戦士「っしゃあ!戦争終わったぜ!結婚しよう!」
魔法使い「生きてるんかい」
戦士「えっ?」
戦士「そんなこんなで、いよいよ明日が結婚式だな!」
魔法使い「そうね、何だか感慨深いわ」
戦士「へへっ、俺は嬉しいぜ、お前と一緒に暮らせるなんて……」
兵士「失礼します、戦士さんですね?」
戦士「ん、おう、そうだけど……」
兵士「王からのご命令で参りました、最近になって東の洞窟に強力な魔物が住み着き…」
兵士「その討伐の為に各所の戦士の方々は至急、王都へ集合するようにとのことです」
戦士「げっ、王様直々の命令かー……そりゃ行かないわけにはいかないよなあ」
魔法使い「それじゃ結婚式は延期になるのね、残念だわ」
戦士「へへっ、なあに!すぐに戻ってくるから大丈夫だって!」
魔法使い「本当に?」
戦士「ああ、ちゃちゃっと魔物をやっつけて帰ってくるさ、そうしたらよ……」
魔法使い「うん……それじゃあ待ってるわ、だから……ちゃんと帰ってきなさいよね?」
戦士「ああ、約束だ、絶対にすぐに帰ってくるからよ」
戦士「だから安心して待ってな!それじゃあ行ってくるぜ!」 ダッ
魔法使い「あっ……もう、戦士ったら……」
魔法使い「……ちゃんと……帰ってきなさいよね」
翌日
戦士「ただいまー、いやあ楽勝だったぜ!!」
魔法使い「お帰り、なによもう、結婚式間に合っちゃうじゃないの」
戦士「そうだなー、もうちょい時間かかると思ってたんだけどよ」
戦士「あっ、何なら今から結婚式行くか!?」
魔法使い「もうキャンセルしちゃったわよ、次は早くて一週間後ぐらいじゃない?」
戦士「マジかよ、くそっ!じゃあ一週間後な!一週間後はちゃんと結婚するからな!!」
魔法使い「はいはい、せいぜい仕事が入らないように気をつけるのね」
戦士「おうよ、へへっ、一週間後が楽しみだなあチクショウ!!」
魔法使い「ふふ、そうね」
戦士「結婚したぜ!これで俺達も新婚だな!!」
魔法使い「そうね、新婚さんね」
戦士「っつーわけでよ……き、今日の夜とか……その……」
魔法使い「もう、夫婦になったっていうのに何を緊張してるのよ、良いわ、一緒に寝てあげる」
戦士「やった!この日まで我慢してきた甲斐があったって」
兵士「お楽しみのところ申し訳ありませんが仕事ですよー」
戦士「うそだろ承太郎!!」
兵士「本当です、今度は西の森で名を売っている盗賊団の討伐ですね」
魔法使い「それじゃ、お楽しみは次まで持越しね」
戦士「ちっくしょー……あ、そうだ、えっと……」
魔法使い「どうかしたの?」
戦士「いや、結婚したら渡そうと思ってた物があったんだけどよ……」
魔法使い「大事なもの?」
戦士「んー、いや、いいさ、帰ってきたら渡すよ」
魔法使い「そう、ふふっ、いいわ、楽しみにしておいてあげる」
戦士「へへっ、じゃあ行ってくるからな!俺がいない間に他の男についてったりするなよ!」
魔法使い「そんなことしないわよもう、あ、そうだ、これ持っていって」
戦士「ん?なんだこれ?」
魔法使い「単なるお守りよ、あなたの方こそ私のことを忘れないようにって……」
戦士「へへっ、忘れるわけないだろ、でもまあ……ありがとうよ、それじゃ行ってくるぜ!」
魔法使い「ええ、気をつけてね」
数日後
戦士「ただいまー」
魔法使い「おかえりなさい、どうだった?」
戦士「いやー、あんま強くはないんだけど妙に人数多くて厄介だったなあ」
魔法使い「ふうん、大変だったのね、それでアレは?」
戦士「アレ?」
魔法使い「出てく前に言ってたじゃない、渡したい物があるって」
戦士「ああ、こいつだホラ、ええっと……ほい」 ゴソゴソ
魔法使い「……あら、これ閃光呪文に関する新刊の魔術書じゃない」
戦士「そうそう、お前コレ欲しがってただろ、まあ結婚祝いってわけでも無いんだけどよ……へへっ」
魔法使い(これもう買ってあるから別にアレなんだけど……まあ……)
魔法使い「ありがとう、嬉しいわ」
戦士「へへへ、そう言ってくれると俺も嬉しいぜ!大事にしろよ!」
魔法使い「ふふっ、そうね、そうするわ」
10ヵ月後
戦士「随分と腹が大きくなってきたなあ」
魔法使い「何かそう言われると太ったみたいで嫌だわ」
