【咲安価】京太郎奇怪綺譚:拾陸巻目【都市伝説】 (946)
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・原作とは違う性格付け・設定付けをされたキャラが登場する可能性があります
・現実に実在する人物、団体とは一切関係がありません。ここ重要
・色んな意味で広い目で見てください
・何かおかしい事があればそれはフリーメイソンってやつの仕業なんだ
前スレ
【咲安価】京太郎奇怪綺譚:拾伍巻目【都市伝説】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365530596/)
有志の人の凄いWIKI
http://www55.atwiki.jp/kikaikitan/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366901430
本日の投下は終了でござんす。お付き合い感謝ー
助けを求めてくる少女に「お前他人だから責任なんて持てんがな」「自分の大切な物は自分で見つけるんだよ」と鬼畜外道にも見える突き放し
まだ赤の他人の延長なので甘い顔はしない少年
自主自立を促すのが基本スタンス、青少年に甘えを許しません
でも天江は許す
次回、村脱出編!
次回タイトルは「京太郎&豊音大勝利!希望の未来へレディー・ゴー!」となります!
* * うそです
* +
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
では今夜はこれにて。なかなか長引く話で申し訳無いです、サクッと簡潔にまとめる技量があればいいのですが
おやすみなさいませー、猿夢は見ないようにですよー
妖刀ひな回も期待してていいんですね!
そういえば京太郎は覚醒して自分の名前の本当の読み方は知ったのかね
ちょんだらーだったっけ読み方
ラブひなといえば超回復、超耐久のギャグ漫画ボディを手に入れることができるのか…ギャグ漫画ボディはフリーザ様でさえ手が出せない戦闘においては一つの究極形だからな…
まぁとりあえず京太郎の浪人決定か
画太郎先生の世界でもやっていける体になろう
こんばん鷲ヶ巣山
久しぶりに吹き替えコマンドーが見たくなりました。無性に
明日借りてこよう
今夜はちょいちょい用事が終わりきらなかったので22:00スタートです
そういえばライナーさんが十巻であんな事になったのにいまだにSSだと特に理由のない暴力を食らってるのがちょい不思議です
それにしても104期生問題ありスギィ!
>>29
どうかな(ニッコリ)
>>31
知ってますが本人からすれば自分の名前に込められた意味を知った、程度の認識ですね
親への気持ちがちょい複雑になったのではないでしょうか
>>32
たぶん京太郎誰かに強引にでも誘われない限り高校卒業→事務所就職コースなので・・・
なので東大にも挑まないよ!よ! たぶん
>>33
トシさんがひどいことに
http://hissi.org/read_stat.php/20130425/bord/
http://hissi.org/read_stat.php/20130426/bord/
http://hissi.org/read_stat.php/20130427/bord/
休日だというのに
かくいう>>1も規制組でね
【進撃最新話ネタ】
r'^'vη rv'^'η
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`ニ=----:_:_: 」:_:_:_::从_:_:_l:.|:_:_:_:_|:_:|八:」
ニ二ニ/ |二ニニ′
ニニニニ′ |二ニニ′
ニニニ′ |二二′
ニニニ′ |=ニニ′
身長197cmの ボディプレス!!
投下はっじめーるよー
夜に溶けてしまいそうな黒装の少女と、夜を切り裂く金髪の少年。
二人が出会ってから、十数分後。
京太郎「かくかくしかじか」
豊音「まるまるうまうま」
京太郎「なるほど、さっぱり分からん」
豊音「だよねー」
彼らはほどほどにふざけつつ、現状の説明と確認を終えていた。
互いの状況、立場、問題、そして村の現状と彼女の願い。
二人の認識をすり合わせ、勘違いという認識の齟齬から成る問題の可能性を限りなく削って行く。
必要な事であり、かつ短時間で終わらせなければならない事だった。
京太郎「ふむふむ……現状は把握しました」
京太郎「ってか、やっぱ年上でしたか」
豊音「ふふっ、おねーさんっぽかった?」
京太郎「でも中学生とは思いませんでした。てっきり大学生かと」
豊音「やっぱり身長(そっち)!?」
クラスでも背の高い方の京太郎とはいえ、流石に中一の身では身長170近い彼女は見上げるしか無い。
それは彼女が人外扱いされた要因の一つでもあり、彼女の傷の一つでもある。
……けれども、笑い合い打ち解ける彼らからはそんな様子は微塵も感じ取れはしなかった。
心の傷だって、いつか笑い話にできる。
それが『友情』の本質でもあると知るには、まだこの二人はまだ幼かったようだ。
京太郎「……」
豊音「携帯いじって、何してるの?」
京太郎「ちょい裏技です。あと、持ってきて欲しい物があるんですが」
豊音「?」
京太郎「第一目標は、『この場からの逃走と安全な場所までの移動』と設定したとして」
少年は思考する。
これが今、彼に許されたたった一つの努力の余地。
慣れた物だと、彼は思う。
「(逃げるんなら、南か東のどちらかに向かう必要がある)」
「(電車に乗るなりバスに乗るなり……どのみち歩きだけで逃走は不可能。子供の足だし)」
姉帯家の場所は村の北端近く。
東の山道か、南の駅か。
どちらに進むにしろ、相当な距離を覚悟しなければならないだろう。
勝利条件はこの村から離れた場所への脱出。
そのために何かしらの移動手段が検討できる場所まで、村人に見つからずにこの足で向かう必要がある。
「(どうせここまで注目されてる人だ。逃げればそれはすぐに発覚するだろう)」
「(問題はそこから。そこからどれだけ見つからずに逃走できるか)」
「(一度でも見つかれば居場所が割れる。どう逃げたってすぐに人が集まってくるだろう)」
「(そして圧殺されてアウト。数にあかせた包囲戦術で来られたらその時点で終わりだ)」
「(あくまで向こうが人海戦術……村の全体に人を回さなければならない状態を保たせ続けないと詰む)」
「(考えろ)」
思考自体に使えるのはせいぜい10分。
ここで考えている時間もリスクを増大させ、逃走の難易度を上げる。
しかし策を練らずには到底無理な事だと断言できる。
故に、考える。
「(今俺にある牙は、武器は、この頭と情報といくつかのアドバンテージだけだ)」
「(だから考えて、考えて、考えろ)」
「(どこまでも小賢しく、小利口に、小手先に頼った小細工で引っ掻き回してやる)」
「(考えろ)」
京ちゃんに力が無かった時代だからか頭フルに回してるな
それから更に十数分。
村がにわかにざわめき始め、真夜中だというのに家から飛び出す人影が増え始めた頃。
少年少女は、月の下を足音を殺し疾走していた。
京太郎「伏せて」
豊音「あ、うん」
物陰に伏せる二人。
片目だけを出し、少年は道の先の光景に眉を寄せる。
その視線の先には、八百屋の店の前で仁王立ちする中年男性の姿があった。
店の電気を付け、道を一つ丸々見張りつつ塞いでいる。
この道が通れなければ、大幅に時間のロスだ。
出来ればなんとかして突破したい……という点で、少年少女の思考はシンクロする。
京太郎「あの人は……?」
豊音「八百屋の山田さんだね。年中イライラしてる怖い人」
京太郎「へぇ……ま、退場してもらいますか。例の物を」
豊音「はい、どうぞ」
そう言って彼女は、懐から白い紙を取り出す。
それを受け取った京太郎は、ニヤリと笑い。
右手の中の携帯電話を、くるりと回した。
それから数秒後、電話が鳴り響く。
その音源は八百屋の山田、その人の店の中から響いていた。
誰かからの電話だと、山田は一旦店の中に入って応対しようとする。
「……ん? 長が何か掴んだのか」
しかし、受話器を取っても誰も出ない。
それどころか受話器を耳に当てたその瞬間に、向こうから切られた。
明らかに悪意に満ちた、連絡や用事とは別の目的によってかけられた電話。
……つまり。
「イタズラ電話かっ! クソがっ!」
彼は怒りそのままに、叩きつけるように受話器を置く。
『何かあれば連絡網を回す』という村の取り決めがあったが故に、彼の怒りは倍増だ。
なまじ手掛かりへの期待があったために、彼は怒り心頭である。
「ああクソッタレ、ただでさえ一大事だってのに、こんな時によォ」
そして再び見張りに戻り、『異常なし』と確認する。
自分がここにいる限り鼠一匹通さないとそう自負しつつ、滾る気力は萎えさせない。
「……ん?」
そこでふと、彼の脳裏に浮かぶ疑問。
それは田舎の人間だからこそ生まれた疑問。
普通ならスルーしてしまうような違和感が、彼の中に浮かび上がっていた。
「この村の中の奴ぐらいしか知らねえような俺の家の番号に、イタズラ電話かける奴なんていんのか?」
「……まあ余計な事は良いか。今は集中して見張らんといかん時だ」
けれどもその違和感に、直感に。
その身を委ねる事は、誰にでも出来る事ではない。
京太郎「……よし、追ってこない! 成功っ」
豊音「おお……!」
そんな八百屋のおっさんを尻目に、少年少女は相変わらず足音を殺しながら走っていた。
彼らが走る道は、十数秒前の彼らから見れば八百屋を挟んで反対側に伸びる道。
つまりあの八百屋を突破したという事だ。
何一つ失敗せず、何一つ気取られず。
それを可能とした、豊音が懐から取り出した『白い紙』。……それは。
豊音「まさか、『連絡網』一つだけでこんなに簡単に行くなんて……」
京太郎「電話を玄関に置いてる家って意外と少ないもんですよ。大体は食卓近くってのが一番多いです」
住所とセットの『連絡網』。
言ってしまえば、それだけのシロモノだった。
京太郎「ただその内バレると思いますし、かけてた場所から居場所がバレるんで適当に場所を散らして何箇所かかけ続けます」
京太郎「逃げるのに必要な場所だけかけてたら、その家をリストアップするだけで逃げ道バレバレですからね」
電話をかける。言ってしまえばそれだけの、かけるだけならノーリスクの行為。
携帯を非通知に変えれば、リダイヤルによるリスクも回避できる。
もしくは設定をいじってもいい。リダイヤルによる着信音探知というリスクを回避出来れば、これはノーリスクハイリターンの至高の策となりうるのだ。
何しろここは割と田舎。
連絡には家の電話を使う必要があり、多人数の連携を徹底するならば電話は必須である。
そこを利用した、電話一本で人を動かす奇策。
刹那にして須臾の警備の隙を、待つのではなく自ら作り出す行動。
電話をかけて、目標が電話を取るその刹那の隙に駆け抜ける。そんな誰にでも出来る事。
豊音「でもそんなに頻繁にかけてたらそのうち何やってるかバレちゃうんじゃない?」
京太郎「相手のトップが相当に頭良くない限りは、イタズラ電話から俺達が何やってるかなんて気付けませんよ」
京太郎「それに、バレたとしても取れる対策なんて『電話に出るな』か『携帯だけを使え』程度でしょう」
京太郎「それなら、むしろ……この『田舎という前提条件』の上なら」
ニッ、と笑い、人の悪い笑みを少年は浮かべる。
その笑みの向かう先が誰なのか、少なくとも自分じゃないなー、とのほほんと思う豊音であった。
京太郎「電話による情報共有というあっち側の強みを、この一手で完全に潰せる」
京太郎「それなら、この一手の対価としては安くないと思いますよ」
若い男性が道を歩きながら、懐中電灯で道を照らしつつ周囲を探る。
その警戒は普通の人間がするものとしては最上位であり、枯葉一枚落ちる音ですら聞き逃さんとするほどであった。
そんな彼の耳に、金属に何かが当たる音が届く。
コツン、と。普段なら聞き逃していてもおかしくない音、気に留めなどしない音だった。
だがしかし。この状況、彼の目的から考えれば見逃せる事ではない。
「……っ!?」
「(……もしや)」
恐る恐ると、音がした方へと近付く。
音がした方には壊れた街灯、光を発さない鉄の柱が一本のみ。
近づかなければ何も分からず、調べる事すら出来ない。
……それでも、何か怪しい人影なり足跡なりを見つける事が出来るなら。
そう己を奮い立たせ、近付いて行く。
……けれども。
「気のせい、だったのか……?」
そこには何も無く、また何かが存在した痕跡も見当たらなかった。
ふぅ……と、肩の力を抜く。
じんわりとかいていた手のひらの汗を拭い、首の骨を鳴らす。
幽霊の正体が枯れ尾花という話は有名だが、まさか彼も自分がそうなるとは思っていなかったようだ。
「気を、張りすぎたのかもしれんな」
そうやって、彼は気を抜く。
一方向に集中してしまった結果、反対側の道を駆け抜けていった二人には全く気付かないままに。
京太郎「小石を電灯に当てるだけでも、意外と人は気にするもんです」
豊音「やったねー!」
京太郎「声は小さく」
豊音「……はーい」
巡回する者と、自宅で見張る者。
個人個人の性格の適正と、家屋の配置による警戒網の構築効率。
それらを検討した役割分担。
京太郎の半分独学によるスニーキングの技量と、豊音の能力。
それらを合わせれば巡回の方はどうにかなった。
察知して木の上に登ったり、その場に隠れたり。
……しかし、自宅での見張りはどうにもならない。
一点に集中して道を塞いでいるからこそ、それをどうにかするには生半可な事では不可能だからである。
そして今、彼らが立ち止まって様子を窺う家屋もそう。
二階からやや広い範囲を見張る老人。
家の前の道を照らす電灯は、自分の為に家屋に取り付けたものであるようだ。
家の前どころか、その周辺に近寄っただけでも発見されてしまうかもしれない。
豊音「わわっ、どうしよう」
京太郎「一階、電気ついてませんね」
豊音「? 田中さんの所は一人暮らしだから……」
京太郎「ふーん……ん?」
そこで少年はその家だけではなく、その周囲もくまなく見渡す。
家の裏手、隣接する誰も居ない家、家を区切る塀、豊音に見せてもらった地図と目的地へのルート。
それらを検討し、浮かんだ案を提案する。
京太郎「裏口に回って家の中に入って、縁側の窓からこっそり出ましょう」
豊音「……わーお、大胆」
京太郎「他のボロッちぃ家ならともかく、そこそこ新築っぽいこの家なら軋んだり余計な音が出たりはしませんよ」
京太郎「一回塀を越えますが、大丈夫ですか?」
豊音「うん、平気」
老人の耳が遠かったのか、少年少女の侵入が鮮やかだったからか、それとも前の道ばかりに集中していたからか。
かくして、何事も無く二人はその家を突破した。
村の何処か。
ここは未来の京太郎達がやっていたような、全ての情報を集積し指示を出す言わば司令塔に位置する場所。
そこで青年と中年の境界といった男性が、椅子に座り杖をつく老人に詰め寄っている。
「長! まだ見つからないのですか!」
「そう慌てるでない」
彼らの焦りは相当なものになっている。
この村での豊音の立場と、相当な時間が経っていても目撃情報一つない現状を顧みれば当然かもしれない。
それを加味しなくとも、豊音失踪の報が届いてから彼はずっとこんなザマでは在ったのだが。
神話の中の女神に恋する愚か者のような、信仰と恋慕の混じった気持ちが彼にはあるらしい。
それ非常に気持ちの悪い、彼女が嫌っている感情であるとも知らずに彼は吠え立てる。
そんな彼を尻目に、この村における長老……『長』と呼ばれる老人は思考する。
「(余所者、か……)」
東の村を抜ける道には少人数ながら人を向かわせた。
南の村を抜ける道において、人が通る事が可能な道は全て塞いである。
それはあまりに膨大な数であり、それら全てを塞ぐために村の大部分の人間を費やしてしまっていた。
そのせいで村の警邏や東の道への警戒が多少薄くなってしまっていたが、気にしない。
村を抜ける為の最善手は南に向かって駅で電車に乗る事である。
それが分かっている以上、それへの対抗策を練るのは当然だ。
南への道を完全に塞いでその後村の中を虱潰しにすれば、それは何よりも確実な捕縛となる。
そして東に突破されたとしても山道を追い立てて疲弊させれば少女の足、いずれ捕まえられる。
リスクを最小限に抑えつつ、確実に捉える策。これが年の功、老人の経験というかのように。
少年少女の想像を超えて、この村の頂点はその頭脳を走らせていた。
だからこそ今は、つまらない枯れ尾花の錯覚による電話の過剰報告の方が老人にとって害悪である。
「(マレビト、とはよく言ったものだ)」
田舎では、時に余所者は激しく忌み嫌われる。
時には村八分にされるほどの悪意を以って、余所者は迎えられる。
それは何故だろうか?
……『マレビト』、という言葉がある。
この地においては遠野物語にも登場するために、多くの人々が知っている概念でもある。
外からやってきた来訪者。
神であったり、外国の人間であったり、近いようで遠い地の者であったり。
神が流れ着く神話、海の向こうから神がやってくる神話、天孫降臨も厳密にはここに入るだろう。
つまるところ、外の世界から『何か』がやって来てその地とその世界を変革するという概念である。
それは一種の信仰を用いられ、祀られる場合すらある。
老人は、今日の夕方あった『余所者』の目撃情報と、今夜の豊音の失踪を無関係だとは思っては居なかった。
そして、それが村を変革する来訪なのではないのかと、恐れていた。
マレビトが嫌われる理由は、シンプルだ。
変わるという事は、今まであったそれを終わらせるという事。
変わるという気持ちが自殺であるように、世界を変えるという事はそれまであったその世界を終わらせる事に等しい。
この世界を終わらせてしまう来訪者に、老い先短い老人とて思う事はある。
「(……どうなるものかな)」
ドリフターズかなにか?(すっとぼけ)
マレビトの京太郎か・・・
京太郎「俺の子供を産んでくれ!!」
こうですか?
マロード?
豊音「わっ、清水さんの家だ……」
京太郎「……どうしたもんか」
ここに来て、今までで最大の難関が少年少女を襲う。
少し前の老人と同じく、二階から見張る中年の女性。
家屋に取り付けられた電灯も同じではあるが、決定的に違う点がいくつかある。
家中の電気を付けている事、つまり子供等が一階にいる可能性。
そして双眼鏡まで常備し、並々ならぬ警戒心を振りまいている事である。
立地的に回り道は不可能で一階を通り抜ける事も不可能。
正面なんてもっての他。両隣の家も埋まっていて、何よりその警戒心。
生半可な事をすれば、その時点で即通報だろう。
京太郎「ちょっとここで待ってて下さい。チャンスと同時にあっち側に見える大木まで一人で移動お願いします」
豊音「? どうするの?」
京太郎「裏手に回ってブレーカー落としてきます。ブレーカー家の外にあるみたいなんで」
豊音「……えっ?」
京太郎「あれだけ電気全開ならブレーカー落ちても不思議ってわけじゃないですし」
京太郎「それにブレーカーを上げるにはあの人も家から一回出ないと行けませんしね。その間に抜けましょう」
豊音「良いのかなぁ……?」
京太郎「どのみちここまで来れば多少の居場所バレリスクは無視出来ますよ。んじゃ、行ってきます」
ガコン。
ギャーギャーと騒ぐような声と、数分後に再度点灯する家屋。
何事も無かったかのように再度見張りを再開した所を見ると、どうやら少年少女の存在は露見しなかったらしい。
途中の声を聞く限り、子供が停電で騒ぎそれをあやすために時間を使ったらしいのも幸運であったのかもしれない。
それが意識をそらす結果にも繋がったのだとしたら、二人はこの夜相当にツイているといっても良いだろう。
豊音「あ、こっちこっちー」
京太郎「上手く行きましたね。そんじゃ行きましょう」
そして当然、そんな幸運が加わったのならこの二人が失敗するはずがない。
二人が歩むその先には、東の山道。
ようやくここまで、二人は辿り着いた。
京太郎「後はここだけですから。もうちょっと頑張って下さい」
豊音「はぁっ……はぁっ、あ、うっ……はぁうっ……だ、大丈夫……」
京太郎「(……女の子に体力勝負させてる男ってのも、どうなんだよって話だよな)」
山道を登る少年少女。
少年の方には幾ばくか余裕があるが、少女の方はここまでの逃走もたたって疲弊の極みにある。
このままでは途中でへばってしまう可能性もあると見て、少年が休憩を取ろうとした矢先。
京太郎「……! そこに茂みに隠れて!」
豊音「……へ? え、あ、うん」
二人がその体を密着させて、茂みの隙間に身を潜ませてから十数秒後。
二人が先ほどまで居た場所を大人が数人通り過ぎ、山道を上がっていった。
身を潜ませていた二人には気付かなかったようだが、それでもこれは最悪のケースに近い。
京太郎「(……ヤバイ。上に行かれた)」
京太郎「(隠れたのは豊音さんの休憩代わりになったとはいえ、体力は十全には戻ってない)」
京太郎「(見つかって追いかけっこになったらすぐ捕まる。……どうする?)」
京太郎「(このまま道を進んでも隠れる場所がない以上鉢合わせ、かと言って戻っても……)」
京太郎「(……どうする)」
京太郎「(考えろ)」
豊音を休憩させつつ、思考に没頭する。
自分以外の何物も視界に入らない程の思考に沈みそうになった、その瞬間。
少年の瞳に、希望が映った。
なんだろう、sirenやってる気分になった、視界ジャックはないけど
「ワンッ!」
「ワンッ」
京太郎「……へ?」
豊音「わ、かわいいー」
少年に駆け寄ってくる子犬と、その親らしき大型犬。
わーいという心の声が聞こえてきそうなノリで近づき、子犬の頭を撫でる豊音。
貴女の方が可愛いです、とかとても言えない雰囲気だ。
……と、いうより。少年はその子犬に、見覚えがあった。
京太郎「お前あん時の……良かった、無事だったのか」
「ワンッ、ワンッ!」
それは少し前、少年が体を張って助けた子犬であったのだから。
豊音「? 知ってる仔?」
京太郎「知ってるというか、さっき危ない所を助けたというか……」
豊音「ふーん……あ、それなら恩返しに来てくれたんじゃない?」
京太郎「恩返しって、鶴や地蔵じゃああるまいし」
第一言葉や助けられた事も分かってないんじゃないですか、と少年が言いかけたその時。
「ワンッ」
子犬が彼のズボンの裾を引っ張って、山道の端へと引っ張って行こうとする。
具体的には、ガードレールの向こうの森まで。
京太郎「おいおい、どうしたお前?」
豊音「あれ? ここにあるのって道じゃない?」
京太郎「……え?」
道……とは言っても、コンクリートに舗装された道ではない。
いわゆる獣道。しかし人が十分に通れるサイズの、大きな道だ。
方向だけ言えば、それはこの山の頂上へと向かっていた。
豊音の能力、少年が置かれた現状。
そこにこの道が加わった事で、開けた光明。
京太郎「……悪かった。お前の感謝の気持ちを、言葉が通じないからって無下にした」
京太郎「ありがとな。本当に、助かったよ」
「ワンッ」
京太郎「誇らしそうな顔してんなぁ、お前」
誰かを助けた事実は、回り回って自分を助けるという当然の世界の真理。
>>67
あれも見つかったら終わりで、大抵足でまといの美少女がいるもんな
?「豊音ちゃんの匂いがするよ〜」
そして、約一時間。
それは休憩を挟みつつこの二人が小高い山を登り切るには、十分な時間。
そして今。
「ゲームオーバーだ、クソガキ」
「さぁ、帰りましょう。豊音様」
「貴女はそこの余所者にたぶらかされただけなのです」
豊音「……えぅ」
京太郎「……」
二人は、大柄な若い三人の男に囲まれていた。
とうとう見つかった。ここで、断言しておこう。
この状況、二人だけの力で逃げる手は絶対に存在しない。
山頂近く。
バス停前の、案内板が見える位置。
京太郎が少し前に訪れた場所、この村におけるスタート地点。
奇しくもそこで、二人は追い詰められていた。
「その余所者は、こちらで傷めつけておきます」
「豊音様はお疲れでしょう? 今こちらに、車を向かわせております」
「貴女は今までどおり、この村人全員が何不自由ない生活を約束いたしますよ」
声が響く。
字面だけなら甘い誘惑だろう。
……しかし。そこに込められた感情と、彼らの豊音へと向ける視線で台無しだ。
そこには、人間に向けられて然るべき物が何一つとして含まれていない。
だからこそ。
豊音「……だ」
「? なんでしょうか、よく聞こえなかったのですが」
豊音「嫌だ」
もう、そんな言葉で。
豊音「嫌だって、そう言ったの」
そんな『結界』では、彼女は縛れない。
豊音「……テレビで見たよ。カエルって、海に出たら塩水で死んじゃうんだってね」
彼女が語るのは決意。
もう貴方達の神様にはならないという決意。
豊音「『井の中の蛙大海を知らず』っていうのは、本当は井戸から出ない方が良いって教訓だったんだね」
彼女が語るのは意志。
もう貴方達の人形にはならないという意志。
豊音「それも私は……この井戸から出たい。誰でもない、私がそう願ったから」
彼女が語るのは覚悟。
人間として生き、化物にはならないという覚悟。
豊音「井戸の中で満足するカエルも居るかもしれない」
豊音「井戸の外が怖いっていうカエルも居るかもしれない」
豊音「それでも私は、この眼で大海を見てみたい」
豊音「だって私は、この世界に生まれたんだから。今もこの世界に生きてるんだから」
豊音「こんな狭い『井戸/村/世界』の中じゃ、もう満足できない」
大海を目指すカエルが居ても良い。
そのカエルはきっと、自分がいつの日か迎える結末がどんなものであったとしても。
きっと、それを誰かのせいにはしないのだから。
豊音「井戸の外でどんなに傷付いたっていい」
豊音「井戸の外で生きると決めたのは私だから。その責任は全て私に在る」
豊音「私の生き方も、その価値も、その結末も!」
豊音「全部、私が決めるんだ!」
豊音「ぜんぶぜんぶ、私のものだから! 貴方達のものじゃないっ!」
豊音「『これ』だけは、ぜったいに貴方達なんかには渡さないっ!!」
圧倒された。
呑まれていた。
村に住まう三人の男は、彼女のその言葉に完全に呑まれていた。
神と崇めたものの言葉だったから?
