モバP「ありすの名前を呼びたい」(138)
橘ありす(12)
P「ありす、ちょっといいか?」
ありす「……」
P「なぁ、ありす?」
ありす「名前で呼ばないでください」
P「いや、だが……」
ありす「やめてください、と言っているんです。不快です」
P「す、すまん」
ありす「用事があるなら橘と呼んでください。なんですか?」
P「あぁ、今度の撮影なんだが……」
P(橘ありす。うちの所属アイドルだ)
P(とても可愛いんだが、名前にコンプレックスがあるらしく呼ぶと怒る)
P(もっと親しくなりたいし、名前を呼びたい……というか)
P「……撮影とかでスタッフの人に名前を呼ばれても明らかに不愉快そうにするんだよなぁ」
P「ごまかしてはいるけど、まずい」
P「名前を呼ばれるのに慣れてもらわないと……」
P「……しかし、どうしたもんかなぁ……」
P「うーん……」
TV[本日紹介するのは、なんと催眠術で苦手を克服したという方です]
P「ん?」
TV[ いやぁ、最初は半信半疑でしたが。本当にすごいんですよ! 昔は食べられなかった玉ねぎですけど今じゃ生でこのとおり!]
P「ほうほう」
TV[こんな催眠術ができる方法ですが、意外と簡単なんですよ?]
P「……」
TV[というわけで今回は催眠術特集です!]
P「これだな」
――
P「んん……いろいろ調べてたらちょっと寝不足だなぁ」
P「でもこれで知識は十分。意外と奥深くて面白かったかな……っと」
ありす「おはようございます」
P「おぉ、あ……橘。おはよう」
ありす「……どうしたんですか、その本?」
P「あぁ、最近いろんなことに手を出してみてるんだ」
ありす「そうですか。まぁ、いいですけれど……お仕事に差し障りがないようにお願いします」
P「ははは……そこは気を付けるから……」
ありす「くまもできていますし、寝不足で事故なんてことになったら大変ですから。では」
P「そうだな、ありがとう……ところで、少し話があるんだ」
ありす「話?」
http://i.imgur.com/K9eubbo.jpg
http://i.imgur.com/EMLmaFA.jpg
で、こうなるんです?
(※下R-18)
P「うん。そう手間取らせないから……いいかな」
ありす「……この後はレッスンの予定なんですけれど」
P「そっちは遅れないように……いや、長引いてもいいように遅刻の連絡はいれとくよ」
ありす「……」
P「これからの方針についてだから、割と大切な話だしな。ダメか?」
ありす「……まぁ、いいです。それじゃあどっちに?」
P「空き部屋が向こうにあったかな……そっちで」
>>12
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ありす「……はぁ。なんでこんなところで?」
P「これからについて。邪魔が入らないほうがいいと思ってな」
ありす「そういうものなんですか?」
P「あぁ。それで……橘は俺のことを信頼してくれてるか?」
ありす「信用はしています。すぐに名前で呼ぶところは嫌です」
P「……ごめんな、クセになってたから。気を付けるよ」
ありす「今日はきちんと苗字で呼んでくださっているのでいいんですけれど……これからもそのままでお願いします」
P「わかったよ、橘」
ありす「はい」
P「――というわけで。これからは音楽系の番組だけじゃなく、バラエティなんかにも顔が出せるといいな」
ありす「バラエティですか。芸人の人たちは遠慮がないので苦手です」
P「そこは経験だ。橘ならできると思う」
ありす「……それでも、名前をすぐに呼ばれたりするのが嫌です」
P「そんなに、嫌か?」
ありす「はい」
P「……んー、そうか……」
ありす「すみません。それでも……嫌なものは嫌です」
P「それじゃあ、考え直さないといけないかな……どうしたもんか……」
ありす「……」
P「……まぁ、そこはおいておこうか」
ありす「……ありがとうございます」
P「橘は名前を呼ばれるのが本当に苦手だよな」
ありす「はい。とても……すごく、嫌です」
P「他に何か苦手なものとか、嫌いなものとかあるか?」
ありす「嫌いなものですか? ……えっと、食べ物だったらセロリ、とか……」
P「セロリ。セロリかぁ……確かにあれも好き嫌いの激しい食べ物だよなぁ」
