ウル「その血の運命」ジョジョ×シャドウハーツ (57)

『ssをエタらせない』『私生活もこなす』
「両方」やらなくっちゃあならないってのが
「ss作者」のつらいところだな
覚悟はいいか?
オレはできてない


というわけで前回の ジョセフ「サピエンテス・グラディオだあ~」 の続編です。

内容はジョジョの奇妙な冒険~戦闘潮流~とシャドウハーツ2のクロスオーバーです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384682097

ニコルにより世界に悪意がばら撒かれ三ヶ月。

人類史上初となる世界大戦の戦場は、大量殺戮兵器や化学兵器の実験場となり、夥しい死体の山が築かれた。

しかし、戦局は泥沼化の一途を辿り暗黒の時代へと突入していく。


一方のウルたちはニコルを拉致した加藤の後をおい、極東の帝国へと舞台を移す。

それは1915年 5月。帝国の港、横浜での出会いだった。

薄暗く、塩の香りがする倉庫にジョセフたちは身を隠していた。動けない理由はウルの体調の悪化だった。一行はヤドリギの呪いを疑ったが、それは杞憂に終る。原因は単なる船酔いだった。

カレン「中々良くならないわね。」

カレンの看病も虚しく、倉庫には常に甘酸っぱい香りが充満していた。

ヨアヒム「せっかくベーコン号があるんだから空から行けば良かったんだら。」

アナスタシア「飛行機なんて使えるわけないでしょ?」

アナスタシアがちらりと倉庫の隅に座る大柄のイギリス人を見る。

ジョセフ「な、なんだよ!?確かに今まで乗った飛行機が三回堕ちたが、わざと堕としたのは二回だけだぜッ!?」
ゼペット「二回もわざと堕としたのか!?」

ルチア「きっとぉ~、また乗ってたら皆一緒に死んじゃってたわねぇ~。」


ウル「OBRRRRRRRRRROOO~!!」


不気味な呻き声と液体がバケツにぶちまけられる不快音。

否応無しに一行の会話が止まる。


アナスタシア「あら?そういえばブランカは?」

アナスタシアは一行の中の賢い白狼の姿が見えないことに気付いた。

船酔いで動けないウルの心の中でも、その被害は広がっていた。


スージーQ「くっさいわね~。何なのよこの匂い。」

ジャンヌ「ウル、ゲスを吐くぐらいこわがなくてもいいじゃあないの....

ところでさっきからスージーQは何みてるの?」

スージーQ「ん?ジャンヌも見る?ちょー笑えるわよスレが立ってるわよ。」


ジャンヌ「ん?何々『俺の彼女とすきっ歯が修羅場過ぎる』?」



スレタイ通り。長くなるかもしれんが聞いてくれ。

最近俺の地元に出来た変な地形の下から変な野郎が出てきやがったんだ。

そいつが俺の彼女にちょっかいかけようとしたから追い払おうとしたらいきなり噛みつかれたんだ。

絶対池沼だぜ、あいつ。なんか目見えなくなったし。

しかも俺の親父がそいつを引き取るとかいいだしてもうマヂ無理。

>>6 嘘着くなよ。どうせ彼女いないくせに。

それがマジならソースだせよソース

>>6

こういうやつホント気持ち悪い、死んで。

>>7 >>8

お前らあんまり>>6をいじめるなよ....

>>9

なにこいつ

>>9

こいつ>>6じゃね?

ぜってーそうだ。

自演乙wwwwwwwww

ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー

ジャンヌ「うっわ。」


スージーQ「バレバレでやんの。恥ずかし~。」


ジャンヌ「こうゆうのを見て喜んでるスージーQも大概だと思うけど.....」

一方そのころ、ブランカは横浜のレンガ街に出ていた。ウルの吐瀉物の匂いに彼の敏感な鼻は限界を超えていたのだ。潮の香り漂う、規則正しく並んだ赤いレンガの街並みをゆっくりと歩く。
レンガ街を半分ほど進んだところで、ブランカの鼻が塩の香り以外の匂いを捉えた。血と鉄と硝煙の匂い。

