岡崎泰葉「大人の相手……ですか?」 (42)

P「すまない泰葉、わかってくれ」

P「年少組にこんな事させる訳には行かない」

P「もう頼めるのは泰葉しかいないんだ」

P「仕事だと思って、割り切ってくれ」

泰葉「はぁ……分かりました」

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早苗「ねぇP君、おつまみ無くなっちゃったんだけどー」

楓「イカはいかが?ふふっ」

菜々「あれー?なんでPさんがウサミン星にいるんですかー?」

菜々「はっ、もしかしてPさんもウサミン星人!?」

P「……」

泰葉「……」

泰葉(やっぱり断った方が良かったかな……)

P「頼むぞ泰葉」

P「できればこの人達を事務所の外に連れ出してくれ」

P「この惨状を子供達に見せたくないからな」

泰葉「はい……」

P「できるだけ早く帰ってくるから」

P「なんとか持ちこたえてくれ」

P「じゃあ、俺は年少組を迎えに行って来る」

早苗「ほら、泰葉ちゃん」

早苗「こっちに来て一緒に飲むわよ!」

泰葉「いや、私未成年なんで……」

早苗「ちょっとぐらいいいじゃない」

早苗「ほらっ、十七歳だって飲んでるんだし」

菜々「え?菜々はリアルJKですよ?本当ですよ?」

泰葉「でも、一応アイドルなんで、そういう訳には……」

早苗「まったく、しょうがないわねぇ」

早苗「じゃあ、ジュースか何かないかしら?」

楓「それならPさんのがありますよ」

早苗「じゃあそれ持ってきて」

泰葉「えっ?それってPさんがいつも飲んでるやつですか?」

泰葉「勝手に飲んだらまずいんじゃ……」

早苗「いいのよ別に!!」

早苗「私達の相手をしないP君が悪いのよっ!!」

楓「持ってきました♪」

泰葉(楓さんやけに楽しそう)

楓「ふふっ」

泰葉(自分の器に入れて自分で飲んでる……)

楓「こっちはどうかしら?」

泰葉(この人、自分で飲みたかっただけじゃないかなぁ……)

泰葉「ところで皆さん」

泰葉「なんで昼から事務所でお酒飲んでるんですか?」

早苗「何?昼から事務所で飲んじゃだめなの?」

泰葉「いやそういう訳じゃ……」

早苗「いいじゃない、今日はもう仕事もないんだし」

早苗「アイドルだろうがなんだろうが関係ないわよ!!」

泰葉「いやそうじゃなくて……」

泰葉「飲むなら別に事務所じゃなくてもいいんじゃないかな……って」

早苗「泰葉ちゃん」

泰葉「はっ、はい」

早苗「泰葉ちゃんの言う通りだわ」

早苗「何も、事務所で飲まなくてもいいわよね」

早苗「じゃあどこかに飲みに行きましょっか?」

楓「ええ」

菜々「はい♪」

早苗「場所は面倒だからウサミン星でいいわね?」

泰葉「ウサミン星!?」

早苗「ああ大丈夫、変なところじゃないから」

早苗「近所の居酒屋をそう呼んでるだけだから」

楓「居酒屋は何処や?ふふっ」

泰葉「はぁ……そうですか」

早苗「じゃ、場所も決まったしさっそく行きましょ」

~ウサミン星~

泰葉(あぁ、ウサミン星ってここなんだ)

早苗「ほら、泰葉ちゃんも座って」

早苗「じゃあ、とりあえず生三つと……スルメイカ」

楓「焼き鳥ください」

早苗「菜々ちゃんは何かいる?」

菜々「菜々ですかー?菜々はーウサミン星人なのでー」

菜々「ホッケの塩焼きください」

泰葉「……」

早苗「泰葉ちゃんもなにかいる?」

泰葉「いえ、私は……」

早苗「そお?遠慮しなくていいのよ?」

泰葉「はい、大丈夫です」

早苗「じゃあ、以上でおねがいね」

早苗「それじゃあ、私ちょっとトイレいってくるわ」

泰葉(あぁ、菜々さんがもう寝てる……)

泰葉(めんどくさいから寝かせておこう)

泰葉(楓さんはおしぼりで何か作ってるみたいだけど……)

泰葉(あっ、ひよこ、意外とよくできてる)

泰葉(向こうでは早苗さんが他のお客さんにからんでるけど……)

泰葉(しょうがない、見なかったことにしよう)

泰葉(まぁ、これでとりあえずは安心かな)

泰葉(あぁ、ビールが来たとたんみんな戻ってきた)

泰葉(もう少しゆっくりしたかったな……)

早苗「それじゃあ、ほら泰葉ちゃんも」

三人「かんぱーい」

泰葉「か、乾杯……」

泰葉(うわ、みんなすごい勢いで飲んでる)

泰葉(もうこれ以上飲まないで欲しいんだけど……)

早苗「ところで泰葉ちゃん、最近仕事はどう?うまく言ってる?」

泰葉「仕事ですか?それなりに上手くいってますよ」

早苗「泰葉ちゃんは若いからねぇ」

早苗「今のうちに頑張らなきゃだめよ?」

早苗「年なんてすぐとっちゃうんだから」

早苗「いい年になってからアイドルなんて大変よ?」

早苗「周りは若い子ばっかりだし、体力も持たないし」

早苗「私もアイドルになってから自分が若くないって気づいてねぇ」

泰葉「そ、そうなんですか……」

泰葉(酔った早苗さんにからまれると面倒らしいから)

泰葉(他の二人にも相手をしてもらいたいんだけど……)

泰葉(楓さんは楽しそうに見てるだけだし)

泰葉(菜々さんはホッケとにらめっこしたまま動かないし)

泰葉(弱ったなぁ……)

菜々「…………」

菜々「はっ!」

泰葉「?」

菜々「はい!!菜々、一発ギャグしまーす!!」

泰葉「!?」

菜々「がちょ~ん」

泰葉(菜々さんが突然前に出した手を引きながら前後に揺れはじめた!)