普段寡黙な彼女が大声を張り上げたから?
追い詰められてなおその決意に曇りがなかったから?
違う。
それらもあるが、決定的なのはその言葉その物だ。
その意志が、あまりにも人間臭かった。
その言葉が、あまりにも煌めいていた。
その言葉は神様とはあまりにもかけ離れていて、彼女を一人の人間として認めさせるには十分で。
彼女の強い覚悟が込められた言葉は、彼らの心を震わせるには十分だった。
……だが、しかし。
「……それでも、戻って頂きます」
「貴女を心の拠り所にしている者も、少なくはないのです」
「申し訳ありませぬ」
それは大人として成熟した理性と、長年の信仰と、集団に迎合する全体主義の一環。
周りに合わせようとする日本人の気性と、少なからずあった意地が彼らの心の叫びを阻害した。
物差しが固定された大人は、時に心の声を封殺してしまう。
それは良くも悪くも、柔軟になれないということだ。
京太郎「……そうかい。ならこっちも、遠慮は要らないな」
豊音に迫る三人の前に立ち塞がる、何の変哲もない少年。
数秒後には大人三人に組み伏せられているであろう、何も出来ない事が確定している少年。
けれどもその瞳には、一欠片の諦めも浮かんでおらず。
不敵な笑いを浮かべて、三人と一人の間に割り込んでいた。
「おいクソガキ。お前は後だ、そこを———」
京太郎「どんだけ遅刻だよ。俺はすぐ乗るために時間通りに来たってのに」
迫る男。
逃げる素振りも見せず、どこかの誰かに語っているかのように話す少年。
京太郎「ああおっさん達。都市伝説について講義してやるよ」
京太郎「都市伝説ってのはな。特定条件下であったり、短距離であったり」
京太郎「かなり条件が絞られるが、『空間転移』が使える奴が居る」
京太郎「都市伝説ってのは、その多くに『神出鬼没』って属性が付いてるからな」
「お前、何を言っている……?」
「頭がおかしくなったのか」
京太郎「けどそれが発現するのは希少なんだ。人なら尚更な」
京太郎「アイツのその一人だが……『バス停に向かって』しか移動できないって制限がある」
京太郎「その点便利だけどな。荒川病院前とかもバス停あるし」
「……? ……! まさかっ!?」
京太郎「ご名答」
少年の背後にあるのは、『バス停』。
次の瞬間、道を照らし光るカーライト。
恥も外聞もなく全力で跳び、突っ込んで来るバスを回避する三人。
車内に吊り下がる数え切れないほどの傘を揺らしながら、バスはその扉を開く。
その運転席には、京太郎と同年代であろう金髪の目も冴えるような美少女が乗っていた。
「すみません、録画してたもののけ姫を見てたらメールに気づくのが遅れまして」
京太郎「どうせすぐ再放送すんだからその時見ろや!」
もののけ姫はあまり再放送されていないと思う…
なんどめだナウシカ
要するに、少年の言う『裏技』の種明かしはこういうことだった。……という事で。
「……また女の子ですか」
京太郎「またってなんだまたって。女の子専門で助けてるわけじゃないぞ」
「ええ、それは分かってますとも。貴方にそんな積極性があるわけ無いですし」
京太郎「そうそう、分かれば……なんかさらっと俺をバカにしたなお前」
「ああ、また照さんの機嫌が……京さんはもっと、こうですね」
京太郎「どうしろってんだよ……」
「乙女には乙女なりにして欲しい事ってものがあるんです。私だって、京さんにして欲しい事ぐらいあります」
京太郎「そういう事は口で言って下さい、マジで」
「乙女の口からそれを言わせるなんていやらしい」
京太郎「えっ、お前何させるつもりだったの!?」
バスは発車する。
三人の男を、村を、彼女を縛る『結界』を尻目に、彼らの手の届かない所まで。
豊音「……さよなら」
京太郎「豊音さん、話に聞いてた貴女のお父さんの所まで……豊音さん?」
豊音「うん、お願い……どうしたの?」
京太郎「なんで、泣いてるんですか?」
豊音「……え?」
少女が頬に手をやり、その雫を拭う。
本人すら気付かぬ内に流れた涙。
……涙は、心の中で膨れて溢れた環状がこぼれた物なのだと、誰かが言っていた。
ならば、この感情は?
豊音「……嬉しいのかな。それとも、やっぱり少しは寂しいのかな」
豊音「分かんないや」
京太郎「……豊音さん……」
豊音「もー、そんな顔しないでよ」
豊音「私があの村に抱いてた気持ちはよく分からないけど、それでも貴方に抱いてるこの気持ちはハッキリしてるんだから」
複雑な表情を浮かべる少年と、そんな少年に笑顔で向き合う少女。
今度は逆の立場で。少女が少年の眼を見て、真っ直ぐな気持ちを伝える。
それは最初の出会いを逆転させたかのようなシチュエーションで、少女が少年に伝える構図。
それはすなわち、助けた者と助けられた者の誠意の形。
豊音「ありがとね、京太郎くんっ!」
———感謝。
そして、りつべ市の警察署。
夜勤中の父親に会い、事情説明。
「ああ、お前が……」というよく分からない言葉と視線を向けられ、京太郎は終始クエスチョンマークを頭に浮かべていたが。
そして父親は、次に感謝。そして諸連絡。
それからてんやわんやな日々が続き、豊音が最後に村人への説得を成功させる事で終止符が打たれたのだった。
この事件から全ての集結までにかかった月日実に一ヶ月。
全てが終わる頃にはすっかり仲良くなっており、京太郎が特別な呼び方をその父親に対して使うのに時間はかからなかった。
そして豊音の母は病院を移動、豊音は緊急性適用の転校の後、受験勉強。
そこで彼女は終生の親友達と出会う。
そして単身赴任を辞める勢いで家族のもとに帰ろうとした父親は妻と娘に止められ、少年を助け支える者の一人となった。
このお話の結末は、そんなどこまでも続いていく少女の一生を切り取っただけの一幕。
少年がやって来た。
八尺様と出会った。
八尺様は己を囚える結界を抜け、自由となる事を望んだ。
少年はその村を、車に乗って去って行った。
……奇しくも、最も有名とされる八尺様のエピソードと似通う形の物語。
けれども、そこには最大の違いがある。
少年が八尺様を突き放したか、それとも救おうとしたかの違いだ。
どちらかが正しいなんて誰にも分かりはしない。
けれども、八尺様を助けようとする少年が居たって良いじゃないか。
これはそういうお話で、そうした少年のお話でもある。
そして助けた報酬として、このお話の締めくくりには『八尺様』の笑顔が飾られている。
それだけ。それだけだ。
少年の労力の対価は、彼女の笑顔のみ。
それでいい。それでいいのだ。
それはきっと、彼の努力に見合う結果なのだから。
……現在(いま)に繋がる過去(むかし)の話は、ここまでだ。
ここからは、未来(あした)に繋がる現在(いま)の話をしよう。
彼女の無実を証明する戦場に、戻る時間だ。
今夜はここまで。お付き合い感謝ー!
ねむいしぬげんかい
過去編は迂闊に安価出すと整合性出せなくなるのが問題
次回からはようやく現代編に戻るYOー
腰ガタガタかつ眠気ボンバーなのでここらで失礼します
レス返しなどは明日
明日こっから続きできたらいいな
おやすみなさいませー
しかしこれもう(誰がヒロインか)わかんねぇな
こんばんわらび
なぜ休みの方が忙しくて投下できないのか
冷静に考えれば人付き合いやら休みに片付ける案件やらの方が夜に時間食う可能性高いですよねという話
というわけで明日投下しますー
最近アニメのお陰で進撃熱が再燃してきたのを感じます
>>45
戦闘本業じゃなかった時代ですし
>>59
おうはやくバレー部主将活躍させろよ
>>61
巫女ハーレムじゃないですかー!
>>62
S組にお帰り下さい
>>67
>>69
そういえばなんかそれっぽい
>>70
(女教師が殴る音)
>>80
>>81
ナウシカは以前15回目だとか聞いた記憶が
>>97
読者の数だけヒロインが居てもいい、自由とは以下略
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1304/26/news098.html
やだ嬉しい
ロードショーとかで放映されたら実況で鯖落ちそうな予感
ハリウッドが黒歴史を披露するのなら
イッチも黒歴史を公開してもいいじゃない(ゲス顔)
正直な話イッチの文章が好きなのでイッチの過去作を公開できる範囲で教えて欲しい
こんばん童歌
ドラグーンストームをゴーシュートしようとしたらスタジアムがなかったので仕方なくクラッシュギアのフィールドにぶち込んだらなんかコレジャナイ感
今夜21:30スタートですよー
扉の向こう側に行こうとしても規制にシャットアウトされてしまうという話
>>104
やだよ(真顔)
何が悲しくて自分の向き合いたくない自分、ペルソナ4のシャドウに匹敵する者達と向き合わなくてはならないのか
お前なんて俺じゃない!のラッシュですから!
http://frablo.blomaga.jp/articles/24128.html
(>>1が黙って帽子を脱ぐ音)
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投下はっじめーるよー
須賀京太郎の所属する一年B組は、学年でもっとも騒がしいと評判のクラスである。
中央高校は各学年につき18クラスを保有する大規模校であるが、一年生どころか全学年合わせてもこれほどに騒動の絶えないクラスはない。
そう先生方に噂されるほどには落ち着きと縁遠いクラスである。
その騒動の中心には、いつだって一人の少年と三人の少女が居るとされる。
しかし今、その一年B組には三人の少女しか存在せず。
少年はいずこかにて駆けまわっており、この場には存在しない様子だ。
既に放課後。 学生が自由と青春を謳歌する頃合いである。
怜「……んー?」
穏乃「どしたの?」
怜「相棒からメールなんやけど……うーん……?」
怜「なーんか違和感が……うむむ」
憧「見せて貰っていい?」
怜「ええよ、ほな」
そんな三人の内一人に届くメール。
噂をすればなんとやら、その今は居ない少年からのメールな模様。
そこに書かれていたのは、簡潔だが要点を抑えた頼み事。
とある事件の概要と、そこで確認された都市伝説について。
そして、『それが八尺様ではない』という前提で調べて欲しいとの事。
頼み事自体は、いつもの事でまあ珍しい事ではない。
だからおかしくはない。
彼が忙しくて手の離せない案件を抱えているのなら、誰かに頼むのも別に変ではない。
だからおかしくはない。
それについて彼の代わりとしてもっとも相応しい怜に頼むのも妥当である。
だからおかしくはない。
しかし、だ。
憧「……確かに変ね。極端におかしい所があるってわけじゃないけど」
騙せる相手と騙せない相手というのは、誰にだって居るもので。
彼は普段、彼女らに限定すれば話してはいけない部分以外に関して割と明け透けに話す。
それは彼の自己評価からくる、大抵の場合誰かに意見を求める事が最良の手段であるとの考えから来るスタンスというのが一つ。
そしてもう一つは、義弟として義姉の影響をほんの少し受けているという事実。
つまり、彼はそこまで隠し事が得意ではないのだ。
そのクセ本人には自覚が無い辺り、須賀京太郎が新子憧に高鴨穏乃と同類扱いされる所以である。
親しい人物であればあるほど、彼の隠し事は成功率を引き下げる。
このメール一つとっても、怜に違和感を、憧に何かがあった事を悟らせるには十分なほどに。
憧「アイツが自分の得意分野を他人に任せるってのも滅多にある事じゃないし」
憧「なーんかこの事件? についても要所隠してる感がするし」
憧「本気でヤバイんなら私達じゃなくて健夜さんに頼ってる気がするし」
憧「何より、『八尺様』ってのがねぇ……誰が関わってるか、丸分かりというか」
穏乃「なんか憧の言ってる事ほとんど分かんないけど、巻き込まないようにって一人で頑張ってそうだよね」
憧「……思考とか論理の組立とか無しでその結論が出せるアンタが本気で羨ましい時があるわ」
穏乃「???」
怜「あっはっは」
じゃれてるのか八つ当たりかは別として、穏乃のポニテを風車のようにブンブン回し始める憧。
やーめーろーよーはーなーせよーという声を尻目にケラケラと笑う怜。
けれど、どこか足りない。何かが足りない。
そんな気持ちを共有しつつも、その原因なんて分かりきっている。
そんな三人であった。
怜「なんや、相棒が隠し事苦手になった理由の一端分かった気がするわ」
憧「アレは生まれつきよ……たぶん。うん、たぶん」
穏乃「私よりは上手い気がするけどなぁ」
隠し事の意味が無いならするわけがない。
繰り返して試行錯誤しなければ上達はしない。
それはなんだってそうで、嘘だってそうだ。
隠し事が通じない才女と、隠し事が無くとも生きていけると体現する少女。
二人に挟まれて育った幼少期に彼が何を学び、どう育ったか。
神様ぐらいにしか、それは分からないのではないだろうか。
京太郎に勧められた指紋の付きにくくなる画面保護シート。
それが貼られたスマートフォンをポッケにしまい、怜はぴょこんと椅子から降りる。
怜「ま」
身体を傾け、腕を伸ばし。
うーんと背を伸ばす彼女の背筋からぽきぽきといった可愛らしい音が鳴る。
いつも隣にいる少年が居ない、彼女のその姿には違和感がある。
けれどもそれは、二人がそれぞれ一人では何も出来ないという事を意味しない。
怜「『今は』気にしてもしゃーないけどなぁ、うちはまず頼まれた事こなさんと」
そんな彼女に合わせるように、椅子から立ち上がる二人。
片や身体能力において。
片やその頭脳において。
怜と京太郎を上回り、そして今怜に力を貸そうとする者達である。
穏乃「あ、手伝うよ」
怜「ホンマ?」
憧「ま、私達も特に何かする事があるわけじゃないしね」
怜「おぉ……ゆゆうじょうパパワー!」
憧「そういうのいいから、うん」
穏乃「で、どっから行くの?」
怜「なーに、決まっとる」
歩き出す怜と、その後ろに続く二人。
なるほど、これは確かに安心する。
背中を預けるだけで、それだけで頼りになる事が伝わってくる。
普段この二人に心と背中を預ける京太郎の気持ちが、ほんの少しだけ分かった怜であった。
怜「いつも相棒が頼っとる人を探して、頼ればいいねん」
園城寺怜は思考する。
怜「(考える)」
怜「(こういう時に、あの人がどう考えるか)」
怜「(大丈夫、そう難しい事やない)」
須賀京太郎になった気持ちで、考える。
本来、現在この街における京太郎の最大の理解者は宮永咲である。
しかし思考のトレース、とっさの判断の類似性などに限定すれば怜の方に軍配が上がるだろう。
だからこそ、京太郎は怜(あいぼう)を頼った。
怜「(情報は全く無し。何が見つかっても大金星や)」
怜「(何も言わなかったけど、たぶん欲しがってるのは『犯人』についての情報)」
何が必要か、何を求めるべきか。
須賀京太郎という人物を加味した上で、最適の行動指針を叩きだす。
言われて分からないのは三流、言われて分かるのが二流、言われずとも分かるのが一流の相互理解である。
怜「(『八尺様ではない』という前提で、この事件の犯人像を探し洗い出すんや)」
怜「(そいつを掴まえるのが、勝利条件なら)」
この殺人事件。
その犯人が『何か』を突き止める事が、おそらく彼にとって最高の援護になるだろうから。
怜「(それと、ついでに)」
結論が出てもなお、彼女は思考を止めない。
というより、ここからが本番だ。
今回必要なのは頼まれた事ともう一つ、京太郎にとってではなく彼女達にとって大切な事がある。
怜「(うちらを呼ぶか、呼ばないで一人でどうにかしようとするか)」
怜「(どっちかは五分五分……? やけど、なんとなく呼ばれん気がする)」
憧の言動、穏乃の直感、そして何より自分のカン。
それらを己の思考に加え、京太郎の思考を推察する。
邪推になるかもしれないが、それでも彼女は自分の中の『なんとなく』を信じる。
なんとなく、遠ざけられている気がする。
その虫の知らせに似た何かを柱に、彼女は思考する。
怜「(呼ばれな、うちらは駆けつけられれん)」
怜「(須賀京太郎に呼ばれる形でしか、うちらは戦いに力を貸せない)」
それが事実。
それが現実。
それだけは覆せない、彼と彼女らのルールだ。
ネクサスが彼の号令でしか起動しないように、ネクサスの無線ネットワークが彼を中心に結線されているように。
京太郎が拒めば、誰も彼に力を貸す事は出来ない。
役者として舞台に上がるためには、まず彼に呼ばれなければならないのだ。
だからこそ、彼女の中の遠ざけられているという感が響いてくる。
……けれども、だ。
怜「……せやから、『そっち』も考えんとなぁ」
怜「ほっとかれておとなしゅうしとるほど、うちらは清楚やないんやで」
その程度で大人しくしている殊勝な女なら、彼の相棒になど選ばれはしない。
【移動可能先】
・一年A組
人物:原村和(メイン)、宮永咲etc…
オカルトとは関係のない知識面からのアプローチ。
・一年B組
人物:誰も居ません
街に流れる噂の情報。
・生徒会室
人物:花田煌、二条泉、船久保浩子、原村和etc…
有用な情報、あるいはヒントの提示。
・園芸部温室
人物:松実宥(メイン)、宮永咲、松実玄etc…
学外における情報、ほぼ確実にイベントが発生するヒント。
また、サポートアイテムの入手が可能。
・天文学部
人物:大星淡etc…
夜間の街の情報。都市伝説に関する有用なヒント。
・家庭科室
人物:清水谷竜華(メイン)etc…
人脈からくる広範囲の情報。ヒントの提示。時々ステータスアップ
・図書室
人物:天江衣、宮永咲etc…
都市伝説の種類に関して確定で一つ情報ピースを入手可能。
・事務所支部部室
人物:今まで登場した人物全て(メイン)、今まで登場した事の無い人物
全ての人物が居る可能性有り。何でも起きる可能性有り。何でも手に入る可能性有り。
【調査目的:謎の都市伝説の正体、及びとある友人の追跡】
【移動先指定可能回数:残り三回】
【情報ピースを三つ集めて下さい】
怜「さて、どこに行ったろか」
移動先を指定して下さい
>>144
図書室
【図書室】
穏乃「ああ、特に理由のない頭痛が私を襲う……!」
怜「本に囲まれただけでオーバーやなぁ」
憧「違うわ、しずは活字に囲まれてるだけで苦痛なのよ」
穏乃「ああ、図書室で自分から進んで勉強してる人がいる! ここは別次元だよ憧! 逃げよう!」
憧「どこによ」
衣「お前達は一体、何をしにここに来たんだ……?」
一「あ、あはは……」
憧「ちょっとここの検索用PC借りますね」
衣「構わない。遊び目的でインターネットは使えないからそのつもりでな」
怜「相棒がよく使っとる都市伝説関連の書籍が多い棚ってどのへんなん?」
一「ええと、確かA-6とD-7が一番多かったような」
穏乃「ここのソファーで寝てても大丈夫ですか?」
「「帰れ」」
憧「しまった、痛恨の誤算……!」
怜「この場所、この状況において穏乃ちゃんは雨の日の大佐にしかならん……!!」
〜〜調査中〜〜
怜「ルーツ、派生……うーん……?」
憧「今ん所一番怪しいのは『山女』じゃない?」
衣「そう決めつけるのは早すぎると思う。衣の勘だが、八尺様と間違えられるのが重要なのではないだろうか」
一「って言っても、八尺様自体相当に最近の都市伝説だよ?」
憧「外見だけなら、カシマレイコとか……」
怜「アレだけメジャーな都市伝説なら目撃証言でそうだと分かるもんとちゃう?」
憧「うーん……それもそうね……」
「「「「……うーん……」」」」
穏乃「あ、ねね、これ見てよ」
憧「何? 今こっち話し中なのでちょっとだけ大人しくしててね」
穏乃「私は図書館で母親にたしなめられてる子供か! ってかそうじゃなくて!」
怜「?」
穏乃「や、ネットでポチポチやってたら見つけてさ。これこれ」
衣「……なんと。これは盲点だった」
一「え? でもこんなマイナーなの?」
怜「奇遇やな、マイナーな都市伝説がどうこうって話は最近した気がするで」
憧「……成程。可能性はむしろ高まるって事ね」
穏乃「どう? どう?」
憧「うん。お手柄よ、しず」
穏乃「ふふん」
【情報ピース:『八尺様の派生とルーツ』を入手しました】
【情報ピース:『候補となる都市伝説の情報』を入手しました】
【調査目的:謎の都市伝説の正体、及びとある友人の追跡】
【移動先指定可能回数:残り二回】
【情報ピースを一つ集めて下さい】
怜「さて、どこに行ったろか」
移動先を指定して下さい
>>160
事務所支部部室
【事務所支部部室】
怜「たのもー」
穏乃「たのもー!」
憧「ここは道場じゃないし、何を破る気?」
怜「……常識とか?」
穏乃「音速の壁とか」
憧「破っちゃいけない物ってのはどこにだってあるものよ」
モモ「おおう、入室と同時に流れるような漫才っすね」
煌「ままっ、相も変わらず仲が良さそうですばらですよ」
姫子「あのノリについてくのはちょい厳しかばい」
Mの集まりかストーカーの集まりか・・・
Mの集まりか
怜「かくかくしかじか」
モモ「それで通じんのは漫画の中だけっす」
穏乃「あー、実はね黒子」
モモ「桃子っす桃子! 何でこの部の人達は京太郎くん以外私の名前をちょくちょく間違えるんすか!」
憧「(……なんでだろ。都市伝説と関係あるのかしら)」
怜「ってか珍しい組み合わせやな」
煌「偶然ここに居たというのと、それと桃子さんには進路の話ですね」
穏乃「進路?」
憧「……しず、アンタ二年後にはちゃんと覚えとくのよ?」
穏乃「……? ……あっ! そっか!」
姫子「ま、そういう事やね。桃子も部の先輩見て気になったと話」
憧「ってかもしかして、京太郎が少し焦ってる理由って……」
怜「かもなー。急がんと、ちょいマズイんかもしれん」
煌「生徒会長としても、流石にこの事件の解決がノビノビになるのは看過できませんね……」
モモ「このタイムリミット、最初から見えてたんすかね? 京太郎くん」
穏乃「んー、分かんないけどたぶん」
姫子「……なるほどなるほど。そげな事情なら、私は役に立ちそうやね」
憧「よしっ」
怜「これで場所の確認自体は問題なし、っと」
モモ「んー、でもそんなに心配要らないんじゃないっすか?」
穏乃「? なんで?」
モモ「や、この前スーパーパワー! と調子に乗って京太郎くんの訓練の模擬戦に混ぜてもらったんすよ」
穏乃「黒子って割と調子に乗りやすいよね」
モモ「桃子! 桃子っす! って、そうじゃなくて……まあとにかく、そこに居た五人組と京太郎くんの模擬戦に混ぜてもらったんす」
煌「……どっちの五人組?」
モモ「……遠野の方の」
姫子「あちゃー」
憧「……凄いの?」
怜「けっこう」
モモ「ま、まあとにかく。その推論が合ってるなら、あの人達が黙ってるわけ無いと思うっすよ」
モモ「なんだかんだ、私達が間に合わなくてもどうにかなってるんじゃないっすかね?」
【ヒントフラグ:『京太郎援護可能情報』を獲得】
【調査目的:謎の都市伝説の正体、及びとある友人の追跡】
【移動先指定可能回数:残り一回】
【情報ピースを一つ集めて下さい】
怜「さて、どこに行ったろか」
移動先を指定して下さい
>>173
天文学部
【天文学部】
淡「昨日何か見てないかって? 見てない。以上」
穏乃「早っ!?」
淡「そもそも昨日は眠かったからすがっちとポチポチメールやって寝たぐらいだし」
憧「マジで?」
淡「何で嘘つかなくちゃいけないのさ」
怜「……うーん、相変わら星神さんはセメント対応やなー」
淡「私自他共に認めるコミュ障だし。そして治す気もナシ」
穏乃「うわぁい、メンドクサイっ」
淡「私は好きになれる奴にしか愛想よくなんてしませんー」
淡「私の唯一無二の親友みたく誰とでも仲良くなんてやる気が欠片も出ないし」
淡「誰とでも仲良く愛想よく、なんて生き方がどんだけ疲れるか分かる? あの点で私はすがっちをものっそく尊敬してるよ」
淡「あんなの多大な労力払って自分の人生削って他人に捧げてるようなもんでしょ」
憧「……ま、そこだけは同意しとく」
穏乃「縛られんの嫌いそうだもんねー、大星さん」
淡「当たり前でしょ!」
怜「ふむふむ、ならどうしたらあの相棒はマトモに生きられると思うんや?」
怜「是非とも君に聞きたいなー、なんて」
淡「誰かが傍でアイツの舵取るしか無いでしょ。ハンドル握ってなきゃ車は真っ直ぐ進めないんだから」
淡「例えば、私とか!」
怜「ないない」
憧「ないない」
穏乃「ないない」
淡「息ピッタリで正直感心した」
【探索パート終了】
【情報ピース三つ揃わず。探索パートで情報は完成しませんでした】
【次パートに移行します】
……ああ、昏い。
部屋でもなくて、電灯でもなくて、心に広がる世界が昏い。
光が差していなくて、何一つとして輝いてない。
「……今、何時だろ」
警察署の一室、牢屋では無さそうだけどどこか殺風景な一室に私は居る。
事情は全てではないものの、刑事さんに説明されて把握している。
事件のあった時間何をしていたかも話した。なんで夜出歩いていたかも話した。
それでも刑事さんは難しい顔をしていたから、きっと私にとって良くない事になってるんだろう。
京太郎くんの証言も、身内のかばい合いと判断される可能性が高いと言われた。
……それでも、私はやってない。そんな事、私は絶対にやってない。
人を進んで傷つける趣味なんて、私にはないんだから。
「……仕方無い、なんて言いわけだよねー」
夜か朝なのか分からないようなあの時間に、私の家に警察の人達が来た時。
そこにタバコを吸って、私に声をかけないで佇んでたおとーさんを見た時。
逃げる事も抗う事も出来たろうに、私はそうしなかった。
たった一つの弁明すら、私は言葉として発する事が出来なかった。
……その時だけは、まるであの村に居た時みたいに心が硬く冷えきっていた。
結局、一度もおとーさんは声をかけてくれなくて。
それがどうしてもさみしくて、寂しくて、心細くて。
心が折れそうで……でも、折れちゃいけないと思った。
これは私が選んだ道だから。
それがどんなに理不尽に見えたとしても、それがどんなに残酷に見えたとしても。
豊音「……うん。下向いてちゃいけない」
道半ばで歩む事を止めてはいけない。
それが自分の選んだ道ならば、最後までそこに責任を持たなくちゃいけない。
あの日『自由』を選んだその時に、私はそう誓ったんだから。
……それに。
それに、だ。
ちょっと、恥ずかしいけど……私が囚われのお姫様なら、きっとあの人は白馬の王子様だろうから。
もしも私がそう『期待』したら。
『期待』してしまったら。
それを彼に伝えなくても彼が応えてくれるような、そんな意味の分からない『期待』をしてしまう。
期待に応えるのが彼の在り方だとしても、それは口に出さなければ意味が無いのに。
何にも期待しないリアリストな私はどこに行ってしまったのか。
……そんな事を考えてる内に、扉が開く。
その向こうからは見慣れた姿。見慣れた風貌。
「……よし。ここだここ」
「夕方に侵入して、ここまで来るのにまさか夜までかかるとは」
「ちょい遅刻かもですが、その辺勘弁して下さい」
……心の準備も、貴方に祈るのもまだだったのに。
この人はホントにもう。 素直に感謝の気持ちぐらい抱かせて欲しい。
「あー、やっぱシケたツラしてましたか」
豊音「女の子にそういう事言っちゃダメでしょ?」
「おっとと、失敬」
だから、ちゃんと伝えないと。
豊音「ありがとう」
「まだ何も終わってないですよ。お礼なら全部終わってからで——」
豊音「ううん。そっちじゃなくて」
まだ救って貰ったわけじゃない。
けどこのお礼は、救って貰ったお礼じゃない。
豊音「救ってくれた事じゃなくて、救おうとしてくれた事が嬉しいんだ」
豊音「……誰も救ってくれようともしないのは、一人ぼっちの証だと私は思うから」
豊音「だから今言うんだ。ありがとうって」
正直な話、一杯一杯だったから。
おとーさん、警察、一人ぼっち、思い出してしまったあの村の事。
妖しく輝く月を掲げて、降りてくる夜と悪夢のような不安。
長い夜を一人で過ごす事に、私が耐えられるか分からなかった。
だから貴方が来てくれた事が、本当に嬉しい。
豊音「苦しい時に、悲しい時に、辛い時に」
豊音「一人ぼっちで寂しい時に、隣か前に貴方は来てくれる」
豊音「悪い夢に心が呑まれそうになった時に、貴方は『私は一人じゃない』って思わせてくれるから」
言葉だけでこの気持ちが全て伝えられるかは分からないけど、きっと口にしなければ一欠片も伝わらない。
豊音「だから皆、ありがとうって思うんだよ」
豊音「私だってそうだし、きっとそう思ってるのは私だけじゃない」
豊音「……だから」
ありがとう。
私を『一人ぼっち』から助けてくれて、ありがとう。
けど京太郎と豊音をみてるとWORKINGを思い出す。
なんつうか・・・、
豊音「京ちゃんに介護してもらわないと私死んじゃう・・・」
京太郎「はいはい、わかったから豊音姉さん・・・」
久「え〜〜、京太郎が私をのけ者にした〜」
こんな感じで
京太郎「……どういたしまして」
……横向いて頬を掻いてる。
照れてるのかな?
