妹「」カキカキッ (36)
妹〔おなかすいた〕
姉「はいはい、用意するからちょっと待って
ね」
妹〔分かった〕
妹「」カキカキッ
妹〔今日の夕飯は?〕
姉「ちくわの天ぷらとおひたし」
妹〔やった〕
姉「茜はちくわの天ぷら好きだもんねぇ」ナデ
ナデッ
妹〔うむ〕
妹「」カキカキッ
妹〔...でも、おひたしは...〕
姉「...好き嫌いは?」
妹〔だめ〕
姉「よしよし」
姉「じゃぁ、茜、お皿並べてーっ」
妹〔はぁい〕
6月25日12時5分
...妹は声をなくした
※復刻版です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385284961
2004年6月25日
その日、私の両親は死んだ
死因は事故死
二人は見るも無惨な姿だったという
その日、運悪く父と母を迎えにいっていた妹。楓はその悲劇を目の辺りにしてしまったのだ
その時高校に行っていた私はまさか、そんなことが起こっているとは思いも
しなかった
...その日は...強い雨の日だった
数学教師「...であるからして、3X×4Yとし
てー...」
姉「...」カキカキッ
姉(...雨強いな...楓大丈夫かな、一人で迎えにいって)
姉(...心配だな)
...はぁっ...!はぁっ!!
ガラッッッ!!
体育教師「楠!楠はいるか!!」
姉「!」ビクッ!
姉「ど、どうしたんですか...?先生そんなに慌てて...」
体育教師「...楠...落ち着いて聞いてくれ...」
体育教師「お前の...お前の両親が事故に遭ったら
しいんだ」
姉「!!!」
...ザァァァァッッッ...!!
その、報告を伝えると同時に雨は一層と強くなったように私は感じた
姉「...はぁっ...!!はっ...!!はぁっ...!」
...バンッッ!!!
姉「お母さん!!お父さん!!」
姉「...っっ!」
...私が病室のドアを開けると
冴えないかおでうなだれている医者
まるで、生気が抜けているような表情をした妹
そして...大きな寝袋のようなものにつつまれたものがベッドに2つおいてあった
姉「...そ...んな...」
医者「...最善は...尽くしたのですが」
医者「申し訳ございません!!」
医者は私に向かって土下座をし謝ってくる
しかし、今の私にはそんなことはどうでもよく
ただ...現実と言う悲劇だけが私の目には写っていた
姉「...うっ...」!
姉「うぅっ...!!うぁぁっ...!!!」
私はその場に沈み混み、声を張り上げ泣いた
姉「おかぁ...さ...!!おとうさぁん...!!!」
私は回りなど気にせず、大声で泣いた
声が枯れるまで泣いた
...だけど...それでも、涙は止まらずに流れ続けていた
妹「...」
...楓も...多分その時泣いていたと思う。
だけど...声は聞こえなかった。
いや
喋らないんじゃなくて
喋れなかったんだと...私はあとで知った。
その日の夜、私の両親の通夜が行われた
姉「...」
親戚A「不憫ねぇ...」ボソボソッ
親戚B「即死だったらしいわよ」ボソボソッ
親戚A「可愛そうに..あの子達これからどうする
のかしら」
親戚B「そんなに言うならあなた引き取りなさいよ」
親戚A「いやよ...私の生活だって苦しいんだか
ら...」
親戚B「しっ!聞こえるわよ...」
姉「...」...ク、ッ
...何でなんだろう
何でうちのお父さんとお母さんが...死ななきゃいけなかったのかな
なにか、悪いことをしたわけでもないのに。
...悔しい。
姉「っ...」ギュゥッ..
