北斗「何したんですか?その子に」
黒井「そうだぞ、謝るなら早い方が良いだろう」
P「もう俺が、何かしでかしたってのが前提なんですね……いやそうだけどさ」
翔太「ほらやっぱりそうじゃん!」
P「いやほら、この前って貴音の誕生日だったんだよ」
冬馬「あぁ、そういやお前の所の天海春香も仕事の時に言ってたっけか」
P「あぁ確かラジオで共演した時か、そうそう春香は手作りのケーキ持って来てたな」
北斗「で、当然プロデューサーさんも何か用意したんですよね?」
P「いや、それが……」
北斗「そこですか……」
冬馬「とにかくそのなんだ?仲直り大作戦って……アンタが直々に頼みに来るって事は……」
北斗「あっ……(お察し)」
P「そう!サプライズステージだ!」
このSSは以下のSSの内容を一部引き継いでいます。
P「へーイ!パスパス!」冬馬「ウホッ!」
P「いや誕生日に二十郎連れて行こうとしたんだけどさ」
冬馬「そういや、この前アイツの誕生日だっけか
言ってくれれば、誕生日にでも行ったのによ」
P「いや、律子が今度来よう物ならTV局の知り合いの
ゲイバーの軍勢で迎撃するとか言って聞かないんでな……」
翔太「も、もしかして……あのオカマのディレクターさんかな?」ガタガタ
北斗「流石に俺でも、ダーク♂エンジェルちゃんは御免こうむりたいな……」ガクブル
黒井「まぁゲリラライブは出来なかったとして、あの娘をラーメン屋に
連れて行くとは自殺志願者か、貧乏プロデューサーでは財布が持たんのではないか?」
翔太「いやぁ、言い過ぎじゃない?流石にあの人可愛そうだよ」
冬馬「それがどっこい、言い過ぎじゃないんだよな……」
P「あぁ、お前は身をもって体験したもんな……」
北斗「いっそお前も、ドーナツ大食いとかで競争したらどうだ?」
翔太「えっ!ドーナツ大食い!?やりたいやりたい!」
冬馬「やめとけ……マジで」
P「そろそろ良いか?」
冬馬「おう、んで?そこまで聞いてたら何も悪い事なんてなさそうなんだが」
P「俺もそうだと思ってたんだが……」
先日、765プロ
P「って訳でどうだ?貴音。今日なら、いくらでも食べさせてやるぞ!」
貴音「それは真ですか!あなた様!」
P「あぁ!真だ真。んじゃ事務所でのパーティ終わったら行くか!」
……
………
春香「はい!これ手作りのケーキ!」
美希「私も手伝ったの!ちょっとアクセントの梅干しが良い仕事してるってカンジ!」
貴音「面妖な……」
春香「ははっ……いや私は止めたんだけどね?」
美希「むぅー、春香だってメンマ入れたりラー油入れたりしてたじゃん!」
春香「のワの」
P「どんなゲテモノ作る気だったんだお前ら……」
亜美「じゃあじゃあー、最後は兄ちゃんのプレゼントだね!」
P「いやぁ、貴音ならラーメンあったら良いかなと思って用意してないんだ」
貴音「!」ブワッ
P「あ……あれ?どうした?貴音。なんか涙目じゃないか?どうしt」
貴音「ぎるてぃ!!」バタンッ、タッタッタ
春香「うわぁ……」
真「今のは流石にダメですって!すぐ謝りに行ってください!」
美希「ちょっと見損なったの……」
P「えっ?何?俺?俺が悪いの!?」
……
………
冬馬「ギルティ!!」
P「ぶへっ!」
北斗「100%プロデューサーさんの過失じゃないですか!」
翔太「無かったにしても言い方が酷すぎるよー!」
黒井「デリカシーのかけらも無いのかこのゲスは」
P「ひっ、酷い言われようだ……」
P「とにかく!それ以来一向に口を聞いてくれないんだよ!」
北斗「相応の対応ですよね」
黒井「まったくだ」
冬馬「てかプレゼントくらい用意してやれば良いじゃねえか」
P「最期の晩餐に備えてたからな……」
黒井「二十郎が最期とはこの男も哀れな物だな」
P「ほっといてくださいよ……」
北斗「でもまぁ、仲直りするって言ってももう誕生日過ぎちゃってますからね」
