唯「ひゃあ!?」(な、なになにこの人!?……人だよね?お化け……?)
フリーザ「サイヤ人のような見た目をしていますが全く戦闘力を感じませんね。どこの辺境からやって来たのでしょう」
唯(うう……なんのことを言ってるのか全くわからないよう……)ガクガク
フリーザ「……ふん、まあ良いでしょう、脅威になりそうであるならば始末するところですが、そんな価値もなさそうですね。帰りなさい」
唯「あ……あの……あのあの……」
フリーザ「なんですか?私の気が変わらないうちにさっさと消えなさい。殺しますよ」
唯「ひい!?ご、ごめんなさい!!」
タッタッタッタッタッ……
唯(う、うぅ、怖かったよう……)
唯(でもどこなんだろうここ……さっきまでみんなと部室で練習してたのに、確か急に雷が鳴って……)
唯「お腹空いた……お菓子食べる前だったもんな……」
唯(うぅ……寂しいよう……憂ぃ……)
唯(歩いても歩いても何もない……みんなもいないよ……)
唯「水もない……喉乾いたなあ……」
唯「はぁ、疲れた……ちょっと休もう……」
唯(よっこいしょっと……せめてギー太は一緒に来られて良かった……)
唯「……ちょっと弾こうかな……少し気が紛れるかも……」
フリーザ「ザーボンさん」
ザーボン「はっ」
フリーザ「なにやら音が聞こえてきませんか?」
ザーボン「は、はて、私の耳には何も……」
フリーザ「そうですか」(なんでしょう、この妙に整った音の繋がりは……自然から起きているものとは思えませんね)
フリーザ「私は少し出掛けてきます。その間頼みますよ」
ザーボン「フ、フリーザ様どこへ?」
フリーザ「知る必要はありません。では、行ってきます」
バヒュウウウン……
唯「うーん、アンプから音出したいなあ……」ジャカジャカジャッカ、ジャカジャ、ジャジャジャン
キィィィィン……バヒュウン!!!
唯「ひあああああ!?」
フリーザ「……なるほど……あなたでしたか」
唯(さっ、さっきの怖いひと!!)
フリーザ「あの妙な音はあなたが出していたのですね、その抱えている奇妙な機械から」
唯(ギ、ギー太のことかな……?でも、アンプ繋いでないのにどうして聞こえたんだろう……?結構歩いたんだけどな……)
フリーザ「もっと聞かせなさい」
唯「え?」
フリーザ「もっとその音を聞かせなさい。殺されたいのですか?」
唯「ひ、ひぃ!、ご、ごめんなさい!!」
唯「ごーはんーはーすーごいーよー……」ジャカジャカ
フリーザ「……」
唯「ふ、ふわふわ時間~♪」
フリーザ「……」
唯「どんなに寒くても、僕は幸せ~♪」
フリーザ「……」
唯「ごめんねルーだけ残ったカレー♪」
フリーザ「……」
唯(い、いつまでやればいいんだろう……)
唯「きーみがーいーなーいーとーなーにもできないよー……」(憂……)
唯「君が、そばにいるだけで……」(憂、憂ぃ……)
フリーザ(……何やら感じが変わりましたね……戦闘力に変化はないようですが、明らかに先程までとは違う、……いや、そんなことより……)
フリーザ(不思議ですね、あの機械から発せられる音に声を乗せているだけだというのに、なんと心地よいことか……)
唯「思いよ……届けーっ!!」
ジャカジャン!!
フリーザ「……」
唯(う、うぅ……そろそろ弾ける曲が少なくなってきたよ……どうしよう……どうしよう……)
フリーザ「素晴らしい」
唯「え?」
フリーザ「とても感激しました。まさか音をそんな風に利用するとは、戦いばかりやっていては気付きませんでしたね」
唯「え、え、あの……」
フリーザ「野蛮なサイヤ人には思いつかない発想でしょうから、あなたはやはり別の星の者なのでしょう。……先程は殺すなどと失礼なことを言ってしまいましたね、謝罪します」
唯「あ、あのあの……」
キュルルルゥ
唯「あ……」
唯(お、お腹空いたぁ……)
フリーザ「なるほど、身体の作りはサイヤ人と同じく補給型ですか」
フリーザ「これに乗りなさい」
唯「え……?」
フリーザ「食事を差し上げましょう。その代わり、もう少しお話を聞かせてもらいますよ」
唯「ご、ごはん!!」(良い人だ!この人良い人だぁ!!)
フリーザ「ふふ、嬉しいですか?……では行きますよ!!」
バヒューーーーン!!!
唯(は、は、速いいいいー!!!!)
