P「真美に甘え癖がついた」(113)

真美「うあうあー! 兄ちゃん、真美、メッチャ緊張してきちゃったよー!」

P「お、おいおい、もう本番15分前だぞ!」

真美「ねー、兄ちゃんいつものやってよー!」

P「しょ、しょうがないな……」

ガサガサ

真美「んー! やっぱり兄ちゃんにハグされると、メッチャ落ち着くね!」

P「い、いいか、他のメンバーには内緒だぞ!」

真美「亜美にも?」

P「亜美は特にダメだ……」

真美「……」

P「どうしたんだ?」

真美「ごめん兄ちゃん、もう手遅れかも」

P「えっ」

亜美「兄ちゃん! 亜美もーっ!」


的な感じで円形脱毛症になるくらいまで双子の子守したい

P「今日はモデルの仕事だな」

真美「めろめろにしてやるっしょー!」

P「あ、そうだ。ちょっと俺やることがあるから行きは律子に頼んである」」

真美「え?」

P「ま、帰りは迎えに行くから」

ギュッ
P「……真美?」

真美「……やだ」

P「お、おいおいそんなこと言われてもな……」

真美「兄ちゃんに送ってもらわなきゃ、真美やる気でないもん」

P「そんな子供みたいなこと……」

真美「まだ子供だもん!」

P「はぁこういうときばかり……わかった、最低限終わらせるからちょっと待ってろ」

真美「え、ホント!? う、うん! 待ってる!」

真美「暇~」

P「順番なんだから仕方ないだろ? まあそんなに長くならないし適当にくつろいでていいぞ」

真美「いいの? それじゃ、これっしょ!」

P「なっ! お前いつの間にゲームを……」

真美「甘いよ兄ちゃん、真美はいつでもゲームを持ちある……くしゅん!」

P「どうした? 風邪か?」

真美「ち、違うよちょっとくしゃみが……くしゅん!! う¨ー……」

P「あーあー、ほらティッシュだ」

真美「……んー」

P「……え?」

真美「んーんー」

P「……ほら、ちーん」

真美「ちーん!……ふぅ」

P「全くそれくらい自分で……」

真美「いいじゃん別に~!」

P「……それにしても、大丈夫か?」

真美「え? なんで?」

P「くしゃみしてたし、どうせ夜更かししてたんだろ?」

真美「むっ、なぜわかった……」

P「というか、よく見たら顔色悪いし……熱は……ないよな」

真美「んっ……」

P「ちょ、へ、変な声だすなよ!」

真美「だって兄ちゃんの手、冷たくて気持ちいんだもん」

P「……真美としてはどうなんだ? 本当に大丈夫なのか?」

真美「……ちょっとだけ寒いかも」

P「困ったな……引き始めか肝心だろうに上着も持ってきてないぞ……」

真美「それじゃ、さ。兄ちゃんがあっためてよ」

P「……は?」

真美「……ダメ?」

P「……」

真美「えへへ、あったかい」

P「……これ、本当に大丈夫なのか?」

真美「なんで? いいじゃん兄ちゃんセーター!」

P「いや、その……誰か来たら、とか」

真美「むー……兄ちゃんは何か悪いことでもしてるの?」

P「そ、そんなことはないぞ! うん、これは大切なアイドルの体調管理だ! うん!」

P「……だからといって、プロデューサーの膝に座るアイドルもどうなんだ」

真美「普通っしょー」

P「まあ、それならいいんだが……」

真美「もー兄ちゃん! もっとちゃんとギュッとして!」

P「あ、あぁ」

真美「……兄ちゃんのにおいだ」

P「ば、ばか! 嗅ぐな! ……臭くないか?」

真美「ぜんぜーん、むしろ癖になっちゃうかも」

P「お前なぁ……そういうことをよくもまあポンポンと……」

甘え真美と照れ真美は惑星破壊できる威力

ちょっと用事
二時間ほど離れる

先生になったら歌が残念なことに

>>1
>的な感じで円形脱毛症になるくらいまで双子の子守したい

P「ついに円形脱毛症になってしまった…」

真美「兄ちゃ~ん!あれやってー!」

P「もう俺にはお前を愛でることは出来ない…ッ」

とか言い出すの?

