ライナー「なぁ前から聞こうと思っていたんだがよ」

エレン「ん？」

ライナー「お前とミカサはどこまで行ってるんだ？」

エレン「はぁ？」

ライナー「おいおい、はぐらかすんじゃねぇよ。いつもエレンとミカサは一緒じゃねぇか」

エレン「どこまでって…壁の中しか探索したはことないけど」

コニー「あー、こりゃもしかするとエレンは不能って説が濃厚だったりな」

ライナー「あっははっは!!確かにそうかもしれねぇ!!」


エレン「……その『不能』って何のことだ？」


ライナー「……は？」

エレン「いや、だから…不能って何が不能なのか意味がわからない」


コニー「おいおい…エレンもしかして、勃起もしらねぇのか？」

エレン「勃起？なんだそれ」

ライナー「……」

コニー「……」
　

コニー「……いやすまん。そろそろ俺寝るから自室にもどるわ」

エレン「おい、勃起ってなんなんだよ」

コニー「ライナーに聞いてくれ。そんじゃ」ｽﾀｽﾀ

ライナー「おい!!」


エレン「なんだよアイツ……まぁいいや」

エレン「ライナー。勃起ってなんのことだ？」

ライナー「……」

エレン「黙ってちゃわかんねぇよ」

ライナー（何が悲しくて男に勃起の説明しなきゃならないんだ……）

ライナー（というかこの歳で知らないなんて冗談だろ……いや、エレンの鈍さなら有り得てしまったか）

ライナー「あー…その……」


アルミン「あれ？まだ二人とも寝てなかったの？」ｶﾞﾁｬｯ

ライナー「!!」

エレン「おぅアルミン」

ライナー「丁度良かった!!お前から説明してやってくれ!!」ｶﾞｼｯ

アルミン「えっ？え？」


エレン「なぁアルミン。勃起ってどーいう意味なんだ？あと不能ってのも教えてくれ」

アルミン「……え？」
　

〜アルミンによる説明終了〜


エレン「あー、だからお前ら説明しにくそうな顔してたのか」

エレン「確かに気まずい話しだったかもな」

ライナー「……そりゃあな」

アルミン「僕もこんな話ししたくなかったよ。ライナー」

ライナー「すまん」


エレン「つーか、俺大丈夫なのかな……？」

ライナー「ん？」

エレン「その欲情ってヤツも経験したことねぇし、チンコが反り立ったことが無いんだ」

エレン「少し不安になってきた……」

ライナー「……」

アルミン（そんな率直にカミングアウトされても……）


アルミン「えー、えーっと……一応聞くけどさ、エレンは女の子見てもムラムラしたことないの？」

エレン「ムラムラ？」

アルミン「なんと言うか……女の子と邪な会話したり妄想したりすると…ムラムラするのが普通だと思う」

ライナー「割と適切な表現だと思うが……どうだ？」

エレン「ムラ…ムラ……か」


エレン「曖昧なんだけどよ、さっきアルミンから勃起の説明されてた時にムラムラなったかもしんねぇ」

アルミン「!?」

ライナー「おま……っ!?」

アルミン「……冗談だよね？」

エレン「いや、よくわかんねぇけど変な気分になった気がしたからさ」

アルミン「」ﾋﾞﾞｸｯ


ライナー「それは……『なんで男同士で性的な話ししてんだろ俺』みたいなダウナーな感じじないのか？」

エレン「あっ。どっちかってとソレだな」

エレン「ムラムラってよりもテンション下がって変な気分って感じだった」

エレン「よく考えたらチンコ勃ってないし」


アルミン「良かった!!本当に安心したよ僕!!」

アルミン「下手したら友達どころか兵団自体を辞めるところだったよ!!」

ライナー「ガチだったら同じ宿舎で寝るのはゴメンだったぞ。本当にな」

エレン「……そこまで言われんのかよ」

ライナー「なぁ、もうこの話題は止めにしないか？俺から振っておいてなんだが」

アルミン「そうだね。僕ももうお終いにしたいよ」


エレン「待てって。俺の不安はどうなるんだよ？」

ライナー「自分で考えてくれ。というか振るな」

エレン「んっだよ……あー、チンコ勃たせてみてぇ」

ライナー「お前今とんでもないこと言ったぞ」

エレン「そうなのか？」

アルミン「うん。この手の話題は自重しないと本当に大変なことになると思うから」

エレン「そうか……仕方ねぇな」

—翌日—

ライナー「おっ、居たなアニ」

アニ「なんだい？アタシを捜す理由でもあるみたいな風だけど」

ライナー「あぁ、少し情報提供をだな」

アニ「……作戦関連のことなら、人気が少ない時間に」


ライナー「違う。普通の話しだ」

アニ「普通の話し？アンタと世間話でもしろって？」

ライナー「……この間、戦闘訓練でエレンに胸を押し当てていたよな。ガッチリホールドして」

アニ「違うっての」

ライナー「それが原因でミカサとタイマンしてたじゃねぇか」

アニ「どうだっけね」


ライナー「ミカサは置いとくとしてだ。エレンに関する情報をな」

アニ「……見返りは？」

ライナー「クリスタと結婚したい」

アニ「じゃあやめとく。アンタの希望は叶いそうにないからね」

ライナー「いっ、いや待て!!せめてデートのこぎ着けくらい……!!」

アニ「……手伝うくらいなら」

ライナー「……それで手を打つか」

アニ「アンタからの情報が有益ならね」
　

ライナー「有益も有益だ。エレンの攻略法みたいな情報だからな」

アニ「そんなうつつ抜かすような情報は、別に……」

ライナー「ま、無駄な応酬はこの辺にするとして」

アニ「……」

ライナー「エレンはな」

アニ「……」

ライナー「童貞なんだ」

アニ「……は？」

ライナー「いや、だから」


“バキャッ！！！”


