アキ「ある日の午後」 (19)
アキ(今日はテスト開けで学校は午前中で終わり……)
アキ(このまま帰るのも何だし、ちょっとブラブラしようかしら)
アキ「あ……ここのクレープ屋さん、新作出たんだ」
アキ「…………」←お小遣いと相談中
アキ(たまには良いでしょう。そう、これはテストを頑張った自分へのご褒美なのよ)スタスタ
<キャキャキャ
アキ(学校帰りの子も結構居るのね。ここ、休日にしか来た事ないから知らなかったわ)モグモグ
アキ(しかもほとんどは友達連れ……1人で来てるのは私だけ、か)
アキ「…………」
アキ(いや、私ぼっちじゃないし。クラスにもちゃんと友達居るし。今日はたまたまだし)
アキ(……何か変にライフを削られた気分だわ。やっぱりクレープ食べたら今日はさっさと帰りましょう)モグモグ
遊星「おい、アキ」
アキ「んがっくっく!?」ビクッ
アキ「ブ、ブルーベリーのソースが気管に……けほっ、けほっ!!」
遊星「大丈夫か? 悪い、まさかこんなに驚かれるとは思わなくて……」セナカサスリサスリ
アキ「ゆ、遊星? 何であなたがここに?」
遊星「この近くにある会社にパソコンの修理を頼まれてな。
それでその帰りにたまたまこの店の前を通ったらアキの姿が見えたんで声を掛けたんだ」
アキ「そうなの……」
アキ(び、びっくりした。まさかこんな場所で遊星に会うとは思わなかったわ)
遊星「今日は学校は? まだ昼だろ?」
アキ「テスト開けなのよ。学校は午前中で終わりなの」
遊星「成る程。言われてみれば周りも学生ばかりだな……で、アキは学校帰りに買い食いという訳か」
アキ「そうよ。学校帰りに1人寂しくクレープ食べてるのよ。悪い?」
遊星「別に悪くない。買い食いなんて学生らしくて良いじゃないか」
アキ「ふん……」モグモグ
遊星(驚かせた事を怒っているのか? 次からは気を付けよう)
アキ(うぅ、いきなり過ぎて変に緊張しちゃうわね……)
遊星「せっかくだから俺も何か食べようかな」
アキ「えっ、貴方がクレープを食べるの?」
遊星「……変か?」
アキ「えっと、ごめんなさい。正直こういうの食べるイメージなかったから……」
遊星「結構甘い物好きなんだ……あ、スイマセン。このチョコバナナスペシャル下さい」
店員「カシコマリー」
アキ(何か貴重なシーンを目撃している様な気がする)
アキ「でも貴方が甘い物好きだったなんて初耳だわ。他に何か好きな物とかあるの?」
遊星「そうだな……ミルクに苺、後オムライスとか好きだな」モキュモキュ
アキ「ふふっ、何だか子供みたいね」
遊星「それと肉団子も好きだ。この前アキが作ってくれたのは美味しかったぞ」モキュモキュ
アキ「……ごめん。頼むからその話はしないで///」
遊星「アキがそう言うならそうするが……それより頬にクリーム付いてるぞ」モキュモキュ
アキ「えっ、やだ!?」アセアセ
遊星「そっちじゃない。こっちだ」フキフキ
アキ「ちょ!?///」
アキ「ゆ、遊星! い、いきなり何するのよ!?」
遊星「何ってハンカチで拭いただけだ。大丈夫、今朝クロウが持たしてくれた綺麗なやつだから」
アキ「そういう意味じゃなくて……その……こんな人前で……///」
遊星「人前だと何か不味いのか?」
アキ「だ、だから……」
女子A「あれ、あそこに居るの十六夜さんじゃない?」
アキ「!?」
女子B「クールなイメージあったけどこういう所にも来るんだ。何か可愛いかも」
女子C「隣の人、彼氏かなぁ~? 髪型はちょっと個性的だけどぉ~カッコいい人だねぇ~」
アキ(あれは同じクラスの……不味い、これは非常に不味いわ!)