こういう時はちゃんと年下に見えるのに。
そんな彼は気を取り直したかのように、その右手をこちらに差し出してくる。
あの村で私が変わった、変われた瞬間。最初に踏み出した一歩。
それを思い出す、彼の右手。
京太郎「逃避行ってやつですね。逃げましょう」
けどその前に、ちゃんと聞いておかないといけない事がある。
私なんかを助けてくれる彼に対する、精一杯の誠意。
彼も私も、ここから逃げ出すって事の意味は分かってる。
私がどんな気持ちでここに居たか、彼がどんな覚悟でここに来たか。
互いに分かってる。だから、ちゃんと互いに言わないと。
豊音「私がやってないって、信じてくれるの?」
豊音「警察の人も、……おとーさんも、きっと信じてないよ」
豊音「……それでも、信じてくれるの?」
お互いに、本当の意味で『信』じたいと思うから。
京太郎「貴女が私はやってない、信じてくれと俺に言う限り」
京太郎「俺は貴女を信じる」
京太郎「俺は、ずっとあなたの味方です」
その言葉を待っていたかのように、彼が言う。
だから私も、ちゃんと答えないと。
豊音「……私」
豊音「私、私……!!」
豊音「私、やってない! 信じて! 私、私は……!」
京太郎「信じますよ。あの夜貴方の無実の時間を見てた、唯一の人間が俺ですし」
京太郎「この世界で俺だけが、貴女の無実の証拠をこの眼で見てた貴女の味方ですから。責任ってもんがある」
京太郎「……ま、それを抜きにしても」
京太郎「貴女が信じてくれというのなら、世界中の誰が信じなくても俺は信じます」
……この歳で恥も外聞もなく泣いてしまったけど、それの何が悪いのー?
これがメインヒロイン…
なるほどてるてるには無いな…
今夜唯一無二の警備の隙。
そこを突き、警察署へと侵入した少年。
侵入から撤退までを短時間に済ませなければならなかった以上、彼は致命的なミスを犯した。
つまり、泣かせた事である。
泣いている彼女は泣き声や鼻を啜る音で隠密行動を不可能にし、いくつかのルートを使用不可にする。
泣き止むのを待ったとしても、その頃には鉄壁の警備が復活し閉じ込められる。
八方塞がり。まるで女の子を泣かせた事への世界からの罰であるかのようだ。
仕方無く、彼は最も危険かつ取りたくなかった最後の手段。
唯一残されたルートへと、覚悟を決めて走りだした。
涙ダラダラでぐすんぐすんといまだ泣いている少女を背負い、比較的速やかに。
ルートは登り階段、人の居ない廊下、そしてまた登り階段。
その先にあるのは、屋上。
……つまり。
豊音「……え? も、もう一回いいかなー? 聞き間違えちゃったみたい」
京太郎「マジですか? じゃあもう一回言いますけど」
屋上から別の場所に出るには二つの手段がある。
階段を降りるか、もしくは———
豊音「え? え? ホントにやるの?」
京太郎「それ以外に道はありません。ゴーウェイです」
豊音「道(ウェイ)無いから!! 道無き道って言っても限度があるよ!?」
京太郎「豊音さんは俺が抱えていきますから、あんま暴れないでくださいよ?」
豊音「わひゃあっ!?」
少年は少女をお姫様抱っこに抱え、そのまま屋上の端へと翔ける。
六階建ての屋上、そこから外部へと脱出する方法、それは。
京太郎「アーイキャーンフラァァァァァァイッ!!」
豊音「わひゃあああああああっ!?」
飛び降りる以外に無いよね、という話。
今回はどこかでこの曲を流したい
http://www.youtube.com/watch?v=LxRqxqu0vbo
なぜかとよねえと絡んでる時の京ちゃんはテンションが高い気がする
いくら助走で加速を付けていたとはいえ、人間一人抱えて人間が飛べるわけがない。
【立体飛翔】のスキル持ちの都市伝説で出来るかどうか、というレベルの話だ。
けれども彼には、不可能を可能にする発想。それを生み出す頭脳。
そして何より、その腕の中に守るべき誰かが居る。
ならば彼に、出来ない事など何もない。
京太郎「破ァッ! 破ァッ! 破ァッ!」
足裏から靴を透過し、威力を絞ったエネルギー波を連続で放出する。
このレベルの放出なら肉体に負担がかからない上に、カスのような威力と引き換えに連発も可能だ。
足裏から連続で放たれるエネルギーは身体を重力に逆らい減速させ、最初の助走の勢いを維持させる。
二人のシルエットは重力に逆らい、慣性のままゆるやかに斜めに滑空。
まるで空を滑るように、二人は警察署から少し離れた公園へと翔んで行く。
長い長い滑り台を滑って行く光景を想像して頂ければ、それがきっと正しいだろう。
そして数十秒後、二人は無事怪我もなく公園へと辿り着いていた。
京太郎「破ァッ! ……よし、到着」
豊音「……」
京太郎「どうしました、豊音さん?」
豊音「……この胸のドキドキは、感謝か、恐怖か、怒りか、それとも別の何かなのかな」
京太郎「はい?」
豊音「素直に感謝できなくなってきた……とりあえず京太郎くん、そこに正座」
京太郎「何故にッ!?」
すげえ!あのTさん落ちながら撃ってる!
Tさんはシリアスブレイクだからしょうがない
本日の投下はこれにて終了。お疲れ様でしたー
エウレカネタは穏乃に絞って使うつもりがついつい
穏乃はほら、能力欄があれですので
明日ちょっと早いので寝ます。ネマス・グレモリー
レス返しは明日
お付き合い頂きまして感謝。探索は気を取り直していくしか無いでしょうね
破ァッのバリエーション・応用は京太郎が時間をかけて使いこなすか、誰かに使い方を教わらなければ増えません
では、おやすみなさいませー
乙
二人でこれって事は一人なら上昇したり水面渡りが出来るのか?
乙
京太郎「破ァッ!破ァッ!破ァッ!破ァッ!破ァッ!破ァッ!」
お前ら「ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ…」
この差である
まあ、ちょっと覚悟はしておけ
むしろよくここまで情報ピース漏れが一回も起こらなかったもんだわ
つっても天文が外れとは正直予想外だった
まさかヒントフラグは探索でヒントを得られなかったから役に立たないとかないよね…
京太郎以外が天文部行っても駄目なのかもね
今回みたいに京太郎以外が探索する機会があるか知らんけど
こんばんわん子よりまゆっちが好き。でも心ちゃん可愛いよねという話
キットカット抹茶味うまうま
今夜も投下・・・したかったのですが突然の泊まり込み
というわけで明日投下します。ちょいとひねった宮守メンバーの都市伝説推理できた人が居たらめっちゃ驚きますよ自分
>>164
>>165
なんでや!
>>187
あのお姉さんの外見が亜熱帯さんっぽいというだけでは・・・
>>194
ちゃ、ちゃんとあるから(震え声)
>>201
なのはならエタブレですよエタブレ!
>>202
コミュ力が微妙な無意識のペルソナの違いとして現れているのかもですね
咲の時はやや大人しめに、穏乃の時はやや活発めに、ニワカ先輩の時はややからかうように
>>206
KYO道?
>>211
一人でもまだ滑空が限界かと。ちなみにこの応用は淡をモデルにして京太郎が開発したという裏設定
>>218
そ、そこまで疑心暗鬼にならなくても・・・
>>220
京太郎でなければ多少探索の難易度はがっているかもしれません
ちなみに家庭科室だと持ち運べるおにぎりを貰えた模様
http://blog.livedoor.jp/pharmacygift/archives/27331059.html
やってしまいましたなぁ。窓開けられないので夏場死者が出そうです
しかし何故車の部屋があるのか、これが分からない
咲「子供の頃から私のを見てるもんね!」
照「じゃあ私のだね」
宥ねぇやクロチャーがおるで
謎の何華さんのサイズはどうだったっけ?
京太郎「俺はァッ!死にたくない!!」
でおっぱいを覗くエロカイザー京太郎?
イッチは寝落ちかなー
>>248
しかしイッチは貧乳党の模様
エロカイザーの語感の良さよ
wiki見て思ったがact.2になってメスメリック・マジシャンのキャパ増えてもっと動物格納できるようになってるんじゃ
まあ格納して役に立つ奴なんて早々に見つからないけどさ
>>256
UFOが都市伝説だしUMAも都市伝説だと思う
『立体飛翔』とか出てきたし水中戦より空中戦がしたいです
立体飛翔と高速機動を組み合わせて立体機動に!
昨晩は家に着くなり寝落ちしてしまい朝まで夢の世界だったことは申し訳なく思っている
だが私は謝らない
今夜投下するからだ
……いや、謝るんですけどね。すんませんっしたー!!
これは土下寝を披露するしか無いかもですね、はい
今夜も22:00スタンディングバイです
はがない実写化とか何の冗談ですかブッダよ
>>242
>>244
・・・?
>>246
89のD
・・・はいすみません、嘘ですはい
>>251
!?
>>253
大変済まなかったと思っている。だが私は(ry
>>254
ロロンもセットで大きくなったからこそ上がった防御力、という側面もあるのです
容量と一緒に中身も大きくなっているという次第
>>262
ですねー、基本UMAは都市伝説区分です
>>263
ミッフィー召喚!
http://togetter.com/li/495542
りつべはムダヅモに出た事がある→ムダヅモは政治的に(ry→咲は政治的になんやかんやな意味を持つプロパガンダ作品!
なんもかんも政治が悪いね
/,.:'´ ァ‐::´ 、 ⌒ヽ、 \
,、_ _,ィ} ,イ,.:' ,.:' 、 \ ゙ 、 \ ヽ
n ゙ー、ニニ彡'{ { ,.:' / .,' .ト、 ゙、 \ ヽ ゙、 心、 _,.. -‐‐- .._
, '´/ .{ i ,イ ,'i ! l::::'。 .i ゙、 ゙, ゚, `ー─'´ ) ヽ
、____ノ_,*' r‐、 { { / / i i ', !:u::', ト、ト、ム ji ゙,`ー──ミ、:::/ ゙Y
} 厂 ̄ ./∧_゙つ‘, ,' i l ト、i ト、 l:U::::゚,厶i才⌒゙Yr .i:::::::::::::::::::::::/ }
ノ ノ ノ_fつ-、 ', ゚, * i ! |::::リ云N‐ V '´o ,.'i i─-=ミ、:::/ ノ
/ / f^i__. | 三n=' '。‘, i l ゙*。 | r'´ o` 三 ミ彡´ *. ! ゙i 廴
. 〈 / ┤冂 } { ,へ'く \\/ .:::', ::::゙i',{{ ___ノ" 、 ,'´ U ゚。. ゚, {
� i_j 廴j ~ n`´ //~ ..:::,イ ::_ノ─ァミ、__r≦ ̄f>{ 0o U ゙%。 ゙、_ ゝ、
゙i ', ィ==‐┐ =tr= i i....:::::,*ノ ,'´r'⌒ヽ) ) マ{/ニ二i_ム _⊆゙ヽ、 ノ゚, ゙ヽ、 / >─‐'´ ̄`
} } { ',__廴j {二ii二}. { {::::, 'r'´ ,:i (‰%;;;;ノ、) ){/__∠ムrく `ヽ ゙寸イ}ヽ、 },イ ¨
j } `ー─` =三¥三}= { {:/ / { 込%;; ,、_ノ/7´ニ/‐'´(_ ノ\} ゙ーr‐、
r‐' / ∩∩ jj n 〉ヽ:{ ゚。n≧彡、ム二\/壬_ 入_ } lニニ>。
~`�、 U | | ∩ =tr= /r'´ `ヽ、,斗‐j'´/⌒ヽ (※)´ |i f `ゝ、 .,*' 丿三ニニ>。
� r'´ノ | レ r'_└、,'. `ーァ'{ 厂{ '´ ノ} `´ jム { __ソ /三三三ニニ}≧s。
�. `´,ィ ~ ゞ彡'U rイニ{ マ‐'ヽ jト、 ,'_'。゚, `ヽ、 /三三三三ニ/三三≧
} ゚, { { __〉',/jニニム ‘,丶、__ノ:::::}}ヽ. /=ニ'。 ', ゙ーr、斧三三三三ニノ三三三
', } ! ゚, /,*'´ /=fニ二三\ ゙ーミ/__ノ.,' ./三三>、 ゙ヽ、 |三>。、_厶斗匕三三三ニ
} .! `´ ,イ,イ _ノ三{二二二二>、___ノ ji三三三ムヽ、゙ーミ、三三三三三三三三三=
/ ,' ____ / /゙7チ三三ムニ三三三三三/ム /',=ニニニ三ム `ーァ、゙ー‐-=ミ、_三三三三三=
ーァr‐…‐ニミ!_{ /_/=ニ三三≧=s。、二二/三\ } ',三三三ニム_ノ三≧=s。、 `ー=、三三三
/=ニ{三三/ニニ三三三三三三三三{ �三三三三三三三三三ム_/三三三ニニ
/ニニ{ニニ,イ=ニ三三三三三三三三三ム ゙寸三三三三三三三三三三三三三三=
ムニ三{ニ,イニニ三三三三三三三三三三ム �三三三三三三三三三三三三三三
進撃のミッフィーは不覚にも笑った
なお近代麻雀ではムダヅモの影が薄くなるほどアカギがやりたい放題やっているもよう
なんもかんも福本が悪い
はがないの次は咲の番だね(ニッコリ
>>265のAAなんだ?
全くわからん
ロロンがパワーアップってことはまじめにさらに巨大化したってことか
今体長20メートルぐらいあってもおかしくないと
>>266
進撃のハンサムもベネ
>>268
あの人どれか一本でいいから集中して終わらせるべきではげふんげふん
>>269
やめて!
>>271
>>273さんの言った通りです。エイプリルフール企画
>>272
男は大きさじゃなくて硬さというセクハラ
... -—————- ...
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では、投下はっじめーるよー
豊音「……反省した?」
京太郎「はい、次からは一言断ってからにします」
豊音「もー、ホントに分かってる?」
京太郎「そりゃもう身に沁みて……」
地面に正座する事数分。
流石に豊音も現状を理解しているのか長話にこそならなかったが、京太郎の胃はボロボロだ。
普段怒らない人が怒ると怖い。
普段笑顔の人が怒顔だと辛い。
普段温和な人のお説教は甚い。
なんだかんだ、時間の割には豊音のお説教は京太郎に確かなダメージを与えていたようだ。
立ち上がることを許された少年は、痺れる足をプルプル震わせながら立ち上がる。
視線を公園の時計に向けて、時間を確認しているようだ。
そのシルエットはまるで生まれたての子鹿のようである。
京太郎「……ちょい早かったかな?」
豊音「? 何が?」
京太郎「や、合流はスマートにしたかったので時間と場所指定してたんですよ」
京太郎「あんまり片方を長時間一箇所で待たせるのは不安要素あったので」
豊音「……んー?」
京太郎「お、来た来た」
豊音「来たって……えっ?」
そして公園に、また4つのシルエットが追加される。
シロ「……や、待たせた?」
小瀬川白望。
白く短い髪に気だるげな気配を湛えた、優れた容姿を性格から来る雰囲気で台無しにしている少女。
その声は、どこか常の彼女とは違う芯を感じさせる。
エイスリン「チ、チコク?」
Aislinn Wishart。
金の髪に藍色の眼、日本人ではないと一目で分かる西洋人形のような顔つき。
彼女の手の中には常のスケッチブックではなく、大切そうに抱きかかえられた帽子がある。
胡桃「ちょ、塞! 私達の方が少し先に着いてるはずじゃなかったの?」
鹿倉胡桃。
エイスリンの例えを借りるなら、日本人形のような小柄な少女。
隣を歩く友人を肘で突きつつ、彼女の歩みにも迷いは無い。
塞「んー、時間通りに来たはずなんだけど」
臼沢塞。
理知的な印象を受ける、髪の毛を団子に纏めている少女。
事実彼女はこの三人を纏め、京太郎と打診しこの待ち合わせの場所へと三人を連れてきた張本人だ。
そして、それぞれ四人の一人一人が。
姉帯豊音の、かけがえの無い友人である。
彼女達の姿を見えた時、思考が停止してしまったのかと思うほど……豊音は、驚いていた。
京太郎「あ、あはは……ちょいショートカットしなきゃならん事情ができまして」
塞「今んとこ問題無し?」
京太郎「はい。……ほら、豊音さん」
豊音「わ、わわっ」
そんな少女の後ろに回り、優しく背中を押す少年。
文字通りの意味で、彼は彼女の背中を押した。
豊音「あ、あの、えとっ……」
シロ「いい」
豊音「……へ?」
シロ「余計な言葉は要らない。そうでしょ?」
表情は変わらない。語調はぶっきらぼうだ。
けれどその気持ちは、スポンジに水が染みていくように。
豊音の心に、浸透していく。
エイスリン「ハイ」
豊音「私の、帽子……」
エイスリン「モッテキタ!」
差し出された帽子。
わざわざ取ってきてくれたその気持ちと、その白百合のような笑顔が元気を注ぎ込んでくれる。
少しだけ、豊音の気持ちに強さが戻る。
胡桃「私達、友達だもんね」
豊音「……あっ」
胡桃「えへへ」
肩を叩こうとして、身長が足りず仕方無く腰をぽんぽんと叩く小さな少女。
その姿が微笑ましくて、豊音の顔に自然な笑みが戻る。
四人に見せた、今日初めての豊音の笑顔。
塞「さ、行こうか」
そして、伸ばされた右手。
豊音「……うんっ!」
その手を取った右手に、新たに重ねられる四つの手。
京太郎「行きましょう。貴女と、貴女の五人の友の力で」
いつもの事だ。
彼はどこかの誰かの物語を支えるために、助けるために戦う。
どこかの誰かが主役の、価値ある物語を守るために。
この物語は、姉帯豊音が主役の物語だ。
京太郎「貴女の無実を、証明する」
警察の警邏は、深夜という事もあって厳しいものとなっている。
年末の騒動、近頃の都市伝説絡みの犯罪の多発、そして夜間に活発になる都市伝説の特性。
それらが夜勤に励み生活リズムに苦しむ警察官の数を増やさせていた。
「そっちはどうだ?」
「異常なし」
そして何故か、今夜は特に夜回りに回されている人員数が多い。
緊急時というほどではないが、平時にしては多すぎる。
それは今夜、この街を見回っている警察官たちの共通の見解だろう。
それでも異常というほどではないので、さらっと流している者も少なくはない。
その理由は何一つとして知らされず、疑い深い者は裏に何かあるんじゃないか? と心中では疑っている様子。
……まあ、聞いた所でこの疑問の答えを持っている者達は絶対に口を割りはしないのだが。
「……あれ?」
「どうした」
「いや、地図だとここの家と家の間に道があるはずなんだが……」
「……普通に家が三軒並んでるだけだな。地図のミスってやつか」
「かーっ、これだから備品は新しいものに定期的に変えろって言ってんのによ」
「経理がケチなんだから仕方ねぇだろ。第一俺らは税金で買ってんだぞ、備品とかよ」
「へいへい、税金の無駄使いね」
「ったく、巡回に戻るぞ」
二人の警察官が警邏に戻り、その場から去ってから数分後。
誰の気配も無くなった道の前で、三軒並んでいた家の真ん中の家が『消えていく』。
薄く、薄く、水に垂らした絵の具のように薄まりつつ消えて行き……そして、消失した。
その消失した跡には、四人の少女と一人の少年。
京太郎「応用が効く、良い能力ですね。これ」
シロ『手放しに褒められると……その、照れる』
京太郎「本心ですし」
シロ『……ふーん』
【マヨイガ】
柳田國男で有名な怪異譚『マヨヒガ』……ではなく、全く別物の都市伝説である。
種類は大きく分けて二つ。
70年代に普及した「町外れの豪邸」タイプと、近代になって発生した「街角の家」タイプである。
前者は町外れに見慣れぬ屋敷が在るのを見た者が、そこで開かれるパーティーに誘われるというもの。
後者は疲れ果てた者が家に帰る途中、帰り道で謎の家に誘われそこの住人に一晩もてなされるというもの。
そしてどちらにしても逢った者はそのまま眠りにつき、朝目覚めた時にはそれらの建物は跡形もなかったという都市伝説。
招かれ饗され、朝になれば霞のように消えてしまう。
しかしこれは『マヨヒガ』とは似ても似つかない。誰が見てもそうだろう。
『マヨヒガ』とは、山奥に在るといわれる無人の家。
道に迷い訪れた者の欲を試し、無欲を示した者に富を授ける秘宝を一つ与えるという怪異譚だ。
欲を張れば何一つとして得られない、少し前まで誰かが居たような痕跡を残す屋敷であるという。
名づけられた経緯は、おそらく『マヨヒガ』の知識を持っていた者が原因であると思われる。
その都市伝説の特性から『マヨヒガ』と同一視され、同じ名前を付けられたようだ。
つまり何一つとして関係の無い、同一性も無いルーツから成る同名の怪異。
簡潔に例えるのなら、シーフードドリアとドドリアに関係はないという事だ。
小瀬川白望の場合、デバフとバフを同時発動するフィールドの展開・マヨイガ本体である家屋の顕現などの能力として発現する。
すなわち自分の領域を創り出し、相手を自分のペースに飲み込む超常の力である。
マイペースな彼女の力に抗うには、一切の迷いの混じらない強い意志が必至となるだろう。
迷える者の救いとなる、その点でのみ怪異譚と共通する都市伝説。
夜空を切り裂く、金色の流れ星。
須賀京太郎と高鴨穏乃が一つになったあの夜、二人はそう例えられた。
風より疾く駆けた二人が、悪夢を打倒した夜の物語。
そしてこの夜も、同じく風より疾く翔ける者達が居た。
京太郎「大丈夫ですか?」
エイスリン『ウン』
塞「まさか、四人抱えたまま建物から建物へと跳び移れるなんてね……エイスリンも出来るの? もしかして」
京太郎「俺とウィッシュアート先輩の基礎体力の差ってのもありますが、俺単体じゃ流石に四人抱えるのは無理ですよ」
胡桃「え? 重い?」
京太郎「一番軽い貴女が言いますか! ってかそうじゃなくて、これも先輩の能力ですよっ、と」
壁を蹴り、少し高い建物の屋上へと跳び移る。
彼らが探していた、腰を落ち着けられる安全地帯だ。
姉帯「そーなの?」
シロ「……ま。歩かなくても良いのは助かるかな」
京太郎「小瀬川先輩そればっかっすね」
京太郎の足にはフクツを覆うように展開された赤い靴、その身体を覆うように広がるのは青い光のような膜。
格納解除と同時に、その両者は吹かれた霧のように消失する。
京太郎「お疲れ様です」
エイスリン「オツカレー」
京太郎「また後でお願いしますね、格納」
エイスリン「エッチー」
京太郎「え、なんで!?」
エイスリン「エヘヘ」
シズの立場がwwww
シズに不倒不屈があるから…
片や天使、片やババア
どうして差がついたのか…慢心、環境の違い
【赤い靴】 【青い目の人形】
野口雨情と本居長世の二人の手によって生まれ落ちた、対になる二曲に関する都市伝説。
前者はこの歌が本当は実話を元にした、娘を誘拐された母の悲しみを歌った歌である……という都市伝説。
しかし実際はそんな事はなく、本当は外国人に養子に出した娘が外国に行く前に病死したという話であった。
……しかしやっぱり実際はそんな事も無く、ドキュメンタリー番組を作り上げるために結構デマが混じっている話らしい。
訳が分からなくて当然だと思うが、分からなくて当然だと思う。
伝聞の内に都市伝説になった少女の物語。
海を挟んだ国と国、他国への無知からくる恐怖が原点となった都市伝説だろう。
後者は1927年にアメリカから親日の証として日本の子供達に送られた西洋人形、それに謳った歌。
この人形が夜間に学校を徘徊するという、学校の怪談に分類される都市伝説。
その歌には、歌詞でこう歌われている。
「青い眼をしたお人形は アメリカ生まれのセルロイド」
「日本の港へついたとき いっぱいなみだをうかべてた」
「わたしは言葉がわからない 迷子になったらなんとしょう」
「やさしい日本の嬢(じょう)ちゃんよ なかよくあそんでやっとくれ」
「なかよくあそんでやっとくれ 」
この都市伝説は極めて弱々しい都市伝説である。
……しかし。それを補って有り余るほどに、エイスリン・ウィッシュアートとの親和性が高いのだ。
二重発現、ダブルであるエイスリン・ウィッシュアートはこの両者をバランスよく使いこなしている。
赤い靴により【高速機動】を獲得、青い目の人形により自身のステータスを上昇させる事を可能としているバランス型。
高鴨穏乃ほどの速さも粘り強さもないが、その分どんな相手にも対応できる隙の無さを持つ。
『外国』『少女』という概念を内包した、二対一体の都市伝説。
ちょい電話中座
戻って来ました、再開
立体軌道はエイスリン?
