P「はるちは?」 ちぃ「わっほい!」 (68)
<ハーイ、オーケーデース
春香・千早「ありがとうございましたー!」
春香「思ったより早く終わったね!」
千早「そうね。でも、私たちがまさかこんな仕事をするとは…」
春香「いつまでもアイドル活動一本で通じるわけじゃないんだよ?千早ちゃん」
千早「ふふ。春香が言うと説得力があるわ。流石、バラエティーをこなしてきただけのことはあるわね」
春香「それは言わないで…」シクシク
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384690212
P「おーい、ちーちゃん」 ちぃ「なぁに?」
P「おーい、ちーちゃん」 ちぃ「なぁに?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381674659/)
P「一緒に事務所行くか?」 ちぃ「うん!」
P「一緒に事務所行くか?」 ちぃ「うん!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382799012/)
雪歩「ちぃちゃんが私の家に?」 ちぃ「えへへー」
雪歩「ちぃちゃんが私の家に?」 ちぃ「えへへー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383919641/)
の続きと言うか蛇足的な。書き溜めです。
なお、ちぃちゃんは出てきませんし、シリーズ上のはるちはになるので注意。
────────
──────
────
千早「温泉番組…ですか?」
P「ああ。千早と春香にオファーがかかったんだけどやってみないか?」
春香「温泉番組って、実際に入浴してリポートする感じですよね?」
P「その通り。そのリポーター役に二人が抜擢されたワケだ」
P「地方のロケだから、場合によっちゃあ一泊するかもな」
千早「はぁ……。あ…でも、ちぃの面倒をみてくれる人がいなくなるわね…。あなたも仕事でしょう?」
P「その気になれば、事務所でも面倒見れるから大丈夫だって。小鳥さんもいるし」
小鳥「ちぃちゃんのお世話ですか!?任せて下さい!紙とインクから生まれる高尚な世界を教えますよ…」グヘヘ
P「それに、ちぃはそんなに騒ぐようなコじゃないしな」
千早「確かにそうだけど…」
小鳥(あれ?無視ですか?)
P「それより千早。『プロデューサー』じゃなくていいのか?」
千早「え?」
P「あと敬語も」
千早「…あっ//」
P「ははは。アイドルの如月千早じゃなくて、母親の如月千早だったな」
千早「うぅ…//」テレ
P「俺はどっちも好きだぞ」ナデナデ
千早「…もう!私は子供じゃないんですから!」プンスカ
千早「それに…。母親の私は…もう『如月』じゃないですし…//」テレテレ
P「おっと、それもそうだな」ハハハ
春香(あれー?私、忘れられてませんかー?)
小鳥(事務所でイチャイチャなんて爆ぜろピヨ)
P「で、どうする?2人で指名されてるから、千早と春香の都合が合えばの話なんだけど…」
千早「私は丁度空いてますけど…。ただ、あまりテレビ前で露出は…」シュン
P「そこは大丈夫だ。ちゃんとバスタオル巻いて撮るし」
千早「だから余計に…。くっ!」
P「?」
P「春香はどうだ?」
春香「……」
春香(最近、千早ちゃんと2人でお仕事なんてなかったからなぁ…)
春香(何より…、なんだかんだ言っても千早ちゃんの幸せなノロケ話を聞きたい私がいる!)
P「はるかー?」
春香(えへへ…、女二人旅ですよ!二人旅!)ニヤニヤ
春香(……あと、ちょっと気になることもあるし…)
春香(この機会をフル活用させてもらおうっと!)
千早「…あの、プロデューサー」
P「ん、どうした?」
千早「折角の仕事ですが、やはり…、なんというか…カラダのラインが…//」モジモジ
P「はぁ」
千早「それにやっぱりちぃのことも心配ですし、今回の件は
春香「やりましょう」
千早「…え?」
P「温泉リポーター、私達が引き受けましょう!」ドン!!
千早「え、ちょっと!春香!?」
春香「千早ちゃん。女には…やらなきゃいけない時があるんだよ!」ドドン!!
