QB「僕と契約して、ダジャレで戦ってよ!」(133)

QB「魔法少女は言霊で戦うんだ」

QB「言霊を魔力に変換し敵に叩きつける……そして最大威力の言霊となる言葉が『笑い』の内包」

QB「つまり……」

マミ「セミが寒がった……『せみ~』!」

ドーン!

ゲルトルート「ギャアアアアアアア!」

QB「魔法少女の武器……それはダジャレさ!」

まどか「やったぁ!」

さやか「マミさん凄い!」



ほむら(ループしまくってたら意味不明な世界に来てしまった……)

マミ「ダジャレは面白いものほど威力は高いものになるわ」

マミ「ただし、調べたり他の人から聞いたりしたものは駄目。自分で考えなきゃ」

まどか「えぇ~難しそう……」

さやか「へへ、ダジャレなら私結構強いですよ!」

マミ「じゃあ、明日から魔法少女体験コース始めましょうか」

ま・さ「はーい!」



ほむら(この時間軸は、ダジャレを魔力の源とし戦うってことは分かった……)

ほむら(……私、お笑い系はサッパリなのに……)

ほむら(でも、これも全てまどかのため……頑張って面白いダジャレを考えるしか……)

さやか「なるほど、こうやって魔女を探すんですね」

マミ「このあたりね……」

まどか「あ、あの人飛び降りようと! 危ない!」

マミ「任せて!」

マミ「イワナを食べたいなんて言わないで!」ヒュン パシッ

まどか「やった、助けた!」

さやか「さすがマミさんです!」

マミ「ふふ……この調子で魔女もやっつけちゃいましょう!」



ほむら(『イワナを食べたいなんて言わないで』……)

ほむら(私も、こんな恥ずかしいこと言わなきゃいけないの?)

マミ「病院でグリーフシードがなんて物騒ね」

まどか「さやかちゃんとキュゥべえが心配です……」

ほむら「やめなさい。今度の魔女は今までのとはわけが違うわ」

まどか「ほ、ほむらちゃん……」

マミ「あら暁美さん、来てたの。でも、心配ないわよ」

ほむら「あなたじゃ殺される。今回は、私が狩るわ……」

マミ「ふん、聞き分けの悪い子は……罰金バッキンガムよ!」ヒュン

                                     __
                              -‐ニ ┤
                       _  -‐ ´ /   }
                 __ /´        `ヽ、  j
             _ -‐二 ─ァ         (:.r:.) ヽノ

            く  ̄   /   (:.r:.)          ヽ\
                  \  / /         、_,    } ヽ   わけがわからないよ
                   ヽ/   {       ー´       ノ  ヽ
               /   ハ               イ     ヽ
               ,′   | ゝ           / l     ヽ_┐
          _    l    ├─`ー ┬-    l´   l     ヽ //
         \ヽミヽ/     !     l        !    l     /ヘ
   /⌒     ヽ\〃ミヽ、 j     ,'      l\  ∧_ // ゚ \
  /  (       `ノ    \、    l       \/レ-< 、 ゚、_ _ )
 /   \     /o      ノヽ\  ハ  i     ヾ、:..ヽ \゚`ヽ、  \
 {    r‐` ̄ / o  o / `ー┘ { {  |       `"ヽ `ヽ、_)`ー--'
 、    ゝ-/   /  /         ! 丶 {          ヽ
  \    'ー─/__ /       / l  ∨    /       }
    \     ´      _ -‐ ´    l  {   ∧       ノ
     ` ー─--  -─ ´       ((l,  H   ト、ゝ─ ´ /
                        〉 ハ / (r  , '´
                       ゝノ/ ノ   ̄'

ほむら「ぐぅっ……動けない……」

マミ「分かった? そこで大人しくしていてね」

ほむら(くぅっ……恥ずかしいけど仕方ない)

ほむら「そんな勝手な行動は……ノンノンノートルダム!」パキィン

マミ「なっ、拘束が!?」

まどか「罰金バッキンガムにノンノンノートルダム……凄い、互角の勝負だよ……」

マミ「……あなた、ダジャレとか苦手そうだと思ってたけど、なかなかやるじゃない」

マミ「いいわ、一緒に行きましょう」

ほむら(うぅ……初めてダジャレなんか言うハメになった……)

マミ「一気に決めさせてもらうわよ!」

マミ「マグロが……真っ黒!」

ドカーン!

