杏子「間一髪、ってとこだな」ほむら「!?」(391)

早乙女「はい、それじゃあ自己紹介いってみよう」
ほむら「あ、暁美…ほ、ほむらです…どうか、よろしく、お願いします…」
ほむら(ちゃんと言えたっ…)
早乙女「暁美さんは、心臓の病気でずっと入院していたの。みんな助けてあげてね」
クラスメイト「「ハーイッ」」
ほむら(ずっと一人ぼっちだったけど、今度こそお友達ができたらいいな…)

~休み時間~
女子A「暁美さんって、前はどこの学校だったの?」
女子B「部活とかやってた?運動系?文化系?」
ほむら「え…あの、その…」
女子C「すんごい長い髪だよね。毎朝大変じゃない?」
女子D「暁美さんって付き合ってる人とかいるの?」
ほむら「ええと、そ、それは…」
女子E「その眼鏡変わってるね。どこかのブランド品?」
女子F「今度どこか遊びに行かない?暁美さんの歓迎会かねて!」
ほむら「あ…う…」
ほむら(どうしよう…。何て話せばいいか全然わからないよ…)

早乙女「ちょっと皆そこまで」
早乙女「暁美さんは休み時間に保健室でお薬飲まないといけないから」
女子A「えー」
女子B「それなら仕方ないね」
女子C「暁美さん、またね」
ほむら(ホッ… って、安心してたら駄目だよ…)
女子D「(暁美さんってなんか暗いよねー)」ヒソヒソ
女子E「(ノリも悪そうだし)」ヒソヒソ
ほむら(…)

ほむら「あの…」
早乙女「何かしら?暁美さん」
ほむら「このクラスの保険委員の方ってどなたですか?」
早乙女「…」
ほむら「?」
早乙女「ちょっと言い辛いんだけど、いずれわかることだから仕方ないか。」
早乙女「あのね?暁美さん。このクラスの保険委員は鹿目さんって子なんだけど」
早乙女「1週間も前からずっと行方不明なの。同じクラスの美樹さんも…」
ほむら「えっ?行方…不明?」
早乙女「家族にも全然連絡が無くて。警察も捜索してるんだけど全く手掛かりが無いみたい」
早乙女「3年生にも一人行方不明の子がいるみたいだし…。物騒だから暁美さんも気をつけてね?」
ほむら「はい…」
ほむら(保険委員の子ならいろいろとお世話になるし、友達になれると思ったけど)
ほむら(仕方ないよね…)

SS書くのは初めてでして、文面・改行見苦しいところありましたら申し訳ございません

~体育の授業~

女子D「準備体操だけで貧血だってさ」

女子E「ずっと病院にいたって言うけどいくらなんでもねー」

ほむら(…)

~数学の時間~

女子F「あんな問題も解けないんだ」

女子A「まじめそうに見えてあんまり頭良くないんだねー」

ほむら(…)

~放課後~

女子D「暁美さーん、帰りカラオケでも行かないー?」

ほむら「あの、今日はちょっと…」

女子E「あ、そうなんだ」(今日はっていつもじゃないの)ヒソヒソ

ほむら「ごめん…なさい…」

女子F「行こ行こ」(もうほっとこ、私らと遊びたくないんだよ)ヒソヒソ

ほむら「…」

~帰り道~

ほむら(やっぱり無理だよ…私、何にもできない。何も変われない)

ほむら(これからも、ずっとこのままなの?)

ほむら(一人ぼっちのままなの?だったら…)

???「「だったらいっそ、死んだほうがいいよね」」

ほむら(そう、いっそのことこのまま死んだ方が…)

ほむら「えっ!?こ、ここどこ?」

ほむら「何?あの建物は… それに何か人影が近づいてきてる…?」

ほむら「ひっ こないで…いや…嫌ぁぁっ」

ほむら(誰か…助けてっ…!)

ヒュンッ ザシュッ ズシャッ

ほむら「…あれ?人影が消えた!?」

杏子「間一髪、ってとこだな」

ほむら「!?」

ほむら(女の子!?)

ほむら(誰だろう…)

ほむら(炎のように紅く長い髪…)

杏子「そんじゃ、とどめ行っとくか!ハァッ!」

ほむら(綺麗、それに格好良い…)



杏子「おーし、グリーフシードゲットだな」

ほむら「あっ、あのっ」

杏子「ん?」

ほむら「助けて頂いて、ありがとうございますっ」

杏子「いいっていいって、偶然みたいなもんだし。こっちも欲しいもん手に入ったからな」

ほむら(あの変わったアクセサリみたいな物のことかな?)

杏子「最近この街も物騒になってるから、あんたも気をつけな。じゃーな」

ほむら(行っちゃう… 助けてもらってばかりなのに、また何のお返しもできない…)

ほむら(せめてあの人にはお礼をしたい…)

ほむら「あのっ、何かお礼をさせてくださいっ」

杏子「要らないよ。私は私の目的であいつをぶっ潰しただけだし」

杏子「あんたから見返りもらう目的で助けたわけじゃないよ」

ほむら「でも…」

杏子「まぁ、困ったやつを助けるのは…当然のことだからな」

ほむら(すごい… あんな格好良いことさらっと言えちゃうなんて)

ほむら(もっとこの人のことが知りたい。こんな人に私もなりたい!)

ほむら「じゃ、じゃぁ少しだけ、少しだけお時間頂けませんか?」

杏子「だからいいって。私もそんなに暇じゃないし」

杏子「またさっきの奴みたいなのが出てくると限らねーしな」

ほむら「さっきのあれは何なんですか!?あの変な世界とか、あなたの格好とか!」

杏子(まずったな。変に関心を引いちまったな)

杏子(あの目はどうみても諦める様な様子に見えないし)

杏子(またこいつが襲われないとも限らねーし)

グキュルルル

杏子(腹の虫まで空気読めってか。仕方ねーな…)

杏子「わかったよ。ちょっとだけだぞ」

ほむら「!」

杏子「たいやきのうまい店が近くにあるんだ。あんたの奢りなら付き合ってやるよ」

ほむら「はいっ」

~たいやき屋~

杏子(モグモグ)

杏子「やっぱここのこし餡たいやきは最高だなぁ、おい」

杏子「…やっぱりカスタードもうまそーだな」

ほむら「私の分はいいですから」

杏子「おお、わりーな。じゃ、遠慮なく」モグモグ

ほむら「ええっと…」

杏子「ん?ああ、自己紹介がまだだったな」

杏子「杏子だ、佐倉杏子。最近見滝原のほうに越してきたんだ。宜しくな」

ほむら「あっ、暁美ほむ、ほむらですっ」

杏子「ほむほむ?」

ほむら「ほむらですっ!」

杏子「悪い悪い(いじられたことありそーだな…)」

杏子「ほむらか。すげー名前だな」

ほむら「やっぱり、変ですよね…?」

杏子「違う違う、格好良いって意味だよ。燃え上がれーって感じでさ」

ほむら「そ、そんな…名前負けしてます…」

杏子「だったら強くなればいいじゃん。名前に恥じねーようにさ!」

ほむら「私には…無理です…。佐倉さんみたいに格好良くはなれないです…」

杏子(ったく、どうも調子狂うよなぁ…)

ほむら「あのっ」

杏子「ん?何だい?」

ほむら「佐倉さんはいつもあんなのと戦っているんですか?」

杏子「ああ、魔女のことか。そうだよ、この世界に潜む魔女と戦うことこそが、私ら魔法少女の使命さ」

ほむら「魔女…?魔法少女…?」

杏子「魔女ってのはさっきみたいに人間を食い物にしてる奴らさ」

杏子「普通の人には姿が見えないけど、交通事故や自殺といった形で人間を殺していく」

杏子「まぁ、あんたが魔女の姿を捉えられたのは偶然かもな」

ほむら「…」

杏子「それに対して、そいつら魔女をぶっ倒すための存在が魔法少女」

杏子「まぁ、簡単に言えば魔女が悪で私ら魔法少女が正義の味方ってとこさ」

ほむら「すごい!すごいです!」

杏子「褒めても何もでねーぞっ」

ほむら(やっぱり佐倉さん格好良い…)

ほむら(私も、私も魔法少女になったらあんな風になれるのかな?)

ほむら(だったら私も…)

ほむら「あのっ…私でも魔法しょ…」

杏子「でもな、魔法少女ってのは常に死と隣り合わせなんだよ」

ほむら(ビクッ)

杏子「いつか魔女との戦いで命を落とすかもしれない」

杏子「だからといって魔女と戦わずに逃げるなんてこともできない」

杏子「ほむらの学校で行方不明者が出てるってのは知ってるか?」

ほむら(コクッ)

杏子「そのうちの一人、巴マミはこの見滝原を管理する魔法少女だった」

杏子「だけど1週間前、魔女との戦いでマミが命を落としたという話を耳にした」

ほむら「っ…」

杏子「私はもともと隣町を縄張りとしてたんだけど、管理者不在となったここに来たってわけ」

杏子「マミを殺った魔女を倒した時、近くに何人分かの制服が落ちてた」

ほむら「!(先生の言ってた保険委員の…!?)」

杏子「魔女の結果以内で死んだ奴は永遠にもとの世界には戻れない」

杏子「ずっと行方不明のままさ」

ほむら「そんな…」

杏子「それでも私ら魔法少女は戦わなきゃいけないんだよ。自分自身を守るためにもな」

ほむら「…」

ほむら(死んじゃうのは怖い…、またあんな目にあうのも怖い…)

ほむら(だけど…)

杏子「しんみりしちまったな。そろそろお開きとするか」

ほむら「あのっ佐倉さん!」

杏子「ん?」

ほむら「私も…私にも何かお手伝いさせてください!」

杏子「あのなぁ、さっきの話聞いててまだわかんねーのか?」

ほむら「危ないっていうのはわかってます!でも…」

ほむら「でも私も人助けの役に立ちたいんです!」

ほむら「私、病気でずっと入院してました」

ほむら「その間に色んな人達に迷惑をかけて…」

ほむら「転校先でも皆優しくしようとしてくれてるのに、怖くて応えられなくて…」

ほむら「そんなどうしようもない状態でまた佐倉さんに助けられて…」

ほむら「私、今度こそ誰かのために何かしたいんです」

ほむら「助けられるだけでなく、誰かを助ける自分になりたいんです!」

杏子「言っとくけど素人のあんたがでしゃばっても…」

???「そこまで邪険にすることはないんじゃないかい?杏子」

???「せっかくの好意なのにさ!」

杏子「てめーは黙ってろ!QB!」

ほむら「???えっ?」

ほむら(何?この猫みたいな可愛い生き物は・・・?)