戦士「へへ、悪い悪い、産まれるまでもうすぐだよなー」
魔法使い「そうね、動きも活発になってきたしもうそろそろ産まれても良いと思うんだけど……」
戦士「産まれたら名前は……『ふーみん』か『げろしゃぶ』だな」
魔法使い「どっちも嫌だけど『げろしゃぶ』だけは絶対に嫌」
兵士「といったところで仕事ですよー」
戦士「またかよもう、空気読めよ!」
兵士「私に言われましても、まあとにかく南東の砂漠で魔物が大量発生してるそうです」
戦士「はいはい、すぐ用意してくっから待ってろ!」
兵士「恐れ入ります」
魔法使い「また魔物?最近なんだか随分多いのね?」
兵士「そうですねえ、魔王が復活したとかいう噂もありますが、いやはや」
戦士「ま、どのみちそんな大したこたあねえよ!楽勝だぜ!」
魔法使い「油断しちゃ駄目よ、そういうこと言ってる人に限ってすぐ死ぬんだから」
戦士「なあに、俺は死なねえよ、なんつっても不死身の男だからな!!」
魔法使い「全くもう……でも、この子が産まれる前には帰ってきてね?」
戦士「ああ、分かってるさ、子供の顔も見ないで死ぬなんて耐えられないからな」
兵士「それじゃ準備が出来たなら行きますよ」
戦士「おう、それじゃま、行ってくるぜ!」
魔法使い「ええ、行ってらっしゃい」
数日後
魔法使い「~~~~っ!!」
医者「はいはい、力を抜いてください、気を楽にもって」
魔法使い「ぐうう……あ……あの人は……?」
医者「まだ帰ってきていませんよ」
魔法使い「もう産まれるっていうのに……はっ……ま、まさか本当に……」
医者「ああ!気をしっかり持ってください!大丈夫ですよ、きっとすぐ……」
戦士「へへっ、ただいまー、いやあ、土産なににするか考えてたら遅くなっちまっ」
魔法使い「タイミング最悪よ!この馬鹿!」
戦士「えっ?」
赤「あばば」
戦士「いやー、なんだかんだで生まれたなあ」
魔法使い「そうね、ふふっ、我が子ながら可愛いわ」
戦士「顔は母親似だよなあ、まあ女の子だから別に良いけどよ」
魔法使い「でも耳の感じとかは微妙にあなた似よ」
戦士「そうか? へへ、でもまあ、本当に可愛くっ」
兵士「はい、新婚さんいらっしゃーい」
戦士「帰れよ!!」
兵士「いやいや、それが今回も王様命令なのですよ、東にまたしても魔物達が」
戦士「嫌だ!俺げろしゃぶと離れたくない!!」
魔法使い「だからげろしゃぶって名前じゃないって言ってるじゃない」
戦士「でもよう……」
魔法使い「全く……仕方ない人ね、もう、いい大人が泣かないの」
戦士「泣いてねーけどよー、だって生まれたばっかだってのに……」
魔法使い「仕事なんだから仕方ないでしょ、あなたの好きなパインサラダ作って待っててあげるから」
戦士「はー……ったく、仕方ねーな、約束だぜ?」
魔法使い「ええ、約束よ、だからあなたもちゃんと戻ってきなさいね?」
戦士「当たり前だろ、俺は無敵の男だからな!」
兵士「こないだは不死身の男って言ってましたけどね」
戦士「無敵で不死身なんだよ!いいだろ!」
戦士「っと、それじゃまた行ってくるぜ、土産話楽しみに待ってろよ」
魔法使い「ふふ、期待しないで待っててあげるわ」
ちょっと飯食ってくる
なあに心配するな、すぐに戻ってくるさ
翌日
戦士「たっだいまあああああああああ!!!!」
魔法使い「早っ」
戦士「そりゃもう、大事な大事な愛娘に早いところ会いたくてよ」
赤「あばー」
戦士「よしよし、パパがいなくて寂しかったなー、よしよし」
魔法使い「あら、それじゃ別に私に会いたくて帰ってきたわけじゃないのね」
戦士「はっ!?」
魔法使い「そう、それなら良いわ、このパインサラダはお隣の奥さんと一緒に食べるから」
戦士「だあちょっと!違うって!今のはなんつーか言葉のあやっつーか!!」
赤「ぎゃおおおおおおおおおおん!!」
戦士「うわ臭っ!ああもう泣くなって!おしめ代えないと……ああ、うんこの処理ってどう……」
戦士「魔法使いカムバーーーック!!!」
魔法使い「パインサラダうめぇ」
そしてそれから一年と少しが過ぎ……
魔法使い「おかえりんこ」
戦士「ただいまんこ!なに言わせんだよ!!」
赤「ぱぱー」
戦士「おおよしよし、すっかり歩けるようになったなあ」