ありす「どうしても匂いとかが苦手で。残しちゃダメだとは思うんですけど」
P「じゃあ、まずそれを克服してみないか?」
ありす「セロリを……克服、ですか?」
P「あぁ。でも食べ方の問題じゃない」
ありす「それじゃあ、どうするんですか?」
P「橘。俺を信じてみてくれないか?」
ありす「信じるといわれても……何を、どう信じろと?」
P「催眠術ってあるだろう?」
ありす「……」
P「いま、何を言ってるんだこいつって思っただろうけど……真面目な話だぞ?」
ありす「正直、非科学的で非現実的です」
P「何を言うか。催眠術は結構真面目な学問なんだ」
ありす「はぁ……それで?」
P「橘に、催眠術をかける」
ありす「……本気ですか?」
P「あぁ、本気だ。それに、催眠術っていうのは相手の同意がなきゃ深くはかけられないんだ」
ありす「だから、私にそれを信じろっていうんですか?」
P「セロリの克服ができるか試してみようじゃないか。結構勉強したんだぞ?」
ありす「……」
P「頼むよ。もしできなかったら……そうだな、これから先の仕事の方針はすべて橘が決めてくれてかまわない」
ありす「本当ですか?」
P「あぁ、したい仕事だけ絶対にやらせてやる。名前を呼ぶ相手がいやならその人とも共演しないようにしてやろう」
ありす「子供だましの嘘じゃありませんよね?」
P「俺は嘘はつかないよ。約束しよう」
ありす「……それなら、少しだけつきあってあげます」
P「いいか、まずは全身の力を抜いて、椅子に深く座るんだ」
ありす「こうですか……?」
P「うん。それで、こっちを見て……楽にして……」
ありす「……催眠術って、5円玉と糸を使うものだと思っていました」
P「あれも暗示の一種だなぁ。今回は少し本格的にしたいんだ」
ありす「へぇ……それで、どうするんですか?」
P「じゃあ、楽にして……1つだけ誓ってくれ。俺の言葉は絶対だ」
ありす「……何を言ってるんですか?」
P「……暗示を深くするための約束だよ。本当に嫌なこと以外は疑わないで、ぜったいに従う。そう誓って、考えていてほしい」
ありす「……変なことを言ったりしたら怒りますから」
P「わかってるよ。まずは練習、練習……さぁ、力を抜いて」
ありす「……はい」
P「俺の声だけを聞くように集中するんだ。ほかの音はだんだん遠くになっていく……」
ありす「……」
P「少しずつ、からだが重くなっていく。指が、てのひらが、てくびが……しずんでいくように、重たい……」
ありす「……」
P「どんどん、どんどん重くなる。ずしり、ずしり……沈んでいってしまいそうだ……」
ありす「……」
P「沈んでいく中でも、俺の声だけは聞こえている。でも、ほかの音はまた遠くなっていく」
ありす「………」
P「沈む、沈む、沈む……ゆっくり、深いところへ落ちていく。だけどそれが心地いい」
ありす「…………」
P「底についた。周りは何もない……だけど、不思議と嫌な感じのしない空間だ」
ありす「…………」
P「……大嫌いなものが、遠くに浮かんで見える。ふわり、ふわりと漂っている」
ありす「…………ん……」
P「少しずつ近づいてくる。でも、不思議と嫌悪感を感じない……」
ありす「…………」
P「いつの間にか、目の前だ。だけどそれが、愛おしい」
ありす「……………」
P「嫌いなもの。嫌いなことが、だんだん好きになっていく……とても尊いもののような気がしてくる」
ありす「……………」
P「ありすが、嫌いだったこと。名前を呼ばれることもまた、好きなことになっていく……」
ありす「………す……き……」
P「さぁ、ありす。名前を言われるのは嫌か?」
ありす「……いやじゃ……ありません……」
P「………ありす。名前を呼ばれるのが、どんどん好きになる」
ありす「………」
P「好きな気持ちが、ドキドキした感覚に変わる。それはとっても心地のいいものだ」
ありす「………ここち……」
P「心地よくて、気持ちよくて……名前を呼ばれると気持ちがいい」
ありす「…………」
P「ありす……とっても、きもちがいい。じわじわと、あったかくなる……」
ありす「………んっ………」
P「ふかく、ゆるく、呼ばれるたびにありすの体は熱くなって……」
ありす「………ふ………ぅん………」
ガチャッ!