ほむら(っていうより、しゃべった!?)

QB「僕の名前はQB。杏子達魔法少女は皆僕と契約して魔法少女になっているのさ」

杏子「だから余計なことしゃべんなって」

ほむら「契約?」

QB「そうさ。魔法少女になる人間は魔女と戦う使命を負う代わりに何でも…モゴッ」

ほむら「???」

杏子「もうこの件は終わりだ。私は忙しいんだよ!」

QB「きゅっぷい。いきなりたいやきを押し込むなんてひどいよ杏子」

QB「それに今日はもう何の予定も無いくせに」

杏子「だ・ま・れ」

QB「この街に来てまだ住む所も決まってない君にはこの上ない申し出じゃないか!」

ほむら「えっ?住む所、ないんですか!?」

QB「そうだよ。もう3日も野宿で僕の愛らしい体もぼろぼ…ゲホッ」

杏子「今日はQB鍋決定だな」

QB「顔が怖いよ、杏子」

ほむら「あ、あのっ」

杏子・QB「「?」」

ほむら「うちに…私のうちに来ませんかっ?」

ほむら「他に家族は誰も居ないし、部屋も余ってますから…」

杏子「そうは言ってもな…」

QB「ではお言葉に甘えようじゃないか!」

杏子「な・ん・で・お・ま・え・が・こ・た・え・る・ん・だ?」

QB「痛たたた、ほっぺを引っ張るのはやめてくれないか」

ほむら「クスクス」

ほむら「仲がいいんですね」

杏子「断じてそれはねーよっ!」

QB「どちらにしても、この街で活動する限りは拠点が必要だと思うな、杏子」

QB「安心して休息の取れる場所も必要だしね」

QB「なによりこの子がそれを望んでいる。何も遠慮することはない」

杏子「…それはわかってるよ」

ほむら「じゃぁっ」

杏子「わかったよ!あんたの世話になってやるよ!」

ほむら「!」(やった)

杏子「ただし一つだけ条件がある」

杏子「ほむら、あんたは絶対に魔法少女になろうなんて考えるなよ」

杏子「あんたが危険な目に会う必要はない」

杏子「傷つくのも苦しむのも私一人で十分だ」

ほむら「…わかりました。約束します」

ほむら「少しでも佐倉さんの負担が軽くなるように頑張ります!」

杏子(おいおい、本当まっすぐな奴だな…)

杏子(おどおどしてるけど芯はしっかりしてそうで…)

杏子(もうこいつが危険な目にあわないよう、私が守ってやらねーとな)

QB「さて、さっそく君の家に案内してくれないかな?ほむら!」

ゴスッ

QB「きゅっぷいっ!?」

杏子「お前がしきるな!」

ほむら(ふふ。本当、仲がいいんだ)

※マミさん、まどかさん、さやかちゃん
3名は魔女の結界内でお亡くなりになっています…

~ほむホーム~

杏子「おじゃましまーす」

杏子「おおっ、畳部屋があるじゃねーか!」

ほむら「畳が珍しいんですか?」

杏子「ああ、うちはもともと教会でな。畳の部屋なんてなかったんだ」

ほむら「じゃぁ、佐倉さんはこの部屋を使ってください」

杏子「いいのか!?サンキューッ」

杏子「って、おいQB!早速ゴロゴロと転がってんじゃねーっ」

ほむら「ちょっと待っててください。今お茶入れますから…」

~5分後~

ほむら「お待たせしました…って、もう寝ちゃってる…」

杏子(スーッスーッ)

ほむら(よっぽど疲れてたんだ…)

ほむら(起こしちゃ悪いよね…)

ほむら「おやすみなさい、佐倉さん…」

~朝~

杏子「ムニャムニャ…いいにおいがする」

ほむら「おはようございます」

杏子「ん…ああ、おはよう」

杏子「お!うまそーじゃねーか」

ほむら「インスタントのものばかりなんですけど」

杏子「いいっていいって。あったかい飯にありつけるだけで十分満足だ」

QB「僕の分もあるのかい?」

ほむら「あるにはあるんですけど、どんなものを食べるかわからなかったから…」

QB「…汁物に入った白米の上に鰹節、いわゆるねこまんまってやつかい?」

杏子「ぷははははっ!QBそりゃあんたにぴったりだよ」

ほむら「ごめんなさい…気に入らなかった?」

QB「いや、僕らにとって栄養や味付けはあまり意味を成さないものなんだ」

QB「だから気にする必要はないよ」

QB「だから…気にする必要はないよ…」

杏子「未練たらたらじゃねーか」

ほむら「私のおかずわけてあげるから」

QB「!ありがたく頂くとする…」

ヒョイパクッ

杏子「うまうま。もったいねーぞほむら。こんな奴に肉なんて」

QB「…」

ほむら「じゃぁ、私は学校に行きますので、留守をお願いします」

杏子「あいよー」

ほむら「外に出かけるときは戸締りをお願いしますね」

QB「まかせておいて」

ほむら「じゃぁ」

ガラガラ

杏子「ほむらっ」

ほむら「!?」(ビクッ)

杏子「…いってらっしゃい」

ほむら「あ…」

ほむら「いってきますっ!」

~学校~

ほむら(いってきますなんて言ったの、いつ以来だろう…?)

ほむら(朝の挨拶がこんなに気持ちのいいものだなんて知らなかった!)

ガラガラ

女子A「あ、暁美さんおはよー」

女子E(また軽く会釈するだけで返事なんてするわけないでしょ)ヒソヒソ

ほむら「お、おはようございます!」

女子A・E(ビクッ)

女子C(暁美さんが挨拶…しかも結構大きな声で…)

女子D(どうしたんだろ…?)

~休み時間~

女子B「ねー、暁美さん」

ほむら「あ…は、はいっ」

女子E(ちゃんと返事してる…)

女子D(昨日までびくびくするだけで、ずっと黙ってたのに…)

女子B「何か昨日、いいことあった?」

ほむら「!えっ!?」

女子B「なんか暁美さん、昨日までと違って生き生きしてる」

女子A「そうそう、目が輝いてるっていうかさー」

ほむら「今、お知り合いの方がうちに泊まってるんです」

ざわ…

男子A「!」

男子B(知り合い?男!?男なのか!?)

女子C「それって男の人―?」

ざわ… ざわざわ…

ほむら「い、いえ、女の人です…」

男子C(よかったー)

女子B「へー。どんな人?」

ほむら「ちょっとがさつなところはあるんですけど」

ほむら「格好良くて気が強くて、それでいて優しくて」

ほむら「とても素敵な人なんです!」

女子A「暁美さんその人にべたぼれだー」

ほむら「/////」

男子B「中沢…」

中沢君「ああ、間違いない。百合だ」

~ほむほーむ~

杏子「へくちっ」

QB「わざわざ僕の方を向いてからくしゃみをするのはやめてくれないか?」

QB「汚いじゃないか」

杏子「うっせー。だれか私の噂をしてやがんな…」

QB「それにしても杏子」

杏子「あん?」

QB「見事なだらけっぷりだね」

杏子「たまにはいーんだよ。魔法少女にもお休みは必要ってことさ」

杏子「こうしてあいつの留守をしっかり守ることも大事な役目さ」

杏子「ほら、自宅警備員って仕事もあるだろ?」

QB「…杏子、君はその言葉の意味を履き違えていないかい?」

~放課後~

ほむら「じゃぁ、私今日も約束があるから…」

女子A「暁美さんばいばーい」

女子B「暁美さんお幸せにー」

ほむら「////」

ほむら(今日はクラスの皆といっぱいおしゃべりできちゃった…)

ほむら(これも全部佐倉さんのおかげかな…)

ほむら「ただいま」

杏子「おー、お帰りー」

ほむら「ちょっと待ってて下さいね。夕食の準備しますね」

杏子「ほむら、あんたちゃんとした料理ってできるのか?」

ほむら「…」

杏子「…」

QB「今から街中のパトロールがあるから、今日のところはそのついでに外食としたらどうかな?」

ほむら「そうですね!」

杏子「って、おいおい。魔女探しにほむらも連れてく気かよ?」

QB「ほむらには、魔女がいかに危険な存在かを今一度理解させておく必要があると思うよ」

QB「それに杏子くらいの強さなら、ほむら一人を守りながらでも十分に魔女と戦えるはず」

ほむら「佐倉さんは強いから大丈夫です!」(キラキラ)

杏子「…ったくしゃーねーなぁ」

杏子「ちゃんとほむらのことは私が守ってやるよ」

ほむら「佐倉さんっ…!」

杏子「そのかわりQB、あんたは自分でなんとかしなよ」

杏子「魔女に食われても助けてやんねーからな」

QB「きゅっぷい」

~ファミレス~

ウエイトレス「お客様申し訳ございません、ペットのご同伴はお断りしています」

杏子「あー、こいつは外置いてくから、2名で!」

ウエイトレス「かしこまりました」

QB「…」

ほむら(あとで何かテイクアウトしてあげよう…)

~見滝原市中心部~

杏子「さて、これからが本番なんだが」

杏子「基本的に魔女探しは足頼みだ。こいつが捉える魔女の気配をたどっていく」

ほむら(わぁ、綺麗…)

