麦野「乳の方はレベル0だよな」
食蜂「御坂さんてば成長力が足りないのよねぇ」
御坂「ぐぬぬ」
超能力者三人娘のほのぼのSS誰かおながいします
御坂「ふ、ふん。まあ、第四位は若さという点では私らより下よね」
食蜂「そうねぇ。そして、若い上にステータスの高い私の圧勝ってことで良いわよねぇ?」
御坂「はぁ?・・わ、私には伸び代って便利な言葉があるし」
食蜂「確実性のない成長力に夢を見るほど、現代の殿方は理性的でないんじゃないかしらぁ」
御坂「うるさいわね。数年したらあんたなんかすぐに・・すぐに」
食蜂「まぁ、万が一御坂さんに類稀なる将来性があったとしても、私の成長力も鰻登りだしぃ」
御坂「はっ・・あ、あんた、まだこれ以上成長するっていうの?」
食蜂「ええ、もちろん。成長したことのない人には実感がないでしょうけど」
麦野「・・あのな、若ければ良いって思ってる時点でお子様なんだよ、お前らは」
御坂「年増を鼻にかけるようじゃ、落ちていくばかりよ、オバサン」
麦野「一定ラインにも到達してない自家発電機は黙ってろ」
食蜂「ここは、性格の歪んだレディが多いわねぇ」
御坂「あんたは歪んでるどころの騒ぎじゃないけどね」
食蜂「ところで、御坂さんって最近恋愛力が高くなってるって私の目には映るんだけど?」
麦野「何だ、しょんべんくせぇガキが背伸びして色気づいてんのか?」
御坂「は、はぁ?何ソレ、全じぇん、わからんないっ」
麦野「おいおい、噛みかみじゃねーか」
食蜂「だってぇ、ちょっと前の御坂さんはどこか孤高力があったっていうかぁ」
麦野「何だそれ、ぼっちだったってことか?」
食蜂「平たく言えばそんな感じでぇ」
御坂「べ、別に・・話し相手くらい居たわよっ」
食蜂「それが最近になって、お友達とつるみ出すわ、ときたまお菓子作りに励んだりするとかぁ」
御坂「は!?ちょ、前者はともかく後者をどうしてあんたが知ってる!?」
麦野「第三位、もう少し繕う術を身に付けたらどうだよ?」
食蜂「お菓子作りなんか始めるなんてぇ・・もしかして、好みの男の子でも見つけちゃったとか」
御坂「バ、バカ言ってんじゃないわよ、だいたい女子中の常盤台で男と会う機会なんてあるワケないじゃない!」
食蜂「え~、ちょっと前は常盤台の理事長のお孫さんと噂があったって聞いたけどぉ?」
麦野「うわ、いきなりそんなところから攻めるのかよ、ガキのくせに計算高すぎだろ」
御坂「あ、いや、あれは違うのよ、あっちが一方的に擦り寄ってきただけで」
麦野「バレた途端に責任転嫁かよ。第三位も割と性格ゲスいんだな」
御坂「ちっがーう!私の話を聞けってのぉぉっ!」
食蜂「じゃあ、そうねぇ・・例えば、大覇星祭のときのツンツン髪の男の子とかぁ?」
御坂「は、はぁ!?そそそそそれこそ見当違いも甚だしいわ!何であんなバカに私が惚れなきゃなんないのよ!」
麦野「さてと、第三位の想い人が発覚したところで」
御坂「・・弁護の時間はないの?」
食蜂「だって、現行犯みたいなものだしぃ」
麦野「おい、第五位。写真か何かあったら後で見せろよ、ツンツンの奴とやらの」
食蜂「今話題のあのお店のエクレア五つと交換なら、検討してあげる」
麦野「ちっ、打算的な女だ・・仕方ねぇな」
食蜂「話が早くて助かるわぁ」
麦野『もしもし、浜面?今すぐ今話題のあの店のエクレア五つと私が好きそうなドーナツを適当に買って来い』
御坂「ところで、あんたの情報網の広さは何なの、派閥使ってるの?」
麦野『うるせーな。滝壺の昼寝に付き合ってる暇があるなら、さっさとパシられろっつーの』
食蜂「私の収集力は世界一、御坂さんみたいに友達が少ない人には分からない世界でしょうけどぉ」
麦野『ああ、そうだよ。制限時間は五分な。一秒遅れる毎に・・そうだな、おまえの髪の毛を一本ずつ毟り取ってやる」
御坂「フン。あんたみたいに血の通わない友達関係なんて御免被るわ」
麦野『場所?あーと、『学舎の園』の大通りのカフェテラス、迅速に届けろよ』
麦野「ほら、お目当てのモンだ。ありがたく食えよ」
食蜂「あら、お早い条件満了、ありがたいわぁ」
御坂「ねぇ、あんたがパシった男。襟足が焼けてたんだけど」
麦野「五分も遅れやがって、髪の毛抜くのも面倒だから、焼いてやった」
御坂「傍若無人にも程があるわ・・」
食蜂「はぁ・・美味しい。やっぱあの店のエクレアの甘味力に並ぶものはないわねぇ」
麦野「ほら、さっさと見せろよ、写真」
御坂「・・あたしを差し置いて着々と進めないでくれる?」
食蜂「え?私、検討するとは言っただけで、見せてあげるとは言ってないんだけど?」