卯月「プロデューサーさん! ちひろさんがお仕事の話があるって!」
P「うおぁっ!?」
ありす「………」
卯月「あれ? 何してたんですか?」
P「あぁ、いや少し話を……そうか、ちひろさんが?」
卯月「はい。なんだか急ぎみたいで……あれ、ありすちゃんはどうしたんですか?」
P「あぁ、ありすは……」
ありす「ん……ぅ……あ、れ……」ポー…
P(まずいな……キチンと解いてないが……大丈夫か?)
ありす「……プロデューサー……? わたし、なにをしていたんでしたっけ……」
P「……打ち合わせをしてたんじゃないか。これからについて、だろ?」
ありす「……そうだったような……」
P「……疲れてるみたいだな。今日のレッスンは休みにしておいたからしばらくここで待っているんだぞ」
ありす「……はい……わかりました……」
ガチャッ……バタン
卯月「プロデューサーさんも忙しいよね……」
ありす「……そう、ですね」
卯月「ねぇ、ありすちゃん! 私、考えてきたんだけれど……」
ありす「っ……!?」ビクッ
卯月「ど、どうしたの?」
ありす「い、いえ……なんでもありません……ただ、名前で呼ばないでください。たちばな、です」
卯月「そ、そう? それならいいんだけど……えっとね……」
ありす(……なんだか今、へんなかんじがしたような……)
卯月「あのね。この前相談してた個性についてのお話なの!」
ありす「……島村さんは、十分に魅力的だと思います。人気だって……」
卯月「だけどほら、私普通だって言われすぎちゃって……おみくじも吉しかひいたことないんだよ?」
ありす「それは確かにすごいと思いますけれど……それは逆に個性なんじゃないでしょうか」
卯月「だけど、ほら……ありすちゃんみたいにパソコンとかに詳しいわけでもないし……」
ありす「……っ……」ゾクッ
卯月「あっ……ご、ごめんね? 橘ちゃん……だから、私も何かに詳しくなったりした方がいいかなって思って……」
ありす「は、はい……でも、島村さんはそのままの姿が一番なんじゃないでしょうか……」
卯月「そうかな? でも私……」
ありす「だいじょうぶ、ですよ……きっと……」
ありす(なんだろう……また、へんなかんじが……気のせい、じゃない……?)