千早「そんなの知らないわよ!プロデューサー!私は…」
P「おぉ!そうか!引き受けてくれるかぁ!」ニコニコ
P「実はこれ、俺が仕事で懇意にしてる人からの頼みでさ。なかなか断りにくかったんだよ…」
千早「わたしは…」
P「いやぁ、助かる!世間で『はるちは』言われるだけのことはあるな!」ハハハ
春香「いつまでたっても『はるちは』は健在ですよ!わっほい!」
春香「さぁ、プロデューサーさん!早くOKの電話を!」
P「そうだな!それじゃちょっと失礼して…と」ポパピプペ
P「あ、もしもし?765プロの者ですが…」
春香「楽しみだね、千早ちゃん!」ニコニコ
千早「…」ボーゼン
────────
──────
────
春香「なんだかんだで千早ちゃんも結構楽しんでたよね?」
千早「まぁ、無理矢理だけど引き受けた仕事だし…。少しはリラックスさせてもらったわ」ホクホク
春香「そうだ!まだ時間あるし、一緒に温泉めぐりしようよ!」
千早「え?帰りの時間を繰り上げるんじゃ…」
春香「もー、固いなぁ。固いなぁ千早ちゃんは。今回は宿泊までがセットになってるんだよ?」
千早「どうして2回言ったのかしら?」
春香「そりゃあ…」チラ
千早「……」ジー
春香「ごめんなさい」
千早「宿泊のことは知ってるけど…、ちぃも心配だし…」ソワソワ
春香「だーいじょうぶ!雪歩がちぃちゃんのお世話してくれるんでしょ?何も心配ないでしょ」
千早「でも…」
春香「あ。そういえばここの温泉、豊乳祈願の牛乳風呂もあるって噂が…」
千早「ふぅ。そこまで言うなら仕方ないわね、春香に付き合うわ」
春香「え、私は別に…」
千早「まぁまぁ」
千早「豊乳…溢れんばかりの91……あずちは…」ブツブツ
春香(千早ちゃん…、諦めない姿勢は大事だよ……!)ホロリ
千早「それにしてもすごい数の温泉ね」
春香「あれだけ撮ったのにまだ入ってない温泉もあるからねぇ」
春香「とりあえず、片っ端から入っていく?」
千早「そうね」
漢方湯────
春香「うっ…。最初から匂いがキツいですね!」
千早「漢方だもの。どこもこんなものじゃないかしら」
千早「えぇと、効能は……。打撲・捻挫に良く効くのね」
春香「私はパスしようかなー…」ソロー
千早「こーら。そんな足で何言ってるのよ」
春香「! …な、何のことかな千早ちゃん?」
千早「ダメよ。隠してもわかるんだから」
春香「……!」ジーン
千早「……大方、バラエティでまた転んだんでしょう?それが春香の仕事だから仕方ないけど…」
春香「ちょっ!私の仕事ってどういうこと、千早ちゃん!?」
千早「…違うの?さ、早く入って。捻挫、直しなさい」チャプ
春香「……まったく、千早ちゃんには敵わないよ」エヘヘ
千早「うふふ。私が何年春香と付き合ってると思ってるの?」
春香「そうだねぇ…」チャプ
春香「次の温泉は…」
千早「ここじゃない?」
春香「あれ?ここ、収録で入らなかったっけ?」
千早「」ドキ
千早「……い、いいじゃない!とにかく入りましょう!」ズイズイ
春香「あ、待ってよ千早ちゃーん…」トタトタ
檜の湯────
春香「ん!漢方とは違う良い匂い!」
春香「やっぱり日本人は檜ですよ!檜!」
春香「ね!千早ちゃん!」
千早「……」ボー
春香「…千早ちゃん?」
千早「え!? あ、そうね。私もそう思うわ…」
春香「千早ちゃん、どうかしたの?」
千早「…ちょっと、ね」
春香「…人には話せないこと?」
