サトシ「えっ?」
ピカチュウ「えっ?」
サトシ「喋った…」
ピカチュウ「いや、喋るだろ」
サトシ「喋んないだろ」
ピカチュウ「いやいや、耳大丈夫かよ」
サトシ「つーか…俺トレーナーだろ」
ピカチュウ「あ?うん」
サトシ「なんでそんな偉そうなの?ピカチュウ」
ピカチュウ「いつも通りだろ、何を今更」
サトシ「えっ?いつも通りなの?」
ピカチュウ「平常運転だろ」
サトシ「いやいや…ピカチュウさあ?俺の名前、呼んでみて?」
ピカチュウ「ハァ?サトシ?」
サトシ「ピカピー!!」
ピカチュウ「ちょっと何言ってんのかわかんない」
サトシ「ピカピィ!!ピッピカチュウ!!!!」
ピカチュウ「救急車…」
サトシ「ちょお!!」
ピカチュウ「いや…そろそろ11歳だろ?ゴッコ遊びはやめようや?」
サトシ「ピカチュウ…俺、がっかりだよ」
ピカチュウ「俺はいつもお前の命令にがっかりしてるけどな」
サトシ「つーかお前…オスかよ」
ピカチュウ「尻尾見ろよ、どこからどう見てもオスだが」
サトシ「ないわー…マジ、ないわ…」
ピカチュウ「いやいや、かれこれ1年は一緒に居たわけですが」
サトシ「つーか、なんで急に喋るわけ?」
ピカチュウ「前からですが」
サトシ「どうしてこうなった…」
ピカチュウ「どうしてこうなったと聞かれたら」
サトシ「ロケット団!!」
ピカチュウ「いねーよ」
サトシ「うぅ…」
ピカチュウ「一度言ってみたかっただけ」
サトシ「もういいよ…早く旅の続きしようぜ」
ピカチュウ「来るぞ」
サトシ「何が?」
ピカチュウ「ロケット団」
サトシ「呼んでもないのに」
ピカチュウ「真似したからかもな」
ムサシ「真似したからかもなと言われたら」
ピカチュウ「お帰り下さい」
コジロウ「はい」
ニャース「失礼するのニャ」
サトシ「やったぜピカチュウ!」
ピカチュウ「じゃ、ここでさよならバイバイ」
サトシ「え?」
ピカチュウ「ちょっとメスのピカチュウ捕まえて来る」
サトシ「ちょ…」
ピカチュウ「お前と居てもメスのピカチュウにエンカウントしないし」
サトシ「ちょ…」
ピカチュウ「森に戻るわ」
サトシ「待って!」
ピカチュウ「1時間歩けば3回はピカチュウに遭遇出来るんだよ!!森なら!!」
サトシ「ひっ…!!」
ピカチュウ「お前と旅しても一回だってメスに遭遇したか!?あ!?」
サトシ「それは…」
ピカチュウ「俺はな!お年頃なんだよ!!」
ピカチュウ「O TO SHI GO RO!お年頃!!」
ピカチュウ「じゃ!」
1年後
シゲル「なぜだ…最強のパーティを組んだはずだ…せっかくチャンピオンになったってのによう!!」
サトシ「博士に貰った奴連れて最強とか」
シゲル「おじいちゃんがくれたポケモンだ!一番初めのポケモンだぞ!?」
サトシ「関係無いね…ポケモンに情なんてないし」
シゲル「くっ…こんな奴に…」
サトシ「あぁ…でも、教えられたよ…俺の最初のポケモンに…」
サトシ「ポケモンには優しさなんて必要無いって」
シゲル「こんな奴に…!!こんな奴にっ!!」
サトシ「今思えば、アイツのおかげかなぁ…俺がこうしてチャンピオンになったのも…」
サトシ「くだらないこだわりを捨てれたから…ありがとうと言っておこう、ピカチュウ…」
トキワの森
ピカチュウ「っ…!!ファーック!!」
ピカチュウ[メス]「ちゃぁー」ビクンビクン
ピカチュウ「最高にハイッて奴だぁぁ!!」ドピュ
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