さやか「やったぁ!」

QB「……いや、まずいね」

まどか「え!?」

QB「魔法少女の攻撃の威力は、ダジャレの面白さに比例する……」

QB「ハッキリ言って、今のダジャレはつまらなかった。しかもちょっと苦しかったし」

QB「あの魔女はまだ生きている!」

シャルロッテ「」ニュッ

マミ「……えっ」

シャルロッテ「」グワァ

まどか「いやぁーっ!」

さやか「マミさん!」



ほむら「時計なんか……ほっとけー!」

ドーン!

QB「ほ、ほむらの体が真っ赤に燃えている……」

マミ「あ、暁美さん……まさか……」

ほむら「弁当を調べんとあかん!」

ドーン!

マミ「暁美さんは、炎を操る力を手に入れたというの……」

マミ「ほむら(焔)だけに!」

まどか「な、なるほど!」



ほむら「のび太が……生きのびたーっ!」

ドガシャアアアアッ!

シャルロッテ「ギャアアアアアアア!」

まどか「やった! ほむらちゃん凄い!」

さやか「やるじゃん転校生! 見事なダジャレのコンボだったよ!」

QB「見事なダジャレだね。えっと何だっけ、時計なんかほっとけー、弁当を……」

ほむら「やめて、死にたくなるから」

マミ「……暁美さん、ありがとう。あなたに助けられちゃったわね」

マミ「私の負けよ。これからは、一緒に協力して魔女と戦いましょう」

ほむら「ええ、お願いするわ。戦うたびに心のソウルジェムが濁っていくし」

さやか「ほら……このCDどうかな? いい曲聞けて嬉しーでーしょ?」

恭介「さやかはさぁ……僕を苛めてるのかい?」

さやか「えっ……」

恭介「そんなギャグ、全然面白くないんだ! というか苦しすぎるじゃないか!」ガシャン

さやか「ちょっと、恭介!? 確かに今のは自分でもないと思ったけど!?」

恭介「……諦めろって言われたんだ……」

さやか「きょ、恭介……」

恭介「『腕は、もう治らないよウデす。腕だけに』って言われたんだ……」

さやか「そんな、ひどい……ダジャレも含めてひどい……」

恭介「それに入院と聞いてワクワクしてたのに、全然女医とエンジョイできなかったし!」

さやか「何言ってるの!? 今日スケベだよ恭介!?」

恭介「だから、もうバイオリンは弾けないんだ……奇跡や魔法でもない限り……」

さやか「……あるよ」

恭介「……?」

さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

マミ「で、美樹さんも魔法少女になったってわけね」

QB「結局、上條恭介の腕を治す引き換えにね」

ほむら「あなたは何て愚かなの……と言いたいところだけど今回ばかりは私戦いたくないから助かるわ」

まどか「さやかちゃん、カッコいいよ!」

さやか「そりゃあ私のイメージカラーはイケメンの小遊三師匠と同じ青だもん!」

ほむら「言っとくけど、それ自称よ」

杏子「あんたが新しい魔法少女か」

まどか「だ、誰!? 山田くん!?」

マミ「あら、佐倉さん。お久しぶりね」

杏子「ありゃ使い魔だろ? 何人か喰わせてグリーフシード孕むまで待てっての」

さやか「ふ、ふざけないでよ!」

杏子「遊び半分で首突っ込まれちゃ困るんだよね。潰させてもらうよ」

さやか「負けないから!」

まどか「あわわ、何かとんとん拍子に話が進んじゃってる」

QB「美樹さやかと佐倉杏子……どっちの方がギャグセンスが上だろうか、見物させてもらうよ」



さやか「いくよっ!」

杏子「来やがれ!」

QB「これはうまい!」

マミ「シンプルでいてスパッと心に食い込んでくる切れ味!」

まどか「さすがさやかちゃん! これなら……」



杏子「……?」



QB「き、効いてない!? なぜ……」

マミ「そういえば、確か佐倉さんはリアル小卒……つまり知能は小学生レベル……」

まどか「ということは……まさか……」



Q・マ・ま「ストーンの意味を、知らない!?」

ほむら「というか前の時間軸ではもっと難しい言葉いっぱい使ってたような……」

さやか「石が落っこちた! ストーン!」



QB「これはうまい!」

マミ「シンプルでいてスパッと心に食い込んでくる切れ味!」

まどか「さすがさやかちゃん! これなら……」



杏子「……?」



QB「き、効いてない!? なぜ……」

マミ「そういえば、確か佐倉さんはリアル小卒……つまり知能は小学生レベル……」

まどか「ということは……まさか……」



Q・マ・ま「ストーンの意味を、知らない!?」

ほむら「前の時間軸ではもっと難しい言葉いっぱい使ってたような……」

杏子「なぁ……今のダジャレってどういう意味だ?」

ドガラガシャーン!