私は太ももを強く握りしめ、苛立ちを隠した。
だけど、そんなことで私の苛立ちや悲しみが収まる訳もなかった。
祖父「...皐月ちゃん...ちょっといいかい?」
姉「...おじいちゃん」
この人は私の祖父の範仁さんから、優しく、親戚の中で唯一私たちのこと
を気遣ってくれた人だ
姉「...どうしたんですか?」
おじいちゃんはすこしためらったように口を動かし
少したってからその口を開いた
祖父「...楓ちゃんのことなんだけどね」
姉「楓が...どうかしたんですか...?」
祖父「楓ちゃん...一言もしゃべってないだろう?」
...そういえば...楓を病院で見たときから一言も喋ってない
茜「...ショックなんだと思います」
茜「両親がいきなり亡くなったのですし。」
祖父「...皐月ちゃん」
祖父「...さらに追い討ちをかけるようで...申し訳ないんだけどね。」
姉「...?」
祖父「病室の先生が言っていた」
祖父「...楓ちゃんは...ショックで声が出なくなってしまったらしいんだ。」
姉「...!!」
姉「...そ...んな」
祖父「...お医者さんは...精神的なものだから、治るか治らないかは楓ちゃん自身って言ってた」
祖父「だから..楓ちゃんの声が出るかどうかは...まだ、はっきりとわからないんだ」
祖父「......くっ......!」
気がつくとおじいちゃんは目から涙を流していた。
おじいちゃんは自分の娘が亡くなってすごく辛いはずなのに、それでも尚、私たちの心配をしてくれた。
...本当にその気持ちは私はうれしかった。
姉「...大丈夫」
姉「私が楓についてるから」
姉「絶対にまた元気にしゃべれるように...なるよ」
姉「だから、安心して?...おじいちゃん」ニコッ
祖父「っ...!!うっ...うぅっ...!!」
おじいちゃんは更に泣いた
私も気がつくとまた泣いていた
姉「うぅっ...!うえぇっ...!!!」
涙は外で降っている雨と同じく、やむことを知らず
ただ延々と...延々と泣き声と共に流れ続けていた
そして、犯人の事に関しては犯人は今だに捕まっていない。
それどころか犯人の情報は一つや二つくらいしか発覚しておらず警察が今も目を血眼にして探しているらしい。
...一日も早く犯人は捕まってほしいと私は毎日願っていた
そして...あれから一年が立ち...
2005年2月2日
私は高校三年生になった。
あれからおじいちゃんに、一緒に住もうと誘われたが、私はお母さんやお父さんとの思い出がある自分の家を捨てきれず、そのまま今まで通りに過ごすことにした。
しかし...親の遺産だけでこの先を過ごせるわけもない
なので、私は高校に通いながら、パン屋のバイトと内職を掛け持ちするようになった。
妹は高校一年生になり
声が出ないせいで少し、不自由なところもあるが。いじめもなく、楽しそうに高校生活を送っていた。
妹「...」タッタッタ
妹「...」ヨイショッ
...カランカラーンッ
姉「いらっしゃいませ...って、楓じゃない。」
姉「どうしたの?」
楓は制服姿で、手元にはボードとマーカーを持っていた。
楓はこっちを少し見たあとボードに顔を向け何かをもくもくと書きはじめる。
この光景にもずいぶん慣れたなぁ。としみじみする気分だ。
妹〔学校終わったから、迎えに来た〕
妹「」カキカキッ
妹〔何時ぐらいに終わる?〕
姉「んー...」
私は時計に目をやり時刻を確認する
姉「七時くらいかな」
姉「迎えにきてもらって、悪いんだけど、まだ一時間はあるから...先に帰っててもいいよ?」
楓はそれを聞くと少し、ショボンっとした顔をしボードを抱え込み、下を向いた
姉「んー...どうしよう...」
私が悩んでいると、扉の方から大きい音と共に人がはいってきた
カランカラーンッ
店長「おはよー...」
姉「あ、店長おはようございます」
今、入ってきたショートカットの女の人はこの、パン屋の店長山田愛さん
顔色を見る限り、二日酔いみたいだ。
店長「おぅ...おはよー...楠」
姉「...二日酔いですか?」
店長「俗に言うそれだな」
店長「そんなことより...」