ぶっちゃけ遊戯王SSがVIPで伸びてるの見たことないから完結してるならSS速報のがいいぞ
あっちは割かし遊戯王SS読まれてるし
女子A「声掛けてみようか?」
女子C「でもデート中だったら悪いよぉ~」
アキ「くっ、遊星、店を出るわよ!」
遊星「まだ俺もお前も食べている途中だろ?」モキュモキュ
アキ「クレープ何だから歩きながら食べれば良いでしょ! ほら、早く行くわよ!!」ギュ
遊星「分かった」モキュモキュ
女子B「あ、仲よく手を繋いで出て行くぞ!」
女子A「やっぱり彼氏だったのね。さすが十六夜さん、私達より一歩先を進んでるわ」
女子C「良いなぁ~。私もあんなカッコいい彼氏欲しいなぁ~」
アキ(もう、何で私がこんな思いしなきゃいけないのよ!!///)
遊星(ここのクレープ、美味しいな……今度、龍亞や龍可達も連れてまた来るか)モキュモキュ
>>10
まあ前作こっちで書いたしあんまり長くないから今回はこのままこっちで書くわ。次からはそうする。
…………
遊星「何だか疲れた顔をしているな。勉強疲れが今になって出たんじゃないのか?」
アキ「……誰のせいだと思ってるのよ?」
遊星「ん、誰かに何かされたのか?」
アキ「はぁ、もう良いわ……遊星はやっぱり遊星ね」
遊星「? 良く分からないが、疲れているなら今日はもう家に戻った方が良いんじゃないのか?」
アキ「そうするわ。遊星はこれからどうするの?」
遊星「そうだな……仕事ももう終わったし、俺もこのままブラブラ歩いて帰るさ」
アキ「あら、歩いてってDホイールで来たんじゃないの?」
遊星「最近ガレージにずっと居る事が多いからな。たまには歩いて運動した方が良いと思ってな」
アキ「ふぅん、遊星もそういうところ気にするのね」
遊星「そういえばアキはこの近くに住んでいるだっけ?」
アキ「ええ、もう少しだけ歩くけどね」
遊星「なら送って行こう」
アキ「えっ? いいわよ、別にそんな事しなくても」アセアセ
遊星「遠慮する事は無い。さっきも言ったがもう仕事が終わって他に用事も無いからな」
アキ「で、でも……」
アキ(もし遊星と一緒に帰っているところをまた誰かに見られたら変な誤解を受けそうなのよね。
まあ正直、私としてはあまり悪い気はしないんだけど……ん?)
ぽた……ぽた……
遊星「雨か。激しくなる前に移動した方が良いな……行くぞ、アキ」ギュ
アキ「ちょ、いきなり手を引っ張らないでよ!?///」
遊星「すまない。だがアキもクレープ屋でいきなり俺の手を引いたじゃないか」
アキ「そ、それは……と、とにかく離して! ちゃんとついて行くから!!///」アセアセ
十六夜邸……
ざあああああぁぁぁぁ……
遊星「急いだが結構濡れてしまったな」
アキ「仕方ないわよ、急に本降りになったんだから……とりあえず上がって。すぐにタオル出すから」
遊星「すまない。しかし何時見ても立派な家だな、アキの家は」
アキ「無駄に広いだけよ。恥ずかしいからあんまりジロジロ見ないで……ただいま~」ガチャ
節子「お帰りなさい、アキ。雨凄かったで……あら?」
遊星「あ、ご無沙汰してます」ペコリ
節子「あらあらあらあらあらあらあらあらあら♪」キラーン☆
アキ「ちょっと、ママ。そんなキラキラした目でこっちを見ないでよ……」
節子「もうアキったら。遊星君連れてくるなら連絡してくれないと……知ってたらもう少しお化粧も気合い入れてたのに」
アキ「入れなくていい。学校帰りにたまたま遊星と会って送って貰っただけなんだから」
節子「そうなの? ごめんなさいね、こんなに濡らせちゃって」
遊星「いえ、大丈夫です。昔から身体だけは丈夫なので」
節子「せっかくだから少し温まって行きなさいな。その間に雨も止むでしょう。うん、そうしましょう」
アキ「ちょっと、何勝手にママが話を進めているのよ?」
節子「せっかくこの雨の中を送って頂いたのよ? 用が済んだら『はい、さよなら』なんてそんな失礼な事は出来ないわよ」
アキ「そ、それはそうだけど……」
節子「すぐにバスタオル持ってくるわね。あ、ついでにお風呂入っていきなさい」
遊星「いえ、さすがにそこまでは……」
節子「遠慮しないの。このままだと風邪引いちゃうから。ね?」グイグイ
遊星「は、はあ……なら、アキから先に」
節子「まあ、遊星君は優しいのね。もし良かったらアキと一緒に入っても……」
アキ「さあ、お風呂に入ろうかしら! 1人でさっさと入るわよ、うん!!」
…………
アキ「上がったわよ」ホカホカ
節子「あら、本当にさっさと入ったのね。もう少し遊星君と2人だけでお話したかったのに」ホッペプクー
アキ(それが嫌だから早く上がったのよ)
節子「はい、遊星君。着替え、お父さんのだけど」
遊星「何から何までありがとうございます。ではお風呂頂きます」ペコリ
アキ「……遊星に変な事聞いてないでしょうね?」
節子「まさか。それよりアキ、遊星君まだ彼女居ないって言ったわよ? まだ告白してなかったの?」
アキ「聞いてるじゃない、もう!!」
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