勇者「強くなりすぎた」(136)
母「起きなさ・・・」
勇者「今日は僕の16歳の誕生日だね母さん!」
母「え、ええ。今日は王・・・」
勇者「王様の所へ行く約束だったからもう行くね!」
勇者「行ってきます!」
母「ええええええ」
勇者「魔王を倒してきます」
王様「それでは仲間を・・・」
勇者「連れてくんですね!分かりました!」
勇者「ドキドキするな」
勇者「きっとみんな強いんだろうな」
勇者「仲間になる人達の足手まといにならないように頑張ろう!」
勇者「旅の仲間を探しに来ました!」
女性「それじゃこの一覧から選んでくれるかしら」
勇者「・・・」
勇者「・・・なんですかこれ」
女性「?」
勇者「みんなレベル1じゃないですか!」
勇者「僕はこの日のために毎日血の滲むような特訓をしてきました」
勇者「それもこれも魔王を倒すためです、なのに!」
勇者「この人達揃いも揃って魔王嘗めてるんですか!」
女性「そ、そんなこと言っても・・・」
勇者「・・・もういいです、僧侶を一人お願いします」
僧侶「初めまして勇者様! 勇者様と旅できるなんて光栄です!」
勇者「なにができるの?」
僧侶「はい?」
勇者「君はなにができるの?」
僧侶「・・・す、すいません。まだなにも出来ないんです」
勇者「・・・回復は?」
僧侶「・・・すいません」
勇者「今までなにしてたの君」
勇者「せめて回復できる人が欲しかったから僧侶を指名したんだけどなー」
勇者「何故か女の人だし」
勇者「存在が癒しです、ってか! やかましいよ!」
僧侶「」ビクッ
勇者「・・・もういいです、行きましょう」
僧侶「あ、あの」
勇者「はい?」
僧侶「装備が、ないです・・・」
勇者「本当に旅に出る気あるの?」
僧侶「重ね重ねすいません・・・」
勇者「もういいですよ」
勇者「そりゃ布の服一枚で魔王を倒しに行こうとしてるの知った時は驚きましたけど」
勇者「僕もきつく言い過ぎました、これから強くなっていきましょう!」
僧侶「・・・! は、はい! 頑張ります!」
勇者「はあ・・・」
勇者「とりあえず近くの村まで行きましょう」
僧侶「そうですね」
勇者「戦闘になったら僕の後ろにいてくださいね」
僧侶「分かりまし・・・あ、早速魔物です!」
勇者「なにっ!」
魔物「ピキー」
勇者「・・・」
僧侶「ゆ、勇者様そんなに近寄ったら危ないですよ!」
勇者「」ズバッ
勇者「先を急ぎましょうか」
勇者「僧侶さんのレベルを上げたいと思います」
僧侶「そ、そうですね! 私も早く一人前にならなきゃです!」
勇者「なのでこれからの戦闘はやっぱり僧侶さんにメインで戦ってもらいます」
僧侶「そ、そんな! 勇者様が倒してくれたら私にも経験値が・・・」
勇者「そんな甘い話あるわけないでしょ!」
僧侶「」ビクッ
勇者「何事も体を動かして慣れていくものです! 大丈夫、いざとなったら僕も手伝いますよ!」
僧侶「そうですね・・・私勇者様に甘えてました」
僧侶「頑張ってみます!」
僧侶「あ、早速魔物ですね!」
勇者「頑張ってくださいね!」
僧侶「はい! やー!」
魔物「ピキー!」
僧侶「う、うう」
僧侶「す、すいません勇者様! 私今まで動物も虐めたことなくて!」
勇者「はい?」
僧侶「この子を、その、こん棒で殴りつけるのは気が引けるというか・・・」
魔物「ピキー」
僧侶「ほら、この子もそんなに悪い子じゃなさそうですし」
僧侶「そ、それに私聖職者なんで殺生はいけないというか・・・」
勇者「・・・」イラッ
勇者「隣の村に着きましたね」
僧侶「ううう・・・いっぱい殴りつけちゃいました・・・」
僧侶「夢に出そうです・・・」
勇者「レベル上がってよかったじゃないですか」
勇者「回復魔法は覚えませんでしたが」
僧侶「あはは、このままじゃ私戦士ですね」
勇者「あはは、笑い事ではないんだよ」
勇者「・・・宿屋に着いたら簡単なの教えます」
僧侶「ええ! 勇者様回復魔法も使えるんですか? 凄いです!」
勇者「はあ・・・」
宿屋「お二人様ですね、別々のお部屋になさいますか?」
勇者「いや、二人部屋でお願いします」
僧侶「!」
僧侶「ゆ、勇者様、破廉恥です!」
勇者「すいません、無駄遣いしなければ別々の部屋を頼めたんですが」
僧侶「もう! 無駄遣いはだめですよ!」
勇者「」イラッ
勇者「それじゃあ簡単なのから覚えていきましょう」
宿屋「昨晩はお楽しみでしたね」
僧侶「ブツブツ」
勇者「僧侶さん大丈夫ですか?」
僧侶「ああ、今話し掛けないでください! 忘れちゃいます!」
勇者(テストかよ!)
勇者(頑張ってるのは分かるんだけどな)
勇者「それじゃ次の村に向かいましょうか!」
僧侶「ブツブツ」
僧侶「え? なんですか?」
勇者「」イラッ
勇者「次の町にはこの洞窟を通らないといけないんですね」
僧侶「でも道が塞がってますよ?」
勇者「そうですね・・・」
勇者「あれ、ここらへん空洞になってませんか?」
僧侶「確かに! 奥に道がありそうですね!」
僧侶「なにが仕掛けがあるんでしょうか」
勇者「せいっ!」ドガッ
僧侶「」
僧侶「ちょっ! 勇者様何体当たりしてるんですか!」
勇者「こうしてる間にも魔王は人々を苦しめているんです!」
勇者「壁があったら打ち破るのが勇者でしょう!」
僧侶「勇者様は頭が悪いのかもしれない」
僧侶「まさか本当に体当たりで通れるとは思いませんでした! 勇者様力持ちなんですね!」
僧侶「勇者様肩痛めてませんか?」
勇者「ちょっと無理しました」
勇者「あ、折角なので昨日教えたの使ってみてください!」
僧侶「はい! いきますよ!」
僧侶「ブツブツブツブツ」パアァ
勇者「や、やった! 出来るようになってるじゃないですか!」
僧侶「ブツブツブツブツ」パアァ
勇者「ちょっと時間かかりますけど徐々に慣れて早くなると思いますよ」
僧侶「は! ここは!?」
勇者「次の町です」
勇者「僧侶さん回復魔法のあとに気を失ってしまったんですよ」
僧侶「そうなんですか・・・」
勇者「いやいいんですよ」
勇者「二時間もかけて結局ほとんど回復しないうえに、気を失った僧侶さんを背負ってこの町まで運んできたことなんて全然気にしてないですよ」
僧侶「よかったー、勇者様優しいです!」
勇者「」イラッ
僧侶「ここは城下街なんですね」
勇者「王様に謁見してきます、疲れてるなら僕一人で行きますが」
僧侶「いや、私も行きます!」
勇者「じゃあ行きましょう」
王様「・・・というわけで冠を取り返してきてほしいのじゃ」
勇者「一国を治めてる自覚あるんですか?」
王様「え」
勇者「この国の人達はなぜここに住んでると思いますか? 安心だからですよ」
勇者「それが、たかが盗賊に王の証を奪われて」
勇者「それでどうして国民が安心できますか!」
王様「う、うむ」
勇者「しかもよその国の勇者に助けを求めて」
勇者「恥を知りなさい恥を!」
僧侶「ゆ、勇者様・・・」
僧侶「一時はどうなることかと思いましたよ」
僧侶「奥に引っ込もうとする王様を呼び止めてまで説教を続けるんですもん」
僧侶「最後の方王様半泣きでしたよ」
勇者「つい溜まってた怒りが・・・」
僧侶「もー、不満とか愚痴とか一人で抱え込まないでくださいね」
勇者「」イラッ
勇者「頼まれた以上、王様の面子もあるでしょうし冠を取り返しに行きましょう」
僧侶「行きましょう!」
勇者「忘れてましたけど戦闘は僧侶さんメインですよ」
僧侶「ええ!」
勇者「危なくなっても自分で回復魔法は使わないように」
僧侶「うう・・・勇者様回復してくださいね」
勇者「あ、魔物ですよ!」
僧侶「この辺りまで来ると結構グロテスクな魔物が増えますね・・・」
勇者「頑張ってください!」
僧侶「が、頑張ります! やー!」
僧侶「か、かかってきなさい! 私だって勇者様ご一行なんだから!」
勇者(ご一行・・・?)
魔物「がー!」ドガッ
僧侶「痛い!」
魔物「がー」ドガッ
僧侶「ごめんなさいごめんなさい!」
魔物「がー!」ドガッ
僧侶「ギャフン!」
勇者「ぱ、パーフェクトゲームされてる・・・」
僧侶「うーん」
勇者「大丈夫ですか?」
僧侶「はっ! やー!」ドガッ
勇者「」イラッ
僧侶「す、すいません勇者様! 魔物かと思って」
僧侶「ところでここは?」
勇者「盗賊のアジトです」
僧侶「ええ! ま、まだ心の準備が!」
勇者「僧侶さんは心の準備ができたらなにか変わるんですか?」
僧侶「あ、あれ盗賊じゃないですか?」
勇者「あのパンツ覆面男は人質ですかね」
僧侶「そうじゃないですか? きっと身ぐるみ剥がされたんですよ」
勇者「なんて酷い奴らだ・・・!」
勇者「人質をなんとか助けないと!」
僧侶「そうですね!」
僧侶「盗賊の方々! 人質を解放しなさい!」
勇者「真正面から行ったらばれちゃうだろ」
盗賊「なんだあいつら」
盗賊「まさか冠を取り返しにきたんじゃ・・・」
親分「なんだおまえらビビりやがって、ガキと女じゃねえか」
親分「それにいざって時は罠もあるしな」
盗賊(汚い、流石親分汚い)
僧侶「なんか人質と話してますよ」
勇者「きっと脅されてるんですよ」
僧侶「ひょっとして今がチャンスじゃないですか?」
僧侶「行きましょう!」
勇者「あ、また勝手に!」
亮
僧侶「やー!」
盗賊「なんかきましたよ」
親分「落としとけ」
盗賊「了解っす」
勇者「僧侶さん危ない!」
僧侶「え!?」
勇者「え」カパッ
勇者「おわあああああ」
盗賊「落とし穴間違えた」
親分「げへへ、お嬢さんこんにちは」
僧侶「あわわ・・・」
僧侶「あ、あなた人質じゃなかったんですか!?」
親分「え、俺?」
僧侶「人質じゃないってことは好き好んでそんな格好してるんですよね!」
僧侶「は、破廉恥です!」
親分「」
盗賊「ブフッ」
親分「あのなお嬢さん、自分の置かれてる状況分かってんのか?」
僧侶「い、いや! 近寄らないでください!」
親分「」イラッ
親分「とっととずらかるぞ」
僧侶「うーん」
盗賊「この子うなされてますよ」
盗賊「可哀相に、変態に襲われる夢でも見てるんだろう」
親分「黙ってろ!」
勇者「待て」
親分「どうしてここに!?」
勇者「落としたんだから下にいるに決まってるだろ」
勇者「省略」
僧侶「あれ? 私今までなにを」
勇者「何もしてないよ」
僧侶「え、でも・・・」
勇者「君は何もしなかったよ」
僧侶「・・・はい」
勇者「次の町に急ごう」
僧侶「そうですね!」
僧侶「私達の旅はまだ始まったばかり!」
未完
正直旅に出るまでが山だった
>>126
俺も旅に出るまでが一番楽しかった
人生ってそういうもんだよね
>>127
え?ちゃんと筋あったんじゃねえの?即興?何目指してたの?
僧侶「さすがは魔王バラモス……ってとこね。3回も殴る必要性のある生命体がいるとは思ってもいなかった」
勇者「僧侶さん今までほんとすみませんでした」
>>131
スレ立たないと思ってた
立ったからとりあえず書いた
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