ほむら「あの、その宝石みたいなのは…」

QB「これはソウルジェム、契約によって生み出された魔法少女の証たる宝石だよ」

杏子「こいつは魔法少女にとっての生命線でな」

杏子「いまは輝いているけど魔法の力を使えば使うほど黒く濁ってくる」

杏子「こいつが濁りきって真っ黒になってしまった時…」

QB「魔法少女という固体は死を迎えるのさ」

ほむら「!そんなっ」

ほむら「じゃぁ、どうやって濁りを取り除けば…」

杏子「そこで浄化のために必要となってくるのがこいつだ」

ほむら(あれは…、昨日助けてもらったときに魔女が落とした…)

杏子「こいつはグリーフシードといってな、魔女を倒したときに手に入る代物だ」

杏子「魔法少女ってのは只生活しているだけで徐々に魔力を消費していく」

杏子「ほっといたらいつの間にかソウルジェムは真っ黒になってくのさ」

杏子「魔女から逃げ続けるということができない理由の一つがこれさ」

杏子「生きていくためにも私ら魔法少女は戦い続けなければならない」

ほむら「…」

ほむら(私、少しだけ考えが甘かった…)

ほむら(ただただ格好良いことばかりじゃないんだ)

杏子「…っと、話し込んでるうちについちまったな」

ほむら「ソウルジェムがすごく明滅してる…」

QB「どうやらこのあたりが魔女の結界の入り口のようだね」

杏子「これから結界内に入るけど、ほむら、あんたは…」

ほむら「私も行きます!」

杏子「だろうな。私のそばから離れんじゃねーぞ!」

ほむら「はいっ」



~夜・ほむほーむ~

ほむら「佐倉さん、やっぱりすごいです!」

ほむら「あっという間に魔女を倒しちゃいました」

杏子「へっ、あんなの余裕っしょ」

QB「そのわりに結界の最深部に行くまでひたすら迷ってたよね」

杏子「お、このポテトうまいな」

ほむら「あ、それQB用のテイクアウト…」

QB「杏子、君はどれだけ人の食べ物を横取りしてるんだい?」

杏子「ふぅー、食った食った」

ほむら「じゃぁ、お風呂に入りましょうか」

杏子「えー、いいよ面倒くさい。もう寝よーぜ」

ほむら「駄目です!」

杏子(ビクッ)

ほむら「佐倉さん、昨日もお風呂に入ってないです」

ほむら「佐倉さんも女の子なんだからもっと綺麗にしなきゃ駄目です!」

杏子(め、珍しく強気だな…)

ほむら「さぁ、脱いで脱いで!」

杏子「お、おいっ/// 服くらい自分で脱げるからっ!」

杏子「だぁぁっ!下着を脱がそうとするな!自分で脱ぐ!」

杏子「…」

ほむら「…」

QB「ん?なんだい?」

ほむら・杏子「「出てって!」「出てけ!」」

QB「まったく…少女というものは肌を見られただけですぐに怒り出す」

QB「わけがわからないよ」

杏子「う~、泡が目にしみ…りゅっ!?」

つつつ

ほむら「佐倉さん、肌綺麗…」

杏子「ちょっっ、やめろよほむら!」

ほむら「それに比べて私なんか…」

杏子「私は魔力で肌荒れを抑えてるんだよ!」

ほむら「…ずるいです」

杏子「ていうかあんたも全く気にするレベルじゃねーと思うんだが…」

ほむら「ここも魔力で大きくしてるんですか!?」

むに

杏子「おおおおお前何人の胸触ってんだよ!? ///」

杏子「これは地だ!てか私ら似たようなもんじゃねーか!」

ほむら「そんなことないです!佐倉さん大きいです!」

杏子「///」

QB「…」

風呂場(キャッキャッ)

ガラッ

QB「入ってもいいかい?」

ドカッ バキッ

QB「きゅpp」

杏子「ふ~いい湯だった。久々に生き返ったよ」

ほむら「あ、佐倉さん。寝る前にはちゃんと歯磨きしてくださいね」

杏子「えー、面倒くせーなぁ」

ほむら「そんなこと言ってたら虫歯になりますよ?」

杏子「魔法少女は虫歯にはならないっての」

ほむら「…」ジーッ

杏子「だぁぁ、わかったって」

杏子「ったく、ほむらはばーちゃんかっての」

ほむら「布団敷いたからちゃんとそこで寝てくださいね」

杏子「…」

ほむら「?佐倉さん?」

杏子「やっぱ今日はほむらと一緒に寝るよ」

ほむら「!? ///」

杏子「なんかさ、こういうの懐かしくてさ」

ほむら「懐かしい?」

杏子「私には妹がいてさ、昔よくこうやって一緒に寝たもんさ」

ほむら「妹さんがいるんですね」

杏子「…正確には『いた』んだけどね」

ほむら「!ご、ごめんなさいっ」

杏子「いいって、気にすんな。もうずっと昔の話さ」

ほむら「あの…」

杏子「ん?」

ほむら「今日は佐倉さんのお話もっと聞きたいです」

ほむら「昔の話とか、今の話とか」

杏子「私もだよ、ほむら」

杏子「もっとあんたのこと知っときたい」

ほむら「じゃぁ、今日は寝かせませんよ?」

杏子「望むところだ!」

QB「お楽しみのところ悪いんだけど、そろそろ電気を消してくれないかい?」

QB「ゆっくりと休めないよ」

杏子「じゃーあんたは外で寝てな」

QB「…せめて別の部屋を用意してくれないかな…」

~翌朝~

ほむら「じゃぁ、いってきます」

杏子「いってらっひゃ~い  ふぁぁぁぁ」

バタン

杏子(ほむらは今日も学校か)

杏子(暇だな…)

杏子(朝食少なかったな…買い置きのお菓子でも食べるか…)

QB「やれやれ、すっかり馴染んでしまった様だね」

杏子「うっさい。これ食べたらちゃんとパトロールいくっつーの」

~10分後~

杏子(スピー)

QB「また寝ちゃったよ…」

QB「まぁ、グリーフシードの蓄えは十二分にあるようだからいいんだけどね

~放課後~

ほむら(やっと授業が終わった!)

ほむら(早く帰って佐倉さんとパトロールに行かなくっちゃ)

ザワザワ

ほむら(?どうしたんだろ、校門の方に人だかりが…)

男子A「おいっ、なんか校門にめっちゃ可愛い子がいるんだって!」

女子A「真っ赤な髪をしたつり目の女の子?」

男子B「しかも声かけたら『うっさい、消えろ!』だって!」

男子C「やべえ、ふまれてえ」

ほむら(まさか…)

杏子「!おーい、ほむらー」

生徒「「ザワッ」」

女子B「これが暁美さんの言ってたかっこいい人!?」

女子D「でもすんごく雰囲気良いよねー」

中沢君「とりあえず写メ写メ」

ほむら「佐倉さん!?どうしてここに??」

杏子「暇だったから迎えに来た♪」

ほむら「でもどうやってこの場所が…」

QB「僕に知らない場所なんてないからね」

ほむら「QBぇ…」

杏子「さ、さっさと帰って街に行こうぜ。今日も忙しいぞ!」

ほむら「… うん!」

朝起きたらおはようの挨拶を交わし

朝食は必ず一緒に食べ

昼間は学校と街で各々の時間を過ごし

夕方は魔女退治に一喜一憂し

夜はお風呂でさわいで一緒に寝る

ずっと一人で病院にいた私にとって、全てが刺激的でまぶしい体験だった

佐倉さんと出会ってから一日たりとも辛い日は無かった

この先もずっとこうやって暮らしていけるはず

いや、暮らしていこう

私と佐倉さんなら、きっとうまくできるはずだから…

~3週間後~

TV「「今日の夕方から明日の朝にかけて各地で大荒れの天気となるでしょう…」」

ほむら「今日は天気悪いみたいだね」

杏子「…ああ」

ほむら「私今日学校昼までだから、パトロールは早いうちにした方がいいね」

杏子「…そうだな」

ほむら「じゃぁ、いってきます!」

杏子「いってらっしゃい」

バタン

杏子(…)

杏子「QB…」

QB「なんだい?杏子」

杏子「この気配、やっぱり魔女か?」

QB「そうだね。しかも超大物だ」

QB「これほどの規模の魔力、そして災害レベル…」

QB「間違いなく『ワルプルギスの夜』だね」

杏子「どのくらいの強さだ?」

QB「さぁ、僕にはわかりかねる」

QB「ただはっきりとわかっていることは只一つ」

QB「いまだかつてアレに勝てた魔法少女はいないということだけだ!」

杏子「…」

杏子「ここが年貢の納め時って奴か」

QB「どうする?今ならまだ逃げることは可能だよ?」

QB「とは言っても、被害規模は見滝原市だけでなく、周辺都市全てになるだろうけどね」

杏子「逃げないよ」

QB「君らしくもないね、杏子」

QB「勝てないと判断したら退却するのが君のモットーじゃないのかい?」

杏子「勝てないとわかってても逃げちゃ駄目な時もあるんだよ…」

杏子(ほむら…)

~昼~

ほむら「ただいま」

杏子「おう、おかえり!」

ほむら「あれ?どこか出かけるの?」

杏子「ああ、今日はパトロールは無しだ!」

ほむら「そっか…(せっかく早く帰れたのに残念…)」

杏子「んで、今からデートに行くぞ!」

ほむら「!?で、デート!?」

杏子「私とほむらの2人でな!」

ほむら「え、あ、ちょ、ちょっと… ///」

杏子「さぁ、今日という時間は少ないぞ!さっさと準備しな!」

ほむら「あ、う、うん!」

杏子「まずは昼食からだな!」

ほむら「クスクス。いつもとあんまり変わらないね」

杏子「腹が減っては戦はできないって言うからな」

ほむら「じゃぁ、何食べよっか?」

杏子「たいやき」

ほむら「え?」

杏子「あそこのたいやき屋行こーぜ!」

ほむら「いいの?それだけで」

杏子「ああ、問題ない」

~たいやき屋~

杏子「うめー。やっぱりここのたいやき最高だな」

ほむら「うん、そうだね。いつ食べてもおいしいよね」

店主「ありがとよ、嬢ちゃん達」

店主「紅い髪の子には前に食い逃げされたりもしたけど…」

ほむら「!あ、私が払います!」

店主「いいっていいって」

店主「あの食べっぷりをみたら何かこっちまで気持ちよくなっちまうんだよな」

杏子「そのスキがでかいんだって」

ほむら「佐倉さん!もうそんなことしたら駄目だよ!?」

杏子「わかってるって。ごめんなさい」

店主「うん、よろしい」

店主(いい友達を持ったみたいだな)