危険を感じ取ったブランカは、気配を殺しながら匂いの中心点へ進む。並べられた材木の隙間からあたりを除くと、赤い鎧の兵隊に囲まれた一人の剣客の姿があった。

謎の剣客は銃弾を華麗に避けながら、手にした刀で敵を切り裂く。瞬く間に二人分の死体が出来上がった。だが、敵はまだ数人いる。いままで戦い続けていたのか剣客にも疲れが見て取れた。

敵の一人が銃を構え、標準を剣客に合わせる。まさに引き金を引こうとしたその時、ブランカの牙が敵の手骨を噛み砕いた。

突然の加勢に驚く剣客に、ブランカは前をみろと急かす。

剣客もそれが通じたのか、ブランカと背中合わせに兵隊たちと対峙する。


ブランカが兵隊に襲いかかったのには理由があった。

彼らの姿、正確には彼らの装備した武器に見覚えがあったからだ。
三ヶ月前、ロシアで戦ったラスプーチンの軍勢が持っていた吸血武器。
それと同じもの目の前を彼が持っていた。おそらくロシアから日本へ製造方法が流出したのだろう。その流れの中心に加藤がいるはずだった。そしてその兵隊に襲われる剣客。

彼とウル達は無関係では無かった。

本日はこれまでです。

一応前スレを貼っておきたいのですが、どうやったらリンクをもってこれるのでしょうか?

ちょっとやり方がよくわからないのでわかる方出来ればここに書き込みお願いします。

「成る程な。どれ、なかなか利口そうな面構えではないか。」

老人がブランカを精悍な目つきで見つめる。

「お前、名前は?」
少女はブランカと同じ目線まで腰をおろして名を訪ねた。

ブランカ「バウバウ(つむじ風のブランカとでもよんでくれ。)」

「そうね、白いからヌケサクね!」

ブランカ「ワゥ!?(ちょ、なんでそうなる!?)」


「うむ。良い名だ。流石わが娘。お前もそう思うだろう蔵人?」
感心した様子の老人は脇に控える蔵人にも同意を求める。

「ババウ!ガルルル!(ふざけるなよジジイ!!そんな不名誉なあだ名を受け取るつもりはない。蔵人、お前もビシッと言ってやれ!!)」

蔵人「うえ!?


あー、そのなんですか......。とてもどくそうてきでスバラシイです。はい。おじょうさまはてんさいです。」

ブランカを「ワオーーーーン!(折れた!こいつ折れやがった!空気を読みすぎてNOと言えない典型的日本人め!)」



「さぁ芳子。もう帰ろう。」
老人が芳子と呼ばれた少女の手を引き、その場をあとにする。
「じゃあねーヌケサク!!気をつけて帰るんだよ!!」

ブランカ「ババウ!バウ!クゥーーン!(おい、ちょっと待て!その名前は訂正させてくれ!ねぇちょっとー!)」


ブランカの嘆きは横浜の夜の帳に消えた。

一夜明けウルの体調の回復も戻り、一行は横浜の市街地にでてきていた。

旧時代の面影を残しながらも西洋文化の進出が見受けられるオリエンタルな街並みを探索すると、街灯下に見知った白い毛並みが認められた。

ジョセフ「ん?ブランカのやつあんなところで何してやがんだ?」

ブランカの白い頭が見つめる先には着流しをきこなした老人と若い男、それに洋服をきた幼女の姿があった。幼女がブランカに気づき、彼に駆け寄る。

「あ、ヌケサクーーっ!」

ブランカ「.....................。バウ!(ハニー!)」

ウル「なんだいまの間。」

ブランカに駆け寄ろうとする芳子。ブランカもそれに答えるように走り出した。


だが、突然轟音ともに黒い影が飛び出した。

二人を引き裂くように現れた黒い車の中から数人の兵隊が現れる。昨日の兵と同じ装備だった。

瞬く間に兵は芳子を抱えて車に押し込み、扉を閉めた。
従者の蔵人がいち早く動き、刀を抜こうとするが敵の掃射に阻まれ、倒れてしまう。

このまま走り去る車をみすみすのがしてしまうかと思われたが、その黒い影を白い影が追いかける。

車を追走しながらブランカは走ってしまった。

アナスタシア「ブ、ブランカ!!!」

ゼペット「まて、まずそこの若いのの介抱がさきじゃ!!」


倒れた蔵人を老人とともに近くの宿舎に寝かせて、連れ去られた芳子の行方を追うことになった。浪速となのる老人はジョセフたちに手を引くように求めたが、ブランカの件もあり協力することに決めた。

