涼「生理がきた……」(175)
涼「え、え……」
涼「……どういうこと……?」
涼「……」
タラー……
涼「……っ」
涼(ふとももに、あたたかい何かが伝わる感覚が)
涼「……と、とにかく……このままじゃ、衣装が汚れちゃうよね」
涼「ジャージに着替えよう……」
涼「……」
絵理「……涼さん?」
涼「うわああ!? え、ええ、絵理ちゃん!?」
絵理「どうしたの? なんだか……ちょっと、暗い?」
涼「あ、いや、その……」
絵理「……?」
涼「あ、あはは……実は、ちょっと……あの日でね」
絵理「あぁ、そういうことなんだ」
涼「あははは……」
涼(嘘をつきました)
涼(嘘であってください、神様)
._ - '"×××××××゛''- ,
, - "××××××××××××''-.,_
/×××××××_,,.-‐―――-. .,,_×x\
/×××××x_,,.-''" ,_,,..-‐――‐‐‐-..'-,,_xヽ
./×××××,.-'' _,,.-''××××_×__×゛x-.,,_
/××××./ ,,.-''×××x,,.-''":::::::::::::::::::: ̄゛::''‐ミヽ
/××××/ ./i\__x.-‐'::::::::/ヘ::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::',ヾ',
/×××x / / ノ::::::::::::::/:::::/ ヽ:::::::ヽ:::::::::::::::::::::::', ヘ
i×××x / / ̄:::::::::::::_,,..-‐'" ヽ:::::ヾ:::::::::::::::::::/:i .|!
. |×××x/ /:::::::::::::::/--‐‐‐-- ..,_ ヽ::::ヘ:::::',::::::/ o| /
|×××x |r''⌒|:::::::::/ _x==ェ,, ゛ \',\ヽ/0':|/
.ヘ×××xi :⌒ |:::::::/ 《 ハ"::::i ヾ,, ..,,__ `<( )':::|
ヽ××x i V/ ヘ:::/ 弋ニノ_., ' _,,, ゛ヽ.〉':::::::|
ヽ××弋''-.,ヘ_| .ハ7:iヾ:, , '::::::::/
\×x..|\._ .〈;;;ソ.., "/::::::::::/
\x|::::()ヘ 、 /:::::::::::/
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__ ノ::::::::()/ ヽ ` _/ | /:::::::::::/ >>1乙?
,,r‐.、 _,,.-'' ̄フ/ ヾ | | /|:::::::::::,'
__/ _ `< "ヘ \ .|..├ " .|::::::::::i
/ / .ヽヘ '., ,イ''-=ニ_.| |__ i::::::::::i
,' ヾ', ヘ / .| / .| | .| ヽ、 .|:::::::/
..,' .iヘ .ヘ / |. / //⌒>‐、 ヽ .|:::::/
,' ミミ::、',', \ .リ.ソ .i' /_,,..-‐、/:::/
| ヾ ',',. \_ ノ / ,' ,' >..,,_ ヽ;/
| ミ',',. ./ミy i )' ,,/ //
ズドンッ
涼「……っ!」
涼(な、なんだろう……なんか、おなかが殴られたみたいな)
涼「……たたた……」
絵理「……涼さん、今日はこのあと……」
涼「うん、えーっと……レッスンに行こうかなって思ってたけど……」
絵理「無理、しないほうがいいと思う」
涼「……そうだね」
涼(とにかく今は、それどころじゃないし……色んな意味で)
絵理「だいじょうぶ? 薬、貸そうか?」
涼「くすり?」
絵理「うん。バファリン」
涼「え……バファリンが、生理痛に効くの?」
絵理「鎮痛剤だから……常識?」
涼「あ、そ、そうだったね……あははは……」
涼「……」ゴックン
涼「ふぅ……効くかなぁ、これ……あたた……」
絵理「……ふふっ」
涼「う~……な、なに……?」
絵理「あ、ごめんね、涼さん。でも……なんだか、レアだから」
涼「レアって……私がこうしてることが?」
絵理「うん。わたしやまなみさん、尾崎さんがそうなってるのは、たまにあったけど……」
涼「……」
涼(そんなとき、いままで僕は、適当に相槌を打ちながらレッスンスタジオへ逃げていっていたのでした)