魔法使い「まだ危なっかしいけどね」
戦士「へへっ、でも幸せだよなあ、美人な嫁と可愛い娘に囲まれてよ」
魔法使い「もうすぐ二人目もできるしね」
戦士「そう、二人目も……えっ?」
魔法使い「できました」
戦士「なん……だと……?」
魔法使い「なに?嬉しくないの?」
戦士「嬉しいに決まってんだろ!!うっひょおおおおい!!」
赤「ひゃーい」
兵士「と、いったところで私です」
戦士「お前さあ、俺を絶望の底に叩き落して楽しいか?」
兵士「正直ちょっと楽しいですが、今回は仕事ではありませんよ」
魔法使い「それじゃあ、どうしたの?」
兵士「いえ、今度この村に勇者様が訪れるらしいので、無礼が無いようにと勇者様の警備を頼もうかと」
戦士「じゃあ今度は別に外に出なくて良いんだな!うっひょい!」
兵士「チッ」
戦士「おい、お前ちょっと今舌打ちしたろ」
兵士「いやいや、そんなまさか、リア充死ねなんて欠片も思ってませんよ」
魔法使い「非リアの嫉妬は見苦しいわよ」
戦士「悔しかったらお前も俺みたいに最高の相手見つけてみろ!やーいやーい!」
兵士「うわあ腹立つ、まあ要するに勇者様に迷惑が無いようにというのと……あっ」
戦士「どうした?」
兵士「いやあすいません、忘れてたんですが村長から薬草詰みの仕事を頼むよう言われてたんですよ」
兵士「というわけで、行って来て下さい、村長命令です!」
戦士「お前絶対に良い死に方しねーぞ」
そして更に数日後……
兵士「というわけで、ようこそ、ここが○○の村です」
勇者「へー、のどかなところだなあ」
僧侶「平和そうで素敵な村ですね」
武道家「魔物は特にいないみてーだな」
兵士「ええ、ですが油断は禁物ですよ皆さん、最近は魔王の力も増していますからね」
勇者「ああ、分かってるさ、だから俺達は魔王を倒す為の旅を続けているんだ!」
僧侶「その通りです!素敵です!流石は勇者様!」
勇者「いやあ、えへへへ」
兵士「チッ」
??「……」
兵士「そしてこちらが村長と、村一番の戦士と魔法使いさんです」
戦士「へえ、こんな子供が勇者か、よろしくな!」
勇者「むっ、子供とか言わないでください!僕だって勇者なんです!」
戦士「ああ、悪い悪い」
武道家「ふうん、こんな田舎にも強い奴がいるんだな?」
僧侶「ちょ、ちょっと!武道家さん!」
魔法使い「田舎で悪かったわね、それで勇者様達はいつまでここに滞在する気?」
勇者「ええ、実はこの村の周辺に重要アイテムがある筈なんです、それが見つかるまでは」
兵士「村の周辺の案内はもっぱら戦士さんが勤めるので安心してくださいね」 ニヤニヤ
戦士「兵士てめぇ」
村長「重要アイテムというとアレじゃろうな、ほれ、東の遺跡に宝玉が祀ってあるじゃろう」
村長「それがかつて魔王城への道を開いた鍵の一つであったという話を聞いたことがあるわい」
勇者「あ、きっとそれです!」
戦士「へえ、それじゃあ今からちょっと行ってくるとするか?」
僧侶「えっ、今から行くんですか?」
戦士「まあ普通に近いからな、多分半日ぐらいで帰ってこれるさ」
村長「む、い、いかんぞ戦士よ!あの森には踏み込んではならんのじゃ!」
戦士「おいおい、何言ってんだよ爺さん、大丈夫だって俺がついてるんだからよ!」
村長「むう……どうしてもと言うなら止めんが、どうなっても知らんぞ……」
魔法使い「って村長も言ってることだし……気をつけて行ってきてね?」
戦士「へっ、大丈夫さ!今日は調子が良いんだ!行くぜ勇者!」
勇者「ああ、道案内は頼むよ」
勇者「村長の話だと東の森の中にある遺跡に宝玉があるんだよね?」
戦士「そういうことになるな、っつーかお前は一人で良かったのか?」
勇者「ええ、僧侶達は最近ちょっと疲れてるみたいだし、今日は戦士さんがいますから」
戦士「へっ、だけど危なさそうだったらすぐ引き返すぜ」
勇者「大丈夫ですよ!僕だって勇者なんですからね!」
戦士「やれやれ、でも実は俺もここから先は始めてだからな、何があるか分からねぇ」
戦士「だから……万が一、俺に何かあったらその時は魔法使いのことを頼むぜ、あいつアレで寂しがりやだからよ」
勇者「戦士さん……分かりました、万が一のことがあっ」 ドシュッ
バックアタックだ!!