店長はそう言うと座り込んでいる楓を見る
店長「...どうした?お客さんか?楠」
姉「あ、違います違います」
私は首を横にふる
姉「この子は私の妹の楓っていいます」
姉「ほら、楓。ご挨拶は?」
楓は少し、照れた表情を浮かべボードを取りだし店長の前に行った。
妹「」カキカキッ
妹〔始めまして。楠楓です〕ペコッ
店長「...」
姉(...大丈夫かな)
内心言うと私は少し怖かった
声のことで何か言われるのではないかと
だけどそんな不安は...店長の一言であっさりと消えてしまった。
店長「...よろしく、楓ちゃん」
店長「かわええ、ピンク色のボードやな、
お姉ちゃんにかってもらったん?」ニコッ
妹「...」キョトンッ
妹「」...カキカキッ
妹〔はい♪買ってもらいました。ありがとうございます〕ペコッ
ありがとうございます。の後ろには妹が自作で作った猫によく似た顔文字が書かれていた。
姉(珍しい...あれは楓がすごく嬉しいときに使うやつなのに)
姉(...ありがとうございます。店長)
私は楓に近づき頭を撫でながら言う
姉「誉められたね、楓」ニコッ
私がそう言うと楓は嬉しそうに微笑みニコッと笑った
店長「よし...もうちょいで、楠のバイト終わるから、そこの椅子座って待っときな」
そういうと、店長はレジの隣に積んである椅子の一つを取り、店のはじっこにおいてくれた。
姉「いいんですか?店長」
店長「まー、今日はもう客の入りも少ないしな」
店長「そんで...待ってる間これ食べてな」
そういうと、店長は菓子パンの棚に近寄り四つ余ってあったうちの一つのメロンパンを取り紙袋に包み楓に渡した。
姉「そんな...悪いですよ」
私がそういうと店長はいーからいーから。と言い茶を濁す
楓も首を横に振っていたが、やはり体は正直なのだろう。
...くーっ...
妹「!!///」
楓は顔を真っ赤にし下を向いていた。
店長「遠慮しても、体は正直だな」クスッ
そう言い、店長は楓の手元にメロンパンをむりやり、持たせ食べるように言った。
妹「...///」カキカキッ
妹〔ありがとうごさいます(*´ー`*)〕
妹が頭を下げながら言うと店長も頭を下げ
店長「どういたしまして」ニコッ
...と言い二人ともクスクスと笑っていた。
店長「うしっ...じゃぁ、そろそろ行ってくるわ」
そう言い店長はパンの裏方をしてくる。と言い工房に入っていった。
姉「...良かったね、楓。」
楓は頷き微笑んだあと、早速手元に持っていたメロンパンを口に含んだ
...サクッ
妹「!」
妹「...」モグッ...!パクッ...!
楓はメロンパンをひとかじりした後続けて、二口三口ともくもくと食べ始めた。
...口の回りには食べかすが少しついてるがまぁ、あとで注意することにしよう。
姉(...よっぽど美味しいんだろうなぁ...)フフッ
私がそんな楓を微笑みながら、見ていると妹は食べるのを一時中断し、私の口の近くにメロンパンを持ってきた
妹「...?」
今、楓が何を伝えようとしてるかは言葉が話せなくても分かる。
私はそんな楓の優しさが堪らなく嬉しかった
姉「...ありがとう」
姉「でも、お姉ちゃん今、バイトだから...またあとでもらうね。」ニコッ
私がそういうと茜はボードに、分かった(`・ω・′)〕と書き椅子のところに戻り、座り込んだ。
妹「...」ニコッ
姉「ふふ...」ニコッ
...それから、30分後
姉「...ふー...終わった」
時計を見ると針は7時9分を指していた
私は店長にお疲れ様といい、更衣室で着替えた後パン屋の裏口から出た
姉「一回外に出なきゃいけないのをどうにかなったらいいのに...」
そう、呟きながら私は入り口の方からパン屋に入った
カランカラーンッ
店長「おっ、お客さんかい、いらつましゃい」クスッ
姉「もう、店長からかわないでください」フフッ
店長と私は軽い冗談を済ましたあと、楓の方に目をやると
妹「...」スーッ
楓は体を壁によりかけ、よだれを少し滴らしながら、寝むっているようだった
店長「あー...寝ちゃったか」
姉「すみません...」アハハッ...