店主(これなら彼女のこの先も安心だ)

~ブティック前~

ほむら「わー、この服素敵…」

杏子「そっかー?なんかフリフリしたのいっぱいついてて、動きにくそーじゃねーか」

ほむら「可愛いよ?あ、こっちのなんか佐倉さんに似合いそう…」

杏子「そっかー?まぁ、試着するだけならタダなんだ。着てみたら?」

男性店員「何かお探しですか…  !(めがねの子可愛い!)」

女性店員「どの様な服をお探しで…  !(ポニテの子かっこいい!)」

ほむら「あの…、ちょっとこの服着てみたいんですが…」

男性店員「かしこまりました(ベストセレクト!めがねちゃん!)」

ほむら「そちらの子にはこの服を…」

女性店員「かしこまりました(ベストセレクト!めがねちゃん!)」

ほむら「に、似合ってますでしょうか… ///」

男性店員「とてもよくお似合いで(マーベラス!)」

杏子「私の、なんか男物っぽくて変な感じがするなー」

ほむら「そんなことないよ?とてもよく似合ってる!」

女性店員「そのとおりですよ、お客様(エクセレント!)」

男性店員「お客様、一つご相談なんですが、その服を着てモデルになっていただけませんか?」

ほむら「!?」

男性店員「実は今度のセール用のモデルの子が急遽来れなくなっておりまして」

女性店員「お二人並んだところを写真に撮らせていただきたいんです」

ほむら「さ、佐倉さんっ、どうしようっ!?」

杏子「いーんじゃねーか?記念になるんだし」

ほむら「佐倉さんがそういうのなら…」

女性店員「ではこちらのスタジオへ…、あ、個人的にも写真撮らせてください」

杏子(…何か視線が怖いな)

ほむら「さっきの服いただいた上に謝礼まで頂いちゃって」

ほむら「なんだか悪いことしたかな…」

杏子「いーんだって、あの店員達も満足してるようだし」

杏子「気にすることじゃねーよ」

ほむら「そうだね」

杏子「さて、ちょっと遅くなってきたな」

ほむら「そうだね」

杏子「仕上げにちょっと港の方まで行こうか」

ほむら「うん!」

~港~

杏子「ふー、風が気持ちいいな!」

ほむら(どうしたんだろう、佐倉さん)

ほむら(なんだかそわそわしてる)

ほむら(まさか…告白!? ///)

杏子「なぁ、ほむら」

ほむら「ふぁっ、ふぁいっ!?」

杏子「初めて会った時の事、覚えてるか?」

ほむら「あ…うん、私が魔女に襲われたときだよね」

杏子「魔女の気配を感じ取って結界に入ったらあんたがいてさ」

杏子「今にも泣きそうな顔で助けを呼んでてさ」

ほむら「そ、そうだった?」

杏子「ああ、そうだよ」

杏子「魔女を倒して立ち去ろうとしたとき、ほむらは私を引き止めたよね?」

ほむら「はい…」

杏子「初めてだったよ、魔法少女として戦ってる姿を見られて引き止められたのは」

ほむら「え…?」

杏子「今までにも何人か人を救ったことがあったけど」

杏子「礼は言えど、皆一目散に私から離れて行ったよ」

杏子「化け物を倒した奇妙な奴とは関わりたくないってさ」

ほむら「…」

杏子「だから私はいつも一人だった」

杏子「だけどあんたと出会って全てがひっくり返ったような気がした」

杏子「あんなに危険な目にあっても関わろうとしてきて」

杏子「どんなに突っ張っても私を引き連れようとして」

ほむら「それはっ…」

ほむら「それは私が望んだことだから…」

杏子「ああ、それでも私は嬉しかったよ」

杏子「本当の私を見て、それでも気に掛けてくれる…」

杏子「ほむら、あんたは私が魔法少女になってから最初の、たった一人の大切な友達だ」

ほむら「佐倉さん…」

杏子「だからこそ、私はそんな友達を、友達の街を守りたい」

ほむら「佐倉…さん?」

ほむら(なんでだろう、嫌な感じがする)

ほむら(この先を聞いてはいけない気がする…)

杏子「今晩ここに…」

ほむら「待って!佐倉さんっ!」

杏子「…」

杏子「今晩ここに『ワルプルギスの夜』が来る」

杏子「史上最強の魔女といってもいい」

ほむら「…っ!」

杏子「こいつには勝てるかどうかわからない」

ほむら「だったら…」

ほむら「だったら逃げよう?佐倉さん!今ならまだ間に合うよ!?」

杏子「それはできない」

ほむら「そんな…どうして!?」

杏子「言ったじゃん?ここは私の大切な友達の街だって」

杏子「私とほむらが一緒に守ってきた思い出の場所だって」

杏子「今ここで逃げ出したら、これまでの思い出も、絆も崩れてしまう」

ほむら「だからって…死んじゃったら意味がないじゃない!?」

杏子「バーカ、まだ負けると決まったわけじゃないって」

杏子「グリーフシードのストックは十分にある」

ほむら「でも…」

まどあん

杏子「ったく、心配性だな、ほむらは」

スルッ

杏子「このリボンをあんたに預ける」

杏子「必ず返してもらいに行くから」

ほむら「私もっ」

スッ

ほむら「このカチューシャを預けます!」

ほむら「必ず…必ず返しに来てくださいっ」

杏子「ああ、約束する」

ほむら「うん」コクッ

ほむら(どのくらい時間がたったんだろう…)

ほむら(あれから一言もしゃべってない…)

ほむら(風もすごく強くなってき…  !??)

ヒュゥゥゥゥゥッ

ほむら(ぞ、象?小人!?サーカス!!?)

『5』

ほむら(逆さに…浮いてる?)

『4』

ほむら(あれが、あれが魔女だって言うの!?)

『2』

ほむら(笑…てる!?怖いっ…)

『1』

杏子「来るぞ!」

ほむら「あ、あれが…」

杏子「ああ、あれが『ワルプルギスの夜』だ」

ほむら(そんな…大きすぎるよ…)

ほむら(あんなの勝てるわけないよ…っ)

ほむら「佐倉さん!」

杏子「ほむら…ありがとうな」

杏子「今ならあの「技」を使うことができると思う」

杏子「親父達が死んでから閉じ込めてきた想い、あんたのおかげで思い出したよ」

杏子「だからこそ、必ずあんたを守ってみせる!」

杏子『ロッソ・ファンタズマ!』

ほむら「!?」

ほむら(佐倉さんが2人、4人、8人、16人!?まだまだ増えてく!?)

杏子「さぁ、行くぞ」

杏子「こいつはもう只の分身じゃねえ」

杏子「一つ一つが本当の『私』だ!」

ほむら「佐倉さん!」

杏子「うらぁぁぁぁぁぁっ」



ほむら(…)

ほむら(…)

ほむら(ハッ)

ほむら「こ…ここは…」

ほむら(見渡す限り瓦礫ばかりだ…)

ほむら(たしか大きな閃光とともに爆発音がして…)

ほむら(目の前に佐倉さんの作る結界が現れて…)

ほむら「!佐倉さん!?」

ほむら「佐倉さんっ!佐倉さーんっ!」

ダッ

ほむら(佐倉さん、どこ!?)

ほむら(佐倉さん、約束してくれた。必ず帰ってきてくれるって…  !)

ほむら(あれは…佐倉さん!)

ほむら(壁にもたれて座ってる)

ほむら(きっと力を出し切って疲れてるんだ!)

ほむら(お腹もすかしてるんだろうな)

ほむら(今日は豪勢な食事にしなきゃ)

ほむら(今度はちゃんとQBも一緒に食卓を囲んで)

ほむら(その後は一緒にお風呂に入って一緒に寝るんだ)

ほむら(今日一日の出来事を笑いながら話して…)

ほむら(おやすみなさいって…するんだ…)

ほむら「だから…お願いだから目を開けてよ、佐倉さん……」

ほむら「嫌だよ…こんなの……、いつもみたいに、笑ってよぉ…」

QB「残念だけど、佐倉杏子はもう死んでしまった」

ほむら「QB…」

QB「彼女の力では『ワルプルギスの夜』の進路をずらすのが精一杯だった」

QB「だけどおかげで君の街は最小限の被害でとどまることができたようだ」

QB「無駄死にではなかったね」

ほむら「街がどうなってもいい…」

ほむら「佐倉さんは…佐倉さんだけは助かって欲しかった…」

ほむら「生きてて欲しかった…」

QB「やれやれ、彼女の功績を否定するのはどうかと思うけど」

ほむら「ううぅぅぅぅぅぅ…」

QB「…暁美ほむら、君はこの現実をどうにかしたいかい?」

ほむら「っく…?」

QB「今の君になら資格がありそうだ」

ほむら「資格って…?」

QB「僕と契約して魔法少女にならないかい?暁美ほむら」

QB「契約の対価として、なんでも一つ願い事を叶えてあげる」

ほむら「え!?」

QB「魔法少女たちは皆、魔女と戦う見返りとして自らの願いを叶えてきている」

QB「佐倉杏子とてしかりだ」

ほむら「それじゃ、私があなたと契約すれば…」

QB「勿論、どんな願い事でも叶えてあげられるよ」

ほむら「だったら、だったら佐倉さんを生き返…」

ほむら(生き返らせたとして、またあの魔女がやってきたらどうなるの…?)