千早「そういう訳じゃないけど…」
春香「……」
春香「私でよければ…。話、聞くよ?」
千早「……」
春香「解決できるかどうかはわからないけど…」エヘヘ
春香「で、でも、誰かに聞いてもらうだけでもきっと楽になるよ!」
春香「だから……」チラ
千早「……」
千早「ありがとう、春香」
千早「じゃあ……聞いてもらえるかしら」
春香「! 任せて!」
千早「実は……」
千早「プロデューサーと初めて旅行に行った時のことを思い出して…///」
春香「……はい?」
千早「あの時もこんな感じのお風呂でね?あ、部屋風呂だからこれよりも狭かったんだけど…//」
千早「窮屈なのは私も知ってたんだけれど、お互いのカラダが近くて…ドキドキして…//」
千早「あ!あと、私が滑りそうになった時に支えてくれてね?//」
春香「」
千早「そのまま、お…お姫さまだっこしてもらって……//」
千早「は…ハダカだからすっごく恥ずかしかったんだけど、プロデューサーは…//」
春香「オーケー千早ちゃん。ストップ。ストップしようか」
千早「な、何かしら?」テレテレ
春香「つまり……悩み事とかじゃなくて、ただ単にプロデューサーさんとの思い出を?」
千早「え、えぇ//」ポッ
春香「…」
千早「……//」テレテレ
春香「……違うよぉぉぉぉ!!」
千早「」ビクッ
春香「違う!違うよ千早ちゃん!」
春香「私は確かにノロケ話を聞きたかったけどっ…!」
春香「『今』じゃないんだよ!」
千早「は、春香!?落ち着いて…」
春香「いい!?千早ちゃん!女の子のノロケ話はね、晩ご飯を食べて、深夜に布団を近づけて語り合うのが醍醐味なんだよ!」
春香「そう、それは…!さながら修学旅行のような…!」
春香「それに私達の年ならお酒も入ってなお良し!」
春香「だから今じゃないの!今じゃないんだよぉぉぉ」ヒッグ
千早「ちょっと、はる……」
春香「うぇぇぇぇぇん!」シクシク
千早「」
春香「」ヒッグ
千早「少しは落ち着いた?」
春香「……お見苦しいところを…」グス
千早「本当、ビックリしたわ…。どうしたのよ急に」
春香「恥じらう千早ちゃんを前にして…、私のアイデンティティが崩壊しそうになったから、つい…」ヒッグ
千早「もう…。あ、ほら、鼻水出てる」
春香「ん」
千早「え?」
春香「ん!」
千早「……そういうことね。もう…子供じゃないんだから。はい、チーン」
春香「」チーン
春香「えへへ…// やっぱり千早ちゃんは良いお母さんだね!」
千早「それなら春香は、ちぃより手間がかかりそうな子供ね」ウフフ
廊下────
春香「あ!日焼けサロンがあるよ!焼いていかない?」
千早「春香、私達はアイドルなんだから。無闇に肌を焼いたりしたらダメよ?」
春香「じょ、冗談だってば…」
春香「…ところで千早ちゃん。日焼け、って言ったら響ちゃんのイメージ出てこない?」
千早「それはあるわね。沖縄出身なだけで決めつけるのもどうかと思うけどね」ウフフ
春香「響ちゃん暑いの苦手だからねー」
千早「あら、そうなの?」
春香「知らなかった?」
千早「えぇ」
千早「……夏にちぃが動物園に行きたい!って言ったことがあってね?」
春香「ほほう」
千早「私もプロデューサーもどうしても都合つかなくて困ってたんだけど…。我那覇さんが、連れて行ってあげる!って引き受けてくれて」
春香(いいなぁ)