京太郎「……まさか、こんな使い方があったとは」
胡桃『わっ、ホントに格納するだけで楽々沢山出せるようになってる』
京太郎「制御は半分こっちがやりますので、そんなに気を張り詰めなくてオッケーかと」
胡桃『うん、任せた。私は見てるだけにしとくね』
京太郎「半分って言っただろ!?」
屋上。
街を見下ろす位置の彼の手から生み出される、小さな人形の軍団。
それぞれが小さな剣を持ち、盾を持ち、鎧でその身を覆っている。
10cmほどの大きさでなければ、遠目からなら屈強な戦士に見えなくもない。
それほどまでに、戦いに特化したカタチの人形。
京太郎「豊音さんに関する事を調べあげてた方法、これでしたか」
胡桃『この人形の特性はそういうの向けだもんねー』
胡桃『逆に塞の能力は脳筋だし』
塞「脳筋言うな!」
胡桃『だから君への連絡は基本塞担当だったんだよ』
京太郎「あー」
塞「む、ぬぬぬぬ……!」
エイスリン「ドウドウ」
シロ「事実」
塞「……ぐっ」
豊音「あれ? エイスリンさんどこでそんな言葉覚えたの?」
胡桃『私』
塞「胡桃ぃぃぃぃぃッ!!」
駄弁りながらも、人形は街の至る所へと進んでいく。
人形一体一体の精度はそれほどでもないが、大雑把な街の状態の把握には大活躍だろう。
人形が得た情報は逐一彼に送信され、彼に情報を集積する。
……しかし、今夜は幾ばくか成果が怪しいようだ。
京太郎「……うーん、やっぱこれだけじゃ無理か」
胡桃『じゃ、予定通り移動する?』
京太郎「ですね」
【Щелкунчик】
チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽。
もしくはそれを元にしたバレエ作品。
ではなく、それらのモデルとなったロシアの童謡。
……でもなく、そこから派生したロシアの都市伝説。
都市伝説自体は『夜間に動きまわる人形』というオーソドックスなものだが、この都市伝説の能力は童話の方の逸話に由来する。
童話の方の物語は、大雑把に纏めるとこうなる。
ある日、少女の人形が兄に壊されてしまった。
その人形を何故か気に入っていた少女は、懸命にその人形を直そうとする。
そして修理が終わったその夜、彼女は何故か真夜中に目を覚ましてしまう。
寝起きにも関わらず、深夜にも関わらず、睡眠不足にも関わらず冴えてしまう彼女の目。
そんな彼女の前に現れる、七つの首を持つ鼠の魔王。
鼠の魔王は配下の鼠の軍勢を率いて、彼女を襲わんとする。
絶体絶命と思われた、その時!
彼女の大事にしていた人形達を戦士として率いて、颯爽と彼女を守らんと魔王の前に立ちふさがった人形。
その人形こそが、彼女がずっと直していた人形その人だったのだ!
魔王を撃退したものの、その人形は怪我をして倒れてしまう。
翌日話したものの、その人形達の戦いは大人は知る事は出来ない。むしろ少女はバカにされてしまう。
けれど一人だけ、信じてくれた大人が居た。
少女の叔父、人形の秘密を知る物だった。
叔父は、かの人形がかつて魔女から姫を助けるための戦いで人形にされてしまった人間なのだと語る。
そして元の人間に戻るには、魔王への勝利と誰かからの愛が必要なのだと。
そうやって始まる、少女と人形の物語。
鹿倉胡桃の場合、戦闘可能な人形の大量展開として発現する能力である。
この人形は個別に制御可能であり、探索や拠点防御などに非常に優秀だ。
更に『人形より弱い大人』に認識されないという特性も持つ。
単体では非常に弱いが、群体であるが故の強みも持っている都市伝説。
……さて、この辺りでネタばらしをしよう。
Щелкунчикの邦題。
曲の題、バレエの題名、童話の名前、少女を助けた人形の名前。
それは、『胡桃割り人形』という。
人形の勇者と少女の物語、その都市伝説。
胡桃ちゃんの頭がかち割られる姿を想像してしまった、訴訟
胡桃ちゃんの頭が石榴のようになったの想像した
京太郎「……あれっ」
豊音「どうしたの?」
京太郎「いや、なんか屋上のドアが開かなくて……」
エイスリン「カギ?」
胡桃「あー、それあるかも。今夜だし」
シロ「……ダル、めんどくさっ」
京太郎「どうしたもんか……うーん……?」
塞「京太郎くん」
京太郎「はい?」
塞「いいんじゃない? 今夜ぐらい、ちょいワルでも」
京太郎「……おおう、まさか臼沢先輩からそんな提案があるとは」
脳筋。
そう呼ばれる通り、臼沢塞の能力は非常に戦闘向きだ。
彼女の都市伝説は幾多の都市伝説を知る京太郎ですら、背筋が少し冷えるほどのもの。
飛び抜けて強力でも有名でもないが、ただひたすらに『怖い』のである。
京太郎「行きますよー」
塞『あいよっ』
一閃、二閃、三閃、四閃、五閃、六閃。
ほぼ同時に放たれた六つの斬撃の衝撃波が、綺麗な軌跡を描きドアを両断する。
まるでバターを切るように、鋼の扉は切り裂かれた。
京太郎「……こわっ」
塞『や、そこは凄いとか言ってよ……』
胡桃「そりゃ、無理無理かたつむりってもんだよ」
塞『胡桃ィ!』
おしい、あと一閃あれば聖人クラスだったのにね
【首あり地蔵】
『首なし地蔵』という都市伝説の後、広まり知れ渡った都市伝説。
とある地方に、六つの首の無い地蔵に囲まれた首の有る地蔵が存在するという。
首が無いのは単純明快。
首の有る地蔵に首を撥ねられ、その首を奪い去られたからである。
その切り口は滑らかで、まるで磨かれたか鏡のようであったという。
その地蔵を封ずるように立っていた六つの地蔵の首が刈られた今、その地蔵は夜な夜などこかを彷徨っているという。
「要らん首無いか……要らん首無いか……」と、新たに刈り取るための首を探しながら。
地蔵とは、実は道祖神とは似て非なるものである。
時代の流れと共にごっちゃになってしまったが、実は全くの別物だ。
道祖神は塞(さえ)の神であり、道を行こうとする悪しきモノを通せんぼする塞ぐ神でもある。
そしてそのルーツは、地蔵菩薩でもなんでもなく性の神。
つまり、エロの神である。
道祖神とは元々、エロの神が変化した物だという説が強い。
エロの神であり、塞の神であり、幸の神でもある。
すなわち、道祖神に関わる力を持つ者はエロくなる。
地蔵の都市伝説でありながら、道祖神の都市伝説としての効能が現れているのは前述のごっちゃになっている事に起因する。
システム的には星神と似通った部分があるが、根本的な部分では別物だ。
だからこそエロ効果は僅かにしか発動していない。惜しい。
臼沢塞の場合、首を刎ねる事に特化した斬撃能力と少々のエロフェロモン効果として発現する。
後者は置いておいて、前者は非常に強力な近接戦闘技能として機能、必殺の能力と化す。
具体的には低確率で発動する強制必殺攻撃、一定確率で発動する連続攻撃、そして戦闘向きのステータス上昇が挙げられる。
最も人間に対しては使いづらい辺り、龍門渕透華と同類である。
八尺様は、逸話の中で地蔵に道を塞がれ閉じ込められていた。
地蔵を打倒する力を持った彼女が豊音と出会った事は、きっと運命的な出会いの一つ。
『妖怪首おいてけ』もとい、『都市伝説首置いてけ』の都市伝説。
あかん ねむい
すんません、ちょい寝落ちの気配です
本日はここまで。お付き合い頂き感謝です
色々と明日に回そうそうしよう
もーちょいすすめたかったー
おやすみなさいませ
今回の能力説明はなんかいつもと大分違ったな
乙
塞さんは何で斬ってんの
首置いてけで日本刀で斬る姿しか想像出来なくなったけど
>>336
なるほど一理ある
地蔵と八尺様の関連付けといい、都市伝説の説明文で仲が良い理由付けしてるんだな
・・・あれ? 胡桃ちゃん・・・
こんばん早稲田大学
なんとなく
http://www.youtube.com/watch?v=m1txEFszoZE
これは見てるだけで面白かったなぁと思いました、まる
今夜も22:00。すみません、リアルがちょい多忙なのです
連休でマシになるかなー
>>294 >>295 >>298 >>308
脚が速いという都市伝説ではないのでスピードは低めです
ジャンプ力も極めて低
だからシズポジは脅かされてないよ! よ!
>>312 >>313
申し訳ないがグロは基本NG
>>317
あとおもちが1cmあれば神裂さんクラス?(幻聴)
>>331
この子らはちょいと特別扱いなんです
>>332
手刀
>>337
に、人形繋がりのエイちゃんとか居るし・・・
そういえば人形と言えばこれ
http://purisoku.com/archives/6285024.html
トイ・ストーリー3の話を聞いた時はリアルに泣きそうになったものです
呼び出しまじふぁっきん
すみません、本編投下明日にしていただいてもよろしいでしょうか・・・?
許してください、なんでもしますから!
無理の無い範囲でリクエスト受け付けます
>>344
短編とかなら帰ってきてからなら出来るかも
それは仕方ないので、リクとか別に良いから頑張れ
近接戦闘担当塞さん
高速戦闘担当エイスリン
ボス戦闘担当シロ
雑魚戦闘担当胡桃
で、切り札の豊音におやっさんポジのトシさんとかが来る感じだと予想
気付いたがもしかしたら胡桃だとくねくね倒せるのか
こんばんワカメ
CCCで更に株を上げたシンジ君。破でめっちゃ期待を上げてQでまあいつものアレな目にあってしまったシンジ君
二人にどこで差がついたのか
今夜22:00から再開ー
長引く姉帯さん編もそろそろ終盤に入るかと
なんだかんだ黒太郎編終わってから一ヶ月経ちそうですし! やっべぇ!
>>344
やだ・・・かっこいい・・・
>>350
初期案だと豊音が一章のボスでしたよ
>>353
いえす
http://blog.livedoor.jp/sokudokuex/archives/27441034.html
なんだ、咲は全然普通の真っ当な麻雀漫画だったんじゃないですか
これに比べれば
風の雀吾読もうぜ!
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/ 、 \| ニ ニ/二三三三三三二\三ニニ,'_ヽ \二二ニ\::::::::::::::.
// 、 \/ニニ/三三三三三三三三三',三ニ{__ノ /‐ 、二二`、:::::::::::.
,'ニ { ,、/二, '二三三三三三三三三三ニ,三:{ ノ /二二 二二 |:::::::::::::.
{二ヽ /二二 ,'ニ二三三三三三三三ニニニi三.{´_ ,'二二二',二ニ!::::::::::::::',
',ニ Yニニ二.iニ二三三三三三三三三二ニ|三ゝ─ヽ,'二二二 |二ニ|::::::::::::::::
|二.|ニニ二|ニ二三三三三三三三二ニニ|三二ニニ ,二二二.!二二!:::::::::::::::::::.
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投下はっじめーるよー
華美ではない。
だがどこか近代的な荘厳さを感じさせるその部屋は、言い換えれば息苦しい部屋であるとも言える。
『堅苦しい』と表現されないのは、この部屋の主がそれとは全く無縁な存在であるからだろう。
今のこの部屋の主は、歴代の主の中でもぶっちぎりに真面目さが足りていない。
藤田「……ん、ご苦労」
その主は、この警察署で最も偉い者が居座る部屋にて携帯電話を耳に当てている。
表情は常の彼女には無いほどの真剣さ。
声色にはいつもの遊びがなく、それが口調は変わらずとも彼女の心境を感じさせる。
もっとも電話越しにどこまで伝わるかというと、甚だ疑問ではあるが。
藤田「この件に関しては基本機密とする。ただし」
藤田「特務刑事課の連中には他言無用と前置いて伝えておくように。引き続き彼らには仕事がある」
親指が一つのボタンへと伸び、通話を切る。
ため息一つ、彼女に伝わった報告はあまり喜ばしいものではなかった。
姉帯豊音の消失。直接目撃されてはないものの、誰がやったかなんて分かりきっている。
これは『今の段階』では公には出来ないために、口止めをしてある部署へと連絡を要請する。
……この報を聞き、彼女の脳裏に浮かんだのは。
「何故」や「どうして」、ではなく。「ついにやったか」という呆れにも似た感情であった。
藤田「……やはり、予想は越えられたか」
いつもよりも厳重な警備。
「鼠一匹通しません」と豪語された警備が、いとも容易く突破された。
あの少年の技能か、情報漏れか、情報収集タイプの能力か。
それは分からないが、まるでルーブル美術館におけるルパンの如く盗み出されてしまった。
とっつあんポジションというのは癪に触るが、まだまだ想定の範囲内。
相手が相手。予想を超えられる程度、想定しなくてどうするというのか?
問題はここから。ここからどう持って行くかだ。
彼女の推測では、ある地点までは少年と彼女の考える理想的な展開は似通っているはずだと考えている。
『姉帯豊音の逃走』までは互いに想定。
だがここからは、互いに全力でぶつかり合うことになるだろう。
藤田「……」
現状、彼女が盤上に打つ一手は『街の警備の増員』。
彼女にとって理想的なのは、増員した何も知らない警察官が少年達を見付けず時間が過ぎて行く事だ。
その上で、この事件を即効で解決する。
タイムリミットの限界はおそらく夜が明けるまで。
矛盾しかねない条件だが、これが唯一の勝利条件なのだから仕方無い。
その為に彼女が使える唯一の手駒が、姉帯刑事も所属する特務刑事課。
奇妙な動きをする上、どうにもきな臭い事件、好き勝手動く子供達。
それらを加味した上で、警察官として動き最良の展開へと導くために彼女が取れる手段は限られている。
藤田「まいったね、どうも」
彼女は思考する。
警察署内でよく注意されるヤニも、今この場所では誰も咎めるものは居ない。
ラッキーストライクが一本、彼女の口元で煙を吐き出した。
吸ったこと無いけどめっちゃ苦いんだっけ、ラッキーストライク
藤田「どうしたものかね」
藤田「もしこの状況まで込みで考えているのなら……評価を改めないといけないかもしれないな」
藤田「ガキ扱いも終わりか。……変われば変わるもんだ」
盤上にて、至高の一手とはなんだろうか?
最大の攻撃? 最大の防御? 否。
それは、『相手にとって最も都合の悪い一手』である。
すなわち優れた一手を打つためには、相手の気持ちが解からなくてはならない。
敵を知り己を知れば百戦危うからず、とはつまりそういう事である。
転じてそれは皮肉にも『相手を理解し思いやれる者が最も強い』という事の証明でもあるのだが、今は置いておこう。
彼女が想定している『敵』は、京太郎ではない。
この事件の元凶『真犯人』、そしてその裏に見え隠れする存在だ。
彼女とて、ここまで来ればその存在に気付かないわけがない。
ならばそこで浮かび上がるのは、「どうやって真犯人を燻り出す?」という話だ。
ここで、真犯人の立場になって考えてみよう。
彼女が増員した警備を展開した結果、それが相手からどう見えるのか?
姉帯豊音が逃げたという情報は伏せられたまま、街を巡回する敵(警察官)が増えているという現状。
それに加えて、姉帯豊音本人が街を彷徨いている気配。
真犯人に知性があるにしろないにしろ、その裏で誰かが糸を引いているにしろ。
これは相手から見れば、裏でこっそり警察と少女が手を組んでいるように見えるのではないか?
ならば、何らかのアクションは期待できる。
焦れた相手が動くか、こちらを探りに来るか、あるいは姉帯豊音に何か仕掛けてくるか。
まさしく短期決戦用の作戦だ。後退も失敗も許されない、全てを賭けた乾坤一擲。
失敗した時のリスク、自分達の辿る末路が見えているのなら到底選べる道ではない。
少なくとも、『大人』であれば絶対にしないだろう。
藤田「……ふぅ」
彼女は少し疲れたように眉間を揉む。
この状況は少年がどうするかを読んでいた彼女と、彼女が自分の思考をある程度読んでくれる事を信じた少年によって成り立った。
確かに、今の上は少々キナ臭い。
このまま正規の手続きをした上で、ダラダラと真犯人の正体を探っていたら取り返しの付かない所まで持っていかれてしまうかもしれない。
けれど、それでも。
他人の為に迷いなく人生を賭ける事が出来るその『若さ』に、大人な彼女は羨望の視線を向けてしまうのだ。
大人はいつだって、もう失ってしまったその無謀とも無知とも言える若さを疎ましく思いながらも。
夜空の星を見上げるように、気付けば憧れている。
靖子はあの格好でデッカーをやっているのかそれともスーツだったり制服だったりするんだろうか
藤田「いつかこうなる、とは思ってはいたが……」
藤田「……」
藤田「どっかの誰かさんの掌の上で、というのは実に癪な話だ」
須賀京太郎という少年は、徹底した個人主義である。
個人を優先し、集団のために犠牲となる個人という概念を許容しない。
それは彼の若さや幼さとは関係ない、確固とした彼の信念だ。
女の子の為に世界を敵に回す事が出来る、と言えば分かりやすいだろう。
その為本質的な部分で、警察という組織とは水と油であると言って良い。
これまで彼らが仲良しこよしで居られたのは、一重に彼らのスタンスが似通っていたからだ。
利害の一致、目的の一致。
それが今まで彼らを仲間として成り立たせていたものの、いつか何処かでぶつかり合う運命にはあったのだ。
法をもって人を助ける警察と、情をもって人を助ける少年。
それは一見似ているようで、決定的に違う磁石の両極に近い。
藤田「それでも、だ」
藤田「守るべき決まり、果たさなければならない責任というものはある」
藤田「それがどんなに困難であっても、残酷であっても」
藤田「それを『破ってはならない』というのは子供だって知っている事だ」
してはいけない事。やってはならない事。破ってはならない決まり事。
それを感情任せに捨ててしまっては、人はただの獣と化してしまう。
だからこそ守るべきなのだ。人が人であるために。
人が人であるための鎖、人が正しく生きているという証明。
それを守る事で、その人が決して間違った道を歩いてはいないと証明するための指針。
それが法だ。
それを守り、この世界に『正しさ』という物を残そうとする者が、警察官だ。
ルールの上に人がある、それが彼らの譲れない一線。
藤田「私情を殺して、それを率先して守らなければならない。破ってはならない」
藤田「それが大人の責任というものだ」
藤田「私達の背中を見て、子供達は育つのだから」
決まり事、約束を破らない大人。
そう在るべきだと、彼らは心に誓っている。
何故この街の奴らはやたらかっこよかったりするのに頑固で融通効かせないのか
都市伝説は、本人の意志を介さずに暴走する事がある。
その上暴走している間の記憶が残っていないケースが多いため、本人の「やってない」が信用出来ないという厄介な点が在る。
そこに罪を逃れるための嘘の「やってない」が加われば、捜査の難易度は倍増だ。
都市伝説を発現した子供の、極めて困難な無実の証明。
加えて並みの人間ではどうしようもない脅威である、都市伝説の戦闘力。
果てしなく困難で死を覚悟しなくてはならない上に、そこには自分の命に見合う見返りはない。
……それでも。そうだとしても。
それを知った上で、都市伝説の被害に合う市民・特に発現率の多い子供を守るためにその手を挙げた者達が居た。
それがこの街の守護者達の一角、特務刑事課の者達である。
藤田「諸君、君達にはまた忙しい仕事を頼みたい」
藤田「何、いつもとやる事は同じだ」
藤田「市民を守り、悪ガキをしょっ引き、悪人をブタ箱にぶち込むだけだ」
藤田「喜べ。今夜は徹夜コースになるだろう」
今彼女の眼の前に並ぶ者達は、かつてこの街を守ろうと誓った意志在る警察官。
その構成員はほぼ全て一般人であるものの、その全員が都市伝説と関わり続け今も生きているという時点でまごうことなく優秀。
死線をくぐり、少年と交流し、舞台の裏で戦い続けた者達。
その活躍が舞台のスポットライトで照らされないのだとしても、決して手を抜いたりはしない。
それがどうしたと、努力が報われないのが大人の人生だと、それも悪く無いと胸を張る大人達だ。
藤田「一般警官はほぼ全員通常の警邏に回す」
藤田「お前達はこの二人を捕える。それだけだ」
藤田「そしてそのまま『真犯人』を拿捕。そういう手筈で行く」
少年と少女の写真。
やる事が多すぎて無茶だと断言できる。
けれど誰も、無茶だとは言わない。
やるべきだ、やらなければならないと。
子供に背負わせるだけでなく、自分達もするべき事をするのだと。
そう気合いを漲らせ、背筋を張る。
藤田「配った資料の5ページ目を見ろ。真犯人は今夜何らかのアクションを起こす可能性が高い」
藤田「どうなるにせよ、今夜決着は付く」
やっと追いついたで
『真犯人』か、その裏で糸を引いている人物。
そのどちらかは、明らかに害意をもって姉帯豊音を傷付けようとしている。
そんな奴を野放しにして、そんな狙われている少女を野放しにして。
少女に『もしも』の事がないと、断言できるだろうか?