翔太「しかも結構経ってるし、なんでここまで放っておいたのさ!」
P「ほら、新年早々人様に頼るのもどうかと思ってさ!」
冬馬「果てしなく今更だなおい」
北斗「で?昨日の晩御飯は?」
P「あぁ!響が作ってくれたゴーヤチャンプルーだ!絶品だぞ!」
翔太「うわぁ……」
黒井「真剣にこの男との付き合いを見直すべきかもしれん」
冬馬「だいたい、プレゼントなんてパン焼いて食わせとけば良いだろ」
P「お前やっぱ食パンしか頭にないのか……」
冬馬「失礼な奴だな!他にもフランスパンとか作れるぜ!」
翔太「とりあえず冬馬君はパンから離れる所からだね!」
黒井「ノンノン、セレブはカップケーキを食べるのだ。と言う訳で明日作って持って来い」
冬馬「なんでおっさんにカップケーキ作らねぇといけねぇんだよ!気持ちわりぃな!」
P「真面目に考えてくださいよ!」
北斗「と言ってもねぇ?今回は流石に……ごにょごにょ」
冬馬「ごにょごにょ……だな」
翔太「ごにょごにょ……だね!」
黒井「異議なし!」
P「どうしたんですか?そんな4人で突然ひそひそと……」
黒井「よし、お前への処遇が決まったぞ」
冬馬「まぁ、結論はこうだよな」
北斗「まぁ妥当でしょうね」
黒井「ウィ、良く聞け!哀愁漂う労働基準法スレスレ人間。今回はP.Kジュピターとして協力しない!」
P「えぇ!そんな!後、サービス残業は俺が好きでやってるんで!
ブラック企業の社員みたいに言わないで下さい!」
翔太「言わされてるんだね可愛そうに……」
冬馬「哀れ、だぜ……」
P「やめろ!そんなんじゃないから!ホント!」
北斗「端から見れば、本当にブラック企業社員のソレですね」
冬馬「どっちが黒いかわかんねぇなホント」
黒井「まぁ、どちらにせよ私達は勝てない勝負には乗らん」
北斗「仮に勝てたとしても、今回はプロデューサーさん自身が解決するべきでしょう」
翔太「一回ちょっと反省した方が良いしねっ!」
冬馬「アイツの件だけじゃなくて、人としてだけどな」
黒井「と言う訳だからさっさと貧乏で陳腐な
貴様の事務所に帰るが良い!タクシーならいつも通り下に用意してある」
P「うぅ……最後の望みが……いや……そうだ!!」
冬馬「うわっすげえ悪い顔になったぞ」
P「……なら1つだけ!1つだけで良いからお願いがあります!」
黒井「なんだ、見苦しいぞ貧乏人」
P「俺に……Alice or Guiltyを歌わせてください!」
ジュピター「!?」
黒井「正気か貴様!あれはジュピターも猛練習の末に習得した楽曲だ!
プロデューサーを兼業してて、しかも短期間でまともに出来る曲では無い!」
冬馬「その通りだ。確かに今までは765プロの、女が踊る曲がメインだったから
比較的にダンスも大人しめだし短期間でも習得出来た」
翔太「だけど流石に今回は勝手も違うからねー」
北斗「いや……このプロデューサーだからこそ短期間で習得出来るのかもしれません」
黒井「何!?」
北斗「考えてみてください、普通に考えれば765プロのプロデューサーは
プロデューサーの仕事の域を超えてます。プロデューサーと称して
マネージャーの仕事やさらに、事務員の仕事である雑務も一部兼任してますから」
冬馬「なるほどな……それにプラスでP.Kジュピターの練習……
確かに普通の人間ならぶっ倒れてるぜ」
黒井「……フン、なら良いだろう!だが条件がある!」
P「あっ、ありがとうござい……って……じょ、条件ですか?」
黒井「そうだ!貴様にAlice or Guiltyを歌わせてやるがその代わりに
貴様のAlice or Guiltyを正式にアイドルとしてリリースしろ!
その間のプロデューサーとしての活動は一切認めん!これは高木にも伝える!
そして4週以内に、どっとっぷTVでトップ20以内に入れ!