麦野「・・オラ、表出ろ。この詐欺厨房、エクレア色に焼いてやる」
食蜂「野蛮ねぇ。人の話をよく聞かないオバ様側に非があるわよねぇ、御坂さん」
御坂「頼むから私を巻き込まないで・・」
御坂「ところでさ、さっきのパシりの男ってあんたとどういう関係?」
麦野「あぁ?・・ATMっていうほど金持ってないし、使用人っていうほど甲斐性があるわけでもねーしな」
食蜂「彼氏?」
麦野「ぶふっ」
御坂「汚っ、ドーナツ飛ばさないでよ」
麦野「・・ん、んなワケねーだろ、あんな草臥れたライオンみたいな男が私に釣り合うとでも?」
食蜂「でもほらぁ、最近はダメな男にハマッちゃう女の子が増えてるらしいしぃ」
御坂「あーなるほど。あんたはああいうタイプに包まれちゃうタイプなんだ」
麦野「何勝手に盛り上がってんだ、ガキ二人。あいつはただの私の小間使いで、」
食蜂「でも、いざというときは私を命賭けで守ってくれてぇ」
御坂「意外と頼りがいがあったりする、とか」
食蜂「普段はツンケンしちゃうけど、そういう彼の姿を知ってるから、裏ではついつい甘えちゃうっていうかぁ」
御坂「へぇ~、あんたもやっぱり女なのね」
麦野「・・そのお喋りな口をいくつ増やしてほしいんだ、おい」
食蜂「でも、少なくとも私の目には暗部組織の精鋭には見えなかったけどぉ?」
御坂「まあ、確かに・・尻に敷かれそうなタイプには見えたわね、あれだけだと」
食蜂「仮にも暗部組織のリーダーが、そんな男とつるんでるっていうのは何か特別な理由がありそうっていうかぁ」
御坂「やっぱあれね、きっと私たちには想像できないようなかっこよさって奴があるんじゃない?」
麦野「て、めぇらは・・!」
食蜂「あらあら、第四位サン。顔がほんのり赤いわよぉ?」
麦野「お前らへの怒りで赤くなってんだよ、勘違いすんじゃねぇ」
食蜂「あとあとぉ、御坂さん聞いた?」
御坂「あ、聞いた聞いた」
食蜂「麦野さん、エクレア渡してもらったときぃ、あの男の子に、」
御坂「『・・ありがと』って小声で言ってた」
麦野「ふ、ぐっ!?」
食蜂「そうそう。そもそも感謝の言葉を紡いだだけでも驚きなのにぃ、」
御坂「いつもの男言葉みたいな『ありがとよ』とか『ありがとな』とかじゃなくて・・、」
麦野「・・・」
食蜂「『・・ありがと』って」
御坂「・・ぷくっ」
食蜂「・・ぷふっ」
麦野「よーし、てめぇら、ケツ向けろ。二度と便秘に困らないようにしてやる」
食蜂「きゃあん☆御坂さん、助けてぇ。この中じゃイチバンレベルが上なんだからぁ」
御坂「あんたの便利な能力使って、一発で操っちゃいなさいよ。ついでにこのオバサンを素直にしてあげましょ」
麦野「ぬうううううううううううううううがああああああああっ!!!!」
食蜂「ちょっとぉ、少しは反省してるんですかぁ?」
御坂「あんたがメチャクチャにしてくれたおかげで、こうやって、場所を移さざるを得なくなったんだから」
麦野「うるせぇな。少し前の私だったら、お前らは今頃もずの早贄になってたところだぞ」
御坂「で、何の話してたんだっけ」
食蜂「えー、麦野さんがダメ男に丸め込まれてるって話ぃ」
麦野「めんどくせぇから、それで良いわもう。流した方が楽だわ」
御坂「そういえば、あんたは何か浮ついた話ないの?」
食蜂「私?」
麦野「そうだ、第五位の話だけ聞いてねぇぞ」
食蜂「私は別にぃ、特に意中の男性は居ないっていうかぁ」
麦野「そもそもこの金ピカは普段どういう生活してんだ。おい同級生、そこんとこどうなんだ」
御坂「うーん・・」
御坂「・・ぞろぞろと手下を引き連れて、我が物顔で大名行列作ってる」
麦野「は?何だそりゃ」
御坂「気に入らないことがあるとすぐに能力使って従わせてるし」
麦野「それだけ聞くとゲス中のゲスだな、おい」
御坂「私としては、随分とまあ気に食わない学生生活を送ってのんよ、コイツは」
麦野「全然わかんねぇ。常盤台って女子中だろ、同性募って、楽しいのか?」
御坂「さぁ・・漫画とかでなら、よく自分の虜になった男どもを引き連れてって展開よくあるけど、」
麦野「もしかして、第五位は同性愛者か何かか?」
食蜂「うーん。一つだけ言えることは、私は貴女たちにみたいに男にガツガツしてないってことかしらねぇ」
御坂「は?」
麦野「あ?」
食蜂「だからぁ、私は貴女たちよりも恵まれた女子力に溢れてるから、そんな身近な殿方に手をつけるほど、焦ってないってこと」
麦野「やれやれ、また天狗のガキの鼻っ柱をへし折ることから始めなきゃいけないのか」