ありす(……あれから、しばらくお話を続けてるけど……)
卯月「テレビの前で友達と電話するなんてテレフォンショッキングぐらいだし……うーん、どういかせばいいんだろう……」
ありす(さっきのへんなかんじは、もうしないし……なんでだろう……)
卯月「ねぇ、ありすちゃんはどう思う?」
ゾクゾクッ じわっ…
ありす「ふ………っ!」
卯月「あっ……ご、ごめん! どうかなぁ、私ももう少しね……」
ありす「そ、そうっ……ですね……難しいですけれど、迷うのも大事……なんだと、思います……」
卯月「そうかな……うんっ、元気が出たよ! ありがとう、ありすちゃん! 私頑張る! レッスンにいってくるね!」
ゾクゾクゾクッ びくんっ
ありす「っ…………!」
ガチャッ バタンッ
ありす「はっ……ぁ……なんで、また……っ……」
ありす「……私……おかしくなっちゃったのかな……」
ありす「なんで……こんなに、ドキドキして………」
ありす「……さっきから、名前を呼ばれるたびに……へんなかんじで……」
莉嘉「あっ! ありすちゃん!」
ありす「………ぁっ………!」
ぞくぞくっ ぞくっ
莉嘉「もーっ、今日はどうしたの? 休みって聞いてビックリだよ! ひょっとして元気ないとか?」
ありす「た、たちばな、ですっ……やめてください、名前で呼ばないで……」
莉嘉「わ、ありすちゃん顔真っ赤! タイヘン! えーっと、熱は……あっつーい!」
ありす「ふ、ぅっ………! ぁ、だから、なまえ、だめっ……」
莉嘉「どうしよう? Pくん呼んだ方がいいかな? えっと、ありすちゃんは横になる?」
ありす「………んっ……!」
莉嘉「どーしよ、どーしよ……」
莉嘉「えっとえっと……ジュース、はい!」
ありす「あ……ありがとう、ございます……おねがい、です……名前で、呼ばないで……」
莉嘉「ホントはありすちゃんに今日のレッスンのことお話したかったんだけど……ほら、ちゃんと寝て寝て!」
ぞくんっ ぞくぞくぞくっ びくっ
ありす「ぁ……ぁ、はぁっ……!」
莉嘉「……あのね、トレーナーさんも心配してたの。ありすちゃんって頑張り屋さんだからって……」
びくんっ ぞくぞくぞくんっ ぞくっ
ありす「ぅ……ゃ……あっ……」
莉嘉「やっぱり、無理してたんじゃないかな? ねぇ……ありすちゃん……」
びくっ びくびくっ びくんっ
ありす「……――――――っ♥」
莉嘉「ありすちゃん? ありすちゃん! タイヘン! Pくん! Pくん! ありすちゃんがぁ!」
ドタドタドタ……
ありす「ぁ……は、ぁ……だ、め……なま、え……へん……っ……」
P「……莉嘉から話を聞いて戻ってきたら……」
ありす「……はっ……はぁ……はぁ……」
くたぁ…
P「……ぐったりしているが……ありす?」
びくんっ
ありす「……んっ……!」
P「……」
ありす「ぁっ……はぁ……ぷろ、でゅ……さ……?」
P「……なるほど、な」
ありす「わたし、へん……です……なにか……よばれると、あつくて、どきどきが……」
P「そうなのか……大変だなぁ……」
P「どうすると、変なんだ?」
ありす「よばれると、へんに……ぞくって、して……」
P「……そうなのか、呼ばれると?」
ありす「からだ………おかしく、なっちゃいそうです……」
P「……ありす」
ぞくんっ びくっ
ありす「ゃっ……は、ぁぁ……なま、え……きもちい……」
P「本当だ。呼んだだけなのにすごい汗もかいて……」
ありす「……たす、けて……ぷろ、でゅ………」
P「わかった。まずは落ち着けるよう息をゆっくりすおう……落ち着くんだ、吸って……はいて……」
ありす「すぅ……はぁ……はっ……すぅ……は……ぁ……」
P「落ち着いてきたか?」
ありす「……は……い……」
P「もっと、ゆっくり……吸って……はいて……」
ありす「すぅ……は……ぁ……す………」
P「えらいぞ、ありす」
びくんっ びくんっ
ありす「ゃっ……! ぁ、は、ぅ……!」
P「大変だ、呼吸が乱れてる……もっとゆっくり吸うんだ、ほら……ありす、がんばれ!」
ぞくぞくぞくぞくっ パチンッ
ありす「――――っ! だ……♥」
P「ありす、どうした? ありす? しっかりしろ、ありす。ゆっくり息を吸うんだ。ありす。ありす……」
