男「じゃあ少にしますね」
お嬢様「え…あ、…やっぱり中!!」
男「どっちですか!」
お嬢様「レディをラーメン屋に連れて来るなんて頭おかしいでしょう?」ズルズル
男「この前だってラーメン食べたいって言ってましたよね」ズルズル
お嬢様「否定はしませんわ」ズルズル
お嬢様「さて、今日は下々の暮らしを見てみるとしますわ」
お嬢様「案内なさいっ!」ビッ
男「案内しろと言われても…」
お嬢様「何?あなたなんていかにも庶民オブ庶民でしょう」
男「そう言うあなたは何者ですか」
お嬢様「わたくしは善良な一般市民ですわ」
男「え?何?庶民が善良じゃないっぽく聞こえるんだけど」
お嬢様「良 い か ら !庶民がどういう店に行くのか教えなさい!」
お嬢様「例えばマックとかサーティワンとかファミマとかカラオケとかボーリングとか遊園地とかゲーセンとか!他には!?」
男「わーお、僕もう思いつかないです」
男「うーん…それじゃあ、ジャスコとかどうです?」
お嬢様「はっ!ジャスコ!確かに庶民の行きそうな所ですわね!」ケラケラ
お嬢様「滅茶苦茶広い食品売り場に家族連れが多いフードコート、おもちゃのフロアに高確率で存在するゲーセンみたいな空間!一度見てみるのも悪くはないと言った所かしら!」ホッホッホッ
男「何かえらい郷愁の念を感じたんですけど気のせいですかね」
お嬢様「ふうん…色々な店がおしくらまんじゅうのように…」キョロキョロ
男「ああ、庶民がどうの言ってる割にはおしくらまんじゅうとか知ってるんですね」
お嬢様「そろそろおやつの時間ですわね…よし、しもべ!」
男「男です、何勝手に庶民からランクダウンしてるんですか」
お嬢様「そこのマックで何か甘いものを奢りなさい!」
男「えぇー…お嬢様が奢らせるって…」
お嬢様「わたくし知っていますのよ、俗世の女性は皆男に奢らせると」
男「間違ってないけど間違ってる!というかどっからそんな情報仕入れてくるんです!?」
お嬢様「インターネット」
男「この人想像以上に俗人だった!」
お嬢様「全く、あなたはわたくしを何だと思っているんですの?」
男「いや、だって…」
お嬢様「わたくしだって普通に遊びますわ。テレビを見たりゲームをしたり」
男「う」
お嬢様「盆栽をしたり将棋を指したり」
男「…ツッコんで欲しいんですか?」
お嬢様「やだ…卑猥…!!」ガタガタ
男「揚げ足取る辺りだいぶ猥小な人間である事は間違いないですね」
………
お嬢様「ふう、満足…!マックフルーリー…覚えましたわ」
男「」トホホ…
お嬢様「まぁまぁ安心なさい…わたくしが当面の間節制をしますから」ニコッ
男「あんたが節制してどうすんだよ!?」
お嬢様「金の回りが悪くなり不景気に拍車がかかりますわ」
男「ただのボケかと思ったら理論的かつ陰湿な嫌がらせだったか!!」
×理論的
○論理的
お嬢様「それにしても、甘味は本当に魅力的ね…太ってしまうと分かっていてもついつい手が出てしまうなんて」ハア
男「僕の場合は足が出てるんですけどね。もうお金すっからかんですよ?あなたのせいで」
お嬢様「甲斐性がないですのね」フン…
男「まだ働いてないです」
お嬢様「いーえ、絶対に将来甲斐性なしになりますわ」
男「…否定は出来ない…」
お嬢様「…あら、もうこんな時間」
男「5時…まあ門限厳しそうですもんね、おたく」
ブロロロロ…
お嬢様「来ましたわね」
男「リムジン!?」
黒服「予定通りお迎えにあがりました、お嬢様」
お嬢様「お疲れ様」
男「」ポカ-ン
お嬢様「」バタン
男「絵に書いたような…」
お嬢様「どうしたの?早くお乗りなさい」
男「…え?あ、僕が?」
お嬢様「あなた以外に誰が居ますの?」
男「いや、そこの黒服の方…」
黒服「私の事はご心配なく。これからマックフューリーを食べに行きますから」
男「あんたも!?というか微妙に間違ってる!!」
黒服「では」
男「行っちゃったよ…」
お嬢様「マックフューリー、気に入れば良いですわね」
男「教えたのはやっぱりあんたか!!ああ、さっきの人余計な恥をかかなきゃ良いけど…」
ブロロロ…
お嬢様「そんな事より、あなたはこのリムジンの乗り心地を楽しむべきじゃないの?」
男「確かに乗る機会なんて今日限りだろうな…そういえばリムジンってなんか付いてたりします?冷蔵庫とか」
お嬢様「ここに」
男「おおっ!凄い!」
お嬢様「フフフ、庶民とは違うんですのよ」
男「これは中身も凄そうですね…!!」
お嬢様「」カチャッ