御坂「え、また話題が振り出しに戻るの?」
麦野「良いかよく聞けよ。お前らみたいなオムツ取れたてのガキと違って、私のような大人の魅力溢れる女性がこの世の中、需要あんだよ」
御坂「まーた自分の高齢化を都合の良い言葉で取り繕ってるわよ、このオバサンは」
食蜂「そもそも学生ばかりの学園都市で大人の女性気取ってるところが気持ち悪いっていうかぁ」
麦野「バーカ。ガキばっかだから、私みたいな女にときめく奴が多いってことだよ」
御坂「それで、あの彼も落としたわけか」
麦野「そこで何で、アイツのことが出てくるんだよ、そこでっ!」
御坂「ちょっとあんた、あんたの収集力は世界一なんでしょ」
食蜂「?」
御坂「アイツの写真のことは水に流してあげるから、何とか浜面とかいう男のこと調べさせなさいよ」
麦野「何で名前まで知ってんだおい」
御坂「さっき電話してたときに言ってたでしょ、あんたバカ?」
食蜂「うーん、じゃあエクレア五つで手を打ってあげる」
御坂「あんた、まだ食べ足りないの?・・仕方ないわね」
食蜂「やーん。御坂さんってば物分りが良いわぁ」
御坂「私は第四位みたいに自分の言うこと聞いてくれる彼氏が居るわけじゃないから、」
麦野「おい、コラ」
御坂「後払いで良い?」
食蜂「うーん。まあ御坂さんの性格を信頼して、それでも許してあげる☆」
御坂「あんたの『信頼』なんて言葉、今まで生きてきた一番信用ならないわ」
食蜂「ひどーい」
白井「お姉さま、エクレア五つ、ここに御用意致しましたの!」
御坂「ああ、うん。ありがと、黒子・・って、え?」
白井「何か?」
麦野「うわ、人のこと散々詰っておいて、自分も専属のパシリが居るんじゃねぇか」
食蜂「数少ないお友達をパシリにするなんて、御坂さんもなかなかに性悪力が高いわねぇ」
御坂「ち、違うわよ!黒子はただのルームメイトで、っていうか、あんた何で私がエクレア必要なこと知ってんのよ!」
白井「そ、それは・・その、お姉さまと黒子の愛のテレパシーで、」
御坂「いつからあんたは『念話能力者』になったのよ、正直に吐きなさい」
白井「・・お姉さま、スカートの裏側をご覧になってください」
御坂「は?・・え、何か付いてる」
麦野「それアレだな。対能力用盗聴器だ、見たことあるわ」
御坂「・・なーるほど。道理で私が気付かなかったわけだ」
白井「初春に用途を隠して譲り受けた、特製の・・いえ、勘違いしないで欲しいんですの、これはお姉さまへの愛の大きさゆえに、」
御坂「問答無用ッ!!」
白井「うきゃ、あふぅぅっん!お姉ざま゛、今日はいつもより激しィ、んですのぉ!」
食蜂「・・・」
麦野「・・・」
御坂「はぁ、はぁ・・」
食蜂「もーう、また場所を移動させられるところだったわねぇ」
麦野「何か千鳥足で戻っていったけど、あのツインテール、大丈夫か?」
御坂「いつものことよ、気にしなくて良いわ」
食蜂「え、いつもあんな電撃プレイ?」
御坂「プレイって何よ、ただのお仕置き」
麦野「余計如何わしくねぇか、それ」
食蜂「レベル5の電気を受けちゃったら、病み付きになっちゃうのかもしれないわねぇ」
麦野「試してみたらどうだ、第五位。少しはその性格の歪みが矯正されるんじゃねぇの」
食蜂「貴女こそ、そのボディラインの弛みが少しは直るんじゃなくってぇ?」
御坂「人の能力を何だと思ってんのよ、あんたたちは」
麦野「そういえば、さっきのジャッジメント、ルームメイトだって?」
御坂「そうよ。私のところは寮制出、二人部屋なの」
麦野「レベル5なのに、随分と平凡な待遇なんだな」
御坂「別に。少なくとも、私はどこかの誰かと違って、お高く止まってるわけじゃないから」
食蜂「あらあら、いけ好かない人ねぇ。どこの誰かしら」
御坂「私の隣で、満面の笑みでエクレア頬張ってる奴よ」
食蜂「麦野さんのこと?」
御坂「あんたよ、あんた・・って、口元にチョコついてるわよ、ほら」
食蜂「ありがと、御坂さん」
麦野「・・仲が良いのか悪いのか、どっちかにしろよ」
御坂「何よ」
食蜂「?」
麦野「でもさ、あのツインテールの盲目的な求愛ぶりを見ると、実は第三位も同性愛者か?」
御坂「まったくよね。盗聴してたなら目の前に居た暗部組織の首領を捕まえるくらいは・・って、え?」
食蜂「『も』って・・別に私は同性愛者じゃないんだけどぉ」
御坂「私はそういうのじゃないっての、あいつが一方的にアタックしてくるだけで!」
麦野「でも、そういう奴を引き寄せちまう魅力みたいなもんがあるんじゃねぇの、第三位には」
御坂「そ、そんなの知らないわよ・・私はそういうつもりはないし」