そういい、私は楓のバッグを肩にかけ、楓をおんぶし、扉に向かう。
店長「おいおい、大丈夫か?」
姉「はい!お疲れ様でした」ニコッ
私はそう言い店長に見送られながら、帰路を急ぐことにした
姉(...楓は高校生になってもちっさいなぁ...)
妹「...」クーッ
背負っている楓見ると茜楓幸せそうな笑みを浮かべながら寝ていた。
こうしてみると、まだ、中学生でも通じそうな幼い顔つきをしているなぁ。など、考えながら片手をつかい、楓がくれた、メロンパンを手に取る。
メロンパンは楓が半分かじっており少
し、不格好になっていたが、私はかまわ
ずメロンパンにかじりついた。
姉(...美味しい...)
...でも
何でだろう
いつもよく食べてるはずなのに...今日のは何故か一段と美味しく感じる
姉「...はうっ...もぐっ...! 」
そんなことを考えながら私は手に持っていたメロンパンをあっという間に平らげた
姉「...ごくんっ!」
姉「...」チラッ
妹「...」スピッー....
姉「...」
姉「...楓のお陰かな。」ニコッ
そう、呟き私は家に向かい走っていった
2005年2月2日終わり。
ばくったかな??
2005年2月2日(裏)
ー桜木警察署ー
小山「...で...目星はついたのか」
島田「いえ...まだ犯人の情報はそこまで掴めておりません」
小山「...はぁ」
小山「情けなくなるな...俺たち警察が証拠の一つや三つしか特定できないなんてな。」
ここは桜木警察署
ここではある事件が今、難解を余儀なくされていた。
それは轢き逃げ事件
何故か犯人の目星はつかず、証拠さえもあまり確定されていないため。警察も何とも煩わしい現象に陥っていた。
島田「...黒いコートと赤色の車」
島田「これだけしか情報が特定されていないのですからね...」
小山「...あぁ」
小山「まぁ、この事に関してはやっと情報を市民に知らせる事が来週から決まった。」
小山「...これで、大分絞りやすくなるだろう。」
小山「あの姉妹も...見つかりさえすれば大分楽になるだろうにな」
島田「...ですね」
小山「...うし」
小山「飯いくぞ、飯」
島田「あっ...ま...待ってくださいよぉ!!」
深夜2:45
深夜2:45
姉「...すぅ...すぅ...」
妹「...」スー...スー...
妹「...」...ピクッ
妹「...」...パチッ
妹「...」キョロッ...キョロッ...
妹「...」...スッ
...カキ...カキ...
くろイコー斗
赤
胃くルマ
オトこ
三グラす
妹「...」...パタンッ
妹「」スゥ...スゥ...
2005年2月2日(裏)終了
2005年2月2日のおまけ!!
ー夕食ー
姉「いただきます」
妹〔いただきます〕
姉「今日はピーマンが安かったから、
ピーマンの肉詰めでーす」パチパチッ
妹「...」←ムゥッピーマン嫌い
姉「あ...ケチャップ忘れた」
姉「とりにいこっ」
スタッ
ガラガラッ
妹「...」チラッチラッ
妹「」サッ
ガラガラッ
姉「...?どうしたの?茜」
妹「」カキカキッ
妹〔なんもないよ?〕
姉「...ならいいんだけど...」
姉「?」
姉「...あれ...ない」
妹「!」
姉「...楓知らない?」
妹「...」カキカキッ
妹〔食べた〕
妹〔美味しかったよ、私の嫌いなピーマンも美味しく食べれた流石、お姉ちゃん!