千早「それでお願いしたの。…ただ、その日は都内の最高気温を上回るような暑さになってしまって」
春香「うわっ、それはつらかっただろうね…」
千早「それでも、約束だから!って連れて行ってくれたのよ。だから暑さには強いと思ってたわ」
春香「へぇー。ちぃちゃんは大丈夫だった?」
千早「えぇ、特に何も。こまめに水分補給してくれたみたい。我那覇さんには感謝しなくちゃ」ニコ
千早「ただ、ちぃがいぬ美に連れられて帰ってきた時は流石に驚いたけど」
春香(しばらく休んでた原因は熱中症だったんだね、響ちゃん…)
釜風呂────
春香「かまぶろ?千早ちゃん知ってる?」
千早「私も初めてだけど…。あ、これじゃないかしら?」
春香「お湯で満たされた釜…」
千早「そのまんまね」
春香「あ、でもしっくりくる…」チャプ
千早「この狭さも悪くないわね」チャプ
春香「…」
千早「ふぅ…」ヌクヌク
春香「千早ちゃん」
千早「なぁに?」
春香「……えいっ!」バシャ
千早「ちょ、ちょっと!春香!?」
春香「えへへー!千早ちゃんといっしょのお風呂♪」
千早「流石に…二人は狭いわよ」グイグイ
春香「千早ちゃんのお肌スベスベだねー」ツンツン
千早「はっ、春香!?」ビクッ
春香「ちぃちゃん産んで、お母さんになってもこのツヤかー…」ツルツル
千早「ちょっ…!くすぐったいってば…//」プルプル
春香「はぁ。いいなぁプロデューサーさんは…。こうやって毎日千早ちゃんのカラダを…」サワサワ
千早「は…はる…か…//」ウルウル
ペタン
春香「あっ」
千早「」
春香「調子に乗りすぎました」ヒリヒリ
千早「もう…」プンスカ
春香「プロデューサーさんとケンカした時とか、いつもこうやってつねるの?」ヒリヒリ
千早「!」
千早「べ、べべべ別にケンカなんてしてないわよ…?」アセアセ
春香「そう?前にちぃちゃんが事務所でそういってたんだけどなぁ…」
千早「喋ったの!?」
春香「う、うん。美希たちも聞いてたよ」
千早「」
千早「~!//」ジタバタ
春香「ち、千早ちゃん…!?」
千早「………うぅ、本当に恥ずかしい…。もうイヤ…//」グスン
春香「まぁまぁ。元気出してよ千早ちゃん」
千早「……ちぃに秘密はまだ早いのかしら?」ハァ
春香「あっ、千早ちゃん。もしかしてここが……」
千早「豊胸風呂!?」キラキラ
春香「牛乳風呂だよ……」
牛乳風呂────
千早「…」
千早「」スッ
千早「」パンパンッ
千早(……)ムムム
春香(温泉に向かって二礼二拍手してる…!本気だ…)
千早「」チャプ
千早「…ふぅ」
千早「……」
モミモミ
春香(揉んでる!?あるの…?あ、いやいやいやいやいや)
千早「春香」
春香「」ビクッ
春香「な…なにかな千早ちゃん?」ドキドキ
千早「いいお湯ね、これは」
千早「体中の血液の巡りを、直に感じられるわ…」ウットリ
春香「ソ、ソウダネ」
千早「これで私の胸も……。うふふ、うふふふふふっ!」ニコニコ
春香(あんなに幸せな顔しちゃって…)
『その昔、この温泉に立派な雌牛が入浴したことからバストアップに効果があると伝えられています』
春香(…牛だもんね。そりゃあ縁起がいいよね)
春香(でもね、千早ちゃん。その下に小さく書いてある文章も読んだのかな…?)
『※あくまで迷信であるため、効果の保証は一切致しません』
春香(迷信ですよ!迷信!科学的根拠は0だよ千早ちゃん!)
春香(心のダメージが大きくなる前に本当のことを伝えないと…!)