食蜂「うわあ、天然ジゴロって奴?しかも同性に対して」
御坂「同性引き連れて派閥作ってるあんたが言えたことじゃないでしょうが!」
麦野「やっぱり女子だけの学校は、そういう比率が高まってくるもんなんだな。後で浜面に教えておいてやるか」
食蜂「御坂さん、女の子が好きなんて公言できないから、ツンツンの子はブラフだったりするのかしらぁ?」
御坂「ち、違うっての!私は歴とした異性愛者で、アイツのことをちゃんとっ!!・・ぁっ」
食蜂「・・ちゃんと?」
麦野「見事な誘導尋問だな、第五位」
御坂「ふ、ふぐ・・ぅぐ」
麦野「さてと、第三位の淡い恋心がマジモンだったと知れたところで」
食蜂「御坂さん、ホントに可愛いわぁ」
御坂「あ、あんたら・・いつか泣かすっ」
麦野「はいはい、あんたらの結婚式で泣かせてくれよ、厨房」
食蜂「お祝い金の返しはエクレアでお願いね、御坂さん」
御坂「ああ言えば、こう言うっ!!」
食蜂「仕方ないなぁ、そんな泣きっ面の御坂さんに好材料を提示してあげる」
御坂「何よ」
食蜂「はーい、ここに一枚の写真がありまーす☆」
麦野「お?」
御坂「げっ」
麦野「誰だ、これ・・何か第三位に似てるな」
食蜂「それもそのはず、この写真に写ってる女性は、」
麦野「第三位の姉貴か何かか?」
御坂「・・何であんたがママのっ!」
麦野「ママ・・って母親か、これ?」
食蜂「私ぃ、最近カメラに凝ってて、大覇星祭のときにちょろっとぉ」
麦野「ふぅん。しっかし、よく似てるなー・・いや、やっぱ似てないな」
御坂「おい、今どこを見て意見を修正した?」
麦野「胸」
御坂「うがあああああっ!!??」
麦野「お、しかもこれ一緒に映ってるの、件のツンツン黒髪のガキって奴じゃね?」
御坂「これのどこが好材料じゃぁああああああ!?」
食蜂「でもでも、この胸囲力が御坂さんに遺伝する可能性もなきにしもあらずっていうかぁ」
御坂「はっ・・なるほど。あんたにしては良いこと言うじゃないの」
麦野「まあ、可能性に過ぎねぇけどな」
食蜂「私と麦野さんみたいに事実として存在してるわけじゃないしぃ」
御坂「あんたは私をアシストしたいのか、退場させたいのか、どっちだ」
麦野「まあ、あれだ。精進に努めろよってことだよ」
御坂「・・そもそも、何であんたたちはそんなに豊満なのよ」
麦野「とうとうプライドをかなぐり捨てた質問し始めやがった」
御坂「うっさいうっさい!良いから答えろオバサン!」
食蜂「御坂さん、キャラが崩れかけてるよ?」
麦野「キャンキャンうっせぇな。さっきも言ったろ、精進だよ、精進」
食蜂「年の功じゃなくて?」
麦野「まだそこに噛み付くか、性悪女」
食蜂「御坂さんはたぶん、スレンダー?体型なんじゃないかしらぁ」
御坂「?って何よ、?って」
麦野「スレンダーといえば聞こえは言いが・・結局は貧乳だろ?」
御坂「ぐふぁっ・・私が避けてきた言葉を!」
食蜂「貧乳は可哀想っていうかぁ・・敢えて言うなら美乳?」
御坂「そうよ、美乳よ美乳。ああ、何で良い言葉なのかしら」
麦野「美乳っていうのはある程度の大きさを持つ奴が使って良い言葉だろ。美乳>貧乳だよ、結局は」
御坂「・・少しは気を遣っては頂けませんか」
食蜂「(御坂さんがさっきから下手に出続けてる・・)」
麦野「つまりは、私もある意味、美乳にカテゴライズされるわけだ」
食蜂「え?」
御坂「え?」
麦野「何だよ、その何か言いたげな苦い顔は」
食蜂「麦野さんのは巨乳って言っても差し支えないと思うけどぉ、決して美乳ではないと思うなぁ」
御坂「そうね。巨乳≠美乳≠貧乳≠無乳よ」
食蜂「鬱陶しいな、乳のねぇ奴は口を挟むなよ」
御坂「暴言にも程があるっ!!」
食蜂「御坂さん、大丈夫。巨乳は垂れるけど、貧乳は垂れないから」
御坂「・・フォローになってない」
麦野「うだうだうるせぇな。長いものに巻かれろよ、第三位」
御坂「あんたは巻くほどあって良いわね、第四位」
麦野「まあな」
食蜂「さっきから、胸の話ばかりしてるけどぉ、もう少し視点を変えたら良いって思うわぁ」
御坂「・・へぇ、例えば?」
食蜂「うーん、お尻とか太ももとか」
御坂「ああ、それはあんたの圧勝ね、第四位」
麦野「・・べ、別に私は太ましくねぇぞ」
食蜂「えー、でも、この肉感と弾力を持って、その発言はちょっと頂けないっていうかぁ」
麦野「突ッつくなっ!!」
御坂「まあ私らより年食ってれば、それだけ積み重なるものや纏わりつくものはあるわよね、余分に」
麦野「おい、最後だけ語気を強めるんじゃねぇ」