(>_<")〕
姉「...ふーん...」ジーッ
姉「誰もピーマンがないとは言ってない
んだけどなぁ」ニコッ
妹「!」←墓穴を掘った
※このあと、茜は罰としておやつ代が50円減らされました
楠家の今日の献立
・ピーマンの肉詰め
・お味噌汁
・サラダ
・ご飯
楠家の豆知識っ!コーナー
No.1【楓のボード】
書きやすく消しやすい、dreamtown(デ
パート)のお目玉商品(税込890円)
色は白しか無かったが皐月が塗ってくれ
たぞ!
※ちなみに簡単な挨拶(こんにちわとかい
ただきます)用のカードも持ってるぞ!
No.2【おやつ代】
簡単にいったら買い食いのお駄賃だぞ
!(週に一回だけ)
そして、楓の小遣いは毎月1000円だぞ!
(おやつ代は200円)
終わり。
今日はここまでにします!
2005年3月6日
冬の寒さも過ぎ去り、穏やかな暖かさが包む春
そんな、嬉しい季節ですが、逆に悲しい季節でもあります。
私、楠皐月ももう少しで高校を卒業
...友達とも離ればなれになるなぁ...
でもそれは仕方がない
私一人が寂しいわけじゃないんだ
でも...
でも、やっぱり
姉「別れは辛いよねぇ...」
春奈「...はぁ?」
春奈「いきなりどーした、皐月」クスッ
春夏「変なものでも食べた?」ニヤニヤッ
この目の前でニヤニヤしてる黒髪のツインテールの女の子は私の親友春奈ちゃん
運動がすごくできて、性格もいいし、みんなの人気者だ
...でも、勉強は...
春奈「ねぇ、皐月、今失礼なこと考えてな
い?」
姉「メッソウモナイ」
春奈「ナラヨシ」
春奈「...てか、あんた卒業してからどうするの?」
姉「う...卒業してからかぁ...」
春奈「...」ジトーッ
姉(春奈ちゃん、私が進学もなにもしないっていったら、拗ねるんだよねぇ...)
姉「そ...そういえば、昼休みだったね、先にお弁当取ってこなきゃ」アハハッ
と言い私は軽く話を濁しつつお弁当を取りに行った
春奈「あっ、ちょっと!...もぅ」
...春奈ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど...生活も厳しいしなぁ...
妹の修学旅行代、生活費、家の家賃...
いっぱいあるなぁ...
姉「...はぁ」
などと、ため息をつきながらお弁当を取り出していると肩に誰かが、手をおいていることに気づく
ポンポンッ
姉「んっ...?誰だろ...」クルッ
それに呼応するように私が振り向くと...
ぷにっ
姉「...」
姉「...黒崎くん...」ジーッ
黒崎「ひっかかったひっかかった。」クスッ
この、髪が長めで一見チャラそうに見える男の子は黒崎くん。
私の幼馴染みで、趣味はお菓子作り
昔から、よくお菓子を作ってはうちに持ってきてくれた、優しい子だ
私の両親が死んだあのときも...黒崎くんは必死に励ましてくれたっけ...