出来なければ二度と961プロは貴様に協力しない!」
P「そんな無茶な!」
北斗「って事はプロデューサーさんはソロで
ちゃんとしたアイドル活動をしないといけない訳ですね」
冬馬「仕方ねぇな……俺らもレッスンぐらいなら
手伝ってやるから、今回くらいは一人でがんばってみろって」
P「確かに一人よりは心強いけど……本当に大丈夫なんだろうか」
北斗「弱音なんてらしくないですよ!ほら、がんばりましょう!」
黒井「決まったらさっさと帰った帰った!」
P「トホホ……」
765プロ前
P「ど、どうすれば良いんだ……」
P「ただいま戻りましたー……」ガチャ
律子「プロデューサー!またどこほっつき歩いて……って
……何か何時もより元気ないですね……どうしたんですか?」
P「あぁ、そう見えるか?すまないなハハハ……」
高木「君ィ!!勝手に困るよ!」
P「え?どうしたんですか?急に」
高木「黒井から聞いたよ!なぜ君がソロでアイドル活動する事になっているんだね!?」
律子「!?どう言う事ですか?」
P「もう社長に話したんですか……」
高木「律子君……このFAXを見ればわかるだろう」
『やぁ、一文無しプロダクションの高木。いかがお過ごしかな?
この度、貴様の事務所の無能プロデューサー君は短期だが
我が961プロで明日からソロのアイドルとして活動する事になった。
そちらにはしばらくの間、代理プロデューサーとして
三条馬君が行く事になってるからよろしく頼んだ』
律子「……」
P「りっ、りっちゃん?落ち着け!落ち着け!シットダウン!」
律子「またあの訳の分からないユニットかと思ったら!
今度はソロ活動!?あぁもうダメ……」
P「り、律子ーッ!!」
高木「君が明日直接言うと大混乱だろうから、私からアイドル達には事情を話しておく。
ただし!くれぐれも早く帰ってくるんだよ?
普通ならこの時点で首が飛んでいる身なのだから……それをわきまえたまえよ」
P「す、すいません!……そしてありがとうございます!
かならず成功して見せますからね!!」バタン
高木「彼は本当に反省しているのだろうか……」
小鳥「たぶんしてないと思いますよ」
そしてついに翌日から、961プロ精鋭のトレーナーと
ジュピター直々の指導による、プロデューサーの猛特訓が始まった。
トレーナー「はい、ワンツー!ワンツー!」
P「ハァ……ハァ……」
冬馬「ほら!そこの時を刻む部分!ソロなんだからもっと大きく自信を持って!」
P「おっ……おう……ごほっごほっ!」
翔太「そこは滑らかに動かないとダメだよ!カクカクじゃん!」
P「ここか……ゼェ……ゼェ……」
北斗「はい!この時点での立ち位置、半歩ズレてますよね。まぁ徐々に直していきましょう」
P「ちょ……ちょっとスパルタ過ぎやしないか……?俺もう二十代後半なんだけど……」
冬馬「じゃあ一旦休憩だ、俺達はちょっと話があるから先に失礼するぜ」
……
………
冬馬「流石にやりすぎじゃねえか?」
北斗「まぁでも社長も本気で言ってる訳じゃないだろう。
あくまでダメ人間一歩手前まで来てるプロデューサーさんを更生させるためだからな」
冬馬「確かに人のしかも自分の担当アイドルの家に上がりこんで
飯食って食費浮かせてるとか頭おかしいからな」
翔太「ぶっちゃけいくらがんばってもどっとっぷTVのランキングにも入れないでしょー」
冬馬「まぁ様子見て、限界だと思ったら許してやれば良いんじゃないか?」
北斗「じゃあそろそろ戻るか………プロデューサーさーん!練習再開ですよ……って」
P「なるほど、これはこの方がキレが良いな」シュタッシュタッ
冬馬「……なんかだんだんうまくなってね?」
翔太「これヤバい感じだよ……」
この後、ジュピター達の予想を反して実力を伸ばし始めたプロデューサーは
短期間のトレーニングの間にもめきめきと実力を伸ばしていった。
そしてリリース4週前……
961プロ、レッスンスタジオ
P「いぃまぁ!きぃみぃのぉ!さぁばぁぁきぃぃでっ!」
冬馬「完璧、だぜ!!」
翔太「うわー!ホントに踊りきっちゃったよ!」
北斗「言う事なしですよ!すごいですね、ホントにこの短い間で
完全に物に……いえ、もしかすると俺達以上かもしれません」
P「ふぅ……いや、俺の力じゃないよ。お前たちの指導あってこそだ!