魔物「キキーッ!」
勇者「 」
戦士「ゆ、勇者ァァァーーーッ!!!」
勇者「死ぬかと思った」
戦士「おいおい、大丈夫かよ」
勇者「ええ、大丈夫ですよ!でも僕ちょっと魔物に狙われやすい体質なんです!!」
戦士「そんな体質ねーだろ、にしても……おかしいな……ここらには魔物はあんまいなかった筈なんだが」
勇者「やはり魔王の力が増してるんでしょうか」
戦士「そうかもしれないな、よし、先に俺が少し様子を見に行ってやるよ」
勇者「あ、待ってください!こんなところで離れたら危険ですよ!」
戦士「なあに、俺は不死身の戦士様だぜ、こんな森ぐらい楽勝さ!」 ガサガサ
勇者「あっ、待ってください戦士さん!やっぱり一人じゃ……」
うぎゃああああああああああーーーーーーーーーー!!!!
勇者「戦士さああああああああん!!!」
魔法使い「むっ」 キュピーン
僧侶「どうかしましたか?」
魔法使い「いえ別に、ちょっと不吉な予感がしただけよ」
魔法使い「それより悪いわね、洗い物手伝ってもらっちゃって」
僧侶「いえいえ、私こういう家事は大好きなんですよ」
魔法使い「ふふ、それじゃあ良いお嫁さんになれるわね」
僧侶「えっ、お、お嫁さんだなんてそんな……きゃっ!」 パリーン
魔法使い「!」
僧侶「す、すみません……戦士さんの湯飲みが……」
魔法使い「あ、大丈夫よ、片付けは私がやるから……」
兵士「大変です魔法使いさん!」
魔法使い「!?」
戦士「いやー、びっくりした、なんか急に木からクモが落ちてきてよー」
勇者「 」
魔物A「キキーッ!」 ドカッ ドカッ
魔物Aの攻撃! 勇者にダメージ!
魔物B「ケーッケッケッケ!!」
魔物Bの攻撃! 勇者にダメージ!
魔物C「オラッ!ユメノケムリヲダセ!」 ドカッ ドカッ
魔物Cの攻撃! 勇者にダメージ!
戦士「ゆ、勇者ァァァーーーッ!!?」
勇者「いやあ、まさか戦士さんが行った直後に僕に魔物がたかってくるとは」
戦士「悪いな、やっぱお前を一人にしない方がいいみたいだな」
勇者「はは、まあ結果オーライですよ、こうしてアイテムも手に入れられたことだし……」
??「クク……ご苦労だったな勇者よ……」
勇者「はっ!?き、貴様は!?」
中ボス「俺は魔王軍・土の四天王様配下の中ボス!そのアイテムを渡してもらおうか!」
勇者「くっ……ここに魔物が出ていたのは貴様の仕業だったのか!」
中ボス「その通り……クク、もっとも村の方は更に酷いことになっているがなあ!」
戦士「なにっ!てめぇ俺の村に何をした!?」
中ボス「さてねぇ……クックック……」
戦士「てっ、てめぇぇぇ!!」 ダッ
勇者「戦士さん!?」
勇者「駄目だ戦士さん!無闇に突っ込んじゃ……」
戦士「オラァァァッ!!」 ドガァッ
中ボス「ブギャアッ!」
戦士の攻撃! 中ボスにダメージ!