うめき声とともに蔵人が目を覚ました。
アナスタシアがその顔をみて叫び声をあげた。
体を起こす蔵人の美しい容姿にアナスタシアは釘付けになる。

恋!そのすてきな好奇心がアナスタシアを行動させたッ!

蔵人の介抱をアナスタシアと浪速に任せ、ジョセフと何人かは宿舎の部屋を出る。宿舎の一階は広い座敷になっており、宿泊客がたむろしていた。

ジョセフたちが畳の上に腰を下ろし談笑していると、小さな少年が近づいてきた。

カレン「あら?どうかしたの坊や。迷子?」

少年はジョセフの顔をじっと見つめている。

ジョセフ「なんだぁボウズ。俺の顔にゃあ何にもついちゃあいねえぞ。」

少年は自分の鼻に指を突っ込むと、鼻腔から巨大な黒い鼻糞を取り出した。

そしてそれを躊躇無くジョセフの頬にグリグリとなすりつける。

ジョセフ「..........聞いていいか?わからんのだ。なんだってこんな事をする?この行為にどんな意味があるっていうんだ?」

少年はその問いには答えず、もう片方の鼻腔からさらなる鼻糞を取り出して顔につけようとする。

ジョセフ「この糞餓鬼~!こっちが我慢してやってたら調子に乗りやがって~!
許さねえぞ!」

「す、すいません。うちの子がぁ~っ!」

少年と彼の胸ぐらをつかもうとしたジョセフの間に母親らしき女性割って入ってきた。黒髪のよく似あう美人だった。

ジョセフ「チィッ!おいアンタ、あんまり手前の餓鬼から目を離すモンじゃあねぇぜ!?」

「本当に申し訳ありません。ほら良平!あんたも謝りな!!」
鼻糞小僧の頭を掴み、母親が無理矢理にジョセフに頭をさせた。

ゼペット「しかし、なんであの坊主はジョジョのほっぺに鼻糞をつけたりしたのかのう。」

ヨアヒム「まるで一族の仇にみてただらよ。」

カレン「ジョジョ。貴方あの子の家族に何かやったんじゃあないの?」

ジョセフ「はぁ~!?なんにもしてねぇつうの!?そもそも日本に来たのも始めてだしよォ。」

ちり紙で頬につけられた鼻糞を剥がしながらジョセフは頭を傾げた。

アナスタシア「蔵人様が目を覚ましたわ!」

アナスタシアが慌ただしくやって来た。蔵人は多少危なげな足取だが意識もしっかりしており、大事には至っていないようだった。

ジョセフたちはブランカが芳子をさらった連中を追いかけて行ってしまったこともあり、蔵人たちと協力することに決めた。

だが、敵の居場所がわからないのでは出発することもできず途方にくれていた。

一同が頭を抱えていると、宿の縁側から白い頭が飛び出して来た。

蔵人「ヌケサクっ!」

ウル「ヌケサク~?」

ブランカ「バウッ!(ブランカだ!」

縁側からブランカが何かを放って寄越した。蔵人が受け取ったそれは、鼈甲でできた簪だった。芳子の母親の形見であり、愛用の品だった。

ジョセフ「お前、これをあのガキから受け取ったのか!じゃあもしかして奴らのアジトも知ってるんじゃあねえのか!?」

ブランカはそれを肯定するように元気良く吠える。

ウル「でかしたぞヌケサクっ!」

ブランカ「.........」

カレン「もう、いじわるしないのっ!
さぁブランカ!早くあの子を助けてあげましょう!」

蔵人「待っていてください!お嬢様!!」

ブランカの先導のもと一行がたどり着いたのは、横浜港に停泊する一隻の戦艦だった。

ジョセフ「随分でけえ船だなぁ!チンパンジーでも運んでるのか?」