ありがとう!これで世に出しても恥ずかしくない出来になった!」
冬馬「へへっ、照れるだろうが!」
翔太「後はリリースに向けての売り込みだね!」
P「ここに来てなんだろう……何か大事な事を忘れてる気が……」
冬馬「どうせ忘れてる様な事だし大した事じゃねぇよ!
さぁ、飯食ったら一緒に午後からのオーディション行こうぜ!」
P「そうだな!どうせ大した事じゃないだろう!
今の、この大きな目標に比べればみな些細な事だ!」
同時刻、765プロ
貴音「私が……私があの時我侭を言わなければ……うぅ……」
春香「だ、大丈夫ですよ!プロデューサーさんだって
終わったらすぐに帰ってくるってメールで言ってましたから!」
美希「春香、それ皆に送ってたメールでしょ……しかも
そのメールの後から、誰もハニーからのメールが届いてないって言ってるし」
雪歩「絶対に前までは2日に1回は皆にメールが来てたのに……」
伊織「むきーっ!アイツ何やってんのよ!帰ってきたら承知しないんだから!」
律子「早く帰ってきてくださいよプロデューサー……もう事務所の子も限界です」
……
………
三条馬「ジュピターのマネージャー、三条馬静(26)華麗に推参!……のはずなのに……」
三条馬「なぜか961プロを追い出されて今、あの765プロでプロデューサーをしてます……トホホ」
音無「あっ、三条馬さーん!書類ほとんど契約部分とか間違ってますからね!
一部は私が手直ししておきましたけど、残りは自分でやってくださいね!」
三条馬「す、すいませーん!!……はぁ……」
真美「ちょっとちょっと、さっちゃん!そろそろ、真美達のオーディションじゃないの?
ボード見たけど今からだったらちょーギリっぽいよ!ヤバイよ!」
三条馬「えっ、えー!?うわっホントだ!早く行きましょ!
ここなら高速で飛ばせば間に合うわ!」
貴音「失礼な事とは重々承知の上ですが……
三条場嬢、それは車の鍵では無く事務所の鍵では?」
三条馬「え?嘘!?……もう嫌ー!」
律子「大丈夫かしらこんな調子で……」
翌週
P「P.Kジュピターのボーカルからソロデビューしました!どうぞよろしくお願いします!」
偉い人「へぇ!あのP.Kジュピターの!いやぁ娘が大ファンでねぇ」
P「あっ、ありがとうございます!ならせっかくの機会ですしVIP会員証を差し上げますよ!
これはメンバーが直々に認めた人にしか配ってないんですが……娘さんの分もどうぞ!」
偉い人「おぉ!これは娘も喜ぶ!ありがとう!必ず贔屓にさせて貰うよ」
P「ほ、本当ですか!」
偉い人「あぁ、これからもがんばりたまえよ!」
P「はい!」
……
………
P「ふぅ、これで今日の営業は全部終わった……セルフプロデュースも楽じゃないな」
春香「あっ、プロデューサーさん!」
P「はっ、春香じゃないか!どうしたんだこんな時間に!」
春香「えへへ……今日遅くまで仕事だったんですけど終電乗り過ごしちゃって……
ケータイも電池切れちゃったし、近くに公衆電話も無いから親も呼べなくて……」
P「何やってるんだ!とにかく一旦響の家まで来い!」
春香「え?」
響家
P「と言う訳だ」
響「ふぁぁ……寝てるのをインターホン連打と
いぬ美の声で無理矢理起こされたと思ったら
電話だけかしてくれって、無茶苦茶すぎるよプロデューサー……」
P「いや、俺のケータイも良く考えたら電源切れてるし
アイドルを自分の家に上がらせるのもどうかなと思って……」
響「果てしなく今更じゃないか?……」
春香「はい、連絡取れました!今から迎えに来てくれるって言ってました!」
P「おう、良かったな!って親御さんには場所教えたのか?」
春香「前にも遊びに来た事があって、その時にたまたまお父さんに送ってもらったんで……」
P「なるほど」
響「で、もう良いのかー?……早く寝たいんだけど」
P「おう、わざわざすまないな。こんなの響にしか頼めないからさ!」
響「(自分に……だけ……)え、えへへ!まぁ、自分完璧だからな!
プロデューサー、また困ってたらすぐに助けるからねっ!」
春香「……プロデューサーさん、気をつけないと何時か刺されますよ。見境ないと……」
P「!?……あぁ、気をつけるよ」
春香「本当に解ってるのかな……あっ、そうだ!