さやか「きゃああああああああああっ!」



まどか「ああっ! さやかちゃんにダメージが!」

マミ「『今のダジャレどういう意味?』攻撃! これを言われた者は、凄まじい精神的ダメージを受ける……」

QB「しかもはずしたギャグの意味を説明しなければならないという地獄が待っている……何て恐ろしい……」

さやか「い……今のは石とストーンをかけたダジャレで……ごふっ!」

マミ「当然、説明している間は大きな持続ダメージを受ける!」

ほむら「私も羞恥心を耐え忍んで放ったダジャレが、意味の説明を求められたら……」ガタガタ

QB「佐倉杏子……これほどまでに敵に回したくない魔法少女が果たして存在するのだろうか……」

さやか「う……あぁ……」

杏子「へっ、他愛ねぇな。あたしのとっておきのダジャレでくたばりな!」

まどか「や、やめてーっ!」

杏子「布団が吹っ飛んだ!」

さやか「……へ?」



まどか「こ、これって……」

QB「そうか……杏子のダジャレの理解度は小学生レベル、ゆえに攻撃は通用しにくい」

QB「しかし、杏子が使うダジャレそのものも小学生レベル! つまり、攻撃力はほとんどない!」

マミ「というか小学生でも布団が吹っ飛んだなんて言わないわよ!」

ほむら「今までよく魔女に勝てたわね」

杏子「ば、馬鹿な……あたしのとっておきが……」

さやか「え? 今のでウケると思ってたの?」

ドガラガシャーン!

杏子「ぎゃああああああああああああっ!」

QB「さやかのきつい反撃が入ったぁーっ!」

まどか「これは……先に手を出した方が負けかねないよ……」

マミ「何て恐ろしい勝負なの……」



杏子「くっ、今日はこの辺で勘弁してやる!」

さやか「佐倉杏子……恐ろしい強敵だった……」

ほむら「もう帰っていい?」

ほむら「さて、いつもならばそろそろ美樹さやかが魔女化に向かい始めるのだけど……」

ほむら「この時間軸はどうなるか想像もつかないわ」

ほむら「あら? あれは美樹さやかと……志筑仁美?」



仁美「実は私、ずっと前から……上条恭介君のこと、お慕いしてましたの」

さやか「えっ!? そ、そうなんだ……隅におけないな、恭介も……」

ほむら(なるほど……こうして、魔女化への道を……)

仁美「私にはわかります。さやかさん、あなたも上條君のことが好きなはず。違いますか?」

さやか「……違わないよ。私も……恭介が、好き」

仁美「あなたには私の先を越す権利があるべきです。だから、丸一日だけお待ち……」

恭介「話は聞かせてもらったよ君達!」

仁・さ「!」

ほむら(……え?)

恭介「僕なんかに二人もの女性が好意を向けてくれる……中学生だから行為はまだ先だけどね!」

恭介「しかし、今この場で片方を選ぶなんてできない……だから、勝負するんだ!」

さやか「しょ、勝負!?」

恭介「僕も世間一般の例に漏れずお笑いが大好きだ……」

恭介「よって、二人でダジャレ合戦をして、勝った方が僕と付き合う! これでどうだ!」

さやか「ど、どうと言われても……」

仁美「……私、やります」

仁美「正直お笑いには自信ありませんが、上條君のためなら戦いの場へ馳せ参じます!」

さやか「……いいよ。仁美がそこまで言うなら、私もやる!」

恭介「二人とも、よく言った! 決戦は三日後だ!」

ほむら(何よこれ……)