泰葉(早苗さんも楓さんも笑ってるけど、あれは一体何なんだろう……)

菜々「はい、じゃあ次は泰葉ちゃんの番ですね」

泰葉「!!?」

早苗「ほら、泰葉ちゃんやっちゃって」

楓「ふふっ、楽しみね」

泰葉「えっ、何で私が……」

菜々「ひどいです泰葉ちゃん、菜々にあんなことさせておいて……」

泰葉(この人、いきなり自分でやりだしたのに……)

早苗「ほらほら」

楓「早く早く」

泰葉「いや……あの……えっと……」

泰葉「ちょ、ちょっとトイレに行ってきますね?」

泰葉(早くPさん来てくれないかなぁ……)

泰葉(いっそのことPさんが来るまでトイレに隠れてようか)

ドンドンドン

早苗「泰葉ちゃん、そこにいるのは分かってるのよ」ドンドンドン

早苗「おとなしく出てきなさい」ドンドンドン

早苗「アイドルはトイレに行っちゃだめなのよ」ドンドンドン

泰葉(自分だってさっきトイレに行っててのに)ドンドンドン

泰葉「あっあの、出ますから、ドアを叩くのやめてもらえませんか?」

泰葉(ああ、やっぱり最初に断っとけば良かったかなぁ……)

早苗「ほら、泰葉ちゃんあれ」

泰葉「えっ?」

泰葉(あっ……なぜか菜々さんが泣いてる)

泰葉(できれば関りたくないんだけど……)

早苗「ほら、何があったか聞いて上げなさい?」

泰葉「え、ええ……」

泰葉「あの……どうしたんですか?」

菜々「うぅ……泰葉ちゃんも苦労してるんですね……」

泰葉「……はい?」

菜々「幼い頃に父を亡くし、病弱な母と二人暮らしで」

菜々「仕事ができない母の変わりに、これまで芸能界で働いてきたなんて」

菜々「そんなこと、菜々ちっとも知りませんでした」

泰葉「えっと……菜々さん?」

泰葉「そんな話、誰に聞いたんですか」

菜々「楓さんが教えてくれました……」

泰葉「あの……楓さん?」

泰葉「ちょっとこっちを向いてもらえませんかね?」

早苗「まぁ……あれよ」

早苗「泰葉ちゃんは一人で頑張りすぎなのよ」

早苗「もっとお姉さんを頼っていいのよ?」

楓「ええ、相談ぐらいならいつでものるわよ?」

菜々「そうですよ!菜々達は人生の先輩ですから!」

泰葉(そんなこと言うぐらいなら、もっとしっかりして欲しいんでけどな……)

泰葉(まったく、この人達は)

P「やっぱりここだったか」

泰葉「あっ、Pさん」

P「泰葉、遅くなってすまなかったな」

P「後は俺が何とかするよ」

早苗「さっ、P君さっさと飲むわよ!!」

P「もう飲みません、帰りますよ」

P「ほら、菜々さんも起きて」

P「楓さんも、ホッケはもういいですから」

泰葉「…………ふふっ」

~数日後~

泰葉(私が帰った後、Pさんは二時間以上あの人達の相手をしてたみたい)

泰葉(本当にPさんは大変だと思う)

泰葉(次の日の菜々さんも、二日酔いで大変そうだった)

泰葉(それでも仕事だけはきっちりこなすのから、菜々さんはすごいと思う)

泰葉(ただ、初めから飲まなければもっと良かったんだけどな……)

泰葉(楓さんは次の日も何事もなかったような顔をしていた)

泰葉(あの人は本当にマイペースだ)

泰葉(Pさんにドリンクのことを怒られても、けろっとしてるから困ったもの)

泰葉(早苗さんはあれから禁酒をさせられてる)

泰葉(今は頑張ってるけど、Pさんが言うには一週間が限度らしい)

泰葉(ちなみに、禁酒させられるのは通算で五度目だそう)

泰葉(私、アイドルになる前からいろんな大人を見てきたけど)

泰葉(こんな人達ははじめてだな)

泰葉(でもこんな人達なのに、嫌いになれないのはどうしてだろう……)

泰葉「あっ、Pさん、おはようございます」

P「おはよう、泰葉」

P「この前はすまなかったな」

P「まったく、あの人達には困ったもんだよ」

泰葉「本当に、大人なんだからもっとしっかりして欲しいですよね」

泰葉「でも、あの人達はなんだか嫌いになれません」

泰葉「どうしてなんでしょうね」

P「まぁ、あの人達は一見だらしないように見えるかもしれないけどさ」

P「ああ見えても才能はあるし、なにより根はいい人なんだよ」

P「なんせ俺がスカウトした人達だからな、保障するよ」

P「ああ、もちろん泰葉、お前もな」

泰葉「Pさん……」

泰葉「ふふっ」

泰葉「それじゃあPさん」

泰葉「私をアイドルにした責任、ちゃんと取ってくださいね?」

P「ああ、もちろんだとも」

ちひろ「あの……お話しのところ悪いんですが……」

P「どうしました?ちひろさん」

ちひろ「また大人組が……」

P「」

泰葉「とりあえず……」

泰葉「あの人達をスカウトした責任、取ってきてください」

P「」

おわり

※注意※

未成年の飲酒は法律で固く禁じられています

このSSは未成年の飲酒を奨励するものではありません

又、このSSに登場するウサミン星人は全て二十歳以上です

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