蔵人「戦艦・三笠。帝国のものです。しかし、まさかこんなところにお嬢様が......」

三笠の船体からウニのように突き出た40口径7.6センチ砲20門がまるでジョセフたちを拒絶するかのように物々しく睨みを効かせていた。

「止まりなさい。」
頭上から声がしたかと思うと、甲板の柵から1人の海兵が飛び降り、ジョセフたちの前に立ちはだかった。

「これは軍の大事な船であり、一般人は立ち入り禁止です。さらに今は艦内全体に厳戒令が敷かれている。
ので、貴方たちは即刻立ち去りなさい。」

ジョセフ「んだとぉ!?ムカつく言い方だぜ畜生~!
俺を怒らすとどうなっちまうか教えてやるかねぇ!」

懐からアメリカン・クラッカーを取り出したジョセフはそれに波紋をこめて海兵に殴りかかろうとする。一方の海兵は腰に帯刀した軍刀を抜かずに鞘ごと構えた。

「不毛.....」

海兵は打ち付けられたクラッカーを僅かな動きで回避すると、そのまま腰を捻って軍刀の柄をジョセフの鳩尾に叩きつけた。

ジョセフ「オゴォッ!!」

呼吸を遮られ、ジョセフは地に伏した。

蔵人「ジョースターさん!!」
「....遅い。」
蔵人「!?」

慌てて抜き身の刀を構えジョセフの助太刀に入ろうと蔵人が駆け寄るが、海兵の鞘に手首を激しく打ち付けられ刀を上方にはね挙げられてしまった。

天高く飛んだ刀は空中で二三回転したあと重力に引っ張られ、海兵の手に収まった。そしてその刃をその本来の持ち主の喉元に突きつけた。


「このまま私がこの刀を突き出せば貴方は死ぬ。だが、今すぐ立ち去るというな見逃してあげてもいい。あの英国人もまだ生きている。
さぁどうする?」

海兵は残酷な眼光を刃に映しながら蔵人に選択を迫る。
蔵人の汗が刃に滴り、それ刀身を濡らす。



蔵人「僕は......、僕はお嬢様をお助けせねばならない!!
たとえこの命に変えてもッ!!」



「そう。それが答えか。
....とても残念だ。」

アナスタシア「待ちなさあああああい!!」

刃をつきだそうとする海兵の手を、アナスタシアの怒号が止めた。

アナスタシア「蔵人様を[ピーーー]ことは私が許さないわ!!」

「止めてみろ。貴方に私をどうにかできる力があるのか?」

アナスタシア「フン!!
さっきから聞いてれば軍人が勝手にほざきやがって!手間の私刑を止めてみろだあ~!?
メン玉開けてよ???く見やがれ!このこの書簡を知らねぇとは言わせねぇ!!」

アナスタシアが懐から取り出したのは、一通の紙切れだった。

「それは!!」

「ロシア皇帝ニコライ二世の署名入りの書簡でぇ!
私はロシア帝国第三皇女アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ!!
私の仲間を傷つけたらロシア帝国が黙っちゃあいねえぞ!!!」

「くっ!」

ウル「遠山の○さんみてえだな。」

ジョセフ「........うげぇ。」

ヨアヒム「お前は坂田のほうだっち。」

「運が良かったな。あのままだとそこの侍は坊主頭に、英国人はおかっぱ頭にされているところだった。」
海兵は蔵人に刀を返し、自分の軍刀も腰に戻した。

アナスタシア「運が良かったのは貴方の方よ。
バルチック艦隊の件があるから本当ならこんな忌々しい艦はとっととスクラップにしてやりたいところだわ!!