食蜂「まあ、ガリガリの女の子より肉付きの良い女の子に惹かれる男性が多いってよく聞くしぃ」
麦野「そうだな、アレをアレするときも男としては痩せ過ぎてるよりは魅力的に思うらしいしな」
御坂「また私だけ置いてけぼりですか、そーですか」
食蜂「大丈夫!御坂さんも需要はあるわよぉ」
御坂「・・例えば、誰に?」
食蜂「ロリコン、とか?」
御坂「分かっていたことだけど、嬉しくないっ!!!」
食蜂「まあ、麦野さんは私たちと違って定期的に身体を動かす機会がないわけだしぃ」
御坂「私たちは体育があるしね・・あんたはサボってばっかだけど」
食蜂「むぐ・・わ、私は余分に労力を使いたくないだけっていうかぁ」
御坂「一日にエクレア十個食う奴がよくそんな台詞吐けるわね」
食蜂「べ、別に・・結果的に、私は今の生活スタイルでこの体型を維持できてるわけだし」
御坂「そうやって油断し切ってると、体重計に足を掬われるわよ、文字通りね」
麦野「そもそも、その年でサボリは感心しねぇな。レベル5だからって慢心するんじゃねぇぞ」
御坂「え、何いきなり正論言ってんのあんた。そんなキャラだっけ」
食蜂「サボリじゃなくて、しょ、省エネを、」
御坂「っていうか、コイツね、致命的な運痴だから、体育出たくないだけなのよ」
麦野「運動音痴?へぇ、意外なようで、見た目通りなようで・・何つーか、面白ぇな」
食蜂「そ、そんなことないっていうかぁ・・!」
麦野「よし、試しにちょっとそこの角まで往復で走って来い、短距離走だ」
食蜂「はぁ?」
御坂「私は別に何も食べてないけど・・まあ、良いわよ」
食蜂「ちょ、ちょっと何勝手に決めてるの、御坂さん?」
御坂「ほら、早くあんたそのポーチ外しなさい。そんなのぶら下げて走るつもり?」
麦野「勝った方には、これから私が浜面に買いに行かせるエクレアをプレゼント」
御坂「軽い運動でも、ストレッチは入念にしないとね」
食蜂「麦野さん、代わりに走る?」
麦野「良いからその大層なモノをブルンブルン揺らして走って来い」
食蜂「・・え、あ」
麦野『もしもし、浜面?もっかい、頼むわ。何?今度は絹旗にパシられてる?』
麦野「はい。ブッチ切りで第三位の勝利」
御坂「っしゃあ!」
麦野「エクレアは汚れライオンの手によって五分後に届く予定だ、もう少し待ってろ」
食蜂「・・っは、ぜぇ。み、御坂さん、今までの・・ふぇ、恨みを晴らさんがごとくの・・ぜぇ」
麦野「おいおい、全力ダッシュとはいえ往復百メートルくらい、涼しい顔して走れよ」
食蜂「うるさいっわね・・人には向き不向きか・・あって・・ぜぇ、はぁ」
麦野「まあ、これからは出来る限り、しっかり体育の授業を受けるんだな」
食蜂「仕方ないでしょ・・こっちは御坂さんと違ってハンデ背負って・・もとい部分的な重さが、」
麦野「言い訳無用」
御坂「そうよ、食蜂操祈」
食蜂「今日イチのドヤ顔やめなさいよぉ・・はぇ、ぅぇ」
麦野「さて、第五位の致命的な運動神経のなさが露呈したところで」
御坂「何か今日初めてあんたが貶められたわね」
食蜂「御坂さん、後でエクレア分けてね」
御坂「イヤ」
浜面「おい、麦野。人をこき使うのも大概にしてくれよ」
麦野「おう、今回は早かったな」
御坂「あ、噂の人」
食蜂「渦中の人」
浜面「え、何?」
麦野「・・何でもねぇよ。さっさと帰って、滝壺のお守りでもしてろ」
食蜂「あのぉ、浜面さんって言うんですよねぇ?」
浜面「お・・あ、はい。えっと、麦野の知り合い?」
麦野「何でもう鼻の下伸ばしてんだよ、バカ面」
浜面「いってぇ!!ひ、ヒールで踏まないで頂けますか!?」
食蜂「浜面さんは、麦野さんとはどういうご関係なんですか?」
麦野「おい、そこの運痴、少し口を閉じろ。さもなくば、ブチ抜く」
御坂「まあまあ、麦野さん。平静を保って保って」
浜面「関係・・ってぇと、どうだろ。友達とかそういう安穏な関係じゃねぇっていうか」
食蜂「と、言うと?」
浜面「うーん・・上手い言葉が見つからねぇ」
麦野「バカだからな」
浜面「そうだな・・強いて言うなら、運命共同体?」
麦野「!?」
御坂「・・わ、割と重い言葉が来たわね」
食蜂「言い換えると、運命を共にする者って感じぃ?」
浜面「あ、いや、そういうと何か語弊があるっていうか何ていうか・・麦野、助けてくれ」
麦野「おまえが撒いた種だろうが・・!」
御坂「じゃあじゃあ、今まで一番印象強い麦野さんとのエピソードは?」
浜面「印象強い・・?」
御坂「何かこう・・ビビッと来た瞬間のこととか」
浜面「ビビッと来た・・ねぇ」
食蜂「ええ。ビビッと」
