君が夜は嫌いだと言ったから (17)


・オリジナルです。
・固有名が出てきます。
・長編予定ですが書き溜めはあまりありません。

よろしければ長らくお付き合いください。


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―君が夜は嫌いだと言ったから




「こんなにも月が綺麗なのに」


わざと聞こえる程度で言った僕の呟きを聞いているのかわからないまま、
君は見上げていた。
それが何なのか僕には分からない。

夜空?
それとも……。





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―――――――――

―――――――




「君って何か苦手なものはあるのかい?」

「唐突にどうしたの?」

「いや、ちょっと気になってね」



休日、いつものように二人で過ごしている時にふと気になって問いかけてみた。





「苦手なもの……苦手なものねぇ……」

「なんでもいいんだよ。ほらなんだったら嫌いな食べ物とかでも」

「ははっ。それならわざわざ言わなくてもあなたは知っているでしょ?」

「そういえばそうだね……じゃあ何か他にないのかい?苦手なものや、嫌いなものは」


うーん……と小さく唸って考える仕草をしている。
そういうところも可愛いなと思うが、言ったら怒られるので口に出さない。




少し考え込んでから、


「夜……かな」


と彼女は答えた。




「夜?」


思いがけない答えに僕は思わず復唱する。
何故なら彼女は普段そのようなことを表に出さないからだ。


「あ、嫌いって言っても大げさなことではないよ?
 ただ、強いてあげるならばってところかな」


彼女はそうつけたしたが僕の目にはそうは映らなかった。
思わず吐いてしまった本音を取り繕うような……そんな表情に見えた。
だからこそ僕は深く追求せず、そこで話を切った。




「ロレンスー!おーい、ロレンスいるかー?」

「あ、ラグダさん。お届け物ですか?」

「ああ、そうなんだ。ちょいと急ぎでね。頼めるかい?」

「もちろんですよ! それじゃエクリア行ってくるね」

「行ってらっしゃい。ロレンス」



そう言うと僕は届け物を受け取り小型飛空挺『ブラン』に乗り込む。
この飛空挺は大事な人から僕に贈られたものだ。
これに乗り、僕は航空配達人として生計を立てている。





「場所は……シドニアとの国境付近か。ということはラグダさんお孫さんができたんだな」



だからあんなにも嬉しそうだったのか、などと考えながら、
飛空挺を飛ばしていく。



「うん。今日もブランの調整はばっちりだな。流石エクリア」



いつも機体を整備してくれる彼女に感謝しながら今日も僕はこの空を行く。


今回の投下はとりあえずここまでで。
もしかしたら夜にもう一度あるかもしれません。

一応わかりづらいと思うので登場した人物紹介を。


ロレンス――ロレンス・シュトラウス 主人公 男 職業:配達人

エクリア――エクリア・シルフィード ヒロイン 女 職業:整備士(実質ロレンス専属)

ラグダ――モブその1 今後大きく関ってくるかは不明 お孫さんが生まれたよ おめでとう!

もう一ヶ月経ってるとかわらえない
今すこしばかりお待ちを……

やっと直ったー
話を少しずつ軌道修正しながらぼちぼち投下する予定です
何時になるかは明言できませんが、
今日中には1回投下します

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