さぁ、行くわよあんたたち。」

アナスタシアが先導となり、一行は次々と三笠艦内に入っていく。

「.........待ちなさい。」

不意に先程の海兵がアナスタシアを呼び止めた。

アナスタシア「何よ?」

「...持っていくといい。」
海兵が何かを放って寄越した。

アナスタシアがキャッチしてみると、それは三笠艦内で使われている鍵だった。

「少女は艦内の一番奥の部屋に監禁されているはずだ。扉はそれがあれば開く。」

アナスタシア「....何故私たちにこれを?」

「さぁ?ただ、あんな下劣な連中にこの船を穢されたくないだけだ。私は自分の持ち場に戻る。

ちなみに今のは全てただの独り言だ。」

本日はここまでです。
更新日数が不安定でスイませェん・・・

鉄と錆と硝煙の洗礼がジョセフたちを迎え入れる。扉と言う扉から群れてやってくる吸血機の兵隊はまるで蟻のようだ。ここは巣穴で親玉は女王蟻。ジョセフたちはそこから卵を盗み出さねばならない。幸いだったのはここが蒸し暑い地中ではなく空調の効いた戦艦だということか。
ルチアが放った暗黒の光線は敵の一人を背後から撃ち抜き暴れまわった末に臍からでて行くことに決めたようだ。空いた臍からはみ出た腸をヨアヒムが破裂させた水道管から噴き出す水が洗い、てらてらと光らせる。
海兵から受け取った鍵で施錠された扉を開きながらどんどん階層を下った。敵も此方が突入したことに気付いているからか、殺気がよく伝わって来た。ピリピリした空気を和ませるためにジョセフが俺が女装して相手を油断させるぜと調子付いてもヨアヒム以外笑うものはいなかった。

一行が敵を順調に倒し、最深部にある巨大な扉の前に辿り着いた。ブランカも鼻をひくつかせながらこの扉の前で吠えた。
ジョセフ「どうやらこの奥にいるらしいな。」
コンコンと扉を叩きながら中の反応を探るが、なにも帰ってこない。
が、ここでカレンが扉の奥から何か声がしてくるのに気がついた。








芳子「一同、復唱開始!!」


『何のために生まれた!?
――ロリを愛でるためだ!!
何のためにロリを愛でるんだ!?
――BBAを吹っ飛ばすためだ!!
ロリは何故美しいんだ!?
――夢を運ぶためだ!!
お前がBBAにすべき事は何だ!?
――スルーとブーイング!!!
ロリは何故Aカップなんだ!?
――成人の平均がCカップだからだ!!
ロリータとは何だ!?
――いつも心に『 YES ロリータ NO タッチ 』!!!!
ロリとは何だ!?
――BBAより尊く! ショタより強く! どれよりもちっぱい!!
ロリータが食うものは!?
――COMIC LOとランドセル!!
スイーツ(笑)と年増を食うのは誰だ!?
――早漏中坊!! マスカキ終わればおケツをまくるッ!!
お前の親父は誰だ!?
――赤い彗星!!連邦の白い悪魔とは気合いが違うッ!!

我等ロリータ! 児ポ上等! ! アグネスが怖くて夢が見れるか!!(×3回)』

ゼペット「兵隊が.....」

カレン「......調教されてる。」

ブランカ「ワォーン、ハアハア!!(素晴らしい!これぞこの世の真理!!)」

ウル「ぅゎょぅι゛ょっょぃ」

ウルたちに気づいた兵隊たちが殺気立ってこちらに向かってくる。あぁ、あいつらは俺たちから天使を奪うつもりだ。渡さないぞ、俺たちは聖戦士だ。
口々に叫びながら彼らは銃を手に狂気にかられて侵入者を排除しようと試みる。彼らの背後で私の為に争わないでとお決まりの台詞を吐く芳子は口角がつり上がっていた。怒号ともに引き金を引こうとするが、彼らの指が赤黒く染まるそれに届くことはなかった。
アナスタシアのはなった鉄球が船室をクワガタムシのように飛び回り、天蓋に張り巡られた水道管を歪に捻じ曲げる。たちどころに噴き出す水飛沫を水龍に変態したウルが自在に操り、ロープのような紐状にして彼らに襲い掛かられた。
手足の自由を水のロープで縛られたところで、ジョセフの右手がその片方を掴んだ。
「喰らって眠りな!『波紋疾走』!!」
迸る黄金色の光がジョセフからロープに伝達され、兵士と吸血武器に流れる。
あっという間に吸血武器は融解し、珍妙な悲鳴をあげながら兵士の意識は刈り取られた。