絵理「涼さんがソレ、来てるのは、初めて見たから」
涼「……た、タイミングがね、良かったんだよ」
絵理「ふぅん……そっか」
涼「……つつ」
涼(僕の人生、いついかなるときも、タイミングが良いときなんてあっただろうか)
涼(神様……ああ、神様……お願い、この痛みを消して……)
絵理「アレ、ある?」
涼「アレ……?」
絵理「ナプキン」
涼「!!!!」
涼(なっ、ななな、なぷ)
涼「あ、あう……」
絵理「あるの?」
涼「あ、いや、その……いま、手持ちにないんだ」
絵理「そっか……ごめんね、わたしも今は持ってないの」
涼「……」
絵理「でも、たしかここに……」
ガサゴソ
涼「え……」
絵理「……あった。ほら、これ、使って?」
涼(876プロの事務所に、生理用品が常備されていることを、僕は今の今まで知りませんでした)
絵理「はい」
ポン
涼「あ……」
絵理「……?」
涼「……じゃ、じゃあ、行って来る……ね」
絵理「うん」
涼「……」
涼(とにかく……)
涼(コレを使うかどうか、その判断をする前に、僕にはするべきことがある)
涼(この現象が、一体なんなのか……確かめること)
涼(そうだよ)
涼(つい、生理なんて思っちゃったけど……もしかしたらこれは、ただの腹痛で)
涼(それで、この血は……ただの痔、かもしれないじゃないか!)
【トイレ】
涼「……よし。ちゃんと、おちんちんはある……ここから血が出てる、なんて怖いこともないみたいだ」
涼「……ジャージを脱ごう。脱いで、確かめないと」
シュルシュル……
パサ
涼「……っ」ブルッ
涼(でも……正直、この目で見るのがこわい)
涼(……ちょっと、ちょっとだけ、先に指で触れてみよう)
涼(この血の、出所を……)
ソー……
ぬちゃり
涼「!!!!!?」
涼「え、え……」
涼「ぬ、ぬちゃりって……なに……?」
涼「まるで、ナニかで濡れた、肉みたいな音」
涼「……っ」
涼(……というか、今まで少し余裕がなくて、気付かなかったけど)
涼「はぁ……はぁ……」
涼(なんだろう、この匂い)
涼(鉄……っていうか、やっぱり、血の匂い)
涼(……鞄の中に放置した、フライドポテトのような匂い……)
涼「……」
ダラダラ
涼(僕の全身から、大量の汗が吹き出してくる)
涼(それは、この痛みによるものでも、匂いがキツいせいでもない)
涼(これは――恐怖)
涼(この先にあるものを確かめることへの、恐怖心によるものなんだ――)
涼「……痔」
涼「あ、そ、そうだ……まだ、おしりの方を確認してなかった!」
涼「そうそう……昨日はつい、ドライの方に夢中になっちゃったから」
涼「それで……それで、さっきはそっちをさわっちゃったのかもしれないよね……!」
さわっ
涼「んっ……」
チラ
涼「……」
涼(……僕のおしりの穴は、無事だったみたいだ)
コンコン
『涼さーん?』
涼「っ!」
『だいじょぶですかー……?』
涼「あ、愛ちゃん……」
『あの、あたし、よくわかんないけど……絵理さんから、涼さんが大変だって聞いて……』
涼「あ、う、うん……大丈夫、もう大丈夫だよ。心配しないで」
『それならいいんですけどー……』
涼「……」
涼(一体なにが大丈夫だって言うんだろう)
涼(僕は……一体、どうなってしまったんだ……)
ジャー
……ガチャ
涼「……おまたせ、愛ちゃん」
愛「え!? あ、あたしはべつに……」
涼「ふふっ、トイレ、使いたかったんでしょう?」
愛「……えへへ」
涼「ごめんね、ちょっと……匂うかもしれないけど」
愛「だいじょぶです! あたし、慣れてますから!」
涼「……そっか」
涼(そういえば、いつしか僕も……慣れていたよね)
涼(ここに所属するようになってから……この匂いには……)
絵理「……涼さん」
涼「あ……絵理ちゃん」
絵理「愛ちゃん、きた?」
涼「あはは……うん」
絵理「そう……ごめんね」
涼「えぇ、な、なんで謝るの?」
絵理「だって……わたしが教えちゃったばっかりに、愛ちゃん心配して、飛んでっちゃったから」
涼「……いいよ。それに、本人もトイレ使いたかったみたいだし」
絵理「……」
涼「……それより、絵理ちゃん」
絵理「どうしたの?」
涼「お願いがあるんだけど……」
絵理「うん、なんでも言って?」
涼「……ナプキンの使い方、教えてくれない?」
絵理「……もしかして、涼さん」
涼「あ、い、いやね!? 違うよ、違うんだけど~……」
涼(ぎゃおおん! 一体何が違うっていうんだよぉ!)