勇者「えっ」
中ボス「なっ……なんだこいつ……戦士のくせにこの速さは……」
戦士「勇者!こいつは俺に任せて先に行け!」
勇者「で、でも……」
戦士「へっ、なあに、すぐに追いつくさ!さあ早く行け!」
勇者「戦士さん……ごめん!!」 ダッ
勇者「早く村に戻らないと……ぐはあっ!!」 バゴオッ
バックアタックだ!
ボス「おっと、へへへ、そうはさせないぜ」
勇者「くっ……こっちは急いでるのに……だあっ!」
勇者の攻撃!ミス!
ボス「へっ、こんなもん当たるかよ!オラァッ!」 ドカッ
勇者「うわああああっ!!」 ガラガラ
戦士「いやー、思ったより弱かったなーって勇者ぁぁぁ!!?」
ボス「へへ、勇者の奴はこの崖の下だぜ、この高さでは最早生きてはおるまい!」
戦士「へっ、舐めんなよ!あいつは勇者だぜ!それが崖から落ちたぐらいで……」
テレレレテレレレテレレレテレレテッテレテーン 【勇者は死んでしまった!】
戦士「えっ」
ゾンビA「ウオオオオオオオオオ……」
ゾンビB「ウオオオオオオオオオオ……」
魔法使い「まさか魔物が墓から死人をゾンビにして甦らせるなんてね」
兵士「一応住民の皆さんは地下室に避難してますけど、勇者さん達もいないのにこれじゃあ……」
僧侶「こ、怖いですけどゾンビは私に任せてください!」
魔法使い「僧侶ちゃん……」
僧侶「ま、魔法使いさんは妊婦さんなんですから!無茶をしないで隠れていてください!」
武道家「そ、僧侶の野郎、かっこつけやがって!こんなゾンビだらけのところにいられるか!俺は地下に逃げるぞ!」バッ
ゾンビC「アアアアアアアアアア……」 ガッ
武道家「えっ、ちょっ……ばっ……うぎゃあああああああああああああ!!!」 グシャッ
魔法使い(あっ、なんか新鮮)
僧侶「武道家さあああん!!」
魔法使い「叫んでないで逃げるわよ、勇者一行は死んでも復活できるんでしょ」
僧侶「そ、それはそうですけど……」
兵士「ひとまずあの古い屋敷に逃げ込みましょう、老朽化して捨てられたところです」
魔法使い「ま、近くで一番安全なのはここかしらね、よいしょ」 ガチャッ
僧侶「く……暗くて怖いですぅ……」
魔法使い「明かりが必要ね、火炎魔法っと」 ボッ
僧侶「あ……こ、これで少しは……ひっ!」 ガタッ
魔法使い「誰かいるの?」
猫「にゃー」
魔法使い「なんだ猫か」
兵士「子猫ですね、よしよし」
僧侶「わあ、かわいい」
猫「うにゃーん」
猫「にゃーん」
赤「にゃーにゃー」
魔法使い「あ、触っちゃ駄目よ、可愛いけどバイキンついちゃうでしょ」
赤「にゃーにゃー……」
兵士「あ、のど飴持って来たんですけど食べます?」
魔法使い「ありがと」
僧侶「うりうり」
猫「にゃあー」
魔法使い「ここ思ったよりも平和ね」
兵士「外はゾンビで溢れてるとは思えませんね」
僧侶「って、なんでですかーーーーーーーー!!!!」 ガシャーン
猫「フギャッ!?」
僧侶「駄目ですよこんなの!私ちょっと外でゾンビ退治してきます!」
魔法使い「勝算はあるの?」
僧侶「一応聖職者ですから、村全体に聖なる結界を張ればゾンビの動きは封じられるかと」
魔法使い「でもそれって時間かかるでしょ、仕方ないわね」
僧侶「?」
魔法使い「私が時間を稼ぐわ、僧侶ちゃんはその間にちゃちゃっと結界張っちゃって」
僧侶「魔法使いさん……はい!任せてください!」
魔法使い「その間は兵士、赤ん坊ちょっと頼むわね、泣き出したらおっぱいあげて」
兵士「それは私が未だに処女だったりAカップだったりすることを知って言っているんですね?」
魔法使い「……ごめん」
