希「え?」
絵里「ここ数ヶ月、みんなと一緒に練習したりライブしたりしてきて思ったの…… 」
絵里「やっぱりまだ甘いわ、そりゃあ歌やダンスの技術は確実に上がってきている……でも人を惹き付けられるレベルまでには全然到達できていない」
海未「た、確かにそれはその通りです、しかし……」
凛「でも凛たち、頑張ってるし……」
絵里「そうね、みんな頑張ってると思うわ。 だから私はそれに関しては別にどうこう言うつもりはないの」
真姫「だったら何なのよ!? 何が気に入らないって言うの!?」
絵里「私たちはスクールアイドルだから技術は未熟で当たり前、それよりもっと大切なものは何かしら?」
ことり「歌やダンスより大切なもの?」
凛「な、なぞなぞ……?」
絵里「違うわ」
希「う~ん、何やろな? かよちん、わかる?」
花陽「え、えっと……ご、ご飯……でしょうか?」
絵里「違うわ」
穂乃果「わかった! お饅頭だ!!」
絵里「不正解」
真姫「ご飯でもお饅頭でもなかったら一体何なのよ!? ルックス? 大体、アイドルは歌とダンスさえできれば十分でしょ?」
海未「……!!」
にこ「みんな本気で言ってるの~? こんなの簡単すぎ~」
ことり「ニコちゃんはわかるの?」
にこ「当然~!」
絵里「ふふっ、さすがニコね」
希「じゃあニコっち、正解を」
にこ「アイドルにとって一番大事なものは~、まぁ真姫ちゃんが言ったみたいにこのニコのようなキュートなルックスも大切だけど~」
にこ「それよりもっと大事なものがあって~」
真姫「もうっ! 勿体ぶらないでさっさと言いなさいよ!!」
凛「ニコちゃん、本当は知らないんだにゃ!」
にこ「知ってるわよ!!」
にこ「アイドルにとって一番大事なもの、それは……ハート」
真姫「はぁ? 何言ってるのよ、そんなわけが」
絵里「正解よ」
真姫「え?」
ことり「せ、正解なの?」
絵里「えぇ」
海未「そうですね、私たち技術がまだまだな……いえ、まだまだだからこそスクールアイドルは気持ちを伝えるというのは間違っていないと思います」
花陽「うん! 花陽もそう思います」
希「てことは……エリチはうちらのスクールアイドルとしても気持ちが甘いって言いたいん?」
絵里「そうよ」
凛「そんなことないにゃー! 凛たちみんなハートフルに活動してるよね?」
ことり「う、うん……!!」
穂乃果「穂乃果もハートの熱さだったら誰にも負けないよー!!」
絵里「果たして本当にそうかしら?」
真姫「わ、私たちが手を抜いてるっていうの!?」
絵里「そうは言ってないわ、私が違和感を覚えたのはもっと根本的な部分」
海未「根本的……?」
絵里「まず、穂乃果」
穂乃果「へ? ほ、穂乃果!?」
絵里「貴女はハートの面では文句のつけようがないわ」
穂乃果「ほっ……よかったー、ビックリさせないでよ! 絵里ちゃん」
絵里「μ'sを作ったのも穂乃果だし何事にも一生懸命取り組んでる、スクールアイドルの模範と言っても過言ではないと私は思ってるわ」
穂乃果「そ、そこまで言われると何だか照れるね……////」
絵里「次に、ことり……を飛ばして海未」
海未「は、はい!」
ことり「どうしてことり、飛ばされちゃったの?」
絵里「海未は一度決めたことは途中で絶対に投げ出したりしない強い心を持っている、最初は乗り気ではなかったようだけど今の海未を見たらこれまでの経緯なんか問題ではないわ」
海未「……あ、ありがとうございます」
絵里「凛と真姫は置いておいて、花陽」
花陽「は、はい……うぅ……」
真姫「ちょ、ちょっとエリー!! 凛はともかく私までって」
凛「納得いかないにゃー!!」
絵里「花陽とニコは」
にこ「ニコも?」
絵里「二人はアイドルに対して凄く思い入れがあったみいだけど」
絵里「それをただの憧れに終わらせないニコ、貴女には言うことはないわ」
絵里「一人になっても夢を夢にしようとしなかった、ニコのハートは穂乃果以上ね、きっと」
にこ「と、当然よ~! ニコはアイドルになる為にこの世に生をうけた選ばれし」
凛「本当はヒヤヒヤしてたに違いないにゃ!」
絵里「花陽はその内気な性格からなかなか一歩を踏み出せなかったみたいだけど、そんなものは関係ない」
絵里「きっとファンのみんなは貴女の秘めたる熱い想いに気付いてるわ」
花陽「あ、ありがとうございます!!」
絵里「さて……」
希「……」
絵里「ことり、凛、真姫、そして希」
ことり「は、はい……」
凛「り、凛たち……怒られるのかなぁ?」
真姫「この三人と一緒にされるの何か心外なんだけど……」
希「……」
絵里「貴女たち四人は少し問題なのよ」
希「な、何で?」
真姫「こ、この私が? イミワカンナイ!!」
凛「凛、一生懸命やってるよ!!」
ことり「ことりも同じだよ!!」
絵里「まず簡単に言ってしまえば貴女たちからはアイドルとしての熱意が全く伝わってこないの」
絵里「近くにいる私ですらそう思うんだからファンのみんなはどう思ってるのかしら?」
真姫「そ、そんなもの……ファンは全員、この私が好きに決まってるでしょ!?」