黒崎「皐月は今日も手作り弁当か」
姉「妹のもつくらなきゃいけないし、ついでにね」
私がそう言うと黒崎くんは手に持っていたパンをポケットに入れ手を叩いた
姉「そういう、黒崎くんはまた、パン?」
黒崎「今日はお袋が熱出しちまってさ」
黒崎「家、かえって看病しなきゃいけないからな...」
黒崎くんは少し顔を下に向け言う
姉「え...?大丈夫なの?おばさん」
姉「...お見舞い行こうか?」
黒崎「いや、大丈夫」
黒崎「お前だって、バイトあるだろ?」
黒崎「心配すんな、俺んちのばばぁのことだ百年たっても生きてるよ」ハハッ
黒崎くんは笑いながらそう言った後バックからあるものを取り出した。
黒崎「あとー...お前に渡すもんが...」ゴソゴソッ
皐月「おっ、パティシエ黒崎は今日は何を作ったのかなー...」パカッ
私がタッパーを受け取りふたを開けると中には桜色の可愛らしい形の大福が5つ入ってあった。
の大福はとても、色鮮やかで素人が作ったたとはとても思えない出来だった。
...そして私の大好物でもある
姉「わぁっ...!可愛い」
私がそう言うと黒崎くんははどや顔で話し出す
黒崎「だろー?」
姉「うん!ほんとにすごい!」
黒崎 「それに今回は...お前が体重を気にせず、食べれるよう...砂糖は少な目にしといたしな」
ニヤニヤッ
姉「!///」
姉「ばっ、ばかっ!//」
私が赤面になりながら、怒ると黒崎くんは軽く笑いながら自分の教室に向かい走って行った
黒崎「じゃぁなー」ニッ
姉「...もうっ...」ハァッ
姉「...」チラッ
ため息をついた後手元にあるタッパーを見ると桜色の美味しそうな大福が食欲をそそる。
そして尚且つこちらに語りかけてくるようだった
「お前、昼飯食ってないだろ?」...と
...あれ...お昼御飯といえば...なんか忘れて...
...
姉「...あっー!春奈ちゃんと食べるの忘れて
た!!」
春奈「...」ムスッ
姉「ご...ごめんね...春奈ちゃん...」
春奈「...別に怒ってないですけど」
姉(なぜ、敬語ぉ...)
姉「え...えーと...ほんとにごめんね!ほんと
に!!」
春奈「...」
春奈「はぁ...もういいわよ」
春奈「早く、ご飯食べよ。昼休みのじかんなく
もう」コツンッ
なるよ、
姉「あいたっ」
姉「...春奈ちゃん...」ジーンッ
春奈ちゃんは少し、怒ってたけど許してくれま
した
それは嬉しかったけど...でも、
怒ってたみたいで
春奈「...今日のお弁当の主食なに?」
姉「んー?」
姉「...アジフライ」
春奈「」ヒョイッ
姉「はぅっ!」
春奈「半分もーらい」サクッ
...アジフライを半分とられました
放課後
...キンコンカンコーンッ
オワッタッー
オツカレッー
マタナーッ
姉(今日の夕飯どうしよっかなー...)テクテクッ
姉(たしか卵があったっけ...あとは。ベーコンと
玉ねぎ...)
姉「...よし」
姉「オムライスにしよう」
何てことを考えているといつのまにか家につい
ていた
人間集中すれば、物事は早く進むんだな。
と一人感心しつつ家のなかに入っていった
姉「...ただいまー」
投下ミス
妹「」タッタッタ!
姉「?楓ただい...」
...ダキッ!
姉「...?どうしたの、楓いきなり」ナデナデッ
家に入ると同時に楓が私に抱きついてくる。
理由はわからないがこれは楓の気分が良いときによくする事だ。
妹「」カキカキッ
妹〔友達つれてきた!〕
妹「」フフンッ!
楓は自慢げにボードに書いたあと、また、走って行き二階に上がっていった。
姉「こらっ、階段は走らない」
姉(...楓が友達を連れてくるなんて何年ぶりだろう)
姉「まぁ...友達を連れてくるのはいいことだ」クスッ
私は一人つぶやくとバックをリビングに置き、楓たちにお菓子を持っていこうと戸棚を開ける
姉「あーっ...今日に限ってないのかぁ...」
姉「買いに行こうかな...あっ」
そういえば...バッグに黒崎くんがくれた大福があったっけ。
私はリビングに戻りバックの中から、大福を二個取りだしお皿に一個ずつ盛った
姉(...美味しそう...)