P「よし、そろそろ出番か。真美、降りろ」

真美「……」

P「どうした?」

真美「もっかいギュッてしてくれたら、降りるよ」

P「……お前なぁ。まあいい、これで」

クルッ
真美「……前から」

P「っ!」

真美「いいでしょ、兄ちゃん?」

P「……こ、今回だけだからな」

真美「うん」

ギュッ
真美「えへへ……さっきより兄ちゃんの匂いすごいや」

P「だ、だからそういう……」

ストッ
真美「よいしょっと……そんじゃ、行ってくるねー!」

P「……どうもあの真美は苦手だ」

小鳥「あら? 何かあったんですか?」

P「あ、音無さん。いえ実は……」

小鳥「なんと……でも嬉しいじゃないですか。懐かれるって」

P「そうなんですけど、なんていうか……甘えられてると言いますか」

小鳥「ふむふむ」

P「いつもみたいに激しく絡んでくるわけではないんです。妙にしおらしくて、子供っぽくて……」

小鳥「そういうことですか~。でもそれって真美ちゃんはそういう風に扱って欲しいんじゃないですか?」

P「……と言いますと?」

小鳥「亜美ちゃんは忙しいですし、それでもアイドルとして毎日頑張って本来なら中学生なりたてだっていうのに」

P「確かに小学生の頃からやってますからね」

小鳥「きっと、童心に戻りたい。っていうと変かもしれないですが、きっと。それもプロデューサーさんだからだとは思いますよ?」

P「なるほど、だから今になって甘えだして……まあそういうことなら少しは大目に見てあげようと思います」

小鳥「それがいいですよ! でも、甘えられすぎて手、出さないでくださいよ~?」

P「なっ! ま、まさか! ……それじゃ、迎えに行ってきます」

真美「お待たせー!」

P「おぉ、お疲れ様」

真美「今日もばっちし、って感じ!」

P「それはよかった」

真美「……兄ちゃん、どうかした?」

P「え? 別に何もないぞ? それじゃ、帰るか!」

真美「それじゃ、手繋いで帰ろうよ」

P「て、手? 車すぐそこだぞ?」

真美「ダメ?」

P「ダメじゃないんだが……」

真美「……じゃいいや」

P「……真美?」

ブロロ……

P「……」

真美「……」

P「……なぁ、真美」

真美「ん?」

P「その、さ。もう体調は大丈夫か?」

真美「あ、うん。もう平気~」

P「そうか、それはよかった」

真美「兄ちゃんにあっためてもらったおかげかな……」

P「なっ……やっぱり大丈夫か? その、いつもの真美らしくないって言うか」

真美「……兄ちゃんはいつもの真美の方が好き?」

P「い、いやそういうわけじゃないぞ」

真美「そっか、そうだよね……」

P「……真美」

P(真美は何を考えているんだろうか)

P(いつもならば、真美のこと好きなんでしょー? ほらほらー! だとか)

P(おちゃらけた感じなのに、今はそれを感じない)

P(嫌味でもなくただ俺に甘えてくれてる。それならまだ嬉しいけれど)