ぞくんっ パチンッ ぞくぞくぞくっ パチンッ びくんっ パチンッ
ありす「――♥ ♥ ♥ ♥」
ぞくぞくっ……ガクンッ
P「……ありす? 意識は……ないな」
――――
――
ありす「……あ……あれ……」
P「おはよう。大丈夫か?」
ありす「……はい。私、なんだか……」
P「急に倒れて心配したぞ。レッスンのしすぎじゃないか?」
ありす「……そう、なんでしょうか……」
P「あぁ。張り切るのもいいが無理だけはしちゃだめだ」
ありす「今が踏ん張りどころだといったのはプロデューサーです」
P「そ、それもそうなんだけどな……はは……」
ありす「……なんだか頭がぼーっとします……」
P「やっぱり疲れが残ってるんじゃないか?」
ありす「そうなんでしょうか……確かにレッスンは張り切っていましたけど、でも……」
P「結構無自覚に溜まるもんだよ。疲労なんてな」
ありす「……不覚です。以後、気を付けますから」
P「……ああ、そうしてくれ。 橘」
ありす「……?」
P「どうした、橘?」
ありす「なんで……プロデューサーは、苗字で呼ぶんですか……?」
P「名前で呼んだら、怒るだろう?」
ありす「確かに名前で呼ばれるのは嫌ですけど……でも……なんだか、違和感が……」
P「……そうか。名前で呼んでほしいのか?」
ありす「別に、どちらでもいいです。プロデューサーが苗字で呼ぶなら、やっぱり名字のほうがしっくりきますし」
P「……ありす」
ありす「……っ………♥」
P「じゃあ、名前で呼んだ方がいいのかな……ありす、って」
ぞく ぞく ぞく ぞく
ありす「ぁ……! だ、だめ、ですっ……よばれたら、わたしっ……」
P「どうしてだ? ありすが違和感があるって言ったんだろ?」
ぞくっ ぞくっ ぞくっ ぞくっ ぞくっぞくっ
ありす「だ、だめっ……! おかし、くっ……なぁ……っ……♥」
P「………」
ありす「……ぇ……?」
P「……おかしく、か。それは大変だ……」
ありす「あの、ぷろ、でゅ……さ……?」
P「ごめんな。調子に乗りすぎたよ……橘」
ありす「ぁ……? なん……で……」
P「もともと、間違っていたんだな。嫌がっていることを無理にさせるだなんて最低だ」
ありす「い、いや……」
P「これからはちゃんと名字で呼ぶよ。橘」
ありす「だめ……よんで、くださ……い……! わたしの、こと……」
P「呼んでるじゃないか。橘」
ありす「ちが……ぅ……わたし、私は……!」
P「……どう呼んで欲しいんだ?」
ありす「なま、え……なまえ! 名前で呼んでください……私を、ありすって……呼んで……!」
P「……」
ありす「プロデューサー、おねがい、します……から……」
P「……」
ありす「私は……プロデューサーに……」
P「でも、あんなに嫌がってたじゃないか」
ありす「違うんです……恥ずかしくて、嫌だったけど……私、今は呼ばれないと、なんだかもやもやして……」
P「そういわれてもなぁ……ついさっきまではどんなふうに言ってたっけか……」
ありす「あやまります、あやまります、から……ごめんなさい……呼んでください……ごめんなさい……」
P「………」
ありす「ごめん、なさい……ごめんなさい……」
P「……そんなに泣きそうな顔をするなよ」
ありす「おねがいします……おねがい、します……名前……ありすって……」
P「……」
P「……」
ありす「プロデューサー、私……なんでもします、だから……」
P「……ありす」
ぞくんっ
ありす「ぁ……はぁ……♥」
P「そうか。ありすは名前を呼ばれるのがそんなに好きなのか」
ぞくんっ ぞくんっ
ありす「すき、ですっ……もっと……よんでください……♥」
P「……もう、催眠は解いたはずなんだけどなぁ……」
ありす「さいみん……?」
P「いや。ありすは可愛いなぁ……」
ぞくぞくぞくっ
ありす「はぁぁ……♥ あり、がとう、ございます……♥」
P「……ありす」
びくっ びくっ
ありす「……はぁ……っ……なんですか……?」
P「このままだと日常に問題が出そうだから……もう少し深い、別の暗示をかけるよ」
ありす「あんじ……ですか……?」
P「あぁ……ありす。俺の目を見ろ」