さやか「……仁美、来たね」

仁美「さやかさん……負けませんわ!」

恭介「ではルールを再確認しよう。まず先行後攻を決める」

恭介「その後二人で一分間の会話をするが、後攻側は『上條恭介』を演じて完全に聞き手に回り、話を合わせる」

恭介「その会話の中で、先行側は僕への愛を表現しつつ自由にダジャレを披露し、相手にダメージを与える」

恭介「一分経ったら交代し、双方が終わったら志筑さん、さやか、僕の三人で勝敗を決定する」

さやか「……先行は譲るよ」

仁美「……よろしいのですか? では、行かせていただきます」



ほむら「で、何で私達までいるのかしら?」

まどか「ティヒヒ、立会人だって」

マミ「私なんて上條くんとも志筑さんとも会ったことすらないんだけど……」

杏子「あれがさやかの惚れた男か。よくわかんねーけど頑張れさやかー」

QB「暇だったから僕も来たよ。見えない人もいるけど」

仁美「上條君、今日の演奏も素敵でしたわ」

さやか「あ、ありがとう仁美……じゃなかった、志筑さん」

仁美「でも……あなたは本当にバイオリンのことしか考えていないんですね」

さやか「ま、まぁバイオリン好きだし……」

仁美「もっと他のことにも目を向ければ……ほら、分かるでしょう?」

さやか「え……い、いや~何のことだか……」



仁美「もっと私を見て下さい……そうすれば、きっとし(き)づきますから」

ビシャアアアアアン!

さやか「ぐあああっ!」

杏子「さ、さやかにダメージが!」

マミ「自分の名前をダジャレに絡めるなんて……」

QB「あの志筑仁美って子、なかなかのやり手のようだね」

まどか「さらにあんな可愛い顔で私を見てなんて言われちゃ、お笑い好きの男はみんな落ちるよ!」

ほむら「え……何このテンション」



さやか「し……志筑さんを見て、だって……?」

仁美「はい……あなたがどこにいても、仁美の瞳は、ずっとあなたを見つめていました」

ビシャアアアアアン!

さやか「うああああああっ!」



杏子「さらに追撃だと!?」

マミ「彼女……これほどの力を秘めていたなんて……」

仁美「上條君、あなたのその素敵な演奏は……私の恋心までも、強く打ったのです」

仁美「そう……hit me……」

ドガラガシャーン!

さやか「あああああああああーっ!」



まどか「さ、さやかちゃーーーーーーん!」

ほむら「いや、今のはさすがに無理があるでしょ」

恭介「それまで! 次はさやかの番だ!」

さやか「はぁ、はぁ……」

まどか「さやかちゃん、大丈夫!?」

仁美「さやかさん……ギブアップして下さい。戦える状態ではありませんわ」

さやか「……やるよ」

杏子「さ、さやか……」

さやか「私、ずっと恭介が好きだった。昔から、ずっと」

さやか「その想いは重い……だから、私は戦う! そして……勝つ!」

QB「さやか……」

マミ「美樹さん……かっこいいわよ、あなた……」

ほむら「やることはただのダジャレ合戦だけどね」

さやか「ねぇ恭介……仁美のこと、どう思ってる?」

仁美「ど、どう……って?」

さやか「仁美って凄いよね。才色兼備のパーフェクトお嬢様ってやつ?」

さやか「それに比べて、私なんてごくごく普通の女の子……男なら誰でも、仁美を選ぶよ」

仁美「……そ、そう……かな……?」

さやか「今だって、仁美の強力なダジャレの前に屈しそうだよ。でも……私だって負けてない」

さやか「だから思うんだ……今度は私が挽回する番かい? ってね」

ビシャアアアアアン!

仁美「くうっ!」



まどか「さやかちゃんの攻撃が!」

杏子「いけーさやかー!」

さやか「私は仁美には色々負けてるけど、二つだけ勝ってると思っているものがあるの」

さやか「まず一つは、恭介との相性」

仁美「あ、相性……?」

さやか「うん。だって今まで幼い頃から、ずっと仲良く付き合ってこれたんだもの」

さやか「だから……恭介とはお互いに、誰よりも気があいしょうだって思うよ!」

ビシャアアアアアン!

仁美「やああああっ!」



マミ「美樹さん……」

QB「これは目が離せないね」

ほむら「ところで、ダジャレが全然面白くないのだけど。お互いに」

仁美「ふ、二つ目は……」

さやか「もちろん、恭介を愛する気持ち。これは……世界一だって思う」

さやか「だから……私は、恭介と付き合えたら、凄く嬉しいんだ」

仁美「さ……さやか……」

さやか「それが私、美樹さやかの……ささやかな、願いです」

ドガラガシャーン!