P「……真美、いいか」

真美「うん?」

P「俺はお前のことが大切だから。これから変なことを聞くぞ」

真美「……うん」

P「何かあったのか?」

真美「それ、変でもなんでもないじゃん」

P「え? あ、いやそのだな……真美がいろいろ悩んでるものと思って一応……」

真美「……どうなのかな。わかんない」

P「真美?」

真美「もう、事務所着いた?」

P「え? あ、本当だ」

真美「どうするの?」

P「あぁ、今日はもう何もないし報告したら帰っていいぞ」

真美「ねぇ、兄ちゃん」

P「なんだ?」

スッ
真美「手」

P「……」

真美「兄ちゃん」

P「……誰かに見られでもしたら大変だろ?」

真美「……」

P「だから……事務所の前までな」

真美「う、うん!!」

P「戻りました、っと誰もいないのか……」

P「って真美、手離してないじゃないか……」

真美「誰もいないんだし、別にいいじゃん」

P「ま、まあそうだけど……なんでそんな」

真美「えへへ……兄ちゃんの手、こんなにおっきかったんだ」

P「……一回、腕相撲した時同じことを言われた気がするな」

真美「あ、あの時とは違っ……」

P「え?」

真美「……なんでもない」

パッ

P「ん……そうか」

P「……よくわからないが、困ったときは言ってくれ。俺でよかったら相談に乗るから」

真美「……ホント?」

P「俺が約束を守らなかったことあるか?」

真美「……ある」

P「え、い、いつだ!」

真美「んー……真美も忘れちゃった!」

P「なんだよ……」

真美「……それじゃ、真美帰るね」

P「あ、あぁ」

真美「……じゃ」

P「あぁ、気を付けてな」

真美「……」

バタン

P「……年頃、ってやつなのかねぇ」

P(その後も真美の甘えは続いた)

P(嫌と言うわけにもいかず、でも俺と二人の時だけ)

P(だがそうはうまくもいかず)