だからこそ、囚えることで守る。 それが彼ら、警察官の誠意。
その上で彼女の無実も証明する、それが彼らの意志。
藤田「各々思う所はあるだろうが」
藤田「我々は何だ? 我々は誰だ? 我々が背負うべき責任とは何だ?」
藤田「我々は、警察官だ」
その目は強い意志の光を宿している。
彼らもかつては子供であり、子供の頃に警察官に守られていた。
その凛とした姿に憧れ、その背中を目指し、そうなりたいと思った夢の果てにここに居る。
かつて守ってもらった分だけ、今度は自分達が子供達を守る事。
それが恩返しになると、あの鮮やかな青い制服の大人達に報いる事だと。
そう信じて生きてきた。 そう信じて今、この場所に立っている。
藤田「彼らは誰だ? 彼らは子供だ。まだ我々が庇護すべき子らだ」
藤田「子供に任せて高みの見物、なんて位置にお前達が甘んじていない事は知っている」
子供に守られる自分を情けなく思った事もある。
子供に任せるしか無い自分の無力を呪った事もある。
子供にだけ叩く力を与えた世界に怒った事もある。
……けれども。
あの日、一人の警察官として決めた誓いを、揺るがした事はない。
藤田「皆それぞれが出来る事をこなし、陰ながら見えない所で彼を守り支えてきた事は知っている」
藤田「だからこそ、この夜は」
それが例え、味方として少年を支える事ではないのだとしても。
藤田「たとえ彼と敵対する事になったとしても、その在り方を妥協しないで欲しい」
守るために在り続けるこの生き方を、曲げたりはしない。
藤田「それを踏まえた上で、行動するように。以上!」
藤田「総員、持ち場に付け!」
夜が、降りてくる。
場面は切り替わり、追う者達から追われる者達へ。
細い路地裏から片目だけを覗かせて、大通りを確認する京太郎。
しかし当然のように警備は厳しく、彼は脳内に展開していたルートの一つを断念した。
豊音「そういえば、アレは使わないの?」
京太郎「アレ?」
豊音「ほら、青い光がパーってやつ」
様子を見て戻って来た後、一息ついた少年へと向けられる質問。
今日一日、彼が新たに手に入れた力の本気とやらを見ていない豊音からすれば当然の疑問だ。
その詳細も知らない彼女に対し、そういえば説明とかはしてなかったと、少年はバツの悪そうな顔をする。
京太郎「あー、『ヒーローシフト』はちょいと使い所が難しいんですよ」
塞「?」
京太郎「俺にとっちゃ、今俺が使える戦闘用の二つの能力は全くの別物なんです」
京太郎「パソコンで言えばOSですね。今俺の中にはMacとWindowsが入ってるといえば分かりやすいでしょうか」
胡桃「……? ?」
京太郎「一つのPCで二つのOSを同時に起動させるようなもんなんです、現状」
京太郎「双方の噛み合わせがあまり良くない上に、根本的に俺自身に処理性能(タスク)が足りてない」
塞「ああ、成程。つまり使い分ける度にいちいち『シャットダウン』しないといけないんだね?」
胡桃「……」
須賀京太郎にとって、絆(ネクサス)とはハードディスクの増設だ。
莫大な仲間達のデータ、圧縮されていた寺生まれOSの解凍、黒い京太郎の保存。
それらを保有してなお有り余るほどの劇的な成長ではあったが、彼自身の処理能力は劇的には変化していない。
CPUやメモリが変わりないのであれば、処理落ちするのは当然と言えるだろう。
京太郎「理解が早くて助かります。シャットダウンから再起動まで数分俺は無防備になるので、戦闘に一区切りつかないとどうにも……」
京太郎「一定時間格納不能、っていうのはハイリスクが過ぎますので」
シロ「……んー、そこら辺考えるのめんどいから任せる」
京太郎「貴女そればっかりですね。……ま、俺が成長すればなんか変わるかもしれませんけど……」
塞「胡桃、分かった?」
胡桃「り、りろんはしってる」
エイスリン「リロンハシッテルノカスゲーナー」
京太郎「!?」
京太郎「ま、つまり俺が使いこなせてないだけなんですけどね」
エイスリン「ブッチャケター?」
京太郎「この人時々語調がチグハグなくらいはっちゃけるんですけどどうなってんですかこれ」
シロ「……エイスリンはこっち来てすぐの頃はあんまり日本語使いこなせてなかったから」
豊音「私達のを参考に覚えたんだと思うよー」
胡桃「てへぺろ。反省も後悔もないよ」
京太郎「ああ、主犯は分かりました」
塞「せめて慎みくらいは持とうよ、ね?」
穏やかな会話風景は、ようやく一息つけた事による気の緩みか。
ようやく常の雰囲気を取り戻した彼と彼女達は、少しだけ休憩とばかりに歓談に励む。
そこに泡沫のような『何か』を感じた京太郎は、焦りこそしないものの会話の流れを誘導しようとする。
京太郎「とりあえずこのまま殺人現場周辺に行ってみましょう。見つからないように」
豊音「夜道はちょっと怖いねー」
胡桃「塞って髪伸びるの早いよね」
塞「そう? ま、そろそろ美容院行こうとは思ってたけど」
胡桃「エロイ人は髪伸びるの早いって都市伝説あったよね」
塞「よし、表に出な。何が言いたいのか聞いてあげるから」
シロ「ダル……ちょっとここのビール瓶ケースに座って休憩」
エイスリン「ワワッ」
京太郎「オーケー、少しは俺の話も聞こうか先輩方」
彼が感じた『何か』。
それは言葉にしがたい危機感のようなものであり、彼の本能が鳴らした警鐘。
修羅場に慣れていないが故の、彼女らが見せた少女らしさという一瞬の隙。
それは言葉にするのなら、『油断』とでも称すべきものだった。
その瞬間。
戦いに『慣れていた』彼が真っ先に反応できたのは、彼だけが反応できたのは、まさしく必然と言って良いだろう。
まあナンポを読み間違えた前作よりは全然マシ
手っ取り早く処理能力を増やしたいならI-ブレインを組み込めばいい
指パッチンで世界が救えるぞ
上左右前後全方向から迫る手投げ鉈(マチェット)の群れ。
会話の途切れた隙、次に紡ぐ言葉を全員が脳内で選んでいた刹那。
全員の呼吸を読みきったかのような完璧な奇襲。
空間を埋め尽くす鉈の群れは、それぞれがカスリもせず音も立てず、芸術のような軌道で彼ら彼女らに迫る。
その右手にオモイヤリを持ち、瞬時に息を吐く間も無く少年は跳び出す。
京太郎「……!」
京太郎「(怜格納……駄目だ、今は回線切ってる、間に合わない!)」
京太郎「(豊音さん……駄目だ、この一瞬じゃ間に合わない!)」
京太郎「(回避……駄目だ、俺以外の五人が気付いてない!)」
京太郎「(死ぬ気で俺が全部止める、それしか無い!)」
瞬時に思考、そして結論を出す。
決死の覚悟を胸に秘め、自信の存在深くに眠っている力の海を引き上げる。
そして彼の身体から溢れ出す、蒼穹を思わせる純蒼の光。
叫ぶより早く、想うだけで展開されるヒーローシフト。
今この瞬間、正しく使われる守る為に在る力。
京太郎「(無傷で止めるのは無理、と言うより死ぬ気でやっても全部防げるのか……!?)」
京太郎「(いや、どの道やらなきゃ結末は決まってる)」
京太郎「(やってやる!)」
腕がもげようとも、足がちぎれようとも、目が抉られようとも。
それでも守り切ると悲壮な意志を少年が決めたその瞬間。
少年の脳裏に、声が響き渡った。
———俺が見る
京太郎「……!!」
頼りになる声だと、そう思った。
———キッチリ全部、お前が叩き落とせ
京太郎「——応っ!!」
落とす落とす落とす落とす。
叩く叩く叩く叩き落とす。
守る守る守る守りきる。
棒術の軌跡が、奇跡のような確率で全ての刃を叩き落として行く。
閃光の軌跡が、彼の胸に飾られている輝石と並んで映える。
まるで流れ星が彼女らの周りを廻っているかのような、幻想的な光景。
衛生が惑星の周りを周回するように、綺麗で華麗な球体を描く軌跡。
しかしその華やかさと反比例するかのように、その光景を生み出していた少年は疲弊の極みにあった。
【???:未来余地発動:奇襲無効】
……その割には、全て終わったその時にやり遂げたような顔をしていたのだが。
京太郎「あっ、ぶねっ……!!」
数十どころではない、数百の飛来する鉈を捌ききった。
少年自身も自分が信じられないといった風の、もう一度やれと言われても出来ない輝石の如き神技。
少年が自分の技術だけでこなすには、文字通り十年早い秘奥であった。
豊音「な、何!? 何!?」
塞「えっ、て、な、」
胡桃「わっ、わっ、これ何!?」
エイスリン「アワワ」
シロ「……皆、落ち着きなよ」
突然の襲撃に慌てるものの、シロの変わらぬペースに皆ジョジョに冷静さを取り戻す。
窮地における彼女のマイペースさは、彼女らの心の支柱にもなる。
そんなシロに心中感謝しながら、少年は武器を油断なく構え自身の内部へと意識を向ける。
京太郎「(……俺の中のアイツの気配が、急激に薄くなった。相当無茶したなアイツ)」
京太郎「(当分助けは期待できない。ってか、ここまでお膳立てされて頼りっぱなしってのもな)」
京太郎「(……あんがとさん。大丈夫だ、期待には答える)」
『意地でも守れ』という叱咤が、聞こえてくるかのようだ。
彼は少年に、自分の覚悟を行動で示した。
だから今度は、少年の番である。
京太郎「おいおい、どうした? 三人しか姿が見えないが」
京太郎「『数』がアンタの牙だと、俺は思ってたんだがよ」
その視線の先には、この攻撃を為した敵。
マスカレイド「否定はしませんが、暗殺闇討ち毒殺も得意ですよ?」
京太郎「……そりゃ、結構な事で」
未来余地は誤字なのかそうじゃないのか、判断に困るな
皆ジョジョに冷静さを〜とあるのはスタンドを手に入れる前触れかな…
本日の投下はこれにて終了。次回戦闘から開始で始まります
次回は明日やりますー
マスカレさんはちょいと思いついた八尺様対策を試しに来つつ何やら企んでいる様子
あとマスカレさんは京太郎の片目の色が変わった瞬間を見逃さなかったようです
>>370
ラッキーストライクは名付けるなら「都市伝説タバコ」です。幾つもの都市伝説を保有してるタバコなんですよ
>>375
必要な時には制服かスーツ着てると思いますよ
>>378
意志が強い奴は基本頑固ですです
>>383
ウェルカム!
>>393
HAHAHA
>>394
最近だとバースト・リンクですかねー
思考加速はSFの鉄板ですけど
>>402
誤字じゃない!
>>403
誤字だった・・・
では、ちょいと区切りが良いのでここで。大人だって色々考えてるんだという話でした
経験不足で短慮だったりする子供にイラッと来ることはあっても、本気で嫌う大人はあんまり居ないと思うんですよね
きっと大人と子供の境界の一つは「しょうがないなぁ」と他人を許せることなのではないでしょうか
では、おやすみなさいませー
警察やる気出すのは良いけど
やる気のある無能が一番タチ悪いよね
都市伝説持ちじゃないけど、ジンクスや都市伝説持ちの「道具」使ってる人とかいそうだよな
ラッキーストライクあるんだし
年齢を変えるという【赤い飴玉青い飴玉】やら姿を変える【不思議なコンパクト】とかが出るのか…
まぁ真面目な話道具にも発言するならパッと思いつくのは妖刀+達人とかだわな
黒太郎さんかっけええええーーーっ!!
ところでマスカレイドの野郎の前でヒーローシフトするっていう最悪の状況に追い込まれたんですけど
次回から戦闘ってマジで大丈夫なんですかね…
どうせ破ァッ!!使っても一体分のダメージしか封印できないんでしょう?
こんばん話術サイド
禁書SSで浜面の主人公率が低いのは何でなのか
今夜も22:00開始です。マスカレイドは働き者
>>416
実はあんまり無能でもなく
京太郎の周囲で活躍できない事がイコールで能力低いってわけじゃないですしねー
医者や警察、公務員さん達が輝くのは表舞台じゃないんです
>>417
ですね。例えば日本の警察官の銃はある意味全て都市伝説みたいなもんですし
>>420
大御所に怒られる予感!
>>421
無論格納は不可能ですです
http://www.youtube.com/watch?v=ZeLXrbbHQko
時々ふと気付いた時に見たくなるパラパラ
コナン君と犬夜叉をセットで覚えてる人はきっと>>1とあんまり歳変わらない気がします
あとドラえもん→クレヨンしんちゃん→ミュージックステーションも
20代が釣られて出てきた様子
でも東京アンダーグラウンドはどうした!
-‐=====‐-
∠二二二二二二\
_∠二二二二二二二二\
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-=ニ二二ニ=-- __ -=ニ二二ニ/ 〉
`7マニニニニニ=- ___ / (
. 〃:::::/::/:/|::::::`マ二二二二ニ==-- __}--- .
. |l:::::::l:|::|/、 |l:::::::::{\:::::::\二二二二二二二二>、
. 八::::从斥ミ八::::::::\_\:::: |:::::::::::::::::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\::| _Vツ \:::::、\刈::|:::::::::::::::::|
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. /___} |:l/【 ̄//{-‐ /:: l\::::\::|
_/ ‐┐lノ //:: ::.|:://襾, /:: :: ::|:: ::\::::\
. // ァ`リ┤ //: ┌┘/// }/::_::_:::_::」:: :: :: \:::::\
// r‐彡1 {/:: ::/ /// ∨:: :\:: :: :: :: :: :: :: ::∨:::∧
. {::`ー:: :: ::.:| {:: :: :{::{///|//|:: :: :: :}:: :: :: :: :: :: :: ::.|:::::::::|
投下はっじめーるよー
少年は現状を脳内で整理する。
まずは立ち位置。
今は女性陣は五人で固まっており、その周囲に散らばる刃の山は既に霧散を始めている。
先刻の油断も数秒前の動揺ももう無い。 その点は重畳だ。
ここに来る途中通った長い路地裏の前に三体のマスカレイド。
マスカレイドと彼女らを遮るように、彼女らの少し前に立つ自分。
位置取りは問題無し。問題は、ここからの立ち回りだ。
京太郎「(格納は不可。もう『こっち』を使っちまった)」
京太郎「(……いや、違う。使っちまったんじゃない)」
使わされたんだ、と少年は確信に至る。
京太郎「(ほぼ確実に殺せるタイミングじゃなくて、より俺達に都合の悪いタイミングを選択してきた)」
京太郎「(万が一の失敗も織り込み済みで、成功しても失敗しても俺達を詰ませるタイミング)」
京太郎「(防げなければ必殺・全滅。防げても俺の売りを封じたまま戦闘に移行)」
京太郎「(タイミングさえミスらなければどちらにしろチェックメイト。そういうタイミング)」
そのタイミングで仕掛けてきた事に怖気すら感じる。
更に、少年の予測が正しければ。
豊音「待ってて! 相性いいんだから今私がけちょんけちょんに……」
京太郎「動くな!!」
豊音「……へ?」
彼女が彼に向かって踏み出したその一歩とほぼ同時。
彼女の後方より、彼女の傍に立つ四人へと飛来する投げ鉈。
視界を縫うような軌道で放たれた、確殺の刃。
格納により京太郎のタフさを上乗せされていない彼女らでは、必殺になりかねない一撃。
豊音「わ、わわっ!?」
【姉帯豊音:黒風白烏発動:能力ダメージ無効】
が、その刃は少女の超反応で受け止められる。
飛来した刃を少女は素手で掴み、盛大な破壊音と共にそのまま握り砕いた。
能力により発生するダメージであるのなら、彼女の目の届く範囲においてこの刃は限りなく無力である。
……が。
京太郎「……面倒な」
この状況においてもそうであるかといえば、そうではない。
京太郎「豊音さんはそっから動かないでそっちのカバーお願いします!」
豊音「え? でも……」
京太郎「大丈夫です。俺は大丈夫」
京太郎「『信じて』下さい」
豊音「……うん。分かった」
先程の周囲全方向からの攻撃。
それは、今目の前に居るマスカレイド以外にも伏兵としてその辺りに伏せている個体がいる可能性を示している。
皮肉にもそれは今さっき証明されてしまったが。
京太郎が格納していなければ、一部の例外を除いて少女達の耐久力は極めて低い。
そこにマスカレイドの確定ダメージ能力が加われば、高確率でメイドならぬ冥土に送られる事になるだろう。
よって豊音のカバーは必須であり、格納不可である以上京太郎の援護に回る事も出来なくなる。
完全無欠の足手まといが完成し、マスカレイドの天敵を縛る鎖となるのだ。
しかし京太郎が推測するに、おそらく今この場に存在するマスカレイドはせいぜい『四人』程度だと思っている。
それ以上居るのであれば、京太郎に三人という仕留められるか分からない中途半端な数ではかかってこないはずだ。
伏兵として使うにしても、既に警戒している京太郎に対しての奇襲はこの状況で成功率が極めて低い。
4〜5人での必勝法とも言える正攻法で来れないのは、単純に昨晩の豊音との戦いで数が用意できなかったからだと推測できる。
そして京太郎ではなく少女達を奇襲するにしろ、数が居るのならそれなりの使い方というものがある。
例えば伏兵にしてあった一人を特攻させ、その油断を突いて残りが奇襲をかけるetc…
何より、「豊音が離れた瞬間」ではなく「豊音が離れようとした瞬間」に釘を刺すように動いたのが決定的だ。
それは少女達を仕留めるためではなく、豊音をその場に足止めし京太郎の援軍に向かわせないための奇襲。
マスカレイド伏兵単騎……最小の戦力で、最大の戦力を足止めするための戦術。
それが分かっていても豊音は動けない。
伏せているのが一人ではない可能性。一人とはいえ無視できないマスカレイドの能力。
マスカレイドの企みが分かっていても、それに従って動かなければならないという現状。
知らず知らず、彼女は己の唇を強く噛んでいた。
マスカレイド「面倒と言われましても……私共から見れば、貴方がたの方がよっぽど面倒に映りますよ」
京太郎「そうかい。互いに目障りって点では同意してるってわけだな」
蒼昊の輝きを右手に握り、対峙する。
マチェットを握り、まるで鏡を並べているかのように寸分違わぬ動きをする三体の敵性へと。
マスカレイド「では一曲。お相手願います」
京太郎「ダンスなんて慣れてないもんでな……足踏まれても知らねぇぞっ!!」
どっかの娘と犬を混ぜた錬金術師は頭の良い奴が嫌いだったらしいが
うん、こいつ苦手になるわ
【須賀京太郎/ヒーローシフト】
補正後 HP:712
補正後 ATK:98
補正後 DEF:98
補正前 HP:460(能力使用可能回数四回)
・保有技能
『比翼の鳥』
人一人にして人に非ず。翼片翼にて翼に非ず。
人物を指定し、己の中に格納する能力。
格納した人物に応じた能力と補正を得る。
『TTT(光)』
The Templehero T。
寺生まれのTさん。この世のありとあらゆる理不尽の天敵。
絶望を絶つ者。どこかの誰かの希望の具現。
心を照らし、絆を紡ぎ、希望を繋ぐ者。
ヒーローシフト中、MAXHPを100減少させる事で以下の能力を使用可能。
・戦闘中、指定した技能を【封印】する。
・都市伝説による効果を指定。指定した効果を無効化する。
・自分のMAXHPの数値分、指定した人物のHPを回復する。
〈装備〉
E:『真・ルーベライズ』
効果:死亡・ゲームオーバーを無効にし、所有者をHP1で復活させる。
E:『腕輪:Next』【防具】
ATK補正+15
DEF補正+15
・『真・オモイヤリ』【聖遺物】
ATK補正+30
DEF補正+30
ヒーローシフト中、行動判定で勝利する事で何かしらの「奇跡」を行使する。
・『シュクジュ』【盾】
ATK補正+5
DEF補正+20
・『カタキウチ 』【遠隔武装】
ATK補正+25
・『フクツ』【靴】
自身の判定値を+5する。
・『ハリコノトラ』【針】
自身のATKを0に減少させ、その減少させた分の数値をDEFに加える。
・『ヒトノワ』【遠隔武装】
効果発動宣言ターン、自身のHPを1まで減少させ減少させた分の数値をATKに加える。
〈アイテム〉
・秘薬『クレイジーダイヤモンド』×2
効果:HPを50回復
・秘薬『烈火の姫君』
効果:HPを150回復
・投網『スパイディ』
効果:使用した次のターン、相手の出す手が分かる
・視鏡『爆砕点穴』
効果:現在戦闘中の相手の行動パターンを知る事が出来る
【ナイトメア・マスカレイド】×3
HP:1
ATK:1
DEF:1
・保有技能
『仮面武闘会(マスカレイド)』
終わらぬ夜、終わらぬ舞踏、終わらぬ悪夢。
尽きず終わらず果てなき夜の舞踏会/武闘会。
戦闘に参加している「マスカレイド」の人数×1の補正値補正を得る。
毎ターン終了時、55のダメージを指定した対象に与える。
行動判定に勝利した時、55のダメージを指定した対象に与える。
現在戦闘宙域圏内、参戦可能マスカレイド数3体。
仮面舞踏会の魔王/魔王決戦
http://www.youtube.com/watch?v=lV1DiRRhdYc
こういう時wikiでぱっと見れるから便利やな
京太郎「(……まずは!)」
京太郎「破ァッ!」
マスカレイド「……むっ」
少年の右手から発せられる閃光。
その威力を知るマスカレイドは、射線から身体を退けざるを得ない。
しかし、これはプラフだ。
自身の能力と、それが他人にどう認識されているかを鑑みた上での一手。
京太郎「らあッ!」
マスカレイドA「な、ぐっ!?」
閃光は目眩ましだ。
視界を奪い、一時的に三体の位置をバラけさせる目的がある。
真ん中の一体を蹴り飛ばし、裏路地へと放り込む。
京太郎「……しっ!」
マスカレイドB「むっ」
こちらをまだ視認していなかった右の一体を捉え、ジャイアントスイングの要領で遠心力を乗せて投げ飛ばす。
同じく方向は、彼らの後方の裏路地に向けて。
京太郎「三人、目ぇっ!」
マスカレイドC「……くっ」
水面蹴りで足を払い、転げた敵の足を掴んで疾走する。
初撃の混乱が収まる前に路地裏へと飛び込み、掴んでいたマスカレイドを渾身の力をもって投げる。
これでいい。
これで、人数差を生かせない上に逃げづらい路地裏へと追い込めた。
「「「なんと、流石に考えますね」」」
京太郎「ハモって話すな! 気持ち悪いんだっつぅの!!」
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>454
マスカレイドA判定
>>456
マスカレイドB判定
>>457
マスカレイドC判定
>>458
オモイヤリ
防御
防御
オモイヤリ
爆砕
破ァ!
防御 オモイヤリ
【#攻撃仮面】
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!×3
京太郎に165ダメージ!
残りHP:555
攻撃
防御VS攻撃
攻撃
4+9+6=19
6+2+3=11
5+0+3=8
7+0+3=10
京太郎の攻撃サイド確定!
マスカレイドB、撃破!