絵理「……ふふっ、大丈夫。わたし、わかってるから」
涼「あの、だから……」
絵理「涼さんは……タンポン派、なんでしょう?」
涼「……は……?」
涼(タンポン……? タンポンって……?)
涼(……と、とにかく今は、話を合わせておこう)
涼「そ、そうなの! 実は私、初めてきたときからずーっとタンポン一筋で! お気に入りっていうか!」
絵理「そ、そう……」
涼「うぅ……」
涼(なんか、絵理ちゃんがへんな目線で僕を見ているような……間違ったこと、言っちゃったかな?)
絵理「……涼さん、やっぱりタンポン派なんだ」
涼「あはは……」
絵理「涼さんは、ダンス得意だからね。激しい運動をするときには、そっちのほうがいいかも」
涼「え、えーっと……」
涼(ダンス? それってなんか、関係するのかな?)
絵理「わたしは、あの感覚が……ちょっと、苦手?」
涼「そ、そう……」
絵理「……でも、残念だけど、タンポンの予備は、事務所にはないかも」
涼「そ、そっか……それじゃあ私、今日はもう家に――」
絵理「あ……でも」
涼「え……」
絵理「尾崎さんなら、持ってるかも」
涼「……わ、わざわざ尾崎さんに借りることは……」
絵理「でも、きっともうすぐ……」
ガチャ
尾崎「絵理が私を呼んでいると聞いて」
涼「!?」
尾崎「で、どうしたの?」
絵理「あのね、実は……」
涼「あっ、あ、ちょ、ちょっとまって、絵理ちゃ――」
絵理「涼さん、生理なんだって」
尾崎「……は?」
絵理「だから、尾崎さん。もしタンポン持ってたら、貸してあげて?」
尾崎「……」
涼「……」
尾崎「……涼が、生理……」
涼「……」
尾崎「へぇ……なかなか、面白いことになってるじゃない……」
涼(……この事務所で、僕の正体を知っている人は、三人しかいない)
涼(石川社長と、マネージャーのまなみさんと、……そして、絵理ちゃんのプロデューサーである、尾崎さんだ)
涼「……」ダラダラ
尾崎「……」スッ
ポパピプペ
尾崎「……あっ、もしもし。お疲れ様です、石川社長」
尾崎「……ええ、実は……」
尾崎「涼が生理とか言い出して(笑)」
涼(ぎゃおおおおおおおおん!!!)
尾崎「はい、はい……そうですよね。ええ、それじゃあ……」
ピッ
尾崎「……涼?」
涼「はい……」
尾崎「仕事をしたくない、レッスンをサボりたい……そういう気持ちはわからないでもないけどね」
涼「……」
尾崎「でも、生理を言い訳にしちゃダメよ。女の子は生理のとき、本当につらいんだから」
涼「そ、そんなつもりは……」
尾崎「じゃあなんだって言うの。あなたに生理が来るはずないでしょ?」ヒソヒソ
涼「……うう……」
絵理「……?」
涼(――どうする)
涼(どうするどうするどうするどうすりゅんりゅ……)
涼(……――っ!?)