「お嬢様!!お怪我はありませんか!?」
駆け寄る蔵人に、芳子はとびっきりの笑顔を見せた。

「大丈夫よ。彼ら、とっても良くしてくれたわ。」

倒れる兵士たちをブランカが惜しそうに見つめる。
「クゥーン.....(名も知らぬ兵士たちよ、君達とはもっと違う形で出会いたかった....)」

同時刻、薄暗くカビ臭い地下施設で1人の女が目覚めた。

彼女はまだ知らないが、ここは帝都の地下に密かに作られた軍の研究所の一角だった。

加藤の私設部隊・四猿衆の最後の1人、名は桜花。

天蓋に取り付けられたスピーカーが震え、加藤から指令が発せられる。

『障害を排除し、そこから脱出せよ。』と。

桜花はラバースーツに包まれた肢体をぎこちなく動かす。成熟した身体の女性が産まれたての赤子のようにゆっくりと動く様は、まるで何かの能力で身体を幼児化させられたかのようだった。

だが、実態はその真逆のものだった。彼女はある女の細胞を急成長させることで生み出された人造人間だ。
加藤の手足となり動く、兵隊なのだ。

ゆっくりと自らの身体の可動をひとしきり確認し終えると、桜花は先ほどまでの動きとは打って変わって軽やかに駆け出す。遺伝子操作を施された強靭な体は並の人間には決して出せない速度で長い鉄の廻廊を駆け出す。

幾つかの通路を抜け、扉を開けるとそこには桜花と同じラバースーツに身を包んだ大柄で髪の長い男が待ち構えていた。

目元には欠けた歯車のような奇妙な刺青が施されていた。

恐らく彼も何かしらの改造を受けているのだろうが、桜花はそれとはまた別の凄みを彼から感じ取っていた。その不気味な雰囲気から桜花はこの生物を元・人間だとは考えられなかった。

腰のホルスターに装着されていた自動式拳銃を抜き、躊躇いなくその男に向け引き金を引く。『障害は排除せよ。』命令は絶対である。

最早原型をとどめないほどに改造を施された拳銃は、強化された肉体でなければ扱えない代物とかしていた。

弾丸が目の前の生物の肉を食い破ろうと直進する。

ラバースーツの男は腰を屈めると、足元の床に手を伸ばす。すると、信じられなことに床は抵抗無く彼の手を受け入れた。まるで河原の泥水をすくうような動きだった。

そして床に突っ込んだ手を勢いよく振り上げた。巻き上げられた鉄床は、彼の手に合わせて液体のように舞い上がるが、一瞬のうちに固形に戻り津波のような形状のままその場に留まった。

鉄の津波は桜花の弾丸を受け止めて破片が幾つか砕け散るが、貫通されることはなかった。

男の異様な能力に一瞬驚愕を覚えた桜花だったが、すぐに目標の殲滅に意識を切り替える。
何か能力を持っていなければ加藤の護衛に選ばれるはずは無いのだ。

拳銃を構えて鉄の津波の裏側に回る桜花だったが、ラバースーツの男は影も形も無かった。片時も彼のいた方から目を離さないように細心の注意を払っていたにもかかわらず、である。

壁を背にして桜花は拳銃を構え直し、あたりを伺う。この位置ならば上下左右何処から向かってこられても対応出来る自信があった。

しかし、桜花は知らなかった。

この生物と戦う時は、一切の常識を捨て去る必要があることを。


彼は上からも下からも左からも右からもやってこなかった。

突然拳銃を持つ桜花の腕が掴まれ、壁の中にめり込む。

桜花が自分の腕が呑み込まれた壁を振り向くと、ラバースーツの男が壁の中に同化かした状態で拘束されていた。

彼は後ろからやってきたのだ。

「.......おれの流技は『鉄』。この鉄に囲まれた部屋全てがおれのテリトリーだ!」

今日はここまで。時間が空いて申し訳ない。

↑あ、本当だ。流技じゃなくて流法です。

ミスですねすいません。

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