真美「それでね、亜美が~」

ガチャッ

亜美「おはー! 真美と兄ちゃんか……ってあれ?」

真美「……亜美」

P「い、いや亜美これはその……」

亜美「……」

亜美「もー、手なんて握っちゃって。流石は真美、兄ちゃんにメロメロですなぁ~」

真美「なっ! ち、違うもん! 亜美のバカ!!」

亜美「ば、馬鹿って何さ! いいもん、それじゃ言いふらしてやる!」

バタン
真美「……勝手にすればいいじゃん」

P「お、おい……」

真美「……兄ちゃん」

P「なんだ?」

真美「真美が困ってたら、助けてくれるっていったよね」

P「あぁ、言ったな」

真美「……じゃ、ギュってして」

P「え? でも事務所で、また誰が来るか……」

真美「もう、いいの。亜美がどうせ……だから」

P「……でもさ」

真美「……にぃちゃぁん」

P「……ほら」

コクン

ポスッ

真美「……この匂い、久しぶり」

P「……」

真美「……ぐすっ、うっ、うわぁあん」

真美「ぐすっ……ひっく……」

P「……落ち着いたか?」

真美「う、うん……ごめん、兄ちゃん……服グショグショで」

P「いいんだ、これくらい洗えばなんてことない」

真美「……バカ」

P「亜美か? 亜美だって、つい言い返したくなっただけだろう、気にするな」

真美「……違う」

P「ん?」

真美「……兄ちゃんだよ」

P「……俺? な、なんで?」

真美「なんで、なんでそんなに優しいの……?」

P「……真美が大切だから、だろうな」

真美「……うん。そうだよね……それじゃ、真美帰るね?」

P「……あぁ、亜美と仲良くするんだぞ」

バタン

P「おはようござ……真美」

真美「おはよ、兄ちゃん」

P「……亜美とは、仲直りしたか?」

真美「……うん。でも、まだ言ってないこともある」

P「言ってないこと?」

真美「あの約束、もっかい使う」

真美「全部、全部聞いてくれる……?」

P「あぁ、聞くよ」

真美「真美、兄ちゃんとお仕事して、みんなと遊んだりしてめっちゃ楽しいけど」

真美「亜美とどんどん離れて言っちゃう気がしてさ」

真美「アイドルになって、みんな周りは年上のお姉ちゃんばっかりだから話もついてくの難しいし」

真美「亜美と比べて、真美はまだまだだったから。……子供じゃないのに、子供のままだって思って」

P「……なるほど」

真美「でも、兄ちゃんは真美の方が近くにいるから」

真美「兄ちゃんといるときは、違う”真美”で……いつもより、甘えてみようって思ったの」

真美「でも、兄ちゃんはみんなの兄ちゃんだから、なんか卑怯かなって思ったり」

真美「それに兄ちゃんにも無理させてる気がして……」

P「……」

真美「手を握ってもらうと、不思議な気持ちになったんだ」

真美「本当にあったかくて、なんか胸のもやもやが消えるっていうか……」

真美「でも、亜美に言われたみたいな好きとは違うの」

真美「兄ちゃんのこと、好き。大好きって言えるけど」

真美「……ちゃんと言うのは、無理、かも」

真美「真美、自分でもなんの好きかわかんなくて……」

真美「兄ちゃんは兄ちゃんだから。兄ちゃんが、真美の兄ちゃんじゃなくなったら……絶対やだから」

真美「……好きじゃないって、ずっと思ってたし」

真美「わざわざ言いたくもなかった……でも」

真美「昨日亜美から言われたんだ」

P「亜美が?」

――

真美「……ただいま」

亜美「……おかえり」

真美「……」

亜美「その、真美……?」

真美「ごめんね、亜美」

亜美「え?」

真美「……やっぱり、真美だけずるいよね……皆の兄ちゃんなのに」

亜美「ちょ、ちょっと待ってよ! 急に何の話?」

真美「あ、ご、ごめん……」

亜美「……亜美も、ごめんね。ただふざけただけだったんだよ?」

真美「うん、わかってる。でも、真美子供みたいに言い返したりして……」

亜美「兄ちゃんと何かあったの?」

真美「……」

亜美「なるほど……」

真美「……だから、さっきも」

亜美「……でも、多分それあれだよ」

真美「あれって?」

亜美「恋、みたいな」

真美「……」

亜美「あ、あれ?」

真美「やっぱりそうなのかなぁ……」

亜美「亜美は兄ちゃんのこと、兄貴~!みたいな感じだけど、手とかわざわざ握って欲しいとか思わないっていうかさ」

亜美「何かわかんなくても、きっと亜美の好きとは違うと思うんだよねー」

真美「そっかー……」

亜美「……なんか全部しゃべっちゃえば? 兄ちゃんに」

真美「え、えぇ!? む、無理だよそんなの!」

亜美「言ってもなんでもなかったらたださみしかったってことだし、恥ずかしくなったら恋しちゃってるってことで!」

真美「も、もう……他人事だと思って……でも」
――

真美「……」

P「なるほどな……よく言ってくれた」

真美「真美、怖かった……もう、兄ちゃんとふざけたりできなくなっちゃうのかと思ったら……」

真美「でも、言えてよかったって思うから」

P「……俺が思ってた以上に真美は子供で、大人だったんだな」

真美「え?」

P「正直、そこまで思い詰めてるとは思ってなかった。だから、俺のせいでもある」

真美「そ、そんな! 兄ちゃんのせいじゃ!」

P「いいや。どうあれ泣かせてしまうまで気付いてやれなかったのは本当だ」

真美「兄ちゃん……」

P「……最初、真美が甘えてきたとき何かとおもった。まあ正直また変なイタズラでも考えたのかと」

真美「……むー」

P「ま、まあでも真剣なのがすぐにわかって、でもそれが逆に不思議でな」

P「何か悩みがあるのか、って思ってただけで何もしなかった」

真美「……」

P「真美が気を使ってくれていたのに、子供っぽいから単なる悩みだろうとか」

P「そんなふうに思ってた自分が情けない……」

真美「兄ちゃん……でも、真美は兄ちゃんのおかげで……」

P「あぁ、そういってもらえると俺も嬉しい。でも、やっぱり俺からお詫びがしたい」

真美「……何?」

P「……その、なんだ」

真美「?」

P「……また、いつでも頼ってくれ。甘えてくれてもいい」

P「だから、許してくれるか?」

真美「……あったりまえじゃん! バカぁ!! う、ぐすっ……」

P「あ、お、おい泣かないでくれよ……」

真美「し、知らないもん……ひっく……兄ちゃんが泣かせたんだかんね……」

真美「……真美、わかっちゃったから。自分の気持ち」

真美「責任、とってもらうっしょ……!」

P「ゆ、許すのか許さないのか……ま、まあいい。何が望みだ?」

チュッ

P「……え?」

真美「……今の、ぜええええったいに忘れちゃダメだから! わかった!」

P「真美……? あ、あぁ……」

真美「……よし! もういつもの真美に元通りだから! 覚悟しててよね、兄ちゃん!」

P「……あはは、やっぱりそっちの方が真美らしいな」

真美「えへへ、そうでしょ?」

真美「そんじゃ今日も、張り切っていってみよー!!」




真美「次甘えるときは覚悟しててよね、兄ちゃん? んっふっふ~!」

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