お嬢様「ほら、良かったら飲みなさい」
スッ…
男「ワァオ!ポンジュース!」
お嬢様「何を隠そうわたくしの昔からの大好物ですの」
男「いやいや浮きまくってますよ!?リムジンでポンジュースとかおかしいでしょ!!」
お嬢様「そんなにおかしいかしら」
男「ええ、おかしいです!ここまでポンジュースが浮いてるのを見るのは二回目です!」
男「ちなみに一回目は飲みかけのポンジュースを佐藤君に奪われて川に投てきされた時です」
お嬢様「目が死にかけてる…」
お嬢様「何はともあれ、乾杯」スッ
男「あっグラスはホンモノなんですね」
お嬢様「モノ…?何て下品な…!!」
男「大丈夫ですか?一部分だけ抜き出したりする所とか無駄な連想する所とかひっくるめて大丈夫ですか?」
お嬢様「さ、グラスを」ワクワク
男「あ、はい。かんぱーい」
お嬢様「かんぱい」
チィン…ッ
お嬢様「ふっ…良い音色だろ?」
男「はっ、良い物なのでありますかってやかましいわ」
お嬢様「ごくごく」
男「うん、やっぱりこの何とも言えない酸味が堪りませんね」
お嬢様「!そうそう!それでこの程良い甘味も…」
男「語り出した…」
お嬢様「ポンジュースに関してなら数スレは語れますわ!」
男「僕の聞き間違いですよね、レスですよね」
お嬢様「ちなみに98円が1ポンジュースですわ」
男「好き過ぎる余り新しい単位まで導入した!!?というかそれ使い所がスーパーのペットボトル飲料位しかないだろ!!」
お嬢様「いずれは財力に物を言わせて正式に…!!」キラ-ン
男「本当にやりそうだから恐い!」
お嬢様「それであなたが5ポンジュース」
男「え?490円とか安過ぎません?」
お嬢様「時価です」
男「時価ですか、随分本格的ですねって言うか僕の価値がそうそう変動されても困るんですけど。今までの10云年なんだったんですか」
お嬢様「ツッコみが長いっ!!」バシッ
男「てっハリセン完備とかこのリムジン想像を遥かに超えてますねー?」
キキッ…
運転手「着きました、お嬢様」
お嬢様「そう」
男「おお…でかい…」
お嬢様「セクハ」
男「言わせるか!!」
お嬢様「パワハラ…!!」ブルブル
男「あれですかね、イケメンだったら助かったんですかね」
警察「通報受けて参りましたるおまわりさん」
男「…えっ?はっ!?」
お嬢様「それでは庶民は庶民らしく~♪」
男「ちょっ…何この仕打ち!!?」
ねるねるねるね
お嬢様「あっ……はぁんっ……んっ…くちゅっ…」
男「無駄になまめかしくポンジュース飲まないでください。あと音汚いです」
お嬢様「あら失礼」
お嬢様「それではお詫びに、あーん」
男「な、ちょ」ムグ
お嬢様「こんなラッキーイベントを経験出来た事を幸せに思いなさい?」
男「いやもう口いっぱい…窒息させる気か…ごくっ…ぷはー…」
男「確かに女の子のあーんで死にかけるとかめったに経験出来ないでしょうね」
お嬢様「全く減らず口を…」グイグイ
男「はい、口の中が一向に減らないです。主にあなたのせいで」ムグムグ
男「何で上の枠に居るんですかね」
お嬢様「格の違いよ」
男「戻って来た…そもそもそんな所でアピールする必要ないでしょ、むしろ悪目立ちしてますよ」
お嬢様「本当に無駄口の多い…」イライラ
男「イライラすると体に悪いですよ」
お嬢様「カラダ…やだ…まさかわたくしを狙って…!?」
男「その手の発言をする度に自分が痴女に近づいているのを自覚した方が良いかと。
あと人の親切をそこまで踏みにじれる事にむしろ感嘆しました」
お嬢様「わたくしの全てをみて…?」ハラ…
男「生徒手帳見せて僕にどうしろと」
お嬢様「という訳で放課後、部活を覗いてみましょう」
男「部活かあ…」
放課後
男「待ち合わせ場所はここだよな…」キョロキョロ
お嬢様「お待たせしましたわ!」
文化部員「」ゾロゾロ
男「!!?」
お嬢様「今日は財力を用いて文化部を実質貸し切りですわ!!」
男「わーお金って便利だなー」
部室
お嬢様「さあ皆さま!いつも通りの光景をお見せなさい!」
カリカリ…
男「良いんですか?なんか皆さん凄く緊張してますけど」
お嬢様「ふむふむ、部活は思ったより殺伐としている、と」
男「元凶が何言ってんですかねー、ほらあの病状そうな子とかもうお腹痛そうに手を当ててますよー?」
お嬢様「…ふむ?その本のタイトルは何ですの?」
部員「あ、えっと…ほら」
お嬢様「ふむ…!?これ読んだ事ありますわ!」
部員「ほ、本当ですか!?」
お嬢様「ええ!確か第4章で滅茶苦茶感動しましたわ」