涼(なんだろう、いま……フシギな言葉が、聞こえてきたような)
涼(……りゅんりゅん……?)
ズキッ
涼(――痛み、が……)
尾崎「まぁ、涼はセルフプロデュースだから、私があなたのアイドル活動にとやかく言う資格は――」
涼「はぁっ、はぁ……」
尾崎「って……涼、どうしたのよ!? すごい汗……!」
涼「……わかりました」
尾崎「え……?」
涼「……“私のこと”を知っている人には……いずれ、話さなきゃいけないことですし」
尾崎「涼……? あなた、少し目が……」
涼「見せます、尾崎さんに」
涼「……私の、現状を」
尾崎「……」
尾崎(この感じ……涼、あなたもしかして、本当に……)
絵理「涼さん……?」
涼「絵理ちゃんは、ここにいて」
絵理「でも……なんか、ちょっと、こわい?」
涼「……ふふっ、大丈夫。尾崎さんに、ちょっとタンポンの使い方を教えてもらうだけだから」
絵理「え……? 涼さん、知ってるんじゃ――」
涼「さあ、行きましょう、尾崎さん」
尾崎「……ええ」
【トイレ】
涼「……タンポンは?」
尾崎「あるわ。私もちょうど、二日前に来たところだから」
涼「そうですか、それなら良かった」
尾崎「……ねぇ、涼……」
コンコン
涼「愛ちゃーん?」
『はーい!』
涼「まだ、かかりそう?」
『ああっ! ご、ごめんなさい涼さん! い、いまひねり出しますねっ!』
『ぐぬぬぬ……!』
ポチャン ポチャン
ガチャ
愛「えへへ……おまたせしましたー」
涼「ふふっ、お疲れ様、愛ちゃん」
愛「はいっ! もうすっごいのが出ましたっ!」ピョン
涼「嬉しそうだね」
愛「えへへ……」
愛「それじゃあ、涼さん……あれ? 尾崎さんもいるんですか?」
尾崎「……」
愛「……連れションってやつですね!」
涼「うん、まぁ……そんな感じ?」
尾崎「……女同士、なんだけどね」
愛「いいですねっ、青春って感じです! それじゃ、ごゆっくりどうぞー!」トタタ
涼「さてと……」
尾崎「……涼、変わったわね」
涼「え、そうですか?」
尾崎「そうよ……前までだったら、今みたいな女子校のノリ、逃げてばっかりだったじゃない」
涼「……私にも、色々ありましたから」
尾崎「……」
涼「でも、これだけは言えます」
尾崎「……なに?」
涼「私が変わったのは……876プロに入ったことがきっかけということです」
涼「ここに来てから、私は……良い意味でも、悪い意味でも、たくさん変わってしまいました」
尾崎「……っ。あの――」
涼「どんな言葉も、いりません。とにかく、現状を見てください」
涼「そして……私を、助けて……」
ガチャリ
尾崎「……鍵は閉めたわ」
涼「……」
尾崎「それじゃあ、涼……」
尾崎「脱いでちょうだい」
涼「……わかりました」
尾崎(私はプロデューサーで、涼はアイドルで)
尾崎(傍から見たら、枕営業みたいな台詞ね)
尾崎(……そんなの、この子達にさせるなんて、絶対にごめんだけど……)
尾崎(とにかく……いまは、こう願うことしかできない)
尾崎(どうか……どうか)
尾崎(出てくるのが、おちんちんだけで、ありますように――)
お腹がすいたので夜ご飯食べてくる
i|!| |i┏┓! i!┏┳┓| |||i|!i| ||!i|| |||ii| ||| ||| |i||!|i│i!┏┓i!|
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i| |||i|!i| ||!|i||i! /,_ ┴─/ ヽ |!i| ||| |i||!|i|i|||| ||i
|i|| ||i!i|| (_゜.,》.'(_゜,》)ミ ヽ ! | |!i||!|ii||!|ii|
i|ii / ,,__,ニ、、 ノ( | i|i!|i|
|i | Y~~/~y} `, ~ | そ、そんなー… |i
!. | ,k.,.,!,.,.,r| ,! く .!