兵士「くっ」
僧侶「えっと、ここをこうしてっと」
魔法使い「火炎魔法」 ゴオオオオ
ゾンビA「ぎゃあああああああああああああ」
魔法使い「爆発魔法」 チュドーン
ゾンビB「うぎゃあああああああああ」
魔法使い「氷結魔法」 カチーン
武道家ゾンビ「ギャアアアアアアアアアアア」
僧侶「魔法使いさん強いんですね」
魔法使い「ま、これでも魔法の研究は毎日かかさずやってるからね」
ボスゾンビ「おのれ!そこを通せぇぇい!」
魔法使い「悪いけどこの先は行き止まりよ、ここに私が立っている限りはね!」 ドヤッ
ボスゾンビ「 」
魔法使い「勝ったわ」
??「ほほう、ボスゾンビを倒すとは中々やるようだな……」
魔法使い「むっ!」
僧侶「誰ですか!?」
土の四天王「ククク、俺の名は土の四天王!このゾンビ達を束ねる者よ!」
土の四天王「勇者の奴が戻ってくる前に分断した仲間達を全てゾンビへと変えさせてやるわ!はっはっは!」
魔法使い「私は別に勇者の仲間じゃないんだけどね」
僧侶「くっ、なんとも卑劣な!」
土の四天王「ふっ、なんとでも言えい!ゆけっ触手!奴らを血祭り……いや、汁祭りにあげてやれ!」
触手「ショクシュー」
魔法使い「そんな触手に負けたりなんかしない!」
魔法使い「勝ったわ!」
触手「 」
土の四天王「なんでそこで勝っちゃうかなあ!読者もガッカリだよ!」
魔法使い「悪いけど人妻だから簡単に肌を許すわけには」
土の四天王「ククク……だがこれでどうかな!」
兵士「捕まったー」
赤「ままー」
魔法使い「うわっ、何やってんのあんた」
兵士「ごめんなさい」
土の四天王「フハハハハ!こいつらの命が惜しければ股を広げてアヘ顔ダブルピース!」
魔法使い「くっ……ゾンビのくせに変態だなんて……」
僧侶「どうせ下半身も腐れて使えないくせに!!」
土の四天王「ほっとけ!!」
土の四天王「エーロースっ!エーロースっ!」
兵士「エーロースっ!エーロースっ!」
魔法使い「くっ……」
僧侶「魔法使いさん!」
兵士「くく、まずは服を脱いで四つんばいになりな!」
土の四天王「へっへっへ、早くしないと赤ん坊の命は無いぜぇぇ!?」
魔法使い「……」 スル……
土の四天王「ヒューッ!よおし、そのままそのワガママボディを」
ザンッ
戦士「ただいまー」
魔法使い「おかえり」
赤「ぱぱー」 グスッ
戦士「よーしよし、泣くな泣くな」
魔法使い「よく無事だったわね」
戦士「まあな、今まで散々もっとひどい戦場行ってたしな!つーかお前その服!」
魔法使い「暑いから脱いだ」
戦士「そうか、まあ全裸じゃないからよしとしよう」
土の四天王「ちょっと待ておい!俺のこと無視して話すすめんな!!」
戦士「ああ、悪い悪い、で、こいつ何なんだ?」
魔法使い「変態よ」
戦士「変態か」
兵士「やーい変態ー」
土の四天王「お前らブッ殺すぞ」
土の四天王「ふん、だが貴様がどんなに強かろうと俺は不死身!」
土の四天王「この土の四天王様を殺しきることなどできんのだ!フハハハハ!!」
僧侶「あ、でも結界完成したら多分消え去りますよ」
戦士「へー、なーるほど」
土の四天王「それわざわざ言わなくても良くないかなあ!!」
戦士「ってことは俺は結界が完成するまで足止めすればいいわけだな」
僧侶「はい!時間稼ぎをお願いします!」
戦士「へっ、時間を稼ぐのはいいが……別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」 ドヤァ
土の四天王「なっ、なにぃっ!?」
戦士「でやっ!」 ズバンッ
戦士の攻撃! 土の四天王にダメージ!