【奇跡、発動】
【二手先までマスカレイドの行動が開示されます】
【次の行動は必殺。その次の行動は攻撃です】
突き出された鉈を紙一重でかわし、その右手を捉える。
攻撃の勢いを殺さず、流れるような一本背負い。
人一人分の体重を前提にした、全身丸ごと投げ飛ばす為の投身技術。
そのままの軌道であれば頭から全体重を乗せて地面に激突する、そういう危険な投げ方をあえてセレクト。
人間相手なら絶対にやらないような殺す為の一本背負い。
そしてこの夜の彼には、一欠片の油断も容赦も存在しなかった。
頭部が地面に激突する寸前、首後ろの部分へと蹴り下ろすようなローキック。
その一撃は首を折り、更に頭を叩きつける威力を増加させる。
霧散するマスカレイドの亡骸を尻目に、彼はバック転で宙を回る。
少年の頭部と足の腱を切断せんと飛来する二つの鉈が、宙を回る少年の上下をスレスレの所で通り過ぎていく。
危なげ無く着地して、少年はそのまま残り二体と対峙する。
京太郎「まず、一体!」
『仕留め損ねる』可能性を考えれば、手心を加える余裕はない。
マスカレイドA「まだまだ」
マスカレイドC「夜は長い。踊りましょう、ジェントルマン」
京太郎「踊りたきゃ一人で踊ってろっての」
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>467
マスカレイドA判定
>>469
マスカレイドB判定
>>470
マスカレイドC判定
>>471
攻撃
攻撃
へい
フクツ 攻撃
【必殺】
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!×2
京太郎に110ダメージ!
残りHP:445
必殺
攻撃VS
必殺
0+2+6=8
9+1+2=12
4+4+2=10
マスカレイドAの攻撃サイド確定!
ノーダメージ!
【奇跡、発動】
【手持ちのアイテムからダイスを振ってランダムに選ばれたアイテムと同じ効果】
1、クレD
2,クレD
3、烈火
4、スパイディ
5、爆砕
6、振り直し
ダイス結果→2
HP50回復!
京太郎残りHP:495
右斜め上、左斜め上。
二つの軌道は合わせればVの字のようにも見え、少年の首を刈り取ろうとする。
その二対の斬撃をオモイヤリで受け止め、受け止めた箒の下を潜り二体の敵の間をすり抜ける。
攻撃の威力を受け流しつつ後ろを取れる……はず、だった。
京太郎「よし、ってうおっ!?」
突然明後日の方向から飛来する、高速の投げ鉈(マチェット)。
避けなければ頭が柘榴になる一撃は、当然避けるしか無く。
かくして彼は決定的な一撃を加えるチャンスを逃してしまう。
マスカレイドA「私達は弱い」
マスカレイドC「故に群体」
「「故に強い」」
京太郎「……豊音さん達の方に伏せてる奴が、そういや一体居たんだっけか」
京太郎「あっちから投げて、精密に届かせるとかどうなってんだよ」
必殺のタイミングで放たれた横槍は、彼の頬の肉を少々削いでいた。
完全に意識の外だった箇所からの一撃。
京太郎が油断していなければ検討すらしなかった奇策だろう。
しかしこれ以上なく、その奇襲は成功した。
少年が体制を立て直す間を与えぬように、二体の仮面は戦いの潮勢を傾ける。
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>483
マスカレイドA判定
>>485
マスカレイドC判定
>>486
防御
ハハッ
も
【攻撃】
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!×2
京太郎に110ダメージ!
残りHP:385
攻撃
防御VS
攻撃
2+4+6=12
6+8+2=16
9+8+2=19
マスカレイドCの攻撃サイド確定!
ノーダメージ!
【奇跡発動】
【このターンのみ、オモイヤリ使用者へのダメージを無効】
刃の軌道が、線を超えて網の目のように少年の目に映る。
投げられた刃、振るわれる刃、突き出される刃。
それらが相互に隙間を埋める。
それが相互に重なり合う。
刃の結界。
陳腐な言い回しだが、それ以上の表現は存在しない。
京太郎「……い、ぐっ、あっ……!!」
それに向かい立つ少年が展開するのは、例えるのなら蒼穹の結界。
振るわれる箒に乗せられた青い光が線となり奇跡を成す。
幾重の軌跡が、残光が、光の跡が、まるで守りのカタチを成すかのように使用者を護る。
互いに一進一退であったが、それでも少年の肌に徐々に傷が増えてきている事からもこの先の結末は明白だ。
このまま行けばジリ貧。そして敗北。それが分からない彼ではない。
だからこそ。
京太郎「(イチかバチか……やってみるしか無いか!)」
京太郎「(攻める!!)」
刃の結界、その構成要素の一つ投げ鉈。
それが効果を為しにくい懐へと飛び込む、文字通り命懸けの博打。
臆さず怯まず躊躇わず、少年は踏み込んだ。
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>500
マスカレイドA判定
>>502
マスカレイドC判定
>>503
攻撃
必殺
爆砕
爆砕使うか—
攻撃で
【#仮必殺面】
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!×2
京太郎に110ダメージ!
残りHP:275
必殺
攻撃VS
必殺
1+0+6=7
5+5+2=12
2+5+2=9
マスカレイドAの攻撃サイド確定!
ノーダメージ!
【奇跡、発動】
【次ターン、オモイヤリ使用者のATKが二倍に】
奇跡さんまでそっぽ向いてんぞおい
今は全く使えない効果でたし
今眼前に広がる刃の雨は肉を削ぎ、骨を絶ち、命を奪う必殺である。
かわせない。全て受け止める事も出来ない。だからこそ、腹を決めて全力で踏み込む。
痛みに耐えて歯を食いしばり、その向こう側の勝機を見出すために。
京太郎「う、お、お、おッ……!!」
マスカレイドA「それは勇気ではなく」
マスカレイドC「蛮勇や、命知らずというものですよ」
マスカレイドA「愚か者の代名詞です」
仮面の男達は慌てる事もなく、淡々と攻撃を続ける。
一定の距離を保ちつつ、近づいたり遠ざかったりと懐に容易に入れさせない。
ダメージを与えつつ安全を保つ、そんないやらしい戦い方を続けている。
待ちの態勢、京太郎がどんな行動をとっても対応できる受けの体勢に移行しているようだ。
それは少年にとって、最悪と言っても良い展開。
けれども。
京太郎「それが、諦める理由には……ならない!!」
いつもの言葉。いつもの不屈。
彼を奮い立たせるのは維持か、根性か、執念か。
……それとも、今ここにはいない仲間達へと胸を張る生き方をするためか。
京太郎「(……どうするッ!?)」
気力と思考を両立して励起させ、彼は砂粒のような勝機を手繰り寄せんとする。
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>522
マスカレイドA判定
>>524
マスカレイドC判定
>>525
フクツ
防御
こい
クレD×2 フクツ 防御
【#防御マスカレ】
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!×2
京太郎に110ダメージ!
残りHP:165
防御
防御VS
防御
5+4=7
4+6+2=12
9+3+2=14
マスカレイドCの攻撃サイド確定!
ノーダメージ!
あ、フクツ入れ忘れ
でも結果変わらないので続行します
そこで少年は。
踏み込むのを、辞めた。
マスカレイドA「……ヤケになりましたか?」
マスカレイドC「それはそれで、喜ばしい事ですが」
止まらず放たれる刃の雨。
それに抗わず、流すように受けに徹する。
諦めた? 否。
ヤケになっている? 否。
勝機は残されていない? 否。
少年の思考は今限りなくクリアに、かつ途方もなく加速している。
秋の初めに、巫女との戦いの果てに。
無謀な自分を諌めてくれた少女の言葉を思い出す。
調子に乗らず、思い上がらず、無価値な無茶をせず。
生きる為に戦えと、生きて帰ってきて欲しいという彼女の気持ちは痛い程に伝わった。
その責任を投げてしまう事は許されない。 そう思うからこそ、彼の思考は加速する。
京太郎「(……どうする? どうする? どうする?)」
互いに受けの姿勢に移ったからか、双方共に決定打を打ち込めない。
だがだからこそ。
傷付きながらも、彼には勝機を思考し創り上げる余裕がある。
京太郎「(……どうするッ!)」
痺れを切らした仮面達が攻勢に移ったその瞬間、彼の思考は結実した。
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>541
マスカレイドA判定
>>543
マスカレイドC判定
>>544
攻撃スパイディ
クレD
防御
え?同値の場合は京太郎の勝ちって桃子戦の時言ってなかったっけ
後安価先おかしいで、安価なら下
おおお落ち着くんだ自分
レス速度を読み違えたァ!
もっかいもっかい
>>546
多人数戦の説明の時のアレですかね?
アレは複数人が攻撃可能になった時の処理のサービスの問題で・・・また別枠なんです
————————
そこで少年は。
踏み込むのを、辞めた。
マスカレイドA「……ヤケになりましたか?」
マスカレイドC「それはそれで、喜ばしい事ですが」
止まらず放たれる刃の雨。
それに抗わず、流すように受けに徹する。
諦めた? 否。
ヤケになっている? 否。
勝機は残されていない? 否。
少年の思考は今限りなくクリアに、かつ途方もなく加速している。
秋の初めに、巫女との戦いの果てに。
無謀な自分を諌めてくれた少女の言葉を思い出す。
調子に乗らず、思い上がらず、無価値な無茶をせず。
生きる為に戦えと、生きて帰ってきて欲しいという彼女の気持ちは痛い程に伝わった。
その責任を投げてしまう事は許されない。 そう思うからこそ、彼の思考は加速する。
京太郎「(……どうする? どうする? どうする?)」
互いに受けの姿勢に移ったからか、双方共に決定打を打ち込めない。
だがだからこそ。
傷付きながらも、彼には勝機を思考し創り上げる余裕がある。
京太郎「(……どうするッ!)」
痺れを切らした仮面達が攻勢に移ったその瞬間、彼の思考は結実した。
京太郎の行動を選択して下さい
・攻撃、必殺、防御
・装備変更
・アイテム使用
>>553
マスカレイドA判定
>>555
マスカレイドC判定
>>556
防御
クレD二つ
爆砕点穴
爆砕 クレD×2 フクツ 必殺
ジョインジョイン
【#攻撃舞踏会】
クレイジーダイヤモンド×2使用!
京太郎残りHP:265
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!×2
京太郎に110ダメージ!
残りHP:155
爆砕点穴使用!
ナイトメア・マスカレイドの行動ルーチンは
√8の平方根=2.828427…以下繰り返しの数列を用いています
(ニヤニヤ死にな)を元にした行動ルーチン
123 攻撃
456 防御
789 必殺
上の表を用いて行動を読み取ることが可能です
攻撃
防御VS
攻撃
0+6+6=12
0+8+2=10
1+5+2=8
京太郎の攻撃サイド確定!
マスカレイドC、撃破!
あ、フクツのこと忘れてなかったのに今度は書くの忘れてた
ま、結果変わりませんしね! 良かった良かった
長い戦いだった
最後の最後でコンマが荒ぶることはないよね?ね?
>>562
フラグを立てるんじゃない!
てかこれいわゆる前哨戦だよね?まだメインディッシュ残ってるんだよね……
彼の攻撃の意志が表に出ていなかった事は、知らず知らずのうちにマスカレイドに油断を呼んでいた。
戦いの際、常時存在感を撒き散らす彼の闘気とも言える彼の戦う意志の力。
それが感じられない事は、後一歩の勝利を仮面の者達に意識させるには十分だったのだ。
諦め、あるいは折れた心。
彼を表面上でしか理解せず、その本質を知らぬがゆえに。
そんな『ありえない』戦闘思考を組み立ててしまった。
それが、この瞬間彼が見いだせた唯一無二の勝機。
マスカレイドA「ここが、貴方の終着点」
マスカレイドC「お眠りなさいませ」
渾身の斬撃。
二つの躰から繰り出される、どちらか片方しか防げぬ軌道。
それが彼の命を刈り取ろうというその瞬間———
京太郎「待ってたぜ」
彼は踏み込む。
恐れず止まらず風より疾く。
踏みしめた一歩が下段から来る斬撃を踏み砕き、上方から向かってくる斬撃へと逆に向かっていく。
彼の頭部が真っ二つになる——と、思われたその瞬間。
彼は避けるどころかその頭部を刃に向かって突っ込ませ。
その刃を噛んで、止めていた。
マスカレイドC「……は?」
京太郎「ふぉふぇふぇふぉふぁふぇふぉふぁふぁふぁふゅふゅひふぁ」
同時通訳:これでお前の刃は封じた
あんまりにもあんまりな、奇想天外な行動。
ありえぬ刃封じ。 思考の外側にあった奇策。
確かに振るわれる前の勢いがついていない刃なら理論上は可能……だがしかし。
やろうとするものなんて居ない、そんな行動。
そして。
京太郎「破ァッ!」
ゼロ距離からの肘打ち。 青い光条が上乗せされ威力倍増。
たまらず、その肉体の一つが消失する。
攻撃
フクツ 攻撃
マスカレイドA「この、粘り強さ……」
京太郎「本当の困難にあった時、誰が本当の味方だったか分かる……か」
京太郎「全くもって、いい答え(アンサー)だった」
青い光が右足に集約。
助走をつけ、飛び蹴りの姿勢にある彼の一撃はその輝きで威力を倍増させるだろう。
マスカレイドA「成程……これは、中々に厄介だ」
京太郎「ピンチの時、どっかの誰かとの思い出が助けてくれるんだもんな」
仮面にかわす手段はなく、少年に手加減をする気もない。
マスカレイドA「次は、こうは行かないようにしましょう」
京太郎「……くたばれっ!」
まるで大砲の弾のように飛び出し、凄まじい威力を以ってその飛び蹴りを炸裂させ、
京太郎「破ァッ!!」
それと同時に、足に集中させた莫大な蒼を起爆させる。
ミサイルにも例えられるそれが、仮面の悪夢を爆発四散・跡形もなく消滅させた。
【#必殺仮面ライダー】
『仮面武闘会(マスカレイド)』発動!
京太郎に55ダメージ!
残りHP:100
必殺
攻撃VS
必殺
8+0+5+6=19
6+3+2=11
京太郎の攻撃サイド確定!
マスカレイドA撃破!
戦闘に勝利しました!
戦闘終了。
三体のマスカレイドを片付けた以上、伏兵としてのマスカレイドはさほど脅威ではない。
四体同時ならともかく一体でゲリラ戦をされても脅威ではないし、一体なら皆で固まって追い回せばいい話だ。
油断なくヒーローシフトを維持したまま、少年は周囲へと気を配る。
京太郎「オーラス一体だ。出てこいよ、さっき俺に攻撃した奴」
声をかければ、まるで闇の中から染み出てくるかのように出現する仮面の男。
素直に出てきた事は楽で喜ばしいが、この悪夢の場合それがかえって不気味で不安である。
マスカレイド「……ふむ。いよいよ私も打つ手が無くなってまいりました」
京太郎「ならもう関わらないでくれないか? その方が嬉しいんだが」
マスカレイド「ふふふ、魅力的なお誘いですが、丁重にお断りさせて頂きます。申し訳ありません」
背筋が粟立つような笑い声。
ここまで完膚なきまでに敗北しておいて、なお崩れないその余裕。
京太郎は敵への警戒を緩めず、その状態を維持しつつ思考を回転させる。
何か、何か、何か。
自分は、何かを見落としてるんじゃないかと———
マスカレイド「それに、貴方に今そんな余裕が有るのでしょうか?」
京太郎「は? お前なに……」
その言葉に反応するよりも、なお早く。
思考が集中力を高め、集中力が力を高め、ヒーローシフトが高めた聴力がその音を捉える。
足音、車の駆動音、抑えた話し声。
それがこの場所を囲むように、あらゆる道を封鎖しつつこちらへ向かってくる。
京太郎「お前、まさか」
マスカレイド「テレビの中のヒーローは、一度勝てばそれで物事に決着が付き」
マスカレイド「テレビの中の悪役は、一度負ければ大人しく引き下がり次の機会を待つのだそうですね」
マスカレイド「もっとも私はそこまで殊勝にはなれませんので。畳み掛けられる時に畳み掛けさせて頂きます」
そう言って、手に鉈を持ち。
マスカレイドはその首を掻き切った。
当然、その死体も鉈も霧のように消失する。
『証拠となる自分を消した』。
この場には、京太郎と豊音達しか残らない。
ここまで来てようやく、京太郎はマスカレイドが立てた作戦の全貌を理解した。
多段重ね、失敗しても成功と同じになる作戦構造。
……つまり。
京太郎「あ、アイツ……!」
京太郎「この場所を警察に『通報』して、その間の時間稼ぎをしてやがったのか!?」
警察は、マスカレイドにとっても敵対勢力である。
見つかればアウト、そういう関係だ。
ある意味では京太郎達以上の敵対勢力であるとも言っていい。
別ルートから権力で言う事を聞かせるにも限界があり、指摘に公権力という物に手を出す事はあまりにリスクが大きすぎる。
だが、それすら利用する。
マスカレイド「このまま捜査を続けられていればあの人も見つけられてしまいそうでしたしね」
マスカレイド「正直見くびっていました。警察を過小評価していたわけではないのですが」
マスカレイド「さて、隙を見て街を出るようには言っておきましたが……どう転びますかね」
フリーメイソンにとって、権力に媚びないこの街の警察は非常に厄介である。
それで無能であればまだマシであったのだが、それなりに有能であったのだからタチが悪い。
子供らしくストレートに物事に向かっていく少年を、見えない所でサポートする彼らは若さ故の弱点を塞いでしまうからだ。
少年とその仲間達については言うまでもない。
表と裏、陰と陽、助ける者と支える者。
目立つ目立たない、優れている優れていないに関わらずこの両者は非常に厄介であった。
マスカレイド「ですので」
マスカレイド「ここで潰し合ってもらえると、非常に喜ばしいのですよ」
マスカレイド「互いに掲げる『正義』『善意』『信念』『責任』『優しさ』」
マスカレイド「それらを持ったまま、双方共に戦い合って下さいな」
マスカレイド「ふふっ」
だから、潰し合わせる。
結果がどうであれ、それはマスカレイドにとってそんな結果にはならないだろう。
マスカレイド「ふ、ふふっ、ふふふふふふふふふふふふ」
これは彼にとって好ましい展開だ。
都合がいいとか効率がいいとかではなく、彼の嗜好にとって好ましい。
無関係な自分が関係の深い両者を潰し合わせているという事実に、彼の胸は震えている。
無関係な者から向けられる、他者の絆への純然たる悪意。
マスカレイド「ああ、良かった、あの人達は不幸になっている」
マスカレイド「もっと不幸になってもらうには、どうすればいいのでしょうかね」
マスカレイド「ふ、ふ、ふふふ、ふふふふふっ、キヒッ、ふふふふふふふふふふふふふふ」
本日の投下はこれにて終了。次回警察激闘編
お疲れ様です。お付き合い感謝!
ちょいやばなねむけ。チョベリバですチョベリバ
おやすみなさいませー
やっと追いついたよ!
長かったよ!
時間稼がれたみたいだけど、これきっちり3ターンで倒してたら今後の展開も楽になってたんかね?
こんばん渡辺俊介
あのアンダースローを練習してた時期が、私にもありました
とりあえず昨日は本当にすんませんっしたー!
決定的なミスこそ無かったもののアレだけミスが重なるとは申し訳ないです、はい
今夜もやりたかったのですがGW中に処理しなければならなかった案件を今日までうっかりうっかり
なので明日投下になります。上手く行けば明日で十七話完結・・・かな?
>>441
ハガレン屈指の鬱エピソードはやめるのです!
>>450
ですよね、実は>>1もこっそり使ってます
>>511
効果はランダムですランダム!
裏でこっそり処理してるレベルですが
>>565
もちろん(ニッコリ)
>>602
ウェルカム!
>>604
経過ターンで結果が変化していく戦闘はいくつかありますねー
猿夢の様な場合もあれば、こっそり>>1が裏でボーナスフラグ立てている場合もあります
http://blog.esuteru.com/archives/7094363.html
血が流れる(確信)
ISって新刊で束さんがISと素手で格闘始めたんだっけ
ほとんど有利だったな
ありゃ化物や
そんなこと言ったら、弾がOFに乗ってないことに違和感を覚える
イッチも理想郷のあのSS読んでたのか
正直原作よりも楽しみにしてるわ
おk無理の無いペースで続けろください
咲安価もので一定以上のクオリティを保ちつつ
エタらずにストーリー全体の後半戦を迎えてる>>1はすばらく思うんだぜ
おっけーおっけー
全五章で今四章だもんなぁ
wiki見直してくるか
冨樫は幽白の時燃え尽きたから…一週間のうち自由に使える時間が一時間だけだったとか
wikiに小蒔ちゃんの戦闘データ追加したー
と言うか以前戦ったこと完全に忘れてたてへぺろ
戦闘用データ作ってあるってことはまた戦うことがあるんですかね…
こんばんワイルドアットハート
ボルシャック・ドラゴンよりどう考えてもウルスの方が強い
でもやっぱりアーマード・ドラゴンはカッコイイ
そんな難しいジレンマがあったあの頃
今夜21:30スタートですー
>>616
>>617
IS無くてもいつか天下取れてましたよねあの人達
>>618
黒幕ポジのあの子結局救われずに終わっちゃいましたねー
>>619
ま、多少はね?
>>621
>>622
そう言ってくださると助かります
>>625
文庫本の時巻末でやらかしてましたけどね! なんでやねん!
>>626
【禁則事項】
′:i: : : : : : : : : : : :| │: : : : : : : :/: : :.
: : 八: i : : |: : : :|: l: | │: !: : : :}: /:}: : : :
l: : : |: i払斗气{七i 」 L 」辷�/仆: : :
|: : : |:从 ^¨~ )芹 ^ )芹¨ハ:|: : : :|
|: : : |∧:. _込ツ 込ツ 八: : : !
: : : :込。_ i 从忖 : : |
|: : : |!:|:|込 __′ 仏り:|: : :.|
|: : : !:i|:|州≫。 ´こ` 。イ/州/ | : : |
「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
│ 京太郎のハートをゲット大作戦 { 八 r-、 |
│ ⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^\ ヽ 「 ̄ ヽ} |‐-
│ ` / __j′ / / }
│ / {/ ノ
/_)_ ┌─大ダメージ瀕死 / ( ー /
__ ノ ↓ 状態 / ーr_'ノ
_ ノ\ /\ /\ ヽ / ←┐ / |
/ ノ \ i i / │: / |
/ \八 ○ 八 / .:l::.│:::.:./ 反物質砲 .|
ヽ | │ _.::l\::./::.. あびせる .|
│ │ .:::) >::... |
│ ↓ .:::/ /(^o^)\ (:::... |
│ .:::∠ _ __ _ヽ:... |
│ (⌒⌒) 誰かが (⌒⌒) .::::/ へ (::...↑ |
│ ヽ/ 助ける !! ヽ/ .:::::::/′.:.:..\:...└── 京太郎 |
ガンダム歴代ヒロインだとやっぱりティファちゃん可愛すぎ一強ですよね!