ほむら(私でも戦えるの?)

ほむら「ねえ、QB」

QB「なんだい?」

ほむら「魔法少女って、皆佐倉さんみたいに強いの?」

QB「それは人によるよ」

QB「才能だけで強力な力を持った子もいれば、努力で強くなる子もいる」

QB「残念ながら君には潜在能力はあまり感じられない」

QB「努力して強くなっていくしかないね」

ほむら(だったら…)

ほむら「私は、私はもう一度やり直したいっ」

ほむら「もう一度佐倉さんとの出会いをやり直して、こんな結末を変えたい!」

ほむら「また楽しい思い出を共有したい…」

QB「…」

QB「契約は成立だ。君の祈りは、エントロピーを凌駕した」

QB「さあ、解き放ってごらん。その新しい力を!」

ほむら「ウッ」

ほむら(私の中からソウルジェムが…)

ほむら(まぶしい…意識が……遠く)



ほむら(…)

ほむら(いつもの…天井…)

ほむら「ここ…病院?」

ほむら(…)

ほむら(そっか、全部夢…)

コロン

ほむら「…じゃなかったんだ」

ほむら(ソウルジェム、魔法少女たる証)

ほむら「佐倉さん、ごめんなさい」

ほむら「私約束破っちゃいました」

ほむら「だけど、私はもう一度あなたと暮らしたい」

ほむら「会いたいよ…佐倉さん…」

外伝組は出るんだろうか

~学校~

早乙女「今日は皆さんに転校生を紹介します」

ほむら(佐倉さん隣町って言ってたけど、どの隣町かわからない…)

早乙女「じゃ、暁美さん、いらっしゃい」

ほむら(佐倉さんの正確な住所を聞いておけばよかった…)

早乙女「はい、それじゃあ自己紹介いってみよう」

ほむら(あの魔女が現れるまで待つしかないよね…)

早乙女「あの、暁美さん?」

ほむら「あ」

ほむら「暁美ほむらです。宜しくお願いしますっ」

早乙女「暁美さんは、心臓の病気でずっと入院していたの。みんな助けてあげてね」

クラスメイト「「ハーイッ」」

ほむら(前のときはすごく不安だったけど、今は違う)

ほむら(佐倉さんが私に勇気をくれたから…)

~休み時間~

女子A「暁美さんって、前はどこの学校だったの?」

ほむら「東京の、ミッション系の学校です」

女子B「部活とかやってた?運動系?文化系?」

ほむら「特にはしてませんでした」

女子C「すんごい長い髪だよね。毎朝大変じゃない?」

ほむら「大丈夫です、もう慣れちゃいましたから」

ほむら(そろそろ早乙女先生が割って入ってきて…)

???「暁美さん」

ほむら(廊下で行方不明者の話を聞かされて…)

???「保健室、行かなきゃいけないんでしょ?場所わかる?」

ほむら「ええと…って、え??」

???「みんな、ごめんね?暁美さん、休み時間には保健室でお薬飲まないといけないの」

ほむら(この子は誰?前のときは一度も見なかったのに…)

???「皆悪気は無いんだけど、転校生なんて珍しいから」

???「はしゃいじゃって♪」

ほむら「あ、あの…」

???「そんなに緊張しなくていいよ?クラスメイトなんだから!」

まどか「私、鹿目まどか。まどかって呼んで」

ほむら「!」

ほむら(鹿目さんって…あの保険委員の!?)

ほむら(たしか魔女の結界に迷い込んで死んじゃったんじゃ…)

まどか「暁美さん?」

ほむら「あっ、ご、ごめんなさい」

ほむら「暁美…ほむらです」

まどか「ほむらちゃんって呼んでいいかな?」

ほむら「あ、はい」

ほむら(もしかして、私が魔法少女になったことで未来が変わったのかな…)

ほむら(まさか佐倉さんがいなくなったなんてことはないよね…?)

まどか「ほむらちゃんの名前ってさ、格好良いよね?燃え上がれーって感じでさ」

ほむら「!」

ガシッ

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむら「鹿目さんっ、佐倉さんって人知らないですか?佐倉杏子さん」

まどか「さくら…さん?えーっと…、ごめん、聞いたことないよ」

ほむら(そっか…偶然、だよね)

まどか「えーっと、ほむらちゃん?」

ほむら「あ、ごめんなさいっ」

パッ

ほむら(思わず肩つかんじゃった…)

まどか「いいよ、気にしないで。大事な人?佐倉さんって」

ほむら「うん、とても…とても大事な人です」

まどか「そっか。じゃぁ、今度お知り合いの人に聞いてみるね!」

ほむら「はい、お願いします」

ほむら(あせらなくてもいい、まだ時間はあるんだから…)

~放課後~

ほむら(でもやっぱり不安だ…)

ほむら(時間が巻き戻ったのはいいけど、この世界自体が少しおかしくなってる)

ほむら(本当に佐倉さんに会えるの?)

ほむら(もしこの世界に佐倉さんがいないのだったら、私は…)

???「「いっそ、死んだほうがいいよね」」

ほむら(そう、その時はいっそのこと… !?)

ほむら「えっ!?まさか」

ほむら(空間が変わる…魔女の結界!?)

ほむら(そんなっ、前回は何日か後のはずだったのに!)

ほむら(だけどっ)

ほむら「私だって、私だって魔法少女になったんだ」

ほむら「佐倉さんのように戦える!」

パァァァァ

ほむら(佐倉さんには槍の武器があった。私にも武器があるはず!)

ほむら「よし、行く…え?た、盾?」

ほむら「ぶ、武器は?何か、何かないの!?」

ほむら「!」

ほむら(魔女が迫って!?)

ほむら「たぁっ(盾を投げるしかない!)」

スカッ

ほむら「あ。。」

ほむら「嫌…こないで…」

ほむら「いやぁぁぁぁぁぁ」

ほむら(佐倉さん…助けて!!!)

バシュッ バシュッ バシュッ

ドドドドドド

ほむら「!?」

???「間一髪、ってところね」

ほむら(え?だ、誰?この金髪の人…)

???「もう大丈夫だよ、ほむらちゃん」

ほむら「あ、あなた…鹿目さん!?」

まどか「いきなり秘密がばれちゃったね」

まどか「クラスの皆には…内緒だよ!」

ほむら「たぁっ(盾を投げるしかない!)」
キラ「トールゥゥ!」

???「大丈夫?」

ほむら「あ、はい。助けていただいて、ありがとうございました」

まどか「それにしてもびっくりだよ」

まどか「まさかほむらちゃんも魔法少女だったなんて!」

ほむら「私は…まだなりたてなんです…」

QB「はて?僕には君と契約した記憶はないんだけど」

まどか「え?そうなの?」

ほむら「…」

???「何か事情があるようね、とりあえず、うちにいらっしゃい」

マミ「わたしは巴マミ、見滝原中学3年生、あなた達の先輩よ」

ほむら「!」

ほむら(巴…マミ!!?)

ほむら「あのっ、巴さん!」

マミ「?何かしら」

ほむら「佐倉さん…佐倉杏子さんってご存知ですか!?」

マミ「!あなた、どこでその名前を…」

ほむら「やっぱり…!」

マミ「詳しい話を聞きたいわね。とりあえず行きましょうか」

~マミさんのお部屋~

マミ「はい、どうぞ。お口に合うかどうかわからないけど」

ほむら「ありがとうございます」

まどか「マミさんの入れるお茶とケーキ、すっごくおいしいんだよ!」

マミ「鹿目さんったら」

ほむら「本当だ、おいしいです!」

マミ「うふふ、ありがとう」

マミ「それじゃ、早速だけど、あなたのこと、聞かせてもらえるかしら」

ほむら「…」

ほむら(どうしよう…、正直に『未来からきました』って言ってもいいのかな?)

マミ「?」

ほむら「私は…病気を治してもらうために魔法少女になりました」

ほむら(嘘、ついちゃった… やっぱり言えないよ、あんなこと…)

ほむら(本当のことを言ったら、きっといろいろと追求される)

ほむら(そのことでまた未来が変わったら、佐倉さんと会えなくなっちゃうかもしれない)

ほむら(そんなのは嫌だ)

まどか「心臓の病気だっけ?よかったね、元気になって」

マミ「なるほど。それで最近魔法少女になったばかりってことね」

ほむら「あのっ、さっきも聞きましたけど、佐倉さんは…」

マミ「…、あなたがどこで佐倉さんのことを聞いたのか知らないけど」

マミ「あの子と会うのは、やめておいた方が良いと思うわ」

ほむら「!?ど、どうしてですか!?」

マミ「昔ね、私は佐倉さんと一緒に魔女退治をしてたことがあるの」

ほむら「!」

マミ「私が先生であの子が生徒みたいな関係で。家族思いのとてもいい子だったわ」

マミ「でもね、ある日佐倉さんのご家族が皆亡くなってしまったの」

ほむら「え!?」

ほむら(妹さんだけでなく、ご両親も??)