土の四天王「ぐっ!こんなものっ!」
戦士「おっと!じゃあこいつでどうだ!!」 ザクッ
土の四天王「うぐあっ!」
戦士「へへっ、やっぱり今日は絶好調だぜ!!」
戦士「綺麗な嫁と可愛い子供も見てくれてるんだ、良いとこ見せないといけないしな!」 ドゴッ
土の四天王「ぎゃっ!ぐぐ、こ、こいつ……」
戦士「へっ、こんな楽しい気持ちで戦うのは始めてだぜ!もう何も怖くない!!」
戦士「俺は一人ぼっちじゃないからな!!」
土の四天王「舐めんじゃねえええええっ!!!」
土の四天王は毒の息を吐き出した!
戦士「うぐあっ!?」
土の四天王「クカカカ!どうだ俺の毒の息は!これによって貴様は状態異常でジワジワ……」
戦士「?」
しかし戦士にはきかなかった!
土の四天王「な……なにっ!?くそっ、もう一度!」 ブシャアアアア
土の四天王は毒の息を吐き出した!しかし戦士にはきかなかった!
土の四天王「な……なんだ!?なんで効かないんだ!?」
戦士「ふふ……残念だったな土の四天王……」
戦士「俺の『うんのよさ』は53万だ!!」
土の四天王「!!?」
戦士「そして、こいつで終わりだ!」 ドカンッ
土の四天王「ぐあああああああああああーーーっ!!!」
兵士「やったか!?」
土の四天王「うぐぐ……だがこの俺を倒したところで第二第三の復活した俺が」
僧侶「あ、結界完成しましたー」
土の四天王「うおあああああああああーーーーーーーーっっ…………」 シュワシュワシュワーン
戦士「やったぜ」
魔法使い「やったわね、さて、といったところで……」
魔法使い「兵士、ちょっとこっち来なさい」
兵士「あ、私ちょっと王様からの指令があるんでこのへんで失礼しますね」 ダッ
僧侶(最低だあの人!!)
勇者「と……すいません、何もお役に立てなくて」
村長「なんのなんの、結局村人はみんな無事じゃったんじゃ、結果オーライじゃよ」
戦士「しっかし勇者は弱いなあ、ちょっと俺が稽古つけてやった方が良いんじゃねえか?」
僧侶「あ、そうですね!それがいいですよ勇者様!」
魔法使い「じゃあ僧侶ちゃんもうちで勉強していく?魔道書なら沢山あるわよ?」
僧侶「それはもう!喜んで!」
勇者「欲を言えば二人に一緒に魔王を退治して頂きたいぐらいですけど……」
戦士「ああ、そりゃ無理だ、まだ子供も小さいしな」
魔法使い「そうね、そういう仕事は若い子の仕事よ、まあ頑張って強くなりなさい」
勇者「はい!よろしくお願いします!」
僧侶「あれ?そういえば武道家さんは……」
武道家ゾンビ「アアアアアアア……」 ウロウロ
と、それからしばらく修行した勇者は
結局、それから一年後見事魔王を打ち倒したのであった!
そして……
幼女「いないいなーい、ばー!」
赤「あぱー!」 キャッキャッ
幼女「あははー、じゃあつぎはねー」
魔法使い「子供は元気ねー、全く」
戦士「そうだな、はは、いいことじゃねーか」
魔法使い「まあね、幼女もすっかり大きくなっちゃって」
戦士「ああ、でもすぐに『お父さん臭い』とか言い出すんだろうなあ」
魔法使い「それはもう言ってるけどね」
戦士「えっ」
戦士「ま……まあいいや、それよりよ……」
魔法使い「ん?」
戦士「そろそろその……3人目、欲しくないか……?」
魔法使い「ふふっ、そうね、それも良いかもしれないわね……んっ…」
戦士「ま、魔法使い……そ、それじゃ……」
兵士「ちわーっす!兵士でーす!」 ガチャーン
戦士「 」
兵士「今度の仕事は北の湖に出現した謎の魔物についてですね、それじゃあまた!」 ダッ
戦士「くそっ!!あの野郎いつもいつも!!!」
魔法使い「やれやれね、また行ってくるの?」
戦士「そうなるな、ったく……ま、それじゃあ行ってくるぜ!」
魔法使い「ええ、いってらっしゃい、気をつけてね」
戦士「へへっ、なあに、安心しろよ、すぐに戻ってくるさ!」
おわりんこ
そういう感じでした、こういうダラダラした関係の夫婦は大好きですが
NTRも好きだったりします、終わりです、寝ろ
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