仁美「きゃああああああーーーーーーーっ!」

恭介「それまで!」

マミ「は、判定は……」

仁美「……私の、負けですわ」

まどか「ひ、仁美ちゃん!?」

仁美「この対決は『上條君への愛を表現しつつダジャレを披露すること』……」

杏子「それがどうしたって言うんだ?」

仁美「私は……ダジャレを用意しておいて、それを言える話の流れを無理矢理作ることに夢中でした……」

仁美「でも、美樹さんは……素直に自分の愛を表現し、その中にさりげなくダジャレを盛り込んできました」

仁美「今回の対決で一番大事なことは、面白いダジャレを言うことではありません……」

仁美「大事なのは、上條君へ愛を伝えること。そのことを……私は、忘れていました……」

さやか「仁美……」

ほむら「いや、どう見ても美樹さやかも無理矢理ダジャレを盛り込んでたでしょ」

恭介「……勝者、さやか!」

さやか「きょ、恭介!?」

仁美「私は身を引きますわ。さやかさん……上條君と、どうかお幸せに」

まどか「さやかちゃん、おめでとう!」

マミ「志筑さん、あなたのダジャレも凄かったわよ!」

杏子「ああ、いい勝負だったぜ!」

QB「きゅっぷい」



恭介「じゃあ帰ろうか、さやか……その、二人で」

さやか「うん……仁美、ありがとう!」

仁美「ふふっ、こちらこそ」

ほむら「……とりあえず美樹さやかが魔女化せずに済みそうだからよしとしましょう」

ほむら「そろそろワルプルギスの夜が来るわ」

マミ「ワルプルギスの夜……史上最強の魔女ね」

ほむら「なんだかんだで今回の時間軸は全員揃ってるし、絶対に勝つわよ!」

さやか「ワルプルギスの夜を倒す……まどかを契約させない……」

杏子「両方やらなきゃいけないところが、ヒーローの辛いところだな!」

まどか「ティヒヒ、みんな頑張って!」

QB「ついにこの日がやってきたね。勝算はあるかい?」

まどか「まぁどぉかな、ティヒヒ」

さやか「みっきみきにしてやるわよ!」

マミ「最強の魔女と相マミえる時ね! 緊張するわ!」

杏子「きょうこそはいいとこ見せてやるぜ!」

ほむら「…………」

まどか「…………」

さやか「…………」

マミ「…………」

杏子「…………」

ほむら「わ、ワルプルギスの夜はほぅむらないわけにはいかないわ! いくわよ!」

ま・さ・マ・杏「おー!」

ワルプル「…………」

まどか「あれがワルプルギスの夜だね!」

さやか「いくよっ! 鶏肉が取りにくい!」

ピシャーン!

マミ「校長絶好調!」

ピシャーン!

杏子「草が腐った!」

ピシャーン!

ほむら(最終決戦だというのに緊張感のかけらもないわ……)

ワルプル「アハハハハハハハハハ!」

マミ「ウケてる……それはつまり、効いているということよ!」

さやか「よし、このまま押し切ろう!」

QB「……いや、あれはウケてるわけじゃない」

杏子「なんでだ? 笑ってるじゃねえか」

QB「あれは……嘲笑だ! つまり君達のダジャレは、バカにされてるんだ!」

ま・マ・さ・杏「な、なんだってー!」

さやか「そ、そんな……私達のダジャレが、全く通用しないなんて……」

まどか「こんなの……絶対、おかしいよ……」

マミ「さすが最強の魔女……とても、かなわないわ……」

杏子「あたしの一番自信のあったダジャレが、バカにされるなんて……」

ほむら「草が腐ったが!? きょうこそはの方がまだ面白かったわよ!?」

QB「しょうがないね。まどかが契約するしか勝てそうもないかな」

ほむら「そ、それだけは駄目! こんな世界でも一応まどかだし!」

まどか「私が契約すれば助かるんだよね……要のダジャレが自信ないけど……」

ほむら「鹿目だけに要と言いたいの!? 草が腐ったと大差ないじゃない!」

QB「大丈夫だよ。まどかの素質があれば、杏子レベルのダジャレでも勝てるはずさ」

まどか「みんな、ありがとう……私、魔法少女になるよ」

さやか「ま、まどか……」

マミ「鹿目さん……」

杏子「どさくさにまぎれてあたしバカにされてなかったか?」

ほむら(……策は、一つある)

ほむら(でも、これを使うと……今までのように、まどかと接することはできなくなるかもしれない……)

ほむら(……何を迷っているのよ暁美ほむら、私は決めたじゃない)

ほむら(全てに変えてもワルプルギスの夜を倒し、まどかを救うって!)