春香(でもっ…!私に…、私に千早ちゃんのあの笑顔を崩すことはできない…!)プルプル
千早「~♪」ニッコニッコ
部屋────
春香(結局、言えませんでした……)フゥ
千早「春香。よくあんなに食べられるわね。正直呆れるわ…」
春香「あ、甘いものは別腹ですよ!別腹!」フンス
千早「向こうに戻ったら、その分ちゃんとレッスンするのよ?」フフ
春香「う…。わ、わかってるよ千早ちゃん…」
春香「夜風が気持ちいいね」
千早「えぇ…」
春香「ふふっ。昔、みんなで海に行ったことあったよね。覚えてる?」
千早「ええ、覚えてるわ。あの時もこうして春香と二人で話をして…」フフ
春香「あれから、もう数年経つんだね…」
千早「本当…。早いものね…」
春香「…まさか千早ちゃんがプロデューサーさんと結婚するなんて、あの時は夢にも思わなかったなぁ…」
千早「ふふ。私自身もそう思うわ」
千早「あの時はまだ仕事関係の付き合いとしか思ってなかったから…ね」
春香「ホント、人生どうなるかわからないものだね…」
千早「本当にそうね」フフ
春香「…」
千早「…」チラ
春香「…」
千早「…春香?」
春香「…」フゥ
春香「あ~~~!千早ちゃんが羨ましい!!」
千早「」ビクッ
千早「な、何!?いきなり…」
春香「だって、千早ちゃんは好きなヒトと結婚して…」
千早「……」
春香「かわいい子供も生まれて…」
千早「そ、それは…//」
春香「見てるコッチが幸せになれるような家庭を築いて……」
春香「いいなぁ。千早ちゃんは…」ハァ
千早「は、春香だって十分だと思うけど…」
千早「料理は出来るし、お菓子作りも上手だし…。家事は一通りできるんでしょう?」
春香「そりゃあ私も一人暮らし長いからね。でもカンジンの相手がいないんじゃ…」シクシク
千早「大丈夫よ。春香なら今に素敵な人が見つかるわよ、きっと」フフ
春香「………素敵な人かぁ」
千早「?」
春香「……あの頃は」
春香「あの頃は、みんなプロデューサーさんのこと好きだったんだよね…」
千早「……」
春香「千早ちゃんとプロデューサーさんがお付き合いしてるのがわかってから、みんな大変でね…?」
春香「美希なんてさ、千早ちゃんとプロデューサーさんがいない時はずーっと泣いてたし」
春香「伊織はウサギのぬいぐるみ抱いたまま、ソファーで拗ねちゃうし」
春香「亜美と真美のイタズラもめっきり減っちゃって…」
春香「貴音さんはずーっと食べてばっかりで……って、いつも通りだね…」アハハ
春香「他のみんなもちょっと落ち込んだりしててね…」
千早「……」
春香「…あっ!他意はないよ!?ただ、今だから言えることっていうかなんというか…」アセアセ
千早「……」
春香「ち、千早ちゃん?」
千早「……春香」
春香「…なぁに?」
千早「……私、本当にあの人と結婚して良かったのかしら…」
春香「……」
春香「それは…どういうこと?千早ちゃん」
千早「……」
千早「私は、あの人と結婚して…子供も生まれて…。今も幸せの真っ只中で…」
千早「でも、その裏でみんなを苦しめていたなんて知らなかった」
千早「結婚を後悔しているわけじゃない…。けど、そのせいでみんなにわだかまりを残してしまったというなら…」
千早「あの時、私はみんなに助けられたのに…。私は……」
春香「……」
春香「千早ちゃん…」
千早「…」
春香「…」グイ
千早「!?」
春香「…」グニー
千早「ふぁ、ふぁるふぁ!?」
春香「……結婚してちぃちゃん生んで幸せな家庭を築いたのに、『後悔』なんていうのはどの口かなー???」ニコニコ
千早「いふぁい!ほっふぇふぁひっふぁならいで!」グニー
千早「」ジンジン
春香「もう…。あのね、千早ちゃんこの話には続きがあってね…?」
春香「続き、って言うほどのコトじゃないかもしれないけど…」