マミ「複雑な事情みたいで…本当の詳しい話までは聞かせてもらえなかったんだけど」

マミ「それで彼女、心を閉ざしてしまって…」

マミ「何度も話し合ったんだけど、結局物別れになっちゃったの」

ほむら「そんな…」

マミ「佐倉さん、いまでも他人を拒絶してると思うの」

マミ「何とか昔みたいに一緒に戦いたいんだけどね…」

ほむら「…」

>ドラマCD
だいたいそんな感じです

ほむら(佐倉さん、そんなこと私に話してくれなかった)

ほむら(多分、私が気にかけることを嫌がって…)

ほむら(私、本当の佐倉さんのこと、何もわかってなかった…)

マミ「佐倉さんについてはそんなとこかしら」

まどか「ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「あ、はいっ」

まどか「ほむらちゃんの魔法ってどういう力なの?」

マミ「これから共同戦線を張るとしても、仲間の能力は知っておきたいところね」

ほむら「えっと、それは…」



ほむら(私の能力は『時間停止』および『収納』だった)

ほむら(だった、というのはその時まで私にもよくわかってなかったからで)

ほむら(あの盾をいろいろと動かしてたらわかってきた)

マミ「なるほど、時間停止能力か。たしかに強力よね」

まどか「すごいすごい、ほむらちゃんすごい!」

ほむら「で、でも私には武器なんて持ってないし、扱いもできないし…」

マミ「それじゃあ、爆弾なんてどうかしら?」

ほむら「ば、爆弾!?」

マミ「時間停止中に魔女の周りにセットしておいて、停止解除とともにドカンって」

まどか「あ、なんかゲームで見たことあります」

ほむら(たしかに、それなら私でも戦闘の役に立てるし)

ほむら(たしか作り方もどこかのサイトにのってたような…)

ほむら「少し、考えて見ます…」

~3日後:魔女結界内最深部~

まどか「いよいよ魔女との戦いですね」

マミ「ええ。ただ、かなり強力な魔力を感じるわ」

まどか「はい」

ほむら(爆弾もたくさん準備してきた)

ほむら(魔女の手下相手にも十分通用したし、これなら勝てるかも)

マミ「いくわよ!」

まどか・ほむら『はいっ』

マミ「暁美さん!」

ほむら「はいっ」

カシャッ

ほむら(持ってきた爆弾のうち半分をセット)

ほむら(タイマーを作動させて、カウントダウン)

ほむら(5,4,3,2,1…)

カシャッ

ほむら「0!」

ドォォォォォン

ほむら「やった!?」

マミ「まだよ!火力が足りてない!」

まどか「そんなっ、あんまり効いてないよ!」

マミ「それなら私の必殺技で…」

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ドゴォォォォォン

まどか「ああっ、避けられちゃった!」

マミ「タフな上にすばしっこいわね…」

QB「あれはメタルなスライムの魔女、逃げ回るのが早い上に外装が硬い!」

マミ「鹿目さんっ、弾幕射撃!」

まどか「やってます!でもほとんど避けられる上に当たっても効かないです!」

マミ「せめて足止めだけでもできれば…」

QB「このままじゃ魔力を消耗する一方だ。どうする?」

ほむら「あのっ」

マミ「?」

ほむら「私に考えがあります。巴さん、手を貸してください!」

マミ「ええ、いいわよ。でもどうやって…」

ハシッ

マミ「!ど、どうしたのいきなり手を掴んで ///」

ほむら「時間停止!」

カシャッ

マミ「…!?私、止まってない?」

ほむら「時間停止時に私と触れているものは、時間が止まらないみたいなんです」

ほむら「ただ、一度でも手を離すと時が止まってしまいます」

ほむら「だから、この状態でもう一度さっきの技を使ってください!」

ほむら「回避不可能な距離から!」

マミ「そういうことなら任せて!」

ギュッ

ほむら「あっ ///」

マミ「今日の私は一味違うわよ!反動が大きいから、しっかり掴んでいてね!」

ほむら「はいっ」

マミ「ティロ…」

マミ・ほむら『フィナーレ!』

ドッ

ほむら(距離をとって…今だ!停止解除)

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女「みゃぁぁぁぁぁぁ」

まどか「え?あ、やった!魔女を倒した!どうやったの?ほむらちゃん、マミさん!?」

マミ「うふふ、私と暁美さんのヴァリアブル・コンビネーションは完璧よ」

ほむら(また変な名前を…でも、これなら大火力を直撃させることができる!)

マミ「愛と友情のツープラトンともいうのかしら!?」

まどか「ハハハハ、マミさんってば」

ほむら(巴さん、ちょっと変な人なんだ)

ほむら(そういえば佐倉さんの使ってた「ロッソ・ファンタズマ」ももしかしたら…)

マミ「とにかく、今の戦い方ができれば『ワルプルギスの夜』も倒せるんじゃないかしら」

ほむら「!ワルプルギスの夜…」

マミ「暁美さんには話していなかったわね」

マミ「これから先近いうちに、最強の魔女とも呼ばれる『ワルプルギスの夜』がやって来るの」

マミ「それまでの間に私たちの戦力を整えることが最重要課題だったわけ」

まどか「ほむらちゃんも仲間になったし、これでバッチリだね」

マミ「できれば近距離タイプの仲間も欲しいところだけど…」

ほむら(近距離…、佐倉さんだったらぴったりなのに…)

QB「その点については少しあてがあるよ」

まどか「QB、それ本当?」

QB「ああ、もちろんさ。君達が良く知っている人物だよ」

ほむら「!(ま、まさか、佐倉さん!?)」

さやか「これからの見滝原市の平和は、この魔法少女美樹さやかちゃんがガンガン守りまくっちゃいますからね~」

さやか「よろしくぅ!」

まどか「さやかちゃん魔法少女になったんだ!一緒に頑張ろうね!」

マミ「ふふ、心強い戦力ね」

ほむら「…」

QB「どうしたんだい?何か不服かい?」

ほむら「いいえ、別に…」

~4日後:隣町との境界線付近~

さやか「あんたとペアでパトロールって初めてだよね、ほむら」

ほむら「はい、美樹さん。今日も頑張りましょう」

ほむら(美樹さんははきはきと元気が良くて楽しい人だ)

ほむら(佐倉さんに似てるかな…)

ほむら「あの、美樹さんは何で魔法少女になったんですか?」

さやか「え?と、突然どうしたの?そんなこと聞いて」

ほむら「いえ、ちょっと気になったので…気を悪くしたらごめんなさい」

さやか「いいっていいって。そうだなぁ、ほむらの願いと同じみたいな感じかな」

ほむら(!ドキッ)

さやか「知り合いにさ、怪我しちゃった子がいるんだよね」

さやか「そいつはさ、バイオリンを弾くのがとてもうまくて将来を有望視されてたんだ」

さやか「だけどそんな矢先に交通事故にあっちゃって、手が動かなくなって…」

さやか「自暴自棄になる姿を見て、私まで辛くなってきちゃってさ」

>>1
今何割くらい?

>>248
大体7割少々くらいで、一気に駆け抜ける予定です(´・ω・`)

ほむら「美樹さん…」

さやか「それにもう一度、あいつの演奏が聞きたいって思ったの」

さやか「だからQBにお願いしたのさ。恭介の手を治してくれって」

ほむら「恭介?同じクラスの上条君のこと?」

さやか「あっ ///」

ほむら「クスッ、美樹さん、上条君のことが好きなんですね」

さやか「そそそそそんなことないぞ!あいつはさぁ、そう!腐れ縁なんだよ!」

ほむら「でも、本当に思いを寄せる人でなければ、魔法少女になってまで願いを叶えるなんてできないですよ」

さやか「ん~、まぁ、そうなんだけどさ ///」

キィィィン

さやか「これはっ!?」

ほむら「結界のようですね、でもこの気配は魔女の手下かもしれません」

さやか「どっちでも一緒さ!平和を脅かすやつはちゃんと倒さないと!いくよ」

ほむら「はいっ」

???「…」

???「私の縄張りに別の魔法少女が入ってきたようだな」

???「しかも魔女の手下を潰そうとしてるし」

???「いっちょ立場をわからせてやる必要があるみてーだな!」

さやか「ほむら!そっち!」

ほむら「はいっ」

カシャッ

ほむら「エイッ」

カシャッ

ドォォォン

ほむら「!爆弾が効いてない?」

さやか「いや、効いてるけど倒しきる前に分裂しちゃってる!」

ほむら(ううっ、また奥に逃げてく…)

ほむら「ずいぶんと奥の方まできちゃいましたね」

さやか「ひょっとしたらこの先に魔女本体がいるかもしれないね」

さやか「!動きが止まった。今なら畳み掛けられる!」

ほむら「美樹さん!」

さやか「いくよ!おおおおおおっ」

ギィィィンッ

さやか「!?」

???「人の縄張りに入ってくるわ、魔女の手下を殺ろうとするわ、とんだど素人だな」

さやか「!誰だよあんた!」

ほむら「あ…、ああ…」

???「人に物を聞くときはまず自分から名乗るのが礼儀じゃねーか?」

さやか「いきなり刃を向けてくる奴に礼儀なんて関係ないよ」

???「ったく、躾がなってねーなぁ」

ほむら「あああああ…」

???「?」

さやか「ど、どうしたの?ほむら」

ほむら「佐倉さんっ!!」

杏子「ああ!?なんで私の名前知ってんだ?」

さやか「ほむら、あいつ知り合い?」

ほむら「よかった…また会えたんだ…っ」

ダッ

さやか「おいほむら、ちょっと!危ないっ!」

ヒュンッ

ほむら「!」

杏子「これ以上近づくんじゃねぇ、何者だ?あんた」

ほむら「私です!暁美ほむらです!」

杏子「ほむらぁ?んな名前聞いた事ねーぞ」

ほむら(そんな…やっぱり私以外の人の記憶はなくなっているの!?)

杏子「そんなことより、あんた達には一度教育が必要のようだね」

さやか「くっ、あんたこそ、同じ魔法少女の癖になんで敵視するのさ!」

杏子「人の縄張りまでグリーフシード狙いに魔女狩りしてる奴の台詞じゃねーな」

杏子「しかもグリーフシードを落とさねえ手下にまで手を出してやがる」

さやか「!魔女の手下でもほっといたら人に危害を加えるじゃないの!」

杏子「わかってねえな」

杏子「手下に何人か人間食わして魔女にしてから狩れば、グリーフシードが手に入るじゃねえか」

さやか「あんた…その発言だけは絶対に許せない」

杏子「許されなくて結構だよ。いくよ!」

さやか「!ぐっ」

ほむら「ちょっと待って、美樹さん!佐倉さん!」

ギィン バシュッ ガガガガガ

さやか「!(つ、強い!?)」

杏子「ちゃらちゃら踊ってんじゃねーよ!うらぁっ」

さやか「!?」

ドォォォォォォォン

さやか「ああああっ」

ほむら「美樹さん!?」

杏子「所詮ひよっこだね、そのまま串刺しにしてやんよ」

杏子「終わりだよ!」

ほむら(危ないっ時間をとめ…)

>使い魔
orz しまった…
ご指摘感謝です

さやか「なーんて、ね」

杏子「!?」

ドガァッ

杏子「避けた…だと!?」

杏子(全治3週間くらいはかましたはず!すぐに動けるわけがねえ!)