ライナー「あがッ!?」

アニ「両足を砕かれたいみたいだね」

ライナー「痛っ……待て!!最後までちゃんと聞け!!」

ライナー「アイツはな、勃起したことがないらしい」


“ベキィッ！！”


ライナー「んぐゥ!?」

アニ「……」

ライナー「ぎゃっ!!やめっ……!!」

アニ「二度と話しかけるなクズ」

ライナー「がっ…ぁ……!!」ﾋﾞｸｯ…ﾋﾞｸﾝｯ…

ライナー「だっ…だから……話しを聞け……!!」

アニ「遺言とか？」


必死の釈明の甲斐あって、どうにかこうにか言いたいことをアニに理解してもらえた。
暴行を受けた傷は即座に治ったが、長年の付き合いで築いた尊厳までは回復しなかった。


アニ「この歳になって何も知らないって有り得るの？」

ライナー「あの様子で嘘ついてるようにゃ思えなかったがな」

ライナー「ま、どうするかはお前次第だ。せいぜい情報を活かすんだな」

アニ「……」

ライナー「それじゃクリスタとの接点を……」

アニ「やだね」

ライナー「(´・ω・`) 」


などと言いながらも、アニはそれなりにどうするかを考えていた。

　

—翌日—


エレン「……」ｿﾜｿﾜ

ミカサ「どうしたの、エレン？」

エレン「ん……いや、なんでもねぇよ」

ミカサ「そう。なにか悩み事でもあるみたいだったから」

エレン「んなことないって……」

アルミン（エレン、昨日のこと考えてるんだろうな……すごく嫌な予感がする）


エレン（あー気になる。どうすりゃ勃起出来るんだろ）

エレン（異性と邪な話しとか妄想って意味わかんねぇし……ミカサが知ってるわけでもないからなぁ）

エレン「なぁアルミン」

アルミン「うっ……うん？どうしたの？」

エレン「具体的にどうすりゃ勃起出来るか教えてくれ」

アルミン「ふぁっ!?」

ミカサ（ボッキ？初めて聞く言葉……）


エレン「なに驚いてんだよ」

アルミン「いっ、いや!!ミカサの前で話すのやめてよ!!」

エレン「なんで？」

アルミン「ミカサだって女の子だよ!?異性じゃないか!!」

エレン「あっ。そうだった」

ミカサ「ボッキってなに？それで悩んでたの？」

エレン「いや、お前に関係ないから」

ミカサ「こんなにエレンが悩むことなんてそうそう無い。私に相談してくれれば良かったのに」

アルミン「ちょっと二人ともやめて!!とんでもないこと言ってるよ!?」

エレン「え？」

ミカサ「え？」


アルミン「とにかくミカサはあっちに行ってて……僕本当に困るから」

ミカサ「わかった。アルミンがそう言うのならそうしよう……後で事の詳細は教えてもらうけど」

アルミン「……わかったよ」

ミカサ（ボッキ……サシャかクリスタあたりに聞いてみよう）ｽﾀｽﾀ


エレン「なぁアルミン。さっきの続きなんだけど」

アルミン「はぁ……詳しく教えるから。もう少し小声で……」

アニ「ちょっといいかい？」ｽｯ

アルミン「うわっ!?」ﾋﾞｸｯ

アニ「そんな驚かなくてもいいじゃないか。エレンに用があるだけなんだ」

エレン「俺？」

アニ「そう。アンタ」

エレン「今アルミンと話してるから後じゃだめか？」

アニ「……こないだの支給で貰った飴玉がまだ余ってるんだけど」

エレン「え!?くれるのか!?」

アニ「アタシとの用事を優先させるなら」

エレン「おう!!いいぜ!!」


アルミン（なんか嫌な予感がする……）

アルミン「ねぇアニ。僕とエレンの話しはすぐに済むから……少し待っててくれないかな？」

アニ「エレンの許諾は得てるんだけど」

アルミン「そこをなんとか……」

アニ「……対人訓練。今度アルミンと組むのもいいかもしれないね」

アルミン「やっぱりアニが先でいいよ」

アニ「どうも」


エレン「んで、話しってなんだよアニ？」

アニ「ここじゃなんだしさ。余所で話そう」ｽｯ

エレン「まぁ……いいけど」ｽﾀｽﾀ
　

エレン「しっかし、お前から話しなんて珍しいな」

アニ「珍しい……かな。暇だったから誘っただけなんだけど」

エレン「尚更珍しいと思うぞ」


アニ「それよりアンタ、さっきアルミンと何話してたの？」

エレン「あ？まぁ…ちょっとした悩みっていうか」

アニ「へぇ……アンタでも悩むことあるんだ」

エレン「俺だってたまには悩むぞ。たまにだけどよ」

アニ「それでその悩みって？」

エレン「ん……お前に言ってわかることか…」

アニ「いいから言ってごらんよ」

エレン「勃起ってモンがよくわからなくてさ。アルミンに相談してた」

アニ「ぷふぅっ!!」

エレン「どうした!?」

アニ「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

アニ（マジか。マジでコイツ知らないのか……!!）


エレン「おい、どうしたかって聞いてんじゃねぇか」

アニ「いっ、いや……咳込んだだけさ」

エレン「そうか……そんでよ、ライナーやアルミン曰く、この勃起って現象は男なら普通に有り得るらしいんだが」

エレン「俺はまだ勃起したことないんだ」

アニ「ん!!ぅ!!」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

エレン「さっきから変だぞお前」

アニ（やばい……腹痛い。笑いが止まらない……!!）ﾋﾟｸﾋﾟｸ