和「私の戦闘力は53万です」
唯「美味しい!!美味しい美味しい!!!!」
フリーザ「良いものを見せて頂いたお礼です。遠慮はいりませんよ、どんどん食べなさい」
唯「うん、ありがとう!!怖い人だと思ったけど、優しいね!!」
フリーザ「!?」(や、優しい……だと?このフリーザに向かって……)
唯「もぐもぐ!!もぐもぐ!!」
フリーザ(……ふん、しかし何故でしょう、悪い気がしないのは……)
唯「美味しい!!本当に美味しいよ!!!ありがとう!!!」
フリーザ(ふっ……)「いいえ、構いませんよ」
フリーザ「ではあなたは、地球という星に住んでいたのですね」
唯「うん……でも突然雷が落ちて、気が付いたらここに……」
フリーザ「時々あることです。大体は宇宙空間に投げ出されそのまま死んでしまうのですが、運が良いのか悪いのか、私の所へ来てしまったようですね」
唯「えへ、運、良かったよ!!」
フリーザ「ほう」
唯「だって、こんなに優しい人に助けてもらえたから!!」
フリーザ(この者、またも私を優しいと……)
唯「はぁ、お腹いっぱーい!!」
フリーザ「先程の、音楽と云うもの……あなたの星には多くあるのですか?」
唯「うん!みんな大好きだよ!!」
フリーザ「そうですか」
唯「うん!」
フリーザ「それは、さぞ素晴らしい星なのでしょうね……」
フリーザ「ドドリアさん」
ドドリア「はっ」
フリーザ「地球という星の場所を調べなさい」
ドドリア「はっ」
フリーザ「水が豊富で空気は住んでいる美しい星だそうです。サイヤ人に酷使した生物が多く生息しているそうなので、そんな星は恐らく簡単に見つかるでしょう」
ドドリア「そいつぁ……なかなか高い値のつく星てましょうな……ククク……グエむ!?」
フリーザ「勘違いするな」
フリーザ「その星を見つけても手を出すことは許しません、発見し次第、その星まで最短で着く宇宙船を用意するのです」
ドドリア「わ、わかりました……」
フリーザ「さっさとしなさい」
フリーザ「ふん……」
フリーザ(確かにドドリアさんの言うとおりですね……地球という星の環境を聞くに、かなり高い値で売ることが出来る)
フリーザ(しかし……)
フリーザ(どうしてでしょう、あの音楽という物……)
フリーザ(あれを失わせたくないのです)
ドドリア「フリーザ様」
フリーザ「はい」
ドドリア「見つけました、恐らくこの星で合っているはずです」
フリーザ「ふむ……」
ドドリア「……」
フリーザ(あの者と同じ姿形をした生物が生息していますね……この星で間違いないでしょう)
フリーザ「ご苦労様です、ドドリアさん」
ドドリア「いえ、造作もございません」
フリーザ「では、下がりなさい」
ドドリア「はっ」
フリーザ「喜びなさい」
唯「え?」
フリーザ「あなたの星に帰れますよ」
唯「え!?本当に!?」
フリーザ「部下が調べてくれました。宇宙船で数ヶ月かかりますが、スリープ装置があるので一瞬で着いたような気分になると思います」
唯「そうかぁ……」
フリーザ「どうしました?嬉しくないのですか?」
唯「ううん、嬉しいけど……」
唯「でも、おじさん優しいし、楽しかったから少しだけ寂しいかなぁって」
フリーザ(おじさんだと)
唯「地球の場所、おじさんの会社の人が調べてくれたんだよね?」
フリーザ「そうです」
唯「じゃあ、お礼したいなぁ……」
フリーザ「その必要はありませんよ、彼らにはそれ相応の給与は与えていますから、雇用はしっかりしているのですよ」
唯「うーん、でも……」
フリーザ「ふっ……なら、皆の前でそれを聞かせて頂きませんか?」
唯「え?」
フリーザ「音楽というものはこの宇宙でも非常に特殊です。最後にそれを聞かせて下さい、今度は皆にも」
唯「……わかった!!一生懸命歌うよ!!」
フリーザ「ありがとうございます。では、皆を集めましょう」
ワイワイガヤガヤ
キュイ「おいおい、集会なんて急にどうしたんだ?大捕物でも始まるのか?」
ザーボン「最近のフリーザ様妙に穏やかだった。それと何か関係があるのかもしれん」
ドドリア(この間の地球のことか……?)
唯「つかもうぜ!! DRAGON BALL♪」
フリーザ「皆さん、集まりましたね」
フリーザ「皆さんは、文化や文明というものはご存知でしょうか」
フリーザ「実は私は、そんなものはこれまでないがしろにしただ星を侵略することしか考えていませんでした」
フリーザ「この宇宙の辺境には、地球という星があるのだそうです」
フリーザ「そして、その星には音楽という素晴らしい文化が存在します」
フリーザ「私はその音楽と出会い、驚き、驚くことに自分のこれまでの行為に少しだけ罪悪感を覚えています」
フリーザ「……その理由は、私の口から語るよりこの者に直接聞いたほうがよいでしょう」
フリーザ「さあ、入ってきなさい!!」
舐めるな池沼!
ボコ! / ̄ ̄\
Il(itノヽヽヽl あう ("q")
∧,,,∧∩:;:) q " )i
( ・ω・) ! っマンス⊃
O _ ノ___ )
./ )_ ゚゚_ノ
(_/ ̄ Lノ∪ ̄ ∪
バキッ!!
. / ̄ ̄\
∧_∧ Il(itノヽヽヽl
( ´∀`) ノリ(l|:;:) q " )i んひぃぃぃ
と⌒ て) ( ⊃マンス ⊃
( ____三つ#____)
) ) ( _ ゚゚_ ノ
レ ' ∪  ̄ ∪
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