びくんっ
ありす「んぅっ……♥」
P「……ゆっくり、ゆっくり……こっちへ。ゆっくり……」
ありす「は……ぁ…………」
P「………また、おちていく、ふかく、ふかく、ふかく………」
ありす「……………………」
P「………」
ありす「…………」
P「ありすは、名前を呼ばれると心地いい。まるで、母親に抱かれているときのような気分になる」
びくんっ
ありす「………♥」
P「……だめか。深くかかりすぎて名前がトリガーにできなさそうだし……」
ありす「…………」
P「……もう少し強い刺激で上書きするかな……」
ありす「…………」
P「……さて、どうなってるのやら……」
ありす「…………」
P「……まるで漏らしたみたいだな。名前を呼ばれただけでこれじゃあ日常生活も……」
ありす「…………」
P「……いたい、いたい、いたい。ぜんぶわすれてしまうほど、いたい……」
ありす「………っ……!?」
P「体が、ぎしぎしいたむ。まるで古びた木のように。今日一日のできごとがぜんぶぜんぶ消えていく……」
ありす「………! ………!」
P「……歯もくいしばって、本当に痛そうだな。さぁ、忘れるために……」
ありす「は………はぁ……っ……」
P「外からも、刺激してやらないとな」
ぺちんっ
ありす「……♥」
ぺちんっ ぺちんっ
ありす「っ……!ぁ……♥」
ぺちんっ ぺちんっ ぺちんっ
ありす「っ……! ……っ ………っ」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ありす「はっ……はぁ……ぁっ……! ぁ……っ♥」
ぱちんっ ぱちっ ぱちっ ぱちんっ ぱちっ ぱちっ
ありす「…………♥ ♥ ♥」
パチンッ パチンッ パチンッ
ありす「―――― ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥」
――――
――
P「ありす、起きろ。あーりーすー」
ありす「……ん……あれ……?」
P「おはよう、ありす」
ありす「……橘です。名前で呼ばないでください」
P「おぉ、すまん」
ありす「前から言ってるじゃないですか。プロデューサーはもう少しデリカシーを持つべきです」
P「ははは……」
P「ありす、体調は平気か?」
ありす「特に問題ありません……疲れてたんでしょうか……というか、橘です」
P「そうだな。レッスンの日程、ちゃんと練り直すよ」
ありす「まったく、聞いてるのか聞いてないのか……レッスンの日程に関しては今のままで十分です」
P「そうか?」
ありす「えぇ。今回は単純に私の体調管理が不十分だっただけですから」
P「……それならいいんだが。無理はするなよ?」
ありす「はい。平気です」
P「努力家だなぁ……」
ありす「今から追いつくにはそれ相応の努力が必要だと思っていますから」
P「……えらいな、橘」
ありす「……?」
P「橘? どうした?」
ありす「……いえ、なんでもありません。ただ……少し……」
ありす「今日は帰ります。お疲れ様でした」
P「あぁ、お疲れ。明日も休みにしたからゆっくりするんだぞ」
ありす「はい。ありがとうございます」
P「……おやすみ、ありす」
ありす「……訂正するのも面倒ですので、好きに呼んでください。それでは」
ガチャッ……バタンッ
P「……ふぅ。どうにか暗示は上書きで消せたかな……」
P「催眠状態のありすの尻たたきか……あやうく一線を越えるところだったが、セーフだ」
P「小ぶりだけどいい尻だったな……途中から漏らすし、服脱がせてよかった」
P「まぁ、名前を呼ぶのはまた今度の課題だなぁ……」
ありす「……っ……?」
ありす「なんだろ……最後、変な感じがしたような……」
おわり
違うんです
ありすが名前呼ばれて嬉しくなるみたいなギャグSSにする予定だったんです
いちゃいちゃとかソフトとかが大好きです。せめてそういうのにしたかったんです
あと、若葉ちゃん大好きで動物園なほうの人じゃないです。智絵里の書いたけど
保守支援ありがとうございました
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