ほむら「……奥の手を、使うわ」

さやか「転校生……? でも、普通のダジャレじゃあの魔女には……」

ほむら「美樹さやか、思い出して……志筑仁美のダジャレは、凄まじい威力だったわよね?」

さやか「え? まぁ……確かにあれは凄かったけど……」

ほむら「その秘密は、単純なダジャレの面白さだけではないわ……あれを言ったのが志筑仁美だからこそよ」

まどか「あ、確かに仁美ちゃんってダジャレとか言いそうにないからね」

杏子「そのギャップで破壊力が増して、あれほどの威力になったってわけか」

ほむら「つまり……その人が言いそうにないダジャレほど、ギャップで威力が増す」

ほむら「私が言いそうにないダジャレなら、言いそうにないほど……威力は格段に上昇する」

ほむら「思えば……今まで私が容姿端麗成績優秀を貫いてきたのは、このためだったのかも……」

QB「成績優秀はともかく、自分で容姿端麗って言うのはどうかと思うよ」

ほむら「魚を裂かないと」

ピシャーン!

QB「」

まどか「あ、キュゥべえが死んだ」

杏子「すぐスペアが来るからいいんじゃね?」

杏子「つまり……ほむらが言いそうにないダジャレを言うってことだろ?」

まどか「……! ま、まさか……!」

さやか「て、転校生……あんた……」

マミ「暁美さん! それだけはやっちゃいけないわ!」

QB「暁美ほむら、君は本気かい!?」

ほむら「まどか、あなたを救ってみせる!」



ほむら「私は……下ネタダジャレを言うわ!」

まどか「だめぇーーーーーーーっ!」

ほむら「節句にセックスしましょう!」

ドガラガシャーン!

ワルプル「アアアアアアアアアアア!」

QB「き、効いてる! 凄い威力だ!」

ほむら「まんこ出すなんて、すまんことをした!」

ドガラガシャーン!

ワルプル「アアアアアアアアアアア!」

QB「あ、あの容姿端麗成績優秀(自称)の暁美ほむらの口からこんな言葉が……」

ほむら「何がクニだよ! クンニしろオラァァァ!」

ドガラガシャーン!

ワルプル「アアアアアアアアアアア!」

QB「このギャップがワルプルギスの夜にすら凄まじいダメージを与えている!」

ほむら「とどめよ! この一撃に全てをかける!」ゴオオオオオ

QB「ほむらの体が、真っ赤に燃えている……」

ほむら「こたつの中で……」

ワルプル「アアアアアア……」

QB「ほむら(焔)だけに!」



ほむら「ちん…………こ勃ああああああああああつ!」

ドリュルドバビガラバドガシャーン!

ワルプル「ギャアアアアアアアアアア!」

ほむら「終わったわ……」

QB「暁美ほむら……見事だったよ、あのワルプルギスの夜を倒すなんて」

QB「まどかを契約させるのが目的だったけど、いいものを見させてもらったよ……礼を言うよ」

ほむら「まどか……私、やったわよ! ついに、あなたを救えたわ!」

まどか「…………」

ほむら「…………」テクテク

まどか「…………」ササッ

ほむら「……まどか?」

さやか「え、えっと……あ、ありがとね転校生……」

マミ「う、うん……私達だけでは、とても倒せなかったわ……」

杏子「なーなー、クンニってなんだ?」

まどか「か、感謝はしてるよ、凄く……でもね、何というか……あはは」

ほむら「…………」テクテク

まどか「…………」ササッ

さやか「…………」ササッ

マミ「…………」ササッ

杏子「?」

ポン

QB「…………」

ほむら「……キュゥべえ?」

QB「さすがに引くわ」

ほむら「うわああああああああああん!」



その後ほむらはループしようかどうかわりと真剣に悩むも

結局ワルプルを倒したこの世界で生きることを選んだ

現在は5人でしばしばダジャレの勉強会を開いてるだとか

END

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