部員「!!そうそう、あの場面の……」
男「僕いらなくない?」
1時間後
部員「また遊びに来てねー!」フリフリ
お嬢様「ふむ…部活、予想以上に楽しかったですわ」
男「それは何より。僕の存在の是非については触れませんからね」
お嬢様「ふむ!有意義な時間を過ごせましたわね!」
男「そのふむって口癖ですか?」
お嬢様「ふむ!」
男「単体で使うと完全にSMプレイですね」
お嬢様「ほら、オススメの本も貸してもらいましたの!」
男「おや、それは良かーーー」
男「何で表紙が男同士抱き合ってんの!?」
お嬢様「ああ、趣味の合う方を見つけられて感無量ですわ…!!」ジ-ン
男「待て!あんたらさっきの一時間何を語り合ってたんだ!!」
休日
TV<ーー!ーーー!!
お嬢様「ふぅん…」
ねるねるねるね
……
男「それで、急に呼び出してどうしたんです?」
お嬢様「実はテレビで<バレンタイン>というイベントの特集を見ましたの」
男「という…?知らなかったんですか?」
お嬢様「ええ…チョコレートと引き換えに異性を奴隷にする風習があったなんて…!」キラキラ
男「はいストーップ。この前の男に奢らせるという考え方といい日本男児完全に舐めてますねー」
お嬢様「それで、わたくしの壮大な野望の為に力を貸して欲しいのよ」
男「何か言ってる事が恐ろしいですけど、要はーーー」
キッチン
お嬢様「さ、始めますわよ」
男「ふと思いましたけどキミお金持ちだし料理人とか居ないんですか?」
お嬢様「……」
お嬢様「さ、始めますわ!レシピを確認っと♪」
男「もう不安しかないです…しかもそのレシピ名なんですか。<これでカレもイチコロ☆ラブチョコ>とかおっさん臭半端ないよ」
お嬢様「料理は基本が大事ですわ、計量はしっかりしないと」サラサラ
男「ビーカーを使うとか理系ですか…」
お嬢様「これでOK、かしら」フン
男「グラムとミリグラム間違えてますねー、砂糖足す前に脳みそ足しましょうかー」
ーーーー
お嬢様「混ぜるのって思ったより疲れますわね…」
男「それは共感出来るけどまずはガラス棒でかき混ぜるのをやめようか」
ーーーー
お嬢様「そういえば形はどうしましょう」
男「異性に渡すのならベタにハートで良いんじゃないですか?」
お嬢様「しもべにハート…?変態…!!」ガタガタ
男「ああ、まだ間違えてたんですか。きちんと調べて来てください」
男「そろそろ味見してみましょうか」
お嬢様「味見…?」
ポワワワワ…
「ぐへへ、嬢ちゃん良いカラダしてるねえ…!味見してみっか…!?」
「きゃああ!!」バチイン
「うぐおっ!」
男「やっぱりと言うか日本男児ボコられてますね」
お嬢様「ぺろっ…にがっ!」
男「それコーヒーでしょ、紛らわしい事しないで下さい」
ーーーー
お嬢様「フンッ!この発情犬が!!」
男性「あっ!あうっ!」
お嬢様「後は冷えるのを待つだけ…」
男「一つだけ明らかにおかしい回想がありましたよね。何ですかあのSMプレイ」
お嬢様「ともあれ、今日手伝ってくれた事だけには感謝しておきますわ」
男「どういたしまして。……ところで」
お嬢様「何です」
男「バレンタインはまだだいぶ先なんですけど、どうするんですか?あのチョコレート」
お嬢様「え…?」
お嬢様「ああ…チョコレート…美味しいですわ…」
男「自分で作って食べると、なにか切ない気持ちになりますね…」
男「…ところで誰にあげるつもりだったんです?」
お嬢様「…お父様…」ボソッ
男「あらかわいい………いや待て」
男「そう言えばさっき奴隷にするとか言ってたな!」
お嬢様「ああ恥ずかしい…だからお父様にあげるなんて言いたくなかったのに…!」モジモジ
男「ほのぼのした親子物語の筈が血で血を洗う家内争いになってるじゃねえかよ!!」
男「…ところで誰にあげるつもりだったんです?」
お嬢様「…お父様…」ボソッ
男「あらかわいい………いや待て」
男「そう言えばさっき奴隷にするとか言ってたな!」
お嬢様「ああ恥ずかしい…だからお父様にあげるなんて言いたくなかったのに…!」モジモジ
男「ほのぼのした親子物語の筈が血で血を洗う家内争いになってるじゃねえかよ!!」
ねるねるねるね
連投は正直すまんかった
お嬢様「てえい!」
ぽすっ
男「いてっ…ゆ、雪だま…」
お嬢様「先手必勝!覚悟おし!」ポイポイ
男「ちょっなんか無駄に固く握ってません!?痛っ!」ドシャ
お嬢様「おっほっほ!雪遊びは楽し…」ズルッ
男「あっーー」
お嬢様「わっーー」
スッテ-ン!