浜面「あー・・そうだな」
麦野「・・・」
浜面「・・ロシアまで俺のことを追いかけてきたこと、とか」
麦野「!?」
浜面「あれはまあ、ビビッと来たっていうか、ただ単純にビビッたっていうか」
食蜂「え、何それ、すっごくストーカーっていうか、」
麦野「いや、ちょっと待て。字面だけで解釈を止めるんじゃねぇ」
浜面「まあ、あれは事情が入り組んでるからなぁ」
食蜂「えぇっ、何角関係だったのぉ?」
麦野「そういう『入り組んでる』じゃねぇ!」
浜面「まあ、今思えばあれも良い思い出・・だったのかな」
食蜂「寒空の下、暖を取るために肌と肌を寄せ合ったりぃ?」
麦野「もっかい、走ってくるか?」
食蜂「っていうか、御坂さんはどうしていきなり黙っちゃったのぉ?」
御坂「・・ロシアまで、誰かを追いかけていったって、心当たりがあるからよ」
麦野「え?」
浜面「まあ、何つーか、一言じゃ説明し切れない関係って感じかなぁ」
食蜂「もうそれは小一時間は時間を摂って、説明していただきたいっていうかぁ」
麦野「分かったからもう身を乗り出すな、引っ込んでろ」
浜面「ああ、でも一つだけ誤解してほしくないんだけどさ」
食蜂「はい?」
浜面「別に、麦野と俺は男女の関係にあるワケじゃねぇから・・そこはホラ、麦野の名誉のために言っておきたくてさ」
食蜂「・・・」
御坂「・・・」
麦野「二人して、深刻な表情すんなよ」
浜面「あ、いや、でもさ、麦野は大切な仲間であることには間違いねぇから、うん」
麦野「模範解答だな・・浜面、もう帰って良いぞ」
浜面「あ、おう。今日の晩飯はしゃぶしゃぶだから、あんまり間食摂るなよ」
麦野「うるせーな、分かったよ」
浜面「あと、なるべく早く帰って来いよ」
麦野「分かったって」
麦野「早く帰って来いって保護者かあいつは・・って、何だ、そのツラは」
食蜂「何ていうか・・報われない恋って辛いわよねぇ」
麦野「何勝手に人を哀れんでんだ」
御坂「・・・」
麦野「別に・・あいつにはそもそもツレが居る。私がどうこう言えることじゃねぇさ」
食蜂「でもほら、大切な仲間って言ってくれてたしぃ」
麦野「それ以上ほざくな、その胸削いでまな板にすんぞ」
御坂「でも、晩飯云々の話は何なのアレ?」
麦野「・・何でもねぇ」
御坂「しゃぶしゃぶって・・外食の約束っていう風には聞こえなかったけど」
食蜂「もしかして、同棲?」
麦野「違ぇッ!!!」
御坂「(顔がすごい赤い・・)」
御坂「何か複雑な人間関係背負ってるのね、第四位」
食蜂「さすが暗部組織ってことかしらぁ、第四位」
麦野「位を復唱すんな、気持ち悪ィ」
御坂「さてと、第四位の片思い相手が発覚したところで」
麦野「何がムカツクって年下のメスガキに言いようにされた自分がムカツクわ」
食蜂「そういえば、結局、麦野さんっておいくつなの?」
御坂「そういうあんたの年齢も気になるけどね、私は」
麦野「ああ?別に何歳でも良いだろうが」
食蜂「えー、話題の種として、乗ってくださいよぉ」
麦野「うっせーな。じゃあ、いくつに見えるよ」
御坂「えぇ?」
食蜂「うーん」
御坂「26」
食蜂「27ぁ」
御坂「えー、じゃあ、28」
食蜂「むぅ・・29」
御坂「さんじゅ、
麦野「人の年齢でオークションしてんじゃねぇ」
食蜂「遊びですよ、遊びぃ」
麦野「そもそもスタートからミスってんだよ、この売女ども」
御坂「能力者なんだし、十中八九、未成年ってことで良いのかしら」
食蜂「・・未成、」
御坂「年?」
麦野「二人して悩ましく首傾げてるみたいだが、辞世の句でも詠めたのか?」
麦野「だいたい、そこの五番の女も年齢詐称してんじゃねぇのか」
御坂「右に同じー」
食蜂「えー、まあ、私は改竄力でどうとでも、」
御坂「あの発育は女子中学生の枠を越えていると思うのよ」
麦野「潔い敗北宣言だな、第三位。・・でも、おまえの意見には賛同できる」
食蜂「褒められてるのかしら?」
御坂「確かにあの食生活なら、肉がつくのは分かるけど」
麦野「割と良いバランスになってるんだよな、ただ肥大化してるってワケでもなく」
食蜂「まあ、これも日ごろの行いが良いからっていうかぁ」
御坂「でも、糖尿にはなりそう」
麦野「あー、分かる」
食蜂「・・・」
食蜂「そういう御坂さんこそ、常日頃、何を食べてるのかしらぁ?」
御坂「別に、私は普通よ・・普通の女子中学生が食べるようなものを」
食蜂「そんなだから、出るところが出ないんじゃなくって?」
御坂「なっ・・」
麦野「どうせジャンクフードばっか食ってるんじゃねぇの。少なくとも自炊するようなタイプには見えねぇが」