i / <ニニニ'ノ \ l
シュル、シュル……
パサァッ
尾崎「……っ」
尾崎(――この匂い)
涼「……尾崎さん」
尾崎「……」
涼「尾崎、さん……」
尾崎「……え、ええ」
涼「見てください……お願いします」
尾崎「……涼……」
尾崎(こんなに震えて……こわい、のね)
尾崎(……私がこの子のために、出来ることは……)
尾崎「……便座に座って、足を開いて。そしたら、そっちを向くから」
涼「……わかりました」
キタ
涼「……準備、できました」
尾崎「……」
チラ
尾崎「!!!!」
涼「うぅ……」
尾崎「……な、な……!」
尾崎(まず目に付いたのは、やはりおちんちん)
尾崎(実物を見たのはこれが初めてだったから、大きさについてはなんとも言えないけど……)
尾崎(皮をかぶった、親指大のかわいらしい男性器が、涼の股間に生えていた)
尾崎(あと、その付け根には、袋もあって……文献でしか知らないことだけど、ここで、精液が作られるのよね)
尾崎(そして――)
尾崎「これ……は……」
涼ちんって何故かデカマラのイメージがあるwww
尾崎(そして――その男性器の向こう)
尾崎(ちょうど、袋の付け根とお尻の穴、それらの間に位置するところに……)
尾崎(それはあった)
涼「うぅ……」
尾崎(私たち女にしかないはずのモノ)
尾崎(充血した肉の双壁。その隙間から、今この瞬間も濡れそぼる、赤い血……)
尾崎(緊張のせいか、少しヒクついて……これは、どこからどう見ても……)
尾崎「オマンコじゃない……!」
涼「あは、は……」
尾崎「あ……」
涼「……やっぱり、そう、ですか」
尾崎「……っ」
涼「……う」
ポロッ ポロポロ……
涼「う、うぅ……どうして、どうして……こんなことに……!」
尾崎「涼……」
涼「……! ……!」
尾崎(涼が、唇の端を思いっきり噛み締めながら、声も出さずに泣いている)
尾崎(唇から垂れる血。そして……今も頬を伝う涙)
尾崎(私は――)
尾崎「……大丈夫よ、涼」
涼「え……?」
尾崎「私は、あなたを見捨てたりしない。助けてあげるわ……だから、泣かないで」
涼「助けるって……元に、戻せるんですか?」
尾崎「……それは、出来ないけど」
涼「……」グスッ
尾崎「でも、今の苦しみを、少しでも和らげてあげることは出来るわ」
涼「え……?」
尾崎「……タンポン」
涼「あ……」
尾崎「タンポンの使い方、女としての生き方。それをあなたに教えてあげる」
涼「……やっぱり、私――じゃなくて、僕は……女の子になっちゃったんでしょうか」
尾崎「ペニスがあるからまだなんとも言えないけど……覚えておいて、損はないはずよ」
涼「……」
ゴシゴシ
涼「……お願いします」
尾崎「それじゃあ……まずは、便座の上に座って、もっと足を開いて」
涼「……うぅ……」
ガバ……
涼「こ、こうですか?」
尾崎「もっとよ。M字開脚と言ってもいいくらいに開くの」
涼「は、恥ずかしい……」
尾崎「必要なことよ」
涼「……わかりました」
ガバァ
尾崎「……そう、そうよ……」
尾崎「うん、良い表情してる……」
涼「尾崎さん……?」
尾崎「あ、いえ……なんでもないわ、ごめんなさい」
尾崎(なんだろう)
尾崎(涼に女の子成分があると判明した途端、私の心に、フシギな感情が……)
尾崎「……」ゴクリ
涼「……?」
尾崎「そ、それじゃあ……ヤるわよ」
涼「あの……尾崎さん」
尾崎「どうしたの?」
涼「今更なんですけど……タンポンって、どんなものなんですか?」
尾崎「え、知らなかったの?」
涼「は、はい……話の流れからして、生理用品だってことはわかるんですけど」
尾崎「……まぁ、実物を見たほうが早いかもね。えっと……」
ガサゴソ
尾崎「これよ」
涼「……これ、棒……?」
尾崎「棒に見えるのは、入れ物、つまりケースみたいなもの。経血を吸収するモノは、この中に入っているわ」
よくわかるタンポン
外筒
↓
○~ ← ━━一 ←差し込む