ドシャッ
お嬢様「う″う″…雪なんて大っ嫌…くしゅんっ!…でずわ…」ズルズル
男「はしゃぎ過ぎましたね」
お嬢様「せっかく野球を楽しんでいたというのに」
男「いささか語弊がありませんかね」
お嬢様「うぅ…手がかじかんで髪型もセットできませんわ…」
男「それこそ付き人に頼めば良いのでは?」
お嬢様「そこは“そのままでも可愛い”って言えよ」チッ
男「面倒臭いな!!」
男「大体人が雪かきしてる所だったのに」
お嬢様「あら、そうでしたの。なら手伝いましょう」
ガチャ
お嬢様「寒ッ!!」ブルブル
男「そりゃあスカートなんて正気じゃないです」
お嬢様「でも女子高生はみんなスカートですのよ?」ガタガタ
男「あーなるほど。日本男児より強そうな訳です。自然な動きでカイロ盗らないでください」ガシッ
お嬢様「ひっ…この人痴漢…!」
男「おまわりさーん、この人痴女です」
お嬢様「知女…良い響きね…!」
男「少なくとも知からは程遠いですねー」
男「だいたいこっちも雪かきをしてたんですよ?ほら、既に半しもやけです」
お嬢様「あら、そうでしたの。ならわたくしも手伝いますわ」
ガチャッ
お嬢様「寒ッ!!」
男「そりゃあスカートなんて穿いてたら寒いでしょう自然な流れでカイロ盗らないで下さい」ガシッ
お嬢様「サワサワ…やだ…痴漢…!!」
男「嫌らしい効果音付けるのもやめて下さい。と言うかキミの方がよっぽど痴女でしょ」
お嬢様「知女…素敵な響き…」
男「少なくとも知からは程遠いですねー」
男「だいぶ積もってるな…」ザクザク
お嬢様「ひいひい…つかれた…」
男「なんだかんだ箱入りですね」クスッ
お嬢様「もう(力が)入らないのお…」
男「…」ザクザク
お嬢様「ひゃあぁっ…ごっごめんなさい!どうか雪かけだけは…ギャアアア!!」
~~~~~
男「これでようやく一段落、か…ふー」
お嬢様「」ニギニギ
男「おや、何を作ってるんですか?」
お嬢様「ああ、ちょうど良い…見なさい!あなたの一頭身よ!!」
男「へえ、なかなか器用だなあ」
お嬢様「へへん…」グシャッ
男「踏み潰したーーっ!!?」
お嬢様「ほほほ!何という快感!!」グシャグシャ
男「しかも量産してたのかよ!まさかそれ全部破壊すんの!?つーか僕に何の恨みがあるんですか!!」
お嬢様「ほら、記念に一つ差し上げますわ」スッ
男「あ、どうも。あの光景見た後だと何か複雑ですけど」
お嬢様「そ、それじゃあ用事があるのでわたくしは失礼しますわ」ソワソワ
男「?ああ、はい…さようならー」
お嬢様「ごきげんようっ…」ドシャッ
男「大丈夫だったかな…ん?」
男「これ、良く見ると何か大きいな……もしかして」
グシャ
男「チ、チョコレート……!?あっ、手紙も…何々…」カサカサ
おしまい
どなたかツンデレ気味に完結スレに放り込んでいただけないでしょうか
そんな事する訳ないじゃない
早く続きを書きなさいよ!!
ま、まぁ貼ってあげないことも無いわ……
>>58
ありがとうございます
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません