智子「モテないし、おやつ作る」(37)
リア充女「これ昨日作ったんだ!食べてみて!」
リア充男「おっ!クッキーじゃん!さんきゅー!」
リア充男「」ぽりぽりぽり
リア充女「どうかな?」
リア充男「うめぇ!!!」
リア充女「よかったぁ~」
智子「……………」
智子(ケッ……あんなもん作って男に媚びてんのか?)
智子(なにが「どうかな?」だ。男に「うまい」って言わせて私可愛いでしょアピールでもしてるつもりか?バカ女)
智子(あ~ぁ、あのクッキーの中から農薬検出されねぇかな……)
智子(クッキーか………)
智子(よーし……)
スーパー
智子(物資調達に来てみたのはいいけど……何をどれだけ買えばいいのかすらわからん……)
智子(そもそも何を作るのかも決めていない……そして作り方も知らない……)
智子(うーん……とりあえずクッキーを作ってみるか……いきなりケーキとかはハードル高そうだしな)
智子(お菓子の材料のコーナーは確かこの辺……おっ!あったあった!)
智子(な、なんだこりゃ……カラフルなふりかけだな……)
優「もこっち?」
智子「わっ!?」びくっ
智子「ゆ、優ちゃん!?」
優「もこっちもお菓子作るの?」
智子「ま、まぁね……優ちゃんも材料買いに来たの?」
優「うん!明日彼氏の誕生日だから!ケーキ作ろうと思って!」
智子(か、かれし……)ガーン
智子(チクショー!!彼氏にケーキなんて言っておいて!!どうせどっかの「T○loveる」みたいに身体中生クリーム塗れになって『私を食べて♪』とか言うつもりなんだろ!?どうせ最後はセク○スなんだろ!?知ってんだよビッチがぁぁぁぁぁぁ!!!!)
智子「ごにょごにょ……」ぶつぶつ
優「もこっち?」
智子「ハッ!!…ごめん!何!?」
優「いや……スプレーチョコ持ってぶつぶつ言ってたから……」
智子「あぁ…ゴメン……ていうかコレ。スプレーチョコって言うの?」
優「え?知らなかったの?」
智子「へ?」(知ってて当然だったのか……)
智子「いやぁ、実は作ったことないんだよねぇ~食べるの専門で…」HAHAHAHAHA……
優「そうだったんだ!それで、何を作るの?」
智子「えっと……初めてだし、あんまり難しくないのがいいかなって…でも、あんまりよく知らないから……」
優「じゃあ一緒に材料選ぼ!ね?」
智子「うん!」
自宅
智子「ただいまー」
母「おかえり!あら?その荷物どうしたの?」
智子「おやつ作ろうと思って」
智子「キッチン借りてもいい?」
母「いいわよ!それで、何作るの?」
智子「ホットケーキ」
母「へぇー、智子が自分で作るなんて珍しいわね」
智子「ま、まぁたまにはね?」
母「そう、後片付けもちゃんとしなさいね?」
智子「はーい」
キッチン
智子「さて」
智子(ふっ…それにしてもビッチの意見もたまには役に立つもんだな)
優『最初はホットケーキとかいいと思うよ!簡単だし、私も最初はホットケーキ作ったんだ』
智子(ふふふ…優ちゃんに作れて私に作れないワケがない!)
智子(私は優ちゃんよりも成績は全て上!家庭科も例外ではない……)
~~~~~
家庭の先生「今日の実習はクリームシチューを作ってもらいます!」
生徒「はーい!」
智子(中3)「はぁ………」(調理実習ってヤダな……班行動が……)
班の人「」てきぱきてきぱき
智子「………………」
家庭の先生「コラ!黒木さんも手伝わなきゃダメでしょ!」
智子「は…はぃ……すぃません……」
~~~~~~~
智子(嫌なことを思い出してしまった……)
智子(えぇい!気にしてもしょうがない!おやつを作るんだ!)
智子(えっと………まずは生地作りだな)
智子(卵に砂糖を入れてかき混ぜる……)
智子「」つ卵 コンコン
智子「」つ卵 かぱぁ
智子(これに砂糖を25gだな……)
智子「………」つ泡立て器 ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
智子(腕疲れた……)
優『よくかき混ぜるのがポイントだよ!』
智子「」つ泡立て器 ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
智子(次は溶かしバターと牛乳を入れて混ぜる……)
智子(ちっ……また混ぜんのかよ……キュー\ピー/ならあらかじめ完成した生地が出て来るのに……)
智子「」つ牛乳 どぼぼぼ
智子「」つ計量カップ とぽぽ
智子「…………」つ泡立て器 ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
智子(ここで薄力粉とベーキングパウダーを入れて……また混ぜる……)
智子「」つ泡立て器 ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
智子(粉っぽくなくなるまでひたすら混ぜる)ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
智子「ふぅ………こんなもんか…」とろぉ~
智子「それから……フライパンにバターを塗って温める」つフライパン
智子「………………」
智子「暇だ………」
智子「ん?こんな所にパ○の実が……智貴のか?いいや…食ってやる」ばかっ むしゃむしゃむしゃむしゃ
ガチャッ
智貴「ただいまー」
智子「おかえり」
智貴「ん?何してんだ?」
智子「何でもいいだろ」
智貴「あぁ、何でもいいな」がさごそ
智貴「あれ?パ○の実が無ぇ……」
智貴「お前………」
智子「食った」
智子「うぎゃぁぁぁぁぁ……」ばたばたばた
智貴「てめぇはいつもいつも……」アイアンクロー ぎぎぎぎぎぎ
智貴の部屋
智貴「くそっ……あのバカ……マジでうぜぇ……」
智貴「兄じゃなくて姉だから殴らなかったが………もうそろそろ無意識に手が出そうだ……」イライライラ
ガラッ
智子「弟」
智貴「あ?なんだよ出てけよ」
智子「これ……食え」 コトッ
智貴「は?」
智子「ホットケーキ作ったの。食え」
智貴「なんで命令なんだよ」
智子「パ○の実の代わり」
智貴「まぁ…腹減ったから食うよ」つフォーク
智貴「」ばくっ もぐもぐもぐもぐ
智貴(平凡なホットケーキだな………あえて形容するなら……『普通』)もぐもぐもぐもぐ
智子「ど、どう!?」
智貴「え?…普通」もぐもぐもぐもぐ
智子「いや、美味しいか美味しくないかで答えろよハッキリしねぇヤツだな」
智貴「どっちかって言ったら美味しいかな」(なんでパ○の実食ったクセに偉そうなんだ……)
智子「ホントか!?」パァァァ
智貴「え………うん」
智子「ふっ……まぁ当然だな」
智子「感謝しろよ?私のホットケーキを食えたんだからな?」どやぁ~
智貴「…………」(なんなんだコイツ……)
智貴(まぁいいや、相手にできねぇ。シカトしよ)もぐもぐもぐもぐ
智子(やはり私には料理の才能があるようだ!!!)
智子(この調子で腕を磨けば……)
~~~~~~~~
智子(美)「これ、クッキー焼いてみたんだけど……食べて」
イケメン「うん、貰うよ」もぐもぐ
智子(美)「どうかな…」
イケメン「すごく美味しいよ!」
智子(美)「ほんとに!?」
イケメン「あぁ、ホントだよ?今度は……僕が智子を料理してあげるよ……」
智子を屠る!!!イェーガー!!!!!(自主規制)
~~~~~~~~
智子「ぐへへ……ぐへへへへ……」よだれ
智貴「………」(マジでなんなんだコイツ……きもい……)
翌日
智貴「ふぅ………」どさっ
ガラッ
智子「弟!」
智貴「あ?なんだよ」
智子「おやつだ」つホットケーキ
智貴「またホットケーキかよ」
智子「ふっ……礼にはおよばねぇよ」どやぁ
智貴「」(いや、礼言ってねーんだけど)
智子「じゃあな弟」 ガラッ
智貴「」もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ
智貴(普通だ……)
翌々日
ガラッ
智子「弟~」にやぁ~
智貴「なんだよ……出てけよ」
智子「おやつの時間だ」つホットケーキ
智貴「また……ホットケーキ…」
智子「100回に一度の力作だ。味わって食えよ?」
智貴「昨日のと何も違わねぇんだけど……」
智子「文句を言う前に食べてみてください。同じことが言えますか?」
智貴(何で敬語!?しかも何?美○しんぼ!?)
更に翌日
ガラッ
智貴「!?」
智子「待ってたぞ弟~」
智貴「なんで俺の部屋に居るんだよ……」
智子「おやつの時間だな」
ホットケーキ「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
智貴「うぷっ………」
智子「ん?どうした?」
智貴「ホットケーキ見てると吐き気が……」ぷるぷる
智子「そうか、とりあえず食え」
智貴「いや、食わねぇよ」
智子「なんで?」
智貴「ここ最近ホットケーキばっか食わされてホットケーキに追いかけられる夢見てんだよ……ホットケーキが!!ホットケーキがこっち来るぅぅぅ!!!って魘されてんだよ……」
智子「ホットケーキが来てくれる夢なんて最高だろ普通」
智貴「普通はな?」
智子「とにかく、もったいないからそれは食えよ?じゃあな」ガラッ
智貴「……………」
ホットケーキ「」ずぁぁぁぁぁぁ
智貴「ひぃぃぃぃぃ!!!!」
翌日
ガラッ
智子「弟~」
智貴「いらねぇ」
智子「まだ何も言ってないんだけど」
智貴「臭いでわかる。いらねぇ」
智子「今日のは特別仕様だぞ?」
智貴「いらねぇ」
智子「食べるだけで3kg痩せるよ?」
智貴「知ってる。昨日測ったら痩せてた」
智子「欲しいだろ?」
智貴「いらねぇ」
智子「これ食べ…「出てけ!!!」
翌日
キーンコーンカーンコーン
智貴「弁当弁当…」かぱっ
智貴「!?」
弁当箱withぎっしりホットケーキ
智貴「……………」イライライライライライラ
智貴「」がつがつがつ
友達「なんで弁当隠して食ってんだ?」
智貴(あのバカ!!!!!)がつがつがつがつ
ガチャ
母「あら、智貴。おかえり」
智貴「」どたどたどたどた
母「?」
ガラッ
智貴「……………」
智子「よう弟。遅かったな!おやつのじk… げしっ
智子「ごぉふっ!!!」
ごぉふっ!!!
ごぉふっ!!
ごぉふっ!
ごぉふっ…
智貴「てめぇ…………」ぷるぷるぷる
智子「うぐっ………うぐっ……ぐすっ………ぐっ……」しくしく
智子「うぐっ………うぅ……ぐすっ………うぅぅ……」しくしく
智貴「くっ………」
智貴「そ、そんな強く蹴ってないだろ……」
智子「わだし…は……おや…づ……おやづ…づぐってだ…だげなのにぃ……うぅ……」しくしく
智貴「弁当に詰めやがっただろ」イラッ
智子「せっkく……づぐっだのに……いらないっ…で……言うがら……」しくしく
智貴「………」(くそぉ……悪意しかなかったら!!顔面殴ってるのに!!!!!)ぷるぷるぷるぷる
智貴「その……いきなり蹴って悪かったよ……毎日ホットケーキってのがウザかっただけで……今日作ったヤツは食うよ……」(何で俺が謝ってんだ…)
智子「ケッ!当然だろ」
智貴「!?」
智子「人の善意も素直に受けれないような社会不適合者が……そんなだったら高校入ってもぼっちまっしぐらだな……」
智貴「」ぷるぷるぷるぷるぷるぷる
智子「ん?どうした?早く食えよ」
智子「私のホットケーキなんだからありがたぁ~く食えよ」
ピシャッ!!!
智子「………あれ?しめられた」ガチャガチャ
しばらくトモくんは口をきいてくれませんでした。
END
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