↑ ↑
吸収体 内筒
尾崎「タンポンは一般に、アプリケーターと言う、二層の筒から成っているわ」
涼「この内筒って部分が、外筒の中に入るんですね?」
尾崎「そうよ。内筒が差し込まれることよって、外筒の中に元々入っている吸収体が、膣内に挿入されるってわけ」
涼「なるほど……」
尾崎「持つのは、内筒と外筒のちょうど真ん中の……ほら、わかるでしょ」
涼「滑り止めがついています」
尾崎「そう。この部分を親指と中指で持って……そして人差し指で、内筒を差し込むのよ」
尾崎「それじゃあ、まぁ……やってみなさい」
涼「え……」
尾崎「……怖いのはわかるけどね。いずれはやらないといけないことよ。血まみれは嫌でしょう?」
涼「血まみれ……うぅ……」
涼「わ、わかりました……」
グッ ググ……
涼「……んっ……」
尾崎「へ、ヘンな声出さないでよ」
涼「だって、これ……」
尾崎「……」
尾崎(涼……うまく、入れる場所がわからないのね)
尾崎(無理もないわ。今の今まで、このオマンコは涼の体にはなかったんですもの)
涼「あ、ん……」
尾崎「……涼、貸しなさい」
涼「え……?」
尾崎「……私が、やってあげるわ」
涼「え……えぇえ!?」
尾崎「大丈夫、慣れてるから……決して痛くはしないわよ」
涼「で、でも……そんな、恥ずかしいです……」
尾崎「ここまでおおっぴらに見せておいて、今更恥ずかしいもなにもないでしょ?」
尾崎「大丈夫、大丈夫だから」
尾崎「先っぽだけだから」
涼「尾崎さん……?」
尾崎「ハッ……い、いえ、なんでもないわ……」
尾崎(私としたことが……今の生理中の涼の全身から溢れ出る、女性フェロモンにやられちゃっているわね……)
涼(……尾崎さん……僕を、助けようとしてくれてるんだよね)
涼(だって、そうじゃなきゃ……こんなの、絶対に嫌だろうし……)
涼「……そ、それじゃあ……お願いします」
尾崎「……ええ」
涼「……」
尾崎「もう一回、足を開いて……もう少し、そう……」
涼「うう……」
尾崎「それじゃあ……いくわよ」
クパァ
涼「!?」
涼「お、おお、尾崎さん!?」
尾崎「どうしたっていうのよ」
涼「な、なな、なんで……その、ソコを、開くんですか……?」
尾崎「だってそうじゃなきゃ、見えないんだもの」
※初めての場合は本当に必要なことです
尾崎「……」
ムニ ムニ……
尾崎(これは……)
涼「あう……」
尾崎「……涼、もう少し、力を抜いてちょうだい」
涼「そ、そんなこと言ったって……」
尾崎「入るものも入らないわよ、これじゃあ」
涼「……でも……」
尾崎「……わかったわ」
涼「え、な、なにがわかったんですか……?」
尾崎「緊張で力が入ってしまうのは、しかたないわね。だから……」
尾崎「ちょっと、ケツをこっちに向けなさい」
涼「え……えぇええ!?」
尾崎「私の顔が、足の間から見えているのが、緊張している原因なんでしょう?」
涼「そ、そう……なのかな」
尾崎「そうよ。だから、私はあなたのうしろにまわるわ」
尾崎「そして、バックから入れる。ズブリと」
涼「……」
尾崎「……」
涼「……わかりました。ここまできたら、尾崎さんを信じます」
尾崎「わかってくれたみたいで嬉しいわ」
尾崎「それじゃあ、うしろを向いて……」ニタァ
尾崎(下品な言い方だけど、今の私達の格好は、立ちバックを想像してもらえるとわかりやすいと思うわ)
尾崎「……もう少し、足を開いてちょうだい」
涼「こ、こうですかぁ……?」
尾崎「もっと……こうよ」
ナデリ
涼「……っ」
尾崎「あら、涼……男の子のくせに、足、綺麗ね」
涼「え……」
尾崎「無駄毛の処理もちゃんとしてるみたいだし」
涼「あ、それは……まなみさんにも言ったけど、僕、すね毛とか……生えたことなくて」
尾崎「え? それじゃあなに、処理は……」
涼「したこと……ないです」
尾崎「……」
尾崎(女の私でも嫉妬してしまうくらいのこの足が、処理したことないですって?)
