Ｐ「わ、悪い」

仁奈「？？」

Ｐ「キグルミだし…こたつに入ってるもんだから」

Ｐ「てっきりそれほど寒くはないかと…いま暖房入れるな」

仁奈「あ…えへへ。おこころづかいいたみーるですよ」

Ｐ「いえいえ」

ﾋﾟ

仁奈「…」ｺﾛﾓﾌ

Ｐ「すぐに暖かくなると思うよ」

仁奈「はい。そうだといーです」

Ｐ「うん」

仁奈「…」ｺﾛｺﾛ…

Ｐ「…」ｶﾀｶﾀ

仁奈「…」

仁奈「…」ﾓｿﾓｿ

Ｐ「……」ｶﾀ

仁奈「…」

仁奈「…」ﾎﾟｲ

Ｐ「……」…ｶﾀｶﾀ

Ｐ「？…、うお」

Ｐ（いつの間にかきれいに剥かれたみかんの粒の山が）

仁奈「？？」ﾊﾟｸ､ﾓｸﾞ

仁奈「どうかしやがりましたか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

Ｐ「あ、いや」

Ｐ「…仁奈はたくさん剥いて、貯めてから食べるタイプなんだな。…どうでもいいけど」

仁奈「です。冬を越すにはたくわえが肝心でごぜーますので」ﾌﾝｽ

Ｐ（リスの気持ちかな？）

Ｐ「三つ山があるのは？」

仁奈「一つは仁奈ので、一つはＰのです」

Ｐ「あ、くれるのか」

仁奈「くれます」ｺｸｺｸ

Ｐ（それは少し言葉づかいがおかしいけれど）ｸｽ

Ｐ「…えっと…じゃあもらうな。ありがとう」

仁奈「ありがたられますよ」ｴﾍﾍ

Ｐ「うん」


Ｐ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

仁奈「…」ﾓｸﾓｸ

仁奈「……」ｺﾛﾓﾌ

仁奈「今日の事務所は静かでごぜーます」

Ｐ「そうだな。みんな仕事に行ってるから」ｶﾀｶﾀ

仁奈「Ｐは働かねーですか？」

Ｐ「」ｸﾞﾌ

Ｐ「い、いや」…ﾊﾊ

Ｐ「一応その、さっきから仕事をしてるんだけど――」

仁奈「あっＰ！窓の方を見てくだせーっ雪でごぜーます！」ﾊﾞｻｧ

Ｐ「聞いてくだせえ」

仁奈「こうしちゃいられねーです！とうっ…」ｶﾞb…

仁奈「…とっ…ぉ…んにゃ…ふ…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…

Ｐ「……」

Ｐ「起こすか？」

仁奈「お、お願いします…」

ぐい


仁奈「助かったです」

Ｐ「いえいえ」

仁奈「…」ﾓﾌﾓﾌ

仁奈「あの、窓の方まで、このまま手を繋いでいてもいーですか？」

Ｐ「ん？うん。いいよ」

仁奈「いいですか。えへへっわーい」ﾋﾟｮﾝ

Ｐ（かわいい）

仁奈「ではしゅっぱつしんこーです！」ﾊﾟﾀﾓﾌ

Ｐ「お、おい。引っ張るなよ……」

ぺたぺた


仁奈「わー…」

仁奈「ほらＰ、雪ですよ。雪でごぜーます」

Ｐ「うん。雪だな」

仁奈「はい、雪です。Ｐもちゃんと見てごぜーますか？」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

Ｐ「うん。見てるよ」

仁奈「そうですかー」ｴﾍﾍｰ

Ｐ（楽しそうだな。…冷たくないのかな）

仁奈「…」ﾜﾊｰ…

仁奈「…」

仁奈「…けどあんましきれーではねーですね」

Ｐ「ははは」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


仁奈「？？」

Ｐ「積もれば…ここから見下ろすときれいに見えるかな」

Ｐ「それか下から見上げるといいかもしれない」

仁奈「？？見上げると雪はきれーになるです？」

Ｐ「と、なんとなくな。俺のイメージだけど」

仁奈「…ふーん」ﾓﾌﾓﾌ

仁奈「もふ。Ｐはしじんでごぜーますね」

Ｐ「そ、そうか？」