__ _
ィ:i:i:i:i:iΥ }
/:i:i:i:i:i:i:从_ノ==ミ
___,ト--- ノ廴j:i:イ
(i:i:i:i:i:≧==彡i:i:ィ::::::{
|:::::::ゝ ヮΧl }≧=ミ、
/i:i:i〈i:i:|芥 �i:/:i:i:i:i}
Y:i:i:厶==≠ミ:i:i:i:i:i:i{丶
/:iイ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i:i:i:i:i:|::::::..、
ノじ:i:i:|!:i:i:i:i:i:i/__i:i:i:i:i:|:::::::::::\
{/i:i:i:≧====彳:i:i:/^Y片::::::::::::::ヽ
冫、i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧〈_ソi:i:i{iヽ::::::::::::::゚,
/:i/:i≧========彡:i:{!i:i|!:i:i:Y:::::::::::ハ
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´ ̄
資格検定の勉強、日々のワーク、投下、娯楽
全てこなさなきゃならないのが俺の辛い所だ
ねむい
覚悟はできたか? 俺はできてる
ねむい
投下はっじめーるよー
周囲一帯が包囲され、おそらく蟻一匹逃れる隙間もない。
マンホールや上空からの脱出も不可である事はこういう時に便利な胡桃の能力で証明されている。
京太郎が能力を変更する時間も、変更している間の致命的な隙をどうこうできる保証もない。
結局の所、彼は格納に切り替える事も出来ず、この数分にも満たない包囲封殺完成までの時間を使って起死回生の手を打つしか無い。
どうしようもないほどに無茶ぶりであった。
塞「……どうしよっか」
シロ「迷っても良い事無いし、選択肢は無いと思うけど」
京太郎「ですね……どっかしら、この包囲を突破しないと」
力尽くで突破。……出来るのかどうかは、分からない。
そもそもの話、警察とて決して弱くはないのだ。
ヒーローシフトを展開しなければ京太郎でもたった一人にすら打ち勝てないほどに、この国の治安を守る者達は強い。
都市伝説相手では分が悪いものの、彼らは人間相手に戦う技術を連綿と築き上げてきた者達だ。
肉体面と能力面で強化され隙のない格納状態ならともかく、肉体的に脆弱な彼女らであれば。
能力で傷を塞ぐ事だけは出来たものの未だにダメージの残る寺生まれでは、数と連携と経験を用いる警察には勝機が薄いだろう。
両者の戦力が拮抗する状態まで持って行き潰し合わせるのは、視点を変えれば最上の策であるとも言える。
胡桃「ぴ、ぴんち?」
エイスリン「ドウスル? ドウスル?」
京太郎「ほら、不安な顔しないで下さい。どうにかしてきますから」
シロと塞はこのメンバーの中でも、精神的な支柱に近い。
故に落ち着いている。
しかし後者二人はそうでもなく、歳相応に慌てる姿を見せることもある。
……それは頼りになる人物が側にいるからしっかりしなくても良いという、ある種の甘えや信頼に近いものでもあるのだが。
そんな二人の頭を両手で撫でて、少年は心を落ち着かせる。
まだ、口に出して慌てている内はいい。
問題があるとすれば。
京太郎「(……むしろ、問題は)」
口に出して慌てない者は、対応が難しい。
考えている事が読める内はともかく、その内に見解の相違が大失敗を招くからだ。
例えばそれは、不安そうにコンクリートの道を見下ろし黙る今の姉帯豊音が近い。
京太郎「(この人だよなぁ)」
豊音「……さん」
京太郎「気になりますか? 父親が」
豊音「へ? あ、あれ? 声出てた?」
京太郎「そりゃもーバッチリと」
そんな事はない。
少年はカマをかけただけである。
カマをかけずとも、彼女が今何を考えているのかなど誰にでも分かる事なのだが。
そうとも知らずに、彼女は赤く染まった顔を恥ずかしそうに帽子で隠す。
その仕草は非常に可愛らしいのだが、その裏にははっきりと感じられる感情があった。
期待、不安、そして……愛情。
京太郎「(ま、それも当然か)」
彼女は今回の件に巻き込まれてから、一度も父親と直接話していないのだから。
それは彼女の心を折りかけている要因の一つでもあり、彼女の心を支えている最後の支えでもある。
見捨てられたんじゃないか、見放されてるんじゃないか、でも、もしかしたら。
実の父への複雑な感情。
父に迷惑はかけられないという遠慮と、父の仕事と正義への真摯さに泥を塗りたくないという思いと、それでも自分の味方でいて欲しいという願い。
彼女もまた、心の中で複雑な思いが拮抗しているのだ。
彼女は口には出さないが、一目見れば気になっている事は誰にだって分かる。
彼女が口に出さないのは、今隣に居る友人達に迷惑をかけないためだ。
だから口に出さずに、隠し通そうとする。
……それが、彼女の性格上筒抜けであるとも知らずに。
京太郎「しゃーない、腹括るか」
豊音「?」
京太郎「(リスクも、大差ないし)」
だからちょっとくらい無茶をしてみようかと、彼は思うのだった。
.0
眠気で頭ガクンと行ってマウスの上の右手とキーボード右の数字キーに頭突してしまった
すげーいたい
ちょっとタイム
アナスタシア・ルン・ヴァレリア通称ちょっとエッチなお姉さんの幻覚が見える
すんません、予告しておいて自分はここまでのようです
ですが忘れぬよう。自分が寝落ちしても第二第三の作者が投下を続けることでしょう
人の心に投下を望む心がある限り私は何度でも蘇るのだ
ククク・・・私は寝落ち作者四天王の中でも一番の小物
この時間に寝落ちするとは作者の面汚しよ
具体的にはこの続き明日からやるですよ
ネマス
擬人化か!?そういうあれか!
オモイヤリは擬人化するとヤンデレになる気がする
友達にMTGで挑まれたからトレイリアのアカデミーだのMishra's Workshopだの満載した青茶単使ったらどん引きされたお( ^ω^)
で、MTG×咲スレはいつ建てるの?
>>1[ピーーー]気か!
あ、ペルソナ3お願いします。アルカナ21人分考えて放置とか許されざるよ!
このイッチならマブラヴ×咲も書けるはず……!
無論オルタの方な!
出来れば明日投下しますー
日曜だから朝8:00に放送してるアレに合わせて夜8:00からにしましょうか
>>692
せぬせぬ
>>693
オモイヤリは仮に微粒子レベルの可能性の壁を超えても寡黙な騎士然としたおっさんです。一言も喋りません
でもたぶん主人がどんな道を歩いても無言で付いて来てくれます。命尽きるまで
色んなヒロインに貰ったカードを使いこなす多色デッキ主人公とかだと盛り上がるんでしょうけどそういう『強い』デッキだと物語が回しづらい不思議!
>>694->>698
やだ、何この流れ・・・
>>699
桜花作戦の成功から20年。一人の英雄の消失から20年。人類に希望が生まれてから20年。
絶望の世界が反撃の世界に転じてから生まれた絶望を知らぬ子供達、通称「反撃の世代」。
今世界を動かすだけの心のエネルギー、かつてあ号標的を打倒した彼らの力を思わせる者達が銃をとった時代。
地球のハイヴは一掃され、人類は安全圏を確保すべく月の奪還を開始した。
……しかし、それは新たなる絶望の始まりでしか無かったのだ。
宇宙空間での減衰も障害物もない光線級。宇宙空間に特化した新型BETA。
攻めるよりも守る方が有利という、今まで自分達が甘受してきた有利性の逆転。
そして何より、月と地球の環境の違いという既存の戦術及び戦術機の陳腐化。
人類は再び、新たなる進歩を余儀なくされた。
月を奪還しなければ再度のハイヴ投下もありうる。 負けてはならない戦いなのだ。
そして、新たなる宇宙空間適応型戦術機というコンセプトで開発された最新鋭機達!
ネクスト・プロミネンス計画という題目で世界各国の技術を交換しコンペされ作られた新たなる機械の戦士!
人類の新たなる希望が、生み出されようとしていた!
それらは総じて宇宙空間での戦闘を重視され、黒い体色・光線級への対策・これまでにないコンセプトと新技術によって構成されている!
英国の第三世代機タイフーンと日本の第三世代機武御雷の延長・発展技術の先に作られた近接特化騎士型戦術機
『ナイトブレイザー』
レーザーを回避するため無重量空間でも高精度かつ高速度の立体機動を保ち、近接戦闘に特化した性能を持つ
中国のリアクティブアーマーに着目し、そこにラプターの流れを汲む構想を取り入れた量産型汎用機のテストタイプ
『ブラックサレナ』
高機動に加え、レーザー照射に耐えパージによってBETAに取り付かれた場合にも対応可能な多重装甲を持つ
テストタイプには凄乃皇のデータを流用した簡易ラザフォード場を搭載
地上における掃討作戦において大戦果を挙げた電磁投射砲。それを元に設計された移動する大火力砲にして戦術機
『ジェノザウラー』
光線級からヒントを得た宇宙だからこそ十全に使える、宇宙空間で減衰しない荷電粒子砲を搭載する
凄乃皇によりデータこそあったものの、地上では環境と必要電力によって実現しなかった夢の兵装
その他にも造られ続ける夢の結晶
『ヴェルトール』『ガンバスター』を始めとする奇妙なコンセプトによる戦術機、
『Mk.2』『クロスボーンX2』『ダークハウンド』などの傑作機を生み出した宇宙空間向きの戦術機ガンダムシリーズ、
『アストラナガン』『シュロウガ』等の国家主導でない企業産の優秀な戦術機群、
『グリフォン』『ブラックゲッター』を始めとする軍用兵器ではない作業機械からの転向機、
そして極めつけが凄乃皇に似たコンセプトの決戦兵器『ジ・アース』である。
物語は日本人とイギリス人のハーフで金髪の少年・ナイトブレイザーのテストパイロット京太郎と、『白い髪』の少女白望と、帝国斯衛の『神代』を名乗る少女の三人
この三人の出会いから、全ては始まる……
地上で戦術機の開発・改良!
訓練で操縦者としての技量を上げ、休暇で仲間との絆を深めよう!
新しい出会いを求めれば共同作戦の立案で共闘も可能、仲良くなれば共闘も効率が良くなるぞ!
仲間を増やし、連携を深め、戦術機を強化し、強くなってBETAとヴェイガンを殲滅だ!
地上で準備ができたら月に攻め込もう!
準備不足でも死ねるけど、あんまりゆったりしてると地上にハイヴが投下されたり火星から月に援軍が来たりするぞ!
あと月の常駐軍が君のせいで死んだりする鬱イベントが来るかもしれないので注意しよう!
月のオリジナルハイヴを一掃すればゲームクリア!
ボーナスゲームとしてハーレム有りエロ有りのオルタード・フェイブル編に突入するので皆頑張ってクリアしよう!
>>699
ってとこまで考えたので後任せました
衣「先攻セイバー無限ループ」
照「先攻反目の従者ワンキル」
淡「先攻ワールド無限ループ」
小蒔「先攻エクゾディオスワンキル」
これならジャッジも文句言えないな
え?>>1が自分の黒歴史を公開するって?(難聴)
そういや京太郎中の人ネタに知識オタクの引きこもりニートな次期将軍が増えたな
「また落ちてるよ」→「どうせまた二日とかかかるんだろう」→「予定前倒しにして予定入れてしまえ!」→「あふん」
これは恥ずかしい失態
前倒しにした結果明日は空いてますが今日はちょい無理になっているという失敗
すみません、これは明日延期ですえ
簿記が無いと困りそうなんですよねぇ
電車での移動中にささっと作った相関図もどきでも見て暇をつぶして下さい
http://i.imgur.com/9JRXLZl.jpg
結構いい加減ですけどね!
>>744
しない(迫真)
>>750
あの世界はおっぱいおっぱいできっと京ちゃんも玄ちゃんも大満足
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_13/burajiru-keisatsu/
なにこれすごい
やっぱ警察ってバイオレンスですわ
痴女とか言う都市伝説
| | ‘, ’
. |. | ,: ‘, ‘
. | | / / -‐======‐-‘, ,
| :/ / ‘, ′
| / / / _ -‐===‐- ‘, ‘
| / -‐‐′ミ ,. -‐く () ≪ ‘, :
| -‐……‐-ミ ___/ ,.:'¨¨¨¨゙'くく }___,,.. '´ ``丶、 ‘, i
| . / () / / や. : (( }__,ノノ¨¨¨二ニ=‐-ミ ``丶、 ‘, |
| { /二ニ冖¬=r; { {フ }; i //¨¨´ ``丶、 ``丶、‘, |
| ,// / ,乂_{ {_ノ | // ``丶、 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}
| {/ /. 乂______l__彡' _________ ``丶、 | r──┐ ‘,
| ,/ /. /¨¨¨¨¨¨¨¨⌒\ \¨¨二ニ=‐-ミ____ | | {{::}} |. ‘,
|/ / -‐==冖iT⌒/ \ \. / \ | └}}{{‐┘ }
. / /く/ / │ / / ̄{ ̄} \ /. \ |__{{ }}──rァ'′
,′/ / | /______/ }/ ___} { _____ \ }}_{{ ‘,
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� | ‘, | | } | | | i |
. | | , | | } | | | | |
. | | \ | | } | | | | |
| | \ | | ノ. | | | |
| |. \ | |. し:し:し
唐突に咲キャラでサクラ大戦という電波が来た
しかし俺はSSを書けないのでイッチに期待してみる
よしよし今日はちょっくら時間出来ました
22:00から投下開始しますー
ツンデレ属性に目覚めたのがサザンアイズの三只眼、ボクっ娘属性とポニテ属性に目覚めたのがイエロー・デ・トキワグローブ
誰の心にも必ず在る、何かしらの属性を目覚めさせたヒロインが居るという話
ちな黒太郎の全盛期は過去編の決戦直前、その時点での彼に勝てるのはこの作品内だと現状照のみですね
>>783
よーしお兄さんロボの形状他作品のに変えちゃうぞー
「いいですとも!」を「身体が勝手に!」に変えちゃうぞー
でも自分は都市伝説で手一杯なので貴方がはよ
http://irotsuku.com/a/djgur374/r/%E9%A0%88%E8%B3%80+%E4%BA%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E
http://irotsuku.com/a/dgwerett/r/%E9%A0%88%E8%B3%80+%E4%BA%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E
・・・ふむ
…ちょっと待って、決戦直前ってまさか仲間の死を見届けてない状態ってことか?
まさかホシガミもすこやん砲も九面様も放射能も狂化水月も照魔境も赤マントも無しで全盛期なのか?
違うよね…?
優しさと誠実さが無いなんて……
確かにパイはツンデレの目覚めだわ。ハーン君が好きでしたけどね
>>797
あー、あそこわかりづらかったですか
黒い彼の過去では
街への大侵攻(町の住民全て、四人を除く彼の仲間、四天王の宥・淡・マスカレイドが死亡)
↓
街崩壊
↓
魔神、破壊を世界に振りまく(何人かここで新顔が参入。京太郎を中心に魔神打倒チーム編成)
↓
最終決戦って感じです
ストックはそこで全部使いきりました
>>801
ハーンくんは振られたと思ったら後日談でくっついててびっくり
.... -—————- ...
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投下はっじめーるよー
前回の3つの出来事!
一つ、豊音ちゃんピンチ!
一つ、マスカレイド襲来!
一つ、警察に包囲されて逃げられない!
ある程度開けた場所にて、対峙する両者。
互いに申し合わせたように人気がなく、かつ周囲に巻き込む建物が無い場所を選んでいた。
その結果がこの寂れた広場のような場所であり、そこで相対する両勢力である。
警察側からすれば、強大な力を持つ者を周囲に被害なく取り押さえたい。
少年達からすれば、突破するためには数人居れば簡単に封鎖されてしまうような狭い場所は絶対に避けたい。
なので必然。
両者が求める決戦の地は似通って当然なのだ。
ずらりと並ぶ、半円状の陣形を組んだ警察の刑事達。
藤田を始めとして、そこに並ぶ顔ぶれの多くに京太郎は見覚えがある。
京太郎「ども、こんばんわ」
そこに先行し踏み出したのは京太郎のみ。
残りの仲間達は背後に控え、一人で歩み寄ってくる彼に大人達は警戒心を露わにする。
少年にも油断はない。
油断出来る程の余裕もない。
表面上そうは見えないものの彼には先程の戦闘によるダメージがしっかりと残っている。
けれど。
けれども。
京太郎「(自分の発言にくらいは、責任持たないとな)」
——俺が先行します
——あっちとしても各個撃破できるならそれが理想でしょうし、食い付いてくる筈
——突破できる隙を探ってて下さい。俺の方は心配しなくても策があるので大丈夫ですよ
嘘である。
そんなものはない。
強いて言うのなら、豊音を逃がせる確率の多寡。
そして何より、『彼女の父親』との会遇の可能性を鑑みた結果である。
京太郎「(せめて……せめて、おやっさんを引っ張り出してこれるくらいには踏ん張らないと)」
一欠片の勝機も見出だせない、そんな健気で無意味な自己犠牲であった。
もはやここまで来れば、互いに逃走は許されず、闘争も避けられない。
だからこそすべき事がある。
藤田「……ふ、お前は会う度に刮目して見なければならないな」
京太郎「藤田さん」
藤田「男子というのは三日ならそう変わらんもんだと思っていたが」
藤田「随分とまあ、一ヶ月や二ヶ月で変わるもんだ。目つきとか雰囲気とかな」
京太郎「……まあちょっと、大人な自分とか考える機会がありまして」
話すべき事が有り、話すべき相手がいる。
京太郎「……おやっさん」
豊音「おとーさん」
姉帯「……」
その為に、すべき事がある。
京太郎はまず、自分と同じように単独で少し前に出た藤田と話す。
無論一定の距離は開けたまま、何が起きても対応できるようにと警戒しつつ。
……それが、今の両者の関係その物を如実に表しているかのようで。
京太郎は、一抹の寂しさを感じていた。
そこから始まるいくつかの問答。
交わされる互いの情報交換。
京太郎の推測と見解、警察の推測と見解。
マスカレイド。京太郎の仲間達が集めた情報。一応のアリバイ。
警察側の現状。
その内容に、互いに眉をひそめる事もあった。考えこむ姿も見られた。
そもそも彼らの間には共通の敵性が認識されている。
『フリーメイソン』。
その存在が露見している時点で、二人共ある程度の予想はついていたのだ。
『裏で何が動いているのか』、それぐらいは。
藤田「さて。 言うべき事は一つだな」
藤田「我々が協力し合うには、どちら片方が妥協しなければならない」
ここで情報を交換した理由は二つ。
一つは、どちらが勝利したとしても真犯人を逃さぬため。
今ここで争う運命にあるものの、両者の真の目的は『真犯人の捕縛』である。
両者の違いはその過程で少女に辛酸を嘗めさせるか否か、という点だ。
最終的に真犯人を捕まえ、少女の無実を証明する。
両者の目指すゴール地点、それだけは一致している。
二つ目は、妥協点を探すため。
先程述べたように、これはどちらかが妥協すれば良い話である。
京太郎が豊音がワリを食うのを許容する。
警察が法を破る事を許容する。
京太郎が豊音を信じている事を証明する所作。
彼女の絶対的な味方でいる事をやめればいい。
警察がマスカレイドとの戦いで死一歩手前まで追い詰められた京太郎を見捨て。
安全を確定させる保護を諦め、子供達を主戦力として扱えばいい。
妥協すればいい話だ。
それだけで綺麗に、効率よく世界は回る。
……しかし。
藤田「妥協しろ」
京太郎「やだね」
そんな妥協、できはしない。
これは在り方の問題だ。
法を曲げるか、情を曲げるか。
見捨てるか、見捨てないか。
どこまで妥協できて、どこまで妥協できないのか。
個人のためか、全体のためか。
一人一人を理不尽な現実から見捨てない事で、全てを幸せにしようとするか。
時に誰かに理不尽という負担を背負わせても、全てを幸せにしようとするか。
要はそういう事で。
その点で、この両者は絶対に相容れない。
どちらかが正しいというわけではない。
『ある事』を京太郎達のみが認識している事を除けば、両者はどちらも正しく、そして間違っている。
京太郎は『少女の味方』としては正しい。
彼女が無実であるのなら、彼女を襲う現実は理不尽だ。
そんな彼女に更にワリを食わせるのは間違っている。
どこかの誰かを理不尽から守る。
それが『寺生まれ』として彼が抱く、大切な矜持の一つ。
それは警察が相手であっても、法が相手であっても変わらない。
反面、それに等しく間違ってもいる。
彼女の無事を願うなら、彼女を多少の理不尽に委ねてもいいのだ。
彼女に負担を強いて、警察に協力を求める事が最も確実である事ぐらい、彼にだって分かっている。
それが最終的に貴方の為になると、豊音を説得する事くらい京太郎には容易い事だっただろう。
だが、しなかった。
京太郎は、豊音の『味方』である事を約束した。
彼は彼女の無実を信じ、それを証明しようと誓ったのだ。
少年が少女に向ける誠意から生まれた、どこか子供らしさの残る意地。
ここで他の大人と同じように負担を強いる事も出来た。
けれど、そうしてしまったら本当に豊音が一人ぼっちになってしまうかもしれないと。
けれど、誰も隣にいてくれない寂しさを彼女に味あわせたくないと。
けれど、そうしたら。
———あの少女が、泣いてしまうかもしれない。
それが理由。そんな理由。
ここで彼が意地を張るのは、そんな理由だ。
そして何より、彼らだけが知る『退けない理由』がある。
警察の面々は『法の味方』としては正しい。
少なくとも彼らに保護されていれば安全なのは確実で、京太郎達が今夜真犯人に襲撃され危ない所まで行っていた事も事実である。
そして時間さえかければ、真犯人の捕縛も十分可能だろうと京太郎は認識している。
数、経験、知識。
彼らは十分優秀であり、犠牲と時間を考えないのであれば彼らだけでこの街を守っていくには十分な実力を持っている。
……事件を解決するその過程で、警察官がほぼ確実に殺害されるほどの危険性と隣合わせでなければ。
残酷なまでに立ち塞がる、人と悪夢の戦闘力差という名の現実の壁がなければ。
法という縛りのせいで、手遅れになってしまう犠牲者が居なければ。
京太郎は安心して、警察に多くの事柄を頼っていたかもしれない。
彼らが間違っているとすれば、それは彼らが法を破れないという点にある。
法は誰かを守るものであり、また縛るものでもある。
それを遵守すると誓った身である彼らは、時にこうして利用される。
それは彼らの無能の証明ではないが……悪夢の掌の上で踊らされている現実に、何一つ変わりはないのだ。
そしてもう一つ。彼らは『姉帯豊音の無実』を信じてはならない立場であるという事だ。
豊音が暴走していただけで、何も覚えていない可能性。
真犯人の存在をほぼ確信していても、いまだ彼らの手元にはその実在を裏付ける証拠がない。
それどころか、姉帯豊音の無実を証明する証拠もない。
彼らを動かすのはおぼろげな推測と、それを支える刑事の勘である。
だからこそ、彼らは豊音の無実を信じた前提の行動が取れない。
すべての可能性を加味した上で、信じきるほどの勇気……いや、『若さ』が彼らには無いのである。
大人であるが故の枷、とでも言うべきか。
子供に負担をかけている、そんな罪悪感や苛立ち。
積み重ねられたそれがこの事件において警察が意地を張る原因の一つでないと言えば、嘘になる。
「それはお前達が今背負うべき事じゃない」
そう言えない事が、どれだけ彼らの心を蝕んでいたか。
申し訳なさが不甲斐なさと交じり合って、そこにコンプレックスまで積み重なる。
「その力があれば、俺にだって」
守りたかったから警察官になった者達の、心の奥底にある本音の一部。
何年も努力し、訓練を乗り越え、何度も折れそうなりながらも諦めずに到達した頂。
『戦う力』という一点において、生まれ持った都市伝説の力のみでそれをひょいひょい越えていく子供達。
努力した大人達の人生の価値をいとも容易く暴落させる、都市伝説の資質という悪夢。
それは彼らの中にある黒い感情の行き先を、子供達に向けてもおかしくないほどのものだった。
……けれど。
それでも彼らは、歪まなかった。
自分達に出来る事を探し続けた。
そんな彼らの背中が、須賀京太郎に影響を与えなかったと言えば。
無力と劣等感に悩む、在りし日の少年に道を示さなかったと言えば。
それは間違いなく、『嘘』であると断言できる。
尊厳に満ちた大人の背中は、子供に『憧れ』を与える。
いつかそうなりたいと、こんな人になりたいと、いつか自分もああなるんだと。
未来を想像させてくれる大人から、彼らは未来に希望を持つ。
子供達が皆大人を侮り嘲るようになれば、そんな世界の子供達はひねくれた目でしか世界を見る事ができなくなってしまうだろう。
だからこそ、『大人』は情けない自分を『子供』に見せる事を恥じるのだ。
大人には、子供が見るその背中で恥じない自分を見せる責任がある。
そして、彼らの背中を見てきた子供達の一人。
その少年が、今そんな大人達の前に立っている。
何年もの間、自分達の背中を見て育った子供が目の前に居る。
そのやり方は、法の番人である自分達とは相容れない。
それでも己に恥じる所など無いとでも言うかのように、堂々と立っている。
大人と子供の境界に立ち、子供から大人へと変わろうとしている。
真っ直ぐに向き合ってくるそんな少年の眼から、彼らは何を読み取ったのか。
……自然と、誰からというわけでもなく。
並ぶ大人達の眼から迷いが抜け、炎が灯り始める。
戦いは避けられない。
ならばせめて、自分に恥じぬように。
藤田「最後に、聞かせてくれ」
彼女からの、最後の問答。
藤田「彼女を信じた理由はあるか?」
豊音が先刻したような、彼の意志を確かめるだけの問い。
京太郎「色々あるけど」
京太郎「強いて言うなら、豊音さんを信じた『理由はない』」
京太郎「そんなもんが必要だと、俺は思わない」
ピリピリと、肌がひりつくような威圧感。
その気迫に押されぬために、応えるために。
大人の理屈で組み立てたわけじゃない、子供のような信念だけど。
『子供のお遊びだ』『どうせ真剣じゃない』『適当にあしらってやろう』なんて言わずに。
自分の決意を子供の事だと馬鹿にせず、真剣に全力で応えてくれた人達への感謝も込めて。
ありったけの声で、出せるだけの全力で、叫ぶ。
「信じたんだよ」
「信じて……信じて何が悪い!!」
「信じる事は悪い事か!?」
「信じる事は否定される事なのか!?」
「人を信じて何が悪いっ!!」
「俺は信じた! だからあの人は無実で、これは理不尽だ!」
「理屈じゃねえ———俺はここで意地を張るっ!!」
その咆哮が、開戦の合図となった。
切りの良い所で本日はここまで。お付きあい頂き感謝ですー
警察戦はちょいやりたいことあるのでコンマ線ではなくイベント戦になります
舞台の表に出なかったからといって、京太郎の役に立たなかったからといって、救われた人が描写されなかったからといって
それが警察の無能の証明にはなりませんし
逆に言えば京太郎の役に立っているだけで、能力があるわけじゃない子も居ますしね
役に立たなければ要らないというわけでもなく、役に立つから能力があるというわけでもなく
つまり可愛い女の子ってそこに居るだけで存在意義があるってことですよ! 羨ましい!
警察官が無能だったらこの世界も黒いあの人の世界も京太郎や市民の人達ポンポン死んでたんじゃないですかね
黒太郎日記で本編で描写されて無い部分で裏で頑張ってる人も居るんだよー的な描写は下のですがむむむ
縁の下の力持ちとは何だったのか
個人の味方と全体の味方。共有してる認識は正義とかそういうのだけなので、はい
どちらが別に間違っているというわけでもなく。強いて言うならどちらが正しいかは掲載誌によって変わる!