さやか「私の特性は『回復』、ある程度の傷なら魔力を持ってすぐに回復できるんだよ」

杏子「くっ!(まずい、身動きがとれねえ!)」

さやか「串刺しの件、お返しだね」

ヒュン!

ほむら「待って!」

カシャ

カシャ

さやか「!?」

杏子「!?」

杏子「あれ?なんでこんなにあいつと離れてるんだ??」

さやか「…ほむら、あんた時間止めたでしょ」

ほむら「…」コク

さやか「どういうつもり!?あんたどっちの味方なのさ!」

杏子「なめた真似を…、真剣勝負に水さすんならぶっ潰すぞ!?」

ほむら「っ!?」

ほむら「…」

杏子「おい、何とか言えよ?」

ほむら「…っく」

杏子「黙ってないでさっさと…」

ほむら「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

杏子「え!?ちょっおいっ、何で泣くんだよ!?」

さやか「ほ、ほむら?どうしたの?」

ほむら「ううううううっ…」

杏子「…まいったな、あんまりに想定外だ」

さやか「うん…」

ほむら「っく、ごめ…んなさい… っく」

さやか「こっちこそごめん、まさかそんなに傷つけたとは思わなかった」

杏子「…」

ほむら「せっかく…佐倉さんと会えたのに…」

ほむら「美樹さんとも仲良くなったのに…っく」

ほむら「傷つけあうなんて…こんなの絶対おかしいよぉ…」

杏子「魔法少女同士のいざこざなんて別に珍しくも…」

ほむら「うううっ」

杏子(だぁぁぁ、面倒くせぇ!)

さやか「と、とりあえず一時休戦ってことでどう?」

杏子「…仕方ねえ」クルッ

杏子「そんじゃぁな、もうこっちの縄張り荒らすんじゃねーz…」

ガシッ

杏子「おいっ、すそ掴むなって」

杏子「これ以上何か用があるのかよ!?」

ほむら「話を…私の話を聞いてください…っ」

杏子「聞くことなんてねーよ、大体私はあんたのこと知らないから…」

ほむら「私はっ、私は未来から来たんです!」

杏子「…」

さやか「…」

杏子・さやか『はぁ?』

~見滝原市:たいやき屋前~

店主「はい、おまちどうさん」

ほむら「ありがとうございます」

スッ

ほむら「あの、これ…」

さやか「ありがと」

杏子「…」

ほむら「こし餡たいやきです…嫌いですか?」

杏子「んなこたぁねーよ。1番の好物だ」

ガシッ

杏子(モグモグ)

杏子「!う、うめえ。今まで食べてきた中で一番の味だ」

ほむら「よかった…佐倉さん、ここのたいやき好きだったから…」

杏子「…あのさぁ、よくわかんねーけど」

杏子「私は以前にあんたに会ったことがある、そうかい?」

ほむら「正確には…今とは違う時間軸です」

さやか「んー、そこらへんよくわかんないんだけどさ」

さやか「仮に未来から来たとして、あんたはどうやって時間移動したのさ」

ほむら「QBにお願いしたんです、もう一度やり直したいって」

ほむら「佐倉さんとの出会いをもう一度やり直して、また楽しかった日々を共有できるようになりたいって」

さやか「あんた、病気を治すのが願い事じゃ…」

ほむら「ごめんなさい、あれは嘘なんです」

さやか「んー、どうして嘘なんかついたの?別に私ら軽蔑するわけでもないのに」

ほむら「怖かったんです」

ほむら「正直に話すことで、未来が変わってしまうことが怖かったんです」

杏子「私はいったい、あんたの何だったのさ?」

ほむら「それは…」

ほむら「命の恩人で、最初の、最高のお友達でした」

杏子「でし…た?」

ほむら「私、昔心臓の病気を患って入院してたんです」

ほむら「退院後に見滝原市に転校してきたんですけど全然友達ができなくて」

ほむら「勉強もだめ、運動もだめ、何をやっても人の迷惑かけてばかりで」

ほむら「そんな時、魔女に襲われていた私を助けてくれたのが佐倉さん、あなたでした」

杏子「…」

ほむら「魔女のこと、魔法少女のことを聞いて、私にも何かできることがないかって思って」

ほむら「あなたの手助けができるようお願いしたんです」

杏子「…そっちの私はずいぶんと丸くなってたようだな」

さやか「それで、どうなったの?」

ほむら「一緒にパトロールして」

杏子「普通の人間には危険すぎるじゃねえか。よく許したな…」

ほむら「一緒に私の家で暮らして、一緒にお風呂に入って、一緒に寝ました」

杏子「そうか…って、えええええ!?? ///」

さやか「ぶはっ」

杏子「ちょちょちょっと待てよ!嘘だろ?嘘だと言ってよ!?」

ほむら「本当です(キッ)」

ほむら「佐倉さん、私のこと妹みたいだって言ってくれました」

杏子「!…そんなことまで知ってんだな」

ほむら「その日から毎日がとても幸せでした。いつまでもずっと続くと思ってました」

ほむら「でも、ある日、最強の魔女『ワルプルギスの夜』がやってきました」

さやか「ワルプルギスって、マミさんの言ってた…」

ほむら「佐倉さんは私を、私の街を守ると言ってくれました」

ほむら「大切な友達を守るって…」

杏子・さやか「「…」」

ほむら「見滝原市は被害が最小限にとどまりましたが、佐倉さんは、死んでしまいました」

ほむら「私は、私は街なんかよりも佐倉さんが救われて欲しかった」

ほむら「佐倉さんに生きていてほしかった」

ほむら「だからQBにお願いしたんです」

さやか「あんた…、結構辛い目にあってきてたんだな」

杏子「…」

ほむら「佐倉さん、お願いです」

ほむら「どうか私たちと一緒に戦ってください」

ほむら「『ワルプルギスの夜』を倒すにはあなたの力が必要なんです!」

ほむら「あなたと一緒にいたいんです…」

杏子「…、事情はわかったよ」

杏子「あんたがどれだけ私のことを大切に思ってくれてたかは、十分に伝わった」

杏子「でもな、どう判断するかは私が決めることだ」

杏子「もう、帰ってくれ…」

ほむら「そんなっ、佐倉さ…」

ガシッ

ほむら「!?」

さやか「もういいだろ?ほむら」

さやか「あんたも悪かったね、いろいろと引き止めて」

杏子「いいさ、縄張りに入った件も、結局結界が見滝原とこっちの間にまたがってたせいだしな」

ほむら「美樹さん!」

さやか「あんたの話はちゃんと聞いたよ、ほむら」

さやか「あとはあいつ次第だ」

さやか「信じるか信じないか、動くか動かないかはあいつが決めることだ」

さやか「これ以上、あんたのわがままを押し付けるもんじゃない」

ほむら「…はい」

ほむら「ごめんなさい、佐倉さん」

杏子「…いいってことよ」

ほむら「さようなら」

杏子「…」

~マミさんのお部屋~

マミ「そう、そんなことがあったの…」

ほむら「ごめんなさい…嘘、ついてて」

マミ「いいのよ、暁美さん」

まどか「そうだよほむらちゃん!仕方ないよ」

ほむら「ありがとう、ございます…」

マミ「でも暁美さんの話から言って、『ワルプルギスの夜』はかなり厄介な様ね」

ほむら「はい…」

さやか「大丈夫、私たち4人ならきっと何とかなるって!」

まどか「そうだね!さやかちゃん」

ほむら「はい」

マミ「皆で頑張りましょう!」

ほむら(一緒に戦えなくても、また会える…)

ほむら(生きてさえいてくれればいつだって会えるんだから…)

~3週間後~

まどか「あれが…ワルプルギスの夜…」

さやか「で、でかいって」

マミ「なるほど、桁違いの魔力ね」

ほむら(大丈夫、作戦はしっかりと立ててきた!今度こそあいつを倒す!)

マミ「皆、準備はいい!?」

まどか・さやか・ほむら「はいっ」

マミ「行くわよ!」

~ほむホーム前~

杏子「…、巨大な魔力の波長を感じる」

杏子「『ワルプルギスの夜』か…」

QB「杏子、君は戦わないのかい?」

杏子「…」

QB「それにしても今日の君の行動は実に不可解だ」

QB「前に行ってたたいやき屋はいざ知らず、洋服店や見滝原の学校に足を伸ばすなんて」

QB「おまけにこうして暁美ほむらの家の前で1時間近く立ち止ってる」

QB「わけがわからないよ」

杏子「…、お前には関係ないよ、QB」

QB「まぁ、僕にとっては君達が勝とうが負けようがどちらでもいいんだけどね」

杏子「ふっ、そういう奴だったな、あんたは」

QB「?」

~対ワルプルギス戦~

マミ「くっ、ティロ・フィナーレ!」

ドガァァァァ

まどか「そんなっ、直撃してるのに効いてない!?」

マミ「あの周りにいる影みたいなのが邪魔をしているんだわ!」

さやか「それなら直接切り込んでしまえばいい!」

さやか「はぁぁぁぁっ」

まどか「さやかちゃん後ろ!」

さやか「え?」

カシャッ

カシャッ

ズドドドドド

ほむら「間に合ったっ」

さやか「助かったよ、ほむら」

まどか「とても近寄れる雰囲気じゃないよ!」

さやか「こうなったらほむら、私を掴んだまま時間停止して!」

ほむら「どうするんですか!?」

さやか「時間停止して懐までもぐりこみ、一気に切りつける!」

ほむら「でも一撃で倒さないと反撃が!」

マミ「私たちが援護射撃するから!」

まどか「でももうグリーフシードのストックがないです!マミさん」

マミ「ぐっ、魔力の消耗もおさえないといけないのね…」

ほむら「一か八かでもやってみましょう!」

マミ「暁美さん、わかったわ、それじゃぁ…!?暁美さん!?」

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「ほむら!」

ほむら「…え?」

ほむら(何?この巨大ビルは…)

ほむら(避けなきゃ、でもどうやって?)