プロデューサーさんの活動名ってもう決まったんですか?」
P「あぁ!『J.Kプロデュース』にしたよ。なんだかんだ言って
ジュピターの皆と黒井社長にはすごく助けられて成り立ってる所もあるからな!」
春香「その略称はやましい意味が無くても、止めた方が良いと思うんですけど……」
春香「……ってJ.Kプロデュース!?」
P「ん?どうかしたのか?」
春香「プロデューサーさんって今度、上方エリアでフェスの予定ありません?」
P「どれどれ……あぁ、入ってるな。でもなんで春香が知ってるんだ?」
春香「そのフェス!真が一緒に出る奴ですよ!」
P「な、なにぃ!?なるべく765プロとは被らない様にしてたのに……」
春香「どうするんですか!今だけは同じ事務所じゃないにしても潰しあうなんて……」
P「いや、いい機会かもしれない」
春香「?」
P「良く考えれば夢の様な対戦カードだ。俺にとっても
真にとってもこんなフェス二度とありえないだろう」
P「だからこそ、このフェスで得られた事はきっと後で何かの役に立つはずだ!
それに、何時もは舞台裏でしか真を見れてないしな。
この対決を通して、俺も真の良さや直すべき所がもっとわかるはずだ。
せっかくの縁だ、ライバルとしてもプロデューサーとしてもがんばるよ」
春香「そこまで考えて……わかりました!
プロデューサーさん、がんばってください!」
P「おう!」
春香「でも、真にも負けてほしくありません!」
P「な、なんだそりゃ……」
春香「私、どっちにもがんばってほしいですから!
……まぁ私が言うまでも無いと思うんですけどね!」
P「そうか……ありがとう」
春香「でも私、さっきのプロデューサーさんの言葉を聞いて安心したんです。
あぁプロデューサーさんは真剣に、今はアイドルとしてがんばろうとしてるんだなぁって。
遊びや冗談半分でやってるんじゃないんだって」
P「……あぁ」
P「って、なんで俺アイドルやってるんだ?」
春香「え!?」
……
………
P「じゃあ、気をつけてなー!」
春香「はーい!と言うかプロデューサーさんは早く貴音さんに謝ってあげて下さい!」
P「あぁ……いやぁ、完全に忘れてた。この曲、貴音へのプレゼントだったんだよな」
そして、きたるフェスの日の朝
961プロ前
黒井「諸君に集まってもらったのは他でもない。今日はついに
J.Kプロデュースのシングルリリースの1週前のフェ」
翔太「堅苦しいのは良いからさ!久しぶりに出来るんでしょ!ライブ!」
北斗「あぁ、流石に今回はあちらもノーガードだろう。誕生日でもないしな」
冬馬「まさかあのプロデューサーのライブのゲストで来るとは思ってないだろうしな」
黒井「そうだ、だがしかし問題が2つある」
北斗「問題……ですか?」
黒井「ウィ、今あの乞食飯プロデューサーが用意してる衣装はヴァイスジュピターだ」
翔太「僕らの衣装だねっ!」
黒井「だがそれではP.Kジュピターの美学を成しえないんだよ」
冬馬「だから別の衣装を急いで調達する必要がある……と?」
黒井「そう言うことだ。そしてもう1つは……」
黒井「あのプロデューサーがフェスで勝てるかどうかだ」
冬馬「確かに盛り上がってねぇ所にアンコールなんてありえねぇもんな」
黒井「今回、フェスにあたってのコツ等も一切伝えていないからな。
あくまでステージで踊るための技術だけだ」
北斗「オーディエンスの沸きが足りなくなるかもしれないと?」
冬馬「そうなれば、俺達は衣装を抱いてそのまま東京にオウム返りか……」
翔太「むなしすぎるよソレ……」
北斗「最悪、真ちゃんのライブへの乱入と言うのは……」
黒井「却下だ」
北斗「oh……」
黒井「では、そろそろ時間だ。いくぞ!961プロー!ファイッ!」
翔太「それ765プロのパクりじゃん……」
北斗「こういう時は嫌でもオマージュって言うんだ、翔太」
冬馬「………」
黒井「少しは反応してくれても良いだろう!鬼か貴様ら!」
すいません遅れました!