千早「…?」
春香「美希は、あの後もしばらく泣いてたんだけど…。急に、『わかったの!』って…」
春香「何を言うのかと思いきや、『ハニーを振り向かせるには、ハニーのコドモを手なずければいいの!』だって」
春香「……言ってることは無茶苦茶だったけど、美希はそれで納得したみたい。……もしかしたら、何でもいいから自分を納得させる理由が欲しかったのかもしれないね」
春香「ま、今じゃあ手なずけるどころか美希の方が夢中になってるけど…」アハハ
春香「あとね、ちぃちゃんが生まれた時に私たちのお祝いでベビーカーをプレゼントしたの覚える?」
千早「……当然よ。忘れるわけないじゃない」
春香「えへへ。実はあれ、市販品じゃなくて伊織の家の特注品だったんだー」
千早「!?」
春香「伊織が『本当のこと言うと、気にするかもしれないから』って、市販品ってことにしたの」
春香「使い心地は一級品だったでしょ?」エヘヘ
千早「……」
春香「響ちゃんは、ちぃちゃんが生まれたての頃、『自分、いつも家族といっしょだから…』って、あまり近づかないようにしてたっけ」
春香「ちぃちゃんに動物アレルギーがないってわかってからは、一番抱きついてたよね」フフ
春香「亜美と真美と小鳥さんは、千早ちゃんが妊娠した時に名前の候補を考えたり…」
春香「結局は、キラキラネーム?って言うんだっけ。それが原因で律子さんに却下されてさ…」クス
春香「やよいとあずささんは、妊娠中の千早ちゃんでも食べられるようなレシピを考えてたね」
春香「千早ちゃんにも試食してもらおうと思ったんだけど、貴音さんが凄い勢いで全部食べちゃって…。真と雪歩が止めたんだけどね……」アハハ
春香「……だから、みんな千早ちゃんを責めてるなんてことは絶対にないよ」
春香「二人のお付き合いの話を聞いて、心が揺らいだのは確かにそうかもしれないけど…」
春香「その後、誰かから気になるようなこと言われた?」
千早「い、いえ。そんなことあるわけ……」
春香「でしょ?みんな葛藤はあったと思うけど……。今は違うよ」
春香「……千早ちゃん。結婚を後悔してる、だなんて絶対に思っちゃダメだよ!!」
春香「千早ちゃんは…、みんなの分まで幸せにならなきゃダメなんだからね…?」
千早「春香……」
春香「……なーんて。私らしくなかったかな?」アハハ
千早「……」
春香「…千早ちゃん?」
千早「…ううん。ありがとう……春香」ギュ
春香「えっ!?…あ、うん。ど、どういたしまして…?」
千早「どうしたの?動揺して」
春香「まさか、千早ちゃんから抱きついてくるとは思わなかったから…//」ドキドキ
千早「あら、イヤだった?」フフ
春香「そ、そんなことないよ!むしろ嬉しいよ千早ちゃん!」フンス
千早「…ふふ」ギュー
千早「…やっぱり私はダメね」ハァ
春香「? 何が?」
千早「何でも悪い方向に考えてしまうクセ。もう、止めにしようと決めたのに…」
春香「うーん、確かにそんな気がしないでもないけど」
春香「それより、千早ちゃんって最近…」
<アオイートリー♪
千早「あ…。ちょっとごめんね?春香」
春香「あ、うん」
ピッ
千早「もしもし?」
P『あ、千早?俺だけど』
千早「あら、あなた。どうかしたの?」
P『いや、ちょっとな…。実はちぃが誘拐されたんだ』
千早「……はい?」
P『だから、誘拐』
千早「………」
春香「千早ちゃん?どうかしたの?」
P『……千早?』
千早「……だ、誰に!犯人の目的は!?ちぃは!ちぃは無事なの!?ねぇっ!!答えてよ!!!」
春香「千早ちゃん!?」ビクッ
P『!? お、落ち着け!とりあえず無事だから!』
千早「何でそんなこと言い切れるの!?誘拐犯よ!?何をするのかわからないじゃない!!ちぃに何かあったら私は……」ヒッグ