仁奈「はい！たいへん『痛い』ですよ！」ﾆﾊﾟｰ

Ｐ「ぐふっ」ｸﾞｻｯ

仁奈「？？」

Ｐ「」ｸﾞｻｸﾞｻ

Ｐ「あれ仁奈に痛いヤツ呼ばわりされるとは…ち、ちょっとショックだな…はは…」

仁奈「？？あれ？」

仁奈「『痛い』はほめ言葉でねーですか？」

Ｐ「…………、フツウはな」

Ｐ「…仁奈それほめ言葉だってだれかに教えてもらったのか？」

仁奈「はい。ア――」

ﾓﾌ

仁奈「もぷ」

Ｐ「？」

飛鳥「……」ﾆｺ
http://i.imgur.com/O65uxyI.jpg
http://i.imgur.com/Yk3SgOq.jpg

飛鳥「やあ。ひょっとしてボクの話かな？」

Ｐ「お前かよ」ﾐｮﾝ

飛鳥「あぁっこら。え、エクステはだれかに引っ張ってもらうためのものじゃ…あー」

仁奈（たのしそーでごぜーます）

仁奈「飛鳥おねーさん！おはよーごぜーます！」ﾆﾊﾟｰ

飛鳥「うんおはよう。フフ、ニナは今日も『痛く』素敵だね」

仁奈「ほめられました！」ﾍﾟｶｰ

飛鳥「うん。褒めてる褒めてる」ﾆｺﾆｺ

Ｐ（ダジャレか）

ﾍﾟﾁ


飛鳥「う」

Ｐ「来て早々うちのアイドルに妙なことを吹き込むのはやめてもらおうか」

飛鳥「…」ﾌﾝ

飛鳥「そうは言うけどボクだってもうここのアイドルさ」

飛鳥「そんなよそ者扱い、…傷つく」

Ｐ「傷があるくらいの方がお前は好きそうだけどな」

飛鳥「…！フフッ。そうかもね。…キミこそ会ってまだ間もないのにボクのこと、よく分かってるじゃないか」ﾆｺﾆｺ

Ｐ「なにをえらそうに」

飛鳥「やっぱりキミもボクと同じで『痛――」

Ｐ「断じて違う」

飛鳥「まあまあ。そう、初めて会ったときから、キミとはなんとなく波長が合う気がしてたんだ」

Ｐ「波長ってなんだ」

仁奈「仁奈はこたつと波長が合いやがります」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

飛鳥「奇遇だね。ボクもさ」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

Ｐ「こたつと波長が合うってなんだ」

仁奈「遠赤外線とのシワンセーでごぜーます」ﾓﾌﾝｽ

Ｐ「なぜちょっとどや顔で…。それだと仁奈も暖かそうだな」

仁奈「抱きやがりますか！？」

Ｐ「抱きやがらない」

飛鳥「抱きやがるかい？」

Ｐ「抱きやがらない」

飛鳥「そっか。残念」

飛鳥「でも…ほら。ニナは一般的に見て、」

仁奈「？？」ﾓﾌﾓﾌ

飛鳥「ちょっと『痛い』だろう」

Ｐ「まあ…」

Ｐ「……お前に一般を語られるのも癪な話だけどな」

飛鳥「辛辣だね」

仁奈「またほめられたです」ﾆﾍｰ

飛鳥「うん。フフ」ﾓﾌﾓﾌ

仁奈「♪」ｴﾍﾍｰ

飛鳥「ここはいいね。みんなそれぞれ自分なりの傷を持っていて…騒々しくて」

飛鳥「それにいつでも非日常の香りがして」

Ｐ「……まあ」ﾓﾌﾓﾌ

Ｐ「…そうかもな。言いたいことは、なんとなく分かる」

飛鳥「だろう？…うん、フフフッ、ということはやっぱりボクとプロデューサーは――」

Ｐ「違う」

仁奈「仁奈にはむずかしくてわからんです…」

飛鳥「かまわないさ。ニナには分からなくても、ニナは分かってるからね」

仁奈「？？なぞなぞです？」

飛鳥「ただのホントウさ」ﾌﾌ

Ｐ「そうだな」

・・・・


仁奈「あーん」

飛鳥「あーん」ﾊﾟｸ

飛鳥「うん。おいしい」

仁奈「えへへ。ならよかったです！」

飛鳥「ああ。よかった」ﾆｺ

飛鳥「じゃあプロデューサー、意味もなく暇つぶしでお邪魔してゴメンね。そろそろ行くよ」ﾓﾌﾓﾌ