たくさんの保守ありがとうございます!再開します
数時間後、フェス会場
P「ふぅ……ついに、フェスが始まるのか……緊張するな」
『アートドレクラーイースースメバイイノー』
P「!?これは……迷走Mind!……って事はヤバいもう始まってる!?急げ!」ダッ
……
………
春香「あれ?プロデューサーさんのライブまだ始まってない?」
美希「もう開始時間とっくに過ぎてるの、真クンも歌い始めてるし」
真美「あー!兄ちゃん来たよー!汗だくで!」
貴音「汗だく……?」
P「すいません!遅れました!……会場の皆!遅れてごめん!」
ウォー!キニスンナー!ニイチャンケツダセー!(野太い声)
スタッフ「あぁ、やっと来てくれた!では……J.KプロデュースでAlice or Guilty!」
ダダンテディーンダンダダンダダンダ
美希「きゃああああああああ!!なの!」
春香「プロデューサーさーん!こっち向いてー!」
P「うーそーのーこーとーばーがあふれっ!!」
ウォォォォォォ!!
真「(くっ……プロデューサーも歌い始めたみたいだ……)そのすぅべがぁわからぁないっ!」
キャアアアアア!!
舞台裏
冬馬「どっちもすごい熱気だな……」
翔太「しかしまぁ良くすぐに見つかったねーこれ」
北斗「いよいよ、ダーク♂エンジェルちゃんに狙われそうだ……」
黒井「まぁそこそこに苦労したからな、セレブな私に感謝して着るが良い。
マイディアヴァンパイア(ソフト八重歯付き)だ!」
……
………
P「まぁぁちぃぃぃはぁぁゆうがああんだっ……(あれっ?音が鳴らない!?トラブルかっ!くそっ)」
真「ふかしな(あれ……?)らーびーりーんすっ!」
カブセタッ!?スゲエエ!キャアアア!ウォォォホラセテクレエエエ
P「(あっ、音が直った!しかも心なしかボルテージも……いけるっ!)君を見失う……」
P「Alice……」
フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
―――……
P「ふぅ、この勝負……どうやら俺の勝ちみたいだな」
春香「すごいですよ……あれ狙ったんですか?」
P「ん?なんのことだ?」
真「またそうやってとぼけて……僕の歌を知っててやったんでしょ?ずるいですよー!」
P「いやホントなんのことだかさっぱり」
貴音「あなた様……先日はささいな事で怒って申し訳ありません!
あなた様のぱふぉーまんすを見て、すべて伝わりました……」
P「いや、これは俺がわるかっ……やっぱやめとこう、この後のステージも見てくれよ。
そこに俺の……いや俺達の貴音への気持ちを詰め込んだからさ!」
貴音「はいっ!」
……
………
北斗「社長の仕業でしょ?こんなオーディエンスの盛り上げ方出来るのはウチだけですよ」
翔太「流石に音響妨害の実績は伊達じゃないよねっ!」
冬馬「はじめて真っ当に使われた気がするぜ」
黒井「無駄口を叩いてる暇があったら、私の八重歯を付けるのを手伝え!はまらんのだ中々!」
冬馬「じゃあ、俺はあのプロデューサーを呼んでくる」
翔太「その格好じゃまずいよー!」
北斗「そうだぞ、せっかくのサプライズだ。ステージで御見せしないとな」
冬馬「なら、ケータイで呼べば良いだろ?」
冬馬「おぅ、来いよ。場所は清掃室だ……おぅ、わかった」
冬馬「後、5分で来るってよ」
北斗「最後にあわせなくて大丈夫か?『ずっきゅんっ!ヴァンパイアガール』の振り付け」
翔太「20分くらいあるし自主トレしてるって言ってたから大丈夫でしょー?」
冬馬「じゃあ、俺も準備するか!」
ガチャ
P「すっ、すまん!ステージ裏からここまで遠くて……」
黒井「ウィ、お疲れ。衣装ならそこだ。ソフト八重歯はつけにくいから気をつけろよ」
P「はい!」
冬馬「着替え終わったら最終調整な」
北斗「以前よりも格段にレベルがあがったP.Kジュピターを見せてやりましょう!」
P「そうだな!」
客席
律子「プロデューサー、思ったよりも真面目にやってるのね……
馬鹿にしてたけど、挨拶くらいした方が良かったかな……」
伊織「うん……ちょっとかっこいいって思っちゃ……やっぱなんでもないなんでもない!!」
あずさ「あらあらー、良いのよ?伊織ちゃん。プロデューサーさんかっこよかったものねー」
亜美「しょーじき、誕生日にどうせならあれやって欲しかったよー……」
アンコール!アンコール!