御坂「あのね、自炊するような意識の高い中学生がホイホイ居るかっての」
麦野「いや、でもそのくらいから栄養管理にアンテナ張るのは大切だろ、私のようになりたければな」
御坂「最後が余計よ・・だいたい、あんたみたいなムチムチは別に目指してないわ」
麦野「む、ムチ・・そんなに太ましくねぇって言ってんだろ!」
御坂「はいはい、どんな体型でも需要はあるわよ、需要は」
食蜂「年増だろうが中学生だろうが、痩せ型であろうがムチムチであろうが、男なんてたくさん居るんだから」
御坂「で、でも・・」
麦野「何だよ」
御坂「その論理は不特定多数の男どもに対してでしょ・・特定の男子に気に入ってもらうには」
食蜂「・・・」
御坂「相応の努力は・・必要だと思うのよ」
麦野「・・・」
御坂「な、何よ、二人して怪訝な目で」
食蜂「えーと、御坂さんがいきなり乙女し始めるから、対応に戸惑ってて」
麦野「同じく」
御坂「わ、悪い!?」
麦野「あっははは、良いんじゃねぇの、限りある青春を謳歌したら良いじゃないの」
食蜂「過ぎし日の青い春を思い出して、ちょっぴり心を締め付けられる麦野さんなのでした」
麦野「オラ、程良く脂ののった肉塊にして明日の市場に出してやる、良い声で啼けよ」
食蜂「やぁん☆冗談ですよぉ、冗談」
御坂「楽しそうね・・」
麦野「まあ、何だ。こうしてみると、第三位もイッパシの女の子やってるじゃないの」
御坂「食蜂はともかく、あんたと比べればね・・まぁ、世間から見れば、レベル5なんて人格破綻者の集まりに見られてるらしいし」
食蜂「私はそれほど、大差はないと思うけどぉ」
麦野「ハッ、少なくとも、上二つとは一緒にしてほしくねぇな」
食蜂「一番下も大概だと思うわ・・」
御坂「ああ・・大覇星祭の開会式を思い出した」
麦野「人格破綻者だからレベル5になったのか、レベル5だから人格破綻者になったのか」
御坂「そればっかりは分からないわね、私としては後者な気がするけど」
食蜂「一度、レベル5を全員集めて会合でも開いたらどうかしら」
御坂「相当頑丈な会場を用意しないと、多分、開始三分でご破算になると思うわよ」
食蜂「・・私は一目散に逃げさせてもらおうかしら」
御坂「あんたは一番に逃げた方が良いでしょうね、能力上」
食蜂「何考えてるのか分からない連中ばかりなイメージだもの」
麦野「失礼極まりねぇな。私はまともな方だろ」
御坂「あんたが人間の中でまともな方に分類されるなら、血で血を洗う世界になってるでしょうね」
食蜂「以下、同文~」
麦野「さってと・・そろそろ私は帰らせてもらうわ」
食蜂「想い人が菜箸持って鍋の前でスタンバッてるものねぇ」
麦野「次に会ったときは手下諸共、精肉店に綺麗に並べてやるから、充分に肥えとけよ」
食蜂「ひゃあ☆」
御坂「私もそろそろ帰ろうかしら、このままグダってると、門限過ぎてもダベってそうだわ」
麦野「・・まあ、ここの代金は私が支払っといてやるよ」
食蜂「あら、年長のゆとりって奴かしらぁ?」
麦野「年齢で散々罵られてきたから、年長って言葉すら気に障るようになったのが苛立たしいな」
食蜂「ご馳走様です、先輩☆」
御坂「ありがたく、甘えておくわ」
麦野「はいよ」
麦野「じゃ、またそのうちな」
食蜂「はーい。それまで死なないでくださいね」
麦野「ハッ、私を誰だと思ってる」
食蜂「あと、浜面さんと少しでも距離を縮、」
麦野「うるせぇ、黙ってろ!!」
御坂「(仲良いわね・・)」
食蜂「御坂さんも、またね」
御坂「・・まあ、あんたとは学校でイヤでも顔合わせるからね」
食蜂「御坂さん、私と二人だとあんまり話してくれないんだもの」
御坂「あんたがケツにぞろぞろと人数従えてるから、あんまり長話したくないのよ」
食蜂「じゃあじゃあ、サシでなら、お話してくれるってことかしらぁ?」
御坂「それも却下。今日みたいにクッションが一人居ないと私がストレス溜まるだけだから」
食蜂「ひどぉい」
麦野「ったく、どいつもこいつも年上に対するリスペクトって奴が・・ん」
麦野「んだよ、また浜面か・・もしもし?」
浜面『もしもし、麦野?悪いんだけど、何か飲み物買ってきてくれないか?』
麦野「いきなり何だよ・・冷蔵庫、何もねぇのか?」
浜面『いやー、食材ばっかに気取られてて、すっかり』
麦野「ったく、私を顎で使うとは良い度胸だ。しかも一人で買わせに行くとか・・」
浜面『ああ、そう言うと思ってさ』
麦野「・・あ?」
浜面「よう、今帰り?」
麦野「んだよ、わざわざ迎えに来たのかよ」