Ｐ「おう。比奈と買い物だったっけ」

飛鳥「うん。フフ、趣味の通じる仲間がいるというのは素敵だね」

Ｐ「そうだな」

飛鳥「うん」

Ｐ「雪も降ってるし、冷えるから気をつけて」

飛鳥「うん」

飛鳥「じゃあねニナ。また明日も会えるといいな」

Ｐ「どうせレッスンで出てくるだろ」ｶﾀｶﾀ

飛鳥「みかんおいしかったよ。今度はボクの地元のみかんをごちそうしよう。おいしいんだよ」

仁奈「いえいえです。それでは楽しみにしてるですよ」

飛鳥「うん」

Ｐ「みかんもいいけどどうせ静岡ならお茶を差し入れてくれよ」

飛鳥「ん？…あれ…。フフ」ｸｽｸｽ

飛鳥「プロデューサー、ボク言ってなかったっけ」

Ｐ「ん？」

飛鳥「……」ﾆｺ

飛鳥「ボクはお茶が苦手なんだ」

・・・・


ﾊﾟﾀﾝ


Ｐ「……」

Ｐ（アイツただの受け答えをずいぶん意味深な言い方して帰りやがった…さすが中二……）

Ｐ「…さてもういっちょ仕事するかぁ…」ﾝｰ…

仁奈「…」

仁奈「…」ﾓﾌ…

Ｐ「？」

Ｐ「…仁奈」

仁奈「？」ｶｸ

Ｐ（……おしゃべりでパワー使っちゃったかな）

Ｐ「寝ててもいいぞ。あとで起こしてやるから」

仁奈「……」ﾓﾌ…

仁奈「…うん、そう…するです…」ｺﾛｺﾛ…

Ｐ「うん」

Ｐ「…」

Ｐ（そういえばまだ寒いかな。一応暖房上げとくか）ﾋﾟ

仁奈「……ぁ…」

Ｐ「？」

仁奈「…、」

仁奈「いまはまだ…あったかい、から……大丈夫で…」

仁奈「……」ﾓﾌ…ｸｩ

Ｐ（まだ？）

Ｐ「……あ、寒いってそういう」

仁奈「…zz…♪」ｴﾍﾍ

Ｐ「…」

Ｐ「うん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

Ｐ「おやすみ」

・・・・


ｶﾞﾁｬ


楓「戻りましたー」

柚「お仕事終わったよー」

Ｐ「お疲れさま」

楓「プロデューサーさんもお疲れさまです」ﾆｺ

Ｐ（…楓さん頭に雪積もってます）ｶﾜｲｲ

柚「おこた！」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

柚「あとおそと！雪降ってた雪！」

Ｐ「はいはい」

Ｐ「仁奈が寝てるから静かにな」

楓「んふ」

Ｐ（楓さんまだ“仁奈にな”に耐性ができないか…）

柚「分かったニナー♪」

Ｐ「語尾か」ﾍﾟﾁ

柚「ふにっ。へへっもふもふ」

仁奈「……ふみゅ…♪」ﾓﾌﾓﾌ

仁奈「zz…」


柚「あったかー」

柚「あ、でもＰサン。仁奈チャンおねむならもう少し暖房効かせた方がいいんじゃないかナ？」

Ｐ「ん？ああいや」

Ｐ「着ぐるみがあるし大丈夫だろ。柚と楓さんも帰って来たし」

柚「うん？ま、まあたしかに柚はいる場所をほんわかあったかーくする効果はあるけどね？」ﾃﾍﾃﾍ

Ｐ「素敵だな」

柚「素敵だよっ」ﾍﾟｶｰ

楓「……」ｷﾞｭ

仁奈「もふ…」

Ｐ（あ、楓さんもおねむだな…あれ）

柚「まぁそっか。大丈夫ならいいけど」

Ｐ「うん」

柚「ねっＰサン暇ならバドミントンしよーよ！」

Ｐ「しずかになら」


楓「ふふぅ……ん…」ﾑﾆｬ

仁奈「……」ﾓﾌﾓﾌ

仁奈「…あったけーです……えへへ…」ﾑﾆｬﾑﾆｬ




・・・・おしまい

おわりん

飛鳥ちゃんの口調とかキャラとか違和感あったらすまないです
中二はよく分からんけど可愛い。今度は比奈さんと絡めたい。あとさっちんとか

あー。しぞーかは（一部地域を除いて）雪がほとんど降らないからﾆﾅﾁｬｰﾝが喜ぶのも納得だわ。　ｂｙしぞーかけんみん