キャアアアアアアアアアアアアア
伊織「来たわ……ぇ!?」
冬馬「みんなー!元気かー!」
翔太「やっほー!貴音さん見てるー?」
黒井「ウィ、どうも会場の紳士淑女の皆さん。P.Kジュピターです」
P「今日は俺のために皆が来てくれたんだっ!皆拍手で迎えてあげてくれー!」
ウォオオオオオオ!!!キタァァァァァ!!
春香「あっ!プロデューサーさん……が……吸血鬼の衣装……って事はまさか」ガクガク
律子「………」バタンッ
伊織「あぁ!律子!しっかりしてちょうだい!アンタが
居なくなったら私もう耐えられないのよ!」
三条馬「あー!あの子達なんて格好してるのよ!」
貴音「……」プルプル
貴音「めっ、面妖にゃぁっ!!」ポタポタ
貴音「あなた様の気持ちとはそう言う事だったのですね……フフフ……」ブツブツ
美希「こっ、壊れたの……」
あずさ「誕生日のお詫びに、これって結構ダメージでかいわよね……よしよし」
伊織「しかもアイツら悪気も何も無いのが余計にたち悪いのよ……」
北斗「会場の皆、チャオ☆伊集院北斗です!」
ホクホクケツムケテー!ホラセテー!
北斗「(幻聴だ……幻聴)今回の曲はプロデューサーさんに言ってもらいましょうか!」
P「あぁ……今日歌う曲は……『ずっきゅんっ!ヴァンパイアガール』だっ!」
ウォォォォ!!オジョウウウウウ!!!
P「どこかへおでかけえええ、おじょうさまああああ!」
ユキホオジョオオオ!!!キャアアアア!!ウォオオ!!
黒井「のどがからからっげんかいぎりぎりっはっきょすんぜんっ!」
美希「さぁ、合いの手入れるの!せーのっきゅううううん!!」
やよい「きゅーん!!」
千早&伊織「!?」
千早「きゅーん!!きゅーん!!」
やよい「その……ちょっと近いかなーって……」
伊織「(あっ、もうどうでもよいわ)きゅーん!!」
北斗「ハッ☆テン おいしそおおなおとこのこじゅるるん!」ガクガク
ウォオオオオ!!!タベテエエエエ!!オレヲクッテクレエエエエエ!!(野太い声)
黒井「いいもーのあげるぅぅくぅぅらやみでぇぇ!」
翔太「おもわせぶりにウィンクッ☆!」パチッ
キャアアアアアアアアア(黄色い歓声)
P「パッとまって!」
翔太「ガッとやって」
冬馬「チュッと吸って」
北斗「(もういやだ……)haaaaaaaaaaan!!!」
ウォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
――
P「ふぅ、最高のライブだったな!」
北斗「後ろが怖くて仕方なかったですよ……」
冬馬「まぁなんだ……狙われやすいみたいだな。ドンマイ」
北斗「同情はやめろ……」
翔太「いやーっ楽しかったねっ!またやろう!」
黒井「また1つ、ここに歴史を打ち立ててしまったか……」
ユラァ・・・ユラァ・・・
律子&三条馬「あぁぁんたぁぁたぁぁちぃぃぃ………」ゴゴゴゴゴ
5人「ヒィッ!!」
律子「私達、考えました。そして決めました……」
三条馬「本当の敵は765でもない……ましてや765の娘達でも無い……」
律子「本当の敵は……」
律子&三条馬「アンタ達だああああああ!!!」
この後、律子と三条馬さんはメールを交換して
P.Kジュピターを未然に防ぐ事務所合同対策本部を打ち立てたのだがそれはまた別のお話……
おわり
貴音「あ゙な゙だ様は……ぼんどぅに……いけずです……」
P「いや、その……うん、なんかごめんな?」
貴音誕生日に立てられずさらに、こんな役回りでしか書けなくてごめん!
何時か必ずこのツケは払うから!って訳で皆さん、VIP落ちて調子悪くなったりして
中々短めなのに遅くなっちゃいましたがありがとうございます!
このSSまとめへのコメント
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