浜面「いや、まあ・・そんなとこ」
麦野「・・滝壺は?」
浜面「滝壺は、昼寝から未だに起きなくてさ、絹旗と留守番してるよ」
麦野「・・そうか」
浜面「な、何だよ」
麦野「別に。何でもねぇよ、ほら、さっさと買いに行くぞ。日が暮れる」
浜面「ああ、そうだな」
麦野「代金は全部浜面持ちな」
浜面「・・俺の財布の薄さを知って、そういうことを仰るの?」
麦野「薄い財布持ってる奴が悪い」
浜面「そうですか・・あ、そういや、昼間の女の子二人、中学生に見えたけど、あんな知り合い居たのか?」
麦野「あ?・・ああ、知り合いっていうか、まあ、そんなとこだ」
浜面「ふぅん・・」
麦野「何いかがわしいこと考えてんだよ」
浜面「し、失礼な奴だな!何か意外だと思っただけだよ、麦野に年下のあんな知り合いが居るなんて!」
麦野「ああ、そうかよ・・ったく、やっぱりあんたは私や滝壺が首輪つけてないとダメだな」
浜面「どうしてそんなに嬉しそうに仰るんですか・・」
麦野「嬉しくねぇよ、バカ。はた迷惑で困り果ててんだよ」
浜面「さいですか・・」
麦野「あ、そういえばさ」
浜面「うん?」
麦野「浜面が買ってきたあの店のエクレア、なかなか美味かったらしいぞ」
浜面「らしいって何だよ・・麦野も食べたんじゃないのか?」
麦野「何でも良いだろ。今度は滝壺や絹旗も誘って食いに行こうぜ」
浜面「ああ、良いなそれ。そういや俺も麦野の分は買ったのに、自分の分は買ってなかったんだよな」
麦野「丁度良いな。明日にでも食べに行くか」
浜面「おう、そうだな。」
麦野「金は全部浜面持ちでな」
浜面「うおおおおい!?」
女学生「お帰りなさい、女王」
食蜂「あれ、今日は待ってなくても良かったのにぃ」
女学「いえ。・・ところで、今日はいつになく上機嫌ですね、女王」
食蜂「そう見える?・・ちょっと、友達とお話してきただけなんだけどぉ」
女学「些細な違いかもしれませんが・・今日はそう見えただけです」
食蜂「そっかそっか、まあ良い気分転換にはなったかな。御坂さんとも喋れたし」
女学「御坂様とお話を?」
食蜂「ええ。他愛もない話ばかりだったけど」
女学「そうですか。女王が楽しげで何よりです」
食蜂「・・本当にそう思ってる?」
女学「?・・ええ、勿論です」
食蜂「そう・・ああ、そういえば、例の店のエクレア食べたんだけど、文句なしだったわ」
女学「そうですか。明日にでも数人を連れて、足を運んでみましょう」
食蜂「そうね。皆で食べれば美味しいものね・・」
女学「・・女王?」
食蜂「うん?」
女王「いえ・・今度は何だか、どこか寂しげというか」
食蜂「そんなことないわよ。黄昏時だからそう見えるだけじゃないかしら?」
女王「そう、でしょうか?」
食蜂「ええ。きっとそう」
女学「・・分かりました。では、私はこれで。女王もお気をつけて」
食蜂「ええ。お疲れ様」
食蜂「・・・」
食蜂「御坂さんには白井さん。麦野さんには浜面さん・・」
食蜂「あーあ、柄にもない・・早く帰ろ」
御坂「あー、何か自分の発育の悪さを自覚させられる会談だったわ」
御坂「あ、そういえば、今日発売日だったっけ・・コンビニで立ち読みしてくか」
上条「あれ、ビリビリ。今帰り?」
御坂「うひゃあっ、何よ、あんた、いきなり!」
上条「・・人を不審者みたいに言わないでください、傷つきます」
御坂「うっさいわね、私の電撃が効かない時点であんたは充分不審よ」
上条「恐怖政治だ・・」
御坂「ところで、何?あんたはまた懲りもせず飽きもせず補習の帰り?」
上条「あー、ご名答。最近の上条さんは補習をする機械ですよ、まったく」
御坂「ふぅん・・あんたはあんたなりにその空っぽの頭を使って頑張って勉強してるわけね」
上条「あの、少しは労いの言葉でもかけてもらえるとありがたいんですが」
御坂「補習を喰らうあんたが悪い」
上条「・・ご最も」
御坂「まあ、そんな辛気臭い顔をいつまでもぶら下げられるとこっちまでげんなりしてくるから、」
上条「から?」
御坂「から・・いや、あの、今日さ」
上条「おう?」
御坂「な、何か・・やたら美味しい、エク、エク、エクレアが売ってる店を知ってね」
上条「へぇ、補習漬けの上条さんには大変魅力的だな」
御坂「うん・・だ、から、今日!」
上条「今日?」
御坂「いや・・明日辺り、私と・・あんたでさ」
上条「俺と・・御坂で?」
御坂「食べに行かない?」
御坂「・・エクレア」
終われ
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