ほむら(そうだ、時間停止だ…)

ほむら(止めな…)

ドォォォォォォォン

まどか「ほむらちゃぁぁぁぁん!」

ほむら(ああ…間に合わなかったんだ…)

ほむら(私、死んじゃったんだ…)

ほむら(やっぱり私、皆に迷惑かけてばっかりだ)

ほむら(死ぬ前に一度、もう一度佐倉さんに会いたかったな…)

???「ぼんやりしてんじゃねーぞ、ほむら」

ほむら「…え?」

杏子「一緒に『ワルプルギスの夜』を倒すんじゃなかったのか?」

ほむら「あ…あああ…」

杏子「ったく、いつまでも世話のかかる奴だな」

杏子「この貸しはたいやきで返してもらうぜ。今度はカスタード味も付けてな」

ほむら「!?佐倉さん、記憶が…以前の記憶が戻ったの!?」

杏子「ああ、ほむら」

杏子「この前あんたらと別れてから妙に引っかかることがあったんだ」

杏子「今日になってふとあのたいやき屋に行きたくなってな」

杏子「そしたら、あんたとの出会った最初の日、最後の日のことを断片的に思い出してな」

杏子「あんたと行った洋服店、あんたの帰りを待った学校、そしてあんたの家」

杏子「全部回ってようやく以前の記憶が戻ったんだ」

ほむら「佐倉さんっ…っく」

杏子「おいおい、こんなときに泣くなって」

ほむら「奇跡は…本当にあるんですね」

杏子「半分はな。でももう半分はほむら、あんたの功績だ」

ほむら「え?」

杏子「あんた、言ってたよな?願い事は私との出会いをもう一度やり直して、また楽しかった日々を共有できるようになりたいって」

ほむら「うん」

杏子「どうやら『楽しかった日々の共有』の所も願い事に盛り込まれていたようだ」

杏子「曖昧な表現な上に、もう一度繰り返すというメインの目的があったせいで、記憶にロックがかかってたみたいだけどな」

ほむら「そうだったんだ…」

杏子「まぁ、何あともあれ、まずは…」

スッ

ほむら「え?」

バチッ

ほむら「あいた!(デコピン!?)」

杏子「約束破った罰だよ。魔法少女にならないって約束したのにさ」

ほむら「…うん」

杏子「そんでこれが私の分」

バチッ

ほむら「!?(自分で自分にデコピン!?)」

杏子「カチューシャ、返せなかったからな」

ほむら「あ・・・」

杏子「これで貸し借りなしだ!さぁ、さっさとあいつを倒しに行こうか!」

ほむら「っ…はいっっ!」

ゴゴゴゴゴゴ

まどか「そんな…ほむらちゃんが…」

マミ「暁美さん!暁美さん!?無事なら返事してっ」

杏子「ほむらなら無事だよ」

マミ「!?」

マミ「あ、あなた…佐倉さん!?」

杏子「へへ、お久しぶり、マミさん」

マミ「っ!」

マミ「佐倉さん、あなた…」

杏子「もう、過去のことはいいんだ」

杏子「いつまでも過去にとらわれてちゃ先に進めない」

杏子「だから私はもう一度やり直したいと思ってる」

杏子「また、一緒に戦ってくれる?」

マミ「ええっ!…勿論よっ!!」

さやか「あんた、来てくれたんだ!」

杏子「ああ、あの時はいろいろ迷惑かけたな」

さやか「お互い様だって」

杏子「今度は一緒に戦って欲しいんだけど」

さやか「勿論!よろしくな!杏子!」

杏子「ああ、さやか!」

まどか「ええっと…」

杏子「あんたが鹿目まどかかい?」

まどか「あ、うんっ」

杏子「佐倉杏子だ。宜しくな」

まどか「あなたがほむらちゃんの言ってた大切な人だったんだ」

まどか「ほむらちゃんがラブラブな♪」

杏子(…おい、あいつに何話したんだ?)

ほむら(へ、変なことは話してないけど…)

まどか「宜しくね♪杏子ちゃん!」

杏子「ああ、こちらこそ」

マミ「それじゃぁ、作戦を立て直すわね」

さやか「でもグリーフシードがもう無いから、制限付か…」

杏子「おいおい、魔力温存して倒せる相手じゃねえぞ?あいつは」

まどか「でもこれ以上魔力を使っちゃうと…」

ドサドサドサッ

マミ「こっ、これは…」

さやか「大量のグリーフシード!?」

杏子「今まで有事の際に備えてストックしてきた奴さ」

杏子「これだけあれば出し惜しみなくあいつをぶっ潰せるだろ?」

マミ「でもこれはあなたの…」

杏子「気にすんなって、一緒に戦う仲だろ?」

杏子「こいつを倒したあと、ゆっくり返済してもらえば良いさ!」

さやか「一応は返さないといけないんだね」

杏子「当たり前だろ?」

ほむら「クスッ」

杏子「おいおい、笑ってる場合じゃないだろ?」

ほむら「ごめんなさい、昔を思い出しちゃって」

マミ「これならいけるわ!とっておきの必殺技もあるしね!」

杏子(まーた変な名前付けてんだろーなぁ…)

杏子「さて、どうやら『ワルプルギスの夜』は空気を呼んで攻撃してこなかった様だ」

マミ「私たちの友情パワーに怖気ついたのかしら?」

さやか「杏子とほむらのラブラブパワーじゃないの?」

まどか「ねーっ」

ほむら「///」

ワルプルギスの夜「HAHAHAHAHAHAHAHAHA」

まどか「あ、笑い出した」

さやか「それじゃぁ、行くとしますか」

マミ「超魔女バスターズ、始動ね!」

杏子「マミさん、そのダサいネーミングは…、ま、いっか。」

ほむら「ふふふ」

マミ「いくわよ!皆!!」

まどか・ほむら・さやか・杏子「「はいっ」「おうっ」」

~Epilogue~

ほむら(…)

ほむら(う~ん…、今何時だろ)

ほむら(!もうお昼だ)

ムクッ

ほむら「ふぁぁ~、寝すぎちゃった…」

ほむら(『ワルプルギスの夜』との戦いから数日)

ほむら(私は今布団の中にいる)

ほむら(あの夜、私たちは『ワルプルギスの夜』を撃退した)

ほむら(ただ、QB曰く完全に消滅できたわけでなく、あくまで撃退したということらしい)

ほむら(とにもかくにも、大きな被害もなく、私たち5人も健在だ)

ほむら(事後処理があるといってマミさんとQBはしばらく現場を歩き回ってたけど)

ほむら(それも落ち着き、今日祝勝会を開く予定になっている)

ほむら(鹿目さんも、美樹さんも、それぞれの生活に戻り連絡を取り合っている)

ほむら(そして、佐倉さんは…)

杏子「私はただひたすらに強くあろうとした
    そこに生きる理由があると信じていた」

ほむら「・・・・・・」

杏子「ようやく追い続けていたものに手が届いた気がする」


杏子「魔法少女、その称号はお前にこそ相応しい・・・」

ほむら「きょ 俺「杏子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」





                            -完-

杏子「ふぅぁぁぁぁ…むにゃむにゃ」

ほむら「おはよう、佐倉さん」

杏子「おー、おはよう、ほむら」

ほむら「今日は祝勝会だから忙しいよ?」

杏子「そうだったな、うまい食事にありつけるんならなんだっていいや」

ほむら「ふふ」

ほむら(佐倉さんはあれから私の家で暮らしている)

ほむら(以前と同じ様に)

杏子「なー、ほむら」

ほむら「何?佐倉さん」

杏子「いい加減、その『佐倉さん』ってのやめてくれない?」

ほむら「え?」

杏子「なんかよそよそしくて嫌なんだけど」

ほむら「ごっ、ごめんなさい」

ほむら「じゃ、じゃぁ。なんて呼べば」

杏子「きょ・う・こ」

ほむら「え?」

杏子「下の名前で呼んで欲しいってこと」

ほむら「そ、それは…(何か、恥ずかしい ///)」

杏子「嫌なら絶交だかんな」

ほむら「ええっ!?」

ほむら「呼ぶ!ちゃんと呼ぶから!!」

杏子「ふふっ。んー、それじゃぁ」

杏子「ほむら」

ほむら「き…き…」

杏子「ははっ、緊張すんなって」

なでなで

ほむら「あっ… ///」

杏子「これからも宜しくな、ほむら」

ほむら「うん、杏子!」

~Fin~

長々とした文章となってしまいましたが、読んで頂いた皆様、ありがとうございました。
杏ほむが書きたい一心でいろいろと話を練ってました。
終盤少し急ぎすぎたような気もしましたが、書きたい事は書ききることができました。

普段はネタ4コマとかネタ絵しか書いたことなかったのでシリアス系の文章の難しさに苦労しました。
裏話1
誰かが魔女化して3ループ目というのがありましたが、これ以上長くなるのもアレなのでカットしました
裏話2
Epilogu2という形でもう少しだけ文章続く予定でしたが、ハッピーエンドで終わらせたかったのでカットしました
まどマギ要素で書いていないアレ化です(上のでばればれですが)。さやさや。

どうもありがとうございました!
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2231973.jpg

乙乙乙+

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