尾崎(ホント、呆れるわ。生まれてくるときに性別を間違ったとしか思えない)
尾崎「ま、それはともかく……それじゃあ、挿入る(いれる)わよ、涼」
涼「は、はい……」
尾崎「……」
グニニ
涼「……んっ……」
尾崎(やっぱり、この角度からなら、さっきよりはやりやすいわね)
尾崎(いつも自分にしているのと同じ感覚でやれば……)
尾崎(……でも……)
尾崎「ちょ……っと、遠い……かしら」
涼「……」
尾崎「ごめんなさいね、体重、かけるわよ」
涼「え……」
ギュッ
涼「!!?」
尾崎「うん、これなら……」
涼「あ、あ、あ……」カァァ
尾崎「……」
尾崎(さっきから、気にしないフリをしていたけど……)
尾崎(ときどき、その……涼の男性器が、プラプラと私の手に当たるわね)
尾崎(ま、しかたないわよね……うん、しかたない)
涼(ああああ)
涼(せ、せせっ、背中に……お、おお、尾崎さんの……)
涼(柔らかくて、お、大きい、胸が……)
涼(それに……時々、僕の、おちんちんが……手に当たって……)
涼「……――っ!」
ムクムク
尾崎(あら? プラプラしたものがどっか行ったわ)
涼「うぅうぅうぅう……!」
尾崎(よくわからないけど……好都合ね。これで集中して挿入できる)
※尾崎さんはバックの体勢なので、ナニが起こっているかまったくわかりません
涼「あ、あう……」
ニュルリ ズブ
涼「!!!!!」
涼(な、なな、ナニかが……僕の、アソコに、入って……!?)
尾崎「……」
涼(こ、これが……タンポン!? あ、あ、あ……)
涼(……こ、この感覚……)
ゾクゾクゾク
涼(これは、まるで――)
涼(まるで、ドライ――)
尾崎「……もう少しで、終わるからね」
ニュ ブ ブ
チョン
涼「!!!?」
尾崎「あ」
尾崎(手がすべっちゃったわ)
尾崎(栗とリスの部分に、指先がふれちゃった)
尾崎(ま、これくらいなら、べつに問題は……)
涼「――――っ」
ビュルッ ビュルビュル
尾崎「え……?」
涼「……っ! ……っ!!」
涼(あ、あ、ああ……!)
涼(何も考えられない)
涼(ナニもわからない)
涼(気持ち良い……腰が、砕けちゃう)
びゅるるっびゅる
涼(止まらないよぉ……!)
尾崎「え、ちょ、ちょ……なに……?」
尾崎(私の手に、なにか、あたたかいものが……)
尾崎(ここから見えないところで、ナニが起こってるの……!?)