では、本日はこれにて。続きは日曜になる予感
おやすみなさいませー
京太郎「女の子にこれ以上鞭打つとか鬼畜かあんたら」
警察「法律に則って行動してくれよ」
京太郎「(でも俺達の事考えてくれてんだよな)」
警察「(気持ちは分かるけどさ)」
マスカレイド「超愉悦」
今こんな感じか
みえるひとの話はやめろォ! 俺は今でもみえるひと打ち切りのせいで心が痛むんだぞ! 俺のヒーローは今でも明神なんだぞ!!
……明神とここの京ちゃん、けっこう似てるような気がしてきた
ってかボーボボwwAAwwww
パクリだね(確信)
サイレンは打ち切りじゃなかっただろ!
ガンダムAGEは凄いつまんなかったけど嫌いかって言われるとそうでもない
そしてこのバビロンとサービスマンの一致率
エムゼロはホントなんであそこで終わったんだ
エムゼロは作者がもともと長期連載できないみたいだからなあ
ヤメロ…!
そんなに圧をかけたら
そういえば今日のウィザードはこのスレをすげー思い出した
別のSS見てふと思ったんだが、惚れ薬もある意味都市伝説みたいなものなんだろうか
エロマンガにおける万能媚薬は都市伝説
牛乳を飲んだら胸が大きくなるのも都市伝説だよね
アメリカとかのは乳量アップする薬使ってるから本当に大きくなるって聞いた
ちっぱいはどこまで行ってもちっぱいだから変化する余地が有るほどには大きいはず
男が女の乳を揉むと大きくなるという都市伝説を発現させた京太郎とな?
こんばんワディハルファ
なんとなくうろジョジョが見たくなってきた所存ー
今夜は帰宅の関係上遅めの22:30開始となります
>>857
サイレンで羊の話が出てきた時おお・・・ってなりました。最後に見たのは赤マルでしたけどあの人今何してるんですかねー
>>858
せ、せやな
>>860
薄いんですよねー、AGE-2系はものっそいカッコいいと思うんですけど
>>861
順位が低かったのと作者のネタ切れとか何とか
>>865
有栖川は良い感じだったようなそうでもなかったような、そんな感じ
>>868
ガラスの心が以下略!
>>869
ポリスメンの話でしたねー
>>870
>>871
ある意味では? そうかもですねー
「即効性の媚薬」とかリアルだったら麻薬じゃん! 後遺症絶対残るじゃん! とか言ってはいけない
>>873
巨乳は頭に栄養が行ってないとかいう都市伝説
>>876
アメリカさんはとにかく肉食ってるからですよ。栄養過多なので巨乳かデブの二択なのです
そんなに効率的で都合のよいおくすりなんてそうそうないと思いますです
>>877
!?
>>878
小ネタ向けだね(ニッコリ
. . -——-. . .
. : ´: : : : : : : ヽ: : : . \
/ . : : : : : : : : : : . Vヽ : : .ヽ
/. : / : { : : : : : : : : : . Vハ: : : : :.
/. : : {: : l{: : : { {、: : : : : .Vハ i: : : :.
{ : : : { : ハ : : ト{ \ : : : : }:l:} |: : : :}
{:{: : /∨` \{ ` ヽ: : :/i:l:{ |: : : :!
リ\{ィ=ミ ィ==ミ jィ.:, ‐、:{ : : :{
} j/ 6 ハ: : : {
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\ ヽ´ ノ .ィく: i: : { : ', : : {
___ ..... -————` ‐=ァ== チ ヽ: ∧: :',: :、ゝ
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. く_,r‐ ̄} } rュ.r< \ .. -‐≦´ !: :ハ : : ト : }
` ̄ー—''´ く_,、` ̄} } z:.:チ.:ト、 `ー= { :/. :} : ;' jノ
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ヽ _{ ノ.::::::: -‐'''´
`ー-‐ ´
唐突にフリゲやりたくなる時があります。ruinaとかゆめにっきとかIbとか洞窟物語とか魔王物語物語とか片道勇者とかシルフェイドとか夜明けの口笛吹きとかKnightNightとか廻る回るとかディアブロとかElonaとか
でもPersona Rapture。てめーはダメだ
>>巨乳は頭に
和「・・・」
このAAはイヴちゃん?
ボーボボで「てめーはダメだ」というセリフいえばつけものさんしかいませんね!
なんでラプチャーがいけないのん。後日談で悲しくはなったけど。
毎回毎回>>1のレス返しの後aaがあるからmateでみるとaa判定で文字がめがっさちっこい
raptureはだめかぁ…
キョアーオ
ラプチャーは友人にアナニー教えたりして面白いのに……
>>880
いえす
>>881
つけものにはじまりつけものにおわる
>>883
>>886
>>888
>>1は当時ヨミちゃん攻略したくてまずぐぬぬ
攻略ヒロインかと思ったら突然の実姉設定で攻略不可でぐぬぬ
それでも禁断の姉弟後日談を妄想してたらああ・・・でノックダウン
いやまあアナルボールペンは楽しかったですけど。それでももう一度やったらまた鬱とは違うやるせなさに包まれてしまそうなんです
百合花ちゃんが救い
>>887
セコムマサダ先生を呼ぶんや!
>>884
なんと、申し訳ない
こっからは極力気遣うようにします。すみませんでした
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投下はっじめーるよー
見えない形で、支えてきた。
見えない形で、学んできた。
それは今でも少年の中に、息づいている。
……ふと、思い出す。
こうやって相対してまず一つ、思い出した。
一つ思い出せば連鎖的に、次々と思い出す。
戦う為の『何か』を引き出す度に、それに付随するあの人達の背中が頭に浮かんでくる。
例えば、くねくねの時。
脳裏に浮かんだ「銃はこう撃つのだ」というアドバイス、あれをくれたのは誰だったか。
例えば、トンカラトンの時。
咄嗟に動いてくれた、奇跡的な技巧は誰のものだったのか。
それだけでなく、思い出せないほど多くの動き。
それはいつか、どこかで、誰かの真似をして覚えたような……そんな、覚えがある。
義姉は基本的に見てるだけ。
格闘に生涯無縁だった彼女は俺に指導できる事が無く。
早朝の鍛錬は、自己流で技量を磨くことが多かった。
そんな日々にも例外はあって、時々おやっさんが来て色々教えてくれた事がある。
少なくとも、この棒術の基礎を叩きこんでくれたのはおやっさんだったって事は忘れない。
言われた事を繰り返し、健夜さんに監督されて、そうやって何とか形になった鍛錬の始まりだったから。
そして本当に。本当に時々、朝に別の刑事さんが付いて来たこともあった。
そういう時教わる事は新鮮で、その人達と何度も会った訳じゃなかったけど、確実に俺の血肉になった。
新たな武器を手に入れた時、簡潔に教えてくれた誰かがいた気がする。
頼み込んで、忙しい中戦いの教えを請うた事もあった気がする。
朝の鍛錬中に、たまたま通りすがった人が教えてくれた気がする。
師というには遠すぎて、無関係というには薄情すぎる。
そんな距離、そんな関係。
そうやって、学んできた。
戦う力を、付けてきた。
俺には才能が無い。
文字通り自慢にもならないが、独学で強くなれるほどの才覚は俺には存在しなかった。
誰かに教えてもらって初めて人並み。
凡夫というのがこれ以上無く似合う自分。
思う所がないわけじゃないが、生まれついての物なのだから仕方ない。
思い返せば、ずっと昔から少しづつ、少しづつ……色んな人から色んな事を学んできた。
それは今も昔も変わらず、俺の生き方そのものでもある。
健夜さんから家族を学んだり、咲から優しさを学んだり。
照ちゃんから大切な想いや夢を貰って、その他にも数えきれないほどの思い出に溢れた子供の頃。
事件を解決する度に、人と向き合う度に、その人から何かを学ぶ現在(いま)。
そしてこれからも、それは続いていくんだろう。
その合間合間に挟まるように、差し込まれている記憶がある。
言われなければ思い出せないような記憶。
何かがあった拍子にようやく思い出すような記憶。
忘れはしないけど、鮮烈に刻まれても居ない記憶。
こうやってその記憶の当事者達と対峙して、ようやく鮮明に思い出せてきた。
この人達は恩人というには縁薄く、無関係というには薄情すぎる。
……だから。
だからこそ。
京太郎「(すみません、豊音さん)」
京太郎「(手は絶対に抜きませんので)」
果たしたい想いが、心の奥底から浮き上がってきた。
京太郎「(少しだけ……私情を挟ませて下さい)」
——————————
京太郎「銃撃たせてくれるってマジですか!」
「実際に握らないと練習もクソもないだろ……ま、赤外線ポインター使う危険のないやつだけどな」
京太郎「や、付け焼刃でもそういう練習ができるってだけで心強いですよ」
在りし日に、少年が大人に頼み込んで学んだ日。
この日学んだ銃撃が、白い悪夢を撃ち抜いた。
くねくねを打倒する少し前の事。
京太郎「赤座さん、全く当たんないっす」
「へったくそだなぁ……ジュウクンドーってのはこう撃つんだよ!」
京太郎「なにその流派名こわい」
「当たると信じろ! 信じてる内に勝手に当たる!」
京太郎「んな無茶な! もっと具体的に、こう……!」
京太郎「第一狙撃教えてくれって言ったのになんで接近戦叩きこまれてるんですか!?」
「あれ、そうだっけか」
京太郎「そうですよ!」
「狙撃とかなら確かあっちに教本あったな、探してくる」
京太郎「最初からそれ使って下さいよ!?」
「ま、学んどいて損は無いだろ」
「銃使いが接近戦出来ないなんて、笑い話にもならないからな」
京太郎「マジですか……」
『銃』を学んだ日。
——————————
銃が軌跡を描く。
激しく、速く、それでいて精密に。
相対する二人の人物が、互いに手に持っている銃で『接近戦』を仕掛けている。
距離を開けても当たらない、かわされるという確信があるからこその接近。
両者が銃口を向け、弾き、撃ち抜こうと打ち据える。
「大したもんだよ、本当に!」
京太郎「教えてくれた人に、カッコ悪いとこ見せたくないもんで!」
銃口が急所を向けば、一瞬で決着が付きかねない。
警察は実弾、京太郎は銀弾という差あれど、当たれば終わりという点においては全くもって差異がない。
だからこそ互いに銃口を弾き合い、次の相手の一手を読み切ろうとする。
当たれば終わり。
高速で回転する思考、高速で振るわれる鉄の筒。
互いに銃を使いながらも、互いに一発の銃弾も放っていないという矛盾。
「お前の言ってる事もやってる事も嫌いじゃないが……悪いな!」
京太郎「……っ!」
しかし、拮抗する戦いであるのなら。
当然その潮勢は、経験と技量で上回る方へと傾いていく。
その競り合いに勝利したのは……少年ではなく、大人だった。
京太郎「(!? やられ……いや!)」
瞬時に一手遅れると判断し、少年は手首のスナップだけで銃を軽く放る。
30cm。
それだけ浮かび上がった少年の銃は、大人の放つであろう銃弾の射線上へ。
「……!」
京太郎「(……ここ、だ!)」
射線が塞がれ、タイミングを外された動揺。
その隙を突き、ロシアンフックでおかえしとばかりに向けられている銃を弾く。
大人の銃は道路の端へ、少年の銃は少年の手元へ。
まばたきすら許さなかった一瞬の競り合いの勝者が、そこにあった。
「……やるじゃん、褒めてやるよ」
京太郎「……素直に、嬉しいっす」
京太郎「ありがとうございました!」
そして放たれた銀弾が、彼の意識だけを刈り取った。
……それから、落ちていた銃を手に取る少年。
弾倉を確認する前は疑惑を浮かべた表情を。
確認した後は、苦笑と少しの尊敬が混ざった表情を浮かべていた。
京太郎「……あの人が持ってた、この銃」
京太郎「あー、やっぱ空砲しか入ってねぇ」
京太郎「本当に……『警察官』だなぁ」
まるで卒業式か、免許皆伝の儀式のようだ。
場違いにも、京太郎の意識の隅にはそんな思考があった。
無論、相対する大人達も少年も真剣その物だ。
大切な事を見失ったりはしない。
……それでも。それでもだ。
両者の意識の隅には、似たような思考があった。
いつかこんな日が来るかもしれないと。
敵対する日が来るかもしれないと、そう思い悩む事があった。
いつかこんな日が来るかもしれないと。
大人の背中を見るだけでなく、大人達と肩を並べるその位置へ。
少年が大人になる事を、楽しみに思う事があった。
そして、その日には。
どんな形であれ、いい加減な気持ちでは向かい合わないと、そう思っていた。
それが今日である。
ヒーローシフトによるブースト。
マスカレイド戦による消耗。
ここに来て、両者の戦闘力は完全に拮抗していた。
——————————
京太郎「……」
「……」
京太郎「……あの、えーっと」
「何事か」
京太郎「すみません。この沈黙勘弁して下さい」
在りし日に、少年が剣術の達人という警官に学んだ事。
痛みと引き換えに得た物は、己の才覚の自覚と一つの技巧。
トンカラトンを打倒する結構前の事。
「何用か」
京太郎「いえ、ですから何か有用な技はないかなーっと」
「漫画のような技はない」
京太郎「へ?」
「時間も要る。努力も要る。才覚も要る。そして何より」
京太郎「……何より?」
「痛くなければ、覚えませぬ」
京太郎「……マジっすか」
『剣』を学んだ日。
京太郎「」
「剣以外にもそれは使えよう。毎日の修練を怠らぬように」
京太郎「…………しぬぅ」
——————————
警棒。箒。
リーチでは後者が三倍近く長く、圧倒的に上である。
『三倍段』という言葉があるように、リーチの差はそれだけである程度の実力差を埋めてしまうのだ。
人が拳、剣、槍、弓、銃、そしてミサイルと武器を変えていったのは、リーチの差がそのまま力となる証明に他ならない。
が。
京太郎「マジか……ッ!!」
「……」
それが通じない、場合もある。
「……」
リーチの差を活かした攻めに、奥する事なく踏み込む警官。
懐に入れるのであれば、リーチの差は関係ない。
京太郎「う、おっ!?」
防御の間隙を縫うように一閃。
棒でしか無いはずの警棒の一撃で、京太郎の頬の表面がうっすらと『切れる』。
京太郎「ちっ」
だがしかし、少年とて格闘技の心得はある。
接近されたなら、対応すればいいだけの話。
片腕を箒から離し、放たれた拳は至近距離の警棒を握る手を殴り潰そうとして、そのまま体ごと後退しつつ回避される。
またしても仕切り直し。もはや十数回は繰り返しているだろう。
それでいて数分も立っていないというのだから驚きの攻防速度である。
京太郎「(……ジリ貧だ)」
「……」
単純に、武器だけでは埋められぬほどの技量の差。
正攻法では絶対に勝てない、そう少年は確信する。
ならばいつも通り、正攻法ではない方法で。
京太郎「行きます、藤木さん」
「来い」
少年が踏み込みつつ、下段から昇竜にも例えられる切り上げの構えを取る。
ガードをかち上げ二撃目で決めるのであれば最適の選択肢だ。
……相手の技量が、自分のそれを上回っていなければ、だが。
「……」
見え見えの切り上げなど見切った上で一歩下がれば当たる心配すら無いだろう。
フェイントを絡めにくい切り上げは小細工の余地が無く、また回避された後の隙が余りに大き過ぎる。
この一撃は明らかに浅慮であり、これで決着がついてしまう事に警官は少しの落胆を覚えていた。
その箒の先端が、道路に突き刺さっているのを見るまでは。
「……!」
京太郎「遅い」
年末の戦いの跡なのか、地面に走っていた大きなヒビ。
それは少年の蒼い光でコーティングされた箒であれば容易に貫き、ひっくり返す事すら可能。
それを目ざとく見つけていた少年が、この位置まで意識させず誘導してきた苦労はいかなるものか。
圧倒的な技量差を相手に、唯一残された少年の勝機。
刺さった箒を切り上げる。
デコピンの要領で逆流れに加速する箒と、箒と共に放たれる瓦礫の弾丸。
それらが一体となり、眼前の警官へと襲いかかる。
が、しかし。
「……」
捌く捌く捌く。
完全に、捌き切られる。
武器を地に刺してまで放たれた攻勢は一瞬にして捌かれ、凌ぎ来られる。
そして少年が放とうとしているトドメの追撃を回避しようとして、その警官は。
京太郎「よし」
少年のしてやったりという笑みと、両の靴を払う二つのチャクラムと、回転する視界を見た。
「(……! あの時の、瓦礫に紛れて……!)」
瓦礫に紛れてこっそりと放っていたヒトノワは、大きく周回を描いて足を払い。
その致命的な隙を見逃さず、トドメの一撃を決めるという大博打。
倍率は極めて絶望的だったが、それでもその先の勝利を少年は掴み取った。
京太郎「……貴方が、相手の手に持ってる武器だけに集中しすぎる癖があって助かりました。藤木さん」
「剣家、故」
そして、その大人は笑顔なんて見せなかったけれども。
「見事」
その人の出来る最大の賛辞を伝えて、少年に敗北した。
「……痛かったから、覚えました」
京太郎「ありがとう、ございましたっ!」
また一人、また一人と戦って行く。
一度しか会った事のない人も居る。
名前もあやふやだった人さえ居る。
けれど、全くの他人なんて居なかった。
戦って、辛勝して、感謝の言葉を伝える。
貴方達のお陰です、と。
貴方達からこんな事を学びました、と。
貴方達の背中を見て育った子供がここに居ます、と。
千の言葉より雄弁な、子供から大人へのメッセージ。
どこか戦い傷つけあう者達に見えない程に、両者は気持ちを交わしていた。
相容れない両者。相容れない主張。相容れない立場。
それでも、今日まで彼らが築いてきた関係性や記憶が何か変わるわけでもなく。
だからこそ今この瞬間、両者は戦いの中でしか分かり合えない。
——————————
「……って感じで。一本背負いした後ローキックで首の骨を折れ」
京太郎「えっ」
「ん? 分からなかったか? 『雷もどき』」
京太郎「いや、何というか、物騒すぎるというか」
「人間には使うなよー、俺も使ってない」
在りし日に、少年が朝に姉帯刑事に連れられて来た男に教わった動き。
教える気も無いし継がせる気もないと、最初に言われて数回見た程度の技。
いつだったか忘れるくらい前の事。
「お前体が重いなあ」
京太郎「いや貴方が身軽すぎるというかなんというか」
「弧月もどきも旋もどきも無理かぁ」
京太郎「すみません」
「いいさ。覚えが悪いの見越してやってんだし」
京太郎「……はい?」
「あんまり覚えのいいのにこういう事するのはな……じゃ、次は簡単な浮身か牙斬のもどきをやろうか」
京太郎「あ、はい」
京太郎「(何か今名前出た技俺ほとんど覚えなくて風化してく気がする……)」
『拳』を学んだ日。
「雹もどきは覚えが悪くない感じ」
京太郎「マジっすか!」
「あんま褒められる技じゃないけどな、これ」
京太郎「……マジっすか……」
——————————
「……」
京太郎「……」
「来な」
京太郎「……はいっ!」
一瞬で接敵。
当身の選択肢が狭められる至近距離へ。
これは互いの思惑が合致した結果だ。
大人は、成長した少年を見て手加減できないと判断し。
武器を持たない今の少年に全力の当身を放てば、当たり所次第で洒落にならない事になると判断したため。
そして何より、組みつけば確実に勝利できると自信があったため。
少年は、正攻法では難しい強敵と判断し。
武器をしまい接近戦を誘い、予想通りに乗ってきた相手に安堵した。
一度だけ、この状況なら使える切り札がこちらにはある。
「……!」
京太郎「……!」
互いに無言、投げ組み伏せるために初手で袖を取ろうとする右手の差し込み合い。
袖、襟、足。
投げて転がすためには基本、このどれかを一方的に取らなければならない。
その為に往々として、こういった静かな攻防が繰り広げられる事がある。
掴もうとした手を弾き、逆に隙を突いて掴もうとし、その手をまた弾かれる。
互いの手が視認しづらくなる程の速度で読み合い、差し込み合う。
そして数十の攻防の後———片方が、動いた。
京太郎「っ」
「隙あり」
気の緩み。
精神を疲弊させる全力の攻防は、先に京太郎に音を上げさせた。
反応が遅れる京太郎の差し込んだ手、ガードに回していた左手を弾き、ガッツリと両手で頭を固定する。
そして膝蹴りの姿勢。
このまま行けば、容赦無い膝蹴りの連打が確実に京太郎の意識を刈り取るだろう。
「……ま、後は任せておけって。悪いようにはしない」
このままいけば、だが。
京太郎「……ぶっつけ、だけど」
「ん?」
京太郎「決まれ」
首を掴まれた状態で、少年の拳が警官の胸に当てられる。
どう見ても悪あがき。
全身の筋力を乗せるのがパンチの基本である以上、組み付かれている今はお飾りにもならないのが現実だ。
肩も回せず、腰も回せず、足からの力も伝わらない。
ただ触れるだけの、タッチでしかない拳。
京太郎「(決まれっ!)」
そこに、京太郎は全てを賭けた。
京太郎「破ァッ!!」
「何ッ!?」
触れた拳から放たれる蒼光。
自身の命を削らず放てる、ギリギリのライン。
限界一杯のエネルギーを収束し、解き放つ。
どこか虎の咆哮に似た、砲撃のような光が至近距離で放たれる。
拳と体の間隔が無空と言えるほどの至近距離、蒼い光が波のような残滓を残す。
並の人間どころか、雑魚都市伝説であれば一瞬で蒸発してしまいかねない威力。
都市伝説と違い対抗神話が弱点ではない上に効きにくい、ただの人間に対して放たれたこの一撃は。
彼の意識を刈り取るには、十分過ぎる程の火力を内包していた。
「……あー、隠し……玉、か……やられた……」
京太郎「今日思いついて、警戒されるだろうから一回しか使えないだろうと思ってた切り札っす」
「久々に、負けたぁ……次は、負けん」
京太郎「勘弁して下さいよ……ありがとう、ございました」
京太郎の胸の中には、今二つの気持ちが渦巻いている。
何も悪くない人間と戦った事への後味の悪さ、言い換えれば悔恨と。
戦いの中で感じられた認められた事への嬉しさ、言い換えれば達成感である。
それらは今少年が抱えている友人への気持ちと比べれば微々たるものだが、確かに少年の意識の片隅に存在していた。
戦う事は向きあう事、理解する事でもある。
仕組まれた事だったとしても、これはいつかどこかでしなければならなかった事。
スタンスが致命的に食い違っている両者が歩み寄るのであれば、相互理解は必須である。
ハリネズミが妥当な距離を探すためには、まず相手の針の長さを理解しなければならないように。
……もしも。もしも、この戦いが終わって全てが良い方向へと向かったら。
その時は、この両者は互いに妥協点を探し合えるスタートラインに立てるかもしれない。
最悪なのは、それを理解してるのがナイトメア・マスカレイドただ一人だという事なのだが。
よってこの夜、マスカレイドは両者を潰し合わせてどちらか一方に消えて貰うつもりである。
出来れば厄介な少年に消えて貰いたいと思ってはいるが、高望みをするつもりはない。
すでに用意した策が発動するまでそう長くはない。
戦場にて踏み出した警官のほとんどを打倒し終えた少年の姿を見て。
口元を釣り上げた不気味な仮面は、押し殺した笑い声を上げた。
ようやく、といった所か。
京太郎「……おい、そこのダメ親父」
「ダメ親父の自覚はあるが、何だ」
この人を目指して、真っ直ぐに突き進んできた。
せめて一言、何か一言、豊音さんにこの人の本音を伝えさせたい。
……だって。だってよ。
豊音さんの話じゃ、この人事件が始まってから娘と目を合わせてすらいないんだぜ?
京太郎「あんた仕事と娘、どっちが大事なんだよ」
俺自身、信じたいんだ。
この人が不器用なだけで、家族を誰よりも愛してる良い父親なんだって。
あの時家族を語ってた時の誇らしげな横顔が、偽りのものじゃないんだって。
いざって時は、子供の為になんだって出来る人なんだって。
俺が理想の父親なんだと思ってた人は、大切なものの順番を間違えない人なんだって。
「これは、そういう話じゃないだろう」
親が居なかった俺が、この人を見て『父親』を学んだ事が間違いじゃなかったって。
証明したくて、ここに来た。
寂しがってる娘を、父親に会わせるために。
その為に、ここに来た。
京太郎「そういう話だっ!」
何迷ってんだよ、おやっさん!
本日はここまで。一話丸々戦闘回でした
警官は気にするな! オリキャラって認識でも問題なく話は周ります!
出番も技名も本編じゃもうたぶん出ませんし!
このスレの問題はガッツリと戦闘書こうとしても戦闘時は行数制限で会話の応酬に行数取られてしまうってことです
80行はせますぎぃ
なので今回は二レス以内でそこそこ丁寧に
次回、十七話完結!……すればいいな
では、本日はここまで。お付き合い感謝ですー
水曜から大洗だうわーいチクショウおやすみなさいませー
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