男「三十回目の告白」(38)

俺には幼なじみがいる
そいつとは保育園から高校一年の現在まで
クラスが同じだ

普通ならそれだけクラスが同じだと
自然に付き合えると俺は思っていた

ただそれは...幻想だ

保育園の頃、俺はそいつのことを気にも留めなかった
正直そいつのことはどうでも良かった

~回想~
保育園年中
保育園先生「今日からみんなと一緒に過ごす新しいお友達を紹介します。みんな仲良くしてあげてね。」
園児一同「はーい」
どんなやつかなーって思ったよ
保育園先生「さあ、おいで幼なじみちゃん」
園児幼なじみ「お...幼なじみです。よろしくね」

正直普通だった
少しは可愛かったかもしれないな
でも気に留めるほどでもなかったんだ

それに...
過去友 1 「男ー遊ぼうぜ~」
過去友 2 「私とままごとしよ!」
過去友 3 「鬼ごっこしないか?」
俺は人気がそれなりにあった
遊ぶ友達はたくさんいたんだ

遊ぶ友達は多い方が楽しい
俺はあの頃そう思っていた

俺は今より明るい性格だった
たまにはあいつ...幼なじみとも遊んだ
誰と遊んでもだいたい楽しかった

俺は保育園を卒業した

俺は小学生になった。
ずっと学校に憧れていた。
だから楽しみだった。
だが親しい友達は同じクラスに来なかった
来たのは幼なじみと過去友 2 だった

話せる相手も幼なじみと過去友 2 だけだった

それでも二年になるころには友達も増えていた
だけど俺には保育園の頃ほど明るさはなく
日陰で一人で読書をするのが趣味になっていた

対して幼なじみは明るく人気があった
それにだんだんと可愛くなっていた
...俺は幼なじみが好きになっていたのを覚えている

小2の俺は読書家なだけあって勉強はできた
...いや頭が良かった
授業ではいつも褒められていた

だからみんなからは嫌な奴をみる目でみられた

俺はなるべく目立たないようにするようにした

小三になった頃最高の友人と出会うことになる
親友である
その頃は少し遊んだりする程度だったが
高校での一番の友達になる奴だった

~合間~
男「俺はいつもお前をみていた」
幼なじみ「私はそんなこと知らなかった」
男「俺はお前が好きだった」
幼なじみ「私はそんなこと気にしなかった」
男「高校も一緒のクラスか」
幼なじみ「そうだね!よろしく」
男(いつか結ばれたいな)
幼なじみ(かっこいい人いないかなー)

小四の頃の俺のあだ名は幽霊
いつも陰で本を読んでるから
暗いイメージしかなかったらしい
それにしたって幽霊は酷かった

~回想~
小学五年
五年になってから数日たった
やっぱり幼なじみは同じクラスだったんだ
男「またか...よろしくな」
幼なじみ「うん」
あいつの愛想はよくはなかった
でも美人になっていた
すごいなと思った
初恋の人がこんなになるなんて
思わなかったからさ...

そしてすごいことが起きた
あいつのファンクラブ的なものができたんだ
なにしてくれてんだよと思ったさ
それのメンバーは
親友とイケ友とナルシだった
ナルシが中心になって作ったんだ

ナルシとは一応小四の頃から知り合いだった
帰り道が一緒だったから一緒に帰ったりしていた
普通に良い奴だった

イケ友は名前だけは知っていた
スポーツ万能で勉強もそこそこできるらしい
そして...驚くほどのイケメンだった

進級から一ヶ月俺はナルシ達と行動を共にしていた
仲良くなったのだ

ナルシ「明日幼なじみに告るわ」
親友「じゃあ俺ポニ子に告る」
イケ友「俺はフツ子だな」
男「…は?軽くね」

あまりにも軽いその言葉に
俺は驚いた
そんなに簡単に...告るのか
だがチャンスだとも思った
学校帰りに神社へ行き
ナルシよ 砕けちれっ!
と願ったのは良い思いでだ

~合間~
曖昧な記憶だ
小学校の頃の事
ある夏の夜 家に来た友人
xxx「男!見て!花火!」
思い出せない
男「ほんとだ!綺麗だね。」
誰だ?
xxx「ねー、男。こっち来て。
   ここからならもっと綺麗!」
あいつは...
男「すごいな。大きいね。」
幼なじみではない
xxx「男。こっちむいて。」
けどこの時の
男「何ー?」
この出来事は
xxx「///」チュッ
きっと
男「んっ//っ///」
二度と忘れない

転入生は不思議な人だった
転入生「今日から...よろしく」
いたって普通
生徒「よろしくー!」
けど不思議な魅力があった

それはまるで昔の幼なじみを見ているようだったんだ

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