―――
――
―
涼「えっぐ……ひっぐ……」
尾崎「あー、その……」
涼「うぅ……!」
尾崎「……気を落とさないで?」
涼「だ、誰のせいでこんな……!」
尾崎「わ、悪かったわよ……まさかこんなことになるなんて思わなかったから」
涼「……」
ゴシゴシ
涼「……ごめんなさい、僕の方こそ」
尾崎「……」
涼「……手、洗ってきたほうが……」
尾崎「……そうね」
ジャー……
尾崎「……」
キュ、キュ
尾崎「……まさか」
尾崎(まさか、人生初の……射精の瞬間に立ち会うのが、こんなカタチだなんて)
尾崎(涼……)
涼「……まさか」
涼(まさか、人生初の……射精の瞬間を見られるのが、こんなカタチだなんて)
涼(尾崎さん……)
尾崎・涼(気まずい……)
尾崎「……と、とにかく」
涼「はい……」
尾崎「タンポンは、無事に装着できたわ。それ、見てごらんなさい」
涼「え?」
尾崎「あなたのおまたから、ヒモみたいなのが出てるでしょ?」
尾崎「それで大体4、5時間は持つから……しばらくしたら、そのヒモをひっぱって抜いて、燃えないゴミに出しなさい」
尾崎「もちろん、これは言うまでもないことだけど……ゴミはちゃんとビニール袋とかにしまって、目に付かないようにしておくのよ」
涼「……わかりました」
尾崎「……こんなところかしら。あとは、なるべくこまめに交換すること」
涼「はい……」
尾崎「……ま、わからないことがあったらいつでも連絡して。力になるわ」
涼「……あの」
尾崎「ん? どうしたの?」
涼「……ありがとう、ございました」
尾崎「……いいのよ、気にしないで」
涼「でも……こんなこと、普通じゃないし」
尾崎「……確かに、普通じゃないかもしれない。でもね、涼」
尾崎「私はフリーの身だけど……今は、この876プロにいる、たった一人のプロデューサーなのよ」
涼「……」
尾崎「アイドルが困っているのは、見過ごせない。力になってあげたい」
尾崎「結局ね、そういう人が育てたアイドルが、この世界では強くなるの。765プロみたいに、ね」
涼「……そうです、ね」
尾崎「ふふっ……まぁ、いくら涼が頑張っても、絵理には勝たせてあげないけどね」
涼「ええ!? な、なんでそんなことわざわざ……」
尾崎「冗談よ。ま、それくらいの気持ちで、これからも精進してちょうだい」
尾崎「涼ちゃん♪」
涼「……はーい」
―――
――
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涼(――こうして、僕の生理事情は、ひとまずの解決を迎えた)
涼(結局、どうしてこんなことになったのか……なぜ僕の股間に、オマンコが出来てしまったのか)
涼(それは、わからないままだ)
涼(これから先……僕がどんな生き方をするのかも、どんなアイドルになるのかも……なにも、わからない)
涼(でも――これだけは言える)
涼(それは……)
愛「ぎゃあああああああ!!」
涼「!?」
ドタドタ
愛「りょ、りょりょ、涼さーん!! 大変ですっ、あたし、病気になっちゃったかも!!」
涼「えぇ!?」
愛「う、うう……なんか、おまたから、血が出てきて……!」
涼「……あぁ、そういうことか」
愛「あ、あたし、死んじゃうんですか!?」
涼「ふふっ、大丈夫、死ぬわけないよ。それはね……愛ちゃんが大人になった証拠なんだから」
愛「え……?」
涼「……そう。人は、生理によって、たくさんのことが学べるんだよ」
涼(それは――僕には、大切な仲間がいるということ)
涼(愛ちゃん、絵理ちゃん、そして……尾崎さん)
涼(これまでも、これからも……たとえ僕にオマンコが出来たって、それは変わらない)
涼(僕はここ、876プロで、これからも――皆といっしょに、アイドル活動を続けていくんだ!)
涼「ねぇ、愛ちゃん」
愛「はい……」
涼「……タンポンって、知ってる?」
終わり
終わりです、読んでくれた方感謝
涼ちんはホモも純愛もふたなりもオールマイティにこなせる万能選手だと思う
乙!
後日談で
愛「なんで涼さんのあそこって私にないものがついてるんですかー?」
涼「」
的な展開はよ
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