー!あのあと大変だったんだけどねぃ」
健夜「?」
咏「大泣きしたえりちゃんなだめて、泣き止んだと思ったら今度は全力で謝ってきてさ」
健夜「あー…」
咏「“咏さん”って呼んだら許してやるっつったら顔真っ赤にしちゃってさ~」デレッ
健夜「…………」
咏「すんごい時間かけて、やっと呼んで貰えて……」デレデレ
恒子「かいさーん……」
健夜「あ、あー、えっと、ところでさ」
咏「ん?」
健夜「嫉妬するえりちゃん、ってのは、結局……」
咏「…………」
咏「あ」
健夜「…………」ニガワライ
咏「結局、アレは嫉妬とは違う……のか。知らんけど」
恒子「いや、してたっすよ。嫉妬」
咏「えっ!?」
健夜「あれは、えりちゃんが咏ちゃんに飽きられてないか不安になっちゃった…って感じで」
健夜「嫉妬、とは少し違うんじゃないかなぁ……」
恒子「いやいや、してたじゃん。嫉妬」
咏「なにっ、どこっ!どこっ!?」
恒子「すこやんに」
健夜「……うん?」
恒子「すこやんの……魅力? に嫉妬してた」
咏「……………」
健夜「……………」
恒子「いやー、針生さんも変わってるよねー。すこやんが魅力的ってさー」
咏「み……」
咏「認めねーぞそんなオチィィィィ!!!」
健夜「ちょ、ちょっとこーこちゃん酷くない!?なにも言い返せないけどさ!!」
おわり
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