姉「っと、いけないいけない」
私はお茶を入れた後、楓の部屋に上がっていった。
コンコンッ
?「あっ...どうぞ」
扉の先から聞き慣れない声が聞こえてくる
私はそれに呼応するように扉を開けた
姉「...楓、おやつもってきたよ」ガチャッ
ドアを開けるとそこには楓と見知らぬ女の子が座ってトランプをしているようだ
女の子は座っていても分かるほど、背が高く長めのポニーテールをしている。
...まるで、楓と真逆だなぁ。
姉「えーと...楓のお友だちかな?」
私がそう聞くと女の子はトランプを一旦置きこっちへ向りむいた
椿「始めまして」
椿「楓ちゃんのお友だちの北川椿と言います」ペコッ
女の子はとても礼儀正しく挨拶を返してき
その風貌はまるで、高校一年生には見えず、凛とした雰囲気を漂わせていた。
姉「いえいえご丁寧にどうも」ペコッ
私が挨拶をした後楓に目を向けると楓はえへへっと笑いながらこちらをみている
姉「...楓と仲良くしてくれてありがとう」ニコッ
そう言い、私がおやつとお茶を床に置くと椿ちゃんは「あ、すみませんありがとうございます」と一言言い残し楓の方に目を戻す
楓は手元に大福を持ち早速、かぶりついていた
妹「」ンァッー...
妹「」モッチモッチ
妹「」...ゴクンッ
妹「」カキカキッ
妹〔これ美味しい!〕
椿「そうだね、美味しいね」ニコッ
椿ちゃんと楓は二人で笑いながら、大福を頬張り喜んでいるようだ
...美味しそうだな
姉(...私も後で食べよ)ジッー
妹「...?」
楓は私を見たあと、食べかけの大福を置きボードに手を伸ばす
妹「」カキカキッ
妹[お姉ちゃん、食べる??]
妹はそう書いて見せたあと、大福をこっちに差し出してきた
姉「大丈夫大丈夫まだ、残ってるから」ポンポンッ
姉「その、大福美味しいでしょ??」
姉「黒崎くんって子が作ってくれたんだよ」ニコッ
椿「そうだったんですか」
椿「私はてっきり皐月さんが作ったのかと...」
と言い椿ちゃんは大福を見つめ呟いている
姉「そんな、味が出せるようになったらいいんだけどねぇ」フフッ
と私が言うと妹が横から入ってきボードを出した
妹[お姉ちゃんの料理が一番!!]
今日はここまでにします
ダメなとことかあったら言うてください
姉「楓...」ジーンッ
楓はフフンっと顔をあげ自慢げに椿ちゃんに自慢しているようだ
椿「ふふっ、すごいね」
椿ちゃんもそれに会わせるよう相づちを打っている
姉「そ...そんなそんな...///」
私は自分の頭を撫でながらまんざらでもない気分だった。
椿「仲良いですね、お姉さんと」チラッ
椿ちゃんは楓をチラッと見てニコッと笑う
妹「」カキカキッ
妹[うん!]
妹[ずっと、一緒なの!]
楓はそのボードを見せたあとエヘヘッと笑みを浮かべている
椿「いいなぁ...」チラッ
と言い椿ちゃんは時計を見る
椿「...そろそろ、時間なので帰りますね」
妹[もう帰っちゃうの?]
椿「ごめんね?また来るから」ナデナデッ
椿ちゃんは楓の頭を撫でながら鞄を取り立ち上がる
椿「お邪魔しました」ペコッ
姉「また、いつでも来てね」ニコッ
椿「ありがとうございます」ニコッ
椿「それじゃぁ...また、明日ね楓ちゃん」
妹[バイバイ!また明日(*´ω`*)]
私と楓はドアを開き椿ちゃんを見送った後家のなかに入る
姉「...」
良かった...楓にも友達が出来たんだ
妹「...?」
妹は、ボッーとした私を不思議そうに見つめる
姉「...なーんもない」クスッ
姉「さっ、ご飯食べよっか」ニコッ
妹「」カキカキッ
妹[うん!]
2005年3月6日終わり
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