P『何でって…、犯人貴音だし』
千早「…………………はい?」グス
P『いや、だから貴音』
千早「……」
P『……』
千早「あなた。…ふざけてる?私をからかってるの…?」ゴゴゴゴ
P『ふ、ふざけてなんかないって!』
P『それで…。一つ問題がありまして…』
P『前にちぃを貴音に預けたことあっただろ?……実はあの時、引き取る際にとんでもない量のラーメンを請求されてだな……』
千早「………どうして支払ったんですか」
P『じゃないと、ちぃを返してもらえそうになくて……』
P『思い出すだけでもう…。…う…うあぁぁぁぁ!!』
千早「……」
P『で…、相談なんだけど。なんとか…ラーメン代を家計から出してもらえませんかね…?』
P『ポケットマネーではちょっと…』
千早「……」
P『……』
千早「お断りします。プロデューサーが蒔いた種ですよね?ならご自分でなんとかして下さい」ニコッ
千早「では、私はこれで」
P『ちょ、千早ぁぁぁ!切らないでくれ!!頼むから!』
千早「知りません!」プイ
ピッ
千早「全くもう、あの人は…」
春香「プロデューサーさんから?」
千早「えぇ。恥ずかしいところを見せてしまったわね…」
春香「……ねぇ、千早ちゃん」
千早「何かしら?春香」
春香「最近、プロデューサーさんに冷たくない?」
千早「…え、私が?」
春香「うん。あ、でも嫌な冷たさじゃあなくてね。ツンが多いと言うか何というか…」ゴニョゴニョ
春香「プロデューサーさんと何かあった?」
千早「!」ドキッ
千早「い、いえ。何もない…わ…」
春香「あれー?なーんで私と目を合わせないのかなー?」ニヤニヤ
千早「そんなことないわよ……//」
春香「ふーん、千早ちゃんの隠しごとかぁ…」ニヤリ
千早「!」ビクッ
春香「…えーい!全部白状してしまえー!!!!」コチョコチョ
千早「きゃっ!?ちょっ…、はる…!……あ…あははははははは!!!!」
春香「白状する?」コチョコチョ
千早「言う!言うからぁ!やめてっ!!あはははははは!!!!」
・・・・・・・
春香「…なるほど」
千早「」ゼーゼー
春香「つまり、ツアーの後…。おうちに帰ってから、プロデューサーさんに千早ちゃんの本当の気持ちを話して…」
千早「///」
春香「そのまま、なし崩しに……セッ」
千早「!?」ビクッ
春香「………ぷん。要はチューしたと」
千早「~~!///」ジタバタ
春香「千早ちゃん?」
春香「いやぁ…良いことを聞かせてもらったよ、千早ちゃん!」ニヤニヤ
千早「ほ、他の人には絶対言っちゃダメよ!///」
春香「えー、どうしようかなぁ…?こればっかりは」ニヤニヤ
千早「…春香?」ゴゴゴ
春香「あっ、はい!絶対言いません…」ビクビク
春香「それで、千早ちゃんはどうしたいの?」
千早「どうしたい、って言われても…」
春香「…プロデューサーさんのコト、嫌いなの?」
千早「そんなわけないでしょ!?私はあの人をずっとずぅーっと……!」
千早「」ハッ
春香「さ、続きを」ニヤニヤ
千早「うぅ~…//」シュン
千早「……私の本心を話して、あの人が受け止めてくれて…」
千早「すっごく嬉しかったんだけど…。でも、すごく恥ずかしくもあって…//」モジモジ
春香「うんうん」
千早「あの人の前だと素直になれないっていうか……」
千早「……はっ!もしかしたら、もう嫌われてしまったのかしら!?ど、どうしよう、春香…」ウルウル
春香(……お付き合いし始めた頃の千早ちゃんもこんな感じだったっけ
)ホノボノ
春香(プロデューサーさんが千早ちゃんのコトを嫌うことも、ましてやその逆もあり得ないしなぁ…)
春香(なーんか、無駄に空回りしてる気がする…。流石は千早ちゃんと言いますか)
春香(何か良いアイディアはないものかなー、っと…)