真姫「現にこの前行った選挙では私が一位だったわけだし!!」
絵里「やっぱり勘違いしてたのね」
真姫「は?」
絵里「あれは別に人気投票ではないのよ?」
真姫「人気投票じゃなかったら何なのよ!?」
絵里「センター選抜選挙」
真姫「はぁ? 一緒じゃない?」
絵里「全然違うわ、あれはセンターに立たせたいメンバーを選ぶ選挙よ? 今までセンターに立ったことがない子が優位なのは当然じゃない?」
絵里「真姫、貴女今までのシングルでセンターで歌ったことはあったかしら?」
真姫「あ、あるわよ!! セ、センターくらい!! な、夏色とか……WRとか……」
凛「そういえば真姫ちゃんすごく目立ってたにゃー」
ことり「あれ? でもWRのセンターってことりだったよね?」
にこ「夏色のセンターはニコよ!!」
真姫「……っ!!」
絵里「まぁ真姫のことは置いておいて貴女たちに確認したいことがあるんだけど」
ことり「何?」
絵里「正直に答えるのよ?」
凛「凛は嘘なんかつかないにゃー」
絵里「貴女たちはどうしてスクールアイドルをやってるの?」
ことり「え、えっと……穂乃果ちゃんがやろうって言って……」
凛「凛はかよちんがスクールアイドル入って、じゃあ凛もって……」
真姫「わ、私は別にアイドルなんか……」
希「……カ、カードがうちにそう告げたから」
絵里「……」
海未「た、確かにこれは……問題ですね……」
にこ「あ、あんたたち……」
花陽「り、凛ちゃん……真姫ちゃん……もしかして花陽のせいで嫌々スクールアイドルに……」
穂乃果「もう! みんなそんなんじゃ駄目だよ!! 特に希ちゃん!! 何? カードって? 自分の意思はどこにもないの!?」
絵里「穂乃果がまともなことを言ってるわ」
海未「こればかりは穂乃果に同意件です」
希「うぅっ……ご、ごめんな……みんな」
希「だ、だってカードがμ'sは9人やって……それ以上でも以下でもあかんって……!!」
穂乃果「カードなんかどうでもいいよ!!」
絵里「希自身の気持ちはどうなの? 貴女の本当にやりたいことは何なの?」
希「う、うちの……本当にやりたいこと……」
にこ「簡単なことじゃない! 自分の気持ちを正直に言えばいいのよ」
希「そ、そうやな! じゃあ少し待って……今、カードで占ってみ」
穂乃果「だーかーらー!! カードなんて必要ないんだって!!」
バッ
希「あっ! うちのカード……返して!! 穂乃果ちゃん」
絵里「ハラショーよ、穂乃果」
希「か、返して!! カードが無いと、うち……うちっ……!!」
絵里「返さないわ」
希「何で!? 何でそんな意地悪するん!?」
絵里「これは意地悪なんかじゃない、貴女の為なのよ」
絵里「今までもそうやってカードに頼りきっていたんでしょ? このままじゃ希の人生はカードに支配されたまま!!」
絵里「それでいいの!?」
希「それでええよ!! 何でエリチにそんなこと言われなあかんの!? うちの人生なんやからうちの好きにさせてや!!」
絵里「私が嫌なの!!」
希「え……?」
絵里「私は希の本当の気持ちが知りたい……別に貴女が嘘をついてるとは思ってないけど」
絵里「それでも私は貴女の親友としてそう思うの!! カードなんかに頼らない貴女の気持ちを……希が何を考えて何を想って本当は何がしたいのか」
絵里「見せてよ!! 私に希の心の奥底を……、聞かせてよ!! 貴女が想ってること全部!!」
希「う、うち……うちは……」
希「みんなとおるのが楽しい……みんなとスクールアイドルやっとるのが楽しくて楽しくてしょうがないんや!!」
絵里「希……」
希「エリ……チ」
絵里「ふふっ、やっと自分の気持ち言えたじゃない? ならもうこのカードは必要ないわね」
バキッ
希「あ……」
穂乃果「これで希ちゃんもチーム・ジャスティスの仲間入りだねっ!!」
希「チーム・ジャスティス?」
海未「はい、みんなと話してたんです! スクールアイドルの忠義に紳士に向き合っている私たちは正義だって」
花陽「ちょ、ちょっと恥ずかしいけど……」
にこ「ちなみに向こうはアンジャスティスよ」
チラッ
真姫「くぅー!! ムカつくーっ!!」
凛「凛もそっちのチームがいいにゃー!!」
ことり「穂乃果ちゃん……海未ちゃん……ぐすっ」
穂乃果「ことりちゃん……」
海未「穂乃果、ことりとは今は敵同士……情けは無用です」
穂乃果「……うん」
ことり「絵里ちゃん!!」
絵里「わわっ! な、何よ……ビックリさせないでよ……」
絵里「どうしたの? ことり」
ことり「ことりも穂乃果ちゃんがいるチームがいい!」
絵里「え?」
凛「凛もかよちんがいる向こうがいいにゃー!」
絵里「それはできないわ」
ことり「え~!!」
凛「やだやだやだー!!」
絵里「……まったく、貴女たちは」
絵里「どうして自分たちがこっち側にいるかわからないの?」
ことり「わかんないよ! そんなの!!イジメ?」
凛「絵里ちゃん、嫌がらせは良くないにゃ!!」
絵里「イジメでも嫌がらせでもなくて……!!」
このSSまとめへのコメント
続きが気になる…(~_~;)
何だよこれ
もったいねーな
気になります