春香(……)
春香(!)ティン
春香「千早ちゃん!ティンときたよ!」
千早「えっ?」
春香「旅行だよ!旅行!プロデューサーさんと二人で旅行に行けばいいんだよ!」
千早「旅行……」
春香「ほら、千早ちゃん檜の湯で楽しそうに思い出話をしてたし……」
千早「……//」ポッ
春香「最近、プロデューサーさんと二人きりで過ごしたことある?」
千早「いえ…。ちぃもいるし、なかなかそういうわけには…」
春香「でしょ?家族で過ごすのは大事だけど…たまには二人きりの時間をつくるのも大事じゃないかな、って」
千早「二人きりの…時間……」
春香「それで、納得いくまで話し合ってくればいいんじゃないかな?」
春香(今の幸せそうな二人を見てれば、話し合う意味ないような気もするけど…)ハァ
千早「でも、時間が…」
春香「だーいじょうぶだよ。ほら、中止になったツアーの再公演やるじゃない?今度」
千早「え、えぇ。社長が言ってたわね」
春香「公演が終われば、まとまった休みも取れるだろうし…その時がチャンスだよ!千早ちゃん!」フンス
千早「……」
春香「つきましては、旅行中のちぃちゃんのお世話は是非とも私に……!」ズイ
<ワタシ マーメーイ♪
春香「って、何?大事な時に…」ピッ
春香「もしもし?あ、真…と美希もいるの。どうかした?」
春香「えっ、抜け駆け?私が?…………ウン、シテナイヨ」
千早(二人で…旅行…)ポー
・・・・・・
春香「さ、そろそろ寝ようか。遅くなっちゃったね」
千早「そうね。話に付き合わせちゃってごめんね?」
春香「……」モソモソ
千早「……って春香!?」
春香「えへへ!今日は千早ちゃんと一緒のお布団で寝たい気分なんだー」モソモソ
千早「もう、いつまでも子供じゃないんだから…」
春香「とか言いながら、受け入れてくれる千早ちゃん優しい!」ギュー
千早「うぅ…//」
春香「千早ちゃんは温かいねぇ」ムギュー
千早「…ねぇ、春香?」
春香「なーに?千早ちゃん」ホクホク
千早「さっきの話…事務所のみんながプロデューサーのことを好きだった、って話だけど…」
春香「うんうん」
千早「その、『みんな』の中には…春香も……いたの?」
春香「私?」
千早「……えぇ」
春香「……」
千早「……」
春香「……えへへ、ナイショ!」
千早「は、春香?それは…」
春香「ほら!早く寝なきゃ明日起きられないよ?」
千早「それはそうだけど……」
春香「それじゃ、また明日ね!おやすみ千早ちゃん!」バフッ
千早「もう、相変わらず強引なんだから……。ふふっ、おやすみなさい春香」
千早(……)
春香「ねぇ、千早ちゃん」モソ
千早「…どうしたの?春香」
春香「もし、千早ちゃんに何があっても…」
春香「私はずっとずーっと千早ちゃんの親友だからね?」
千早「……!」
春香「えへへ、それだけ!」
春香「それじゃあ、本当におやすみ千早ちゃん!」バフッ
春香「……」
春香「Zzz…」スヤスヤ
千早(……)チラ
千早(私の方こそ、昔から…あなたにずっと助けられてばっかりで…)
千早(もしも、春香に何かあった時……)
千早(今度は、私が助ける番だから……)ギュッ
春香「…ちはやちゃん………あり…が…」ムニャムニャ
千早(ありがとう春香。これからもずっと友達でいてね……)クス
おわり
雪歩編と今作と貴音編は並行して書いているので、それとなくリンクさせてみました。
いくつかのまとめ様にて「貴音嫌いなのか?」とのコメントがありましたが、一切そのようなことはありません。むしろ全員好き。
内容を繋げて書いているため、誤解はあると思いますが、何卒。
では、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません